2025年03月10日 予算決算委員会
令和7年第1回予算決算委員会
予算決算委員会会議録
開催年月日 令和7年3月10日(月)
開催場所 予算決算委員会室
出席委員 47名
落 水 清 弘 委員長 村 上 博 副委員長
寺 本 義 勝 委員 大 嶌 澄 雄 委員
村 上 麿 委員 瀬 尾 誠 一 委員
菊 地 渚 沙 委員 山 中 惣一郎 委員
井 坂 隆 寛 委員 木 庭 功 二 委員
村 上 誠 也 委員 古 川 智 子 委員
荒 川 慎太郎 委員 松 本 幸 隆 委員
中 川 栄一郎 委員 松 川 善 範 委員
筑 紫 るみ子 委員 井 芹 栄 次 委員
島 津 哲 也 委員 吉 田 健 一 委員
齊 藤 博 委員 田 島 幸 治 委員
日 隈 忍 委員 山 本 浩 之 委員
北 川 哉 委員 平 江 透 委員
吉 村 健 治 委員 山 内 勝 志 委員
伊 藤 和 仁 委員 高 瀬 千鶴子 委員
小佐井 賀瑞宜 委員 田 中 敦 朗 委員
高 本 一 臣 委員 西 岡 誠 也 委員
田 上 辰 也 委員 三 森 至 加 委員
浜 田 大 介 委員 井 本 正 広 委員
大 石 浩 文 委員 田 中 誠 一 委員
坂 田 誠 二 委員 澤 田 昌 作 委員
満 永 寿 博 委員 紫 垣 正 仁 委員
藤 山 英 美 委員 上 野 美恵子 委員
上 田 芳 裕 委員
議題・協議事項
(1)議案の審査(41件)
議第 2号「令和7年度熊本市一般会計予算」
議第 3号「同 国民健康保険会計予算」
議第 4号「同 母子父子寡婦福祉資金貸付事業会計予算」
議第 5号「同 介護保険会計予算」
議第 6号「同 後期高齢者医療会計予算」
議第 7号「同 農業集落排水事業会計予算」
議第 8号「同 産業振興資金会計予算」
議第 9号「同 競輪事業会計予算」
議第 10号「同 植木中央土地区画整理事業会計予算」
議第 11号「同 奨学金貸付事業会計予算」
議第 12号「同 公債管理会計予算」
議第 13号「同 病院事業会計予算」
議第 14号「同 水道事業会計予算」
議第 15号「同 下水道事業会計予算」
議第 16号「同 工業用水道事業会計予算」
議第 17号「同 交通事業会計予算」
議第 34号「熊本市職員の退職手当に関する条例の一部改正について」
議第 37号「熊本市附属機関設置条例の一部改正について」
議第 38号「熊本市一般職の職員の給与に関する条例の一部改正について」
議第 39号「熊本市職員特殊勤務手当支給条例の一部改正について」
議第 40号「熊本市長等の給与に関する条例の一部改正について」
議第 41号「熊本市議会議員の議員報酬、期末手当及び費用弁償に関する条例の一部改正について」
議第 42号「熊本市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正について」
議第 43号「熊本市企業管理者の給与に関する条例の一部改正について」
議第 44号「熊本市教育長の給与等に関する条例の一部改正について」
議第 45号「熊本市一般職の任期付職員の採用等に関する条例等の一部改正について」
議第 46号「熊本市宿泊税条例の制定について」
議第 47号「熊本市都市公園条例の一部改正について」
議第 48号「熊本市立学校の教育職員の給与に関する条例の一部改正について」
議第 53号「熊本市病院事業企業職員の給与の種類及び基準を定める条例の一部改正について」
議第 56号「熊本市上下水道事業企業職員の給与の種類及び基準を定める条例の一部改正について」
議第 60号「熊本市交通事業企業職員の給与の種類及び基準を定める条例の一部改正について」
議第 61号「熊本市軌道条例の一部改正について」
議第 78号「包括外部監査契約締結について」
議第 88号「財産の取得について」
議第 90号「特定の事務を取り扱う郵便局の指定の一部変更について」
議第 91号「熊本市国民健康保険条例の一部改正について」
議第 92号「熊本市・城南町新市基本計画(城南地域)及び熊本市・植木町新市基本計画(植木地域)の一部変更について」
議第 93号「財産の取得について」
議第 94号「財産の取得について」
請願第1号「市長はじめ特別職の給与・報酬の引上げ中止を求める請願」
午前10時00分 開会
○落水清弘 委員長 ただいまから予算決算委員会を開会いたします。
本日の審査に入ります前に、3月5日の本会議において提案されました議第91号「熊本市国民健康保険条例の一部改正について」、議第92号「熊本市・城南町新市基本計画(城南地域)及び熊本市・植木町新市基本計画(植木地域)の一部変更について」、議第93号、議第94号「財産の取得について」及び請願第1号「市長はじめ特別職の給与・報酬の引上げ中止を求める請願」については当委員会に付託されましたので、お知らせいたします。
これより、議案の審査に入ります。
本日は、当初予算及び関連議案に関する総括質疑を行います。
通告状況につきましては、一覧表のとおりとなっております。
なお、質疑に当たっては、項目ごとに答弁者を御指名いただきますようお願いいたします。
それでは、予算決算委員会運営細目の発言順に従い、順次質疑を行います。
これより自由民主党熊本市議団の質疑を行います。持ち時間は70分となっております。
まず、小佐井賀瑞宜委員の質疑を行います。
〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕
◆小佐井賀瑞宜 委員 皆様、おはようございます。自由民主党熊本市議団、小佐井賀瑞宜でございます。しばらくお付き合いいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
まず冒頭に、今回の予算案の上程に当たり、私の率直な見解を交えながら質疑に移ってまいりたいというふうに思っております。
昨年10月に財政局から庁内各局に対し、令和7年度の予算編成の基本方針と作業の具体的進め方が提示されましたが、この内容につきましては、1年前の令和6年度の予算編成とほぼ類似した方針であったというふうに記憶いたしております。注目すべきはこども政策、経済、都市基盤と交通とインフラ、GX、DX、そして人材投資と、まさにタイムリーな視点を重んじた特質的内容で構成されている点であります。
この総評につきましては、昨年同様の好感度を得られるものであるというふうに考えておりますが、現時点においては、中期的な動向を見極めた後に見解を見出すのが適切と判断いたしておりますので、本年9月の決算期に捉われることなく、しばらくは一定の評価にとどめたいと考える次第であります。
ただし、今回提示された予算案と令和6年度予算と比較した場合、全体的に令和6年度の予算は新しい節目のスタートとして試行的部分も含んだもののように感じたところでございましたけれども、今般の予算案は未来予想図を具現化するための基礎固めに通じる大胆さを感じております。
個別事業につきましても、その概要を拝見すると、昨年をベースとした初期段階であるにもかかわらず、事業の変動も著しく、新規・拡充の事業も数多く見受けられましたので、それぞれの事業にかける決意の強さを感じております。
そこで、冒頭にお尋ねいたします。
特質的内容を含んだ令和7年度の予算は、昨年度からの流れの中で計画性や継続性並びに事業効果や経済効果を望んで構成されたと思いますが、市長から見て、特段、意を用いた点を含め、総括的な御所見をいただきたいと思います。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 令和7年度当初予算は、第8次総合計画における8つのビジョンを柱に予算を編成いたしますとともに、アクションプランに掲げます「慢性的な交通渋滞の解消」、「半導体関連企業の熊本進出に伴う諸課題への対応」、「総合的なこども施策の推進」の3項目を重点事項として設定いたしまして、予算を重点配分いたしました。
特に半導体関連企業の熊本進出に伴う交通渋滞対策については、県と連携して取り組みますとともに、熊本西環状道路の整備などハード・ソフト両面での取組を進めますほか、戦略的な企業誘致による地域経済の活性化、地下水保全の取組や安心・安全なこどもの居場所の増設など、熊本の未来を担うこどもたちを中心とした取組を強化することといたしました。
このほか、新庁舎整備や現庁舎跡地の利活用の検討など、新庁舎整備を契機としたまちづくりの推進、全国初の取組となります全大腸内視鏡検査の無償実施、公共施設等の長寿命化への取組など、昨年の総括質疑における議員の御意見等を踏まえ、本市が抱える課題解決のための予算も配分したところでございまして、本市が目指す上質な生活都市の実現に向け、全力で取り組んでまいります。
〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕
◆小佐井賀瑞宜 委員 私といたしましては、いずれの事業も大変興味深く、有効性の高い予算案であるというふうに感じております。
なお、予算編成時に当初、財政局は、一般会計の数値的フレームを4,100億円弱と示されておりましたけれども、査定を経て提示されたのが約100億円増の4,200億円弱で、過去最高値を更新いたしております。このことから、財政局のみならず、各局ともに時代と地域事情に即した積極的な投資姿勢に留意されている背景が浮かび上がってまいりました。
昨年の決算審査以降、緻密な予算編成の指針を示した財政局と予算査定前の政策立案作業に多くの労力や時間を費やしてこられた各局、各課の情景を想像すると、改めて敬意を表したいというふうに思います。そして、執行部の皆さん方の御奮闘によって、ネガティブ志向の強い市場経済からの脱却が実現するよう願っております。
さて、その期待がかかる予算全体は、総論として歓迎すべきものというふうに感じておりますけれども、これから先に登壇される議員の皆様からも、各論的な様々な御意見や御指摘もあることかと思います。そして、私も何点か気を留めた部分がございましたので、その前段としてお尋ねさせていただきたいと思います。
私の留意点は2点です。
1つが、各局における事業でスクラップ化された事業内容と執行状況、そして、もう1つが、新規拡充された事業の予算規模であります。
そこで、各局の予算要求状況と財政局の査定状況を確認するため、まず令和7年度当初予算案・要求状況一覧表を拝見させていただきました。やはり興味深いのは、査定区分によるC・D・Eに該当する事業です。特に新規事業として認められている一方で満額回答に至らない事業も時折見受けられ、各局の当初の意向が反映されていない背景について気になったところであります。
そこで、分かりやすく議論を進めるために、私が目をとめた20事業のうち、印象の深かったものを5点ほど掲げてお尋ねさせていただきます。
予算要求状況一覧の8ページ、文化市民局の地域コミュニティセンターに関する予約システム関連経費と運営支援事業、24ページのこども局、こども・若者意見反映経費、41ページ、43ページ、44ページの都市建設局、中心市街地活性化推進経費、住環境整備促進調査経費、技術人材育成・DX推進事業、これらの事業の基本構想と今後の対応についてそれぞれ御提示いただきたいと思います。文化市民局長、こども局長、都市建設局長にお尋ねいたします。
〔早野貴志文化市民局長 登壇〕
◎早野貴志 文化市民局長 私からは、地域コミュニティセンターに関する御質問にお答えします。
まず、地域コミュニティセンター予約システム関連経費は、利用者の利便性向上や事務員の負担軽減を図るため、令和2年度から中央区で実施している事業を5区においても展開することを目指したものでありますが、既存のスポーツ施設等の公共施設予約システムへの一元化との比較検討が必要となりましたことから、再検討を行うこととしております。
次に、地域コミュニティセンター運営支援事業につきましては、令和6年第2回定例会で計上した支援金と同様に、最低賃金の上昇による影響を受けた地域コミュニティセンターへの支援に要する経費でありますが、令和7年度の状況を踏まえ、適切な単価を改めて検討し、今後対応することとしております。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕
◎木櫛謙治 こども局長 こども・若者意見反映経費についてお答えいたします。
この事業は、意見表明権などのこどもの権利について市民の皆様に周知、啓発するためのイベント開催や、職員がこどもたちの意見をうまく引き出すための研修の実施などを内容としておりました。このうち、周知、啓発につきましては、リニューアルを予定しております結婚・子育て応援サイトを活用いたしますとともに、その他のこども施策とも一体的に情報発信することとしたものでございます。この事業によりまして、まずはこどもたちが意見を言いやすい場の設置や意見表明のサポートを行うことができる職員を育成し、こども施策への意見反映を推進してまいります。
〔秋山義典都市建設局長 登壇〕
◎秋山義典 都市建設局長 私からは、都市建設局の3つの事業についてお答えいたします。
まず、中心市街地活性化推進経費は、イベント等を企画運営する広場ニストの育成スクールの開催やイベント等の主催者と広場ニストとをつなぐシステム構築の業務委託等を行うものでございます。
このうち、システム構築につきましては、職員による両者の仲介等の対応を図ることとしております。
次に、住環境整備促進調査経費は、近年の半導体関連企業の進出による移住者の増加等や交通ネットワークの整備状況を踏まえまして、将来的に住宅需要の高いエリアを特定いたしますとともに、市営住宅の老朽度を確認いたしまして、計画的な市営住宅の配置を検討するものでございます。
このうち、市営住宅の老朽度確認につきましては、職員のマンパワーも含め、代替手法により実施することとしております。
最後に、技術人材育成・DX推進事業は、公共建築物等に係るコスト縮減や技術人材の育成を進めるため、新規事業としてデジタル技術導入や新技術研究等の取組を行うものでございます。
このうち、技術研修経費につきましては、当局の研修予算や事業者団体との連携等で対応することとしております。
〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕
◆小佐井賀瑞宜 委員 概要は理解いたしました。
御説明のとおり、査定状況から見受けられるのは、予算でカバーできること、できないこと、別手法でカバーできることなど、様々な事情、背景があるものと考えます。予算は減額されても別の手法によって事業の有益性が発揮されれば問題視する必要はないわけでございますけれども、単純発想で恐縮ながら、事業資金の目減りによって事業や実施者の推進力の低下につながらないのか、一抹の不安がよぎったところでございました。
担当課としては、いずれも有益性の高い事業と見込んで予算要求を実施されたことというふうに思っておりますけれども、査定の段階で事業、構想そのものが委縮したのではないかと若干不安視したところでもありました。特に一例を挙げれば、先般の高校生議会での状況を振り返り、こども局のこども・若者意見反映経費などについては、事業予算はともかくもっと積極的に取り組むことを望みたいというふうに思っております。
若者の意見を尊重し、少しでも政策に反映されることができれば、こどもたちは地域への愛着を育み、ひいては地域を担う人材へと変貌する可能性さえ秘めた事業になり得るというふうに考えます。人への投資については重く受け止めていただきますようお願いしたいというふうに思います。
さて、それでは、ただいまの見解に絡めまして、核心的な部分である人的資源に関する予算について見解を求めたいと思います。
今回の予算を精査するに当たり、多くの資料を拝見し、特に気がかりになったことがあります。それは、地域力と予算の関係です。先ほどの地域コミュニティセンターに係る経費に目が引かれたのもそのためでございます。
また、地域力に直結する人的資源は、自治会役員、民生委員、消防団員、保護司、そのほか任意団体を含め多くのボランティア活動に従事されている方々が該当いたします。それぞれに地域の下支えの要と言えるでしょう。その皆さん方の必要性については、総合計画を基軸に重要視されております国土強靭化地域計画、防災関連計画、地域福祉計画など、様々な資料の中で必ずと言ってよいほど地域力を高めるとの方針が随所に見受けられます。そして、今般の議会でもその関連予算が多く計上されております。
しかし、一方では、地域力を高めるための人材育成は後継者不足という大きな課題にも直面しております。そして、この課題を克服するための具体的な指針は、ややかすんだままのように感じている次第です。このことは、先般の本会議で上田議員や多くの議員の皆さん方が指摘されていたとおりでございます。地域の役割は増加傾向にある中で、予算が比準していないというのが率直な感想でございます。
今後の自治会活動においては、くまもとポイント事業の活用を契機としてモチベーションアップを図ろうと検討されているようでございますが、早急な課題対応を迫られる中、この一、二年で当事者に好影響をもたらすことができるのか、いまだ不安が残ります。
また、このたびは新しく民生委員協力員の活動支援経費も計上されておりますけれども、有効な問題解決策につながるのか、いまだ疑義が生じております。
そこで、地域力向上を目指したこれらの事業予算が人材の獲得や育成に通じる予算として有益性を発揮できるのか、今後の展望について、文化市民局長と健康福祉局長の見解をいただきたいと思います。
〔早野貴志文化市民局長 登壇〕
◎早野貴志 文化市民局長 くまもとポイント事業につきましては、令和6年度は試用期間として取り組み、市主催の美化活動をはじめ震災対処訓練や熊本城マラソンなど、多くの方々にボランティア活動に参加いただき、年度末で目標の1万9,000ダウンロードを達成する見込みでございます。令和7年度からは、本格運用としてポイント付与対象活動の範囲を自治会やNPO法人が主催するボランティア活動などに拡充するとともに、本事業への企業協賛を募り、電子クーポンの発行や協賛品等によるインセンティブの強化を図ることとしております。
加えて、高校生や大学生がボランティア活動を行う際に、就職や就学時に活用できるボランティア活動証明書の発行もできることなどを周知することで、若い世代の地域活動への参加を促し、将来の地域の担い手づくりにつなげてまいりたいと考えております。
〔林将孝健康福祉局長 登壇〕
◎林将孝 健康福祉局長 民生委員協力員活動等経費につきましては、人口減少社会の急速な進展等に伴い、本市民生委員・児童委員の確保が喫緊の課題となる中、本年度策定する第5次地域福祉計画・地域福祉活動計画において、民生委員の負担軽減や担い手確保を推進する新たな取組として、その早期実現に向けて令和7年度当初予算に協力員活動経費所要額を計上しております。
サポートを必要とされている民生委員に協力員を配置し、見守り活動や高齢者サロン等の活動全般の負担軽減等を図っていくことは、民生委員の活動継続への下支えや将来の担い手確保につながることから、持続可能な地域福祉活動の実現に向けた有効な取組であると考えております。
今後中長期的な人材確保等の観点から、本制度の着実な推進を図りますとともに、計画の成果指標に基づく適切な効果検証を行ってまいります。
〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕
◆小佐井賀瑞宜 委員 御提示いただきまして、ありがとうございました。
私観で恐縮でございますけれども、地域振興に資する人材の発掘や育成は、現況の仕組みだけでは既に限界に達している感が否めません。ただ、地域のネガティブキャンペーンを発しても問題解消にはつながりませんので、問題の根幹から見極めたいというふうに思っております。
地域を担う人材不足はいつの時代でも叫ばれていたというふうには思っておりますが、昨今ではその機運が一層強くなったというふうに感じます。現役の行政職員や議員に対しても、団体への加入や役員への就任依頼が寄せられ、否定しにくい機運が顕著に表面化しているのは象徴的です。本来、ボランティア活動は、無理なく自らの信念に基づき展開されるべきものであるはずです。しかしながら、家庭状況、就業形態、時間、所得など、他人には容易に語れない多くの個別事情が存在する中で、地域活動の推進との整合が図れない社会機運に多くの方が苦慮しているものと推察いたしております。そして、この問題はそれぞれの地方の課題というふうに受け止められがちでございますけれども、本来の責任はやはり政府にあるというふうに私は考えます。なぜなら、その代表的理由が2つ存在いたしております。
1つは、戦後の家族制度の崩壊から平成までの間に主流化した核家族の進展によりまして、家族間での支え合いのシステムを深刻化させ、対外的な社会活動にまで能力が及ばない点、つまり社会構造の変化に伴ってゆとりを損なった点であります。
2つ目に、誤った財政論が引き金となり、その延長線上に付された「小さな政府」という道筋が緊縮財政を是認し、行政の合理化が進展した結果、地域活動の自立という名目でそれぞれの国民に過剰な負担をもたらした点であります。
昨今では、働き方改革、定年延長が推奨されながらも、一方では、地域活動を強要せざるを得ない機運は、時間の使い方として本当に整合が図られているとは言い難いものがあります。これではボランティアの意義を損ないます。
現在はそれぞれの家庭というコミュニティの単位とその中の安全保障が優先される時代にありまして、どうしても社会的活動に寄与する人材が求められるのであれば、個々の時間の確保はもちろん、ゆとりある所得の安定は必須条件です。しかし、経済は低調期であり、個々の環境やその条件整備がおぼつかない状況下で、個々の積み重ねたリソースを求めるわけですから、地域政策としては社会実情に応じたインパクトの強いインセンティブを付与することは避けられないのではないかというふうに考えたところでございます。
それゆえ、これを打破するためには、地方の政策展開と並行しながら政府に対し地域力を向上させるための財政支援、または政策立案を提唱して、支援の道を開いていただくことが必要であるというふうに思いますが、今回の地域振興に寄与する人材の発掘、育成に関する予算案の上程に鑑み、市長はいかがお考えでございますでしょうか。御所見を賜りたいと存じます。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 全国的に人口減少、少子高齢化の加速に加えまして、地域の連帯感の希薄化などが懸念される中、本市では新たな担い手の確保や活動の活性化に向け、まちづくりセンターを設置するなど、様々な地域課題の解決に取り組んでまいりました。また、先ほど文化市民局長が答弁申し上げましたとおり、今年度からインセンティブ付与につながるくまもとポイント事業を開始したところでございまして、新年度は新たに企業等の協賛も募るなど、インセンティブの強化を図ることとしております。
一方で、委員御指摘のとおり、地域力の向上を図る施策を推進するためには、国による制度の構築や財源の確保も必要となることから、様々な機会を活用して国に対して提言、要望を行ってまいりたいと考えております。
〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕
◆小佐井賀瑞宜 委員 地域支援の予算につきましても、政府に求める役割を交えて問いかけさせていただきましたけれども、執行部の皆さん方にもこの問題意識を高めていただきたいという願いを込めて提起させていただいたところでございました。
そして、現在は社会経済の実情に乗じた支援が強く求められておりますので、事業の質の向上に資するためには、冒頭申し上げましたように、縮減よりも拡大を意識した財政運営に御留意いただきたいというふうに思っております。
さて、今世界の潮流は著しい変革にさらされているというふうに感じているのは私ばかりではないというふうに感じます。国内の経済の不安要素を招いた背景であるグローバリストが提唱してきた環境政策やウクライナ紛争など、新たな合衆国の政権の誕生によって大きな方向転換を図られようといたしております。昨年から注視してまいりました基軸通貨の覇権争いに乗じたブロック経済の再編や中東紛争など、メディアで得られない情報ほど留意しておかなければならないというふうに感じます。
また、このことは世界的にも潮流化している少数与党という政局にどのような影響を及ぼしていくのか、どのような政策転換が求められていくのかなどの基本認識を見極め、今後の政策の正当性を検証する必要がございます。その意味では、学識や一般的な論調だけに依存せず、自らの情報リテラシーを高めて、正しい経済主観を身につけて財政や税制の在り方について議論を重ねてまいりたいと考える次第であります。
特に昨今では、物価高騰のみを懸念材料として事業の縮減を正当化するような論調が当たり前のように提示されがちでございますけれども、財政は物価が上がったから懸念する、下がったから望ましいという単純なものではございません。これはマクロ経済を無視した狭量的視点であり、税制や経済性について度外視した家計簿を見るかのような論調でございます。このことは、失われた30年という負の経済主観を生み出した背景を追及すれば、おのずと理解に達するでしょう。
現在の日本経済は景気が決して過熱状態に至っているわけではございません。だからこそ正常なデマンド型インフレ、いわゆる生産性を伴う賃金上昇が定着するまでは行政の責任として積極的な財政投資が求められます。緊縮財政や人情論を盾とした所得の足引き論調は社会政策に逆行する経済成長の障壁にしかなり得ません。その意味では、本市が進める新庁舎の建設をはじめとするまちづくりや交通対策や人への投資は、経済の好循環をもって市民の安定的な暮らしを担保できるよう、スピード感を持って進めるべき代表的な事案であります。国内の状況はコストプッシュをしのぐサプライロス、すなわち人的毀損による物価高騰が顕著に表面化しておりますので、政府のみならず、地方自治体においても地域ニーズに応じた供給力を高めることを念頭に、技術力や人材投資を基軸とした行政支援を講じるべきと考える次第でございます。ぜひこのことに留意された財政運営が図られますよう願っております。
それでは、私からは以上でございます。
次の審議を同僚議員に委ねたいと思います。お付き合いをいただきまして、ありがとうございました。
○落水清弘 委員長 小佐井賀瑞宜委員の質疑は終わりました。
次に、齊藤博委員の質疑を行います。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 自由民主党熊本市議団の齊藤博でございます。
私の方からは3つの個別事業について質疑をしてまいります。どうかよろしくお願いいたします。
新規事業となります江津湖再生プロジェクト事業についてお尋ねします。
先般の代表質問において、自民党の大石議員が江津湖再生に向けた取組について質問されました。本日はその具体的事業内容について、予算案に沿って改めてお尋ねいたします。
江津湖再生プロジェクト事業は、都市建設局と環境局の局横断事業として予算計上されております。都市建設局は1億円、環境局は1,630万円の予算計上となっております。その具体的事業内容を御紹介ください。
都市建設局、環境局の横断事業ではありますが、環境局長、一括して御答弁ください。
〔村上慎一環境局長 登壇〕
◎村上慎一 環境局長 まず、都市建設局の予算につきましては、近年外来水草の繁茂が特に著しく、在来種など生態系への影響とともに公園利用にも支障を来していますことから、外来水草駆除の取組強化を図るため、既存2そうの水草刈取船に加えまして、新たに1そうの購入費7,800万円を計上いたしております。加えて、水草の陸揚げ場整備費700万円、水草処分費1,500万円を計上いたしております。
次に、環境局の予算といたしましては、江津湖では外来動植物の生息域の拡大に加えまして、健軍川や藻器堀川などからの流入土砂や水草の腐敗物等によるヘドロの堆積に伴いまして、水深の浅場や一部陸地化が見受けられるなど、江津湖本来の自然環境の保全、再生に向けた取組が必要と考えております。
そのため、まずは江津湖の現状を把握するためのサンプリング調査経費といたしまして、湖内の水質や流速、堆積土砂の厚さなどの調査費約1,100万円、魚類や貝類、鳥類などの生き物の調査経費350万円、検討委員会の開催などに要する経費130万円を計上いたしております。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 都市建設局所管分については、水草の除去のために水草刈取船を1そう購入するとのこと、既存の2そうに加え3そう体制にする旨の御説明がございました。私は個人的に民間団体の皆様とともに、毎年2回下江津湖の水草刈りのボランティアに参加しております。正直水草の繁茂著しく、既存の水草刈取船の能力や人海戦術に限界を感じていたところでもありました。新たな水草刈取船の導入は歓迎するところであります。
そこで1つ、公園の管理を所管する都市建設局に要望いたします。
江津湖の環境整備については、様々な民間レベルのボランティア活動が存在しています。ぜひそれぞれの皆さんの活動効果を高めるためにも、行政がボランティア団体などに働きかけを行い、市民による江津湖ボランティア活動として協働することができるよう、大きなネットワークの構築を図っていただけないでしょうか。水草刈取船の作業効率を高めるためにもぜひお願いしたいと思います。
また、環境局所管分については、江津湖におけるしゅんせつの必要性の説明がございました。そして、来年度の予算はしゅんせつ事業を見据えたサンプリング調査や検討委員会の立ち上げに要する費用を計上したとのこと、従前から指摘されている江津湖の水深の変化を考慮すると必要な措置かと考えます。
それでは、ここで改めてお尋ねいたします。
令和8年度以降、江津湖のしゅんせつ事業がどのような段階を踏んで行われていくのか。その見通しをお答えください。
なお、江津湖のしゅんせつ事業は、熊本市が政令市となるまでは江津湖を所管していた熊本県で行われた経緯があると伺っています。その事業規模や実施期間など、確認できる範囲で御答弁ください。環境局長、お願いいたします。
〔村上慎一環境局長 登壇〕
◎村上慎一 環境局長 江津湖におきましては、当時の管理者であります熊本県におきまして、昭和40年代~60年代にかけて、昭和28年の6.26大水害に伴う土砂堆積や家庭雑排水の流入などに伴い、大規模なしゅんせつが実施されております。また、平成4年~平成7年にかけては、水質の浄化、自然環境の改善を図ることを目的といたしまして、10億円を超える事業費をかけ、12万立方メートルに及ぶ大規模なしゅんせつ事業が実施されたとのことでございます。
なお、平成24年の政令指定都市移行に伴いまして、江津湖の管理を引き継いだ熊本市においては、大規模なしゅんせつは実施いたしておりません。
そのような中、江津湖の再生に向けた来年度の取組といたしましては、まずはサンプリング調査の実施により江津湖の実態を把握した上で、有識者、関係者の御意見も踏まえまして、しゅんせつの実施の必要性を含めた次年度以降の対応方針、対応策について策定してまいります。
いずれにいたしましても、江津湖の自然環境の保全、再生に向けた取組は喫緊の課題であり、最優先事項と認識しておりますことから、事業の実施に当たりましては、スピード感を持って取り組んでまいります。
なお、江津湖の環境整備に対する各種ボランティア活動につきましても、市民憩いの場を市民の皆様と共に守っていくために、現時点において詳細は未定ではございますけれども、各種団体への協力依頼や清掃及び水草駆除等、様々な支援に取り組んでまいります。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 熊本県において30年ほど前に10億円を超える予算を執行し、大規模な江津湖のしゅんせつが行われたとのこと、熊本市では経験がなく、江津湖のしゅんせつは一大事業となる可能性があります。すばらしい江津湖の環境を未来の世代に引き継ぐことができるよう、来年度予算を執行する中で慎重な調査や議論を重ねていただきますように改めてお願いしておきます。
次に、中小企業金融対策事業についてお尋ねいたします。
令和7年度の拡充事業として、中小企業者への金融支援5,490万円が計上されております。どのような支援事業なのか、まずお尋ねいたします。経済観光局長、お願いいたします。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕
◎村上和美 経済観光局長 従来の金融対策事業といたしましては、中小企業者の資金調達の円滑化を図るため、本市制度融資に係る信用保証料の軽減や信用保証協会が代位弁済を行った場合の損失補償を実施しているところでございます。令和7年度におきましては、生産性向上や賃上げを目的とした国等の補助金を活用し、物価高騰対策や人材確保などの経営基盤強化に取り組む事業者の資金調達を支援する新たな制度を設けますとともに、その信用保証料の事業者負担率につきましても、現行の50%から25%まで引き下げることで負担軽減を図ることとしております。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 新たな支援策である経営基盤強化のための資金調達支援事業、その対象となる事業者は、生産性向上や賃金引上げを目的とする国や県補助金の交付決定を受けた市内事業者ということでありました。すなわち小規模事業者持続化補助金等の交付決定がなされた事業者が対象となります。
それでは、改めてお尋ねいたします。
その国や県の補助金を利用するための申請条件を教えてください。
また、来年度の新たな支援策、経営基盤強化のための資金調達支援事業に予算をどのくらい割いているのか、教えてください。経済観光局長、お願いいたします。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕
◎村上和美 経済観光局長 補助金を利用するための申請条件につきましては、国や県の補助金によりまして申請条件は異なりますが、事業計画を策定し、設備投資をはじめ専門家の活用や販売促進などにより、生産性向上や賃上げに取り組む事業者を対象としております。
また、新たな支援に係る事業費といたしまして、令和7年度に1,100万円を計上しておりまして、約80件の利用を見込んでいるところでございます。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 今般計上された経営基盤強化のための資金調達支援事業、設備投資を条件とし、予算事業1,100万円程度というのは余りにも規模が小さいと思います。経済効果も極めて限定的と言わざるを得ません。
昨今物価高騰に苦しむ中小企業者が増加していることは明らかであります。商品や資材の仕入れ、人件費の高騰に苦しむ市内事業者に向け、本市として大胆な金融支援策を検討してもよいのではと考えます。ぜひ運転資金に対応できる金融支援を求めます。熊本市が用意する制度融資に物価高騰に対応した利子補給を約束する新たな融資枠を創設できないでしょうか。
コロナ関連利子補給事業の過去の実績を紹介しつつ、物価高騰に対応した事業者向けの新たな利子補給型制度融資の創設について御見解をお尋ねします。大西市長、お願いします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 コロナ関連融資に対する利子補給は、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用いたしまして、令和2年度~令和6年度まで、延べ2万2,400事業者の皆様に対しまして約40億円の利子補給を実施しております。物価高騰に対応した金融支援につきましては、既存の市制度融資において運転資金も対象としながら、指定都市の中でもトップクラスの信用保証料の補給を行っているところでございまして、また、国においては、民間金融機関と信用保証協会との協調融資によります特別保証制度が今月14日に創設されますことから、まずは両制度の利用を促しながら、引き続き事業者ニーズや国の動向等を注視してまいります。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 コロナ禍においては2万2,400事業者に対し約40億円の利子補給を実施したとのこと、財源確保の観点も踏まえ、単純に比較することはできませんが、現在物価高騰に苦しむ事業者の皆さんのためにも、運転資金に対応できるインパクトのある新たな利子補給型制度融資の創設をぜひ御検討ください。
なお、3月に国より物価高騰対策としての新たな特別保証制度が創設されるとのこと、その保証制度に対し、利子や保証料の補給を本市独自でやってもよいのではないでしょうか。重ねてお願いしておきます。
次にまいります。
令和7年度交通事業会計当初予算についてお尋ねいたします。
令和7年度の交通事業会計における事業収益は29億7,000万円、前年度比較で、プラス4億5,000万円となっています。収入が前年に比べ大幅に改善します。その大きな要因は2つ、1つは運賃の値上げ、もう1つは一般会計補助金の増額であります。熊本市電では、本年6月から運賃を180円から200円に値上げしたいと考えております。その影響額は1億9,000万円、これが1つ目の増収要因、もう1つの増収要因は、一般会計からの補助金であります。その額は6億1,200万円、前年比プラス2億1,900万円となります。
一方で、事業費用は26億2,400万円、前年度比較でプラス1億3,600万円にとどまります。線路や電路、車両の維持補修費用に至っては、前年度比マイナス860万円、昨年1年間で多くのインシデントや運行トラブルに見舞われたにもかかわらず、当初予算では維持補修費用、いわゆるメンテナンス費用は前年比マイナス計上となっております。また、全体で捉えると、収益的収支、すなわち最終利益に相当する部分はおよそ3億5,000万円、運賃を値上げし、多額の一般会計からの持ち出しが行われた結果、3億5,000万円の利益が出る予算編成となっています。
交通事業会計が大変厳しく、財務状況を改善しなければならないということで、電車を御利用いただく皆様方に20円の運賃値上げをお願いするはずです。また、熊本市一般会計からの繰出金は6億1,200万円、利益を3億5,000万円計上する企業に6億1,200万円もの補助金を繰り出す必要があるのか。
一方で、考え方を変えれば、3億5,000万円の利益相当分は、安全運行を実現するためにも、例えば設備メンテナンス事業の予算にもっと配分できないのでしょうか。
交通事業管理者の御見解を求めます。
〔井芹和哉交通事業管理者 登壇〕
◎井芹和哉 交通事業管理者 ただいまの数点の御質問にお答えいたします。
まず、長期的な設備投資等をあらわす資本的収支については約5.1億円の不足が生じており、仕組み上、この赤字分は基本的に収益的収支の当年度純利益や内部留保資金等で補填することとなっております。また、企業会計は、将来の退職金支給に備えて退職給与引当金を計上することが義務化されており、平成29年度の包括外部監査において、当該引当金を計上するよう指摘を受けた経緯もありますことから、必要額である約6億円を確保しなければなりません。
令和7年度末の資金残高を試算いたしますと、これら所要額を確保するためには、前年度からの繰越金や内部留保資金等に加えて令和7年度の純利益で約3.5億円が必要であり、今回の黒字計上は妥当なものであると考えております。
また、一般会計からの運行支援につきましても、物価高騰等の観点から最大限配慮いただいておりますが、それでもなお安全対策や処遇改善に不足する状況でございまして、200円への運賃改定が必要でございます。市民や利用者の皆様には御負担をおかけすることとなり、大変申し訳なく思いますが、何とぞ御理解をいただきたいと存じます。
なお、車両保存費には修繕費等の通常のメンテナンス経費のほか、廃車や車検にかかる費用が含まれており、来年度は廃車や車検の対象車両数が減少いたしますことから、車両保存費としては減額となっておるものでございます。全体のメンテナンス費用は増額しておりまして、今後も引き続き安全・安心な運行につながるよう予算面においても優先的に措置してまいります。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 利益を計上し、キャッシュフローを確保し、次の軌道整備や車両購入等の設備投資に充当したいとの見解を持たれていることは十分に理解できます。しかし、資金繰りを充足する手段は、利益の計上のみならず、借入れ等の別の手段もあるはずです。ぜひ資金調達の手段については様々な選択肢を御検討いただきますようにお願いしておきます。
熊本市交通局は公営企業法に基づく公営企業であり、独立採算が大前提、健全な運営が大原則であります。熊本市電の安全に対する信頼は、昨年の度重なる運行トラブルによって大きく損なわれました。脱線事故も2件発生しております。耐用年数30年を超える軌道が全体の44%に達しています。車両も老朽化が著しく、60年を超える車両が全体の50%を超えています。設備のメンテナンス事業費に多くの資金が必要であることは明らかであります。設備のメンテナンス事業に早急に対応しなければならないこの時期に、資金調達などの観点から交通事業は公営企業として運営されることが妥当なのか、少なくとも当面の期間、すなわち軌道整備を含む設備のメンテナンスが一定のレベルに追いつくまで、交通事業会計を、すなわち交通局を市長事務部局へ編入してはいかがでしょうか。
そうすれば、一般会計からの繰出金ではなく、電車関連の設備投資は全て一般会計にて行うことができるようになります。繰出しをする際の公営企業法に基づくルールを考慮する必要もなくなります。柔軟性のある予算編成が可能となるのではないでしょうか。
延期とはなりましたけれども、交通事業については上下分離方式が採用されることとなっています。上物は財団法人が運営、設備管理を行う下物は、従前どおり公営企業が運営する予定となっています。改めて申し上げますが、当面下物の運営は、安全運行のためにも軌道整備を含む設備メンテナンスにめどがつくまで市長事務部局にて所管されたほうがよいと考えます。市長に御見解をお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 上下分離後の下物の会計制度につきましては、令和4年度に作成いたしました制度設計の中で比較検討しておりまして、基準内繰出しに対する国の交付税措置や充当率100%の公営企業債の起債が可能といった財政的なメリットがあること、また、収支区分が明確化し経営分析が可能なこと等から、現行体制下と同様に企業会計が最適な会計制度と判断したところでございます。
今後安全の再構築に向け、交通局経営計画や軌道運送高度化実施計画を見直す中で、独立採算制の原則を踏まえつつ、一般会計による支援の在り方の検討も深めてまいります。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 市長、熊本市電を取り巻く環境というのは、今改めて大きく変わっております。公営企業のメリットは、財政的視点や収支区分が明確となり、経営分析が可能であるとの見解でありました。これは市長のおっしゃるとおりだと思います。ただし、現在検討されております上下分離方式においては、上物法人は独立採算が前提となる財団法人として運営されます。収支区分は明確であり、経営分析は十分に可能であります。上物は財団法人で運営、下物は市長事務部局の交通局が運営する。この交通局編入案も、今後の上下分離検討の際には選択肢の1つとしてぜひ御検討いただきますように改めてお願いを申し上げておきます。
私がさせていただく質疑は以上でございます。御清聴ありがとうございました。
○落水清弘 委員長 齊藤博委員の質疑は終わりました。
次に、荒川慎太郎委員の質疑を行います。
〔荒川慎太郎委員 登壇〕
◆荒川慎太郎 委員 総括質疑、自由民主党熊本市議団3番手を務めます荒川慎太郎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは早速、予算関係資料の中から4点質疑を行ってまいります。
まずは、令和7年度当初予算予算決算委員会説明資料96ページの防災に関する事業予算についてお尋ねいたします。
昨年の総括質疑でも同様の質問を行いましたが、防災に関して予算が拡充されている事業が散見されます。避難行動促進関連経費は、令和5年度785万円、令和6年度1,540万円、令和7年度9,170万円、防災基本条例推進経費は、令和5年度450万円、令和6年度1,840万円、令和7年度2,730万円、指定避難所等機能強化事業は、令和5年度1,900万円、令和6年度1億3,980万円、令和7年度1億8,750万円と、大幅な増額がなされております。
以上、3事業の拡充内容と複数年度にわたって増額が続いている背景について御説明ください。
また、関連事項を併せてお尋ねいたします。
同じページの避難所運営委員会活動支援事業予算は、令和5年度525万円、令和6年度546万円、令和7年度558万円となっております。さきに述べました3事業と比較してごく微増にとどまっておりますが、この点についての理由をお聞かせください。政策局長にお尋ねいたします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 令和7年度予算において拡充となりました3点の事業につきまして、拡充内容についてお答えいたします。
まず、避難行動促進関連経費につきましては、令和6年12月に国・県から公表された白川洪水浸水想定区域図の変更に伴うハザードマップの刷新による増額のほか、県の津波到達時間の公表を踏まえた津波避難困難地域の設定に要する経費を新たに計上したものでございます。
次に、防災基本条例推進経費につきましては、「熊本地震の日」周知啓発事業や避難行動要支援者に対する個別避難計画の作成に要する経費を増額したものでございます。
3点目の指定避難所等機能強化事業につきましては、貯水機能付給水管の設置に係る工事費の増額及び防災井戸、避難場所標識設置に係る調査に要する経費を新たに計上したものでございます。
これらの事業について、複数年度にわたって予算増に至った背景でございますが、熊本市防災基本条例の理念に基づき、災害時における避難所生活環境の向上、地域防災力の強化を着実に進めることで、真に災害に強いまちの実現を目指すためのものでございます。
また、避難所運営委員会活動支援事業でございますが、これは避難所運営委員会に対し、マニュアルの作成、訓練の実施、防災に関する会議の開催などに応じて上限3万円を助成するものでございまして、助成の対象となる避難所運営委員会の新規結成を見込み、微増となっているものでございます。
〔荒川慎太郎委員 登壇〕
◆荒川慎太郎 委員 予算の増額されている事業に関しては、それぞれハザードマップの刷新、個別避難計画の作成、貯水機能付給水管や防災井戸、避難場所標識の設置等、必要な事業に充てられているということでした。
これは、昨年6月第2回定例会において、私からの質問に対して、大西市長が防災災害対策の充実強化について、国に対しても積極的に働きかけ、全国の先駆けとなるような事例についても取り組んでいくと答弁された内容を実施するためにも必要不可欠であり、今後も真に災害に強いまちづくりの実現に向けて事業展開を行っていただけることに期待したいと思います。
一方、避難所運営委員会活動支援に関しては、新規結成を見込んでの微増とのことでした。しかしながら、この3万円という助成額、これは果たして十分といえる額なのでしょうか。私自身、地元の避難所運営委員会に所属し、会議や震災対処訓練等にも参加しておりますが、委員の構成はほぼ自治会や各種団体の役員さん方であり、その方々や事務局を担当される方の労力は大変なものであります。執行部の皆様におかれましては、ぜひお住いの地域の避難所運営委員会に参加していただき、現状を目で見て体験した上で、この助成額が妥当なものであるのか、はたまた増額が必要とみなされるものであるのか、ぜひ見極めていただきますようお願いいたします。
続きまして、予算決算委員会説明資料152ページ、くまもとポイント事業についてお尋ねいたします。
先ほど小佐井委員からもお尋ねがありましたけれども、拡充事業となっており、前年度2,054万円の予算に対し、346万円増の2,400万円が計上されております。私がこのくまもとアプリの利用状況に接したタイミングが、先ほども申し上げました昨年11月に校区で実施された震災対処訓練でした。
避難所の受付でアプリを使っての避難登録をお願いしたのですが、ほとんどの避難者役の方がアプリをダウンロードしていない、もしくは、マイナンバーカードとの連携が取れていないなどの理由で、受付に利用できたのはほんの数名でした。これに関連しまして、くまもとアプリのダウンロード数の推移、アクティブユーザー数についてお聞かせください。文化市民局長、お願いいたします。
〔早野貴志文化市民局長 登壇〕
◎早野貴志 文化市民局長 試用期間でありました今年度のくまもとアプリのダウンロード数の推移につきましては、運用開始後の4月末に約6,000件に達し、その後、毎月約1,000件増加し、2月末時点で約1万8,000件となっております。
また、アプリを開かれた数、いわゆるアクティブユーザーの直近1か月の数は約2,900人でございます。
なお、アプリを利用しボランティア活動に参加された方の数は、梅雨等でイベントが少なかった月が最小の64人、熊本城マラソンが開催された月が最大の584人となっております。
〔荒川慎太郎委員 登壇〕
◆荒川慎太郎 委員 ダウンロード件数が約1万8,000件で、月に1,000件ずつ増加とのことでした。
現在本市の人口は約74万人であります。スマートフォンを所持し、アプリを活用できる年齢であろうと仮定して、15歳以上の人口で割っても約63万人です。これに対して、年間1万2,000件のダウンロード増加、それではこのペースでダウンロード件数が推移したとすれば、どうなるんでしょうか。約50年後には15歳以上の人口をカバーする計算になります。
50年後、私も含めてこの場にいるほとんどの方は存在していないでしょうし、また、どのような運命、社会状況になっているのか想像もつきません。そんなはるか未来にしか普及することができないようなペースであるならば、果たしてこのくまもとポイント事業は有効であうと言えるのでしょうか。
もちろん全ての市民の皆様にダウンロードやアクティブユーザー化を求めるものではないとは思いますが、本気で事業を実のあるものにしようとするのであれば、もっと大胆な予算措置、さらに言うならば、一般財源での予算措置を行い、より効果的な広報活動を展開しなければ、まさに絵に描いた餅となってしまいかねない危うさが容易に予見できる状況であることを強く指摘いたします。
続きまして、同じく364ページ、ナイトタイムエコノミー推進事業についてお尋ねします。
令和6年度の新規事業として実施されましたが、その実施内容と成果、併せて令和7年度の実施予定内容をお聞かせください。経済観光局長、お願いいたします。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕
◎村上和美 経済観光局長 令和6年度のナイトタイムエコノミー推進事業につきましては、2つの取組を実施したところでございます。
まず、夜間景観魅力拡大事業につきましては、秋のくまもとお城まつりの期間中、レーザーライトなどで天守閣を彩り、人の動きに連動する灯りのオブジェを設置するなど、熊本城の夜を楽しめるイベントを実施いたしましたところ、同時開催の「雲上の熊本城」の効果もございまして、熊本城の土日、祝日の夜間平均入園者数は2,553人と、昨年度比約2.5倍と大きく増加いたしました。
次に、観光コンテンツ造成等事業につきましては、居酒屋、スナックなどの飲食店を中心といたしましたガイド付き体験ツアーを造成し、10月~2月にかけて12回実施いたしましたところ、延べ63名の方に御参加をいただきました。
令和7年度の予算額は前年度と同額でございますが、観光コンテンツ造成事業は、民間事業者が同様の事業を検討されておりますことから、本市といたしましては、夜間景観魅力拡大事業に注力し、実施エリアの拡大などによりまして、さらなる誘客と中心市街地への回遊性向上につなげてまいりたいと考えております。
〔荒川慎太郎委員 登壇〕
◆荒川慎太郎 委員 1年前の総括質疑におきまして、新規事業であった本事業に対し、当初予算の4,350万円では不足ではないかという指摘をいたしました。結果、ガイド付き体験ツアーの参加者は僅か63名、さらに、こちらの事業に予算を割いたおかげで、熊本城のレーザーライトアップに関しては、控えめに言って非常に残念な出来でした。
答弁にもありましたように、雲上の熊本城などのコンテンツとの相乗効果で、夜間の入園者数は2.5倍とのことでしたが、予算配分によってはもっと多くの方々に御来場いただけたのではないかと残念に思うところです。とはいえ、観光コンテンツ造成事業を外して夜間景観魅力拡大事業に注力するという方向転換の素早さは、非常に評価すべき点であり、今後の事業展開が楽しみでございます。しかしながら、予算額は前年同様でありまして、1年前に御指摘したとおり十分ではないのではないかという疑念は残ったままでございます。
来年には宿泊税も導入されますことから、より多くの人に熊本を訪れていただき、楽しい思い出をつくっていただけるような取組が充実することに期待いたします。
さて、今回の総括質疑の準備に当たり、予算決算委員会説明資料を昨年度及び一昨年度のものと比較しながらチェックを行い、およそ120項目の質問表を事前に執行部宛てに送付し回答を頂きました。その作業過程において、非常に難儀した点がございましたので、それに関してお伺いいたします。
資料では、各委員会ごと、各局の事業について説明がなされております。ところが、この事業の並び順が都市建設局を除いてほぼ全局において、過去の資料とばらばらに羅列されておりました。この資料は、当初予算の説明資料であり、我々議員が内容をチェックするためにつくられたものと認識しております。その点を鑑みますと、余りの見づらさに何かしら意図的なものすら感じるものがございます。
そこでお尋ねいたします。
この各事業の表記順序は、財政局の指示によるものでしょうか。それとも、各局独自で並べ替えられたものでしょうか。
併せてもう1点、事業内容の欄に、前年度という表記がございますが、記されているのは款、項、目のみでございます。各事業の項目に前年度予算を併記することは、大きな手間ではないと考えますが、この点についてのお考えをお示しください。財政局長、お願いいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 委員お尋ねの予算決算委員会説明資料は、上程した予算案を補足説明する目的で、システムから抽出したデータを基に作成しており、各事業は本市の総合計画の体系に基づいて附番された事業コードの順番で表記されております。
令和6年度当初予算は、第7次総合計画に基づいた事業コードが附番され、令和7年度当初予算におきましては、第8次総合計画に基づいた事業コードが附番されておりますことから、事業の順番が一致しないものとなっております。
なお、事業の性質上、システム内で細分化して管理しているものを事業目的ごとにまとめて表記するなど、各局で個別に並べ替え等を行っている場合もございます。
次に、各事業の項目に前年度予算額を併記することにつきましては、先ほど御説明しましたとおり、予算案を補足説明する目的で作成しておりますことから、予算に関する説明書に沿った様式で作成しております。熊本市予算決算規則に規定する書類の様式等を定める要綱におきまして、予算に関する説明書の様式を定めておりまして、その中で款、項、目ごとの前年度予算額を表記することになっております。各事業の前年度当初予算額を表記するに当たりましては、補正予算に計上した事業や単年度のみの事業、事業内容の見直しによる細分化や統合を行った事業など、単純な比較をすることが難しい事業への対応など、課題はありますものの、議員の御指摘を踏まえ、前年度当初予算との比較ができるよう、様式の見直しに取り組んでまいりたいと存じます。
〔荒川慎太郎委員 登壇〕
◆荒川慎太郎 委員 事業内容については、第8次総合計画だの、事業計画だのといろいろとおっしゃいましたが、資料が見にくくなったという事実は事実でございます。1年前の総括質疑におきまして、我が会派の村上誠也委員から同様の質問がなされており、それに対して、当時の財政局長は、予算決算委員会説明資料につきましても、議会におけるさらなる御審議の充実のため、分かりやすさにも配慮しつつ、情報量の充実に向けて改善を図ってまいりますと答弁されております。この点を鑑みますと、1年を経て、改善が図られたどころか、改悪すらされたという資料になっております。
質問の中でも触れましたが、予算に関する資料のみならず、議会に提出される資料というものは、すべからく我々議員が市民の皆様に代わって市政の運営状況や目的、経過などをチェックするという目的のためにつくられるものであります。そのための資料が見にくい、分かりにくいということになれば、何かしら隠したい内容があるのではないかと疑義が生じるきっかけも出てまいります。
執行部の皆様におかれましては、その点十分御留意の上、今後も分かりやすく見やすい資料づくりを心がけていただきますようお願いいたします。
財政局長からは、前年度当初予算との比較ができる様式の見直しに取り組まれるという答弁を頂きましたので、来年の資料の完成度に期待いたしております。
以上で、私からの質疑を終了いたします。
続いては、我が会派の若きベテラン、田中敦朗議員にバトンをお渡しします。
執行部の皆様、御答弁ありがとうございました。
○落水清弘 委員長 荒川慎太郎委員の質疑は終わりました。
次に、田中敦朗委員の質疑を行います。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 若きベテラン、自由民主党熊本市議団の田中敦朗でございます。花粉のせいでちょっと声も枯れておりますけれども、質疑に入らせていただきます。
今回ちょっと項目が多うございますので、かなり端的に質疑を行う部分もありまして、真意が伝わらない部分もあるかもしれませんけれども、執行部におかれましては、御答弁のほどよろしくお願いいたします。
それでは、まず初めに、出初め式についてお伺いいたします。
現在1月第2週、成人式の前の日に行われております出初め式、御参加された方は十分御存じと思いますけれども、本当に寒くてもう体の芯から冷え込むような状況の中で行われました。
昨年もですけれども、これが地域のどんどやとかぶっておりまして、私の所属する方面隊からは、半分ぐらいの団員がその地元のどんどやに残ったということで、参加者も減ったような状態でありました。ぜひこういった寒い、そして、参加者が制限されるという部分がありますので、3月や4月に変更する、または開催の週を変更するというようなことを検討していただければというふうに思っております。
ほぼボランティアの消防団員が寒風吹きすさぶ中約3時間拘束され、放水担当の分団に至っては、さらに早く集合して、約4時間ほど拘束され、放水した川の水によって、風によってはもう水を浴びてぬれねずみになってしまうというような状況になっている状態です。そういった出初め式の大切さというのは私は十分理解しておりますので、やめようとは申しませんので、開催時期について早急に検討すべきと考えていますが、市長のお考えをお伺いいたします。
併せて、熊本県内の自治体におきましては、1月以外に開催をしている自治体は45市町村中幾つの市町村でしょうか。消防局長お答えください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 本市の消防出初め式は、新春を飾る恒例行事として、決意を新たに1年間の安全を祈願するとともに、消防団員等の士気の高揚と団結、市民の皆様の防火・防災意識の啓発等を目的として、毎年1月に開催をしておりまして、多くの市民の皆様にも親しまれております。1月の開催については、寒い時期での開催となり、また、参加する消防団員をはじめ御来賓や市民の皆様への御負担もあることは承知しており、開催方法等については、これまで様々な機会に消防団の方々と協議をし、決定してまいりました。
議員御提案の3月、もしくは4月への開催時期の変更については、消防出初め式の歴史的な背景や目的等を踏まえつつ、他都市の開催状況や消防団員等の意見を参考といたしまして、開催内容や負担軽減等を含め、調査研究をしてまいります。
〔平井司朗消防局長 登壇〕
◎平井司朗 消防局長 県内の開催状況についてお答えいたします。
熊本県内で1月以外に開催している市町村は、45市町村中8つの市や町であり、そのうち2月開催が2つの市や町、3月開催が4つの町、4月開催が2つの市や町という状況でございます。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 御答弁ありがとうございました。
参考までに、政令指定都市に至りましては、全て1月開催ということでありまして、先ほど消防局長に答弁をしていただいた中で、37の市町村は1月開催ということで、他都市を参考にするのであれば、変更しない可能性が高いのかなというふうに予測をしている次第であります。
1月から変えないのであれば、ぜひどんどやとかぶらぬように、開催の週は変えていただきたいですし、ぜひ消防団員の声を聞いてほしいと思います。
参加していただいた同僚議員や消防団員に個人的に聞きましたところ、8割は寒いから変えたほうがいいというふうにおっしゃっていましたし、残りの2割の方は農家の方で、3月、4月は自分たちは繁忙期になるので、1月のどんどやとかぶらない週にしてほしいといったような声もありましたし、歴史と伝統を鑑みると、やはり1月にしたほうがいいというようなことをおっしゃっておられた方もおりました。歴史、伝統に沿うなら、本来は1月4日に開催すべきでありまして、1月4日、3が日明けたすぐに開催するのも検討の余地はあるのかなというふうに思いました。
何にしてもぜひ、先ほども申しましたけれども、消防団員側に立っていろいろ考えていただきたいと思います。集合時間から逆算してみまして、北区植木、南区城南、西区河内、東区戸島から出てくる団員は、朝何時に分団のところの集会所に集まってくるのかと。そして、一昨年より改善していただいたとはいえ、立って待ちながら消防団員の皆さん、こんなに早く集まる必要あったのかと疑問に思う心中を察していただきたいなというふうに思います。ぜひ団員へのアンケートの実施をよろしくお願いします。
続きまして、ふるさと納税についてお伺いいたします。
これも端的にお伺いします。
熊本市の寄附受入額、令和5年は熊本市は全国で何位で、政令指定都市で何位でしょうか。
また、全国1位の金額と熊本市の金額をそれぞれお答えください。
また、令和7年度予算におけるふるさと納税関連予算について、熊本市の目標額をお答えください。
また、寄附受入額の目標は、公表している政令指定都市の上位、中位、下位のどの位置にいるかお答えください。
宮崎市は大西市長も親しい清山市長に替わり、市長肝煎りの政策として、前市長の際、年間5億円だったふるさと納税額を初年に26億円、2年目56億円、3年目81億円と大きな成果を上げています。宮崎市と熊本市の違いは何だと考えられるでしょうか。政策局長の答弁を求めます。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 本市における令和5年度のふるさと納税受入額は約8億8,000万円であり、全国で313位、指定都市で14位であります。
なお、全国1位の都城市の受入額は約193億8,000万円、指定都市1位の名古屋市は、約117億1,000万円でございます。
次に、本市における令和7年度の寄附受入目標額は13億5,000万円であり、目標額を公表していない自治体もあるものの、指定都市の中では下位に位置しております。
次に、議員御案内の宮崎市との比較、違いでございますが、宮崎市におかれましては、人気返礼品の品切れ防止を徹底しているほか、ふるさと納税を受け付ける専用のポータルサイトを多数設け、窓口を広く確保していると聞いております。
本市におきましても、今年度新たなポータルサイトの導入や返礼品の拡充などに取り組んでおり、引き続き新規事業者の開拓や農水産物の首都圏プロモーションなど、さらなるふるさと納税の受入額増加に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 御答弁いただきましてありがとうございます。
都城市は20倍以上、名古屋市も10倍以上の受入額です。豊かな農水産、畜産物を有する熊本市であれば、まだまだ伸ばすことができるはずですが、目標設定が低い状況でありますし、改善の余地がまだまだあるのではないかというふうに思っております。例えばふるさと納税の事業者、会社の登録機関、他の自治体では1か月でできるところもありますが、確認したところ、熊本市は2か月ほどかかると聞いています。自治体の都合で1か月も遅くなるというのは、機会の損失にほかならず、人員が足りないのであれば、会計年度任用職員で補ってでも1か月でできるようにするべきだと私は考えています。
また、広告費も同様に、令和6年速報値で、令和6年度で熊本市は10億円を超える受入額があるにもかかわらず、広告については委託業者の予算の中に入っており、広告費が単独枠でほぼ充てられていないということをお伺いしました。そういった今後10億円、20億円、30億円と目指していく中で、10億円で1%で1,000万円、20億円で2,000万円です。その程度の広告費をしっかりと確保していくというような市の本気度が分かるような単独の広告予算もぜひ設置していただきたいなというふうに思っております。
宮崎市の大躍進については、答弁いただいたこと以外にも諸要因があるそうでありますけれども、今後高い目標を掲げられることを期待しております。
努力をされているということは評価をしておりますので、さらなる飛躍のための改善を求めて、次の質疑に移ります。
第2期国際戦略推進経費についてお伺いします。
セザンヌ2025展に併せた市民交流についてです。
このたび、2025年春、エクサンプロヴァンスにおいて、セザンヌの旧居とアトリエが再オープンし、6月からグラネ美術館において大回顧展、ジャス・ドゥ・ブファンのセザンヌも開催予定となっています。
これに併せて令和7年度予算において、文化・観光のプロモーションを行う予算が計上されています。世界平和につながる友好姉妹都市との交流、本市発展に通じる観光のプロモーションについては継続的に行うべきであり、今回の予算については大賛成です。ですが、友好姉妹都市との交流で、18年間の議員生活で感じてきたことが1つあります。それは、市民同士の交流が足りないのではないかということです。
そこでお伺いします。
今回の訪問予定の時期と今回のプロモーションの効果をどう考えているか。また、今回市が予算を確保して訪問するのに併せて、多くの市民に呼びかけて、熊本市民が訪仏して、エクサンプロヴァンス市民との交流をする企画をしてはいかがでしょうか。政策局長の答弁を求めます。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 本市の交流都市であるフランス・エクサンプロヴァンス市では、画家ポール・セザンヌの生家であるジャス・ドゥ・ブファン修復プロジェクト等が完了することに併せて、セザンヌ2025と題したイベントが6月下旬~10月上旬にかけて開催される予定でございます。
本イベントは世界的に注目されており、エクサンプロヴァンス市は、ニューヨークタイムズ社が選ぶ2025年に訪れるべき52の場所で第7位に選ばれております。このような中、本市にもエクサンプロヴァンス市から本イベントへの御案内をいただいており、7月初旬に市長以下での渡航を計画中でございます。
また、この機会を活かして本市の観光・文化についてのプロモーションを実施することで、両市の文化交流がさらに促進される効果があるものと考えております。
議員御提案の熊本市民の渡仏の機会といたしましては、現在関係機関や民間事業者において企画を検討中と伺っておりまして、本市といたしましても、協力や連携を行うことで、幅広い分野での交流がさらに活発となるよう取り組んでまいりたいと考えております。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 今回市長も改めて渡仏されるということで、トップの仕事は、やはり決断をすること、責任を取ること、外交をすること、これが私は重要であるというふうに考えております。海外や東京に行き、人脈を形成し、人、物、金を呼び込むことは首長として大変重要なことですので、今後も継続して行っていただきたいと思います。
そもそも副市長以下、局長の皆さん、熊本市の組織というものは何のために存在するのか。市長を補佐し、熊本市民の生活を安全に、そして今後の発展を見据えて行動していくのが熊本市の組織の役割でありまして、市長が1週間不在だからといって、機能不全になるような組織ではございません。ぜひともこれからも積極的に海外に向かって発信と渡航、そして、交渉に向かっていただければというふうに思います。
また、市民間の交流、今企画を民間のほうでされているということで、大変期待している次第であります。市民間の交流を増やすことは、両市の活性化、市民の国際化に寄与する大切なことであります。できる範囲で着実に進めていっていただければというふうに思う次第であります。
続きまして、公共交通機関バリアフリー推進についてお伺いいたします。
先日、議員インターシップで私の事務所に来ていた若者が、自身も障がいを有しているということで、バリアフリーについて熊本市はまだ十分ではないという資料を渡してくれました。そこには、車椅子の方がJR武蔵塚駅を利用したときに、障がいのある方だからこそ分かる様々なバリアや、こうだったらよいのにという改善策が記載されていました。障がいのある方の移動が円滑な熊本市の実現には、まだまだ時間がかかるというふうに実感したところであります。
そこでお伺いいたします。
熊本市内の民間公共交通機関の駅、バス、停留所について、バリアフリー環境が整っているかどうか、把握されていますでしょうか。また、熊本市において民間公共交通機関のバリアフリー推進に支援を行っているのでしょうか。都市建設局長に答弁を求めます。
〔秋山義典都市建設局長 登壇〕
◎秋山義典 都市建設局長 本市では、令和5年策定のバリアフリーマスタープランに基づきまして、誰もが移動しやすく暮らしやすい環境の構築に向け、交通事業者の参画されます移動等円滑化推進協議会を通じまして、公共交通機関のバリアフリー環境の実態把握に努めてまいりました。
議員お尋ねの民間公共交通機関のバリアフリー化に当たりましては、高齢者、障がい者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆるバリアフリー法に基づく取組としまして、原則各事業者において整備いただいているところでございますが、公共性を鑑みまして、今後本市における支援の在り方について研究してまいります。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 これまで村上博議員もたびたびバリアフリーについては質疑・質問をされてまいりましたけれども、民間任せにしておけば、当然そのスロープであるとか、手すりであるとか、そういったものを設置すれば、確実に予算が上がると。なのであれば、そういったものは法律に即してなければ設置しないというような選択をする民間事業者がどうしても多くなってしまう。そういったところをどうやってケアをしていくのか。そういったことを国や県や、そして民間事業者と連携をしながら、障がいを持つ人が移動しやすく暮らしやすい環境をつくっていくのが熊本市の使命であるというふうに考えている次第であります。
課題がまだまだ存在しておりますので、研究を早急に終わらせていただきまして、国や民間と協力して、課題解決に向けて取り組まれることを期待している次第であります。
続きまして、受動喫煙防止対策事業についてお伺いいたします。
この予算のルーツは、熊本市が議会にも、市民にも説明をせずに喫煙所を撤去したことに端を発するというふうに私は考えております。また、これまで再三再四、行政による公的な分煙施設の設置を議会が求めているにもかかわらず、民間への助成でこれまで過ごしてきた取組の続きであります。
市街地の借手が見つかりやすく事業として経営が成り立つ場所に、民間事業者が分煙施設を設置するというような可能性は極めて低く、これまでの助成が満額執行されたことはないというふうに記憶しています。
また、市役所担当課が努力して何とか設置してもらったこれまでの整備されてきた民間の分煙施設は、場所が分かりにくかったり、2階にあるなど、まさしく喫煙者を隅に追いやるようなものしか整備されていません。この事業に対しては、私は今心配しかありません。
そこでお伺いします。
今回の事業について、喫煙者が利用しやすい路面への設置の見通しはあるのか。2階や3階に分煙施設が設置されても意味はなさないと考えていますが、2階、3階でも助成は行われるのか。また、同予算で設置されていますこれまでも活動していますコールセンターの役割は何でしょうか。健康福祉局長にお伺いします。
〔林将孝健康福祉局長 登壇〕
◎林将孝 健康福祉局長 受動喫煙防止対策事業に関するお尋ねにつきまして、順次お答えいたします。
まず、設置の見通しにつきましては、分煙施設設置の助成対象となる中心市街地の現地調査を行った結果、通りに面した利用しやすい施設の管理者等から、設置費用助成を求める声もいただいているところであり、今後の設置に向けて取組を進めてまいります。
次に、助成対象となるフロアにつきましては、これまでの助成事業において2階での設置に対する助成が行われているものの、今後の分煙施設の設置に当たっては、例えば、夜間に1階の屋外部分で喫煙者が利用できるような場所に設置していただけるよう取り組んでまいります。
最後に、コールセンターの役割につきましては、健康づくり推進課内に令和元年度から受動喫煙防止対策専用コールセンターを設け、健康増進法による規制の実効性を高めるため、飲食店における分煙環境の調査に取り組むとともに、受動喫煙の被害に関する情報提供を受け、相談対応や助言等を行っているところでございます。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 入りやすい、利用しやすい施設の事業者の方から問合せや要望があったりということでございますので、本当に心から期待しています。
これまでも何年もそういったことができなかったということで、そもそも分煙施設がしっかり整備された後に公設の喫煙所が撤去されるべきでありまして、やはり順番が逆であるということを厳しく指摘させていただきたいなというふうに思っておりますし、きちんと喫煙者、そして非喫煙者、議会、そして市役所執行部が話合いを重ねながら、熊本市内の分煙についてどうするべきかというのを考えた上でそういったものは進めていくべきであって、やはり厳しく言わせていただければ、後づけであるというふうに感じる次第でありまして、今回のこの分煙施設の予算に関しましては、ぜひともしっかりとしたものが出来ることを期待している次第であります。
また、コールセンター、大変しっかりとした活動をしていると担当課から聞いておりますけれども、このコールセンターに1,200万円予算がついておりますけれども、このコールセンターに1,200万円使えるのであれば、民間任せにせずに市街地に公設の分煙施設を設置したっていいというふうに思っておりますし、先日一般質問で軽く触れましたけれども、今からでも遅くありませんので、予算を確保いたしまして、通町筋のマイナンバーセンターの一角を分煙施設にすることを強く求めておきます。
続きまして、不登校対策についてお伺いいたします。
不登校という言葉、様々な観点があると思いますけれども、私からしますと、主体が行政側、学校側であるのではないかというふうに考えておりまして、もちろん執行する側からすると、登校しないことが悪であるというふうな考えが根底にはあるのではないかというふうにこれまで感じてまいりました。
私は今後こういった不登校という言葉を極力使わず、状況をあらわす上では不登校という言葉を使わざるを得ないということはありますけれども、熊本市役所がそういった予算、不登校対策というふうな言葉ではなくて、登校支援でありますとか、自宅学習の充実というような文言を予算において使っていくべきではないかというふうに思っておりますが、教育長のお考えをぜひお伺いしたいと思います。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 平成29年3月に出されました学習指導要領の解説において、不登校はどの児童生徒にも起こり得ることとして捉える必要があること、また、不登校には多様な要因、背景があり、その行為を問題行動と判断してはならないことが記されております。
現在本市では、不登校のみならず病気やその他の理由で年間30日以上欠席している、いわゆる長期欠席児童生徒を支援の対象とし、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて社会的に自立することを目指した支援を行っております。
不登校に代わる表現としてどのようなものがふさわしいか、私も教育委員会の職員と随分考えたんですけれども、なかなかこれというものが見つかっておりませんので、今後とも検討していきたいと思っております。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 御答弁をいただきましてありがとうございます。
先ほども申し上げましたとおり、状態をあらわす上では不登校という言葉はふさわしい部分もあるというふうに思っておりますが、不登校対策というそれだけで、その不登校という部分がマイナスになると。1つの言葉というものをいろいろな事業の形というものを変えれば改善するというものではありませんけれども、そういった形を少しずつ検討して、対象をこちら側、執行部、そして、行政側ではなくて相手方、こどもや家庭に併せた言葉をつくっていくということが教育機関と、そして市民や家庭との信頼感を築く第一歩に近づいていく。一歩というか、本当に一寸ぐらいのものにしかならないかもしれませんけれども、そういったことが私は必要だと思っております。
これまで戦後からもう80年たちますけれども、その中でも教育はちょっとずつ、ちょっとずつ変わってきておりますけれども、やはり時代に併せた教育というものを私はしなくてはいけないというふうに思っておりますし、それが若干、日本はスピードが遅いのかなというふうにずっと感じてまいりました。そういった細かなところにも行き届く教育をこれからも実践していただくことを教育長に強くお願い申し上げまして、次の質疑に移ります。
学校樹木の適正管理についてお伺いいたします。
学校樹木の落葉が学校周辺の住宅や市道に散らばることによって、地域住民や企業の皆さんが秋期、冬期に毎朝落ち葉掃除をしなければならない学校があるというふうに聞いております。そういったことは、学校の樹木の責任によって生じているということで、迷惑になってしまいますので、敷地外に落ちないように工夫したり、剪定するように率先して樹木管理を行うべきであるというふうに考えていますが、学校樹木の管理が行き届く予算は確保されているのか、学校樹木が周辺に与える影響を把握できているのか、都市建設局長にお伺いいたします。
〔秋山義典都市建設局長 登壇〕
◎秋山義典 都市建設局長 市内の小中学校には、クスノキなどの常緑樹やイチョウなどの落葉樹など、こどもたちの学びにつながる多種多様な樹種が約1万5,000本植栽されておりまして、樹木の剪定や害虫の駆除などの管理とともに、樹木の老朽化への対応など、計画的な管理を行っております。
落ち葉清掃につきましては、こどもたちの緑化活動の一環として実施されておりますことに加え、地域住民の方々にも日頃から御協力いただいているところでございますが、学校から負担軽減等に関する相談が寄せられた際には、落ち葉の総量抑制といたしまして、不要となる枝を抜く、いわゆる枝抜き剪定や樹木の間引きを実施しているところでございます。引き続き、学校との情報共有、連携の下、工夫を凝らしながら学校樹木の適正管理に努めてまいります。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 御答弁いただきました。
熊本市の機構改革によって、学校樹木の管理もみどり公園課所管になっているということでありまして、御答弁いただいたように、学校樹木とそれが周辺に与える影響を把握するということは大変重要なことでありまして、縦割り行政ではありますけれども、教育委員会と都市建設局でしっかりと連携していただいて、また、各学校としっかり連携していただいて、その把握に努めていただくようによろしくお願いいたします。
それと、全体的なことなんですけれども、新たな公共施設を建設するときの樹木の植樹に関しましては、20年、30年先を見越して植えていただくようにお願いします。明らかにフェンスの近くに植わっている木は、当時はこんなことも考えずに植えたんだろうなというのが熊本市の公共施設のそこかしこにございまして、当然落葉樹をフェンス近くに植えてあれば、その周辺の地域住民の方々や企業の方々に御迷惑をかけているというような樹木が散見されておりますので、そういった先を見越した植樹ということもぜひ考えていただくようにお願いいたしまして、次に移りたいと思います。
節水対策経費についてお伺いいたします。
令和7年度予算案要求状況一覧によりますと、担当課から要求されている金額が3分の1以下に減額されております。令和5年度予算の決算時に、私が「結果が伴わないのであれば、予算の増額とともに新たな取組を」といった指摘に対して、真摯に向き合い実行している環境局の水保全課を評価している次第であります。
今議会においては、地下水関連の質問が幾つかある中で涵養の大切さがクローズアップされていますが、同様に大切なのが節水です。平成14年度に熊本市民1人当たり1日254リットルの使用量が令和5年度には1日219リットルまで節水が進んでおり、年間約90億リットルの節水が実現しており、JASMが使用する予定の約31億リットルのやがて3倍の節水を熊本市民は達成している状況です。
現在市の掲げる目標である1人1日当たり210リットルを実現すれば、現状と比べ、さらに年間約23億リットルの節水となり、JASM使用量の3分の2を賄うことができます。涵養を進めるのであれば、併せて節水も強力に進めることで、より地下水の保全につながると考えます。
地下水を未来に残していくことに不安を抱く方が多くおられる今こそが節水を進める好機だと思いますが、時宜に併せた予算要求を減額した理由を、財政局長にお伺いします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 節水対策経費についてお答えいたします。
令和7年度当初予算におきましては、半導体関連企業の熊本進出に伴う諸課題への対応をアクションにおける重点事項の1つとして掲げ、市民の地下水量、水質等に対する不安払拭のため、地下水涵養をはじめとする地下水の保全対策等にも重点的に予算配分を行ったところでございます。
市民の地下水への関心が高まる中、節水啓発としての広報等の必要性については理解しておりますものの、これまで行ってきた節水対策の効果検証が十分でないことや、要求内容である広報手法等について、その効果や手法の妥当性、さらなる検討が必要であることから、令和7年度当初予算におきましては、増額の予算計上を見送ったところでございます。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 財政局長から担当課への手厳しい答弁をいただきまして、環境局については燃え上っていただきたいなというふうに思っている次第であります。
財政局長の答弁を直訳しますと、担当課の事業検証と新たな取組がてんでなっていないから削りましたということに受け取られかねないというふうに思っておりまして、私は、水保全課はすごく努力して出したはずなのに、そこまで言わなければいけないのかなというふうに思っている次第でありますけれども、やはり大事な税金を使う以上は、手厳しいことになってしまうんだろうなというふうに思っている次第であります。
今が節水をより一層推進する絶好の機会にもかかわらず、予算が削られたことは本当に残念極まりないんですが、担当課については、本当に先ほど申しましたとおり、この悔しさを糧にして、財政課めというふうに思いながら、敵ではありませんので、心を燃やしていただいて、ぜひとも財政課を見返していただくような予算要求を令和8年度にしていただくように心から期待しまして、次に移りたいと思います。
また、そういった内容に関しましては、ぜひ分科会の方でしっかり議論していきたいというふうに思っております。
最後の質疑になります。
記念館活用関連経費、観光資源の魅力創出についてお伺いします。
「ばけばけ」ですね、これに関連しての質疑でございます。
「ばけばけ」は、2025年令和7年度後期に放送予定のNHK連続テレビ小説第113作のテレビドラマです。本市にゆかりのある小泉八雲、パトリック・ラフカディオ・ハーンの妻、小泉セツをモデルとしていますが、原作はなく、フィクションとして制作されるとのことです。
大河ドラマや連続テレビ小説は、観光客誘致の1つの機会であり、その機に応じて予算を確保したことは評価しています。しかし、不安があります。これまでそういった機会が幾度かあったのですが、ことごとくぱっとせず、何を目的に行い、どういう結果をもたらすために予算を確保したのか、大きな結果を求めてやったのか、はてなマークがつくような事業が多かったからです。
そこでお伺いします。
「ばけばけ」効果と今回の事業で来熊者をどれだけ増やそうと考えているのか、また、どのような発信をどこまで発信しようとしているのか。経済観光局長にお伺いいたします。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕
◎村上和美 経済観光局長 NHK連続テレビ小説「ばけばけ」の放送を契機に、小泉八雲に関する各種プロモーションを実施することによって、本市への誘客を図ることとしておりまして、熊本市観光マーケティング戦略に掲げております令和13年度の観光客入込数700万人の目標達成につなげてまいりたいと考えております。
具体的には、小泉八雲熊本旧居におけるAR、いわゆる拡張現実を活用した新たな展示の導入や怪談イベントの実施に加え、八雲が好んだ料理を再現いたしましたグルメイベントや熊本博物館における展覧会の開催などの取組を計画しているところでございます。
また、これらのイベント等と連動しながら、現在本市観光ウェブサイト上に制作を進めております八雲に関する特集ページやSNS等を活用した周知・広報を行いますとともに、ドラマの最初の舞台となります松江市と連携を図りながら、効果的なプロモーションに取り組んでまいりたいと考えております。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 御答弁いただきましてありがとうございました。
令和13年度の700万人ということで、この事業単体の数字を示されなかったというところで、この事業自体は大変期待しておりますので、文化市民局も経済観光局も頑張っていただきたいと思うんですけれども。今回多数質疑をいたしましたけれども、1つ1つの事業に関して俯瞰してみますと、背景に関しましては、当然第8次総合計画なんですけれども、そういった目的、目標、手法に関しましては、突っ込んで検討するものと、時期が適しているから通しているものというふうに見えてしまうものが存在するなというふうに感じた次第であります。ですので、1つ1つの事業に目的や目標、これは設定すべきでありますし、それに応じて本当に結果が出たのか、出ていないのかというのを各局、各課がしっかりと把握をした上で、それを次に生かしていくということが必要であると思います。しかし、そういったものがしっかりと提示されない予算があると。たまにですね。ということは、そこまで精査できていないんではないかというような心配も生じてしまうということがありますので、ぜひとも今後に関しましては、1つ1つの事業にこの予算でどれだけのものを生じさせようとしているのかというところまで突っ込んで検証、検討した上で、そして、それを実施した後にできたのかできていないのか、なぜできなかったのか、なぜできたのかというのも説明できるようにしていただくと、さらにいいのものができていくと思いますし、そういった形をすることで、議会にも市民にも信頼される熊本市の執行部というのが実現するというふうに考えている次第であります。
令和7年度の予算がもくろみどおりにすばらしく効果を上げられること、それを心から祈念しますとともに、無事に議会が終わることを祈念いたしまして、私からの質疑とさせていただきます。ありがとうございました。
○落水清弘 委員長 田中敦朗委員の質疑は終わりました。
以上で、自由民主党熊本市議団の質疑は全て終了いたしました。
質疑の途中ではありますが、この際、議事の都合により休憩いたします。
午後1時より再開いたします。
午前11時51分 休憩
───────────
午後 1時00分 再開
○落水清弘 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質疑を続行いたします。
これより、熊本自由民主党市議団の質疑を行います。持ち時間は40分となっております。
まず、北川哉委員の質疑を行います。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 皆様、こんにちは。熊本自由民主党市議団の北川哉です。予算決算委員会総括質疑に会派を代表して、松本委員と2人で登壇させていただきます。質疑の機会を与えていただいたことに感謝を申し上げます。
それでは、早速ですが質疑に入らせていただきます。
令和7年度も令和6年度に引き続き物価高、資材等高騰の影響への引き続きの対応が必要になる年度と予測されます。昨年の第1回定例会予算決算委員会当初予算に対する総括質疑での私からの問いとしましては、当初予算(案)のポイント概要について、一般会計予算の推移として、令和6年度当初予算は過去最大の4,014億円となったが、平成26年度以降の一般会計予算の推移と歳出(目的別・性質別)の増減要因をどう分析しているのか。10年前に現在の状況を予測することは可能だったのか。市債残高の推移について、平成10年度からの市債残高、通常分・地震分・臨時財政対策債分の推移をどう受け止めているのか。基金積立金について、令和5年度補正予算で復興基金・公共施設長寿命化基金への積立てが行われたが、これまでの推移をどう分析しているのか。また、過去10年間の基金総額の推移についての評価はどうであったか。当初予算(案)の歳入予算の内訳について、市税が国の定額減税の影響で減少しているが、地方特例交付金で補填されるのなら、実質的な影響はないのではないか。譲与税が44億円増加している要因は何か。本市の資金の運用の流れ、近年の方向性、リスクに関する考え方、将来の予測についての見解をお尋ねさせていただきました。
答弁としましては、一般会計予算の推移について、予算の増加要因と10年前の予測について、一般会計予算では平成26年度の2,889億円から令和6年度の4,014億円へ増加し、10年間で1,125億円の増加。増加要因は主に民生費446億円の増、教育費467億円の増、義務的経費832億円の増であり、特に人件費と扶助費の増加が顕著であった。国の制度改正、児童手当の拡充や教職員給与移管など、予測が困難な要因もあった。財政指標については、令和4年度決算は過去の中期見通しより良好で、黒字70億円に達した。実質公債費比率や将来負担比率は予測よりも改善し、特に将来負担比率は予測より低くなった。決算が良好な要因としては、事業費削減や不用額が考慮されなかったことが要因としてあったと答弁がありました。
市債残高の推移としては、市債総額は増加し、令和6年度末には4,991億円に達する見込みであると。臨時財政対策債や熊本地震関連債の影響があり、市債の構成が変化している。基金積立金については、主要な基金は公共施設長寿命化基金や介護給付費準備基金、熊本城復元基金が増加し、基金総額は235億円の増加。市税、譲与税の影響については、市民税の定額減税により42.5億円の減少があり、譲与税等でその減少が補填された。実質的な市税総額は増加している。資金の運用としては、長期運用可能な基金を一体的に管理し、低金利の中で利回り確保を目指して30年債を活用し、令和4年度の運用収入は前年度比で増加し、確実かつ効率的な運用を続けていると評価されていました。
市の予算管理や財政の健全性が良好であることは示され、私も納得したところでありましたが、評価としては、経済情勢を考慮しながら、確実かつ効率的な運用を継続しているとの答弁がありました。
今回の質疑に関しましても、昨年の質疑を踏まえて行っていきます。
1つ目として、当初予算(案)の概要について、令和7年度当初予算(案)の概要の説明では、一般会計総額は前年度から179億円増加し4,193億円で過去最大の予算規模。ビルド・アンド・スクラップの取組の推進や、令和7年度アクションプランにおける重点項目への対応を踏まえ、重点課題経費として15億円を計上。熊本地震からの復旧復興のため、熊本地震関連予算に97億円を計上。令和7年度予算は新庁舎整備、防災、健康福祉、教育、観光など多岐にわたる分野での拡充と新規事業に重点を置かれている。主な増加要因は、児童手当給付経費や施設型給付費の増加により扶助費が41億円の増、長寿命化事業や道路予算の増加により投資的経費が80億円の増等によるもの。特別会計、企業会計を合わせた総額は7,564億円、対前年度比280億円、3.8%の増との説明でした。
昨年度の当初予算では、児童手当拡充や定額減税に係る調整給付等により扶助費が116億円の増でした。本年度当初予算での扶助費は、児童手当給付経費や施設型給付費の増加により41億円増となっています。また、投資的経費では、昨年度は道路整備の加速化により10億円の増とよるものでありましたが、今年度は長寿命化事業や道路予算増加により80億円の増となっております。
昨年度、将来推移についての質問として、扶助費は今後増えていくだろう、投資的経費は抑制されていくのではないかと思ったが、今年度はそうではありませんでした。今後の扶助費の増え方と投資的経費に関しての所見を教えていただきたいと思います。財政局長にお尋ねいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 扶助費と投資的経費の見込みについてお答えいたします。
まず、扶助費でございますが、令和7年度当初予算(案)では、児童手当給付費や施設型給付費により増加しておりまして、今後5年間の財政の中期見通しにおきましても、直近の実績等を踏まえ、扶助費全体としては増加していくものと見込んでおります。
次に、投資的経費につきましては、令和7年度当初予算(案)では、天明義務教育学校整備事業等の個別事業の進捗により増加しているものの、財政の中期見通しでは熊本地震分や本庁舎等整備を除きました公共施設の長寿命化や都市基盤整備等の投資的経費の水準はおおむね年440億円程度で推移すると見込んでおります。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 答弁にもありましたように、財政の中期見通しが示されました中でも扶助費は全体として増加していくが、5年間では大きな増加といった印象ではないなと感じました。投資的経費に関しましても、予測されるものによって、その年々で増減はありますが、抑制されるというより、新規投資ではなく、長寿命化経費によるものが大きいというのが分かりました。投資的経費の中身を今後考えていかなければならないということであると思います。今後、人口減少による税収減、国による制度変更などによる歳入減などについても注視していきながら、熊本市の財政を見ていきたいと思います。
また、今やらなければ、将来的には難しいといったこともありますので、その点についても深く財政局よりお聞きしたいと思いました。御指導よろしくお願いいたします。
次の質問に移ります。
続きまして、ビルド・アンド・スクラップの取組の推進及び令和7年度アクションプランにおける重点項目への対応についてお尋ねいたします。
対応を踏まえての重点課題経費が今年度は15億円となっています。その内容を詳しく教えていただきたいと思います。また、昨年度から開始されたビルド・アンド・スクラップの取組で、昨年度は初年度であり手探り感もあったかと思いますが、今年度は昨年度を踏まえ、各局とも自由度を持ってこの取組を行っての予算編成になったと思います。今年度、この取組によりよかった点、また、課題として思われるところがあれば、教えていただきたいと思います。財政局長にお尋ねいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 令和7年度当初予算(案)の取組についてお答えいたします。
重点課題経費につきましては、市民生活に深刻な影響を及ぼしております慢性的な交通渋滞の解消として112億円、半導体関連企業の熊本進出に伴う諸課題への対応として11億円、総合的なこども施策の推進として、こども局予算全体で688億円をそれぞれ計上しております。
また、ビルド・アンド・スクラップの導入によりまして、各局が要求を主体的に見直すことで、優先度の高い施策を重点的に議論するとともに事業の廃止、縮小を進めるなど、予算の質の向上を図ることができたと考えております。一方で、国の制度として負担割合が決められている事業など、裁量の余地が少ない事業を多く所管する部局におきましては、事業見直しを進めにくいという状況も見られたところでございます。
引き続きこれまでの取組の課題と効果を検証しながら、今後の予算編成に生かしてまいりたいと存じます。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 以前の質問でも申しましたことがございましたが、行政の施策では3年もしくはそれに近い年限で事業が廃止になり、もう少し継続したがいいのではないかと思うものもありました。しかし、それは各局にて利用者数等を鑑みた総合的な判断であるのだろうとも思いますし、仕方ないことであるのかなと思っていました。各局が主体的に要求を見直す等のよい点と、裁量の余地が少ない事業を多く所管する部局での見直しが進めにくい課題と、御認識いただける点を今後生かし、改善していくことも考えていただきたいと思います。
続きまして、当初予算(案)の歳入予算の内訳の市税についてお尋ねいたします。
昨年度の市税歳入予算は1,259億円となっており、一昨年度より10億円減となっていました。それは、令和6年度税制改正により実施される個人住民税の定額減税減収分については、地方特例交付金により国から全額補填されるというものでありました。地方特例交付金を加味した実質的な市税は1,301億円程度になるとの注釈がついていました。しかし、今年度は定額減税の影響による個人住民税の増などにより、市税全体で前年度からは79億円の増、1,338億円となっています。この詳細について教えていただきたいと思います。財政局長にお尋ねいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 予算案の歳入予算の内訳についてのお尋ねにお答えさせていただきます。
令和7年度の市税収入予算額は、令和6年度当初予算における市税収入予算額を基に、国の地方財政計画における税目ごとの伸び率を加味して見込んでおりまして、過去最高の予算額となったところでございます。
国の地方財政計画における地方税収の見込み額ではほとんどの税目が増収となっておりまして、特に個人市民税所得割につきましては13.5%と大幅な伸びが示されたところでございます。この増収の主な要因につきましては、一時的な減税措置として令和6年度に導入されました定額減税が令和7年度は減少することによるものでございます。また、固定資産税におきましては、昨今の地価上昇による評価額増や家屋課税棟数の増なども増収の要因となっております。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 市税予算の推移のグラフを見てみますと、昨年度は下がっている形になっていますが、実質、そして、昨年度の注釈にあった地方特例交付金を鑑みた形では増加でありました。少し見にくいなと感じておりました。国の地方財政計画における地方税収の見込み額等による御説明をいただき納得ですが、先ほども申しましたが、今後、人口減少による税収減、国による制度変更などによる歳入減など、将来の不安なく今後も税収が増え続けるということはないと考えることも必要ではないかと思っております。また、そのときが遠い将来ではないように思うときもあります。
市税収入が減っても、その分交付税措置があり、地方財政は保たれるといった考えも崩れるおそれもあります。また、人口減少等の税収要因があれば、それに比して市政業務の縮小による歳出減もあるとの考えもありますが、歳入減少が来る時期を早期に予測して、きついことかもしれませんが、それを早期に提示していくことも必要と思います。今後も市民の皆様の要望、意見を酌み取った予算編成となるよう、財政局にはお願いしていきたいと思っております。
続きまして、当初予算(案)のポイント、主な廃止・見直し事業からお尋ねいたします。
廃止や見直しの理由として、より効果の高い事業への転換によるものや、社会情勢、市民ニーズの変化、事業完了、他の既存事業との統合によるものなどあります。そこで、4点の見直し事業に関してお尋ねいたします。
文化市民局地域政策課、窓口推進経費の見直しについて、対前年削減額が2,018万7,000円となっていて、事業の内容見直し、単価や数量、手法等による削減とあるが、内容の詳細を教えてください。
続いて、こども局児童相談所、児童虐待防止のためのSNS相談事業の見直しについて、対前年削減額が340万円となっていて、他の既存事業等の活用や統合、民間活用等の見直しによる削減とありますが、内容の詳細を教えていただきたいと思います。
続いて、経済観光局起業・新産業支援課、創業者チャレンジ支援・育成事業と地域スタートアップ等支援事業の見直しについて、事業内容の見直し、単価や数量、手法等による削減とありますが、主要事業の詳細の説明では拡充となっています。内容の詳細を教えていただきたいと思います。
続いて、教育委員会教育政策課、少人数学級経費の見直しについて、対前年削減額が1億3,763万2,000円となっていて、令和7年度予算はゼロとなっています。事業の内容の見直しや単価、数量、手法による削減とありますので、内容の詳細を教えてください。
以上4点を、文化市民局長、こども局長、経済観光局長、教育長にお尋ねいたします。
〔早野貴志文化市民局長 登壇〕
◎早野貴志 文化市民局長 窓口改革推進経費につきましては、令和6年度に区民課や総合出張所へセミセルフ・キャッシュレスレジの導入経費として約2,981万円を計上しておりましたが、令和7年度は主にこれらの機器のメンテナンス経費になりますことから、約2,018万円の減少となっております。新年度におきましても、引き続き市民サービスの向上と職員の事務負担軽減を図るため、セミセルフ・キャッシュレスレジの導入に加え、ワンストップ窓口導入に向けた区民課窓口のサイン変更などを行うなど、窓口改革のさらなる推進に取り組んでまいります。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕
◎木櫛謙治 こども局長 児童虐待防止のためのSNS相談事業についてお答えいたします。
令和5年2月から国のシステムを活用して実施しておりました児童虐待防止のためのSNS相談事業は、受付時間が平日に限られるなどの課題がございました。そのような中、令和6年1月から新たにNPO法人との協定締結により24時間365日いつでも相談可能なチャット相談窓口をこどもの権利サポートセンターにおいて開設いたしましたため、同年10月から事業統合いたしました。
民間活用により窓口を一本化して相談先を分かりやすくするとともに、受付時間を拡充し、また、児童生徒に配付されているタブレットからも利用できるよう、利便性の向上を図ったところでございます。今後も親子がより相談しやすい環境づくりに努めてまいります。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕
◎村上和美 経済観光局長 創業者チャレンジ支援・育成事業につきましては、本市と国の創業支援補助金を比較いたしますと、国の制度が上限額や補助率等においてより有利でありますことから、本市の補助制度を廃止し、創業者が国の補助制度に採択されますよう、創業セミナーや伴走型の創業支援に注力することといたしました。
また、地域スタートアップ等支援事業につきましては、首都圏で本市のスタートアップ環境を紹介する事業をこれまで3年間実施し、首都圏のスタートアップ関係者とのネットワークを構築するという本事業の目的をおおむね達成しましたことから、構築いたしましたネットワークを活用した事業を展開するなど、開催手法を見直して実施することといたしました。このような既存事業の見直しをいたします一方で、地域スタートアップ等支援事業におきまして、熊本のスタートアップと全国の大企業や中堅企業との協業、いわゆるオープンイノベーションを創出するプログラムや、外国人起業家の熊本への誘致を目的といたしましたスタートアップ・ビザの運用に要する経費を新たに計上するなどの拡充を行ったところでございます。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 少人数学級については、令和3年の法改正に伴い国により段階的に実施されており、令和7年度は小学6年生の学級編成の標準が35人に引き下げられます。一方、本市においては国に先駆け、令和5年度に小学6年生までの35人学級の導入を完了しております。議員お尋ねの少人数学級経費は、本市が独自に国の学級編成の標準に上乗せして財政措置してきた人件費に相当する経費であり、令和7年度からは国による実施に伴い、独自の上乗せによる負担分が解消することから、見直し事業として計上したものです。
少人数学級については、こどもたちの実態や個に応じたきめ細かな指導の実施に向けた教育環境の充実に資するものであり、今後も引き続き取り組んでまいります。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 窓口改革推進改革経費については、進展するデジタル化の中でとても大事なことであり、ここで減額となる見直しに疑問があっての質問でした。ワンストップ窓口導入等の重要施策は今後も継続して行われるとのことで、今後も継続して市民も対応する職員さんも利となる改革をお願いします。
児童虐待防止のためのSNS相談事業の見直しについては、児童虐待やDV被害が後を絶たない中での見直しに疑問があり、質問しました。NPO法人との協定締結、事業統合、民間活用により窓口を一本化して相談先を分かりやすくする、受付時間を拡充、児童生徒に配付されているタブレットからの利用と、よい方向への転換があったことに安心しました。
創業者チャレンジ支援・育成事業と地域スタートアップ等支援事業の見直しについては、こちらも今、国や他都市においても重要視されていることとの認識でしたので、減額見直しへの疑問と、拡充となっている点について読み解けなかったので、質問いたしました。国の方が有利な制度であること、創業者が国の補助制度に採択されるよう創業支援に注力していくこととしたこと、地域スタートアップ等支援事業については事業を3か年実施し、関係者とのネットワークを構築するという本事業の目的をおおむね達成したとの判断、構築したネットワークを活用した事業を展開するなど、開催手法を見直して実施、スタートアップ・ビザの運用に要する経費等の計上による拡充と、前を向いての施策に今後とも頑張っていただきたいとの思いに至りました。
少人数学級経費の見直しについては、令和3年の法改正に伴う国による段階的な実施が行われ、令和7年度、小学6年生の学級編成の標準が35人となることにより、本市が独自に国の学級編成の標準に上乗せして財政措置してきた人件費に相当する経費の負担分が解消するとのことで、見直しになったとのことでした。これも読み解きができませんでした。今後も教育環境の充実のため、国の制度に先んじた本市独自の教育施策の展開の実施に向けた検討もお願いしたいと思っております。
主な廃止・見直し事業からの質問でしたが、昨年度からの各委員会等での施策を読み込んでいれば、そうだったなといった面もあり、聞いてみて納得となるものが多い点は私の力不足で御労苦をおかけしてしまったと反省いたしております。しかしながら、全ての質問において、もっと頑張ってほしいとの思いがある点は皆様に御理解いただきたいと思います。
次の質問に移ります。
次に、当初予算(案)のポイント、主な取組、主要事業の詳細からお尋ねいたします。
こども局保育幼稚園課、子育て環境整備、こども誰でも通園制度の実施5,290万円について、主要事業の説明では、私立保育園等への事業費補助として人件費等を補助するとあります。また、令和6年度熊本市こども誰でも通園制度(仮称)試行的事業で未実施の園域でも実施のため、実施施設数を8施設から12施設へ拡充とあります。
まず1点目として、この制度では現場が施設的・人員的に大変な苦労があるように聞いたことがありましたが、その点について市として把握しているところを教えていただきたいと思います。
2点目として、試行的事業を行った中で課題等を教えてください。
3点目として、市としては12施設が妥当ということで今年度新規事業として挙げていると思いますが、将来的にこの事業はどうなっていくのか、予測について教えていただきたいと思います。こども局長にお尋ねいたします。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕
◎木櫛謙治 こども局長 こども誰でも通園制度につきまして、順次お答えいたします。
まず、施設からは、こども誰でも通園制度に係る事業費が利用人数に応じた支払いとなっておりますことから、利用が低調であると運営的に厳しくなるという点、また、専任保育士を配置する必要がありますため、人員の確保が困難なことなどを伺っております。
次に、課題といたしましては、現時点では潜在的なニーズが十分把握できていないこと、実施施設を拡大していくためには保育士の確保などが課題になると考えております。
令和7年度につきましては、今年度の試行的事業の状況や未就園児の推計等を踏まえ、12施設程度で需要を満たすことができるという試算を行っております。本格実施となる令和8年度以降につきましては、今後の事業の実施状況や将来の人口推計等を見ながら、利用の希望をかなえるために必要な施設の確保に努めてまいりたいと考えております。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 この制度が表に出てきた頃、質問しました疑問や不安がある声を聞くことがありました。その点に関して、保育幼稚園課での現状把握とそれに対する調査をしっかり行っているとの印象を持ちました。試行的事業の状況や未就学児推計等を参考に需要を試算していることも納得いたしました。今後の状況と潜在的ニーズの把握も研究していただき、子育て世帯及び施設等が安心して生活、運営ができるようにお願いしたいと思います。
続きまして、教育委員会総合支援課、教育環境の整備、いじめ・不登校児童生徒へのこころの居場所づくり5,970万円について、フレンドリーの拡充、(仮称)森都心教室の設置とありますが、詳細を教えていただきたいと思います。教育長にお尋ねいたします。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 不登校の状態にある児童生徒の通所施設である教育支援センター「フレンドリー」は、こどもの社会的な自立を目指し、体験活動などを行っております。令和6年度までに市内6か所に設置しておりましたが、西区への設置ができておりませんでした。全ての区への設置を目指していたところ、交通の便がよく、教室の使用に適切な森都心プラザ図書館の会議室を借用できることとなったことから、既に開設している教室を見直し、森都心教室の新設を行います。
なお、いじめ・不登校対策経費5,970万円の予算案のうち、フレンドリーに係る経費は約1,809万円となっております。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 過去の質問でも不登校対策について多く質問してきた中で、現在本市が行っている不登校対策は数多く選択肢をつくり、少しずつでも児童生徒が学びに近づく、戻るようにしたいという思いがあるのを感じます。その中で拡充とあり、また、フレンドリーオンラインでは西区に教室がありましたが、フレンドリーとしては設置がなかったので、その詳細をお聞きいたしました。
先日の一般質問でも教育長からは、成果、課題の答弁があっておりました。私も厳しい状況であるなと思った1人でございます。今後とも児童生徒が取り残されることのない教育環境の構築をお願いいたします。
続きまして、経済観光局経済政策課、都市ブランド向上、観光資源の魅力創出として水資源のブランド化と熊本ゆかりの人物にスポットを当てたプロモーション等の新規事業として600万円と400万円、計1,000万円が計上されています。詳細の説明で理解するところも多くありますが、水資源を体験できるイベント企画運営等の経費として考えている内容と、熊本ゆかりの人物のスポットを当てたプロモーションでのSNS及び各種媒体等を活用した広報経費について、具体的に考える内容を教えてください。経済観光局長にお尋ねいたします。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕
◎村上和美 経済観光局長 水資源を体感できるイベントといたしましては、観光コンテンツとしても全国的に人気がございますサウナに着目いたしまして、熊本が誇る豊かな水資源を活用しながら、江津湖エリア等において移動式サウナや水風呂を体験できるイベントを実施いたしますとともに、西の聖地と称されますサウナ施設をはじめ、温泉・家族湯等を巡る周遊コンテンツの造成を検討しております。
次に、熊本ゆかりの人物にスポットを当てたプロモーションといたしましては、本年10月に小泉八雲の妻・セツをモデルといたしましたNHK連続テレビ小説「ばけばけ」が放送予定でございますことから、現在、八雲の特集ウェブページの制作を進めておりまして、小泉八雲熊本旧居のPRイベント等とも連動し、ウェブ広告やSNSなどの活用による情報発信を行うこととしております。
また、令和8年の夏目漱石来熊130周年に合わせ、ポスターの制作や特設ウェブページ「夏目漱石の軌跡を巡る」のリニューアルなどを予定しておりまして、文化市民局とも連携し、効果的なプロモーションを検討してまいります。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 今回、この質問をしようと思ったのが、新規事業として出されている上述の2事業の予算が低いように思いまして、他都市を視察したときに、熊本の観光資源の魅力の高さと観光政策に対して本市の頑張り、成果を強く感じたことがあり、もっと頑張ってほしいな、予算的にもっとあれば、もっとよくなるのではないかとの思いで質問しました。今回の答弁を受けまして、その事業の内容が今回の予算で実施可能であり、今後の可能性を秘めたものである期待も持てましたので、安心しました。
文化市民局との連携とありましたが、どちらがどうするとか、こっちはそっちにとか考えることなく、それぞれが協力していいものとしていただきたいと思っております。私自身は田中委員のようには「ばけばけ」という形では実は知らなくて、本当未熟なもので、それに対しても精いっぱい頑張っていただきたいと思っております。
続きまして、健康福祉局健康政策課、地域福祉、民生委員協力員の配置による地域福祉活動の推進、民生委員協力員活動等経費の新規事業として180万円が計上されています。詳細の説明でも、民生委員・児童委員の重要性、地域のつながりの希薄化や就業年齢の引上げ等による地域活動の担い手確保の困難な状況等説明があっており、事業費が計上されています。
そこで、数点お尋ねいたします。
活動費が低過ぎるように思いますが、どうでしょうか。70人を設定されて、積算内訳も他都市の定数に対する協力員割合平均値とされていますが、少なくないでしょうか。
また、少ないのではないかと言いましたが、民生委員・児童委員の定数も確保できていない状況で、協力員の確保は難しいと思いますが、その点に関してお考えはどうでしょうか。次は健康福祉局長、よろしくお願いします。
〔林将孝健康福祉局長 登壇〕
◎林将孝 健康福祉局長 私からは、民生委員協力員に関するお尋ねに対しまして順次お答えいたします。
まず、活動費につきましては、既に協力員制度を先行導入している他の指定都市の活動費の平均年額である約2万円を勘案し、それを上回る2万4,000円を設定しております。
次に、協力員数につきましては、各地域での詳細な人数を見込むことが困難であることから、先行導入している他の指定都市の状況を勘案することとし、議員御案内のとおり各都市の定数に占める協力員数の割合の平均値約4%を基に、本市の定数1,469人に対して協力員数70人を設定しているところです。
最後に、協力員の確保につきましては、これまで熊本市民生委員児童委員協議会が実施した活動実態調査や協議等を通して、現在も各地域において民生委員・児童委員の活動に対し何らかの支援をされている住民がいることを把握しておりまして、このような方々の中から一定程度の方に協力員として活躍していただけるものと想定しております。本制度の導入により、協力員として配置された方々が将来の民生委員となることをはじめ、新任の民生委員へのフォローや見守り活動等の負担が軽減されることで、活動の継続や新たな担い手確保が図られるものと考えており、本市の民生委員・児童委員の充足率向上にもつなげてまいります。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 民生委員の皆さんが担っていることについては大変大きなものがあり、国の制度下としてではありますが、ボランティアといいますか、奉仕の精神といいますか、善意で成り立っていることであると思います。その中で、協力員制度ということで、大変よい事業であることと、それに比しては活動費が低過ぎるのではないか、そして、その活動費では担い手は生まれないのではないかと心配もあり、質問いたしました。
制度上、他都市を参考とすることなど、必要なことを行って決められたとのことですので、大丈夫とは思いますが、今後の民生委員制度や同制度に近い善意の中で行われている保護司制度などの担い手不足解消のきっかけになるような施策となることを祈っております。よろしくお願いいたします。
続きまして、都市建設局土木総務課、生活道路改修関連経費3億円について。この事業は切なる要望が多数ある事業でございます。拡充とありますが、今までも補修予測などがあって行われてきた事業であると思いますが、ここでやっと拡充となったのはなぜなのでしょうか。
また、予算として本当に足りると思われているのでしょうか。教えていただきたいと思います。都市建設局長にお尋ねいたします。
〔秋山義典都市建設局長 登壇〕
◎秋山義典 都市建設局長 土木センターへの要望につきましては年間約1万件を超えておりまして、これまでも各区におきまして年度内の対応に努めてきたところでございますが、今後インフラの老朽化等に伴いまして、要望件数の増加が懸念されております。そこで、令和7年度に優先的に対応すべき生活道路の舗装補修等につきまして、当初予算として3億円の拡充を上程いたしており、各区において重点的に対応していくこととしております。
今後も各区の状況を踏まえまして、市民の皆様からの御要望に対し対応できますよう、予算の確保に努めてまいります。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 各区土木センターへの要望は、先ほども述べましたが、大変多いです。そして、その要望が、予算がなくてできない、また、次年度になりますと言われることもあります。それが少しでも解消されることであれば、市民ニーズに沿った重要な施策であると思い、その内容について質問させていただきました。土木総務課の予算というのは大変大きなものであり、その中でいかに市民のニーズに応えることができるのか、将来的に熊本市のためになる大きな事業を年度内でどこまでやっていくのかなど、考察していかなければならない事業がたくさんあると思います。
また、本日最初の方にビルド・アンド・スクラップの取組での質問に対して、国の制度として負担割合が決められている事業など裁量の余地が少ない事業を多く所管する部局では、事業の見直しを進めにくいという状況が見られたとの財政局の答弁がありました。それに当たるのが土木総務課ではないかと思っております。その中で今回、生活道路の補修等の市民ニーズへの対応として予算組みをしていただいたことに大きな感謝の念を持ちました。難しいことではありますが、今後とも市民ニーズを受けた施策を進めていただきたいと思います。また、予算が本当に足りるのかと今も思っていますので、財政局には御配慮をお願いしたいと思っております。
以上で、私の通告した質疑は全て終わりました。熊本市の財政について、今を精査、考察し、つくっていくことは重要です。そして、将来について考えていくことも重要です。真に市民の皆様が必要としているものは何なのかを常に考え、提言していくのが、1人の市民としての議員の責務と思い、質疑させていただきました。まだまだ読み取れていない部分が多くあると思いますが、そこは予算成立後も精査し、令和7年度の市政運営を通して質問させていただきたいと思います。真摯にお答えいただいた執行部の皆様に感謝申し上げます。
続きましては、私が1人総括質疑では寂しかろうと登壇を買って出ていただいた松本委員に質疑のバトンをつなぎます。御清聴ありがとうございました。
○落水清弘 委員長 北川哉委員の質疑は終わりました。
次に、松本幸隆委員の質疑を行います。
〔松本幸隆委員 登壇〕
◆松本幸隆 委員 皆様、こんにちは。熊本自由民主党市議団の松本幸隆でございます。
先発の少し寂しがり屋さんの北川委員よりバトンをいただきましたので、会派の二枚看板の抑えを務めさせていただきます。
私からの質問は、まず、令和7年度当初予算(案)主要事業の詳細の資料49ページにある農水局の鳥獣被害対策事業について質問させていただきます。
野生鳥獣による被害は農業者にとって経済損失だけではなく、営農意欲の減退による耕作放棄、離農につながるなど、被害額以上の影響があると聞いております。鳥獣被害におきましては、多くの議員の皆様が質問されております。せんだっての一般質問におきましては、農業生産者である中川議員より、現場として深刻な状況もお聞きしたところでございます。また、中心市街地の飲食業の方々より、カラスのふん害等についても多数お声をいただいておりますので、農業被害以外に都市部においても感じられるほどの重要課題だと確信しております。
被害状況の方は御存じかと思いますが、私も改めて本市の平成23年度から有害鳥獣被害額状況を見てみました。イノシシ、カラス、ヒヨドリにおきましては、令和5年度まで年々減少の状況にあります。しかし、あくまでも被害額の推移でありまして、農業者の方でしたり、駆除隊の方々の現場の状況は異なるようです。イノシシの繁殖力は旺盛で、一度に4頭前後、さらに、1年に春だけではなく秋にも出産することがあるとのことで、減少しているどころか、駆除が追いついていないのが現実のことです。
また、そのほかの獣種の被害においても年々拡大傾向にある状況です。昨年では、これまでにないほどのヒヨドリの被害があったと中川議員からもお聞きしておりますし、最近では鹿の被害状況も出てきているようです。現に私が住んでいる南区の飽田地区の畑にも鹿がいるのを目撃しました。
そこで、資料を拝見しますと、今年度の予算要求額は2,116万円、拡充となっておりますが、拡充となっているにもかかわらず、前年度当初予算額と比較したところ、約183万円の減額となっております。確かに先ほども申しましたとおり有害鳥獣被害額は年々減少傾向にありますが、農業被害や町なかのカラスふん害等の深刻な状況、被害エリアの拡大、新たな鳥獣の被害、また、猟友会、駆除隊の方々の高齢化、若い世代の担い手不足、支援等の問題もある中で、十分な対策が遂行できるのかと不安を感じるところであります。
そこで、2点をお尋ねいたします。
まず1点目に、令和7年度当初予算(案)において拡充した経緯を含めた内容について、2点目は、そもそも予算自体が減額した中で十分な対策が遂行できるのかについて、以上2点を農水局長にお尋ねいたします。
〔金山武史農水局長 登壇〕
◎金山武史 農水局長 1点目の拡充した経緯を含めた内容についてでありますが、近年の本市の鳥獣による農産物被害の約6割がミカン等の果樹に対するものであり、そのうち3割がカラスやヒヨドリなどの鳥類によるものであります。そのような中、国の捕獲報償金の単価がイノシシ等に比べ低いことから、鳥類に対する捕獲報償金の本市独自の上乗せを計画し、財政当局と予算協議を行いました。その結果、今回の拡充については鳥類の中でも特に被害が顕著なカラスについて捕獲報償金を上乗せし、捕獲数増加による被害防止を図ることとしたものです。
2点目の予算が減額している中で、限られた予算の中ではありますが、箱わなの設置場所の見直しや侵入防止柵の整備に国事業を有効に活用する等の工夫によりまして、効果的な鳥獣被害防止に努めてまいります。
〔松本幸隆委員 登壇〕
◆松本幸隆 委員 農水局長、御答弁ありがとうございました。
鳥類対策において拡充とのことは理解いたしました。しかしながら、根本的な有害鳥獣の捕獲対策の推進費が減額となることについては様々な課題があり、被害が減っているとは感じられない中で不安が残るところでありますので、限られた予算の中において効果的な取組について引き続き地域や行政が一体となって農作物の被害防止及び市民の安全確保に努めていただくようお願いをしたいと思います。
また、財政局におかれましても、厳しい財政事情の中、必要な予算確保は大変だと理解できますが、農業は地方活性化を担う大切な基幹産業でございます。担当課のチャレンジする部分はできるだけその思いを酌み取りながら、予算査定に努めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
次に、冒頭お話ししました中心市街地におけるミヤマガラスのふん害等についてです。飲食業をはじめ中心市街地に来られる方々から多数お声をいただいておりますので、質問させていただきます。
資料ではミヤマガラス対策分として352万3,000円を要求されておりますが、今後の対策について農水局長にお尋ねいたします。
〔金山武史農水局長 登壇〕
◎金山武史 農水局長 例年、越冬のために大群で飛来するミヤマガラスが、日の入りから日の出までの夜間に市街地の街路樹や電柱、電線等を利用してねぐらを形成することで、歩道等へのふん害が発生しております。このため、令和2年度から専門家協力の下、実証試験に取り組み、カラスの嫌がる音声装置による追い払いが効果的であったことから、昨年度から本格的対策を開始しております。その結果、この冬の中心市街地への飛来数は12月中旬の約1万500羽から1月中旬には約3,800羽までに減少させることができました。
しかしながら、ふん害が完全に解消されたとは言えないため、今後、道路管理者や電力会社等の関係機関と情報共有を図り、音声装置の設置場所や時期等について引き続き工夫を重ねながら、さらなる被害軽減に努めてまいります。
〔松本幸隆委員 登壇〕
◆松本幸隆 委員 農水局長、御答弁ありがとうございました。
今年度は大きな成果があったということで、これまでの対策が実りつつあるようで大変期待しております。しかしながら、効果がまだない通りからのお声や、また、飲食店入り口付近、歩行中のふん害等の被害を多数お聞きします。中には、これだけふん害があると、町なかの街路樹が必要か検討していただきたいなどの声もお聞きしました。今後もさらなる被害情報収集の徹底と効果的な対策を進めていただくよう強く要望しまして、次の質問に移ります。
次に、当初予算(案)主要事業の詳細、外部人材の活用経費についてお尋ねいたします。
総務局人事課の新規事業として、企業人材活用経費560万円が計上されております。大変よい事業かと思いますが、積算内訳として派遣社員の給与等に関する企業への負担金が560万円で、国による支援として1人当たり560万円が特別交付税措置されるとなっております。この特別交付税措置は人数が1人と決められているのでしょうか。もしくは、1人を試験的に実施されるような感じでしょうか。また、本事業を新規に行おうとした経緯も含めて教えてください。総務局長、お願いいたします。
〔津田善幸総務局長 登壇〕
◎津田善幸 総務局長 本事業は、国の制度を活用して民間企業から社員の派遣を受け、企業での専門知識や業務経験等を生かしていただくことで、本市の課題解決を図ることを目的としております。
お尋ねの、国による特別交付税措置は、1人につき560万円という上限はあるものの、その人数は1人に制限されているものではございません。このたび企業との協議が整いましたことから、まずは観光分野において試行的に事業を実施したいと考えており、新年度予算案に1人分の経費を計上したものです。今後、試行事業を進める中で、成果や課題、事業規模の在り方等についても検証してまいります。
〔松本幸隆委員 登壇〕
◆松本幸隆 委員 総務局長、御答弁ありがとうございました。企業人材活用という、行政としては民間の知見を吸収してよい行政運営を進めるためにはすばらしい取組と思い、質問させていただきました。
しかしながら、なぜに1人分の予算しか計上していないのかが疑問でした。今回の予算分だけで1人の民間企業の社員さんを雇うことは難しく、当然、企業持ち出し分もあると思います。行政としても、民間との利害関係を鑑みることも必要ですし、民間企業とのなれ合いといった形になると、本来の目的としての利点が生かされないことになってしまうのではないかと懸念も生まれることになるかもしれません。事業を進めていく中で、事業と課題を精査して、よりよい事業となるように進めていくことをお願いいたします。
以上で質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。
○落水清弘 委員長 松本幸隆委員の質疑は終わりました。
以上で、熊本自由民主党市議団の質疑は全て終了しました。
次に、市民連合の質疑を行います。持ち時間は35分となっております。
まず、西岡誠也委員の質疑を行います。
〔西岡誠也委員 登壇〕
◆西岡誠也 委員 市民連合の西岡でございます。
うちの会派は持ち時間が35分でございまして、3名発言しますから、端的に質問させていただきます。目標9分です。吉村委員が20分、あと、田上委員が6分ということに組立てをしておりますので、できるだけ早くやりたいと思います。
2月11日、地元紙で新庁舎整備費8倍という記事が載りました。びっくりしました。庁舎整備の基本構想で616億円ですから、8倍になると5,000億になっているではなかろうかと心配をしました。それで、昨年の当初予算と今年の当初予算、これについての説明をまずお願いします。
それから、これまでずっと地方交付税と合併推進債の関係、これについて議論があっておりまして、基準財政需要額から収入額を引いた差額が交付税になると。したがって、それについては合併推進債は意味がないではないかとか、こういう意見とか、将来にわたってそれが保障できるのかという考えの方もいらっしゃいますので、改めてここについては財政局長にお尋ねします。最初の部分は政策局長、よろしくお願いします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 新庁舎整備に係ります令和6年度と令和7年度の当初予算の比較について申し上げます。
まず、令和6年度当初予算でございますが、新庁舎整備に係る建設地等の検討に要する経費を4,000万円、同じく新庁舎整備に係ります市民への情報提供に要する経費を300万円、合計4,300万円を計上しております。
次に、令和7年度当初予算でございますが、引き続き新庁舎整備に係る市民への情報提供に要する経費を410万円計上しておりますほか、新規項目として新庁舎整備に係る基本計画の策定等に要する経費を2億6,200万円、市民交流スペースの利活用検討等に係る経費を2,790万円、さらに、仮称でございますが、庁舎周辺まちづくりプランの策定等に要する経費を5,500万円、合計で3億4,900万円を計上しています。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 市庁舎整備関連予算につきまして順次お答えいたします。
まず、新庁舎整備に関する基本構想でお示ししております概算事業費約616億円に対する本市の実質的な財政負担につきましては、合併推進債を活用する場合は約255億円、合併推進債を活用しない場合は約443億円と試算しておりまして、合併推進債活用による財政負担の軽減効果額は約188億円となっております。事業費の財源となります地方債は、金融機関等から資金を借り入れまして事業費を支払い、後年度に20年~30年かけて金融機関等へその資金を返済することになります。地方交付税の算定におきましては、事業費補正という形でその元利償還金の4割相当額が基準財政需要額に加算され、その分、交付される地方交付税が純増しますことから、本市の実質的な財政負担が軽減されることになります。
次に、地方交付税措置につきましては、地方交付税は団体間の財源の不均衡を調整し、全ての自治体が一定の行政水準を維持し得るよう財源を保障する見地から、国税として国が代わって徴収し、一定の合理的な基準によって地方へ再配分されるものでございます。地方交付税の原資につきましては、地方交付税法の本則におきまして、所得税収入額の33.1%など国税収入の法定率分の規定がございますが、この法律におきまして、地方交付税の原資となる国税収入の法定率分が必要な地方交付税総額と比べ著しく異なることとなった場合には、地方行財政の制度改正または法定率の変更を行うものとする旨が規定されております。
また、国が地方交付税法に基づき毎年公表いたします地方財政計画におきまして、例年財源不足が発生している状況にございますが、地方行財政の制度改正または法定率の変更による対応がなされておりまして、地方において必要とされる地方交付税の総額はこれまでも確保されてきているものと承知しております。
これらのことから、国におきましては引き続き地方の安定的な財政運営のために必要な対応がなされるものと認識しております。
〔西岡誠也委員 登壇〕
◆西岡誠也 委員 1点目に関しましては、昨年は新庁舎の場所をどこにするかということを中心に委託して検討してもらったと。ところが、今年については新たな事業が2つで拡充が1本ということで、トータル3億数千万と。計算しますと、3つを足したのと昨年の4,300万を比較して8倍ということで、比較すべきものなのかということで、甚だ疑問を感じたところでございます。
それから、財政問題に関しては、やはりきちっと負担軽減ということで、通常の基準財政需要額に事業補正という形で載るわけですから、この部分はやはり負担軽減につながるということは考える必要があるというふうに思っております。
それで、この問題を考えたときに、やはり執行部としては市民の皆さんにできるだけ分かりやすく説明するということ、それから、我々議員、あるいはマスコミの皆さん、切り取るのではなくて正確な情報、全体像を示していくと、このことが必要ではないかなというふうに考えておりますので、お互いそういう立場でやっていきたいというふうに思っております。
次の質問に移ります。
帯状疱疹ワクチンの個人負担補助の見直しについてということで、今度の予算の中で詳細を見てみますと、予算の項目には、解説の中に医療機関への委託料ということで記載されております。個人負担の軽減についてはどのようにお考えになっているのか、大西市長にお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 帯状疱疹ワクチンについては、現在令和7年4月からの定期接種化に向け、必要な法令改正手続が進められておりまして、令和7年度当初予算に、帯状疱疹定期接種の実施に必要な経費を計上しております。
帯状疱疹定期接種は、主に個人の発病・重症化予防を目的とし、ワクチン代相当の自己負担を求めることができるB類疾病の予防接種ではありますものの、高額なワクチンを含む2種類のワクチンが使用される等、接種控えのおそれがありますことから、市民税非課税世帯の高齢者を他の定期接種と同様に無料とするほか、自己負担が生じる課税世帯の高齢者に対して、高額な組換えワクチン接種費用の半額を公費助成する等の負担軽減を行いたいと考えております。
帯状疱疹は80歳までに3人に1人が罹患すると推定されておりまして、合併症として、日常生活に支障を来すほど強い疼痛が数か月から数年にわたって持続する帯状疱疹後神経痛や、発症部位によっては失明に至る角膜炎等を発症することもあり、自らの健康は自ら守るという健康保持の観点から、接種を希望される高齢者が円滑に接種できるよう、接種率向上に向け、様々な取組を進めてまいります。
〔西岡誠也委員 登壇〕
◆西岡誠也 委員 個人負担について、半額補助ということで初めて言及いただきました。確かに2種類あって、生ワクチン、これについては5,000円程度なんですけれども、効果の方が接種後1年後には6割とか、あるいは5年後には4割に下がるということ。ところが、組換えになりますと2回接種が必要で、約2万2,000円を2回、2か月間、間を空けて接種するわけですから、この効果は接種後1年で9割以上、5年後に9割、そして、10年後にも7割程度効果があると言われております。ですから、組換えワクチンの方が高いけれども、効果があると。その半額ですから、かなり市民の皆さん助かるんではないかというふうに思っています。ここには今、47人おりますから、このうち15人は発症するような計算になりますから、ぜひ、これは一気に行った場合にはかなり財源が必要ですから、それについてはまた委員会の中で議論いただくだろうというふうに思いますけれども、とにかく感謝を申し上げます。ありがとうございます。
それでは、次の質問に移らせていただきます。
カスハラに対する通話録音装置についてでありますけれども、例えば代表電話にかけた場合に、どういう流れになるのかと。あるいは、転送した場合にどうなるのかという問題ですとか、市長部局の予算が組まれておりますけれども、交通、水道、それから教育委員会、ここはどうなっているのか、これについては総務局長にお尋ねいたします。
〔津田善幸総務局長 登壇〕
◎津田善幸 総務局長 カスタマーハラスメント対策として予算を計上しております通話録音装置等は、代表電話番号や直通電話番号にかかってきた電話につきまして、通話を始める前に録音する旨アナウンスし、録音するものでございます。電話を転送した場合においても、通話は録音されます。
新年度予算につきましては、本庁舎及び周辺オフィスへの通話録音装置等の導入費用として1,260万円を計上しており、教育委員会事務局も含まれております。市立学校につきましては、令和5年度に中学校等に導入しており、令和7年度は現在未導入である小学校や高等学校等への導入経費として660万円を計上しています。交通局においては、今年度中に導入を完了し、上下水道局は令和7年度の導入を目指し検討中でございます。
〔西岡誠也委員 登壇〕
◆西岡誠也 委員 最初、途中、水道局の方は録音装置が入っていたけれども、ガイダンスがないと。あるいは録音容量が少ないということもありましたけれども、新年度にその辺の対応をやるということになりましたから、全庁的に対策は取られてきているというふうに思います。これまで、昨年からずっと名札ですとか、いろいろ取組をされていることに対して感謝を申し上げたいと思いますし、今回、録音するということになりますから、住民からのいろいろな話、あるいは今度は内部の職員の話、全て録音されるわけですから、この辺の職員に対しての指導とか、この辺についてもぜひ対策をよろしくお願いしておきたいと思います。
それでは、最後に西消防署の移転事業についてお尋ねいたします。
1点目は、面積的な問題ですね。熊本市の消防署はどこを見ても狭いんですよね。中央消防署が狭い。そして、南もできましたけれども、南も狭いし、北も狭いですね。強いて言えば、健軍が少し広いわけですけれども、健軍は6,500平方メートルぐらいですね。今回については大体8,500平方メートルとか聞いております。ただ、将来を見たときに、それで十分なのかというふうにちょっと思ったところです。
例えば、今、中央消防署に体験型の施設がありますけれども、かなり老朽化が進んでいるということ、それから、小さいということが弱点としてあるのかなというふうに思っております。それから、この池上の場合は浸水地帯ですから、その辺の対策は十分取られているのかちょっと心配しておりますから、その辺について消防局長の考え方をお知らせいただきたいと思います。
〔平井司朗消防局長 登壇〕
◎平井司朗 消防局長 西消防署移転事業について順次お答えいたします。
まず、移転用地の面積でございますが、消防職員が日常的に訓練を行う広さに加え、大規模災害が発生した際に消防団や緊急消防援助隊等が十分に集結できる面積を確保しております。今後、基本計画等で庁舎や訓練施設の機能について検討することとしております。
次に、体験型防災施設の設置につきましては、現在、広域防災センターがある消防局庁舎は老朽化が進んでいることから、大規模改修工事を予定しており、当該工事に合わせ、防災センターの今後の方針を検討したいと考えているところであり、今後、関係部局と多角的に協議してまいります。
最後に、浸水対策につきましては、委員御指摘のとおり移転用地は浸水想定区域内にございますが、用地のかさ上げや事務室及び電気設備関係を上層階に設置することで、継続して消防防災活動拠点としての機能を維持できるよう対応してまいります。
〔西岡誠也委員 登壇〕
◆西岡誠也 委員 ありがとうございました。
これまでの消防署の敷地面積からはかなり広がってはおりますけれども、これまで総務委員会に所属していたときに、他県の消防施設を見に行きました。立派な建物、そして、面積が広くていろいろな体験ができる、そういう施設を見てきました。これについては当然、消防の方にもそういう資料が蓄積されていると思いますから、今後検討することに当たって、やはりそういう施設を頭に描きながら、ぜひ検討いただきたいということで、私の方の質問を終わらせていただきます。9分以内の目標達成でございました。ありがとうございました。
○落水清弘 委員長 西岡誠也委員の質疑は終わりました。
次に、吉村健治委員の質疑を行います。
〔吉村健治委員 登壇〕
◆吉村健治 委員 皆さん、こんにちは。市民連合の吉村健治でございます。
私の方からは、予算計上されております4項目について質問させていただきます。
まず、政策局広報課が発しております平和啓発事業に関してお聞きいたします。
本年、激動の時代であった昭和100年を数え、第二次世界大戦終結から80年に当たります。私が生まれた昭和43年、1968年でありますけれども、終戦から23年、市長もそのあたりのお生まれだと思いますが、実質経済成長率が、今では全く考えられませんが、年平均10%前後の高い推移を示しておりまして、約20年間成長が続きました。高度経済成長真っただ中で、いざなぎ景気とも言われました。戦後の焼け野原から一転、電化製品や自動車等が一般家庭に普及し、人々の暮らしは日々よくなり、民間設備投資も活発化するとともに、国土都市開発、インフラ整備が急速に発展した反面、多くの日本国民や他国民の犠牲、先人の血のにじむような努力の上に成り立った我が国の繁栄と平和から、徐々に戦争のないのが当たり前だとする感覚から我々日本人は脱することができなくなったんだろうと思います。
平和な時代を甘受し続けることで、私たちは戦争の惨禍から目を背け、歴史的な知識や良識に乏しくなりました。現在の国の制度や構造を過信することは非常に危険です。私たちは戦後80年を迎える今こそ平和の成り立ちを学び直す必要があると私は確信しております。
そこで、2025年本市予算に計上された平和啓発事業に関して、本会議の公明党の木庭議員の質問と重なる部分もございますが、改めてその目的等を執行部に問い、啓発について要望もさせていただきたいと思います。
一つ、本市が実施してきた平和啓発事業とその継承、次に、今回実施する平和啓発事業の狙い、最後に、啓発動画を作成するとしていますが、それは本市独自のものであって、改めて新規に作成するに値するものなのか、また、戦争体験者や語り部の方々、本市市民はその撮影に何らかの関わりを持つことができるのか、結果として啓発に値するものであったかどうかの検証は可能なのか、政策局長に答弁を求めます。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 これまで本市では、毎年終戦記念日に合わせ、熊本大空襲の様子や広島・長崎への原爆投下の被害等についてのパネル展を本庁舎1階と中央区を除く各区役所持ち回りで開催しており、多くの御来庁者の皆様に御覧いただいております。また、平和啓発に関する講演会等を実施しておりますほか、全ての市立小学校において6年生を対象に長崎市への修学旅行や授業の中で、戦争と平和に関する学習を行っております。
今年は戦後80年の節目の年であり、戦争を知らない世代にその悲惨な記憶を引き継ぐため、例年開催しておりますパネル展等に加え啓発イベントや小中学生向けの動画作成を予定しております。この動画は、小中学校での授業での活用を検討しており、報道機関や新聞社が所有する当時の映像だけではなく、語り部の方々の体験談や市民団体等が保存している遺品などの映像も取り入れる予定としております。
戦争を経験された方々の高齢化が進む中、平和の尊さを次世代に引き継ぐためには意義ある啓発事業を継続する必要があり、実施後のアンケートを行うなど、効果についても検証してまいります。
〔吉村健治委員 登壇〕
◆吉村健治 委員 政策局長より御説明いただきました。長年にわたり平和啓発事業を続けることはとても大切ですが、いわゆるステレオタイプの啓発事業である必要はないと思います。いわゆる次世代を担う若い世代に平和をテーマに映像制作等をしていただき、デジタル等SNSなどで発信することなど、その機会を行政が後押しすることに徹することが必要ではないかと思っています。
また、教育学習プログラムとして学校との連携授業を行い、歴史教育と連動した平和学習の時間を設け、ディスカッション等を通じてこどもたちに考えさせるなどを通じて、学びから共感、そして、行動の流れをつくることが大切ではないかと思います。どの層にアプローチしたいか、どんな行動変容を目指すのかを明確にすることで、より意義のある授業が展開できると思います。担当部局に期待したいと思っております。
昨年、日本被団協、日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞されたことは国民にとって大変誇らしく、長年にわたり核兵器廃絶等の運動を展開されてきたことに対し、改めて敬意を表すとともに、今の日本の平和の礎となられた全ての方々とその御家族が一日も早く心の安寧を得られるよう祈念申し上げます。
そこで、被団協のノーベル平和賞の受賞や、毎年高校生平和大使の訪問も市長は受けられていると思いますが、先月、熊本県被団協武田会長らの市長訪問を受けまして、今の市長の平和に対する思いについて改めて問いたいと思います。市長、答弁をお願いいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 被爆者の立場から核兵器廃絶を訴えてこられた日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞されたことは大変意義深く、今回の受賞が昨今の厳しい世界情勢の流れを変える大きな契機となり、核兵器廃絶に向けた各国の具体的な行動につながることを期待しております。また、先日、熊本県原爆被害者団体協議会の方々と面会いたしまして、核兵器廃絶や戦争体験の継承についての思いをお聞きする中で、私自身も改めて核兵器廃絶や平和に対する思いを強くしたところでございます。
今年は被爆80年、戦後80年の大きな節目の年でありますことから、あらゆる機会を捉えて平和の大切さや命の尊さに対する理解を深めますとともに、戦争の惨禍について次の世代へ語り継ぐための取組を進め、恒久平和の実現に向けた努力を粘り強く行ってまいりたいと考えております。
〔吉村健治委員 登壇〕
◆吉村健治 委員 答弁ありがとうございます。
いわゆる生き証人の方々の生の声を聞く機会の全喪失が極めて近い将来に迎えることは紛れもない事実であろうと思います。本市に住む全ての人たちの暮らし、生活は全て平和の上に成り立っているという事実を共有するためにも、戦争体験者の方々、被爆者の声だけではなく、平和とは、なぜ戦争が起こるのか、戦争を起こさないための不断の努力とは何か、被爆者の立場としてだけではなく、加害者としての日本の立場、そういったものを幅広く子々孫々語り継ぐことが大切だと思います。そのことが、本当の意味での平和の尊さ、平和の大切さが市民に届く平和啓発事業になると思います。当然のことながら、戦火の中、国家のために命を捧げ、非業の死を遂げられた戦死者の方々に対する敬意を失ってはいけません。私たちは過去の過ちから目を背けることなく、それが弁明的に語られないこと、担当部局が有効な啓発事業を計画する際には、人々の心に平和の重要性を刻み、行動を促すことで共感や理解を生み出す工夫が鍵となると思います。
市長の平和に対する思いを述べていただきましたが、その思いが本当の意味での啓発につながるよう願いたいと思っております。
次の質問に移らせていただきます。
財政局税制課所管の宿泊税賦課事務経費に関して問いたいと思います。
令和5年5月にコロナウイルス感染症が5類に移行した後、円安を契機に際立つインバウンド旅行需要はすぐにコロナ禍前の水準に回復し、過去最高を記録し続けております。需要を満たす観光関連施策の財源を調達するための条例を制定し、地方独自課税を活用する各地の動向に鑑み、本市において法定外地方税を新設する今回の取組は理解でき、導入にはこれからの本市の予算配分において、少子高齢化が進む中、社会保障経費等のさらなる伸びを考えると、財源確保手段として正しい手段であると私も思いますが、一般的に宿泊税は観光振興や地域活性化の財源として導入され、その使い道には幾つかの問題点が指摘されております。
そこで、宿泊税制度について、一つ、導入の経緯と目的について、次に制度の見直しの時期について、次に賦課徴収する対象者と課税免除の有無について、例えば、非課税事項で免税点、課税免除を設けないとしているが、障がい者手帳保有者などの考慮すべき点ではないかといったこと、次に、国内、県内、インバウンド宿泊者の税額の差別化の可能性について、最後に、税額200円の妥当性について、財政局長に答弁を求めます。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 宿泊税につきまして、順次お答えさせていただきます。
まず、宿泊税導入の経緯と目的についてでございますが、本市におきましては、コロナ禍を経て旅行需要が回復する中、観光を取り巻く状況の変化に的確に対応し、観光振興への取組を強化していく必要がありますことから、熊本市観光マーケティング戦略を策定したところでございます。この戦略に基づきまして、観光振興に積極的かつ継続的に取り組むため、外部の有識者から成る熊本市宿泊税検討委員会を設置し、宿泊税を含めた安定的な財源確保について御検討いただいた結果、宿泊税の導入は適当であるとの答申を受けたところでございます。この答申を踏まえ、宿泊事業者の皆様から御意見を伺いながら本市の制度設計を進めまして、今回の条例案の上程に至ったものでございます。
次に、制度の見直しにつきましては、検討委員会の答申のとおり、宿泊税導入後、2年が経過した時点で初回の見直しを行い、その後は5年ごとに見直しを行うこととされておりますが、社会情勢の動向等、状況に急激な変化が生じた場合には、定めた期間を待たずに必要な見直しを検討したいと考えております。
次、3点目でございますが、宿泊税は旅館業法と住宅宿泊事業法に規定された宿泊施設に宿泊する方に納めていただくこととしております。宿泊税を徴収いただく宿泊事業者の事務負担軽減や宿泊者への分かりやすさを重視し、簡素な制度とすることが望ましいとの検討委員会の答申を尊重し、免税点や障がいの有無等による課税免除は設けないこととしております。
次に、税額の差別化についてでございますが、税額につきましては、宿泊者の居住地や国籍による差別化は行っておらず、仮に差別化を図るとした場合、宿泊者と宿泊事業者双方に要件の証明や確認作業の御負担をおかけすることとなります。また、実務上の理由とは別に、外国籍であるという理由で税額の差別化を図ることは租税条約に抵触する可能性があり、慎重な検討が必要であると考えております。
最後に、1人1泊200円の税額につきましては、観光施策の推進のために新たに必要となる財政需要を考慮し、事業者や旅行者からの御意見、宿泊者の負担感を総合的に勘案し、決定したものでございます。なお、税額につきましても、課税免除等と同様に状況に応じて必要な見直しを検討することとしております。
〔吉村健治委員 登壇〕
◆吉村健治 委員 続けまして、本市の観光政策既存事業とその予算規模、あわせて使途における新規事業とはどのようなものを想定しているのか、使途の効果検証はどのようにするのか、その検証を踏まえ柔軟に対応ができるのか、観光局長に宿泊税の使途についての答弁を求めます。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕
◎村上和美 経済観光局長 まず、既存事業とはというお尋ねでございますが、本市が現在取り組んでおります観光振興のための事業のことでございまして、令和7年度の観光政策課の当初予算におきまして、熊本城や地下水など本市の観光資源の魅力向上に向けた取組をはじめ、観光案内所や桜の馬場観光交流施設の維持管理・運営、市電のWi-Fiサービス提供などの受入れ環境整備、九州内の自治体等と連携したインバウンド誘客事業など、約6億1,300万円を計上しているところでございます。
宿泊税の使途につきましては、熊本市観光マーケティング戦略に基づく事業に優先順位を設け、来訪の促進や旅行者の満足度向上につながる新規事業や、既存事業の拡充等に充当としたいと考えておりまして、議員御提案の宿泊事業者をはじめとする観光産業の経営基盤の強化に資する取組につきましても検討を進めてまいります。
その使途に係る効果検証につきましては、来訪者アンケートなどの分析結果を基に宿泊事業者との意見交換や外部審議会を通じて検証し、毎年見直しを行うことによりまして、柔軟かつ効果的に宿泊税を活用することによりまして、本市観光振興のさらなる強化を図ってまいります。
〔吉村健治委員 登壇〕
◆吉村健治 委員 財政局長、経済観光局長に御丁寧に答弁いただきました。
これまでの観光政策を踏まえた上で、熊本市観光マーケティング戦略を策定し、宿泊税導入の妥当性を熟慮した上での今回の条例案上程には様々な御苦労もあったかと思います。ただし、問題点が多少あると思います。本来、観光振興に使われるべき宿泊税が一般財源に組み込まれるなど、関係のない事業に充てられてしまうことも可能性としてあることから、観光関連以外に利用される可能性があり、また、使途が細かく公開されず、どのプロジェクトにどれだけ使われたのか、宿泊事業者に伝わらないケースがあるなど、使途が曖昧になり透明性が欠如するリスクがあることがまず1つ。観光PRや広告宣伝に多額の税金が投入されても、その効果が数値化されず、成果が曖昧になりがちだと思います。話題性のあるイベントばかりに税金が使われ、長期的な観光基盤設備、交通や施設改善などが後回しになる場合もあり、観光振興の実効性が問われる事態が生じる可能性がございます。
さらに、宿泊施設が宿泊税を徴収するため事務作業が増加し、小規模宿泊業者ほどその負担感と反発が想定され、また、宿泊客に税の仕組みが浸透されていないと、追加料金に不満を抱かれることもあり、そういったことが危惧する点であると思われます。
先ほど財政局長より、導入後の見直し時期に言及していただきました。この制度を運用する上で強く留意すべき点は、税の目的があくまでも観光振興であるという点です。ただし、観光は数多くの分野との関わりのある裾野の広い産業であると思われます。つまり、解釈の仕方、例えば、観光客は道路や橋などのインフラ整備、観光施設以外の病院や駅などの公共施設も利用することがある可能性があることから、これらの建設や維持補修を行う土木公共事業や観光業を下支えするその他各種サービス業についての支援までもが観光振興目的であると解釈することが可能であることから、条例にはその使途が拡大する懸念に対処するための規定を設けなければいけないと思われます。
また、運用段階で野放図な拡大を防ぎ、歯止めをかけるためにも、事業に対する効果測定をきちんとした上で、見直し後の方針に盛り込まれなければ、本来の宿泊税の目的である観光振興策をいつの間にか逸脱しかねないと思われます。本市に宿泊していただくお客様に税金を課し、その業務の多くを宿泊事業者に頼るものである以上、効果の薄い事業が選択され、それを惰性で続けることで既得権益化する事態は何としても避けていただきたいと思います。
納税者は旅行者が多いことから、納税した税の行方を監視することは物理的に不可能であると思います。徴収する本市においては使途を明確にし、徹底した財政報告の情報公開と成果指標を制定し、観光客数や地域社会への波及効果を測ることが必要であると思われます。観光事業者や市民の監視を受けやすい仕組みを構築することも強く要望いたします。いずれにいたしましても、この宿泊税を誰のためにどう使うのか、地域の魅力向上にいかに使われるのかを宿泊者や宿泊事業者をはじめ観光関係者と丁寧に共有することがこの制度の成功の鍵になると思いますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。
次の質問に移ります。
文化市民局生活安全課が所管しております犯罪被害者等支援推進経費に関してお聞きいたします。
本来、行政が行うべき犯罪被害者等への支援は多岐にわたりますが、基本的には被害者と被害者家族の心身のケアと生活再建のサポートが柱になると思います。例えば、被害者やその家族の心のケアが最優先事項であることから、心理的サポート、メンタルケアが必要です。また、事件後、生活基盤が脅かされることも少なくないことから、生活再建支援が必要ですし、犯罪被害者は自身の権利や制度を知らずに孤立することがあることから、公的支援や行政の情報提供も必要になってきます。被害者がどこに相談すべきか迷わないよう、ワンストップ支援センターを設けることなどが重要なことから、総合的な窓口の設置も必要となってまいりました。
そして、地域で犯罪被害者の方々が孤立しないよう、社会全体の理解を深める取組も不可欠であり、啓発活動、理解ある地域づくりも必要になってまいります。さらに、最後に、被害者がメディアやSNS等で不必要に注目されることを防ぐため、プライバシー保護対象や誹謗中傷への法的措置のサポートなど、二次被害の防止も必須であります。
そこで、本市の犯罪被害者等支援政策についてお聞きいたします。
まず、この予算化の経緯について、その予算規模の推移、支援の内容とその実績について、犯罪被害者等の方々へのアプローチ方法と、関係団体との連携について、支援を受けた犯罪被害者の方々のお声はどんなものなのか、その現状の課題とその解決手段について、文化市民局長に答弁を求めます。
〔早野貴志文化市民局長 登壇〕
◎早野貴志 文化市民局長 犯罪被害者等支援に関する6点の御質問に順次お答えします。
まず、予算化の経緯でございますが、本市では犯罪被害者等基本法の施行による犯罪被害者等に対する支援を求める機運の高まりや議会等からの条例制定等の要望を受け、令和5年9月に熊本市犯罪被害者等支援条例を制定し、今年度から熊本市犯罪被害者等見舞金制度による支援を開始したところでございます。
2点目の見舞金等の予算の推移につきましては、令和6年度は280万円、令和7年度も同額を計上しております。なお、犯罪被害者等早期援助団体である公益社団法人くまもと被害者支援センターへも運営費助成を行っております。
3点目の今年度の支給内容とその実績につきましては、令和7年1月末時点で3名の方に重傷病等見舞金3件、転居費用助成金1件を支給しております。
4点目の犯罪被害者の方々へのアプローチにつきましては、まず公益社団法人くまもと被害者支援センターの支援員や熊本県警の被害者支援係等が相談を受け、必要に応じて病院への付き添いなど初期の段階からの支援を実施しております。一方で、本市では犯罪被害者等の方々の相談を受け、早期生活再建に向けた見舞金等の支給や、本市の福祉制度の利用など、相談者に寄り添った支援を行っております。このように関係機関がそれぞれの役割に応じ、御本人の同意を得た上で情報共有や連携を図りながら包括的な支援を行っております。
5点目のこれまで支援を行った方からの声につきましては、「最初は相談することが不安だったが、相談してみると心の負担が軽くなり、相談してよかった。」また、「被害をきっかけに仕事を辞めざるを得なくなり経済的にも負担が大きかったが、見舞金があり大変助かった。」といった声をいただいております。
最後に、現状の課題につきましては、これまで本市では啓発チラシの配布等による周知や当事者団体の活動への支援などを行っておりますが、さらに犯罪被害者等の方々が円滑に必要な支援を受けるための情報発信や、市民の皆様が犯罪被害者等についての理解を深めていただくための効果的な啓発が必要であると考えております。そのため、本市ホームページに犯罪被害者等のフェーズに応じた支援策をより分かりやすく掲載するとともに、くまもと被害者支援センターや熊本県警と連携し、より多くの人が参加するイベント等で情報発信を行うなど、様々な機会を捉えて市民の皆様への周知啓発を行ってまいります。
〔吉村健治委員 登壇〕
◆吉村健治 委員 御答弁ありがとうございました。
令和元年第4回定例会で、私の方から犯罪被害者等支援条例の制定を求めた質問をして以来、強い関心を持って推移を見守ってまいりました。令和5年9月に熊本市犯罪被害者等支援条例が制定され、議員として犯罪被害等に遭われた方々やその御家族の物心両面の御負担を少しでも軽くすることができたことに関し、条例の制定や現行制度の維持、その精度向上に向けて御努力いただいている本市職員やくまもと被害者支援センターをはじめ関係者の方々に改めて御礼を申し上げます。
近年において、現行の凶悪犯罪に加え、闇バイトなど新たな犯罪が市民や若年層にも浸透し、生きる上で必要以上のネットやAI技術の発達に伴い、交通事故のようにいつ何時自身や御家族が犯罪被害を受けるか分からない時代になってきており、警察や関係団体と協力し、被害者や支援センターのお声によく耳を傾け、社会情勢の変化を敏感に捉えつつ、制度をブラッシュアップし、犯罪が起こりにくい社会をつくることと同時並行で、本市は上質な生活都市くまもとをつくる義務があり、市民が安心して暮らせる社会をつくらなければなりません。つまり、行政が果たすべき役割は単なる事後のサポートにとどまらず、治安のよい熊本市をつくり、被害者が再び安心して生活を送るための長期的な伴走支援をすることだと思っております。
本市が他機関と協力しながら、どの分野に力を入れたいと考えていくかが大切だと思います。予算の関係から質問しましたが、大切なのは予算規模ではなく、その体制と市民がいかに安心して暮らせる社会をつくるかにかかっていると思います。
次の質問に移らせていただきます。
都市建設局が所管しております空家対策課の空家等対策事業に関してお聞きいたします。
放置された住宅が増加し続けることは、社会的、経済的、環境的、そして、地域的な課題を日本全国で引き起こす現代社会の大問題であります。少子高齢化や人口減少、東京圏への人口集中などにより、本市をはじめ地方都市の喫緊の課題であることは誰しも共通の認識だと思います。防災のリスクの増加や景観の悪化、治安の悪化を招き、害虫、害獣の発生、庭木トラブルなどの問題、地域社会や隣近所への悪影響に関するお話は、私たち議員も地元で頻繁に陳情や要請を受ける事案であります。
社会問題となっている中、本市が抱える問題の解決に向け、十分な予算確保ができているのかを問いたいと思います。
直近の全国の空き家件数と本市の件数、そして、今後の本市の件数見込みを教えてください。
空家対策課発足以後の予算推移と本年予算要求額の関連性について、また、令和6年に改定された4つの基本方針、「予防」「利活用」「適正管理」「連携体制の強化」について、その他の空家対策事業の予算の内容について、都市建設局長に答弁を求めます。
〔秋山義典都市建設局長 登壇〕
◎秋山義典 都市建設局長 空家等対策事業に関する5つの質問に対して、一括してお答えいたします。
令和5年度に総務省が実施した住宅・土地統計調査の結果によりますと、空き家数は全国で約900万戸、本市で約5万1,000戸でございまして、今後の本市の見込みについて具体的な数字をお示しすることはできませんが、少子高齢化・人口減少の進展に伴い、確実に増加すると見込んでおります。
平成31年4月の空家対策課発足に当たっては、同時期に策定いたしました「第1次空家等対策計画」におきまして、居住中であるか、また、非居住となって1年未満かそれ以上であるかなど、建物の状態に合わせた対応策を講じますため、「予防」「利活用」「適正管理」の3つの基本方針に基づき取組を進めていくことといたしました。初年度は周囲に影響を及ぼす可能性がある空家等に対する代執行や、所有者等による除却の支援経費として1,500万円を計上いたしました。その後、若者世帯等による空き家のリフォーム費用や予防的な除却の費用も支援対象とするなど、年々事業内容を拡大いたしまして、令和7年度予算は7,960万円を計上しております。
委員お尋ねのその他空家対策事業につきましては、空き家の適正管理に係る啓発のための出前講座等の開催経費、管理不全空家等の所有者を特定するための司法書士への委託費等が含まれております。
最後に、連携体制の強化を追加した経緯についてお答えいたします。
空き家の管理は所有者等が責任を持って取り組むことが原則でございますが、適正に管理がなされていない場合、地域全体の問題にもなってまいります。今後、そのような管理不全空家等の増加が懸念される中では、地域や専門家等とのより一層連携して取り組むことが重要となってまいりますことから、令和6年3月に策定いたしました第2次空家等対策計画におきまして、従来の3つの基本方針に加え、新たに連携体制の強化を加えたところでございます。
〔吉村健治委員 登壇〕
◆吉村健治 委員 局長には、現状とこれからの空家対策事業等を御説明いただきました。本当に難しい問題だろうと思います。これに関しては、やはり国の政策がきちんとしていかないと、なかなか地方の現場の人たちだけでは難しいんではないかと思いますので、また後ほど市長にも御答弁いただきますけれども、国に対する要望とか、各種市長会を通じてお願いをしたいなというような気がします。
今、御答弁いただきましたけれども、基本的には空き家問題の根源には所有者の特定や合意形成が難しいこと、法的手続、権利関係の複雑さ、解体修繕の費用負担問題、活用方法が見つからない、地域住民との関係性の難しさ、行政の人手や予算、リソース不足であったりすることが大きな要因であると思われます。その抜本的な解決は一筋縄ではいかないということは皆さん御存じのとおりです。ただ、日本各地で、最近では空き家の利活用や地域ぐるみのプロジェクトも少しずつ増えてまいりまして、うまく行政、住民、企業が連携することで少しずつ進展している例もあるようですので、他都市の例も見ながら一歩ずつ進んでいただければと思います。
都市建設局長の答弁にあるように、空家対策は本市にとって大きな課題であります。どれも複雑に絡み合っていて、特効薬の見つからない難題ですが、思い切った施策実行がこれからも本市において急務だと思われます。そこで、本市における空家問題への認識について、市長に答弁を求めます。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 空き家は適正に管理がなされない場合、倒壊の危険や公衆衛生の悪化、景観の阻害等、住環境へ悪影響を及ぼすことが懸念される一方で、適正な維持管理や利活用の促進等を図ることで、地域の活性化に資する資源となり得るものと認識しております。
先ほどの都市建設局長の答弁のとおり、本市ではこれまで様々な取組を行ってきたところでございまして、その成果として、令和5年度の住宅・土地統計調査によりますと、長期にわたって不在になっております空家等の数が5年前に比べ約1,000戸減少している等、一定の効果が見てとれます。
しかしながら、今後も空き家の全体数は確実に増加すると見込んでおりますことから、地域や民間団体等とのさらなる連携の強化が必要であると認識しておりまして、令和7年度の新たな取組の1つとして、本市で活動されている宅地建物取引士の方を地域の身近な相談員として各区に20名程度配置することといたしました。これらに加えまして、まちづくりセンター等と連携した自治会活動への支援など、引き続き様々な対策を組み合わせながら空き家問題に取り組んでいくことで、地域の活性化と安全安心な住環境の確保につなげてまいりたいと考えております。
〔吉村健治委員 登壇〕
◆吉村健治 委員 御答弁ありがとうございました。
市長の答弁にもありましたように、今後いかにどうするかという問題はたくさんあると思いますけれども、現場のまちセンの職員、土木センターの方々は、非常に御近隣トラブル等で汗をかいておられますけれども、なかなか自分たちがしたいようにはできないというジレンマに陥っているんだろうと思います。先ほども市長に御依頼しましたけれども、やはり国の制度をきちんとしていかないと、ある程度行政が力を持ってやる仕組みをつくっていかないとなかなか解決しない問題だろうと思います。前例にとらわれない大胆な施策等、喫緊の課題に対するにふさわしい予算確保が必要だろうと思われます。次の補正や来期以降の予算確保に期待したいと思います。また、本市担当職員の皆さん方の頑張りと問題解決に向けての御腐心に対し敬意を申し上げ、この質問を閉じたいと思います。
私が2番目ですので、田上委員に3番目を託したいと思います。
以上です。ありがとうございました。
○落水清弘 委員長 吉村健治委員の質疑は終わりました。
次に、田上辰也委員の質疑を行います。
〔田上辰也委員 登壇〕
◆田上辰也 委員 市民連合3番手の田上辰也でございます。
まず最初に、公共交通機関の夜間臨時運行についてお尋ねいたします。
世界を魅了する都市ブランドの向上策として、当初予算にナイトタイムエコノミーの推進や夜間景観の充実のために4,350万円が計上されています。それには賛同しますが、これらのイベントに参加された方々の帰りの足の確保はなされているのでしょうか。また、市民の暮らしの年間行事として花見、歓送迎会、暑気払い、厄入り厄晴れ、忘年会、新年会など、広い意味でのナイトタイムエコノミーにこれらの行事は資することになると思われます。さて、これらの行事が終わって帰ろうかとするとき、終電も最終バスも早くに出てしまい、タクシーも見つからないことが多くなっていると感じている市民は多いのではないでしょうか。
ヨーロッパの童話「シンデレラ」の話は皆さん御存じだと思います。お城の舞踏会に参加したシンデレラは、午前零時の鐘が鳴ったら、ガラスの靴を落としてしまっても、帰りの馬車には間に合いました。ところが、熊本市民はそうはいかないのです。夜間の交通空白地帯で帰宅難民になってしまいます。
そこで、都市建設局長にお尋ねいたします。ナイトタイムエコノミー事業への側面的支援はもとより、コロナ禍で落ち込んでしまった飲食業の再生、それから、公共交通の利用促進の観点からも、バス、市電、タクシー等の公共交通機関に対し、夜間の臨時運行を働きかけるお考えはありませんか。名づけて熊本のシンデレラ便、ぜひ実現してください。よろしくお願いします。
〔秋山義典都市建設局長 登壇〕
◎秋山義典 都市建設局長 公共交通機関の夜間における臨時運行につきましては、利便性向上はもとより、夜のまちなかのにぎわい創出にもつながるものと認識しておりますことから、運転士不足の状況や利用者ニーズの実態把握に努めながら、まずはその手法や期間、採算性などにつきまして、公共交通事業者と意見交換をしてまいりたいと考えております。
〔田上辰也委員 登壇〕
◆田上辰也 委員 夜の街には熊本のいろいろな文化がありますので、これをどんどん進めていく上でもやはり足の確保というのは大事なことでございます。ぜひその辺、念頭に置いて、ぜひ交通事業者の皆さんの御理解御協力もいただいて、実現していただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
次に、2点目の地下水涵養域における草原維持活動への助成についてお尋ねいたします。
昨年6月の議会の一般質問で、熊本大学名誉教授の嶋田純先生は、草地と林地では草地の方が水源涵養効果が高いと論文を出されていると紹介しました。植林してわざわざ林地とするより、草地のままであるほうが水源涵養効果としては高いというエビデンスが示されています。また、本市は水源涵養林整備事業を行っていますが、海に囲まれ、雨の豊富な日本の自然の植生は、森林へと自然に変遷していくものです。森林になるのを防ぐため、阿蘇周辺では行われているのは野焼きです。地下水涵養効果の高い草原を維持する活動です。
熊本県は地下水涵養のために草原維持活動への支援について取り組むことを2月26日に公表しましたが、熊本市はどのように考えておられますか。環境局長にお尋ねいたします。
〔村上慎一環境局長 登壇〕
◎村上慎一 環境局長 本市では、地下水涵養対策といたしまして、これまで行ってきた森林を活用した水源涵養林の整備や、農地を活用した水田湛水に加えまして、涵養機能が大きいとの報告があります草原を活用した新たな涵養対策について研究・検討を行っております。さらに、草原を活用した涵養対策につきましては、昨年8月の県市調整会議におきまして熊本県と連携し検討することを確認しておりまして、情報共有や意見交換を行っております。
一方、県におきましては、来年度学識経験者や関係市町村等で構成いたします検討会を設置いたしまして、阿蘇地域の草原等による涵養機能の効果検証を行うこととしておりまして、本市も参画予定としております。
委員御案内の草原維持活動への支援につきましては、その検証結果を確認しながら検討してまいります。
〔田上辰也委員 登壇〕
◆田上辰也 委員 本市はEBPMの推進を行っております。きちんとしたエビデンスに基づいて、しっかりしたプランを練っていただきたい、そのように思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、3点目、納骨堂の拡充についてお尋ねいたします。
平成24年12月議会の一般質問で、多死社会への対応という観点から、本市の火葬場の安定運営などに関する質問をしてきました。現在、建て替え事業は進められておりますことに一安心しております。しかしながら、火葬をした後のお骨に関しては、納骨堂を利用される方も多くなってくると思います。そのため、仮申込みから実際に納骨できるまで何年も待たなくてはならず、市民の方からも、長く待たなくてはならないことへの改善要望も寄せられているところです。
また、納骨できても、桃尾納骨堂は遠方にあるため度々行くこともできないし、どうにかならないかとの地理的な御要望もございます。本市の市営墓地も桃尾墓園のほかに6か所あり、中心部に近い墓園もあると思いますので、こういった墓園を活用した新たな納骨堂の整備を視野に入れる時期にきているのではないかと思います。
そこで、桃尾霊堂の壇数を拡充する検討を行わないのか、また、今後の多死社会をにらんで、新たに身近な納骨堂の整備を考えてもいいと思います。いかがでしょうか。
以上2点について、健康福祉局長にお尋ねいたします。
〔林将孝健康福祉局長 登壇〕
◎林将孝 健康福祉局長 納骨堂の整備拡充に関する2点のお尋ねにお答えいたします。
まず、1点目の桃尾霊堂の納骨壇の拡充につきましては、委員御指摘のとおり、現在、墓地等への改葬による納骨壇の返還を待たれている方が年間を通じて150件程度で推移しており、返還後の申込の御案内まで2年程度の期間を要していることは課題であると認識しております。既に現有施設内におきまして増設に係るスペースの確保や納骨壇数等の調査に着手しており、引き続き施設利用への影響の精査や関係部局との協議を行うなど、早期の増設が図られるよう、具体的な検討を進めてまいります。
次に、2点目の市内中心部に近い新たな納骨堂の整備につきましては、納骨堂の整備費用等に対する費用対効果や近隣住民の理解など課題も多いと考えており、今後、納骨堂の需要等を踏まえ、研究してまいります。
〔田上辰也委員 登壇〕
◆田上辰也 委員 ありがとうございました。
やはり時代の推移に合わせて、行政もいろいろと工夫を重ねていく、大事なことですので、よろしくお願いいたします。
4点目の質問でございます。
下水道事業の改善について。先月27日の落水清弘議員の一般質問の中で、下水道使用料の改定の検討を行っているとの答弁がありましたが、どういう状況なのか、その詳細を教えてください。
ところで、私の市役所勤務は秋津下水処理場、今の東部浄化センターの水質試験室から始まりました。3年間の勤務でしたが、単なる水質検査にとどまらず、事業改善の提案も行っておりました。例えば、夜間の流入水量は少なくなるので、その夜間のエアレーションを停止してもらったりしました。その結果、電気使用量を抑えることができるだけでなく、過剰な曝気がなくなったことで水質も大きく改善され、透視度も30センチメートルそこそこだったのが100センチメートルになりました。
また、下水道汚泥の現地焼却はやめて、ペレット燃料に加工して販売できないかとの提案も行いました。もう45年にもなる古い話を持ち出しましたが、時間も切れました。どうか事業改善によろしくお願いいたします。
○落水清弘 委員長 答弁は要りませんか。
◆田上辰也 委員 答弁お願いいたします。
〔田中俊実上下水道事業管理者 登壇〕
◎田中俊実 上下水道事業管理者 下水道使用料の改定につきましては、今後、人口減少等により料金等収入の減少が見込まれる中、施設の老朽化対策などの避けられない投資もございますことから、現在改定中の熊本市上下水道事業経営戦略におきまして、下水道事業は資金不足が生じないよう、令和9年度には適正な使用料の在り方の議論を始める必要があるとしております。
この考え方に基づきまして、今後の社会情勢や資金収支の状況を見極めながら、詳細について検討を行うこととしております。その前提としまして、不断の経営改善の取組が大変重要であると考えておりまして、これまでも、例えば汚泥の処理過程で発生しましたガスを利用した発電設備の導入による再エネ化や、汚泥の燃料化による資源の有効利用、あるいは下水道施設の再配置、規模の最適化の検討などを行ってきたところでございます。
また、令和7年度当初予算には、経営基盤の強化や民間技術の活用による下水道サービスの質の向上を図るため、下水道施設管理における官民連携手法導入の検討に要する経費を計上しております。今後も引き続き、委員御案内の職員の改善提案も含めまして、職員一人ひとりの取組が事業の改善に資するよう、効率的な経営感覚を持った企業職員としての意識の醸成に努めてまいります。
○落水清弘 委員長 田上委員、残り時間は9秒ですので、閉じていただいてよろしいですか。
〔田上辰也委員 登壇〕
◆田上辰也 委員 どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。お疲れでしょう。本当にありがとうございました。
これで、市民連合の総括質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○落水清弘 委員長 田上辰也委員の質疑は終わりました。
以上で、市民連合の質疑は全て終了いたしました。
総括質疑の途中ではありますが、本日の審査はこの程度にとどめ、残余につきましては明11日火曜午前10時に再開したいと存じます。
これをもちまして、本日の委員会を散会いたします。
午後 3時06分 散会
出席説明員
市長 大 西 一 史 副市長 深 水 政 彦
副市長 中垣内 隆 久 政策局長 三 島 健 一
総務局長 津 田 善 幸 財政局長 原 口 誠 二
文化市民局長 早 野 貴 志 健康福祉局長 林 将 孝
こども局長 木 櫛 謙 治 環境局長 村 上 慎 一
経済観光局長 村 上 和 美 農水局長 金 山 武 史
都市建設局長 秋 山 義 典 教育長 遠 藤 洋 路
消防局長 平 井 司 朗 交通事業管理者 井 芹 和 哉
上下水道事業管理者田 中 俊 実
議会局職員
局長 江 幸 博 次長 中 村 清 香
議事課長 池 福 史 弘 政策調査課長 岡 島 和 彦
予算決算委員会会議録
開催年月日 令和7年3月10日(月)
開催場所 予算決算委員会室
出席委員 47名
落 水 清 弘 委員長 村 上 博 副委員長
寺 本 義 勝 委員 大 嶌 澄 雄 委員
村 上 麿 委員 瀬 尾 誠 一 委員
菊 地 渚 沙 委員 山 中 惣一郎 委員
井 坂 隆 寛 委員 木 庭 功 二 委員
村 上 誠 也 委員 古 川 智 子 委員
荒 川 慎太郎 委員 松 本 幸 隆 委員
中 川 栄一郎 委員 松 川 善 範 委員
筑 紫 るみ子 委員 井 芹 栄 次 委員
島 津 哲 也 委員 吉 田 健 一 委員
齊 藤 博 委員 田 島 幸 治 委員
日 隈 忍 委員 山 本 浩 之 委員
北 川 哉 委員 平 江 透 委員
吉 村 健 治 委員 山 内 勝 志 委員
伊 藤 和 仁 委員 高 瀬 千鶴子 委員
小佐井 賀瑞宜 委員 田 中 敦 朗 委員
高 本 一 臣 委員 西 岡 誠 也 委員
田 上 辰 也 委員 三 森 至 加 委員
浜 田 大 介 委員 井 本 正 広 委員
大 石 浩 文 委員 田 中 誠 一 委員
坂 田 誠 二 委員 澤 田 昌 作 委員
満 永 寿 博 委員 紫 垣 正 仁 委員
藤 山 英 美 委員 上 野 美恵子 委員
上 田 芳 裕 委員
議題・協議事項
(1)議案の審査(41件)
議第 2号「令和7年度熊本市一般会計予算」
議第 3号「同 国民健康保険会計予算」
議第 4号「同 母子父子寡婦福祉資金貸付事業会計予算」
議第 5号「同 介護保険会計予算」
議第 6号「同 後期高齢者医療会計予算」
議第 7号「同 農業集落排水事業会計予算」
議第 8号「同 産業振興資金会計予算」
議第 9号「同 競輪事業会計予算」
議第 10号「同 植木中央土地区画整理事業会計予算」
議第 11号「同 奨学金貸付事業会計予算」
議第 12号「同 公債管理会計予算」
議第 13号「同 病院事業会計予算」
議第 14号「同 水道事業会計予算」
議第 15号「同 下水道事業会計予算」
議第 16号「同 工業用水道事業会計予算」
議第 17号「同 交通事業会計予算」
議第 34号「熊本市職員の退職手当に関する条例の一部改正について」
議第 37号「熊本市附属機関設置条例の一部改正について」
議第 38号「熊本市一般職の職員の給与に関する条例の一部改正について」
議第 39号「熊本市職員特殊勤務手当支給条例の一部改正について」
議第 40号「熊本市長等の給与に関する条例の一部改正について」
議第 41号「熊本市議会議員の議員報酬、期末手当及び費用弁償に関する条例の一部改正について」
議第 42号「熊本市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正について」
議第 43号「熊本市企業管理者の給与に関する条例の一部改正について」
議第 44号「熊本市教育長の給与等に関する条例の一部改正について」
議第 45号「熊本市一般職の任期付職員の採用等に関する条例等の一部改正について」
議第 46号「熊本市宿泊税条例の制定について」
議第 47号「熊本市都市公園条例の一部改正について」
議第 48号「熊本市立学校の教育職員の給与に関する条例の一部改正について」
議第 53号「熊本市病院事業企業職員の給与の種類及び基準を定める条例の一部改正について」
議第 56号「熊本市上下水道事業企業職員の給与の種類及び基準を定める条例の一部改正について」
議第 60号「熊本市交通事業企業職員の給与の種類及び基準を定める条例の一部改正について」
議第 61号「熊本市軌道条例の一部改正について」
議第 78号「包括外部監査契約締結について」
議第 88号「財産の取得について」
議第 90号「特定の事務を取り扱う郵便局の指定の一部変更について」
議第 91号「熊本市国民健康保険条例の一部改正について」
議第 92号「熊本市・城南町新市基本計画(城南地域)及び熊本市・植木町新市基本計画(植木地域)の一部変更について」
議第 93号「財産の取得について」
議第 94号「財産の取得について」
請願第1号「市長はじめ特別職の給与・報酬の引上げ中止を求める請願」
午前10時00分 開会
○落水清弘 委員長 ただいまから予算決算委員会を開会いたします。
本日の審査に入ります前に、3月5日の本会議において提案されました議第91号「熊本市国民健康保険条例の一部改正について」、議第92号「熊本市・城南町新市基本計画(城南地域)及び熊本市・植木町新市基本計画(植木地域)の一部変更について」、議第93号、議第94号「財産の取得について」及び請願第1号「市長はじめ特別職の給与・報酬の引上げ中止を求める請願」については当委員会に付託されましたので、お知らせいたします。
これより、議案の審査に入ります。
本日は、当初予算及び関連議案に関する総括質疑を行います。
通告状況につきましては、一覧表のとおりとなっております。
なお、質疑に当たっては、項目ごとに答弁者を御指名いただきますようお願いいたします。
それでは、予算決算委員会運営細目の発言順に従い、順次質疑を行います。
これより自由民主党熊本市議団の質疑を行います。持ち時間は70分となっております。
まず、小佐井賀瑞宜委員の質疑を行います。
〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕
◆小佐井賀瑞宜 委員 皆様、おはようございます。自由民主党熊本市議団、小佐井賀瑞宜でございます。しばらくお付き合いいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
まず冒頭に、今回の予算案の上程に当たり、私の率直な見解を交えながら質疑に移ってまいりたいというふうに思っております。
昨年10月に財政局から庁内各局に対し、令和7年度の予算編成の基本方針と作業の具体的進め方が提示されましたが、この内容につきましては、1年前の令和6年度の予算編成とほぼ類似した方針であったというふうに記憶いたしております。注目すべきはこども政策、経済、都市基盤と交通とインフラ、GX、DX、そして人材投資と、まさにタイムリーな視点を重んじた特質的内容で構成されている点であります。
この総評につきましては、昨年同様の好感度を得られるものであるというふうに考えておりますが、現時点においては、中期的な動向を見極めた後に見解を見出すのが適切と判断いたしておりますので、本年9月の決算期に捉われることなく、しばらくは一定の評価にとどめたいと考える次第であります。
ただし、今回提示された予算案と令和6年度予算と比較した場合、全体的に令和6年度の予算は新しい節目のスタートとして試行的部分も含んだもののように感じたところでございましたけれども、今般の予算案は未来予想図を具現化するための基礎固めに通じる大胆さを感じております。
個別事業につきましても、その概要を拝見すると、昨年をベースとした初期段階であるにもかかわらず、事業の変動も著しく、新規・拡充の事業も数多く見受けられましたので、それぞれの事業にかける決意の強さを感じております。
そこで、冒頭にお尋ねいたします。
特質的内容を含んだ令和7年度の予算は、昨年度からの流れの中で計画性や継続性並びに事業効果や経済効果を望んで構成されたと思いますが、市長から見て、特段、意を用いた点を含め、総括的な御所見をいただきたいと思います。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 令和7年度当初予算は、第8次総合計画における8つのビジョンを柱に予算を編成いたしますとともに、アクションプランに掲げます「慢性的な交通渋滞の解消」、「半導体関連企業の熊本進出に伴う諸課題への対応」、「総合的なこども施策の推進」の3項目を重点事項として設定いたしまして、予算を重点配分いたしました。
特に半導体関連企業の熊本進出に伴う交通渋滞対策については、県と連携して取り組みますとともに、熊本西環状道路の整備などハード・ソフト両面での取組を進めますほか、戦略的な企業誘致による地域経済の活性化、地下水保全の取組や安心・安全なこどもの居場所の増設など、熊本の未来を担うこどもたちを中心とした取組を強化することといたしました。
このほか、新庁舎整備や現庁舎跡地の利活用の検討など、新庁舎整備を契機としたまちづくりの推進、全国初の取組となります全大腸内視鏡検査の無償実施、公共施設等の長寿命化への取組など、昨年の総括質疑における議員の御意見等を踏まえ、本市が抱える課題解決のための予算も配分したところでございまして、本市が目指す上質な生活都市の実現に向け、全力で取り組んでまいります。
〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕
◆小佐井賀瑞宜 委員 私といたしましては、いずれの事業も大変興味深く、有効性の高い予算案であるというふうに感じております。
なお、予算編成時に当初、財政局は、一般会計の数値的フレームを4,100億円弱と示されておりましたけれども、査定を経て提示されたのが約100億円増の4,200億円弱で、過去最高値を更新いたしております。このことから、財政局のみならず、各局ともに時代と地域事情に即した積極的な投資姿勢に留意されている背景が浮かび上がってまいりました。
昨年の決算審査以降、緻密な予算編成の指針を示した財政局と予算査定前の政策立案作業に多くの労力や時間を費やしてこられた各局、各課の情景を想像すると、改めて敬意を表したいというふうに思います。そして、執行部の皆さん方の御奮闘によって、ネガティブ志向の強い市場経済からの脱却が実現するよう願っております。
さて、その期待がかかる予算全体は、総論として歓迎すべきものというふうに感じておりますけれども、これから先に登壇される議員の皆様からも、各論的な様々な御意見や御指摘もあることかと思います。そして、私も何点か気を留めた部分がございましたので、その前段としてお尋ねさせていただきたいと思います。
私の留意点は2点です。
1つが、各局における事業でスクラップ化された事業内容と執行状況、そして、もう1つが、新規拡充された事業の予算規模であります。
そこで、各局の予算要求状況と財政局の査定状況を確認するため、まず令和7年度当初予算案・要求状況一覧表を拝見させていただきました。やはり興味深いのは、査定区分によるC・D・Eに該当する事業です。特に新規事業として認められている一方で満額回答に至らない事業も時折見受けられ、各局の当初の意向が反映されていない背景について気になったところであります。
そこで、分かりやすく議論を進めるために、私が目をとめた20事業のうち、印象の深かったものを5点ほど掲げてお尋ねさせていただきます。
予算要求状況一覧の8ページ、文化市民局の地域コミュニティセンターに関する予約システム関連経費と運営支援事業、24ページのこども局、こども・若者意見反映経費、41ページ、43ページ、44ページの都市建設局、中心市街地活性化推進経費、住環境整備促進調査経費、技術人材育成・DX推進事業、これらの事業の基本構想と今後の対応についてそれぞれ御提示いただきたいと思います。文化市民局長、こども局長、都市建設局長にお尋ねいたします。
〔早野貴志文化市民局長 登壇〕
◎早野貴志 文化市民局長 私からは、地域コミュニティセンターに関する御質問にお答えします。
まず、地域コミュニティセンター予約システム関連経費は、利用者の利便性向上や事務員の負担軽減を図るため、令和2年度から中央区で実施している事業を5区においても展開することを目指したものでありますが、既存のスポーツ施設等の公共施設予約システムへの一元化との比較検討が必要となりましたことから、再検討を行うこととしております。
次に、地域コミュニティセンター運営支援事業につきましては、令和6年第2回定例会で計上した支援金と同様に、最低賃金の上昇による影響を受けた地域コミュニティセンターへの支援に要する経費でありますが、令和7年度の状況を踏まえ、適切な単価を改めて検討し、今後対応することとしております。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕
◎木櫛謙治 こども局長 こども・若者意見反映経費についてお答えいたします。
この事業は、意見表明権などのこどもの権利について市民の皆様に周知、啓発するためのイベント開催や、職員がこどもたちの意見をうまく引き出すための研修の実施などを内容としておりました。このうち、周知、啓発につきましては、リニューアルを予定しております結婚・子育て応援サイトを活用いたしますとともに、その他のこども施策とも一体的に情報発信することとしたものでございます。この事業によりまして、まずはこどもたちが意見を言いやすい場の設置や意見表明のサポートを行うことができる職員を育成し、こども施策への意見反映を推進してまいります。
〔秋山義典都市建設局長 登壇〕
◎秋山義典 都市建設局長 私からは、都市建設局の3つの事業についてお答えいたします。
まず、中心市街地活性化推進経費は、イベント等を企画運営する広場ニストの育成スクールの開催やイベント等の主催者と広場ニストとをつなぐシステム構築の業務委託等を行うものでございます。
このうち、システム構築につきましては、職員による両者の仲介等の対応を図ることとしております。
次に、住環境整備促進調査経費は、近年の半導体関連企業の進出による移住者の増加等や交通ネットワークの整備状況を踏まえまして、将来的に住宅需要の高いエリアを特定いたしますとともに、市営住宅の老朽度を確認いたしまして、計画的な市営住宅の配置を検討するものでございます。
このうち、市営住宅の老朽度確認につきましては、職員のマンパワーも含め、代替手法により実施することとしております。
最後に、技術人材育成・DX推進事業は、公共建築物等に係るコスト縮減や技術人材の育成を進めるため、新規事業としてデジタル技術導入や新技術研究等の取組を行うものでございます。
このうち、技術研修経費につきましては、当局の研修予算や事業者団体との連携等で対応することとしております。
〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕
◆小佐井賀瑞宜 委員 概要は理解いたしました。
御説明のとおり、査定状況から見受けられるのは、予算でカバーできること、できないこと、別手法でカバーできることなど、様々な事情、背景があるものと考えます。予算は減額されても別の手法によって事業の有益性が発揮されれば問題視する必要はないわけでございますけれども、単純発想で恐縮ながら、事業資金の目減りによって事業や実施者の推進力の低下につながらないのか、一抹の不安がよぎったところでございました。
担当課としては、いずれも有益性の高い事業と見込んで予算要求を実施されたことというふうに思っておりますけれども、査定の段階で事業、構想そのものが委縮したのではないかと若干不安視したところでもありました。特に一例を挙げれば、先般の高校生議会での状況を振り返り、こども局のこども・若者意見反映経費などについては、事業予算はともかくもっと積極的に取り組むことを望みたいというふうに思っております。
若者の意見を尊重し、少しでも政策に反映されることができれば、こどもたちは地域への愛着を育み、ひいては地域を担う人材へと変貌する可能性さえ秘めた事業になり得るというふうに考えます。人への投資については重く受け止めていただきますようお願いしたいというふうに思います。
さて、それでは、ただいまの見解に絡めまして、核心的な部分である人的資源に関する予算について見解を求めたいと思います。
今回の予算を精査するに当たり、多くの資料を拝見し、特に気がかりになったことがあります。それは、地域力と予算の関係です。先ほどの地域コミュニティセンターに係る経費に目が引かれたのもそのためでございます。
また、地域力に直結する人的資源は、自治会役員、民生委員、消防団員、保護司、そのほか任意団体を含め多くのボランティア活動に従事されている方々が該当いたします。それぞれに地域の下支えの要と言えるでしょう。その皆さん方の必要性については、総合計画を基軸に重要視されております国土強靭化地域計画、防災関連計画、地域福祉計画など、様々な資料の中で必ずと言ってよいほど地域力を高めるとの方針が随所に見受けられます。そして、今般の議会でもその関連予算が多く計上されております。
しかし、一方では、地域力を高めるための人材育成は後継者不足という大きな課題にも直面しております。そして、この課題を克服するための具体的な指針は、ややかすんだままのように感じている次第です。このことは、先般の本会議で上田議員や多くの議員の皆さん方が指摘されていたとおりでございます。地域の役割は増加傾向にある中で、予算が比準していないというのが率直な感想でございます。
今後の自治会活動においては、くまもとポイント事業の活用を契機としてモチベーションアップを図ろうと検討されているようでございますが、早急な課題対応を迫られる中、この一、二年で当事者に好影響をもたらすことができるのか、いまだ不安が残ります。
また、このたびは新しく民生委員協力員の活動支援経費も計上されておりますけれども、有効な問題解決策につながるのか、いまだ疑義が生じております。
そこで、地域力向上を目指したこれらの事業予算が人材の獲得や育成に通じる予算として有益性を発揮できるのか、今後の展望について、文化市民局長と健康福祉局長の見解をいただきたいと思います。
〔早野貴志文化市民局長 登壇〕
◎早野貴志 文化市民局長 くまもとポイント事業につきましては、令和6年度は試用期間として取り組み、市主催の美化活動をはじめ震災対処訓練や熊本城マラソンなど、多くの方々にボランティア活動に参加いただき、年度末で目標の1万9,000ダウンロードを達成する見込みでございます。令和7年度からは、本格運用としてポイント付与対象活動の範囲を自治会やNPO法人が主催するボランティア活動などに拡充するとともに、本事業への企業協賛を募り、電子クーポンの発行や協賛品等によるインセンティブの強化を図ることとしております。
加えて、高校生や大学生がボランティア活動を行う際に、就職や就学時に活用できるボランティア活動証明書の発行もできることなどを周知することで、若い世代の地域活動への参加を促し、将来の地域の担い手づくりにつなげてまいりたいと考えております。
〔林将孝健康福祉局長 登壇〕
◎林将孝 健康福祉局長 民生委員協力員活動等経費につきましては、人口減少社会の急速な進展等に伴い、本市民生委員・児童委員の確保が喫緊の課題となる中、本年度策定する第5次地域福祉計画・地域福祉活動計画において、民生委員の負担軽減や担い手確保を推進する新たな取組として、その早期実現に向けて令和7年度当初予算に協力員活動経費所要額を計上しております。
サポートを必要とされている民生委員に協力員を配置し、見守り活動や高齢者サロン等の活動全般の負担軽減等を図っていくことは、民生委員の活動継続への下支えや将来の担い手確保につながることから、持続可能な地域福祉活動の実現に向けた有効な取組であると考えております。
今後中長期的な人材確保等の観点から、本制度の着実な推進を図りますとともに、計画の成果指標に基づく適切な効果検証を行ってまいります。
〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕
◆小佐井賀瑞宜 委員 御提示いただきまして、ありがとうございました。
私観で恐縮でございますけれども、地域振興に資する人材の発掘や育成は、現況の仕組みだけでは既に限界に達している感が否めません。ただ、地域のネガティブキャンペーンを発しても問題解消にはつながりませんので、問題の根幹から見極めたいというふうに思っております。
地域を担う人材不足はいつの時代でも叫ばれていたというふうには思っておりますが、昨今ではその機運が一層強くなったというふうに感じます。現役の行政職員や議員に対しても、団体への加入や役員への就任依頼が寄せられ、否定しにくい機運が顕著に表面化しているのは象徴的です。本来、ボランティア活動は、無理なく自らの信念に基づき展開されるべきものであるはずです。しかしながら、家庭状況、就業形態、時間、所得など、他人には容易に語れない多くの個別事情が存在する中で、地域活動の推進との整合が図れない社会機運に多くの方が苦慮しているものと推察いたしております。そして、この問題はそれぞれの地方の課題というふうに受け止められがちでございますけれども、本来の責任はやはり政府にあるというふうに私は考えます。なぜなら、その代表的理由が2つ存在いたしております。
1つは、戦後の家族制度の崩壊から平成までの間に主流化した核家族の進展によりまして、家族間での支え合いのシステムを深刻化させ、対外的な社会活動にまで能力が及ばない点、つまり社会構造の変化に伴ってゆとりを損なった点であります。
2つ目に、誤った財政論が引き金となり、その延長線上に付された「小さな政府」という道筋が緊縮財政を是認し、行政の合理化が進展した結果、地域活動の自立という名目でそれぞれの国民に過剰な負担をもたらした点であります。
昨今では、働き方改革、定年延長が推奨されながらも、一方では、地域活動を強要せざるを得ない機運は、時間の使い方として本当に整合が図られているとは言い難いものがあります。これではボランティアの意義を損ないます。
現在はそれぞれの家庭というコミュニティの単位とその中の安全保障が優先される時代にありまして、どうしても社会的活動に寄与する人材が求められるのであれば、個々の時間の確保はもちろん、ゆとりある所得の安定は必須条件です。しかし、経済は低調期であり、個々の環境やその条件整備がおぼつかない状況下で、個々の積み重ねたリソースを求めるわけですから、地域政策としては社会実情に応じたインパクトの強いインセンティブを付与することは避けられないのではないかというふうに考えたところでございます。
それゆえ、これを打破するためには、地方の政策展開と並行しながら政府に対し地域力を向上させるための財政支援、または政策立案を提唱して、支援の道を開いていただくことが必要であるというふうに思いますが、今回の地域振興に寄与する人材の発掘、育成に関する予算案の上程に鑑み、市長はいかがお考えでございますでしょうか。御所見を賜りたいと存じます。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 全国的に人口減少、少子高齢化の加速に加えまして、地域の連帯感の希薄化などが懸念される中、本市では新たな担い手の確保や活動の活性化に向け、まちづくりセンターを設置するなど、様々な地域課題の解決に取り組んでまいりました。また、先ほど文化市民局長が答弁申し上げましたとおり、今年度からインセンティブ付与につながるくまもとポイント事業を開始したところでございまして、新年度は新たに企業等の協賛も募るなど、インセンティブの強化を図ることとしております。
一方で、委員御指摘のとおり、地域力の向上を図る施策を推進するためには、国による制度の構築や財源の確保も必要となることから、様々な機会を活用して国に対して提言、要望を行ってまいりたいと考えております。
〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕
◆小佐井賀瑞宜 委員 地域支援の予算につきましても、政府に求める役割を交えて問いかけさせていただきましたけれども、執行部の皆さん方にもこの問題意識を高めていただきたいという願いを込めて提起させていただいたところでございました。
そして、現在は社会経済の実情に乗じた支援が強く求められておりますので、事業の質の向上に資するためには、冒頭申し上げましたように、縮減よりも拡大を意識した財政運営に御留意いただきたいというふうに思っております。
さて、今世界の潮流は著しい変革にさらされているというふうに感じているのは私ばかりではないというふうに感じます。国内の経済の不安要素を招いた背景であるグローバリストが提唱してきた環境政策やウクライナ紛争など、新たな合衆国の政権の誕生によって大きな方向転換を図られようといたしております。昨年から注視してまいりました基軸通貨の覇権争いに乗じたブロック経済の再編や中東紛争など、メディアで得られない情報ほど留意しておかなければならないというふうに感じます。
また、このことは世界的にも潮流化している少数与党という政局にどのような影響を及ぼしていくのか、どのような政策転換が求められていくのかなどの基本認識を見極め、今後の政策の正当性を検証する必要がございます。その意味では、学識や一般的な論調だけに依存せず、自らの情報リテラシーを高めて、正しい経済主観を身につけて財政や税制の在り方について議論を重ねてまいりたいと考える次第であります。
特に昨今では、物価高騰のみを懸念材料として事業の縮減を正当化するような論調が当たり前のように提示されがちでございますけれども、財政は物価が上がったから懸念する、下がったから望ましいという単純なものではございません。これはマクロ経済を無視した狭量的視点であり、税制や経済性について度外視した家計簿を見るかのような論調でございます。このことは、失われた30年という負の経済主観を生み出した背景を追及すれば、おのずと理解に達するでしょう。
現在の日本経済は景気が決して過熱状態に至っているわけではございません。だからこそ正常なデマンド型インフレ、いわゆる生産性を伴う賃金上昇が定着するまでは行政の責任として積極的な財政投資が求められます。緊縮財政や人情論を盾とした所得の足引き論調は社会政策に逆行する経済成長の障壁にしかなり得ません。その意味では、本市が進める新庁舎の建設をはじめとするまちづくりや交通対策や人への投資は、経済の好循環をもって市民の安定的な暮らしを担保できるよう、スピード感を持って進めるべき代表的な事案であります。国内の状況はコストプッシュをしのぐサプライロス、すなわち人的毀損による物価高騰が顕著に表面化しておりますので、政府のみならず、地方自治体においても地域ニーズに応じた供給力を高めることを念頭に、技術力や人材投資を基軸とした行政支援を講じるべきと考える次第でございます。ぜひこのことに留意された財政運営が図られますよう願っております。
それでは、私からは以上でございます。
次の審議を同僚議員に委ねたいと思います。お付き合いをいただきまして、ありがとうございました。
○落水清弘 委員長 小佐井賀瑞宜委員の質疑は終わりました。
次に、齊藤博委員の質疑を行います。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 自由民主党熊本市議団の齊藤博でございます。
私の方からは3つの個別事業について質疑をしてまいります。どうかよろしくお願いいたします。
新規事業となります江津湖再生プロジェクト事業についてお尋ねします。
先般の代表質問において、自民党の大石議員が江津湖再生に向けた取組について質問されました。本日はその具体的事業内容について、予算案に沿って改めてお尋ねいたします。
江津湖再生プロジェクト事業は、都市建設局と環境局の局横断事業として予算計上されております。都市建設局は1億円、環境局は1,630万円の予算計上となっております。その具体的事業内容を御紹介ください。
都市建設局、環境局の横断事業ではありますが、環境局長、一括して御答弁ください。
〔村上慎一環境局長 登壇〕
◎村上慎一 環境局長 まず、都市建設局の予算につきましては、近年外来水草の繁茂が特に著しく、在来種など生態系への影響とともに公園利用にも支障を来していますことから、外来水草駆除の取組強化を図るため、既存2そうの水草刈取船に加えまして、新たに1そうの購入費7,800万円を計上いたしております。加えて、水草の陸揚げ場整備費700万円、水草処分費1,500万円を計上いたしております。
次に、環境局の予算といたしましては、江津湖では外来動植物の生息域の拡大に加えまして、健軍川や藻器堀川などからの流入土砂や水草の腐敗物等によるヘドロの堆積に伴いまして、水深の浅場や一部陸地化が見受けられるなど、江津湖本来の自然環境の保全、再生に向けた取組が必要と考えております。
そのため、まずは江津湖の現状を把握するためのサンプリング調査経費といたしまして、湖内の水質や流速、堆積土砂の厚さなどの調査費約1,100万円、魚類や貝類、鳥類などの生き物の調査経費350万円、検討委員会の開催などに要する経費130万円を計上いたしております。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 都市建設局所管分については、水草の除去のために水草刈取船を1そう購入するとのこと、既存の2そうに加え3そう体制にする旨の御説明がございました。私は個人的に民間団体の皆様とともに、毎年2回下江津湖の水草刈りのボランティアに参加しております。正直水草の繁茂著しく、既存の水草刈取船の能力や人海戦術に限界を感じていたところでもありました。新たな水草刈取船の導入は歓迎するところであります。
そこで1つ、公園の管理を所管する都市建設局に要望いたします。
江津湖の環境整備については、様々な民間レベルのボランティア活動が存在しています。ぜひそれぞれの皆さんの活動効果を高めるためにも、行政がボランティア団体などに働きかけを行い、市民による江津湖ボランティア活動として協働することができるよう、大きなネットワークの構築を図っていただけないでしょうか。水草刈取船の作業効率を高めるためにもぜひお願いしたいと思います。
また、環境局所管分については、江津湖におけるしゅんせつの必要性の説明がございました。そして、来年度の予算はしゅんせつ事業を見据えたサンプリング調査や検討委員会の立ち上げに要する費用を計上したとのこと、従前から指摘されている江津湖の水深の変化を考慮すると必要な措置かと考えます。
それでは、ここで改めてお尋ねいたします。
令和8年度以降、江津湖のしゅんせつ事業がどのような段階を踏んで行われていくのか。その見通しをお答えください。
なお、江津湖のしゅんせつ事業は、熊本市が政令市となるまでは江津湖を所管していた熊本県で行われた経緯があると伺っています。その事業規模や実施期間など、確認できる範囲で御答弁ください。環境局長、お願いいたします。
〔村上慎一環境局長 登壇〕
◎村上慎一 環境局長 江津湖におきましては、当時の管理者であります熊本県におきまして、昭和40年代~60年代にかけて、昭和28年の6.26大水害に伴う土砂堆積や家庭雑排水の流入などに伴い、大規模なしゅんせつが実施されております。また、平成4年~平成7年にかけては、水質の浄化、自然環境の改善を図ることを目的といたしまして、10億円を超える事業費をかけ、12万立方メートルに及ぶ大規模なしゅんせつ事業が実施されたとのことでございます。
なお、平成24年の政令指定都市移行に伴いまして、江津湖の管理を引き継いだ熊本市においては、大規模なしゅんせつは実施いたしておりません。
そのような中、江津湖の再生に向けた来年度の取組といたしましては、まずはサンプリング調査の実施により江津湖の実態を把握した上で、有識者、関係者の御意見も踏まえまして、しゅんせつの実施の必要性を含めた次年度以降の対応方針、対応策について策定してまいります。
いずれにいたしましても、江津湖の自然環境の保全、再生に向けた取組は喫緊の課題であり、最優先事項と認識しておりますことから、事業の実施に当たりましては、スピード感を持って取り組んでまいります。
なお、江津湖の環境整備に対する各種ボランティア活動につきましても、市民憩いの場を市民の皆様と共に守っていくために、現時点において詳細は未定ではございますけれども、各種団体への協力依頼や清掃及び水草駆除等、様々な支援に取り組んでまいります。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 熊本県において30年ほど前に10億円を超える予算を執行し、大規模な江津湖のしゅんせつが行われたとのこと、熊本市では経験がなく、江津湖のしゅんせつは一大事業となる可能性があります。すばらしい江津湖の環境を未来の世代に引き継ぐことができるよう、来年度予算を執行する中で慎重な調査や議論を重ねていただきますように改めてお願いしておきます。
次に、中小企業金融対策事業についてお尋ねいたします。
令和7年度の拡充事業として、中小企業者への金融支援5,490万円が計上されております。どのような支援事業なのか、まずお尋ねいたします。経済観光局長、お願いいたします。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕
◎村上和美 経済観光局長 従来の金融対策事業といたしましては、中小企業者の資金調達の円滑化を図るため、本市制度融資に係る信用保証料の軽減や信用保証協会が代位弁済を行った場合の損失補償を実施しているところでございます。令和7年度におきましては、生産性向上や賃上げを目的とした国等の補助金を活用し、物価高騰対策や人材確保などの経営基盤強化に取り組む事業者の資金調達を支援する新たな制度を設けますとともに、その信用保証料の事業者負担率につきましても、現行の50%から25%まで引き下げることで負担軽減を図ることとしております。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 新たな支援策である経営基盤強化のための資金調達支援事業、その対象となる事業者は、生産性向上や賃金引上げを目的とする国や県補助金の交付決定を受けた市内事業者ということでありました。すなわち小規模事業者持続化補助金等の交付決定がなされた事業者が対象となります。
それでは、改めてお尋ねいたします。
その国や県の補助金を利用するための申請条件を教えてください。
また、来年度の新たな支援策、経営基盤強化のための資金調達支援事業に予算をどのくらい割いているのか、教えてください。経済観光局長、お願いいたします。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕
◎村上和美 経済観光局長 補助金を利用するための申請条件につきましては、国や県の補助金によりまして申請条件は異なりますが、事業計画を策定し、設備投資をはじめ専門家の活用や販売促進などにより、生産性向上や賃上げに取り組む事業者を対象としております。
また、新たな支援に係る事業費といたしまして、令和7年度に1,100万円を計上しておりまして、約80件の利用を見込んでいるところでございます。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 今般計上された経営基盤強化のための資金調達支援事業、設備投資を条件とし、予算事業1,100万円程度というのは余りにも規模が小さいと思います。経済効果も極めて限定的と言わざるを得ません。
昨今物価高騰に苦しむ中小企業者が増加していることは明らかであります。商品や資材の仕入れ、人件費の高騰に苦しむ市内事業者に向け、本市として大胆な金融支援策を検討してもよいのではと考えます。ぜひ運転資金に対応できる金融支援を求めます。熊本市が用意する制度融資に物価高騰に対応した利子補給を約束する新たな融資枠を創設できないでしょうか。
コロナ関連利子補給事業の過去の実績を紹介しつつ、物価高騰に対応した事業者向けの新たな利子補給型制度融資の創設について御見解をお尋ねします。大西市長、お願いします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 コロナ関連融資に対する利子補給は、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用いたしまして、令和2年度~令和6年度まで、延べ2万2,400事業者の皆様に対しまして約40億円の利子補給を実施しております。物価高騰に対応した金融支援につきましては、既存の市制度融資において運転資金も対象としながら、指定都市の中でもトップクラスの信用保証料の補給を行っているところでございまして、また、国においては、民間金融機関と信用保証協会との協調融資によります特別保証制度が今月14日に創設されますことから、まずは両制度の利用を促しながら、引き続き事業者ニーズや国の動向等を注視してまいります。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 コロナ禍においては2万2,400事業者に対し約40億円の利子補給を実施したとのこと、財源確保の観点も踏まえ、単純に比較することはできませんが、現在物価高騰に苦しむ事業者の皆さんのためにも、運転資金に対応できるインパクトのある新たな利子補給型制度融資の創設をぜひ御検討ください。
なお、3月に国より物価高騰対策としての新たな特別保証制度が創設されるとのこと、その保証制度に対し、利子や保証料の補給を本市独自でやってもよいのではないでしょうか。重ねてお願いしておきます。
次にまいります。
令和7年度交通事業会計当初予算についてお尋ねいたします。
令和7年度の交通事業会計における事業収益は29億7,000万円、前年度比較で、プラス4億5,000万円となっています。収入が前年に比べ大幅に改善します。その大きな要因は2つ、1つは運賃の値上げ、もう1つは一般会計補助金の増額であります。熊本市電では、本年6月から運賃を180円から200円に値上げしたいと考えております。その影響額は1億9,000万円、これが1つ目の増収要因、もう1つの増収要因は、一般会計からの補助金であります。その額は6億1,200万円、前年比プラス2億1,900万円となります。
一方で、事業費用は26億2,400万円、前年度比較でプラス1億3,600万円にとどまります。線路や電路、車両の維持補修費用に至っては、前年度比マイナス860万円、昨年1年間で多くのインシデントや運行トラブルに見舞われたにもかかわらず、当初予算では維持補修費用、いわゆるメンテナンス費用は前年比マイナス計上となっております。また、全体で捉えると、収益的収支、すなわち最終利益に相当する部分はおよそ3億5,000万円、運賃を値上げし、多額の一般会計からの持ち出しが行われた結果、3億5,000万円の利益が出る予算編成となっています。
交通事業会計が大変厳しく、財務状況を改善しなければならないということで、電車を御利用いただく皆様方に20円の運賃値上げをお願いするはずです。また、熊本市一般会計からの繰出金は6億1,200万円、利益を3億5,000万円計上する企業に6億1,200万円もの補助金を繰り出す必要があるのか。
一方で、考え方を変えれば、3億5,000万円の利益相当分は、安全運行を実現するためにも、例えば設備メンテナンス事業の予算にもっと配分できないのでしょうか。
交通事業管理者の御見解を求めます。
〔井芹和哉交通事業管理者 登壇〕
◎井芹和哉 交通事業管理者 ただいまの数点の御質問にお答えいたします。
まず、長期的な設備投資等をあらわす資本的収支については約5.1億円の不足が生じており、仕組み上、この赤字分は基本的に収益的収支の当年度純利益や内部留保資金等で補填することとなっております。また、企業会計は、将来の退職金支給に備えて退職給与引当金を計上することが義務化されており、平成29年度の包括外部監査において、当該引当金を計上するよう指摘を受けた経緯もありますことから、必要額である約6億円を確保しなければなりません。
令和7年度末の資金残高を試算いたしますと、これら所要額を確保するためには、前年度からの繰越金や内部留保資金等に加えて令和7年度の純利益で約3.5億円が必要であり、今回の黒字計上は妥当なものであると考えております。
また、一般会計からの運行支援につきましても、物価高騰等の観点から最大限配慮いただいておりますが、それでもなお安全対策や処遇改善に不足する状況でございまして、200円への運賃改定が必要でございます。市民や利用者の皆様には御負担をおかけすることとなり、大変申し訳なく思いますが、何とぞ御理解をいただきたいと存じます。
なお、車両保存費には修繕費等の通常のメンテナンス経費のほか、廃車や車検にかかる費用が含まれており、来年度は廃車や車検の対象車両数が減少いたしますことから、車両保存費としては減額となっておるものでございます。全体のメンテナンス費用は増額しておりまして、今後も引き続き安全・安心な運行につながるよう予算面においても優先的に措置してまいります。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 利益を計上し、キャッシュフローを確保し、次の軌道整備や車両購入等の設備投資に充当したいとの見解を持たれていることは十分に理解できます。しかし、資金繰りを充足する手段は、利益の計上のみならず、借入れ等の別の手段もあるはずです。ぜひ資金調達の手段については様々な選択肢を御検討いただきますようにお願いしておきます。
熊本市交通局は公営企業法に基づく公営企業であり、独立採算が大前提、健全な運営が大原則であります。熊本市電の安全に対する信頼は、昨年の度重なる運行トラブルによって大きく損なわれました。脱線事故も2件発生しております。耐用年数30年を超える軌道が全体の44%に達しています。車両も老朽化が著しく、60年を超える車両が全体の50%を超えています。設備のメンテナンス事業費に多くの資金が必要であることは明らかであります。設備のメンテナンス事業に早急に対応しなければならないこの時期に、資金調達などの観点から交通事業は公営企業として運営されることが妥当なのか、少なくとも当面の期間、すなわち軌道整備を含む設備のメンテナンスが一定のレベルに追いつくまで、交通事業会計を、すなわち交通局を市長事務部局へ編入してはいかがでしょうか。
そうすれば、一般会計からの繰出金ではなく、電車関連の設備投資は全て一般会計にて行うことができるようになります。繰出しをする際の公営企業法に基づくルールを考慮する必要もなくなります。柔軟性のある予算編成が可能となるのではないでしょうか。
延期とはなりましたけれども、交通事業については上下分離方式が採用されることとなっています。上物は財団法人が運営、設備管理を行う下物は、従前どおり公営企業が運営する予定となっています。改めて申し上げますが、当面下物の運営は、安全運行のためにも軌道整備を含む設備メンテナンスにめどがつくまで市長事務部局にて所管されたほうがよいと考えます。市長に御見解をお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 上下分離後の下物の会計制度につきましては、令和4年度に作成いたしました制度設計の中で比較検討しておりまして、基準内繰出しに対する国の交付税措置や充当率100%の公営企業債の起債が可能といった財政的なメリットがあること、また、収支区分が明確化し経営分析が可能なこと等から、現行体制下と同様に企業会計が最適な会計制度と判断したところでございます。
今後安全の再構築に向け、交通局経営計画や軌道運送高度化実施計画を見直す中で、独立採算制の原則を踏まえつつ、一般会計による支援の在り方の検討も深めてまいります。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 市長、熊本市電を取り巻く環境というのは、今改めて大きく変わっております。公営企業のメリットは、財政的視点や収支区分が明確となり、経営分析が可能であるとの見解でありました。これは市長のおっしゃるとおりだと思います。ただし、現在検討されております上下分離方式においては、上物法人は独立採算が前提となる財団法人として運営されます。収支区分は明確であり、経営分析は十分に可能であります。上物は財団法人で運営、下物は市長事務部局の交通局が運営する。この交通局編入案も、今後の上下分離検討の際には選択肢の1つとしてぜひ御検討いただきますように改めてお願いを申し上げておきます。
私がさせていただく質疑は以上でございます。御清聴ありがとうございました。
○落水清弘 委員長 齊藤博委員の質疑は終わりました。
次に、荒川慎太郎委員の質疑を行います。
〔荒川慎太郎委員 登壇〕
◆荒川慎太郎 委員 総括質疑、自由民主党熊本市議団3番手を務めます荒川慎太郎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは早速、予算関係資料の中から4点質疑を行ってまいります。
まずは、令和7年度当初予算予算決算委員会説明資料96ページの防災に関する事業予算についてお尋ねいたします。
昨年の総括質疑でも同様の質問を行いましたが、防災に関して予算が拡充されている事業が散見されます。避難行動促進関連経費は、令和5年度785万円、令和6年度1,540万円、令和7年度9,170万円、防災基本条例推進経費は、令和5年度450万円、令和6年度1,840万円、令和7年度2,730万円、指定避難所等機能強化事業は、令和5年度1,900万円、令和6年度1億3,980万円、令和7年度1億8,750万円と、大幅な増額がなされております。
以上、3事業の拡充内容と複数年度にわたって増額が続いている背景について御説明ください。
また、関連事項を併せてお尋ねいたします。
同じページの避難所運営委員会活動支援事業予算は、令和5年度525万円、令和6年度546万円、令和7年度558万円となっております。さきに述べました3事業と比較してごく微増にとどまっておりますが、この点についての理由をお聞かせください。政策局長にお尋ねいたします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 令和7年度予算において拡充となりました3点の事業につきまして、拡充内容についてお答えいたします。
まず、避難行動促進関連経費につきましては、令和6年12月に国・県から公表された白川洪水浸水想定区域図の変更に伴うハザードマップの刷新による増額のほか、県の津波到達時間の公表を踏まえた津波避難困難地域の設定に要する経費を新たに計上したものでございます。
次に、防災基本条例推進経費につきましては、「熊本地震の日」周知啓発事業や避難行動要支援者に対する個別避難計画の作成に要する経費を増額したものでございます。
3点目の指定避難所等機能強化事業につきましては、貯水機能付給水管の設置に係る工事費の増額及び防災井戸、避難場所標識設置に係る調査に要する経費を新たに計上したものでございます。
これらの事業について、複数年度にわたって予算増に至った背景でございますが、熊本市防災基本条例の理念に基づき、災害時における避難所生活環境の向上、地域防災力の強化を着実に進めることで、真に災害に強いまちの実現を目指すためのものでございます。
また、避難所運営委員会活動支援事業でございますが、これは避難所運営委員会に対し、マニュアルの作成、訓練の実施、防災に関する会議の開催などに応じて上限3万円を助成するものでございまして、助成の対象となる避難所運営委員会の新規結成を見込み、微増となっているものでございます。
〔荒川慎太郎委員 登壇〕
◆荒川慎太郎 委員 予算の増額されている事業に関しては、それぞれハザードマップの刷新、個別避難計画の作成、貯水機能付給水管や防災井戸、避難場所標識の設置等、必要な事業に充てられているということでした。
これは、昨年6月第2回定例会において、私からの質問に対して、大西市長が防災災害対策の充実強化について、国に対しても積極的に働きかけ、全国の先駆けとなるような事例についても取り組んでいくと答弁された内容を実施するためにも必要不可欠であり、今後も真に災害に強いまちづくりの実現に向けて事業展開を行っていただけることに期待したいと思います。
一方、避難所運営委員会活動支援に関しては、新規結成を見込んでの微増とのことでした。しかしながら、この3万円という助成額、これは果たして十分といえる額なのでしょうか。私自身、地元の避難所運営委員会に所属し、会議や震災対処訓練等にも参加しておりますが、委員の構成はほぼ自治会や各種団体の役員さん方であり、その方々や事務局を担当される方の労力は大変なものであります。執行部の皆様におかれましては、ぜひお住いの地域の避難所運営委員会に参加していただき、現状を目で見て体験した上で、この助成額が妥当なものであるのか、はたまた増額が必要とみなされるものであるのか、ぜひ見極めていただきますようお願いいたします。
続きまして、予算決算委員会説明資料152ページ、くまもとポイント事業についてお尋ねいたします。
先ほど小佐井委員からもお尋ねがありましたけれども、拡充事業となっており、前年度2,054万円の予算に対し、346万円増の2,400万円が計上されております。私がこのくまもとアプリの利用状況に接したタイミングが、先ほども申し上げました昨年11月に校区で実施された震災対処訓練でした。
避難所の受付でアプリを使っての避難登録をお願いしたのですが、ほとんどの避難者役の方がアプリをダウンロードしていない、もしくは、マイナンバーカードとの連携が取れていないなどの理由で、受付に利用できたのはほんの数名でした。これに関連しまして、くまもとアプリのダウンロード数の推移、アクティブユーザー数についてお聞かせください。文化市民局長、お願いいたします。
〔早野貴志文化市民局長 登壇〕
◎早野貴志 文化市民局長 試用期間でありました今年度のくまもとアプリのダウンロード数の推移につきましては、運用開始後の4月末に約6,000件に達し、その後、毎月約1,000件増加し、2月末時点で約1万8,000件となっております。
また、アプリを開かれた数、いわゆるアクティブユーザーの直近1か月の数は約2,900人でございます。
なお、アプリを利用しボランティア活動に参加された方の数は、梅雨等でイベントが少なかった月が最小の64人、熊本城マラソンが開催された月が最大の584人となっております。
〔荒川慎太郎委員 登壇〕
◆荒川慎太郎 委員 ダウンロード件数が約1万8,000件で、月に1,000件ずつ増加とのことでした。
現在本市の人口は約74万人であります。スマートフォンを所持し、アプリを活用できる年齢であろうと仮定して、15歳以上の人口で割っても約63万人です。これに対して、年間1万2,000件のダウンロード増加、それではこのペースでダウンロード件数が推移したとすれば、どうなるんでしょうか。約50年後には15歳以上の人口をカバーする計算になります。
50年後、私も含めてこの場にいるほとんどの方は存在していないでしょうし、また、どのような運命、社会状況になっているのか想像もつきません。そんなはるか未来にしか普及することができないようなペースであるならば、果たしてこのくまもとポイント事業は有効であうと言えるのでしょうか。
もちろん全ての市民の皆様にダウンロードやアクティブユーザー化を求めるものではないとは思いますが、本気で事業を実のあるものにしようとするのであれば、もっと大胆な予算措置、さらに言うならば、一般財源での予算措置を行い、より効果的な広報活動を展開しなければ、まさに絵に描いた餅となってしまいかねない危うさが容易に予見できる状況であることを強く指摘いたします。
続きまして、同じく364ページ、ナイトタイムエコノミー推進事業についてお尋ねします。
令和6年度の新規事業として実施されましたが、その実施内容と成果、併せて令和7年度の実施予定内容をお聞かせください。経済観光局長、お願いいたします。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕
◎村上和美 経済観光局長 令和6年度のナイトタイムエコノミー推進事業につきましては、2つの取組を実施したところでございます。
まず、夜間景観魅力拡大事業につきましては、秋のくまもとお城まつりの期間中、レーザーライトなどで天守閣を彩り、人の動きに連動する灯りのオブジェを設置するなど、熊本城の夜を楽しめるイベントを実施いたしましたところ、同時開催の「雲上の熊本城」の効果もございまして、熊本城の土日、祝日の夜間平均入園者数は2,553人と、昨年度比約2.5倍と大きく増加いたしました。
次に、観光コンテンツ造成等事業につきましては、居酒屋、スナックなどの飲食店を中心といたしましたガイド付き体験ツアーを造成し、10月~2月にかけて12回実施いたしましたところ、延べ63名の方に御参加をいただきました。
令和7年度の予算額は前年度と同額でございますが、観光コンテンツ造成事業は、民間事業者が同様の事業を検討されておりますことから、本市といたしましては、夜間景観魅力拡大事業に注力し、実施エリアの拡大などによりまして、さらなる誘客と中心市街地への回遊性向上につなげてまいりたいと考えております。
〔荒川慎太郎委員 登壇〕
◆荒川慎太郎 委員 1年前の総括質疑におきまして、新規事業であった本事業に対し、当初予算の4,350万円では不足ではないかという指摘をいたしました。結果、ガイド付き体験ツアーの参加者は僅か63名、さらに、こちらの事業に予算を割いたおかげで、熊本城のレーザーライトアップに関しては、控えめに言って非常に残念な出来でした。
答弁にもありましたように、雲上の熊本城などのコンテンツとの相乗効果で、夜間の入園者数は2.5倍とのことでしたが、予算配分によってはもっと多くの方々に御来場いただけたのではないかと残念に思うところです。とはいえ、観光コンテンツ造成事業を外して夜間景観魅力拡大事業に注力するという方向転換の素早さは、非常に評価すべき点であり、今後の事業展開が楽しみでございます。しかしながら、予算額は前年同様でありまして、1年前に御指摘したとおり十分ではないのではないかという疑念は残ったままでございます。
来年には宿泊税も導入されますことから、より多くの人に熊本を訪れていただき、楽しい思い出をつくっていただけるような取組が充実することに期待いたします。
さて、今回の総括質疑の準備に当たり、予算決算委員会説明資料を昨年度及び一昨年度のものと比較しながらチェックを行い、およそ120項目の質問表を事前に執行部宛てに送付し回答を頂きました。その作業過程において、非常に難儀した点がございましたので、それに関してお伺いいたします。
資料では、各委員会ごと、各局の事業について説明がなされております。ところが、この事業の並び順が都市建設局を除いてほぼ全局において、過去の資料とばらばらに羅列されておりました。この資料は、当初予算の説明資料であり、我々議員が内容をチェックするためにつくられたものと認識しております。その点を鑑みますと、余りの見づらさに何かしら意図的なものすら感じるものがございます。
そこでお尋ねいたします。
この各事業の表記順序は、財政局の指示によるものでしょうか。それとも、各局独自で並べ替えられたものでしょうか。
併せてもう1点、事業内容の欄に、前年度という表記がございますが、記されているのは款、項、目のみでございます。各事業の項目に前年度予算を併記することは、大きな手間ではないと考えますが、この点についてのお考えをお示しください。財政局長、お願いいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 委員お尋ねの予算決算委員会説明資料は、上程した予算案を補足説明する目的で、システムから抽出したデータを基に作成しており、各事業は本市の総合計画の体系に基づいて附番された事業コードの順番で表記されております。
令和6年度当初予算は、第7次総合計画に基づいた事業コードが附番され、令和7年度当初予算におきましては、第8次総合計画に基づいた事業コードが附番されておりますことから、事業の順番が一致しないものとなっております。
なお、事業の性質上、システム内で細分化して管理しているものを事業目的ごとにまとめて表記するなど、各局で個別に並べ替え等を行っている場合もございます。
次に、各事業の項目に前年度予算額を併記することにつきましては、先ほど御説明しましたとおり、予算案を補足説明する目的で作成しておりますことから、予算に関する説明書に沿った様式で作成しております。熊本市予算決算規則に規定する書類の様式等を定める要綱におきまして、予算に関する説明書の様式を定めておりまして、その中で款、項、目ごとの前年度予算額を表記することになっております。各事業の前年度当初予算額を表記するに当たりましては、補正予算に計上した事業や単年度のみの事業、事業内容の見直しによる細分化や統合を行った事業など、単純な比較をすることが難しい事業への対応など、課題はありますものの、議員の御指摘を踏まえ、前年度当初予算との比較ができるよう、様式の見直しに取り組んでまいりたいと存じます。
〔荒川慎太郎委員 登壇〕
◆荒川慎太郎 委員 事業内容については、第8次総合計画だの、事業計画だのといろいろとおっしゃいましたが、資料が見にくくなったという事実は事実でございます。1年前の総括質疑におきまして、我が会派の村上誠也委員から同様の質問がなされており、それに対して、当時の財政局長は、予算決算委員会説明資料につきましても、議会におけるさらなる御審議の充実のため、分かりやすさにも配慮しつつ、情報量の充実に向けて改善を図ってまいりますと答弁されております。この点を鑑みますと、1年を経て、改善が図られたどころか、改悪すらされたという資料になっております。
質問の中でも触れましたが、予算に関する資料のみならず、議会に提出される資料というものは、すべからく我々議員が市民の皆様に代わって市政の運営状況や目的、経過などをチェックするという目的のためにつくられるものであります。そのための資料が見にくい、分かりにくいということになれば、何かしら隠したい内容があるのではないかと疑義が生じるきっかけも出てまいります。
執行部の皆様におかれましては、その点十分御留意の上、今後も分かりやすく見やすい資料づくりを心がけていただきますようお願いいたします。
財政局長からは、前年度当初予算との比較ができる様式の見直しに取り組まれるという答弁を頂きましたので、来年の資料の完成度に期待いたしております。
以上で、私からの質疑を終了いたします。
続いては、我が会派の若きベテラン、田中敦朗議員にバトンをお渡しします。
執行部の皆様、御答弁ありがとうございました。
○落水清弘 委員長 荒川慎太郎委員の質疑は終わりました。
次に、田中敦朗委員の質疑を行います。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 若きベテラン、自由民主党熊本市議団の田中敦朗でございます。花粉のせいでちょっと声も枯れておりますけれども、質疑に入らせていただきます。
今回ちょっと項目が多うございますので、かなり端的に質疑を行う部分もありまして、真意が伝わらない部分もあるかもしれませんけれども、執行部におかれましては、御答弁のほどよろしくお願いいたします。
それでは、まず初めに、出初め式についてお伺いいたします。
現在1月第2週、成人式の前の日に行われております出初め式、御参加された方は十分御存じと思いますけれども、本当に寒くてもう体の芯から冷え込むような状況の中で行われました。
昨年もですけれども、これが地域のどんどやとかぶっておりまして、私の所属する方面隊からは、半分ぐらいの団員がその地元のどんどやに残ったということで、参加者も減ったような状態でありました。ぜひこういった寒い、そして、参加者が制限されるという部分がありますので、3月や4月に変更する、または開催の週を変更するというようなことを検討していただければというふうに思っております。
ほぼボランティアの消防団員が寒風吹きすさぶ中約3時間拘束され、放水担当の分団に至っては、さらに早く集合して、約4時間ほど拘束され、放水した川の水によって、風によってはもう水を浴びてぬれねずみになってしまうというような状況になっている状態です。そういった出初め式の大切さというのは私は十分理解しておりますので、やめようとは申しませんので、開催時期について早急に検討すべきと考えていますが、市長のお考えをお伺いいたします。
併せて、熊本県内の自治体におきましては、1月以外に開催をしている自治体は45市町村中幾つの市町村でしょうか。消防局長お答えください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 本市の消防出初め式は、新春を飾る恒例行事として、決意を新たに1年間の安全を祈願するとともに、消防団員等の士気の高揚と団結、市民の皆様の防火・防災意識の啓発等を目的として、毎年1月に開催をしておりまして、多くの市民の皆様にも親しまれております。1月の開催については、寒い時期での開催となり、また、参加する消防団員をはじめ御来賓や市民の皆様への御負担もあることは承知しており、開催方法等については、これまで様々な機会に消防団の方々と協議をし、決定してまいりました。
議員御提案の3月、もしくは4月への開催時期の変更については、消防出初め式の歴史的な背景や目的等を踏まえつつ、他都市の開催状況や消防団員等の意見を参考といたしまして、開催内容や負担軽減等を含め、調査研究をしてまいります。
〔平井司朗消防局長 登壇〕
◎平井司朗 消防局長 県内の開催状況についてお答えいたします。
熊本県内で1月以外に開催している市町村は、45市町村中8つの市や町であり、そのうち2月開催が2つの市や町、3月開催が4つの町、4月開催が2つの市や町という状況でございます。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 御答弁ありがとうございました。
参考までに、政令指定都市に至りましては、全て1月開催ということでありまして、先ほど消防局長に答弁をしていただいた中で、37の市町村は1月開催ということで、他都市を参考にするのであれば、変更しない可能性が高いのかなというふうに予測をしている次第であります。
1月から変えないのであれば、ぜひどんどやとかぶらぬように、開催の週は変えていただきたいですし、ぜひ消防団員の声を聞いてほしいと思います。
参加していただいた同僚議員や消防団員に個人的に聞きましたところ、8割は寒いから変えたほうがいいというふうにおっしゃっていましたし、残りの2割の方は農家の方で、3月、4月は自分たちは繁忙期になるので、1月のどんどやとかぶらない週にしてほしいといったような声もありましたし、歴史と伝統を鑑みると、やはり1月にしたほうがいいというようなことをおっしゃっておられた方もおりました。歴史、伝統に沿うなら、本来は1月4日に開催すべきでありまして、1月4日、3が日明けたすぐに開催するのも検討の余地はあるのかなというふうに思いました。
何にしてもぜひ、先ほども申しましたけれども、消防団員側に立っていろいろ考えていただきたいと思います。集合時間から逆算してみまして、北区植木、南区城南、西区河内、東区戸島から出てくる団員は、朝何時に分団のところの集会所に集まってくるのかと。そして、一昨年より改善していただいたとはいえ、立って待ちながら消防団員の皆さん、こんなに早く集まる必要あったのかと疑問に思う心中を察していただきたいなというふうに思います。ぜひ団員へのアンケートの実施をよろしくお願いします。
続きまして、ふるさと納税についてお伺いいたします。
これも端的にお伺いします。
熊本市の寄附受入額、令和5年は熊本市は全国で何位で、政令指定都市で何位でしょうか。
また、全国1位の金額と熊本市の金額をそれぞれお答えください。
また、令和7年度予算におけるふるさと納税関連予算について、熊本市の目標額をお答えください。
また、寄附受入額の目標は、公表している政令指定都市の上位、中位、下位のどの位置にいるかお答えください。
宮崎市は大西市長も親しい清山市長に替わり、市長肝煎りの政策として、前市長の際、年間5億円だったふるさと納税額を初年に26億円、2年目56億円、3年目81億円と大きな成果を上げています。宮崎市と熊本市の違いは何だと考えられるでしょうか。政策局長の答弁を求めます。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 本市における令和5年度のふるさと納税受入額は約8億8,000万円であり、全国で313位、指定都市で14位であります。
なお、全国1位の都城市の受入額は約193億8,000万円、指定都市1位の名古屋市は、約117億1,000万円でございます。
次に、本市における令和7年度の寄附受入目標額は13億5,000万円であり、目標額を公表していない自治体もあるものの、指定都市の中では下位に位置しております。
次に、議員御案内の宮崎市との比較、違いでございますが、宮崎市におかれましては、人気返礼品の品切れ防止を徹底しているほか、ふるさと納税を受け付ける専用のポータルサイトを多数設け、窓口を広く確保していると聞いております。
本市におきましても、今年度新たなポータルサイトの導入や返礼品の拡充などに取り組んでおり、引き続き新規事業者の開拓や農水産物の首都圏プロモーションなど、さらなるふるさと納税の受入額増加に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 御答弁いただきましてありがとうございます。
都城市は20倍以上、名古屋市も10倍以上の受入額です。豊かな農水産、畜産物を有する熊本市であれば、まだまだ伸ばすことができるはずですが、目標設定が低い状況でありますし、改善の余地がまだまだあるのではないかというふうに思っております。例えばふるさと納税の事業者、会社の登録機関、他の自治体では1か月でできるところもありますが、確認したところ、熊本市は2か月ほどかかると聞いています。自治体の都合で1か月も遅くなるというのは、機会の損失にほかならず、人員が足りないのであれば、会計年度任用職員で補ってでも1か月でできるようにするべきだと私は考えています。
また、広告費も同様に、令和6年速報値で、令和6年度で熊本市は10億円を超える受入額があるにもかかわらず、広告については委託業者の予算の中に入っており、広告費が単独枠でほぼ充てられていないということをお伺いしました。そういった今後10億円、20億円、30億円と目指していく中で、10億円で1%で1,000万円、20億円で2,000万円です。その程度の広告費をしっかりと確保していくというような市の本気度が分かるような単独の広告予算もぜひ設置していただきたいなというふうに思っております。
宮崎市の大躍進については、答弁いただいたこと以外にも諸要因があるそうでありますけれども、今後高い目標を掲げられることを期待しております。
努力をされているということは評価をしておりますので、さらなる飛躍のための改善を求めて、次の質疑に移ります。
第2期国際戦略推進経費についてお伺いします。
セザンヌ2025展に併せた市民交流についてです。
このたび、2025年春、エクサンプロヴァンスにおいて、セザンヌの旧居とアトリエが再オープンし、6月からグラネ美術館において大回顧展、ジャス・ドゥ・ブファンのセザンヌも開催予定となっています。
これに併せて令和7年度予算において、文化・観光のプロモーションを行う予算が計上されています。世界平和につながる友好姉妹都市との交流、本市発展に通じる観光のプロモーションについては継続的に行うべきであり、今回の予算については大賛成です。ですが、友好姉妹都市との交流で、18年間の議員生活で感じてきたことが1つあります。それは、市民同士の交流が足りないのではないかということです。
そこでお伺いします。
今回の訪問予定の時期と今回のプロモーションの効果をどう考えているか。また、今回市が予算を確保して訪問するのに併せて、多くの市民に呼びかけて、熊本市民が訪仏して、エクサンプロヴァンス市民との交流をする企画をしてはいかがでしょうか。政策局長の答弁を求めます。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 本市の交流都市であるフランス・エクサンプロヴァンス市では、画家ポール・セザンヌの生家であるジャス・ドゥ・ブファン修復プロジェクト等が完了することに併せて、セザンヌ2025と題したイベントが6月下旬~10月上旬にかけて開催される予定でございます。
本イベントは世界的に注目されており、エクサンプロヴァンス市は、ニューヨークタイムズ社が選ぶ2025年に訪れるべき52の場所で第7位に選ばれております。このような中、本市にもエクサンプロヴァンス市から本イベントへの御案内をいただいており、7月初旬に市長以下での渡航を計画中でございます。
また、この機会を活かして本市の観光・文化についてのプロモーションを実施することで、両市の文化交流がさらに促進される効果があるものと考えております。
議員御提案の熊本市民の渡仏の機会といたしましては、現在関係機関や民間事業者において企画を検討中と伺っておりまして、本市といたしましても、協力や連携を行うことで、幅広い分野での交流がさらに活発となるよう取り組んでまいりたいと考えております。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 今回市長も改めて渡仏されるということで、トップの仕事は、やはり決断をすること、責任を取ること、外交をすること、これが私は重要であるというふうに考えております。海外や東京に行き、人脈を形成し、人、物、金を呼び込むことは首長として大変重要なことですので、今後も継続して行っていただきたいと思います。
そもそも副市長以下、局長の皆さん、熊本市の組織というものは何のために存在するのか。市長を補佐し、熊本市民の生活を安全に、そして今後の発展を見据えて行動していくのが熊本市の組織の役割でありまして、市長が1週間不在だからといって、機能不全になるような組織ではございません。ぜひともこれからも積極的に海外に向かって発信と渡航、そして、交渉に向かっていただければというふうに思います。
また、市民間の交流、今企画を民間のほうでされているということで、大変期待している次第であります。市民間の交流を増やすことは、両市の活性化、市民の国際化に寄与する大切なことであります。できる範囲で着実に進めていっていただければというふうに思う次第であります。
続きまして、公共交通機関バリアフリー推進についてお伺いいたします。
先日、議員インターシップで私の事務所に来ていた若者が、自身も障がいを有しているということで、バリアフリーについて熊本市はまだ十分ではないという資料を渡してくれました。そこには、車椅子の方がJR武蔵塚駅を利用したときに、障がいのある方だからこそ分かる様々なバリアや、こうだったらよいのにという改善策が記載されていました。障がいのある方の移動が円滑な熊本市の実現には、まだまだ時間がかかるというふうに実感したところであります。
そこでお伺いいたします。
熊本市内の民間公共交通機関の駅、バス、停留所について、バリアフリー環境が整っているかどうか、把握されていますでしょうか。また、熊本市において民間公共交通機関のバリアフリー推進に支援を行っているのでしょうか。都市建設局長に答弁を求めます。
〔秋山義典都市建設局長 登壇〕
◎秋山義典 都市建設局長 本市では、令和5年策定のバリアフリーマスタープランに基づきまして、誰もが移動しやすく暮らしやすい環境の構築に向け、交通事業者の参画されます移動等円滑化推進協議会を通じまして、公共交通機関のバリアフリー環境の実態把握に努めてまいりました。
議員お尋ねの民間公共交通機関のバリアフリー化に当たりましては、高齢者、障がい者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆるバリアフリー法に基づく取組としまして、原則各事業者において整備いただいているところでございますが、公共性を鑑みまして、今後本市における支援の在り方について研究してまいります。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 これまで村上博議員もたびたびバリアフリーについては質疑・質問をされてまいりましたけれども、民間任せにしておけば、当然そのスロープであるとか、手すりであるとか、そういったものを設置すれば、確実に予算が上がると。なのであれば、そういったものは法律に即してなければ設置しないというような選択をする民間事業者がどうしても多くなってしまう。そういったところをどうやってケアをしていくのか。そういったことを国や県や、そして民間事業者と連携をしながら、障がいを持つ人が移動しやすく暮らしやすい環境をつくっていくのが熊本市の使命であるというふうに考えている次第であります。
課題がまだまだ存在しておりますので、研究を早急に終わらせていただきまして、国や民間と協力して、課題解決に向けて取り組まれることを期待している次第であります。
続きまして、受動喫煙防止対策事業についてお伺いいたします。
この予算のルーツは、熊本市が議会にも、市民にも説明をせずに喫煙所を撤去したことに端を発するというふうに私は考えております。また、これまで再三再四、行政による公的な分煙施設の設置を議会が求めているにもかかわらず、民間への助成でこれまで過ごしてきた取組の続きであります。
市街地の借手が見つかりやすく事業として経営が成り立つ場所に、民間事業者が分煙施設を設置するというような可能性は極めて低く、これまでの助成が満額執行されたことはないというふうに記憶しています。
また、市役所担当課が努力して何とか設置してもらったこれまでの整備されてきた民間の分煙施設は、場所が分かりにくかったり、2階にあるなど、まさしく喫煙者を隅に追いやるようなものしか整備されていません。この事業に対しては、私は今心配しかありません。
そこでお伺いします。
今回の事業について、喫煙者が利用しやすい路面への設置の見通しはあるのか。2階や3階に分煙施設が設置されても意味はなさないと考えていますが、2階、3階でも助成は行われるのか。また、同予算で設置されていますこれまでも活動していますコールセンターの役割は何でしょうか。健康福祉局長にお伺いします。
〔林将孝健康福祉局長 登壇〕
◎林将孝 健康福祉局長 受動喫煙防止対策事業に関するお尋ねにつきまして、順次お答えいたします。
まず、設置の見通しにつきましては、分煙施設設置の助成対象となる中心市街地の現地調査を行った結果、通りに面した利用しやすい施設の管理者等から、設置費用助成を求める声もいただいているところであり、今後の設置に向けて取組を進めてまいります。
次に、助成対象となるフロアにつきましては、これまでの助成事業において2階での設置に対する助成が行われているものの、今後の分煙施設の設置に当たっては、例えば、夜間に1階の屋外部分で喫煙者が利用できるような場所に設置していただけるよう取り組んでまいります。
最後に、コールセンターの役割につきましては、健康づくり推進課内に令和元年度から受動喫煙防止対策専用コールセンターを設け、健康増進法による規制の実効性を高めるため、飲食店における分煙環境の調査に取り組むとともに、受動喫煙の被害に関する情報提供を受け、相談対応や助言等を行っているところでございます。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 入りやすい、利用しやすい施設の事業者の方から問合せや要望があったりということでございますので、本当に心から期待しています。
これまでも何年もそういったことができなかったということで、そもそも分煙施設がしっかり整備された後に公設の喫煙所が撤去されるべきでありまして、やはり順番が逆であるということを厳しく指摘させていただきたいなというふうに思っておりますし、きちんと喫煙者、そして非喫煙者、議会、そして市役所執行部が話合いを重ねながら、熊本市内の分煙についてどうするべきかというのを考えた上でそういったものは進めていくべきであって、やはり厳しく言わせていただければ、後づけであるというふうに感じる次第でありまして、今回のこの分煙施設の予算に関しましては、ぜひともしっかりとしたものが出来ることを期待している次第であります。
また、コールセンター、大変しっかりとした活動をしていると担当課から聞いておりますけれども、このコールセンターに1,200万円予算がついておりますけれども、このコールセンターに1,200万円使えるのであれば、民間任せにせずに市街地に公設の分煙施設を設置したっていいというふうに思っておりますし、先日一般質問で軽く触れましたけれども、今からでも遅くありませんので、予算を確保いたしまして、通町筋のマイナンバーセンターの一角を分煙施設にすることを強く求めておきます。
続きまして、不登校対策についてお伺いいたします。
不登校という言葉、様々な観点があると思いますけれども、私からしますと、主体が行政側、学校側であるのではないかというふうに考えておりまして、もちろん執行する側からすると、登校しないことが悪であるというふうな考えが根底にはあるのではないかというふうにこれまで感じてまいりました。
私は今後こういった不登校という言葉を極力使わず、状況をあらわす上では不登校という言葉を使わざるを得ないということはありますけれども、熊本市役所がそういった予算、不登校対策というふうな言葉ではなくて、登校支援でありますとか、自宅学習の充実というような文言を予算において使っていくべきではないかというふうに思っておりますが、教育長のお考えをぜひお伺いしたいと思います。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 平成29年3月に出されました学習指導要領の解説において、不登校はどの児童生徒にも起こり得ることとして捉える必要があること、また、不登校には多様な要因、背景があり、その行為を問題行動と判断してはならないことが記されております。
現在本市では、不登校のみならず病気やその他の理由で年間30日以上欠席している、いわゆる長期欠席児童生徒を支援の対象とし、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて社会的に自立することを目指した支援を行っております。
不登校に代わる表現としてどのようなものがふさわしいか、私も教育委員会の職員と随分考えたんですけれども、なかなかこれというものが見つかっておりませんので、今後とも検討していきたいと思っております。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 御答弁をいただきましてありがとうございます。
先ほども申し上げましたとおり、状態をあらわす上では不登校という言葉はふさわしい部分もあるというふうに思っておりますが、不登校対策というそれだけで、その不登校という部分がマイナスになると。1つの言葉というものをいろいろな事業の形というものを変えれば改善するというものではありませんけれども、そういった形を少しずつ検討して、対象をこちら側、執行部、そして、行政側ではなくて相手方、こどもや家庭に併せた言葉をつくっていくということが教育機関と、そして市民や家庭との信頼感を築く第一歩に近づいていく。一歩というか、本当に一寸ぐらいのものにしかならないかもしれませんけれども、そういったことが私は必要だと思っております。
これまで戦後からもう80年たちますけれども、その中でも教育はちょっとずつ、ちょっとずつ変わってきておりますけれども、やはり時代に併せた教育というものを私はしなくてはいけないというふうに思っておりますし、それが若干、日本はスピードが遅いのかなというふうにずっと感じてまいりました。そういった細かなところにも行き届く教育をこれからも実践していただくことを教育長に強くお願い申し上げまして、次の質疑に移ります。
学校樹木の適正管理についてお伺いいたします。
学校樹木の落葉が学校周辺の住宅や市道に散らばることによって、地域住民や企業の皆さんが秋期、冬期に毎朝落ち葉掃除をしなければならない学校があるというふうに聞いております。そういったことは、学校の樹木の責任によって生じているということで、迷惑になってしまいますので、敷地外に落ちないように工夫したり、剪定するように率先して樹木管理を行うべきであるというふうに考えていますが、学校樹木の管理が行き届く予算は確保されているのか、学校樹木が周辺に与える影響を把握できているのか、都市建設局長にお伺いいたします。
〔秋山義典都市建設局長 登壇〕
◎秋山義典 都市建設局長 市内の小中学校には、クスノキなどの常緑樹やイチョウなどの落葉樹など、こどもたちの学びにつながる多種多様な樹種が約1万5,000本植栽されておりまして、樹木の剪定や害虫の駆除などの管理とともに、樹木の老朽化への対応など、計画的な管理を行っております。
落ち葉清掃につきましては、こどもたちの緑化活動の一環として実施されておりますことに加え、地域住民の方々にも日頃から御協力いただいているところでございますが、学校から負担軽減等に関する相談が寄せられた際には、落ち葉の総量抑制といたしまして、不要となる枝を抜く、いわゆる枝抜き剪定や樹木の間引きを実施しているところでございます。引き続き、学校との情報共有、連携の下、工夫を凝らしながら学校樹木の適正管理に努めてまいります。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 御答弁いただきました。
熊本市の機構改革によって、学校樹木の管理もみどり公園課所管になっているということでありまして、御答弁いただいたように、学校樹木とそれが周辺に与える影響を把握するということは大変重要なことでありまして、縦割り行政ではありますけれども、教育委員会と都市建設局でしっかりと連携していただいて、また、各学校としっかり連携していただいて、その把握に努めていただくようによろしくお願いいたします。
それと、全体的なことなんですけれども、新たな公共施設を建設するときの樹木の植樹に関しましては、20年、30年先を見越して植えていただくようにお願いします。明らかにフェンスの近くに植わっている木は、当時はこんなことも考えずに植えたんだろうなというのが熊本市の公共施設のそこかしこにございまして、当然落葉樹をフェンス近くに植えてあれば、その周辺の地域住民の方々や企業の方々に御迷惑をかけているというような樹木が散見されておりますので、そういった先を見越した植樹ということもぜひ考えていただくようにお願いいたしまして、次に移りたいと思います。
節水対策経費についてお伺いいたします。
令和7年度予算案要求状況一覧によりますと、担当課から要求されている金額が3分の1以下に減額されております。令和5年度予算の決算時に、私が「結果が伴わないのであれば、予算の増額とともに新たな取組を」といった指摘に対して、真摯に向き合い実行している環境局の水保全課を評価している次第であります。
今議会においては、地下水関連の質問が幾つかある中で涵養の大切さがクローズアップされていますが、同様に大切なのが節水です。平成14年度に熊本市民1人当たり1日254リットルの使用量が令和5年度には1日219リットルまで節水が進んでおり、年間約90億リットルの節水が実現しており、JASMが使用する予定の約31億リットルのやがて3倍の節水を熊本市民は達成している状況です。
現在市の掲げる目標である1人1日当たり210リットルを実現すれば、現状と比べ、さらに年間約23億リットルの節水となり、JASM使用量の3分の2を賄うことができます。涵養を進めるのであれば、併せて節水も強力に進めることで、より地下水の保全につながると考えます。
地下水を未来に残していくことに不安を抱く方が多くおられる今こそが節水を進める好機だと思いますが、時宜に併せた予算要求を減額した理由を、財政局長にお伺いします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 節水対策経費についてお答えいたします。
令和7年度当初予算におきましては、半導体関連企業の熊本進出に伴う諸課題への対応をアクションにおける重点事項の1つとして掲げ、市民の地下水量、水質等に対する不安払拭のため、地下水涵養をはじめとする地下水の保全対策等にも重点的に予算配分を行ったところでございます。
市民の地下水への関心が高まる中、節水啓発としての広報等の必要性については理解しておりますものの、これまで行ってきた節水対策の効果検証が十分でないことや、要求内容である広報手法等について、その効果や手法の妥当性、さらなる検討が必要であることから、令和7年度当初予算におきましては、増額の予算計上を見送ったところでございます。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 財政局長から担当課への手厳しい答弁をいただきまして、環境局については燃え上っていただきたいなというふうに思っている次第であります。
財政局長の答弁を直訳しますと、担当課の事業検証と新たな取組がてんでなっていないから削りましたということに受け取られかねないというふうに思っておりまして、私は、水保全課はすごく努力して出したはずなのに、そこまで言わなければいけないのかなというふうに思っている次第でありますけれども、やはり大事な税金を使う以上は、手厳しいことになってしまうんだろうなというふうに思っている次第であります。
今が節水をより一層推進する絶好の機会にもかかわらず、予算が削られたことは本当に残念極まりないんですが、担当課については、本当に先ほど申しましたとおり、この悔しさを糧にして、財政課めというふうに思いながら、敵ではありませんので、心を燃やしていただいて、ぜひとも財政課を見返していただくような予算要求を令和8年度にしていただくように心から期待しまして、次に移りたいと思います。
また、そういった内容に関しましては、ぜひ分科会の方でしっかり議論していきたいというふうに思っております。
最後の質疑になります。
記念館活用関連経費、観光資源の魅力創出についてお伺いします。
「ばけばけ」ですね、これに関連しての質疑でございます。
「ばけばけ」は、2025年令和7年度後期に放送予定のNHK連続テレビ小説第113作のテレビドラマです。本市にゆかりのある小泉八雲、パトリック・ラフカディオ・ハーンの妻、小泉セツをモデルとしていますが、原作はなく、フィクションとして制作されるとのことです。
大河ドラマや連続テレビ小説は、観光客誘致の1つの機会であり、その機に応じて予算を確保したことは評価しています。しかし、不安があります。これまでそういった機会が幾度かあったのですが、ことごとくぱっとせず、何を目的に行い、どういう結果をもたらすために予算を確保したのか、大きな結果を求めてやったのか、はてなマークがつくような事業が多かったからです。
そこでお伺いします。
「ばけばけ」効果と今回の事業で来熊者をどれだけ増やそうと考えているのか、また、どのような発信をどこまで発信しようとしているのか。経済観光局長にお伺いいたします。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕
◎村上和美 経済観光局長 NHK連続テレビ小説「ばけばけ」の放送を契機に、小泉八雲に関する各種プロモーションを実施することによって、本市への誘客を図ることとしておりまして、熊本市観光マーケティング戦略に掲げております令和13年度の観光客入込数700万人の目標達成につなげてまいりたいと考えております。
具体的には、小泉八雲熊本旧居におけるAR、いわゆる拡張現実を活用した新たな展示の導入や怪談イベントの実施に加え、八雲が好んだ料理を再現いたしましたグルメイベントや熊本博物館における展覧会の開催などの取組を計画しているところでございます。
また、これらのイベント等と連動しながら、現在本市観光ウェブサイト上に制作を進めております八雲に関する特集ページやSNS等を活用した周知・広報を行いますとともに、ドラマの最初の舞台となります松江市と連携を図りながら、効果的なプロモーションに取り組んでまいりたいと考えております。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 御答弁いただきましてありがとうございました。
令和13年度の700万人ということで、この事業単体の数字を示されなかったというところで、この事業自体は大変期待しておりますので、文化市民局も経済観光局も頑張っていただきたいと思うんですけれども。今回多数質疑をいたしましたけれども、1つ1つの事業に関して俯瞰してみますと、背景に関しましては、当然第8次総合計画なんですけれども、そういった目的、目標、手法に関しましては、突っ込んで検討するものと、時期が適しているから通しているものというふうに見えてしまうものが存在するなというふうに感じた次第であります。ですので、1つ1つの事業に目的や目標、これは設定すべきでありますし、それに応じて本当に結果が出たのか、出ていないのかというのを各局、各課がしっかりと把握をした上で、それを次に生かしていくということが必要であると思います。しかし、そういったものがしっかりと提示されない予算があると。たまにですね。ということは、そこまで精査できていないんではないかというような心配も生じてしまうということがありますので、ぜひとも今後に関しましては、1つ1つの事業にこの予算でどれだけのものを生じさせようとしているのかというところまで突っ込んで検証、検討した上で、そして、それを実施した後にできたのかできていないのか、なぜできなかったのか、なぜできたのかというのも説明できるようにしていただくと、さらにいいのものができていくと思いますし、そういった形をすることで、議会にも市民にも信頼される熊本市の執行部というのが実現するというふうに考えている次第であります。
令和7年度の予算がもくろみどおりにすばらしく効果を上げられること、それを心から祈念しますとともに、無事に議会が終わることを祈念いたしまして、私からの質疑とさせていただきます。ありがとうございました。
○落水清弘 委員長 田中敦朗委員の質疑は終わりました。
以上で、自由民主党熊本市議団の質疑は全て終了いたしました。
質疑の途中ではありますが、この際、議事の都合により休憩いたします。
午後1時より再開いたします。
午前11時51分 休憩
───────────
午後 1時00分 再開
○落水清弘 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質疑を続行いたします。
これより、熊本自由民主党市議団の質疑を行います。持ち時間は40分となっております。
まず、北川哉委員の質疑を行います。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 皆様、こんにちは。熊本自由民主党市議団の北川哉です。予算決算委員会総括質疑に会派を代表して、松本委員と2人で登壇させていただきます。質疑の機会を与えていただいたことに感謝を申し上げます。
それでは、早速ですが質疑に入らせていただきます。
令和7年度も令和6年度に引き続き物価高、資材等高騰の影響への引き続きの対応が必要になる年度と予測されます。昨年の第1回定例会予算決算委員会当初予算に対する総括質疑での私からの問いとしましては、当初予算(案)のポイント概要について、一般会計予算の推移として、令和6年度当初予算は過去最大の4,014億円となったが、平成26年度以降の一般会計予算の推移と歳出(目的別・性質別)の増減要因をどう分析しているのか。10年前に現在の状況を予測することは可能だったのか。市債残高の推移について、平成10年度からの市債残高、通常分・地震分・臨時財政対策債分の推移をどう受け止めているのか。基金積立金について、令和5年度補正予算で復興基金・公共施設長寿命化基金への積立てが行われたが、これまでの推移をどう分析しているのか。また、過去10年間の基金総額の推移についての評価はどうであったか。当初予算(案)の歳入予算の内訳について、市税が国の定額減税の影響で減少しているが、地方特例交付金で補填されるのなら、実質的な影響はないのではないか。譲与税が44億円増加している要因は何か。本市の資金の運用の流れ、近年の方向性、リスクに関する考え方、将来の予測についての見解をお尋ねさせていただきました。
答弁としましては、一般会計予算の推移について、予算の増加要因と10年前の予測について、一般会計予算では平成26年度の2,889億円から令和6年度の4,014億円へ増加し、10年間で1,125億円の増加。増加要因は主に民生費446億円の増、教育費467億円の増、義務的経費832億円の増であり、特に人件費と扶助費の増加が顕著であった。国の制度改正、児童手当の拡充や教職員給与移管など、予測が困難な要因もあった。財政指標については、令和4年度決算は過去の中期見通しより良好で、黒字70億円に達した。実質公債費比率や将来負担比率は予測よりも改善し、特に将来負担比率は予測より低くなった。決算が良好な要因としては、事業費削減や不用額が考慮されなかったことが要因としてあったと答弁がありました。
市債残高の推移としては、市債総額は増加し、令和6年度末には4,991億円に達する見込みであると。臨時財政対策債や熊本地震関連債の影響があり、市債の構成が変化している。基金積立金については、主要な基金は公共施設長寿命化基金や介護給付費準備基金、熊本城復元基金が増加し、基金総額は235億円の増加。市税、譲与税の影響については、市民税の定額減税により42.5億円の減少があり、譲与税等でその減少が補填された。実質的な市税総額は増加している。資金の運用としては、長期運用可能な基金を一体的に管理し、低金利の中で利回り確保を目指して30年債を活用し、令和4年度の運用収入は前年度比で増加し、確実かつ効率的な運用を続けていると評価されていました。
市の予算管理や財政の健全性が良好であることは示され、私も納得したところでありましたが、評価としては、経済情勢を考慮しながら、確実かつ効率的な運用を継続しているとの答弁がありました。
今回の質疑に関しましても、昨年の質疑を踏まえて行っていきます。
1つ目として、当初予算(案)の概要について、令和7年度当初予算(案)の概要の説明では、一般会計総額は前年度から179億円増加し4,193億円で過去最大の予算規模。ビルド・アンド・スクラップの取組の推進や、令和7年度アクションプランにおける重点項目への対応を踏まえ、重点課題経費として15億円を計上。熊本地震からの復旧復興のため、熊本地震関連予算に97億円を計上。令和7年度予算は新庁舎整備、防災、健康福祉、教育、観光など多岐にわたる分野での拡充と新規事業に重点を置かれている。主な増加要因は、児童手当給付経費や施設型給付費の増加により扶助費が41億円の増、長寿命化事業や道路予算の増加により投資的経費が80億円の増等によるもの。特別会計、企業会計を合わせた総額は7,564億円、対前年度比280億円、3.8%の増との説明でした。
昨年度の当初予算では、児童手当拡充や定額減税に係る調整給付等により扶助費が116億円の増でした。本年度当初予算での扶助費は、児童手当給付経費や施設型給付費の増加により41億円増となっています。また、投資的経費では、昨年度は道路整備の加速化により10億円の増とよるものでありましたが、今年度は長寿命化事業や道路予算増加により80億円の増となっております。
昨年度、将来推移についての質問として、扶助費は今後増えていくだろう、投資的経費は抑制されていくのではないかと思ったが、今年度はそうではありませんでした。今後の扶助費の増え方と投資的経費に関しての所見を教えていただきたいと思います。財政局長にお尋ねいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 扶助費と投資的経費の見込みについてお答えいたします。
まず、扶助費でございますが、令和7年度当初予算(案)では、児童手当給付費や施設型給付費により増加しておりまして、今後5年間の財政の中期見通しにおきましても、直近の実績等を踏まえ、扶助費全体としては増加していくものと見込んでおります。
次に、投資的経費につきましては、令和7年度当初予算(案)では、天明義務教育学校整備事業等の個別事業の進捗により増加しているものの、財政の中期見通しでは熊本地震分や本庁舎等整備を除きました公共施設の長寿命化や都市基盤整備等の投資的経費の水準はおおむね年440億円程度で推移すると見込んでおります。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 答弁にもありましたように、財政の中期見通しが示されました中でも扶助費は全体として増加していくが、5年間では大きな増加といった印象ではないなと感じました。投資的経費に関しましても、予測されるものによって、その年々で増減はありますが、抑制されるというより、新規投資ではなく、長寿命化経費によるものが大きいというのが分かりました。投資的経費の中身を今後考えていかなければならないということであると思います。今後、人口減少による税収減、国による制度変更などによる歳入減などについても注視していきながら、熊本市の財政を見ていきたいと思います。
また、今やらなければ、将来的には難しいといったこともありますので、その点についても深く財政局よりお聞きしたいと思いました。御指導よろしくお願いいたします。
次の質問に移ります。
続きまして、ビルド・アンド・スクラップの取組の推進及び令和7年度アクションプランにおける重点項目への対応についてお尋ねいたします。
対応を踏まえての重点課題経費が今年度は15億円となっています。その内容を詳しく教えていただきたいと思います。また、昨年度から開始されたビルド・アンド・スクラップの取組で、昨年度は初年度であり手探り感もあったかと思いますが、今年度は昨年度を踏まえ、各局とも自由度を持ってこの取組を行っての予算編成になったと思います。今年度、この取組によりよかった点、また、課題として思われるところがあれば、教えていただきたいと思います。財政局長にお尋ねいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 令和7年度当初予算(案)の取組についてお答えいたします。
重点課題経費につきましては、市民生活に深刻な影響を及ぼしております慢性的な交通渋滞の解消として112億円、半導体関連企業の熊本進出に伴う諸課題への対応として11億円、総合的なこども施策の推進として、こども局予算全体で688億円をそれぞれ計上しております。
また、ビルド・アンド・スクラップの導入によりまして、各局が要求を主体的に見直すことで、優先度の高い施策を重点的に議論するとともに事業の廃止、縮小を進めるなど、予算の質の向上を図ることができたと考えております。一方で、国の制度として負担割合が決められている事業など、裁量の余地が少ない事業を多く所管する部局におきましては、事業見直しを進めにくいという状況も見られたところでございます。
引き続きこれまでの取組の課題と効果を検証しながら、今後の予算編成に生かしてまいりたいと存じます。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 以前の質問でも申しましたことがございましたが、行政の施策では3年もしくはそれに近い年限で事業が廃止になり、もう少し継続したがいいのではないかと思うものもありました。しかし、それは各局にて利用者数等を鑑みた総合的な判断であるのだろうとも思いますし、仕方ないことであるのかなと思っていました。各局が主体的に要求を見直す等のよい点と、裁量の余地が少ない事業を多く所管する部局での見直しが進めにくい課題と、御認識いただける点を今後生かし、改善していくことも考えていただきたいと思います。
続きまして、当初予算(案)の歳入予算の内訳の市税についてお尋ねいたします。
昨年度の市税歳入予算は1,259億円となっており、一昨年度より10億円減となっていました。それは、令和6年度税制改正により実施される個人住民税の定額減税減収分については、地方特例交付金により国から全額補填されるというものでありました。地方特例交付金を加味した実質的な市税は1,301億円程度になるとの注釈がついていました。しかし、今年度は定額減税の影響による個人住民税の増などにより、市税全体で前年度からは79億円の増、1,338億円となっています。この詳細について教えていただきたいと思います。財政局長にお尋ねいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 予算案の歳入予算の内訳についてのお尋ねにお答えさせていただきます。
令和7年度の市税収入予算額は、令和6年度当初予算における市税収入予算額を基に、国の地方財政計画における税目ごとの伸び率を加味して見込んでおりまして、過去最高の予算額となったところでございます。
国の地方財政計画における地方税収の見込み額ではほとんどの税目が増収となっておりまして、特に個人市民税所得割につきましては13.5%と大幅な伸びが示されたところでございます。この増収の主な要因につきましては、一時的な減税措置として令和6年度に導入されました定額減税が令和7年度は減少することによるものでございます。また、固定資産税におきましては、昨今の地価上昇による評価額増や家屋課税棟数の増なども増収の要因となっております。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 市税予算の推移のグラフを見てみますと、昨年度は下がっている形になっていますが、実質、そして、昨年度の注釈にあった地方特例交付金を鑑みた形では増加でありました。少し見にくいなと感じておりました。国の地方財政計画における地方税収の見込み額等による御説明をいただき納得ですが、先ほども申しましたが、今後、人口減少による税収減、国による制度変更などによる歳入減など、将来の不安なく今後も税収が増え続けるということはないと考えることも必要ではないかと思っております。また、そのときが遠い将来ではないように思うときもあります。
市税収入が減っても、その分交付税措置があり、地方財政は保たれるといった考えも崩れるおそれもあります。また、人口減少等の税収要因があれば、それに比して市政業務の縮小による歳出減もあるとの考えもありますが、歳入減少が来る時期を早期に予測して、きついことかもしれませんが、それを早期に提示していくことも必要と思います。今後も市民の皆様の要望、意見を酌み取った予算編成となるよう、財政局にはお願いしていきたいと思っております。
続きまして、当初予算(案)のポイント、主な廃止・見直し事業からお尋ねいたします。
廃止や見直しの理由として、より効果の高い事業への転換によるものや、社会情勢、市民ニーズの変化、事業完了、他の既存事業との統合によるものなどあります。そこで、4点の見直し事業に関してお尋ねいたします。
文化市民局地域政策課、窓口推進経費の見直しについて、対前年削減額が2,018万7,000円となっていて、事業の内容見直し、単価や数量、手法等による削減とあるが、内容の詳細を教えてください。
続いて、こども局児童相談所、児童虐待防止のためのSNS相談事業の見直しについて、対前年削減額が340万円となっていて、他の既存事業等の活用や統合、民間活用等の見直しによる削減とありますが、内容の詳細を教えていただきたいと思います。
続いて、経済観光局起業・新産業支援課、創業者チャレンジ支援・育成事業と地域スタートアップ等支援事業の見直しについて、事業内容の見直し、単価や数量、手法等による削減とありますが、主要事業の詳細の説明では拡充となっています。内容の詳細を教えていただきたいと思います。
続いて、教育委員会教育政策課、少人数学級経費の見直しについて、対前年削減額が1億3,763万2,000円となっていて、令和7年度予算はゼロとなっています。事業の内容の見直しや単価、数量、手法による削減とありますので、内容の詳細を教えてください。
以上4点を、文化市民局長、こども局長、経済観光局長、教育長にお尋ねいたします。
〔早野貴志文化市民局長 登壇〕
◎早野貴志 文化市民局長 窓口改革推進経費につきましては、令和6年度に区民課や総合出張所へセミセルフ・キャッシュレスレジの導入経費として約2,981万円を計上しておりましたが、令和7年度は主にこれらの機器のメンテナンス経費になりますことから、約2,018万円の減少となっております。新年度におきましても、引き続き市民サービスの向上と職員の事務負担軽減を図るため、セミセルフ・キャッシュレスレジの導入に加え、ワンストップ窓口導入に向けた区民課窓口のサイン変更などを行うなど、窓口改革のさらなる推進に取り組んでまいります。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕
◎木櫛謙治 こども局長 児童虐待防止のためのSNS相談事業についてお答えいたします。
令和5年2月から国のシステムを活用して実施しておりました児童虐待防止のためのSNS相談事業は、受付時間が平日に限られるなどの課題がございました。そのような中、令和6年1月から新たにNPO法人との協定締結により24時間365日いつでも相談可能なチャット相談窓口をこどもの権利サポートセンターにおいて開設いたしましたため、同年10月から事業統合いたしました。
民間活用により窓口を一本化して相談先を分かりやすくするとともに、受付時間を拡充し、また、児童生徒に配付されているタブレットからも利用できるよう、利便性の向上を図ったところでございます。今後も親子がより相談しやすい環境づくりに努めてまいります。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕
◎村上和美 経済観光局長 創業者チャレンジ支援・育成事業につきましては、本市と国の創業支援補助金を比較いたしますと、国の制度が上限額や補助率等においてより有利でありますことから、本市の補助制度を廃止し、創業者が国の補助制度に採択されますよう、創業セミナーや伴走型の創業支援に注力することといたしました。
また、地域スタートアップ等支援事業につきましては、首都圏で本市のスタートアップ環境を紹介する事業をこれまで3年間実施し、首都圏のスタートアップ関係者とのネットワークを構築するという本事業の目的をおおむね達成しましたことから、構築いたしましたネットワークを活用した事業を展開するなど、開催手法を見直して実施することといたしました。このような既存事業の見直しをいたします一方で、地域スタートアップ等支援事業におきまして、熊本のスタートアップと全国の大企業や中堅企業との協業、いわゆるオープンイノベーションを創出するプログラムや、外国人起業家の熊本への誘致を目的といたしましたスタートアップ・ビザの運用に要する経費を新たに計上するなどの拡充を行ったところでございます。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 少人数学級については、令和3年の法改正に伴い国により段階的に実施されており、令和7年度は小学6年生の学級編成の標準が35人に引き下げられます。一方、本市においては国に先駆け、令和5年度に小学6年生までの35人学級の導入を完了しております。議員お尋ねの少人数学級経費は、本市が独自に国の学級編成の標準に上乗せして財政措置してきた人件費に相当する経費であり、令和7年度からは国による実施に伴い、独自の上乗せによる負担分が解消することから、見直し事業として計上したものです。
少人数学級については、こどもたちの実態や個に応じたきめ細かな指導の実施に向けた教育環境の充実に資するものであり、今後も引き続き取り組んでまいります。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 窓口改革推進改革経費については、進展するデジタル化の中でとても大事なことであり、ここで減額となる見直しに疑問があっての質問でした。ワンストップ窓口導入等の重要施策は今後も継続して行われるとのことで、今後も継続して市民も対応する職員さんも利となる改革をお願いします。
児童虐待防止のためのSNS相談事業の見直しについては、児童虐待やDV被害が後を絶たない中での見直しに疑問があり、質問しました。NPO法人との協定締結、事業統合、民間活用により窓口を一本化して相談先を分かりやすくする、受付時間を拡充、児童生徒に配付されているタブレットからの利用と、よい方向への転換があったことに安心しました。
創業者チャレンジ支援・育成事業と地域スタートアップ等支援事業の見直しについては、こちらも今、国や他都市においても重要視されていることとの認識でしたので、減額見直しへの疑問と、拡充となっている点について読み解けなかったので、質問いたしました。国の方が有利な制度であること、創業者が国の補助制度に採択されるよう創業支援に注力していくこととしたこと、地域スタートアップ等支援事業については事業を3か年実施し、関係者とのネットワークを構築するという本事業の目的をおおむね達成したとの判断、構築したネットワークを活用した事業を展開するなど、開催手法を見直して実施、スタートアップ・ビザの運用に要する経費等の計上による拡充と、前を向いての施策に今後とも頑張っていただきたいとの思いに至りました。
少人数学級経費の見直しについては、令和3年の法改正に伴う国による段階的な実施が行われ、令和7年度、小学6年生の学級編成の標準が35人となることにより、本市が独自に国の学級編成の標準に上乗せして財政措置してきた人件費に相当する経費の負担分が解消するとのことで、見直しになったとのことでした。これも読み解きができませんでした。今後も教育環境の充実のため、国の制度に先んじた本市独自の教育施策の展開の実施に向けた検討もお願いしたいと思っております。
主な廃止・見直し事業からの質問でしたが、昨年度からの各委員会等での施策を読み込んでいれば、そうだったなといった面もあり、聞いてみて納得となるものが多い点は私の力不足で御労苦をおかけしてしまったと反省いたしております。しかしながら、全ての質問において、もっと頑張ってほしいとの思いがある点は皆様に御理解いただきたいと思います。
次の質問に移ります。
次に、当初予算(案)のポイント、主な取組、主要事業の詳細からお尋ねいたします。
こども局保育幼稚園課、子育て環境整備、こども誰でも通園制度の実施5,290万円について、主要事業の説明では、私立保育園等への事業費補助として人件費等を補助するとあります。また、令和6年度熊本市こども誰でも通園制度(仮称)試行的事業で未実施の園域でも実施のため、実施施設数を8施設から12施設へ拡充とあります。
まず1点目として、この制度では現場が施設的・人員的に大変な苦労があるように聞いたことがありましたが、その点について市として把握しているところを教えていただきたいと思います。
2点目として、試行的事業を行った中で課題等を教えてください。
3点目として、市としては12施設が妥当ということで今年度新規事業として挙げていると思いますが、将来的にこの事業はどうなっていくのか、予測について教えていただきたいと思います。こども局長にお尋ねいたします。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕
◎木櫛謙治 こども局長 こども誰でも通園制度につきまして、順次お答えいたします。
まず、施設からは、こども誰でも通園制度に係る事業費が利用人数に応じた支払いとなっておりますことから、利用が低調であると運営的に厳しくなるという点、また、専任保育士を配置する必要がありますため、人員の確保が困難なことなどを伺っております。
次に、課題といたしましては、現時点では潜在的なニーズが十分把握できていないこと、実施施設を拡大していくためには保育士の確保などが課題になると考えております。
令和7年度につきましては、今年度の試行的事業の状況や未就園児の推計等を踏まえ、12施設程度で需要を満たすことができるという試算を行っております。本格実施となる令和8年度以降につきましては、今後の事業の実施状況や将来の人口推計等を見ながら、利用の希望をかなえるために必要な施設の確保に努めてまいりたいと考えております。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 この制度が表に出てきた頃、質問しました疑問や不安がある声を聞くことがありました。その点に関して、保育幼稚園課での現状把握とそれに対する調査をしっかり行っているとの印象を持ちました。試行的事業の状況や未就学児推計等を参考に需要を試算していることも納得いたしました。今後の状況と潜在的ニーズの把握も研究していただき、子育て世帯及び施設等が安心して生活、運営ができるようにお願いしたいと思います。
続きまして、教育委員会総合支援課、教育環境の整備、いじめ・不登校児童生徒へのこころの居場所づくり5,970万円について、フレンドリーの拡充、(仮称)森都心教室の設置とありますが、詳細を教えていただきたいと思います。教育長にお尋ねいたします。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 不登校の状態にある児童生徒の通所施設である教育支援センター「フレンドリー」は、こどもの社会的な自立を目指し、体験活動などを行っております。令和6年度までに市内6か所に設置しておりましたが、西区への設置ができておりませんでした。全ての区への設置を目指していたところ、交通の便がよく、教室の使用に適切な森都心プラザ図書館の会議室を借用できることとなったことから、既に開設している教室を見直し、森都心教室の新設を行います。
なお、いじめ・不登校対策経費5,970万円の予算案のうち、フレンドリーに係る経費は約1,809万円となっております。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 過去の質問でも不登校対策について多く質問してきた中で、現在本市が行っている不登校対策は数多く選択肢をつくり、少しずつでも児童生徒が学びに近づく、戻るようにしたいという思いがあるのを感じます。その中で拡充とあり、また、フレンドリーオンラインでは西区に教室がありましたが、フレンドリーとしては設置がなかったので、その詳細をお聞きいたしました。
先日の一般質問でも教育長からは、成果、課題の答弁があっておりました。私も厳しい状況であるなと思った1人でございます。今後とも児童生徒が取り残されることのない教育環境の構築をお願いいたします。
続きまして、経済観光局経済政策課、都市ブランド向上、観光資源の魅力創出として水資源のブランド化と熊本ゆかりの人物にスポットを当てたプロモーション等の新規事業として600万円と400万円、計1,000万円が計上されています。詳細の説明で理解するところも多くありますが、水資源を体験できるイベント企画運営等の経費として考えている内容と、熊本ゆかりの人物のスポットを当てたプロモーションでのSNS及び各種媒体等を活用した広報経費について、具体的に考える内容を教えてください。経済観光局長にお尋ねいたします。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕
◎村上和美 経済観光局長 水資源を体感できるイベントといたしましては、観光コンテンツとしても全国的に人気がございますサウナに着目いたしまして、熊本が誇る豊かな水資源を活用しながら、江津湖エリア等において移動式サウナや水風呂を体験できるイベントを実施いたしますとともに、西の聖地と称されますサウナ施設をはじめ、温泉・家族湯等を巡る周遊コンテンツの造成を検討しております。
次に、熊本ゆかりの人物にスポットを当てたプロモーションといたしましては、本年10月に小泉八雲の妻・セツをモデルといたしましたNHK連続テレビ小説「ばけばけ」が放送予定でございますことから、現在、八雲の特集ウェブページの制作を進めておりまして、小泉八雲熊本旧居のPRイベント等とも連動し、ウェブ広告やSNSなどの活用による情報発信を行うこととしております。
また、令和8年の夏目漱石来熊130周年に合わせ、ポスターの制作や特設ウェブページ「夏目漱石の軌跡を巡る」のリニューアルなどを予定しておりまして、文化市民局とも連携し、効果的なプロモーションを検討してまいります。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 今回、この質問をしようと思ったのが、新規事業として出されている上述の2事業の予算が低いように思いまして、他都市を視察したときに、熊本の観光資源の魅力の高さと観光政策に対して本市の頑張り、成果を強く感じたことがあり、もっと頑張ってほしいな、予算的にもっとあれば、もっとよくなるのではないかとの思いで質問しました。今回の答弁を受けまして、その事業の内容が今回の予算で実施可能であり、今後の可能性を秘めたものである期待も持てましたので、安心しました。
文化市民局との連携とありましたが、どちらがどうするとか、こっちはそっちにとか考えることなく、それぞれが協力していいものとしていただきたいと思っております。私自身は田中委員のようには「ばけばけ」という形では実は知らなくて、本当未熟なもので、それに対しても精いっぱい頑張っていただきたいと思っております。
続きまして、健康福祉局健康政策課、地域福祉、民生委員協力員の配置による地域福祉活動の推進、民生委員協力員活動等経費の新規事業として180万円が計上されています。詳細の説明でも、民生委員・児童委員の重要性、地域のつながりの希薄化や就業年齢の引上げ等による地域活動の担い手確保の困難な状況等説明があっており、事業費が計上されています。
そこで、数点お尋ねいたします。
活動費が低過ぎるように思いますが、どうでしょうか。70人を設定されて、積算内訳も他都市の定数に対する協力員割合平均値とされていますが、少なくないでしょうか。
また、少ないのではないかと言いましたが、民生委員・児童委員の定数も確保できていない状況で、協力員の確保は難しいと思いますが、その点に関してお考えはどうでしょうか。次は健康福祉局長、よろしくお願いします。
〔林将孝健康福祉局長 登壇〕
◎林将孝 健康福祉局長 私からは、民生委員協力員に関するお尋ねに対しまして順次お答えいたします。
まず、活動費につきましては、既に協力員制度を先行導入している他の指定都市の活動費の平均年額である約2万円を勘案し、それを上回る2万4,000円を設定しております。
次に、協力員数につきましては、各地域での詳細な人数を見込むことが困難であることから、先行導入している他の指定都市の状況を勘案することとし、議員御案内のとおり各都市の定数に占める協力員数の割合の平均値約4%を基に、本市の定数1,469人に対して協力員数70人を設定しているところです。
最後に、協力員の確保につきましては、これまで熊本市民生委員児童委員協議会が実施した活動実態調査や協議等を通して、現在も各地域において民生委員・児童委員の活動に対し何らかの支援をされている住民がいることを把握しておりまして、このような方々の中から一定程度の方に協力員として活躍していただけるものと想定しております。本制度の導入により、協力員として配置された方々が将来の民生委員となることをはじめ、新任の民生委員へのフォローや見守り活動等の負担が軽減されることで、活動の継続や新たな担い手確保が図られるものと考えており、本市の民生委員・児童委員の充足率向上にもつなげてまいります。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 民生委員の皆さんが担っていることについては大変大きなものがあり、国の制度下としてではありますが、ボランティアといいますか、奉仕の精神といいますか、善意で成り立っていることであると思います。その中で、協力員制度ということで、大変よい事業であることと、それに比しては活動費が低過ぎるのではないか、そして、その活動費では担い手は生まれないのではないかと心配もあり、質問いたしました。
制度上、他都市を参考とすることなど、必要なことを行って決められたとのことですので、大丈夫とは思いますが、今後の民生委員制度や同制度に近い善意の中で行われている保護司制度などの担い手不足解消のきっかけになるような施策となることを祈っております。よろしくお願いいたします。
続きまして、都市建設局土木総務課、生活道路改修関連経費3億円について。この事業は切なる要望が多数ある事業でございます。拡充とありますが、今までも補修予測などがあって行われてきた事業であると思いますが、ここでやっと拡充となったのはなぜなのでしょうか。
また、予算として本当に足りると思われているのでしょうか。教えていただきたいと思います。都市建設局長にお尋ねいたします。
〔秋山義典都市建設局長 登壇〕
◎秋山義典 都市建設局長 土木センターへの要望につきましては年間約1万件を超えておりまして、これまでも各区におきまして年度内の対応に努めてきたところでございますが、今後インフラの老朽化等に伴いまして、要望件数の増加が懸念されております。そこで、令和7年度に優先的に対応すべき生活道路の舗装補修等につきまして、当初予算として3億円の拡充を上程いたしており、各区において重点的に対応していくこととしております。
今後も各区の状況を踏まえまして、市民の皆様からの御要望に対し対応できますよう、予算の確保に努めてまいります。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 各区土木センターへの要望は、先ほども述べましたが、大変多いです。そして、その要望が、予算がなくてできない、また、次年度になりますと言われることもあります。それが少しでも解消されることであれば、市民ニーズに沿った重要な施策であると思い、その内容について質問させていただきました。土木総務課の予算というのは大変大きなものであり、その中でいかに市民のニーズに応えることができるのか、将来的に熊本市のためになる大きな事業を年度内でどこまでやっていくのかなど、考察していかなければならない事業がたくさんあると思います。
また、本日最初の方にビルド・アンド・スクラップの取組での質問に対して、国の制度として負担割合が決められている事業など裁量の余地が少ない事業を多く所管する部局では、事業の見直しを進めにくいという状況が見られたとの財政局の答弁がありました。それに当たるのが土木総務課ではないかと思っております。その中で今回、生活道路の補修等の市民ニーズへの対応として予算組みをしていただいたことに大きな感謝の念を持ちました。難しいことではありますが、今後とも市民ニーズを受けた施策を進めていただきたいと思います。また、予算が本当に足りるのかと今も思っていますので、財政局には御配慮をお願いしたいと思っております。
以上で、私の通告した質疑は全て終わりました。熊本市の財政について、今を精査、考察し、つくっていくことは重要です。そして、将来について考えていくことも重要です。真に市民の皆様が必要としているものは何なのかを常に考え、提言していくのが、1人の市民としての議員の責務と思い、質疑させていただきました。まだまだ読み取れていない部分が多くあると思いますが、そこは予算成立後も精査し、令和7年度の市政運営を通して質問させていただきたいと思います。真摯にお答えいただいた執行部の皆様に感謝申し上げます。
続きましては、私が1人総括質疑では寂しかろうと登壇を買って出ていただいた松本委員に質疑のバトンをつなぎます。御清聴ありがとうございました。
○落水清弘 委員長 北川哉委員の質疑は終わりました。
次に、松本幸隆委員の質疑を行います。
〔松本幸隆委員 登壇〕
◆松本幸隆 委員 皆様、こんにちは。熊本自由民主党市議団の松本幸隆でございます。
先発の少し寂しがり屋さんの北川委員よりバトンをいただきましたので、会派の二枚看板の抑えを務めさせていただきます。
私からの質問は、まず、令和7年度当初予算(案)主要事業の詳細の資料49ページにある農水局の鳥獣被害対策事業について質問させていただきます。
野生鳥獣による被害は農業者にとって経済損失だけではなく、営農意欲の減退による耕作放棄、離農につながるなど、被害額以上の影響があると聞いております。鳥獣被害におきましては、多くの議員の皆様が質問されております。せんだっての一般質問におきましては、農業生産者である中川議員より、現場として深刻な状況もお聞きしたところでございます。また、中心市街地の飲食業の方々より、カラスのふん害等についても多数お声をいただいておりますので、農業被害以外に都市部においても感じられるほどの重要課題だと確信しております。
被害状況の方は御存じかと思いますが、私も改めて本市の平成23年度から有害鳥獣被害額状況を見てみました。イノシシ、カラス、ヒヨドリにおきましては、令和5年度まで年々減少の状況にあります。しかし、あくまでも被害額の推移でありまして、農業者の方でしたり、駆除隊の方々の現場の状況は異なるようです。イノシシの繁殖力は旺盛で、一度に4頭前後、さらに、1年に春だけではなく秋にも出産することがあるとのことで、減少しているどころか、駆除が追いついていないのが現実のことです。
また、そのほかの獣種の被害においても年々拡大傾向にある状況です。昨年では、これまでにないほどのヒヨドリの被害があったと中川議員からもお聞きしておりますし、最近では鹿の被害状況も出てきているようです。現に私が住んでいる南区の飽田地区の畑にも鹿がいるのを目撃しました。
そこで、資料を拝見しますと、今年度の予算要求額は2,116万円、拡充となっておりますが、拡充となっているにもかかわらず、前年度当初予算額と比較したところ、約183万円の減額となっております。確かに先ほども申しましたとおり有害鳥獣被害額は年々減少傾向にありますが、農業被害や町なかのカラスふん害等の深刻な状況、被害エリアの拡大、新たな鳥獣の被害、また、猟友会、駆除隊の方々の高齢化、若い世代の担い手不足、支援等の問題もある中で、十分な対策が遂行できるのかと不安を感じるところであります。
そこで、2点をお尋ねいたします。
まず1点目に、令和7年度当初予算(案)において拡充した経緯を含めた内容について、2点目は、そもそも予算自体が減額した中で十分な対策が遂行できるのかについて、以上2点を農水局長にお尋ねいたします。
〔金山武史農水局長 登壇〕
◎金山武史 農水局長 1点目の拡充した経緯を含めた内容についてでありますが、近年の本市の鳥獣による農産物被害の約6割がミカン等の果樹に対するものであり、そのうち3割がカラスやヒヨドリなどの鳥類によるものであります。そのような中、国の捕獲報償金の単価がイノシシ等に比べ低いことから、鳥類に対する捕獲報償金の本市独自の上乗せを計画し、財政当局と予算協議を行いました。その結果、今回の拡充については鳥類の中でも特に被害が顕著なカラスについて捕獲報償金を上乗せし、捕獲数増加による被害防止を図ることとしたものです。
2点目の予算が減額している中で、限られた予算の中ではありますが、箱わなの設置場所の見直しや侵入防止柵の整備に国事業を有効に活用する等の工夫によりまして、効果的な鳥獣被害防止に努めてまいります。
〔松本幸隆委員 登壇〕
◆松本幸隆 委員 農水局長、御答弁ありがとうございました。
鳥類対策において拡充とのことは理解いたしました。しかしながら、根本的な有害鳥獣の捕獲対策の推進費が減額となることについては様々な課題があり、被害が減っているとは感じられない中で不安が残るところでありますので、限られた予算の中において効果的な取組について引き続き地域や行政が一体となって農作物の被害防止及び市民の安全確保に努めていただくようお願いをしたいと思います。
また、財政局におかれましても、厳しい財政事情の中、必要な予算確保は大変だと理解できますが、農業は地方活性化を担う大切な基幹産業でございます。担当課のチャレンジする部分はできるだけその思いを酌み取りながら、予算査定に努めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
次に、冒頭お話ししました中心市街地におけるミヤマガラスのふん害等についてです。飲食業をはじめ中心市街地に来られる方々から多数お声をいただいておりますので、質問させていただきます。
資料ではミヤマガラス対策分として352万3,000円を要求されておりますが、今後の対策について農水局長にお尋ねいたします。
〔金山武史農水局長 登壇〕
◎金山武史 農水局長 例年、越冬のために大群で飛来するミヤマガラスが、日の入りから日の出までの夜間に市街地の街路樹や電柱、電線等を利用してねぐらを形成することで、歩道等へのふん害が発生しております。このため、令和2年度から専門家協力の下、実証試験に取り組み、カラスの嫌がる音声装置による追い払いが効果的であったことから、昨年度から本格的対策を開始しております。その結果、この冬の中心市街地への飛来数は12月中旬の約1万500羽から1月中旬には約3,800羽までに減少させることができました。
しかしながら、ふん害が完全に解消されたとは言えないため、今後、道路管理者や電力会社等の関係機関と情報共有を図り、音声装置の設置場所や時期等について引き続き工夫を重ねながら、さらなる被害軽減に努めてまいります。
〔松本幸隆委員 登壇〕
◆松本幸隆 委員 農水局長、御答弁ありがとうございました。
今年度は大きな成果があったということで、これまでの対策が実りつつあるようで大変期待しております。しかしながら、効果がまだない通りからのお声や、また、飲食店入り口付近、歩行中のふん害等の被害を多数お聞きします。中には、これだけふん害があると、町なかの街路樹が必要か検討していただきたいなどの声もお聞きしました。今後もさらなる被害情報収集の徹底と効果的な対策を進めていただくよう強く要望しまして、次の質問に移ります。
次に、当初予算(案)主要事業の詳細、外部人材の活用経費についてお尋ねいたします。
総務局人事課の新規事業として、企業人材活用経費560万円が計上されております。大変よい事業かと思いますが、積算内訳として派遣社員の給与等に関する企業への負担金が560万円で、国による支援として1人当たり560万円が特別交付税措置されるとなっております。この特別交付税措置は人数が1人と決められているのでしょうか。もしくは、1人を試験的に実施されるような感じでしょうか。また、本事業を新規に行おうとした経緯も含めて教えてください。総務局長、お願いいたします。
〔津田善幸総務局長 登壇〕
◎津田善幸 総務局長 本事業は、国の制度を活用して民間企業から社員の派遣を受け、企業での専門知識や業務経験等を生かしていただくことで、本市の課題解決を図ることを目的としております。
お尋ねの、国による特別交付税措置は、1人につき560万円という上限はあるものの、その人数は1人に制限されているものではございません。このたび企業との協議が整いましたことから、まずは観光分野において試行的に事業を実施したいと考えており、新年度予算案に1人分の経費を計上したものです。今後、試行事業を進める中で、成果や課題、事業規模の在り方等についても検証してまいります。
〔松本幸隆委員 登壇〕
◆松本幸隆 委員 総務局長、御答弁ありがとうございました。企業人材活用という、行政としては民間の知見を吸収してよい行政運営を進めるためにはすばらしい取組と思い、質問させていただきました。
しかしながら、なぜに1人分の予算しか計上していないのかが疑問でした。今回の予算分だけで1人の民間企業の社員さんを雇うことは難しく、当然、企業持ち出し分もあると思います。行政としても、民間との利害関係を鑑みることも必要ですし、民間企業とのなれ合いといった形になると、本来の目的としての利点が生かされないことになってしまうのではないかと懸念も生まれることになるかもしれません。事業を進めていく中で、事業と課題を精査して、よりよい事業となるように進めていくことをお願いいたします。
以上で質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。
○落水清弘 委員長 松本幸隆委員の質疑は終わりました。
以上で、熊本自由民主党市議団の質疑は全て終了しました。
次に、市民連合の質疑を行います。持ち時間は35分となっております。
まず、西岡誠也委員の質疑を行います。
〔西岡誠也委員 登壇〕
◆西岡誠也 委員 市民連合の西岡でございます。
うちの会派は持ち時間が35分でございまして、3名発言しますから、端的に質問させていただきます。目標9分です。吉村委員が20分、あと、田上委員が6分ということに組立てをしておりますので、できるだけ早くやりたいと思います。
2月11日、地元紙で新庁舎整備費8倍という記事が載りました。びっくりしました。庁舎整備の基本構想で616億円ですから、8倍になると5,000億になっているではなかろうかと心配をしました。それで、昨年の当初予算と今年の当初予算、これについての説明をまずお願いします。
それから、これまでずっと地方交付税と合併推進債の関係、これについて議論があっておりまして、基準財政需要額から収入額を引いた差額が交付税になると。したがって、それについては合併推進債は意味がないではないかとか、こういう意見とか、将来にわたってそれが保障できるのかという考えの方もいらっしゃいますので、改めてここについては財政局長にお尋ねします。最初の部分は政策局長、よろしくお願いします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 新庁舎整備に係ります令和6年度と令和7年度の当初予算の比較について申し上げます。
まず、令和6年度当初予算でございますが、新庁舎整備に係る建設地等の検討に要する経費を4,000万円、同じく新庁舎整備に係ります市民への情報提供に要する経費を300万円、合計4,300万円を計上しております。
次に、令和7年度当初予算でございますが、引き続き新庁舎整備に係る市民への情報提供に要する経費を410万円計上しておりますほか、新規項目として新庁舎整備に係る基本計画の策定等に要する経費を2億6,200万円、市民交流スペースの利活用検討等に係る経費を2,790万円、さらに、仮称でございますが、庁舎周辺まちづくりプランの策定等に要する経費を5,500万円、合計で3億4,900万円を計上しています。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 市庁舎整備関連予算につきまして順次お答えいたします。
まず、新庁舎整備に関する基本構想でお示ししております概算事業費約616億円に対する本市の実質的な財政負担につきましては、合併推進債を活用する場合は約255億円、合併推進債を活用しない場合は約443億円と試算しておりまして、合併推進債活用による財政負担の軽減効果額は約188億円となっております。事業費の財源となります地方債は、金融機関等から資金を借り入れまして事業費を支払い、後年度に20年~30年かけて金融機関等へその資金を返済することになります。地方交付税の算定におきましては、事業費補正という形でその元利償還金の4割相当額が基準財政需要額に加算され、その分、交付される地方交付税が純増しますことから、本市の実質的な財政負担が軽減されることになります。
次に、地方交付税措置につきましては、地方交付税は団体間の財源の不均衡を調整し、全ての自治体が一定の行政水準を維持し得るよう財源を保障する見地から、国税として国が代わって徴収し、一定の合理的な基準によって地方へ再配分されるものでございます。地方交付税の原資につきましては、地方交付税法の本則におきまして、所得税収入額の33.1%など国税収入の法定率分の規定がございますが、この法律におきまして、地方交付税の原資となる国税収入の法定率分が必要な地方交付税総額と比べ著しく異なることとなった場合には、地方行財政の制度改正または法定率の変更を行うものとする旨が規定されております。
また、国が地方交付税法に基づき毎年公表いたします地方財政計画におきまして、例年財源不足が発生している状況にございますが、地方行財政の制度改正または法定率の変更による対応がなされておりまして、地方において必要とされる地方交付税の総額はこれまでも確保されてきているものと承知しております。
これらのことから、国におきましては引き続き地方の安定的な財政運営のために必要な対応がなされるものと認識しております。
〔西岡誠也委員 登壇〕
◆西岡誠也 委員 1点目に関しましては、昨年は新庁舎の場所をどこにするかということを中心に委託して検討してもらったと。ところが、今年については新たな事業が2つで拡充が1本ということで、トータル3億数千万と。計算しますと、3つを足したのと昨年の4,300万を比較して8倍ということで、比較すべきものなのかということで、甚だ疑問を感じたところでございます。
それから、財政問題に関しては、やはりきちっと負担軽減ということで、通常の基準財政需要額に事業補正という形で載るわけですから、この部分はやはり負担軽減につながるということは考える必要があるというふうに思っております。
それで、この問題を考えたときに、やはり執行部としては市民の皆さんにできるだけ分かりやすく説明するということ、それから、我々議員、あるいはマスコミの皆さん、切り取るのではなくて正確な情報、全体像を示していくと、このことが必要ではないかなというふうに考えておりますので、お互いそういう立場でやっていきたいというふうに思っております。
次の質問に移ります。
帯状疱疹ワクチンの個人負担補助の見直しについてということで、今度の予算の中で詳細を見てみますと、予算の項目には、解説の中に医療機関への委託料ということで記載されております。個人負担の軽減についてはどのようにお考えになっているのか、大西市長にお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 帯状疱疹ワクチンについては、現在令和7年4月からの定期接種化に向け、必要な法令改正手続が進められておりまして、令和7年度当初予算に、帯状疱疹定期接種の実施に必要な経費を計上しております。
帯状疱疹定期接種は、主に個人の発病・重症化予防を目的とし、ワクチン代相当の自己負担を求めることができるB類疾病の予防接種ではありますものの、高額なワクチンを含む2種類のワクチンが使用される等、接種控えのおそれがありますことから、市民税非課税世帯の高齢者を他の定期接種と同様に無料とするほか、自己負担が生じる課税世帯の高齢者に対して、高額な組換えワクチン接種費用の半額を公費助成する等の負担軽減を行いたいと考えております。
帯状疱疹は80歳までに3人に1人が罹患すると推定されておりまして、合併症として、日常生活に支障を来すほど強い疼痛が数か月から数年にわたって持続する帯状疱疹後神経痛や、発症部位によっては失明に至る角膜炎等を発症することもあり、自らの健康は自ら守るという健康保持の観点から、接種を希望される高齢者が円滑に接種できるよう、接種率向上に向け、様々な取組を進めてまいります。
〔西岡誠也委員 登壇〕
◆西岡誠也 委員 個人負担について、半額補助ということで初めて言及いただきました。確かに2種類あって、生ワクチン、これについては5,000円程度なんですけれども、効果の方が接種後1年後には6割とか、あるいは5年後には4割に下がるということ。ところが、組換えになりますと2回接種が必要で、約2万2,000円を2回、2か月間、間を空けて接種するわけですから、この効果は接種後1年で9割以上、5年後に9割、そして、10年後にも7割程度効果があると言われております。ですから、組換えワクチンの方が高いけれども、効果があると。その半額ですから、かなり市民の皆さん助かるんではないかというふうに思っています。ここには今、47人おりますから、このうち15人は発症するような計算になりますから、ぜひ、これは一気に行った場合にはかなり財源が必要ですから、それについてはまた委員会の中で議論いただくだろうというふうに思いますけれども、とにかく感謝を申し上げます。ありがとうございます。
それでは、次の質問に移らせていただきます。
カスハラに対する通話録音装置についてでありますけれども、例えば代表電話にかけた場合に、どういう流れになるのかと。あるいは、転送した場合にどうなるのかという問題ですとか、市長部局の予算が組まれておりますけれども、交通、水道、それから教育委員会、ここはどうなっているのか、これについては総務局長にお尋ねいたします。
〔津田善幸総務局長 登壇〕
◎津田善幸 総務局長 カスタマーハラスメント対策として予算を計上しております通話録音装置等は、代表電話番号や直通電話番号にかかってきた電話につきまして、通話を始める前に録音する旨アナウンスし、録音するものでございます。電話を転送した場合においても、通話は録音されます。
新年度予算につきましては、本庁舎及び周辺オフィスへの通話録音装置等の導入費用として1,260万円を計上しており、教育委員会事務局も含まれております。市立学校につきましては、令和5年度に中学校等に導入しており、令和7年度は現在未導入である小学校や高等学校等への導入経費として660万円を計上しています。交通局においては、今年度中に導入を完了し、上下水道局は令和7年度の導入を目指し検討中でございます。
〔西岡誠也委員 登壇〕
◆西岡誠也 委員 最初、途中、水道局の方は録音装置が入っていたけれども、ガイダンスがないと。あるいは録音容量が少ないということもありましたけれども、新年度にその辺の対応をやるということになりましたから、全庁的に対策は取られてきているというふうに思います。これまで、昨年からずっと名札ですとか、いろいろ取組をされていることに対して感謝を申し上げたいと思いますし、今回、録音するということになりますから、住民からのいろいろな話、あるいは今度は内部の職員の話、全て録音されるわけですから、この辺の職員に対しての指導とか、この辺についてもぜひ対策をよろしくお願いしておきたいと思います。
それでは、最後に西消防署の移転事業についてお尋ねいたします。
1点目は、面積的な問題ですね。熊本市の消防署はどこを見ても狭いんですよね。中央消防署が狭い。そして、南もできましたけれども、南も狭いし、北も狭いですね。強いて言えば、健軍が少し広いわけですけれども、健軍は6,500平方メートルぐらいですね。今回については大体8,500平方メートルとか聞いております。ただ、将来を見たときに、それで十分なのかというふうにちょっと思ったところです。
例えば、今、中央消防署に体験型の施設がありますけれども、かなり老朽化が進んでいるということ、それから、小さいということが弱点としてあるのかなというふうに思っております。それから、この池上の場合は浸水地帯ですから、その辺の対策は十分取られているのかちょっと心配しておりますから、その辺について消防局長の考え方をお知らせいただきたいと思います。
〔平井司朗消防局長 登壇〕
◎平井司朗 消防局長 西消防署移転事業について順次お答えいたします。
まず、移転用地の面積でございますが、消防職員が日常的に訓練を行う広さに加え、大規模災害が発生した際に消防団や緊急消防援助隊等が十分に集結できる面積を確保しております。今後、基本計画等で庁舎や訓練施設の機能について検討することとしております。
次に、体験型防災施設の設置につきましては、現在、広域防災センターがある消防局庁舎は老朽化が進んでいることから、大規模改修工事を予定しており、当該工事に合わせ、防災センターの今後の方針を検討したいと考えているところであり、今後、関係部局と多角的に協議してまいります。
最後に、浸水対策につきましては、委員御指摘のとおり移転用地は浸水想定区域内にございますが、用地のかさ上げや事務室及び電気設備関係を上層階に設置することで、継続して消防防災活動拠点としての機能を維持できるよう対応してまいります。
〔西岡誠也委員 登壇〕
◆西岡誠也 委員 ありがとうございました。
これまでの消防署の敷地面積からはかなり広がってはおりますけれども、これまで総務委員会に所属していたときに、他県の消防施設を見に行きました。立派な建物、そして、面積が広くていろいろな体験ができる、そういう施設を見てきました。これについては当然、消防の方にもそういう資料が蓄積されていると思いますから、今後検討することに当たって、やはりそういう施設を頭に描きながら、ぜひ検討いただきたいということで、私の方の質問を終わらせていただきます。9分以内の目標達成でございました。ありがとうございました。
○落水清弘 委員長 西岡誠也委員の質疑は終わりました。
次に、吉村健治委員の質疑を行います。
〔吉村健治委員 登壇〕
◆吉村健治 委員 皆さん、こんにちは。市民連合の吉村健治でございます。
私の方からは、予算計上されております4項目について質問させていただきます。
まず、政策局広報課が発しております平和啓発事業に関してお聞きいたします。
本年、激動の時代であった昭和100年を数え、第二次世界大戦終結から80年に当たります。私が生まれた昭和43年、1968年でありますけれども、終戦から23年、市長もそのあたりのお生まれだと思いますが、実質経済成長率が、今では全く考えられませんが、年平均10%前後の高い推移を示しておりまして、約20年間成長が続きました。高度経済成長真っただ中で、いざなぎ景気とも言われました。戦後の焼け野原から一転、電化製品や自動車等が一般家庭に普及し、人々の暮らしは日々よくなり、民間設備投資も活発化するとともに、国土都市開発、インフラ整備が急速に発展した反面、多くの日本国民や他国民の犠牲、先人の血のにじむような努力の上に成り立った我が国の繁栄と平和から、徐々に戦争のないのが当たり前だとする感覚から我々日本人は脱することができなくなったんだろうと思います。
平和な時代を甘受し続けることで、私たちは戦争の惨禍から目を背け、歴史的な知識や良識に乏しくなりました。現在の国の制度や構造を過信することは非常に危険です。私たちは戦後80年を迎える今こそ平和の成り立ちを学び直す必要があると私は確信しております。
そこで、2025年本市予算に計上された平和啓発事業に関して、本会議の公明党の木庭議員の質問と重なる部分もございますが、改めてその目的等を執行部に問い、啓発について要望もさせていただきたいと思います。
一つ、本市が実施してきた平和啓発事業とその継承、次に、今回実施する平和啓発事業の狙い、最後に、啓発動画を作成するとしていますが、それは本市独自のものであって、改めて新規に作成するに値するものなのか、また、戦争体験者や語り部の方々、本市市民はその撮影に何らかの関わりを持つことができるのか、結果として啓発に値するものであったかどうかの検証は可能なのか、政策局長に答弁を求めます。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 これまで本市では、毎年終戦記念日に合わせ、熊本大空襲の様子や広島・長崎への原爆投下の被害等についてのパネル展を本庁舎1階と中央区を除く各区役所持ち回りで開催しており、多くの御来庁者の皆様に御覧いただいております。また、平和啓発に関する講演会等を実施しておりますほか、全ての市立小学校において6年生を対象に長崎市への修学旅行や授業の中で、戦争と平和に関する学習を行っております。
今年は戦後80年の節目の年であり、戦争を知らない世代にその悲惨な記憶を引き継ぐため、例年開催しておりますパネル展等に加え啓発イベントや小中学生向けの動画作成を予定しております。この動画は、小中学校での授業での活用を検討しており、報道機関や新聞社が所有する当時の映像だけではなく、語り部の方々の体験談や市民団体等が保存している遺品などの映像も取り入れる予定としております。
戦争を経験された方々の高齢化が進む中、平和の尊さを次世代に引き継ぐためには意義ある啓発事業を継続する必要があり、実施後のアンケートを行うなど、効果についても検証してまいります。
〔吉村健治委員 登壇〕
◆吉村健治 委員 政策局長より御説明いただきました。長年にわたり平和啓発事業を続けることはとても大切ですが、いわゆるステレオタイプの啓発事業である必要はないと思います。いわゆる次世代を担う若い世代に平和をテーマに映像制作等をしていただき、デジタル等SNSなどで発信することなど、その機会を行政が後押しすることに徹することが必要ではないかと思っています。
また、教育学習プログラムとして学校との連携授業を行い、歴史教育と連動した平和学習の時間を設け、ディスカッション等を通じてこどもたちに考えさせるなどを通じて、学びから共感、そして、行動の流れをつくることが大切ではないかと思います。どの層にアプローチしたいか、どんな行動変容を目指すのかを明確にすることで、より意義のある授業が展開できると思います。担当部局に期待したいと思っております。
昨年、日本被団協、日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞されたことは国民にとって大変誇らしく、長年にわたり核兵器廃絶等の運動を展開されてきたことに対し、改めて敬意を表すとともに、今の日本の平和の礎となられた全ての方々とその御家族が一日も早く心の安寧を得られるよう祈念申し上げます。
そこで、被団協のノーベル平和賞の受賞や、毎年高校生平和大使の訪問も市長は受けられていると思いますが、先月、熊本県被団協武田会長らの市長訪問を受けまして、今の市長の平和に対する思いについて改めて問いたいと思います。市長、答弁をお願いいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 被爆者の立場から核兵器廃絶を訴えてこられた日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞されたことは大変意義深く、今回の受賞が昨今の厳しい世界情勢の流れを変える大きな契機となり、核兵器廃絶に向けた各国の具体的な行動につながることを期待しております。また、先日、熊本県原爆被害者団体協議会の方々と面会いたしまして、核兵器廃絶や戦争体験の継承についての思いをお聞きする中で、私自身も改めて核兵器廃絶や平和に対する思いを強くしたところでございます。
今年は被爆80年、戦後80年の大きな節目の年でありますことから、あらゆる機会を捉えて平和の大切さや命の尊さに対する理解を深めますとともに、戦争の惨禍について次の世代へ語り継ぐための取組を進め、恒久平和の実現に向けた努力を粘り強く行ってまいりたいと考えております。
〔吉村健治委員 登壇〕
◆吉村健治 委員 答弁ありがとうございます。
いわゆる生き証人の方々の生の声を聞く機会の全喪失が極めて近い将来に迎えることは紛れもない事実であろうと思います。本市に住む全ての人たちの暮らし、生活は全て平和の上に成り立っているという事実を共有するためにも、戦争体験者の方々、被爆者の声だけではなく、平和とは、なぜ戦争が起こるのか、戦争を起こさないための不断の努力とは何か、被爆者の立場としてだけではなく、加害者としての日本の立場、そういったものを幅広く子々孫々語り継ぐことが大切だと思います。そのことが、本当の意味での平和の尊さ、平和の大切さが市民に届く平和啓発事業になると思います。当然のことながら、戦火の中、国家のために命を捧げ、非業の死を遂げられた戦死者の方々に対する敬意を失ってはいけません。私たちは過去の過ちから目を背けることなく、それが弁明的に語られないこと、担当部局が有効な啓発事業を計画する際には、人々の心に平和の重要性を刻み、行動を促すことで共感や理解を生み出す工夫が鍵となると思います。
市長の平和に対する思いを述べていただきましたが、その思いが本当の意味での啓発につながるよう願いたいと思っております。
次の質問に移らせていただきます。
財政局税制課所管の宿泊税賦課事務経費に関して問いたいと思います。
令和5年5月にコロナウイルス感染症が5類に移行した後、円安を契機に際立つインバウンド旅行需要はすぐにコロナ禍前の水準に回復し、過去最高を記録し続けております。需要を満たす観光関連施策の財源を調達するための条例を制定し、地方独自課税を活用する各地の動向に鑑み、本市において法定外地方税を新設する今回の取組は理解でき、導入にはこれからの本市の予算配分において、少子高齢化が進む中、社会保障経費等のさらなる伸びを考えると、財源確保手段として正しい手段であると私も思いますが、一般的に宿泊税は観光振興や地域活性化の財源として導入され、その使い道には幾つかの問題点が指摘されております。
そこで、宿泊税制度について、一つ、導入の経緯と目的について、次に制度の見直しの時期について、次に賦課徴収する対象者と課税免除の有無について、例えば、非課税事項で免税点、課税免除を設けないとしているが、障がい者手帳保有者などの考慮すべき点ではないかといったこと、次に、国内、県内、インバウンド宿泊者の税額の差別化の可能性について、最後に、税額200円の妥当性について、財政局長に答弁を求めます。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 宿泊税につきまして、順次お答えさせていただきます。
まず、宿泊税導入の経緯と目的についてでございますが、本市におきましては、コロナ禍を経て旅行需要が回復する中、観光を取り巻く状況の変化に的確に対応し、観光振興への取組を強化していく必要がありますことから、熊本市観光マーケティング戦略を策定したところでございます。この戦略に基づきまして、観光振興に積極的かつ継続的に取り組むため、外部の有識者から成る熊本市宿泊税検討委員会を設置し、宿泊税を含めた安定的な財源確保について御検討いただいた結果、宿泊税の導入は適当であるとの答申を受けたところでございます。この答申を踏まえ、宿泊事業者の皆様から御意見を伺いながら本市の制度設計を進めまして、今回の条例案の上程に至ったものでございます。
次に、制度の見直しにつきましては、検討委員会の答申のとおり、宿泊税導入後、2年が経過した時点で初回の見直しを行い、その後は5年ごとに見直しを行うこととされておりますが、社会情勢の動向等、状況に急激な変化が生じた場合には、定めた期間を待たずに必要な見直しを検討したいと考えております。
次、3点目でございますが、宿泊税は旅館業法と住宅宿泊事業法に規定された宿泊施設に宿泊する方に納めていただくこととしております。宿泊税を徴収いただく宿泊事業者の事務負担軽減や宿泊者への分かりやすさを重視し、簡素な制度とすることが望ましいとの検討委員会の答申を尊重し、免税点や障がいの有無等による課税免除は設けないこととしております。
次に、税額の差別化についてでございますが、税額につきましては、宿泊者の居住地や国籍による差別化は行っておらず、仮に差別化を図るとした場合、宿泊者と宿泊事業者双方に要件の証明や確認作業の御負担をおかけすることとなります。また、実務上の理由とは別に、外国籍であるという理由で税額の差別化を図ることは租税条約に抵触する可能性があり、慎重な検討が必要であると考えております。
最後に、1人1泊200円の税額につきましては、観光施策の推進のために新たに必要となる財政需要を考慮し、事業者や旅行者からの御意見、宿泊者の負担感を総合的に勘案し、決定したものでございます。なお、税額につきましても、課税免除等と同様に状況に応じて必要な見直しを検討することとしております。
〔吉村健治委員 登壇〕
◆吉村健治 委員 続けまして、本市の観光政策既存事業とその予算規模、あわせて使途における新規事業とはどのようなものを想定しているのか、使途の効果検証はどのようにするのか、その検証を踏まえ柔軟に対応ができるのか、観光局長に宿泊税の使途についての答弁を求めます。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕
◎村上和美 経済観光局長 まず、既存事業とはというお尋ねでございますが、本市が現在取り組んでおります観光振興のための事業のことでございまして、令和7年度の観光政策課の当初予算におきまして、熊本城や地下水など本市の観光資源の魅力向上に向けた取組をはじめ、観光案内所や桜の馬場観光交流施設の維持管理・運営、市電のWi-Fiサービス提供などの受入れ環境整備、九州内の自治体等と連携したインバウンド誘客事業など、約6億1,300万円を計上しているところでございます。
宿泊税の使途につきましては、熊本市観光マーケティング戦略に基づく事業に優先順位を設け、来訪の促進や旅行者の満足度向上につながる新規事業や、既存事業の拡充等に充当としたいと考えておりまして、議員御提案の宿泊事業者をはじめとする観光産業の経営基盤の強化に資する取組につきましても検討を進めてまいります。
その使途に係る効果検証につきましては、来訪者アンケートなどの分析結果を基に宿泊事業者との意見交換や外部審議会を通じて検証し、毎年見直しを行うことによりまして、柔軟かつ効果的に宿泊税を活用することによりまして、本市観光振興のさらなる強化を図ってまいります。
〔吉村健治委員 登壇〕
◆吉村健治 委員 財政局長、経済観光局長に御丁寧に答弁いただきました。
これまでの観光政策を踏まえた上で、熊本市観光マーケティング戦略を策定し、宿泊税導入の妥当性を熟慮した上での今回の条例案上程には様々な御苦労もあったかと思います。ただし、問題点が多少あると思います。本来、観光振興に使われるべき宿泊税が一般財源に組み込まれるなど、関係のない事業に充てられてしまうことも可能性としてあることから、観光関連以外に利用される可能性があり、また、使途が細かく公開されず、どのプロジェクトにどれだけ使われたのか、宿泊事業者に伝わらないケースがあるなど、使途が曖昧になり透明性が欠如するリスクがあることがまず1つ。観光PRや広告宣伝に多額の税金が投入されても、その効果が数値化されず、成果が曖昧になりがちだと思います。話題性のあるイベントばかりに税金が使われ、長期的な観光基盤設備、交通や施設改善などが後回しになる場合もあり、観光振興の実効性が問われる事態が生じる可能性がございます。
さらに、宿泊施設が宿泊税を徴収するため事務作業が増加し、小規模宿泊業者ほどその負担感と反発が想定され、また、宿泊客に税の仕組みが浸透されていないと、追加料金に不満を抱かれることもあり、そういったことが危惧する点であると思われます。
先ほど財政局長より、導入後の見直し時期に言及していただきました。この制度を運用する上で強く留意すべき点は、税の目的があくまでも観光振興であるという点です。ただし、観光は数多くの分野との関わりのある裾野の広い産業であると思われます。つまり、解釈の仕方、例えば、観光客は道路や橋などのインフラ整備、観光施設以外の病院や駅などの公共施設も利用することがある可能性があることから、これらの建設や維持補修を行う土木公共事業や観光業を下支えするその他各種サービス業についての支援までもが観光振興目的であると解釈することが可能であることから、条例にはその使途が拡大する懸念に対処するための規定を設けなければいけないと思われます。
また、運用段階で野放図な拡大を防ぎ、歯止めをかけるためにも、事業に対する効果測定をきちんとした上で、見直し後の方針に盛り込まれなければ、本来の宿泊税の目的である観光振興策をいつの間にか逸脱しかねないと思われます。本市に宿泊していただくお客様に税金を課し、その業務の多くを宿泊事業者に頼るものである以上、効果の薄い事業が選択され、それを惰性で続けることで既得権益化する事態は何としても避けていただきたいと思います。
納税者は旅行者が多いことから、納税した税の行方を監視することは物理的に不可能であると思います。徴収する本市においては使途を明確にし、徹底した財政報告の情報公開と成果指標を制定し、観光客数や地域社会への波及効果を測ることが必要であると思われます。観光事業者や市民の監視を受けやすい仕組みを構築することも強く要望いたします。いずれにいたしましても、この宿泊税を誰のためにどう使うのか、地域の魅力向上にいかに使われるのかを宿泊者や宿泊事業者をはじめ観光関係者と丁寧に共有することがこの制度の成功の鍵になると思いますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。
次の質問に移ります。
文化市民局生活安全課が所管しております犯罪被害者等支援推進経費に関してお聞きいたします。
本来、行政が行うべき犯罪被害者等への支援は多岐にわたりますが、基本的には被害者と被害者家族の心身のケアと生活再建のサポートが柱になると思います。例えば、被害者やその家族の心のケアが最優先事項であることから、心理的サポート、メンタルケアが必要です。また、事件後、生活基盤が脅かされることも少なくないことから、生活再建支援が必要ですし、犯罪被害者は自身の権利や制度を知らずに孤立することがあることから、公的支援や行政の情報提供も必要になってきます。被害者がどこに相談すべきか迷わないよう、ワンストップ支援センターを設けることなどが重要なことから、総合的な窓口の設置も必要となってまいりました。
そして、地域で犯罪被害者の方々が孤立しないよう、社会全体の理解を深める取組も不可欠であり、啓発活動、理解ある地域づくりも必要になってまいります。さらに、最後に、被害者がメディアやSNS等で不必要に注目されることを防ぐため、プライバシー保護対象や誹謗中傷への法的措置のサポートなど、二次被害の防止も必須であります。
そこで、本市の犯罪被害者等支援政策についてお聞きいたします。
まず、この予算化の経緯について、その予算規模の推移、支援の内容とその実績について、犯罪被害者等の方々へのアプローチ方法と、関係団体との連携について、支援を受けた犯罪被害者の方々のお声はどんなものなのか、その現状の課題とその解決手段について、文化市民局長に答弁を求めます。
〔早野貴志文化市民局長 登壇〕
◎早野貴志 文化市民局長 犯罪被害者等支援に関する6点の御質問に順次お答えします。
まず、予算化の経緯でございますが、本市では犯罪被害者等基本法の施行による犯罪被害者等に対する支援を求める機運の高まりや議会等からの条例制定等の要望を受け、令和5年9月に熊本市犯罪被害者等支援条例を制定し、今年度から熊本市犯罪被害者等見舞金制度による支援を開始したところでございます。
2点目の見舞金等の予算の推移につきましては、令和6年度は280万円、令和7年度も同額を計上しております。なお、犯罪被害者等早期援助団体である公益社団法人くまもと被害者支援センターへも運営費助成を行っております。
3点目の今年度の支給内容とその実績につきましては、令和7年1月末時点で3名の方に重傷病等見舞金3件、転居費用助成金1件を支給しております。
4点目の犯罪被害者の方々へのアプローチにつきましては、まず公益社団法人くまもと被害者支援センターの支援員や熊本県警の被害者支援係等が相談を受け、必要に応じて病院への付き添いなど初期の段階からの支援を実施しております。一方で、本市では犯罪被害者等の方々の相談を受け、早期生活再建に向けた見舞金等の支給や、本市の福祉制度の利用など、相談者に寄り添った支援を行っております。このように関係機関がそれぞれの役割に応じ、御本人の同意を得た上で情報共有や連携を図りながら包括的な支援を行っております。
5点目のこれまで支援を行った方からの声につきましては、「最初は相談することが不安だったが、相談してみると心の負担が軽くなり、相談してよかった。」また、「被害をきっかけに仕事を辞めざるを得なくなり経済的にも負担が大きかったが、見舞金があり大変助かった。」といった声をいただいております。
最後に、現状の課題につきましては、これまで本市では啓発チラシの配布等による周知や当事者団体の活動への支援などを行っておりますが、さらに犯罪被害者等の方々が円滑に必要な支援を受けるための情報発信や、市民の皆様が犯罪被害者等についての理解を深めていただくための効果的な啓発が必要であると考えております。そのため、本市ホームページに犯罪被害者等のフェーズに応じた支援策をより分かりやすく掲載するとともに、くまもと被害者支援センターや熊本県警と連携し、より多くの人が参加するイベント等で情報発信を行うなど、様々な機会を捉えて市民の皆様への周知啓発を行ってまいります。
〔吉村健治委員 登壇〕
◆吉村健治 委員 御答弁ありがとうございました。
令和元年第4回定例会で、私の方から犯罪被害者等支援条例の制定を求めた質問をして以来、強い関心を持って推移を見守ってまいりました。令和5年9月に熊本市犯罪被害者等支援条例が制定され、議員として犯罪被害等に遭われた方々やその御家族の物心両面の御負担を少しでも軽くすることができたことに関し、条例の制定や現行制度の維持、その精度向上に向けて御努力いただいている本市職員やくまもと被害者支援センターをはじめ関係者の方々に改めて御礼を申し上げます。
近年において、現行の凶悪犯罪に加え、闇バイトなど新たな犯罪が市民や若年層にも浸透し、生きる上で必要以上のネットやAI技術の発達に伴い、交通事故のようにいつ何時自身や御家族が犯罪被害を受けるか分からない時代になってきており、警察や関係団体と協力し、被害者や支援センターのお声によく耳を傾け、社会情勢の変化を敏感に捉えつつ、制度をブラッシュアップし、犯罪が起こりにくい社会をつくることと同時並行で、本市は上質な生活都市くまもとをつくる義務があり、市民が安心して暮らせる社会をつくらなければなりません。つまり、行政が果たすべき役割は単なる事後のサポートにとどまらず、治安のよい熊本市をつくり、被害者が再び安心して生活を送るための長期的な伴走支援をすることだと思っております。
本市が他機関と協力しながら、どの分野に力を入れたいと考えていくかが大切だと思います。予算の関係から質問しましたが、大切なのは予算規模ではなく、その体制と市民がいかに安心して暮らせる社会をつくるかにかかっていると思います。
次の質問に移らせていただきます。
都市建設局が所管しております空家対策課の空家等対策事業に関してお聞きいたします。
放置された住宅が増加し続けることは、社会的、経済的、環境的、そして、地域的な課題を日本全国で引き起こす現代社会の大問題であります。少子高齢化や人口減少、東京圏への人口集中などにより、本市をはじめ地方都市の喫緊の課題であることは誰しも共通の認識だと思います。防災のリスクの増加や景観の悪化、治安の悪化を招き、害虫、害獣の発生、庭木トラブルなどの問題、地域社会や隣近所への悪影響に関するお話は、私たち議員も地元で頻繁に陳情や要請を受ける事案であります。
社会問題となっている中、本市が抱える問題の解決に向け、十分な予算確保ができているのかを問いたいと思います。
直近の全国の空き家件数と本市の件数、そして、今後の本市の件数見込みを教えてください。
空家対策課発足以後の予算推移と本年予算要求額の関連性について、また、令和6年に改定された4つの基本方針、「予防」「利活用」「適正管理」「連携体制の強化」について、その他の空家対策事業の予算の内容について、都市建設局長に答弁を求めます。
〔秋山義典都市建設局長 登壇〕
◎秋山義典 都市建設局長 空家等対策事業に関する5つの質問に対して、一括してお答えいたします。
令和5年度に総務省が実施した住宅・土地統計調査の結果によりますと、空き家数は全国で約900万戸、本市で約5万1,000戸でございまして、今後の本市の見込みについて具体的な数字をお示しすることはできませんが、少子高齢化・人口減少の進展に伴い、確実に増加すると見込んでおります。
平成31年4月の空家対策課発足に当たっては、同時期に策定いたしました「第1次空家等対策計画」におきまして、居住中であるか、また、非居住となって1年未満かそれ以上であるかなど、建物の状態に合わせた対応策を講じますため、「予防」「利活用」「適正管理」の3つの基本方針に基づき取組を進めていくことといたしました。初年度は周囲に影響を及ぼす可能性がある空家等に対する代執行や、所有者等による除却の支援経費として1,500万円を計上いたしました。その後、若者世帯等による空き家のリフォーム費用や予防的な除却の費用も支援対象とするなど、年々事業内容を拡大いたしまして、令和7年度予算は7,960万円を計上しております。
委員お尋ねのその他空家対策事業につきましては、空き家の適正管理に係る啓発のための出前講座等の開催経費、管理不全空家等の所有者を特定するための司法書士への委託費等が含まれております。
最後に、連携体制の強化を追加した経緯についてお答えいたします。
空き家の管理は所有者等が責任を持って取り組むことが原則でございますが、適正に管理がなされていない場合、地域全体の問題にもなってまいります。今後、そのような管理不全空家等の増加が懸念される中では、地域や専門家等とのより一層連携して取り組むことが重要となってまいりますことから、令和6年3月に策定いたしました第2次空家等対策計画におきまして、従来の3つの基本方針に加え、新たに連携体制の強化を加えたところでございます。
〔吉村健治委員 登壇〕
◆吉村健治 委員 局長には、現状とこれからの空家対策事業等を御説明いただきました。本当に難しい問題だろうと思います。これに関しては、やはり国の政策がきちんとしていかないと、なかなか地方の現場の人たちだけでは難しいんではないかと思いますので、また後ほど市長にも御答弁いただきますけれども、国に対する要望とか、各種市長会を通じてお願いをしたいなというような気がします。
今、御答弁いただきましたけれども、基本的には空き家問題の根源には所有者の特定や合意形成が難しいこと、法的手続、権利関係の複雑さ、解体修繕の費用負担問題、活用方法が見つからない、地域住民との関係性の難しさ、行政の人手や予算、リソース不足であったりすることが大きな要因であると思われます。その抜本的な解決は一筋縄ではいかないということは皆さん御存じのとおりです。ただ、日本各地で、最近では空き家の利活用や地域ぐるみのプロジェクトも少しずつ増えてまいりまして、うまく行政、住民、企業が連携することで少しずつ進展している例もあるようですので、他都市の例も見ながら一歩ずつ進んでいただければと思います。
都市建設局長の答弁にあるように、空家対策は本市にとって大きな課題であります。どれも複雑に絡み合っていて、特効薬の見つからない難題ですが、思い切った施策実行がこれからも本市において急務だと思われます。そこで、本市における空家問題への認識について、市長に答弁を求めます。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 空き家は適正に管理がなされない場合、倒壊の危険や公衆衛生の悪化、景観の阻害等、住環境へ悪影響を及ぼすことが懸念される一方で、適正な維持管理や利活用の促進等を図ることで、地域の活性化に資する資源となり得るものと認識しております。
先ほどの都市建設局長の答弁のとおり、本市ではこれまで様々な取組を行ってきたところでございまして、その成果として、令和5年度の住宅・土地統計調査によりますと、長期にわたって不在になっております空家等の数が5年前に比べ約1,000戸減少している等、一定の効果が見てとれます。
しかしながら、今後も空き家の全体数は確実に増加すると見込んでおりますことから、地域や民間団体等とのさらなる連携の強化が必要であると認識しておりまして、令和7年度の新たな取組の1つとして、本市で活動されている宅地建物取引士の方を地域の身近な相談員として各区に20名程度配置することといたしました。これらに加えまして、まちづくりセンター等と連携した自治会活動への支援など、引き続き様々な対策を組み合わせながら空き家問題に取り組んでいくことで、地域の活性化と安全安心な住環境の確保につなげてまいりたいと考えております。
〔吉村健治委員 登壇〕
◆吉村健治 委員 御答弁ありがとうございました。
市長の答弁にもありましたように、今後いかにどうするかという問題はたくさんあると思いますけれども、現場のまちセンの職員、土木センターの方々は、非常に御近隣トラブル等で汗をかいておられますけれども、なかなか自分たちがしたいようにはできないというジレンマに陥っているんだろうと思います。先ほども市長に御依頼しましたけれども、やはり国の制度をきちんとしていかないと、ある程度行政が力を持ってやる仕組みをつくっていかないとなかなか解決しない問題だろうと思います。前例にとらわれない大胆な施策等、喫緊の課題に対するにふさわしい予算確保が必要だろうと思われます。次の補正や来期以降の予算確保に期待したいと思います。また、本市担当職員の皆さん方の頑張りと問題解決に向けての御腐心に対し敬意を申し上げ、この質問を閉じたいと思います。
私が2番目ですので、田上委員に3番目を託したいと思います。
以上です。ありがとうございました。
○落水清弘 委員長 吉村健治委員の質疑は終わりました。
次に、田上辰也委員の質疑を行います。
〔田上辰也委員 登壇〕
◆田上辰也 委員 市民連合3番手の田上辰也でございます。
まず最初に、公共交通機関の夜間臨時運行についてお尋ねいたします。
世界を魅了する都市ブランドの向上策として、当初予算にナイトタイムエコノミーの推進や夜間景観の充実のために4,350万円が計上されています。それには賛同しますが、これらのイベントに参加された方々の帰りの足の確保はなされているのでしょうか。また、市民の暮らしの年間行事として花見、歓送迎会、暑気払い、厄入り厄晴れ、忘年会、新年会など、広い意味でのナイトタイムエコノミーにこれらの行事は資することになると思われます。さて、これらの行事が終わって帰ろうかとするとき、終電も最終バスも早くに出てしまい、タクシーも見つからないことが多くなっていると感じている市民は多いのではないでしょうか。
ヨーロッパの童話「シンデレラ」の話は皆さん御存じだと思います。お城の舞踏会に参加したシンデレラは、午前零時の鐘が鳴ったら、ガラスの靴を落としてしまっても、帰りの馬車には間に合いました。ところが、熊本市民はそうはいかないのです。夜間の交通空白地帯で帰宅難民になってしまいます。
そこで、都市建設局長にお尋ねいたします。ナイトタイムエコノミー事業への側面的支援はもとより、コロナ禍で落ち込んでしまった飲食業の再生、それから、公共交通の利用促進の観点からも、バス、市電、タクシー等の公共交通機関に対し、夜間の臨時運行を働きかけるお考えはありませんか。名づけて熊本のシンデレラ便、ぜひ実現してください。よろしくお願いします。
〔秋山義典都市建設局長 登壇〕
◎秋山義典 都市建設局長 公共交通機関の夜間における臨時運行につきましては、利便性向上はもとより、夜のまちなかのにぎわい創出にもつながるものと認識しておりますことから、運転士不足の状況や利用者ニーズの実態把握に努めながら、まずはその手法や期間、採算性などにつきまして、公共交通事業者と意見交換をしてまいりたいと考えております。
〔田上辰也委員 登壇〕
◆田上辰也 委員 夜の街には熊本のいろいろな文化がありますので、これをどんどん進めていく上でもやはり足の確保というのは大事なことでございます。ぜひその辺、念頭に置いて、ぜひ交通事業者の皆さんの御理解御協力もいただいて、実現していただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
次に、2点目の地下水涵養域における草原維持活動への助成についてお尋ねいたします。
昨年6月の議会の一般質問で、熊本大学名誉教授の嶋田純先生は、草地と林地では草地の方が水源涵養効果が高いと論文を出されていると紹介しました。植林してわざわざ林地とするより、草地のままであるほうが水源涵養効果としては高いというエビデンスが示されています。また、本市は水源涵養林整備事業を行っていますが、海に囲まれ、雨の豊富な日本の自然の植生は、森林へと自然に変遷していくものです。森林になるのを防ぐため、阿蘇周辺では行われているのは野焼きです。地下水涵養効果の高い草原を維持する活動です。
熊本県は地下水涵養のために草原維持活動への支援について取り組むことを2月26日に公表しましたが、熊本市はどのように考えておられますか。環境局長にお尋ねいたします。
〔村上慎一環境局長 登壇〕
◎村上慎一 環境局長 本市では、地下水涵養対策といたしまして、これまで行ってきた森林を活用した水源涵養林の整備や、農地を活用した水田湛水に加えまして、涵養機能が大きいとの報告があります草原を活用した新たな涵養対策について研究・検討を行っております。さらに、草原を活用した涵養対策につきましては、昨年8月の県市調整会議におきまして熊本県と連携し検討することを確認しておりまして、情報共有や意見交換を行っております。
一方、県におきましては、来年度学識経験者や関係市町村等で構成いたします検討会を設置いたしまして、阿蘇地域の草原等による涵養機能の効果検証を行うこととしておりまして、本市も参画予定としております。
委員御案内の草原維持活動への支援につきましては、その検証結果を確認しながら検討してまいります。
〔田上辰也委員 登壇〕
◆田上辰也 委員 本市はEBPMの推進を行っております。きちんとしたエビデンスに基づいて、しっかりしたプランを練っていただきたい、そのように思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、3点目、納骨堂の拡充についてお尋ねいたします。
平成24年12月議会の一般質問で、多死社会への対応という観点から、本市の火葬場の安定運営などに関する質問をしてきました。現在、建て替え事業は進められておりますことに一安心しております。しかしながら、火葬をした後のお骨に関しては、納骨堂を利用される方も多くなってくると思います。そのため、仮申込みから実際に納骨できるまで何年も待たなくてはならず、市民の方からも、長く待たなくてはならないことへの改善要望も寄せられているところです。
また、納骨できても、桃尾納骨堂は遠方にあるため度々行くこともできないし、どうにかならないかとの地理的な御要望もございます。本市の市営墓地も桃尾墓園のほかに6か所あり、中心部に近い墓園もあると思いますので、こういった墓園を活用した新たな納骨堂の整備を視野に入れる時期にきているのではないかと思います。
そこで、桃尾霊堂の壇数を拡充する検討を行わないのか、また、今後の多死社会をにらんで、新たに身近な納骨堂の整備を考えてもいいと思います。いかがでしょうか。
以上2点について、健康福祉局長にお尋ねいたします。
〔林将孝健康福祉局長 登壇〕
◎林将孝 健康福祉局長 納骨堂の整備拡充に関する2点のお尋ねにお答えいたします。
まず、1点目の桃尾霊堂の納骨壇の拡充につきましては、委員御指摘のとおり、現在、墓地等への改葬による納骨壇の返還を待たれている方が年間を通じて150件程度で推移しており、返還後の申込の御案内まで2年程度の期間を要していることは課題であると認識しております。既に現有施設内におきまして増設に係るスペースの確保や納骨壇数等の調査に着手しており、引き続き施設利用への影響の精査や関係部局との協議を行うなど、早期の増設が図られるよう、具体的な検討を進めてまいります。
次に、2点目の市内中心部に近い新たな納骨堂の整備につきましては、納骨堂の整備費用等に対する費用対効果や近隣住民の理解など課題も多いと考えており、今後、納骨堂の需要等を踏まえ、研究してまいります。
〔田上辰也委員 登壇〕
◆田上辰也 委員 ありがとうございました。
やはり時代の推移に合わせて、行政もいろいろと工夫を重ねていく、大事なことですので、よろしくお願いいたします。
4点目の質問でございます。
下水道事業の改善について。先月27日の落水清弘議員の一般質問の中で、下水道使用料の改定の検討を行っているとの答弁がありましたが、どういう状況なのか、その詳細を教えてください。
ところで、私の市役所勤務は秋津下水処理場、今の東部浄化センターの水質試験室から始まりました。3年間の勤務でしたが、単なる水質検査にとどまらず、事業改善の提案も行っておりました。例えば、夜間の流入水量は少なくなるので、その夜間のエアレーションを停止してもらったりしました。その結果、電気使用量を抑えることができるだけでなく、過剰な曝気がなくなったことで水質も大きく改善され、透視度も30センチメートルそこそこだったのが100センチメートルになりました。
また、下水道汚泥の現地焼却はやめて、ペレット燃料に加工して販売できないかとの提案も行いました。もう45年にもなる古い話を持ち出しましたが、時間も切れました。どうか事業改善によろしくお願いいたします。
○落水清弘 委員長 答弁は要りませんか。
◆田上辰也 委員 答弁お願いいたします。
〔田中俊実上下水道事業管理者 登壇〕
◎田中俊実 上下水道事業管理者 下水道使用料の改定につきましては、今後、人口減少等により料金等収入の減少が見込まれる中、施設の老朽化対策などの避けられない投資もございますことから、現在改定中の熊本市上下水道事業経営戦略におきまして、下水道事業は資金不足が生じないよう、令和9年度には適正な使用料の在り方の議論を始める必要があるとしております。
この考え方に基づきまして、今後の社会情勢や資金収支の状況を見極めながら、詳細について検討を行うこととしております。その前提としまして、不断の経営改善の取組が大変重要であると考えておりまして、これまでも、例えば汚泥の処理過程で発生しましたガスを利用した発電設備の導入による再エネ化や、汚泥の燃料化による資源の有効利用、あるいは下水道施設の再配置、規模の最適化の検討などを行ってきたところでございます。
また、令和7年度当初予算には、経営基盤の強化や民間技術の活用による下水道サービスの質の向上を図るため、下水道施設管理における官民連携手法導入の検討に要する経費を計上しております。今後も引き続き、委員御案内の職員の改善提案も含めまして、職員一人ひとりの取組が事業の改善に資するよう、効率的な経営感覚を持った企業職員としての意識の醸成に努めてまいります。
○落水清弘 委員長 田上委員、残り時間は9秒ですので、閉じていただいてよろしいですか。
〔田上辰也委員 登壇〕
◆田上辰也 委員 どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。お疲れでしょう。本当にありがとうございました。
これで、市民連合の総括質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○落水清弘 委員長 田上辰也委員の質疑は終わりました。
以上で、市民連合の質疑は全て終了いたしました。
総括質疑の途中ではありますが、本日の審査はこの程度にとどめ、残余につきましては明11日火曜午前10時に再開したいと存じます。
これをもちまして、本日の委員会を散会いたします。
午後 3時06分 散会
出席説明員
市長 大 西 一 史 副市長 深 水 政 彦
副市長 中垣内 隆 久 政策局長 三 島 健 一
総務局長 津 田 善 幸 財政局長 原 口 誠 二
文化市民局長 早 野 貴 志 健康福祉局長 林 将 孝
こども局長 木 櫛 謙 治 環境局長 村 上 慎 一
経済観光局長 村 上 和 美 農水局長 金 山 武 史
都市建設局長 秋 山 義 典 教育長 遠 藤 洋 路
消防局長 平 井 司 朗 交通事業管理者 井 芹 和 哉
上下水道事業管理者田 中 俊 実
議会局職員
局長 江 幸 博 次長 中 村 清 香
議事課長 池 福 史 弘 政策調査課長 岡 島 和 彦