2024年09月12日 その他
令和 6年 9月12日地域公共交通に関する特別委員会
地域公共交通に関する特別委員会会議録
開催年月日 令和6年9月12日(木)
開催場所 特別委員会室
出席委員 12名
田 中 敦 朗 委員長 平 江 透 副委員長
木 庭 功 二 委員 村 上 誠 也 委員
古 川 智 子 委員 中 川 栄一郎 委員
島 津 哲 也 委員 齊 藤 博 委員
井 本 正 広 委員 藤 山 英 美 委員
上 野 美恵子 委員 上 田 芳 裕 委員
議題・協議事項
(1)持続可能な地域公共交通の実現に向けた諸問題に関する調査
午前 9時58分 開会
○田中敦朗 委員長 ただいまから地域公共交通に関する特別委員会を開会いたします。
本日の議事に入ります前に、執行部より発言の申出があっておりますので、これを許可します。
◎井芹和哉 交通事業管理者 おはようございます。交通局でございます。
1点目でございますけれども、本日、前回に引き続きまして運行管理課長の松尾が体調不良により本委員会を欠席しております。運行管理課からは、説明員として副課長の荒木が参加して出席しておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
それから、2点目でございますけれども、去る9月2日に、上り新水前寺駅停留所におきまして、市電走行中にドアが開放されるという重大インシデントを引き起こしてしまいました。後ほど原因や対応につきましては詳細な報告させていただきたいと存じておりますが、度重なる事故やインシデントの発生を受け、局を挙げて再発防止に取り組んでいるさなかに、また、開業100周年の記念式典では、安全を最有先する組織風土の再構築を誓った矢先にこのようなインシデントを引き起こしてしまったこと、誠に申し訳なく思ってございます。今後、本事案につきましても外部検証委員会での検証の対象とし、最終報告書で安全対策に反映させてまいりたいと存じております。
市電を御利用していただいております皆様をはじめ、市民の皆様に対しまして、立て続けの事故、トラブル等により御心配、御迷惑をおかけしておりますこと、改めて深くおわび申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
以上でございます。
○田中敦朗 委員長 発言は終わりました。
これより本日の議事に入ります。
本日は、前回の本委員会において会派持ち帰りとなっておりました市電延伸の方向性について御協議いただくため、お集まりいただきました。
それでは、調査の方法についてお諮りいたします。
調査の方法といたしましては、まず、(仮称)東町線の延伸について執行部から説明を聴取し、(仮称)東町線の市電延伸の方向性について各会派からの御意見を伺った後、質疑を行い、次に次期地域公共交通計画の策定に向けた取組について執行部の説明を聴取し、質疑を行いたいと思いますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○田中敦朗 委員長 御異議なしと認め、そのように執り行います。
それでは、(仮称)東町線の延伸について、執行部の説明を求めます。
◎徳田隆宏 移動円滑推進課長 資料1を御覧ください。
本日は、前回いただきました御質問につきまして3つに整理し、御説明したいと考えております。
2ページ目をお願いいたします。市電延伸に伴う利用者数増への対応についてです。
まず、上段の7時~8時までのピーク時間帯の数値上の輸送力についてでございます。
初めに、グラフの見方を御説明いたします。いずれのグラフも、ピーク1時間当たりのグラフになります。また、青色の棒グラフは3つのグラフとも同じ値でございます。この青色の棒グラフは、電停間で乗車している人の合計であり、例えば、市電が健軍町電停と健軍交番前電停の間を走行していれば、そのときに乗車している人の合計をそれぞれの電停間で示しております。オレンジ色の線は1時間の間に走行している車両定員の合計であり、例えば、1時間に定員100人の車両が10台走っていたとすると、1,000人になります。また、緑色の棒グラフは市電延伸後1時間当たり電停間で増加する乗車人員になります。さらに、一番右側のグラフでは、オレンジ色の線が横から斜めに上がっておりますが、これは全ての便が市民病院まで運行するのではなく、健軍電停で折り返す便があることを示しております。
一番左、現在のグラフになりますが、青の棒グラフがオレンジの線を越えております。これは、減便により一定の区間は車両定員を超えて乗車しているため、比較的混雑していることを示しています。真ん中、右側のグラフで示す将来では、計画的な車両入替えと運転手確保により、快適に移動できる運行本数を確保したいと考えております。
先ほど、現在は比較的混雑している状況と申し上げましたが、実際は車両定員の1.5倍乗車できることから、1時間当たりで見れば、数値上は輸送力は確保されている状況になります。
次に、下段のピーク時間帯の積み残しの要因と対応策について御説明します。
上段で御説明しましたように、数値上、輸送力は確保できておりますが、現実的には積み残しが発生しております。9月2日に現地調査を行いましたところ、積み残しの最大の待ち時間は10分でございました。この積み残しの要因は、調査の結果、大きく2つあると考えております。1つ目は、ピーク時間帯の中でも特定の時間、7時半~8時に利用者が集中をしていること、2つ目は車両が混雑しているから、また、乗車時に座れないなどの理由で次の便を待つ利用者が多いことも分かりました。
市電延伸後は、電停の新設により健軍電停の利用者は分散する見込みですが、ピーク時、7時台の利用者数は650人程度を見込んでおります。今後、積み残しの解決に向けて3つの対策で対応していきたいと考えております。1つ目は、運転士の積極採用を継続し、運行本数を確保すること、2つ目は、車両の容量を増やすことです。右の表にございますように、3両編成車両を計画的に導入してまいります。3つ目は、時差出勤を推進し、ピーク時の利用を分散することです。これらの取組を通じて、積み残しに対応していきたいと考えております。
3ページ目をお願いいたします。
こちらは、(仮称)東町線(熊本高森線)の整備についてまとめたものでございます。まず、上段になります。おさらいになりますが、一部単線化は、下のイメージ図にございますように、交差点①と④の一部区間において整備するものです。一部車両につきましては、健軍電停が始発となる便の運行も想定をしております。
次は、中段の交差点の構造についてです。現在、中心部から益城方面で右折レーンがある交差点②、③、④には、整備後も右折レーンを整備したいと考えております。このことから、新たに用地買収が発生するものであり、これを主な要因として、前回委員会で御説明したように6億円増となるものでございます。また、軌道が大きくカーブする交差点④につきましては、曲線半径を30メートルで設計をしておりまして、規定で定められた曲線半径11メートルを十分に満足しており、安全な運行が可能でございます。
次に、下段になります。前回御説明しました電停位置の変更に関する補足説明です。現在、交差点④付近の自衛隊中通りにある上り電停を、下のイメージ図のとおり熊本高森線の複線区間に移動をしたいと考えております。こうすることで、この電停に停車したときに、健軍電停方面から来ている市電が単線区間に進入をしていないか直接目視で確認可能となり、安全性がより確保できると考えております。
4ページ目をお願いいたします。
こちらは、都市計画に関する説明会についてです。9月補正予算が議決されましたら、都市計画の説明会を実施したいと考えております。主に延伸区間を対象として健軍文化ホールで平日、休日の1回ずつ、また、全市を対象としまして市民会館シアーズホーム夢ホールで平日、休日の1回ずつ開催したいと考えております。本日の特別委員会終了後、明日以降、地元自治会長など、都市計画に関する説明会の事前説明に参りたいと考えております。
説明は以上でございます。
○田中敦朗 委員長 以上で説明は終わりました。
それでは、まず、前回の本委員会において会派持ち帰りとなっておりました(仮称)東町線の市電延伸の方向性について、各派からの御意見をお願いしたいと思います。
自民党さん。
◆齊藤博 委員 自民党でございますが、この方向性については前向きに検討いただいてよいのではないかということであります。ただし、先ほどもございましたが、安全確保をとにかく留意いただいて、全力で安全確保に向けた取組を進めていただければというのが大前提ということであります。
それから、今、直近で御説明がございましたが、市民の御意見、しっかりと受け止めていただきながら、慎重に計画を進めていただければというふうに考えております。
以上です。
○田中敦朗 委員長 それでは、次に熊本自民さんお願いします。
◆藤山英美 委員 熊本自民としては、結論から申し上げますと、今回の市電延伸についてはおおむね賛成でございます。しかし、前回の委員会から会派内で数回にわたり議論を重ねた中では、まだまだ議論が尽くされたとは言い難い、あるいは、これだけの一大事業が都市整備委員会以外の議員や地元議員に対して当初から十分な説明がなされていないなど、総じて言えば、市民に対する十分な説明並びに議会での十分な議論の時間が確保できていないという思いがあるということでございます。この点については、執行部に対し強く指摘しておきます。今後の市電延伸に限らず、市政の重要課題に関しては、今回の反省を踏まえた上、その進め方に工夫を凝らすよう要望しておきます。
また、市電については市内の公共交通機関として極めて利便性が高く、マイカーから公共交通への転換を促す可能性を有しております。だからこそ、健軍自衛隊ルートの整備と並行して、新たな路線等の整備に関してもグランドデザインを描くことが重要で、本来なら当初予算に計上すべきことだと思っております。また、その際には今回のように執行部案を議会に対して押しつけるのではなく、執行部と議会が共に議論できるような検討手法で進めるよう、こちらも強く要望しておきます。
以上です。
○田中敦朗 委員長 それでは、次に市民連合さんお願いいたします。
◆上田芳裕 委員 市民連合でございます。
我が会派の方でも市電の延伸について議論をしてまいりました。結論を申し上げますと、市電延伸については今後進められるべきものであるというふうな判断に至っております。平成27年から約10年にわたって議論が積み重ねられて、当初はやはり東区健軍地域だけにこれだけの大きな予算を投じていいのかとか、様々な意見がございましたが、それらの意見に対して市の執行部の方でも、西南部地域や植木地区でのAIデマンドタクシーの本格導入であったり、上熊本駅周辺においてJR乗降客と市電と熊本電鉄との協議も進められているようでございます。また、中央区においても、新水前寺駅周辺に、JR豊肥本線と市電とバス利用者の利便性向上に向けたバス停の設置等も今後進められる、そういった意味からすると、熊本市全体としてそれぞれの地域の中で公共交通というものが前に進んでいるのではないかと判断をしております。
そういった意味では、東区健軍地区における公共交通の中核でございます市電の延伸については、さらなる市民の皆さん方の公共交通の利用を促進すべきだと思っています。
ただ、課題として、自民党さんからもございました、市電の事故等、インシデント等の根絶に向けてさらなる取組をしていただきたいことと併せて、今後この計画によると用地買収も出てきます。スケジュール等、期間の中で用地買収がきちんと進まないと、工事が遅れるという形になりますので、そういったところも進めていただきたいというふうに思いますし、もう一つは延伸によって新しい4つの電停ができます。4つの電停の利便性向上に向けて、いろいろなところでパークアンドライドとか、土地が必要な部分等もあるので、なかなか難しいかもしれませんが、バスとの乗換拠点の在り方とかも含めて、供用開始までの間には取組を進めていただきたいと思います。
以上でございます。
○田中敦朗 委員長 それでは、公明党さん、お願いいたします。
◆井本正広 委員 公明党です。
我が会派もいろいろ議論いたしました。大前提として、高齢化社会を迎えるに当たり、公共交通の強化は必要と考えております。そして、熊本の渋滞対策、これも最重要課題であります。昨年のパーソントリップ調査で、交通手段分担率が自動車が最も多く、それも、増加しているという結果が出ております。特に、男女ともに60代以上の割合が増加しているという現状がある中で、今回の件は必要だと考えております。
また、一昨日の一般質問でもありましたように、バスの運転士数が今後10年間で約200名減少するというような見通しの話もありました。今回の提案の中で、自動車利用減少が1日約2,000台、また、費用便益も1を超えているということでありますので、会派としては市電延伸については賛成ということになりました。
ただ、今、市民連合さんからもありましたように、パークアンドライド、また、サイクルアンドライド、しっかりこれも確保をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○田中敦朗 委員長 それでは、次に共産党さん、お願いいたします。
◆上野美恵子 委員 共産党としても、市電の東町線の延伸については必要性を認める立場であります。これまでもいろいろな場で申し上げてまいりましたように、公共交通がこれから果たす役割を考えたときに、市電というのは軌道で、基幹公共交通軸にもなっていく、そういうものですので、特に言ってきたように、今回、東町線というのは市民病院はもちろんですけれども、いろいろな県立の学校であったり、区役所があったり、地域の住民も多い地域でもありますし、やはり市民の利便性の向上にもつながっていくのではないかというふうに思っております。
もちろんこれについては事業費もかなりかかりはしますけれども、その点についての理解を深めていくためにも、議会はもちろんですけれども、市民の理解につきましては、地元だけではなくて、全市民の皆さんの御理解を得ながら進めていくということも大切であろうと考えております。やはり理解を広げていくことが、今後の熊本市の公共交通政策がさらに充実し、利用促進につながっていくことの1つではないかというふうに思っています。
そういう意味では、本日の委員会は陳謝で始まりましたけれども、こういうことは大変残念で、ほかの方もおっしゃったように、まず第一は安全確保ということをしっかり考えて、こういう拡充策を進めていっていただければいいなと思っています。
以上です。
○田中敦朗 委員長 ありがとうございました。
ただいま(仮称)東町線の市電延伸の方向性について、各会派の御意見を伺ったところですが、ほかに委員さんそれぞれから、(仮称)東町線の延伸に関する質疑等がございましたら、お願いいたします。
◆藤山英美 委員 追加ですけれども、やはり重要な議題ですので、必要ならば現地視察も考えていただければありがたいです。
以上です。
○田中敦朗 委員長 またそちらも特別委員会の中で検討していきたいと思います。
ほかにございませんか。
◆上野美恵子 委員 さきほど、今後のこととして、都市計画に関する説明会も計画されているという御説明がありました。これはいいことだと思います。東区だけではなくて、市民会館という場も設けられて、全市民的な視野でなさるということ自体は大変歓迎をしているところではありますけれども、形式的にただやったというだけではなくて、本当にどういうふうに議論を尽くしていこうと思っているのか、説明会の規模でありますとか、どういうふうに広報していくとか、市民に理解を深めていく、そういう視点での説明会になっていくのか、補足的に説明をお願いいたします。
◎徳田隆宏 移動円滑推進課長 今回、4回開かせていただきますが、会場の規模からしまして100名程度は入る規模になっております。また、今後もこの都市計画の説明会を皮切りに、地元の方々とも積極的に意見交換を図ってまいりたいと考えております。また、市電のみならず、関係課と連携しまして沿線のまちづくりについても議論を深めていきたいと思っております。
以上でございます。
◆上野美恵子 委員 ありがとうございます。
これに限らず、要望があれば説明とか、場を設けられるとは思いますけれども、やはりいろいろな人、乗る人の立場に立って、利用者側の立場に立った視点での説明会をやっていってほしいなと思います。そういう意味では、こういう説明会をするときに、そこに来る方の御意見というのは聞けると思うんですけれども、市電とか通勤通学に使われると思うので、そういう利用者さんの声がもう少したくさん集まってくるような手法での意見聴取というのも併せてなさったほうがよくはないかなというふうに私は思っておりますけれども、いかがでしょうか。
◎徳田隆宏 移動円滑推進課長 例えば、都市計画の説明会の資料につきましてもホームページにアップしまして御意見も伺えるようにしたいと思っております。
以上です。
◆上野美恵子 委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。
○田中敦朗 委員長 ほかにございませんか。
◆上田芳裕 委員 資料の中で、今後の利用者数増への対応についてということで記載がなっております。令和13年度以降についてはまだ相当先な話ですけれども、直近の話で来年の4月からは一定程度3連接車両が導入とございまして、快適な移動を確保できるような想定になっているのかと思っています。ただ、前回の委員会の中だったかと思いますけれども、現在動いている車両が31編成、31台、これに新たな3編成、3連接車両が入ってくることによって、実際、31台から増えると思っているのですけれども、そこの考え方についてどのように把握されていますでしょうか。
◎荒木敏雄 運行管理副課長 31台とおっしゃられている分は、恐らく朝ラッシュ時に必要な最大出庫台数ということになろうかと思います。市電が45台保有しておりまして、そのうち車検だとか故障だとか含めて10台ぐらいが出庫できない状況にありまして、それに加えて突発的な事故だとか故障だとかが発生しております。日によって違うんですけれども、32~33台ぐらい、現在動かせるような状況にございます。そういった中で、今年度新たに2台導入ということで、34~35台ぐらいにはなるかと思っておりまして、31台は賄えると思っております。
以上でございます。
◆上田芳裕 委員 全体車両の中で最大動かせるのが33台で、ただ、いろいろな状況で31台ということが6月議会の中だったかな、報告を受けたんですけれども、来年4月以降は34~35編制で動かします、なおかつ運転士さんの人員確保についても、現時点80名程度が10名程度増えるということで、運転士さんの確保と車両の確保ができるのかなというふうに思っておりますけれども、実際のところ運転士さんというのは来年の4月1日で、計画では91名体制になると聞いていますけれども、研修とか受けられて、実際に車両に乗車できる運転士さんの数ということで91名把握でよろしいんでしょうか。
◎荒木敏雄 運行管理副課長 今、運転士の方も随時採用の方で募集をかけておりまして、相当な数の運転士さんの応募があっているような状況です。運転士の候補生として今採用しているのが17名、その後、運転士研修生として現時点で15名採用しております。その中で、まず車掌として3か月ぐらい採用しまして、その後、研修ということで学科の勉強をして、筆記試験に臨んで、その後、実技試験での免許取得ということになっております。
以上でございます。
◆上田芳裕 委員 人数については事前に確認していなかったので、少し曖昧だったかなというふうに思うんですけれども、実際、計画として来年4月段階で91名の運転士確保というのは実現するというような流れになっているんでしょうか。
◎吉岡秀一 交通局総務課長 委員おっしゃられます来年4月、91名に向けて、現在運転士の確保に努めているところでございます。正確に数字を申し上げますと、今年度に、今後の予定も含めまして20名ということで採用予定はしています。ただ、先ほど説明ありましたとおり、この後訓練とか試験とかになりますので、その状況に応じてその90名に達するかどうかという状況でございます。
以上でございます。
◆上田芳裕 委員 採用予定ということで、今後こういった動きがされるということでございます。連接車両の導入時期と運転士さんの確保の状況については、今後においてもこの委員会の中で随時御報告いただく中で、市電が減便になっておるというような状況から上向きな状況に回復しているというところも示していただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
○田中敦朗 委員長 ほかにございませんか。
◆藤山英美 委員 都市計画に関する説明会ということで予定が出ておりますけれども、このときには具体的に用地買収をする内容というか、実施区間とか、そういうものは提示するわけですか。
◎徳田隆宏 移動円滑推進課長 都市計画の図書として2,500分の1の図面と、参考図で平面図がございますので、そのあたりで市民の皆様には用地買収の範囲等、御確認いただけると思います。
以上でございます。
◆藤山英美 委員 用地買収はいつでも大変な事業だと思いますので、そこはスムーズにいくような説明、提案をしていただければと思います。
以上です。
○田中敦朗 委員長 ほかにございませんか。
◆齊藤博 委員 今から公社を設立していかれる中で、事業主体が少し見にくくなってくる可能性があるかなと思っています。延伸に伴ういわゆる運行業については公社の方で担っていくと。ただし、東町線の整備に係る、例えば都市計画について今までどおり本庁の方でというようなこと。そうすると、鉄軌道、あるいはその資産等々に関する部分については、今までどおり公益法人というような形になりますかね。ちょっとその辺が、どこにどういう形で今後計画の主体性が移っていくのかというのが少し見えにくい部分があるんですけれども、簡単で結構ですので、今後の見通しというか、ここの部分はここで管理していきます、計画の部分は本庁でやります、あるいは、公益法人として残る部分も当然あると思いますので、そこについて今後どうなるのか、簡単に整理していただいてよろしいでしょうか。
◎吉岡秀一 交通局総務課長 まず、来年4月以降の上下分離後の、現状の交通局の業務がどうなるかというのを簡単に御説明しますと、まずは運行部門、料金の収受とかそういった日常的な運行部門は全て上物事業者、法人の方に移ります。現在、現時点で保有しています施設、車両とか軌道とか、そういったものは下物事業者としては公営企業会計が残りますので、そちらの方で所管するということになります。
延伸の部分につきましては、熊本市都市建設局の方で所管を引き続きされまして、その整備が完了した時点で熊本市から法人に引き継がれるような形であろうというふうに、熊本市の特別会計の方に引き継がれるということで考えております。
すみません、下物事業者の特別会計、企業会計が残る、そちらの方に施設、資産の方は引き継がれるということで想定をしております。
以上でございます。
◆齊藤博 委員 ということは、結局、事業体は2つになるということですかね。公営企業法上の法人というのは残らない。交通局として本庁に残っていくということですか。
○田中敦朗 委員長 公営企業会計が残って、そこに資産が残るのかと。
◎吉岡秀一 交通局総務課長 委員おっしゃられましたとおり、公営企業会計が残りまして、下物事業者の方に資産としては残っていくという形になります。
以上でございます。
◆齊藤博 委員 公営企業というのは、どこかで実態として残るんですか。それとも、こっちの交通局、本庁所管ということになるんですか。
◎吉岡秀一 交通局総務課長 下物事業者としては、新たな組織体を立ち上げるということで想定しています。これは、今の都市建設局とかに入るわけではなく、市長直下にぶら下がるような組織体の設置を予定しておりまして、そちらの方で公営企業会計を引き継いでいくということで想定をしております。
以上でございます。
◆齊藤博 委員 以前も説明は受けたやにも記憶はしているんですけれども、もう少しこういう計画が進んでくると、いわゆる所管がどこなのかといったようなところも含めて、まだまだ上下分離が今から進んでいくということ自体も市民の皆さん方に周知されているとはちょっと思えないような状況でもあるということも踏まえて、ある程度可視化できるような資料を改めて次回以降にでも、機を見て御説明いただければと思いますし、市民の皆さん方にも、運行主体が変わっていくんだと、運行は法人でやっていく、下物については行政として責任を持って管理していくというような、そこがしっかり伝わるような形で、今後御説明に含めていただければなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
◆上野美恵子 委員 確認なんですけれども、会計は企業会計で残るということでいいんですか。
◎吉岡秀一 交通局総務課長 会計は、公営企業会計がそのまま残るという形になります。
以上でございます。
◆上野美恵子 委員 今、公営企業法の全部摘用ということでやっていますけれども、全く同じということで引き継いでいかれるという認識でいいですか。
◎吉岡秀一 交通局総務課長 今のままで、何も変わらずということで考えています。
以上です。
◆上野美恵子 委員 ありがとうございます。
○田中敦朗 委員長 そのほかにございませんか。
(発言する者なし)
○田中敦朗 委員長 ないようであれば、(仮称)東町線の延伸については様々な御意見がございましたが、総括いたしますと、大方の御意見としては賛成という旨の内容であったかと思います。各委員から様々な御指摘、御助言がございましたので、そちらには真摯に対応していっていただきたいというふうに思っております。
そこで、本特別委員会におきましても引き続き委員の皆様方の御意見を募りながら、(仮称)東町線の市電延伸に向けた議論を深めてまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
それでは、このほかに(仮称)東町線以外の市電延伸の検討に関して、質疑及び御意見等ございましたら、お願いいたします。
◆古川智子 委員 先ほど東町線はおおむね方向性として示されました。上田委員の方からもありましたけれども、これまでの方向性が示されるまでの経緯を振り返ると、2015年からもうおおむね足かけ10年ですね。その間には延伸効果や市民ニーズが限定的ということで、2019年、議会側が予算を凍結、そういったところも踏まえて、足かけ10年でここまできました。
申し上げたいのは、第1回のこの公共交通に関する特別委員会でも示されましたように、これからの基幹公共交通のネットワークのイメージとして、鉄道が通っていない軸、東部方面、南熊本方面、田崎方面というふうに打ち出されています。またこれから東町線は13年が供用開始ということですけれども、とにかく議論を、これからなるべく始めて、採算性もそうですけれども、本質的な市民のニーズだったり、10分・20分構想だったり、西環状道路だったり、整備される道路がどんどん変容されてくる。もしかしたら、その中でアリーナだったり、ほかの施設だったり、入ってくる可能性がある。そういったところで、市民ニーズ、例えばアンケートもそうですけれども、もう少し情報を出しながら必要性を問うたりとか、ただ延伸が必要かどうか、イエスかノーかだったら、誰だって欲しいと言うと思うんです。ただ、その中で、聞き方をもう少し工夫していったりですとか、先ほど申し上げたように、道路や施設が入ってくる中で、いろいろな状況が変わったときに柔軟性を保ちながら、方向性が大きく変わることだってあると思います。とにかく私たちにも情報をいただきたい。それから、私たち議員としても、いろいろな視点を持って学ばなければいけないということと、住民のニーズを聞きながら、議会として執行部の方に投げていきたいと思っているところです。とにかく伝えたいのは、本質的な議論、それからアンケート、市民の声といったものを聞きながら、では、いざ延伸が決まるときに、みんなが待望するような、よかったね、これで来るねと、期待するねというような延伸になるような決定の打ち出し方をしていきたいと思いますので、よろしくお願いしますということですが、何か回答があればお願いいたします。
◎秋山義典 都市建設局長 まずもって、今回、市民病院までの市電延伸につきまして、各会派から賛成ということでお認めいただいたこと、感謝申し上げます。これから都市計画の手続でありますとか実施設計を進めていきたいと考えておりますが、様々な宿題もいただきましたので、一つ一つ解決しながら、また、都市整備委員会以外の議員の御意見でありますとか、市民の皆様にもアンケート等も行いながら、しっかりと御意見を伺いながら進めたいと考えております。
また、事業を進めるに当たりましては、地域の御理解をいただきながら進めることが大切でございますので、健軍商店街をはじめ地域の方々ともしっかりと対話をしながら、単に軌道を延伸するだけでなくて、商店街の活性化でありますとか、地域のコミュニティの強化など、エリア全体のまちづくりを考えながら進めていきたいと考えております。
また、交通面で言いますと、パークアンドライドですとかサイクルアンドライドとか、併せて実施しまして、車を使うよりも公共交通を使いたいと思っていただけるような取組も行ってまいりたいと思います。
また、古川委員からも御指摘のとおり、南熊本駅方面ですとか田崎方面はじめ、他の基幹公共交通軸の強化、あるいはAIデマンドタクシーなどの地域内公共交通の在り方についても今後、柔軟性を持ちながら進めていきたいと思っておりますし、特別委員会で今後御議論いただきながら、公共交通全体の骨格を、可変的な形も含みながら、一緒につくってまいりたいと考えておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
◆古川智子 委員 ありがとうございます。私たちも頑張ります。よろしくお願いいたします。
◆上田芳裕 委員 すみません、先ほど藤山委員の方から触れられました、都市計画の住民説明の関係の中で、用地買収のところの図面を一定程度示しながら計画を明らかにするというような御返答があったかと思うんですけれども。前回の特別委員会の資料の中では、今年度末、3月ぐらいから実施設計を始めて、来年度いっぱい、実施設計後に用地買収交渉が始まるということで、現時点で図面が出されて、用地交渉をすべき対象の土地が、もう住民説明会の中で少し明らかになるというふうに思ってよろしいんでしょうか。
◎徳田隆宏 移動円滑推進課長 申し訳ございません、私の説明が少し不足をしておりました。正確に申し上げますと、今度の都市計画の説明会では、用地買収に係るおおむねの範囲が分かるということでございます。例えば、2,500分の1の図面に、ここに道路が通りますよという線が入ります。それで、市民の皆様は自分の土地が用地買収に係るのかということがおおむね確認ができるかなと思います。
今、委員がおっしゃったように、詳細設計をしまして、境界立会い等をしますと正確に用地買収の範囲が確定をしてまいりますので、またそういった状況になりましたら、地権者の皆様と交渉等を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆上田芳裕 委員 基本計画の中で図面が引かれるというところで、用地買収の見込みというか、そういうことが想定されているということで、住民説明会の中では当たられるというふうに思っています。そこで十分説明しないといけないのが、あくまでも実施設計終了後に詳細な図面が出ないと分からないということで説明いただかんと、いろいろな誤解があってトラブルになってもいけませんので、そこのところは十分注意いただきたいというふうに思っておりますし、その後の用地交渉、期間が2年程度、予定では想定されておりますけれども、2年間で本当にできるのか、本当に心配なところもございます。ぜひ交通局、そして、都市建設局一体となって、様々な方法を用いて用地買収の取組を進めていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。答弁は結構です。
○田中敦朗 委員長 そのほかございませんか。
◆上野美恵子 委員 基幹公共交通ネットワークの1つとしてのこの市電なんですけれども、今はいろいろ検討経緯を経て、東町線を整備していこうということでの話をしておりますけれども、今後、将来的な話として、この市電について、熊本市として今の時点でどんなふうに将来像とか構想とかを持っておられるか、お聞きしておきたいと思います。
◎徳田隆宏 移動円滑推進課長 市電につきましては本市の基幹公共交通の核となるものでありまして、本市の公共交通に欠かせないものでございます。市電につきましては専用軌道を有しまして、輸送力、速達性に優れるものですから、今後も市電等が入っていない軸につきましては検討が必要かと思っております。まずはこの東町線に注力しながら、いつ、どの段階で具体的に検討していくかはまた検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆上野美恵子 委員 今の時点で具体的に何かあるわけではないけれども、将来的には基幹軸として大事な役割を担っているので、いつかの時点で何らかの検討をしていくという、そのように理解をしてよかったんでしょうかね。分かりました。ありがとうございます。
○田中敦朗 委員長 そのほかございませんか。
(発言する者なし)
○田中敦朗 委員長 それでは、以上で市電延伸についての質疑を終了いたします。
次に、次期地域公共交通計画の策定に向けた取組について、執行部の説明を求めます。
◎大川望 交通企画課長 資料は都-1をお願いいたします。ICリプレイスについて~附帯決議の対応状況~というところでございます。
まず、資料左側1の国庫補助に関する要望を御覧ください。国の補助制度につきましては、機能向上等を伴わない既存システム更新の場合、その費用は補助対象とはなってはございません。そのため、対象とならない地方の交通事業者におかれては、高額な決済費用の更新費用を御自身で捻出をしなければならない状況であったというところでございます。そのようなことから、機能向上等を伴わない既存システムの更新について財政支援を頂けるよう、国に対して本市が独自に要望を行ったというところでございます。今後も同様の課題を抱える地域の交通事業者というのは全国にもいらっしゃるというところもございますので、他地域とも連携をしながら、機会を捉え要望していきたいというふうに考えてございます。
次に、右側2でございます。こちらにつきましては、全国交通系ICカードを継続して利用するための機器更新に関しまして、交通事業者に対してシステム開発事業者に値下げの協議等に向けた詳細な説明を求めるように市の方から要請を行ったというところでございます。
次に、左下3、決済手段に関する周知についてでございます。現在、バス、電鉄電車における決算手段の変更に関する周知方法につきまして、交通事業者をはじめ本市、県等の関係者と、現在は1週間に1回程度でございますが、定期的に協議を行っているところでございます。現時点で想定をしておりますスケジュールを、資料の下段の方に記載いたしております。まず、今月から熊本市のホームページにおきまして、時期ごとの決済手段であったり、タッチ決済に対応したプリペイドカードの入手方法、決済手段に関する情報、まずはこれをきれいに整理した形でお伝えをしていくということをやっていきたいと考えてございます。
また、10月からはポスターやチラシ、交通事業者が準備されます特設のホームページ、これは交通事業者とか、各事業者主体で掲示をしてしまいますと、情報をどこに取りに行っていいか分からないということもあろうかと思いますので、入り口が1個にまとまった特設のホームページをイメージしてございます。また、SNSであったり、あらゆる媒体を活用しまして、皆様にお伝えしていきたいと考えてございます。また、ポスターやチラシの掲示場所につきましては、バス車内はもとより各自治体の施設、本庁舎等の施設であったり、熊本空港や熊本駅等のサイネージを活用いたしまして、できるだけ多くの方々の目にとどまるよう、掲載に工夫をしていきたいと考えてございます。
さらに、11月からは県内の各市町村、熊本市であれば市政だよりであるとか、行政の広報紙に掲載するほか、実際にカード、またはアプリを手に取っていただいて、疑似的に使っていただくような、タッチ決済等の体験会をやっていきたいと考えてございます。
また、現時点においてはタッチ決済が使用できる環境が整っております市電を活用いたしまして、タッチ決済に関する利用促進のキャンペーンあたりも考えているところでございます。なお、スケジュールの朱書きをしてございますけれども、現時点において、バス事業者の方から機器の入替作業に伴う移行期間につきましては、12月~3月の間というふうに伺っておるというところでございます。
最後に、市電の決済手段に関する検討の状況というところでございます。こちらにつきましては、第2回の定例会の方で答弁させていただきました。先に更新が始まりますバス、電鉄電車の状況、また、全国交通系ICカード側の動向にも注視しつつ、今後アンケート等によりまして、市民の皆様の御意見を把握いたしますとともに、特別委員会や地域公共交通活性化協議会等で議論いただきながら、方針を決定していくという所存でございます。
説明は以上でございます。
◎吉岡秀一 交通局総務課長 資料交-1をお願いいたします。
熊本市電における決済手段の変更について御説明させていただきます。
今回の資料につきましては、前々回の第3回の特別委員会の中でお示しさせていただいた資料をベースにつくっているものでございまして、中ほどにあります市電・バス連携サービス、こちらのところをより具体的に記載したものでございます。
簡単に振り返らせていただきますと、まずパターンを3つ挙げておりました。これは前回同様、変わっておりませんで、パターンの1つ目が現行の全国交通系ICカードを更新するパターンでございます。パターンの2つ目が、バス・電鉄電車と決済環境、決済システムを統一するパターンでございます。パターンの3つ目が、今のパターン②にプラスしまして、全国交通系ICカードが利用できます簡易型端末を設置するというパターンでございました。費用につきましては、パターン①が約2億円、パターン②が約1.1億円、パターン③が約1.9億円ということで示させていただいておりますが、これは資料の下段の方に米印で記載させていただいておりますけれども、現在、各事業者の方にこの更新費用、再度のお見積りをお願いしている状況でございまして、この金額、先ほど申しました2億円、1.1億円、こういったところが変更になった場合は、次回以降の特別委員会の場で再度お示しさせていただければということで考えております。
それから、更新費用の下の市電・バス連携サービスについてでございますが、こちらの表がそのパターン①、パターン②、パターン③、それぞれが来年4月以降、バスの方で新たに入れられます決済システム、そことの連携が技術的にできるかというのを○×で示しているものでございまして、バス、電鉄電車ですのでパターン②と同様のものになります。手法としまして3つ挙げておりまして、くまモンのICカード、タッチ決済、QRコード認証という3つを使ってのパターンを考えております。
それから、連携施策ということで、あくまで例でございますが、5つほど挙げさせていただいております。共通定期と乗継割引、通し運賃、オフピークサブスクと上限設定割引ということで、これについては裏面の方に参考ということで、内容の方は記載させていただいております。あくまで例示でございますので、具体的にどれをやるかというのは当然決まっておりませんし、内容等についても、実際に決まってからバス事業者等と協議していくものになりますので、あくまで一例、参考ということで御覧いただければと思います。
簡単に御説明しますと、1点目の共通定期といいますのが、これはバス・市電どちらでも使える定期券を発行するというものでございます。技術的には、くまモンICカード、それからQRコード認証、この2つを介して実施が可能ということで聞いております。
それから、2点目の乗継割引ですが、これが乗り継いだ際にその都度料金を割り引くというものでございまして、バスから市電、市電からバスに乗り継いだ際に、一定の料金、例えばですけれども、20円を割り引くというような制度でございます。技術的にはくまモンICカードとタッチ決済で実施が可能でございます。
3点目の通し運賃ですが、こちらが交通モードに限らず、1つの運賃、通しの運賃を適用するというものでございまして、例えばバスで始点から終点まで行った場合の料金が、バスと市電を乗り継いだ場合の料金よりも安い場合、バスと市電を乗り継いだら、その料金がちょっと高くなってしまう場合に、そのバスの料金、始点から終点までの料金を適用するというようなものでございまして、くまモンICカードとタッチ決済でこれは技術的に実施が可能でございます。
4点目のオフピークサブスクですが、これは移動需要が少ない昼間の時間帯に設定して、バス・市電共通で利用できるというものでございまして、技術的にはくまモンICカードとQRコード認証で実施が可能です。
最後の上限設定割引が、一定の上限額に達すると、以降の運賃を割り引くというものでございまして、現状、市電の方で1日360円というものを設定しておりますが、これをバスと共同でやるというものでございまして、日額とか、あるいは月額とか、そういったやり方も検討できるのかなというふうに考えております。技術的にはくまモンICカードとタッチ決済で実施が可能でございます。
技術的な○×はそこに記載しているとおりでございますが、大きく異なりますのが右上の費用の面を書いておりまして、まず、くまモンICカードでこの連携策、それぞれ実施する場合は、それぞれでバスと市電、システムの改修費用がその都度発生してしまうという形になります。タッチ決済につきましては、示したように3つについては、現在無料で実施が可能ということになります。QRコード認証につきましては、別途アプリの開発費用というものがかかってまいりますが、金額的にはシステム改修ほどはかからないであろうということで見込んでいるという状況でございます。
今申しました○×表を落とし込んでおりますのが、最初にお示ししております1ページ目の真ん中のところでございまして、パターン②とパターン③の○×については、参考でつけてあるところとイコールの○×になります。1点だけ異なりますのが、パターン①、全国交通系ICカードを更新するパターンでいきますと、くまモンICカードを介してのバスとの連携策ができないということで×ということになっております。ただ、パターン①でいきましても、通常の決済、180円を支払ったりとか、おでかけ乗車券を使ったりとかいうのは現状どおりそのまま利用が可能となっています。
ただ、その表を見ていただきますと分かりますとおり、くまモンICカードでの連携は×というふうになっていますけれども、タッチ決済、あるいはQRコード認証、これらを使うことによって、どちらかが○になっているという状況でございますので、パターン①でも問題なくバス・電鉄電車との連携は、現状のシステムにおいても実施できるというような状況になっております。
説明は以上でございます。
○田中敦朗 委員長 以上で説明は終わりました。
それでは、次期地域公共交通の策定に向けた取組について、質疑及び御意見をお願いいたします。ございませんか。
◆島津哲也 委員 ICリプレイスについてですけれども、このスケジュールを見ますと、12月~3月は現金とくまモンICカードのみの利用ということになりますけれども、その前に現金を持ちたくないんで、くまモンICカードに変更される、希望される方がいらっしゃると思うんですけれども。購入できる場所と、チャージされる場所が、私もちょっと事前に調べましたけれども、かなり少ないような気がするんですけれども、今後拡大していくとか、キャンペーンのときだけはどこかで特別に売るとか、そういうのがあったら教えていただきたいんですけれども。
◎大川望 交通企画課長 委員の御指摘、今の御意見、確かにそのとおりだというふうに思ってございます。やはりいかに手に取っていただいてというのを促進していくという観点からは、入手ができる場所であったり、チャージのできる環境がすごくいっぱいあるというのは非常に大事な視点だと思ってございます。
現状において、チャージができる場所につきましては、購入・チャージ共にバスの車内とかいうのが一番多い窓口のような形にはなってございます。今後、その窓口あたりをどう広げていくかという部分については、まだ具体的な結論までは至ってございませんけれども、引き続き発行元である肥後銀行さんと一緒に協議はしていきたいというふうに考えてございます。
また、先ほど御説明の中でも差し上げましたとおり、体験乗車会のような、例えばまちなかでやられるイベントに合わせて特別なブースのようなものを設けて、皆さんの手に取ってもらって、目に触れてもらうような機会というものを考えたいというふうに思ってございますので、そういったイベントの場でカードを売る機会を設けたりとかいうようなことができればというふうにも考えてございます。こういった詳細につきましては今検討してございますので、御公表できるような段階になりましたならば、いち早く皆様の方に情報を届けたいというふうに考えてございます。
以上でございます。
◆島津哲也 委員 ありがとうございます。
私も現金での支払だと、降りる際にもたもたして結構恥ずかしいので、今、全国交通系ICカードを使っていますけれども、近いうちにくまモンICカードを買いに行きたいと思います。
以上でございます。
○田中敦朗 委員長 ほかにございませんか。
◆齊藤博 委員 ちょっとお尋ねをしたいんですが、12月から機器の移行期間ということで、現金、くまモンICカードのみしか利用ができなくなるということで、いわゆる全国交通系ICカードが使えないというような時期も、考えてみれば、あと3か月ほどということになります。利用促進活動のキャンペーンが9月の、もう今まさに中旬なんですけれども、どんなキャンペーンが始まるのかというのはまだ分からないでしょうか。中身が分かれば、教えてください。
◎大川望 交通企画課長 今、詳細につきまして関係者の方々と詰めているという状況でございますので、具体的にまだこの場で御発表できるような段階までは至っていないというところでございます。
以上でございます。
◆齊藤博 委員 それと、もう一つ気になったのが、タッチ決済の運用開始は4月からということで従前からお伺いいたしておりました。ただ、注釈に、状況によって変動する可能性があると。その時期が、運用開始時期、前倒しというのはなかなかあり得ないんではないかなとも思うんですけれども、変動する可能性というのはどんな想定の中で変動する可能性がある、今の段階でお答えできる範囲で結構ですので、教えてください。
◎大川望 交通企画課長 具体的なお話というのはなかなか持ち合わせていないというのが正直なところではございますが、ただ、この機器の入替方法といいますか、バス事業者の方も極力皆様方への影響を少なくしたいというお気持ちは当然あられますので、そういった意味から、できる限り影響を少なくする、短縮するようなこともひとつ視野に入れつつ、今一生懸命考えをしていただいているところでございますので、その点についても、こういうふうにしましょうと確定的にお知らせできる段階になった暁には、皆様方にもしっかりアナウンスをしていきたいと考えてございます。
以上でございます。
◆齊藤博 委員 サービス利便性が一旦低下するような形になります。今のお答えだと、前倒しの可能性も含めた、これは注釈なんだというような受け止め方もできるかなと思いますので、市民の方々の利便性向上に直結するようなところですので、前倒しでできれば結構ですし、できるだけ計画に遅れが出ないような形でぜひ取り組んでいただいて、頑張っていただければなと思います。よろしくお願いします。
○田中敦朗 委員長 そのほかございませんか。
◆上田芳裕 委員 12月からくまモンICカードか現金ということで。バス利用者の関係でいくと、約5割ぐらいの方がくまモンICカードで定期を使われて、4分の1ぐらいが交通系から恐らくくまモンICカードに切り替えるか、現金で払われるか、4分の1ぐらいが現金ということで推移をしていくというふうに思っていますけれども。今、齊藤委員の方からも聞かれましたけれども、くまモンICカードに関するキャンペーンの中で、くまモンICカードの利便性向上に向けて、これは肥後銀行さんのカードであるので、熊本市が主体でないので、あまり強くは言えないんですけれども、いわゆる10カードにおけるスマートフォン等を活用したモバイルSuicaとか、くまモン版のモバイルアプリの状況とかを含めて、今どのような把握されていますでしょうか。
◎大川望 交通企画課長 今お話に出ました、いわゆるくまモンICカードのアプリ版のようなイメージのものかと思います。先般、肥後銀行さんの方でプレスリリースされましたくまモン!Payというこのアプリがそれに相当するものかというふうに考えてございます。ただ、この導入時期について、早くというところで、我々としては気持ちはやるところはございますけれども、肥後銀行さんがいついつにはリリースされますよというような、情報を持ち合わせていないというところが正直なところでございますので、肥後銀行さんには引き続きできる限り早く皆さんのお手元に届けられるような形でお願いできればというのは重ねてお話しさせていただきたいというふうに思います。
以上でございます。
◆上田芳裕 委員 ぜひ利用者の方の利便性の向上につながるというふうに思っていますので、肥後銀行さんの御都合等もあろうかと思いますが、熊本市として、市民利用の利便性向上に向けてしっかり対応をしていただきたいというふうに思います。
以上です。
○田中敦朗 委員長 ほかにございますか。
◆古川智子 委員 ICリプレイスについて私からも、附帯決議の対応状況で、各4項目に対して答えが書いてあります。バス事業者に対しては、システム開発事業者に所定経費の詳細に関する説明を求めるよう要請を行ったところというふうにあります。今の、まだ情報が入ってきていないということなので、ここは空欄だと思うんですけれども、今後の更新費用が明確にならない限りは、私たち委員としてもなかなか判断がつかないというところもあります。
このICリプレイスに関しては、もともとが民間バス事業者に対して熊本市は補助をする立ち位置ということがあって、パワーバランスがとても難しいことだと思うんですけれども、それとはいえ、必要な情報ということで、今後、説明を求める要請といったところは引き続きお願いしていくということでしょうか。お願いいたします。
◎大川望 交通企画課長 委員の御指摘のとおり、今後、6月の議会でこの補助というものが、執行は認めるというふうにお認めいただいたものの、当然この附帯決議というものを御提示いただいたりというところでございます。我々は当然、附帯決議に対しては真摯に対応するということで考えてございますので、こちらにつきましては引き続きバス事業者の方に要請を行いながら、状況を確認していくというところで思ってございます。
また、適宜情報明るくなりましたらば、議会の方にもしっかりと御報告を差し上げていくという所存でございます。
以上でございます。
◆古川智子 委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
◆井本正広 委員 ある市民の方から言われたんですけれども、12月からバスで10カードが使えなくなると、現金しか使えなくなるということで、そうであれば、私は、沿線の方なんですけれども、市電に乗り換えるというふうに言われました。そういう方も一定程度あるかと思います。そういう中で、先ほど出ました多両編成、できれば12月に間に合わせていただければ、大変ありがたいというふうに思います。
それと、あと一点ですけれども、市電の方でいろいろな連携サービス、詳しく説明していただきました。ありがとうございます。ここで、やはり最後出ましたくまモンICカードとの連携で費用あり、これが結構な金額に多分なるんではないかなというふうに思います。QRコード費用ありというのもあります。この辺の費用についても、検討する上では大変大きな課題になると思いますので、早めに出していただければというふうに思いますので、よろしくお願いします。
○田中敦朗 委員長 要望でいいですか。
◆井本正広 委員 はい、要望です。
○田中敦朗 委員長 そのほかございませんか。
◆上野美恵子 委員 市電の決済手段に対する検討の部分に関わることなんですけれども、実際、バスとか熊本電鉄さんの方が先に決まってスタートして、市電が追いかけるということになるので、決済手段が同じになるのか、ばらばらになるのかというのが課題として出てくるんではないかな。どっちが便利なのか、どっちが不便なのか、何かすごく判断が難しいことになるだろうと思っているんですよね。そのときにどう考えるかというときに、私もどっちがいいのかなとすごく思うんですけれども。この資料の説明にありますように、市民の皆さんの意見を把握するというふうに書いてありまして。確かに市民の方々の御意見とか意向を聞いてみないと分からないというのがあるのかなと思っておりますけれども、どういう形で聞いていかれるのかなと、そこのところを教えてください。
◎大川望 交通企画課長 今の委員の御指摘は、資料都-1のICリプレイスに関する4番のアンケート等というところを御指摘いただいたのかなというふうに捉えておりますけれども。こちらにつきましては、やはりいかに皆さんに御不安なく新しい決済手段への環境に移行していただくというものを、先ほど来御説明を差し上げました周知広報であったりとか、手に取っていただきやすい環境としてのキャンペーンであったりとか、そういったものを考えているというところでございます。
そんな中、実際に今はまだ手に取っていない環境で皆さん方が情報があまりない中での御不安、それをしっかりと満たしていきながらお伝えし、少し手に取っていただいて、使っていただく環境になったときのお気持ちの中での御不安とか、どんなところに御不安があられるのかみたいなものをしっかりと把握をしながら、そこにどんなキャンペーンであったり、周知広報だったりというものをしていけば、皆さんの不安が解消するだろうというようなものをはかっていくような形で、アンケートを皆さん方にお伺いしたいというふうに考えておりまして。そうすることによって、不安もしっかりと解消していくことで、新しい決済環境の方に慣れていただくというようなことに運んでいけたらというふうに考えているところでございます。
◆上野美恵子 委員 市電の決済手段を決める時期と、このバスの方の事業が始まって、実際制度が変わった中で、市民の方々がどんなふうな印象とか、使ってみての実際感じられるかというのも分かる時期と、それぞれにあると思うんですよね。
そうすると、市電の方を決める時期というのは絶対あると思うので、それに向けて、やはりアンケート、市民の声を聞く時期というのを適切に設定していないと、何か遅かったり早かったりとかがあると、十分に、せっかく声を聞いたのに、反映されないとかということにもなってくるので、せっかくこういうふうに市民の声を聞いて、それを今後の施策に生かしていくというふうな積極的方向があるというのであれば、やはり私たち議会にとっても、それが理解や納得につながっていくように、決める時期はここなので、それに向けてここの時点で把握をしていきますというふうな明確な説明というのをぜひお願いしたいと思いますが、その点で補足があればお願いいたします。
◎大川望 交通企画課長 今、委員おっしゃるところ、まさにそのとおりでございます。市電の決済手段をどうしていくかという決断のタイミング等もしっかりと合わせながら、交通局と一緒にこのアンケートの時期、方法、内容等につきましては議論もしながら、適切に対応していきたいというふうに考えていましたので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
◆上野美恵子 委員 今の回答ではよく分からなかったんですけれども、要するに、決済手段を決める時期はいつだから、この時期に聞きますよというふうな具体的な御説明というのはいつの時点でこの特別委員会に言っていただけるのか教えていただいていいでしょうか。
◎大川望 交通企画課長 現時点において、いつだという明言は、申し訳ございません、できないところではあるんですけれども、しかるべきタイミングでといいますか、適切なタイミングでしっかりと委員会の方にも御報告さしあげたいというふうに考えております。
以上でございます。
◆上野美恵子 委員 決済手段を決める時期というのはもう決まっているわけだから、何かしかるべきという、要するに、そこのところはやはり説明責任という観点から明確にしていかないと、すごくそこら辺が曖昧で、私たちが聞いたときに、もうちょっとこうすればよかったのにとかいうふうな意見をここで言わなくていいように、早めにきちんとした説明をここでするのが大事だと思うんですよね。何かこのことに限らず、すごくぼやっとした曖昧な表現でもって御回答いただくことが大変多いんですけれども、やはり終点の決まっていることはもう少し逆算方式で明快に説明すべきが行政だから、ボランティア団体ではないですから、お金もかかることだし、やっていくことをきちんと確実に効果あるものにしていくためにも、そういう、議会と執行部の関係というか、でもってしていくべきではないかと私は思います。局長はいかがお考えになりますか。
◎秋山義典 都市建設局長 委員御指摘のとおり、市電の決済システムの入替えにもやはり相当の期間が必要となりますので、それに間に合うような形でしっかり、どういった決済手段が一番市民にとって最適かというのを委員に御議論、判断いただけるような材料をお示しできるように、すみません、現段階では具体的な時期はお示しできないんですけれども、それをなるべく早く、いつの段階でそういった調査を行うかというのをお示しできるように整理したいと思っております。
◆上野美恵子 委員 ぜひそこのところはきちんとやっていただいて、ここの委員会の中身が実りあるものになっていくようにしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○田中敦朗 委員長 そのほかございませんか。
(発言する者なし)
○田中敦朗 委員長 なければ、次に報告1件の説明を求めます。
◎荒木敏雄 運行管理副課長 資料交-2をお願いいたします。
市電ドア開け走行(重大インシデント)への対応についてということでございます。
9月2日に市電のドア開け走行について、9月3日、4日に運輸安全委員会の事故調査が入りました。そこで並行しまして、現時点で原因となっている可能性が高いと考えられる事象についての対策を以下のとおり講じるものです。
インシデントの概要でございます。左側の方の図で、新水前寺駅前電停に停車した電車が、通常のドア操作をいたしまして、乗客をお乗せしまして、通常どおり発車いたしました。そういったところ、社内の中扉付近にいたお客様が1段下のステップの方に下りられまして、中扉のブザーの鳴動と同時にドアが開いたものです。運転士の方はドアの鳴動に異常を感じてブレーキ操作をいたしまして、その間40センチほど走行したものです。
2番の安全装置の不具合についてでございますけれども、1段下の下りたところというのが、右側の写真の方で図1のところの写真ありますけれども、マットスイッチというスイッチがございまして、そのスイッチ自体は車外から駆け込み乗車しようとしたお客さんが、ドアが閉まろうとしたときに踏んだら、ドアが開くものとなっておりまして、車外のお客様向けの安全装置ということになっておりますけれども、通常は発車した後、このマットスイッチを踏んでもドアは開かないといったことになっております。
そういったことから、今回、ドアの関連機器の不具合である可能性があったということで、原因究明と再発防止を目的に、9月3日、4日にかけて運輸安全委員会が重大インシデントとして調査を実施したものでございます。また、調査は1年間かけまして、その後、調査報告書としてまとめられる予定となっております。
3番の調査結果と緊急点検と対策ということでございます。左側の写真の方が左中間ドアの写真でございまして、ドアが観音開きの両開きの扉になっております。それが折りたたまれまして、ドア開閉するということになっておりまして、ドア開閉装置というのが車両の方から伸びておりまして、右側の方に拡大写真がございます。その開閉装置の下にドア開閉装置の棒という文字がございますけれども、開くときには右側に押し込まれ、閉じるときには左側の方に戻っていくといった動きとなっております。その右側に押し込まれて、左側に戻るときに、電源入切スイッチとありまして、これがマットスイッチの方の電源を入り切りするものとなっております。
ちなみに、マットスイッチの方は2週間に1回動作点検を実施しておりまして、直近8月19日の点検では正常でございました。また、ドア開閉装置も4年に一度の車検のときに必ず取替えをいたしておりまして、前回、1年半前の令和5年3月に取替え済みの状況でございました。
調査結果としておりますけれども、これはあくまで運輸安全委員会と私どもが一緒に調査した中で、私どもが現時点で原因と考えている事項になります。ドア挟み防止の安全対策として設置しているマットスイッチの電源入切スイッチが正常に作動していなかったと判断しているものでございます。この理由といたしまして、ドア開閉装置の棒と、先ほどのドア開閉装置の下についている棒でございますけれども、それが正常な位置からずれたため、棒が左側に戻るときに、ドア閉時になりますけれども、そのときに電源入切スイッチを押し込めず、結果としてマットスイッチが機能した可能性が高いと考えております。
この理由といたしまして、ドアとドア開閉装置の連結部の遊びと、写真の図1のところの左側のドア開閉装置の矢印がついているところあたりになりますけれども、観音開きとドア開閉装置の接合部のところの遊び、ボルトとナットで止まっておりまして、そこの緩みというか遊びが要因の1つであると考えております。今までは遊びがそういった事象を招くということは考えておりませんで、今回初めて発覚したものでございます。
それを受けまして、緊急点検といたしまして、9月2日にマットスイッチを設置してある対象車両29台の緊急点検を実施いたしました。そのうち2台に同様の現象が見られたため、関連機器の取替え及び確認を即日実施しております。また、緊急対策といたしまして、今後、今も行っておりますけれども、ドアとドア開閉装置の連結部の先ほどの遊びシロ、それを調整を早急に実施しております。また、運転士の方でも社内アナウンスやドア閉確認の徹底というものを行っております。
今後の再発防止策でございますけれども、1番としまして新装置への更新、このドア開閉装置も最初の製造当時からついているものでございますので、更新はしているものの、より安全性が高いドア開閉装置への更新というのを検討しておりまして、今、メーカーと協議中でございます。2番といたしまして、検査項目の追加ということで、今回ドア関連機器は特に安全に関わる機器と考えておりまして、そこの検査項目の追加というのを考えております。具体的には、今回遊びシロが悪影響を及ぼしたということですので、そこの確認というのを行っていくというのを点検項目の中に含めたいと思っております。
説明は以上です。
○田中敦朗 委員長 ただいまの報告に対し、何かお尋ね等はございますか。
◆古川智子 委員 説明ありがとうございました。
これまでの委員会でも、本当に車体大丈夫かということで、大規模改修だったり、安全点検だったりというものをしっかりしていただくようにお願いを何回も申し上げていたところですが、今回ドアといったところで、車両の安全に関わるところはまずはドアと、それからブレーキとというところが一番肝心になるかと思います。これまでの動向を見ると、何か不具合があって、それから同じような型の同箇所を点検していくという流れが、もちろんこれは当然必要なことだと思うんですけれども、そういったことが行われている中で、先ほど申し上げたドア、それからブレーキ、そして、先日のタイヤと機軸ですね、ああいった主要部分というものを今、現状としてどのように、事故が起こっていない、原因となっていない部分も含めて、どのような検査体制を整えているかということを教えてください。
◎荒木敏雄 運行管理副課長 点検自体は半月に1回と2か月に1回行っているのと、4年に1回と8年に1回行っておりまして、また、毎日の出庫前点検だとか、そういったところでも点検はいたしております。ただ、今回のような、今までの点検項目になかったような事象というところが発生しているという現状がございますので、例えば、他の事業者さんの点検簿をコピーか何かさせていただいて、確認しまして、熊本市電と違うところがあるなら、その理由とかをお聞きして、そういったことを点検項目にうたい込めたらいいなというふうに考えております。そこは近日中に行いたいというふうに考えております。
以上です。
◆古川智子 委員 ありがとうございます。
他の事業者さんというのは、同じような市電を持っている自治体の電車ということでいいんですかね。
◎荒木敏雄 運行管理副課長 路面電車の方が、九州でいけば長崎電気軌道と鹿児島市交通局さんがありますので、まずはそこに聞いてみたいというふうに考えております。
以上でございます。
◆古川智子 委員 ありがとうございます。
あと、今回その連結部遊びシロの検査項目を追加ということでおっしゃってくださいましたけれども、何かそのように今あるもので、いや、ここはやはり点検したほうがいいのかなという追加項目というものを探す、今初めて事象として起こってから、追加項目にしなければいけないねということではなくて、同じような微細な器具に関しても、いや、ここもうちょっと確認しておいたほうがいいよねというような調査というか、確認ですよね。そういったところはもう今現状として行われているのか。
◎荒木敏雄 運行管理副課長 調査自体は、点検簿自体が国の基準で求められたところをうたい込んでいる状況でございまして、見直しは当然するというところにしておりまして。あと、今後新型車両の導入がありますので、そこの中でも改めて点検簿の確認と申請というのを行っていきたいなというふうに考えております。
以上でございます。
◆古川智子 委員 ありがとうございます。点検を行っていく中で、先ほどおっしゃったようにほかの自治体の事例も含めて、必要な検査項目をもっと増やしていかなければいけないんではないかという体制は承知しました。
すみません、もう一つ確認なんですけれども、そもそもこの電車のステップ部分というのは、走行中、乗客の方は下りてもいい、ふだんは下りてもいいような状況なんですかね。
◎荒木敏雄 運行管理副課長 原則として、下りていただくとやはり危険、ドアが開いたときに、ドアが開くとかではなく、ドアが開いたときに当たる可能性があるので、運転士さんとしてはステップ部分に下りないでくださいということで案内をしておりまして、通常は下りるところではないという認識をしております。
以上でございます。
◆古川智子 委員 ありがとうございます。
今、観光客の方も多いです。日本語だけではなくて、外国語での御案内にも対応できているような状況ですかね。
◎荒木敏雄 運行管理副課長 外国語を話される運転士さんもいらっしゃいますけれども、多くの運転士さんは基本的にコミュニケーションボードというボードを持って、例えば、英語だったり、韓国語だったりといったところの4か国語を指で示しながらコミュニケーションを取っているところでございます。
以上でございます。
◆古川智子 委員 コミュニケーションボードというのは、対面でボードを見てやっとコミュニケーションが成り立つものだと思います。これだけ車両がいろいろな不具合を起こしてしまうと、運転士さんたちの気持ちを考えると、乗りたくないんではないかなというような危機感も不安も覚えながら、もしかしたら運転していらっしゃるんではないかなというふうに私自身が感じたところなんです。外国の方、いろいろな方がいらっしゃる中で、運転をしながら適宜の、正確な、必要な情報をお伝えするツールとして、コミュニケーションボードだけではなくて、多言語の必要なメッセージだけが流れるようなアナウンスだったり、もしくは運転士さんたちの語学の向上だったり、何かしら対応すべきではないのかなというふうに思います。これはもう私からの要望としてお願いしたいと思います。
○田中敦朗 委員長 答弁は要りませんか。
◆古川智子 委員 お願いしていいですか、すみません。
◎荒木敏雄 運行管理副課長 英語とかその辺のところの接遇研修というのも行ってはおります。ただ、頻度としてはそこまで高いものではございませんので、また研修の予算とか確保しつつ、そういうところにも取り組んでいきたいというふうに考えております。
以上でございます。
◆古川智子 委員 よろしくお願いします。ステップだけではなくて、詰めてくださいだったり、座ってくださいだったり、何かいろいろな配慮が必要だと思うので、ぜひ安全運行のために必要なツールとして取り入れていただきたいと思います。
以上です。
◆上野美恵子 委員 今の、同じテーマでの質問なんですけれども、いろいろな検査を国の基準によってなさっていると御説明があったかと思いますけれども、その国の基準というのは、点検項目を整備側の項目、そして、乗務員側の項目とかいうふうに分けた形でいろいろ具体的に定めてあるんですか。
◎荒木敏雄 運行管理副課長 施設側と車両側に関しては、軌道建設規程という基準に基づいて、具体的な値とかも書いてございますので、そちらに基づいて整備しているところでございます。あと、運転の方に関しては、心得ということで交通局で決めた運転の仕組みというか流れというのを書いているところでございます。
以上でございます。
◆上野美恵子 委員 では、その整備というのは国の基準で、心得は市の定めているものということですよね。
◎荒木敏雄 運行管理副課長 そうですね、車両の方はそういう国の基準というのが具体的にありますので、そちらに基づいてやっているというところでございまして、運転の方はもともと基準はあるのかと思いますけれども、すみません、ちょっと把握していないんですけれども、それを心得に落としたものというところで運用しているところでございます。
以上でございます。
◆上野美恵子 委員 すごく事故が多いから、せっかく100周年のときに市長も頑張って無事故という決意をおっしゃられたにもかかわらず、また重大インシデントが起こってしまってというふうなことになったものですから、改めてやはりどうしたら、どこのところをきちんとやっていけば、そういうインシデントの防止につながっていくのかということを、今までの視点ではない形できちんと詰めてやっていかないといけないんではないかなと思うんですよね。だから、そういう点検にしても運転にしても、今までやっていたやり方を改めて検証していくときに、例えば、この資料にありますが、検査項目の追加と書いてあります。ということは、国が定めた検査項目だけでやっていても、事故は起こってしまった。だから、追加ということなのかなと思う。そうだとするならば、もう少し、多分今度国も関わって検証がされていくので、当然、それについて国からのいろいろな指導とかもあると思うんですけれども、やはり整備側の問題として、きちんとそこのところを国と協議しながらやっていっていただくのかなと思っています。
ただ、国のこの事故調査の方については1年がかりという報告がありましたので、やはりそれを待っていてからというのはすごく遅い。明日からしっかりとやっていかないといけない課題なので、多分やり取りがずっと国とあると思うんですよね。だから、結果を待つのではなくて、そういう事故の検証の過程の中で、気づきがあった時点でそういう改善につながっていくというふうなスピーディーな対応というのをぜひしていただきたいし、それをやっていく中で、国の定めている基準のどこにまだ足りていない部分があるから、こういう事故が発生していくのかということが見えてくれば、当然、国の基準の見直しということにもつながっていくと思うので、それは全国的な安全性の向上というものにつながっていくのかなというふうに思います。
それと、運転する、要するに乗る前の整備、基本的な前提条件をつくるというお話と、実際、もう運行という段階になって、車両が走っている状況の中で安全確保していくというその両面から、安全性がどう担保されていくか、そこのところがやはり必要だし、1つは心得というのがあるかもしれないけれども、それをもう少し一人一人の職員さんが本当に胸にすとんとくるような形で受け止められて、それが形になって安全、事故防止の具体的な自分の動作につながっていくというか、そこのところの見える化というか、ただ聞いたから、これが心得ですよではなくて、聞いた心得が具体的な日常業務の形になって、こういうふうな動きにつながっていますということをしていかないと、多分また事故が起こってしまうかもしれないと思うんですよ。
気分や感情では事故防止はできないので、その必要な点を分かったら、それが動きになって、チェックをするとか、ここはこうするとかいうところのマニュアル化をしてやる。すごく細かくなっていくかもしれないけれども、どうも昨今のこの連続事故の報告を伺うたびに、そこのところが何かちょっと詰めが甘いというか、何か観念論的な気分で終わっているんではないかなとうふうな印象をちょっと受けました。
整備についても、要するに安全装置が働いていなかったとか、マットスイッチの電源が正常にできていなかったとか、いろいろ言われるけれども、それがチェックできていなかったということがすごく問題で、そこのところは多分、それは国の基準の中に当然入っていたことではないかなと思うんですよね。ですけれども、結局それができていなかったから、事故になってしまったということになっているので、そこのところの整備の部分についても、もう少し具体的な整備員さんたちの動作につながるようなものにしておかないと、同じことになっていくんではないかと思います。
市電に限らず、バスであろうが、よくテレビで飛行機なんかの整備のことが特集番組なんかであっていますけれども、やはり飛行機なんていうのは乗っている人もすごく多いから、一旦事故になったら、全てが重大事故、重大という言葉を超えた事故になっていくので、それだけ整備というのがすごく大事なんですよね。だから、やはりそういうことを市電としても踏まえて対応していかないと、この相次ぐ重大インシデントというのはなかなか改善されていかないのかなと、そんな印象を受けています。そこのところを、できればいろいろな形でこの委員会の場でも具体的な改善点としてこんな検証をやって、こんなふうに改善しましたということを御報告いただけると、私たちも見えていいなと思っております。いかがでしょう。
◎井芹和哉 交通事業管理者 全体的なところもあろうかと思いますので、私の方から今のことについて御説明させていただきたいと思います。
まず、今回のドア開けインシデントに限ってということでございますけれども、先ほど説明をしましたように、部品の遊びが原因ではないかというところで御報告したとおりでございますが、これはボルトとナットで棒をつないで動作をするようになっておりまして、それをぎゅっと締めて、遊びシロをゼロにしてしまうと動かない。なので、必要な遊びというふうにこれまで思っておりました。ところが、その遊びが若干そのスイッチに作動しないという事象ではないかと。これについては、ここにもメーカーと協議中という言葉も入れておりますが、この電車は昭和60年から走っておりまして、この部品はそのときからもうついている部品です。
ただ、ここの資料にも書いてありますように、動作確認は2週間に1回確認をしておりますし、部品も4年に1回取り換えていて、今現在ついている部品は令和5年3月ですので、1年半弱ぐらいですかね、ということ。なので、要は予防保全という観点では私どももやっていたというふうに私は認識をしております。
ただ、先ほども言いましたように、その遊びがこの事象につながっているということは、ですから、その基本設計は昭和60年からこの部品自体は変わっていないですけれども、4年に一遍きちんと交換しているということです。その遊びがそういうふうに支障しているのではないかということを今回ありましたものですから、メーカーもそういう報告は今まで長い年月の間で、そういうところについては今までなかったことでありますので、なので、改めて、より安全性の高いドア開閉装置というものはどういうものかというのを検討していこうというところで、今、話をしているところでございます。
一方で、運輸安全委員会の方からも、今あちらの方でも今回のデータであったりというのを持ち帰られて、分析もされていますので、当然、そことも一緒に、先ほど上野委員も言われましたように、これから先も運輸安全委員会の方とやり取りはあるでしょうというお話もあったかと思いますけれども、きちんとそこも踏まえて、メーカーとも協議をしながら、この部品に限ってはやっていきたいというふうに思っています。
それから、全体的なインシデントに関しましても、先ほど言われましたようにいろいろ心得であったりとか、いろいろ規程がというところもありました。そういったところについても、交通局は今、インシデントの検証委員会もつくっておりますので、そこともこの情報をきちんと共有して、そういった意味で専門家からもこの状況、この全ての今のインシデントの状況についてきちんと御議論いただく中で方向性というものを決めていきたいというふうに思っていますし、必要とあれば当然、規約、規程等については適宜変えていきたいというふうに思っております。
それから、あと一点の御質問で、いろいろ規程、規約を決めても、運転士さん一人一人に響かなければ何もならないんではないかというお話があったかというふうに思ってございますが、そこにつきましても、今、私ども管理職と、まずは運転士さんを含め職員と一人一人お話をさせていただいているところでございます。なので、そこでいろいろ、そこでも御意見とかも出てきますので、そういったことも拾い上げながらですけれども、当然、その返し方というのも、こういうふうに規程を変えたからというだけではなくて、そこについては一人一人、やはりいろいろ規程をつくっても、それがちゃんと伝わらないと、運転士一人一人の日々の安全運転といいますか、運転につながらないと意味がないというものは重々承知しておりますので、全職員への周知方法についても改めて検討していきたいというふうに思ってございます。よろしくお願いいたします。
◆上野美恵子 委員 御丁寧な答弁ありがとうございました。本当に頑張っていただきたいと思っています。特にやはり運転士さんたちが本当に日常業務の中で安全な業務に携わっていかれるように、やる気と気概を持った職場になっていくように、処遇の改善についても大いに取り組んでいただくように要望しておきます。
○田中敦朗 委員長 ほかにございませんか。
(発言する者なし)
○田中敦朗 委員長 ほかにないようであれば、本日の調査はこの程度にとどめたいと思います。
この際、本職より執行部に申し上げます。今後の委員会の運営におきましては、第1回の委員会で各委員さんからそれぞれの課題、テーマ等をいただいております。地域エリアごとの公共交通に関する将来ビジョンを優先的に議論してまいりたいと思いますので、その資料についてはしっかり御準備をいただくように求めておきます。
最後に、次回の当委員会において意見陳述人の意見聴取及び質疑を行いたいと思います。そこで、開催日について御相談ですが、10月31日木曜日、午前10時より開催したいと思いますが、よろしいですか。
〔了 承〕
○田中敦朗 委員長 ありがとうございました。それでは、そのように決定いたします。
それでは、これをもちまして地域公共交通に関する特別委員会を閉会いたします。
午前11時38分 閉会
出席説明員
〔政 策 局〕
局長 三 島 健 一 総括審議員 村 上 英 丈
総合政策部長 黒 木 善 一 政策企画課長 松 永 直 樹
〔財 政 局〕
局長 原 口 誠 二 財務部長 濱 田 真 和
財政課長 津 川 正 樹
〔都市建設局〕
局長 秋 山 義 典 技監 上 野 幸 威
都市政策部長 高 倉 伸 一 都市政策課長 飯 田 考 祐
交通政策部長 迫 本 昭 交通政策部首席審議員
濱 口 佳 久
交通企画課長 大 川 望 移動円滑推進課長 徳 田 隆 宏
自転車利用推進課長酒 井 伸 二
〔交 通 局〕
交通事業管理者 井 芹 和 哉 次長 松 本 光 裕
総務課長 吉 岡 秀 一 運行管理副課長 荒 木 敏 雄
地域公共交通に関する特別委員会会議録
開催年月日 令和6年9月12日(木)
開催場所 特別委員会室
出席委員 12名
田 中 敦 朗 委員長 平 江 透 副委員長
木 庭 功 二 委員 村 上 誠 也 委員
古 川 智 子 委員 中 川 栄一郎 委員
島 津 哲 也 委員 齊 藤 博 委員
井 本 正 広 委員 藤 山 英 美 委員
上 野 美恵子 委員 上 田 芳 裕 委員
議題・協議事項
(1)持続可能な地域公共交通の実現に向けた諸問題に関する調査
午前 9時58分 開会
○田中敦朗 委員長 ただいまから地域公共交通に関する特別委員会を開会いたします。
本日の議事に入ります前に、執行部より発言の申出があっておりますので、これを許可します。
◎井芹和哉 交通事業管理者 おはようございます。交通局でございます。
1点目でございますけれども、本日、前回に引き続きまして運行管理課長の松尾が体調不良により本委員会を欠席しております。運行管理課からは、説明員として副課長の荒木が参加して出席しておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
それから、2点目でございますけれども、去る9月2日に、上り新水前寺駅停留所におきまして、市電走行中にドアが開放されるという重大インシデントを引き起こしてしまいました。後ほど原因や対応につきましては詳細な報告させていただきたいと存じておりますが、度重なる事故やインシデントの発生を受け、局を挙げて再発防止に取り組んでいるさなかに、また、開業100周年の記念式典では、安全を最有先する組織風土の再構築を誓った矢先にこのようなインシデントを引き起こしてしまったこと、誠に申し訳なく思ってございます。今後、本事案につきましても外部検証委員会での検証の対象とし、最終報告書で安全対策に反映させてまいりたいと存じております。
市電を御利用していただいております皆様をはじめ、市民の皆様に対しまして、立て続けの事故、トラブル等により御心配、御迷惑をおかけしておりますこと、改めて深くおわび申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
以上でございます。
○田中敦朗 委員長 発言は終わりました。
これより本日の議事に入ります。
本日は、前回の本委員会において会派持ち帰りとなっておりました市電延伸の方向性について御協議いただくため、お集まりいただきました。
それでは、調査の方法についてお諮りいたします。
調査の方法といたしましては、まず、(仮称)東町線の延伸について執行部から説明を聴取し、(仮称)東町線の市電延伸の方向性について各会派からの御意見を伺った後、質疑を行い、次に次期地域公共交通計画の策定に向けた取組について執行部の説明を聴取し、質疑を行いたいと思いますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○田中敦朗 委員長 御異議なしと認め、そのように執り行います。
それでは、(仮称)東町線の延伸について、執行部の説明を求めます。
◎徳田隆宏 移動円滑推進課長 資料1を御覧ください。
本日は、前回いただきました御質問につきまして3つに整理し、御説明したいと考えております。
2ページ目をお願いいたします。市電延伸に伴う利用者数増への対応についてです。
まず、上段の7時~8時までのピーク時間帯の数値上の輸送力についてでございます。
初めに、グラフの見方を御説明いたします。いずれのグラフも、ピーク1時間当たりのグラフになります。また、青色の棒グラフは3つのグラフとも同じ値でございます。この青色の棒グラフは、電停間で乗車している人の合計であり、例えば、市電が健軍町電停と健軍交番前電停の間を走行していれば、そのときに乗車している人の合計をそれぞれの電停間で示しております。オレンジ色の線は1時間の間に走行している車両定員の合計であり、例えば、1時間に定員100人の車両が10台走っていたとすると、1,000人になります。また、緑色の棒グラフは市電延伸後1時間当たり電停間で増加する乗車人員になります。さらに、一番右側のグラフでは、オレンジ色の線が横から斜めに上がっておりますが、これは全ての便が市民病院まで運行するのではなく、健軍電停で折り返す便があることを示しております。
一番左、現在のグラフになりますが、青の棒グラフがオレンジの線を越えております。これは、減便により一定の区間は車両定員を超えて乗車しているため、比較的混雑していることを示しています。真ん中、右側のグラフで示す将来では、計画的な車両入替えと運転手確保により、快適に移動できる運行本数を確保したいと考えております。
先ほど、現在は比較的混雑している状況と申し上げましたが、実際は車両定員の1.5倍乗車できることから、1時間当たりで見れば、数値上は輸送力は確保されている状況になります。
次に、下段のピーク時間帯の積み残しの要因と対応策について御説明します。
上段で御説明しましたように、数値上、輸送力は確保できておりますが、現実的には積み残しが発生しております。9月2日に現地調査を行いましたところ、積み残しの最大の待ち時間は10分でございました。この積み残しの要因は、調査の結果、大きく2つあると考えております。1つ目は、ピーク時間帯の中でも特定の時間、7時半~8時に利用者が集中をしていること、2つ目は車両が混雑しているから、また、乗車時に座れないなどの理由で次の便を待つ利用者が多いことも分かりました。
市電延伸後は、電停の新設により健軍電停の利用者は分散する見込みですが、ピーク時、7時台の利用者数は650人程度を見込んでおります。今後、積み残しの解決に向けて3つの対策で対応していきたいと考えております。1つ目は、運転士の積極採用を継続し、運行本数を確保すること、2つ目は、車両の容量を増やすことです。右の表にございますように、3両編成車両を計画的に導入してまいります。3つ目は、時差出勤を推進し、ピーク時の利用を分散することです。これらの取組を通じて、積み残しに対応していきたいと考えております。
3ページ目をお願いいたします。
こちらは、(仮称)東町線(熊本高森線)の整備についてまとめたものでございます。まず、上段になります。おさらいになりますが、一部単線化は、下のイメージ図にございますように、交差点①と④の一部区間において整備するものです。一部車両につきましては、健軍電停が始発となる便の運行も想定をしております。
次は、中段の交差点の構造についてです。現在、中心部から益城方面で右折レーンがある交差点②、③、④には、整備後も右折レーンを整備したいと考えております。このことから、新たに用地買収が発生するものであり、これを主な要因として、前回委員会で御説明したように6億円増となるものでございます。また、軌道が大きくカーブする交差点④につきましては、曲線半径を30メートルで設計をしておりまして、規定で定められた曲線半径11メートルを十分に満足しており、安全な運行が可能でございます。
次に、下段になります。前回御説明しました電停位置の変更に関する補足説明です。現在、交差点④付近の自衛隊中通りにある上り電停を、下のイメージ図のとおり熊本高森線の複線区間に移動をしたいと考えております。こうすることで、この電停に停車したときに、健軍電停方面から来ている市電が単線区間に進入をしていないか直接目視で確認可能となり、安全性がより確保できると考えております。
4ページ目をお願いいたします。
こちらは、都市計画に関する説明会についてです。9月補正予算が議決されましたら、都市計画の説明会を実施したいと考えております。主に延伸区間を対象として健軍文化ホールで平日、休日の1回ずつ、また、全市を対象としまして市民会館シアーズホーム夢ホールで平日、休日の1回ずつ開催したいと考えております。本日の特別委員会終了後、明日以降、地元自治会長など、都市計画に関する説明会の事前説明に参りたいと考えております。
説明は以上でございます。
○田中敦朗 委員長 以上で説明は終わりました。
それでは、まず、前回の本委員会において会派持ち帰りとなっておりました(仮称)東町線の市電延伸の方向性について、各派からの御意見をお願いしたいと思います。
自民党さん。
◆齊藤博 委員 自民党でございますが、この方向性については前向きに検討いただいてよいのではないかということであります。ただし、先ほどもございましたが、安全確保をとにかく留意いただいて、全力で安全確保に向けた取組を進めていただければというのが大前提ということであります。
それから、今、直近で御説明がございましたが、市民の御意見、しっかりと受け止めていただきながら、慎重に計画を進めていただければというふうに考えております。
以上です。
○田中敦朗 委員長 それでは、次に熊本自民さんお願いします。
◆藤山英美 委員 熊本自民としては、結論から申し上げますと、今回の市電延伸についてはおおむね賛成でございます。しかし、前回の委員会から会派内で数回にわたり議論を重ねた中では、まだまだ議論が尽くされたとは言い難い、あるいは、これだけの一大事業が都市整備委員会以外の議員や地元議員に対して当初から十分な説明がなされていないなど、総じて言えば、市民に対する十分な説明並びに議会での十分な議論の時間が確保できていないという思いがあるということでございます。この点については、執行部に対し強く指摘しておきます。今後の市電延伸に限らず、市政の重要課題に関しては、今回の反省を踏まえた上、その進め方に工夫を凝らすよう要望しておきます。
また、市電については市内の公共交通機関として極めて利便性が高く、マイカーから公共交通への転換を促す可能性を有しております。だからこそ、健軍自衛隊ルートの整備と並行して、新たな路線等の整備に関してもグランドデザインを描くことが重要で、本来なら当初予算に計上すべきことだと思っております。また、その際には今回のように執行部案を議会に対して押しつけるのではなく、執行部と議会が共に議論できるような検討手法で進めるよう、こちらも強く要望しておきます。
以上です。
○田中敦朗 委員長 それでは、次に市民連合さんお願いいたします。
◆上田芳裕 委員 市民連合でございます。
我が会派の方でも市電の延伸について議論をしてまいりました。結論を申し上げますと、市電延伸については今後進められるべきものであるというふうな判断に至っております。平成27年から約10年にわたって議論が積み重ねられて、当初はやはり東区健軍地域だけにこれだけの大きな予算を投じていいのかとか、様々な意見がございましたが、それらの意見に対して市の執行部の方でも、西南部地域や植木地区でのAIデマンドタクシーの本格導入であったり、上熊本駅周辺においてJR乗降客と市電と熊本電鉄との協議も進められているようでございます。また、中央区においても、新水前寺駅周辺に、JR豊肥本線と市電とバス利用者の利便性向上に向けたバス停の設置等も今後進められる、そういった意味からすると、熊本市全体としてそれぞれの地域の中で公共交通というものが前に進んでいるのではないかと判断をしております。
そういった意味では、東区健軍地区における公共交通の中核でございます市電の延伸については、さらなる市民の皆さん方の公共交通の利用を促進すべきだと思っています。
ただ、課題として、自民党さんからもございました、市電の事故等、インシデント等の根絶に向けてさらなる取組をしていただきたいことと併せて、今後この計画によると用地買収も出てきます。スケジュール等、期間の中で用地買収がきちんと進まないと、工事が遅れるという形になりますので、そういったところも進めていただきたいというふうに思いますし、もう一つは延伸によって新しい4つの電停ができます。4つの電停の利便性向上に向けて、いろいろなところでパークアンドライドとか、土地が必要な部分等もあるので、なかなか難しいかもしれませんが、バスとの乗換拠点の在り方とかも含めて、供用開始までの間には取組を進めていただきたいと思います。
以上でございます。
○田中敦朗 委員長 それでは、公明党さん、お願いいたします。
◆井本正広 委員 公明党です。
我が会派もいろいろ議論いたしました。大前提として、高齢化社会を迎えるに当たり、公共交通の強化は必要と考えております。そして、熊本の渋滞対策、これも最重要課題であります。昨年のパーソントリップ調査で、交通手段分担率が自動車が最も多く、それも、増加しているという結果が出ております。特に、男女ともに60代以上の割合が増加しているという現状がある中で、今回の件は必要だと考えております。
また、一昨日の一般質問でもありましたように、バスの運転士数が今後10年間で約200名減少するというような見通しの話もありました。今回の提案の中で、自動車利用減少が1日約2,000台、また、費用便益も1を超えているということでありますので、会派としては市電延伸については賛成ということになりました。
ただ、今、市民連合さんからもありましたように、パークアンドライド、また、サイクルアンドライド、しっかりこれも確保をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○田中敦朗 委員長 それでは、次に共産党さん、お願いいたします。
◆上野美恵子 委員 共産党としても、市電の東町線の延伸については必要性を認める立場であります。これまでもいろいろな場で申し上げてまいりましたように、公共交通がこれから果たす役割を考えたときに、市電というのは軌道で、基幹公共交通軸にもなっていく、そういうものですので、特に言ってきたように、今回、東町線というのは市民病院はもちろんですけれども、いろいろな県立の学校であったり、区役所があったり、地域の住民も多い地域でもありますし、やはり市民の利便性の向上にもつながっていくのではないかというふうに思っております。
もちろんこれについては事業費もかなりかかりはしますけれども、その点についての理解を深めていくためにも、議会はもちろんですけれども、市民の理解につきましては、地元だけではなくて、全市民の皆さんの御理解を得ながら進めていくということも大切であろうと考えております。やはり理解を広げていくことが、今後の熊本市の公共交通政策がさらに充実し、利用促進につながっていくことの1つではないかというふうに思っています。
そういう意味では、本日の委員会は陳謝で始まりましたけれども、こういうことは大変残念で、ほかの方もおっしゃったように、まず第一は安全確保ということをしっかり考えて、こういう拡充策を進めていっていただければいいなと思っています。
以上です。
○田中敦朗 委員長 ありがとうございました。
ただいま(仮称)東町線の市電延伸の方向性について、各会派の御意見を伺ったところですが、ほかに委員さんそれぞれから、(仮称)東町線の延伸に関する質疑等がございましたら、お願いいたします。
◆藤山英美 委員 追加ですけれども、やはり重要な議題ですので、必要ならば現地視察も考えていただければありがたいです。
以上です。
○田中敦朗 委員長 またそちらも特別委員会の中で検討していきたいと思います。
ほかにございませんか。
◆上野美恵子 委員 さきほど、今後のこととして、都市計画に関する説明会も計画されているという御説明がありました。これはいいことだと思います。東区だけではなくて、市民会館という場も設けられて、全市民的な視野でなさるということ自体は大変歓迎をしているところではありますけれども、形式的にただやったというだけではなくて、本当にどういうふうに議論を尽くしていこうと思っているのか、説明会の規模でありますとか、どういうふうに広報していくとか、市民に理解を深めていく、そういう視点での説明会になっていくのか、補足的に説明をお願いいたします。
◎徳田隆宏 移動円滑推進課長 今回、4回開かせていただきますが、会場の規模からしまして100名程度は入る規模になっております。また、今後もこの都市計画の説明会を皮切りに、地元の方々とも積極的に意見交換を図ってまいりたいと考えております。また、市電のみならず、関係課と連携しまして沿線のまちづくりについても議論を深めていきたいと思っております。
以上でございます。
◆上野美恵子 委員 ありがとうございます。
これに限らず、要望があれば説明とか、場を設けられるとは思いますけれども、やはりいろいろな人、乗る人の立場に立って、利用者側の立場に立った視点での説明会をやっていってほしいなと思います。そういう意味では、こういう説明会をするときに、そこに来る方の御意見というのは聞けると思うんですけれども、市電とか通勤通学に使われると思うので、そういう利用者さんの声がもう少したくさん集まってくるような手法での意見聴取というのも併せてなさったほうがよくはないかなというふうに私は思っておりますけれども、いかがでしょうか。
◎徳田隆宏 移動円滑推進課長 例えば、都市計画の説明会の資料につきましてもホームページにアップしまして御意見も伺えるようにしたいと思っております。
以上です。
◆上野美恵子 委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。
○田中敦朗 委員長 ほかにございませんか。
◆上田芳裕 委員 資料の中で、今後の利用者数増への対応についてということで記載がなっております。令和13年度以降についてはまだ相当先な話ですけれども、直近の話で来年の4月からは一定程度3連接車両が導入とございまして、快適な移動を確保できるような想定になっているのかと思っています。ただ、前回の委員会の中だったかと思いますけれども、現在動いている車両が31編成、31台、これに新たな3編成、3連接車両が入ってくることによって、実際、31台から増えると思っているのですけれども、そこの考え方についてどのように把握されていますでしょうか。
◎荒木敏雄 運行管理副課長 31台とおっしゃられている分は、恐らく朝ラッシュ時に必要な最大出庫台数ということになろうかと思います。市電が45台保有しておりまして、そのうち車検だとか故障だとか含めて10台ぐらいが出庫できない状況にありまして、それに加えて突発的な事故だとか故障だとかが発生しております。日によって違うんですけれども、32~33台ぐらい、現在動かせるような状況にございます。そういった中で、今年度新たに2台導入ということで、34~35台ぐらいにはなるかと思っておりまして、31台は賄えると思っております。
以上でございます。
◆上田芳裕 委員 全体車両の中で最大動かせるのが33台で、ただ、いろいろな状況で31台ということが6月議会の中だったかな、報告を受けたんですけれども、来年4月以降は34~35編制で動かします、なおかつ運転士さんの人員確保についても、現時点80名程度が10名程度増えるということで、運転士さんの確保と車両の確保ができるのかなというふうに思っておりますけれども、実際のところ運転士さんというのは来年の4月1日で、計画では91名体制になると聞いていますけれども、研修とか受けられて、実際に車両に乗車できる運転士さんの数ということで91名把握でよろしいんでしょうか。
◎荒木敏雄 運行管理副課長 今、運転士の方も随時採用の方で募集をかけておりまして、相当な数の運転士さんの応募があっているような状況です。運転士の候補生として今採用しているのが17名、その後、運転士研修生として現時点で15名採用しております。その中で、まず車掌として3か月ぐらい採用しまして、その後、研修ということで学科の勉強をして、筆記試験に臨んで、その後、実技試験での免許取得ということになっております。
以上でございます。
◆上田芳裕 委員 人数については事前に確認していなかったので、少し曖昧だったかなというふうに思うんですけれども、実際、計画として来年4月段階で91名の運転士確保というのは実現するというような流れになっているんでしょうか。
◎吉岡秀一 交通局総務課長 委員おっしゃられます来年4月、91名に向けて、現在運転士の確保に努めているところでございます。正確に数字を申し上げますと、今年度に、今後の予定も含めまして20名ということで採用予定はしています。ただ、先ほど説明ありましたとおり、この後訓練とか試験とかになりますので、その状況に応じてその90名に達するかどうかという状況でございます。
以上でございます。
◆上田芳裕 委員 採用予定ということで、今後こういった動きがされるということでございます。連接車両の導入時期と運転士さんの確保の状況については、今後においてもこの委員会の中で随時御報告いただく中で、市電が減便になっておるというような状況から上向きな状況に回復しているというところも示していただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
○田中敦朗 委員長 ほかにございませんか。
◆藤山英美 委員 都市計画に関する説明会ということで予定が出ておりますけれども、このときには具体的に用地買収をする内容というか、実施区間とか、そういうものは提示するわけですか。
◎徳田隆宏 移動円滑推進課長 都市計画の図書として2,500分の1の図面と、参考図で平面図がございますので、そのあたりで市民の皆様には用地買収の範囲等、御確認いただけると思います。
以上でございます。
◆藤山英美 委員 用地買収はいつでも大変な事業だと思いますので、そこはスムーズにいくような説明、提案をしていただければと思います。
以上です。
○田中敦朗 委員長 ほかにございませんか。
◆齊藤博 委員 今から公社を設立していかれる中で、事業主体が少し見にくくなってくる可能性があるかなと思っています。延伸に伴ういわゆる運行業については公社の方で担っていくと。ただし、東町線の整備に係る、例えば都市計画について今までどおり本庁の方でというようなこと。そうすると、鉄軌道、あるいはその資産等々に関する部分については、今までどおり公益法人というような形になりますかね。ちょっとその辺が、どこにどういう形で今後計画の主体性が移っていくのかというのが少し見えにくい部分があるんですけれども、簡単で結構ですので、今後の見通しというか、ここの部分はここで管理していきます、計画の部分は本庁でやります、あるいは、公益法人として残る部分も当然あると思いますので、そこについて今後どうなるのか、簡単に整理していただいてよろしいでしょうか。
◎吉岡秀一 交通局総務課長 まず、来年4月以降の上下分離後の、現状の交通局の業務がどうなるかというのを簡単に御説明しますと、まずは運行部門、料金の収受とかそういった日常的な運行部門は全て上物事業者、法人の方に移ります。現在、現時点で保有しています施設、車両とか軌道とか、そういったものは下物事業者としては公営企業会計が残りますので、そちらの方で所管するということになります。
延伸の部分につきましては、熊本市都市建設局の方で所管を引き続きされまして、その整備が完了した時点で熊本市から法人に引き継がれるような形であろうというふうに、熊本市の特別会計の方に引き継がれるということで考えております。
すみません、下物事業者の特別会計、企業会計が残る、そちらの方に施設、資産の方は引き継がれるということで想定をしております。
以上でございます。
◆齊藤博 委員 ということは、結局、事業体は2つになるということですかね。公営企業法上の法人というのは残らない。交通局として本庁に残っていくということですか。
○田中敦朗 委員長 公営企業会計が残って、そこに資産が残るのかと。
◎吉岡秀一 交通局総務課長 委員おっしゃられましたとおり、公営企業会計が残りまして、下物事業者の方に資産としては残っていくという形になります。
以上でございます。
◆齊藤博 委員 公営企業というのは、どこかで実態として残るんですか。それとも、こっちの交通局、本庁所管ということになるんですか。
◎吉岡秀一 交通局総務課長 下物事業者としては、新たな組織体を立ち上げるということで想定しています。これは、今の都市建設局とかに入るわけではなく、市長直下にぶら下がるような組織体の設置を予定しておりまして、そちらの方で公営企業会計を引き継いでいくということで想定をしております。
以上でございます。
◆齊藤博 委員 以前も説明は受けたやにも記憶はしているんですけれども、もう少しこういう計画が進んでくると、いわゆる所管がどこなのかといったようなところも含めて、まだまだ上下分離が今から進んでいくということ自体も市民の皆さん方に周知されているとはちょっと思えないような状況でもあるということも踏まえて、ある程度可視化できるような資料を改めて次回以降にでも、機を見て御説明いただければと思いますし、市民の皆さん方にも、運行主体が変わっていくんだと、運行は法人でやっていく、下物については行政として責任を持って管理していくというような、そこがしっかり伝わるような形で、今後御説明に含めていただければなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
◆上野美恵子 委員 確認なんですけれども、会計は企業会計で残るということでいいんですか。
◎吉岡秀一 交通局総務課長 会計は、公営企業会計がそのまま残るという形になります。
以上でございます。
◆上野美恵子 委員 今、公営企業法の全部摘用ということでやっていますけれども、全く同じということで引き継いでいかれるという認識でいいですか。
◎吉岡秀一 交通局総務課長 今のままで、何も変わらずということで考えています。
以上です。
◆上野美恵子 委員 ありがとうございます。
○田中敦朗 委員長 そのほかにございませんか。
(発言する者なし)
○田中敦朗 委員長 ないようであれば、(仮称)東町線の延伸については様々な御意見がございましたが、総括いたしますと、大方の御意見としては賛成という旨の内容であったかと思います。各委員から様々な御指摘、御助言がございましたので、そちらには真摯に対応していっていただきたいというふうに思っております。
そこで、本特別委員会におきましても引き続き委員の皆様方の御意見を募りながら、(仮称)東町線の市電延伸に向けた議論を深めてまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
それでは、このほかに(仮称)東町線以外の市電延伸の検討に関して、質疑及び御意見等ございましたら、お願いいたします。
◆古川智子 委員 先ほど東町線はおおむね方向性として示されました。上田委員の方からもありましたけれども、これまでの方向性が示されるまでの経緯を振り返ると、2015年からもうおおむね足かけ10年ですね。その間には延伸効果や市民ニーズが限定的ということで、2019年、議会側が予算を凍結、そういったところも踏まえて、足かけ10年でここまできました。
申し上げたいのは、第1回のこの公共交通に関する特別委員会でも示されましたように、これからの基幹公共交通のネットワークのイメージとして、鉄道が通っていない軸、東部方面、南熊本方面、田崎方面というふうに打ち出されています。またこれから東町線は13年が供用開始ということですけれども、とにかく議論を、これからなるべく始めて、採算性もそうですけれども、本質的な市民のニーズだったり、10分・20分構想だったり、西環状道路だったり、整備される道路がどんどん変容されてくる。もしかしたら、その中でアリーナだったり、ほかの施設だったり、入ってくる可能性がある。そういったところで、市民ニーズ、例えばアンケートもそうですけれども、もう少し情報を出しながら必要性を問うたりとか、ただ延伸が必要かどうか、イエスかノーかだったら、誰だって欲しいと言うと思うんです。ただ、その中で、聞き方をもう少し工夫していったりですとか、先ほど申し上げたように、道路や施設が入ってくる中で、いろいろな状況が変わったときに柔軟性を保ちながら、方向性が大きく変わることだってあると思います。とにかく私たちにも情報をいただきたい。それから、私たち議員としても、いろいろな視点を持って学ばなければいけないということと、住民のニーズを聞きながら、議会として執行部の方に投げていきたいと思っているところです。とにかく伝えたいのは、本質的な議論、それからアンケート、市民の声といったものを聞きながら、では、いざ延伸が決まるときに、みんなが待望するような、よかったね、これで来るねと、期待するねというような延伸になるような決定の打ち出し方をしていきたいと思いますので、よろしくお願いしますということですが、何か回答があればお願いいたします。
◎秋山義典 都市建設局長 まずもって、今回、市民病院までの市電延伸につきまして、各会派から賛成ということでお認めいただいたこと、感謝申し上げます。これから都市計画の手続でありますとか実施設計を進めていきたいと考えておりますが、様々な宿題もいただきましたので、一つ一つ解決しながら、また、都市整備委員会以外の議員の御意見でありますとか、市民の皆様にもアンケート等も行いながら、しっかりと御意見を伺いながら進めたいと考えております。
また、事業を進めるに当たりましては、地域の御理解をいただきながら進めることが大切でございますので、健軍商店街をはじめ地域の方々ともしっかりと対話をしながら、単に軌道を延伸するだけでなくて、商店街の活性化でありますとか、地域のコミュニティの強化など、エリア全体のまちづくりを考えながら進めていきたいと考えております。
また、交通面で言いますと、パークアンドライドですとかサイクルアンドライドとか、併せて実施しまして、車を使うよりも公共交通を使いたいと思っていただけるような取組も行ってまいりたいと思います。
また、古川委員からも御指摘のとおり、南熊本駅方面ですとか田崎方面はじめ、他の基幹公共交通軸の強化、あるいはAIデマンドタクシーなどの地域内公共交通の在り方についても今後、柔軟性を持ちながら進めていきたいと思っておりますし、特別委員会で今後御議論いただきながら、公共交通全体の骨格を、可変的な形も含みながら、一緒につくってまいりたいと考えておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
◆古川智子 委員 ありがとうございます。私たちも頑張ります。よろしくお願いいたします。
◆上田芳裕 委員 すみません、先ほど藤山委員の方から触れられました、都市計画の住民説明の関係の中で、用地買収のところの図面を一定程度示しながら計画を明らかにするというような御返答があったかと思うんですけれども。前回の特別委員会の資料の中では、今年度末、3月ぐらいから実施設計を始めて、来年度いっぱい、実施設計後に用地買収交渉が始まるということで、現時点で図面が出されて、用地交渉をすべき対象の土地が、もう住民説明会の中で少し明らかになるというふうに思ってよろしいんでしょうか。
◎徳田隆宏 移動円滑推進課長 申し訳ございません、私の説明が少し不足をしておりました。正確に申し上げますと、今度の都市計画の説明会では、用地買収に係るおおむねの範囲が分かるということでございます。例えば、2,500分の1の図面に、ここに道路が通りますよという線が入ります。それで、市民の皆様は自分の土地が用地買収に係るのかということがおおむね確認ができるかなと思います。
今、委員がおっしゃったように、詳細設計をしまして、境界立会い等をしますと正確に用地買収の範囲が確定をしてまいりますので、またそういった状況になりましたら、地権者の皆様と交渉等を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆上田芳裕 委員 基本計画の中で図面が引かれるというところで、用地買収の見込みというか、そういうことが想定されているということで、住民説明会の中では当たられるというふうに思っています。そこで十分説明しないといけないのが、あくまでも実施設計終了後に詳細な図面が出ないと分からないということで説明いただかんと、いろいろな誤解があってトラブルになってもいけませんので、そこのところは十分注意いただきたいというふうに思っておりますし、その後の用地交渉、期間が2年程度、予定では想定されておりますけれども、2年間で本当にできるのか、本当に心配なところもございます。ぜひ交通局、そして、都市建設局一体となって、様々な方法を用いて用地買収の取組を進めていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。答弁は結構です。
○田中敦朗 委員長 そのほかございませんか。
◆上野美恵子 委員 基幹公共交通ネットワークの1つとしてのこの市電なんですけれども、今はいろいろ検討経緯を経て、東町線を整備していこうということでの話をしておりますけれども、今後、将来的な話として、この市電について、熊本市として今の時点でどんなふうに将来像とか構想とかを持っておられるか、お聞きしておきたいと思います。
◎徳田隆宏 移動円滑推進課長 市電につきましては本市の基幹公共交通の核となるものでありまして、本市の公共交通に欠かせないものでございます。市電につきましては専用軌道を有しまして、輸送力、速達性に優れるものですから、今後も市電等が入っていない軸につきましては検討が必要かと思っております。まずはこの東町線に注力しながら、いつ、どの段階で具体的に検討していくかはまた検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆上野美恵子 委員 今の時点で具体的に何かあるわけではないけれども、将来的には基幹軸として大事な役割を担っているので、いつかの時点で何らかの検討をしていくという、そのように理解をしてよかったんでしょうかね。分かりました。ありがとうございます。
○田中敦朗 委員長 そのほかございませんか。
(発言する者なし)
○田中敦朗 委員長 それでは、以上で市電延伸についての質疑を終了いたします。
次に、次期地域公共交通計画の策定に向けた取組について、執行部の説明を求めます。
◎大川望 交通企画課長 資料は都-1をお願いいたします。ICリプレイスについて~附帯決議の対応状況~というところでございます。
まず、資料左側1の国庫補助に関する要望を御覧ください。国の補助制度につきましては、機能向上等を伴わない既存システム更新の場合、その費用は補助対象とはなってはございません。そのため、対象とならない地方の交通事業者におかれては、高額な決済費用の更新費用を御自身で捻出をしなければならない状況であったというところでございます。そのようなことから、機能向上等を伴わない既存システムの更新について財政支援を頂けるよう、国に対して本市が独自に要望を行ったというところでございます。今後も同様の課題を抱える地域の交通事業者というのは全国にもいらっしゃるというところもございますので、他地域とも連携をしながら、機会を捉え要望していきたいというふうに考えてございます。
次に、右側2でございます。こちらにつきましては、全国交通系ICカードを継続して利用するための機器更新に関しまして、交通事業者に対してシステム開発事業者に値下げの協議等に向けた詳細な説明を求めるように市の方から要請を行ったというところでございます。
次に、左下3、決済手段に関する周知についてでございます。現在、バス、電鉄電車における決算手段の変更に関する周知方法につきまして、交通事業者をはじめ本市、県等の関係者と、現在は1週間に1回程度でございますが、定期的に協議を行っているところでございます。現時点で想定をしておりますスケジュールを、資料の下段の方に記載いたしております。まず、今月から熊本市のホームページにおきまして、時期ごとの決済手段であったり、タッチ決済に対応したプリペイドカードの入手方法、決済手段に関する情報、まずはこれをきれいに整理した形でお伝えをしていくということをやっていきたいと考えてございます。
また、10月からはポスターやチラシ、交通事業者が準備されます特設のホームページ、これは交通事業者とか、各事業者主体で掲示をしてしまいますと、情報をどこに取りに行っていいか分からないということもあろうかと思いますので、入り口が1個にまとまった特設のホームページをイメージしてございます。また、SNSであったり、あらゆる媒体を活用しまして、皆様にお伝えしていきたいと考えてございます。また、ポスターやチラシの掲示場所につきましては、バス車内はもとより各自治体の施設、本庁舎等の施設であったり、熊本空港や熊本駅等のサイネージを活用いたしまして、できるだけ多くの方々の目にとどまるよう、掲載に工夫をしていきたいと考えてございます。
さらに、11月からは県内の各市町村、熊本市であれば市政だよりであるとか、行政の広報紙に掲載するほか、実際にカード、またはアプリを手に取っていただいて、疑似的に使っていただくような、タッチ決済等の体験会をやっていきたいと考えてございます。
また、現時点においてはタッチ決済が使用できる環境が整っております市電を活用いたしまして、タッチ決済に関する利用促進のキャンペーンあたりも考えているところでございます。なお、スケジュールの朱書きをしてございますけれども、現時点において、バス事業者の方から機器の入替作業に伴う移行期間につきましては、12月~3月の間というふうに伺っておるというところでございます。
最後に、市電の決済手段に関する検討の状況というところでございます。こちらにつきましては、第2回の定例会の方で答弁させていただきました。先に更新が始まりますバス、電鉄電車の状況、また、全国交通系ICカード側の動向にも注視しつつ、今後アンケート等によりまして、市民の皆様の御意見を把握いたしますとともに、特別委員会や地域公共交通活性化協議会等で議論いただきながら、方針を決定していくという所存でございます。
説明は以上でございます。
◎吉岡秀一 交通局総務課長 資料交-1をお願いいたします。
熊本市電における決済手段の変更について御説明させていただきます。
今回の資料につきましては、前々回の第3回の特別委員会の中でお示しさせていただいた資料をベースにつくっているものでございまして、中ほどにあります市電・バス連携サービス、こちらのところをより具体的に記載したものでございます。
簡単に振り返らせていただきますと、まずパターンを3つ挙げておりました。これは前回同様、変わっておりませんで、パターンの1つ目が現行の全国交通系ICカードを更新するパターンでございます。パターンの2つ目が、バス・電鉄電車と決済環境、決済システムを統一するパターンでございます。パターンの3つ目が、今のパターン②にプラスしまして、全国交通系ICカードが利用できます簡易型端末を設置するというパターンでございました。費用につきましては、パターン①が約2億円、パターン②が約1.1億円、パターン③が約1.9億円ということで示させていただいておりますが、これは資料の下段の方に米印で記載させていただいておりますけれども、現在、各事業者の方にこの更新費用、再度のお見積りをお願いしている状況でございまして、この金額、先ほど申しました2億円、1.1億円、こういったところが変更になった場合は、次回以降の特別委員会の場で再度お示しさせていただければということで考えております。
それから、更新費用の下の市電・バス連携サービスについてでございますが、こちらの表がそのパターン①、パターン②、パターン③、それぞれが来年4月以降、バスの方で新たに入れられます決済システム、そことの連携が技術的にできるかというのを○×で示しているものでございまして、バス、電鉄電車ですのでパターン②と同様のものになります。手法としまして3つ挙げておりまして、くまモンのICカード、タッチ決済、QRコード認証という3つを使ってのパターンを考えております。
それから、連携施策ということで、あくまで例でございますが、5つほど挙げさせていただいております。共通定期と乗継割引、通し運賃、オフピークサブスクと上限設定割引ということで、これについては裏面の方に参考ということで、内容の方は記載させていただいております。あくまで例示でございますので、具体的にどれをやるかというのは当然決まっておりませんし、内容等についても、実際に決まってからバス事業者等と協議していくものになりますので、あくまで一例、参考ということで御覧いただければと思います。
簡単に御説明しますと、1点目の共通定期といいますのが、これはバス・市電どちらでも使える定期券を発行するというものでございます。技術的には、くまモンICカード、それからQRコード認証、この2つを介して実施が可能ということで聞いております。
それから、2点目の乗継割引ですが、これが乗り継いだ際にその都度料金を割り引くというものでございまして、バスから市電、市電からバスに乗り継いだ際に、一定の料金、例えばですけれども、20円を割り引くというような制度でございます。技術的にはくまモンICカードとタッチ決済で実施が可能でございます。
3点目の通し運賃ですが、こちらが交通モードに限らず、1つの運賃、通しの運賃を適用するというものでございまして、例えばバスで始点から終点まで行った場合の料金が、バスと市電を乗り継いだ場合の料金よりも安い場合、バスと市電を乗り継いだら、その料金がちょっと高くなってしまう場合に、そのバスの料金、始点から終点までの料金を適用するというようなものでございまして、くまモンICカードとタッチ決済でこれは技術的に実施が可能でございます。
4点目のオフピークサブスクですが、これは移動需要が少ない昼間の時間帯に設定して、バス・市電共通で利用できるというものでございまして、技術的にはくまモンICカードとQRコード認証で実施が可能です。
最後の上限設定割引が、一定の上限額に達すると、以降の運賃を割り引くというものでございまして、現状、市電の方で1日360円というものを設定しておりますが、これをバスと共同でやるというものでございまして、日額とか、あるいは月額とか、そういったやり方も検討できるのかなというふうに考えております。技術的にはくまモンICカードとタッチ決済で実施が可能でございます。
技術的な○×はそこに記載しているとおりでございますが、大きく異なりますのが右上の費用の面を書いておりまして、まず、くまモンICカードでこの連携策、それぞれ実施する場合は、それぞれでバスと市電、システムの改修費用がその都度発生してしまうという形になります。タッチ決済につきましては、示したように3つについては、現在無料で実施が可能ということになります。QRコード認証につきましては、別途アプリの開発費用というものがかかってまいりますが、金額的にはシステム改修ほどはかからないであろうということで見込んでいるという状況でございます。
今申しました○×表を落とし込んでおりますのが、最初にお示ししております1ページ目の真ん中のところでございまして、パターン②とパターン③の○×については、参考でつけてあるところとイコールの○×になります。1点だけ異なりますのが、パターン①、全国交通系ICカードを更新するパターンでいきますと、くまモンICカードを介してのバスとの連携策ができないということで×ということになっております。ただ、パターン①でいきましても、通常の決済、180円を支払ったりとか、おでかけ乗車券を使ったりとかいうのは現状どおりそのまま利用が可能となっています。
ただ、その表を見ていただきますと分かりますとおり、くまモンICカードでの連携は×というふうになっていますけれども、タッチ決済、あるいはQRコード認証、これらを使うことによって、どちらかが○になっているという状況でございますので、パターン①でも問題なくバス・電鉄電車との連携は、現状のシステムにおいても実施できるというような状況になっております。
説明は以上でございます。
○田中敦朗 委員長 以上で説明は終わりました。
それでは、次期地域公共交通の策定に向けた取組について、質疑及び御意見をお願いいたします。ございませんか。
◆島津哲也 委員 ICリプレイスについてですけれども、このスケジュールを見ますと、12月~3月は現金とくまモンICカードのみの利用ということになりますけれども、その前に現金を持ちたくないんで、くまモンICカードに変更される、希望される方がいらっしゃると思うんですけれども。購入できる場所と、チャージされる場所が、私もちょっと事前に調べましたけれども、かなり少ないような気がするんですけれども、今後拡大していくとか、キャンペーンのときだけはどこかで特別に売るとか、そういうのがあったら教えていただきたいんですけれども。
◎大川望 交通企画課長 委員の御指摘、今の御意見、確かにそのとおりだというふうに思ってございます。やはりいかに手に取っていただいてというのを促進していくという観点からは、入手ができる場所であったり、チャージのできる環境がすごくいっぱいあるというのは非常に大事な視点だと思ってございます。
現状において、チャージができる場所につきましては、購入・チャージ共にバスの車内とかいうのが一番多い窓口のような形にはなってございます。今後、その窓口あたりをどう広げていくかという部分については、まだ具体的な結論までは至ってございませんけれども、引き続き発行元である肥後銀行さんと一緒に協議はしていきたいというふうに考えてございます。
また、先ほど御説明の中でも差し上げましたとおり、体験乗車会のような、例えばまちなかでやられるイベントに合わせて特別なブースのようなものを設けて、皆さんの手に取ってもらって、目に触れてもらうような機会というものを考えたいというふうに思ってございますので、そういったイベントの場でカードを売る機会を設けたりとかいうようなことができればというふうにも考えてございます。こういった詳細につきましては今検討してございますので、御公表できるような段階になりましたならば、いち早く皆様の方に情報を届けたいというふうに考えてございます。
以上でございます。
◆島津哲也 委員 ありがとうございます。
私も現金での支払だと、降りる際にもたもたして結構恥ずかしいので、今、全国交通系ICカードを使っていますけれども、近いうちにくまモンICカードを買いに行きたいと思います。
以上でございます。
○田中敦朗 委員長 ほかにございませんか。
◆齊藤博 委員 ちょっとお尋ねをしたいんですが、12月から機器の移行期間ということで、現金、くまモンICカードのみしか利用ができなくなるということで、いわゆる全国交通系ICカードが使えないというような時期も、考えてみれば、あと3か月ほどということになります。利用促進活動のキャンペーンが9月の、もう今まさに中旬なんですけれども、どんなキャンペーンが始まるのかというのはまだ分からないでしょうか。中身が分かれば、教えてください。
◎大川望 交通企画課長 今、詳細につきまして関係者の方々と詰めているという状況でございますので、具体的にまだこの場で御発表できるような段階までは至っていないというところでございます。
以上でございます。
◆齊藤博 委員 それと、もう一つ気になったのが、タッチ決済の運用開始は4月からということで従前からお伺いいたしておりました。ただ、注釈に、状況によって変動する可能性があると。その時期が、運用開始時期、前倒しというのはなかなかあり得ないんではないかなとも思うんですけれども、変動する可能性というのはどんな想定の中で変動する可能性がある、今の段階でお答えできる範囲で結構ですので、教えてください。
◎大川望 交通企画課長 具体的なお話というのはなかなか持ち合わせていないというのが正直なところではございますが、ただ、この機器の入替方法といいますか、バス事業者の方も極力皆様方への影響を少なくしたいというお気持ちは当然あられますので、そういった意味から、できる限り影響を少なくする、短縮するようなこともひとつ視野に入れつつ、今一生懸命考えをしていただいているところでございますので、その点についても、こういうふうにしましょうと確定的にお知らせできる段階になった暁には、皆様方にもしっかりアナウンスをしていきたいと考えてございます。
以上でございます。
◆齊藤博 委員 サービス利便性が一旦低下するような形になります。今のお答えだと、前倒しの可能性も含めた、これは注釈なんだというような受け止め方もできるかなと思いますので、市民の方々の利便性向上に直結するようなところですので、前倒しでできれば結構ですし、できるだけ計画に遅れが出ないような形でぜひ取り組んでいただいて、頑張っていただければなと思います。よろしくお願いします。
○田中敦朗 委員長 そのほかございませんか。
◆上田芳裕 委員 12月からくまモンICカードか現金ということで。バス利用者の関係でいくと、約5割ぐらいの方がくまモンICカードで定期を使われて、4分の1ぐらいが交通系から恐らくくまモンICカードに切り替えるか、現金で払われるか、4分の1ぐらいが現金ということで推移をしていくというふうに思っていますけれども。今、齊藤委員の方からも聞かれましたけれども、くまモンICカードに関するキャンペーンの中で、くまモンICカードの利便性向上に向けて、これは肥後銀行さんのカードであるので、熊本市が主体でないので、あまり強くは言えないんですけれども、いわゆる10カードにおけるスマートフォン等を活用したモバイルSuicaとか、くまモン版のモバイルアプリの状況とかを含めて、今どのような把握されていますでしょうか。
◎大川望 交通企画課長 今お話に出ました、いわゆるくまモンICカードのアプリ版のようなイメージのものかと思います。先般、肥後銀行さんの方でプレスリリースされましたくまモン!Payというこのアプリがそれに相当するものかというふうに考えてございます。ただ、この導入時期について、早くというところで、我々としては気持ちはやるところはございますけれども、肥後銀行さんがいついつにはリリースされますよというような、情報を持ち合わせていないというところが正直なところでございますので、肥後銀行さんには引き続きできる限り早く皆さんのお手元に届けられるような形でお願いできればというのは重ねてお話しさせていただきたいというふうに思います。
以上でございます。
◆上田芳裕 委員 ぜひ利用者の方の利便性の向上につながるというふうに思っていますので、肥後銀行さんの御都合等もあろうかと思いますが、熊本市として、市民利用の利便性向上に向けてしっかり対応をしていただきたいというふうに思います。
以上です。
○田中敦朗 委員長 ほかにございますか。
◆古川智子 委員 ICリプレイスについて私からも、附帯決議の対応状況で、各4項目に対して答えが書いてあります。バス事業者に対しては、システム開発事業者に所定経費の詳細に関する説明を求めるよう要請を行ったところというふうにあります。今の、まだ情報が入ってきていないということなので、ここは空欄だと思うんですけれども、今後の更新費用が明確にならない限りは、私たち委員としてもなかなか判断がつかないというところもあります。
このICリプレイスに関しては、もともとが民間バス事業者に対して熊本市は補助をする立ち位置ということがあって、パワーバランスがとても難しいことだと思うんですけれども、それとはいえ、必要な情報ということで、今後、説明を求める要請といったところは引き続きお願いしていくということでしょうか。お願いいたします。
◎大川望 交通企画課長 委員の御指摘のとおり、今後、6月の議会でこの補助というものが、執行は認めるというふうにお認めいただいたものの、当然この附帯決議というものを御提示いただいたりというところでございます。我々は当然、附帯決議に対しては真摯に対応するということで考えてございますので、こちらにつきましては引き続きバス事業者の方に要請を行いながら、状況を確認していくというところで思ってございます。
また、適宜情報明るくなりましたらば、議会の方にもしっかりと御報告を差し上げていくという所存でございます。
以上でございます。
◆古川智子 委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
◆井本正広 委員 ある市民の方から言われたんですけれども、12月からバスで10カードが使えなくなると、現金しか使えなくなるということで、そうであれば、私は、沿線の方なんですけれども、市電に乗り換えるというふうに言われました。そういう方も一定程度あるかと思います。そういう中で、先ほど出ました多両編成、できれば12月に間に合わせていただければ、大変ありがたいというふうに思います。
それと、あと一点ですけれども、市電の方でいろいろな連携サービス、詳しく説明していただきました。ありがとうございます。ここで、やはり最後出ましたくまモンICカードとの連携で費用あり、これが結構な金額に多分なるんではないかなというふうに思います。QRコード費用ありというのもあります。この辺の費用についても、検討する上では大変大きな課題になると思いますので、早めに出していただければというふうに思いますので、よろしくお願いします。
○田中敦朗 委員長 要望でいいですか。
◆井本正広 委員 はい、要望です。
○田中敦朗 委員長 そのほかございませんか。
◆上野美恵子 委員 市電の決済手段に対する検討の部分に関わることなんですけれども、実際、バスとか熊本電鉄さんの方が先に決まってスタートして、市電が追いかけるということになるので、決済手段が同じになるのか、ばらばらになるのかというのが課題として出てくるんではないかな。どっちが便利なのか、どっちが不便なのか、何かすごく判断が難しいことになるだろうと思っているんですよね。そのときにどう考えるかというときに、私もどっちがいいのかなとすごく思うんですけれども。この資料の説明にありますように、市民の皆さんの意見を把握するというふうに書いてありまして。確かに市民の方々の御意見とか意向を聞いてみないと分からないというのがあるのかなと思っておりますけれども、どういう形で聞いていかれるのかなと、そこのところを教えてください。
◎大川望 交通企画課長 今の委員の御指摘は、資料都-1のICリプレイスに関する4番のアンケート等というところを御指摘いただいたのかなというふうに捉えておりますけれども。こちらにつきましては、やはりいかに皆さんに御不安なく新しい決済手段への環境に移行していただくというものを、先ほど来御説明を差し上げました周知広報であったりとか、手に取っていただきやすい環境としてのキャンペーンであったりとか、そういったものを考えているというところでございます。
そんな中、実際に今はまだ手に取っていない環境で皆さん方が情報があまりない中での御不安、それをしっかりと満たしていきながらお伝えし、少し手に取っていただいて、使っていただく環境になったときのお気持ちの中での御不安とか、どんなところに御不安があられるのかみたいなものをしっかりと把握をしながら、そこにどんなキャンペーンであったり、周知広報だったりというものをしていけば、皆さんの不安が解消するだろうというようなものをはかっていくような形で、アンケートを皆さん方にお伺いしたいというふうに考えておりまして。そうすることによって、不安もしっかりと解消していくことで、新しい決済環境の方に慣れていただくというようなことに運んでいけたらというふうに考えているところでございます。
◆上野美恵子 委員 市電の決済手段を決める時期と、このバスの方の事業が始まって、実際制度が変わった中で、市民の方々がどんなふうな印象とか、使ってみての実際感じられるかというのも分かる時期と、それぞれにあると思うんですよね。
そうすると、市電の方を決める時期というのは絶対あると思うので、それに向けて、やはりアンケート、市民の声を聞く時期というのを適切に設定していないと、何か遅かったり早かったりとかがあると、十分に、せっかく声を聞いたのに、反映されないとかということにもなってくるので、せっかくこういうふうに市民の声を聞いて、それを今後の施策に生かしていくというふうな積極的方向があるというのであれば、やはり私たち議会にとっても、それが理解や納得につながっていくように、決める時期はここなので、それに向けてここの時点で把握をしていきますというふうな明確な説明というのをぜひお願いしたいと思いますが、その点で補足があればお願いいたします。
◎大川望 交通企画課長 今、委員おっしゃるところ、まさにそのとおりでございます。市電の決済手段をどうしていくかという決断のタイミング等もしっかりと合わせながら、交通局と一緒にこのアンケートの時期、方法、内容等につきましては議論もしながら、適切に対応していきたいというふうに考えていましたので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
◆上野美恵子 委員 今の回答ではよく分からなかったんですけれども、要するに、決済手段を決める時期はいつだから、この時期に聞きますよというふうな具体的な御説明というのはいつの時点でこの特別委員会に言っていただけるのか教えていただいていいでしょうか。
◎大川望 交通企画課長 現時点において、いつだという明言は、申し訳ございません、できないところではあるんですけれども、しかるべきタイミングでといいますか、適切なタイミングでしっかりと委員会の方にも御報告さしあげたいというふうに考えております。
以上でございます。
◆上野美恵子 委員 決済手段を決める時期というのはもう決まっているわけだから、何かしかるべきという、要するに、そこのところはやはり説明責任という観点から明確にしていかないと、すごくそこら辺が曖昧で、私たちが聞いたときに、もうちょっとこうすればよかったのにとかいうふうな意見をここで言わなくていいように、早めにきちんとした説明をここでするのが大事だと思うんですよね。何かこのことに限らず、すごくぼやっとした曖昧な表現でもって御回答いただくことが大変多いんですけれども、やはり終点の決まっていることはもう少し逆算方式で明快に説明すべきが行政だから、ボランティア団体ではないですから、お金もかかることだし、やっていくことをきちんと確実に効果あるものにしていくためにも、そういう、議会と執行部の関係というか、でもってしていくべきではないかと私は思います。局長はいかがお考えになりますか。
◎秋山義典 都市建設局長 委員御指摘のとおり、市電の決済システムの入替えにもやはり相当の期間が必要となりますので、それに間に合うような形でしっかり、どういった決済手段が一番市民にとって最適かというのを委員に御議論、判断いただけるような材料をお示しできるように、すみません、現段階では具体的な時期はお示しできないんですけれども、それをなるべく早く、いつの段階でそういった調査を行うかというのをお示しできるように整理したいと思っております。
◆上野美恵子 委員 ぜひそこのところはきちんとやっていただいて、ここの委員会の中身が実りあるものになっていくようにしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○田中敦朗 委員長 そのほかございませんか。
(発言する者なし)
○田中敦朗 委員長 なければ、次に報告1件の説明を求めます。
◎荒木敏雄 運行管理副課長 資料交-2をお願いいたします。
市電ドア開け走行(重大インシデント)への対応についてということでございます。
9月2日に市電のドア開け走行について、9月3日、4日に運輸安全委員会の事故調査が入りました。そこで並行しまして、現時点で原因となっている可能性が高いと考えられる事象についての対策を以下のとおり講じるものです。
インシデントの概要でございます。左側の方の図で、新水前寺駅前電停に停車した電車が、通常のドア操作をいたしまして、乗客をお乗せしまして、通常どおり発車いたしました。そういったところ、社内の中扉付近にいたお客様が1段下のステップの方に下りられまして、中扉のブザーの鳴動と同時にドアが開いたものです。運転士の方はドアの鳴動に異常を感じてブレーキ操作をいたしまして、その間40センチほど走行したものです。
2番の安全装置の不具合についてでございますけれども、1段下の下りたところというのが、右側の写真の方で図1のところの写真ありますけれども、マットスイッチというスイッチがございまして、そのスイッチ自体は車外から駆け込み乗車しようとしたお客さんが、ドアが閉まろうとしたときに踏んだら、ドアが開くものとなっておりまして、車外のお客様向けの安全装置ということになっておりますけれども、通常は発車した後、このマットスイッチを踏んでもドアは開かないといったことになっております。
そういったことから、今回、ドアの関連機器の不具合である可能性があったということで、原因究明と再発防止を目的に、9月3日、4日にかけて運輸安全委員会が重大インシデントとして調査を実施したものでございます。また、調査は1年間かけまして、その後、調査報告書としてまとめられる予定となっております。
3番の調査結果と緊急点検と対策ということでございます。左側の写真の方が左中間ドアの写真でございまして、ドアが観音開きの両開きの扉になっております。それが折りたたまれまして、ドア開閉するということになっておりまして、ドア開閉装置というのが車両の方から伸びておりまして、右側の方に拡大写真がございます。その開閉装置の下にドア開閉装置の棒という文字がございますけれども、開くときには右側に押し込まれ、閉じるときには左側の方に戻っていくといった動きとなっております。その右側に押し込まれて、左側に戻るときに、電源入切スイッチとありまして、これがマットスイッチの方の電源を入り切りするものとなっております。
ちなみに、マットスイッチの方は2週間に1回動作点検を実施しておりまして、直近8月19日の点検では正常でございました。また、ドア開閉装置も4年に一度の車検のときに必ず取替えをいたしておりまして、前回、1年半前の令和5年3月に取替え済みの状況でございました。
調査結果としておりますけれども、これはあくまで運輸安全委員会と私どもが一緒に調査した中で、私どもが現時点で原因と考えている事項になります。ドア挟み防止の安全対策として設置しているマットスイッチの電源入切スイッチが正常に作動していなかったと判断しているものでございます。この理由といたしまして、ドア開閉装置の棒と、先ほどのドア開閉装置の下についている棒でございますけれども、それが正常な位置からずれたため、棒が左側に戻るときに、ドア閉時になりますけれども、そのときに電源入切スイッチを押し込めず、結果としてマットスイッチが機能した可能性が高いと考えております。
この理由といたしまして、ドアとドア開閉装置の連結部の遊びと、写真の図1のところの左側のドア開閉装置の矢印がついているところあたりになりますけれども、観音開きとドア開閉装置の接合部のところの遊び、ボルトとナットで止まっておりまして、そこの緩みというか遊びが要因の1つであると考えております。今までは遊びがそういった事象を招くということは考えておりませんで、今回初めて発覚したものでございます。
それを受けまして、緊急点検といたしまして、9月2日にマットスイッチを設置してある対象車両29台の緊急点検を実施いたしました。そのうち2台に同様の現象が見られたため、関連機器の取替え及び確認を即日実施しております。また、緊急対策といたしまして、今後、今も行っておりますけれども、ドアとドア開閉装置の連結部の先ほどの遊びシロ、それを調整を早急に実施しております。また、運転士の方でも社内アナウンスやドア閉確認の徹底というものを行っております。
今後の再発防止策でございますけれども、1番としまして新装置への更新、このドア開閉装置も最初の製造当時からついているものでございますので、更新はしているものの、より安全性が高いドア開閉装置への更新というのを検討しておりまして、今、メーカーと協議中でございます。2番といたしまして、検査項目の追加ということで、今回ドア関連機器は特に安全に関わる機器と考えておりまして、そこの検査項目の追加というのを考えております。具体的には、今回遊びシロが悪影響を及ぼしたということですので、そこの確認というのを行っていくというのを点検項目の中に含めたいと思っております。
説明は以上です。
○田中敦朗 委員長 ただいまの報告に対し、何かお尋ね等はございますか。
◆古川智子 委員 説明ありがとうございました。
これまでの委員会でも、本当に車体大丈夫かということで、大規模改修だったり、安全点検だったりというものをしっかりしていただくようにお願いを何回も申し上げていたところですが、今回ドアといったところで、車両の安全に関わるところはまずはドアと、それからブレーキとというところが一番肝心になるかと思います。これまでの動向を見ると、何か不具合があって、それから同じような型の同箇所を点検していくという流れが、もちろんこれは当然必要なことだと思うんですけれども、そういったことが行われている中で、先ほど申し上げたドア、それからブレーキ、そして、先日のタイヤと機軸ですね、ああいった主要部分というものを今、現状としてどのように、事故が起こっていない、原因となっていない部分も含めて、どのような検査体制を整えているかということを教えてください。
◎荒木敏雄 運行管理副課長 点検自体は半月に1回と2か月に1回行っているのと、4年に1回と8年に1回行っておりまして、また、毎日の出庫前点検だとか、そういったところでも点検はいたしております。ただ、今回のような、今までの点検項目になかったような事象というところが発生しているという現状がございますので、例えば、他の事業者さんの点検簿をコピーか何かさせていただいて、確認しまして、熊本市電と違うところがあるなら、その理由とかをお聞きして、そういったことを点検項目にうたい込めたらいいなというふうに考えております。そこは近日中に行いたいというふうに考えております。
以上です。
◆古川智子 委員 ありがとうございます。
他の事業者さんというのは、同じような市電を持っている自治体の電車ということでいいんですかね。
◎荒木敏雄 運行管理副課長 路面電車の方が、九州でいけば長崎電気軌道と鹿児島市交通局さんがありますので、まずはそこに聞いてみたいというふうに考えております。
以上でございます。
◆古川智子 委員 ありがとうございます。
あと、今回その連結部遊びシロの検査項目を追加ということでおっしゃってくださいましたけれども、何かそのように今あるもので、いや、ここはやはり点検したほうがいいのかなという追加項目というものを探す、今初めて事象として起こってから、追加項目にしなければいけないねということではなくて、同じような微細な器具に関しても、いや、ここもうちょっと確認しておいたほうがいいよねというような調査というか、確認ですよね。そういったところはもう今現状として行われているのか。
◎荒木敏雄 運行管理副課長 調査自体は、点検簿自体が国の基準で求められたところをうたい込んでいる状況でございまして、見直しは当然するというところにしておりまして。あと、今後新型車両の導入がありますので、そこの中でも改めて点検簿の確認と申請というのを行っていきたいなというふうに考えております。
以上でございます。
◆古川智子 委員 ありがとうございます。点検を行っていく中で、先ほどおっしゃったようにほかの自治体の事例も含めて、必要な検査項目をもっと増やしていかなければいけないんではないかという体制は承知しました。
すみません、もう一つ確認なんですけれども、そもそもこの電車のステップ部分というのは、走行中、乗客の方は下りてもいい、ふだんは下りてもいいような状況なんですかね。
◎荒木敏雄 運行管理副課長 原則として、下りていただくとやはり危険、ドアが開いたときに、ドアが開くとかではなく、ドアが開いたときに当たる可能性があるので、運転士さんとしてはステップ部分に下りないでくださいということで案内をしておりまして、通常は下りるところではないという認識をしております。
以上でございます。
◆古川智子 委員 ありがとうございます。
今、観光客の方も多いです。日本語だけではなくて、外国語での御案内にも対応できているような状況ですかね。
◎荒木敏雄 運行管理副課長 外国語を話される運転士さんもいらっしゃいますけれども、多くの運転士さんは基本的にコミュニケーションボードというボードを持って、例えば、英語だったり、韓国語だったりといったところの4か国語を指で示しながらコミュニケーションを取っているところでございます。
以上でございます。
◆古川智子 委員 コミュニケーションボードというのは、対面でボードを見てやっとコミュニケーションが成り立つものだと思います。これだけ車両がいろいろな不具合を起こしてしまうと、運転士さんたちの気持ちを考えると、乗りたくないんではないかなというような危機感も不安も覚えながら、もしかしたら運転していらっしゃるんではないかなというふうに私自身が感じたところなんです。外国の方、いろいろな方がいらっしゃる中で、運転をしながら適宜の、正確な、必要な情報をお伝えするツールとして、コミュニケーションボードだけではなくて、多言語の必要なメッセージだけが流れるようなアナウンスだったり、もしくは運転士さんたちの語学の向上だったり、何かしら対応すべきではないのかなというふうに思います。これはもう私からの要望としてお願いしたいと思います。
○田中敦朗 委員長 答弁は要りませんか。
◆古川智子 委員 お願いしていいですか、すみません。
◎荒木敏雄 運行管理副課長 英語とかその辺のところの接遇研修というのも行ってはおります。ただ、頻度としてはそこまで高いものではございませんので、また研修の予算とか確保しつつ、そういうところにも取り組んでいきたいというふうに考えております。
以上でございます。
◆古川智子 委員 よろしくお願いします。ステップだけではなくて、詰めてくださいだったり、座ってくださいだったり、何かいろいろな配慮が必要だと思うので、ぜひ安全運行のために必要なツールとして取り入れていただきたいと思います。
以上です。
◆上野美恵子 委員 今の、同じテーマでの質問なんですけれども、いろいろな検査を国の基準によってなさっていると御説明があったかと思いますけれども、その国の基準というのは、点検項目を整備側の項目、そして、乗務員側の項目とかいうふうに分けた形でいろいろ具体的に定めてあるんですか。
◎荒木敏雄 運行管理副課長 施設側と車両側に関しては、軌道建設規程という基準に基づいて、具体的な値とかも書いてございますので、そちらに基づいて整備しているところでございます。あと、運転の方に関しては、心得ということで交通局で決めた運転の仕組みというか流れというのを書いているところでございます。
以上でございます。
◆上野美恵子 委員 では、その整備というのは国の基準で、心得は市の定めているものということですよね。
◎荒木敏雄 運行管理副課長 そうですね、車両の方はそういう国の基準というのが具体的にありますので、そちらに基づいてやっているというところでございまして、運転の方はもともと基準はあるのかと思いますけれども、すみません、ちょっと把握していないんですけれども、それを心得に落としたものというところで運用しているところでございます。
以上でございます。
◆上野美恵子 委員 すごく事故が多いから、せっかく100周年のときに市長も頑張って無事故という決意をおっしゃられたにもかかわらず、また重大インシデントが起こってしまってというふうなことになったものですから、改めてやはりどうしたら、どこのところをきちんとやっていけば、そういうインシデントの防止につながっていくのかということを、今までの視点ではない形できちんと詰めてやっていかないといけないんではないかなと思うんですよね。だから、そういう点検にしても運転にしても、今までやっていたやり方を改めて検証していくときに、例えば、この資料にありますが、検査項目の追加と書いてあります。ということは、国が定めた検査項目だけでやっていても、事故は起こってしまった。だから、追加ということなのかなと思う。そうだとするならば、もう少し、多分今度国も関わって検証がされていくので、当然、それについて国からのいろいろな指導とかもあると思うんですけれども、やはり整備側の問題として、きちんとそこのところを国と協議しながらやっていっていただくのかなと思っています。
ただ、国のこの事故調査の方については1年がかりという報告がありましたので、やはりそれを待っていてからというのはすごく遅い。明日からしっかりとやっていかないといけない課題なので、多分やり取りがずっと国とあると思うんですよね。だから、結果を待つのではなくて、そういう事故の検証の過程の中で、気づきがあった時点でそういう改善につながっていくというふうなスピーディーな対応というのをぜひしていただきたいし、それをやっていく中で、国の定めている基準のどこにまだ足りていない部分があるから、こういう事故が発生していくのかということが見えてくれば、当然、国の基準の見直しということにもつながっていくと思うので、それは全国的な安全性の向上というものにつながっていくのかなというふうに思います。
それと、運転する、要するに乗る前の整備、基本的な前提条件をつくるというお話と、実際、もう運行という段階になって、車両が走っている状況の中で安全確保していくというその両面から、安全性がどう担保されていくか、そこのところがやはり必要だし、1つは心得というのがあるかもしれないけれども、それをもう少し一人一人の職員さんが本当に胸にすとんとくるような形で受け止められて、それが形になって安全、事故防止の具体的な自分の動作につながっていくというか、そこのところの見える化というか、ただ聞いたから、これが心得ですよではなくて、聞いた心得が具体的な日常業務の形になって、こういうふうな動きにつながっていますということをしていかないと、多分また事故が起こってしまうかもしれないと思うんですよ。
気分や感情では事故防止はできないので、その必要な点を分かったら、それが動きになって、チェックをするとか、ここはこうするとかいうところのマニュアル化をしてやる。すごく細かくなっていくかもしれないけれども、どうも昨今のこの連続事故の報告を伺うたびに、そこのところが何かちょっと詰めが甘いというか、何か観念論的な気分で終わっているんではないかなとうふうな印象をちょっと受けました。
整備についても、要するに安全装置が働いていなかったとか、マットスイッチの電源が正常にできていなかったとか、いろいろ言われるけれども、それがチェックできていなかったということがすごく問題で、そこのところは多分、それは国の基準の中に当然入っていたことではないかなと思うんですよね。ですけれども、結局それができていなかったから、事故になってしまったということになっているので、そこのところの整備の部分についても、もう少し具体的な整備員さんたちの動作につながるようなものにしておかないと、同じことになっていくんではないかと思います。
市電に限らず、バスであろうが、よくテレビで飛行機なんかの整備のことが特集番組なんかであっていますけれども、やはり飛行機なんていうのは乗っている人もすごく多いから、一旦事故になったら、全てが重大事故、重大という言葉を超えた事故になっていくので、それだけ整備というのがすごく大事なんですよね。だから、やはりそういうことを市電としても踏まえて対応していかないと、この相次ぐ重大インシデントというのはなかなか改善されていかないのかなと、そんな印象を受けています。そこのところを、できればいろいろな形でこの委員会の場でも具体的な改善点としてこんな検証をやって、こんなふうに改善しましたということを御報告いただけると、私たちも見えていいなと思っております。いかがでしょう。
◎井芹和哉 交通事業管理者 全体的なところもあろうかと思いますので、私の方から今のことについて御説明させていただきたいと思います。
まず、今回のドア開けインシデントに限ってということでございますけれども、先ほど説明をしましたように、部品の遊びが原因ではないかというところで御報告したとおりでございますが、これはボルトとナットで棒をつないで動作をするようになっておりまして、それをぎゅっと締めて、遊びシロをゼロにしてしまうと動かない。なので、必要な遊びというふうにこれまで思っておりました。ところが、その遊びが若干そのスイッチに作動しないという事象ではないかと。これについては、ここにもメーカーと協議中という言葉も入れておりますが、この電車は昭和60年から走っておりまして、この部品はそのときからもうついている部品です。
ただ、ここの資料にも書いてありますように、動作確認は2週間に1回確認をしておりますし、部品も4年に1回取り換えていて、今現在ついている部品は令和5年3月ですので、1年半弱ぐらいですかね、ということ。なので、要は予防保全という観点では私どももやっていたというふうに私は認識をしております。
ただ、先ほども言いましたように、その遊びがこの事象につながっているということは、ですから、その基本設計は昭和60年からこの部品自体は変わっていないですけれども、4年に一遍きちんと交換しているということです。その遊びがそういうふうに支障しているのではないかということを今回ありましたものですから、メーカーもそういう報告は今まで長い年月の間で、そういうところについては今までなかったことでありますので、なので、改めて、より安全性の高いドア開閉装置というものはどういうものかというのを検討していこうというところで、今、話をしているところでございます。
一方で、運輸安全委員会の方からも、今あちらの方でも今回のデータであったりというのを持ち帰られて、分析もされていますので、当然、そことも一緒に、先ほど上野委員も言われましたように、これから先も運輸安全委員会の方とやり取りはあるでしょうというお話もあったかと思いますけれども、きちんとそこも踏まえて、メーカーとも協議をしながら、この部品に限ってはやっていきたいというふうに思っています。
それから、全体的なインシデントに関しましても、先ほど言われましたようにいろいろ心得であったりとか、いろいろ規程がというところもありました。そういったところについても、交通局は今、インシデントの検証委員会もつくっておりますので、そこともこの情報をきちんと共有して、そういった意味で専門家からもこの状況、この全ての今のインシデントの状況についてきちんと御議論いただく中で方向性というものを決めていきたいというふうに思っていますし、必要とあれば当然、規約、規程等については適宜変えていきたいというふうに思っております。
それから、あと一点の御質問で、いろいろ規程、規約を決めても、運転士さん一人一人に響かなければ何もならないんではないかというお話があったかというふうに思ってございますが、そこにつきましても、今、私ども管理職と、まずは運転士さんを含め職員と一人一人お話をさせていただいているところでございます。なので、そこでいろいろ、そこでも御意見とかも出てきますので、そういったことも拾い上げながらですけれども、当然、その返し方というのも、こういうふうに規程を変えたからというだけではなくて、そこについては一人一人、やはりいろいろ規程をつくっても、それがちゃんと伝わらないと、運転士一人一人の日々の安全運転といいますか、運転につながらないと意味がないというものは重々承知しておりますので、全職員への周知方法についても改めて検討していきたいというふうに思ってございます。よろしくお願いいたします。
◆上野美恵子 委員 御丁寧な答弁ありがとうございました。本当に頑張っていただきたいと思っています。特にやはり運転士さんたちが本当に日常業務の中で安全な業務に携わっていかれるように、やる気と気概を持った職場になっていくように、処遇の改善についても大いに取り組んでいただくように要望しておきます。
○田中敦朗 委員長 ほかにございませんか。
(発言する者なし)
○田中敦朗 委員長 ほかにないようであれば、本日の調査はこの程度にとどめたいと思います。
この際、本職より執行部に申し上げます。今後の委員会の運営におきましては、第1回の委員会で各委員さんからそれぞれの課題、テーマ等をいただいております。地域エリアごとの公共交通に関する将来ビジョンを優先的に議論してまいりたいと思いますので、その資料についてはしっかり御準備をいただくように求めておきます。
最後に、次回の当委員会において意見陳述人の意見聴取及び質疑を行いたいと思います。そこで、開催日について御相談ですが、10月31日木曜日、午前10時より開催したいと思いますが、よろしいですか。
〔了 承〕
○田中敦朗 委員長 ありがとうございました。それでは、そのように決定いたします。
それでは、これをもちまして地域公共交通に関する特別委員会を閉会いたします。
午前11時38分 閉会
出席説明員
〔政 策 局〕
局長 三 島 健 一 総括審議員 村 上 英 丈
総合政策部長 黒 木 善 一 政策企画課長 松 永 直 樹
〔財 政 局〕
局長 原 口 誠 二 財務部長 濱 田 真 和
財政課長 津 川 正 樹
〔都市建設局〕
局長 秋 山 義 典 技監 上 野 幸 威
都市政策部長 高 倉 伸 一 都市政策課長 飯 田 考 祐
交通政策部長 迫 本 昭 交通政策部首席審議員
濱 口 佳 久
交通企画課長 大 川 望 移動円滑推進課長 徳 田 隆 宏
自転車利用推進課長酒 井 伸 二
〔交 通 局〕
交通事業管理者 井 芹 和 哉 次長 松 本 光 裕
総務課長 吉 岡 秀 一 運行管理副課長 荒 木 敏 雄