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熊本市議会議員 たなか あつお

熊本市議会議員 たなか あつお

2024年07月23日 その他

令和 6年 7月23日地域公共交通に関する特別委員会

          地域公共交通に関する特別委員会会議録

開催年月日   令和6年7月23日(火)
開催場所    特別委員会室
出席委員    12名
        田 中 敦 朗 委員長    平 江   透 副委員長
        木 庭 功 二 委員     村 上 誠 也 委員
        古 川 智 子 委員     中 川 栄一郎 委員
        島 津 哲 也 委員     齊 藤   博 委員
        井 本 正 広 委員     藤 山 英 美 委員
        上 野 美恵子 委員     上 田 芳 裕 委員

議題・協議事項
  (1)持続可能な地域公共交通の実現に向けた諸問題に関する調査

                            午後 1時28分 開会
田中敦朗 委員長  それでは、時間前ではございますが、ただいまから地域公共交通に関する特別委員会を開会いたします。
 本日の議事に入ります前に、執行部より発言の申出があっておりますので、これを許可します。


◎井芹和哉 交通事業管理者  去る6月21日、ビアガー電試走中の市電において、ドアが開いた状態で走行する事案が発生し、また7月1日には、信号冒進事案が発生いたしました。
 インシデントが続く中、全乗務員への個別面談や緊急研修など再発防止の対策に局を挙げて取り組んでいた矢先、再び重大事故につながりかねない事案が立て続けに2件発生したことは、非常に危機的な状況であると大変重く受け止めております。
 市電を御利用いただいております皆様をはじめ、市民の皆様に対しましては、御心配、御迷惑をおかけしており、改めて深くおわび申し上げます。
 この事態を受け、私の方から交通局全職員に対して直接緊急職場指導を行い、その中で組織内の安全に関する意識が危機的状況であることを伝えますとともに、安全に関して強く意識し、緊張感を持って業務に臨むよう指導いたしました。
 外部検証委員会におきましては、明後日7月25日に開催予定の次回会議において、中間報告を御議論いただくこととしておりますが、この中間報告を待つことなく、監督職員による添乗指導の強化等、今できることには速やかに取り組み、市民の皆様が安心して市電を御利用いただけるよう努めてまいります。
 インシデントが続く中、全乗務員への個別面談や緊急研修など、再発防止の対策に局を挙げて取り組んでいる矢先、再び重大事故につながりかねない事案が発生したことを本当に重く受け止めておりまして、この場をお借りして改めて深くおわびを申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
 以上でございます。

田中敦朗 委員長  発言は終わりました。
 これより本日の議事に入ります。
 本日は、持続可能な地域公共交通の実現に向けた諸問題に関する調査を行うため、お集まりいただきました。
 それでは、調査の方法についてお諮りいたします。
 調査の方法といたしましては、まず、執行部より、目指す地域公共交通の将来像の具体化について、次期地域公共交通計画の策定に向けての説明を聴取した後、項目ごとに質疑を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。

        (「異議なし」と呼ぶ者あり)

田中敦朗 委員長  御異議なしと認め、そのように執り行います。
 それでは、執行部の説明を求めます。


◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  資料1をお願いいたします。
 1ページ目をお願いします。
 こちらは、第2回特別委員会で決まりました調査項目になります。
 今回は、このうち目指す地域公共交通の将来像の具体化について御説明させていただきます。
 2ページ目をお願いいたします。
 本題に入る前に、まずは前回お示ししました地域公共交通の現状について改めて確認したいと思います。
 上段、青色の部分になりますが、現状本市では公共交通の利用者数が減少し、それが事業者の収益悪化やサービス水準の低下を招く負のスパイラルに陥っております。今後、人口減少・超高齢社会の進展が見込まれる中、このまま負のスパイラルが進めば、公共交通が破綻し、高齢者など多くの方々の移動が困難な状況に陥ってしまうことが危惧されます。
 このような状況に陥らないように、正のスパイラルに戻す取組を進めるため、誰もが安心して移動できる持続可能な公共交通という将来像を掲げまして、公共交通の利用者増や交通事業者の経営効率化等に向け、行政と事業者が連携して取組を進めております。
 3ページ目をお願いいたします。
 ここからが本題になりますが、調査項目における目指す地域公共交通の将来像の具体化、階層化されたネットワークの絵姿とサービス水準について御説明いたします。
 まずは、階層化されたネットワークについてです。
 一般的には、地域公共交通は基幹、地区間、地域内公共交通の3つの階層により構成されています。
 上段の基幹公共交通ネットワークは、主に中心市街地と地域拠点、乗換拠点を結んでおり、鉄道や軌道等が主にこれを担っております。
 また、都市の公共交通の骨格を担う交通機関として、定時性、速達性、大量輸送性などの機能が求められます。
 中段の地区間公共交通ネットワークは、主に基幹公共交通へのアクセス及び地域拠点と生活拠点を結んでおり、路線バスがこれに該当します。
 下段の地域内公共交通ネットワークは、基幹及び地区間公共交通へのアクセス、さらにはこれらでカバーできないエリアの移動になっており、乗合タクシーやAIデマンドタクシーなどのコミュニティ交通がこれに当たります。
 このように階層化されたネットワークとは、各層に求められる機能やサービスに応じて各交通機関が役割を分担し、地域住民の移動を支えていく仕組みとなっております。
 4ページ目をお願いします。
 先ほどの階層化されたネットワークの考え方を本市の将来像として落とし込んだのが、公共交通グランドデザインとなります。
 図の中央から放射状に伸びるピンク色の矢印が、本市の公共交通の骨格となる8つの基幹公共交通軸になります。その基幹公共交通軸に接続する緑の矢印が地区間公共交通、さらにはオレンジの点線で示す空白不便地域を運行する地域内交通、いわゆるコミュニティ交通となっております。
 グランドデザインでは、この3つが連携したネットワークの絵姿を公共交通の目指す将来像として掲げまして、基幹公共交通軸の強化やバス路線網の再編、空白不便地域の解消に取り組むこととしております。
 一方で、このような絵姿はあるものの、基幹公共交通軸などの交通機関が基幹公共軸をどの交通機関が担うのか、また、運行本数や輸送力など各層がそれぞれどの程度のサービスを提供するか明らかになっておらず、現在展開している各施策の到達点が不明確なところもございます。
 このことから、この特別委員会では、将来像の具体化、実現に向けて各層のサービス水準やネットワークの展開方針について御議論いただきながら整理していきたいと考えております。
 5ページ目をお願いいたします。
 こちらは、サービス水準のイメージになります。今後、基幹公共交通に必要な定時性や速達性、輸送力などの機能に応じて求められる具体的なサービスの項目、水準について検討していきたいと考えております。
 また、地区間や地域内交通などについても、同様に検討を進めてまいります。
 6ページ目をお願いいたします。
 次に、基幹、地区間、地域内公共交通、各層の将来像の具体化に向けた今後の検討フローの想定について御説明します。
 本日は、この後、基幹公共交通について整理いたしますが、今後は路線バス等についても現状及びサービス水準について整理し、各層におけるサービス水準の素案とこれを提供していくために必要な行政負担について、今年度中に整理できればと考えております。
 その後、各委員からの御意見も踏まえまして、目指す地域公共交通の将来像として取りまとめ、その方針に基づき各層の施策転換や方針、さらには来年度策定予定の地域公共交通計画骨子案の作成につなげてまいりたいと考えております。
 7ページ目をお願いいたします。
 ここからは、第1層目の基幹公共交通ネットワークに着目し、現状と今後の展開イメージについて御説明させていただきます。
 8ページ目をお願いします。
 基幹公共交通ネットワークの現状でございます。
 本市の基幹公共交通は、右の図に色分けして記載しておりますとおり、中心市街地と15の地域拠点や乗換拠点を結ぶ8つの地区がございます。赤い矢印で示しておりますのは鉄道でございまして、本市では南北の軸となるJR鹿児島本線、熊本駅から大津方面へ伸びる豊肥本線、そして中心市街地等から合志・菊陽方面を結ぶ熊本電鉄がございます。
 オレンジ色で示しておりますのは、軌道でございまして、市電は市域の東西を結びながら、熊本駅や新水前寺駅などの中心部の主要な鉄道駅と結節し、鉄道から乗換えされる利用者を市中心部へ輸送する役割を担っております。
 緑で示しておりますのは、幹線バスでございまして、鉄軌道が未整備の基幹公共交通軸を担っております。基幹公共交通機関に求められる機能は、定時性、輸送力等が優れていることであるため、専用空間と大量輸送力を兼ね備え、本市のように激しい交通渋滞の中でも、圧倒的にその機能を発揮できる鉄軌道が基幹公共交通を担う交通手段の基本であるべきと考えております。
 9ページ目をお願いいたします。
 基幹公共交通の今後の施策展開方針について御説明させていただきます。
 基幹公共交通は、専用走行空間と大量輸送力を兼ね備えた鉄軌道が基本という先ほどの考え方に基づきまして、JRや電鉄など鉄道が通っている軸につきましては、鉄道の輸送力等の機能強化を、鉄道が通っていない軸である東部、南熊本駅、田崎方面につきましては、まずは市電の延伸を検討していきたいと考えております。
 ただし、市電だけで輸送力を賄うことは困難であることから、バス専用レーンの導入など幹線バスの機能強化や、近年技術開発が進む自動運転など新たな交通システムも視野に入れながら、基幹軸の機能強化に取り組みたいと考えております。
 このように基幹軸の強化を行うことはもちろんでございますが、鉄道と市電などをつなぐ乗換拠点につきましても、機能強化を図る必要があると考えております。
 下段、(2)でお示ししておりますのは、現在の地域公共交通計画において設定している乗換拠点案でございますが、こちらについても、バスやAIデマンドタクシーをはじめとするコミュニティ交通のネットワークの検討状況と合わせ、最適な位置及び必要な機能等について整理してまいります。
 次に、現在、基幹公共交通の機能強化策の一つとして検討を進めております自衛隊ルートの市電の延伸について御説明いたします。
 10ページ目をお願いいたします。
 まずは、その市電延伸に関するこれまでの検討経緯について御説明させていただきます。
 本市では、平成27年度から市電の延伸の検討に着手をしました。様々な検討の中で自衛隊ルートを優先整備路線として選定をしたものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けまして、令和2年度途中から約3年間議会での議論を中断しておりました。昨年6月からの議論再開後は、基本設計の修正に取り組みながら、延伸に関する市民の皆様の御意見等についてアンケート調査を実施いたしました。
 詳細につきましては、次ページ以降で御説明させていただきます。
 11ページ目をお願いいたします。
 検討方面の選定についてでございます。延伸を行う方面の検討に当たりましては、8軸のうち鉄道が通っていない軸、そして中心市街地と地域拠点、交通拠点との接続を念頭に、東部方面、田崎方面、南熊本駅方面の3方面について検討を行うこととしました。
 その後、軌道を整備するための道路空間の有無、事業の採算性などを考慮しました。最終的に自衛隊ルートを優先整備路線として選定し、検討を進めているところでございます。
 12ページ目をお願いいたします。
 こちらは、令和5年度に実施した市民アンケート結果の抜粋になります。熊本市はもとより隣接する益城町から、合計9,000人を超える方々から回答をいただきました。
 まず、市民病院まで市電延伸の必要性については、前回アンケートを行った平成29年度と同様、多くの方々から必要という御意見をいただいたところでございます。
 また、市電延伸が必要な理由としては、誰もが移動しやすく暮らしやすい都市の実現には、公共交通を充実させることが必要だと思うからといった様々な御意見をいただきました。
 地域公共交通に対する財政負担につきましても、様々な御意見を頂戴したところであり、今後サービス水準を検討するに当たっても参考にしてまいりたいと考えております。
 13ページ目をお願いいたします。
 こちらは、自衛隊ルートの整備概要になります。
 整備は、健軍町電停から市民病院までの延長約1,500メートル、県道熊本高森線区間を一部単線とし、電停は南北道路に4か所整備する計画としております。
 概算事業費は、今後の精査により多少の変動はございますが、現時点では約135億円を見込んでおります。
 また、今回の延伸による利用者数の増は、1日当たり約2,300人、年間で約84万人、さらに自動車利用削減は1日当たり約2,000人の増加を想定しております。
 最後に、14ページ目をお願いいたします。
 市電延伸の効果と各種施策の一体的な展開について御説明いたします。
 先ほど申し上げましたとおり、今回の延伸事業により、市電の利用者が増加するとともに、自家用車からの公共交通への転換により渋滞の軽減、CO2削減効果が期待されます。
 また、利用者が増加し、交通事業者の収益改善が図られることにより、運行本数の維持、増加や新型車両の導入などの設備投資が可能となり、サービス水準が向上し、より公共交通を利用しやすくなることで利用者が増えていくという好循環が生まれます。
 自衛隊ルートの延伸と同様、鉄軌道のさらなる充実や交通結節機能の強化、無料の日等による利用促進など、各区、各方面で様々な交通施策を一体的に展開していくことにより、公共交通全体を正のスパイラルへ展開し、さらなる渋滞の軽減、公共交通への投資、車がなくても生活できる環境づくり、誰もが安心して移動できる持続可能な公共交通の実現を目指してまいりたいと考えております。
 説明は以上となります。

◎酒井伸二 自転車利用推進課長  続きまして、資料都-1をお願いいたします。
 シェアサイクルのエリア拡大につきまして御説明いたします。
 シェアサイクルにつきましては、令和4年4月からの2年間実証実験を実施いたしまして、利用も好調でございましたことから、この4月から本格運用に移行したところでございます。
 資料左側の1.実証実験の結果を御覧ください。
 実証実験の期間中の704日間で、利用エリアは630ヘクタールから3,100ヘクタールに、ポート数は42か所から313か所に、自転車の台数は110台から1,100台に拡充することで、利用者数は右肩上がりに伸び続けまして、約67万人の皆様に御利用いただいたところでございます。
 続きまして、資料右側の2.エリア拡大の予定を御覧ください。
 本格運用となりました4月から6月までの91日間で、利用者数は約19万人、日平均にして約2,100名の方々に御利用いただいております。
 そこで、この8月から、エリア図の緑色で示します健軍・江津湖・日赤エリアまでエリアを拡大いたします。その後、令和7年度に黄色で示します西熊本・はませんエリア、令和8年度には青色で示します運動公園・光の森エリアまで順次エリアの拡大を進めていく予定でございます。
 今後ともエリアの拡大はもとより、自転車の増車やポート密度を高めますことで、サイクル&ライドを一層推進し、公共交通の利用促進につなげてまいります。
 説明は以上でございます。

◎松尾達哉 運行管理課長  資料交-1を用いまして、7月1日に発生しました信号冒進(インシデント)について御説明差し上げます。
 まず、事案の概要ですけれども、場所としましては九品寺交差点、電車が中心部から健軍町方面に進んでいたときに起こった事案でございます。
 右側、経緯でございますけれども、まず、九品寺交差点で信号待ちをしておりました。その後、赤に加えて左青矢印が追加現示したのを見まして、勘違いして進行を開始してしまったということでございます。
 交差点内で左から接近する自動車を見て赤だと気づきましたけれども、もう中央部分だったということで、そのまま交差点を進行してしまったということになっております。
 原因としまして、運転士が信号を誤認したことによります。原因につきまして聞き取りを行ったところ、ぼうっとしていたと。なぜぼうっとしていたのかという聞き取りにつきましては、乗務前に咳止めの薬を服用したというような旨の発言があっております。
 再発防止策につきましては、3点上げておりますけれども、再教育ですとか、職員に対する周知及び確認呼称の徹底というのが1点目です。
 2点目につきましては、運転士の服薬の影響に係る発言を受けまして、始業点呼時に体調と服薬の有無について確認を徹底することにしております。
 また、7月からダイヤ改正を行っておりまして、多少の時間的余力も出てまいりましたので、しっかり添乗指導等を行いまして、実際の運転状況を踏まえた指導に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

◎吉岡秀一 交通局総務課長  資料交-2をお願いいたします。
 6月21日に発生しましたビアガー電試走中のドア開け走行(インシデント)について御報告させていただきます。
 まず、事案の概要の経緯でございますが、交通局の車庫内におきまして、ビアガー電の試走の準備をしておりますとき、ドアを一時的に解除いたしますドアコック解除という、左側に写真を載せておりますが、こちらの処理を行いまして、これで手動で開け閉めができるようになりますが、その解除を行いまして交通局の職員が荷物の積み込みを行ってまいりました。
 出発時間になりまして、運転手が車外から中にいた職員の方にこのドアコックを閉めるようにということで指示をしましたが、中にいた職員がそれを認識できずに、ドアの方は閉めたんですけれども、ドアコックはそのままということで解除されたまま出発をしてしまったという状況です。
 その後、水道町の交差点手前に差しかかりまして、坂道になったところでドアの方が開きまして、約15メートル走行してしまったという案件になります。
 原因につきましては、交通局の職員がドアコックを閉め忘れたことによるものでございます。
 2の再発防止策についてでございますが、まずもって担当運転士によります出庫前点検の徹底をすること、それから車両の資格や知識を有したもののみ車両の取扱いをするということで、今回のようなドアコックの解除というのは、交通局の事務の職員が絶対に行わないようにするということ、それからその他につきましては、外部検証委員会での意見も踏まえまして、検討してまいりたいというふうに考えております。
 資料交-2については以上でございます。
 続きまして、資料交-3をお願いいたします。
 熊本市電における決済手段の変更についてでございます。
 こちらが前回からの引き続きの案件になりますが、今回は2のところで示しておりますとおり、現状市電において考えられますパターンを3つ概要ということで示させていただいております。
 まず、パターン①でございますが、現行の全国交通系ICカードを更新するパターンということで、これについては、今の環境をそのまま更新することになります。
 内容のところにありますとおり、端末としては2つありまして、上段の端末が全国交通系ICカードとくまモンICカードに利用している端末になります。その下がタッチ決済やQRコード決済に使っている端末になりまして、今回更新の対象になりますのは、その上にあります全国交通系ICカードなどを使っている関連機器類ということになります。
 更新の費用につきましては、ハード・ソフト併せまして、税抜きで約2億円となっています。
 その下の市電・バスの連携サービスについてでございますが、こちらがバスの方で打ち出されております新たなシステム、新たな環境ですね、パターン②のところとイコールになるんですが、その新たなシステムをバスで入れられた場合に、市電がそれぞれどのような連携ができるかというのをちょっと○×で記載させていただいております。
 まず、パターンの①つ目におきましては、このパターンで行きますと、くまモンのICカードを介してのバス等の連携というのはできなくなります。ただ、通常の都度払いの決済とか、おでかけICはこれまで同様使えるということになります。タッチ決済、QRコード決済につきましては、現状の交通局の端末でも連携可能となっております。
 この場合のメリットとしましては、全国交通系ICカードが利用継続できますほか、現行の車載機器を更新しますので、処理速度が最も早いパターンとなります。0.2秒で処理ができるということになりますので、スムーズな乗降につながるということになります。
 デメリットしましては、先ほど申しましたとおり、くまモンICカードを使っての連携サービスができないということ、それから現時点におきましては、パターン②と③よりも高額になっているというところがございます。
 続きまして、パターン②でございますが、こちらがバス・電鉄電車と統一するということで、同じ決済システム、同じ環境にするというところで、現在打ち出している方向性のパターンになります。
 このパターンでいきますと、1つの端末によりまして、くまモンICとタッチ決済、QRコード全て読み込むということになります。
 費用につきましては、現時点では約1.1億円ということで見込んでおります。この場合はバスと同一のシステムになりますので、連携サービスは全て実施可能となります。
 メリットとしましては、3つの案で最も安価になっておりますほか、連携サービスが全て実施可能というところになります。
 デメリットとしましては、全国交通系ICカードの利用が継続できなくなるということ、それからニモカ定期券も合わせて利用継続が不可となるというところでございます。
 最後に、パターン③でございますが、こちらが今申しましたパターン②に合わせまして、簡易型端末を設置しまして、全国交通系ICカードを読み込むパターンとなります。
 内容のところにありますとおり、パターン②の端末に合わせまして簡易型端末を付加するパターンになります。このパターンの更新費用としましては、パターン②の1.1億円に合わせまして、簡易型端末の費用約0.8億円を合わせました1.9億円が更新の費用となります。この場合でいきますと、それぞれの連携サービスは全て実施可能となります。
 メリットとしましては、全国交通系ICカードが利用できるとなりますが、簡易型端末ですので処理速度の方は0.2秒から0.5秒程度まで落ちるということになります。そのほかのメリットとして、連携サービスは全て実施可能というところです。
 デメリットとしましては、簡易型の端末になりますので、車内での交通系ICカードのチャージが不可となりますほか、ニモカ定期券の利用も継続が不可となります。また、パターン②よりも高額となるというデメリットがございます。
 資料交-3につきましては、以上でございます。
 続きまして、資料交-4をお願いいたします。
 熊本市電における顔認証実証実験の結果についてでございます。
 まず1の概要のところで記載しておりますとおり、昨年12月20日から3月末まで実施した実験の報告になります。今回一部車両で実施をしておりまして、結果の方を下の②の方で書いておりますが、まず、登録者数としましては、401名の方に御登録いただいたという状況でございました。
 ただ、利用の件数としましては、期間を通して合計で228件ということで、それほど件数としては多くなかったというところです。期間を通して大きなトラブル、誤認証とか誤決済とか、そういったものはなく、技術的には実施が可能というのは確認が取れたというところでございます。
 右上の効果検証についてでございますが、まずはスムーズな乗降というところで、こちらに実際に1人当たりに要する時間を書いております。これは事業者の方で行った時間になりますので、参考というところになりますが、これによりますと、現金や全国交通系が2秒で済むのに対しまして、顔認証は3.2秒かかるということで、実際に顔を移させてからの時間も約2秒程度要しますので、スムーズな乗降に寄与したとは言い難いような状況でございました。
 また、毎年実施しておりますアンケート調査の中でもそのニーズを聞いておりまして、まず本格導入した場合に利用したいと思うかという問いに対しましては、「思わない」が66.4%、利用したいと思わない理由としましては、「既に利用できる決済方法、決済手段で充分」と答えられた方が42.3%、それから「顔認証そのものに抵抗がある」と答えられた方が24.4%ということで、4人に1人が抵抗があるというふうに答えられたという結果でございました。
 以上から、ニーズがあるというのもちょっと言い難いような状況となったというところでございます。
 その下の④の車両導入にかかる費用についてでございますが、仮にこれを全車両に導入した場合のコストとしまして、約6,000万円というところになります。ランニングコストも記載のとおりの額が必要になりますので、かなり高額な費用が発生するというところで、最後の今後の方向性についてでございますが、決して安価な額とは言えませんし、先ほど報告しましたとおり、現状決済手段の変更というものを検討している中で、さらなる投資というのは難しいというふうに考えておりますので、現時点での導入というのは見送りさせていただきたいと考えております。
 引き続き情報収集、研究等を行いながら、導入の可否については見極めてまいりたいということで考えております。
 説明については以上でございます。

田中敦朗 委員長  以上で説明は終わりました。
 それでは、まず、目指す地域公共交通の将来像の具体化について、質疑及び御意見をお願いいたします。
 徳田課長から説明があった部分ですね。


◆古川智子 委員  御説明ありがとうございました。
 西区選出の議員というところから、西区に関連するところをお尋ねしたいと思います。
 基幹公共交通の全体的な将来像の具体化ということで、とても分かりやすく説明がありました。
 資料の4ページ、本市の階層化されたネットワークの絵姿というところで、それぞれの基幹公共交通、それからバス路線の編成、公共交通空白不便地域の解消というところで、地図と主な取組といったところが可視化できるようになっているところです。
 西区に関しては、コンパクトシティ立地適正化からいうと、地域拠点が城山地域になっています。ただ、この図を見ると、田崎と城山と含めたところなのかなということを思っています。
 基幹公共交通を網羅させるところ、それから公共交通空白不便地域を網羅するところ、公共交通空白地域から地域拠点に結ぶという取組が今後必要になってくるというのは理解ができるんですけれども、ちょっと現状で見たときに、では、今地域拠点が城山になっている。城山の地域がバスがきちんと便数、乗りやすい便数かどうかということを見たときに、決してそうではない。
 では、田崎はどうかと見たときに、まあまあ本数的にも城山に比べたら潤沢にある。そしてそこから少し目を外して西部車庫です。これは城山でもない、田崎でもない、西部車庫というところがあるんですが、西部車庫はバスの駐機場にもなっています。そこはバスを乗りやすいところでもあるし、ある程度本数というのも確保されている。
 そういった現状を見ると、この将来像、地域拠点の基幹にバスを通していくという点から見ると、ちょっと今整合性が取れないような状況になっているなということを思っています。今後、田崎まで電車を延伸する可能性があるということで今説明がありました。まだこれは可能性という段階です。
 もう一つは、別の視点からいうと、AIデマンドタクシーを今後地域を拡充をしていくという視点からいうと、地域拠点になり得る、つまりバスの本数があって乗りやすいところまで、AIデマンドタクシーの降り場にするべきではないのかなというようなことをちょっと申し上げさせていただきたいと思います。ちょっと全体的な今の現状とこれからの課題というところでお伝えさせていただきました。
 今の地域拠点がちょっと整合性が取れないような状況になっていること、で、AIデマンドタクシーの実際の降り場が今適切かどうか、こういったところを考えていかなくてはいけないのかなということを思っております。ちょっとまた今後に考えなきゃいけないということだとは思っていますが、何かしら方向性があれば教えていただきたいと思います。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  西区方面の地域拠点として城山地区ございますけれども、今委員おっしゃいますように、なかなかそういった地域拠点であっても、基幹公共交通が充実していないという現状、我々も認識しております。今後の方向性につきましては、先ほど申し上げましたとおり、基幹公共交通軸の中でも鉄軌道が入っていない部分については、今後市電の延伸も検討していくというところでございますが、ただそれだけではなく、バス路線網についても再検討必要でございますし、そこにつながるAIデマンドタクシーについてもしっかりと乗り継げるような、そういった乗換拠点の整備というものも今後していく必要があると思っております。今後、この本委員会の中でサービス水準等具体的な検討が進められるかと思いますので、それらを踏まえながら具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆古川智子 委員  ありがとうございました。
 今回は基幹公共交通に関してだけということですけれども、すみません、ちょっと言わせていただくと、AIデマンドタクシーの拡充をお願いしたいと思います。ちょっと困難な、松尾地域、それから河内地域ですね、今あるものの利便性を高めていくというよりも、全くないような状況をいかにある状況にしていく次元で、私たち西区の議員は、南区もそうですけれども、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

◆上田芳裕 委員  基幹公共交通ネットワークのイメージということで、9ページで将来的なこれから目指そうとしているものが示されているというふうに思っています。その前の8ページの中で、現状としてやはり基幹公共交通に求められている定時性、速達性、輸送力が優れているということで、鉄軌道が基本という現状がある中で、今後どうしていこうかというお話をいただきましたけれども、鉄道が通っている軸については、鉄道の機能強化を図っていくことで、基幹軸ごとのその下の主たる基幹公共交通の展開、8方面について記載があっております。4番、5番、6番、8番、小峯・長嶺、健軍・益城、嘉島・城南、小島・城山、言うならば平成27年度に市電の延伸を検討した4路線も含まれて、今後自衛隊ルートがほぼほぼ決まっている中で、新たに前回検討したところを今後検討されていくということでよろしいんでしょうか。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  今委員からの御質問があったように、まずは自衛隊ルートというふうに考えておりますが、その他のルートにつきましては、11ページ目に記載がありますように、こちらの3方面、5ルートにつきましては、平成27年度に検討したものでございます。そこから今後再検討するに当たっては10年程度経っており、社会情勢の変化等もございますので、ここから改めて次にどの線に取り組むかは再検討が必要かと思っております。

◆上田芳裕 委員  10年経ったということでございますけれども、概算事業費の関係であったり、道路を専用することによってさらなる渋滞を招く可能性もあるということで外されたところでございます。ぜひ詳細な検討を進めていただく中で、事業費関係含めて市電の延伸、ほかの延伸というのはなかなか厳しいというふうに思っております。
 それに代わって4番の小峯・長嶺方面では、幹線バスの専用レーンの整備ということで、これは恐らく産業道路、国体道路に面するところのバスの専用レーンを検討するということであろうというふうに思っていますけれども。市電の延伸の再検討を推進というよりも、やはり熊本の公共交通、鉄軌道が基本ということで言われていますけれども、バスがいっぱい走っている中では、バスも重要な公共交通であるということからすると、バスの定時性、速達性に向けた専用レーンの整備も、これに示されている産業道路、国体道路のみならず、今3号線とか、水道町方面とか、いろいろ今現時点あるところありますけれども、よその路線でも検討をすべきだというふうに思っています。御所見をいただければと思います。

◎大川望 交通企画課長  御意見ありがとうございます。
 委員おっしゃるとおり、基幹公共交通、基幹の部分については鉄軌道のみならず、大事なモードであるバス、こちらの機能強化というのは当然必要だと認識してございます。
 国体道路のみならずほかの幹線道路においても、導入を検討すべきだというふうな御意見ですけれども、我々としても、そのように認識してございます。当然渋滞の解消であったりとか速達性、あと大量輸送にもバスは寄与するところでございますので、全体のネットワークを考えるに当たっては非常に重要なものと考えてございますので、併せて検討を進めていきたいと考えています。
 以上でございます。

◆上田芳裕 委員  専用レーンを各所に造っていくと車の渋滞がさらに発生するというふうな懸念もございますけれども、ぜひバスの専用レーンの検討に向けては、大胆な発想で検討をしていただきたいというふうに思っていますし、一つちょっと加えて言いますと、必然的な公共交通の関係とはちょっと外れるかもしれませんけれども、熊本市中心部の水道町交差点近くにある鶴屋パーキングに入る交差点があって、そこで非常に大きな渋滞が起きております。鶴屋の特売日とかは特にすごい渋滞で、九本寺方面ずっと並ぶような状態でございます。
 これは県の方にも県警通じて話していますけれども、あそこに歩行者専用の横断報道を造るなりして、歩行者を制限してはいかん時代なのかもしれませんけれども、一定程度あそこに車が入っていく時間帯に、赤にして止めて車をスムーズに流すとか、そういったことも必要であるというふうに思っていますので、これは意見として述べさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

◆齊藤博 委員  市電の延伸の検討についてお尋ねをいたします。改めてなんですが、自衛隊ルート、まず今御提出されていらっしゃるであろう国交省に対する高度化計画、それの自衛隊ルートの位置づけ、そして今後見込まれる国からの助成制度、これについての今の見込み、現状報告をお願い申し上げたいと思います。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  今現在、提出しております高度化計画の自衛隊ルートの位置づけなんですが、高度化計画において得られるこの自衛隊ルートの効果としましては、ひとつ延伸を行う特許というものを得ることができるというのが、軌道高度化実施計画との関係でございます。
 補助金、今後の補助金の見込みですけれども、様々補助金の国庫補助金ございますけれども、軌道事業につきましては、約50%の補助金を受けられる制度がございます。それと街路事業、こちらは道路を整備するための事業になりますが、これは最大55%の補助金を受けられる制度がございますので、これらの確保に向けて今後も引き続き要望等進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆齊藤博 委員  これは高度化計画に基づいた計画の中で、例えば助成金が50%、街路樹等々に対する助成金が55%程度見込めるんだと。熊本市がやるんだと決めれば、これは国から確実に助成として下りるものなのかどうなのか、改めて御説明をお願いします。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  必ずしも約束されているものではございませんけれども、それを獲得できるように毎年度の要望活動並びにその要望先の関係課と密に情報提供等しながら取り組んでまいりたいと考えております。
 以上です。

◆齊藤博 委員  すみません、もう一回お尋ねしますが、これは引き続き予算は要望していかなければ下りないものなんでしょうか。
 あと例えば予算編成で定例会等々において予算が議会で確定させましたと、延伸の計画に対してですね。それであれば、国からの助成というのは間違いなく来るのかどうなのか。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  この補助金につきましては、市の予算とは別に判断が下されるものでございます。ですので、たとえ市の予算がついたとしても、国の予算が必ずしもつくものではございません。国の内示次第でつく、つかないがはっきりするものと理解しております。
 以上です。

◆齊藤博 委員  国の予算がある程度固まっていますというような報道が一部なされたやに記憶いたしておりますが、その件については執行部としてどのようにお考えでしょうか。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  今年度の令和6年度の国交省予算として、4月に市電延伸にかかる予算の内示が公表されたところでございます。これにつきましては、令和6年度のいずれか適切な時期に自主設計の補正予算について計上したいと考えているところでございますが、その後に交付金を確保することが実質困難なことから、少しでも本市の負担を少なくするために、昨年度要望を行ったところでございます。
 これにつきましては、皆様方にお知らせすることを欠いておりまして、非常に大変申し訳なく思っているところでございます。今後はこのようなことのないように、しっかりと報告をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆齊藤博 委員  自主設計の予算等々においては、また改めて今からの議論ということになるんだろうと思います。丁寧な説明を尽くしていただいて、国の方が気持ちちょっと先行して予算を組んでいただいているというような現状もあるかと思いますので、そこについては、延伸の部分に具現化できるような方向にしっかりと説明責任を尽くしていただければなというふうに思います。
 すみません、もう一つですね、電車の延伸、今度はルートの件でお尋ねしたいと思いますが、今はまず自衛隊ルートを優先的に検討していこうと、10年ほど前から始まったという説明でありました。これは執行部としては、自衛隊ルートを一旦落ち着かせた上で、またさらにほかのルートの候補を追い求めていこうとお考えなのかどうなのか、今の時点で結構ですので教えてください。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  自衛隊ルートの次につきましても、やはり鉄軌道の機能強化を図ることは、本市の公共交通全体にとって不可欠と考えておりますので、次のルートにつきましても、また改めて検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上です。

◆齊藤博 委員  その際にお願いでありますけれども、これ10年前のポイント化する中で、現実的に具現化できる一番のルートが自衛隊ルートだったというような結論で、ここ七、八年ずっと走ってきているということなんですけれども。今後自衛隊ルート以外で候補地を探そうとするときに、改めてまた検証のし直しをぜひお願いをしたいなというふうに思っています。
 この間に、まず大きなものとして熊本地震がありました。特に宮益ルート、大きく道路の状況が益城町方面に向かって変わりました。大型4車線道路等々ができて非常に車の往来も多くなってきている。それからまた、改めて造成といいますか、宅地等々の地域も広がってきているというような状況もあります。
 それからまた、熊本駅方面、田崎方面、これについても熊本駅が大きく様変わりをいたしました。そして田崎に向けた方面も非常に活性化してきているような状況というような、この5年ないし10年間で町なみが大きく変わってきているという現実がありますので、過去のポイント化といいますか、そういったものに捉われない形で、また改めてルートの選定等々については慎重に考えていただいて、場合によってはプラスアルファのルートがあってもいいのかなというふうにも思いますので、ぜひそこは積極的にいろいろな思考を重ねていただければなというふうに思いますので、所見をよろしくお願いします。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  今委員御指摘のように、社会情勢の変化であったり、地域の道路事情の変化等々もございますので、今後新たなルートを含め、また、評価指標、それについても再検討を行いながら、次のルートについては検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上です。

田中敦朗 委員長  そのほかありませんか。

◆上野美恵子 委員  市電の話なんですけれども、今の自衛隊ルートの実施設計については時期を見てという話もありましたが、今齊藤委員の方からもありましたように、将来に向けては、またさらなる基幹公共交通の一つの軸として、市電をもう少し拡充していくというふうな方向がお話されたのかなというふうに拝聴いたしました。
 そこで、ちょっと私が心配しているのは、今の市電を取り巻く状況というのは、この間の6月議会のときの都市整備委員会でも報告がありましたように、市電の運行そのものが大変厳しい状況にありまして、運転士の確保ですとか、そういうのがすごく苦労があって、減便になったりしておりますよね。そのことによって、前々から何か利用者はいるのに電停で乗れないという現状が、特に東区の方とか、中央区でも端の方はあったんですけれども、その状況が1か月もたたない今、さらに厳しくなっているというふうに、私の方に利用者の方からの声が幾つか届けられました。
 そういう市電を取り巻く状況を抱えている中で、今回のような前向きな提案をなさるということにつきまして、1つは、直面している問題に対してどう向き合っていくのか、そして同時に、長期的にそういう課題はありつつも、基幹公共交通としてやはり市電の走っている地域では、地域住民の利便というのは大変何かあったらいいというふうな声があるので、やはりできるならば延伸もいろいろな形で検討していければいいのかなという思いはあります。ただ、そこのところのギャップをどう改善していくのか、見通しを持っていくのか、そこのところは何かすごく厳しいなというふうに思っています。
 特にこの1か月弱に届けられた声というのが、乗れなかったので30分も待ってから乗れたとかいうのを聞くと、描いているものと今の現実問題とのギャップというのがかなりあるんではないかなというふうに思っているので、当面と将来像と含めて今考えていらっしゃる点、そしてまた課題として今後取り組んでいこうと思っていらっしゃる点があれば、私たちにとっても先の見えてくるようなお話をしていきたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  現状やはり市電の抱える問題というのは、非常に多くございます。委員おっしゃるとおり、積み残し、特に健軍電停だったり、新水前寺駅方面、JRからの乗換えが非常に多く、積み残しが発生して道路にもあふれて危険な状態が現状もございます。
 そういったことから、多両編成車両の導入であったり、これは市電だけではなくて高架下にバス停を新たに新設を検討するなど、ほかの公共交通とも連携した取組も併せて進めていきたいなというふうに考えております。
 また、やはり事故等重大インシデントが起こっている中、市電の運行に当たっては安全が一番と、さらに設計段階においても安全が確保されるようにしっかりと設計をしていくことも必要かと考えております。
 また、人員確保につきましても、将来延伸に向けてしっかりと現段階から交通局の方とも連携をしてまいりたい、そういうふうにも思っているところでございます。
 最後になりますけれども、一番最後のページでございます。市電の延伸の整備効果と各種施策の一体的な展開というところでございます。やはり今回の自衛隊ルートの延伸につきましては、我々が将来を目指す「誰もが安心して移動できる持続可能な公共交通」を実現するための一つの取組でございます。これだけで全てが解決するものではございません。自衛隊ルートの延伸と併せて、各区で鉄軌道のさらなる充実であったり、各種公共交通の施策を展開していくことで、利用者数を増やして収益を改善し、サービス水準を上げていくという、この正のスパイラルをしっかりと加速させていきたいと思っております。
 そうすることで、人口減少化においても公共交通が維持されて、誰もが不便なく通院、買物できたりとか、さらなるAIデマンドタクシー等への投資、そして現在一番大きな問題となっている渋滞等の低減、こういったものにつながっていくのだなと思っております。
 なので、すぐに目に見えて効果が表れるものは少ないですけれども、一つ一つ積み重ねながらしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆上野美恵子 委員  ありがとうございます。
 市電の減便等々もありまして後の積み残しの現状が大きく変わっていると思うので、その点については、やはり現状を明らかにすることも大事かなというふうに思っております。もちろん交通局の方でなさるのかなと思いますけれども、ぜひいろいろなデータ的なものでお示しいただいて、解決の糸口にしていただきたいと思うことと、それから最後に、14ページのところを御紹介いただきましたけれども、やはりいろいろな形を、各種施策を一体的に展開して改善していくためには、公共交通の位置づけというのを高めていって、それにはいろいろな形で何かやることに対して国の補助を活用するとか、財政的な工夫はしつつも、もっともっと公共交通の分野に対しての一定の財源配分というか、お金も使っていかないと、できていかない面があるのかなというふうに思います。
 特に市電の延伸とかはお金のかかるお話ではありますけれども、とは言いつつ、これからの高齢化とか環境のことを考える時代のありようとかを考えれば、やはり車だけ、車がすごく増えて渋滞にもなっている環境にもあまりという、そういう方向よりも、やはり公共交通がもっともっと市民に利用されていくような、そのための熊本市としての、特別委員会でも多分先の方でそんな話が出てくるときがあるかもしれませんけれども、そういう面で公的な支援をもっと高めていただくということをぜひ、そちらの執行部としては早め早めで検討して、この委員会の方にも御提示していただければいいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

田中敦朗 委員長  そのほかありませんか。

◆井本正広 委員  今の上野委員の発言の関連になると思うんですけれども、やはり2ページに示されております本市の目指す公共交通の将来像、負のスパイラルから正のスパイラルへどうしていくかというところだと思います。
 ここに書いてあるように、本当に積極的な施策の展開、効果的な公的資金の投入が必要だと思うんですけれども、これも限りがあるわけですから、どこをどうしていくかということだと思います。
 まず、ここに書いてありますけれども、公共交通の利用者数を増加、利用したくなる便利な乗り物、利用したくなるから多分公共交通は使われる、使われないということは、不便だから使っていないということであると思います。熊本市の場合、8軸基幹公共交通がありますけれども、その8軸の近くの方でもやはり車を維持しないといけないというような状況があるんではないかなというふうに思います。
 高齢者の方で本当は車の維持費が大変なんで手放したいけれども、手放すとちょっと不便だと、どうしても維持しないといけないというような状況があるんではないかなと思いますので、今までもやられているとは思うんですけれども、どうして不便なのか、こういうことができれば車を手放すことができるんではないか。
 先ほどありました通院とか、買物、公共交通以外の施策でそういうものができるんではないかなというふうにも思いますので、この辺の不便な理由の深掘りというのは、もっとしていくべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  やはり不便な理由というものは地域それぞれ違う面もあると思いますので、地域の声を深掘りしていく必要が、委員のおっしゃるとおり必要かと思います。どのような手法でそういった深掘りをしていくのか、これから検討になりますけれども、そういった丁寧に声を聞きながら、施策の検討、展開を進めてまいりたいと考えております。
 以上となります。

◆井本正広 委員  ありがとうございます。
 多分不便な理由はたくさんあると思います。地域それぞれ違うと思いますけれども、ある中でもやはり前に進めるためには、そこを積極的にしていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

田中敦朗 委員長  そのほかありませんか。

◆藤山英美 委員  2ページですけれども、この公共交通の将来像ということで分析をしてありますが、このまとめ方というのはすばらしいと思います。しかし、実際このような形で動いていくかというとちょっと私も分からないんですが、公共交通利用者数を増加という中で、公共交通利用促進の中にバス・電車無料の日等ということで書いてありますけれども、これはもうマスコミ等での話題になったものですが、その成果というか、それはなかなか出てきていないと思うんですけれども、それはどのように分析されておりますか。

◎大川望 交通企画課長  無料の日についてのお尋ねとお考えでございますが、令和5年度につきましては、10月7日と12月23日に実施を行ったというところでございます。昨年、一昨年からですかね、クリスマスの日に初めて無料の日を熊本市の方でやったというところから、過去3回程度やってございますけれども、ちょうどその分析が終わりました結果につきましては、まずもって本市のホームページで公開をしておるという状況でございます。
 そのような中、回を追うごとにといいますか、毎回毎回無料の日の御利用者数については、対象とする比較対象の日はそれぞれイベント等を実施した日であるとか、平常時と比べてというわけではないんですけれども、近しい日を選んで対比をさせた形で検証を行ってございます。その結果、1.7倍であるとか、1.8倍であるとか、そういった形で、御利用者の方々は非常に御好評をいただいて増えておるというような状況でございます。
 総じて言いますと、やはり何かしらの料金政策と申しますか、そういった金額面での利用者の方々の公共交通を使ってみようという、何というんでしょうか、行動変容といいますか、マインドを変化させる一つのきっかけになったというふうには、我々としても分析をして感じているところでございます。
 以上でございます。

◆藤山英美 委員  交通局がその収支の関係であまりいい状況ではないというふうな中で、このような形でインパクトがあるのは確かなんですが、私も時々利用させてもらいますけれども、渋滞というか、混雑しているんですね。そして降りるときになかなか降りにくいという面がありますので、単に無料サービスで利用者を増やすというだけでは、対応がちょっと足りないんではないかなという思いがします。
 電車の中も、混雑時は降りるのに相当苦労するようなところがあるんですね。それは、もう利用する人たちは分かっていると思いますけれども、そういう対策も必要になってくるではないかなという思いがします。
 それから、ちょっと変わりますけれども、6月議会で附帯決議がございました、市電バスの決済手段の変更の議論ですけれども、本日の説明では市電の決済手段の検討状況については説明があったが、バスについては何もなかったということでございます。これはよかったね。

田中敦朗 委員長  後です。

◆藤山英美 委員  後。

田中敦朗 委員長  すみません。
 ほかにございませんか。


◆村上誠也 委員  すみません、初歩的な話になるかもしれません。
 2ページで、正のスパイラルの中で、自動車から公共交通への転換というようなお話があるかと思います。先ほど古川委員をはじめ、南区、西区の方では、やはりどうしてもAIデマンドタクシーを利用するような方向になっているかと思いますけれども、これを見ますと、3ページ目あたりの地区間の公共交通のネットワークといった形で、これはあくまでも地域拠点と地域拠点を結ぶといったような形になるのかなというふうには想像をしているところなんですけれども。やはりどうしてもこの不便地域になると、自動車がないとなかなか医療機関を含め足がないと。今の路線バスも我々の地域からすれば、桜町のターミナルを目指して行くバスしかない。そこからしか乗換えができないというような方向性に今なっているというのが現状であるかと思います。
 やはりこの地区間、地区間というふうな形の公共交通のネットワークをつくっていただくというのは、最小限必要なことではないのかなというふうには思っておりますけれども、その点そういうふうな考えでいいものなのか、ちょっとお聞かせいただければと思います。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  地区間公共交通ネットワークの必要性でございますが、委員おっしゃるとおり、やはり地域によって課題は様々ではございますが、必要最低限の拠点と拠点を結ぶような、そういったネットワークは大前提かなと思っております。そこで賄えない部分につきましては、地域内公共交通、コミュニティ交通を駆使して手当てをしていくのかなというふうにイメージをしておるところでございます。
 以上です。

◆村上誠也 委員  ありがとうございました。
 例えばでいいますと私、飽田地域というところにおりますけれども、ここから自家用車を使わないとなると、路線バスで桜町まで行く。そして例えば南区にある大きな医療機関へ行くとなると、引き返して行かんといかんというのが今の状態ですね。
 それが拠点からでは、例えば刈草の拠点からはませんあたりの医療機関に行きたいというような形になるとその間の拠点というのは、なかなかないような形になるんですけれども、そこまでの移動機関はどうするんだというふうな高齢者が多いところなので、そこの問題がどうしても出てくると。なかなか路線バスでもいけないなという方が多くなってくるんではないかなというふうにちょっと考えるところがあるもんですから、その点について今おっしゃったような形で地域内交通となると、その辺のところには地域内交通というのはあるのかないのか分かりませんけれども、現状ではそういうところがないような状況になっていますので、そこら辺の足の確保というところもちょっと考えないと、なかなか拠点と拠点を結ぶということだけでは難しいのかなというふうに思うところがあったもんですから、質問させていただきました。
 以上です。

田中敦朗 委員長  そのほかありますか。

◆上野美恵子 委員  6ページなんですけれども、将来像の具体化の今後の検討の流れというのの案が書かれてあるんですけれども、私たちは特別委員会でこの流れでいけば本年度と来年度、2年間かけてこの地域公共交通の将来像をずっと具体化しながら検討を進めていって、最終的に計画づくりになっていくんでしょうけれども、この地域の公共交通問題については、やはり地域住民あっての公共交通ということになるかと思いますので、計画を何か考えていく中で、地域の住民の声というのを何らかの形でお聞きになるようなお考えがあるのかどうか、教えてください。

◎大川望 交通企画課長  先ほど移動円滑推進課長の方からも回答させていただいたとおりでございまして、やはり各地域ごとに様々課題として捉えられている御意見というのは、違ってくるものというふうに思ってございますので、それぞれの地域の方々の声を拾い上げるように、どのような形でというのはまだ具体的に考えには至ってございませんけれども、しっかりと意見を聞いていくというふうに考えておるところでございます。
 以上でございます。

◆上野美恵子 委員  でも、すごく大事なことだと思いますので、どんな形で意見を聞いていかれるのか、何か今だとどうやってするのかな、よく分からないという感じだったので、やはりできれば次の委員会のときにでも検討して、こんな方向で意見を聞いていこうと思いましたとかという具体的なものをお示しいただければいいなと思いますので、よろしくお願いいたします。

田中敦朗 委員長  そのほかありませんか。

◆古川智子 委員  今の上野委員のに関連してですけれども、地域ニーズを集約していく、把握していくというのは、私自身も本当に大切なことだと思っています。アンケートをもし取るときのお話にはなるんですけれども、高齢者、もしくは生産労働人口、そしてこどもだったり、ちょっと階層を分けてアンケートを取っていく必要があるんではないかというふうに思っています。
 要望としてお伝えさせていただきます。

田中敦朗 委員長  そのほかありませんか。

◆上田芳裕 委員  今のに関連して、地域の住民のニーズを図ることは重要というふうに思います。
 先ほど申されたとおり、私、基幹公共交通としての基幹バス、路線バス含めてバス事業者の皆さんからの意見だったり、要望だったり、バス事業者さんの現状ですかね、バス5社ございますけれども、それぞれ運転手さんが将来的にも多分不足していくというふうに思っています。
 減便もされている状況の中で、特別委員会では、バスしっかり作り上げていこうという議論とかみ合うように、ぜひ本庁の方でもバス事業者さんの現状を、恐らく次回でバス交通の現状というところが報告されるのかなというふうに思っていますけれども、そうした将来的な現状を踏まえた将来性とか、含めて十分把握をしていただいて、この議論に私たちが臨めるように報告をいただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

◎大川望 交通企画課長  委員おっしゃるとおり、バス事業者、供給側といいますか、提供される側の現状というものも当然大事になってくるというふうに我々としても認識してございます。御提案がありますとおり、バス事業者の方々からの意見聴取であるとか、そういったものも、しっかりと把握できるような形で進めていけるように検討をしてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。

◆上田芳裕 委員  お願いいたします。

田中敦朗 委員長  そのほかありませんか。
 市民アンケートの正確性について。市電延伸のアンケート結果に地域の偏りがあるということについて、バス・市電の決済手段の変更については、交通局が実施したアンケートの結果と地元紙、熊日さんが実施したアンケート結果に大きく乖離があったと。
 交通局のアンケート結果は、決済手段が変更となってもあまり困らないという印象でありました。一方、地元紙のアンケート結果は、大いに困るという回答が大半だったと記憶をしております。このような中で、市が実施したアンケート結果を全面的に信用することを考えなくてはいけないかなという思いです。
 本日の説明では、市電延伸に関するアンケート結果の説明があったが、資料1の12ページであるが、これについて幾つかの質問と指摘をしておきたいと思います。
 回答者の内訳を見ると、回答者数の約半数が東区の住民であり、今回の延伸に関係のない、そういうことを言うといかんでしょうけれども、西区、北区、南区が全回答者数のそれぞれ1割程度にしかないと。私はこの点について、市民全体の合意形成がまだ不十分ではないかと考えておりますが、執行部としての捉え方はどうでございますか。
 また、私と同じような認識であれば、今後どのような対応をされるのか。
 以上です。


◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  今回、最新の令和5年度の市民アンケートにつきましては、委員おっしゃるとおり、結果として東区が約半数近くを占めるという結果となりました。
 委員長、すみません、もう少しちょっと、今手元にデータはあるんですが、整理させてからお答えさせていただいてもよろしいでしょうか。少しお時間をいただけますでしょうか。

田中敦朗 委員長  はい。

◆藤山英美 委員  また、その中で延伸の必要性ありという割合ですけれども、資料には市民病院までの延伸の必要性について、「必要だと思う」という回答が約7割となっております。しかしながら、先ほど指摘しましたように、東区の回答が約4割となっているため、この結果が直ちに市民の総意であるということにはならないのではないかと考えます。各区ごとの必要だと思う回答割合の内容については、いかがでございますか。これも答弁に時間がかかるのなら後で結構です。

◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  先ほどのとまとめて回答させていただきたいと思います。

田中敦朗 委員長  まとめて。まだ、ちょっと待ってほしいということですね。
 では、そのほかの点において、目指す地域公共交通の将来像の具体化についてある方おられますか。

        (「なし」と呼ぶ者あり)

田中敦朗 委員長  でしたら、今藤山委員の質問はステイの状態で、次に行かせていただれればなというふうに思っております。
 ほかにないようでございますので、この際、本職より委員の皆様には御相談申し上げます。
 執行部からの説明にもありましたとおり、市電延伸については、これまでも常任委員会等で検討、議論を繰り返し行ってきたところでございますが、本委員会においては、今回初めて説明及び議論が行われたところでございます。
 そこで、今後、市電延伸の方向性等について議論していくに当たり、本日説明のありました内容について一旦会派にお持ち帰りいただき、各派でもしっかりと協議の上、次回改めて議論したいと考えますが、いかがでしょうか。

        (「異議なし」と呼ぶ者あり)

田中敦朗 委員長  御異議なしと認め、そのように執り行います。
 それでは、以上で「目指す地域公共交通の将来像の具体化について」の質疑を終了いたします。
 次に、お待たせしました「次期地域公共交通計画の策定に向けて」について、質疑及び御意見等をお願いいたします。


◆島津哲也 委員  私からは、シェアサイクルのエリア拡大についてということで御質問させていただきます。
 チャリチャリについて、エリア拡大というのは非常にうまくいっているなということで感じているところでございまして、利用者もたくさん今利用しているということで、非常にうれしく思っております。
 今後、今回は健軍・江津湖のエリアですね、その後が西熊本・はませんエリアと、その後に運動公園・光の森エリアということで、令和8年までの計画が上がっております。令和8年度までの計画の優先順位の経緯が分かれば教えていただきたいんですけれども。

◎酒井伸二 自転車利用推進課長  これでまで過去2か年間実証実験のエリアということで、先ほど御説明した資料上でいくと、このピンク色といますか、赤色のエリアで2か年事業展開しておりました。この間にも、やはり何回かのエリアを拡大しながら事業を進めてきたところでございます。そしてこの2か年の中では、なかなかエリアの拡大に至りませんでしたが、その事業の期間中、今回緑で拡大するエリアの方々からは、かなりエリア拡大の要望が上がっていたという状況もございます。
 また、動植物園等の施設もございます。そういうことで、今回この緑のエリアをまず先行してこの8月に拡大をしていくということになりました。
 同じくですね、この西熊本駅方面、こちらもかなり早い時期からエリア拡大の要望がございまして、なかなか要望に応えることができなかったという地区でございます。
 そういった状況で、順次これまでリクエストの多かった、要望の多い地区から順にエリアを拡大しているということでございます。
 ただ、この運営上の話もどうしても関わるもんですから、そこは運営を担っているチャリチャリとお話をしながら、順次展開をしていくということになります。
 今回は3か年の計画ということで大まかなエリアを示しておりますが、これからの利用状況なんかもかんがみて、積極的にできるだけエリアのあたりも広げてまいりたいというふうに思っているところでございます。

◆島津哲也 委員  ありがとうございました。
 いろいろな施設の近くだったり、また運動公園とかだったら、ロアッソの試合のときには大渋滞するとか、そういうのには非常に効果的だというふうに思いますが、私も西区の選出議員でございますので、やはり西区、公共交通としては非常にまだいろいろな要望がありまして。チャリチャリが田崎のちょっと先のモスバーガーのところまでしか来ていないということで、その先を要望される方が非常に多いです。
 特に西区役所にあればいいなとか、そういうところもございますので、こちらのエリア拡大しながらも、ピンポイントでいいですから西区の方も少し置いていただければなというふうに思います。
 これは要望としてさせていただきます。
 以上でございます。

◆上野美恵子 委員  このエリア拡大そのものについては、自転車の利用促進につながっていくのかなと思って賛成しております。
 けれども、利用が増えれば増えるほど安全な自転車の走行、そしてまたその回りでの歩行者の安全とか、そういう安全配慮というのが大事になってくるのかなというふうに思っております。
 そこで、3つあるんですけれども、まず1つ目は、ポートを設置するに当たって、安全なところをきちんと確保して設置していただきたいというふうに思っております。
 先日、新水前寺駅の近くの歩道のところが、歩道部分の大半をこのチャリチャリのポートになっていて、人がはみだすという事案があったので、これは危ないんではないんでしょうかというふうに自転車利用推進課の方に言いましたら、そこはJRの土地だから、チャリチャリとJRの方で協議をして設置されてあるというふうな回答だったんですよね。
 とはいいましても、やはり相手がどこであろうが、何であろうが、やはり事業を拡大していく中で、そういう安全が不安になっていく。そういうポート設置があれば、せっかくの事業が危険性につながってくるという面が出てくるので、契約自体は相手が民であったり、公であったりいろいろなんでしょうけれども、何らかの形でポート設置についての安全性確保についての、何か担保ができるような仕組みというのをつくるべきではないかというふうに思います。どうしたらいいかはちょっと分かりませんけれども、何かを考えていただけないだろうかというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。

◎酒井伸二 自転車利用推進課長  今委員からございましたポート設置場所の安全性の確保という観点でございます。
 御承知のとおり、ポートの設置につきましては、民間のポート開発設置の交渉等々はチャリチャリが担いまして、公共の施設への設置というところにつきましては、私ども自転車利用推進課の方である程度協議先との話をさせていただいているという、こういう関係で進んでいます。
 ただ、当然協働で進めている事業でございますので、事業の中で設置をしてある民間ポートの安全性につきましても、私どもとしてもきちんとそこの位置、安全性、こういったものについてやはり確認をしていく必要があるというふうに思っています。
 委員の方からお話がございました新水前寺駅のポートにつきましては、これまた委員から御発言ありましたように、JRが用地の中で歩道上に供用されているところへ設置されているポートということになりますが、実際はそこ自体は歩道、歩行者通路として機能していた場所でございますので、当然私たちもそこの安全性についてはきちんと確認をし、また、必要な対策を講じていくべきだったというふうに思っております。そこがきちんと把握できていなかったということにつきましては、私どもも反省しまして、この先こういったことがないように現場の方もきちんと確認をしてまいりたいというふうに思っております。
 もう一点ございました。そこのやり方についてちゃんと仕組みづくりが必要ではないかという御発言もございました、現状は、そういったポート開発に関わる安全性についての細かな取決めというのは事業者とはございませんが、そこにつきましても、今回の期間が3か年ということの事業期間になってございますので、次回に向けても、またその期間中の安全性確保という観点からも、きちんと事業者と話合いをしてまいりたいというふうに思っております。
 以上でございます。

◆上野美恵子 委員  ありがとうございます。
 積極的にやっていただくようにお願いいたします。
 もう一点は、チャリチャリの場合のポートがあって、利用者がそこに行ってそして使うということで、ヘルメット着用が徹底するのがちょっと難しいのかなというのをいつも心配していました。実際乗っていらっしゃる方がよく通られるので拝見するんですが、やはり何か私はヘルメットを着用して乗っていらっしゃるのをあまりないんですよね。
 ふだん何か行動するときに、いつもいつもヘルメットを抱えて、今日はチャリチャリ乗るから朝からヘルメット持っとこうというふうにお考えになる方、あまりおられないんではないかなと思うんですよ。でも、自分の自転車だったら、家にある自転車に乗るわけですから、玄関からぱっとヘルメットを取って、自分の自転車に乗ってということで、意外と今ヘルメットの着用なんかも、普通の御自身の自転車の場合は進んできたなという印象を受けています。
 うちの近所でも、知りあいの方が本当に皆さんヘルメットを着用して乗られるように変わってきました。それであるだけに、ポート形式で自転車だけを提供するというこのやり方の中で、ヘルメット着用を何か進めていく手段についても考えていかないと、これも何かいろいろな事故につながっていく一つの要因になっていかないかなということを心配しておりますが、何か市の方としてのお考えがあれば、今後こんなことをやっていきたいとかあれば教えてください。

◎酒井伸二 自転車利用推進課長  シェアサイクルのこのヘルメットの問題につきましては、実証実験の期間中から様々な御意見をいただいているところでございます。今御意見にありますように、シェアサイクル始まってもう2年ちょっとたちますが、なかなか、では、ヘルメットの着用が定着しているかというと、そう見かける機会はないという状況がここ2年以上続いているということでございます。
 私どもの努力義務になっていると、道路交通法上もそういった位置づけになっているということですので、利用者の安全性確保の観点からも、強くヘルメット着用は推奨したいというふうに思っています。我々が今実施している施策としては、まずポートにヘルメット着用を強く推奨するという案内の看板を出していること、それからチャリチャリさんのアプリの中でこの6月から、ヘルメットを着用してくださいというポップアップを出しているということがございます。現在はちょっと別のものに差し代わっていますが、また近々そのポップアップが上がる予定となっております。そういった啓発を強くやっているというのが、まず我々が取り組んでいる内容です。
 しかし、先ほどもありましたように、シェアサイクルという乗り物の特性上、なかなかヘルメットを持ち歩くというのが難しい現状にあり、現在のように着用が定着していないということがあって、何かしら手がないのかというところで、他都市の研究も進めているところでございます。
 他都市におきましては、観光案内所とか市の施設でヘルメットを貸し出しているというふうな場所、それから自転車に備え付けているというふうな事例等々がございますが、いずれの事例につきましても、調査の結果、非常に利用が低調という状況が分かっているというところでございまして、これもまた実効性のある手ではないなというところでございます。
 まだまだ私たちもこの手立てが一番有効だというところに行きついてはいないんですけれども、何かしらヘルメットの着用を定着させていく手を打たなんなというところで、事業者と今後さらに詰めてまいりたいと思いますが、今のところはやはり貸すというのが難しいので、持参をいただくような流れに、何とかインセンティブを設けてできないものかというところを事業者と話しながら詰めていきたいなというふうに考えている次第でございます。
 以上でございます。

◆上野美恵子 委員  やはりおっしゃったように、難しいんだろうなというのは分かります。だけれども、自転車がやはり重大事故の案件があるんですよ。私、それを何件かたまたま身近で知っていて、命に関わるような事故というのも、もちろん全国的に見れば、本当に命に関わったような事案もあると思うんですけれども、だから、ちょい乗りだからとか、自転車だから、まあしようがないとかいう形でするんではなくて、やはり命に関わる、ある事例では頭を打って頭蓋骨骨折とか、脳内出血とかいうのも何か聞いたことがあるので、本当にそういうのが防げるなら、この推進というのも大事なのかなというふうに本当に実感を持って思うんですよね。
 それで、なかなか厳しくはあるかと思いますけれども、この点はもう繰り返し繰り返し研究しながら、何だかいい効果の出るものをやっていただくのにお願いしておきたいと思っております。
 もう一つは、自転車利用を増やしていこうという市の方針に沿って、もう一つ、走行空間の環境整備を熊本市ではどう考えているのかなという問題があると思います。
 もちろんこのチャリチャリのように、チャリチャリは身近に乗れるということで車道のあるところ、いろいろな道を何かジグザグに走行するとか、それはいいとは思いません。ちょっと危険かなと思うこともありますけれども、そういう身近に利用するだけではなくて、同じチャリチャリを利用するとしても、一定距離を走っていったりするときは、走行空間を整備していくというのを熊本市として短期的だけではなくて、長期的なスパンで環境整備というのをもう少し、さっきのお金の話ではないんですが、これはいいことだから進めましょうという掛け声だけではなくて、一定お金もかかる面もあるかもしれないけれども、それが安全にもつながっていく面もあると思いますし、検討すべきかなと思います。
 いつだったか、都市整備委員会の方にできたと思うんですけれども、予算上も今、自転車については路面に目印を入れて、ここ走るんですよという、あれはすごく進めているんだけれども、実際自転車専用道路とか、自転車専用レーンとか、自転車というのは結構スピードも出るので、自転車が安全に走るだけではなくて、自転車が走ることによって歩いている方たちに対する気概にならない。
 何かそこの安全をまた脅かすことのないような、お互いの安全確保も大事になってくるので、そういう自転車走行空間整備を、私はちょっと予算上も遅れているなと思いました。車道に線を引っ張るだけの、あれだけで済ませている今の熊本市のその考えというのは、少し何か、これだけチャリチャリを将来的には全市域的に今度はここ、今度はここと何年もかけてやっていく割には、お金のかかる面の環境整備が遅れているんではないかという印象が強くあります。
 これについては、もう少し都市局として将来の展望を持った取組というのを検討していかないといけないんではないでしょうか。ただ、チャリチャリさんに頑張っていただいて、ポートをたくさん造っていくだけの取組では、まずいんではないかなと思うんですけれども、どのようにお考えでしょうか。

◎酒井伸二 自転車利用推進課長  自転車の総合空間の整備につきましては、自転車のネットワーク計画というのもございまして、全体で150キロほどある路線の計画がございまして、令和12年までに50キロの整備を目指しています。
 現状、令和6年時点で大体20キロ弱ぐらいまでは整備が進んでいるという状況なんですが、今委員からお話がございましたとおり、その整備という中身については、路面上に矢羽根といわれる青色の路面表示を見られたことあられるかと思うんですが、ああいった整備が今主体となっているというのは事実でございます。
 実際は、計画の中でも多くは完成形整備の中では自転車の専用通行帯というところで、学園大学の前にございます水色でずっとラインがあると思うんですが、ああいった空間整備を進めていくという計画になっているんですけれども、なかなか事業のスピード感、それから現在の道路の幅員、交通の状況、そういったことに鑑みて、すぐすぐ実現が難しいというところについては、暫定的な整備ということで矢羽根の整備を進めているという現状がございます。
 私どもとしても、そういった専用空間の整備というのが第一義ではあるんですが、なかなかそこを前提に事業を進めていくと、進捗が非常に難しいという状況もあるもんですから、まずは暫定整備も含めて、全体的なネットワーク計画の進捗を見たいというところで進めているところでございます。
 ちなみに、子飼橋の前あたりは、自転車道整備で今進めているところでございまして、そういった関連の街路整備等々と連携ができる部分については、自転車の専用空間の整備というのを完成形で進めてまいっているというところでございます。
 以上でございます。

◆上野美恵子 委員  おっしゃったように、矢羽根の目印、あれが圧倒的なんですよね。それをしなくていいとかというふうには言いません。ですけれども、やはり全体として見たときに、道路としてきちんと整備していくものもあって、部分的なものはこれでいきます、でも、ここのところは専用道路を造っていきます、ここのところは専用レーンを造っていくとかというふうな、場所、場所とか、地域、地域とか、通行量とか通行する人たちの場所等々も検討して、どういうパターンが一番安全で、効果的であるのか、そういう計画をきちんとつくって、身近に手っ取り早く何キロできましたというふうな報告をするためのものではなくて、長期的な計画というのをつくって、確かに道路整備していくとなると、車道と同じようなお金がかかっていくと思うので、それはそれとして大事なことだと思うので、やはり計画性のある自転車道整備というのをぜひ、今はあまりないかもしれないけれども、ぜひやっていただくようにしていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

田中敦朗 委員長  いいですか。

◆齊藤博 委員  あわせてシェアサイクルについて確認ですけれども、健軍・江津湖・日赤エリア8月からということで、東区選出議員としては大変ウエルカムでありがたいなというふうに思っているところであります。
 住民の地域の方々からの要望も大変強い地域でもありましたので、ぜひ成功裏に結びつけていただければなと思いますが、改めてなんですが、8月のいつから拡大される予定なのか。
 今までのペースからすると、実証実験のエリアが少しずつ拡大させてこられたように私はずっと見ていたんですけれども、今回の拡大エリア、日赤方面までということで、かなり広範囲にわたってエリアを拡大させていただけるということで。今ポート数の総数でありますとか、あるいはポート数そのものが実際足りているのかどうなのかといったところを細かく教えていただければというふうに思います。
 それと併せて、中央区を中心としたいわゆる商業施設が点在するような地域から、今からいわゆる住宅街を中心とした街に広げていこうというようなことにもなりますので、シェアサイクルそのものに求められる用途というのが大きく変わってくるのではないかなというふうに思います。
 今までは例えば目的地から目的地までの移動だったのが、今度は自宅から直接目的地であったり、あるいは自宅から、あるいは公共交通機関のバス停であったり、電停であたりといったようなところの動線の意識づけというものも、極めて大事な要素になってくるのかなというふうに思います。
 そうなってくると、例えばポートを置くところの場所の選定、これはチャリチャリさんであるとか、行政のみならず、地域の企業さんであったりとか、あるいは場合によっては、自治会のようなところにも様々に御協力をいただきながら、利便性の確保に十分に気を払っていただいて、ぜひ成功していただきたいので、利便性が高くなるような施策を期待したいというふうに思いますが、そこについての所見をお知らせいただければと思います。

◎酒井伸二 自転車利用推進課長  まず最初に、このエリア拡大のタイミング時期についてでございます。現状8月の当初からエリアを拡大していきたいということで、今ポート開発のいろいろな調整を進めているんですが、何日からというところが実はまだ明確には決まっておりません。ただ8月のもう1桁といますか、入ってすぐには始めたいというふうに思っています。ただ、最終的に8月何日からエリア拡大というのは、もうちょっとポート調整を最終段階まで頑張ってからという状況でございます。
 ポートの次のお尋ねがありましたポートの数につきましては、現状のポートの数というのが347ポート、これ6月末時点だと思います。ポートにつきましては、現在開設しているエリア内も含めて開設された数というのはだんだん変わってきているんですが、現在347。ちなみに実証実験が終了になったときのポート数が313ですので、この数か月間でも30か所ぐらいはポートが増えているという状況でございます。
 今回エリアを拡大します面積としては、日赤、健軍、江津湖方面ということでかなり広くなります。できるだけ開設当初からたくさんのポートがあるように、現在必死に様々ポート開発を進めているというところでございますが、開設当初はこのエリアの中で30から40ぐらいの間のポート数になるかなというふうに思って、そこを目標に営業関係を頑張られているというところでございます。
 もう一点、チャリチャリの使われ方が変わるんではないかという御指摘でございますが、これは御意見にあるとおりで、もともとこの中心部だけで始めた頃は、当然鉄道等々で来られた方がそこから最終の町なか辺りの目的地に来られるという乗り継ぎで、最終目的地までの回遊性と最後のラストワンマイルの足という形で使われていたんですけれども、だんだんエリアが広がって住宅地なんかに入ってきますと、それこそバスの乗換えですとか、JR駅まで乗って行って、そこからJRに乗り換えるなんていう利用も出てきますので、私どもとしてはこのエリアの広がりを基に、そういった使われ方も十分期待して事業を進めたいというふうに思っていまして、そこには当然身近な場所にポートがないと使われませんものですから、そういった住宅地の中のポート開発あたりにつきましては、様々な皆様の御協力もいただきながら、ぜひ地域の足としても使っていただきたいというふうに思っているというところでございます。
 以上でございます。

◆齊藤博 委員  ありがとうございました。
 最後に、8月から始められるということですので、こういうことを言うとまた時期尚早なのかも知れませんが、全体で今350弱のポートの中で、今回のこれだけの広いエリアの中で30ポートから40ポートぐらいの数ですので、数的にはかなりまだ不十分かなというのが第一印象ですので、ぜひできるだけ短期間でポート数の充実を図りながら、市民サービスの向上に向けて取り組んでいただきますように、チャリチャリさんに頑張っていただかないといけないのかもしれませんが、ぜひ協力してよろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。

田中敦朗 委員長  そのほかありませんか。

◆古川智子 委員  私からは、市電に関してお尋ねをしたいと思います。
 インシデントが続いているということで、何とかもうここが正念場というか、安全運行、それからリスクマネジメント、本腰を入れなければいけない状況になっています。
 おっしゃるようにハード面、車両ですとか、そしてソフト面、それはヒューマンエラーを断ち切る乗務員、人について、それぞれ地盤固めというか、強化をしているところではあると思います。ちょっとそのハード面とソフト面、それぞれについてお尋ねをします。
 車両について、前回のこの特別委員会でも整備体制本当に大丈夫なのかということを投げかけさせていただきました。
 その前に、今年度の予算として多両編成車両の導入で9億円、予算が計上されています。これから令和10年に向けて10台導入すると。そうすると、マックスで45億円かかっていくかなというふうに試算が見込めると思います。
 で、そういった車両を新しく導入する。そして今ある車両をいかにメンテナンスして、安全に使っていくかという面でなんですけれども、具体的に熊本市の修理施設総合管理計画というものがあると思いますが、車両に関してそのような計画がまずあるのかというのを教えていただきたいと思います。

◎荒木敏雄 運行管理副課長  交通局の方に経営計画という計画を策定しておりまして、その中で、今後5年間で10台導入するということで委員お示しいただいた数字が載っております。そういったことから、先ほどおっしゃられた45億円というところになってございます。
 令和7年度まではその2台、2台購入して4台、3両編成を導入するという計画をしておりまして、その後、令和8年、令和9年、令和10年に関しては、利用者ニーズとかの混雑率だとか、そういったものを加味しながら、単車にするのかいうところで計画をしたいというふうに考えております。
 それと別に、車両の点検の方も二月・交番検査という、半月に1回、2月に1回、それと別に4年に1回と8年に1回の重要部検査というのをやっております。
 以上でございます。

◆古川智子 委員  ありがとうございます。
 総合管理計画、新規導入に関しては計画があるんだけれども、今の既存の車両に関しては、計画というよりもきちんと整備を行っていくというようなことだったとちょっと印象を受けました。半月に1回、2月に1回、4年に1回、8年に1回というふうに整備の期間が決まっているんだよということをおっしゃってくださいましたけれども、ちょっと危惧しているところが、この車両、路面電車が導入されている自治体が全国で17か所。ただ、それぞれ路面電車といってもレールが違ったり、全てが同じ車両というわけではないということを考えると、熊本市独自でメンテナンスしていかなければならないということを考えていくと、独自の技術だったり、見立てだったり、経験値というものが必要になってくるのかなというふうなことも考えられると思います。
 例えば4年に1回の検査、8年に1回の検査というものが、国交省の基準の下、国交省の検査チェックに基づいたものであるのというのとプラスして、何か熊本市でここは気をつけなければいけないところだから検査していこうというものが具体的にあるのか、ちょっと細かいところではあるんですけれども、安全運行というのはどのような努力をされているのか、ちょっと教えていただきたいです。

◎荒木敏雄 運行管理副課長  国の方で軌道運転規則というのがございまして、そちらの方に基づく心得というのを交通局の方で定めております。その中で点検項目などを定めておりまして、それに基づいた点検というのを行っております。
 以上でございます。

◆古川智子 委員  ありがとうございます。
 そうすると、国の基準に従ってということですね。
 とはいえ、今年1月ですかね、ドアの走行中に開いてしまったという事例があって、それに対しては、ドアの安全装置の不具合だったですね。それに関しては同型スイッチを緊急点検して、対象となる21台を全て不良がないことを確認されたということがありました。
 このように車両整備、4年に1回、8年に1回、2か月に1回、半月に1回としても、このような不良が出てくるということが実際あっている中で、本当に今後の車両のメンテナンスがこれいいのか、それから総合管理計画と、先ほど聞いたように、新規導入のほかの既存の車両をどこまで使っていくのか、どんなメンテナンスが必要なのか、ちょっといま一度考える必要があるのではないかというふうなことを思っています。これも要望ではあるんですけれども、よければ今後の、次の委員会のときにでもお返事をいただければと思いますので。
 すみません、ちょっとそれ付随してなんですけれども、ハード面の整備に関してもう一点です。
 直近のこれもインシデントでドアが開いてしまったということなんですけれども、ドアが開いてしまうということに対しては、もちろん乗務員の確認作業というのも怠ってはならないんですけれども、例えばドアが開いたことに関して、具体例でいうと、聴覚で、ピーと音が鳴ったりとか、何か視覚的にランプがついたりとか、属人的とならないところで何か視覚とか聴覚とかを活用して、インシデントが起きないようなハード面が必要ではないかと思うんですけれども、それに対しては今後の取組というか、今もしかしたらしていらっしゃるのかもしれないんですけれども、あれば教えてください。

◎荒木敏雄 運行管理副課長  先ほどお尋ねありましたドアスイッチに関しましては、1月5日のインシデントで、ドア開いたまま走行ということがございました。それで今考えておりますのは、委員おっしゃるとおり、ドアが開いたときにずっとピンポン、ピンポンとなる仕組みというのを今1台導入して試験的に確認しております。運転士からの意見とか、その辺のところを踏まえて、今後全車展開するのかというところを考えていきたいというふうに思っております。
 以上です。

◆古川智子 委員  ありがとうございました。
 導入できるものであればぜひそのようにお願いして、乗務員の負担軽減、ヒューマンエラーを断ち切れるように取り組んでほしいと思います。
 今のは車両に関してですけれども、次はソフト面、乗務員に関してです。
 今年度の予算案を見直したときに、職員の士気向上に向けてというのが載っていたんですね。具体的に今乗務員が減っている中で、これから増員をしていく、今の乗務員をいかに減らさないか、そして新しい方をいかに増やしていくかというところで、今の乗務員の負担軽減も必要だと思います。もちろん危機意識を向上するところも大前提としてなんですけれども、そういった面で、例えば社内の風通しをよくするとか、報連相の仕組みだったりとか、そして職員の士気向上のためには、具体的に社内でどんなことを取り組んでいらっしゃるか、教えていただければと思います。

◎松尾達哉 運行管理課長  まさに職員の意識と併せまして、士気向上も大事だというふうに考えておりまして、最初管理者も申しましたとおり、緊急職場指導というのを行っておりますし、それとは別に私たち管理職で運転士の面談、30分以上皆さん面談させていただきまして、お互いの危機意識の共有ですとか、安全意識の向上というものをゆっくり向上に向けて話してきたところでございます。
 また、あわせまして、利用者の方々には御迷惑かけておりますけれども、7月から減便というのを行いまして、乗務員の残業というのを減らしておりますので、そういう意味では、乗務員の負担軽減というのは図られているのかなということで思っているところです。
 以上です。

◆古川智子 委員  ありがとうございます。
 具体的には個人面談をしたりですとか、今おっしゃってくださいましたけれども、よくよく考えてみると、市電の運行というのはすごく難しいんでよね。JRだったら専用レーンを走行するんですけれども、熊本市電の場合は、特に車両と市電との境界線というものがあってないようなもので、自分の車両の前に車が入ってくることも想定されているなということを考える。そして車掌さんも今いるわけではないので、車内の今、インバウンドで外国の方もとても多い中、運転と乗客対応ということで本当に大変な中だと思うんです。
 例えば運転士さんの業務負担の軽減としては、車内の多言語のアナウンスとか、あとはマナーの周知も多言語でするとか、何かそういった取組必要かなと思うんですけれども。すみません、もしされていたらすみません、そういった乗務員が乗客の対応の面で、負担軽減図っているんだよということがあれば教えてください。

◎松尾達哉 運行管理課長  今委員御指摘のとおり、インバウンドも増えてきておりまして、それも異常に多彩な国からといいますか、多言語があるもんですから、なかなか対応に苦慮している状況ではございます。
 という状況の中で、今一番効果的に使われておりますのがコミュニティボードといいまして、4か国語、5か国語を同じ、よく電車の中で聞かれるようなことをボードに書いておりまして、それを指さすことで会話ができるというものを置いておりまして、それを使ってコミュニケーションを図っているような現状でございます。
 以上でございます。

◆古川智子 委員  ありがとうございました。
 コミュニティボードがあるということで。1つはですね、ぜひ個人面談をされているということなんですけれども、どういうふうにすれば業務負担の軽減が社内でも図れるかどうかというのも、ぜひヒアリングをして課題の解決に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 否定・批判をしたいわけではなくて、応援をしたい一心でこれをお伝えをしていますので、今後上下分離になるタイミングでうみ出しを全部して、安全運行に、これから後世に引き継いでいってほしいなというふうに思っております。
 以上です。

田中敦朗 委員長  ほかにありませんか。

◆齊藤博 委員  熊本市電の決済手段の変更についてちょっとお尋ねをしたいと思います。
 まず、バス会社の対応を改めてお尋ねをしたいと思いますが、まずバスは一応くまモンのICカードとタッチ決済、QRコードということで選択をするんだというような話になったと思います。その際にバス会社に、今考えていることでありますけれども、クレジットカードの考え方、いわゆる与信判断を必要とするクレジットカードについては、例えば高齢者の方であるとか、あるいは高校生以下とか、いわゆる普通のクレジットカードをつくらない方々に対して、どうすりゃいいんだというようなお声が議論の中でも大分上がっていたかと思います。
 ただ一方で、クレジットカードに関しては、与信判断が不要なプリペイド式のクレジットカードを発行することができるようになっているかと思います。
 まずお聞きしたいのは、バス会社はそのクレジットカードではなくて、いわゆるプリペイド式のクレジットカードを発行する用意があるのかどうなのか、その体制を整えているのかどうなのか、あるいは体制を整えようとしているのかどうなのか、そこをちょっとお尋ねをしたいと思いますが。

◎大川望 交通企画課長  バス事業に置かれての認識と対応という準備というところでございます。
 クレジットカードに関して、我々の説明の仕方も不十分だったというふうに反省をしてございますが、御指摘のように一口にクレジットカードと申し上げましても、クレジットカードを発行しているブランドのプリペイド型のもの、いわゆる与信審査がないものでございまして、高校生の方も利用できるというところでございます。
 この点については、バス事業の方も当然、認識してございますし、それに向けたアナウンスをしっかりとしていかなければいけないというふうに、私どもとともに交通事業者も認識を十分してございます。今後、しっかりと準備を整えまして、可能な限り早く皆様に、必要な正しい情報をアナウンスしていけるように今準備を進めているという状況でございます。
 以上でございます。

◆齊藤博 委員  それとプラス、例えばくまモンICカードについては、公共交通機関の中で今買い求めができるようになっているかと思います。あるいは販売ルートに関しても、一定の窓口を用意しているかと思います。今の例えばクレジットカード、プリペイド式のクレジットカード決済ができるカードを、ぜひバス会社さんにも発行権を持って、販売権を持って対応いただけるように、ぜひ規制と一緒に前向きに検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

◎大川望 交通企画課長  御指摘の点、バス車内であるとか、そういったところでお客さんが買い求めいただきやすい環境というところで一つ大事な視点だと思ってございます。その点については、カード発行会社の方にも交通事業者とともに、そのような御提案もしっかり視野に入れて進めてまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。

◆齊藤博 委員  そのまま熊本市電の方にお尋ねをいたしますが、一応今市電に関しては、バス事業者と同じような決済方法を前提に考えたいと。ただし、1年程度時間があるので、1年以上ですね、時間があるのでしっかりバス事業者の実績等々も踏まえた中で、今後の決済については考えていきたいという旨御発表されておられますが、今の与信判断不要のクレジットカード、こういったものをしっかり、電車の中で販売ができるような体制を整えるつもりはおありなのかどうなのか、まずここをちょっとお尋ねしたいと思いますが。

◎吉岡秀一 交通局総務課長  委員お尋ねのプリペイド型のカードの発行ですね、車内で販売の意向があるかどうかというところですが、まず、すみません、現時点で具体的にそういったものを検討しているという状況ではございませんが、ただ、こういったものの情報をしっかりと、クレジットだけではなくてプリペイド型も使えるんだという情報発信は、バス事業者、熊本市とともに積極的にやっていく必要があるということで考えております。
 以上でございます。

◆齊藤博 委員  私個人的には全国交通系ICカード、いわゆる10カードといわれるICカード、これについても電車は電車で利便性の向上に向けた取組の中で、できれば前向きに御検討いただければなというふうに、今の時点で私自身考えているところでもあります。
 ただ、一方で、また新たな取組のクレジットカードの導入についても、今申し上げたように、利便性をできるだけ向上させるように、くまモンICカードは電車の中でもお買い求めができますよと。クレジットカードの選択も、市としては用意をしておりますというような環境をぜひ整えていただきながら、利便性の向上に向けて取り組んでいただきますように、これお願いをしておきたいと思います。
 以上です。

田中敦朗 委員長  ほかにございませんか。

◆井本正広 委員  1点お伺いします。
 市電・バス連携サービスのところで、パターン①のところでくまモンのICカード、ピケというのがここだけ、目立つわけでありますけれども、ちょっと確認したいのが、もう一回市電でのくまモンICカードの利用率、それとおでかけICはその中に含まれているのか含まれていないのか、おでかけIC以外だけのくまモンのICカードの利用率というのが分かれば教えていただきたいです。

◎吉岡秀一 交通局総務課長  昨年度のくまモンICの利用状況についてでございますが、まず、くまモンICを都度払いで利用される方の割合が4.3%、それ以外におでかけICとして利用される方が8.3%となっております。
 以上でございます。

◆井本正広 委員  ありがとうございます。
 そしたら、おでかけIC以外は通常のくまモンICは4.3%ということですね。ということは、影響はあまりそんなに大きくないというふうに認識したいと思います。
 以上です。

田中敦朗 委員長  ほかにございませんか。

◆島津哲也 委員  すみません、先ほど質問すればよかったんですけれども、市電のインシデント関係でちょっとお尋ねしたいと思います。
 今年になって事故が多発しているということもございまして、一番重要なのが再発防止策というところでございます。私も九州電力出身の議員として働いている中での労働災害とか、死亡事故とか、死亡する事故もございますし、一番出してはいけないということで思っておりまして、再発防止をつくるに当たっては、何十時間と会議をして今後こういうふうな取組をしようというところで取り組んでいるところでございます。
 市電、こういうところも一緒だと思うんですけれども、この再発防止を見たときに、本当にちょっと本気度が感じなくて、感じないというか思ったのが、7月1日については監督職を同乗させて指導させるという、添乗させてというのも、ダイヤ改正による時間的余力が出たからこういう指導をするとかというのは、ちょっと市電の運転士不足とか、そういうのがある中で、こういう書き方はちょっとどうなのかなというところもございますし、6月21日の分については、車両の知識を有しない者が車両の取扱いを行うということで、今までそういう知識とか、資格がない方がされていたのかなという、市民の方が聞いたらびっくりされるような再発防止が書かれているので、これはちょっといかがなものかなということで感じたんですけれども、この再発防止で今後事故が起きないとか、インシデントが起きないという自信があればいいですけれども、いかがでしょうか。

◎松尾達哉 運行管理課長  ダイヤ改正による時間的余力というのは、ちょっと表現がよろしくないかもしれませんけれども、やはりこれまでもいっぱいいっぱいのダイヤでしたので、なかなかそういう教育をしたつもりではいたんですけれども、徹底できなかった部分もあったのではないかという反省も踏まえまして、今回このような書き方をさせていただきましても今後は個別にきちんと一人一人に合ったといいますか、向き合ったといますか、個人の技術ですとか、問題点をしっかり指摘できるようなことをしたいということで、今回このような添乗指導ということに力を入れていきたいというふうに考えているところでございます。
 また、もう一つの知識を有しないものが扱ってしまったということ、これは本当に私たちも非常に反省しているところでございまして、ついついふだんの業務の中で、流れの中でやってしまっていたということで、これは本当に反省しておりまして、今後このようなことがないようにしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

◆島津哲也 委員  すみません、やはりインシデントですね、こういう事故が起こって、亡くなられたり、けがをされたりすると、喜ぶ人は誰一人いないと思うんですよね。やはりこういう事故を起こさないためには、再発防止を立てることをやって、今後いろいろな検討されていくというところもございますけれども、できれば個別面談とか、そういうのもありますけれども、労働組合とかも市電ありますので、そういうところでちょっと意見集約をしていただいて、労使でまた検討していただくというのも、検討する一つとして入れていただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 私からは以上です。

田中敦朗 委員長  ほかにございませんか。

◆上野美恵子 委員  さっき、一緒に聞けばよかったんですけれども、決済手段の変更の件なんですけれども、ここの委員会の一つのテーマでもある公共交通の利用促進という面から考えたときに、バス事業の全国交通系ICカードが使えなくなるということについて、私たちのところにも声がいっぱい来たんですよね。何とかならなかったんですかということがずっと言われました。やはりそれというのは、心理的な面でも本当に電車やバスを気軽に、身近によりたくさん利用していこうという気持ちにブレーキがかかってくることにもなると思うし、そういう意味では、市電について今後検討していかれるということでありますので、市民の利便性をどう確保していくかという点で、いろいろなパターンがありますけれども、お金の面でいうと1.1億円なのか、2億円なのかというふうな、そういう議論になってくるのかなというふうに思うんですよね。
 さっき何、顔認証については、どうも効果があまりないからちょっと実用化に向けては、もう今回は見合わせた方がいいんではないかというお話もありましたけれども、それはコストを見れば、このイニシャルコスト、ランニングコスト併せて、当初の年度は7,000万円かかるということもありますので、それをしないのであれば、それに使ったような気持ちで、この更新について少しでも市民の利便性を確保してほしいという願いに沿った判断というのが、できないものだろうかというふうにすごく思うんですよね。その点についてはいかがでしょうか。

◎吉岡秀一 交通局総務課長  市電におきましては、全国交通系ICカードの利用者が約半数いるということで、こういった方々の利便性の確保というものは、非常に重要だということで認識をしております。
 また、一方で、前回も御説明させていただきましたとおり、熊本都市圏におけます決済環境を統一するといったところの視点でもまた重要かというふうに考えております。
 それに加えまして、市民の方々の御意見ですね、こういったところも踏まえていく必要があると思いますので、この委員会で詳しい資料を今後お出しさせていただくことで、この場で御議論いただきながら、方針については決定してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆上野美恵子 委員  とは言いましても、全国交通系ICカードが使えないということについての市民の皆さんのいろいろな御意見というのは、想像以上に多いというふうに私は思っています。
 やはりもともと市電がでんでんニモカということでスタートしている面もあって、当時それは私なんかは当たり前みたいにああ、そうですかと言って始まったんですけれども、でも、考えたらそういうスタートを切ったということは、とても今考えれば便利だったんですよね。1枚のカードで地元でも使える、そして1枚あったら全国どこに行っても使えるという、そういう利便の中に自分がずっといたんだなという思うときに、そういう環境が大きく変わるということが、市民の皆さんの公共交通に対する本当に利用しようと、安心・安全に使っていきたいという気持ちを大事にしていくということにもなりはしないかなというふうに思うし、一番最初(1)のテーマの基幹公共交通のお話が出たときに、市電というのはJRさんなんかと並んで鉄軌道としての基幹公共交通の役目も担っておりますので、そういう意味では、バスとの連携ももちろん大事です。それも本当大事だから、バスか何かそういう更新ではないというのは、ちょっとまたどうなのかなというふうに思いますけれども、それはそれとして、この市電の全国交通系ICカードをこのまま今までのように使っていける運用を存続できるというか、そのことはすごく大事なんではないかなと思うんですよね。
 だから、利用者の立場に立って考えるということをしていかないといけないなと、バスとかと合わせなきゃいけないから、どうだからという何かの都合側で考えると、何やかんやちょっと見方も変わってくるけれども、乗る側というか、使う側の立場になれば、やはり今までどおりだったら便利なんだけれどもという単純な話なのかもしれないので、いろいろな御意見もあるかもしれないけれども、私の回りではそういう意見の方が多いから、ぜひそういう方向で、お金は高くても2億円、安くできれば1.1億円という提示がありますけれども、一番最初にお話にあったように、やはり公共交通を本当に利用促進していこうというのであれば、一定のお金も使っていかないと、今はそれは自動的にはできない時代ではないかなというふうに思うんですよね。
 だからこそ、その方針の中にも書いてある、「公共交通の促進のためには、一定の市の支援や財政的な支援も必要だ」ということを自ら市が書いているわけだから、それはそういう範疇の中でこの問題もぜひ考えていただいて、結論を出していくようにしていただきたいし、利用者、市民第一の選択であってほしいなというふうに願っておりますので、よろしくお願いいたします。

田中敦朗 委員長  要望でいいですか。

◆藤山英美 委員  今の上野委員の同じような形なんですけれども、2ページにも公共交通の将来像ということでありますけれども、このでんでんニモカはくまモンのICカードに先行してやったんですね。だから、今くまモンのICカードではなくて、でんでんニモカ、利用者はどのくらいあるんですかね。

◎吉岡秀一 交通局総務課長  でんでんニモカの利用者の割合なんですけれども、まず、都度払いで利用されている方、ニモカに限らず全国交通系ICカードを含めたところでの数になりますけれども、Suicaとか、全て含めた数になりますけれども、割合としましては35.8%、それとでんでんニモカを定期として使われる方が14.7%ということで、併せると約半数以上が全国交通系を利用されているという状況となっております。
 以上でございます。

◆藤山英美 委員  取得件数といいますか、それは分かりますか。

田中敦朗 委員長  持っているか、持っていないか。

◆藤山英美 委員  はい。

田中敦朗 委員長  発行部数的な。

◎吉岡秀一 交通局総務課長  今手元に資料持っておりませんけれども、およそたしか7万枚以上発行していたかというふうに記憶しております。
 以上でございます。

◆藤山英美 委員  くまモンのICカードに先行してでんでんニモカは発行されましたので、多くの人が期待して購入されたと思いますし、また、全国交通系ICカードを使えるということで、かなり利便性は高かったんですね。全国からもそれで使えるということで、だから、こういうやり方の変更というのは、すごく大きな衝撃があったと思います。
 そしてこの中にも、将来像の中にうたってありまして、「公共交通が誰もが利用したくなる便利な乗り物」ということになっていますけれども、そうしたらやはり全国交通系ICカード並みに利用できるような形で努力するのが当然だろうと私は思いますけれども、多くの人がそのようなアンケート結果にも出ておりますので、そこが今後の努力でどうなるかちょっと私も分かりませんけれども、お願いしたいなと思います。

田中敦朗 委員長  要望ですか。

◆藤山英美 委員  はい。

◆上田芳裕 委員  キャッシュレス決済の関係で一つ確認なんですけれども、バス事業者の方は決定して今年の12月から全国交通系ICカードが使えなくなって、4月までがくまモンキャッシュレス決済を行おうとすると、くまモンのICカードしか使えない状況となることからすると、クレカのタッチ決済とか、いろいろお話があっておりますけれども、利用者のほとんど、通常使われている方のほとんどはくまモンICカードを持たなければならなくなるんで、そっちの方に流れてしまうというような観測を持っていいのかどうか、お尋ねします。

◎大川望 交通企画課長  委員御指摘のとおり、今度のバス事業者と電鉄電車に置かれた機器の更新の分につきましては、今のところ12月中旬から機器更新が終わる3月末までの期間については、くまモンのICカードと現金払いのみというような形になってございます。
 そういった状況になるので、くまモンICカードの方の取得の方々が増えるんではないかというふうな予測が立てられるかどうかというふうなお尋ねかと思いますけれども、そうですね、その方向になりますというふうに私の考えで言い切ることは当然できませんけれども、対象としてくまモンICカードの方に切替えが必要だというふうには思われる対象の方のメインとしては、やはり4月以降とかのことを、将来的なことを考えたときには、でんでんニモカ、ニモカを利用してバスに乗っている方々、バスは利用しなきゃいけないんだけれども、今でんでんニモカといいますか、全国交通系ICカードを持っていらっしゃる方々がその対象のメインになるのかなというふうには考えてございまして、そういった場合、定期券というようなヘビーユーザーというよりも、都度払いの方の方が多いのかなというふうな感触がちょっと思っているというところでございまして、その方々がこの3か月半程度、この機器入替えのところにどのように反応されるかというふうな感触というようなところで、すみません、思っているところでございます。
 以上でございます。

◆上田芳裕 委員  そういう観測、実際そうなるかどうかというのは確実に言えないというのはよく分かります。ただ、来年4月いよいよクレカのタッチ決済が、機器が入って導入されたときに、わざわざ今キャッシュレス決済の方法としてくまモンに変えた人がクレカにするかというところも含めて、非常に疑問を持っているところであります。
 熊本市の方では、市電のキャッシュレス決済の方法についてバスの利用状況も見つつ、今後判断をする、利用者のニーズも捉えつつということでございます。
 そういった意味合いでは、どうなのかなという非常に疑問を持つところでもございますし、特に気になるのが利用者のニーズとか、バスで来年4月から実際に利用された動向を見つつということでございますけれども、今3パターン示されておりますけれども、どの時期にはどのパターンで決済システムするかという判断をしなければならない、その時期というのはどれくらいを思われていますでしょうか。

◎吉岡秀一 交通局総務課長  機器の更新には様々なソフト開発とかがありますので、当然期間が長ければ長いほどいいというものでありますが、ただ、一方で、バス、電鉄、電車の状況を見てというところもございますので、バス、電鉄、電車が令和7年4月から始まりますので、早くても令和7年4月以降のしかるべき時期に、この方針は決定する必要があるというふうに考えております。
 以上でございます。

◆上田芳裕 委員  新たな市電につけるどのパターンがあるかは別としても、いずれにしても、システムの開発含めてしなければならない、そういった発注時期のぎりぎりの時期というのは、どれぐらいというふうに今のところ想定されていますでしょうか。

◎吉岡秀一 交通局総務課長  具体的な時期なんですけれども、繰り返しになりますけれども、期間が長ければ長いほどいいというのはありますが、ただリミットというところになりますと、個別にちょっと事業者と話をしないとなかなか難しいというところにはなりますので、来年度の早々のしかるべき早い時期に決定をしていく必要があるかなというふうに考えております。
 以上でございます。

◆上田芳裕 委員  事業者と開発期間の調整の詰めが今からということになるので、具体的に言われませんでしたけれども、発注予算を上げる6月議会、9月議会とか、そういうのがポイントになってくるかというふうに思っています。
 そういった意味では、6月になればバスでどのような利用状況になっているのかを見られるのが4月、5月中旬ぐらいかなという、9月でリミットなれば一定程度見られるんですけれども。今やはり大事なのが利用状況がどんな感じになっている、それと市民のニーズがどうなっている、市民のニーズについては、ある程度地元紙のアンケート調査もあってつかめているところがあるんですけれども、そういったことも含めて決めていかなければならないというふうに思っていますので、ぜひ期間が短くなっても、しっかりと状況把握をされた上で判断をして提案をいただきたいというふうに思っていますし、私個人的にも全国交通系ICカード、私が熊本におっても使えますし、東京、大阪、出張したときでも使えるという利便性も、非常に高く評価をしておりますし、前回の提案の中ではインバウンド、いわゆる外国人観光客の方がクレカ、タッチ決済、非常に利用頻度が高いということで言われていますけれども、日本人の県外からの観光に熊本に来られる、熊本城を見に来られる、阿蘇に来られる方々は、タッチ決済がどうなのか、全国的にもまだ走り始めたクレカのタッチ決済よりも、全国交通系ICカードをやはり残していったほうがいいのかなというふうに思っております。そこのところだけ、私の意見提起として申し上げたいというふうに思います。
 以上です。

◆井本正広 委員  今の上田委員と同意見で申し訳ないんですけれども、今あったように、本当ここに書いてあるように、実際動き出して「ICカードの動向を注視しつつ」とありますので、十分注視をしていただきたいということ。それと、その後に、「今後実施するアンケートにより市民の皆様の御意見を把握する」とあります。これは稼働した後にアンケートをしていただきたい。その結果で判断をしていただきたいというふうに思います。今後実施するという時期は、いつ頃考えられていますでしょうか。

◎吉岡秀一 交通局総務課長  まだ具体的な実施時期については未定でございますが、これはバス等々の話もありますので、熊本市の都市建設局ともしっかり協議しながら検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆井本正広 委員  動向を注視しつつアンケートをしていただきたいと思います。
 それとあと2点ちょっと確認したいんですが、バスの方が12月からさっきあったICカードと現金となります。これは順次機械を、端末を入れ替えていくからそうなるんだろうというふうに思いますけれども、早めに入れたところは先にクレジットタッチができるというものではないんですかね。クレジットは、あくまでも4月にならないとバスの方は使えないということでしょうか。確認です。

◎大川望 交通企画課長  井本委員のお考えのとおりでございまして、一旦全国交通系ICカードの利用を停止しまして、そして一斉に停止して順次機器を入れ替えていくというやり方でございまして、全国系ICカードを利用しながら機器の更新をするというのは、今のところはできないというふうに聞いてございます。
 以上でございます。

◆井本正広 委員  できない方は一斉にできないと。では、新しく使えるものも一斉にスタートということになるんですか。

◎大川望 交通企画課長  そのとおりでございます。新しい機器は4月からということでございます。
 以上でございます。

◆井本正広 委員  あと1点確認させてください。
 この表の中で、市電・バス連携サービス、くまモンのICカード、タッチ決済、QRコード、それぞれ○×があります。これはこの3つの決済方法、どれに決めたというわけではなくて、今から決められることだというふうに理解してよろしいんでしょうか。

◎大川望 交通企画課長  資料の交-3の部分かと思いますけれども、ここに記載してございますのは、中段ほど、連携サービス、くまモンのICカード、タッチ決済、QRコード、これはそれぞれの決済の方法といいますか、こういった方法ができますというふうなお示しさせていただいていて、委員御指摘のとおり、いわゆる料金施策といいますか、どういうふうなサービスをやっていけるのかというのは、今後料金施策をどのようにやっていって、市電とバスを連携させていくのかというものをしっかりと検討していきたいというふうに考えておるところでございます。
 以上でございます。

◆井本正広 委員  3通りの方法があって、このうちの3つ全部やる場合もあるし、1つの場合もあるということですね。
 そういうことであれば、やはり4月以降、バスの状況をよく使えた上で、タッチ決済でもしできるんであれば、わざわざくまモンのICカード作らなくてもよかったという方も発生するかもしれませんので、そこ動向を注視しつつ、連携サービスについても検討をしていただきたいというふうに思います。
 以上です。

田中敦朗 委員長  そのほかございませんか。

◆藤山英美 委員  お尋ねします。
 先ほどでんでんニモカは7万枚ぐらいの発行と言われましたけれども、今後県外に出ないという人たちは、解約をしなければならないわけですよね。そしたら利用残まで精算を交通局がされるわけですか。

◎吉岡秀一 交通局総務課長  現状でも行っておりますけれども、そういった解約の手続等交通局の窓口でしていただくことになります。
 なお、すみません、先ほど7万枚と申し上げましたけれども、それと別に記念カードというのを当初1万枚発行しておりまして、それプラスの普通カードが7万枚以上ありまして、現状で令和5年度末で8万3,700枚発行しているという状況でございました。
 以上でございます。

◆藤山英美 委員  これは難しい問題だと思いますけれども、解約される方をどの程度と思われておりますか。

◎吉岡秀一 交通局総務課長  仮に交通系ICカードが市電に使えなくなったとしても、例えば東京に行かれたときだとか、買物とか、そういったものには使えますので、即座に皆さん解約される数としてそれほど多くの方がというのには正直想定はしておりませんが、すみません、具体的な数についてはちょっと見込み等は立たないという状況です。
 以上でございます。

◆藤山英美 委員  それは難しいと思います。発行して相当な期間がたっておりますので、もう県外に出られない方、また、そういう県外で買物をする方というのは、かなり減ってきているんではないかなという想像をしております。しかし、多くの方にいろいろな支障が出てくるというのは確かだろうと思っております。
 以上です。

田中敦朗 委員長  そのほかございませんか。
 先ほどの藤山委員からの質問に対して答弁できますか。


◎徳田隆宏 移動円滑推進課長  藤山委員からの2つの御質問についてお答えいたします。
 1つ目が、アンケートの信頼性ということでございます。
 まず、平成29年度に取りましたアンケートにつきましては、回答者数が約2,000人でございます。それに対しまして、令和5年度に回答していただいた数が約9,000人でございます。約4倍強の方に回答いただいており、また、各区で見ましても、統計学上も有効なサンプル数を有していると考えております。
 2つ目でございます。
 2つ目につきましては、東区の方に多くアンケートを取っていることから、必要という数が多いのは当然ではないかということかと思います。
 それにつきましては、R5年度で見ますと、全体が69%必要と答えております。そのうち内訳でいきますと、東区の方が74%でございます。おっしゃるとおり、多いんですが、その他の区で見ましても、60%から65%、要は半数以上の方が必要という回答をされております。さらに平成29年度で見ましても、先ほどのR5年度と同様の傾向を示しておりますので、アンケートとしては広く市民の方々の皆様の意見を反映できているものと考えております。
 以上でございます。

◆藤山英美 委員  このアンケート結果というのは、そういう見方でかなり変わってくると思いますけれども、この中で自家用自動車が2,000台減というようなことも書いてありますし、利用者数が1日2,300人ということでありますけれども、今現在でもラッシュ時なんかは、もう健軍電停なんかはあふれているわけですよ。
 そういう中で、延伸してそういう2,300人の増というのがどのように影響してくるか、ちょっと分かりませんけれども、かなり延伸したことによってそういう問題が生じないかということで心配をしております。果たして自動車が減って渋滞緩和になるか、そういう問題も含めて今後努力していただきたいと思います。

田中敦朗 委員長  ほかにございませんか。
        (「なし」と呼ぶ者あり)

田中敦朗 委員長  ほかにないようであれば、本日の調査はこの程度にとどめたいと思います。
 さて、前回の委員会において決定しておりました円山参考人につきましては、諸事情により出席できない旨の連絡をいただいております。
 そこで、改めて御相談いたします。
 本市のあるべき地域公共交通について、熊本学園大学経済学部、溝上章志教授を意見陳述人として招致し、意見聴取を行いたいと思いますが、いかがでしょうか。

        (「異議なし」と呼ぶ者あり)

田中敦朗 委員長  御異議なしと認めます。
 それでは、次回以降の当委員会において、意見陳述人の意見聴取及び質疑を行うことと決定いたします。
 なお、意見聴取のための委員会開催につきましては、意見陳述人との調整が必要となりますから、本職に御一任いただき、決定次第連絡をいたします。
 これをもちまして、地域公共交通に関する特別委員会を閉会いたします。
 お疲れさまでした。

                            午後 4時01分 閉会


出席説明員
 〔政 策 局〕
   局長       三 島 健 一    総括審議員    村 上 英 丈
   総合政策部長   黒 木 善 一    政策企画課長   松 永 直 樹
 〔財 政 局〕
   局長       原 口 誠 二    財務部長     濱 田 真 和
   財政課長     津 川 正 樹
 〔都市建設局〕
   局長       秋 山 義 典    技監       上 野 幸 威
   都市政策部長   高 倉 伸 一    都市政策課長   飯 田 考 祐
   交通政策部長   迫 本   昭    交通政策部首席審議員
                                濱 口 佳 久
   交通企画課長   大 川   望    移動円滑推進課長 徳 田 隆 宏
   移動円滑推進副課長太江田 真 宏    自転車利用推進課長酒 井 伸 二
 〔交 通 局〕
   交通事業管理者  井 芹 和 哉    次長       松 本 光 裕
   総務課長     吉 岡 秀 一    運行管理課長   松 尾 達 哉
   運行管理副課長  荒 木 敏 雄
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