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熊本市議会議員 たなか あつお

熊本市議会議員 たなか あつお

2024年12月09日 その他

令和 6年12月 9日地域公共交通に関する特別委員会

          地域公共交通に関する特別委員会会議録

開催年月日   令和6年12月9日(月)
開催場所    特別委員会室
出席委員    12名
        田 中 敦 朗 委員長    平 江   透 副委員長
        木 庭 功 二 委員     村 上 誠 也 委員
        古 川 智 子 委員     中 川 栄一郎 委員
        島 津 哲 也 委員     齊 藤   博 委員
        井 本 正 広 委員     藤 山 英 美 委員
        上 野 美恵子 委員     上 田 芳 裕 委員

議題・協議事項
  (1)持続可能な地域公共交通の実現に向けた諸問題に関する調査
  (2)報告案件(地方自治法第243条の3第2項の規定による)(1件)
     報第57号「一般財団法人熊本市公共交通公社の経営状況について」

                            午後 0時58分 開会
田中敦朗 委員長  ただいまから地域公共交通に関する特別委員会を開会いたします。
 本日の議事に入ります前に執行部より発言の申出があっておりますので、これを許可します。


◎井芹和哉 交通事業管理者  去る11月9日、九品寺交差点において、また、11月15日に西辛島交差点におきまして、市電が信号冒進、いわゆる信号無視のインシデントを立て続けに引き起こしてしまいました。後ほど原因や対応につきましては詳細な報告をさせていただきますが、度重なる事故やインシデントの発生を受け、局を挙げて再発防止に取り組んでいるさなか、また、10月21日には九州運輸局からの改善指示に対する中間報告を提出した直後にこのようなインシデントを引き起こしたこと、誠に痛恨の極みでございます。本事業についても既に外部検証委員会に報告し、議論いただいているところであり、最終報告での安全対策に反映させてまいりたいと思います。
 市電を御利用いただいております皆様をはじめ市民の皆様に対しましては、立て続けの事故、トラブルにより御心配、御迷惑をおかけしており、改めて深くおわびを申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
 次に、報告でございます。
 去る11月1日付の人事異動によりまして、交通局に新たな安全統括管理者として島田裕士首席審議員が就任いたしました。安全統括管理者とは、輸送の安全の確保に関する業務を統括管理する役職であり、法律上選任が義務づけられているものでございます。今回は、就任直後の委員会ということで、紹介も兼ねて出席させていただいております。本来は現場において安全を統括する立場でございます。また、安全統括管理者専任ということもございますことから、次回以降は本委員会の説明員としては原則出席せず、本来どおりの現場での安全確保に専任させたいというふうに思っております。どうかよろしくお願いいたします。
 もう一点でございますが、同じく今回の人事異動で松尾運行管理課長が転出し、代わって副課長でございました荒木が今後は課長の任に当たります。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 私からは以上でございます。

田中敦朗 委員長  発言は終わりました。
 これより本日の議事に入ります。
 本日は、持続可能な地域公共交通の実現に向けた諸問題に関する調査を行うためお集まりいただきました。
 それでは、調査の方法についてお諮りいたします。
 調査の方法といたしましては、まず「目指す地域公共交通の将来像の具体化について」、これまでの検討事項と今後の進め方を含め執行部から説明を聴取した後、質疑を行い、次に「次期地域公共交通計画の策定に向けた取組について」、執行部の説明を聴取し、質疑を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。
        (「異議なし」と呼ぶ者あり)


田中敦朗 委員長  御異議なしと認め、そのように執り行います。
 それでは、「目指す地域公共交通の将来像の具体化について」、執行部の説明を求めます。


◎大川望 交通企画課長  それでは、資料1をお願いいたします。
 本委員会におきましては、これまで6回にわたり御議論いただいたところでございますが、改めて本委員会のこれまでの振り返りと今後の検討の流れについて御説明いたします。
 まず、これまでの振り返りといたしまして、第2回におきましては、人口減少や超高齢社会の進展等を背景に、公共交通利用者の減少、それに伴う交通事業者の経営の悪化やサービス水準の低下といった負のスパイラルに陥っていること、さらには深刻な運転手不足や自動車分担率の高まりなど、地域公共交通の現状や課題を把握し、正のスパイラルへの転換の必要性を再認識するとともに、誰もが安心して移動できる持続可能な公共交通を目指す上では、行政の関与を一層深め、役割を明確にすることが重要であるということを確認したところでございます。また、各委員の皆様方から御意見をいただき、各地域における現状や課題について共有いたしました。
 そして、第3回~5回におきましては、目指す地域公共交通の将来像の具体化といたしまして、鉄軌道や幹線バスといった中心市街地と地域拠点間や乗換え拠点を結ぶ基幹ネットワーク、また、路線バスによる地域拠点と生活拠点を結ぶ地域間ネットワーク、これらを補完する主に地域内の移動手段を担う地域内ネットワークの3層に階層化したネットワークの考え方を御提示いたしまして、まずは基幹ネットワークである市電延伸に関して集中的に御議論、御審議いただいたところでございます。前回の第6回におきましては学識者による意見陳述におきまして、公共交通や自転車に転換し、自動車交通を減らすことが公共交通再生の世界的なトレンドであること、また、公共交通に対する公的負担の重要性や、これまでの行政補助によって公共交通を維持する形態からシフトし、バスを含む複数の交通モードを組み合わせ、総合的な公共交通サービスを提供する組織体の構築に関する議論の必要性について御教授いただいたところです。
 それで、今回第7回となります分につきまして、主に地域内の移動手段を担う地域内ネットワークであるコミュニティ交通のサービス水準の方向性について御審議いただきたく存じます。
 それと、第8回以降、今後の流れでございますが、交通モードごとのネットワーク、サービス水準、これらを維持するための行政の役割について御議論いただきまして、目指す方針として地域公共交通の将来像を描き、これを実現するための施策展開方針を整理した上で、公共交通計画に盛り込むことといたしております。
 私からは以上でございます。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  資料2を御覧ください。
 コミュニティ交通のサービス水準について、今後具体的な検討を進めていきたいと考えておりまして、本日はその方向性について御説明させていただきます。
 1ページ目を御覧ください。
 初めに、おさらいになりますが、本市のコミュニティ交通の現状について御説明させていただきます。まず、コミュニティ交通とは、公共交通空白地域等において路線バス等との接続を前提として、日常生活サービスへの最低限の移動手段の確保を目的とした公共交通機関です。あくまでも移動手段の1つであり、地域の移動需要の全てを満たすものではございません。
 現在、本市では乗合タクシーを24路線、AIデマンドタクシーを2地域で運行しております。それぞれの主な特徴について、抜粋して御説明します。まず、経路及びダイヤについてですが、乗合タクシーは線的に定時定路線で運行、AIデマンドタクシーは面的に予約に応じて運行をしております。運行経費についてですが、乗合タクシーは運賃から料金200円を差し引いた額を補助しております。AIデマンドタクシーは運行経費に加えシステム使用料を委託料として支払っており、乗合タクシーに比べ、割高となっております。
 次に利用状況ですが、乗合タクシーが1日2件未満であるのに対し、AIデマンドタクシーは1日三十数件と比較的多く利用されている状況でございます。
 2ページ目を御覧ください。
 こちらでは、具体的に検討を行う導入水準とサービス水準の検討項目と主な論点について御説明します。まず、導入水準について御説明します。中段の表の赤枠内を御覧ください。例えば、導入モードについてですが、本市ではAIデマンドタクシーと乗合タクシーが同じエリアを重複して運行しております。このことから、今後それぞれの役割分担を明確にする必要があると考えております。また、その他にも記載をしておりますが、目標とする収支率や休止や廃止基準についても一定程度明確化する必要があると考えております。
 次に、サービス水準について御説明します。下段の表の赤枠内を御覧ください。中でも重要な項目は、運行台数と料金と考えております。運転手不足等の課題や財政面からも、将来にわたり持続可能な運行を確保するためにも、適正な料金や運行台数について決めておく必要があると考えております。また、最下段に運行事業者とありますが、現在、コミュニティ交通の運行を担っているのはタクシー運転手でございます。しかしながら、今後ますます運転手不足が顕在化してくることも想定されることから、持続可能な運行体制を確保するためにも、一般ドライバーが運行を担うライドシェアの仕組みの活用も検討が必要と考えております。
 3ページ目を御覧ください。
 今後の検討の流れになります。今年度は現行の運行状況や他都市事例等を踏まえまして、導入基準とサービス水準の素案を作成したいと考えております。その後、将来のバス路線網を勘案して具体的なシミュレーションを行いながら、導入基準とサービス水準を策定していきたいと考えております。その後は、策定したサービス水準等を踏まえまして、新たなコミュニティ交通の導入等を進めていきたいと考えております。
 以上でございます。

田中敦朗 委員長  以上で説明は終わりました。
 それでは、ただいまの説明に関して質疑及び御意見等をお願いいたします。


◆上野美恵子 委員  御説明ありがとうございました。
 私の方からは、まずこれまでの振り返りのところでいろいろ御説明がありまして、これについては意見として1つ申し上げておきたいことがあります。今後の課題になるかと思いますけれども、今後、次期の公共交通計画策定に向けてこの論議が進んでいくかと思いますけれども、何かちょっと先で忘れそうなので言っておきますが、公共交通計画の目的のところに、ぜひ次期計画には市民の移動の権利という言葉を入れていただきたいなというふうに思っておりますので、今後の検討の中でぜひ考えていただきたいと思っております。
 それから、報告があった説明資料の2点目、コミュニティ交通のサービス水準についてのところでお尋ねしたいと思います。1つは、今後の在り方として、今、AIデマンドタクシーと、それから乗合タクシーと両方あって、それぞれの役割がそれぞれの特色に応じているかと思います。今後につきましては役割分担の明確化を図っていかれるということですので、私もこの点についてはやはり必要なことだし、そういう方向で進んでいくべきかなと思っています。ただ、資料の2ページ目、さっきの資料2の裏面、2ページにあります導入水準とサービス水準の検討事項のその他にあります目標収支率や休止・廃止基準の明確化等という言葉がありまして、なかなか運行の採算等々難しい場合のことなんかが今後検討されていくのかなというふうに思いました。
 運営する側からすれば、確かに採算抜きで何でもやるということは難しいと思いますので、こういうふうな考え方も必要なことかとは思いますけれども、ここに利用者の視点に立った今後のAIデマンドタクシーと乗合タクシーの役割分担であるとか、運行形態の将来像というか、そういうのをやはり探っていかないといけないんではないかなと。利用者の視点というのが御説明になかったものですから、この点について今どのような検討が行われているのか、今後どのように考えていかれるのか、教えていただきたいと思います。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  資料2の7ページ目を御覧いただけますでしょうか。
 先ほど委員の方から、休止・廃止基準の明確化のところで御質問ありましたけれども、16番、19番、このあしはら号と舟底タクシーにつきましては、利用者が過去非常に少なかったというところで、運行休止をしているところでございます。ただ、委員が今おっしゃったように、利用者の視点に立ちますと、やはり利用しにくい運行経路を通っていたりとか、そういったこともあり得ると思いますので、収支率とかだけではなくて、より皆様に利用されるような視点も持ちながら、今後具体的な検討を進めていきたいと考えております。
 以上でございます。

◆上野美恵子 委員  ありがとうございます。
 路線バスがやはり運行が厳しくて、それを補完しながら、一体的に地域の足を確保していくという意味でのコミュニティ交通というのが求められているかなというふうに思っています。そういう意味では、今後いろいろな検討をなさっていく上で、利用者の視点、そしてまた利用者の声をしっかり聞きながら進めていただかれることを要望しておきます。
 それと併せて、このコミュニティ交通というのが、路線バスがなかなか厳しくなっていく中で、それを面的にも補完していったり、もともとの交通不便地域等々に市民の足を確保していくという意味から、こういうコミュニティ交通が、この運行網が張り巡らされていると思うんですけれども。ちょっとこれは別のことかもしれないけれども、路線バスの今、なかなか運転手不足もあって減便とか廃止ということが、厳しい側面があるかと思いますけれども、これを食い止めていくということと、このコミュニティ交通を進めていくという、これをやはり両面から考えていくという視点も大事ではないかなと思うんですけれども、その点についての検討はどのようになっていますでしょうか。

◎大川望 交通企画課長  委員の御意見、ごもっともだというふうに認識をしてございます。今後、この特別委員会の中で御審議いただく事項といたしまして、まずは本日コミュニティ交通のサービス水準の方向性というものを御審議いただきますけれども、おっしゃるとおり路線バスとコミュニティ交通というのは表裏一体といいますか、非常に関係性が深いというふうに認識をしてございますので、今後、前回もお話しいたしました市民の方々へのアンケートの結果であるとか、そういったことも含めまして、路線バスの在り方についても御審議いただきたいと思ってございますので、その中でしっかりと表裏一体の関係性というものも織り込みながら、注釈しながら進めていきたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。

◆上野美恵子 委員  ありがとうございます。
 この点で参考までに、路線バスの減便とかを食い止めるための国の制度として地域内フィーダー系統補助というのがあるんですけれども、その熊本市の活用状況とかはどうなっていますでしょうか。

◎大川望 交通企画課長  地域内のフィーダーの制度の活用につきましては、今現時点ではまだ活用ができていないというふうに認識をしてございます。たしか、すみません、確認は要しますけれども、政令指定都市にあっては、たしかそれは除外されていたような格好だったかというふうにも記憶してございますので、後ほどしっかりとお調べして、また改めてお話しさせていただければと思ってございます。
 以上です。

◆上野美恵子 委員  なかなか不便地域の課題でもありますので、政令市のこと、私も一般論として、私たちはずっとこれの活用を高めていくということを国に要望してきたいきさつとかもあるものですから、熊本市がどうなっているのかなと思ったんですけれども。もし補助対象になっていないのであれば、今後国等への要望をなさるときなどに、政令市も大都市とは言いましても、やはり中心部と、それから周辺部とがありますので、周辺部の交通不便地域等々に対して市民の足を確保するために必要な政策としてこういう補助が活用できるように、局長を先頭に頑張って国に要望していただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。

田中敦朗 委員長  ほかにございませんか。

◆齊藤博 委員  私も、2ページ、導入水準とサービス水準の検討事項の中でお伺いしたいと思いますが、導入モード、それから導入地域ということで、水準の検討事項、後々検討しなければいけないというところであるんですけれども、特に導入モードについてはAIデマンドタクシーとか乗合タクシーの役割分担そのものはもう明らかになっていることであろうと。ただ、現状が重複している面であるとか線があるので、それを整理していこうという趣旨で導入モードの課題として論点を提示してあるかと思うんですけれども、その際に一番確認をしたいのが、どの時点でその検討、具体的な検討が出てくるのか。要するに、今後例えば、休止あるいは廃止をせざるを得ないような、乗合タクシーに一本化するとか、あるいはAIデマンドタクシーに絞り込んでいくとか、そのタイミング、これ、どれくらいの時期を想定していらっしゃるのかというのを聞きたいと思います。
 といいますのが、参考資料で6ページ以降、今ある乗合タクシーであるとかの運行状況、これが恐らく基になって、どの路線をどういう形で今後運行していくのか、AIデマンドタクシーにするのか、乗合タクシーにするのか、あるいは、場合によっては重複する可能性の地域も出てくるかと思いますが、この地域の絞り込みをいつの時点で我々にお示しいただけるのか。こういう形で今後進めていきたいと思うけれどもというような時期的なものと、それから、その根拠、この地域はこういう傾向が見られるので乗合タクシーにするとか、あるいはAIデマンドタクシーにするとかいうような根拠、これが明確になる時期、あるいは明確にするための基準のようなものをお示しいただけるのがどれぐらい、時期的なものですね。今、考えられ得る範囲で結構ですので、お答えいただければと思いますが。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  どのぐらいの時期にその役割分担を実際現場に落としていくのかということでございますが、資料の3ページ目を御覧いただきますと、今年度から来年度におきましてサービス水準等について具体的に検討してまいります。その後、令和8年度から具体的にその基準に基づきまして既存のコミュニティ交通の見直し等を行ってまいりたいと考えておりますが、まずはやはり利用者もいらっしゃいますので、地元の方にお話をしながら丁寧な対応をしていきたいというふうに考えております。
 また、導入基準といいますか、AIデマンドタクシーと乗合タクシーの役割分担の根拠、イメージになりますけれども、現在、乗合タクシーにつきましては各方面で運行されておりますけれども。特に河内の方になりますけれども、資料の6ページ目御覧いただきますと、西区の方ではこの大将陣タクシーであったり、芳野さくら乗合タクシーなど、こちらの方は山間部を運行するような乗合タクシーになっております。ただ、このような場所までAIデマンドタクシーを導入しますと、送迎の時間だけでも相当の時間を要しますことから、やはり役割分担が必要かなというふうに思っております。
 また、例えば8ページ目を御覧いただきますと、一番下に北区、山本号というのがございます。山本号につきましては、市域を超えて山鹿まで運行しているものになります。といいますのも、これは植木町との合併前から運行されておりまして、この地域の方々は山鹿に生活圏域を持っていることになります。このことから、山鹿まで運行していることになりますが、こちらにつきましても山鹿までAIデマンドタクシーを運行するというのは、やはり効率面からも難しいと考えておりますので、例えば山間部や市域外まで運行するような乗合タクシーについてはそのまま存続していくと。市域内についてはAIデマンドタクシーで役割を担う、こういったイメージを現在のところは持っているところでございます。
 以上でございます。

◆齊藤博 委員  再度確認したいんですが、資料1、これはこの特別委員会のゴール的なことも含めて、地域公共交通計画をスタートさせたいというのが令和8年の4月だったのではないかなと思いますが、まずそこだけ確認させていただいていいですか。

◎大川望 交通企画課長  お尋ねのとおり、計画自体は令和7年度に改定いたしまして、令和8年4月を目指すというところでございます。

◆齊藤博 委員  そうすると、今の乗合タクシーやAIデマンドタクシーの地域の限定であるとか絞り込みとか、それはこの公共交通計画の中には具体的には織り込まないというような御認識でよろしいんでしょうかね。外付けでやっていくと。要は、令和7年度にかけて検討するというような、今御答弁があったような認識なんですけれども、この地域公共交通計画の中にはそこは盛り込まないということですか。そこを教えてください。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  この地域公共交通計画の中にも、このサービス水準、導入水準の方向性とか、そのあたりは盛り込んでいきたいと考えております。

◆齊藤博 委員  もう一回いいですか。時期的に、例えば地域を絞り込んでいく、その絞り込むというのはサービスの在り方、AIデマンドタクシーだったり、乗合タクシーだったり、どの地域にというのをこの特別委員会とかも含めて、明らかにしていただけるのは、時期的にはいつになるのか今言えますか。その根拠も含めてですね。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  具体的な地域とかにつきましては、計画の中というよりも、その計画に書いていること、方向性を踏まえて具体的に検討していくという形になるかなというふうに思っております。

◆齊藤博 委員  すみませんね。ということは、具体的な地域とか範囲とか、ここにこのサービスを提供するというところまでは、この計画の中には織り込まない。外付けで管理していくという、そんなイメージになるんでしょうか。

◎大川望 交通企画課長  委員おっしゃるとおり、方向性であったりとかその方針、施策の取りまとめ、こういったものはしっかりと計画の中に打ち込むと。個別具体的なものというものは、計画策定後に、外側の方でしっかりと位置づけをしていくというふうに考えてございます。
 以上です。

◆齊藤博 委員  それぞれの地域の方々の、一番利用が想定される地域の方々の御意見というのは大変重要なものだと思います。さっき上野委員からもありましたように、運行の効率性だけを求めていくようなものではないというふうに十分理解しているつもりではありますけれども、さはさりながら、どういう形が効率がいいのかというのはある程度は、ある意味スピード感も要するところでもあるのかなというふうに思います。慎重に運んでいただきながら、できるだけ、ある程度は利用者の実績も出ているということで、想定はもう恐らく執行部の方でしているのだろうと思いますけれども、そこに地域の方々への丁寧な説明であったりとか、今後の代替案とかいったようなものの時間がかかるというのは十分承知するところなので、ただ一方でやみくもにと言いますか、時間をかけ過ぎないで適切に、せっかく地域公共交通の計画をつくるためのこの我々特別委員会でもあるというふうにも思います。
 しっかり個別具体的に、特別委員会のメンバーは各地域から地域を代表して構成委員としてやらせていただいているというところもありますので、しっかりそこの部分での声が反映できるようなスケジュール感を持って、今後議論を深めていただければいいなというふうに思いますので、ぜひできるだけ速やかに具体的に、基準も含めてお示しいただきたいなというふうに思います。
 以上です。

◆古川智子 委員  今後、AIデマンドタクシーと乗合タクシーとすみ分けをしていくということです。資料、参考資料で6ページ、7ページ頂いている中で、この乗合タクシー、もともと一番早いところで平成25年からスタートしています。新しいものだと令和元年ですかね、というところで、当初、乗合タクシー始まった頃は結構厳格な条件というものに照らし合わせて制度設計されているために、最寄りのバス停、それが一番最初の根本的な原則であったとは思うんですけれども、最寄りのバス停まで送迎しますというのがもともとあります。新しいものになってくると、結構地域拠点まで送迎距離を長く延ばしているということで、利便性としてはとてもよくなっているんですね。
 今後、このすみ分けをしていく中で、AIデマンドタクシーになるところはいいんでしょうけれども、今後乗合タクシーを残していくという路線に対しては、もう一回本当にそこの終着地点でいいのか、今後地域拠点まで延ばすのか、もしくはAIデマンドタクシーと結束できるところ、かつ、待つということを想定して、例えばベンチだったり、待てる、雨をしのいだりとか、そういうことができるような環境であるか、そういったところも鑑みて、今度の乗合タクシーは設定していく必要があるのかなと思っています。その点に関しては、今後の何か考えがあれば、教えてください。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  乗合タクシーにつきましても、これまでいろいろな経緯がありまして、その運行の運用が変わってきたことがあることは承知をしております。今後もコミュニティ交通の趣旨を踏まえた範囲内で、より利用されるようなルートであったり、そういった観点で具体的によりよくなるように検討を進めていきたいなというふうには考えております。

◆古川智子 委員  ありがとうございます。
 すみません、もっと具体的に言うと、6ページのふれあいタクシー、西区、ここも先ほど徳田課長おっしゃった河内山間部という例を挙げられましたけれども、このふれあいタクシーも一部山間地域を通っているんですね。ただ、利用状況を見ると、平成30年に延べ1,075人いらっしゃったのが、令和6年度推計で123人、9分の1ぐらいに減ってしまっているんですね。コロナ禍はしようがないとしても、何でこれだけ減っているかということが非常に気になっているんです。ここの路線も、地域の方々と情報共有していただいて、今ここAIデマンドタクシー入っていませんので、より便利なように、なるべく早いスピードでここはお願いしたいなと思っています。
 以上です。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  今後、その役割分担等を検討する中で、地域の方々の御意見も伺いながらそういった具体的な検討は進めてまいりたいと考えておりますので、スピード感を持って進めてまいります。
 以上でございます。

◆上田芳裕 委員  サービス水準も含めて、今後いろいろな検討がされるということでございますけれども、この6ページ、7ページ、8ページ目の表をずっと見ていくと、いろいろなタクシー事業者、タクシー運転手の皆さん方に御協力いただく中で、空白地域、不便地域の皆さん方の移動手段をきちんと保たれている。利用の頻度からいくとなかなか厳しいものがあるんですけれども、今後のサービス水準の検討項目の中で、いわゆる運転手さんの担い手不足への対応ということで、ライドシェアの検討ということが進められるということも御提案いただきました。
 今は現状として当然、タクシードライバーの方が物すごく減っているという状況は分かっているんですけれども、こういった議論は熊本市の公共交通協議会の中でも議論されているかというふうに思っていますけれども、今現在、乗合タクシーを運行されている運転手さん方が今後どの程度減っていって、運転手がいなくなるかという動向などはつかまれておられますでしょうか。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  まずは、熊本県内のタクシードライバーの推移としましては、コロナ禍前が約4,000人だったのが、現状、令和6年度で3,600人程度というところで、完全に回復をし切れていないと。また、高齢ドライバーが非常に多いということを聞いております。今後の具体的な推移までは把握はしておりませんけれども、今後十分厳しい状況が見込まれるということは推察できますので、このような状況にいち早く対応できるように、公共ライドシェアという仕組みについて具体的な検討をしてまいりたいと考えております。

◆上田芳裕 委員  担い手不足によって、当然市電の方も便数が減ったり、いろいろな影響が出ていますけれども。例えば1つの、一番上にあるふれあいタクシーというのが運行できなくなったということで影響が出ないような事前の対応が必要であるというふうに思っていますので。ぜひそれぞれ具体的に、なかなか人の確保とか経営に関わる部分とかいろいろあって、正確な把握は難しいというふうに思いますけれども、現状として人員がこれだけ減ることが想定されるので、その代替としてライドシェアの検討を急がなければならない。具体的にはどう進めていくのかという検討に入っていこうかというふうに思っていますので、ぜひそこのところの把握もきちんとやっていただきたいというふうに思っています。
 それと、後ほどの資料でもございますけれども、今後検討される公共ライドシェアを含めたライドシェアの関係、熊本市の乗合タクシーであったり、AIデマンドタクシーに当てはめると、どういうものを想定されているのか、何か言葉にできるものがあれば教えていただきたいと思います。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  公共ライドシェアにつきましては、皆さん今よく御存じの日本版ライドシェア、こちらはタクシー事業者が行うライドシェアになりまして、この公共ライドシェアというものは市町村であったりNPO法人、また、地域団体等が担うものでございます。両者共通しておりますのは、一般のドライバーが運行するもので、二種免許が必要ないというものになります。例えば、私でもドライバーとして運行ができるというような乗り物になります。
 これにつきましては、例えば地域団体等に協力を得て、その地域の一般ドライバーに運行をお願いするといったことも想定がされるかなと思っております。今後、他都市事例が多くありますので、そのあたりを参考にしながら具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。

◆上田芳裕 委員  一般ドライバーの方が運行できるということで、普通免許で1年以上取得しておけば大丈夫とか、そういった要件もございますけれども、実際にライドシェア、人員を募集したときに、どれだけ人が集まってくれるのか。どれだけが仕組み、枠組みがあるのかを含めて、やはり簡単に、これだけ地域の公共交通の担い手を求めていっても、なかなか現実味としてないものであろうというふうに思いますので、早い段階から、他都市の状況等もありますけれども、そういったものも調べていただいて、恐らく地域地域、例えば植木地域にはこういう人たちにこの団体と連携していただきながら、協力を得たいとか、そういう取組になってこようかというふうに思います。そういった意味では、より具体的に着手の方法を含めて検討を進められて、早い段階から担い手不足による公共交通の空白不便地域の皆さん方への移動手段の確保に向けては、継続ある、途切れのない取組をお願いしたいというふうに思います。これは要望で答弁は結構です。

田中敦朗 委員長  そのほかございませんか。

◆上野美恵子 委員  今、ライドシェアの話が出ましたので、何点か確認したいと思うんですけれども、このライドシェアというのはかなり長く国でも検討が進められてきて、なかなか実際の運用というのには足が踏み込めずにいた制度の1つなんですよね。今年の4月からタクシー分野において始まりまして、さっき公共ライドシェアという言葉が使われましたが、これについては正式には自家用有償旅客運送というのが正式な名称であって、公共ライドシェアというのは通称というか、そういう位置づけに確かなっているかと思います。
 そういう意味では、タクシー業界の運転手不足というのを今後いろいろな形で改善していく、そういう中にあって1つのツールではあるかもしれないけれども、長く進まなかったという中にはいろいろな課題があったからだと思うんですよね。1つは、ライドシェアになった場合に、一般の方が二種免許がなくても乗ることが可能になってくるわけなので、要するに安全走行とか、あるいは運転なさる運転手さんたちの処遇がどういう形で担保されていくのかなというのが、タクシーの場合は一応会社がドライバーさんを雇用して、きちんとした労働者として教育もしながら、賃金も払ってやっていくけれども、特に公共ライドシェアという自治体がそれに踏み込んでいく場合には、地域の方にどうぞどうぞというふうにやっていった場合に、そういうところの担保ができていくのか、それについての何か検証とか検討とかなさっているのか、教えてもらっていいですか。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  現在、この公共ライドシェアにつきましては約300を超えるような、事例が全国でございます。今、委員がおっしゃった安全走行であったり、運転手の処遇であったり、様々な課題があることは承知しておりますので、今後これらの事例をしっかりと研究しまして、安全で安心して使われるような乗り物を導入できるように、しっかりと検討してまいりたいと考えております。

◆上野美恵子 委員  このライドシェアの検討の中で、全国的にはいろいろな意見があったんですけれども、利用者側からの1つの不安というか、高齢の方であったり、あるいは障がいを持った方などが本当に安心して大丈夫なのかなと。それは、外国でこのライドシェアがじゃんじゃん進んでいく中で、いろいろなトラブルとかもあったんですよね。そういうのがやはりあったので、国としてもなかなか遅々として進まなかったという面があるので、国のいろいろな検討の場においてもそういうのが紹介されて、簡単に進めていけばそういう方たちの不安が払拭されないのではないかという意見があったんですが、その点についての熊本市の認識はどうなんでしょうか。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  今、委員がおっしゃった高齢者であったり、障がいをお持ちの方、交通弱者の方々でも利用ができるように、そういった方々のことも念頭に置きながら、事例等を研究し、検討を進めてまいりたいと考えております。

◆上野美恵子 委員  利用はできるんですよ。だけれども、いろいろなトラブルも発生しているという事例がある中で、御本人さんたちの利用に対する不安をどう払拭していくのかという、そこのところがないと、実際やるところになって安心につながっていかないし、万が一トラブルでも発生すれば取り返しのつかないことになっていくことでもありますので、私は慎重な対応が必要なのではないかなというふうに思っています。
 やはりこのライドシェアそのものは、例えばさっきの運転手さんの処遇、簡単に一種免許しかない人も手を挙げて運転手ができるという中で、だったら、もう安上がりでそういう方たちに白タク的にやっていけばいいではないかというふうになってしまうけれども、でも、そのことは、はね返るタクシー業界にどういう影響がいくのかなというのもちょっと考えるんですよね。今、本当にタクシー業界で働く方たちの処遇というのは厳しいと思うんですよね。仕事がないと賃金はすごく安くなっちゃうし、今運転手足りないから結構忙しいらしくて、以前よりは少しよくなってきているという声も聞きはするんですけれども、すごく周りの状況に左右されやすくて、不安定な就労の面もありますので、そういう方たちの処遇というのが果たしてこういうライドシェアの導入によって相乗的にどちらもよくなっていくのかなと。逆に何か安上がりでできる方法もあるんだったらば、それでいいではないかという、そっちの方になってしまわないかという、そういう不安も私の中にはあります。
 だから、慎重な検討もやってほしいし、何か交通局には大変申し訳ないけれども、今日も陳謝で始まりましたが、やはり交通局で事故がいっぱい起こっているのも、1つには運転手さんみんなが嘱託になってしまって、本当にそれが働く意欲につながっていくのか、責任感につながっているのか。そういうことも問題になる中で、上下分離をして正規職員になってやっていきますから、そうしたら、少しは改善していくでしょうということで、上下分離が計画されてきたこと等を考えるなら、やはりそういう規制緩和の中でライドシェアという形で簡単に、二種免許を持たない人でも人を運ぶ、命を預かる運転手をやっていけるみたいなそういう規制緩和が公の業務の中に入り込んでくるということは、何かすごく怖い面があるのではないかなというふうに思うんですよね。
 やはり事故になったときの責任はどうする、事故なんてあってはいけないけれども、でも、公の事業だって、そういう処遇が悪くなっていくような中で事故が多発するわけだから、ましてやそういうライドシェア的な、そういう規制緩和の産物としてのシステムの中で、実態、何が起こっていくのかというのを考えると、後の次の項目でもまたこの公共ライドシェアということが出てきますけれども、この問題はそんなに簡単に進めてはいけないなというふうに思っています。
 特に熊本市は市長も入っておられる、活力ある地方を創る市長の会という、この会が自治体のライドシェアをかなり強力に進めていきたいということでお勉強会なんかも丹念にされてきて、そして、こういうライドシェアが全国に広がっているという現状を見ると、本当にそれが、この発想が地域から、利用者から、住民から、市民から出てきたものなのか、それとも、どこか上の方から出てきているものなのか、そういうのもしっかり見ておく必要があるのではないかなというふうに思っています。
 確かにこの公共交通を考えるときに、面的なコミュニティ交通というのはすごく大事だと思うので、今後拡充していかれると思いますけれども、安易な規制緩和路線に走ってしまっては、ちょっと危ないのではないかなという認識が私の中では消えませんので、ぜひ今後慎重なる検討をお願いしておきたいと思います。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  今、委員おっしゃるように公共ライドシェアの導入がタクシー業界、民業圧迫にならないように、また、そういったタクシー運転手さんの処遇に影響がないように、バランスを考えた制度設計が必要かと考えております。しっかりとタクシー業界の意見も聞きながら制度設計を進めるとともに、安易ではなくて、慎重な検討を進めたいと考えております。
 以上でございます。

◆上野美恵子 委員  慎重な検討とはおっしゃるけれども、実際はもう資料に書き込んであるということ自体があんまり慎重ではないのかなというふうに私は受け止めていますので、この点については局長のお考えも聞いておきたいと思います。局長の答弁を求めます。

◎秋山義典 都市建設局長  タクシー事業者もバス事業者もやはり運転手不足というのが懸念される中で、公共ライドシェアに期待するところは、我々も検討が必要だと考えておりますけれども、先ほど徳田課長も申しましたとおり安全面の課題でありますとか、ドライバーの方の処遇面、あと、タクシー事業者との役割分担といったところで非常に慎重に丁寧に検討を進めながら対応していく必要があると思いますので、タクシー事業者をはじめ様々な関係者と協力して、ノウハウも共有させていただきながら検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上です。

◆上野美恵子 委員  ありがとうございます。ぜひ慎重にお願いしたいと思います。
 それから、もう一点、今後のコミュニティ交通のサービスの拡充も含めて、要するにサービスを提供するために利用者負担というのがあるかと思うんですけれども、前回のこの地域公共交通に関する特別委員会の中で意見陳述人で来られた溝上先生がお述べになりましたように、やはり今あまりにも公共交通に対する予算が少ない中で、この公共交通の将来について私たちは議論しているのかなというふうに思っています。そういう意味では、このコミュニティ交通だけではなくて、コミュニティ交通と関連していくバスであったり、あるいは軌道であったり、いろいろな面からそれらが相乗的に関係を持ちながら市民の足となって、不便地域がなくなっていく。より誰でもがどこにいてもきちんと移動できるような権利が保障されるような、そういう公共交通になっていくためにも、やはりこういう検討の中で、もっと公共交通に対してきちんと財政も確保していかないと駄目ではないかなと思うんですよ。
 全てを不効率にやってくださいと言っているつもりはありません。効果的、効率的にやってほしいと思っています。ですけれども、やはり拡充していく、全市的に本当に不便地域をなくしていく、公共の交通を広げていくためには、やはり一定の、これまでずっと道路事業にかなりのお金を使ってきている一方で、公共交通に対する財政というのはすごく少ないですよね。今度の補正予算でも減災防災と国土強靭化ということで道路事業には35億円ぐらいの追加の補正が出ているけれども、公共交通はコの字も見えないというか、何もないですよね。
 やはりそういうふうにとても大事な分野だと言いながら、あまりにも予算が少なすぎるという中で、私たちはもっと充実してくださいという議論をしなきゃいけないというのが一番しんどいところです。これについては、今日に限らず、やはりこの特別委員会の議論の全体を通して、その点も熊本市として予算も確保し、いつでも満額とはいかないかもしれないけれども、私たちがこうあってほしい、あああってほしい、市民の足を確保したいというそういう願いに沿って充実を求めるときに、それに近づいていくような予算が伴ったお話ができていくように、市としてもお考えいただきたいなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

◎大川望 交通企画課長  前回、前々回来御意見をいただいているところでございます。私どもといたしましても、第2回、第3回くらいだったでしょうか、先ほどの振り返りの中でも触れましたとおり、これまでの行政の関与の在り方といいますか、これを従前のものから新しい形にシフトしていかないと、この公共交通を維持できないんではないかというのは我々の課題認識としても御提示を差し上げたところでございます。その在り方がどういうふうになっていくかというものにつきましては、しっかりとここの特別委員会の中にもお示しをしながら、御審議いただきながら進めていきたいというふうに考えてございます。
 以上です。

◆上野美恵子 委員  ありがとうございます。
 それでは、熊本市の政策的な問題としてこの公共交通を考えるときに、今の財政も含めて、本当に公共交通の位置づけが熊本市のいろいろな施策の中でどうあるべきか、政策局長にお尋ねいたします。

◎三島健一 政策局長  長い歴史の中で、これは原理原則、一般論的なことをまず私の方からお答えしたいと思いますけれども、公共交通は基本的に受益者負担ということで長い歴史の中で位置づけがあってきたのかなというふうに基本的には考えております。例えば市電の料金設定につきましても、かかる経費がこれだけあると。それを賄うための料金設定ということで、受益者負担ということで料金の今回値上げということでの案を御提示させていただいているところかと思います。
 ただ、一方で、一定の公費負担というのももちろんルールとしてございます。これはいわゆる繰出基準というのがございまして、国の方で一定のルールを定めて、一定の額については公費で、これは公共性の部分に着目をした公費負担というのがルールとして定められている。また、一部ルール外で、市が単独で公費、一般財源を投入しているのもあるというのが今の現状かと思います。原理原則として受益者負担で賄う。ただ、一部公益的な部分、公共的な部分に着目して公費負担もあるというのが今の現状、長い歴史の中で培われた今の公共交通に対する財源措置の考え方かと思います。
 今の委員の御意見といたしましては、長い歴史の中で培われて今に至っているこの料金設定の考え方をより公費負担の部分を今後増やすべきではないかというふうな趣旨の御発言かと思います。今、交通企画課長も今後の御議論の中でそういう課題認識も持ちながら、少し時間をかけて、我々としても公費負担の在り方について整理させていただきたいと思いますし、またこの議会の中でも引き続き御審議いただければというふうに思っています。すみません、答えになっていないかもしれませんけれども、現状の私の認識としてはそういう認識でございますので、御理解いただければと思います。よろしくお願い申し上げます。

◆上野美恵子 委員  政策的な位置づけを聞いたんですけれども、何か財政局長みたいな答弁だったので。

◎三島健一 政策局長  失礼しました。そういう公費負担の在り方について、政策的にどこまで公費で認めるのかということについて、引き続き御協議させていただければという認識でございます。

◆上野美恵子 委員  確かにこれまでそういう考えだったかもしれません。受益者負担だったかもしれないけれども、これからの時代はやはり公共交通をどう位置づけていくのか、そこのところは大きく変わっていくんではないんでしょうか。でなければ、やはり私たちが特別委員会をつくって、本当に車からもっと公共交通に乗り換えていきましょうよ、環境の面でも福祉の面でも、いろいろな面で効果のあるこの公共交通が歴史、時代の流れの中で大きな位置を占めていく、今そういう分岐点にあるのかなというふうに私は思っています。だから、確かに今まではそうだったかもしれないと局長自身もおっしゃったかもしれないけれども、私は政策的な位置づけの中で公共交通というものをもっと上げていただいて、それに見合った市としての公的な支援の確保というのをぜひ検討していただきたいなと思っています。
 そうしていかないと、結局なぜバスが厳しいのか、いろいろな、タクシーが厳しいのかというのを見ていると、民間任せだったからですよ、事業者任せだったからですよ。だから、厳しいんですよ。もうそれでは立ち行かない時代になっているから、今、公がどこまで支援をしていくのか、拡充していくのか、問われる時代になっているんではないんですか。でなかったら、公共交通は廃れるばかりですよ。それが問われていると思いますよ。だから、私は政策局に聞いたんですよ。そこの位置づけをぜひ上げていただいて、全てが全て公でできることではないと思います。やはり事業者の経営努力は当然あってしかるべきだと思いますけれども、やはりそれと公が一体となって利用者の足を守っていく、そういう立場でこの公共交通を議論していただかないと、ここの場の議論というのは前には向いていかないということを私の方から申し上げておきますので、よろしくお願いいたします。

田中敦朗 委員長  そのほかありませんか。

◆村上誠也 委員  すみません、3ページのコミュニティ交通の導入基準とサービス基準の調査、整理が令和6年度中に実施というふうに書いてございます。そして、今年度から来年度にかけて、サービス水準の案を作成ということになっておりますけれども、この範囲、このサービス水準の見直しという段階で、現在、例えば西南部でありますと、この運行エリアの見直しとか、そういったところも含まれて見直しをしていただけるんでしょうか。まずそれをお尋ねしたいと思います。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  今年度から来年度までにかけて、そういったエリアの見直しを伴うような基準になりましたら、そのあたりも含めて既存のエリアについても見直しを行っていきたいというふうに考えております。

◆村上誠也 委員  ありがとうございます。
 今、私の方の地域でも乗合タクシーとAIデマンドタクシー両方走っている地域がございますけれども、乗合タクシー自体をもう廃止されているんではないかと思われている地域もかなりありまして。この番号でいきますと13番の畠口乗合タクシーというのがもう今年度1人というふうに記載もされておりますし、なかなかもうないものだというふうに思われている地域もあります。この辺からいきますと、やはりどうしてもこの見直しの中でもありますように、病院とかに通われる方々がAIデマンドで行きはいいんですけれども、帰りがなかなか何時になるか分からない。となると、もう帰りがストップされてしまういうふうな不便性を感じられているというところも、結構私も地域の方と話しながら、そういう話題が出てきます。
 そういうところの見直しも、それが出てこないと、なかなかこれを使うということが難しいと言われる場合もございますので、ぜひこの範疇もしっかりと見直しをしていただいて。買物であれば、その時間帯に帰るということはできるのかもしれませんけれども、なかなか医療機関となると、思った時間よりもやはり長くかかって、帰りの運行になかなか間に合わない。ですから、もう個人的にもタクシーで帰られるといったことをされている方もやはり結構いらっしゃるようですので、そこのところも含めてしっかり検討していただければというふうに思うところです。
 以上です。

田中敦朗 委員長  ほかにございませんか。

◆藤山英美 委員  市に移動円滑推進課をつくられたのは、本当タイムリーだと思うんですよね。そうして、このコミュニティ交通の件ですが、公共交通空白区間等において鉄道、路線バス等との接続ということをうたっておりますけれども、この実績を見ますと、7年目になっておりますけれども、大体運行便数と利用者数があんまり変わらないような内容になっておりますし、この中で、次の資料の都-1、これでも費用対効果というのが出てきているんですけれども、かなり厳しい内容だと思います。
 そのような中で令和6年度、今年度に、導入基準とサービス水準の素案といいますか、たたきを作成して、コミュニティ交通の導入等を実施予定と書いてありますけれども、これは本当に厳しい内容ではないかなという思いがありますけれども、今後の計画について、よかったら聞かせてください。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  今後につきましては、3ページ目にも記載をしておりますが、今年度はサービス水準等につきまして、現在運行しているAIデマンドタクシーの2地域、そして乗合タクシーの22路線、これらの運行状況でありましたり、他都市の状況等を調査しまして、それらの基準について具体的に検討してまいりたいと考えております。本市の役割としましては、公共交通空白地域との移動手段をしっかりと確保していくということが至上命題だと考えておりますので、そのような観点をしっかり持ちながら検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆藤山英美 委員  このコミュニティ交通サービスのほかにも、熊本日日新聞さんが移動の足を考えるということで連載しておられます内容についても、いろいろ問題点が指摘されておりまして、この公共交通の空白地域においての問題というのは大変だと思いますけれども、一つ一つ解決しなければならない問題だと思います。なかなか自家用車が普及してから、そういう過疎といいますか、空白区間ができてきたというのもありますし、都市部でも今後いろいろと考えていかなければならないのがあると思いますので、またその問題が出てきたときに議論していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 以上です。

田中敦朗 委員長  ほかにございませんか。

◆井本正広 委員  すみません、今の関連で、くどいようですけれども、3ページ、今年度たたきをつくられます。最終的にはコミュニティ交通の新規エリア導入、既存コミュニティ交通の見直しとありますけれども、大体の時期はどのくらいで考えられているんでしょうか。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  来年度の地域公共交通計画の中にこういった水準の方向性を位置づけることになりますけれども、同時並行でそういった新たな導入エリア等については検討できると思いますので、スピード感を持って検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆井本正広 委員  ありがとうございます。
 では、早ければ、もう来年度中に新規エリアで導入があるかもしれないとということですね。ぜひスピード感を持ってよろしくお願いします。

田中敦朗 委員長  ほかにございませんか。

◎大川望 交通企画課長  先ほど上野委員からお尋ねのありましたフィーダー系統、メインの路線につなぐところについての補助ですけれども、やはり国の補助については政令市については対象除外というところの制度でございました。委員から御指摘ありましたとおり、そういった足りないところは国の方にもしっかりと御支援を仰ぎながらというところも併せてしっかりと検討してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。

田中敦朗 委員長  ほかにございませんか。
        (発言する者なし)

田中敦朗 委員長  ほかになければ、以上で「目指す地域公共交通の将来像の具体化について」の質疑を終了いたします。
 次に、「次期地域公共交通計画の策定に向けた取組について」、執行部の説明を求めます。


◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  資料都-1をお願いいたします。
 AIデマンドタクシーによるこども送迎支援の社会実験の状況と今後の取組の方向性について御報告いたします。
 1ページ目を御覧ください。
 令和4年11月から、表記の10校区におきまして、小中学生を対象に塾等への送迎をAIデマンドタクシーで行う社会実験を行っております。社会実験は、子育て世代のニーズと負担軽減の効果を把握、事業展開に係る費用と移動サービスとしての効率性について検証、全市的な事業展開に伴う課題を整理するために行っているものでございます。
 まず、運行概要につきましては、運行時間は平日の15時から22時、乗降所は会員の自宅並びに塾等の92か所、ジャンボタクシー2台で運行、料金は1人1回100円となっております。利用実績は、令和5年度実績では1日平均22人利用があるものの、同時乗車人数は1.4と低い結果となっております。
 中段の事業経費につきましては、利用者1人当たりの費用が約2,900円と割高となっている状況でございます。
 下段の利用状況につきましては、校区内の利用対象者が約9,500人に対しまして、約5%の515人が会員登録をしております。そのうち利用をしているのは230人弱で、うちハードユーザーは150人弱となっております。
 2ページ目を御覧ください。
 ここでは、先ほどの3つの観点から検証した結果を整理しております。1つ目は、ニーズと負担軽減の効果について把握したものでございます。1日平均20件以上の安定した利用がございまして、アンケートでも約9割が週1回以上の利用意向があると回答しておりまして、送迎支援のニーズがあることが確認できたところでございます。また、6割の方が送迎の負担が減ったと回答しておりまして、負担軽減の効果についても確認ができたと考えております。
 2つ目は事業展開に係る費用と移動サービスの効率性について検証を行いました。運行の収支率が約3%と非常に低いことから、現行の料金100円では本市の財政負担が大きいと考えております。一方で、利用者アンケートでは約8割の方が300円以下の料金設定を希望しております。しかしながら、持続可能な運行を確保するためには適正な料金設定の検討が今後必要ではないかと考えております。
 また、移動サービスとしての効率性についてですが、同時乗車人数が1.4と低い結果になったのは、短時間で集中する移動需要と、乗降所が広範囲に多く点在していることから、乗り合わせルートをマッチングできなかったことが原因と考えておりまして、乗降所の集約等について再検討する必要があると考えております。
 3つ目は、全市的な展開に向けた課題でございます。今回の社会実験では、タクシー運転士4名程度の体制で運行をしております。これを基に全市展開に必要な人数を試算しますと、新たに30名以上の運転士が必要と考えております。これにつきましてタクシー協会にヒアリングをしたところ、TSMC関連で需要が増加する一方で、運転士数はコロナ禍までの水準までは戻っていない。このような状況から、日本版ライドシェアについても運行を開始しているというような御意見でした。また、本市の乗合タクシー及びAIデマンドタクシーにつきましても、運行はタクシー運転士に担っていただいておりますが、その確保にも苦慮していると聞いております。
 3ページ目を御覧ください。
 今後の方向性についてでございます。実証実験を経まして、課題はございますものの利用者のニーズも高く、子育て支援策として一定の有効性は確認はできたと考えております。一方で、現在の運行はタクシー事業者に頼っておりまして、全市的な展開は運転士確保の観点から課題があり、このままの体制では安定したサービスを提供できない懸念がございます。社会実験につきましては、一定の効果と課題が把握できたことから、令和6年度末をもって終了したいと考えておりますが、今後、運転士不足の課題に対応するために、地域団体等の一般ドライバーが運行を担う公共ライドシェアの仕組みを活用した全市的なサービス展開について検討を進めたいと考えております。
 公共ライドシェアにつきましては、先ほども御説明しましたが、タクシー事業者が運行している日本版ライドシェアとは異なり、行政やNPO法人、地域団体等が運行を行うものであり、現在、鳥取など日本各地で多く運行されております。もともと存在していた地域の助け合いの文化を活用して取組を進めていきたいと考えております。
 今後のスケジュールについてですが、社会実験につきましては終了告知を経て3月末に終了したいと考えております。公共ライドシェアにつきましては、来年度中をめどに方向性等について整理をできればと考えております。
 説明は以上でございます。

◎吉岡秀一 交通局総務課長  資料交-1をお願いいたします。
 上下分離導入の延期について御説明させていただきます。
 まず、背景・経緯でございますが、今年の8月に開催しました市電の開業100周年記念式典におきまして、運行トラブルが続発していることを受けまして8月1日を安全運行誓いの日と定めましたが、それ以降も4件のインシデントが発生するなど、安全の再構築には程遠い状況となっております。
 対応についてでございますが、この安全の再構築を担保するため、国からの改善指示事項、あるいは外部検証委員会の最終報告といったものを踏まえまして現在作成を進めております軌道運送高度化実施計画については内容を再精査することとなりました。この計画の国への申請が遅れますことで、来年4月に予定しておりました上下分離導入も延期せざるを得ない状況となりますが、公共交通の使命であります安全を確保するため、やむを得ず市長の方が判断されたというものでございます。
 高度化計画の精査内容についてでございますが、繰り返しになりますが、国からの改善指示事項や外部検証委員会、こういったものの最終報告を踏まえまして、既存の計画に安全に係る取組、考え方等について適宜内容を反映させてまいりたいと考えております。
 最後に、処遇の改善についてでございますが、乗務員等の処遇改善につきましては、上下分離導入に先行して進めてまいりたいと考えております。具体的には、給料表の拡充、扶養手当、住居手当といった新たな手当を支給することによりまして、公社化して正規職員として雇用した場合と同程度の給与水準となるように改善してまいりたいと考えております。ただし、身分は会計年度任用職員のままと、これについては変わりませんので、雇用環境の改善を図るためには、やはり上下分離を導入しまして、公社で正規職員として雇用することが必要でございますので、これの方は最小限にとどめるように進めてまいりたいと考えております。なお、今回の処遇改善につきましては、条例、予算が関係してまいりますので、今後、都市整備分科会・委員会の方で御報告させていただければと考えております。
 説明は以上でございます。

田中敦朗 委員長  以上で説明は終わりました。
 それでは、ただいまの説明に関して質疑及び御意見等をお願いいたします。


◆井本正広 委員  AIデマンドタクシー、1点状況の確認をしたいんですけれども、利用状況は先ほどありましたけれども、実際に予約をして、断った件数というのは分かっているんでしょうか。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  予約で断られた人数までは把握ができていない状況でございます。といいますのも、これはネットだけで予約を受け付けておりますので、アクセス数は分かりますが、実際に断られた具体的な数までは承知していないところでございます。

田中敦朗 委員長  ほかございませんか。

◆齊藤博 委員  答えにくい部分でもあるかもしれませんが、あえて1点お尋ねしたいんですが、例えばAIデマンドタクシーのこども送迎支援ということで、事業経費が資料都-1に載っております。運行経費が1,600万円かかったと。お一人100円ということですから、54万円、収支率が3.3%ということであります。これ、ほかの乗合タクシー等々もそうなんですけれども、先ほどから出ておりますとおりどこまで公が負担していくのかと。答えにくいかもしれませんが、あえてこの収支率という形に直すと、3.3%、大変やはり低い収支率と言わざるを得んのですけれども、公で負担する収支率のめどというのをどの程度、例えば、公でやろうというようなことになり得るのか、そればかりではもちろんないと思うんですけれども、何かそういう考え方といったようなものをお示しいただけるのであれば、お答えいただければと思いますが。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  少し戻りますが、先ほどのコミュニティ交通の中でも収支率等は今後検討していきたいと考えているところでございます。これは他都市事例等を見ながら、また、本市の財政状況等も踏まえて決める必要があると思います。ただ、このコミュニティ交通と子育て支援につきましては目的が異なるものでございます。コミュニティ交通につきましては空白地域への支援、こどもの送迎支援につきましては子育て支援と、少し目的が違うものでございますので、そのあたりが収支率にどのように影響してくるかは、またこの特別委員会や公共交通の協議会等で議論させていただければと思っております。
 以上でございます。

田中敦朗 委員長  そのほかございませんか。

◆上野美恵子 委員  今の続きみたいな話なんですけれども、もともとこの社会実験をやってほしいという声はどこから出てなさった事業だったんですか。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  まず初めに、コミュニティ交通として当時、西南地区で社会実験を行っておりました。そういった中で、そういったAIデマンドタクシー、交通を通じた社会的な何か支援ができないかと考えたときに、やはり身近で子育て等送迎支援とか、不便にされているというような話も聞きつつ、新たな取組として提案をしたというふうに聞いております。
 以上でございます。

◆上野美恵子 委員  今聞いておりますと言われたんですけれども、どこから聞かれたんでしょうか。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  すみません、ちょっと表現が適切ではございませんでした。昨年からしておることから、そういった表現を使ってしまったんですが、そういった方向性で取組を進めております。

◆上野美恵子 委員  これは、だから、一応、市としては子育て支援に役に立つかなと思ってされたけれども、実際、現場から絶対やってくださいというふうな御要望が出発点とかではなかったんですかね。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  地域からの強い要望というよりも、私たちの取組の中で政策連携といいますか、AIデマンドタクシーを通じた子育て支援にも活用できるのではないかということから始めたものでございます。

◆上野美恵子 委員  さっき齊藤委員からも収支率という、私は公的支出を増やしてもいいというふうに思っているけれども、確かに3.3%というと経費の割には、事業としてはちょっと厳しい制度だったのかなというふうに思って、今年度末でこの実験自体は終了して、新たな検討段階に入っていくということになると思うんですけれども、やはり子育て支援ということであるのなら、出発点がこどもを持つ方たちの強い御要望とか、そういうところから始まっていけば、結果的にも少し違ってはいなかったのかなという気がするんですよね。
 なさった地域が山ノ内とか住宅街の多い地域なので、子育て世代も多いところで地域の選定もされたのかとは思いますけれども、何かちょっと行政の思いと、子育てをなさっている方たちの本当の願いというところがマッチしていたのかということを、できればこの実験が一旦終了するに当たって、検証されたほうがいいのかなというふうに思います。それはもうお金の問題とは別に、きちんとそういう制度としての目的とか、マッチングしていたのかということの検討をぜひやってほしいなというふうに思っています。
 今後の方向性ということについては、なかなかタクシーの運転手が足りない中でこの制度を存続していくためには、さらなる全市域的ということなんかも視野に入れれば、かなりの人員、タクシードライバーで言えば30人とかいう人数が必要になる中で、さっき私が問題ではないかと言った公共ライドシェアというような手法も視野に入ってくることを思えば、ますますすごく不確実な安全管理の中にこどもたちという分野にそれを活用していくということがどうなのかなということは、今、本当にこどもたちを取り巻く状況というのが一昔前とは大きく変わっているので、それこそより一層慎重に考えていったほうがいい課題かなというふうには私は思っています。
 だから、一旦その実験は終了するということでありますので、やはりそういう、この事業の費用がどうだったとかいうことはもちろん目に見えて分かることですけれども、なかなか目に見えていない部分で本当に事業がどうであったのかということについて検討していただいて、できればこの公共交通の委員会の中に、私たちも何か問題意識を持って今回報告を聞きましたので、その報告を聞いた上で、またしかるべき御意見も申し上げていければいいなというふうに思っていますので、どうでしょうか。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  今回の取組は我々からのアプローチでありましたけれども、この社会実験を通じましてニーズであったり、効果につきましては一定程度は把握ができたかなというふうには思っておりますが、ただ、今、委員おっしゃるように、やはり公共ライドシェアであったり、そういった取組の中ではやはりこどもの安全性という観点から、不安であったり、抵抗感を示される方もいらっしゃると考えておりますので、具体的な今後の本格導入に当たっては、様々な声を広く聞きながら進めていければというふうに思っております。よろしくお願いします。

◆上野美恵子 委員  本格実施という前に、まずはその検討結果というのをここの場に御報告いただいて、皆さんの御意見を聞くというのが一番かなというふうに思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。

田中敦朗 委員長  ほかにございませんか。
        (発言する者なし)

田中敦朗 委員長  上下分離の延期等はいいですね。
 では、次に、財団法人の経営状況に関する報告1件及びその他報告1件の説明を求めます。


◎吉岡秀一 交通局総務課長  資料交-2をお願いいたします。
 報第57号、一般財団法人熊本市公共交通公社の経営状況について御報告いたします。
 一般財団法人熊本市公共交通公社につきましては、市電の運行業務を担います上物法人として今年の7月1日に設立をしておりますが、理事会の開催時期の関係上、9月議会の報告に間に合わなかったため、今議会で御報告させていただくというものでございます。なお、上下分離移行前でございますので、準備期間としての事業報告となります。
 初めに、令和6年度事業計画でございますが、(1)の法人立ち上げに係る業務としまして、法人職員の募集に関する業務やPC環境の構築に関する業務等を記載しております。
 次に、(2)の法人運営に係る業務としまして、理事会等を開催する業務や経理業務等の支援に関する業務等を記載しております。
 次のページをお願いいたします。
 こちらが公社の令和6年度予算を記載している箇所になります。収入としましては、熊本市の交通局からの出捐金6,400万円となります。支出としましては、先ほど御説明いたしました事業を行うのに必要となる人件費として1,500万円、法人立ち上げに係る初期費用や運転資金としての管理費としまして4,600万円、それと、法人の基本財産としての300万円、これらの合計6,400万円を支出として計上いたしております。人件費につきましては、11月1日より公社の職員としまして事務職員3名、技工職員1名、12月1日より技工職員1名を雇用しておりますほか、今年度中に残りあと4名の技工職員を雇用開始する予定となっております。
 上下分離につきましては延期せざるを得ない状況となりましたが、この間を習熟期間としまして、よりスムーズな移行につなげてまいりたいと考えております。
 御報告は以上でございます。

◎荒木敏雄 運行管理課長  資料交-3をお願いいたします。
 信号冒進(インシデント)についてでございます。
 期間内に2件発生しておりまして、1件目が11月9日土曜日になります。九品寺交差点において、運転士の信号誤認による信号冒進というのが発生しております。
 1番、事業の概要の経緯をお願いいたします。
 早朝、九品寺交差点で信号待ちをしていた市電の方が、交通信号が赤に加えて左青矢印信号を追加現示したのを見て、進行を開始したものです。運転士は信号誤認に気づかず、そのまま進行し、交通局の方まで帰ってきております。後からドライブレコーダー映像で状況を確認したところ、信号冒進が確認されたものです。原因としては、運転士による信号誤認ということになっております。
 2番、再発防止策をお願いいたします。
 当該運転士に関しましては、1週間下車しての再教育、それと、全運転士に事案の周知を行いました。具体的には、発生当日に緊急ミーティングを実施しまして、また、その後、班長ミーティングというのを実施しまして、再発防止に係る意見交換を行っております。そこで、信号確認などの確認呼称の重要性を改めて確認したところです。続きまして、信号確認時の赤信号の消灯確認優先の意識づけでございます。11月1日就任の島田新安全統括管理者より、青がつくのを待つのではなく、赤がついていないかどうかを確認する意識を持つよう全運転士に指示しております。また、3番目として、7月1日にも全く同じ場所で同様の事象が発生したことを受けまして、信号等の周辺環境を踏まえた看板設置等のハード対策ができないか検討しているところでございます。
 続きまして、2枚目をお願いいたします。
 11月15日金曜日の発生分です。西辛島町交差点において、運転士が信号の故障と思い込み、交差点内に進行する信号冒進が発生しております。
 1番、事業の概要の経緯のところをお願いいたします。
 辛島町方面行の1356号車、赤の電車になりますけれども、こちらが西辛島町交差点手前にて待機しておりました。この交差点は、軌道信号という黄色い矢印が出る信号で進行する交差点でして、複数の電車が交差点を進行しようとする場合には、交通信号が青のときに先に進入した電車を優先として軌道信号が現示される仕組みとなっております。当該車両が交差点に進入する際には、既に上熊本行きの車両1204号車、青の電車になりますけれども、こちらの方が先に交差点に進入しておりまして、上熊本行きの上り側に優先権があった状態でした。しかしながら、当該車両1356号車からは、交差点を挟んだ上り側の状況というのは確認できなかったため、運転士は信号故障のため軌道信号が現示されないものと思い込みまして、交差点内の安全の確認の上、電車を進行させ、交差点内の信号が全部赤となる間に通過したものでございます。
 原因としましては、運転士が信号故障と思い込み、交差点内に進行したものです。
 2番、再発防止策をお願いいたします。
 こちらも先ほどと同じく、当該運転士の1週間下車しての再教育及び全運転士に対して事案の周知を行っております。島田新安全統括管理者から、信号の現示に疑義がある場合には決して思い込みで進行せず、無線を入れて指令に従うよう、また、今回、上熊本行き車両1204号車のように、優先権を持ったまま信号停止してしまった場合には、周りの電車や指令に無線を入れて知らせることを厳守するように改めて指示をしたところでございます。
 説明は以上でございます。

田中敦朗 委員長  ただいまの報告に対し質疑及び御意見等はございますか。

◆上野美恵子 委員  安全統括責任者の方が御就任なさって早々にすぐインシデントが発生したということで、大変残念なことだと思っています。ぜひ再発防止により一層努めていかれることを願っておりますが、せっかくいらしておられますので、前、交通局にもおられた安全統括責任者の方におかれましては、こういう1月以降もう十数件こういう事態が続いている今の運行の現状についてどのように認識されておられるのか、就任早々からの相次ぐ事故の発生についてどう受け止めて、今後当面どうしていくのか、長期的にどういうことが交通局にとって重要なことなのか、経験をお持ちの方の立場から、ぜひこの場で御意見を伺いたいと思います。

◎島田裕士 交通局首席審議員  今回の事案についてもしかりですけれども、以前、今年に入りまして発生しております数々のインシデント、重大事故というものに対しては、やはりほとんどが確認不足というものです。思い込みというか、そういったものの定義づけ、自分が何をしたらいいのかというのがちょっと漫然としているところが見受けられております。この最初の11月9日のインシデントにつきましても、自分が赤信号ではしっかり止まっております。待っておるんです。なのに、ちょっと漫然とした、注視力が怠っているために、赤い信号の横にある青い矢印の信号、赤の中に青色が入ってきて、青色を待っているという感覚なんですね、運転士にとっては。それにとって、青色がついたということで、もう単純に進行してしまっている。
 何をしたらいいのかというのは、赤信号が消えて、何が次が出たのかという確認不足、そういった、自分が何をしていいのかというのが欠落しているところが多々見受けられております。そういったものを、何でそういうふうになったのかという、そういう運転士の深層心理、そういったところもちょっと深掘りして、なぜそういう行動が起こるのか、起こしてしまうのかということを本人が認識できるような形で話し込んで、進めてまいりたいと思っております。
 数々の不祥事といいますか、インシデント、そういったものに対して、私がおりました時代でもゼロではないです、正直。ただ、続かないような形でみんな頑張っていたところでございますけれども、そこら辺の意識の統一性、そういったものを強く認識させていければ、そしてまた、それが続けられるような考え方を身につけてほしいなというふうに指導してまいりたいと思っております。
 以上です。

◆上野美恵子 委員  ありがとうございました。
 やはりおっしゃったように、私たちも報告を受けるたびに、もう本当に初歩的な確認不足というか、なぜそういうのが繰り返されるのか、もう不思議でしようがなかったんですよね。だから、今、安全統括管理者からおっしゃったように、やはりなぜそういうふうになったのか、運転士さんお一人お一人の心理的な状態とかも深掘りをして、そこを一つ一つ改めていって、そして、いらしたときもゼロではなかったけれども、少なくともこんなふうに続けては起こっていなかったというふうにおっしゃった。やはり事故というのはあってはならないものだから、もう本当たまたまなんですというふうな、せめてそんな状況にまでは持っていけるように、ぜひ交通局挙げて頑張っていただきたいなと思っているし、私たち議会もしっかりそれを応援していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

田中敦朗 委員長  ほかにございませんか。

◆齊藤博 委員  改めて信号冒進のインシデントについてお尋ねをします。一般質問の方でもあえて、所管の委員ではありましたけれども、言わせていただきました。市民の皆さん方も大変心配されていらっしゃる。公共交通機関の責任ということで、安全運行について非常に関心を持っていただいている方も数多くいらっしゃるだろうと思います。もう二度と起こさんようにぜひ御尽力いただきたいと思いますが、先ほどから出ておりますとおり、11月9日に、恐らくこれ、当日か翌日に緊急ミーティングを行っているんですよね。その後、もう一週間たたないうちに次の信号冒進がまた出たと。
 ちょっと細やかなところではあるんですけれども、毎度こういう形で再発防止策の御提示がそれぞれあるんですけれども、この例えば緊急ミーティングを実施したその日、そして、班長ミーティングも実施した。その際に、再発防止に係る意見交換をやったということであるんですけれども、今お答えいただける範囲で結構ですので、結果としてそれぞれの再発防止に係る意見交換が、1週間後に結果としてはまた起こしてしまっているわけですから、その効果がどうだったのかと言わざるを得ないような状況ではあるんですけれども、どういう意見交換がその中でなされたのかというのは、確認できる範囲で結構ですから、教えていただきたいと思います。

◎荒木敏雄 運行管理課長  委員お尋ねの緊急ミーティングというのは当日の夕方に行いまして、その後に班長ミーティングが二、三日後だったかと思いますけれども、12名おります班長を集めて班長ミーティングというのを行いました。そういった中で、基本的には確認呼称、信号よしだとか、ドア戸閉めよしだとか、そういったところの確認呼称が大事ですよというのを繰り返し言う中で、またそのときもお話しさせていただいて、そうするためには何をするかという意見交換というのをしたところでございます。
 やはりそのとき来ていた班長の方は比較的経験もあられて、意識も高い方が多くいらっしゃいますので、基本的にやっているということをおっしゃっておりました。それで、あとは班長さんの方から、その下に五、六人運転士さんがいらっしゃいますので、その班の中で展開してくださいと。班の運転士の中にはやらない人もいらっしゃるのかもしれませんので、そこは繰り返し伝えていただきたいということでお話ししたところでございます。
 以上でございます。

◆齊藤博 委員  事故といいますか、インシデントが結果として起こったので、決して揚げ足を取るわけではないんですけれども、班長ミーティングの二、三日後にあっているんですね。二、三日後ということは、班長ミーティングが終わった後の2日後ぐらいにこれまた信号冒進が発生しているということになるわけですよね。
 ちなみに、これも個人攻撃ではありません、事実だけ教えていただきたいと思いますが、11月15日に発生した運転士さん、これは班長さんですか、そうではないんですか。どちらでしょうか。

◎荒木敏雄 運行管理課長  経験は長いですけれども、班長ではございません。
 以上です。

◆齊藤博 委員  ありがとうございました。
 そういうところ、意思伝達がしっかりできていたのかといったようなところまで含めて、結果としては言わざるを得んような部分でもあります。ミーティングの持ち方であるとか、運転士さんの皆さん方への伝え方とかといったようなこともありますし、そこについては安全統括管理者、今後の施策のようなもの、せっかく今日お見えでございますので、何か具体的に今ここはこういう形で改善しているとか、例えばそういうところがあれば、改めて御説明いただければと思いますが。

◎島田裕士 交通局首席審議員  まず、11月9日の発生した後、私の方も含めて話しておるのが、このときの事案としては、先ほど申しましたように、ちょっと漫然と信号を見ている。自分が動きたいのを待っているという流れでの発生でございます。そういったところで、信号が何がついているのかという認識をしっかり持ってほしい。次に、信号は何がついたかというのをしっかり確認してほしい。それによって、何を自分がしなければならないかという確実な、明確な意識づけをきちんとしてほしいということで指導しております。
 その次の11月15日の発生の分ですけれども、今回この案件に関しましては、どちらかというと信号冒進ではあるんですけれども、その前に信号が出なかったという事象が1つ絡んでおります。この信号が出なかったという事象に関して、やはりこれも同じですけれども、思い込み、信号が1か月ほど前に故障が発生した経緯があったということ。その信号の故障によって黄色の矢印が出なかったという思い込みで、この場所の信号に対する運行の仕方といいますと、矢印がつくんですけれども、その黄色い矢印がつくタイミングというのが4方向全部赤のときにしかつかないんですね、条件としては。そういう条件の下で運行しているというのがあるという安全な空間がある思い込みです。
 その中で、全方向赤を選んで渡っているんですけれども、その前の段階、信号がつかないよというときに、確実に運転指令に報告していないというのが最大の要因でございます。報告していれば、信号が壊れているのか、進行していいのか、止まるのか、そういう指示が下ります。ですので、信号冒進をしたという結果ではありますけれども、その前の信号がつかない、見えないという条件を指令に報告していないというのが最大の要因になっております。そこの時点でミスが発生して、その後に続いて動いているという状況です。
 ですので、必ず何か疑義があった場合、分からない場合、問題が発生しているんではないかなという程度のものでも、運転指令に必ず連絡をしてほしいということを伝えております。その中で、動かないということも指導しております。今回の事象の中では、実際には1204号車という絵の中の右の青い電車が進行する予定で、この交差点の信号を優先して止めております。ですので、必然的に1356号車という下の赤っぽい色の電車というのは信号は出ない条件です。ですので、その条件が見つかっていないので動けないはずなんですけれども、1204号車という右側からの電車は、私は動けずにその信号を優先してしまっているというのが、連絡をしてほしいと。そうすることによって、周りの電車に進行としての流れをしっかり見て、連絡ができるということがありますので、そういったことも指導しております。
 ですので、最初の9日の案件と15日の案件、似ているようですけれども、ちょっと違うところがございます。別々の指導をしているということにはなっております。しかし、そうはいっても赤信号の中というか、矢印が出ていなければ進行できない。そこは間違いない。ですので、矢印が出ていることも確認する。先ほど申しましたように、赤信号で止まっているのは間違いない。黄色の矢印が出ているというのは、確実に出て動くというのが大前提ですので、そういった信号の見方、そういったのが決まりとして、先ほど課長が申しましたように、確認呼称というもので自分に言い聞かせて進行してほしいという指導をしております。
 以上です。

◆齊藤博 委員  ありがとうございました。
 ちょっと発言の中で気になるところがあったんですが、故障と思い込みという御説明が再三あっていますが、ここで実際故障の事案が一月ぐらい前にあったんですか。

◎島田裕士 交通局首席審議員  私が来る前なんですけれども、実際に故障というよりも、手動をするよというスイッチがございます。すみません、この1204号車はまっすぐに行く、左に曲がるというポイントがございます。まっすぐ行くのと左に行くという切替え機がございまして、そこの部分のセンサーがちょっと不具合があったようです。そのために、信号がつきにくいところがあったと。そのときは、実際にここに監視員の人を配置して、指導しながら故障を修理して、その後、不具合としては問題なく動いておった状況がございます。
 以上です。

◆齊藤博 委員  要は、それは不具合というのは故障だったんですか、それとも、人の手によっての誤操作のようなものが原因だったんでしょうか。ちょっともう一回いいですか。

◎島田裕士 交通局首席審議員  それはセンサーの部分の故障でございました、結果的にですね。

◆齊藤博 委員  そういう事象というのは、特段報告事項には当てはまらんわけですよね、委員会とか何とかというのは。もちろんそうですよね。事故もあってないのでということですよね。その手の故障とか不具合は、やはり結構多いんでしょうか。

◎島田裕士 交通局首席審議員  多くはございません。ただ、経年的にやはり劣化した部分がそういった故障というか、ついたり、消えなかったり、ついたりつかなかったりというような不具合を見つけまして、それを修理したという事例でございます。

◆齊藤博 委員  すみません、何回も。確認ですけれども、前回の一月前ぐらいの故障、その事象というのはどういう形で分かったんですか。実際にこのような状態として、信号が変わらないで、運転士さんが本部の方に通報されて、よくよく確認したら、これは信号壊れているぞというようなことだったのか、なぜそこで故障しているということが確認ができたのか、それはどういう形での経緯だったのか教えてください。

◎荒木敏雄 運行管理課長  そのときには、約1日ぐらいだったかと思いますけれども、信号が停止位置によってAラインとBラインと、上熊本駅方面か熊本駅方面か切り替わるようなポイントになっておりまして、止まっても信号が出なかったりだとか、逆の方向に出たりだとかいう事象が発生したというふうに聞いております。
 以上です。

◆齊藤博 委員  そういう信号の出具合のときに、運転士さんはその場でどうやって対応されていらっしゃったんですか。

◎荒木敏雄 運行管理課長  これ自体は、制御盤みたいなものが近くの交差点のところにありまして、そこで操作をするか、もしくはできないときには手でポイントのところに切替えする穴がありますので、そちらの穴に棒を差し込んで切替えするといったようなことになっております。
 最初発生して、頻度が何回かあったものですから、あとは先ほど島田首席審議員の方から話がありましたように、監督さんが営業所から向かって、もうつきっきりでそこの現場を見ていたといったような状況にございます。
 以上です。

◆齊藤博 委員  ありがとうございました。
 事案検証委員会ではないのでこの辺にしておきたいと思いますが、ただ、いずれにしても、というのであれば、これは僕もずっと車普通に運転しますので、信号の故障と思い込みというのが僕個人的には非常に違和感があったんです。信号の故障って、普通、車を走らせていて、信号機が壊れているなんていうのはまず発想すらしないというか、たまにはあるのかもしれませんけれども、なので、それを壊れているから進んだというところがどうも何か腑に落ちなかったんですけれども、今の御説明の中で、実際にそういう事象があったということなのであれば、分かってはいかんのですけれども、分からないではないなと。だけど、それはちゃんと報告して、僕しか認識がなかったということは多分ないと思うんですよね。そこの説明も踏まえた上で報告いただいたほうが、より今回のインシデント発生分についての理解が委員にも共通して深まるのではないかなというふうに思います。
 実際に1か月ぐらい前にこういう事象、壊れた事象があったんです。それも踏まえて、また運転士さんが再発したんだというような認識で発進したとするならば、大分また印象が変わってくるというか、検証の仕方もそれぞれあるんだろうと思います。現場はそれが当たり前だと思うのかもしれませんけれども、我々、市民も含めて、客観的にその辺の情報が正しく下りてこなければ、何でというのがまずやはり出てきますので、そういうところも含めて公表の在り方とかしていただき方とか、改めてお願いをしておきたいなというふうに思います。
 以上でございます。

田中敦朗 委員長  ほかにございませんか。

◆島津哲也 委員  すみません、このインシデントのことで、私も電力会社のときに、事故が起きたときにこういう事故が起こったときの資料をつくっていたんですけれども、やはり最終的に再発防止のところが一緒になったりとか、言い訳っぽくなることが多いんですよね。その事故を起こした方の聞き取りだけではなくて、例えば運転士さんが30人おれば、確認の仕方とかも30通り、30通りとは言いませんけれども、それぞれの確認があると思うので、こういう事故が起こったときの確認が、その事故を起こした方だけではなくて、運転士さんみんなに今どういう確認をやっているのかとか、どういうところを気をつけているのかとか、そういうのを聞かないと、同じ再発防止で、毎回のように同じことを書いているだけで終わってしまいそうな感じがするんですけれども、いかがでしょうか。

◎荒木敏雄 運行管理課長  運転の方の状況確認というのは、ドライブレコーダーの方で抜き打ち的に行っておりまして、その中で確認呼称だとかそういうのをやっていない人に関しては指導をするといったことをやっております。それとは別に、班会議だったりだとか班長会議とかいうところで、こういうのをきちんとやっていくためにはどうしたらいいのかというのを打合せしながら進めていっているところでございます。
 以上でございます。

◆島津哲也 委員  いろいろと、多分絶対なくすというのは難しいと思うんですけれども、やはり誰かが死んだから直るとか、誰かが大きな事故に遭ったから直るんではなくて、その未然に防止しないといけないので、そこを気をつけながら、これだけ続いているので、市民の方も多分非常に不安だと思いますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

田中敦朗 委員長  ほかにございませんか。
        (発言する者なし)

田中敦朗 委員長  それでは、このほか本委員会における調査項目の範囲において御意見等はございませんか。
        (「なし」と呼ぶ者あり)

田中敦朗 委員長  ほかにないようであれば、本日の調査はこの程度にとどめたいと思います。
 さて、本委員会においては前回、本市のあるべき地域公共交通について学識者から意見聴取を行ったところであります。今後、地域公共交通の将来像について調査を深めてまいりますことから、地域公共交通を担う現場の実情を把握するためにも、民間の交通事業者から意見聴取を行ってはどうかと考えております。そこで、次回の当委員会においては一般社団法人熊本市タクシー協会小山剛司会長を参考人として招致し、タクシー業界に係る現状と課題や今後の展望等について意見聴取を行いたいと思いますが、いかがでしょうか。

        (「異議なし」と呼ぶ者あり)

田中敦朗 委員長  御異議なしと認めます。
 それでは、次回の当委員会において参考人の意見聴取並びに質疑を行うことを決定いたします。
 次に、当委員会の行政視察について御協議願います。
 委員会の行政視察につきましては、委員派遣の手続が必要でありますことから、調査事項及び日程につきまして御相談させていただきます。正副委員長案としましては、令和7年1月29日水曜~31日金曜までの2泊3日の日程で、宇都宮市におけるLRTにおける公設型上下分離方式について、富山市におけるコンパクトシティとLRTについてを調査事項として実施したいと考えておりますが、いかがでしょうか。
        (「異議なし」と呼ぶ者あり)


田中敦朗 委員長  ありがとうございました。
 それでは、そのように決定いたします。
 協議事項は以上でございます。
 それでは、これをもちまして地域公共交通に関する特別委員会を閉会いたします。

                            午後 2時53分 閉会



出席説明員
 〔政 策 局〕
   局長       三 島 健 一    総括審議員    村 上 英 丈
   総合政策部長   黒 木 善 一    政策企画課長   松 永 直 樹
 〔財 政 局〕
   局長       原 口 誠 二    財務部長     濱 田 真 和
   財政課長     津 川 正 樹
 〔都市建設局〕
   局長       秋 山 義 典    技監       上 野 幸 威
   都市政策部長   高 倉 伸 一    都市政策課長   飯 田 考 祐
   交通政策部長   迫 本   昭    交通政策部首席審議員
                                濱 口 佳 久
   交通企画課長   大 川   望    移動円滑推進課長 徳 田 隆 宏
   移動円滑推進課市電延伸室長       自転車利用推進課長酒 井 伸 二
            大江田 真 宏
 〔交 通 局〕
   交通事業管理者  井 芹 和 哉    次長       松 本 光 裕
   首席審議員    島 田 裕 士    総務課長     吉 岡 秀 一
   運行管理課長   荒 木 敏 雄
 
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