2026年03月10日 予算決算委員会
令和 8年第 1回予算決算委員会
予算決算委員会会議録
開催年月日 令和8年3月10日(火)
開催場所 予算決算委員会室
出席委員 45名
田 中 敦 朗 委員長 浜 田 大 介 副委員長
大 石 浩 文 委員 井 本 正 広 委員
村 上 麿 委員 瀬 尾 誠 一 委員
菊 地 渚 沙 委員 山 中 惣一郎 委員
井 坂 隆 寛 委員 木 庭 功 二 委員
村 上 誠 也 委員 古 川 智 子 委員
荒 川 慎太郎 委員 松 本 幸 隆 委員
中 川 栄一郎 委員 松 川 善 範 委員
筑 紫 るみ子 委員 井 芹 栄 次 委員
島 津 哲 也 委員 吉 田 健 一 委員
齊 藤 博 委員 田 島 幸 治 委員
日 隈 忍 委員 山 本 浩 之 委員
北 川 哉 委員 平 江 透 委員
吉 村 健 治 委員 山 内 勝 志 委員
伊 藤 和 仁 委員 高 瀬 千鶴子 委員
小佐井 賀瑞宜 委員 寺 本 義 勝 委員
大 嶌 澄 雄 委員 高 本 一 臣 委員
田 上 辰 也 委員 三 森 至 加 委員
田 中 誠 一 委員 坂 田 誠 二 委員
落 水 清 弘 委員 澤 田 昌 作 委員
満 永 寿 博 委員 紫 垣 正 仁 委員
藤 山 英 美 委員 上 野 美恵子 委員
村 上 博 委員
欠席委員 2名
西 岡 誠 也 委員 上 田 芳 裕 委員
議題・協議事項
(1)議案の審査(40件)
議第 3号「令和8年度熊本市一般会計予算」
議第 4号「同 国民健康保険会計予算」
議第 5号「同 母子父子寡婦福祉資金貸付事業会計予算」
議第 6号「同 介護保険会計予算」
議第 7号「同 後期高齢者医療会計予算」
議第 8号「同 農業集落排水事業会計予算」
議第 9号「同 産業振興資金会計予算」
議第 10号「同 競輪事業会計予算」
議第 11号「同 植木中央土地区画整理事業会計予算」
議第 12号「同 奨学金貸付事業会計予算」
議第 13号「同 公債管理会計予算」
議第 14号「同 病院事業会計予算」
議第 15号「同 水道事業会計予算」
議第 16号「同 下水道事業会計予算」
議第 17号「同 工業用水道事業会計予算」
議第 18号「同 交通事業会計予算」
議第 36号「熊本市附属機関設置条例の一部改正について」
議第 37号「熊本市一般職の職員の給与に関する条例の一部改正について」
議第 38号「熊本市長等の給与に関する条例の一部改正について」
議第 39号「熊本市議会議員の議員報酬、期末手当及び費用弁償に関する条例の一部改正について」
議第 40号「熊本市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正について」
議第 41号「熊本市企業管理者の給与に関する条例の一部改正について」
議第 42号「熊本市教育長の給与等に関する条例の一部改正について」
議第 43号「熊本市長の給料の特例に関する条例の制定について」
議第 45号「熊本市消防団員の定員、任用、服務等に関する条例の一部改正について」
議第 46号「熊本市学校給食費条例の一部改正について」
議第 47号「熊本市手数料条例及び熊本市保健衛生事務に関する手数料条例の一部改正について」
議第 48号「熊本市乳児等通園支援事業所条例の制定について」
議第 49号「熊本市余熱利用施設条例の一部改正について」
議第 50号「熊本市動植物園条例の一部改正について」
議第 51号「熊本市動植物園整備運営支援基金条例の制定について」
議第 55号「熊本市軌道条例の一部改正について」
議第 160号「調停の成立について」
議第 161号「包括外部監査契約締結について」
議第 165号「財産の取得について」
議第 166号「同 」
議第 167号「特定の事務を取り扱う郵便局の指定の一部変更について」
議第 169号「工事請負契約締結について」
議第 170号「熊本市消防団員等公務災害補償条例の一部改正について」
議第 171号「熊本市国民健康保険条例の一部改正について」
午前10時00分 開会
○田中敦朗 委員長 ただいまから予算決算委員会を開会いたします。
本日の審査に入ります前に、3月5日の本会議において提案されました議第170号「熊本市消防団員等公務災害補償条例の一部改正について」、議第171号「熊本市国民健康保険条例の一部改正について」は当委員会に付託されましたので、お知らせいたします。
これより議案の審査に入ります。
本日は、当初予算及び関連議案に関する総括質疑を行います。
通告状況につきましては、一覧表のとおりとなっております。
また、委員より申出のありました資料につきましては、タブレットに掲載いたしておきました。
なお、質疑に当たっては、項目ごとに答弁者を指名いただきますようお願いいたします。
それでは、予算決算委員会運営細目の発言順に従い、順次質疑を行います。
これより自由民主党熊本市議団の質疑を行います。持ち時間は70分となっております。
まず、日隈忍委員の質疑を行います。
〔日隈忍委員 登壇〕
◆日隈忍 委員 おはようございます。
自由民主党熊本市議団の日隈忍でございます。
今回の総括質疑は、荒川委員と私と2人で臨んでまいります。よろしくどうぞお願いいたします。
まず質疑の冒頭に際し、予算と経済性を踏まえた予算組みの全般についてのお尋ねいたします。
定例会の当初予算の上程に当たり、新規事業を除く既存の事業予算については、事業内容の拡充が多く見受けられますことは、歓迎すべきことと考えております。ただ、現在の世情における消費者物価指数並びに労務単価の上昇など社会経済動向を踏まえれば、事業規模や具体的内容が同じものについては、予算規模はおのずと膨張することが理解できます。
そこでお尋ねいたします。今般上程されている新規を除く既存の事業予算は、全て社会経済動向に応じた予算となっておりますでしょうか。来年度の当初予算の編成に当たり、既存事業については社会経済動向に応じた予算となっているかを、まずお尋ねしたいと思います。財政局長、答弁をお願いいたします。
◎原口誠二 財政局長 令和8年度当初予算の編成に当たりましては、国の経済見通しを踏まえた市税等の歳入増を見込む一方、物価高騰に伴います歳出の増加や経済情勢の変化等による交付金等の歳入の減少が想定されるなど、予断を許さない状況でございました。こういった認識について各局と共有した上で、上質な生活都市の実現に向けて、社会情勢の変化や施策の効果検証等を踏まえた積極的な事業のビルド・アンド・スクラップを推進することにより、予算の質の向上に全庁的に取り組んだところでございます。
これにより、第8次総合計画に掲げます施策の推進に意を用いた予算編成を行ったところであり、主なものといたしましては、小学校の給食完全無償化や中学校給食費の保護者負担軽減に加えまして、小中学校体育館等への空調整備や全大腸内視鏡検査の無償実施人数を拡大するなどの予算計上を行ったところでございます。
◆日隈忍 委員 答弁ありがとうございました。財政局においては、一定の工夫を講じられた旨の答弁だったと思います。特徴としては、積極的な事業のビルド・アンド・スクラップの推進と明言されていました。皆様の取組姿勢については一定の評価を得られると考えております。
ただし、気になる点としては、経済情勢の変化などによる税や交付税等の歳入減を前提にしているところであります。最低ラインを見越して慎重に対応されている点は一見妥当に映りますが、地方財政には基準財政需要額が規定されている以上、歳入には調整機能が担保されています。まして国全体の実質的な生産性はいまだ十分とは言えない中で、国の歳入は過去最高を更新する一方です。歳入全体が目減り傾向になるのかについては、現実的な見解と言えるのか気になるところでもあります。この点も含んで精査いただきたいと感じたところです。
それでは、さらにお尋ねさせていただきます。各局における事業の精査段階において、同じ内容の事業については、予算規模の大小にかかわらず拡張傾向になることは想定されます。その上で、財政局に対し予算要求が実施されていると考えております。財政局としては、各局からのヒアリングの段階でどのような協議を進められたのか、また各局の事業のヒアリング、精査段階で予算規模が拡張傾向になることをどのように協議したか。また、シーリング方式では事業の縮減、変更あるいは廃止の可能性もあると思われますが、何らかの有効な策を協議したかお尋ねします。財政局長、答弁をお願いいたします。
◎原口誠二 財政局長 地方公共団体の予算編成におきましては、歳入歳出均衡が前提であると認識しておりまして、令和8年度当初予算編成においても、国の動向や本市の市税の見込みなどを踏まえまして、歳入歳出予算を計上したところでございます。
令和8年度当初予算編成に当たりましては、前年度当初予算における一般財源総額と同額のシーリング率を設定したことと併せまして、上質な生活都市の実現に向けた施策に要する経費につきましては、重点課題対応経費として所要額で要求できることといたしました。
また、事業の必要性や効果、社会情勢との整合性等につきまして、各局から丁寧にヒアリングを行い、さらには事業手法の効率化の余地などを確認した上で予算計上を行ったところでございます。なお、ビルド・アンド・スクラップの推進を踏まえた予算編成につきましては、業務の効率化や民間ノウハウの活用などの観点から、各事業の廃止・見直しに取り組み、一般財源として約3億3,000万円を削減しつつ、重点事項に重点的に予算を配分したところでございます。
◆日隈忍 委員 答弁ありがとうございました。昨年度当初予算を参考にシーリングを設定し、堅実な予算組みに心がけて各局との調整を図られたことを確認させていただきました。特にビルド・アンド・スクラップの推進を徹底され、事業それぞれにめり張りを持たせている点は評価いたします。それと同時に、予算規模が最大値を更新している点も評価しております。
ただし、いま一度申し上げておきたいのは、予算はその時折の社会経済動向に連動した行政需要を基軸に編成すべきと考えております。そのための責任ある積極財政ではないでしょうか。
前年度の予算や決算における事業の執行ベースは参考にすべきですが、事業規模が社会経済動向に連動しなければ、地域の社会経済は安定しません。恐らく現状維持がよいところでしょう。ひいては税の涵養にもつながりません。失われた30年の中で、緊縮財政がそのことを物語っております。その意味で、予算編成に当たって財政論が先行した議論は、経済の振興に逆効果をもたらす可能性も秘めております。行政の第一義である国民、市民の命と財産を守る使命を果たすためには、経済の安定は不可欠です。ぜひそのことを御留意いただきたいと思います。
次に、主要事業の詳細についてお尋ねいたします。
まず、農水局農業支援課の夢と活力のある農業推進事業についてお尋ねいたします。
農業生産性の高い本市において、近年自然災害の頻発、激甚化、生産コストの上昇、労働者不足など生産者にとって厳しい環境の中で、スマート農業の推進などによる効率化の支援は不可欠な状況ではないでしょうか。
その中で、本事業は、本市の農業者が経営の高度化やスマート農業を導入する際に経費を支援する公募型補助事業と承知しております。地域の生産者より使い勝手がよい事業との意見を聞いており、夢と活力ある農業推進事業の拡充は的を射たものとして歓迎すべき事業と思われます。そこで、この事業の考察を深めたいと思いますので、4点質疑させていただきます。
1点目、事業の開始年度と年度予算の推移及び採択件数と決算状況を教えてください。
2点目、採択に関して、応募計画の内容からポイント制で決定するとありますが、応募から採択までの手法をお示しください。
3点目、事業について農業者よりの意見と執行部の評価と、今後の課題があれば示してください。
4点目、令和8年度高温被害対策と防油堤整備の拡充、2点が示されておりますが、今後も農業者よりの要望を踏まえた支援を講じる予定があるのか教えてください。
以上4点、農水局長に答弁をお願いいたします。
◎野島昌浩 農水局長 夢と活力ある農業推進事業について、4点のお尋ねでございます。
1点目の予算につきましては、事業創設時の平成28年度は3,000万円でありましたが、メニューの見直しや拡充等に伴う増減を経て、令和5年度より4,340万円となっております。令和8年度はメニューの拡充に伴い、5,310万円を予算案として計上しております。
決算につきましては、年度によってばらつきがありますが、平成28年度~令和6年度までの予算執行率の平均は97%となっております。
採択件数につきましては、採択された事業費の大小により増減しますが、例年100件前後で推移しており、令和7年度においては126件と過去最高の件数となりました。
2点目の、応募から採択までの手法につきましては、例年4月1日より1か月間を応募期間としており、農業者等から応募のあった事業計画に対し、本市があらかじめ公表している、期待される効果や取組による受益量などの評価基準に基づき採点を行い、点数の高い順に予算の範囲内で採否を決定しております。
3点目の農業者の意見につきましては、昨年秋に、令和6年度に事業に取り組みました農業者等に対しアンケートを実施したところ、8割の方から満足もしくはおおむね満足との回答を得ました。本市としましては、これまで寄せられた農業者や農業団体からの御意見やこのアンケートの回答結果を踏まえ、本事業に対して農業者から一定の評価をいただいているものと捉えております。一方、本事業は全て一般財源で賄っており、今後も生じるであろう様々な生産現場の課題に対応するため、財源も含めた必要な予算の確保が課題であると認識しております。
4点目の、農業者の要望を踏まえた支援につきましては、本事業を推進する上で、これまでも農業者等から寄せられた意見、要望をはじめ国県の動向や本市農業の実情を踏まえて支援メニューを見直すなど、創意工夫を行ってまいりました。今後も市単独事業の強みを生かし、農業者にとって取り組みやすく、本市農業の実情に沿った効果的、機動的な支援を実施してまいります。
◆日隈忍 委員 答弁ありがとうございました。事業創設時の3,000万円からスタートし、令和8年度予算は5,310万円まで拡充され、執行率も100%近く、昨年の採択件数も過去最高の126件となり、まさに夢と活力ある農業推進事業にふさわしい内容であることが確認できました。さらなる拡充も必要ではないかと感じたところでもあります。
今後も地球温暖化の影響による災害、農業被害の発生が予想されます。国県ではカバーできない課題解決のために、独自事業の強みを生かした使い勝手のよい支援メニューを一層充実させていただくことを要望いたします。
次の質問に移ります。
都市建設局空家対策課の空家等対策事業8,500万円についてお尋ねいたします。
人口減少、少子高齢化の進展により、今後も空き家の増加が見込まれる中で、空き家の発生抑制、適正管理は、地域で生活する市民にとって大きな課題となっており、令和8年度の事業の拡充には大きな期待をしているところです。
本市では、第2次空家等対策計画に基づき、予防、利活用、適正管理、連携強化の4本柱を中心に対策を強化していることと思います。令和8年度予算案では、特に管理不完全な空き家への法的対応が強化されていることについては評価できるのではないでしょうか。さらに、最も重要である予防については、昨年7月から空き家相談員制度がスタートし、その成果に注目をしているところでもあります。
空き家の増加は、地域コミュニティの衰退、防犯・衛生面のリスク、防災のリスクなど、地域住民の皆さんに直接関わる非常に重要な課題であると認識しており、早急な対策が求められております。そこで2点お尋ねいたします。
1点目、昨年7月から県内自治体初の試みとしてスタートした空き家相談員制度、そして空き家の利活用につながる改修費補助、土地としての流通を促進する空き家除去補助、空き家の利活用を促進するために設立されている空き家バンク制度、それぞれについての成果と課題を教えてください。
2点目、今後は空き家数の抑制対策が重要と考えますが、そのための啓発の具体的な対策、特に高齢者への情報提供についての取組を教えてください。
以上2点を、都市建設局長に答弁をお願いいたします。
◎上野幸威 都市建設局長 まず、空き家対策の成果と課題についてお答えいたします。
空き家相談員制度は昨年7月に開始し、88名に御登録いただいております。これまでの相談件数は68件となっており、相談者へのアンケート結果では高い満足度を得られていることから、より多くの方々に御利用していただくため、ニーズの把握や制度の周知に努めているところでございます。
空き家の利活用に向けた改修費補助制度は、昨年度から開始し、申請件数は昨年度5件、今年度2件でございます。また、危険な空き家の発生防止に向けた解体費補助制度も昨年度から開始し、申請件数は昨年度49件、今年度109件となっております。今後は空き家のさらなる利活用促進に向けて、改修費補助制度の対象や要件の見直しを検討してまいります。
空き家バンク制度は令和2年度に開始し、これまで年間約10件、累計39件の登録があり、うち30件が成約に至っております。引き続き、空き家販売等のノウハウを有する事業者との連携による流通促進に取り組んでまいります。
次に、空き家の抑制に向けた啓発につきましては、先ほど申し上げました相談員制度や各種セミナー、相談会の開催に加え、今後は今年2月に指定いたしました空家等管理活用指定支援法人による地域でのワークショップ等を開催し、空き家に関する様々な課題をお持ちの市民の皆様への支援体制の強化を図っていくこととしております。また、情報に接する機会が限られる高齢者の方々に対しては、地域の皆様の御協力をいただきながら情報提供を行うなど、きめ細かな対応に努めてまいります。
◆日隈忍 委員 答弁ありがとうございました。空き家相談員制度、利活用のための補助金制度、空き家バンク制度と様々な取組が一定の成果を上げていることが分かりました。
しかし、今後も空き家の増加が予想される状況で、第2次空家対策計画における目標である空き家率12.9%未満の達成は、大変厳しいのではないかと考えております。今後、少子高齢化が一層加速する中で、自治体だけで空き家数を抑制することは困難を伴うと思いますので、民間との連携や地域の協力を求めながら対策を進めていただきたいと思います。
私が暮らす地域でも、大規模な宅地造成から50年が経過し、80代の高齢世帯が急増し、地域としても大きな危機感を持っております。空き家対策として地域の皆さんに、土地相続が最もトラブルになりやすく、空き家発生の原因になるということを理解していただき、終末医療あるいは介護環境の選択などを含め、ワンストップで対応できる仕組みを構築していただくことを要望したいと思います。
次の質問に移ります。
教育委員会総合支援課のスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー配置事業1億8,000万円についてお尋ねします。以降、スクールソーシャルワーカーをSSW、スクールカウンセラーをSCと表現させていただきます。
熊本市の不登校児童・生徒は、令和6年度に全国と同様過去最多を更新し続けており、SSW、SCの果たす役割はますます重要になっております。令和5年度の調査では、熊本市立小中学校の不登校児童・生徒数は2,760人に達しており、10年間で約4.5倍に急増しているようです。要因は、無気力、不安、生活リズムの乱れなど、多様な要因が連携しているとの調査結果があります。また、文部科学省の不登校の定義である30日以上の欠席には含まれないものの、登校に苦痛を感じている、あるいは保健室や別室登校を続けている隠れ不登校の生徒が存在し、表面化している不登校数の2倍から3倍の潜在的な対象者がいるとの指摘もあります。SSW、SCの配置基準の見直しも含めた拡充は、喫緊の課題ではないでしょうか。
しかし、SSW、SCの配置事業の予算は、令和8年度はほぼ前年並みの金額となっており、残念ながら拡充ではなく現状維持のようですが、配置事業予算の内容についてお尋ねしたいと思います。
1点目、SSW、SC配置事業の予算は昨年の予算とほぼ同額になっておりますが、社会情勢を考慮すると労務単価への配慮は必要ではないかと考えております。SSW、SCの雇用の条件と配置数、配置基準を教えてください。
2点目、こどもたちを取り巻く環境が複雑化しているため、課題解決のためには専門的な知識、豊富な経験が必要とする案件が多くなることが予想されます。SSW、SCの専門資格の内訳、年齢、勤務年数を教えてください。
3点目、運用の形態として、学校への常駐ではなく複数の学校を掛け持ちしていると聞いておりますが、不登校者数が増加し、過去最多となっている状況の中で、掛け持ちで学校現場の要請に十分対応できているか、不安を覚えております。SSW、SCの相談待ち件数、待ち期間及び滞在時間を教えてください。
以上3点を教育長に答弁をお願いいたします。
◎遠藤洋路 教育長 スクールソーシャルワーカーSSWとスクールカウンセラーSCは、会計年度任用職員として雇用しており、1年ごとに契約を更新しております。SSWは月額28万254円、SCは1時間当たり5,040円の報酬を支払っております。SSWとSCの配置基準は定められておりませんが、本市ではSSWは21人、SCは50人を配置しております。
専門資格については、SSWは社会福祉士と精神保健福祉士の両方を保有している方が6人、社会福祉士のみが12人、精神保健福祉士のみが3人であります。SCは臨床心理士と公認心理師の両方を保有している方が27人、臨床心理士のみが1人、公認心理師のみが22人となっております。20歳代~70歳代までの幅広い年齢層を登用しており、勤務年数はSSWが平均4.6年、SCが平均6.2年となっております。
SSW、SCへの相談は、申請から相談までに2週間~1か月程度の時間がかかる場合があります。学校への滞在時間は学校規模によって異なりますが、SSWは2週間に一、二回、1回当たり一、二時間程度、SCは月に1回~3回、1回当たりが3時間~7時間程度となっております。
今後の配置について、SCはこどもの性被害防止パッケージの中で、常駐・正規化を見据えた検討を行うこととしております。SSWについても引き続き充実を図ってまいります。待遇についても、他の会計年度任用職員の報酬改定も参考に、随時見直してまいります。
◆日隈忍 委員 答弁ありがとうございました。配置状況については、SSW、SC共に複数校を掛け持ちしている状況であることが確認できました。不登校児童・生徒が増加し、いじめ問題も高止まりの状況であり、学校現場は教員不足も重なり、相当疲弊しているのではないかと心配しております。
さらに、SSW、SCの相談待ちも2週間~1か月かかる場合があると答弁がありましたが、それほど長いと解決できる問題も解決できなくなるのではないかと、これも心配しております。今後の配置について、SCについては、こどもの性被害防止パッケージの中で常駐・正規化を見据えた検討を行うとの答弁がありました。こどもたちのため、そして教職員の負担軽減のためにも、一刻も早い常駐・正規化の実現を求めておきたいと思います。
また平均勤務年数も4年~6年ほどであり、会計年度任用職員という不安定な雇用形態が影響しているのではないかと思っております。豊富な経験と専門知識を持つSSW、SCを確保するために、常駐・正規化を含め、近年の社会経済動向に応じた待遇改善を毎年実行していただくようお願いをしたいと思います。
次の質問に移ります。
政策局広報課のふるさと応援寄附金推進事業についてお尋ねします。
本市のふるさと納税受入れ額は、令和3年度5億4,000万円から令和6年度は11億8,000万円と、2倍以上に増加しております。この実績は一定評価できるのですが、熊本市民のふるさと納税制度の利用も活発化し、他都市へ寄附を行ったことによる住民税控除額も増加傾向を示しております。そのため、本市のふるさと納税は受入れ額が伸びているにもかかわらず、市外への寄附に伴う控除額が上回り、実質的な収支が赤字になっているのが現状ではないでしょうか。
令和8年度当初予算では、前年度の6億7,500万円から10億円に大幅に増額され、大きな期待をもって注目しております。代表質問で我が会派の寺本議員からも同事業の質問がありましたが、改めて事業の詳細についてお尋ねしたいと思います。
1点目、改めて令和6年度ふるさと納税事業の収支を教えてください。さらに税収が流出し、赤字となっている現状の認識をお示しください。
2点目、ふるさと納税は返礼品の魅力で寄附先を選ぶ傾向が強く、特産品ブランドを持つ自治体に寄附が集中する傾向があると思いますが、寄附金増加の具体的な対策を教えてください。
3点目、令和8年度予算10億円で様々な対策を行うことで、交付税補填を含め、黒字化の可能性についてお知らせください。
4点目、ふるさと納税の本来の目的について広く理解を求めることが必要ではないかと考えていますが、見解をお示しください。
以上4点、政策局長に答弁をお願いいたします。
◎木櫛謙治 政策局長 ふるさと応援寄附金推進事業について順次お答えいたします。
令和6年度のふるさと納税寄附額は約11億8,000万円でありましたが、熊本市民が令和6年に他の自治体に寄附を行ったことによる控除額は約29億5,000万円であり、その75%が交付税措置されますものの、事務的経費を除くと約1億200万円の赤字でありますことから、さらなる寄附増加に向けた取組が必要と考えております。
そこで、令和8年度は新たにふるさと納税担当課長をはじめ専任職員を設置し、ふるさと納税を受け入れるポータルサイトの追加や返礼品の拡充に加え、事業者の元へ直接足を運び、熊本ならではの返礼品開拓や特産品のPR強化など、事業者や生産者と連携した取組を進めることとしております。令和8年度当初予算では、寄附受入額を20億円と見込んでおり、昨年と同額程度の控除額であれば、国からの交付税措置により黒字の可能性があると考えております。
ふるさと納税の本来の目的は、故郷を離れて暮らす人々が寄附を通じてふるさとに恩返しをするものであることから、本市出身者に限らず多くの方々に本市を応援をしていただけるよう、さらなる魅力発信等、新組織の下取組を強化してまいります。
◆日隈忍 委員 ありがとうございました。これまでも限られた人員で様々な取組を実施し、寄附金の増加の実績を積み重ねてきたことは評価しております。今後は先進的な取組を実施している他都市を参考にして、新たな体制で担当課長を中心に熊本市の巻き返しモデルを構築し、何としても収支の均衡化、さらには黒字化を実現していただきたいと考えております。
収支の均衡化、黒字化のためには、収入を増加させると同時に支出を抑えることも必要になると思いますので、管理業務の効率化も同時に進めていただきたいと思います。また、黒字化のためには返礼品戦略に加え、全国に熊本市の魅力を発信し、熊本市に寄附したいと思っていただける都市となるような対応もお願いしておきたいと思います。
次の質問に移ります。
宿泊税関連事業の取組についてお伺いいたします。
宿泊税は、観光消費額や宿泊税が過去最高を記録する中、観光都市としての魅力を高め、戦略的な誘客を継続的に行うための安定した財源として、令和8年7月1日から徴収が開始され、年間ベースで約8億円の税収が見込まれる貴重な新財源です。
宿泊税の導入に当たり、専門家を中心とした検討委員会が設置され、令和6年3月に報告書が提出されました。その中で、使途の考え方、取組について具体的に熊本市観光マーケティング戦略に基づき、新事業及び既存事業の拡充に充当し、単純な振替をしないことなどの言及があります。令和8年度は宿泊税徴収の初年度となりますので、導入1年目の課題及び宿泊税を活用した取組について3点お尋ねいたします。
1点目、旅館、ホテルなどの宿泊事業者の皆さんは、特別徴収義務者として徴収・申告の実務を担っていただくために一定の負担が発生すると思われ、その負担をできるだけ軽減することが求められております。宿泊業者のシステム改修の進捗状況と改修未完了の事業者への支援についてお知らせください。
2点目、令和8年度宿泊税を利用した取組の方針を示してください。
3点目、令和8年度予算案として36事業、合計活用額5億4,300万円が示されています。36事業の新規と既存の事業の割合と、事業選定に当たり最も重要な基準をお示しください。
1点目を財政局長、2点目、3点目を経済観光局長に答弁をお願いいたします。
◎原口誠二 財政局長 レジシステム等整備費補助金でございますが、宿泊税の導入に伴いまして、レジシステムの改修など徴収環境の整備が必要な宿泊事業者に対しまして助成を行うものでございます。
令和8年2月末時点で宿泊施設は446施設でございまして、補助金の申請状況は受付件数98件で申請率は22%でございますが、事前のアンケート調査において、もともと環境整備の必要がないとされた事業者もいらっしゃいます。このようなことから、環境整備が必要でありながら補助金申請を行っていない事業者もいらっしゃる可能性もあるため、改めて全ての事業者に対しまして御案内を行うこととしております。
◎黒木善一 経済観光局長 宿泊税は、観光都市としての魅力の向上、訪れる方に優しい滞在環境の構築及び戦略的な誘客促進等を図りますため、これまで予算化ができなかった新規事業及び拡充事業を中心に活用することとしております。
令和8年度予算に計上した宿泊税を活用する36事業のうち、新規が16事業、拡充が20事業でございます。これらの事業は、本市における観光の課題や旅行者のニーズを踏まえつつ、市議会をはじめ宿泊事業者や外部委員によります審議会からの御意見をいただきながら、庁内関係課と調整を行い選定したところでございまして、今後の税収も熊本市観光マーケティング戦略に基づく事業に活用してまいります。
◆日隈忍 委員 答弁ありがとうございました。申請率が22%という答弁でしたが、ちょっと低いような気もするんですが、全国チェーンのホテルなどはもう自前のシステムを利用するというようなとこもありますし、小規模業者はシステムそのものを導入しないという例もありそうなので、22%程度が妥当かどうかちょっと分からないんですけれども、宿泊税についての周知が十分できていない可能性もありますので、7月以降の導入後も宿泊業者の皆様への支援を継続していただくようにお願いしたいと思います。
あと、答弁には、訪れる人に優しい滞在環境の整備及び戦略的な誘客促進を図るという答弁でしたが、そのために36の事業に活用するとのことでした。そして内訳としては新規事業が16、拡充が20事業ということでした。その拡充の20事業の中に、予算の振替あるいは補填と受け取られる可能性のある事業が幾つか散見されたように、私は感じました。法定外目的税である宿泊税を、観光振興のために利用するために、利用された成果を数値的に示すKPIによる評価を導入してはいかがでしょうか。そして、その宿泊税が観光振興に利用されたというのをしっかりと明らかにしていただきたいと考えております。以上、それを要望しておきたいと思います。
それでは、最後の質疑に移ります。
最後に、新庁舎整備に係る概算事業費についてお尋ねします。
先日、3月4日の一般質問において、我が会派の齊藤議員が新庁舎整備に関する質問を行いました。その際の大西市長の答弁に対し、翌日に地元紙が、事業費の上限を設けないという見出しの記事を掲載しました。そして、先般の庁舎整備に関する特別委員会において、事業費の上限を設けないとの記事について取り上げられたと伺っております。改めて大西市長のお考えをお示しください。
◎大西一史 市長 一般質問における齊藤議員の、市債残高を踏まえた上限額を設定する考え方は、昨今の労務単価や材料費の高騰を考慮した上で、財政負担の軽減に資する一つの方法であると受け止めております。
熊本地震を経験した本市にとって、あらゆる災害から市民の生命、財産を守り、質の高い市民サービスを提供することは、行政の最大の責務でございます。その責務を果たすべく、新庁舎整備に鋭意取り組んでいるところでございますが、一方で財政負担の軽減を図ることは極めて重要であり、青天井に事業費が増加してよいとは全く考えておりません。
そこで、これまで代表質問をはじめ一般質問でも答弁を申し上げてきましたとおり、今後専門家による検証の場を設け、新庁舎整備の工事費や工事手法、財政への影響などについて十分に精査することとしておりまして、引き続き事業を推進するため、全力で取り組む覚悟でございます。
◆日隈忍 委員 答弁ありがとうございました。財政負担をできる限り軽減することは重要であり、青天井に事業費が増加してよいとは全く考えていないという市長の思いと覚悟を確認することができました。今後も専門家の検証の場を通し、効率的な投資で最大の効果が出るよう、新庁舎整備に取り組んでいただきますようお願いいたします。
以上で私の質疑を終了し、荒川委員にバトンを渡します。執行部の皆さん、御答弁ありがとうございました。
○田中敦朗 委員長 日隈忍委員の質疑は終わりました。
次に、荒川慎太郎委員の質疑を行います。
〔荒川慎太郎委員 登壇〕
◆荒川慎太郎 委員 おはようございます。自由民主党熊本市議団、総括質疑2番手を務めます荒川慎太郎です。
早速ですが、予算決算委員会説明資料について数点お尋ねいたします。
1点目、資料94ページ、広報課の6番目、ホームページ関係経費の減額理由。
2点目、資料96ページ、庁舎建設課の2番目、新庁舎整備推進経費の減額理由。
3点目、資料134ページ、管理課の2番目、音楽隊経費の増額理由。
4点目、資料153ページ~155ページ、各区総務企画課の熊本地震10年関連事業について、各区ごとの予算額に差がある理由。
それぞれの項目について、担当局長及び区長の説明を求めます。
◎木櫛謙治 政策局長 まず、ホームページ関連経費の減額理由についてでございます。令和7年度に導入したやさしい日本語について、令和8年度以降は導入費用が不要であるため、その分が削減されたことに加えまして、サーバーに対するアクセス集中回避機能やセキュリティ機能等の一部を効率化したこと等に伴い、ホームページに関する全体経費が削減され、減額となったものでございます。
新庁舎整備推進経費の減額理由についてでございます。新庁舎整備推進経費は、新庁舎整備に係る市民への情報発信及び意見聴取に要する経費として630万円を計上しており、対前年度で2,570万円の減額となっております。減額の主な理由は、令和7年度は新庁舎の交流・共創機能の検討に必要な経費として2,500万円を計上しておりましたが、次の段階の検討は、現在検討中の基本計画策定後に進めたいと考えておりまして、令和8年度当初予算では、当該関連経費を計上していないためでございます。
また、令和7年度は基本計画検討分科会の開催に係る経費について290万円を計上しておりましたが、令和8年度は75万円に減額しております。なお、本事業の情報発信や意見聴取に係る分は、前年度と同規模の予算を確保しておりまして、今後も引き続き市民の皆様へ丁寧かつ分かりやすい説明に努めてまいります。
◎平井司朗 消防局長 熊本市消防音楽隊は、昭和37年の創設以来、地域と消防の架け橋として市民の皆様に親しまれており、演奏活動を通じて防火・防災意識の普及啓発を図るという広報機能を担っております。
現在、音楽隊が着用している制服は購入から30年以上が経過しており、生地の劣化や色あせが進み、補修による維持が困難となってきていることから、来年度から2か年の計画で更新する経費を増額しているものでございます。
◎土屋裕樹 中央区長 同じ事業名で区ごとの予算額に差がある理由についてでございますが、熊本地震10年関連事業につきましては、熊本地震の教訓等を未来へ伝承する事業を、地域からの要望等を踏まえ区ごとの特性に合わせた取組内容で実施しますことから、予算額に差が生じております。
主な取組としまして、中央区では区内の中学校へ防災の語り部を派遣するなど、熊本地震の体験を伝える防災教育を実施することとしております。また、東区では熊本地震の経験をした地域の皆様等の声を記録しましたドキュメント映像を上映、西区、南区、北区では防災フェスタ等のイベントを開催し、熊本地震の最大の教訓でもあります地域のつながりの重要性を再認識していただき、地域防災力の強化に努めてまいります。
◆荒川慎太郎 委員 1点目のホームページ関係経費については、やさしい日本語に関するイニシャルコストと業務効率化による減額とのことで、承知いたしました。しかしながら、広報課では各課の事業に対する広報計画の提案や広報ツールに関する研修の実施など、業務内容の拡充が想定されますので、引き続き効果的なアウトソーシングの活用など効率的な業務遂行に期待いたします。
2点目の新庁舎整備経費については、新庁舎の交流・共創機能の検討に必要な経費のスケジュールによって減額とのこと。今後新庁舎整備が進む中で多岐にわたる取組が必要となってまいります。引き続き、広く市民の皆様に対する丁寧で分かりやすい御説明ができるように取り組んでいただきますようお願いいたします。
3点目の音楽隊経費、音楽隊の皆さんの制服を30年使用していることでしたけれども、まあよう辛抱して使いなさったですね。30年ですよ。あれだけの出演回数をこなす音楽隊の制服を30年も使うということは、さぞかし古くなっていたんだろうなと思うところでございます。新しい制服での活動が見られることを楽しみにしております。
4点目の各区の熊本地震10年関連事業は、各区で様々な取組を実施されるとのこと。令和8年度は熊本地震から10年という大切な節目の年でありますから、地震の教訓をしっかりと継承し、今後の防災意識の啓発と地域防災力の強化に精いっぱい取り組んでいただきたいと思います。
続いて、同じく予算決算委員会説明資料より、さらに数点お尋ねします。
表記上の区分が拡充となっているにもかかわらず、計上予算は減額となっている項目が複数箇所見られますが、この拡充と減額という相反する表記がなぜ記されるのかについてお尋ねいたします。
1点目、資料98ページ、危機管理課の11番目、避難行動促進関連経費。
2点目、同じく資料98ページ、危機管理課の指定避難所等機能強化事業。
3点目、資料107ページ、情報政策課の電子自治体推進経費。
以上、3点について担当局長の説明を求めます。
◎木櫛謙治 政策局長 拡充の表記につきましては、前年度から減額となるものの、新たな取組やさらなる事業の推進を図る場合に表示することとされております。
1点目の避難行動促進関連経費につきましては、令和7年度に洪水ハザードマップ等の見直しが完了し予算減となりますものの、新たな取組として内水ハザードマップの作成・配布を行うことで、これまで以上に市民の適切な避難を促すことができることから、拡充としたものでございます。
2点目の指定避難所等機能強化につきましては、令和7年度まで計上しておりました貯水機能付給水管工事の完了に伴い予算減となりましたものの、防災拠点である区役所に生活用水を確保するための防災井戸の設置工事や、全避難所標識の更新に新たに着手することから、拡充としたものでございます。
◎津田善幸 総務局長 電子自治体推進経費は、窓口支援システムや生成AIなどデジタル技術を活用し、効果的、効率的な行政運営を推進するための経費であり、前年度当初予算比で1億4,636万1,000円の減となっております。主な内訳といたしましては、書かない窓口に係る経費が、窓口支援システムの構築完了に伴い1億5,634万円の減となった一方で、生成AIの活用に係る経費が、RAGの本格導入等に伴い1,321万5,000円の増となっております。経費全体としては減となっているものの、生成AIをデジタルトランスフォーメーションの中核として位置づけ、政策的に取組を強化していくことから、拡充と表記したところでございます。
◆荒川慎太郎 委員 1点目、2点目の防災に関する事業については、ハザードマップ等の見直しの完了、貯水機能付給水管工事の完了により予算は減額ではあるものの、新たな取組が行われることから拡充に区分、3点目の電子自治体推進経費については、窓口支援システムの構築完了に伴い減額されたが、生成AIに対する取組を強化することから、拡充に区分されたということで承知いたしました。
さて、予算決算説明会資料の中から数点お尋ねしましたが、非常に簡潔な内容の答弁であり、即理解を示せるものでした。これがもしそれぞれの項目について、資料の中に最低限の増減理由や事業内容に関する情報が記されていれば、議会審議の過程で改めて確認する必要のない項目であります。
一番最初のホームページ関連経費、これはやさしい日本語の導入に必要なイニシャルコストの減額と表記されていれば、それで理解ができます。次の新庁舎整備推進経費、これは事業内容として記されている市民への情報発信及び意見聴取等に要する経費という内容と、実際に行われていた市民交流スペース等の検討経費や、基本計画検討分科会の開催経費という内容の乖離があります。次の音楽隊経費、これも隊員の制服劣化に伴う更新費用とあれば納得です。次の、各区が行う熊本地震10年関連事業の金額差についても、取組内容がタイトルだけでも書いてあれば、事業の違いによるものということが分かります。
そして、区分が拡充なのに減額となっている事業に関しては、当然別途説明があってしかりではないでしょうか。以上の点を踏まえてお尋ねいたします。
まず、これは過去にも総括質疑の中で申し上げてきたことですが、この一連の予算に関する資料は、議会が予算審議を行うための資料として作成されているもので間違いないでしょうか。
もう1点、今回の質疑作成に当たり、資料だけでは内容を把握できない項目が多く、事前に約90項目に及ぶ事業について各部局へ確認を行いました。その多くは、先ほどのような特別な分析を必要とするものではなく、単に増減理由や内容を確認する程度のものではありましたけれども、資料からはその内容が読み取ることができないものでした。それだけの手間をかけなければ読み取ることも理解することもできない資料で、議会審議の資料として十分な役割を果たしているとお考えなのか、それとも改善の余地があるとお考えなのか、見解をお示しください。財政局長の答弁を求めます。
◎原口誠二 財政局長 予算決算委員会説明資料は、予算審議を行うことを目的として作成しておりまして、各局が所管いたしますおのおのの事業内容等を整理し、予算案を補足する説明資料として提出しているところでございます。これまで当初予算の要点をまとめました当初予算のポイントをはじめ、決算状況報告書など議会からの御意見もいただきながら、鋭意改善を図ってきたところでございます。
予算決算委員会資料につきましても、昨年度の議会からの御指摘を踏まえ、令和8年度当初予算からは、様式の見直しにより各事業の前年度予算額を明記したところでございますが、委員御指摘のとおり、記載内容によってはその事業自体の内容が把握しにくいものがあると認識しております。そこで、タブレットへの資料掲載も進んできましたことから、各事業における情報量の充実や、分かりやすさに配慮した資料作成に努めてまいります。
◆荒川慎太郎 委員 答弁にありましたように、私と村上誠也委員からの複数回の指摘をしたことで、今回から前年度予算額が明記されるようになりました。この改善は非常にありがたく、資料をチェックする際の時間を1日分ほど減らすことができました。この点は非常に評価すべき点であると考えます。
しかしながら、予算決算委員会説明資料においては、前半の項目でお尋ねしたような情報不足による理解や内容把握の妨げや、令和8年度当初予算のポイントに附属する関連資料では、後に触れます物価高騰対策に関する資料の間違い、特にこの点は私から要求した資料との齟齬についてお尋ねしたことから発覚したものであり、執行部自ら気づいての訂正ではございませんでした。
このような点を踏まえて、今後は資料を作成する側の手間ではなく、その資料を見て使用する側の視点に立ち、より明確な資料作成を心がけていただきますようお願いして、次の質疑に移ります。
続いて、防災関連経費についてお尋ねいたします。
私はここ数年、車中泊に関して様々な提案やお尋ねをしてまいりました。その過程において、令和6年9月には民間と大学との連携協定が締結され、昨年11月にはアクアドームでの実証実験が行われました。そして、本年度末までに車中泊避難所の運営マニュアルを策定するということで、今後の運営に向けてようやくスタートラインに立ったと感じられる成果が見られました。ところが、今回の当初予算では、政策局においてマニュアルに基づいて今後車中泊避難所の整備に必要となる事業が確認できません。これはどの事業に含まれているのでしょうか、政策局長にお尋ねします。
◎木櫛謙治 政策局長 令和8年度当初予算に、車中泊避難場所の整備に関する予算は計上しておりません。
◆荒川慎太郎 委員 簡潔な答弁でありましたように、予算計上されていないということで、非常に驚きであります。令和6年第2回定例会で、市長は私の一般質問に対して、車中泊避難等に係る諸課題への対応など、全国の先駆けとなるような事例についても取り組むと答弁されました。また、同年第3回定例会では、山本議員の競輪場に関する質問に対して、災害発災時に車中泊避難ができるための施設等を地域の防災拠点として整備を進めていくこととしていると答弁されています。
そして、昨年の第4回定例会では、政策局長が来年の熊本地震から10年の節目に当たりましては、熊本競輪場で車中泊体験イベントを実施する予定であり、今回の実証の実験知見を生かしていくと答弁されています。
しかしながら、当初予算で政策局における関連事業が確認できないということは、これまで議会答弁で示されてきた方向性との整合性がとれていないのではないでしょうか。それとも、本年度策定するマニュアルの完成をもって事業完了とのお考えでしょうか。以上の点について市長のお考えをお聞かせください。併せて、車中泊避難所運営マニュアルの現状についての報告を政策局長に求めます。
◎大西一史 市長 車中泊避難については、本市と大学、民間企業の連携協定により検討中でございまして、本年度末までのマニュアル策定を目途に進めております。昨年11月にはアクアドーム熊本において実証実験を行ったところでございまして、動画による避難者への説明や、フェーズごとに配信するプッシュ型の誘導が効果的であることなどを確認いたしました。
マニュアル策定後は、訓練等を行いながら随時見直しを行うことが極めて重要と考えておりまして、昨年の第4回定例会においても御答弁申し上げましたとおり、5月に開催いたします熊本競輪場での車中泊体験イベントにおいて、さきに行った実証における知見や改善点について、再度検証することとしております。
なお、答弁との整合性についてでございますが、令和8年度は今回策定するマニュアルやデジタル技術活用の再検証、地域との仕組みづくり等について、連携協定の研究の中で進めていくこととしておりまして、これまで答弁してきましたとおり、車中泊避難の取組を着実に進めていくという考えは変わりません。車中泊避難の取組は、マニュアル完成をもって事業終了というものではございませんので、今後も激甚化・頻発化する自然災害に対する本市の対応力強化に向け、全力で取り組んでまいります。
◎木櫛謙治 政策局長 作成中の車中泊避難マニュアルにつきましては、国が公表している手引きに基づきまして、避難者向けの平時からの事前準備や、発災時に車中泊避難を行うに当たり、とるべき行動や注意事項等について取りまとめているところでございます。マニュアルの策定作業につきましては、3月中の完了に向け最終確認を行っているところでございまして、今後車中泊避難場所についても、条件が整った箇所から指定をしてまいります。
◆荒川慎太郎 委員 質問の中でも申し上げましたように、マニュアルの策定でようやくスタートラインに立ったと言えます。昨年11月の実証実験に関する報告書の中では、デジタル技術を活用した有用性が明確化される中、一方では高齢者などデバイスの操作に不慣れな方への対応という課題も見つかりました。
ところが、この点から、障がいや疾患などにより避難生活に支援が必要な方の中にデジタルへの対応が難しい方を含めるという発想から、従来のように人をトリアージするのではなく、車両単位でトリアージを行うという新しい概念が確立されたとのことです。これは総務省からの手引きなどにも記載されておらず、熊本地震を経験した本市において、震災から10年という重要な節目に、新たな熊本モデルとも言える車中泊支援の仕組みが導き出されたという大きな成果であります。
被災自治体として全国をリードする取組となり得る本事業を、ぜひ着実かつ効率的に進めていただき、いつ起こるか分からない災害に備えた本市の防災力強化を一刻も早く推進していただきたいと思います。
続いて、物価高騰対策に関してお尋ねいたします。
予算決算委員会説明資料の6ページには、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金として、13億500万円が国庫支出金として計上されております。また、予算関連の資料、令和8年度当初予算案のポイントの29ページでは、足元の物価高への対応として、70億3,700万円余りが記載されております。
現在、本市においてはこの物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、市民生活や事業者支援のための施策を実施していると承知しておりますが、なかなかこの交付金に関する取組の全体像が見えづらく、広く認知されていない状況にあるのではないかと懸念されます。そこでお尋ねいたします。
1点目、本市に配分された交付金の総額は幾らでしょうか。
2点目、その交付金を活用して本市が実施している事業の内容について、事業ごとの概要と事業費を併せて御説明ください。
3点目、物価高騰対策はこの交付金だけではなく、他の国庫補助事業なども組み合わせて実施されていると承知しておりますが、その交付金以外の財源を活用して実施している施策について、その内容と事業費を御説明ください。なお、この事業費に係る資料を用意してもらいましたので御参照ください。財政局長、お願いいたします。
◎原口誠二 財政局長 本市に配分されました物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金の交付限度額は、約64億8,000万円となっております。この交付金を活用しました主な事業の活用額は、令和7年度12月補正のプレミアム付商品券発行支援事業として15億円、1月専決処分の住民税非課税世帯等に1万円を給付します令和7年度熊本市物価高騰緊急支援給付金給付事業として12億7,000万円、また、2月補正の社会福祉施設等の光熱水費等の支援として約7億6,000万円、LPガスの利用世帯等に対する支援として約3億8,000万円などとなっております。
また、令和8年度当初予算案におきましては、中学校給食費に係る食材単価の上昇分として約3億円、交通事業会計への運行支援として約9億5,000万円などとなっております。
さらに、この交付金のほか国の経済対策として、12月補正ではこども1人当たり2万円を給付します子育て応援手当給付事業として約27億4,000万円、2月補正の民間の児童育成クラブに対する支援といたしまして90万円などを計上したところでございます。
◆荒川慎太郎 委員 先週の一般質問においても、様々議論が重ねられました物価高騰対策事業につきまして、我が会派の村上麿議員から追加の事業実施について強い要望がありました。この点について、会派内におきましても様々な議論を重ねてまいりましたが、可能な限り公平性を保ち、多くの世帯に支援が行き渡り、申請を必要としないことから、申請主義による取りこぼしもなく、かつ事務コストを抑えることができる取組としては、現在の下水道の普及率が約91%程度であることを鑑みますと、上水道の基本料金を対象とした減免が最も適した施策ではないかという結論に至りました。
御承知のとおり、他都市におきましても水道料金が物価高騰対策として実施されているところであります。そこでお尋ねいたします。
今回の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金の上限額である、残額の約12億4,000万円を上水道基本料金減免に充てるとすれば、1世帯当たり幾らの減免を何か月分実施することが可能か。また、実際に減免措置を行うまでにどの程度の期間と費用を要するのか。そして、この減免措置によりどれだけの世帯をカバーすることができるのか、上下水道事業管理者にお尋ねします。
◎三島健一 上下水道事業管理者 水道料金減免に関するお尋ねに順次お答えいたします。
まず金額についてでございますが、水道の基本料金は用途や口径ごとに価格を設定しております。約70%の御家庭で口径13ミリメートルの水道管が使用され、約27%の御家庭で口径20ミリメートルのものが使用されているという状況でございます。
1世帯当たり1か月の基本料金は、13ミリのものが990円、また20ミリのものが1,364円でございます。また、令和6年度における家庭用の水道基本料金1か月分の調定額総額は、平均で約3億9,000万円でございますことから、3か月分の減免が可能であるところでございます。
次に、減免措置に要する期間と費用についてでありますが、実際に減免を行いますためには料金収納用のシステムを改修する必要があり、改修期間は約半年程度を要し、費用は約1,000万円を見込んでおります。
最後に、対象世帯数についてですが、本市の行政区域内人口に対する水道により給水を受けている人口の割合、いわゆる水道普及率は令和6年度末時点で97%でありまして、水道料金の減免対象となる世帯は約33万4,000世帯でございます。
◆荒川慎太郎 委員 今の答弁を鑑みますと、今回の交付金を活用した物価高騰対策として、可能な限り公平性を保ち、広く市民に行き渡る施策としては上水道基本料金減免が最適であると考えます。システム改修に約半年を要するとのことですが、即改修に着手することで9月の水道料金の検針に間に合わせれば、7月、8月の水道使用の増える時期の料金に対して減免措置をとることが可能となります。
以上の点を踏まえ、この上水道の基本料金減免措置を早期に実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。市長にお尋ねいたします。
◎大西一史 市長 今定例会において、荒川委員をはじめ複数の議員の皆様から物価高騰対策について御指摘があったこと、大変重く受け止めております。プレミアム付き商品券につきましては、購入できた方とできなかった方が生じる結果となり、公平性の面で課題があったものと認識しております。
先日の一般質問の答弁でもお答えしたとおり、今回の物価高騰対策の反省を踏まえ、より公平で分かりやすく市民の皆様にその効果を実感いただける支援策が必要であると考えております。その点、水道基本料金は多くの世帯における固定的かつ必要な費用でございまして、これを減免することは、より広く公平に市民の皆様の御負担の軽減につながるものであること、また申請を必要としないことから、追加支援策として実施したいと考えております。
◆荒川慎太郎 委員 ただいま市長より、我が会派から提案の上水道基本料金減免を追加支援として実施するとの答弁をいただきました。市民生活の負担軽減につながるものとして評価いたします。質問の中でも申し上げたとおり、ぜひ9月の検針に間に合うよう取り組んでいただくと同時に、上水道を利用しない3%の世帯についても何らかの支援策を御検討いただきますよう、併せてお願い申し上げます。
さて、ここで1点、指摘兼要望を申し上げます。
先ほど事業のシステム改修に要する期間が約半年ということでございましたけれども、なぜこんなにも長い時間をかけなければ改修ができないのでしょうか。この水道料金減免という取組は、過去様々な自治体で実施されております。多くは2020年、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を利用して実施されたものですが、多くの都市は制度決定から減免実施まで2~3か月程度の期間しか要していません。
例えば大阪市や堺市では、4月に決定して6月か7月の検針分から実施、仙台市や名古屋市では、5月に決定して7月と8月検針分から実施されています。今回の質疑に関してお尋ねする中で、ほかの自治体と本市とのシステム改修に要する期間の違いについて伺いましたところ、システムエンジニアの人手不足などの要因と、システムそのものの古さも関係しているとのことでした。
料金システムを根本から更新するとなれば、大きな費用がかかるであろうことは容易に想像できますし、資産を有効に活用するという観点からは、長寿命化して使用するという姿勢について理解はいたします。しかしながら、今回のようなケースであったり、通常業務による作業の煩雑さや手間といった課題があるのであれば、長期的な収支も含めて現状のシステムに係るランニングコストと新しいシステムのイニシャルコストとの比較など、早急な検証が必要であると考えます。ぜひ併せて御検討いただきますようお願いいたします。
以上で、自由民主党熊本市議団の総括質疑を終了いたします。
○田中敦朗 委員長 荒川慎太郎委員の質疑は終わりました。
以上で、自由民主党熊本市議団の質疑は終わりました。
次に、熊本自由民主党市議団の質疑を行います。持ち時間は40分となっております。
北川哉委員の質疑を行います。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 皆さん、おはようございます。
熊本自由民主党市議団の北川哉です。予算決算委員会総括質疑に会派の時間をいただき、登壇させていただきます。質疑の機会を与えていただき、ありがとうございます。
それでは、早速ですが質疑に入らせていただきます。
熊本市令和8年度一般会計当初予算案が約4,378億円と、3年連続で過去最大の予算規模となりました。基本方針編成の考え方として、第8次総合計画のビジョンに基づき編成されたとのことでした。重点配分した主な方針は、災害への備えと対応力の強化、総合的なこども施策の推進、交通渋滞対策、公共交通政策の推進、半導体関連企業の集積・支援・対応、産業振興などを財源配分の柱とされたと代表質問で答弁でもありました。
毎年第1回定例会の当初予算の審議となると、頭が痛くなるほど悩まされますが、おおむね理解していると自分に言い聞かせ、詳細、具体的部分を質疑していきます。今年度の質疑に関しましても、昨年の質疑を踏まえて行わせていただきます。
昨年の総括質疑では、扶助費が児童手当給付経費や施設型給付費の増加により41億円増、投資的経費が長寿命化事業や道路予算増により80億円増であることについて質疑いたしました。今年度も扶助費、投資的経費共に約41億円増となっており、歳出構造は大きく変わっていません。その一方で、ビルド・アンド・スクラップの徹底により、新規事業へ重点配分したと説明されています。割合が大きく変わらない中で全体が増額しているのであれば、相当数の事業が廃止、縮小されたと推察いたします。そこでお尋ねいたします。
廃止、縮小された事業の総額とその代表、特筆すべきものの内訳、見直しの判断基準をお示しください。財政局長にお尋ねいたします。
◎原口誠二 財政局長 令和8年度当初予算編成におきまして、これまでに引き続き事務事業の廃止・見直しを行いまして、一般財源ベースで約3億3,000万円を削減したところでございます。その主な内容といたしましては、事業効果検証を踏まえました地方創生移住支援事業の廃止や、民間プール施設の活用による学校プールの将来的な改修費用の削減、またペーパーレス化の推進などでございます。
見直しの明確な判断基準は設定しておりませんが、第8次総合計画に掲げます、目指すまちの姿である上質な生活都市の実現に向けて、各局においてビルド・アンド・スクラップに取り組んでいるところでございます。
◆北川哉 委員 ただいま廃止・見直し事業について、一般財源ベースで約3億3,000万円の削減を行ったとの答弁をいただきました。ビルド・アンド・スクラップにより新規事業へ財源を振り向けること自体は、限られた財源の中で重要な視点であると理解いたします。
一方で、見直しの判断基準について明確な基準を設けていないとの答弁でもありました。今後人口減少や社会保障費の増大などを考えますと、事業効果の検証や優先順位の整理をより一層明確にしていくことが重要であると考えます。第8次総合計画にも掲げる上質な生活都市の実現に向け、単なる削減ではなく、事業の成果や市民ニーズを踏まえた戦略的な予算配分となるよう、引き続き事業の検証と見直しに取り組んでいただくことを要望しておきます。
長年脈々と受け継がれてきたというのは適当ではないかもしれませんが、事業を廃する、見直す苦労は計り知れないものと推察いたします。先日熊本市財政の中期見通し、主要財政指標についての説明にもありましたが、経常収支比率や将来負担比率、実質公債費率と将来への負担や財政構造の弾力性などを考慮しながら、必要・不要を考えていかなければならず、本市財政は厳しいものと思っております。
歳入不足が増加するとなれば、歳出を抑制することも軽減できますが、本市にとって必要なことはもっとあるように思います。一例として、給食費の無償化に伴う予算に関しても、恒久的に必要となる財源でありましたので、捻出しようとされていた苦労は、対策担当部署ができたぐらいですから理解はしております。中学校の給食費無償化を考えた場合、先日の一般質問の答弁でもありました、国の重点支援地方交付金による差配をもってしても、8億7,200万円がかかるとの答弁でした。今回の削減額を全額もってしても捻出できない金額です。
一人の親として、同級生の親御さんからの言葉を代弁しますと、今年小学校を卒業する親としては、中学校に上がって無償化になると思っていたら違った。損した気分になると。無償化ばかりを良しとするものではなく、こどもたちにしっかりとした栄養のある給食を届けてほしいと思う親は多くいますので、応分負担は必要と思っています。しかし、小学校と中学校とくっきり分かれて、それは国の政策でもありますが、この年代の親は少なくとも熊本市お願いしますよという気分になったかと思います。このように、必要と思っている市民もいることをお知らせしておきます。
続きまして、災害への備えと対応力の強化関連予算の全体像についてお尋ねいたします。
重点項目1として、45事業、13億4,000万円が示されています。しかし、市民の命と財産を守る観点からすれば、また豪雨災害は今年も来るかもしれないと考えた場合に、金額、規模共に十分とは言えないと思いました。会派要望でも、今年起こるかもしれない災害に対して、緊急的事項に対して可及的速やかな実行及び検討をお願いしたところでありました。
そこで、まずは令和7年8月豪雨による本市の被害総額をお示しください。河川しゅんせつや堤防かさ上げは県所管部分でもありますが、市として主体的に取り組める内水氾濫対策や雨水貯留、排水能力向上策についてのハード面での対策で、本市独自の水害対策強化策を検討したのか、具体的にお示しください。市長にお尋ねいたします。
◎大西一史 市長 令和7年8月の大雨による本市の被害総額は、昨年10月に開催いたしました第4回災害対策本部会議で取りまとめた時点で、住家及び車両の被害を除き、約81億8,000万円と試算をしております。本市においても、災害への備えと対応力の強化については重点的に取り組むべき課題と認識しておりまして、本年1月には自助への支援策として止水板設置助成制度を新設いたしますとともに、令和8年度には浸水状況の把握に役立つ情報発信の拡充として、ワンコイン浸水センサの設置エリアの拡大などの取り組むこととしております。
また、重点事項に掲げます事業以外にも、内水氾濫へのハード対策として、西区花園・上熊本地区における排水機場の新設や、排水施設の耐水化計画の策定などに取り組むこととしております。さらに、緊急しゅんせつ推進事業債を活用いたしました堆積土砂の撤去費用約3億3,000万円を含む、広域河川や準用河川の治水対策等に約12億8,000万円を計上するなど、これまで以上に浸水被害を軽減するための対策を強化することとしております。引き続き、外水対策を行う県とも連携いたしまして、市民の皆様の安全・安心な暮らしを守る浸水対策に取り組んでまいります。
◆北川哉 委員 令和7年8月豪雨による被害総額が約81億8,000万円との答弁がありました。改めて本市においても大きな被害が発生したことを踏まえますと、災害への備えと対応力の強化は極めて重要な課題であると認識いたします。
当初予算の災害への対応として、昨年の水害を考えた場合の対策が、ソフト面では表出していたが、ハード面の対策は、今回の被害があった地域でない場所の対応に資するものであったと感じました。確かに当初から予定していた事業は、本市災害対策では必要なものであるのは十分に分かります。しかし、令和7年8月の水害に直接遭った者としては、なぜにその対策が出てこないのか不満がありましたし、一緒に水害発災時に対応した仲間や、復旧に泥水をかぶりながら作業した地域の皆様を今年も同じ災禍に遭わせるおそれがあると考えたら、当初予算でのハード面での対策では厳しいと思いました。
昨年8月に被災し、その復旧もまだ終わらない中で、当初予算にハード対策を出せる時間がなかったことも分かります。また、本市災害に対応される各課が一生懸命絞り出して政策を実行していることも分かります。しかし、市民の皆様の安心という観点からは、排水機能の強化や河川改修などハード対策の充実も大変重要と考えます。特に、内水氾濫対策については市として主体的に取り組める部分も多いと考えますので、県との連携も図りながら、排水能力の強化や雨水貯留など、本市独自の水害対策についてもさらなる検討と予算確保をお願いしておきます。
続きまして、当初予算案の歳入予算の内訳の譲与税等についてお尋ねいたします。
令和8年度の市税は1,403億円、前年比65億円増とされています。地方財政においては、自主財源確保が難しい中、譲与税や交付金の算定が極めて重要です。地方特例交付金29億3,100万円、前年比18億300万円増、軽油引取税交付金15億3,200万円、前年比16億4,200万円減、地方消費税交付金224億7,900万円、前年比26億7,300万円増について、増減の要因、国からの提示内容、算出根拠、今後の見通しを具体的にお示しください。財政局長にお尋ねいたします。
◎原口誠二 財政局長 令和8年度当初予算案におきまして、歳入予算のうち譲与税等の算出に当たりましては、年末に国から示されます地方財政対策における各項目の対前年伸び率等を参考としております。このうち軽油引取税交付金につきましては、暫定税率が令和8年4月に廃止予定とされておりますことから、暫定税率分を含め約16億円が減収見込みとなっております。
次に、地方特例交付金につきましては、国の地方財政対策におきまして、ガソリン税暫定税率及び自動車税・軽自動車税の環境性能割の廃止に伴いまして、令和8年度の減収について、地方特例交付金により全額補填される見込みであることを主な理由といたしまして、約18億円の増収を見込んでいるところでございます。また、地方消費税交付金の増収は、地方財政対策の伸び率を参考に算出したところでございます。譲与税等を含めた歳入の算出に当たりましては、引き続き税制改正等の国の動向を注視してまいります。
◆北川哉 委員 譲与税等の算出については、国の地方財政対策の伸び率等を参考に算出しているとの答弁をいただきました。地方税収が増加しているとはいえ、本市の財政運営においては、依然として国の制度や税制改正の影響を大きく受ける構造であることを改めて感じたところであります。特に軽油引取税交付金や地方特例交付金などは、国の制度変更により大きく変動する可能性があるため、今後の税制改正や地方財政制度の動向も十分に注視しながら、安定的な財政運営に努めていただくことを要望しておきます。
続きまして、歳入予算の内訳の市債についてお尋ねいたします。
市債は、前年度比9億4,300万円増となっています。令和4年度以降減少傾向にあった中で増加に転じた要因をお示しください。また、市債残高通常分が前年比132億円増となっていますが、その内訳を教えてください。臨時財政対策債は新規発行ゼロとなり、残高も119億円減少しています。これは元利償還金が地方交付税算入により償還されたと理解してよいのか教えてください。財政局長にお尋ねいたします。
◎原口誠二 財政局長 お尋ねの市債の減少につきましては、ここ数年、臨時財政対策債の発行が減少したことによるものでございます。令和8年度の市債の発行は、令和9年度末に開館予定の公文書館の建設工事着手や、熊本環状連絡道路等の進捗によります国の直轄事業負担金の増、学校施設全体の維持補修経費の増加といった、投資的事業の進捗等に伴い増加しているものでございます。
通常分の市債残高につきましては、令和8年度の市債発行額328億円に対しまして、元金償還は196億円でございまして、差額の132億円が対前年度で増となっております。なお、臨時財政対策債の元利償還額に対しましては、国から全額が地方交付税で措置されており、令和7年度並びに令和8年度は新たな発行をしていないことから、残高が減少しているところでございます。
◆北川哉 委員 市債の増加については、公文書館整備や道路事業、学校施設の維持補修など、投資的事業の進捗によるものとの答弁でありました。都市基盤整備や公共施設の維持更新は、将来の市民生活を支えるために必要な投資であると理解いたします。一方で、市債残高の増加は将来世代の負担にもつながるものであります。起債による償還の増減と、本市の財政的体力を鑑みての考察と、様々な観点からの考えを巡らせていただいていると思います。
臨時財政対策債の発行がゼロとなり、残高が減少している点や、熊本地震分の償還が進むことにより、市債残高としての考え方も、それこそ先ほど申し上げた財政指標を基に考えていくことになると思いますが、今後も投資と財政健全性のバランスを十分に考慮しながら、計画的な市債管理を行っていただくようお願いしておきます。
次に、当初予算案ポイント、主な取組、主催事業の詳細からお尋ねいたします。
教育委員会学校施設課、体育館等空調設備整備としての1億2,190万円について、体育館等への空調設備設置に向け、設計を行う経費と説明があっています。財源内訳、国の制度、起債の種類とその割合や制度開始年度がいつだったのかを教えてください。教育長にお尋ねいたします。
◎遠藤洋路 教育長 体育館等空調設備整備については、令和8年度は中学校、特別支援学校及び高等学校への設置に係る設計を予定しております。財源は地方債であり、起債の種類としては緊急防災・減災事業債を100%充当することとしております。また、この制度は地方交付税措置率が70%となっており、本市の実質負担率は30%となります。
制度の創設は平成23年度で、令和7年度までの時限措置がとられておりましたが、令和12年度まで期間が延長されることとなったため、この制度を活用することとしたものです。体育館等への空調設備設置については、令和6年度に創設された空調設備整備臨時特例交付金の対象にもなりますが、本市の実質負担率が有利な緊急防災・減災事業債の制度を採用することとしたものです。
◆北川哉 委員 体育館等への空調設備整備については、緊急防災・減災事業債を活用することで、本市の実質負担率が30%となる制度を活用するとの答弁でありました。今回、この質問をした1つの理由としては、令和6年度に創設された空調設備整備臨時特例交付金があったのに、なぜ、昨年度に空調整備に着手できなかったのかと思ったところもあります。対象となったが、本市の実質負担率が有利な緊急防災減災事業債の制度を採用することとしたとの答弁で理解いたしました。
近年の猛暑を考えますと、学校体育館は災害時の避難所としての機能を担う重要な施設であり、空調設備の整備は児童・生徒の安全確保と防災の観点からも必要な取組であると考えます。今回の設計を契機として、整備の優先順位や整備スケジュールを明確にしながら、可能な限り早期に整備が進むよう取り組んでいただくことを要望しておきます。
続きまして、政策局庁舎建設課、新庁舎整備関連経費として5億2,760万円が計上されています。内容としては、基本設計等に要する経費と市民への情報発信及び意見聴取等に要する経費とされています。新庁舎の概算工事費が基本構想時の2倍超に増えるとの試算に関し、必要な床面積について改めて精査を検討したいと市長も述べている中で、私は市民の方々に対して、基本設計に進む当初予算を認めるための説明が、現段階では大変難しいと思っております。
代表質問等で答弁があって、専門家会議を開催して、建設費等についての再精査を行うとのことでありましたが、基本設計に進むとされている令和8年度のこの予算は、基本計画、基本設計、実施設計までを一括契約として、合併推進債を活用するための議決をしたとはいえ、その経過経過で議論と議決を継続するとのことで賛成した経緯もありますので、専門家会議が行われ、概算工事費等の減額が見込まれ、市民の声が納得できる形にならなければ厳しいのではないかと思っております。
基本計画の示しがあっての基本設計のための予算ではあると思いますが、今回の予算を認めるための説明ができるお考えをお聞きしたいと思います。市長にお尋ねいたします。
◎大西一史 市長 新庁舎整備の設計関連業務につきましては、合併推進債を活用するために令和6年度の9月補正予算において、令和6年度~令和9年度までを期間とする債務負担行為を計上し、その予算に基づき基本計画、基本設計、実施設計に係る業務を一括して契約締結いたしました。
当該契約では、令和7年度~令和9年度までの各年度の支払い予定額が定められておりまして、予算の手続上、令和8年度分の支払い予定額を当初予算で計上する必要がございます。当該債務負担行為を議決いただいた際に御説明申し上げましたとおり、基本計画、基本設計、実施設計と、それぞれの検討段階に応じて議会に御審議をいただきながら進めていくこととしておりまして、令和8年度は専門家による検証や新庁舎の必要面積の精査など基本計画の内容に関する検討を継続いたしまして、その結果を反映した上で素案として取りまとめていきたいと考えております。
また、市民の皆様に対しても基本計画の素案を取りまとめた段階で説明会等を開催いたしまして、丁寧かつ分かりやすい説明を行ってまいりたいと考えております。
これらの取組を通じまして、議会はもとより、市民の皆様の御理解を得た上で、基本計画を策定し、基本設計に着手する予定でございますが、冒頭に御説明申し上げましたとおり、予算の手続上は令和8年度当初予算で基本設計に係る予算を計上する必要があるため、その点については御理解をいただきたいと思います。
◆北川哉 委員 新庁舎整備については、既に債務負担行為に基づく契約が締結されており、予算手続上、令和8年度分を当初予算に計上する必要があるとの答弁でありました。一方で、概算工事費の増加などにより、市民の皆様の関心や懸念も非常に高まっている事業であると思います。そのため、専門家会議による検証や必要面積の精査などを通じて、事業費の適正化を図るとともに、市民の皆様に対しても丁寧で分かりやすい説明を行っていくことが重要であると考えます。
本日は前段で財政の健全性や交付金について、市債について、起債・償還に関することなどを質問してきました。新庁舎整備についても、この前言したことが大変重要になってきます。そして、そこには将来に対して必要性がどれほどあるのかの説明が大変重要になってくると思っています。
先日齊藤議員から、市債残高についての上限の設定の質問がありました。私はこの質問に対して非常に同意することが多く、内容としてもですが、将来世代に過度な負担を残さない持続可能な計画となるよう、丁寧な議論を進めていくことを強く求めるとの御意見にも賛同するところでした。様々な観点からも、今後前段で述べたように、都市基盤整備や公共施設の維持更新は、将来の市民生活を支えるために必要な投資となります。起債を起こして事業をしなければならないこともあり、この設定を基に逆算して考えていくことが重要と思います。
市民への説明としても、例えば合併推進債は地方債充当率が90%、元利償還時の交付税措置率が50%、償還期限を20年と設定した場合に、事業費がこれだから将来に償還、返していくのは毎年これぐらいになりますと。そこは市債残高を見て、毎年これだけ償還返済を行っていても、これからは市債残高も臨時財政対策債の元利償還額に対して、国から全額が地方交付税で措置されて減っていきます。熊本地震での債務も減っていきます。新庁舎建設以外での事業も行いますので、新庁舎整備も必要ですので御理解いただきたいとか、少し分かりやすい説明をしていくことも重要かと思います。
財政指標が国に財政再建を求められる基準を下回り、健全に推移するとの説明を受けても、財政指標がどういったものか丁寧に説明していく必要があり、簡単に理解してもらえるとは思えません。今まで前述の説明はしてきてあると思いますが、分かりにくかったら理解は得られないと思います。今後の各段階での議論をしっかり行いながら、市民の理解を得られる形の説明を行っていただきたいと思います。
続きまして、当初予算案のポイント、主な廃止・見直し事業からお尋ねいたします。
廃止や見直しの理由としては、より効果の高い事業への転換によるものや、社会情勢、市民ニーズの変化、事業完了、他の既存事業との統合によるものもあります。そこで、3点の見直し事業に関してお尋ねいたします。
ごみカレンダー作成経費の見直しについて、対前年削減額が857万6,000円となっていて、事業の内容見直しによる削減とありますが、なぜに削減となったのか、また削減できたのか、詳細を教えてください。
体育施設窓口一元化経費の見直しについて、対前年削減額が1,642万5,000円となっていて、事業の見直しによる削減とありますが、窓口一元化経費は委託契約等があり予算立てされていたように思います。なぜに削減となったのか、詳細を教えてください。
教職員人材確保推進経費の見直しについて、対前年削減額が520万円となっていて、事業の見直しによる削減とあります。教職員の人員不足が叫ばれていて、学校によっては未配置の学校もあると聞いております。教職員配置の現状や不足している中でなぜに経費が削減されたのか、詳細を教えてください。
以上3点を、環境局長、経済観光局長、教育長にお尋ねいたします。
◎村上慎一 環境局長 私からは、ごみカレンダー作成経費に関する御質問にお答えいたします。
本市では、ごみカレンダーからアプリへの移行を推進しておりますけれども、アプリの利用が難しい方への周知啓発のためのごみカレンダーの作成も必要であると考えております。このような中、令和8年度当初予算におきましては、令和9年10月からのごみ収集体制の再編に合わせまして、現行の冊子のタイプのごみカレンダーを1枚ものなどに見直すことといたしました。なお、この見直しによりまして、ごみカレンダーの配布を担っていただいております自治会の皆様などの負担軽減にもつながるものと考えております。
◎黒木善一 経済観光局長 私からは、体育施設窓口一元化経費の見直し内容についてお答え申し上げます。
本市のスポーツ施設の予約につきましては、令和6年11月まで県市共同で熊本県・市町村公共施設予約システムを利用しておりましたが、令和6年12月からキャッシュレス決済等にも対応可能な、本市独自の熊本市公共施設予約システムの運用を新たに開始したところでございます。
これまで予約システムのコールセンターや運用支援業務につきましては、民間事業者へ業務委託をしておりまして、令和7年度予算においても同様の経費を確保しておりました。しかしながら、当該委託業務の入札が不調となり、この業務につきましてはスポーツ振興課で職員及び会計年度任用職員による運用に改めたことによりまして、予算が減額となったものでございます。
◎遠藤洋路 教育長 教職員人材確保推進経費については、本市の教員となる志望動機を高めることを目的とした大学生学校教育活動アシスタント事業として実施してきましたが、参加者のうち翌年度に本市の教員採用試験を志願したのは、昨年度が40%、本年度が28%に留まり、教員採用への効果は限定的であったため、事業を見直すこととしたものです。
一方で、教員免許を保有しているものの、教員現場で勤務していないペーパーティーチャーを対象に一昨年度講習会を開催したところ、51名の参加がありましたが、これまで本市の臨時的任用教員等になった方は2名となっております。教員としての勤務を希望しない要因としては、いきなり教壇に立つことへの不安を挙げる方が多くありました。そのため、来年度は学校のアシスタントとして一定期間活動して、自信を深めてもらった上で臨時的任用教員等としての採用につなげる、ペーパーティーチャーアシスタント事業の実施を予定しております。
大学生学校教育活動アシスタントは、1人当たり15週間配置しましたが、ペーパーティーチャーアシスタントは1人当たり4週間の配置後に教員として採用することを想定しているため、予算規模は520万円の減額となっております。
◆北川哉 委員 3つの見直し事業について、それぞれ御説明いただきました。ごみカレンダーについてはアプリへの移行や配布方法の見直しによる経費削減とのことであり、デジタル化の推進と自治会の負担軽減という点での一定の効果も出ると理解いたしました。良い方向へ対応できていて、経費削減になっている良い事例と思いました。
体育施設窓口一元化経費については、入札不調による委託業務の見直しにより、職員による運用へ変更されたとのことであり、一見すると委託業務より職員さんによる業務をした方が費用がかかっていないならば、委託しない方がいいのではないかとなってしまいます。しかし、今回の経費には職員の人件費等は計上されていないため、費用は多くかかっていると推察いたします。体育施設窓口一元化については、経費もそうですが、業務負担軽減も考えられての施策と思いますので、今後とも検討をお願いします。
教職員人材確保については、事業効果を検証した上で新たなペーパーティーチャーアシスタント事業へ見直すとのことであり、教員不足が課題となる中、より実効性の高い取組となることを期待しております。教員不足が叫ばれていて、学校によっては未配置の学校もあると聞いていると質問で述べましたが、現場は大変な窮状にあると思います。欠員となった学校では、担任に管理職が入ることになり、管理職業務が滞ることになっているように思います。またその現場に直面したこともあります。
今回の事業も大事と思いましたが、例えば臨時採用教員の短時間勤務などの午前中だけ、午後だけの勤務としていただくといったような臨時採用教員の対応をとっていただいたら、勤務できる先生がいるのではないかとのお話も聞いたことがあります。様々な面で対応を必要とする教職員人材確保だと思いますので、御検討をお願いします。今後も事業の成果や市民ニーズを踏まえながら、必要な事業には重点的に財源を配分し、効果の低い事業については柔軟に見直ししていくという姿勢を継続していただきたいと思います。
最後の質問になります。
消費税率引上げと本市の社会保障に関する取組の資料についてお尋ねいたします。
この資料を今年度説明資料に入れた意図を教えてください。これは国の方策とも関係がありますでしょうか。財政局長にお尋ねいたします。
◎原口誠二 財政局長 お尋ねの令和8年度当初予算案のポイントの、消費税に関する資料につきましては、平成26年の消費税率の引上げ以降市のホームページで公表していたものでございまして、今回は予算関係資料の分かりやすさの観点から、ポイント資料の一部として掲載したものでございます。
◆北川哉 委員 消費税率の引上げと社会保障の関係についての資料については、市民の皆様に対して財源の使途を分かりやすく説明する観点から掲載されたとの答弁でありました。今まで、今回の資料を見たことがなかった私の見落としでございました。昨今の選挙等の争点として消費税が挙がっているので、国から説明資料を添付しなさいと指示があったのかと考えてしまいました。
消費税は、社会保障財源として重要な役割を担っている一方で、市民生活への影響も大きい税であります。そのため、消費税財源がどのように社会保障施策に活用されているのかを分かりやすく示すことは、市民理解を得る上で重要であると考えます。今後も市民の皆様に対して、財政状況や予算の使い道を分かりやすく示す資料作りに努めていただくことを要望しておきます。
以上で、私の通告した質疑は全て終わりました。今回も真に市民の皆様が必要としているものは何なのかを考えながら、令和8年度に執行される予算は本当にこれでいいのかと読み解きながら、悩みながら出てきた疑問を質疑させていただきました。まだまだ読み取れていない部分が多くあると思いますが、そこは予算成立後も精査し、令和8年度の市政運営を通して質問させていただきたいと思います。
真摯にお答えいただいた執行部の皆様に感謝を申し上げます。また、今回の質疑では私の不注意のけがにより登壇が危ぶまれ、委員長はじめ議会局の皆様に御迷惑、御心配をおかけしました。何とか終わりました。ありがとうございました。
続きまして、私1人の総括質疑では心もとないと、今回も登壇を買っていただいた松本委員に質疑のバトンをつなぎます。
御清聴ありがとうございました。
○田中敦朗 委員長 北川哉委員の質疑は終わりました。
質疑の途中ではありますが、この際、議事の都合により休憩いたします。
13時に再開いたします。
午前11時56分 休憩
───────────
午後 1時00分 再開
○田中敦朗 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質疑を続行いたします。
熊本自由民主党市議団、松本幸隆委員の質疑を行います。
〔松本幸隆委員 登壇〕
◆松本幸隆 委員 熊本自由民主党市議団の2番手、午前中質問できるかと思ってどきどきして待っておりましたが、どきどきのままお昼を迎えて、お昼御飯の味はあまり覚えていない松本幸隆でございます。
私からは2点質問させていただきます。
まず1点目、予算決算委員会説明資料211ページ、主要事業の詳細25ページの障がい者雇用促進経費についてお尋ねいたします。
本経費は、当初予算のポイント16ページにも上げられており、令和7年度に引き続き拡充となっております。本市は令和6年12月18日に、ハローワーク熊本と市内の民間企業による障がい者雇用を後押しするために、障がい者雇用の推進に関する連携協定を結ばれました。自治体とハローワークが障がい者雇用に特化した協定を結ぶのは九州初ということで、先進的な取組と評価をしております。
2024年4月の障害者雇用促進法の改正にて、民間企業の障がい者雇用法定雇用率は2.5%に引き上げられております。対象事業所の範囲が拡大し、従業員40人以上の雇用事業主は障がい者を1人以上雇用しなければならず、未達成の企業は納付金を徴収されます。熊本市内の法定雇用率を達成している企業の割合は、2023年の調査では52%に留まっている状況です。私も対象企業の雇用主の方々とお話しする機会があり、雇用状況の話をしますと、障がい者雇用にはあまり前向きではなく、納付金を払っていればいいかなというような状況でございました。
その中で、本市の障がい者雇用促進事業のこれまでの実績、今後の課題、直近の雇用率を達成している企業の推移、そして本年度は拡充の中で超短時間雇用アプリの制作費が上げられておりますが、内容を詳しく教えてください。
また、2026年7月にはさらに雇用率は2.7%に引き上げられるとともに、対象事業所の範囲も従業員37.5人以上に拡大されます。仮に雇用率を達成している企業が増加していても、分母が大きくなり、雇用率を達成している企業の割合は数字的には低くなると考えられます。そこで、本市としての今後の雇用促進や法定雇用率達成割合アップに対しての事業内容をお示しください。また、目標達成割合などありましたら併せて答弁をお願いいたします。健康福祉局長、お願いいたします。
◎林将孝 健康福祉局長 障がい者雇用に関するお尋ねにつきましてお答えいたします。
本市はハローワーク熊本との連携協定に基づき、セミナーの開催等を通じて企業への理解促進を図るとともに、求職者に対する就職支援を行うなど、障がい者雇用の促進に向けた取組を進めております。
市内の法定雇用率達成企業の割合は、令和6年4月の法定雇用率引上げ等の影響により一時的に低下しており、令和8年7月にも、さらなる引上げ等が予定されておりますことから、障がい者の就労機会を確保するためには、企業への働きかけや就職後の職場定着を含む総合的な支援の充実が必要と考えております。
こうした状況を踏まえ、令和8年2月に熊本県中小企業家同友会と連携協定を締結し、会員企業への理解促進や情報共有に加え、障がい者雇用に関する研修会等を実施することにより、経営者をはじめとする企業内の意識改革を促すとともに、障がい者の就労機会の拡大に取り組むこととしております。さらに、本市では今後短時間勤務の雇用を希望する企業と求職者をつなぐアプリを制作し、障がいのある方にとって働く第一歩として活用いただくことで、将来的な勤務時間の拡大につなげるとともに、求人を通じて企業内における障がいへの理解を深めてまいります。
これらの取組を着実に進めることにより、障がいのある方が安心して働き続けることができる社会の実現を目指すとともに、熊本市内の法定雇用率達成企業の割合を令和13年度までに70%とすることを目指し、今後も関係機関や企業・団体と連携しながら、障がい者雇用の取組を推進してまいります。
◆松本幸隆 委員 御答弁ありがとうございました。障がい者雇用は、障がいのある方が地域の中で役割を持ち、社会に参加していくための重要な取組です。また、福祉政策に留まらず、人材不足が深刻化する本市経済にとっても重要な労働力確保でもございます。
先日、障がい者雇用に携わる企業の方と、障がい者雇用についてお話しする機会がありました。障がい者の方々は脇目も振らず一生懸命業務をこなされているとお話をお聞きしたところでございました。本事業は、社会的包摂の実現と地域経済の活性化を両立させる観点から重要な事業と考えられますので、今後も引き続き本市の障がい者雇用促進に努めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
続きまして、予算決算委員会説明資料390ページ、主要事業の詳細47ページ、農業基盤整備事業についてお尋ねいたします。
本事業も、令和8年度当初予算のポイント13ページにも上げられております。
農業基盤整備事業は、前年度予算約6億6,600万円に対して、本年度予算は約5億8,800万円と減額計上されております。恐らく事業として、要望に対しての用水路や農道等の整備など、事業量が追いついていないのが現状だと思います。特に近年は資材価格の高騰、工事費の高騰、異常気象の頻発化など、農業を取り巻く環境は一層厳しさを増しております。
排水路の整備は単なる農業施策ではなく、豪雨時の浸水被害軽減にもつながる重要な防災機能を担っております。近年の豪雨災害を踏まえ、今回の減額が防災力低下につながる懸念があると考えられると思いますし、先だっての8月豪雨災害においても相当な被害があったかと思います。その中で本市の農業基盤整備事業の、今回の予算減額の主な理由をお示しください。また、要望量全体額に対しての令和7年度の工事発注率、残事業量など直近のデータをお示しください。農水局長、お願いいたします。
◎野島昌浩 農水局長 農業基盤整備事業は、国や県の補助事業を活用できない比較的小規模な排水路や農道の整備を行うための市単独事業であり、予算上は耕地費に位置づけている事業の一つでございます。
この耕地費は、本事業のほか国や県の補助により大規模な基盤整備を行う県営事業、団体営事業など複数の事業が含まれており、各事業の予算案は補助事業を積極的に活用し、その効果を最大限に発揮させるとの観点から、毎年県営事業、団体営事業を優先した上で、全体のバランスを調整し決定しております。
委員お尋ねの農業基盤整備事業費の令和8年度予算案が減額となっている理由は、県営事業、団体営事業において事業量の増加に伴い、前年度以上の予算措置が必要になったことから、その増額分を耕地費内の他の事業で調整したことによるものです。なお、農業基盤整備事業は、農業現場からの要望が大きいことを踏まえ、令和6年度から強化しており、令和8年度予算案は全年度よりは減額しているものの、令和5年度と比較すると1億2,000万円の増額となっております。
次に、水路・農道に関する要望量は、昨年度末時点で水路整備が228件、農道整備が25件となっており、これら全ての整備に係る事業費を積み上げると、現時点で65億円を見込んでおります。要望量全体額に対する昨年度の発注工事費は8%に留まっております。また、現在抱えている要望額を本年度の予算規模で試算した場合、全ての整備を完了するまでには13年を要する見込みとなっております。今後も地域における細かなニーズについて地元関係者と丁寧に協議を進めながら、緊急度や重要度を踏まえできるだけ迅速に対応してまいります。
◆松本幸隆 委員 御答弁ありがとうございました。減額となっている理由は、県営事業等において事業量の増加に伴い、前年度以上の予算措置が必要になったことから、その増額分を耕地費内の他の事業で調整し、優先した上で、全体のバランスにおいて調整しているとのことですが、要望量全体額に対する昨年度の発注工事費は8%に留まっており、現在抱えている要望額を本年度の予算規模で試算した場合、全ての整備を完了するまでには13年を要する見込みと、気が遠くなる状況です。
私の地域の現状でも全体的に整備が手付かずになっており、水路や堰の土台は至るところで損壊しており、足場が悪くなり、約100か所ある堰に堰板をする際は、重い堰板を2人で持ち作業をしなくてはならず、かなりの労働力と生産者の方々からお聞きしております。水路に至っても、まさしく主要事業の詳細47ページの下部にあるイメージ、整備前の図同様の状態が多々ありました。令和7年度から残事業量が減少しているものの、昨今の資材高騰、工事費の高騰で今後の残事業量の減少に影響が出ると危惧します。
松川議員の一般質問の中でもありましたとおり、農業は守りでなく投資です。今後のさらなる厳しい状況に向けて予算対応していただきますようお願いしまして、質問を終わります。質問に当たり、真摯に対応いただきました執行部の皆様、ありがとうございました。
以上で熊本自由民主党市議団の総括質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○田中敦朗 委員長 松本幸隆委員の質疑は終わりました。
以上で、熊本自由民主党市議団の質疑は終わりました。
次に、公明党熊本市議団の質疑を行います。
持ち時間は35分となっております。
まず、吉田健一委員の質疑を行います。
〔吉田健一委員 登壇〕
◆吉田健一 委員 皆さん、こんにちは。公明党熊本市議団の吉田健一です。会派を代表して質疑に立たさせていただきます。
今回の質疑は、私と木庭委員、フレッシュでスマートな若手2人で臨みたいと思います。大西市長はじめ執行部の皆様、何とぞよろしくお願いいたします。
まず、大西市長におかれましては、我が公明党市議団が掲げる政策要望、さらには市民から寄せられた切実な陳情に対し、御理解と御協力を賜っておりますことに御礼申し上げます。特に学校体育館へのエアコン設置、学校給食の無償化、保育施設利用料における法定代理受領方式の導入、不妊治療における先進利用への支援などの施策が具現化されたこと、大変うれしく思っております。これらは我々が粘り強く訴え続けてきた思いをくみ取っていただいたものであり、高く評価する次第です。
私個人としても、さきの補正予算において採択されましたトイレカーの導入につきましても、昨年6月の一般質問からわずか半年で、また来年度予算を待たずして実現になったこと、大きな喜びであり、この場をおかりして感謝を申し上げます。
そこで、1点目の項目であります視覚障害生活訓練等指導者養成事業について伺います。
視覚障がい者の自立と社会参加において、文字どおり杖とも目ともなる専門職が歩行訓練士です。他都市が複数名の確保ができている中、本市において専任で活動していただいている訓練士は長年ゼロという、極めて遺憾な状況が続いてまいりました。この問題については、以前私も一般質問で問題提起させていただいており、昨年齊藤博議員も質問で取り上げられておられました。
また、これまで幾度となく単独での確保を強く要望しており、今回ようやく予算化に至ったことについて、大変うれしく、また大きな期待を寄せておりました。しかし、今回事業の概要について担当課に確認していく中で、私は幾つかの懸念を持ちましたので、数点お尋ねしてまいります。
まずは本事業の委託手法について、準備した資料1に基づいて伺います。1点目に、歩行訓練士による支援には、歩行訓練、日常生活、コミュニケーションという3領域の不可分な連携が必要であります。現在、県内には歩行訓練士が3名しか在籍しておらず、そのうちの1名が在籍し、熊本県が業務を委託している熊本県視覚障がい者福祉協会に本市も業務委託を行うことで、当事者の方に対する支援を行っております。
しかしながら、資料1を御覧いただければ分かりますとおり、本市がこれまで委託してきた同協会の訓練士は、県の業務を担っていることから、本市でのこの3領域を完結できず、実際には民間機関に所属する訓練士の献身的な支援によって、かろうじてその機能が維持されてきたという現実があります。それでもなお、いまだに歩行訓練の受講を待っておられる方が20名程度いらっしゃる状況となっております。このような状況を踏まえ、今回の事業では新たに専任の歩行訓練士1名を育成し、これらの支援をさらに推進していくこととされたものであります。
歩行訓練士を育成するためには2年もの期間を要することとなりますので、1日でも早く取組を開始することや、事業の目的そのものについては私としても全くもって賛同するところではありますが、先ほども述べましたように、現在熊本県視覚障がい者福祉協会や民間機関等に計3名の歩行訓練士がおられ、これまで連携・協力しながら取り組まれてきた経緯を勘案すると、今回の事業の相手方選定については、プロポーザル等の公平・公正で競争性のある手法で検討すべきと考えますが、健康福祉局長の見解をお伺いします。
◎林将孝 健康福祉局長 歩行訓練士は、視覚障がい者の移動、生活、コミュニケーションを支援する高度な専門職であり、安全確保や心理面への配慮も含め、個々の特性に応じた訓練をできることが求められます。このため、本養成事業の委託先につきましても、一定期間にわたる生活訓練事業の実績や専任の歩行訓練士の配置といった客観的な要件を備えている必要があると考えております。
このような歩行訓練士の専門性や受託者に求められる要件を踏まえまして、委託先の選定に当たってはプロポーザル方式を含め、透明性と公正性の高い手法により実施してまいります。
◆吉田健一 委員 続けて、歩行訓練士の処遇と今後の進め方について伺います。
皆様は、歩行訓練士の労働条件、処遇が極めて厳しい現状を御存じでしょうか。現在業界内でバランスをとりつつ、支え合いながら歩行訓練士としての職を維持してこられたというのが実情であります。今回、新たな歩行訓練士を育成していくことになりますが、その後の処遇も含め、今後の継続した人材の維持についてのお考えがあればお示しください。
また、これからゼロから人材を育成し、2年後の活動開始を待つという気の長い計画でもありますので、今この瞬間、支援を必要としている市民を救うことはできません。全国に点在する有資格者の公募、採用という、より即効性の高い選択肢は検討されなかったのでしょうか。併せて、今回の予算によって養成される新たな歩行訓練士の立ち位置についてですが、新たに育成する歩行訓練士は、当然ながら熊本市民に特化して支援を行うための専属的な存在という認識で相違ないのでしょうか。市民にとってどのような恩恵が生まれるのか、もしくは課題が解消されるのか、具体的な見通しも含めお示しください。
さらに、市独自の訓練士が確保された後も、既存の県または現在の歩行訓練士の委託関係は継続されるのか。2年後の体制についても併せて健康福祉局長にお伺いします。
◎林将孝 健康福祉局長 歩行訓練士の処遇と今後の進め方に関するお尋ねにつきましてお答えいたします。
本市といたしましても、歩行訓練士の人材を維持するためには、専門性に見合った適正な処遇と安定的な就労環境の確保が重要であると考えております。また、歩行訓練士の養成機関による調査では、全国の視覚障がい者約27万人に対して実働している歩行訓練士が約200名と、全国的に不足しており、このような現状を踏まえ、有資格者の公募による採用ではなく、市独自に養成する必要があると判断いたしました。
本事業により養成する歩行訓練士は、主として熊本市に在住する視覚障がい者の支援を担当する人材として位置づける予定でございます。この養成により、令和10年度以降は段階的に歩行訓練の受講者の待機期間が短縮され、令和13年度には受講待機者を解消できるものと見込んでおります。
今後も熊本県視覚障がい者福祉協会へ歩行訓練の委託は継続する方針であり、歩行訓練士の養成後につきましては、各所属団体とも協議を重ねながら、視覚障がい者に寄り添ったよりよい支援体制を構築してまいりたいと考えております。
◆吉田健一 委員 担当局長に数点確認させていただいた上で、最後に大西市長に伺います。
先ほども述べたとおり、歩行訓練士の育成には2年もの期間を要します。そのような間にも支援を待っている当事者の方々が大勢いらっしゃることを考えると、私は何らかの対策が必要ではないかと考えます。今後どのような委託形態になるか分かりませんが、冒頭にも述べたとおり、県内には3名の歩行訓練士がおられ、熊本県視覚障がい者福祉協会をはじめ、これまで連携協力しながら支援に取り組んでこられた実績のある訓練士が在籍されている機関もあります。
これまでの実績を考えると、このような機関に御協力いただきながら、当事者の皆様に対する支援に対応していくことも必要ではないかと考える次第です。この点に関して、熊本県視覚障がい者福祉協会の理事を長年務められてこられた大西市長に御見解をお伺いします。
◎大西一史 市長 御指摘のとおり、歩行訓練の受講を待っておられる視覚障がい者の方々がいらっしゃることは課題であると認識しておりまして、歩行訓練士の養成期間中においても、その解消に向けた取組が必要であると考えております。熊本県視覚障がい者福祉協会に限らず、視覚障がい者への支援に取り組んでいる団体とも連携を図りながら、歩行訓練、日常生活訓練、コミュニケーション訓練の3領域に係る支援の充実に努めてまいりたいと考えております。
◆吉田健一 委員 大西市長、ありがとうございます。ぜひ視覚障がい者の皆様が必要としているさらなる支援をお願いいたします。
そこで、併せて1点、今後しっかりとした検証を要望しておきます。本市において、平成18年から長年県に委託または支援金を出しておりましたが、これまで一度も講座や訓練の現場に赴かず、検証をなされてこなかったことが改めて判明しました。また、資料1にありますとおり、歩行訓練の実績が年間25回、7名の方が受講とありますが、年間の実施件数がこれでいいのか、内容も含め疑問に残ります。
この現状の中、これまでどおりの県への委託、支援金を出すのであれば、本市が現場を把握していないのは問題視するところであり、また委託先である県には改善を要望すべきかと思います。冒頭、大西市長へこれまでの要望をくみ取っていただき、様々施策、予算に反映してくださったことに対して感謝を申し上げました。本件においてもぜひ早急な支援策と改善を強くお願い申し上げ、次の項目に移らせていただきます。
次に、主要事業の詳細54ページ、空家等対策事業から、喫緊の国家課題である空き家対策について伺います。
先日の代表質問においても寺本議員が、また本日午前中も日隈委員が取り上げておられましたが、私もまた、本市の住環境を守るべくこの空き家問題に継続して取り組んでまいりました。令和8年度予算案には空家予防対策事業として拡充予算が計上されており、その方向性は高く評価するものです。しかし、実効性のある施策を推進する上で避けて通れないのが、現状把握の制度です。
資料2を御覧ください。これは本市の第2次空家等対策計画から抜粋したものですが、示されている数値は、平成30年の実態調査及び令和4年の追跡調査に基づく推計値でとどまっております。直近でも4年前のデータであり、令和に入ってからは現場における実態調査が行われていないのが現状です。令和6年4月には、相続登記の義務化や空き家放置に対する罰則強化を柱とする法改正が施行され、所有者の明確化に向けた法的枠組みが大きく変化しました。
今後より踏み込んだ施策を展開するためには、数だけに留まらず、空き家となった原因や活用されない理由など、エビデンスに基づいた計画策定を行っていくべきです。本市としてより実態を踏まえた空き家対策へとかじを切るべきと考えますが、調査に関する他都市の動向、そして今後の実施に向けた所見を都市建設局長に伺います。
◎上野幸威 都市建設局長 空き家の実態調査としましては、総務省が5年に1度実施する住宅・土地統計調査において、空き家についても集計の対象となっており、自治体ごとに空き家数及び空き家率が公表されております。さらなる詳細の調査に当たり、他都市における手法や周期は様々でございますが、本市では平成30年に老朽化の状況をはじめとする実態調査を行い、さらに令和4年にその追跡調査や水道閉栓数による推計値を算出し、空家対策事業の施策立案や見直しの根拠としてまいりました。
空き家対策の推進には、委員御指摘のとおり、空き家の増減を含めた状況把握と併せまして、発生要因や管理状況、流通に際する課題等を把握することが重要であるため、今後も効果的な調査内容や手法を検討してまいります。
◆吉田健一 委員 都市建設局長より実態調査を検討するとの御答弁を頂戴しました。前向きな答弁に感謝しつつ、一日も早い調査を必ず実施してください。空き家バンク事業を行っている本市としては、実態が把握できていないのは、法改正を受けた現状としてもつり合わない状況かと思いますので、ぜひとも早期実施をよろしくお願いいたします。
続きまして、主要事業の詳細71ページ、新規事業予算として計上されております手荷物配送サービス経費について伺います。
本事業は、宿泊税を財源とした新たな観光施策であり、私自身、本市の観光利便性を飛躍的に高める一手になり得ると強い関心をしております。インバウンド客のみならず、国内旅行者にとってもその恩恵は大きいです。まずは本事業への理解を深めるべく、我々が旅行者になったと仮定した場合の具体的な利用イメージについて、交通事業管理者の所見を伺います。
◎井芹和哉 交通事業管理者 本事業は、手荷物配送サービスと市電1日乗車券をセット販売するものであり、宿泊税を活用することで低額な価格設定としております。具体的な利用イメージとしましては、熊本駅到着後、受付窓口で料金を支払い、キャリーケースなど手荷物を預けると同時に、市電1日乗車券を受け取っていただきます。手荷物は受付時に聴取した宿泊施設へ配送され、利用者はそのまま手ぶらで市内観光地を訪問していただくことができ、移動においては市電に乗り放題という流れでございます。また、観光最終日の宿泊施設から熊本駅への手荷物配送もサービスの対象でございます。
◆吉田健一 委員 御説明ありがとうございました。手ぶらで観光を楽しめるという付加価値は、快適な旅を実現する上で画竜点睛とも言うべき極めて重要な要素です。本事業を確実に成功へと導くため、懸念事項を含めた数点の提言させていただきます。
1点目に、玄関口となる熊本駅の管理者であるJR九州との連携及び場所の確保や許可状況は、現在どのような進捗でしょうか。
2点目に、窓口での受付に留まらず、オンラインによる事前予約システムを構築すべきではないでしょうか。情報化社会において、旅行者の時間は極めて貴重です。本来の目的である市電1日乗車券の販売促進にも相乗効果をもたらすと確信します。
3点目に、昨今の運送業界は深刻な人手不足や物価高騰に直面し、経営環境が厳しい状況下にあります。このような中、民間企業が参入意欲を高められるよう、行政側が環境整備を行うべきです。例えば、配送先となるホテルや旅館との調整、連絡システムの構築などは、あらかじめ本市が主導してトスアップしておく必要があります。交通局のみならず、旅館組合等との太いパイプを持つ経済観光局が横断的に関与し、既存の災害時協定なども活用しながら体制を構築すべきと考えますが、いかがでしょうか。
4点目に、手荷物配送は既に大手民間企業が展開しているサービスでもあります。それら既存サービスに対し、本市が実施する独自性や意義、差別化のポイント、さらには先行する他都市の事例をどう分析されているのか、併せてお示しください。
以上、交通事業管理者及び経済観光局長に伺います。
◎黒木善一 経済観光局長 私からは、本事業におきます行政の関与についてお答え申し上げます。
本市では、キャリーケースなどの手荷物を保有した外国人旅行者の影響によります市電の混雑が課題と認識し、これまでも熊本駅などで手荷物配送を行う事業者と宿泊施設をつなぐことで、手荷物配送サービスの普及を図ってまいりました。令和8年度からはこの取組を一層強化しますため、宿泊税を活用し、交通局と連携して本事業に取り組むことといたしました。今後は旅行者への周知広報を行いつつ、交通局とともに宿泊関係団体に対する説明の場を設け、手荷物配送サービスのさらなる普及を促してまいります。
◎井芹和哉 交通事業管理者 私からは、JR九州との連携など数点の御質問に順次お答えいたします。
まず、JR九州との連携状況等についてでございますが、受付窓口については旅行者にとって分かりやすく利用しやすい場所に設置することが望ましいと考えており、手荷物配送事業者との協議も踏まえ、必要に応じJR九州と調整してまいります。
次に、オンラインによる事前予約システムにつきましては、荷物の取扱量を事前に把握できることで、効率的な配送計画の立案が容易となるメリットはもちろん、受付時間短縮による窓口の混雑緩和や観光時間の確保など、利用者の利便性向上にもつながるものと考えております。
また、国土交通省近畿運輸局が大阪・関西万博の前年に、外国人を対象に実施いたしました手ぶら観光に関する訴求調査によりますと、手ぶら観光サービスを日本の空港に到着した直後、または旅行出発前に知ることができれば利用したいという回答が多かったことから、事前予約受付の検討に加え、経済観光局と連携し、インターネットを活用した情報発信にも工夫を凝らしてまいりたいと考えております。
次に、独自性等についてでございますが、既に民間の運送事業者により手荷物配送サービスは実施されておりますものの、公共交通機関の1日乗車券を組み合わせての販売は、県内においては初の試みであるほか、本市が新たに導入する宿泊税を活用し、安価にサービスを提供できる点も特色であると考えております。
さらに、交通局にとりましても利用者の増加が期待されることはもちろんのこと、手荷物の持ち込みが減少することで課題である混雑解消につながり、車内環境の快適性向上や乗降の円滑化による定時性確保といった効果が見込まれると考えております。
最後に、他事業者の事例といたしましては、長崎電気軌道株式会社がタッチ決済の仕組みを活用した手荷物配送サービスの実証実験を実施中と伺っておりまして、こうしたチケットレスでのサービス提供など、事業を進める中で改善を重ねながら、よりよいサービスとなるよう取り組んでまいります。
◆吉田健一 委員 局長、御説明ありがとうございました。リピーターを生むおもてなしの礎に、本事業は単なる配送サービスに留まらず、熊本観光の試金石となるものと期待するものです。将来的にこのノウハウを空港バスやJRアクセスルートにも展開できれば、公共交通全体を通じた強力な観光インフラとなります。旅の満足度は、おいしい食事や一期一会の出会い、そして何よりストレスのない移動によって決まります。本事業が旅行者に、また熊本を訪れたいと思わせるリピーター向上の礎となることを切に願い、次の項目に移ります。
主要事業の詳細32ページ、認可外保育施設等AED設置対策事業について伺います。
令和6年1月に発生した認可外保育施設での乳児死亡事故という、痛恨の極みとも言うべき事案を二度と繰り返さないための、まさに未然防止の要となる事業であると確信しております。本事業は未設置の施設に対し設置を強力に促すものですが、一方で認可保育園等の状況も看過できません。まずは本事業実施に至った詳細な経緯と、認可保育園に対する本市の設置支援及び現在の把握状況について、こども局長に伺います。
◎小島雅博 こども局長 認可外保育施設等AED設置対策事業は、教育・保育施設における緊急時対応力の向上が喫緊の課題であることから、本市の認可外保育施設において発生した死亡事案に係る検証報告書での提言を踏まえまして、AED設置に対して公的な助成がない認可外保育施設を対象に支援を行うことで、安全・安心な保育の実現を目指すものでございます。
認可保育園におけるAEDの新規設置や更新に要する費用につきましては、国が定める保育所給付費における施設機能強化推進費加算の対象となっております。令和6年度の申請件数は41件でございますが、設置後の届出の義務がないことから、設置台数を含めその詳細につきましては把握できておりません。
◆吉田健一 委員 今の御説明により、本事業がこどもの命を守るという不易流行の理念に基づいたものであると、改めて確認できました。しかしながら、認可保育園の設置状況を詳細に把握し切れていないという現状も浮き彫りとなりました。本市が死亡事故をゼロにするという強い覚悟を掲げるのであれば、認可・認可外の区別なく、施設規模に応じた複数台設置の要望など、きめ細やかに吸い上げるべきです。実態把握に努め、必要に応じた追加支援を講じるべきと考えますが、見解を伺います。
併せて、こども・児童の命を守るAEDという点に関連して、所属委員会所管でありますが、御了承いただき、学校現場におけるAED確保の課題について伺います。
現在、小中学校では各学校に2台設置が推進されていると認識しておりますが、現場の校長先生との対話の中で、深刻な救命の空白が生じている実態が見えてきました。これまで2台のうち1台は市教育委員会、もう1台は熊本県PTA教育振興財団からの貸与という形をとってきました。しかし、近年のPTA組織の在り方の変化あるいは解散に伴い、貸与されていたAEDが回収され、本来あるべき2台体制が維持できなくなっている学校が散見されます。
私は、PTAの存在意義を否定するものではありませんし、今後も必要であり重要な存在であるとの認識です。しかし、組織の変容という大人の事情によって、こどもたちの安全が脅かされることは断じてあってはなりません。空になったAEDボックスが放置されている光景は、あまりにも無情です。
現在、不足分は教育委員会からの貸出しで急場をしのいでいるとのことですが、これはあくまで一時的な対応に過ぎません。今後はPTAの有無にかかわらず、全ての学校で必要な台数を確実に確保できるよう、市として予算化を断行すべきです。学校におけるAEDの必要性と運用方針、国の方針、そして不足校への恒久的な予算化に向け、教育長に伺います。
◎小島雅博 こども局長 委員御指摘のとおり、AEDは救命活動において重要な機器であり、認可・認可外の区別なく、教育・保育施設全体として実効性のある安全対策を講じていくことが不可欠であると考えております。まずは認可外保育施設につきましてAEDの設置状況を改めて調査し、必要な施設に確実に支援が行き渡るよう取り組むとともに、認可保育園につきましても調査を行い、運用状況やニーズの把握に努め、支援の在り方について検討してまいります。
◎遠藤洋路 教育長 AEDは、児童生徒、教職員の救命手段の一つとして極めて重要であると認識しており、本市においては全ての学校に教育委員会がAEDを1台設置しております。さらに、熊本県PTA教育振興財団の貸与や学校予算で購入するなど、複数台を設置している学校も多くございます。
運用面については、保健室や体育館等に常設するとともに、水泳の学習時にはプールサイドにAEDを持参するなど、日常の教育活動において迅速に使用できる体制を整えております。国の方針としては、厚生労働省や文部科学省からAEDの適切な運用や管理については示されておりますが、その中に台数についての基準は含まれておりません。委員御指摘のように、学校ごとにAEDの設置状況に差が生じていることは承知しております。各学校の設置状況や運用体制を的確に把握し、緊急時に確実にAEDが活用できる体制の整備に努めてまいります。
◆吉田健一 委員 私は防災士として、また一人の親として、救命におけるAEDの重要性を重く受け止める一人です。毎年地元校区で夏休みの小学生向けの防災キャンプの開催時や、先日は東消防署職員の御協力の下、自身の市政報告会でもAED講習を取り入れ、地域住民、支援者もAEDの必要性、重要性に対する意識が高いことを肌で感じることから、今回取り上げさせていただきました。こども局、教育委員会それぞれの管理下の中でAEDの適切な設置に向けて動いていただきますよう、よろしくお願いいたします。
1点だけ、遠藤教育長、苦言を申すようですが、この後に立たれます木庭委員が議員となられた初めての一般質問で、学校でのAED設置方法の改善を取り上げられてから3年がたとうとしておりますが、いまだに手つかずのようですので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。本市における市民の命を守る対策に万全を期することを強く求め、私からの質疑を終わらさせていただきます。
それでは、まさにこどものため、子育てまっしぐら、マイパソコンの待ち受け画面は愛する息子さんのドアップ写真にするほど、同じく親ばか議員である木庭功二委員にバトンタッチをして、私からの質疑とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。
○田中敦朗 委員長 吉田健一委員の質疑は終わりました。
次に、木庭功二委員の質疑を行います。
〔木庭功二委員 登壇〕
◆木庭功二 委員 公明党熊本市議団の木庭功二でございます。ただいま吉田委員から少々気恥ずかしい御紹介をいただきましたが、パソコン画面の件は事実であることを申し添えさせていただきまして、私から質疑を行ってまいります。よろしくお願いいたします。
まず主要事業の詳細65ページ、新規事業、学校施設等における性被害防止の取組についてお尋ねいたします。
本市で昨年7月、市立中学校教諭による重大な性加害事案が発生し、教職員に対する市民、とりわけ保護者の信頼は大きく揺らぎました。まずはこの事案を重く受け止め、反省と再発防止の強い決意の下、本事業を編成されたものと受け止めております。
本事業は、未然防止、早期発見、被害者支援の3本柱で構成され、総額約2,480万円が計上されておりますが、その約87%が防犯カメラ設置などのハード整備に充てられております。
まず未然防止についてです。管理職等への研修が実施されるとのことですが、単なるコンプライアンス研修ではなく、性加害の兆候把握や通報体制の徹底など、実効性ある内容となるのか、またその効果検証をどのように行うのかお示しください。
次に、本事業の中心である早期発見、防犯カメラについてです。今回の予算で何校に何台を設置する想定なのか。併せて、録画データの管理責任者、閲覧権限、プライバシー保護に関する運用基準はどのようにされているのかお答えください。
その上で申し上げます。正門や通用門への防犯カメラの設置は、外部からの侵入対策として一定の意義は理解します。しかしながら、今回の重大事案は校内で発生したものであります。正門カメラの設置が教職員による性加害の抑止にどのような具体的効果を持つのか。予算の大半を占める施策である以上、明確な説明を求めます。以上、教育長にお尋ねします。
◎遠藤洋路 教育長 性被害防止の取組について2点お答えいたします。
まず研修についてです。児童育成クラブ支援員については、こどもの性被害の実態の正しい理解やその予防、被害の兆候の早期把握、さらに通報体制を含めた適切な初期対応等について研修を行うこととしております。校長・園長についてはその内容に加え、こども性暴力防止法や性被害が生じるメカニズムの理解、被害者に対する事後対応等も含めた研修を実施することとしております。次年度の早い時期に研修を実施し、こどもの性被害に関する深い理解の下、各学校等において防止策等が確実に実施されるよう取り組んでまいります。また、研修実施後はアンケートにより効果を検証してまいります。
次に、防犯カメラについてです。学校に設置するカメラについては、現在正門や通用門に設置しているカメラのうち、契約期間満了に伴い撤去する21校42台分を置き換えるものであります。また、録画データの管理責任者、閲覧権限、プライバシー保護に関する運用基準も、国のガイドラインに沿って整備しております。児童育成クラブのカメラについては、新たに64クラブの室内に101台を設置することとしており、運用に当たっては学校と同様に運用基準を定め、安心して児童育成クラブを御利用いただける環境を整備してまいります。
正門や通用門に設置している防犯カメラは、委員御指摘のとおり、主に外部からの不審者対策に有効と考えており、児童育成クラブについてはカメラを育成室内に設置することから、活動時間中の性加害の抑止や記録に効果的であるものと認識しております。なお、学校内への防犯カメラ設置については児童生徒、保護者、教職員に対しアンケート調査を実施しており、この結果等を踏まえ、丁寧に検討してまいります。
◆木庭功二 委員 正門カメラは主に外部不審者の対策とのことであり、また、校内への防犯カメラ設置については関係者へのアンケート調査を実施しており、その中で慎重な意見もあることについては理解するところであります。また、防犯対策としてのカメラ設置そのものを否定するものではありません。
その上で、本事業は教職員による性加害という重大事態を受けて編成されたものであります。予算の大半を占める施策がその再発防止とどう直結するのかという点は、市としての政策判断に関わる重要な点であります。そこで、大西市長にお尋ねします。性被害防止は単なる設備の整備に留まるものではありません。こどもの尊厳を最優先とする風土をいかに教育現場に根づかせていくのか。この事業が一過性に終わることなく、継続的な仕組みとして確立されるものとなるのか、市長の見解をお示しください。
◎大西一史 市長 教職員によるこどもへの性加害行為が全国的に多発する中、本市においても市立中学校の教諭が懲戒免職となる重大事案が発生したことを、大変重く受け止めております。学校をはじめ、こどもが生活するあらゆる場面でこどもを性加害行為から守るため、昨年10月に庁内関係局からなるこども性被害防止プロジェクトチームを設置し、こどもの性被害防止に向けて全庁一丸となって取り組むことといたしました。
まずは早急に取り組むべき本市の対策ついて、対策パッケージとして取りまとめ、令和8年度当初予算に計上しておりますが、委員御提案のとおり一過性のものではなく、継続的な仕組みとして取り組んでいく必要があると認識しております。そのため、(仮称)こどもの性被害防止条例を制定することにより、こどもを守る決意や姿勢を対外的に強く示すとともに、本市の対策や12月に施行されるこども性暴力防止法の実効性をより高めていきたいと考えております。
こどもが輝き、若者が希望を抱くまちの実現に向けて、行政、事業者、市民が総力を挙げ、こどもが安心して過ごすことができる社会を実現してまいります。
◆木庭功二 委員 ただいま市長からもありましたが、大切なのはこの問題を単なる個別対策として終わらせるのではなく、こどもの尊厳を守るという理念を教育現場に確かなものとして根づかせていくことであります。
今回示された対策パッケージ、さらには今後検討される条例制定を通じて、本市としてこどもを守るという姿勢を明確に示していく必要があると考えます。学校はこどもにとって最も安心できる場所でなければなりません。二度と同様の事案を起こさないという強い覚悟の下、全庁を挙げた継続的な取組を強く求めまして、次の質疑に移ります。
次に、主要事業の詳細11ページから、電子自治体推進経費についてお尋ねいたします。
先日、ある大手メガバンクグループがAIを活用し、全国に約1万5,000人いる事務職員を今後10年間で最大5,000人削減する方針を固めたとの報道がありました。最新のAIによる業務効率化を進め、人員を営業や業務支援部門へ再配置するという内容であります。今やAIは組織の在り方そのものを変える基盤となりつつあります。民間では、AI活用を前提とした業務再編が進んでおり、自治体においてもこの潮流を避けて通ることはできないと考えます。
先日の自民党の村上麿議員の一般質問でもありましたとおり、現在本市では生成AIを約4,000人の職員が普段の業務で活用しており、アンケートでは実に84%が作業時間の短縮を実感していることが示されております。その上で、今回の新年度予算では生成AI上位ライセンスの導入や職員向けRAGの整備など、約1,600万円の予算が計上されております。そこでお尋ねいたします。
1点目、生成AI上位ライセンスの導入により、具体的に何が可能となるのか。現行環境との違いを含め、その効果をお示しください。
2点目、職員向けRAGの導入により、どの業務がどの程度効率化されると見込んでいるのか。併せて、業務時間削減の具体的な目標についてもお示しください。
3点目、AIの活用は単なる業務の効率化や時間削減に留まるものではなく、職員がより創造的、戦略的な業務へシフトするための手段であるべきと考えます。そして、さらにはその成果が具体的な市民サービスの質の向上へと結実していくことが重要であります。そこで、本市として今回の予算拡充を通じ、どのような市民サービスの向上につなげていくのか。
以上3点、総務局長に答弁を求めます。
◎津田善幸 総務局長 3点のお尋ねに順次お答えいたします。
新年度予算に計上いたしました上位ライセンスは、生成AIの最上位モデルであり推論力と精度、処理能力が極めて優れているものでございます。専門的な調査や複雑なデータ分析を通じ、高度な政策立案や意思決定の活用が可能になると考えておりまして、まずは10ライセンスを導入し、効果検証を行いたいと考えております。
次に、本市の独自データを基に精度の高い回答を生成する、いわゆるRAGの職員向けの導入効果についてでございますが、多くの職員が携わる契約や会計事務に加え、福祉関係業務などに活用することで事務処理ミスを抑制するとともに、マニュアルの参照などに要する時間について、職員1人当たり年間50時間の削減を目指したいと考えております。今後は生成AIをデジタルトランスフォーメーションの中核として位置づけ、リスクを低減させながらあらゆる分野で積極的に活用し、生み出された時間をきめ細かな相談対応やまちづくり活動に振り向けることで、持続可能で質の高い市民サービスの提供につなげてまいります。
◆木庭功二 委員 最新のAIの活用によって生み出された時間を、より市民に寄り添った相談対応やまちづくりの取組へ振り向けていくことこそが、自治体DXの本質であると考えます。今回の取組が市民サービスの向上へ着実につながることを期待し、次の質疑に移ります。
次に、主要事業の詳細10ページ、新規事業、公文書等デジタル化推進経費についてお尋ねいたします。
本市では現在、令和9年度末の開館を目指し、新たな公文書館の整備が進められており、その整備予算は別途計上されているところであります。この新公文書館の整備と歩調を合わせ、市民の知的財産である公文書等を適切に保存・管理し、次世代へ確実に継承していくことは極めて重要であります。その観点から、本事業についてお尋ねいたします。
まず1点目は、費用の妥当性と将来負担についてであります。本事業は1億2,000万円の新規事業であり、そのうち1億円がデジタル化経費となっております。デジタル化は単年度で完結するものではなく、システムの保守更新など継続的なランニングコストが見込まれます。今回の積算根拠と併せ、将来的な財政負担をどのように見込んでいるのかお示しください。
2点目は、市民利便性向上の具体像について。スマートフォン等で閲覧が可能になるとのことですが、どの程度の利用を想定しているのか。また、学校教育や地域史研究などへの活用も含め、市民サービス向上にどうつなげていくのかお示しください。
3点目は、災害と保存の在り方であります。本年は熊本地震から10年の節目を迎えます。原資料の保存とデジタル保存をどのように両立し、災害時のリスク分散をどのように図っていくのかお尋ねいたします。
4点目に、本事業の将来ビジョンについて。デジタル化は単なる保存手段の高度化に留まらず、行政DXの一環として市民が広く活用できる知的基盤を築く取組であるべきと考えます。新公文書館の開館を見据え、本事業を通じて本市の公文書行政の将来像をどのように描いておられるのか。
以上4点の質問に対して、総務局長に答弁を求めます。
◎津田善幸 総務局長 公文書等デジタル化推進経費に関する4点のお尋ねに、順次お答えいたします。
本市では、明治期から昭和初期にかけて作成した極めて重要な資料である熊本市政資料約2,400冊や、写真フィルム約1万6,000点といった公文書等を保有しておりまして、その確実な保存と幅広い活用のためには、デジタル化が不可欠であると考えております。
お尋ねの計上した経費につきましては、複数の参考見積りを基に積算しており、資料のスキャンや撮影、ひもとじ資料の解体や再製本など、熊本市政資料約400冊と写真フィルム約1万6,000点をデジタル化する業務委託費でございます。令和9年度以降もデジタル化を順次進めてまいりますが、将来的な財政負担につきましては公文書館システムの運用業務委託経費や端末の賃貸借料などの経費も見込んでいるため、具体的な内容は今後精査してまいります。
次に、市民利便性向上にどうつなげていくかというお尋ねでございますが、スマートフォン等による閲覧利用につきましては現行の行政目録公開システムをはじめとした既存システムの実績を基に、年間5万件程度を想定しております。学校教育や地域史研究では、教育委員会と連携して公文書等を学習教材として活用するとともに、スマートフォン等から容易に閲覧できる環境を整える考えでございます。こうした取組を通じて、公文書等のデジタル化による市民サービスの向上を図ってまいることとしております。
災害時を想定した保存についてでございますが、原資料につきましては、紙資料や写真フィルムなど、資料の特性に合わせた保存環境の下、公文書館において適切に管理し、デジタル化したデータはクラウド上に保管いたします。異なる媒体に保管することで、資料滅失のリスク分散を図り、災害等で原資料が損壊した場合でも、内容を確実に継承してまいります。
最後に将来ビジョンについてでございますが、公文書には市政について現在と将来の市民へ説明責任を果たすことや、過去の検証を通じて、効率的、効果的な行政運営が期待できること、市民が自らの地域の営みを知り、市政を検証できるという社会的な役割がございます。デジタル化により、これらを本市の記録に留めず、社会へ発信する知的資源として活用してまいります。
さらにデジタル企画展を継続的に開催し、積み上げてきた知識と経験を広く共有して、市民の皆様の知的基盤として未来へ確実に継承してまいりたいと考えております。
◆木庭功二 委員 ただいまの答弁で、本事業が公文書の適切な保存と活用を図りながら、市民共有の知的財産として未来へ継承していく重要な取組であることを理解いたしました。今後は費用対効果も十分に検証しつつ、市民や教育現場など幅広い分野で利活用が進むよう取り組んでいただくことを要望しまして、次の質疑に移ります。
最後に、主要事業の詳細15ページから、くまもとポイント事業についてお尋ねいたします。
1点目、まずはくまもとアプリの最新のダウンロード数及びアクティブユーザーの状況についてお示しください。
2点目、今年度から主催者ミニアプリというものができましたが、このアプリの内容と狙い、登録団体数を各区ごとにお示しください。また、具体的にどのような団体が登録し、どのような活動が行われているのか、幾つか例を挙げてお示しください。
3点目、インセンティブの現状について。現在のポイントの利用方法について詳しく御説明ください。文化市民局長に答弁を求めます。
◎早野貴志 文化市民局長 本年度に本格運用を開始いたしましたくまもとアプリのダウンロード数は、2月末時点で約3万8,000件でございます。また、月1回以上アプリを開いた利用者、いわゆるアクティブユーザーの平均数は約2,000人でございます。
次に、地域活動の参加者を募集している登録団体数は中央区36団体、東区14団体、西区7団体、南区5団体、北区6団体の合計68団体でございます。登録されている団体は町内自治会、校区自治協議会、校区防災連絡会などがあり、清掃、草刈り、地域の祭りやこども向けイベント、避難訓練などの活動に御活用いただいております。
最後に、ポイントの利用方法につきましては、300ポイント以上ためた方を対象に、本市ならではのプレミアム体験や企業から御提供いただいた協賛品が当たる抽選会を実施しております。市民の皆様の参加意欲向上につなげるため、地域性のある魅力的な内容となるよう工夫しながら実施してまいります。
◆木庭功二 委員 現状のダウンロード数、登録団体数、インセンティブの状況を踏まえますと、令和9年度末までに13万ダウンロードという目標の達成は相当厳しいのではないかと感じます。本気で登録者数を飛躍的に伸ばすのであれば、例えば単年度でも大胆に予算を拡充し、景品や電子クーポンの充実を図るなど、登録者数を倍増させるようなインパクトのある施策が必要ではないかと考えます。
しかしながら、今回の予算要求額に対する査定の結果はC査定に留まり、減額となっております。これで目標達成に向けて十分な予算水準が確保されていると言えるのか、疑問を感じるところであります。このような査定となった理由について、文化市民局長にお尋ねします。
さらに、大西市長にお尋ねします。本事業を今後どのように発展させていくお考ええか、市長の見解をお示しください。
◎早野貴志 文化市民局長 2年目となります令和8年度は、新たにインセンティブの強化を目的としたギフト券等の経費を予算要求したところでございますが、まずは利用者や登録団体の増加につなげるため、アプリ自体の利便性向上や価値向上を図る必要があるとの判断から、既存事業の中で実施することとなったところでございます。
◎大西一史 市長 本事業は、地域活動への参加促進やコミュニティの活性化、災害時の避難者支援の向上、さらにはデジタル技術を活用した新たな市民サービスの提供につながる重要な取組であると考えております。
今後さらに市民の皆様に使いたいと感じていただける仕組みとするため、アプリの利便性向上、ポイント制度のさらなる魅力づけなど一層の改善を図ってまいります。また、地域活動への参加を後押しし、コミュニティを支える担い手の裾野を広げる観点からも、本事業を効果的に発展させ、市民の皆様にとって身近で使いやすいプラットフォームとなるよう取り組んでまいります。
◆木庭功二 委員 今回の予算査定につきましては、事務的な査定理由というよりも、本事業を今後どのように発展させていくのかという政策的な判断に関わるものであると考え、あえて財政局にはお尋ねしませんでした。
市長からの答弁にもありましたように、本事業が地域活動への参加促進やコミュニティの活性化、さらには災害時の支援にもつながる重要な取組であるとの認識は、私も共有するところであります。その上で、主催団体の登録数が地域によって大きく偏在が生じている状況も浮き彫りになりました。地域活動の裾野を広げていくという観点からも、こうした地域間の偏りを是正するとともに、自治会や地域団体など主催団体の登録そのものを増やしていく取組をさらに強化していく必要があるのではないでしょうか。
本事業を単なるアプリ事業に留めず、市民参画の基盤として本気で育てていくのであれば、ポイント制度やインセンティブの充実も含め、今後は必要な予算の確保とともに、市としての本気度を示していただくことを強く要望しておきます。
以上をもちまして、公明党熊本市議団の総括質疑を終了いたします。
御清聴いただきまして、大変にありがとうございました。
○田中敦朗 委員長 木庭功二委員の質疑は終わりました。
以上で、公明党熊本市議団の質疑は終わりました。
総括質疑の途中ではありますが、本日の審査はこの程度にとどめ、残余につきましては明11日水曜午前10時に再開したいと存じます。
これをもちまして、本日の委員会を散会いたします。
午後 2時13分 散会
出席説明員
市長 大 西 一 史 副市長 田 中 俊 実
副市長 岡 田 芳 和 政策局長 木 櫛 謙 治
総務局長 津 田 善 幸 財政局長 原 口 誠 二
文化市民局長 早 野 貴 志 健康福祉局長 林 将 孝
こども局長 小 島 雅 博 環境局長 村 上 慎 一
経済観光局長 黒 木 善 一 農水局長 野 島 昌 浩
都市建設局長 上 野 幸 威 中央区長 土 屋 裕 樹
消防局長 平 井 司 朗 教育長 遠 藤 洋 路
交通事業管理者 井 芹 和 哉 上下水道事業管理者三 島 健 一
議会局職員
局長 江 幸 博 次長 中 村 清 香
首席審議員兼議事課長 議事課副課長 藤 田 健
池 福 史 弘
政策調査課長 岡 島 和 彦
予算決算委員会会議録
開催年月日 令和8年3月10日(火)
開催場所 予算決算委員会室
出席委員 45名
田 中 敦 朗 委員長 浜 田 大 介 副委員長
大 石 浩 文 委員 井 本 正 広 委員
村 上 麿 委員 瀬 尾 誠 一 委員
菊 地 渚 沙 委員 山 中 惣一郎 委員
井 坂 隆 寛 委員 木 庭 功 二 委員
村 上 誠 也 委員 古 川 智 子 委員
荒 川 慎太郎 委員 松 本 幸 隆 委員
中 川 栄一郎 委員 松 川 善 範 委員
筑 紫 るみ子 委員 井 芹 栄 次 委員
島 津 哲 也 委員 吉 田 健 一 委員
齊 藤 博 委員 田 島 幸 治 委員
日 隈 忍 委員 山 本 浩 之 委員
北 川 哉 委員 平 江 透 委員
吉 村 健 治 委員 山 内 勝 志 委員
伊 藤 和 仁 委員 高 瀬 千鶴子 委員
小佐井 賀瑞宜 委員 寺 本 義 勝 委員
大 嶌 澄 雄 委員 高 本 一 臣 委員
田 上 辰 也 委員 三 森 至 加 委員
田 中 誠 一 委員 坂 田 誠 二 委員
落 水 清 弘 委員 澤 田 昌 作 委員
満 永 寿 博 委員 紫 垣 正 仁 委員
藤 山 英 美 委員 上 野 美恵子 委員
村 上 博 委員
欠席委員 2名
西 岡 誠 也 委員 上 田 芳 裕 委員
議題・協議事項
(1)議案の審査(40件)
議第 3号「令和8年度熊本市一般会計予算」
議第 4号「同 国民健康保険会計予算」
議第 5号「同 母子父子寡婦福祉資金貸付事業会計予算」
議第 6号「同 介護保険会計予算」
議第 7号「同 後期高齢者医療会計予算」
議第 8号「同 農業集落排水事業会計予算」
議第 9号「同 産業振興資金会計予算」
議第 10号「同 競輪事業会計予算」
議第 11号「同 植木中央土地区画整理事業会計予算」
議第 12号「同 奨学金貸付事業会計予算」
議第 13号「同 公債管理会計予算」
議第 14号「同 病院事業会計予算」
議第 15号「同 水道事業会計予算」
議第 16号「同 下水道事業会計予算」
議第 17号「同 工業用水道事業会計予算」
議第 18号「同 交通事業会計予算」
議第 36号「熊本市附属機関設置条例の一部改正について」
議第 37号「熊本市一般職の職員の給与に関する条例の一部改正について」
議第 38号「熊本市長等の給与に関する条例の一部改正について」
議第 39号「熊本市議会議員の議員報酬、期末手当及び費用弁償に関する条例の一部改正について」
議第 40号「熊本市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正について」
議第 41号「熊本市企業管理者の給与に関する条例の一部改正について」
議第 42号「熊本市教育長の給与等に関する条例の一部改正について」
議第 43号「熊本市長の給料の特例に関する条例の制定について」
議第 45号「熊本市消防団員の定員、任用、服務等に関する条例の一部改正について」
議第 46号「熊本市学校給食費条例の一部改正について」
議第 47号「熊本市手数料条例及び熊本市保健衛生事務に関する手数料条例の一部改正について」
議第 48号「熊本市乳児等通園支援事業所条例の制定について」
議第 49号「熊本市余熱利用施設条例の一部改正について」
議第 50号「熊本市動植物園条例の一部改正について」
議第 51号「熊本市動植物園整備運営支援基金条例の制定について」
議第 55号「熊本市軌道条例の一部改正について」
議第 160号「調停の成立について」
議第 161号「包括外部監査契約締結について」
議第 165号「財産の取得について」
議第 166号「同 」
議第 167号「特定の事務を取り扱う郵便局の指定の一部変更について」
議第 169号「工事請負契約締結について」
議第 170号「熊本市消防団員等公務災害補償条例の一部改正について」
議第 171号「熊本市国民健康保険条例の一部改正について」
午前10時00分 開会
○田中敦朗 委員長 ただいまから予算決算委員会を開会いたします。
本日の審査に入ります前に、3月5日の本会議において提案されました議第170号「熊本市消防団員等公務災害補償条例の一部改正について」、議第171号「熊本市国民健康保険条例の一部改正について」は当委員会に付託されましたので、お知らせいたします。
これより議案の審査に入ります。
本日は、当初予算及び関連議案に関する総括質疑を行います。
通告状況につきましては、一覧表のとおりとなっております。
また、委員より申出のありました資料につきましては、タブレットに掲載いたしておきました。
なお、質疑に当たっては、項目ごとに答弁者を指名いただきますようお願いいたします。
それでは、予算決算委員会運営細目の発言順に従い、順次質疑を行います。
これより自由民主党熊本市議団の質疑を行います。持ち時間は70分となっております。
まず、日隈忍委員の質疑を行います。
〔日隈忍委員 登壇〕
◆日隈忍 委員 おはようございます。
自由民主党熊本市議団の日隈忍でございます。
今回の総括質疑は、荒川委員と私と2人で臨んでまいります。よろしくどうぞお願いいたします。
まず質疑の冒頭に際し、予算と経済性を踏まえた予算組みの全般についてのお尋ねいたします。
定例会の当初予算の上程に当たり、新規事業を除く既存の事業予算については、事業内容の拡充が多く見受けられますことは、歓迎すべきことと考えております。ただ、現在の世情における消費者物価指数並びに労務単価の上昇など社会経済動向を踏まえれば、事業規模や具体的内容が同じものについては、予算規模はおのずと膨張することが理解できます。
そこでお尋ねいたします。今般上程されている新規を除く既存の事業予算は、全て社会経済動向に応じた予算となっておりますでしょうか。来年度の当初予算の編成に当たり、既存事業については社会経済動向に応じた予算となっているかを、まずお尋ねしたいと思います。財政局長、答弁をお願いいたします。
◎原口誠二 財政局長 令和8年度当初予算の編成に当たりましては、国の経済見通しを踏まえた市税等の歳入増を見込む一方、物価高騰に伴います歳出の増加や経済情勢の変化等による交付金等の歳入の減少が想定されるなど、予断を許さない状況でございました。こういった認識について各局と共有した上で、上質な生活都市の実現に向けて、社会情勢の変化や施策の効果検証等を踏まえた積極的な事業のビルド・アンド・スクラップを推進することにより、予算の質の向上に全庁的に取り組んだところでございます。
これにより、第8次総合計画に掲げます施策の推進に意を用いた予算編成を行ったところであり、主なものといたしましては、小学校の給食完全無償化や中学校給食費の保護者負担軽減に加えまして、小中学校体育館等への空調整備や全大腸内視鏡検査の無償実施人数を拡大するなどの予算計上を行ったところでございます。
◆日隈忍 委員 答弁ありがとうございました。財政局においては、一定の工夫を講じられた旨の答弁だったと思います。特徴としては、積極的な事業のビルド・アンド・スクラップの推進と明言されていました。皆様の取組姿勢については一定の評価を得られると考えております。
ただし、気になる点としては、経済情勢の変化などによる税や交付税等の歳入減を前提にしているところであります。最低ラインを見越して慎重に対応されている点は一見妥当に映りますが、地方財政には基準財政需要額が規定されている以上、歳入には調整機能が担保されています。まして国全体の実質的な生産性はいまだ十分とは言えない中で、国の歳入は過去最高を更新する一方です。歳入全体が目減り傾向になるのかについては、現実的な見解と言えるのか気になるところでもあります。この点も含んで精査いただきたいと感じたところです。
それでは、さらにお尋ねさせていただきます。各局における事業の精査段階において、同じ内容の事業については、予算規模の大小にかかわらず拡張傾向になることは想定されます。その上で、財政局に対し予算要求が実施されていると考えております。財政局としては、各局からのヒアリングの段階でどのような協議を進められたのか、また各局の事業のヒアリング、精査段階で予算規模が拡張傾向になることをどのように協議したか。また、シーリング方式では事業の縮減、変更あるいは廃止の可能性もあると思われますが、何らかの有効な策を協議したかお尋ねします。財政局長、答弁をお願いいたします。
◎原口誠二 財政局長 地方公共団体の予算編成におきましては、歳入歳出均衡が前提であると認識しておりまして、令和8年度当初予算編成においても、国の動向や本市の市税の見込みなどを踏まえまして、歳入歳出予算を計上したところでございます。
令和8年度当初予算編成に当たりましては、前年度当初予算における一般財源総額と同額のシーリング率を設定したことと併せまして、上質な生活都市の実現に向けた施策に要する経費につきましては、重点課題対応経費として所要額で要求できることといたしました。
また、事業の必要性や効果、社会情勢との整合性等につきまして、各局から丁寧にヒアリングを行い、さらには事業手法の効率化の余地などを確認した上で予算計上を行ったところでございます。なお、ビルド・アンド・スクラップの推進を踏まえた予算編成につきましては、業務の効率化や民間ノウハウの活用などの観点から、各事業の廃止・見直しに取り組み、一般財源として約3億3,000万円を削減しつつ、重点事項に重点的に予算を配分したところでございます。
◆日隈忍 委員 答弁ありがとうございました。昨年度当初予算を参考にシーリングを設定し、堅実な予算組みに心がけて各局との調整を図られたことを確認させていただきました。特にビルド・アンド・スクラップの推進を徹底され、事業それぞれにめり張りを持たせている点は評価いたします。それと同時に、予算規模が最大値を更新している点も評価しております。
ただし、いま一度申し上げておきたいのは、予算はその時折の社会経済動向に連動した行政需要を基軸に編成すべきと考えております。そのための責任ある積極財政ではないでしょうか。
前年度の予算や決算における事業の執行ベースは参考にすべきですが、事業規模が社会経済動向に連動しなければ、地域の社会経済は安定しません。恐らく現状維持がよいところでしょう。ひいては税の涵養にもつながりません。失われた30年の中で、緊縮財政がそのことを物語っております。その意味で、予算編成に当たって財政論が先行した議論は、経済の振興に逆効果をもたらす可能性も秘めております。行政の第一義である国民、市民の命と財産を守る使命を果たすためには、経済の安定は不可欠です。ぜひそのことを御留意いただきたいと思います。
次に、主要事業の詳細についてお尋ねいたします。
まず、農水局農業支援課の夢と活力のある農業推進事業についてお尋ねいたします。
農業生産性の高い本市において、近年自然災害の頻発、激甚化、生産コストの上昇、労働者不足など生産者にとって厳しい環境の中で、スマート農業の推進などによる効率化の支援は不可欠な状況ではないでしょうか。
その中で、本事業は、本市の農業者が経営の高度化やスマート農業を導入する際に経費を支援する公募型補助事業と承知しております。地域の生産者より使い勝手がよい事業との意見を聞いており、夢と活力ある農業推進事業の拡充は的を射たものとして歓迎すべき事業と思われます。そこで、この事業の考察を深めたいと思いますので、4点質疑させていただきます。
1点目、事業の開始年度と年度予算の推移及び採択件数と決算状況を教えてください。
2点目、採択に関して、応募計画の内容からポイント制で決定するとありますが、応募から採択までの手法をお示しください。
3点目、事業について農業者よりの意見と執行部の評価と、今後の課題があれば示してください。
4点目、令和8年度高温被害対策と防油堤整備の拡充、2点が示されておりますが、今後も農業者よりの要望を踏まえた支援を講じる予定があるのか教えてください。
以上4点、農水局長に答弁をお願いいたします。
◎野島昌浩 農水局長 夢と活力ある農業推進事業について、4点のお尋ねでございます。
1点目の予算につきましては、事業創設時の平成28年度は3,000万円でありましたが、メニューの見直しや拡充等に伴う増減を経て、令和5年度より4,340万円となっております。令和8年度はメニューの拡充に伴い、5,310万円を予算案として計上しております。
決算につきましては、年度によってばらつきがありますが、平成28年度~令和6年度までの予算執行率の平均は97%となっております。
採択件数につきましては、採択された事業費の大小により増減しますが、例年100件前後で推移しており、令和7年度においては126件と過去最高の件数となりました。
2点目の、応募から採択までの手法につきましては、例年4月1日より1か月間を応募期間としており、農業者等から応募のあった事業計画に対し、本市があらかじめ公表している、期待される効果や取組による受益量などの評価基準に基づき採点を行い、点数の高い順に予算の範囲内で採否を決定しております。
3点目の農業者の意見につきましては、昨年秋に、令和6年度に事業に取り組みました農業者等に対しアンケートを実施したところ、8割の方から満足もしくはおおむね満足との回答を得ました。本市としましては、これまで寄せられた農業者や農業団体からの御意見やこのアンケートの回答結果を踏まえ、本事業に対して農業者から一定の評価をいただいているものと捉えております。一方、本事業は全て一般財源で賄っており、今後も生じるであろう様々な生産現場の課題に対応するため、財源も含めた必要な予算の確保が課題であると認識しております。
4点目の、農業者の要望を踏まえた支援につきましては、本事業を推進する上で、これまでも農業者等から寄せられた意見、要望をはじめ国県の動向や本市農業の実情を踏まえて支援メニューを見直すなど、創意工夫を行ってまいりました。今後も市単独事業の強みを生かし、農業者にとって取り組みやすく、本市農業の実情に沿った効果的、機動的な支援を実施してまいります。
◆日隈忍 委員 答弁ありがとうございました。事業創設時の3,000万円からスタートし、令和8年度予算は5,310万円まで拡充され、執行率も100%近く、昨年の採択件数も過去最高の126件となり、まさに夢と活力ある農業推進事業にふさわしい内容であることが確認できました。さらなる拡充も必要ではないかと感じたところでもあります。
今後も地球温暖化の影響による災害、農業被害の発生が予想されます。国県ではカバーできない課題解決のために、独自事業の強みを生かした使い勝手のよい支援メニューを一層充実させていただくことを要望いたします。
次の質問に移ります。
都市建設局空家対策課の空家等対策事業8,500万円についてお尋ねいたします。
人口減少、少子高齢化の進展により、今後も空き家の増加が見込まれる中で、空き家の発生抑制、適正管理は、地域で生活する市民にとって大きな課題となっており、令和8年度の事業の拡充には大きな期待をしているところです。
本市では、第2次空家等対策計画に基づき、予防、利活用、適正管理、連携強化の4本柱を中心に対策を強化していることと思います。令和8年度予算案では、特に管理不完全な空き家への法的対応が強化されていることについては評価できるのではないでしょうか。さらに、最も重要である予防については、昨年7月から空き家相談員制度がスタートし、その成果に注目をしているところでもあります。
空き家の増加は、地域コミュニティの衰退、防犯・衛生面のリスク、防災のリスクなど、地域住民の皆さんに直接関わる非常に重要な課題であると認識しており、早急な対策が求められております。そこで2点お尋ねいたします。
1点目、昨年7月から県内自治体初の試みとしてスタートした空き家相談員制度、そして空き家の利活用につながる改修費補助、土地としての流通を促進する空き家除去補助、空き家の利活用を促進するために設立されている空き家バンク制度、それぞれについての成果と課題を教えてください。
2点目、今後は空き家数の抑制対策が重要と考えますが、そのための啓発の具体的な対策、特に高齢者への情報提供についての取組を教えてください。
以上2点を、都市建設局長に答弁をお願いいたします。
◎上野幸威 都市建設局長 まず、空き家対策の成果と課題についてお答えいたします。
空き家相談員制度は昨年7月に開始し、88名に御登録いただいております。これまでの相談件数は68件となっており、相談者へのアンケート結果では高い満足度を得られていることから、より多くの方々に御利用していただくため、ニーズの把握や制度の周知に努めているところでございます。
空き家の利活用に向けた改修費補助制度は、昨年度から開始し、申請件数は昨年度5件、今年度2件でございます。また、危険な空き家の発生防止に向けた解体費補助制度も昨年度から開始し、申請件数は昨年度49件、今年度109件となっております。今後は空き家のさらなる利活用促進に向けて、改修費補助制度の対象や要件の見直しを検討してまいります。
空き家バンク制度は令和2年度に開始し、これまで年間約10件、累計39件の登録があり、うち30件が成約に至っております。引き続き、空き家販売等のノウハウを有する事業者との連携による流通促進に取り組んでまいります。
次に、空き家の抑制に向けた啓発につきましては、先ほど申し上げました相談員制度や各種セミナー、相談会の開催に加え、今後は今年2月に指定いたしました空家等管理活用指定支援法人による地域でのワークショップ等を開催し、空き家に関する様々な課題をお持ちの市民の皆様への支援体制の強化を図っていくこととしております。また、情報に接する機会が限られる高齢者の方々に対しては、地域の皆様の御協力をいただきながら情報提供を行うなど、きめ細かな対応に努めてまいります。
◆日隈忍 委員 答弁ありがとうございました。空き家相談員制度、利活用のための補助金制度、空き家バンク制度と様々な取組が一定の成果を上げていることが分かりました。
しかし、今後も空き家の増加が予想される状況で、第2次空家対策計画における目標である空き家率12.9%未満の達成は、大変厳しいのではないかと考えております。今後、少子高齢化が一層加速する中で、自治体だけで空き家数を抑制することは困難を伴うと思いますので、民間との連携や地域の協力を求めながら対策を進めていただきたいと思います。
私が暮らす地域でも、大規模な宅地造成から50年が経過し、80代の高齢世帯が急増し、地域としても大きな危機感を持っております。空き家対策として地域の皆さんに、土地相続が最もトラブルになりやすく、空き家発生の原因になるということを理解していただき、終末医療あるいは介護環境の選択などを含め、ワンストップで対応できる仕組みを構築していただくことを要望したいと思います。
次の質問に移ります。
教育委員会総合支援課のスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー配置事業1億8,000万円についてお尋ねします。以降、スクールソーシャルワーカーをSSW、スクールカウンセラーをSCと表現させていただきます。
熊本市の不登校児童・生徒は、令和6年度に全国と同様過去最多を更新し続けており、SSW、SCの果たす役割はますます重要になっております。令和5年度の調査では、熊本市立小中学校の不登校児童・生徒数は2,760人に達しており、10年間で約4.5倍に急増しているようです。要因は、無気力、不安、生活リズムの乱れなど、多様な要因が連携しているとの調査結果があります。また、文部科学省の不登校の定義である30日以上の欠席には含まれないものの、登校に苦痛を感じている、あるいは保健室や別室登校を続けている隠れ不登校の生徒が存在し、表面化している不登校数の2倍から3倍の潜在的な対象者がいるとの指摘もあります。SSW、SCの配置基準の見直しも含めた拡充は、喫緊の課題ではないでしょうか。
しかし、SSW、SCの配置事業の予算は、令和8年度はほぼ前年並みの金額となっており、残念ながら拡充ではなく現状維持のようですが、配置事業予算の内容についてお尋ねしたいと思います。
1点目、SSW、SC配置事業の予算は昨年の予算とほぼ同額になっておりますが、社会情勢を考慮すると労務単価への配慮は必要ではないかと考えております。SSW、SCの雇用の条件と配置数、配置基準を教えてください。
2点目、こどもたちを取り巻く環境が複雑化しているため、課題解決のためには専門的な知識、豊富な経験が必要とする案件が多くなることが予想されます。SSW、SCの専門資格の内訳、年齢、勤務年数を教えてください。
3点目、運用の形態として、学校への常駐ではなく複数の学校を掛け持ちしていると聞いておりますが、不登校者数が増加し、過去最多となっている状況の中で、掛け持ちで学校現場の要請に十分対応できているか、不安を覚えております。SSW、SCの相談待ち件数、待ち期間及び滞在時間を教えてください。
以上3点を教育長に答弁をお願いいたします。
◎遠藤洋路 教育長 スクールソーシャルワーカーSSWとスクールカウンセラーSCは、会計年度任用職員として雇用しており、1年ごとに契約を更新しております。SSWは月額28万254円、SCは1時間当たり5,040円の報酬を支払っております。SSWとSCの配置基準は定められておりませんが、本市ではSSWは21人、SCは50人を配置しております。
専門資格については、SSWは社会福祉士と精神保健福祉士の両方を保有している方が6人、社会福祉士のみが12人、精神保健福祉士のみが3人であります。SCは臨床心理士と公認心理師の両方を保有している方が27人、臨床心理士のみが1人、公認心理師のみが22人となっております。20歳代~70歳代までの幅広い年齢層を登用しており、勤務年数はSSWが平均4.6年、SCが平均6.2年となっております。
SSW、SCへの相談は、申請から相談までに2週間~1か月程度の時間がかかる場合があります。学校への滞在時間は学校規模によって異なりますが、SSWは2週間に一、二回、1回当たり一、二時間程度、SCは月に1回~3回、1回当たりが3時間~7時間程度となっております。
今後の配置について、SCはこどもの性被害防止パッケージの中で、常駐・正規化を見据えた検討を行うこととしております。SSWについても引き続き充実を図ってまいります。待遇についても、他の会計年度任用職員の報酬改定も参考に、随時見直してまいります。
◆日隈忍 委員 答弁ありがとうございました。配置状況については、SSW、SC共に複数校を掛け持ちしている状況であることが確認できました。不登校児童・生徒が増加し、いじめ問題も高止まりの状況であり、学校現場は教員不足も重なり、相当疲弊しているのではないかと心配しております。
さらに、SSW、SCの相談待ちも2週間~1か月かかる場合があると答弁がありましたが、それほど長いと解決できる問題も解決できなくなるのではないかと、これも心配しております。今後の配置について、SCについては、こどもの性被害防止パッケージの中で常駐・正規化を見据えた検討を行うとの答弁がありました。こどもたちのため、そして教職員の負担軽減のためにも、一刻も早い常駐・正規化の実現を求めておきたいと思います。
また平均勤務年数も4年~6年ほどであり、会計年度任用職員という不安定な雇用形態が影響しているのではないかと思っております。豊富な経験と専門知識を持つSSW、SCを確保するために、常駐・正規化を含め、近年の社会経済動向に応じた待遇改善を毎年実行していただくようお願いをしたいと思います。
次の質問に移ります。
政策局広報課のふるさと応援寄附金推進事業についてお尋ねします。
本市のふるさと納税受入れ額は、令和3年度5億4,000万円から令和6年度は11億8,000万円と、2倍以上に増加しております。この実績は一定評価できるのですが、熊本市民のふるさと納税制度の利用も活発化し、他都市へ寄附を行ったことによる住民税控除額も増加傾向を示しております。そのため、本市のふるさと納税は受入れ額が伸びているにもかかわらず、市外への寄附に伴う控除額が上回り、実質的な収支が赤字になっているのが現状ではないでしょうか。
令和8年度当初予算では、前年度の6億7,500万円から10億円に大幅に増額され、大きな期待をもって注目しております。代表質問で我が会派の寺本議員からも同事業の質問がありましたが、改めて事業の詳細についてお尋ねしたいと思います。
1点目、改めて令和6年度ふるさと納税事業の収支を教えてください。さらに税収が流出し、赤字となっている現状の認識をお示しください。
2点目、ふるさと納税は返礼品の魅力で寄附先を選ぶ傾向が強く、特産品ブランドを持つ自治体に寄附が集中する傾向があると思いますが、寄附金増加の具体的な対策を教えてください。
3点目、令和8年度予算10億円で様々な対策を行うことで、交付税補填を含め、黒字化の可能性についてお知らせください。
4点目、ふるさと納税の本来の目的について広く理解を求めることが必要ではないかと考えていますが、見解をお示しください。
以上4点、政策局長に答弁をお願いいたします。
◎木櫛謙治 政策局長 ふるさと応援寄附金推進事業について順次お答えいたします。
令和6年度のふるさと納税寄附額は約11億8,000万円でありましたが、熊本市民が令和6年に他の自治体に寄附を行ったことによる控除額は約29億5,000万円であり、その75%が交付税措置されますものの、事務的経費を除くと約1億200万円の赤字でありますことから、さらなる寄附増加に向けた取組が必要と考えております。
そこで、令和8年度は新たにふるさと納税担当課長をはじめ専任職員を設置し、ふるさと納税を受け入れるポータルサイトの追加や返礼品の拡充に加え、事業者の元へ直接足を運び、熊本ならではの返礼品開拓や特産品のPR強化など、事業者や生産者と連携した取組を進めることとしております。令和8年度当初予算では、寄附受入額を20億円と見込んでおり、昨年と同額程度の控除額であれば、国からの交付税措置により黒字の可能性があると考えております。
ふるさと納税の本来の目的は、故郷を離れて暮らす人々が寄附を通じてふるさとに恩返しをするものであることから、本市出身者に限らず多くの方々に本市を応援をしていただけるよう、さらなる魅力発信等、新組織の下取組を強化してまいります。
◆日隈忍 委員 ありがとうございました。これまでも限られた人員で様々な取組を実施し、寄附金の増加の実績を積み重ねてきたことは評価しております。今後は先進的な取組を実施している他都市を参考にして、新たな体制で担当課長を中心に熊本市の巻き返しモデルを構築し、何としても収支の均衡化、さらには黒字化を実現していただきたいと考えております。
収支の均衡化、黒字化のためには、収入を増加させると同時に支出を抑えることも必要になると思いますので、管理業務の効率化も同時に進めていただきたいと思います。また、黒字化のためには返礼品戦略に加え、全国に熊本市の魅力を発信し、熊本市に寄附したいと思っていただける都市となるような対応もお願いしておきたいと思います。
次の質問に移ります。
宿泊税関連事業の取組についてお伺いいたします。
宿泊税は、観光消費額や宿泊税が過去最高を記録する中、観光都市としての魅力を高め、戦略的な誘客を継続的に行うための安定した財源として、令和8年7月1日から徴収が開始され、年間ベースで約8億円の税収が見込まれる貴重な新財源です。
宿泊税の導入に当たり、専門家を中心とした検討委員会が設置され、令和6年3月に報告書が提出されました。その中で、使途の考え方、取組について具体的に熊本市観光マーケティング戦略に基づき、新事業及び既存事業の拡充に充当し、単純な振替をしないことなどの言及があります。令和8年度は宿泊税徴収の初年度となりますので、導入1年目の課題及び宿泊税を活用した取組について3点お尋ねいたします。
1点目、旅館、ホテルなどの宿泊事業者の皆さんは、特別徴収義務者として徴収・申告の実務を担っていただくために一定の負担が発生すると思われ、その負担をできるだけ軽減することが求められております。宿泊業者のシステム改修の進捗状況と改修未完了の事業者への支援についてお知らせください。
2点目、令和8年度宿泊税を利用した取組の方針を示してください。
3点目、令和8年度予算案として36事業、合計活用額5億4,300万円が示されています。36事業の新規と既存の事業の割合と、事業選定に当たり最も重要な基準をお示しください。
1点目を財政局長、2点目、3点目を経済観光局長に答弁をお願いいたします。
◎原口誠二 財政局長 レジシステム等整備費補助金でございますが、宿泊税の導入に伴いまして、レジシステムの改修など徴収環境の整備が必要な宿泊事業者に対しまして助成を行うものでございます。
令和8年2月末時点で宿泊施設は446施設でございまして、補助金の申請状況は受付件数98件で申請率は22%でございますが、事前のアンケート調査において、もともと環境整備の必要がないとされた事業者もいらっしゃいます。このようなことから、環境整備が必要でありながら補助金申請を行っていない事業者もいらっしゃる可能性もあるため、改めて全ての事業者に対しまして御案内を行うこととしております。
◎黒木善一 経済観光局長 宿泊税は、観光都市としての魅力の向上、訪れる方に優しい滞在環境の構築及び戦略的な誘客促進等を図りますため、これまで予算化ができなかった新規事業及び拡充事業を中心に活用することとしております。
令和8年度予算に計上した宿泊税を活用する36事業のうち、新規が16事業、拡充が20事業でございます。これらの事業は、本市における観光の課題や旅行者のニーズを踏まえつつ、市議会をはじめ宿泊事業者や外部委員によります審議会からの御意見をいただきながら、庁内関係課と調整を行い選定したところでございまして、今後の税収も熊本市観光マーケティング戦略に基づく事業に活用してまいります。
◆日隈忍 委員 答弁ありがとうございました。申請率が22%という答弁でしたが、ちょっと低いような気もするんですが、全国チェーンのホテルなどはもう自前のシステムを利用するというようなとこもありますし、小規模業者はシステムそのものを導入しないという例もありそうなので、22%程度が妥当かどうかちょっと分からないんですけれども、宿泊税についての周知が十分できていない可能性もありますので、7月以降の導入後も宿泊業者の皆様への支援を継続していただくようにお願いしたいと思います。
あと、答弁には、訪れる人に優しい滞在環境の整備及び戦略的な誘客促進を図るという答弁でしたが、そのために36の事業に活用するとのことでした。そして内訳としては新規事業が16、拡充が20事業ということでした。その拡充の20事業の中に、予算の振替あるいは補填と受け取られる可能性のある事業が幾つか散見されたように、私は感じました。法定外目的税である宿泊税を、観光振興のために利用するために、利用された成果を数値的に示すKPIによる評価を導入してはいかがでしょうか。そして、その宿泊税が観光振興に利用されたというのをしっかりと明らかにしていただきたいと考えております。以上、それを要望しておきたいと思います。
それでは、最後の質疑に移ります。
最後に、新庁舎整備に係る概算事業費についてお尋ねします。
先日、3月4日の一般質問において、我が会派の齊藤議員が新庁舎整備に関する質問を行いました。その際の大西市長の答弁に対し、翌日に地元紙が、事業費の上限を設けないという見出しの記事を掲載しました。そして、先般の庁舎整備に関する特別委員会において、事業費の上限を設けないとの記事について取り上げられたと伺っております。改めて大西市長のお考えをお示しください。
◎大西一史 市長 一般質問における齊藤議員の、市債残高を踏まえた上限額を設定する考え方は、昨今の労務単価や材料費の高騰を考慮した上で、財政負担の軽減に資する一つの方法であると受け止めております。
熊本地震を経験した本市にとって、あらゆる災害から市民の生命、財産を守り、質の高い市民サービスを提供することは、行政の最大の責務でございます。その責務を果たすべく、新庁舎整備に鋭意取り組んでいるところでございますが、一方で財政負担の軽減を図ることは極めて重要であり、青天井に事業費が増加してよいとは全く考えておりません。
そこで、これまで代表質問をはじめ一般質問でも答弁を申し上げてきましたとおり、今後専門家による検証の場を設け、新庁舎整備の工事費や工事手法、財政への影響などについて十分に精査することとしておりまして、引き続き事業を推進するため、全力で取り組む覚悟でございます。
◆日隈忍 委員 答弁ありがとうございました。財政負担をできる限り軽減することは重要であり、青天井に事業費が増加してよいとは全く考えていないという市長の思いと覚悟を確認することができました。今後も専門家の検証の場を通し、効率的な投資で最大の効果が出るよう、新庁舎整備に取り組んでいただきますようお願いいたします。
以上で私の質疑を終了し、荒川委員にバトンを渡します。執行部の皆さん、御答弁ありがとうございました。
○田中敦朗 委員長 日隈忍委員の質疑は終わりました。
次に、荒川慎太郎委員の質疑を行います。
〔荒川慎太郎委員 登壇〕
◆荒川慎太郎 委員 おはようございます。自由民主党熊本市議団、総括質疑2番手を務めます荒川慎太郎です。
早速ですが、予算決算委員会説明資料について数点お尋ねいたします。
1点目、資料94ページ、広報課の6番目、ホームページ関係経費の減額理由。
2点目、資料96ページ、庁舎建設課の2番目、新庁舎整備推進経費の減額理由。
3点目、資料134ページ、管理課の2番目、音楽隊経費の増額理由。
4点目、資料153ページ~155ページ、各区総務企画課の熊本地震10年関連事業について、各区ごとの予算額に差がある理由。
それぞれの項目について、担当局長及び区長の説明を求めます。
◎木櫛謙治 政策局長 まず、ホームページ関連経費の減額理由についてでございます。令和7年度に導入したやさしい日本語について、令和8年度以降は導入費用が不要であるため、その分が削減されたことに加えまして、サーバーに対するアクセス集中回避機能やセキュリティ機能等の一部を効率化したこと等に伴い、ホームページに関する全体経費が削減され、減額となったものでございます。
新庁舎整備推進経費の減額理由についてでございます。新庁舎整備推進経費は、新庁舎整備に係る市民への情報発信及び意見聴取に要する経費として630万円を計上しており、対前年度で2,570万円の減額となっております。減額の主な理由は、令和7年度は新庁舎の交流・共創機能の検討に必要な経費として2,500万円を計上しておりましたが、次の段階の検討は、現在検討中の基本計画策定後に進めたいと考えておりまして、令和8年度当初予算では、当該関連経費を計上していないためでございます。
また、令和7年度は基本計画検討分科会の開催に係る経費について290万円を計上しておりましたが、令和8年度は75万円に減額しております。なお、本事業の情報発信や意見聴取に係る分は、前年度と同規模の予算を確保しておりまして、今後も引き続き市民の皆様へ丁寧かつ分かりやすい説明に努めてまいります。
◎平井司朗 消防局長 熊本市消防音楽隊は、昭和37年の創設以来、地域と消防の架け橋として市民の皆様に親しまれており、演奏活動を通じて防火・防災意識の普及啓発を図るという広報機能を担っております。
現在、音楽隊が着用している制服は購入から30年以上が経過しており、生地の劣化や色あせが進み、補修による維持が困難となってきていることから、来年度から2か年の計画で更新する経費を増額しているものでございます。
◎土屋裕樹 中央区長 同じ事業名で区ごとの予算額に差がある理由についてでございますが、熊本地震10年関連事業につきましては、熊本地震の教訓等を未来へ伝承する事業を、地域からの要望等を踏まえ区ごとの特性に合わせた取組内容で実施しますことから、予算額に差が生じております。
主な取組としまして、中央区では区内の中学校へ防災の語り部を派遣するなど、熊本地震の体験を伝える防災教育を実施することとしております。また、東区では熊本地震の経験をした地域の皆様等の声を記録しましたドキュメント映像を上映、西区、南区、北区では防災フェスタ等のイベントを開催し、熊本地震の最大の教訓でもあります地域のつながりの重要性を再認識していただき、地域防災力の強化に努めてまいります。
◆荒川慎太郎 委員 1点目のホームページ関係経費については、やさしい日本語に関するイニシャルコストと業務効率化による減額とのことで、承知いたしました。しかしながら、広報課では各課の事業に対する広報計画の提案や広報ツールに関する研修の実施など、業務内容の拡充が想定されますので、引き続き効果的なアウトソーシングの活用など効率的な業務遂行に期待いたします。
2点目の新庁舎整備経費については、新庁舎の交流・共創機能の検討に必要な経費のスケジュールによって減額とのこと。今後新庁舎整備が進む中で多岐にわたる取組が必要となってまいります。引き続き、広く市民の皆様に対する丁寧で分かりやすい御説明ができるように取り組んでいただきますようお願いいたします。
3点目の音楽隊経費、音楽隊の皆さんの制服を30年使用していることでしたけれども、まあよう辛抱して使いなさったですね。30年ですよ。あれだけの出演回数をこなす音楽隊の制服を30年も使うということは、さぞかし古くなっていたんだろうなと思うところでございます。新しい制服での活動が見られることを楽しみにしております。
4点目の各区の熊本地震10年関連事業は、各区で様々な取組を実施されるとのこと。令和8年度は熊本地震から10年という大切な節目の年でありますから、地震の教訓をしっかりと継承し、今後の防災意識の啓発と地域防災力の強化に精いっぱい取り組んでいただきたいと思います。
続いて、同じく予算決算委員会説明資料より、さらに数点お尋ねします。
表記上の区分が拡充となっているにもかかわらず、計上予算は減額となっている項目が複数箇所見られますが、この拡充と減額という相反する表記がなぜ記されるのかについてお尋ねいたします。
1点目、資料98ページ、危機管理課の11番目、避難行動促進関連経費。
2点目、同じく資料98ページ、危機管理課の指定避難所等機能強化事業。
3点目、資料107ページ、情報政策課の電子自治体推進経費。
以上、3点について担当局長の説明を求めます。
◎木櫛謙治 政策局長 拡充の表記につきましては、前年度から減額となるものの、新たな取組やさらなる事業の推進を図る場合に表示することとされております。
1点目の避難行動促進関連経費につきましては、令和7年度に洪水ハザードマップ等の見直しが完了し予算減となりますものの、新たな取組として内水ハザードマップの作成・配布を行うことで、これまで以上に市民の適切な避難を促すことができることから、拡充としたものでございます。
2点目の指定避難所等機能強化につきましては、令和7年度まで計上しておりました貯水機能付給水管工事の完了に伴い予算減となりましたものの、防災拠点である区役所に生活用水を確保するための防災井戸の設置工事や、全避難所標識の更新に新たに着手することから、拡充としたものでございます。
◎津田善幸 総務局長 電子自治体推進経費は、窓口支援システムや生成AIなどデジタル技術を活用し、効果的、効率的な行政運営を推進するための経費であり、前年度当初予算比で1億4,636万1,000円の減となっております。主な内訳といたしましては、書かない窓口に係る経費が、窓口支援システムの構築完了に伴い1億5,634万円の減となった一方で、生成AIの活用に係る経費が、RAGの本格導入等に伴い1,321万5,000円の増となっております。経費全体としては減となっているものの、生成AIをデジタルトランスフォーメーションの中核として位置づけ、政策的に取組を強化していくことから、拡充と表記したところでございます。
◆荒川慎太郎 委員 1点目、2点目の防災に関する事業については、ハザードマップ等の見直しの完了、貯水機能付給水管工事の完了により予算は減額ではあるものの、新たな取組が行われることから拡充に区分、3点目の電子自治体推進経費については、窓口支援システムの構築完了に伴い減額されたが、生成AIに対する取組を強化することから、拡充に区分されたということで承知いたしました。
さて、予算決算説明会資料の中から数点お尋ねしましたが、非常に簡潔な内容の答弁であり、即理解を示せるものでした。これがもしそれぞれの項目について、資料の中に最低限の増減理由や事業内容に関する情報が記されていれば、議会審議の過程で改めて確認する必要のない項目であります。
一番最初のホームページ関連経費、これはやさしい日本語の導入に必要なイニシャルコストの減額と表記されていれば、それで理解ができます。次の新庁舎整備推進経費、これは事業内容として記されている市民への情報発信及び意見聴取等に要する経費という内容と、実際に行われていた市民交流スペース等の検討経費や、基本計画検討分科会の開催経費という内容の乖離があります。次の音楽隊経費、これも隊員の制服劣化に伴う更新費用とあれば納得です。次の、各区が行う熊本地震10年関連事業の金額差についても、取組内容がタイトルだけでも書いてあれば、事業の違いによるものということが分かります。
そして、区分が拡充なのに減額となっている事業に関しては、当然別途説明があってしかりではないでしょうか。以上の点を踏まえてお尋ねいたします。
まず、これは過去にも総括質疑の中で申し上げてきたことですが、この一連の予算に関する資料は、議会が予算審議を行うための資料として作成されているもので間違いないでしょうか。
もう1点、今回の質疑作成に当たり、資料だけでは内容を把握できない項目が多く、事前に約90項目に及ぶ事業について各部局へ確認を行いました。その多くは、先ほどのような特別な分析を必要とするものではなく、単に増減理由や内容を確認する程度のものではありましたけれども、資料からはその内容が読み取ることができないものでした。それだけの手間をかけなければ読み取ることも理解することもできない資料で、議会審議の資料として十分な役割を果たしているとお考えなのか、それとも改善の余地があるとお考えなのか、見解をお示しください。財政局長の答弁を求めます。
◎原口誠二 財政局長 予算決算委員会説明資料は、予算審議を行うことを目的として作成しておりまして、各局が所管いたしますおのおのの事業内容等を整理し、予算案を補足する説明資料として提出しているところでございます。これまで当初予算の要点をまとめました当初予算のポイントをはじめ、決算状況報告書など議会からの御意見もいただきながら、鋭意改善を図ってきたところでございます。
予算決算委員会資料につきましても、昨年度の議会からの御指摘を踏まえ、令和8年度当初予算からは、様式の見直しにより各事業の前年度予算額を明記したところでございますが、委員御指摘のとおり、記載内容によってはその事業自体の内容が把握しにくいものがあると認識しております。そこで、タブレットへの資料掲載も進んできましたことから、各事業における情報量の充実や、分かりやすさに配慮した資料作成に努めてまいります。
◆荒川慎太郎 委員 答弁にありましたように、私と村上誠也委員からの複数回の指摘をしたことで、今回から前年度予算額が明記されるようになりました。この改善は非常にありがたく、資料をチェックする際の時間を1日分ほど減らすことができました。この点は非常に評価すべき点であると考えます。
しかしながら、予算決算委員会説明資料においては、前半の項目でお尋ねしたような情報不足による理解や内容把握の妨げや、令和8年度当初予算のポイントに附属する関連資料では、後に触れます物価高騰対策に関する資料の間違い、特にこの点は私から要求した資料との齟齬についてお尋ねしたことから発覚したものであり、執行部自ら気づいての訂正ではございませんでした。
このような点を踏まえて、今後は資料を作成する側の手間ではなく、その資料を見て使用する側の視点に立ち、より明確な資料作成を心がけていただきますようお願いして、次の質疑に移ります。
続いて、防災関連経費についてお尋ねいたします。
私はここ数年、車中泊に関して様々な提案やお尋ねをしてまいりました。その過程において、令和6年9月には民間と大学との連携協定が締結され、昨年11月にはアクアドームでの実証実験が行われました。そして、本年度末までに車中泊避難所の運営マニュアルを策定するということで、今後の運営に向けてようやくスタートラインに立ったと感じられる成果が見られました。ところが、今回の当初予算では、政策局においてマニュアルに基づいて今後車中泊避難所の整備に必要となる事業が確認できません。これはどの事業に含まれているのでしょうか、政策局長にお尋ねします。
◎木櫛謙治 政策局長 令和8年度当初予算に、車中泊避難場所の整備に関する予算は計上しておりません。
◆荒川慎太郎 委員 簡潔な答弁でありましたように、予算計上されていないということで、非常に驚きであります。令和6年第2回定例会で、市長は私の一般質問に対して、車中泊避難等に係る諸課題への対応など、全国の先駆けとなるような事例についても取り組むと答弁されました。また、同年第3回定例会では、山本議員の競輪場に関する質問に対して、災害発災時に車中泊避難ができるための施設等を地域の防災拠点として整備を進めていくこととしていると答弁されています。
そして、昨年の第4回定例会では、政策局長が来年の熊本地震から10年の節目に当たりましては、熊本競輪場で車中泊体験イベントを実施する予定であり、今回の実証の実験知見を生かしていくと答弁されています。
しかしながら、当初予算で政策局における関連事業が確認できないということは、これまで議会答弁で示されてきた方向性との整合性がとれていないのではないでしょうか。それとも、本年度策定するマニュアルの完成をもって事業完了とのお考えでしょうか。以上の点について市長のお考えをお聞かせください。併せて、車中泊避難所運営マニュアルの現状についての報告を政策局長に求めます。
◎大西一史 市長 車中泊避難については、本市と大学、民間企業の連携協定により検討中でございまして、本年度末までのマニュアル策定を目途に進めております。昨年11月にはアクアドーム熊本において実証実験を行ったところでございまして、動画による避難者への説明や、フェーズごとに配信するプッシュ型の誘導が効果的であることなどを確認いたしました。
マニュアル策定後は、訓練等を行いながら随時見直しを行うことが極めて重要と考えておりまして、昨年の第4回定例会においても御答弁申し上げましたとおり、5月に開催いたします熊本競輪場での車中泊体験イベントにおいて、さきに行った実証における知見や改善点について、再度検証することとしております。
なお、答弁との整合性についてでございますが、令和8年度は今回策定するマニュアルやデジタル技術活用の再検証、地域との仕組みづくり等について、連携協定の研究の中で進めていくこととしておりまして、これまで答弁してきましたとおり、車中泊避難の取組を着実に進めていくという考えは変わりません。車中泊避難の取組は、マニュアル完成をもって事業終了というものではございませんので、今後も激甚化・頻発化する自然災害に対する本市の対応力強化に向け、全力で取り組んでまいります。
◎木櫛謙治 政策局長 作成中の車中泊避難マニュアルにつきましては、国が公表している手引きに基づきまして、避難者向けの平時からの事前準備や、発災時に車中泊避難を行うに当たり、とるべき行動や注意事項等について取りまとめているところでございます。マニュアルの策定作業につきましては、3月中の完了に向け最終確認を行っているところでございまして、今後車中泊避難場所についても、条件が整った箇所から指定をしてまいります。
◆荒川慎太郎 委員 質問の中でも申し上げましたように、マニュアルの策定でようやくスタートラインに立ったと言えます。昨年11月の実証実験に関する報告書の中では、デジタル技術を活用した有用性が明確化される中、一方では高齢者などデバイスの操作に不慣れな方への対応という課題も見つかりました。
ところが、この点から、障がいや疾患などにより避難生活に支援が必要な方の中にデジタルへの対応が難しい方を含めるという発想から、従来のように人をトリアージするのではなく、車両単位でトリアージを行うという新しい概念が確立されたとのことです。これは総務省からの手引きなどにも記載されておらず、熊本地震を経験した本市において、震災から10年という重要な節目に、新たな熊本モデルとも言える車中泊支援の仕組みが導き出されたという大きな成果であります。
被災自治体として全国をリードする取組となり得る本事業を、ぜひ着実かつ効率的に進めていただき、いつ起こるか分からない災害に備えた本市の防災力強化を一刻も早く推進していただきたいと思います。
続いて、物価高騰対策に関してお尋ねいたします。
予算決算委員会説明資料の6ページには、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金として、13億500万円が国庫支出金として計上されております。また、予算関連の資料、令和8年度当初予算案のポイントの29ページでは、足元の物価高への対応として、70億3,700万円余りが記載されております。
現在、本市においてはこの物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、市民生活や事業者支援のための施策を実施していると承知しておりますが、なかなかこの交付金に関する取組の全体像が見えづらく、広く認知されていない状況にあるのではないかと懸念されます。そこでお尋ねいたします。
1点目、本市に配分された交付金の総額は幾らでしょうか。
2点目、その交付金を活用して本市が実施している事業の内容について、事業ごとの概要と事業費を併せて御説明ください。
3点目、物価高騰対策はこの交付金だけではなく、他の国庫補助事業なども組み合わせて実施されていると承知しておりますが、その交付金以外の財源を活用して実施している施策について、その内容と事業費を御説明ください。なお、この事業費に係る資料を用意してもらいましたので御参照ください。財政局長、お願いいたします。
◎原口誠二 財政局長 本市に配分されました物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金の交付限度額は、約64億8,000万円となっております。この交付金を活用しました主な事業の活用額は、令和7年度12月補正のプレミアム付商品券発行支援事業として15億円、1月専決処分の住民税非課税世帯等に1万円を給付します令和7年度熊本市物価高騰緊急支援給付金給付事業として12億7,000万円、また、2月補正の社会福祉施設等の光熱水費等の支援として約7億6,000万円、LPガスの利用世帯等に対する支援として約3億8,000万円などとなっております。
また、令和8年度当初予算案におきましては、中学校給食費に係る食材単価の上昇分として約3億円、交通事業会計への運行支援として約9億5,000万円などとなっております。
さらに、この交付金のほか国の経済対策として、12月補正ではこども1人当たり2万円を給付します子育て応援手当給付事業として約27億4,000万円、2月補正の民間の児童育成クラブに対する支援といたしまして90万円などを計上したところでございます。
◆荒川慎太郎 委員 先週の一般質問においても、様々議論が重ねられました物価高騰対策事業につきまして、我が会派の村上麿議員から追加の事業実施について強い要望がありました。この点について、会派内におきましても様々な議論を重ねてまいりましたが、可能な限り公平性を保ち、多くの世帯に支援が行き渡り、申請を必要としないことから、申請主義による取りこぼしもなく、かつ事務コストを抑えることができる取組としては、現在の下水道の普及率が約91%程度であることを鑑みますと、上水道の基本料金を対象とした減免が最も適した施策ではないかという結論に至りました。
御承知のとおり、他都市におきましても水道料金が物価高騰対策として実施されているところであります。そこでお尋ねいたします。
今回の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金の上限額である、残額の約12億4,000万円を上水道基本料金減免に充てるとすれば、1世帯当たり幾らの減免を何か月分実施することが可能か。また、実際に減免措置を行うまでにどの程度の期間と費用を要するのか。そして、この減免措置によりどれだけの世帯をカバーすることができるのか、上下水道事業管理者にお尋ねします。
◎三島健一 上下水道事業管理者 水道料金減免に関するお尋ねに順次お答えいたします。
まず金額についてでございますが、水道の基本料金は用途や口径ごとに価格を設定しております。約70%の御家庭で口径13ミリメートルの水道管が使用され、約27%の御家庭で口径20ミリメートルのものが使用されているという状況でございます。
1世帯当たり1か月の基本料金は、13ミリのものが990円、また20ミリのものが1,364円でございます。また、令和6年度における家庭用の水道基本料金1か月分の調定額総額は、平均で約3億9,000万円でございますことから、3か月分の減免が可能であるところでございます。
次に、減免措置に要する期間と費用についてでありますが、実際に減免を行いますためには料金収納用のシステムを改修する必要があり、改修期間は約半年程度を要し、費用は約1,000万円を見込んでおります。
最後に、対象世帯数についてですが、本市の行政区域内人口に対する水道により給水を受けている人口の割合、いわゆる水道普及率は令和6年度末時点で97%でありまして、水道料金の減免対象となる世帯は約33万4,000世帯でございます。
◆荒川慎太郎 委員 今の答弁を鑑みますと、今回の交付金を活用した物価高騰対策として、可能な限り公平性を保ち、広く市民に行き渡る施策としては上水道基本料金減免が最適であると考えます。システム改修に約半年を要するとのことですが、即改修に着手することで9月の水道料金の検針に間に合わせれば、7月、8月の水道使用の増える時期の料金に対して減免措置をとることが可能となります。
以上の点を踏まえ、この上水道の基本料金減免措置を早期に実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。市長にお尋ねいたします。
◎大西一史 市長 今定例会において、荒川委員をはじめ複数の議員の皆様から物価高騰対策について御指摘があったこと、大変重く受け止めております。プレミアム付き商品券につきましては、購入できた方とできなかった方が生じる結果となり、公平性の面で課題があったものと認識しております。
先日の一般質問の答弁でもお答えしたとおり、今回の物価高騰対策の反省を踏まえ、より公平で分かりやすく市民の皆様にその効果を実感いただける支援策が必要であると考えております。その点、水道基本料金は多くの世帯における固定的かつ必要な費用でございまして、これを減免することは、より広く公平に市民の皆様の御負担の軽減につながるものであること、また申請を必要としないことから、追加支援策として実施したいと考えております。
◆荒川慎太郎 委員 ただいま市長より、我が会派から提案の上水道基本料金減免を追加支援として実施するとの答弁をいただきました。市民生活の負担軽減につながるものとして評価いたします。質問の中でも申し上げたとおり、ぜひ9月の検針に間に合うよう取り組んでいただくと同時に、上水道を利用しない3%の世帯についても何らかの支援策を御検討いただきますよう、併せてお願い申し上げます。
さて、ここで1点、指摘兼要望を申し上げます。
先ほど事業のシステム改修に要する期間が約半年ということでございましたけれども、なぜこんなにも長い時間をかけなければ改修ができないのでしょうか。この水道料金減免という取組は、過去様々な自治体で実施されております。多くは2020年、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を利用して実施されたものですが、多くの都市は制度決定から減免実施まで2~3か月程度の期間しか要していません。
例えば大阪市や堺市では、4月に決定して6月か7月の検針分から実施、仙台市や名古屋市では、5月に決定して7月と8月検針分から実施されています。今回の質疑に関してお尋ねする中で、ほかの自治体と本市とのシステム改修に要する期間の違いについて伺いましたところ、システムエンジニアの人手不足などの要因と、システムそのものの古さも関係しているとのことでした。
料金システムを根本から更新するとなれば、大きな費用がかかるであろうことは容易に想像できますし、資産を有効に活用するという観点からは、長寿命化して使用するという姿勢について理解はいたします。しかしながら、今回のようなケースであったり、通常業務による作業の煩雑さや手間といった課題があるのであれば、長期的な収支も含めて現状のシステムに係るランニングコストと新しいシステムのイニシャルコストとの比較など、早急な検証が必要であると考えます。ぜひ併せて御検討いただきますようお願いいたします。
以上で、自由民主党熊本市議団の総括質疑を終了いたします。
○田中敦朗 委員長 荒川慎太郎委員の質疑は終わりました。
以上で、自由民主党熊本市議団の質疑は終わりました。
次に、熊本自由民主党市議団の質疑を行います。持ち時間は40分となっております。
北川哉委員の質疑を行います。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 皆さん、おはようございます。
熊本自由民主党市議団の北川哉です。予算決算委員会総括質疑に会派の時間をいただき、登壇させていただきます。質疑の機会を与えていただき、ありがとうございます。
それでは、早速ですが質疑に入らせていただきます。
熊本市令和8年度一般会計当初予算案が約4,378億円と、3年連続で過去最大の予算規模となりました。基本方針編成の考え方として、第8次総合計画のビジョンに基づき編成されたとのことでした。重点配分した主な方針は、災害への備えと対応力の強化、総合的なこども施策の推進、交通渋滞対策、公共交通政策の推進、半導体関連企業の集積・支援・対応、産業振興などを財源配分の柱とされたと代表質問で答弁でもありました。
毎年第1回定例会の当初予算の審議となると、頭が痛くなるほど悩まされますが、おおむね理解していると自分に言い聞かせ、詳細、具体的部分を質疑していきます。今年度の質疑に関しましても、昨年の質疑を踏まえて行わせていただきます。
昨年の総括質疑では、扶助費が児童手当給付経費や施設型給付費の増加により41億円増、投資的経費が長寿命化事業や道路予算増により80億円増であることについて質疑いたしました。今年度も扶助費、投資的経費共に約41億円増となっており、歳出構造は大きく変わっていません。その一方で、ビルド・アンド・スクラップの徹底により、新規事業へ重点配分したと説明されています。割合が大きく変わらない中で全体が増額しているのであれば、相当数の事業が廃止、縮小されたと推察いたします。そこでお尋ねいたします。
廃止、縮小された事業の総額とその代表、特筆すべきものの内訳、見直しの判断基準をお示しください。財政局長にお尋ねいたします。
◎原口誠二 財政局長 令和8年度当初予算編成におきまして、これまでに引き続き事務事業の廃止・見直しを行いまして、一般財源ベースで約3億3,000万円を削減したところでございます。その主な内容といたしましては、事業効果検証を踏まえました地方創生移住支援事業の廃止や、民間プール施設の活用による学校プールの将来的な改修費用の削減、またペーパーレス化の推進などでございます。
見直しの明確な判断基準は設定しておりませんが、第8次総合計画に掲げます、目指すまちの姿である上質な生活都市の実現に向けて、各局においてビルド・アンド・スクラップに取り組んでいるところでございます。
◆北川哉 委員 ただいま廃止・見直し事業について、一般財源ベースで約3億3,000万円の削減を行ったとの答弁をいただきました。ビルド・アンド・スクラップにより新規事業へ財源を振り向けること自体は、限られた財源の中で重要な視点であると理解いたします。
一方で、見直しの判断基準について明確な基準を設けていないとの答弁でもありました。今後人口減少や社会保障費の増大などを考えますと、事業効果の検証や優先順位の整理をより一層明確にしていくことが重要であると考えます。第8次総合計画にも掲げる上質な生活都市の実現に向け、単なる削減ではなく、事業の成果や市民ニーズを踏まえた戦略的な予算配分となるよう、引き続き事業の検証と見直しに取り組んでいただくことを要望しておきます。
長年脈々と受け継がれてきたというのは適当ではないかもしれませんが、事業を廃する、見直す苦労は計り知れないものと推察いたします。先日熊本市財政の中期見通し、主要財政指標についての説明にもありましたが、経常収支比率や将来負担比率、実質公債費率と将来への負担や財政構造の弾力性などを考慮しながら、必要・不要を考えていかなければならず、本市財政は厳しいものと思っております。
歳入不足が増加するとなれば、歳出を抑制することも軽減できますが、本市にとって必要なことはもっとあるように思います。一例として、給食費の無償化に伴う予算に関しても、恒久的に必要となる財源でありましたので、捻出しようとされていた苦労は、対策担当部署ができたぐらいですから理解はしております。中学校の給食費無償化を考えた場合、先日の一般質問の答弁でもありました、国の重点支援地方交付金による差配をもってしても、8億7,200万円がかかるとの答弁でした。今回の削減額を全額もってしても捻出できない金額です。
一人の親として、同級生の親御さんからの言葉を代弁しますと、今年小学校を卒業する親としては、中学校に上がって無償化になると思っていたら違った。損した気分になると。無償化ばかりを良しとするものではなく、こどもたちにしっかりとした栄養のある給食を届けてほしいと思う親は多くいますので、応分負担は必要と思っています。しかし、小学校と中学校とくっきり分かれて、それは国の政策でもありますが、この年代の親は少なくとも熊本市お願いしますよという気分になったかと思います。このように、必要と思っている市民もいることをお知らせしておきます。
続きまして、災害への備えと対応力の強化関連予算の全体像についてお尋ねいたします。
重点項目1として、45事業、13億4,000万円が示されています。しかし、市民の命と財産を守る観点からすれば、また豪雨災害は今年も来るかもしれないと考えた場合に、金額、規模共に十分とは言えないと思いました。会派要望でも、今年起こるかもしれない災害に対して、緊急的事項に対して可及的速やかな実行及び検討をお願いしたところでありました。
そこで、まずは令和7年8月豪雨による本市の被害総額をお示しください。河川しゅんせつや堤防かさ上げは県所管部分でもありますが、市として主体的に取り組める内水氾濫対策や雨水貯留、排水能力向上策についてのハード面での対策で、本市独自の水害対策強化策を検討したのか、具体的にお示しください。市長にお尋ねいたします。
◎大西一史 市長 令和7年8月の大雨による本市の被害総額は、昨年10月に開催いたしました第4回災害対策本部会議で取りまとめた時点で、住家及び車両の被害を除き、約81億8,000万円と試算をしております。本市においても、災害への備えと対応力の強化については重点的に取り組むべき課題と認識しておりまして、本年1月には自助への支援策として止水板設置助成制度を新設いたしますとともに、令和8年度には浸水状況の把握に役立つ情報発信の拡充として、ワンコイン浸水センサの設置エリアの拡大などの取り組むこととしております。
また、重点事項に掲げます事業以外にも、内水氾濫へのハード対策として、西区花園・上熊本地区における排水機場の新設や、排水施設の耐水化計画の策定などに取り組むこととしております。さらに、緊急しゅんせつ推進事業債を活用いたしました堆積土砂の撤去費用約3億3,000万円を含む、広域河川や準用河川の治水対策等に約12億8,000万円を計上するなど、これまで以上に浸水被害を軽減するための対策を強化することとしております。引き続き、外水対策を行う県とも連携いたしまして、市民の皆様の安全・安心な暮らしを守る浸水対策に取り組んでまいります。
◆北川哉 委員 令和7年8月豪雨による被害総額が約81億8,000万円との答弁がありました。改めて本市においても大きな被害が発生したことを踏まえますと、災害への備えと対応力の強化は極めて重要な課題であると認識いたします。
当初予算の災害への対応として、昨年の水害を考えた場合の対策が、ソフト面では表出していたが、ハード面の対策は、今回の被害があった地域でない場所の対応に資するものであったと感じました。確かに当初から予定していた事業は、本市災害対策では必要なものであるのは十分に分かります。しかし、令和7年8月の水害に直接遭った者としては、なぜにその対策が出てこないのか不満がありましたし、一緒に水害発災時に対応した仲間や、復旧に泥水をかぶりながら作業した地域の皆様を今年も同じ災禍に遭わせるおそれがあると考えたら、当初予算でのハード面での対策では厳しいと思いました。
昨年8月に被災し、その復旧もまだ終わらない中で、当初予算にハード対策を出せる時間がなかったことも分かります。また、本市災害に対応される各課が一生懸命絞り出して政策を実行していることも分かります。しかし、市民の皆様の安心という観点からは、排水機能の強化や河川改修などハード対策の充実も大変重要と考えます。特に、内水氾濫対策については市として主体的に取り組める部分も多いと考えますので、県との連携も図りながら、排水能力の強化や雨水貯留など、本市独自の水害対策についてもさらなる検討と予算確保をお願いしておきます。
続きまして、当初予算案の歳入予算の内訳の譲与税等についてお尋ねいたします。
令和8年度の市税は1,403億円、前年比65億円増とされています。地方財政においては、自主財源確保が難しい中、譲与税や交付金の算定が極めて重要です。地方特例交付金29億3,100万円、前年比18億300万円増、軽油引取税交付金15億3,200万円、前年比16億4,200万円減、地方消費税交付金224億7,900万円、前年比26億7,300万円増について、増減の要因、国からの提示内容、算出根拠、今後の見通しを具体的にお示しください。財政局長にお尋ねいたします。
◎原口誠二 財政局長 令和8年度当初予算案におきまして、歳入予算のうち譲与税等の算出に当たりましては、年末に国から示されます地方財政対策における各項目の対前年伸び率等を参考としております。このうち軽油引取税交付金につきましては、暫定税率が令和8年4月に廃止予定とされておりますことから、暫定税率分を含め約16億円が減収見込みとなっております。
次に、地方特例交付金につきましては、国の地方財政対策におきまして、ガソリン税暫定税率及び自動車税・軽自動車税の環境性能割の廃止に伴いまして、令和8年度の減収について、地方特例交付金により全額補填される見込みであることを主な理由といたしまして、約18億円の増収を見込んでいるところでございます。また、地方消費税交付金の増収は、地方財政対策の伸び率を参考に算出したところでございます。譲与税等を含めた歳入の算出に当たりましては、引き続き税制改正等の国の動向を注視してまいります。
◆北川哉 委員 譲与税等の算出については、国の地方財政対策の伸び率等を参考に算出しているとの答弁をいただきました。地方税収が増加しているとはいえ、本市の財政運営においては、依然として国の制度や税制改正の影響を大きく受ける構造であることを改めて感じたところであります。特に軽油引取税交付金や地方特例交付金などは、国の制度変更により大きく変動する可能性があるため、今後の税制改正や地方財政制度の動向も十分に注視しながら、安定的な財政運営に努めていただくことを要望しておきます。
続きまして、歳入予算の内訳の市債についてお尋ねいたします。
市債は、前年度比9億4,300万円増となっています。令和4年度以降減少傾向にあった中で増加に転じた要因をお示しください。また、市債残高通常分が前年比132億円増となっていますが、その内訳を教えてください。臨時財政対策債は新規発行ゼロとなり、残高も119億円減少しています。これは元利償還金が地方交付税算入により償還されたと理解してよいのか教えてください。財政局長にお尋ねいたします。
◎原口誠二 財政局長 お尋ねの市債の減少につきましては、ここ数年、臨時財政対策債の発行が減少したことによるものでございます。令和8年度の市債の発行は、令和9年度末に開館予定の公文書館の建設工事着手や、熊本環状連絡道路等の進捗によります国の直轄事業負担金の増、学校施設全体の維持補修経費の増加といった、投資的事業の進捗等に伴い増加しているものでございます。
通常分の市債残高につきましては、令和8年度の市債発行額328億円に対しまして、元金償還は196億円でございまして、差額の132億円が対前年度で増となっております。なお、臨時財政対策債の元利償還額に対しましては、国から全額が地方交付税で措置されており、令和7年度並びに令和8年度は新たな発行をしていないことから、残高が減少しているところでございます。
◆北川哉 委員 市債の増加については、公文書館整備や道路事業、学校施設の維持補修など、投資的事業の進捗によるものとの答弁でありました。都市基盤整備や公共施設の維持更新は、将来の市民生活を支えるために必要な投資であると理解いたします。一方で、市債残高の増加は将来世代の負担にもつながるものであります。起債による償還の増減と、本市の財政的体力を鑑みての考察と、様々な観点からの考えを巡らせていただいていると思います。
臨時財政対策債の発行がゼロとなり、残高が減少している点や、熊本地震分の償還が進むことにより、市債残高としての考え方も、それこそ先ほど申し上げた財政指標を基に考えていくことになると思いますが、今後も投資と財政健全性のバランスを十分に考慮しながら、計画的な市債管理を行っていただくようお願いしておきます。
次に、当初予算案ポイント、主な取組、主催事業の詳細からお尋ねいたします。
教育委員会学校施設課、体育館等空調設備整備としての1億2,190万円について、体育館等への空調設備設置に向け、設計を行う経費と説明があっています。財源内訳、国の制度、起債の種類とその割合や制度開始年度がいつだったのかを教えてください。教育長にお尋ねいたします。
◎遠藤洋路 教育長 体育館等空調設備整備については、令和8年度は中学校、特別支援学校及び高等学校への設置に係る設計を予定しております。財源は地方債であり、起債の種類としては緊急防災・減災事業債を100%充当することとしております。また、この制度は地方交付税措置率が70%となっており、本市の実質負担率は30%となります。
制度の創設は平成23年度で、令和7年度までの時限措置がとられておりましたが、令和12年度まで期間が延長されることとなったため、この制度を活用することとしたものです。体育館等への空調設備設置については、令和6年度に創設された空調設備整備臨時特例交付金の対象にもなりますが、本市の実質負担率が有利な緊急防災・減災事業債の制度を採用することとしたものです。
◆北川哉 委員 体育館等への空調設備整備については、緊急防災・減災事業債を活用することで、本市の実質負担率が30%となる制度を活用するとの答弁でありました。今回、この質問をした1つの理由としては、令和6年度に創設された空調設備整備臨時特例交付金があったのに、なぜ、昨年度に空調整備に着手できなかったのかと思ったところもあります。対象となったが、本市の実質負担率が有利な緊急防災減災事業債の制度を採用することとしたとの答弁で理解いたしました。
近年の猛暑を考えますと、学校体育館は災害時の避難所としての機能を担う重要な施設であり、空調設備の整備は児童・生徒の安全確保と防災の観点からも必要な取組であると考えます。今回の設計を契機として、整備の優先順位や整備スケジュールを明確にしながら、可能な限り早期に整備が進むよう取り組んでいただくことを要望しておきます。
続きまして、政策局庁舎建設課、新庁舎整備関連経費として5億2,760万円が計上されています。内容としては、基本設計等に要する経費と市民への情報発信及び意見聴取等に要する経費とされています。新庁舎の概算工事費が基本構想時の2倍超に増えるとの試算に関し、必要な床面積について改めて精査を検討したいと市長も述べている中で、私は市民の方々に対して、基本設計に進む当初予算を認めるための説明が、現段階では大変難しいと思っております。
代表質問等で答弁があって、専門家会議を開催して、建設費等についての再精査を行うとのことでありましたが、基本設計に進むとされている令和8年度のこの予算は、基本計画、基本設計、実施設計までを一括契約として、合併推進債を活用するための議決をしたとはいえ、その経過経過で議論と議決を継続するとのことで賛成した経緯もありますので、専門家会議が行われ、概算工事費等の減額が見込まれ、市民の声が納得できる形にならなければ厳しいのではないかと思っております。
基本計画の示しがあっての基本設計のための予算ではあると思いますが、今回の予算を認めるための説明ができるお考えをお聞きしたいと思います。市長にお尋ねいたします。
◎大西一史 市長 新庁舎整備の設計関連業務につきましては、合併推進債を活用するために令和6年度の9月補正予算において、令和6年度~令和9年度までを期間とする債務負担行為を計上し、その予算に基づき基本計画、基本設計、実施設計に係る業務を一括して契約締結いたしました。
当該契約では、令和7年度~令和9年度までの各年度の支払い予定額が定められておりまして、予算の手続上、令和8年度分の支払い予定額を当初予算で計上する必要がございます。当該債務負担行為を議決いただいた際に御説明申し上げましたとおり、基本計画、基本設計、実施設計と、それぞれの検討段階に応じて議会に御審議をいただきながら進めていくこととしておりまして、令和8年度は専門家による検証や新庁舎の必要面積の精査など基本計画の内容に関する検討を継続いたしまして、その結果を反映した上で素案として取りまとめていきたいと考えております。
また、市民の皆様に対しても基本計画の素案を取りまとめた段階で説明会等を開催いたしまして、丁寧かつ分かりやすい説明を行ってまいりたいと考えております。
これらの取組を通じまして、議会はもとより、市民の皆様の御理解を得た上で、基本計画を策定し、基本設計に着手する予定でございますが、冒頭に御説明申し上げましたとおり、予算の手続上は令和8年度当初予算で基本設計に係る予算を計上する必要があるため、その点については御理解をいただきたいと思います。
◆北川哉 委員 新庁舎整備については、既に債務負担行為に基づく契約が締結されており、予算手続上、令和8年度分を当初予算に計上する必要があるとの答弁でありました。一方で、概算工事費の増加などにより、市民の皆様の関心や懸念も非常に高まっている事業であると思います。そのため、専門家会議による検証や必要面積の精査などを通じて、事業費の適正化を図るとともに、市民の皆様に対しても丁寧で分かりやすい説明を行っていくことが重要であると考えます。
本日は前段で財政の健全性や交付金について、市債について、起債・償還に関することなどを質問してきました。新庁舎整備についても、この前言したことが大変重要になってきます。そして、そこには将来に対して必要性がどれほどあるのかの説明が大変重要になってくると思っています。
先日齊藤議員から、市債残高についての上限の設定の質問がありました。私はこの質問に対して非常に同意することが多く、内容としてもですが、将来世代に過度な負担を残さない持続可能な計画となるよう、丁寧な議論を進めていくことを強く求めるとの御意見にも賛同するところでした。様々な観点からも、今後前段で述べたように、都市基盤整備や公共施設の維持更新は、将来の市民生活を支えるために必要な投資となります。起債を起こして事業をしなければならないこともあり、この設定を基に逆算して考えていくことが重要と思います。
市民への説明としても、例えば合併推進債は地方債充当率が90%、元利償還時の交付税措置率が50%、償還期限を20年と設定した場合に、事業費がこれだから将来に償還、返していくのは毎年これぐらいになりますと。そこは市債残高を見て、毎年これだけ償還返済を行っていても、これからは市債残高も臨時財政対策債の元利償還額に対して、国から全額が地方交付税で措置されて減っていきます。熊本地震での債務も減っていきます。新庁舎建設以外での事業も行いますので、新庁舎整備も必要ですので御理解いただきたいとか、少し分かりやすい説明をしていくことも重要かと思います。
財政指標が国に財政再建を求められる基準を下回り、健全に推移するとの説明を受けても、財政指標がどういったものか丁寧に説明していく必要があり、簡単に理解してもらえるとは思えません。今まで前述の説明はしてきてあると思いますが、分かりにくかったら理解は得られないと思います。今後の各段階での議論をしっかり行いながら、市民の理解を得られる形の説明を行っていただきたいと思います。
続きまして、当初予算案のポイント、主な廃止・見直し事業からお尋ねいたします。
廃止や見直しの理由としては、より効果の高い事業への転換によるものや、社会情勢、市民ニーズの変化、事業完了、他の既存事業との統合によるものもあります。そこで、3点の見直し事業に関してお尋ねいたします。
ごみカレンダー作成経費の見直しについて、対前年削減額が857万6,000円となっていて、事業の内容見直しによる削減とありますが、なぜに削減となったのか、また削減できたのか、詳細を教えてください。
体育施設窓口一元化経費の見直しについて、対前年削減額が1,642万5,000円となっていて、事業の見直しによる削減とありますが、窓口一元化経費は委託契約等があり予算立てされていたように思います。なぜに削減となったのか、詳細を教えてください。
教職員人材確保推進経費の見直しについて、対前年削減額が520万円となっていて、事業の見直しによる削減とあります。教職員の人員不足が叫ばれていて、学校によっては未配置の学校もあると聞いております。教職員配置の現状や不足している中でなぜに経費が削減されたのか、詳細を教えてください。
以上3点を、環境局長、経済観光局長、教育長にお尋ねいたします。
◎村上慎一 環境局長 私からは、ごみカレンダー作成経費に関する御質問にお答えいたします。
本市では、ごみカレンダーからアプリへの移行を推進しておりますけれども、アプリの利用が難しい方への周知啓発のためのごみカレンダーの作成も必要であると考えております。このような中、令和8年度当初予算におきましては、令和9年10月からのごみ収集体制の再編に合わせまして、現行の冊子のタイプのごみカレンダーを1枚ものなどに見直すことといたしました。なお、この見直しによりまして、ごみカレンダーの配布を担っていただいております自治会の皆様などの負担軽減にもつながるものと考えております。
◎黒木善一 経済観光局長 私からは、体育施設窓口一元化経費の見直し内容についてお答え申し上げます。
本市のスポーツ施設の予約につきましては、令和6年11月まで県市共同で熊本県・市町村公共施設予約システムを利用しておりましたが、令和6年12月からキャッシュレス決済等にも対応可能な、本市独自の熊本市公共施設予約システムの運用を新たに開始したところでございます。
これまで予約システムのコールセンターや運用支援業務につきましては、民間事業者へ業務委託をしておりまして、令和7年度予算においても同様の経費を確保しておりました。しかしながら、当該委託業務の入札が不調となり、この業務につきましてはスポーツ振興課で職員及び会計年度任用職員による運用に改めたことによりまして、予算が減額となったものでございます。
◎遠藤洋路 教育長 教職員人材確保推進経費については、本市の教員となる志望動機を高めることを目的とした大学生学校教育活動アシスタント事業として実施してきましたが、参加者のうち翌年度に本市の教員採用試験を志願したのは、昨年度が40%、本年度が28%に留まり、教員採用への効果は限定的であったため、事業を見直すこととしたものです。
一方で、教員免許を保有しているものの、教員現場で勤務していないペーパーティーチャーを対象に一昨年度講習会を開催したところ、51名の参加がありましたが、これまで本市の臨時的任用教員等になった方は2名となっております。教員としての勤務を希望しない要因としては、いきなり教壇に立つことへの不安を挙げる方が多くありました。そのため、来年度は学校のアシスタントとして一定期間活動して、自信を深めてもらった上で臨時的任用教員等としての採用につなげる、ペーパーティーチャーアシスタント事業の実施を予定しております。
大学生学校教育活動アシスタントは、1人当たり15週間配置しましたが、ペーパーティーチャーアシスタントは1人当たり4週間の配置後に教員として採用することを想定しているため、予算規模は520万円の減額となっております。
◆北川哉 委員 3つの見直し事業について、それぞれ御説明いただきました。ごみカレンダーについてはアプリへの移行や配布方法の見直しによる経費削減とのことであり、デジタル化の推進と自治会の負担軽減という点での一定の効果も出ると理解いたしました。良い方向へ対応できていて、経費削減になっている良い事例と思いました。
体育施設窓口一元化経費については、入札不調による委託業務の見直しにより、職員による運用へ変更されたとのことであり、一見すると委託業務より職員さんによる業務をした方が費用がかかっていないならば、委託しない方がいいのではないかとなってしまいます。しかし、今回の経費には職員の人件費等は計上されていないため、費用は多くかかっていると推察いたします。体育施設窓口一元化については、経費もそうですが、業務負担軽減も考えられての施策と思いますので、今後とも検討をお願いします。
教職員人材確保については、事業効果を検証した上で新たなペーパーティーチャーアシスタント事業へ見直すとのことであり、教員不足が課題となる中、より実効性の高い取組となることを期待しております。教員不足が叫ばれていて、学校によっては未配置の学校もあると聞いていると質問で述べましたが、現場は大変な窮状にあると思います。欠員となった学校では、担任に管理職が入ることになり、管理職業務が滞ることになっているように思います。またその現場に直面したこともあります。
今回の事業も大事と思いましたが、例えば臨時採用教員の短時間勤務などの午前中だけ、午後だけの勤務としていただくといったような臨時採用教員の対応をとっていただいたら、勤務できる先生がいるのではないかとのお話も聞いたことがあります。様々な面で対応を必要とする教職員人材確保だと思いますので、御検討をお願いします。今後も事業の成果や市民ニーズを踏まえながら、必要な事業には重点的に財源を配分し、効果の低い事業については柔軟に見直ししていくという姿勢を継続していただきたいと思います。
最後の質問になります。
消費税率引上げと本市の社会保障に関する取組の資料についてお尋ねいたします。
この資料を今年度説明資料に入れた意図を教えてください。これは国の方策とも関係がありますでしょうか。財政局長にお尋ねいたします。
◎原口誠二 財政局長 お尋ねの令和8年度当初予算案のポイントの、消費税に関する資料につきましては、平成26年の消費税率の引上げ以降市のホームページで公表していたものでございまして、今回は予算関係資料の分かりやすさの観点から、ポイント資料の一部として掲載したものでございます。
◆北川哉 委員 消費税率の引上げと社会保障の関係についての資料については、市民の皆様に対して財源の使途を分かりやすく説明する観点から掲載されたとの答弁でありました。今まで、今回の資料を見たことがなかった私の見落としでございました。昨今の選挙等の争点として消費税が挙がっているので、国から説明資料を添付しなさいと指示があったのかと考えてしまいました。
消費税は、社会保障財源として重要な役割を担っている一方で、市民生活への影響も大きい税であります。そのため、消費税財源がどのように社会保障施策に活用されているのかを分かりやすく示すことは、市民理解を得る上で重要であると考えます。今後も市民の皆様に対して、財政状況や予算の使い道を分かりやすく示す資料作りに努めていただくことを要望しておきます。
以上で、私の通告した質疑は全て終わりました。今回も真に市民の皆様が必要としているものは何なのかを考えながら、令和8年度に執行される予算は本当にこれでいいのかと読み解きながら、悩みながら出てきた疑問を質疑させていただきました。まだまだ読み取れていない部分が多くあると思いますが、そこは予算成立後も精査し、令和8年度の市政運営を通して質問させていただきたいと思います。
真摯にお答えいただいた執行部の皆様に感謝を申し上げます。また、今回の質疑では私の不注意のけがにより登壇が危ぶまれ、委員長はじめ議会局の皆様に御迷惑、御心配をおかけしました。何とか終わりました。ありがとうございました。
続きまして、私1人の総括質疑では心もとないと、今回も登壇を買っていただいた松本委員に質疑のバトンをつなぎます。
御清聴ありがとうございました。
○田中敦朗 委員長 北川哉委員の質疑は終わりました。
質疑の途中ではありますが、この際、議事の都合により休憩いたします。
13時に再開いたします。
午前11時56分 休憩
───────────
午後 1時00分 再開
○田中敦朗 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質疑を続行いたします。
熊本自由民主党市議団、松本幸隆委員の質疑を行います。
〔松本幸隆委員 登壇〕
◆松本幸隆 委員 熊本自由民主党市議団の2番手、午前中質問できるかと思ってどきどきして待っておりましたが、どきどきのままお昼を迎えて、お昼御飯の味はあまり覚えていない松本幸隆でございます。
私からは2点質問させていただきます。
まず1点目、予算決算委員会説明資料211ページ、主要事業の詳細25ページの障がい者雇用促進経費についてお尋ねいたします。
本経費は、当初予算のポイント16ページにも上げられており、令和7年度に引き続き拡充となっております。本市は令和6年12月18日に、ハローワーク熊本と市内の民間企業による障がい者雇用を後押しするために、障がい者雇用の推進に関する連携協定を結ばれました。自治体とハローワークが障がい者雇用に特化した協定を結ぶのは九州初ということで、先進的な取組と評価をしております。
2024年4月の障害者雇用促進法の改正にて、民間企業の障がい者雇用法定雇用率は2.5%に引き上げられております。対象事業所の範囲が拡大し、従業員40人以上の雇用事業主は障がい者を1人以上雇用しなければならず、未達成の企業は納付金を徴収されます。熊本市内の法定雇用率を達成している企業の割合は、2023年の調査では52%に留まっている状況です。私も対象企業の雇用主の方々とお話しする機会があり、雇用状況の話をしますと、障がい者雇用にはあまり前向きではなく、納付金を払っていればいいかなというような状況でございました。
その中で、本市の障がい者雇用促進事業のこれまでの実績、今後の課題、直近の雇用率を達成している企業の推移、そして本年度は拡充の中で超短時間雇用アプリの制作費が上げられておりますが、内容を詳しく教えてください。
また、2026年7月にはさらに雇用率は2.7%に引き上げられるとともに、対象事業所の範囲も従業員37.5人以上に拡大されます。仮に雇用率を達成している企業が増加していても、分母が大きくなり、雇用率を達成している企業の割合は数字的には低くなると考えられます。そこで、本市としての今後の雇用促進や法定雇用率達成割合アップに対しての事業内容をお示しください。また、目標達成割合などありましたら併せて答弁をお願いいたします。健康福祉局長、お願いいたします。
◎林将孝 健康福祉局長 障がい者雇用に関するお尋ねにつきましてお答えいたします。
本市はハローワーク熊本との連携協定に基づき、セミナーの開催等を通じて企業への理解促進を図るとともに、求職者に対する就職支援を行うなど、障がい者雇用の促進に向けた取組を進めております。
市内の法定雇用率達成企業の割合は、令和6年4月の法定雇用率引上げ等の影響により一時的に低下しており、令和8年7月にも、さらなる引上げ等が予定されておりますことから、障がい者の就労機会を確保するためには、企業への働きかけや就職後の職場定着を含む総合的な支援の充実が必要と考えております。
こうした状況を踏まえ、令和8年2月に熊本県中小企業家同友会と連携協定を締結し、会員企業への理解促進や情報共有に加え、障がい者雇用に関する研修会等を実施することにより、経営者をはじめとする企業内の意識改革を促すとともに、障がい者の就労機会の拡大に取り組むこととしております。さらに、本市では今後短時間勤務の雇用を希望する企業と求職者をつなぐアプリを制作し、障がいのある方にとって働く第一歩として活用いただくことで、将来的な勤務時間の拡大につなげるとともに、求人を通じて企業内における障がいへの理解を深めてまいります。
これらの取組を着実に進めることにより、障がいのある方が安心して働き続けることができる社会の実現を目指すとともに、熊本市内の法定雇用率達成企業の割合を令和13年度までに70%とすることを目指し、今後も関係機関や企業・団体と連携しながら、障がい者雇用の取組を推進してまいります。
◆松本幸隆 委員 御答弁ありがとうございました。障がい者雇用は、障がいのある方が地域の中で役割を持ち、社会に参加していくための重要な取組です。また、福祉政策に留まらず、人材不足が深刻化する本市経済にとっても重要な労働力確保でもございます。
先日、障がい者雇用に携わる企業の方と、障がい者雇用についてお話しする機会がありました。障がい者の方々は脇目も振らず一生懸命業務をこなされているとお話をお聞きしたところでございました。本事業は、社会的包摂の実現と地域経済の活性化を両立させる観点から重要な事業と考えられますので、今後も引き続き本市の障がい者雇用促進に努めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
続きまして、予算決算委員会説明資料390ページ、主要事業の詳細47ページ、農業基盤整備事業についてお尋ねいたします。
本事業も、令和8年度当初予算のポイント13ページにも上げられております。
農業基盤整備事業は、前年度予算約6億6,600万円に対して、本年度予算は約5億8,800万円と減額計上されております。恐らく事業として、要望に対しての用水路や農道等の整備など、事業量が追いついていないのが現状だと思います。特に近年は資材価格の高騰、工事費の高騰、異常気象の頻発化など、農業を取り巻く環境は一層厳しさを増しております。
排水路の整備は単なる農業施策ではなく、豪雨時の浸水被害軽減にもつながる重要な防災機能を担っております。近年の豪雨災害を踏まえ、今回の減額が防災力低下につながる懸念があると考えられると思いますし、先だっての8月豪雨災害においても相当な被害があったかと思います。その中で本市の農業基盤整備事業の、今回の予算減額の主な理由をお示しください。また、要望量全体額に対しての令和7年度の工事発注率、残事業量など直近のデータをお示しください。農水局長、お願いいたします。
◎野島昌浩 農水局長 農業基盤整備事業は、国や県の補助事業を活用できない比較的小規模な排水路や農道の整備を行うための市単独事業であり、予算上は耕地費に位置づけている事業の一つでございます。
この耕地費は、本事業のほか国や県の補助により大規模な基盤整備を行う県営事業、団体営事業など複数の事業が含まれており、各事業の予算案は補助事業を積極的に活用し、その効果を最大限に発揮させるとの観点から、毎年県営事業、団体営事業を優先した上で、全体のバランスを調整し決定しております。
委員お尋ねの農業基盤整備事業費の令和8年度予算案が減額となっている理由は、県営事業、団体営事業において事業量の増加に伴い、前年度以上の予算措置が必要になったことから、その増額分を耕地費内の他の事業で調整したことによるものです。なお、農業基盤整備事業は、農業現場からの要望が大きいことを踏まえ、令和6年度から強化しており、令和8年度予算案は全年度よりは減額しているものの、令和5年度と比較すると1億2,000万円の増額となっております。
次に、水路・農道に関する要望量は、昨年度末時点で水路整備が228件、農道整備が25件となっており、これら全ての整備に係る事業費を積み上げると、現時点で65億円を見込んでおります。要望量全体額に対する昨年度の発注工事費は8%に留まっております。また、現在抱えている要望額を本年度の予算規模で試算した場合、全ての整備を完了するまでには13年を要する見込みとなっております。今後も地域における細かなニーズについて地元関係者と丁寧に協議を進めながら、緊急度や重要度を踏まえできるだけ迅速に対応してまいります。
◆松本幸隆 委員 御答弁ありがとうございました。減額となっている理由は、県営事業等において事業量の増加に伴い、前年度以上の予算措置が必要になったことから、その増額分を耕地費内の他の事業で調整し、優先した上で、全体のバランスにおいて調整しているとのことですが、要望量全体額に対する昨年度の発注工事費は8%に留まっており、現在抱えている要望額を本年度の予算規模で試算した場合、全ての整備を完了するまでには13年を要する見込みと、気が遠くなる状況です。
私の地域の現状でも全体的に整備が手付かずになっており、水路や堰の土台は至るところで損壊しており、足場が悪くなり、約100か所ある堰に堰板をする際は、重い堰板を2人で持ち作業をしなくてはならず、かなりの労働力と生産者の方々からお聞きしております。水路に至っても、まさしく主要事業の詳細47ページの下部にあるイメージ、整備前の図同様の状態が多々ありました。令和7年度から残事業量が減少しているものの、昨今の資材高騰、工事費の高騰で今後の残事業量の減少に影響が出ると危惧します。
松川議員の一般質問の中でもありましたとおり、農業は守りでなく投資です。今後のさらなる厳しい状況に向けて予算対応していただきますようお願いしまして、質問を終わります。質問に当たり、真摯に対応いただきました執行部の皆様、ありがとうございました。
以上で熊本自由民主党市議団の総括質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○田中敦朗 委員長 松本幸隆委員の質疑は終わりました。
以上で、熊本自由民主党市議団の質疑は終わりました。
次に、公明党熊本市議団の質疑を行います。
持ち時間は35分となっております。
まず、吉田健一委員の質疑を行います。
〔吉田健一委員 登壇〕
◆吉田健一 委員 皆さん、こんにちは。公明党熊本市議団の吉田健一です。会派を代表して質疑に立たさせていただきます。
今回の質疑は、私と木庭委員、フレッシュでスマートな若手2人で臨みたいと思います。大西市長はじめ執行部の皆様、何とぞよろしくお願いいたします。
まず、大西市長におかれましては、我が公明党市議団が掲げる政策要望、さらには市民から寄せられた切実な陳情に対し、御理解と御協力を賜っておりますことに御礼申し上げます。特に学校体育館へのエアコン設置、学校給食の無償化、保育施設利用料における法定代理受領方式の導入、不妊治療における先進利用への支援などの施策が具現化されたこと、大変うれしく思っております。これらは我々が粘り強く訴え続けてきた思いをくみ取っていただいたものであり、高く評価する次第です。
私個人としても、さきの補正予算において採択されましたトイレカーの導入につきましても、昨年6月の一般質問からわずか半年で、また来年度予算を待たずして実現になったこと、大きな喜びであり、この場をおかりして感謝を申し上げます。
そこで、1点目の項目であります視覚障害生活訓練等指導者養成事業について伺います。
視覚障がい者の自立と社会参加において、文字どおり杖とも目ともなる専門職が歩行訓練士です。他都市が複数名の確保ができている中、本市において専任で活動していただいている訓練士は長年ゼロという、極めて遺憾な状況が続いてまいりました。この問題については、以前私も一般質問で問題提起させていただいており、昨年齊藤博議員も質問で取り上げられておられました。
また、これまで幾度となく単独での確保を強く要望しており、今回ようやく予算化に至ったことについて、大変うれしく、また大きな期待を寄せておりました。しかし、今回事業の概要について担当課に確認していく中で、私は幾つかの懸念を持ちましたので、数点お尋ねしてまいります。
まずは本事業の委託手法について、準備した資料1に基づいて伺います。1点目に、歩行訓練士による支援には、歩行訓練、日常生活、コミュニケーションという3領域の不可分な連携が必要であります。現在、県内には歩行訓練士が3名しか在籍しておらず、そのうちの1名が在籍し、熊本県が業務を委託している熊本県視覚障がい者福祉協会に本市も業務委託を行うことで、当事者の方に対する支援を行っております。
しかしながら、資料1を御覧いただければ分かりますとおり、本市がこれまで委託してきた同協会の訓練士は、県の業務を担っていることから、本市でのこの3領域を完結できず、実際には民間機関に所属する訓練士の献身的な支援によって、かろうじてその機能が維持されてきたという現実があります。それでもなお、いまだに歩行訓練の受講を待っておられる方が20名程度いらっしゃる状況となっております。このような状況を踏まえ、今回の事業では新たに専任の歩行訓練士1名を育成し、これらの支援をさらに推進していくこととされたものであります。
歩行訓練士を育成するためには2年もの期間を要することとなりますので、1日でも早く取組を開始することや、事業の目的そのものについては私としても全くもって賛同するところではありますが、先ほども述べましたように、現在熊本県視覚障がい者福祉協会や民間機関等に計3名の歩行訓練士がおられ、これまで連携・協力しながら取り組まれてきた経緯を勘案すると、今回の事業の相手方選定については、プロポーザル等の公平・公正で競争性のある手法で検討すべきと考えますが、健康福祉局長の見解をお伺いします。
◎林将孝 健康福祉局長 歩行訓練士は、視覚障がい者の移動、生活、コミュニケーションを支援する高度な専門職であり、安全確保や心理面への配慮も含め、個々の特性に応じた訓練をできることが求められます。このため、本養成事業の委託先につきましても、一定期間にわたる生活訓練事業の実績や専任の歩行訓練士の配置といった客観的な要件を備えている必要があると考えております。
このような歩行訓練士の専門性や受託者に求められる要件を踏まえまして、委託先の選定に当たってはプロポーザル方式を含め、透明性と公正性の高い手法により実施してまいります。
◆吉田健一 委員 続けて、歩行訓練士の処遇と今後の進め方について伺います。
皆様は、歩行訓練士の労働条件、処遇が極めて厳しい現状を御存じでしょうか。現在業界内でバランスをとりつつ、支え合いながら歩行訓練士としての職を維持してこられたというのが実情であります。今回、新たな歩行訓練士を育成していくことになりますが、その後の処遇も含め、今後の継続した人材の維持についてのお考えがあればお示しください。
また、これからゼロから人材を育成し、2年後の活動開始を待つという気の長い計画でもありますので、今この瞬間、支援を必要としている市民を救うことはできません。全国に点在する有資格者の公募、採用という、より即効性の高い選択肢は検討されなかったのでしょうか。併せて、今回の予算によって養成される新たな歩行訓練士の立ち位置についてですが、新たに育成する歩行訓練士は、当然ながら熊本市民に特化して支援を行うための専属的な存在という認識で相違ないのでしょうか。市民にとってどのような恩恵が生まれるのか、もしくは課題が解消されるのか、具体的な見通しも含めお示しください。
さらに、市独自の訓練士が確保された後も、既存の県または現在の歩行訓練士の委託関係は継続されるのか。2年後の体制についても併せて健康福祉局長にお伺いします。
◎林将孝 健康福祉局長 歩行訓練士の処遇と今後の進め方に関するお尋ねにつきましてお答えいたします。
本市といたしましても、歩行訓練士の人材を維持するためには、専門性に見合った適正な処遇と安定的な就労環境の確保が重要であると考えております。また、歩行訓練士の養成機関による調査では、全国の視覚障がい者約27万人に対して実働している歩行訓練士が約200名と、全国的に不足しており、このような現状を踏まえ、有資格者の公募による採用ではなく、市独自に養成する必要があると判断いたしました。
本事業により養成する歩行訓練士は、主として熊本市に在住する視覚障がい者の支援を担当する人材として位置づける予定でございます。この養成により、令和10年度以降は段階的に歩行訓練の受講者の待機期間が短縮され、令和13年度には受講待機者を解消できるものと見込んでおります。
今後も熊本県視覚障がい者福祉協会へ歩行訓練の委託は継続する方針であり、歩行訓練士の養成後につきましては、各所属団体とも協議を重ねながら、視覚障がい者に寄り添ったよりよい支援体制を構築してまいりたいと考えております。
◆吉田健一 委員 担当局長に数点確認させていただいた上で、最後に大西市長に伺います。
先ほども述べたとおり、歩行訓練士の育成には2年もの期間を要します。そのような間にも支援を待っている当事者の方々が大勢いらっしゃることを考えると、私は何らかの対策が必要ではないかと考えます。今後どのような委託形態になるか分かりませんが、冒頭にも述べたとおり、県内には3名の歩行訓練士がおられ、熊本県視覚障がい者福祉協会をはじめ、これまで連携協力しながら支援に取り組んでこられた実績のある訓練士が在籍されている機関もあります。
これまでの実績を考えると、このような機関に御協力いただきながら、当事者の皆様に対する支援に対応していくことも必要ではないかと考える次第です。この点に関して、熊本県視覚障がい者福祉協会の理事を長年務められてこられた大西市長に御見解をお伺いします。
◎大西一史 市長 御指摘のとおり、歩行訓練の受講を待っておられる視覚障がい者の方々がいらっしゃることは課題であると認識しておりまして、歩行訓練士の養成期間中においても、その解消に向けた取組が必要であると考えております。熊本県視覚障がい者福祉協会に限らず、視覚障がい者への支援に取り組んでいる団体とも連携を図りながら、歩行訓練、日常生活訓練、コミュニケーション訓練の3領域に係る支援の充実に努めてまいりたいと考えております。
◆吉田健一 委員 大西市長、ありがとうございます。ぜひ視覚障がい者の皆様が必要としているさらなる支援をお願いいたします。
そこで、併せて1点、今後しっかりとした検証を要望しておきます。本市において、平成18年から長年県に委託または支援金を出しておりましたが、これまで一度も講座や訓練の現場に赴かず、検証をなされてこなかったことが改めて判明しました。また、資料1にありますとおり、歩行訓練の実績が年間25回、7名の方が受講とありますが、年間の実施件数がこれでいいのか、内容も含め疑問に残ります。
この現状の中、これまでどおりの県への委託、支援金を出すのであれば、本市が現場を把握していないのは問題視するところであり、また委託先である県には改善を要望すべきかと思います。冒頭、大西市長へこれまでの要望をくみ取っていただき、様々施策、予算に反映してくださったことに対して感謝を申し上げました。本件においてもぜひ早急な支援策と改善を強くお願い申し上げ、次の項目に移らせていただきます。
次に、主要事業の詳細54ページ、空家等対策事業から、喫緊の国家課題である空き家対策について伺います。
先日の代表質問においても寺本議員が、また本日午前中も日隈委員が取り上げておられましたが、私もまた、本市の住環境を守るべくこの空き家問題に継続して取り組んでまいりました。令和8年度予算案には空家予防対策事業として拡充予算が計上されており、その方向性は高く評価するものです。しかし、実効性のある施策を推進する上で避けて通れないのが、現状把握の制度です。
資料2を御覧ください。これは本市の第2次空家等対策計画から抜粋したものですが、示されている数値は、平成30年の実態調査及び令和4年の追跡調査に基づく推計値でとどまっております。直近でも4年前のデータであり、令和に入ってからは現場における実態調査が行われていないのが現状です。令和6年4月には、相続登記の義務化や空き家放置に対する罰則強化を柱とする法改正が施行され、所有者の明確化に向けた法的枠組みが大きく変化しました。
今後より踏み込んだ施策を展開するためには、数だけに留まらず、空き家となった原因や活用されない理由など、エビデンスに基づいた計画策定を行っていくべきです。本市としてより実態を踏まえた空き家対策へとかじを切るべきと考えますが、調査に関する他都市の動向、そして今後の実施に向けた所見を都市建設局長に伺います。
◎上野幸威 都市建設局長 空き家の実態調査としましては、総務省が5年に1度実施する住宅・土地統計調査において、空き家についても集計の対象となっており、自治体ごとに空き家数及び空き家率が公表されております。さらなる詳細の調査に当たり、他都市における手法や周期は様々でございますが、本市では平成30年に老朽化の状況をはじめとする実態調査を行い、さらに令和4年にその追跡調査や水道閉栓数による推計値を算出し、空家対策事業の施策立案や見直しの根拠としてまいりました。
空き家対策の推進には、委員御指摘のとおり、空き家の増減を含めた状況把握と併せまして、発生要因や管理状況、流通に際する課題等を把握することが重要であるため、今後も効果的な調査内容や手法を検討してまいります。
◆吉田健一 委員 都市建設局長より実態調査を検討するとの御答弁を頂戴しました。前向きな答弁に感謝しつつ、一日も早い調査を必ず実施してください。空き家バンク事業を行っている本市としては、実態が把握できていないのは、法改正を受けた現状としてもつり合わない状況かと思いますので、ぜひとも早期実施をよろしくお願いいたします。
続きまして、主要事業の詳細71ページ、新規事業予算として計上されております手荷物配送サービス経費について伺います。
本事業は、宿泊税を財源とした新たな観光施策であり、私自身、本市の観光利便性を飛躍的に高める一手になり得ると強い関心をしております。インバウンド客のみならず、国内旅行者にとってもその恩恵は大きいです。まずは本事業への理解を深めるべく、我々が旅行者になったと仮定した場合の具体的な利用イメージについて、交通事業管理者の所見を伺います。
◎井芹和哉 交通事業管理者 本事業は、手荷物配送サービスと市電1日乗車券をセット販売するものであり、宿泊税を活用することで低額な価格設定としております。具体的な利用イメージとしましては、熊本駅到着後、受付窓口で料金を支払い、キャリーケースなど手荷物を預けると同時に、市電1日乗車券を受け取っていただきます。手荷物は受付時に聴取した宿泊施設へ配送され、利用者はそのまま手ぶらで市内観光地を訪問していただくことができ、移動においては市電に乗り放題という流れでございます。また、観光最終日の宿泊施設から熊本駅への手荷物配送もサービスの対象でございます。
◆吉田健一 委員 御説明ありがとうございました。手ぶらで観光を楽しめるという付加価値は、快適な旅を実現する上で画竜点睛とも言うべき極めて重要な要素です。本事業を確実に成功へと導くため、懸念事項を含めた数点の提言させていただきます。
1点目に、玄関口となる熊本駅の管理者であるJR九州との連携及び場所の確保や許可状況は、現在どのような進捗でしょうか。
2点目に、窓口での受付に留まらず、オンラインによる事前予約システムを構築すべきではないでしょうか。情報化社会において、旅行者の時間は極めて貴重です。本来の目的である市電1日乗車券の販売促進にも相乗効果をもたらすと確信します。
3点目に、昨今の運送業界は深刻な人手不足や物価高騰に直面し、経営環境が厳しい状況下にあります。このような中、民間企業が参入意欲を高められるよう、行政側が環境整備を行うべきです。例えば、配送先となるホテルや旅館との調整、連絡システムの構築などは、あらかじめ本市が主導してトスアップしておく必要があります。交通局のみならず、旅館組合等との太いパイプを持つ経済観光局が横断的に関与し、既存の災害時協定なども活用しながら体制を構築すべきと考えますが、いかがでしょうか。
4点目に、手荷物配送は既に大手民間企業が展開しているサービスでもあります。それら既存サービスに対し、本市が実施する独自性や意義、差別化のポイント、さらには先行する他都市の事例をどう分析されているのか、併せてお示しください。
以上、交通事業管理者及び経済観光局長に伺います。
◎黒木善一 経済観光局長 私からは、本事業におきます行政の関与についてお答え申し上げます。
本市では、キャリーケースなどの手荷物を保有した外国人旅行者の影響によります市電の混雑が課題と認識し、これまでも熊本駅などで手荷物配送を行う事業者と宿泊施設をつなぐことで、手荷物配送サービスの普及を図ってまいりました。令和8年度からはこの取組を一層強化しますため、宿泊税を活用し、交通局と連携して本事業に取り組むことといたしました。今後は旅行者への周知広報を行いつつ、交通局とともに宿泊関係団体に対する説明の場を設け、手荷物配送サービスのさらなる普及を促してまいります。
◎井芹和哉 交通事業管理者 私からは、JR九州との連携など数点の御質問に順次お答えいたします。
まず、JR九州との連携状況等についてでございますが、受付窓口については旅行者にとって分かりやすく利用しやすい場所に設置することが望ましいと考えており、手荷物配送事業者との協議も踏まえ、必要に応じJR九州と調整してまいります。
次に、オンラインによる事前予約システムにつきましては、荷物の取扱量を事前に把握できることで、効率的な配送計画の立案が容易となるメリットはもちろん、受付時間短縮による窓口の混雑緩和や観光時間の確保など、利用者の利便性向上にもつながるものと考えております。
また、国土交通省近畿運輸局が大阪・関西万博の前年に、外国人を対象に実施いたしました手ぶら観光に関する訴求調査によりますと、手ぶら観光サービスを日本の空港に到着した直後、または旅行出発前に知ることができれば利用したいという回答が多かったことから、事前予約受付の検討に加え、経済観光局と連携し、インターネットを活用した情報発信にも工夫を凝らしてまいりたいと考えております。
次に、独自性等についてでございますが、既に民間の運送事業者により手荷物配送サービスは実施されておりますものの、公共交通機関の1日乗車券を組み合わせての販売は、県内においては初の試みであるほか、本市が新たに導入する宿泊税を活用し、安価にサービスを提供できる点も特色であると考えております。
さらに、交通局にとりましても利用者の増加が期待されることはもちろんのこと、手荷物の持ち込みが減少することで課題である混雑解消につながり、車内環境の快適性向上や乗降の円滑化による定時性確保といった効果が見込まれると考えております。
最後に、他事業者の事例といたしましては、長崎電気軌道株式会社がタッチ決済の仕組みを活用した手荷物配送サービスの実証実験を実施中と伺っておりまして、こうしたチケットレスでのサービス提供など、事業を進める中で改善を重ねながら、よりよいサービスとなるよう取り組んでまいります。
◆吉田健一 委員 局長、御説明ありがとうございました。リピーターを生むおもてなしの礎に、本事業は単なる配送サービスに留まらず、熊本観光の試金石となるものと期待するものです。将来的にこのノウハウを空港バスやJRアクセスルートにも展開できれば、公共交通全体を通じた強力な観光インフラとなります。旅の満足度は、おいしい食事や一期一会の出会い、そして何よりストレスのない移動によって決まります。本事業が旅行者に、また熊本を訪れたいと思わせるリピーター向上の礎となることを切に願い、次の項目に移ります。
主要事業の詳細32ページ、認可外保育施設等AED設置対策事業について伺います。
令和6年1月に発生した認可外保育施設での乳児死亡事故という、痛恨の極みとも言うべき事案を二度と繰り返さないための、まさに未然防止の要となる事業であると確信しております。本事業は未設置の施設に対し設置を強力に促すものですが、一方で認可保育園等の状況も看過できません。まずは本事業実施に至った詳細な経緯と、認可保育園に対する本市の設置支援及び現在の把握状況について、こども局長に伺います。
◎小島雅博 こども局長 認可外保育施設等AED設置対策事業は、教育・保育施設における緊急時対応力の向上が喫緊の課題であることから、本市の認可外保育施設において発生した死亡事案に係る検証報告書での提言を踏まえまして、AED設置に対して公的な助成がない認可外保育施設を対象に支援を行うことで、安全・安心な保育の実現を目指すものでございます。
認可保育園におけるAEDの新規設置や更新に要する費用につきましては、国が定める保育所給付費における施設機能強化推進費加算の対象となっております。令和6年度の申請件数は41件でございますが、設置後の届出の義務がないことから、設置台数を含めその詳細につきましては把握できておりません。
◆吉田健一 委員 今の御説明により、本事業がこどもの命を守るという不易流行の理念に基づいたものであると、改めて確認できました。しかしながら、認可保育園の設置状況を詳細に把握し切れていないという現状も浮き彫りとなりました。本市が死亡事故をゼロにするという強い覚悟を掲げるのであれば、認可・認可外の区別なく、施設規模に応じた複数台設置の要望など、きめ細やかに吸い上げるべきです。実態把握に努め、必要に応じた追加支援を講じるべきと考えますが、見解を伺います。
併せて、こども・児童の命を守るAEDという点に関連して、所属委員会所管でありますが、御了承いただき、学校現場におけるAED確保の課題について伺います。
現在、小中学校では各学校に2台設置が推進されていると認識しておりますが、現場の校長先生との対話の中で、深刻な救命の空白が生じている実態が見えてきました。これまで2台のうち1台は市教育委員会、もう1台は熊本県PTA教育振興財団からの貸与という形をとってきました。しかし、近年のPTA組織の在り方の変化あるいは解散に伴い、貸与されていたAEDが回収され、本来あるべき2台体制が維持できなくなっている学校が散見されます。
私は、PTAの存在意義を否定するものではありませんし、今後も必要であり重要な存在であるとの認識です。しかし、組織の変容という大人の事情によって、こどもたちの安全が脅かされることは断じてあってはなりません。空になったAEDボックスが放置されている光景は、あまりにも無情です。
現在、不足分は教育委員会からの貸出しで急場をしのいでいるとのことですが、これはあくまで一時的な対応に過ぎません。今後はPTAの有無にかかわらず、全ての学校で必要な台数を確実に確保できるよう、市として予算化を断行すべきです。学校におけるAEDの必要性と運用方針、国の方針、そして不足校への恒久的な予算化に向け、教育長に伺います。
◎小島雅博 こども局長 委員御指摘のとおり、AEDは救命活動において重要な機器であり、認可・認可外の区別なく、教育・保育施設全体として実効性のある安全対策を講じていくことが不可欠であると考えております。まずは認可外保育施設につきましてAEDの設置状況を改めて調査し、必要な施設に確実に支援が行き渡るよう取り組むとともに、認可保育園につきましても調査を行い、運用状況やニーズの把握に努め、支援の在り方について検討してまいります。
◎遠藤洋路 教育長 AEDは、児童生徒、教職員の救命手段の一つとして極めて重要であると認識しており、本市においては全ての学校に教育委員会がAEDを1台設置しております。さらに、熊本県PTA教育振興財団の貸与や学校予算で購入するなど、複数台を設置している学校も多くございます。
運用面については、保健室や体育館等に常設するとともに、水泳の学習時にはプールサイドにAEDを持参するなど、日常の教育活動において迅速に使用できる体制を整えております。国の方針としては、厚生労働省や文部科学省からAEDの適切な運用や管理については示されておりますが、その中に台数についての基準は含まれておりません。委員御指摘のように、学校ごとにAEDの設置状況に差が生じていることは承知しております。各学校の設置状況や運用体制を的確に把握し、緊急時に確実にAEDが活用できる体制の整備に努めてまいります。
◆吉田健一 委員 私は防災士として、また一人の親として、救命におけるAEDの重要性を重く受け止める一人です。毎年地元校区で夏休みの小学生向けの防災キャンプの開催時や、先日は東消防署職員の御協力の下、自身の市政報告会でもAED講習を取り入れ、地域住民、支援者もAEDの必要性、重要性に対する意識が高いことを肌で感じることから、今回取り上げさせていただきました。こども局、教育委員会それぞれの管理下の中でAEDの適切な設置に向けて動いていただきますよう、よろしくお願いいたします。
1点だけ、遠藤教育長、苦言を申すようですが、この後に立たれます木庭委員が議員となられた初めての一般質問で、学校でのAED設置方法の改善を取り上げられてから3年がたとうとしておりますが、いまだに手つかずのようですので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。本市における市民の命を守る対策に万全を期することを強く求め、私からの質疑を終わらさせていただきます。
それでは、まさにこどものため、子育てまっしぐら、マイパソコンの待ち受け画面は愛する息子さんのドアップ写真にするほど、同じく親ばか議員である木庭功二委員にバトンタッチをして、私からの質疑とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。
○田中敦朗 委員長 吉田健一委員の質疑は終わりました。
次に、木庭功二委員の質疑を行います。
〔木庭功二委員 登壇〕
◆木庭功二 委員 公明党熊本市議団の木庭功二でございます。ただいま吉田委員から少々気恥ずかしい御紹介をいただきましたが、パソコン画面の件は事実であることを申し添えさせていただきまして、私から質疑を行ってまいります。よろしくお願いいたします。
まず主要事業の詳細65ページ、新規事業、学校施設等における性被害防止の取組についてお尋ねいたします。
本市で昨年7月、市立中学校教諭による重大な性加害事案が発生し、教職員に対する市民、とりわけ保護者の信頼は大きく揺らぎました。まずはこの事案を重く受け止め、反省と再発防止の強い決意の下、本事業を編成されたものと受け止めております。
本事業は、未然防止、早期発見、被害者支援の3本柱で構成され、総額約2,480万円が計上されておりますが、その約87%が防犯カメラ設置などのハード整備に充てられております。
まず未然防止についてです。管理職等への研修が実施されるとのことですが、単なるコンプライアンス研修ではなく、性加害の兆候把握や通報体制の徹底など、実効性ある内容となるのか、またその効果検証をどのように行うのかお示しください。
次に、本事業の中心である早期発見、防犯カメラについてです。今回の予算で何校に何台を設置する想定なのか。併せて、録画データの管理責任者、閲覧権限、プライバシー保護に関する運用基準はどのようにされているのかお答えください。
その上で申し上げます。正門や通用門への防犯カメラの設置は、外部からの侵入対策として一定の意義は理解します。しかしながら、今回の重大事案は校内で発生したものであります。正門カメラの設置が教職員による性加害の抑止にどのような具体的効果を持つのか。予算の大半を占める施策である以上、明確な説明を求めます。以上、教育長にお尋ねします。
◎遠藤洋路 教育長 性被害防止の取組について2点お答えいたします。
まず研修についてです。児童育成クラブ支援員については、こどもの性被害の実態の正しい理解やその予防、被害の兆候の早期把握、さらに通報体制を含めた適切な初期対応等について研修を行うこととしております。校長・園長についてはその内容に加え、こども性暴力防止法や性被害が生じるメカニズムの理解、被害者に対する事後対応等も含めた研修を実施することとしております。次年度の早い時期に研修を実施し、こどもの性被害に関する深い理解の下、各学校等において防止策等が確実に実施されるよう取り組んでまいります。また、研修実施後はアンケートにより効果を検証してまいります。
次に、防犯カメラについてです。学校に設置するカメラについては、現在正門や通用門に設置しているカメラのうち、契約期間満了に伴い撤去する21校42台分を置き換えるものであります。また、録画データの管理責任者、閲覧権限、プライバシー保護に関する運用基準も、国のガイドラインに沿って整備しております。児童育成クラブのカメラについては、新たに64クラブの室内に101台を設置することとしており、運用に当たっては学校と同様に運用基準を定め、安心して児童育成クラブを御利用いただける環境を整備してまいります。
正門や通用門に設置している防犯カメラは、委員御指摘のとおり、主に外部からの不審者対策に有効と考えており、児童育成クラブについてはカメラを育成室内に設置することから、活動時間中の性加害の抑止や記録に効果的であるものと認識しております。なお、学校内への防犯カメラ設置については児童生徒、保護者、教職員に対しアンケート調査を実施しており、この結果等を踏まえ、丁寧に検討してまいります。
◆木庭功二 委員 正門カメラは主に外部不審者の対策とのことであり、また、校内への防犯カメラ設置については関係者へのアンケート調査を実施しており、その中で慎重な意見もあることについては理解するところであります。また、防犯対策としてのカメラ設置そのものを否定するものではありません。
その上で、本事業は教職員による性加害という重大事態を受けて編成されたものであります。予算の大半を占める施策がその再発防止とどう直結するのかという点は、市としての政策判断に関わる重要な点であります。そこで、大西市長にお尋ねします。性被害防止は単なる設備の整備に留まるものではありません。こどもの尊厳を最優先とする風土をいかに教育現場に根づかせていくのか。この事業が一過性に終わることなく、継続的な仕組みとして確立されるものとなるのか、市長の見解をお示しください。
◎大西一史 市長 教職員によるこどもへの性加害行為が全国的に多発する中、本市においても市立中学校の教諭が懲戒免職となる重大事案が発生したことを、大変重く受け止めております。学校をはじめ、こどもが生活するあらゆる場面でこどもを性加害行為から守るため、昨年10月に庁内関係局からなるこども性被害防止プロジェクトチームを設置し、こどもの性被害防止に向けて全庁一丸となって取り組むことといたしました。
まずは早急に取り組むべき本市の対策ついて、対策パッケージとして取りまとめ、令和8年度当初予算に計上しておりますが、委員御提案のとおり一過性のものではなく、継続的な仕組みとして取り組んでいく必要があると認識しております。そのため、(仮称)こどもの性被害防止条例を制定することにより、こどもを守る決意や姿勢を対外的に強く示すとともに、本市の対策や12月に施行されるこども性暴力防止法の実効性をより高めていきたいと考えております。
こどもが輝き、若者が希望を抱くまちの実現に向けて、行政、事業者、市民が総力を挙げ、こどもが安心して過ごすことができる社会を実現してまいります。
◆木庭功二 委員 ただいま市長からもありましたが、大切なのはこの問題を単なる個別対策として終わらせるのではなく、こどもの尊厳を守るという理念を教育現場に確かなものとして根づかせていくことであります。
今回示された対策パッケージ、さらには今後検討される条例制定を通じて、本市としてこどもを守るという姿勢を明確に示していく必要があると考えます。学校はこどもにとって最も安心できる場所でなければなりません。二度と同様の事案を起こさないという強い覚悟の下、全庁を挙げた継続的な取組を強く求めまして、次の質疑に移ります。
次に、主要事業の詳細11ページから、電子自治体推進経費についてお尋ねいたします。
先日、ある大手メガバンクグループがAIを活用し、全国に約1万5,000人いる事務職員を今後10年間で最大5,000人削減する方針を固めたとの報道がありました。最新のAIによる業務効率化を進め、人員を営業や業務支援部門へ再配置するという内容であります。今やAIは組織の在り方そのものを変える基盤となりつつあります。民間では、AI活用を前提とした業務再編が進んでおり、自治体においてもこの潮流を避けて通ることはできないと考えます。
先日の自民党の村上麿議員の一般質問でもありましたとおり、現在本市では生成AIを約4,000人の職員が普段の業務で活用しており、アンケートでは実に84%が作業時間の短縮を実感していることが示されております。その上で、今回の新年度予算では生成AI上位ライセンスの導入や職員向けRAGの整備など、約1,600万円の予算が計上されております。そこでお尋ねいたします。
1点目、生成AI上位ライセンスの導入により、具体的に何が可能となるのか。現行環境との違いを含め、その効果をお示しください。
2点目、職員向けRAGの導入により、どの業務がどの程度効率化されると見込んでいるのか。併せて、業務時間削減の具体的な目標についてもお示しください。
3点目、AIの活用は単なる業務の効率化や時間削減に留まるものではなく、職員がより創造的、戦略的な業務へシフトするための手段であるべきと考えます。そして、さらにはその成果が具体的な市民サービスの質の向上へと結実していくことが重要であります。そこで、本市として今回の予算拡充を通じ、どのような市民サービスの向上につなげていくのか。
以上3点、総務局長に答弁を求めます。
◎津田善幸 総務局長 3点のお尋ねに順次お答えいたします。
新年度予算に計上いたしました上位ライセンスは、生成AIの最上位モデルであり推論力と精度、処理能力が極めて優れているものでございます。専門的な調査や複雑なデータ分析を通じ、高度な政策立案や意思決定の活用が可能になると考えておりまして、まずは10ライセンスを導入し、効果検証を行いたいと考えております。
次に、本市の独自データを基に精度の高い回答を生成する、いわゆるRAGの職員向けの導入効果についてでございますが、多くの職員が携わる契約や会計事務に加え、福祉関係業務などに活用することで事務処理ミスを抑制するとともに、マニュアルの参照などに要する時間について、職員1人当たり年間50時間の削減を目指したいと考えております。今後は生成AIをデジタルトランスフォーメーションの中核として位置づけ、リスクを低減させながらあらゆる分野で積極的に活用し、生み出された時間をきめ細かな相談対応やまちづくり活動に振り向けることで、持続可能で質の高い市民サービスの提供につなげてまいります。
◆木庭功二 委員 最新のAIの活用によって生み出された時間を、より市民に寄り添った相談対応やまちづくりの取組へ振り向けていくことこそが、自治体DXの本質であると考えます。今回の取組が市民サービスの向上へ着実につながることを期待し、次の質疑に移ります。
次に、主要事業の詳細10ページ、新規事業、公文書等デジタル化推進経費についてお尋ねいたします。
本市では現在、令和9年度末の開館を目指し、新たな公文書館の整備が進められており、その整備予算は別途計上されているところであります。この新公文書館の整備と歩調を合わせ、市民の知的財産である公文書等を適切に保存・管理し、次世代へ確実に継承していくことは極めて重要であります。その観点から、本事業についてお尋ねいたします。
まず1点目は、費用の妥当性と将来負担についてであります。本事業は1億2,000万円の新規事業であり、そのうち1億円がデジタル化経費となっております。デジタル化は単年度で完結するものではなく、システムの保守更新など継続的なランニングコストが見込まれます。今回の積算根拠と併せ、将来的な財政負担をどのように見込んでいるのかお示しください。
2点目は、市民利便性向上の具体像について。スマートフォン等で閲覧が可能になるとのことですが、どの程度の利用を想定しているのか。また、学校教育や地域史研究などへの活用も含め、市民サービス向上にどうつなげていくのかお示しください。
3点目は、災害と保存の在り方であります。本年は熊本地震から10年の節目を迎えます。原資料の保存とデジタル保存をどのように両立し、災害時のリスク分散をどのように図っていくのかお尋ねいたします。
4点目に、本事業の将来ビジョンについて。デジタル化は単なる保存手段の高度化に留まらず、行政DXの一環として市民が広く活用できる知的基盤を築く取組であるべきと考えます。新公文書館の開館を見据え、本事業を通じて本市の公文書行政の将来像をどのように描いておられるのか。
以上4点の質問に対して、総務局長に答弁を求めます。
◎津田善幸 総務局長 公文書等デジタル化推進経費に関する4点のお尋ねに、順次お答えいたします。
本市では、明治期から昭和初期にかけて作成した極めて重要な資料である熊本市政資料約2,400冊や、写真フィルム約1万6,000点といった公文書等を保有しておりまして、その確実な保存と幅広い活用のためには、デジタル化が不可欠であると考えております。
お尋ねの計上した経費につきましては、複数の参考見積りを基に積算しており、資料のスキャンや撮影、ひもとじ資料の解体や再製本など、熊本市政資料約400冊と写真フィルム約1万6,000点をデジタル化する業務委託費でございます。令和9年度以降もデジタル化を順次進めてまいりますが、将来的な財政負担につきましては公文書館システムの運用業務委託経費や端末の賃貸借料などの経費も見込んでいるため、具体的な内容は今後精査してまいります。
次に、市民利便性向上にどうつなげていくかというお尋ねでございますが、スマートフォン等による閲覧利用につきましては現行の行政目録公開システムをはじめとした既存システムの実績を基に、年間5万件程度を想定しております。学校教育や地域史研究では、教育委員会と連携して公文書等を学習教材として活用するとともに、スマートフォン等から容易に閲覧できる環境を整える考えでございます。こうした取組を通じて、公文書等のデジタル化による市民サービスの向上を図ってまいることとしております。
災害時を想定した保存についてでございますが、原資料につきましては、紙資料や写真フィルムなど、資料の特性に合わせた保存環境の下、公文書館において適切に管理し、デジタル化したデータはクラウド上に保管いたします。異なる媒体に保管することで、資料滅失のリスク分散を図り、災害等で原資料が損壊した場合でも、内容を確実に継承してまいります。
最後に将来ビジョンについてでございますが、公文書には市政について現在と将来の市民へ説明責任を果たすことや、過去の検証を通じて、効率的、効果的な行政運営が期待できること、市民が自らの地域の営みを知り、市政を検証できるという社会的な役割がございます。デジタル化により、これらを本市の記録に留めず、社会へ発信する知的資源として活用してまいります。
さらにデジタル企画展を継続的に開催し、積み上げてきた知識と経験を広く共有して、市民の皆様の知的基盤として未来へ確実に継承してまいりたいと考えております。
◆木庭功二 委員 ただいまの答弁で、本事業が公文書の適切な保存と活用を図りながら、市民共有の知的財産として未来へ継承していく重要な取組であることを理解いたしました。今後は費用対効果も十分に検証しつつ、市民や教育現場など幅広い分野で利活用が進むよう取り組んでいただくことを要望しまして、次の質疑に移ります。
最後に、主要事業の詳細15ページから、くまもとポイント事業についてお尋ねいたします。
1点目、まずはくまもとアプリの最新のダウンロード数及びアクティブユーザーの状況についてお示しください。
2点目、今年度から主催者ミニアプリというものができましたが、このアプリの内容と狙い、登録団体数を各区ごとにお示しください。また、具体的にどのような団体が登録し、どのような活動が行われているのか、幾つか例を挙げてお示しください。
3点目、インセンティブの現状について。現在のポイントの利用方法について詳しく御説明ください。文化市民局長に答弁を求めます。
◎早野貴志 文化市民局長 本年度に本格運用を開始いたしましたくまもとアプリのダウンロード数は、2月末時点で約3万8,000件でございます。また、月1回以上アプリを開いた利用者、いわゆるアクティブユーザーの平均数は約2,000人でございます。
次に、地域活動の参加者を募集している登録団体数は中央区36団体、東区14団体、西区7団体、南区5団体、北区6団体の合計68団体でございます。登録されている団体は町内自治会、校区自治協議会、校区防災連絡会などがあり、清掃、草刈り、地域の祭りやこども向けイベント、避難訓練などの活動に御活用いただいております。
最後に、ポイントの利用方法につきましては、300ポイント以上ためた方を対象に、本市ならではのプレミアム体験や企業から御提供いただいた協賛品が当たる抽選会を実施しております。市民の皆様の参加意欲向上につなげるため、地域性のある魅力的な内容となるよう工夫しながら実施してまいります。
◆木庭功二 委員 現状のダウンロード数、登録団体数、インセンティブの状況を踏まえますと、令和9年度末までに13万ダウンロードという目標の達成は相当厳しいのではないかと感じます。本気で登録者数を飛躍的に伸ばすのであれば、例えば単年度でも大胆に予算を拡充し、景品や電子クーポンの充実を図るなど、登録者数を倍増させるようなインパクトのある施策が必要ではないかと考えます。
しかしながら、今回の予算要求額に対する査定の結果はC査定に留まり、減額となっております。これで目標達成に向けて十分な予算水準が確保されていると言えるのか、疑問を感じるところであります。このような査定となった理由について、文化市民局長にお尋ねします。
さらに、大西市長にお尋ねします。本事業を今後どのように発展させていくお考ええか、市長の見解をお示しください。
◎早野貴志 文化市民局長 2年目となります令和8年度は、新たにインセンティブの強化を目的としたギフト券等の経費を予算要求したところでございますが、まずは利用者や登録団体の増加につなげるため、アプリ自体の利便性向上や価値向上を図る必要があるとの判断から、既存事業の中で実施することとなったところでございます。
◎大西一史 市長 本事業は、地域活動への参加促進やコミュニティの活性化、災害時の避難者支援の向上、さらにはデジタル技術を活用した新たな市民サービスの提供につながる重要な取組であると考えております。
今後さらに市民の皆様に使いたいと感じていただける仕組みとするため、アプリの利便性向上、ポイント制度のさらなる魅力づけなど一層の改善を図ってまいります。また、地域活動への参加を後押しし、コミュニティを支える担い手の裾野を広げる観点からも、本事業を効果的に発展させ、市民の皆様にとって身近で使いやすいプラットフォームとなるよう取り組んでまいります。
◆木庭功二 委員 今回の予算査定につきましては、事務的な査定理由というよりも、本事業を今後どのように発展させていくのかという政策的な判断に関わるものであると考え、あえて財政局にはお尋ねしませんでした。
市長からの答弁にもありましたように、本事業が地域活動への参加促進やコミュニティの活性化、さらには災害時の支援にもつながる重要な取組であるとの認識は、私も共有するところであります。その上で、主催団体の登録数が地域によって大きく偏在が生じている状況も浮き彫りになりました。地域活動の裾野を広げていくという観点からも、こうした地域間の偏りを是正するとともに、自治会や地域団体など主催団体の登録そのものを増やしていく取組をさらに強化していく必要があるのではないでしょうか。
本事業を単なるアプリ事業に留めず、市民参画の基盤として本気で育てていくのであれば、ポイント制度やインセンティブの充実も含め、今後は必要な予算の確保とともに、市としての本気度を示していただくことを強く要望しておきます。
以上をもちまして、公明党熊本市議団の総括質疑を終了いたします。
御清聴いただきまして、大変にありがとうございました。
○田中敦朗 委員長 木庭功二委員の質疑は終わりました。
以上で、公明党熊本市議団の質疑は終わりました。
総括質疑の途中ではありますが、本日の審査はこの程度にとどめ、残余につきましては明11日水曜午前10時に再開したいと存じます。
これをもちまして、本日の委員会を散会いたします。
午後 2時13分 散会
出席説明員
市長 大 西 一 史 副市長 田 中 俊 実
副市長 岡 田 芳 和 政策局長 木 櫛 謙 治
総務局長 津 田 善 幸 財政局長 原 口 誠 二
文化市民局長 早 野 貴 志 健康福祉局長 林 将 孝
こども局長 小 島 雅 博 環境局長 村 上 慎 一
経済観光局長 黒 木 善 一 農水局長 野 島 昌 浩
都市建設局長 上 野 幸 威 中央区長 土 屋 裕 樹
消防局長 平 井 司 朗 教育長 遠 藤 洋 路
交通事業管理者 井 芹 和 哉 上下水道事業管理者三 島 健 一
議会局職員
局長 江 幸 博 次長 中 村 清 香
首席審議員兼議事課長 議事課副課長 藤 田 健
池 福 史 弘
政策調査課長 岡 島 和 彦