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熊本市議会議員 たなか あつお

熊本市議会議員 たなか あつお

2024年12月09日 定例会

令和6年第4回定例会

令和6年12月9日(月曜)
┌─────────────────────────────────────┐
│ 議 事 日 程 第6号                         │
│ 令和6年12月9日(月曜)午前10時開議                │
│ 第  1 一般質問                           │
│ 第  2 議第305号 令和6年度熊本市一般会計補正予算        │
│ 第  3 議第306号 教育長の任命同意について            │
└─────────────────────────────────────┘
                            午前 9時59分 開議
○寺本義勝 議長  ただいまより本日の会議を開きます。
      ────────────────────────────

○寺本義勝 議長  日程第1「一般質問」を行います。
 田中敦朗議員の発言を許します。田中敦朗議員。
         〔30番 田中敦朗議員 登壇 拍手〕

田中敦朗 議員  皆さん、おはようございます。
 自由民主党熊本市議団の
田中敦朗でございます。
 もう何度目の登壇か分かりませんが、ここに立つたびに緊張する次第であります。
 本日は、私のためだけにお集まりいただきましてありがとうございます。特に、各区長さんは、中央区を除いて遠いところを来ていただきました。本当に感謝します。皆さんにとって、少しでも何かの学びになるような質問になればと思っている次第であります。
 また、極めてパーソナルなことでございますけれども、大西市長、お誕生日おめでとうございます。57歳ということで、骨折とコロナには十分気をつけて1年間お過ごしになられることを祈っております。
 それでは、結構原稿がたくさんございまして、時間も限られておりますので早速質問に入らせていただきます。
 VUCA時代の市役所についてお伺いいたします。
 VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取ったもので、物事の不確実性が高く、将来の予測が困難な状態を指す造語です。ここ数年の世界や社会を見れば、戦争、災害、気候変動、主要メディアの変容、AI、DXなど、目まぐるしい変化が起こっており、明日何が起こるか、何が変わるか、分からない時代に突入していると言えるのではないでしょうか。
 そこで、私はAIに、VUCA時代の自治体に求められることは何かを聞いてみました。
 その答えは多岐に及びました。詳細は省きますが、まず、柔軟な政策立案と実行、住民との協働と透明性の確保、リスクマネジメントの強化、持続可能な発展の追求、デジタルトランスフォーメーションの推進、人材育成と組織改革、地域資源の活用と連携、グローバルな視点の導入などが挙げられました。
 感心したのは、熊本市はAIが指摘していることについて、ほぼ取り組み始めているということです。指定都市として、時代に即した変化への取組に関しては称賛するところであります。
 その中でも、私がVUCA時代だからこそ取り組んでほしいこと、確認しておきたいことについて、幾つかお伺いします。
 まず初めに、人材育成です。
 市役所組織において、政策実行、事業の最前線に立つのは、やはり課長だと考えます。これまで課長試験についてはいろいろと申し上げてまいりましたが、様々な改革をしていただいたので、ここについては、今回は触れません。
 課長の昇任の条件について、提案があります。
 技術職を除いてのことですが、保護課のケースワーカー、まちづくりセンター職員、議会局職員の経験をしてから課長にするということです。
 保護が必要な暮らしをされている市民に向き合い、地域のために汗する市民に向き合い、市民についての現在・過去・未来に及ぶ議論が飛び交い、入り乱れる現場に立つことで、市役所職員に必要な心構えや見識、知識、胆識が身につくと考えるからです。また、課長になるということは、課のトップとして市民や企業と対応すること、決断すること、責任を取ること、議会において委員会で答弁すること、部下を導くことなど、やらねばならないことは多岐にわたります。課長になるまでに様々な能力は身についているとは思いますが、改めて市民対応、民間対応、議会対応、組織マネジメントの研修をした方がよいと思いますが、課長に対してどのような研修が行われているのでしょうか。課長職への昇進の条件と就任後の研修について、総務局長の答弁を求めます。
         〔津田善幸総務局長 登壇〕

◎津田善幸 総務局長  職員の入庁後のジョブローテーションやキャリアアップにつきましては、熊本市職員成長・育成方針に基づき、可能な限り、現場や事業部門、管理部門等を経験することで、幅広い能力を身につけることとしております。
 特に、組織の中心的役割を果たす課長職につきましては、昇任試験等に合格した職員の中から実績やマネジメント力、企画力等の能力、資質を評価した上で登用を行っているところです。
 また、課長職職員に対する研修につきましては、昇任時に、議会や報道対応、合理的配慮、ハラスメント未然防止等の研修を実施するほか、承認後3年目には、人材マネジメント研修を実施しております。
 今後も幅広い分野での業務や研修を積み重ねることで、多様な課題に対応できる職員を育成してまいります。
         〔30番 田中敦朗議員 登壇〕

田中敦朗 議員  御答弁ありがとうございました。
 熊本市の課長職は、その働きによって熊本市を大きく変えることができる力を有しています。何が起こるか分からない時代に、強い意志と覚悟を持ち、様々な経験を経て就任し、就任後もその力を伸ばせるような体制を希求していただくように、どうかよろしくお願いいたします。
 続きまして、地元産業の活性化についてお伺いします。
 これまで、長年実現を求めてきたスタートアップ支援、起業支援を行うクロスポイントはすばらしい事業を展開していると、私は感じています。わくわくする取組や挑戦者がつながっていく事業などをやっておりまして、これからもどんどん新たな取組を進めてほしいと思っています。この不確実な時代で、技術の伸長が激しい時代だからこそ、この起業支援とスタートアップ支援はこれからも継続して行わなくてはなりません。
 そこで、新たな取組の提案ですが、感性は変化し続けますし、技術は日進月歩、若い世代の中には、40代以上は知らない、分からない様々な世界があります。そんな若い世代の背中を押すために、地元金融機関と賛同してくれる企業を募って、マネーの虎ならぬ、30代以下の、限定の熊本の虎を実施したり、大学生の起業アイデアコンテストをやってみたりしたりするのはいかがでしょうか。
 経済観光局長の答弁を求めます。

         〔村上和美経済観光局長 登壇〕

◎村上和美 経済観光局長  本市におきましては、令和4年4月に、スタートアップ支援施設クロスポイントを開設し、起業やスタートアップの支援に取り組んでいるところでございまして、2年間でイベントやセミナーなどを計718回開催し、延べ9,153人の方々に御参加をいただくなど、多くの皆様方から関心を寄せていただいております。
 特に、若い世代を支援する取組といたしまして、起業家と気軽に交流できる懇親会のほか、AIやメタバースなど先端テクノロジーに関するビジネスセミナーなども開催いたしております。
 加えまして、3日間かけてビジネスプランを練り上げる合宿イベントには、最年少で中学2年生の方に御参加をいただくなど、若い方々の起業家精神のかん養に取り組んでいるところでございます。
 さらに、地元の金融機関や企業などとも連携し、スタートアップの伴走支援メンター、いわゆる助言者として御協力をいただきながら、ビジネスプランコンテストを通じた資金調達や事業マッチング支援にも取り組んでおります。
 議員御提案の大学生向け起業アイデアコンテストなどの新たな取組につきましても、学生や学校関係者などの御意見やニーズを踏まえながら検討してまいりたいと考えておりまして、今後ともクロスポイントを中心に、若い世代の背中を押す環境を整備し、次世代の担い手を発掘、育成することによりまして、地域経済の更なる発展につなげてまいります。
         〔30番 田中敦朗議員 登壇〕

田中敦朗 議員  ぜひ、様々なアイデアをどんどん募っていただいて、挑戦をお願いします。
 20年前、30年前にビジネスに挑戦された方々の力で今の社会があり、スマホや遠隔会議、AIによる自動議事録、ソーシャルネットワーキングサービスなど、当時は考えられないようなものがこの社会で実現しています。挑戦できる環境を整えることで熊本発のすばらしい企業、技術が生じる可能性がどんどん高まっていくと確信しています。
 先日、マーケティングについて入り口の部分を学びましたが、ブランディングには数十年~100年かかるという言葉が印象に強く残っています。熊本が挑戦できる、可能性あふれるまちというブランディングができるまで、ぶれずにスタートアップ起業支援を続けていただくようお願いして、次に移ります。
 宿泊税についてお伺いいたします。
 先日行われた衆議院議員選挙の結果により、国会では基礎控除の見直しが議論となっており、地方自治体への影響が示唆されています。国の動向により常に翻弄される地方自治体は、様々な自主財源の確保に取り組んでおり、本市も観光振興に積極的かつ継続的に取り組むための安定的な財源として、5年間の検討を経て、宿泊税を令和8年に導入することを、さきの定例会で市長が表明されました。
 先の見通せない不確実な時代にあっても、歴史、伝統、自然を生かした観光産業は、人間が五感を有し、好奇心を抱き、刺激を求める限りは続くものであります。魅力ある観光都市として熊本市を確立させるための宿泊税の具体的な導入時期についてお伺いします。
 また、熊本市観光マーケティング戦略に掲げる熊本振興のための基本方針や基本施策に沿って、様々な事業が展開されていくと考えています。宿泊税の税率は一律定額200円の方針とされていますが、その税収はどの程度見込んでいるのでしょうか。そして、その税収をどのような事業に使っていくことを想定しているのか、お伺いいたします。
 あわせて、先日お願いしていました宿泊税を徴収していただく予定の宿泊事業者への支援についてお伺いいたします。コロナ禍が明け、旅行需要が回復する中で、TSMCの進出等によるインバウンドの増加で、近年、宿泊施設のフロント業務は確実に多忙になっています。そこに宿泊税の説明と徴収が加わればさらなる負担増となります。宿泊事業者への支援について、具体的に決まっていることがあれば、お答えください。
 導入時期については市長の、税収見込みと宿泊事業者への支援については財政局長の答弁を求めます。

         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  議員御案内のとおり、令和6年第2回定例会において、宿泊税を令和8年のできるだけ早い時期に導入する旨、公表させていただきました。その後、宿泊税を徴収していただく宿泊事業者の皆様に対しまして、税の導入に関する説明会等を実施し、導入時期等を含めたアンケート調査への御協力をいただきました。
 そのアンケートでお寄せいただいた御意見を踏まえ、導入当初の混乱を避けるため、宿泊事業者の皆様にとって御負担の少ない時期を検討いたしました結果、宿泊税条例の施行予定日を令和8年7月1日とすることといたしました。
 今後とも宿泊税の導入に向けて、宿泊事業者の皆様の御意見を伺いながら準備を進め、将来的な観光振興の充実につなげてまいります。
         〔原口誠二財政局長 登壇〕

◎原口誠二 財政局長  宿泊税の2点のお尋ねについてお答えいたします。
 まず、宿泊税の税収見込みについてでございますが、宿泊税を200円で導入した場合、令和5年の年間宿泊者数、約353万人を基に試算いたしますと、約7億円の税収となる見込みでございます。
 宿泊税は、本市への来訪や滞在の促進、旅行者の満足度向上を図る観点に留意し、観光資源の魅力づくりや旅行者に優しい環境づくりなど、熊本市観光マーケティング戦略に基づく事業に活用してまいりたいと考えております。
 次に、宿泊事業者への支援についてでございますが、宿泊税の徴収方法は、宿泊事業者の皆様が、宿泊者の方々から直接徴収していただき、本市に納入していただく特別徴収を考えておりまして、その支援策として、特別徴収交付金制度並びにシステム整備費助成制度を設けることといたしております。
 具体的には、特別徴収交付金制度は、宿泊税の徴収に係る労務費や決済手数料などの経常的な負担が生じることを考慮し、納期内に納入いただいた額に対し一定の率を掛けた額を交付するものでございます。
 また、システム整備費助成制度は、宿泊税の導入に当たりまして、レジシステムの整備など宿泊事業者の皆様の徴収に係る環境整備に対して助成を行うものでございます。
         〔30番 田中敦朗議員 登壇〕

田中敦朗 議員  はっきりと開始時期を御答弁いただいてありがとうございます。
 また、宿泊事業者の方々としっかり話合いを行って、負担の少ない7月1日からスタートするというところ、これこそやはり民間と市との連携であり、こういったことを様々な分野で推進していっていただきたいなと思う次第であります。VUCA時代にあってもさらに発展し続ける町となるためには、観光を大切な産業として位置づけ、着実に伸ばしていかなくてはならないと強く感じている次第であります。
 また、税収の使い道に関しては、ぼやっと御答弁がございましたけれども、細かくいろいろな提案をしたいことがあります。これまでに提案していることを改めて予算があるという観点から、一般質問で行っていきたいと思いますので、担当課でもすばらしい検討がされることを期待して、次に移ります。
 上質な生活都市実現のためにについてお伺いします。
 先ほど観光のことを申し上げましたけれども、未来が不確実な時代だからこそ、本当に根本的な地域のこと、そして農業のこと、そして観光のこと、こういったぶれない、変わっていかない、大事にしていかなくてはいけないところの活性化により力を入れていくべきであると考えています。
 しかし、未来につながる取組や先進的な取組に対して、市役所の担当部局、担当課は、失敗を恐れるあまりに無難な先例重視の選択肢を選んでしまっていたり、限られた予算という制約の下、新たな事業に踏み出すことを躊躇してしまっているように感じることがままあります。
 法令に基づき、着実に市が行なわなければならないものを除いた事業においては、何かの焼き直しではなく、新しいもの、おもしろいもの、価値を創出する発信力のあるもの、そして地域で暮らす様々な方々が暮らしやすくなる、そういった新たなものに対して、そして、実行した後に消費が拡大するようなものに対しても積極的に対応して実現させていってほしいと思います。
 そんな野心的でチャレンジングな市役所こそが、VUCA時代に求められていると私は感じている次第であります。
 そういった時代において、上質な生活都市実現に向けて、市役所に必要な人材、組織について市長はどのようにお考えになっているか、お伺いいたしたいと思います。

         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  将来の予測が困難なVUCA時代に対応できる組織、人づくりについては、私自身も非常に重要であると考えております。
 本年度改定いたしました熊本市職員成長・育成方針におきまして、価値観や地域課題の多様化、複雑化、社会経済環境のめまぐるしい変化などを想定し、職員が備えるべき行動姿勢として改革志向を掲げ、職員に対しましては、前例にとらわれず、常に新しい視点を持って行動するよう、機会があるごとに伝えております。特に管理職に対しましては、常に人を育てるという大きな視点で、職員一人一人がその能力を最大限に発揮し、活躍できる、風通しのよい職場環境をつくるよう指示をしております。
 今後もVUCA時代に適応するため、私自ら職員意識の醸成に向けた強いリーダーシップを取りますことで、様々な課題を解決できる組織づくり、人づくりを進めてまいりたいと考えております。
         〔30番 田中敦朗議員 登壇〕

田中敦朗 議員  大西市長が地震とコロナ禍で十分に取り組めなかったであろう組織づくり、人づくりに改めて力を入れていただけそうで、大変期待している次第であります。
 これまで私が議会で提案したことは、実現したものに限っていえば、早くて二、三年、時間がかかるときは5年以上かかって実現に至っていますが、実現をした後は結局、やってよかった、早くやっておけばよかったということが幾つもあります。予算と人員の兼ね合いや、民主主義のジレンマであるということは、理解はしていますが、市長の答弁どおりの意識の醸成ができていれば、熊本市は一歩も二歩も前進していたと考えると、本当にもったいないなと思う次第であります。
 この熊本市役所が、VUCA時代を乗り越えられる、さらにすばらしい人材あふれる、迅速で的確な政策実行ができる組織となることを期待して、次に移ります。
 熊本市の土木、道路のこれからについて、お伺いいたします。
 土木道路予算の枠組改革についてです。
 この枠組予算、毎年設定して、予算の設定を行うということをお伺いしておりまして、例えば、これが仮に100億円といたしましょう。しかし、この3年で、物価、そして人件費等が上がっております。当然、物価と人件費が上がれば、この100億円の枠組みが変わらなければ、今まで100できていたものが10%減、9割ほどの工事、事業しか推進できない状況に陥ってしまいます。
 そうすれば、当然、道路行政や土木行政が遅滞していく、そういった状況になってしまう可能性があります。年度ごとの枠組設定の際には、やはり、物価の上昇、資材の値上がり、人件費の増、社会情勢の変化を加味した上で、財政状況と照らし合わせて、余りにも固定するのではなく、柔軟に予算を付与していくのがあるべき姿だと私は考えますが、来年度予算もある程度固定して、そういった道路、土木予算を設定していくのでしょうか。
 財政局長の答弁を求めます。

         〔原口誠二財政局長 登壇〕

◎原口誠二 財政局長  土木関係予算についてお答えいたします。
 道路の新設や維持などの道路事業の多くは、国の交付金等を活用して実施しておりますことから、国の予算と連動した予算編成を行う必要がございます。
 その上で、事業実施に当たりましては、国の交付金等の補助内示状況や物価、資材等の上昇を踏まえ、事業計画等に基づき計画的に進めるためには、一定の枠組みが必要と考えております。一方、都市計画税率の改定に伴い、道路予算を拡充しましたほか、国土強靱化への対応や生活道路修繕経費を増額するなど、これまでも柔軟に予算措置を行ってきたところでございます。
 令和7年度当初予算につきましても、これまでと同様の枠組みを基本としつつ、財政状況を踏まえた予算編成を行ってまいります。
         〔30番 田中敦朗議員 登壇〕

田中敦朗 議員  今回の答弁で分かったことは、熊本市の土木、道路行政は、ほぼ国の予算次第ということです。どこの自治体でも同様ではありますが、国の果たす役割の重さをひしひしと感じている次第であります。
 答弁から読み解きますと、財政局の予算づけをちゃんと行っていけば、事業計画を基にとおっしゃっていますので、都市建設局の計画が今後遅れることはないとおっしゃっているのだろうなと考えています。
 これからも、都市建設局と財政局はしっかり連携して、事業が計画的に進むことを期待しています。
 あわせて、財政局長からはっきりと、これまでと同様の枠組みを基本としつつとおっしゃられました。ぜひ、都市建設局は土木道路予算増額については、やはり国の交付金の増額か、そういった事業計画を盾に取るか、市長の大きな政治判断が必要なようですので、それらを活用した的確な予算交渉をしていただくようによろしくお願いいたします。
 続きまして、工事評価点数についてお伺いいたします。
 工事成績評定の採点について、これは様々な事業者から御意見をいただきます。
 例えば、土木センターの場所や様々な事業、都市建設局の中の部署によってばらつきがあるのではないかとか、人によって全然採点が違うから属人的に過ぎるのではないかであるとか、なぜその点数になったのか分からないというようなことがあるというふうな声であります。
 やはりそういった評点、点数をつける際には、合理性と客観性が担保できる評価制度であるべきでありまして、そういった声が上がる、そしてそれが回ってくるということ事態に問題があると考えておりまして、制度の運用が一貫したものになっていないのではないかと疑問が生じる次第であります。そういった成績評定はどのように行っているのか、お答えください。
 また、先日の質疑でお伺いしたとおり、全体の本当に一部ではありますが、設計にミスがあったり、地下埋設物があったり、市役所の責任等で工期が延長になる場合があります。状況次第では工事額が大きく減額になることさえあります。工事額が減った事業者は踏んだり蹴ったりです。
 ですが、いろいろなやりとりがあり、ほぼ取った事業者が事業を完成されます。しかし、大幅な減額になった工事を行うことは、先日もお話ししたとおり、いいことはほぼありません。いいことがほぼない工事を全うした事業者に、せめて少しくらいよいことがあればと思い、ここで提案させていただきますが、そういった場合、工事の評価点数を大きくプラスすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 以上、2点を総務局長にお伺いいたします。

         〔津田善幸総務局長 登壇〕

◎津田善幸 総務局長  工事完成時には、工事の合否判定を行う検査に併せて、公共工事の品質確保を目的とした技術検査を行い、その際、工事成績評定を行っております。この評定におきましては、国や県と基本的に同じ基準を用いまして、主任監督員、総括監督員、検査員の3名で実施しており、議員御指摘のように、評価の合理性、客観性の確保には万全を期しているところでございます。一方で、この工事成績評定は、企業、技術者の技術力を評価するものであり、現場における変更契約に係る事項を反映させるものではございません。
 今後も評定のさらなる公平性、透明性を高めていくため、研修等を通じ、職員の技術力向上を目指してまいります。
         〔30番 田中敦朗議員 登壇〕

田中敦朗 議員  総務局長、御答弁ありがとうございました。
 万全を期しているということですけれども、今後、私のところにそういった疑義が来ないようにしていただけることをぜひ、期待している次第であります。
 また、工事の評価点数は、あくまでも技術をということで、そういったこちら側のミスで加点をするものではないということを、今、はっきりおっしゃられましたね。
 ですので、私は、事業者の皆さんにぜひお伝えしたいことがここであります。いろいろなミスをもし市役所がした場合、そして大きく減額した場合、契約を破棄した方がいいのではないかと思います。一生懸命やったとしても点数が上がらない、一生懸命やったとしても工事の減額がある。結局は、経営に大打撃です。私は、むしろ都市建設局の方から、これはちょっと余りにもひどい減額なので、今回は、この契約は進めない方がいいのではないかと自分から言った方がいいのではないかなとすら思っている次第であります。
 増額になる場合は、収入は増えますからいいんですけれども、そういったような形で現場で何かあったとしても点数が上がることは決してないということが今回の答弁で分かりましたので、そういったところに留意しながら事業者の皆さんは今後熊本市の工事に向き合っていただければなと思う次第であります。
 それでは続きまして、COPDとCKDについてお伺いいたします。
 まず、COPDについてです。
 COPDという言葉を聞くのは初めての方もおられると思いますので、簡単に説明させていただきますと、COPDは、日本語で言いますと、慢性閉塞性肺疾患と言いまして、主に、たばこの煙や有害なガスの長期的な吸入によって引き起こされる呼吸器疾患です。慢性的な気道の炎症と肺の損傷による、呼吸困難、慢性的な咳、痰が特徴です。進行性の病気で、治癒することはありませんが、症状を管理することが可能な疾患です。COPDは肺の病気ですが、肺ばかりでなく、虚血性心疾患や骨粗鬆症、糖尿病など、全身に様々な病気を引き起こす可能性があります。
 また、同じ量のたばこを吸っていても、COPDの人はそうでない方に比べ、肺がんのリスクは7~10倍と言われています。COPDの治療が不十分だとほかの病気も悪化しやすく、ほかの病気の治療が不十分だとCOPDの管理が難しくなります。COPDは、進行する前に発見し、他の病気のコントロールもしっかりすることが大切です。つまり、早期発見、早期治療が必要です。
 しかし、冒頭申し上げたとおり、COPDについての認知度はまだまだ低い状況です。COPDの認知度を高める取組が必要だと考えますが、本市の取組について、健康福祉局長の答弁を求めます。

         〔林将孝健康福祉局長 登壇〕

◎林将孝 健康福祉局長  慢性閉塞性肺疾患、いわゆるCOPDは、呼吸器系の疾患の中で肺炎に次いで多い死因であることから、本年3月に策定した第3次健康くまもと21基本計画において、COPDでの死亡率の減少を新たな目標として掲げたところです。
 禁煙を支援する取組としましては、世界禁煙デーに合わせた広報や、保健師による地域での啓発とともに、熊本市薬剤師会と連携して、薬局での禁煙方法の紹介や相談等を行っております。今後、専門医の作成した自己点検チェックリストの活用を推進することで、COPDの早期発見につなげてまいります。
         〔30番 田中敦朗議員 登壇〕

田中敦朗 議員  COPD対策として、肺がん検診を生かしたした千葉モデル、そして先ほどチェックリストのことをおっしゃられましたけれども、COPDのチェックが簡単にできるスクリーニングなどがあります。市役所自身が設定した目標達成のため、様々な取組をしていただくようにお願いいたします。
 また、私、COPD対策も必要と思うんですけれども、市街地の喫煙所に対してもずっと物申しておりますけれども、このたび熊本市内で大きな関連施設を通町筋に出す予定があるとお伺いしております。そういうときに、その一角に喫煙所を設置するといったような、いうなれば、喫煙をする市民に寄り添った取組、そういったことも考えついて、自ら実行していただくというようなことも率先してやってほしいなと思う次第であります。
 続きまして、CKD対策と小児腎臓スクリーニングについてお伺いいたします。
 CKD、いわゆる慢性腎臓病の患者数が人口当たり指定都市ナンバーワンの熊本市は、これまで先進的な取組を行ってきており、他都市からも注目を集めています。先日も、近いうちに視察に行きたいから担当課とつないでほしいという打診があっており、これまでの努力に敬意を払う次第であります。
 今の取組を継続的に行っていけば、着実にCKD患者の総数は減少すると思いますが、さらに減少を加速していくためには、根本原因である食習慣の改善や運動習慣の定着化に取り組みつつ、医療機関と連携して、これまでにない新たな取組を行わなくてはならないと考えています。
 そのうちの一つが、今回お伺いする小児腎臓スクリーニングです。乳児健診などで全ての子供の腎臓を検査すれば、腎疾患の可能性を早期に把握でき、発症を抑制することができます。子供の頃からの取組ということで、結果が出るのは先ですが、できる予防を早めに行える状況をつくることはとても重要だと考えます。
 そこでお伺いします。
 現状のCKD対策の取組と成果についてを健康福祉局長に、小児腎臓スクリーニング導入についてをこども局長に答弁を求めます。

         〔林将孝健康福祉局長 登壇〕

◎林将孝 健康福祉局長  私からは、CKD対策の現状と成果についてお答えいたします。
 本市では、人口10万人当たりの人工透析の実施件数が指定都市の中で最も多いという状況を受け、平成21年度から慢性腎臓病、いわゆるCKDを重要な健康課題と位置づけ、対策を行ってまいりました。その中でも、かかりつけ医が腎臓専門医に患者を早期に紹介するCKD病診連携システムを中心とした取組により、高齢化の進展とともに、全国的には増加傾向にある新規人工透析導入者数が本市においてはここ数年、減少傾向にあることから、一定の成果が上がっていると専門医の評価もいただいております。
 今後も、これまでの取組に加え、CKD最大の原因である糖尿病などの生活習慣病予防のため、食習慣改善やより若い世代からの運動習慣の定着化に取り組むとともに、熊本健康アプリとの連携を強化するなど、総合的な取組を進めてまいります。
         〔木櫛謙治こども局長 登壇〕

◎木櫛謙治 こども局長  小児腎臓スクリーニングについてお答えいたします。
 慢性腎臓病は、発症後、生涯にわたる治療が必要となりますため、生活の質の確保や重症化予防の観点から、早期発見、早期治療が重要であると認識しております。
 小児期における腎疾患は先天性異常であることが多いことから、その発見に有用な腎エコースクリーニングについて周知いたしますとともに、引き続き、課題や効果について研究してまいります。
         〔30番 田中敦朗議員 登壇〕

田中敦朗 議員  先日の質問で、北川議員が市の発信する情報でショックを受けて、食生活を若干見直したというふうに、あの手この手でCKD対策を推進していただくようにぜひお願いしたいと思います。
 また、小児に対するスクリーニングに関しましては、周知に努め、研究するということで、実現はまだまだ遠く感じますが、これも早目にやっておけばよかったと後で言わずに済むように、早急に検討をお願いして、次に移ります。
 墓地管理について、お伺いいたします。
 今現在、約1万8,000区画の市営墓地管理に、年間約8,000万円の予算がかかっていると聞いております。1区画の永代使用料を全て60万円と仮定した場合、約1万8,000区画あるため、単純計算すると、収入は最高で約108億円、墓園の整備費自体が、それ相応に予算がかかっておりますので、収支については、恐らく今後はずっとマイナスになると思われます。
 私は、約1万8,000区画の墓地の管理の運営を、最初に60万円を支払うにせよ、抽選で当たったもしくは希望した市民以外の市民も支払う税金で管理し続けることの公平性に疑問があります。公平性評価を行い、受益者の利益と負担は釣り合っているかを判断し、改善を行うべきだと考えます。やはり年間の使用料を徴収すべきではないでしょうか。墓園管理、無縁墓地の対処、年間使用料の徴収の委託などを考えて、1区画から年1万円をいただければ約1億8,000万円となり、公平性が担保された持続可能な墓園行政が実現すると思います。無縁墓地の対処も迅速に行うことができるようになりますし、墓園の植栽の維持管理も予算がないから先延ばしということもなくなると思います。無縁墓地約900区画の対処も迅速にできると思います。お金の徴収と墓園の管理と無縁墓地の対処もお金があれば適正に民間に委託すればいいので、市役所の仕事はそんなに増えないとは思います。
 これについては、何年も前から担当課には伝えているのではありますが、そろそろ本気で検討していただきたいのですが、いかがでしょうか。
 この問題は、市民の皆さんの御理解が必要なため、すぐ年間使用料を徴収してほしいというわけではありません。現状をつまびらかにした上で、本当に行政が予算をつけ続けるべきものなのかを早目に判断してほしいと思います。その上で、御理解をいただきながら何年かかけて年間使用料を取るように変えていけばいいのではないかと思いますがいかがでしょうか。
 健康福祉局長の答弁を求めます。

         〔林将孝健康福祉局長 登壇〕

◎林将孝 健康福祉局長  議員御案内のとおり、本市では桃尾墓園や小峯墓地等の市営墓地7か所を管理運営するため、指定管理料を初め、施設修繕の工事費や樹木伐採の委託費等の経費を要しており、当該経費に関しましては新規貸付時の永代使用料収入により賄うこととしておりますが、現状の貸付実績からはその全額を賄えていない状況にあります。
 その要因といたしましては、少子高齢化や独居高齢者の増加等により、墓地の承継や保有に係る市民の価値観が変容するなど、一般的な墓石を伴う墓地の需要が減少している側面もあると考えており、今後の市営墓地の在り方に関しましては、多角的な議論を深めていく必要があると認識しております。
 このような現状を踏まえ、議員御指摘の年間使用料の徴収につきましては、今後の議論を進めていく上で大変重要な課題であると考えており、今後、他都市における導入時の課題整理や市営墓地利用者へのアンケート調査を行うなど、具体的な検討に着手してまいります。
         〔30番 田中敦朗議員 登壇〕

田中敦朗 議員  具体的な検討に着手するということで、これまでとは違い、一歩前進と受け止めます。
 この課題についても、今後追いかけていきますので、できれば迅速で的確な判断をしていただきたいところですが、1万8,000区画、対象者は多く、しかも新たな負担をお願いしなくてはならないため、かなり重い決断を必要とします。どういう結論が出るかを心待ちにしておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、次に移ります。
 市庁舎建て替えの効果を全市に波及をということで、200億円を超える合併推進債の活用により将来負担の軽減が図られます。その将来負担の軽減を活用し、市民全体が享受できるメリットとなるような政策や整備をこのように行いますということを市民の皆さんに提示してはいかがかなと思います。
 例えば、学校体育館の耐熱化や空調、太陽光発電、充電池などの設置です。子供たちにとっては、熱中症アラートが出ても体育館で体育の授業ができるようになりますし、市民の利用者は快適に利用ができるようになります。災害の際の安全も向上します。そのほかにも、生活道路の改善や除草などに対する年間予算を可能な限りで増額するということでもよいですし、渋滞解消のための道路改良に配分してもよいのではないでしょうか。
 また、質問でもたびたび上がっています、スポーツ関係者にとって大きな課題となっているスタジアム、野球場、アリーナ建設の一部にしてどうかなと思っている次第であります。建設後の維持管理等を併せて考えると、なかなか難しいところはありますが、官民連携、県との連携を前提として、後年度に交付されるお金を充てていくということは可能なのではないかなと思います。
 未来を提示し、自分にどう関わっていくか、市民生活にどんな変化が生じるのかを市民が理解することによって、事業の理解も深まっていくことになると考えます。
 市庁舎建て替えによる合併推進債の活用が確定した後に、その活用で生じた成果をどのように市民に反映させていくかを市として提示する考えはないか、市長にお伺いいたします。

         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  本庁舎整備には一定の財政負担が生じるものでございますが、可能な限りその負担を軽減することが重要であると考えております。
 令和6年度中に実施設計に着手いたしますことで、本庁舎整備に活用できる有利な財源であります合併推進債を活用することが可能となり、市の負担を約200億円減額できる見込みであります。将来にわたる財政負担の軽減分を財源として捉え、その財源の活用の在り方を具体的にお示しすることは困難ではありますが、将来負担を軽減することが将来世代を含めた市民全体にとってのメリットであると考えます。
 今後とも合併推進債の活用等によって財政の健全性を維持しつつ、子供施策や渋滞解消など、本市の重要課題に対して十分な予算配分を行ってまいります。
         〔30番 田中敦朗議員 登壇〕

田中敦朗 議員  答弁を聞けば分かるとおり、正直、無茶な質問だったなとは、自覚はしておりました。
 後年度交付金としていただけるわけであって、補助金ではありません。お金をポンともらえるわけではありません。ただ、実際、今現在も多くの市民の皆さんに、今回の建替えに関して深い御理解と御賛同を得られているわけではないということから、あえてお伺いいたしました。
 やはり、市長がおっしゃられたとおり、メリットは、子供たちに借金を残すわけではなくて、負担を大きく軽減できることになるということです。それが今だから急いでいます。現庁舎を使用し続けるのであれば、37年後には新庁舎を建てておかねばなりません。その頃には、物価がさらに上がり、今予定している予算よりももっと高いお金で新庁舎を建てることになります。そして、それまでの現庁舎改修等、狭隘化解消のための予算もかかります。今の時点で将来負担を最も減らすことができるから建て替えを進めるということをしっかり多くの市民に伝えていただくようにお願いいたしまして、次に移りたいと思います。
 限りある医療資源の有効活用についてお伺いいたします。
 茨城県では、今月2日から不要不急な救急車の利用を減らすため、緊急性がない搬送だったと病院側が判断すれば、患者から料金を徴収できる制度を始めました。料金は搬送先の病院によって異なり、最大で1万3,200円が徴収されるケースもあるそうです。
 これは、救急車の適正利用を促すとともに、医療現場の逼迫状況の解消や医師や看護師などの働き方改革につなげようという試みです。これは、都道府県としては全国初の取組だということです。
 新たに徴収するのは、一般病床数が200以上の大病院を紹介状なしで受診する際にかかる選定療養費です。これまで救急車で運び込まれた患者は負担していなかったものです。茨城県では今後、軽い切り傷、すり傷のみの場合や微熱、全身のショック症状のない虫刺されなど、明らかに緊急性が認められなかったり、緊急性が低い場合、県内22の大病院に緊急搬送されたケースで選定療養費の徴収対象とするとのことです。
 逆に、熱中症や小児の熱性けいれん、てんかん発作などの場合、病院到着時に症状が改善し、結果として軽症と判断された場合には、救急車を呼んだ時点で緊急性があるため徴収対象とはしない制度としています。
 茨城県は、緊急搬送の6割以上が大病院に集中し、このうち約半数を軽症患者が占め、中には緊急性の低いケースも見受けられるとしており、緊急医療現場のさらなる逼迫が進むと、本当に緊急医療を必要とする人への医療を提供できなくなる事態も懸念されると、新制度を導入した理由を説明しています。ただの救急車の有料化ではないと強調しており、判断に迷う場合は全日24時間利用できる茨城県救急電話相談に相談するよう、県民に呼びかけているそうです。
 三重県松阪市においても、選定療養費の徴収が始まっているとのことです。熊本でも、緊急出動が増加している中で限りある医療資源を有効に活用していくためにも、本市においても導入するべきだと考えますが、消防局の見解を求めます。
 併せて、転院搬送についてもお伺いします。
 転院搬送とは、一旦医療機関に収容された患者が、その医療機関において急な症状の悪化やより専門的な処置を必要とするなど、緊急にほかの医療機関に搬送する必要のある場合に、医療機関からの依頼に基づき救急車が出動するものです。
 消防の救急車が転院搬送を行う際には必ず満たさなくてはならない要件がありますが、その要件を満たさない転院搬送が起こっていると聞きます。限りある、貴重な医療資源の一つである救急車が、もし安易に使われているのであれば、それはあってはならないことだと強く感じています。
 そこでお伺いいたしますが、転院搬送の要件と救急出場のうち転院搬送の件数、そのうちに要件外の搬送があったかをお答えください。
 選定療養費の導入と転院搬送について、消防局長の答弁を求めます。

         〔平井司朗消防局長 登壇〕

◎平井司朗 消防局長  限りある医療資源の有効活用について、順次お答えいたします。
 まず、選定療養費でございますが、議員御案内のとおり、選定療養費の徴収につきましては、一部の地域において、救急車で搬送された患者のうち、医師の診断で緊急性が認められなかった患者も対象とされたことは承知しているところでございます。既に実施している地域では、救急出場件数が減少するなどの効果が出たという報告がある一方、重症者が救急要請を躊躇するなどの懸念事項があることもございますことから慎重な議論が必要であると考えております。
 消防局といたしましては、まず、救急安心センター事業、#7119など、救急車の適時適切な利用について、積極的に広報を実施してまいります。
 次に、転院搬送でございますが、転院搬送の要件につきましては、国の見解に基づき、緊急の処置が必要であること、要請元医療機関において処置が困難であること、ほかに搬送手段がないことの3つの全ての要件に該当する場合は、消防業務の範疇であると認識しております。
 熊本市消防局管内では、令和5年中、約4万6,000件の救急出場のうち、約3,000件が転院搬送であり、一部の転院搬送事案におきましては、消防業務の要件に該当しないものがあったものの、ほとんどが要件に該当するものでありました。
 今後も限りある医療資源の一つである救急車を有効に活用するため、転院搬送の適切な運用について関係各課と協力し、医療機関などに働きかけてまいりたいと考えております。
         〔30番 田中敦朗議員 登壇〕

田中敦朗 議員  選定療養費の徴収に関しては慎重な姿勢で、まだまだ実現しそうにはありませんが、大変な状況に陥る前に調査と検討を早目にしておくことをお勧めしております。
 また、転院搬送については、ほとんどという答弁が示すとおり、要件外の搬送が存在しているようであります。要件外の搬送がゼロになるように、答弁のとおり、医療機関への周知に力を入れていただくようにお願いして、次に移ります。
 学びの多様化についてお伺いいたします。
 先日、私が会長を務めております、超党派で活動する学びの多様化地方議員連盟で、東京都のチャレンジスクールである世田谷泉高校へと視察に行ってまいりました。
 チャレンジスクールとは、主に、小中学校での不登校の経験や高校での中途退学の経験により、これまで能力や適性を十分に生かし切れなかった生徒が、自分の目標を見つけ、それに向かってチャレンジする高校です。昼夜間の定時制、総合学科、単位制の高校で、自分のライフスタイルや学習ペースに合わせて各時間帯、午前、午後、夜間の3部を選んで入学できます。様々な特色がありますが、3~5年で卒業できるということでありますとか、ボランティアや資格、バイトでも単位認定があること、授業配信やカウンセリング担当者が毎日いるといった、生徒に寄り添った学校体制など、予算も人材も機会も充実している東京都、本当にうらやましいと思った次第です。
 さて、現在、熊本市における長期欠席者を含む不登校の中学生は約2,000人、1学年の1割を超える600~800人の生徒が不登校となっていると聞きます。様々な要因で不登校になった子供たちに、多様な学びの一つであるチャレンジスクールを市として創設することついて、教育長のお考えをお伺いいたします。

         〔遠藤洋路教育長 登壇〕

◎遠藤洋路 教育長  令和5年度、本市の中学校を卒業者全体の約99%が高等学校等に進学しており、不登校を含む長期欠席生徒の大半も高等学校等へ進学している状況です。
 現在、本市ではどこともつながらない児童・生徒をゼロにすることを目標に、様々な不登校支援に取り組んでおり、まずは既存の取組を充実させ、社会的自立につなげることが重要と考えております。
 義務教育終了後のチャレンジスクールの設立については、長期的な計画や慎重な検討が必要であると考えており、将来を見据えて研究してまいります。
         〔30番 田中敦朗議員 登壇〕

田中敦朗 議員  御答弁ありがとうございました。
 多額の予算と場所、そして人材も必要なことでもありまして、慎重な答弁になるということは十分に分かっておりましたが、ぜひ、そういった不登校の子供たちが自分の能力を地域で、そして公の力で伸ばすことができる、そういった施設をつくっていくというようなことも、頭の片隅にでも構いませんので、入れておいていただければなと思います。
 不登校支援の学校といえばほかにも、全国で徐々に増えてきている学びの多様化学校、東京都で行われているエンカレッジスクールなどもあります。そういった公の施設だけではなく、様々な不登校の子供たちへの支援の取組もぜひ充実していってほしいなと思う次第であります。
 これで、用意した質問は終わりました。
 こんなに残り時間が少なくなったのは、議員人生で初めてでございまして、議場の皆様にはお付き合いいただきまして本当にありがとうございました。そして、本日、傍聴していただいた皆さん、また、インターネットで傍聴していただいた皆さんに、心から感謝を申し上げるとともに、これからも市民の皆さんの声にしっかり真摯に向き合いながら、応えながら、この熊本市の未来のために働くことをお誓い申し上げまして、2024年最後の一般質問を締めくくらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)

      ────────────────────────────

○寺本義勝 議長  次に、日程第2、議第305号「令和6年度熊本市一般会計補正予算」を議題といたします。
 市長の提案理由の説明を求めます。
         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  それでは、ただいま上程されました議第305号につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
 去る11月29日に閣議決定されました補正予算案において、物価高騰への対策として低所得世帯向け給付金の支給を含む経済対策が示されました。
 これを受けまして、住民税非課税世帯に対する令和6年度電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援給付金の支給に要する経費を計上しております。
 このほか、道路、河川、公園等における防災・減災、国土強靱化等への対応に要する経費を計上しております。
 以上が補正予算の歳出の説明でありますが、これを賄う財源として、それぞれの歳出に見合う国・県支出金や市債を計上しますとともに、一般財源として繰越金を充当しております。
 この結果、一般会計において72億4,010万円の増額、補正後の予算額は4,156億8,178万円となり、補正後の予算を前年同期と比較いたしますと、特別会計や企業会計も含めた全体の合計額では3.4%の増となっております。
 以上で説明を終わりますが、何とぞ御賛同いただきますようお願い申し上げます。

○寺本義勝 議長  市長の提案理由の説明は終わりました。
 それでは、議案を付託いたします。
 議第305号は、これを「予算決算委員会」に付託いたします。
      ────────────────────────────

○寺本義勝 議長  次に、日程第3、議第306号「教育長の任命同意について」を議題といたします。
 〔議題となった案件〕
┌─────────────────────────────────────┐
│ 議第306号                                │
│                          令和6年12月9日提出 │
│   教育長の任命同意について                      │
│  熊本市教育委員会教育長に次の者を任命したいので同意を求める。     │
│                        熊本市長 大 西 一 史 │
│   遠 藤 洋 路                           │
└─────────────────────────────────────┘

○寺本義勝 議長  市長の提案理由の説明を求めます。
         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  ただいま上程されました議第306号「教育長の任命同意について」の提案理由を申し上げます。
 本件は、本年12月14日をもちまして任期満了となります遠藤洋路氏を再び本市教育長に任命しようとするものであります。
 遠藤氏は、昭和49年の生まれで、東京大学法学部を卒業後、文部省に入省され、以来、文化庁文化財部伝統文化課課長補佐、熊本県教育庁社会教育課長、内閣官房知的財産戦略推進事務局総括補佐などの要職を歴任されました。平成22年に文部科学省を退職されました後、青山社中株式会社の代表取締役共同代表として御活躍され、平成29年4月からは本市教育長を務められております。
 遠藤氏は人格が高潔で、教育行政に関し識見を有する者として教育長に適任であると考え、任命同意をお願いする次第であります。

○寺本義勝 議長  市長の提案理由の説明は終わりました。
 次に、候補者の所信表明があります。
         〔遠藤洋路候補者 登壇〕

◎遠藤洋路 候補者  このたび、教育長候補者に御指名いただきました遠藤洋路でございます。
 これまで7年8か月、本市教育のために、微力ながら力を尽くしてまいりました。その間、何度も命の危機を経験し、皆様方には大変な御心配をおかけいたしました。この場に、今日このように元気に立てておりますことを何よりもうれしく感じますとともに、お支えいただいております皆様に厚く御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
 さて、豊かな人生とよりよい社会を創造するために、自ら考え、主体的に行動できる人を育む、これが本市教育の基本理念であります。この理念を実現するためには、学校、そして教育委員会自身が自ら考え、主体的に行動するという姿勢を持っていることが何よりも大切であると考えております。教職員の皆さん、子供たち、保護者、そして地域の皆様の声を学校運営や教育行政に反映させ、ともに考え、ともに行動するという、これまで以上に開かれた学校、開かれた教育委員会に進化をしていかなければならないと考えています。私自身もそのような姿勢を持っているように心がけてまいります。
 その進化が問われます課題を一つ挙げるとすれば、学校部活動の新しい在り方の実現です。日本の学校の誇りでもあります学校部活動を地域で支え、持続可能な形に発展させていく、この大きな挑戦に私たちは臨んでおります。まだ、日本のどの自治体も実現しているわけではありません。熊本市が先頭に立ってベストな方法を考え、そして実行していきたい。まさに地域とともに考え、実現する部活動が求められていると思っております。
 その他、様々な課題がありますが、何事に対しても慎重に、かつ、大胆に取り組んでまいることを表明いたしまして、私の所信とさせていただきます。引き続き御指導、そして御支援のほどをよろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。

○寺本義勝 議長  候補者の所信表明は終わりました。
 別に発言の通告がありませんので、これより採決いたします。
 本案に対し、賛成の議員の起立または挙手を求めます。
         〔賛成者起立〕

○寺本義勝 議長  起立及び挙手多数。
 よって、本案は「同意」することに決定いたしました。
      ────────────────────────────

○寺本義勝 議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。
 この際、お諮りいたします。
 明10日から12月18日までの9日間は、議案調査、委員会開催並びに休日のため休会いたしたいと思いますが御異議ありませんか。
         (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○寺本義勝 議長  御異議なしと認めます。
 よって、明10日から12月18日までの9日間は休会することに決定いたしました。
 次会は、12月19日(木曜日)定刻に開きます。
      ────────────────────────────

○寺本義勝 議長  では、本日はこれをもって散会いたします。
                            午前11時07分 散会


〇本日の会議に付した事件
一、議事日程のとおり





令和6年12月9日
出席議員 46名
      1番   寺 本 義 勝        2番   大 嶌 澄 雄
      3番   村 上   麿        4番   瀬 尾 誠 一
      6番   山 中 惣一郎        7番   井 坂 隆 寛
      8番   木 庭 功 二        9番   村 上 誠 也
     10番   古 川 智 子       11番   荒 川 慎太郎
     12番   松 本 幸 隆       13番   中 川 栄一郎
     14番   松 川 善 範       15番   筑 紫 るみ子
     16番   井 芹 栄 次       17番   島 津 哲 也
     18番   吉 田 健 一       19番   齊 藤   博
     20番   田 島 幸 治       21番   日 隈   忍
     22番   山 本 浩 之       23番   北 川   哉
     24番   平 江   透       25番   吉 村 健 治
     26番   山 内 勝 志       27番   伊 藤 和 仁
     28番   高 瀬 千鶴子       29番   小佐井 賀瑞宜
     30番   田 中 敦 朗       31番   高 本 一 臣
     32番   西 岡 誠 也       33番   田 上 辰 也
     34番   三 森 至 加       35番   浜 田 大 介
     36番   井 本 正 広       37番   大 石 浩 文
     38番   田 中 誠 一       39番   坂 田 誠 二
     40番   落 水 清 弘       41番   澤 田 昌 作
     43番   満 永 寿 博       44番   紫 垣 正 仁
     45番   藤 山 英 美       47番   上 野 美恵子
     48番   上 田 芳 裕       49番   村 上   博

欠席議員  1名
      5番   菊 地 渚 沙

説明のため出席した者
  市長       大 西 一 史    副市長      深 水 政 彦
  副市長      中垣内 隆 久    政策局長     三 島 健 一
  総務局長     津 田 善 幸    財政局長     原 口 誠 二
  文化市民局長   早 野 貴 志    健康福祉局長   林   将 孝
  こども局長    木 櫛 謙 治    環境局長     村 上 慎 一
  経済観光局長   村 上 和 美    農水局長     金 山 武 史
  都市建設局長   秋 山 義 典    消防局長     平 井 司 朗
  交通事業管理者  井 芹 和 哉    上下水道事業管理者田 中 俊 実
  教育長      遠 藤 洋 路    中央区長     土 屋 裕 樹
  東区長      本 田 昌 浩    西区長      石 坂   強
  南区長      本 田 正 文    北区長      吉 住 和 征

職務のため出席した議会局職員
  局長       江   幸 博    次長       中 村 清 香
  議事課長     池 福 史 弘    政策調査課長   岡 島 和 彦
 
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