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熊本市議会議員 たなか あつお

熊本市議会議員 たなか あつお

2018年09月13日 予算決算委員会

平成30年 第3回予算決算委員会

              予算決算委員会会議録

開催年月日   平成30年9月13日(木)
開催場所    予算決算委員会室
出席委員    46名
        満 永 寿 博 委員長    藤 岡 照 代 副委員長
        くつき 信 哉 委員     田 辺 正 信 委員
        光 永 邦 保 委員     大 塚 信 弥 委員
        山 部 洋 史 委員     緒 方 夕 佳 委員
        小 池 洋 恵 委員     三 森 至 加 委員
        高 本 一 臣 委員     小佐井 賀瑞宜 委員
        寺 本 義 勝 委員     福 永 洋 一 委員
        西 岡 誠 也 委員     浜 田 大 介 委員
        井 本 正 広 委員     藤 永   弘 委員
        原     亨 委員     原 口 亮 志 委員
        紫 垣 正 仁 委員     大 石 浩 文 委員
        田 中 敦 朗 委員     那 須   円 委員
        重 村 和 征 委員     村 上   博 委員
        上 田 芳 裕 委員     園 川 良 二 委員
        倉 重   徹 委員     澤 田 昌 作 委員
        三 島 良 之 委員     齊 藤   聰 委員
        田 尻 善 裕 委員     上 野 美恵子 委員
        白河部 貞 志 委員     津 田 征士郎 委員
        坂 田 誠 二 委員     竹 原 孝 昭 委員
        江 藤 正 行 委員     藤 山 英 美 委員
        落 水 清 弘 委員     古 川 泰 三 委員
        北 口 和 皇 委員     田 尻 将 博 委員
        家 入 安 弘 委員     鈴 木   弘 委員
欠席委員    1名
        田 上 辰 也 委員

議題・協議事項
  (1)議案の審査(13件)
     議第 220号「専決処分の報告について」
     議第 221号「平成30年度熊本市一般会計補正予算」
     議第 222号「平成30年度熊本市国民健康保険会計補正予算」
     議第 223号「平成30年度熊本市後期高齢者医療会計補正予算」
     議第 224号「平成30年度熊本市水道事業会計補正予算」
     議第 229号「熊本市東部堆肥センター条例の一部改正について」
     議第 231号「熊本市都市計画・建築事務に関する手数料条例の一部改正について」
     議第 261号「平成29年度熊本市各会計(公営企業会計を除く。)決算について」
     議第 262号「平成29年度熊本市病院事業会計決算の認定について」
     議第 263号「平成29年度熊本市水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
     議第 264号「平成29年度熊本市下水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
     議第 265号「平成29年度熊本市工業用水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
     議第 266号「平成29年度熊本市交通事業会計利益の処分及び決算の認定について」

                            午前10時00分 開会
○満永寿博 委員長  ただいまから予算決算委員会を開会いたします。
 これより議案の審査に入ります。
 本日は、総括質疑を行います。
 通告一覧表につきましては、お手元に配付いたしておきました。
 なお、質疑に当たっては、項目ごとに答弁者を指名いただきますようお願い申し上げます。
 それでは、予算決算委員会運営細目の発言順に従い、順次質疑を行います。
 これより、自由民主党熊本市議団の質疑を行います。持ち時間は100分となっております。
 まず、小佐井賀瑞宜委員の質疑を行います。
        〔小佐井賀瑞宜委員 登壇 拍手〕

◆小佐井賀瑞宜 委員  皆様、おはようございます。自由民主党熊本市議団、小佐井賀瑞宜でございます。
 朝夕のしのぎやすさを少しずつですけれども感じるようになってまいりました。ややほっとするようなひとときを味わってはおりますけれども、全国的には、多くの方がさまざまな自然の脅威にさらされまして不自由な生活を強いられているということでございます。私たちも今般の議会の議論を通じ、あの2年半前の教訓を決して風化させることのないようにと、改めて強く感じております。また、あわせまして、危機感並びに危機管理意識の醸成を図らなければならないと感じていたところでございます。
 今般の日本各地での災害によって被災されました方に、冒頭でございますけれども、改めて心からお見舞いを申し上げますとともに、とうとい生命が失われたことにお悔やみを申し上げたいと存じます。
 さて、それではこれから平成29年度決算に関する総括質疑に入りたいと思います。
 まずは、一般会計を柱とした普通会計決算の数値と財政調整基金との関連性に注視しながらお尋ねをしたいと思います。
 この件は、1年前の決算認定に関する第3回定例会の予算決算委員会において掲げた同じ案件でございますので、皆様にも御記憶にあるかと存じます。このことを再び取り上げました趣旨につきましては後ほど申し上げることとして、その折のお尋ねの趣旨は、財政調整基金の展望を想定し、次のような内容でございました。
 一般会計を柱とした普通会計決算状況について、単年度収支は10億円近くのプラスになっているものの、実質的な単年度収支は一般会計ベースで20億円程度のマイナスとなっている。そのことから、財政調整基金の果たした役割が大きいと言える。そこで、今後さらなる不測の事態に備え、財政調整基金の依存度を低くするとともに、計画的な蓄積も求められるのではないかとの提言を行い、改めて見解を求めたところでございました。
 そのときの市長のお答えとしましては、調整基金に関しては、世情の動向に配慮して一定額の確保が必要というような、そうした見解が示されました。
 今回、1年が経過して、再び普通会計の実質の単年度収支状況と財政調整基金の推移について拝見させていただきました。昨年の私の予想どおり、実質的単年度収支は昨年度よりも43ポイントほど圧縮はされておりますものの、約11億円のマイナスでございます。やはり29年度においても財政運営に関して、財政調整基金に依存した構図となっております。そして、その影響で財政調整基金は昨年度対比で約33ポイントマイナス、金額では23億円ほど目減りしております。
 しかし、財政調整基金自体の変動幅のその実情というのは驚異的な数値ではないと思いますけれども、全体の単年度収支バランスはマイナスに転じておりますので、調整基金の活用に将来的不安を感じております。
 そこで、財政局長に2点お尋ねをいたします。
 1つ目に、今回示されている決算状況から見て、財政調整基金の考え方や今後の取り扱い方について改めて見解を求めたいと存じます。
 2つ目に、今後の財政運営に関する総括的な見解を求めます。
        〔田中陽礼財政局長 登壇〕

◎田中陽礼 財政局長  財政調整基金の考え方、今後の取り扱い方と財政運営に対する総括的な見解についてお答えいたします。
 まず、財政調整基金につきましては、経済事情の著しい変動により財源が不足する場合や災害により生じた経費の財源として充てる場合など、年度間の財源不足に備え一定額を積み立てているものでございます。その残高につきましては、平成27年度までは100億円程度を維持しておりましたものの、熊本地震からの復旧事業等の財源として活用するため、平成28年度に約30億円、平成29年度に約23億円を取り崩した結果、平成29年度末の残高は47億8,000万円となっているところでございます。
 今後も熊本地震からの復旧・復興のほか、経済事情の変動に対する備えや新たな災害の発生などの将来的に見込まれる財政需要に対処するための財源確保が必要でありますことから、財政調整基金につきましては一定額を確保しておく必要があると考えております。
 次に、今後の財政運営に対する総括的な見解についてでございます。
 昨年度末にお示しいたしました財政の中期見通しにおきましては、今後実施予定の各事業や熊本地震の影響も含めた財政状況について、財政指標の著しい悪化は招かないものの、今後年間5億円程度の収支不足が生じると推計していたところでございます。
 今後の財政運営におきましても、中長期にわたり国・県等の有利な財源を最大限に活用しながら、自主財源の涵養や官民連携の推進などの収支改善に向けた取り組みにより、熊本地震からの復旧・復興、さらには上質な生活都市の実現を着実に進めるための財源を確保するよう努めてまいります。
        〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕

◆小佐井賀瑞宜 委員  数値内容はともかく、方向性についてはさまざまな配慮があることを確認させていただきました。やはり年間5億円の収支不足の推計が表面化しておりますので、調整基金の安定した運営のためには、実質的な単年度収支バランスを健全化する時期がポイントであろうというふうに考えます。
 年度末に市が保有する財産で基金に関する状況は、監査意見書の70ページに記載のとおり、市債管理基金や復興基金の分が積み上がっておりますので、全体では大幅な上昇が見受けられます。
 しかし、有価証券を含む財政調整基金全体の積み立ては昨年対比でおよそ21%の減、金額で24億5,000万円の減少で、決算額の数値は先ほど示されたとおりで大きく目減りをいたしております。今後、この数値傾向が長く続くとは思いたくないものであります。
 しかし、仮に実質単年度収支のマイナスが続けば、調整基金の枯渇を避けるためにもさらなる強硬的な行財政改革が求められるはずであります。行革とは聞こえはいいものの、市民サービスの低下はもちろんのこと、職員への過度な業務負担が求められてまいります。決して好ましいものではございません。そうであれば、現実は複雑かつ難しい財政運営が迫られるとの懸念を抱いております。
 そのような思いの中で、今回私が再度調整基金の件を取り上げた背景には、かかわりの深いと思われる事業案件が浮上しているからでございます。
 それは、喫緊の課題として示されている熊本市役所本庁舎の今後の方向性についてであります。耐震性や機能性はもちろんのこと、防災拠点の意味合いを含んでおりますので、むげにタブー視できるものではないと認識いたしております。
 それゆえ、私も今般の最大の問題と捉え、早速政務調査も開始したところでございました。二月前の7月には、現在新庁舎を建設中で来年秋にはグランドオープン予定の鳥取市の新庁舎建設の現状を拝見してまいりました。また、この秋には庁舎建設議論の真っただ中にある神奈川県鎌倉市に赴きたいと思い、現在事務局を通じ調整中でございます。
 これらの都市を選定しましたのは、鳥取市は建設イニシャルコストが当初計画よりも1.5倍に膨れ上がったということと、財源として合併特例債の活用を行っているということです。そして、鎌倉市では、庁舎整備基金条例を制定し財源の拡充を図ろうとしているとのことでございます。このような他都市の実情は、現在本市が示している考え方と重なり合う部分があるということでございます。
 特に本市では、一昨日に開催された特別委員会の中で、財源拡充の一つの指針として、毎年度の決算剰余金の活用によって新たな基金の創設も視野に入れていらっしゃいます。しかし、先ほど課題視しましたように、普通一般会計の収支状況が硬直化し、財政基金そのものの運用もままならないという状況に至っては、幾ら基金設置の条例を制定しても、その運用が効果的かつ現実的であるのか疑義が生じてまいります。それゆえ、調整基金の運用は慎重に取り扱っていただきたいということと、財政の健全化が図られるよう努めていただきたいと考える次第であります。
 新庁舎の件に関しましては、私自身もいまだ明確な方向性を見出しておりませんので、示されている情報自体に対してあくまでニュートラルな立場でございます。ゆえに、決して楽観視することなく、引き続き調査研究にいそしみたいと考えております。
 続いて、市税収入の中でも最も大きなウエートを占めております固定資産税及び都市計画税に注視しながらお尋ねをしてまいります。
 まず、不納欠損の処分状況は増加傾向にございますが、この背景や特徴についてお示しをいただきたいと思います。また、収納未済については減少傾向にございますが、このことは昨年に続き一定の評価が得られると思います。成果の要因をお示しください。
 さらに、復興事業の執行需要や経済の動向に連動し、固定資産の評価も徐々に改善傾向にある中で、収納率向上の今後の取り組み方について財政局長にお尋ねをいたします。
        〔田中陽礼財政局長 登壇〕

◎田中陽礼 財政局長  市税の決算に関する3点の御質問に順次お答えいたします。
 まず、不納欠損の背景と特徴につきましては、不納欠損はおのおのの滞納者の滞納額、収入額や財産の有無、生活状況等が異なる中、担税力を見きわめ、滞納処分の執行を停止した案件について債権を消滅させるものでございます。固定資産税の不納欠損の増加につきましては、滞納繰越額の圧縮に向け、高額案件や長期化案件等を優先した滞納整理に取り組んでいる中、固定資産税の不納欠損には高額案件が多いことが主な要因であると考えております。
 次に、収入未済額が減少した要因につきましては、本市は現年度対策としてコンビニ納付の導入による納付環境の整備や民間委託による納付案内等の初期未納対策などを実施してきたところでございます。
 また、滞納繰越分については、前述の高額案件等を優先しながら、滞納者の財産調査等を積極的に行い、一件一件について担税力を見きわめ、滞納整理に鋭意取り組んできたことが圧縮の要因であると考えているところでございます。
 最後に、今後の収納率向上に向けた取り組みにつきましては、現年度対策の強化と滞納繰越額の圧縮を柱としてこれまでの取り組みを継続するとともに、景気の動向等にも配慮し、課題の分析等を行いながらさらなる効果的・効率的な取り組みを進め、収納率向上を目指してまいりたいと考えております。
        〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕

◆小佐井賀瑞宜 委員  状況は理解いたしました。滞納者の納税力の見きわめは大変苦慮する部分であろうと推察をいたしております。また、不納欠損の決断は、市民感情を含めナイーブな機運がございますので、とても難しいものがあると推察いたします。
 市民には税負担の公平性の大原則がございますので、債権管理する側としては、その機運に押されてついつい手つかずに、そういう状態に至ることも否めません。しかしながら、ほぼ半永久的に回収見込みのないような財源を翌年度に繰り越しても収入未済額が拡大するばかりであります。ゆえに、単年度における正当な業務の執行状況が見えにくく、担当職員は正当な評価を得られずに大変お気の毒だなというふうにも感じております。数値が大きく変動する場合には、私たちを初め社会全般に対し、事情説明を含め丁寧な説明を心がけていただければ幸いでございます。
 また、世情の動向として、経済の改善傾向に伴う固定資産の評価の上昇もあり得ると考えられます。
 なお、先日、我が党の高本委員の提言にも関連いたしますが、税率改定によって調定額は上昇した上で、実質的な収納率も上昇すれば市にとっては大変有益であります。しかし、そのように楽観視できるのか、いまだ一抹の不安も抱いておりますので、世情の動向を踏まえた状況判断が適切であるように願っております。
 それでは、次に、今回示されております決算状況報告書をもとに検証を行ってみたいと思います。
 この資料には、決算額を含め、事業概要とその検証と成果まで分析されておりますので、その有効性や妥当性について、今回は私が注視した中で特に気をとめた5項目を掲げてお尋ねをしてまいりたいと思います。
 まずは、職員の意識改革に関する取り組みや能力向上に関する件についてお尋ねをいたします。記載は49と51ページでございます。
 職員の倫理意識の向上策としては、常に研修を重ねることによって課題解消を図ろうとされております。これはセオリーな考え方に間違いはないと思います。しかし、職員の倫理観を醸成させる手法として、また職場の風土改善や資質向上に関する施策として、研修以外に工夫を重ねてこられたんでしょうか。具体的な内容をお聞かせいただきたいと思います。
 次に、市役所改革の推進策として職員提案制度を設けて実施されてきたようですが、今回342件と大変高い数値が見受けられております。一定の効果も認められているようですし、恐らく本制度の実施に向けて莫大な予算が投じられているようには感じられませんので、私としては多くの方が費用対効果として有益なものというふうに受けとめられているのではないかと推察をいたしております。
 そこで、この制度の狙いや手法はどのようなものなんでしょうか。また、この有効性が発揮されているのであれば、その背景についてお示しをいただきたいと思います。総務局長、お願いいたします。
        〔中村英文総務局長 登壇〕

◎中村英文 総務局長  まず職員の倫理意識の向上策についてお答えをいたします。
 倫理観の醸成に関しましては、各種研修はもとより、コンプライアンス担当部署への相談、さらには内部通報制度や業務開始時の朝礼などを通じて、飲酒運転撲滅やハラスメントを起こさせないための職場づくりに向けて注意を促すなど、日々の啓発を行っております。
 また、7月には市民に対する接遇向上を目指すスマイル向上キャンペーンや、全庁的に整理整頓することにより効率的で生産性の高い職場を目指すクリンクリン大作戦など、働きやすい職場環境づくりに努めております。
 さらに、12月を倫理月間と定め、職員倫理などにつきまして、職員みずからが意見を出し合う職場ミーティングを実施しますとともに、倫理に関する設問を自己採点することによりみずからの行動を振り返るような取り組みも行っております。
 今後とも引き続きさまざまな取り組みを行い、職員の倫理の保持に努めてまいります。
 次に、職員提案制度の狙いや手法につきましてお答えをいたします。
 本市では、昨年4月より、市民満足度の向上、職員満足度の向上を目指す市役所改革を推進しており、その取り組みの一つといたしまして、市民サービスの向上や事務の効率化につながる提案を職員が率先して行うことを奨励するため、職員提案制度、改革のタネを実施しております。
 この改革のタネは、これまでの制度を見直し、仕事をしている中での気づきから生まれたアイデアをいつでも提案ができるよう募集期間を通年としますとともに、提出する際の様式を簡略化し、匿名の提案も可能とするなど気軽に提案できる制度といたしております。
 その結果、平成29年度の提案件数はこれまでの5倍以上の342件となり、今年度も8月末時点で229件の提案が挙げられております。また、提案された内容につきましては各局で協議を行いますとともに、幹部職員による全庁的な検討を行っており、加えて、今年度から提案の背景にある課題などを捉え、その根本的課題解決や発展的な改善につなげるための職員同士の対話の場も設けております。
 このように、提案一つ一つに向き合うことによって、昨年度の提案のうち約7割が事務マニュアルの改善や各種様式の一本化、会計事務処理の簡略化など前向きに改善が進められており、改革のタネを通して市民サービスの向上や働き方改革に向け職員の意識改革が徐々に進んできていると考えております。
        〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕

◆小佐井賀瑞宜 委員  職員の倫理観の醸成については、引き続き怠りなく実施していく旨の決意であったと思いますし、職員提案制度による意識改革は徐々に進展を見せて、その実感を抱いていらっしゃることを理解しました。
 ただし、その職員提案制度でございますけれども、これにつきましては、基本的な取り組み方として、これは総論的ではございますけれども、やや気がかりな点もございますので、いま一度お尋ねをさせていただきたいと思います。
 職員が気軽に提案できるように、匿名の投稿を認めているという報告もございました。しかし、提案している相手が特定できない中での意見聴取というのは、十分な趣旨説明が得られるのか、真意が伝達されているのか、意見内容の共通理解が図られているのかなどの意見の集約過程に不備が生じていないかなどの疑問を抱いておりますので、この点を踏まえてその状況を教えてください。総務局長にお尋ねします。
        〔中村英文総務局長 登壇〕

◎中村英文 総務局長  匿名による職員提案についてお答えをいたします。
 匿名での職員提案を可能にしていることで、職員が気軽に提案を行ったり本音の提案を出すといった利点があり、また匿名の提案から事務が改善されている事例も多くございます。
 一方、委員御指摘のとおり、提案者の意図が伝わらない場合もございますので、提案の趣旨や真意などの共通理解が十分得られますよう、制度内容の再度の周知と記名での提案を促すなどの工夫を行ってまいります。
        〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕

◆小佐井賀瑞宜 委員  ただいまの総務局長の答弁で、趣旨説明や記名の提案をまたきめ細かく行っていきたいというような意向に、私自身、救われるような気がいたしました。
 そこで1つ、皆さん方に私の知識の一端でございますけれども、御紹介申し上げたいと思っておりますが、皆さんはルシファー・エフェクトという本または言葉を聞いたことがございますでしょうか。
 これは、匿名性が自然に及ぼす悪影響というものについて警鐘を鳴らしている本でございます。著者はアメリカのスタンフォード大学のフィリップ・ジンバルドー心理学名誉教授でございます。そして、この説を理論的に裏づけたこの本は、1971年に著者が在籍しておりました大学で行われました人間の心理状況を研究する模擬刑務所の実験によって明らかとされております。
 この本の中で指摘してありますことを簡単に申し上げますと、匿名性の高い環境に置かれると、どのような人間でも反社会的行為に走りやすくなり、攻撃性が増し、反社会的行動に走りやすくなるということでございます。インターネット上や紙面等の匿名の投書を拝見すればよく御理解いただけると思います。自分の立場を正当化し、相手の状況を考えることなく、一方的な見解の主張が見受けられます。そこには、思いやりや共通認識を図ろうという意図は見受けられません。まさに現代社会が難解とするいじめ等の問題にも直結するものでございます。匿名性が及ぼす影響は、無意識の中で人が倫理崩壊を始める、そういう怖さを訴えるものでございます。
 だからこそ、常に顔の見える関係において意見交換をさせていただくこと、そしてその相手との共通理解を図るというスタンスで生きることが大切ではないでしょうか。それは、相手との関係性を良好に保ち、同時に相手も自分も生かされるからでございます。
 昨年12月に私がいじめ問題を掲げた際、これは一般質問のときでございますけれども、遠藤教育長がお答えになったいじめ防止策そのものだというふうに私は感じております。ゆえに、リーダー的立場や公務に準ずる立場にある方は、匿名性を容認する機運が決して好ましいものではないと御留意いただくことが肝要かと思います。苦慮して工夫される中にあって、水を差すようなお話を申し上げるのはいささかどうかなという機運も漂うかもしれませんけれども、何とぞ真摯に受けとめていただきたいと願っております。
 それでは、2つ目の項目、動物管理の問題に移ります。
 資料は95ページです。
 動物愛護センターの取り組みは、全国でも積極的にかつ先進的に実施されてきたというふうに認識をいたしておりますが、苦情件数は犬と猫だけでも1,000件を優に超え、その内容も複雑化しているようでございます。
 苦情件数のここ数年間の推移やその内容についてお示しください。また、課題が解消へと結びついているようであれば、その比率等についてもあわせてお示しいただきたいと存じます。健康福祉局長にお尋ねいたします。
        〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕

◎池田泰紀 健康福祉局長  動物の管理の問題についてお答えを申し上げます。
 まず、苦情件数の推移等についてでございますが、平成29年度は犬の相談は559件でございまして、内訳といたしましては、迷い犬や負傷犬等の保護に関する相談が354件、鳴き声や路上でのふん放置等、迷惑に関する相談が205件となっておりまして、ここ数年は減少傾向にございます。同じく猫の相談は597件でございまして、内訳といたしましては、事故や病気で自活できない負傷猫や子猫の保護に関する相談が409件、ふん尿の悪臭、野良猫への無責任な餌やり等迷惑に関する苦情相談が188件となっておりまして、こちらもここ数年は減少傾向にございます。
 次に、相談対応が解消に結びついたかというお尋ねでございますが、犬猫等への迷惑、苦情の相談に対しまして、飼い主等が特定できる場合につきましては、動物愛護センターの職員が訪問いたしまして、飼い方につきまして指導やアドバイスなどを行っているところでございまして、過去5年間では犬猫ともに1回の指導で約6割以上で改善が見られているところでございます。
 それ以外のケースにつきましても、複数回訪問を行いまして、飼い主等に適正飼育について粘り強く説明を行いますことで、ほとんどのケースで改善が図られているところでございます。
        〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕

◆小佐井賀瑞宜 委員  相談件数の驚異的な数値を拝見しましたので不安視していたわけでございますが、件数の推移については下降ぎみという報告でございました。また、課題解消の割合も高い数値が示されておりますので、動物愛護センタースタッフの皆さん方の働きが功を奏しているものと期待感を抱きました。
 ただし、一部におきましては大変複雑な事案も現に発生しているとのことも市民の方からも聞き及びますので、1つだけ事例を掲げまして御提言とお尋ねをしてまいりたいと思います。
 これはある事例でございますが、ある犬の飼い主が、自宅と離れた郊外の静かな集落内の邸宅を購入し、その敷地内にある倉庫を大規模改修して複数頭に及ぶ犬を従業員に管理させているということでございました。ここは開発も建築規制の激しい調整区域内での出来事であります。
 それからといいますもの、近隣の市民は、夜間や防災無線等の告知など、ことあるごとに犬の鳴き声で悩まされ、睡眠不足やストレスで健康被害も発生している事案でございます。もちろん、自治会を通じ、まちづくりセンターにも苦情と改善のための指導要望が寄せられましたが、飼い主は関係法令に抵触していないことを理由に問題意識がないとの報告でございました。そのような飼い主の行動のどこに動物愛護の精神があるというふうに考えられるんでしょうか。まちづくりの基本となる地域コミュニティに寄与する精神が見受けられるんでしょうか。行政の限界を見透かされたような事案だと自治会関係者の方は嘆いていらっしゃいました。
 倫理崩壊のツケは、後に必ず大きな波紋を呼びます。拡大しないうちに有効策を構築するのは行政の努めであります。法の網を抜けるような事案につきましては、本市条例の理念をもとに、原局内に罰則規定の設置が可能となるように検討し、指導監督するような気概が欲しいと思います。
 なお、民事不介入の原則に沿うんであれば、解決策の道筋として行政相談や法律相談へつながるようなアドバイスや情報提供を行うなど、被害者の心に寄り添った処遇があるはずでございます。担当部局には大きな課題認識を持ち、強くリーダーシップを発揮していただきたいと思いますが、いかがでございますでしょうか。
 このように、解決の図りにくい事案に対する基本的な考え方や対応について、いま一度、健康福祉局長に見解を求めます。
        〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕

◎池田泰紀 健康福祉局長  解決が図りにくい事案への対応についてでございますが、熊本市動物の愛護及び管理に関する条例におきまして、犬が人の生命、身体もしくは財産に害を加えたとき、または害を加えるおそれがあると認められるときは、その飼い主に対し措置命令ができるとされておりまして、違反した場合の罰則も定められているところでございます。
 悪質事案につきましては、必要に応じて適正飼養に関する指導を行いまして、改善されない場合につきましては措置命令を行うなど対応いたしてまいりたいと存じております。
        〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕

◆小佐井賀瑞宜 委員  ただいまは、課題の整理をわかりやすくするために、地域からの要望として正式に書面をもって上申してある一つの事案を掲げさせていただきました。複雑な案件につきましては、本来その事案ごとに具体的な解決策を示していただきたいところでございますけれども、基本的な考え方や指針は存在しているということでございますので、丁寧に、また迅速に円滑に課題解決へ向けた取り組みを望みたいと思います。
 それでは、3つ目の少子化対策推進事業としての婚活に関する件についてお尋ねをさせていただきます。
 資料は112並びに117ページです。
 昨今の個々の多様化したライフスタイルが結婚に至らない元凶であることは御承知のとおりでございます。それゆえ、近年積極的に自治体の責務として事業化し始めたのが本事業であると認識をいたしております。
 しかし、さまざまなメニューを実施されながらも、いささか成果は思うように至っていないように感じます。数値的にも不安がよぎります。どのように重要な取り組みであっても、成果が表面化しなければ長くは続いてまいりません。
 この課題の背景や今後の有効的な取り組み方についてお考えがあればお示しください。健康福祉局長の見解をいただきたいと思います。
        〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕

◎池田泰紀 健康福祉局長  少子化推進事業の結婚支援についてお答えを申し上げます。
 本市におきましては、平成28年度に結婚を希望する独身者へ結婚支援を行います結婚世話人を養成いたしまして、結婚世話人によります独身者の引き合わせやパーティーを実施いたしますとともに、平成29年12月からは結婚支援に取り組まれる企業や事業所、団体、店舗を結婚応援団体として募集をいたしまして、本市からの結婚、子育てに役立つ情報の提供や他の団体との情報交換を通じまして結婚支援を行っているところでございます。
 さらに今年度には、結婚世話人と結婚応援団体が連携されまして、結婚応援団体の会場を使用されたパーティーが開催をされたところでございます。
 このような取り組みを進めておりますものの、現時点では結婚の実績に結びついていないことが課題であると認識をしているところでございます。
 一方で、結婚は個人の自由意思が尊重されることが前提でありますことから、双方の引き合わせから交際を経て結婚へと至りますまである程度の時間が必要であるものと考えているところでもございます。
 婚活事業は、民間によりますパーティーや情報誌の提供なども行われておりますが、本市といたしましては、結婚しやすい環境づくりのために行政としても必要性のある事業と捉えておりますことから、民間との連携についても検討してまいりたいと考えております。
 今後も、結婚応援団体との協働事業や結婚世話人の引き合わせの機会をふやしますとともに、引き続き結婚世話人によります独身者への交際から結婚に至るまでの細やかなアフターフォローを行ってまいりたいと考えております。
        〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕

◆小佐井賀瑞宜 委員  息の長い支援であり、担当課は取り組みに限界を感じることもあるかもしれませんので、皆さん方の御苦労が伝わってくるような気がいたします。
 私が推察する課題背景といたしましては、やはり個人の考え方や生き方など、特にその権利が尊重される時世にあって、行政がどこまで踏み込むことが可能なのかと、そのような判断が最大の障壁になっているのではないかとも感じます。しかし、少子化への対応という政治的な配慮のみならず、人としての本質的な部分についても追随し、次世代の皆さん方に対し教育を施すような機運の醸成が欲しいと考えます。
 そのような意味から、熱意を持って引き続き事業展開が図られることを切に願っております。
 また、拙い提案ではございますけれども、市長は市民とどんどん語ろうという企画をお持ちでございますので、どうぞ市民の市域内の高校生や大学生の皆さんと積極的にこの結婚の話や有意義なお話、家庭内のこと、こういったこともお話しいただけると一案ではないかなというふうに思いますし、偉大な指導者の言葉というのは影響力も大変多うございますし、特に市長の御家庭もさらに円満にいくのではないかなと、そのように感じておりますので、御留意いただければと思っております。
 また、別件で1つだけ気にかかることがございますので、御意見として御提案を申し上げたいと思います。
 117ページには、事業の目的といたしまして、「子育てしやすい職場環境の整備促進や父親の育児参加を支援します」という記述がございます。意味あって良心的に記述がされているものというふうには存じますが、この文言中の「父親の」という部分については少々誤解を受けやすいのではと懸念をいたしております。父親の育児参加は現実的な課題としてクローズアップされていることは私も存じておりますけれども、各家庭内においては積極的に子育てに関与されていらっしゃる父親もたくさんいらっしゃいます。特に我が党の高本委員がそのよい手本ではないかなと思っております。
 私は、長いことPTA等にかかわっておりますので、多くの父親が本当に自然体で子育てを行っていらっしゃることを承知している者として、この文言には何ともいささか違和感を抱いてしまいます。願わくは、「父親の」という特定した記述よりも、「父親を初め家族全員が等しく育児参加できる環境づくりを目指します」などの方がソフトで望ましいのではないかなと考えた次第でございます。正当に頑張っているお父さん方の人権が侵害されないように御配慮をいただければ幸いでございます。
 それでは、4つ目の項目に移ります。
 205から206ページの消防機能の充実から、消防機能と医療機関との連携について、消防局長にお尋ねをいたします。
 この夏、熊本市では、高校野球の試合中に、会場であります県営藤崎台球場や市営水前寺球場で発生した熱中症による患者同時発生において、救急活動は大変混乱と困難を来したと思います。現に私も現場を目の当たりにし、搬送業務のもどかしさにいら立ちを感じました。そして、これから本市で展開されるスポーツの世界大会への備えに不安を抱かずにはおれませんでした。
 先般、本年6月25日に開催されました自民党の、我が党の政務調査会で意見交換をさせていただいた折には、テロリストまで想定した対応を構築し、関係各所との連携のもと、万全の体制で臨みたい旨の御意向を示していらっしゃいました。しかし、厳しい夏の猛暑にさらされたあの球場での悲惨な状況をかいま見た者としては、やはり理想的活動の構築は大変難しいものがあると肌で感じ取った次第であります。
 現在、消防局では、消防力強化を目指し、機材やシステム等のハード的整備が進められております。中でも、今般ではあらゆる災害に対応できる新消防指令管制システムを構築するための調査や検討もなされていらっしゃいます。これからの新システムの運用に大変期待が寄せられます。
 特に、熊本市の緊急自動車到着、現場到着は、どの地域にあっても、通報から出場し現場まで4分30秒を実施計画の目標値として定めております。これは大変頼もしい限りであります。しかし、現状は、道路交通網の不備や一般車両の交通マナーの悪質さが影響し、大変厳しい現実もあるようでございます。
 さらに、29年度は、現場における搬送先の調整に関し、円滑な活動がままならず滞在時間が30秒程度延びてしまったという報告もございます。
 そこでお尋ねいたしますが、消防局として現在運用中の指令管制システムの課題や患者搬送にかかわる現実的な課題をお示しください。そして、今後の初期対応を改善させるための現場隊員の士気向上策や、その対策や、これから体制整備に必要とされる財源等についてもお示しいただきたいと思います。
 また、今般夏の事案を踏まえ、緊急搬送から医療機関へ円滑につなぐための今後の医療機関とのかかわり方や展望についても見解を求めたいと思います。消防局長、お願いいたします。
        〔西岡哲弘消防局長 登壇〕

◎西岡哲弘 消防局長  消防機能の充実と医療機関との連携についての御質問にお答えいたします。
 現在の指令管制システムは平成9年に導入し、中間整備を行いながら現在まで運用しているところでございます。その間、管轄人口や面積の増加、救急需要の増大や災害の多様化など、導入当初と比べ社会環境が変化していることに加えまして、さらに熊本地震を踏まえた指令管制システムの強化が必要であると認識しております。
 そこで、対策としましては、指令管制室や消防署所、さらには災害対策本部間で災害現場の映像やデータを共有でき大規模災害等に対応できるバックアップ機能を備えた指令管制システムの導入を予定しているところでございます。
 次に、救急搬送の病院到着までの時間に関しましては、平成27年の実績である36分を基準とし、これを短縮することを目標としてきたところではございますが、平成28年と平成29年については遅延傾向になっております。
 この要因の一つとしましては、年間約3,500人を受け入れていました熊本市民病院が熊本地震の際に被災し救急患者の受け入れができなくなったため、ほかの病院への受け入れ要請の問い合わせ回数が増加し、現場滞在時間が延びているものと考えております。
 なお、改善のための対策につきましては、メディカルコントロール協議会等において医療機関と現状を共有し協力をお願いするなど、今後とも円滑な受け入れ体制の構築を目指してまいります。
 さらに、御指摘の多数の傷病者が想定される集団災害への対応といたしましては、イベントの主催者や警察等の関係機関と連携した研修や訓練を行い、現場隊員の士気及び能力の向上を図り、迅速で的確な市民の立場に立った業務遂行に努めてまいります。
 最後に、これらの財源等につきましては、緊急防災・減災事業債などの現行制度の中でより有利な財源を活用したいと考えております。
        〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕

◆小佐井賀瑞宜 委員  消防業務の課題の背景には、市民病院の件がかかわり深いことも表面化いたしました。そのような意味において、市民病院の役割の重要性を改めて感じております。早期の開院が望まれますので、病院局も万全の体制づくりにいそしんでいただきたいと願っております。
 なお、これからの市域内では、大型の建設事業を初め、世界的なスポーツ大会など、活気の帯びた事業が続いてまいります。無事にこの成功を見届けるためにも、万が一のために陰で支える大きな力を保持しておかなければなりません。そのために、消防局は常に市民の生命と財産を守るため、みずからの生命の危機を顧みずに市民の負託に応えようとされている機関でございます。自衛隊や警察機構に並ぶ崇高な機関です。さらなる機能充実に向けて御精進いただけますようよろしくお願いいたします。
 さて、最後のお尋ねに移ります。
 資料は213ページの確かな学力を育む教育の推進についてです。
 教育センターが主管いたします教師塾きらりは、熊本市が誇る大変有意義な事業であると認識をいたしております。
 振り返りますと、私が教育をテーマとして最初に行った政務調査が浜松市の教師塾でございました。そして、その有効性を見出し、一般質問で本市教育委員会による早期実現を申し述べたことを思い起こしております。
 しかし、本市も時を合わせたように、私の提言以前からいち早く研究を重ねた上で事業化に踏み切りました。迅速かつ円滑な活動に大変な御苦労と同時に大きな評価を得たところでございます。それからは毎年順調に事業を展開され、有能な教師の育成に寄与されてきたと思います。
 そして、今般、何ら違和感なく成果指標を拝見させていただきましたところ、いささか気になる記述を目にいたしましたので、今回改めて教育長に見解を求める次第であります。
 そもそも、教師塾きらりの開設の趣旨は、特定の知識を付与するような講座とは違い、基本的には現場教師の授業づくりのスキル向上を狙いとした実務研修であるというふうに私は認識をいたしております。
 しかし、今般、この事業の中に特定の知識をテーマとした講座が開設される予定となっております。内容は情報モラルに関する講座となっております。
 私も情報モラル教育の必要性は高いというふうに心得ますが、教師塾きらりのプログラムにあえて盛り込む理由は一体何なんでしょうか。そのメリットとはいかなるものなんでしょうか。これまで培ってきた事業趣旨や理念から逸脱することを懸念いたしますが、今後の教師塾きらりの狙いについて教育長に見解を求めたいと思います。
        〔遠藤洋路教育長 登壇〕

◎遠藤洋路 教育長  教師塾きらりは、教師の授業力の向上と学び続ける教師の育成を目的に平成24年度から事業を行っており、平成30年度で7年目を迎えたところです。
 この間、情報化は加速度的に進み、新学習指導要領にも情報活用能力が学習の基盤となる力として位置づけられたところです。そのため、情報モラル教育を含む情報化への対応力は、これからの学校のリーダーに不可欠な資質・能力であると考えまして、教師塾きらりでも取り扱うことといたしました。
 本研修、きらりでこれを扱うメリットですが、講師による模擬授業を通して、研修者一人一人が実際にどのように情報モラル教育の授業を進めるかをイメージできるようにする点であり、これは教師塾きらりが本来目指す授業づくりそのものであると考えております。
 今後も教師塾きらりについては、教師の授業力の向上に加え、教師としての姿勢を学び、時代が求める資質・能力を備えた学び続ける教師の育成を目指し、さらなる事業の質的向上を図ってまいります。
        〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕

◆小佐井賀瑞宜 委員  ありがとうございました。方向性は変わっていないということを確認し、安堵いたしました。
 教師塾きらりには、以前から申し上げておりますとおり、参加されている教師の皆さんやOB、OGの先生方のモチベーションがさらに引き続き保たれますように、市長には何とぞ支援の拡大をお願いしたいと申し上げたいと思います。
 これにて私の用意いたしました質疑は終結いたしますが、この後は、私が尊敬いたしております、人生の先輩でもございます危機管理・防衛のエキスパート、光永邦保委員にバトンを委ねたいと存じます。
 私の方からは以上でございます。ありがとうございました。(拍手)

○満永寿博 委員長  小佐井賀瑞宜委員の質疑は終わりました。
 次に、光永邦保委員の質疑を行います。
        〔光永邦保委員 登壇 拍手〕

◆光永邦保 委員  おはようございます。自民党市議団、2番手の光永邦保でございます。
 私からは、まず財源確保とその健全な運用という観点から、これが1つ、その後に各事業別に質問をしてまいりたいと思っております。
 まず最初に、住宅新築資金貸付金元利収入についてお伺いをしたいと思います。
 お手元に決算関係資料をお持ちの方は、収入未済額調書の27ページをごらんいただきたいと思います。
 ここに記載されている数字を見てちょっと気になりましたので、お尋ねをしたいと思います。
 この資料にありますように、予算現額1,160万円に対し、調定額が6億3,823万5,109円、そして調定額に対する実際の収入額はわずか660万2,539円となっております。結果的に収入未済額6億2,119万5,430円もの多大な金額となっておりますが、これはどのような事業なんでしょうか。その目的、これまでの経緯、今後の方針につきまして説明をお願いします。都市建設局長、お願いいたします。
        〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕

◎田中隆臣 都市建設局長  住宅新築資金貸付金元利収入についてのお尋ねにお答えします。
 まず、住宅新築資金等貸付事業について御説明させていただきます。
 この事業は、歴史的・社会的理由により生活環境等の安定・向上が阻害されている地域の方々の住環境整備の促進を目的として、同和対策事業特別措置法に基づき、みずから居住するための住宅建設等を行う者に対し、償還期間最長25年の貸付を行う事業でございます。
 本市は、昭和51年の事業開始から平成8年までの間、367名の方に総額約26億7,000万円の貸付を行っており、償還金総額については利息を含めて約31億6,000万円となっております。また、貸付に対しましては国より約4分の1の補助を受けております。
 回収に当たりましては、平成15年から回収償還推進嘱託員を雇用し、個別対応を中心に分納等による収納事務及び納付指導や、居住のない住宅に対しましては担保不動産の競売の申し立てを行い、これまで266名が完済し、回収額は平成30年8月現在で合計約25億3,000万円となっております。
 その結果、納期が到来していない約1,000万円を差し引いた約6億2,000万円が委員御指摘の収入未済額となっております。
 現状としまして、債務者、連帯保証人等の多くは高齢者で年金のみの生活をされている方、病気等で就労できず収入の少ない方、死亡しているケースや自己破産している方もいるなどにより未収額が膨らんでいる状況でございます。
 今後の方針ということでございますが、本年4月から回収償還推進嘱託員に加えまして、徴収実働チームの再任用職員を配置し、連帯保証人等の所在の確認や訪問を行うなど債権回収の強化を行っているところであり、今後とも平成28年4月に施行されました債権管理条例にのっとり、債務者個々の状況を勘案し適正管理に努めてまいります。
        〔光永邦保委員 登壇〕

◆光永邦保 委員  ただいま御答弁をいただきまして、この事業がどういうものであるかよく理解できました。私は数字だけを見て質問させていただいたわけですけれども、この約660万円という額が現場の方の大変な御苦労の上に成り立っているんだということがわかりまして、改めて頭の下がる思いであります。
 いろいろな考え方があると思います。全体の比率を上げるんであれば、分母を早目にカットしたらどうかという考え方もありますけれども、現時点で既に7割以上の方が完済しているとなれば、そこに不公平感が生まれてもいけないというふうに思います。非常にデリケートな問題ですけれども、まずは実際に足を運んで、関係を築いた上で今後も公正に事業を進めていただきたいと思います。
 続いて、税の徴収漏れについて伺います。
 決算状況報告書の63ページをごらんください。
 本市の税の収納率は平成28年、96.06%から0.61ポイント上昇して、平成29年、96.67%ということですけれども、これは依然として政令指定都市の中で最下位のレベルにあります。
 ページ中ほどの表を見ますと、検証指標、つまり目標値の設定がなされておりません。これを示していない理由があれば教えてください。さらに、本来であれば、この検証指標を設定すべき事業がほかにも散見されますけれども、ここにも目標値が設定されておりません。その理由もあわせてお願いいたします。
 また、この税の徴収に関して申し上げますと、決算関係資料、不用額調書の40ページに納税指導に当たる方の賦課徴収費報酬額というのがありますけれども、これを見ると、納税指導員の訪問件数減少を理由に404万8,519円が不用額として計上されています。これでは徴収率向上への努力が余りなされていないような、そういう印象を受けてしまいます。この訪問件数が減少した理由と経緯を教えていただきたいと思います。
 以上3点につきまして、財政局長、お願いいたします。
        〔田中陽礼財政局長 登壇〕

◎田中陽礼 財政局長  税の徴収に関するお尋ねにつきましてお答えいたします。
 まず、税の収納率の指標が設定されていない理由についてのお尋ねでございますが、決算状況報告書の検証指標は、第7次総合計画との整合性の観点から検証指標を記載していないところでございます。目標値といたしましては、平成26年度の指定都市収納率上位10市の平均に5年間で到達するため、最終目標値を2020年、平成32年度の97.7%とし、各年度の目標値を設定しているところでございます。
 次に、決算状況報告書の検証指標について、指標の設定がない事業が散見されるとの御指摘でございます。
 決算状況報告書は、第7次総合計画実施計画の第3編、分野別施策及び第5編、総合計画を推進するためににおける分類に沿いまして各施策の成果等を記載いたしており、お尋ねの検証指標につきましても総合計画と同じものを設定しているところでございます。
 総合計画実施計画の第5編に分類された事業につきましては、検証指標が設定されていないことから決算状況報告書でも同じ取り扱いとしておりますが、委員の御指摘も踏まえ、今後よりわかりやすい資料となりますよう、新たな検証指標の設定につきまして検討してまいります。
 最後に、納税指導員に係る不用額の計上の理由についてでございますが、不用額調書の備考欄には、200万円以上の不用額が発生した場合、その理由を記載することとなっており、不用額の中で主なものである納税指導員経費について記載しているところでございます。
 賦課徴収費全体の不用額は404万8,519円となっておりますが、そのうち納税指導員17名に係る不用額は224万7,144円でございます。納税指導員は能率報酬制でございまして、不用額調書には訪問数の減と記載しておりますが、勤務実績で見ますと執行率は約95%となっておりまして、収納率向上に貢献していると考えているところでございます。
        〔光永邦保委員 登壇〕

◆光永邦保 委員  ただいまの御答弁によりますと、税の徴収率など、数的な目標は実はちゃんとあると、ここに書いていないだけだと。そしてその理由は、第7次総合計画との整合を図るためだということでありました。目標値はあると伺いましたので大変安心したところです。やはり人間は目指す山の頂上が見えて初めて力が出ます。多少他の計画と整合性がとれていなくても、やはり目標は示すべきであろうかと思っております。また、納税指導員に対する報酬額も、不用額の全てではなく、執行率は95%で、決してこれは悪い数字ではないということも伺いまして、これも安心いたしました。
 ただ、先ほどお示しいただいた平成32年度における最終目標値が97.7%というのはちょっと低過ぎるような印象を持っております。平成29年度における達成率が96.67%ですから、この差が1.03ポイント、これを3年で達成するわけですから、単純にこれ3で割りますと、1年に0.35ポイントということになるわけです。この28年度から29年度の1年間で報告書にあるとおり0.61ポイント増加しているわけですから、少し控え目に毎年伸び率を0.5としても、最終的に98%は私は達成できるんではないかというふうに思っております。ぜひともこれは上方修正を要望しておきたいと思います。
 先日の一般質問において、我が会派の高本委員から新たな自主財源のお話が出ておりました。地震の債務に対する返済が開始されると、熊本市の財政はいよいよ厳しくなります。これは誰もが予見するところです。しかし、新たな財源の検討をするときに必ず問題になるのが、今の制度の中でどれだけ税を徴収できているのかという話になります。これまた現場においては御苦労もあり、大変なことだろうと思いますが、ぜひとも努力を継続していただきたいと思います。
 震災後、自助・共助が叫ばれておりますけれども、自主財源というのはまさに本市にとっての自助であろうかと思っております。
 続きまして、事故繰越について伺います。
 決算状況報告書は22ページをごらんください。
 ここにありますとおり、平成29年度は一般会計、特別会計合わせて22件の事故繰越があったとされております。その理由を見ますと、作業員不足9件、入札不調が3件、この両方によるものが3件、事業見直しが4件、その他が3件となっております。
 財務省の繰越ガイドブックによれば、事故繰越は、予算成立後に災害のように避けがたい事故が起きた場合の繰り越しとなっております。この要件からすると、ここにあるのは事故繰越には当たらないのではないかと、単に事業見込みを誤ったのが原因ではないかと思えてしまうのですが、これはいかがでしょうか。今後、こうした繰越が発生しないようにする方策とあわせてお答えいただきたいと思います。財政局長、お願いします。
        〔田中陽礼財政局長 登壇〕

◎田中陽礼 財政局長  事故繰越に関するお尋ねにつきましてお答えいたします。
 予算の繰越は、会計年度独立の原則の例外といたしまして、地方自治法の規定により予算の一部を翌年度において執行することができると定められているところでございます。
 このうち、明許繰越とは、地方自治法第213条の規定に基づき、その性質上または予算成立後の事由に基づき年度内に支出を終わらない見込みのあるものについてあらかじめ限度額を設定することにより繰り越すものでございます。
 一方、委員お尋ねの事故繰越とは、地方自治法第220条第3項の規定に基づきまして、予想できなかった避けがたい事情により年度内の支出が終わらない場合に行うものでございまして、あらかじめ限度額を設定することなく行うなどの点で明許繰越とは異なっております。
 今回、やむを得ず事故繰越となった22件のうち、その大半につきましては、平成28年度から平成29年度へ繰り越した予算について、震災の影響や関係機関との調整等により事業期間を延長し平成30年度へ繰り越さざるを得なかったものでございまして、地方自治法の制度上、事故繰越となったものでございます。
 しかし本来、委員御指摘のとおり、予算は年度内に執行することが原則でございますことから、今後とも早期の発注や公共工事の不調不落対策等を講じつつ、発注後においても事業に関連する関係機関との密な連携を行うこと等により年度内の執行に努めてまいります。
        〔光永邦保委員 登壇〕

◆光永邦保 委員  これら22件は事故繰越で間違いないという御答弁をいただきました。私はもちろんこの分野の素人ですから、ただ財務省の資料を読んだままのところでお尋ねをしているわけですけれども、現在、議会図書室に地方財政講座という書物があるわけですけれども、事故繰越は予算執行の段階と捉え、地方団体の長でできるという文言も目にいたしました。これはつまり市長判断で繰り越しをして、その後で報告をすればいいという扱いになるわけであります。未曽有の震災の中で2年続けて予算を繰り越すこと自体、これまでに経験したことのない状況だろうと思います。そうであればこそ、これが本市における貴重な前例となりますので、適正かつ慎重な御判断をお願いしておきます。
 また、あえて質問は避けましたけれども、繰り越した事業の中には、熊本城ホール整備事業など極めて重要な事業も含まれております。御答弁にありましたような、まずは重要なものから早期に発注をして、不調不落に万全の対策を講じつつ、最大限の努力を傾注していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 続きまして、一般管理費負担金補助及び交付金についてお尋ねをいたします。
 決算関係資料、不用額調書の38ページをごらんください。
 予算現額18億4,846万9,000円に対しまして、不用額が11億5,436万7,377円と、これ大半を占めております。説明には、熊本地震からの住まい再建に関する各種事業の申請数が見込みを下回ったと説明されておりますが、なぜこれほどまで数字に開きができたのでしょうか。考えられる要因とあわせてお答えをいただきたいと思います。政策局長、お願いします。
        〔古庄修治政策局長 登壇〕

◎古庄修治 政策局長  住まい再建事業の執行状況についてのお尋ねにお答え申し上げます。
 平成28年の熊本地震により被害を受けられた方の住まい再建事業として、平成29年9月、県においてメニュー化がなされ、これを受けまして、本市において県の復興基金を活用した住宅再建利子補給事業など4つの住まい再建支援事業の予算措置を行ったところでございます。
 その予算化に当たりまして、対象となる世帯数について、自宅再建など、再建方法の内訳が不明確な中、県の見込みをもとに熊本市の現状を加味して積算を行い、申請に対して不足が生じないよう十分な予算を確保した上で、同年11月13日から各区役所において受付を開始したものでございます。
 本市では、事業開始にあわせまして、ホームページや復興だより、新聞等のマスメディアを使った広報活動に取り組みますとともに、地域支え合いセンターなどにより制度の周知を図ってきたものの、建設業の人出不足による住宅着工の遅延や、加えまして、同年10月に仮設住宅の供用期間の延長が決定となったことなどから、結果として申請件数が伸びず、多額の不用額が発生したものでございます。
 しかしながら、本年度に入りましては、住まい再建が進むにつれて徐々に申請件数は伸びてきておりまして、今後もさらに周知を重ねることで一日も早い被災者の住まい再建につなげてまいりたいと考えております。
        〔光永邦保委員 登壇〕

◆光永邦保 委員  現場の感覚で、非常に正直でリアルな御答弁であったかと思っております。私の近所も最近になって更地になったり、建てかえの工事が始まったところが何件もあります。建設業者の人手不足や仮設の延長によって環境条件が変わる中、とにかく不足があってはならないという判断があったことも十分理解できます。むしろ住まい再建に関するこうした需要の動きを本市としてしっかりつかんでおくべきだろうと思っております。二度と大規模な自然災害は御免だと思うわけですけれども、災害における本市の回復力を今こそきちんとデータとして残しておいていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 次に、人事管理費の賃金について伺いたいと思います。
 同じく決算関係資料、不用額調書38ページをごらんいただきたいと思います。
 ここにありますように、予算現額2,430万3,000円に対し、不用額が1,105万3,544円と実に約45%を占めております。理由を見てみますと、育児休業等を取得する正職員の代替として、各課に配属する臨時職員の雇用が当初の見込みを下回ったからだとなっております。この要因は一体何だったんでしょうか。また、かわりの方が採用できないという状態で職場に問題はなかったんでしょうか。今後の改善策とあわせてお答えをいただきたいと思います。総務局長、お願いいたします。
        〔中村英文総務局長 登壇〕

◎中村英文 総務局長  臨時職員の雇用経費についてお答えをいたします。
 各課における一時的な業務増や欠員などに対応するため、臨時職員の雇用経費を人事課におきまして計上いたしております。
 当初予算では187月分を計上いたしておりましたが、事務事業の見直し、効率化の取り組みによりまして事務量の削減が進んだことや、配置要望が見込みより少なかったことなどによりまして約107月分の配置にとどまり、不用額が生じたものでございます。
 一方で、申込者が少ない時期や、本人の希望と勤務条件が合致しなかったことにより要望された時期に適宜配置ができなかったケースもありますことから、部署によってはマンパワーが不足していた場合もあると考えております。
 臨時職員の確保につきましては、効果的な募集と確保の手法を検討し、各課の事務事業の遂行に支障が生じないよう適切な配置を行ってまいります。
        〔光永邦保委員 登壇〕

◆光永邦保 委員  私の印象では、地震後の業務量がふえる中、相当大変な現場もあったのではないかと想像しておりましたけれども、ただいまの御答弁を伺いまして、少し安心をしたところです。人の面と業務の効率化の両面から対応していただいたことが功を奏したというふうに感じておるところです。
 実際には、臨時採用の方のほかにも嘱託の方などがおられまして、職場の総合力で対応していかれることになると思います。給与などの雇用条件をどうするかという話、これはもちろんあるわけですけれども、正職員の方の抜けた穴をそのまま埋めるのではなくて、ある程度席を譲り合って、比較的軽い仕事、誰もが手を挙げやすい仕事にして募集をするということも大事かというふうに思っております。
 いずれにしても、気兼ねをして育児休暇が取りづらいという雰囲気はあってはならないと思います。仕事のことは心配しないでいい、全力で子育てに頑張ってと力強くエールを送れる職場を目指していただきたいというふうに思います。
 以上で、財源とその運用に関する質問を終わりまして、事業別の成果について伺いたいと思います。
 まず1つ目は、地域における防災訓練についてお尋ねをいたします。
 決算状況報告書の37ページです。
 ここにある避難訓練、それから物資供給訓練の対象となった5つのモデル校区はどのようにして選定されたのでしょうか。今後の訓練の進め方と成果の普及要領について教えてください。政策局長、お願いします。
        〔古庄修治政策局長 登壇〕

◎古庄修治 政策局長  地域防災訓練に関するお尋ねにお答え申し上げます。
 まず防災訓練の5つのモデル校区の選定方法についてでございますが、平成28年度熊本地震を受けて、昨年4月に実施した震災対処実働訓練では、防災についてまず先進的に取り組まれている校区をモデル校区として各区において1校ずつ選定し、約1,200名余りの市民に訓練に参加いただいたところでございます。
 平成29年度から、地域の防災力を高めるために、本市では校区防災連絡会の設立促進に取り組んでいるところでございまして、ことし4月に地域と連携して実施した震災対処実働訓練では、校区防災連絡会が設立されております全校区に参加を呼びかけまして、地域が主体となって訓練を実施しまして、全部で39校区、3,300人を超える参加があったところでございます。
 次の防災訓練の今後の進め方や成果の普及促進についてでございますが、今後は全校区での訓練実施を目指していくとともに、季節や時間帯を変えるなどさまざまな条件下における訓練を行うなど、地域の防災力強化に努めてまいりたいと考えております。また、これらの訓練の検証を行いまして課題を把握した上で、より実践的な訓練の全市的な普及につなげてまいります。
        〔光永邦保委員 登壇〕

◆光永邦保 委員  各区ごとに地域防災について先進的に取り組んでいるところがモデル校区に選定されたという御答弁でした。
 残念なのは、その他の校区の自主防災クラブ等にこの訓練の御案内がなかったということであります。スタートは少数で始めて、次第に参加する校区をふやしていって、最後は全校区で行うという、数で管理する考え方もあると思います。しかし、その一方で、何が問題で、これをどう解決するのかとか、何ができてなくて、どのスキルを向上させるのかという質の向上がより大切なことではないかと思っております。
 先日、私の校区で地域防災連絡会と避難所運営組織を立ち上げるために初めて会議が行われました。避難所に派遣される市役所の6名の方とともに初顔合わせをいたしまして、非常にいい感じでスタートを切ることができました。地域における防災訓練のこうした質的な向上に今後市役所の方が積極的にかかわっていかれることを要望しておきます。
 そういう意味で、先般の一般質問では訓練の中長期的な管理をお願いしたところでありますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
 次は、こうした地域防災体制の基盤とも言うべきまちづくり支援機能の強化について伺いたいと思います。
 お手元の資料には地域コミュニティ云々となっておりますけれども、これは報告書の表現に合わせて表現を変えております。お許しをいただきたいと思います。
 決算状況報告書の73ページになります。
 市役所組織改革の大きな目玉として誕生したまちづくりセンターですけれども、その担当職員の方の活動件数が平成28年度、わずか622件であったものが、平成29年度には一気に1万7,229件、約28倍に上がっておりまして、既に平成31年度の検証値として設定された目標の9,500件をはるかに大きく上回っております。この昨年度の実績値に対する分析と今後の目標設定、当然これは上方修正されていくと思うわけですけれども、これについて教えてください。市民局長、お願いします。
        〔萱野晃市民局長 登壇〕

◎萱野晃 市民局長  まちづくり支援機能の強化に関する御質問にお答えいたします。
 お尋ねの検証値につきましては、地域担当職員の活動状況を示す指標の一つとして、先行配置をいたしました花園・北部の両まちづくり交流室の活動状況を参考に設定したところでございます。
 まちづくりセンターを設置いたしました初年度である平成29年度は、まちづくり支援機能の強化というその目的と地域の潜在的なニーズが合致し、さらには地域担当職員の積極的な活動もございまして、1万7,229件と設定いたしました検証値を上回ったものと考えております。
 地域担当職員の活動内容につきましては、地域ニーズの変化とともに見直していくことも必要であると考えておりまして、その中で検証値につきましても検討してまいりたいと考えております。
        〔光永邦保委員 登壇〕

◆光永邦保 委員  平成28年度は先行配置した参考値だということで納得いたしましたけれども、それにしても、平成29年度のこの活動実績値はすごいというふうに思っております。
 以前、寺本委員からも御意見がありましたけれども、このまちづくりセンターの設置はすばらしいアイデアだったんではないかなというふうに思っております。東区においても、地域活動のさまざまな場面にかかわって皆さん頑張っておられます。ここにある数字のような成果を私も実感として感じているところであります。
 むしろ心配しておりますのは、勤務時間の管理は適正に行われているのだろうかということであります。行事やイベントは大抵土日、休日に集中しておりまして、地域の話し合いといえば大体夕方以降に行われることが一般的であります。休むときには休んで、しっかり体力調整をしていただきたいと思います。
 御答弁にもありましたが、今後は区ごとの特色がわかるような指標の設定があってもよいかなと思っております。今後の推移を見ながらぜひとも検討していただきたいと思います。
 続いて、業務改善に関する事項を2点お尋ねいたします。
 決算状況報告書の52ページをごらんください。
 現在取り組んでいるペーパーレス化の事業効果と、今後はどのような検証指標をもって進めていくのかを教えていただきたいと思います。総務局長、お願いします。
        〔中村英文総務局長 登壇〕

◎中村英文 総務局長  ペーパーレス化の事業効果についてお答えをいたします。
 平成28年熊本地震の際の災害対策本部会議などからタブレット端末を使ったペーパーレス会議を導入し、平成29年度は庁議や主管部長会議等への利用を拡充しているところでございます。
 事業効果としましては、印刷製本などに要するコストの削減、紙資源の消費削減による環境負荷の低減が見込まれますほか、資料修正が簡単、迅速に対応でき事務の効率化が図られますことや、情報セキュリティの観点からも有益であると考えております。
 次に、今後の検証指標についてお答えをいたします。
 タブレット端末を活用したペーパーレス会議につきましては、事務の効率化による会議準備作業の節減時間などを指標とし検証を行っているところでございます。
 今後、検証結果を踏まえまして、タブレット端末を利活用し、さらなるペーパーレス化を進めてまいりたいと考えております。
        〔光永邦保委員 登壇〕

◆光永邦保 委員  最近の取り組みのひな形ということで、タブレット端末の活用を中心に御答弁いただいたのだろうと思っております。アイデア次第ではいろいろな使い方があると思いますので、ぜひとも積極的に使っていただいて、その成果を広めていただきたいと思います。
 議会の私たちにもタブレット端末をいただいておりますけれども、いろいろな意見を聞いておりますので、あわせて御検討いただきたいと思っております。
 タブレットのボタンがわかりにくいとか、指先が乾燥すると反応しないとか、データのやりとりに制限があるとか、こうした性能上のことは別にいたしまして、要望事項の1つ目として、まず、サイドブックスに送られる文書名の様式をある程度統一していただきたいと思います。例えば文書名が「要望」と一言載っているような文書もあるんですけれども、開くまでそれが一体どこから来た何の文書かわからない。それがずらっと出たときに非常に手間がかかります。文書の日付、文書の内容、関係部署等がタイトルで端的にわかるようにしていただけるとありがたいです。
 それから、2つ目は、タブレットに送った資料を見てくださいというお知らせをタブレット宛てにメールで送られても、これはなかなか気づく人がいないと思うんです、もともとタブレットを見ていないわけですから。そういうことで、できれば連絡先の我々の携帯にもタブレットを見てねというお知らせが入るようにしていただくと、もう少し見るチャンスがふえるんではないかと。申しわけありません。これが2つ目、よろしくお願いします。
 それから、3つ目には、会議等での積極的な活用を今後ともお願いしておきます。やはり使うことになれないと普及していかないと思っております。この議会に広がれば、これは社会に広がります。ペーパーレスという時代の波から私たちを置き去りにしないようによろしくお願いをしたいと思います。
 続いて、広報事業について伺います。
 決算状況報告書の45ページをごらんください。
 ここ、広報事業の推進に当たっては、あらゆる広報媒体を活用してという表現があるわけですけれども、具体的にどのような媒体を活用していこうというお考えでしょうか。また、ここも検証指標の欄が白紙になっております。さまざまな媒体を使った上で、今後どのような検証指標を設定して進めていかれるのかを教えてください。政策局長、お願いします。
        〔古庄修治政策局長 登壇〕

◎古庄修治 政策局長  広報事業の取り組みについてのお尋ねにお答え申し上げます。
 まず、検証指標の考え方についてでございますが、今回の第7次総合計画におきましては、各施策や事業の成果や実績を検証し、次の改善につなげていくために、これまで成果指標としていたものを検証指標に変更しまして、また事業全体を検証できる適当な指標がない場合などについては個別の細事業で設定するなど、柔軟に対応することといたしたものでございます。
 このようなことから、広報事業については全体の検証指標は定めておりませんが、個別には利用実態を把握して目標を設定して取り組んでいるところでございまして、例えば市の公式ツイッターでは、当初1年間のフォロワー数の目標を3,000人に設定しまして、昨年12月から開設しております。現在、市のホームページと連動して投稿できるような工夫を行った結果、既に目標の2倍以上となります7,000人を超えるフォロワー数を獲得しているところでございます。また、市のフェイスブックのフォロワー数は約1万4,000人を超えておりまして、イベントの話題や写真などをタイムリーに投稿するなど、フォロワーによるさらなる情報の拡散につながるよう努めているところでございます。
 今後の取り組みとしましては、広報媒体の多様化、デジタル化が急速に進み、市民の皆様の情報収集手段もさま変わりする中、本市におきましては従来の市政だよりやホームページあるいはテレビ、新聞などのマスメディアに加えて、SNSを活用した市政情報の発信にも力を入れてまいりたいと考えているところでございまして、市政だよりやホームページの充実はもとよりでございますが、フェイスブック、ツイッター、ラインなど新たな広報媒体も積極的に取り入れまして、これらの媒体の特性を生かしながら、市民の皆様に市政情報をわかりやすくタイムリーに提供してまいります。
        〔光永邦保委員 登壇〕

◆光永邦保 委員  紙ベースではない、フェイスブック、ツイッター、ラインなどなど、この分野は今や必須の分野になりつつあります。このSNSの世界に登場しないものは、もはやこの世に存在しないのと同じだと豪語するアメリカのジャーナリストの話を聞いたことがあります。いいねだけではなくて、フォロワーの数で目標を設定していくというアイデアについては大いに進めていただきたいと思います。
 これらを踏まえた上で、私からは、あえて紙ベースの広報について要望を申し上げたいと思います。
 市議会だよりを市政だよりの中に挟み込むような形にしてから2年目に入りました。先般の市議会だより9月号では、現在環境局で進めております省エネ機器等導入推進事業の補助金を独自の紙面構成でPRをしたところであります。これからもお互いにタイアップをしながら相乗効果が得られるような広報戦略を展開していければと考えております。こちらの方もよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、国際化という観点から2点お尋ねをしたいと思います。
 その1つ目は、留学生についてです。
 決算状況報告書の39ページをごらんください。
 現在の熊本市における留学生の動向と、今後の増加に向けての具体的な取り組みについて教えてください。政策局長、お願いします。
        〔古庄修治政策局長 登壇〕

◎古庄修治 政策局長  留学生の動向と増加に向けての取り組みについてお答え申し上げます。
 まず動向についてでございますが、本市における大学等への留学生の数は、2016年の666人から2018年5月には691人と増加しております。
 本年3月に策定した国際戦略では、グローバルな人材の育成と集積・活用を基本施策の一つとして2023年の検証値を1,067人と掲げておりまして、積極的な誘致に取り組むこととしております。
 増加に向けた現在の具体的な取り組みとしましては、県内にあります大学等とともに、県や市、経済団体等で構成します大学コンソーシアム熊本において、日本語学校に通う学生などを対象に大学紹介ツアーを開催したり、あるいは中国など海外での誘致活動を行う大学に熊本市や県の上海事務所が支援を行うなど、産学官で連携を図りながら推進しているところでございます。
 加えまして、熊本市で生活する留学生に対しましては、大学コンソーシアムと連携しまして、外国人の拠点施設であります国際交流会館に留学生のためのワンストップ相談窓口を設置しまして、生活相談のほか、情報提供や交流支援等を行っているところでございます。
 このような中、先月開催されましたくまもと都市戦略会議のプロジェクトにおいて、外国人材の活躍に向けた産学官の連携強化を掲げまして、留学生を初めとした外国人材の受け入れ拡大や県内企業への就職支援などについて、オール熊本で連携していくことを打ち出したところでございます。
 今後も、本市国際戦略に基づきまして、関係団体と連携しながら本市の魅力を効果的に発信するとともに、留学生を初め外国人が活動しやすい熊本市の環境整備にもさらに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
        〔光永邦保委員 登壇〕

◆光永邦保 委員  2023年の1,067名という検証値とともに、これからの取り組みについてかなり具体的に御答弁をいただいたように思います。大変心強く思います。
 観光においては、インバウンドが短期間、大量に押し寄せる波のようなものだとすれば、留学生は、たとえその数は少なくとも、長期間にわたり本市の国際化を支える骨格の一つであろうと思っております。
 私は以前、大分県別府市で勤務したことがありますけれども、人口12万人弱の都市で留学生が3,000人以上おります。まちなかのイベントを留学生が企画をして、その活動には別府市から補助金が出るということであります。御紹介だけしておきます。
 ぜひとも国際交流会館を拠点としてさまざまな交流と活動の場が生まれるように、その環境づくりに努力をしていただきたいと思います。
 次は、青少年国際交流について伺います。
 決算状況報告書の223ページをごらんください。
 ここに、地震の影響によりハイデルベルク市との交流事業を休止したとありますけれども、その内容について教えてください。教育長、お願いします。
        〔遠藤洋路教育長 登壇〕

◎遠藤洋路 教育長  平成4年に始まったハイデルベルク市との青少年交流事業ですが、昨年度は熊本地震の影響により受け入れ体制が整わなかったことから受け入れを休止しておりました。しかし、ハイデルベルク市からの要望もありまして、今年度はこれまでどおりの相互交流事業として再開をし、7月には15名の高校生を派遣したところです。
 今後も両市の友好と親睦を深めるため、また高校生が海外への理解や国際的な視野を身につけるためにも続けて取り組んでまいりたいと考えております。
        〔光永邦保委員 登壇〕

◆光永邦保 委員  高校生の交流事業であるということで、またこれが再開されたということを伺いまして、これはこれで大変うれしく思います。
 実は、小学校における英語教育も本格化するという中、教育委員会において国際交流事業はどのようなものがあるだろうかと思い、このいただいた資料の中から見つけ出したのがこの事業だけでした。
 私が昨年度の国際交流として思い出しますのは、2月に行われました議場コンサートです。そこで五福小学校と東町中学校のすばらしい演奏があり、その音楽に感激したハイデルベルク市の市議から、ぜひ小学校に届けてくれということでメッセージが入った名刺が届けられました。またそれに続いて、ハイデルベルク市の日本語補習校からは文集が五福小学校に届けられました。いずれも教育委員会を通じて調整をしていただきまして、それで実現をしたことで、子供たちも大変喜んでおりました。
 この資料がそもそも、主要事業の概要と成果報告と資料の表紙にありますので、本来の事業は休止したと、たったこれだけの記述ではなくて、教育委員会として、それ以外に実はこんな国際交流があったとか、そういうことを成果として残していただければよかったなという思いで質問させていただきました。
 政策局の国際課で進めている事業もあります。そこに小学生、中学生、高校生にも交流の場面があれば、これを横断的に成果としてまとめていただいてもよいのではないかと思っております。これはお願いになるかもしれません。教育長、よろしくお願いします。
 最後に、市役所の信頼回復をテーマに質問をしたいと思います。
 流れとしては、本会議一般質問における高本委員のあの結びの言葉の続きと思っていただいて結構です。
 昨年の第1回定例会から今回まで7回の議会があったわけですけれども、大西市長の謝罪から開始した議会が3回ありました。7分の3です。そのうち不祥事が2件、報告されたことが2回ありまして、この件数を合計すれば5件ということになりますので、これは7分の5ということになります。
 私はこの中でも、2度にわたって発生した火災についてお伺いをしたいと思います。
 平成28年12月に発生した火災、昨年10月に発生したぼや、これらを通じて、火災予防のために市役所として取り組んだことを教えていただきたいと思います。多野副市長、お願いします。
        〔多野春光副市長 登壇〕

◎多野春光 副市長  本庁舎における火災予防に向けた取り組みについてお答えを申し上げます。
 ただいま委員から御指摘がございましたように、本市におきましては、2年連続して本庁舎内におきまして火災とぼやが発生したところでございまして、このことを極めて重く受けとめているところでございます。
 このようなことから、その対策といたしまして、出火がいずれも電気機器に起因するものでありましたことから、昨年10月から、毎月最終金曜日に全ての部署におきまして電気設備及び電源コンセント等の点検を実施しているところでございます。
 また、本年6月には中央監視室の漏電警報器に警報ブザーを取りつけ、電気設備の異常を迅速に把握できる体制を整えたほか、この秋からは庁舎内の電気配線状況を温度センサーを使用しまして安全確認をすることといたしております。
 今後とも、ソフト・ハードの両面から防止策を徹底し、火災予防に取り組んでまいります。
        〔光永邦保委員 登壇〕

◆光永邦保 委員  昔から、火事の火元は7代たたると言われるほど、火事は天下の大罪と言われております。それほどのことが2度も起きているのに、大西市長の謝罪の言葉で一区切りついたかのような印象を受けましたので、今回あえて質問をさせていただきました。
 御答弁にありました集中監視できる警報ブザーとか温度センサーなどのハード面での対応はもちろん大切なことですけれども、ソフト面、特に人の心に二度と起こさせないという、もう二度と起こさないという覚悟と決意を刻み込むことが最も重要なことではないかと思います。
 多野副市長からは、御答弁の中には月1回の点検ということも紹介ありましたけれども、私的には全く物足りない感じです。私ならば、部屋にある全てのコンセントに対して責任者を割り当てます。コードが異常に熱くなっていないか、その責任者、担当者は午前1回、午後1回、点検をさせまして、それを記録させる。充電中のバッテリーも同様です。日中点検をさせる。そして、最後に部屋を出る人は、部屋全体の異常の有無を指差し呼称で確認をします。コンセントよし、こんな感じです。充電器よし、こんな感じです。そういうふうにいたしまして、その点検結果を中央監視室に報告をして帰宅をすると。不在間のバッテリー充電は厳禁とするというような処置になろうかと思います。
 標語をつくったり、あるいは毎朝火災予防の誓いをみんなで唱和したり、やることはいろいろあると思うんです。こうしたムードづくりをする責任というのは、私は市長ではなくて、市役所に長く勤務をし、現在枢要なポストにある方々にあるのではないかと思っております。そういう意味で、あえて多野副市長にお答えをいただいたところであります。
 まず自分の足元、それから身の回りから目配りをして、愚直なまでに責任感を植えつけていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 次は、市役所庁舎における救急体制について伺います。
 資料は、決算状況報告書208ページになります。
 庁舎内におけるAEDの設置状況と、職員に対する操作訓練について教えてください。総務局長、お願いします。
        〔中村英文総務局長 登壇〕

◎中村英文 総務局長  本庁舎におけるAEDの配置状況と訓練につきましてお答えをいたします。
 本庁舎におきましては、平成17年7月からAEDを導入し、現在1階、3階、9階、14階の各フロアに1台ずつ合計4台を設置している状況でございます。
 AEDの操作は、庁舎管理を担います管財課の職員が習熟しているところでございますが、平成28年4月には、来庁者に対してAED設備の周辺にいた職員が使用した実績もありましたことから、今後は全庁的に定期的な操作訓練を実施してまいりたいと考えております。
        〔光永邦保委員 登壇〕

◆光永邦保 委員  平成28年ですか、そのAEDを実際に使用した実績があるというのは、これはまことにすばらしいと思います。いざというときの動作が市役所に対する信頼性を本当に高めていくんではないかと思います。ぜひとも全員が操作できるように訓練をしていただきたいと思います。
 議会棟には、事務局前に1個だけあるわけですけれども、私は議場にもう一個あってもいいかなというふうに個人的には思っております。
 また、一昨年ですか、居酒屋で倒れた人がいて、道路を渡った近くのパチンコ屋にあるということをどなたか知っていらっしゃいまして、近くのパチンコ屋のAEDを使って一命を取りとめたという例も紹介されております。つまり、市役所の庁舎内だけではなくて、駐車場の中、周辺で倒れた場合を想定して、この市役所の周囲のAEDマップのようなものがあれば私は万全だと思います。ぜひ御検討いただきたいと思います。
 さて、最後の質問になりました。
 最後に、お手元の資料では3点用意しておりますけれども、その一番上にあります改革のタネにつきましては、先ほどの小佐井委員の質疑の中で出てまいりましたので、私からは2点お尋ねをしたいと思います。
 決算状況報告書51ページに残業を減らして仕事の質を向上させるとあります。この取り組み状況について教えてください。
 そしてもう一つは、市役所改革プロジェクトについてお尋ねをいたします。
 これは委託状況調書17ページをごらんください。
 ここに、市役所改革プロジェクトにおけるコンサルティング業務委託、1,495万9,296円という事業がありますが、この資料によれば、契約の方法が随意契約6号、つまり競争入札に付することが不利と認められるときの契約というふうになっております。そして、その理由の欄で、本市の実情及び人材育成の方針等を十分に理解しているためと説明されております。この契約の相手先である一般社団法人地域経営推進センターとはどのようなところなんでしょうか。また、本事業の成果指標、平成29年度における事業効果、また本事業はいつから開始され、いつまで継続されるのかについて教えてください。
 以上2点につきまして、市役所改革の先頭に立っておられます植松副市長にお願いをしたいと思います。
        〔植松浩二副市長 登壇〕

◎植松浩二 副市長  信頼される職員の育成につきまして、2点お答えいたします。
 まず、仕事の質を向上させる取り組みについてでございますが、震災からの復興を加速させつつ、人口減少克服や地方創生などのさまざまな課題に取り組んでいくためには職員の仕事の質を高めることは必要不可欠であることから、全庁を挙げて業務の見直しと効率化に取り組むとともに、新たな時間外勤務のルールの徹底など、職員の意識改革を行い、一定の効果を生み出しているところでございます。
 加えて、市役所改革の一環として、各課共通の基幹業務である文書管理や、あるいは財務会計などの事務改善に着手するとともに、タブレット端末の導入による会議改革、ITの活用による業務の自動化の検討などにも取り組んでいるところでございます。
 次に、市役所改革プロジェクトにおけるコンサルティング業務委託についてお答えいたします。
 相手方であります一般社団法人地域経営推進センターは、自治体経営改革の知識、経験が非常に豊富な団体であり、同センターが主催する早稲田大学マニフェスト研究所人材マネジメント部会では250以上の自治体の1,400人以上の指導者の養成を行っているところでございます。
 また、同部会を通じまして、他自治体の取り組み事例も数多く掌握するとともに、本市におきましても平成25年度から毎年職員を派遣していることから、本市の実情等も十分に理解しており、本市の市役所改革を最も効果的かつ迅速に推進できる団体であると考えたものでございます。
 次に、本事業が支援する市役所改革の成果につきましては、職員一人一人がみずから考え、みずから見直し、みずから行動するよう変革することによりまして、市民満足度の向上、職員満足度の向上を実現することであると考えております。
 その具体的な成果と効果といたしましては、今春の窓口の繁忙期対策において平均待ち時間を大幅に短縮したことや、中堅・若手のリーダーとなる人材育成などを行ったことによりまして、全ての局・区から改善に向けた取り組みの提案がなされたことなどが挙げられます。
 最後に、事業の期間につきましては、市役所改革は、市役所を時代や社会の変化に対応した組織に変革させる継続した取り組みであることから、昨年度から開始した本事業につきましても市役所改革の成果あるいは本事業の効果の検証をしながら検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
        〔光永邦保委員 登壇〕

◆光永邦保 委員  仕事の質を高めるために現在どのようなアプローチがなされているのか、その概要について御答弁をいただきました。
 私は、残業だとか仕事の質だとかを議論するときに真っ先に思い浮かびますのが、選挙の開票作業でミスがあっても、そのおくれた分に残業手当が支払われたという事例であります。一般の社会人の感覚ではまず理解が得られないと思っております。
 震災のときに、避難所における行動をよく知らされないまま、訓練も受けずに現場に配置され悔しい思いをした職員の方も多かったのではないかと思っております。
 どんな場面でも自信を持って働くことができる、その実力と責任感が一体となって初めて仕事の質が向上していくのではないかと思っております。
 地域経営推進センターについても詳しく教えていただきまして、よくわかりました。
 中村政策参与の御活躍や考え方についてはネットなどで拝見しております。まさに適任の方だろうと思います。私はその手腕に大いに期待するものですけれども、半ば身内ではないかという声が出てくる可能性も否定できません。要は結果だろうと思っております。市役所改革や職員の意識改革といったことが一朝一夕には達成できない難題であることは誰もが感じているところです。常に客観的に成果を捉え、そういった視点も大事にしながら、事業の効果を検証しつつ、進めていただきたいと思います。
 本市が毎年行っている市民アンケートがあります。信頼できる市政と感じるかという質問に、感じる、やや感じると答えた数字が長いこと30%台の後半で推移しておりましたが、震災を経た平成28年に一気にこれが50%近くまで上昇いたしまして、ところが、その後再び次の年には下降ぎみになっております。
 私たち議員もそうですけれども、市役所の皆さんも市民から信頼されている、あるいは頼りにされていると実感できるときが最高の仕事冥利に尽きるときではないかと思います。
 るる申し上げましたが、以上をもちまして、私からの質問を終了させていただきます。ありがとうございました。(拍手)

○満永寿博 委員長  光永邦保委員の質疑は終わりました。
 以上で、自由民主党熊本市議団の質疑は終わりました。
 質疑の途中でありますが、この際、議事の都合により休憩いたします。
 午後1時に再開いたします。
                            午前11時55分 休憩
                            ───────────
                            午後 1時00分 再開

○満永寿博 委員長  休憩前に引き続き会議を開きます。
 総括質疑を続行いたします。
 市民連合の質疑を行います。持ち時間は55分となっております。
 まず、村上博委員の質疑を行います。
        〔村上博委員 登壇 拍手〕

◆村上博 委員  皆さん、お疲れさまです。市民連合の村上博です。
 平成29年度決算状況報告書の216ページ記載の教育委員会に関しての総括質疑を行います。
        〔委員長退席、副委員長委員長席着席〕

◆村上博 委員  子ども一人ひとりを大切にする教育の推進という基本方針に対し、主な取り組みとして教育相談体制の充実が挙げられております。2に掲げてあります目的の中で、いじめや不登校等の教育に関する相談に対して、スクールカウンセラー、SCと略します、スクールソーシャルワーカー、SSWと略します、などの専門家との連携を図りながら課題解決に取り組みますとあり、スクールソーシャルワーカーの配置事業が掲載されております。
 そこで、教育相談体制の充実に関連して、スクールソーシャルワーカー配置事業について総括質疑を行います。
 この報告によると、学校にスクールソーシャルワーカーを派遣し対応した件数が753ケースとなっております。これらのケースに対応するために、スクールソーシャルワーカー9人の役割分担として、各区担当が5人、広域担当が3人、スーパーバイザーを1人配置したとなっております。
 私は、29年度のスクールソーシャルワーカー配置事業について質疑を行うわけですが、子供たちが背負わされている課題を解決するためには、福祉の視点を持った専門家がソーシャルワークすることは大変重要ですが、唯一、そのソーシャルワークを行える国家資格を有しているのがスクールソーシャルワーカー、いわゆるSSWなのです。
 216ページには、スクールソーシャルワーカー配置事業となっておりますが、これは学校現場への配置ではなく、学校から教育委員会に要請が出され、教育委員会を経由して学校現場に派遣される派遣方式です。この派遣方式でこれまで対応された相談件数は先ほど紹介しましたが、29年度の統計では対応件数753ケースとなっております。この相談件数に対してワーカーは9人で、単純計算すると1人当たりは84ケースとなります。この数字は、物理的にも能力的にもそのワーカーの限界をはるかに超えた数字だとこれまでも私は強く感じておりました。
 さらに、ことし3月、5人のワーカーが新年度の更新を辞退され、9名から4名となりました。もはや教育相談体制としてはほぼ崩壊状態であり、大変に危機的な状況にあると私は認識し、危機感を持っております。子ども一人ひとりを大切にする教育の推進という基本方針を達成する上では、さまざまな課題を抱え苦しんでいる子供たちを守るには、この相談体制がちゃんと機能するかどうかということだろうと思います。
 まさに関係機関につなぎ、連携し、ソーシャルワークすることで課題を解決に導くという、まさに最後のセーフティネットがこのスクールソーシャルワーカー、SSW配置事業だと言えます。ですから、単に教育委員会の一つの事業としてではなく、熊本市内6万人の全ての児童・生徒を対象とする全市的な相談体制として抜本的な見直しと改革の時期に来ていると思います。教育長の認識と今後の抜本的な改革の方向性をお示しください。教育長にお尋ねします。
        〔遠藤洋路教育長 登壇〕

◎遠藤洋路 教育長  児童生徒を取り巻く環境が複雑化・困難化している中、スクールソーシャルワーカーに対する学校からの派遣依頼件数は年々増加をしており、その重要性については十分認識をしているところです。
 そのようなことから、今年度は昨年度より活動時間をふやすとともに、2つの中学校区でモデル的にスクールソーシャルワーカーとスクールカウンセラーの配置型の取り組みを行うなど支援の充実に努めております。
 しかしながら、スクールソーシャルワーカーは現在8名となっており、当初予定した10名の確保ができていない状況です。引き続き本市のホームページでの募集や関係機関への紹介依頼を行うなど、人材確保に努めてまいります。
 また、学校での依頼内容の精査や教育相談室での対応ケースの精選を行っており、7月末現在の対応件数は昨年度と比べて約26%減っている状況です。
 今後のスクールソーシャルワーカーの相談体制のあり方については、福祉部門との連携を図るとともに、有資格者を育成する県内の関係大学との協力体制を築きながら現場のニーズに応えられるよう検討してまいります。
        〔村上博委員 登壇〕

◆村上博 委員  教育長は、スクールソーシャルワーカー配置事業の重要性については十分認識しているという答弁でありましたし、また今回5名の方が辞退をされたということを受けて、モデル的に学校配置の事業をされています。しかし、相談依頼内容を精査して26%減っているというふうなお答えでしたけれども、これは相談件数を減らすということが目的ではないはずです。その減らした内容というのは、やはり学校現場で解決していかなければならないということからすると、やはり何らかの課題を背負った子供たちの問題だというふうに思いますし、スクールソーシャルワーカーがなかなか人材確保が難しいというのが熊本市の状況であるということもわかっておりますけれども、さらにお尋ねしたいと思います。
 文部科学省は、全ての中学校区に1人、全国で1万人のスクールソーシャルワーカー配置の方向性を打ち出しております。国としての予算措置を伴っていないために方向性だけを示しているということに対して私は歯がゆい思いはありますが、スクールソーシャルワーカー配置の必要性と今後の重要さを指し示していることには間違いないと思います。
 さて、熊本市には、先ほども申し上げましたが、小学校92校、中学校42校1分室があり、小学生が約4万1,000人、中学生1万9,000人、合わせて6万人の子供たちがいます。29年度対応件数753ケースを統計的にいえば1.3%であり、80人に1人という数字であります。これは全体的にいえばほんのわずかというような捉え方もあるかもしれませんが、しかし、私は全くわずかだとは思っておりません。子供たちは単なる数字であらわされる存在ではなく、一人一人が教育を受ける権利を保障されるべき主体者です。ですから、6万人の子供たち全体を対象とする相談体制と受けとめるべきだと思います。
 課題を背負わされている子供たちに熊本市のあらゆる支援を届け、課題解決のために取り組むのがソーシャルワーカー、SSWです。そのワーカーの人たちが疲弊し、ついには更新を辞退していく現在の熊本市の相談体制の状況は、抜本的に見直しが必要だというふうに思います。そして、新たな相談体制としての改革が必要です。今は改革の絶好のチャンスだと思います。このチャンスを逃すとその機会はなくなるというふうに私は思っております。
 スクールソーシャルワーカー、SSW配置事業の予算は、27年度2,300万円、28年度3,500万円、29年度4,000万円です。この予算額を見る限りでは、年々ふえてきたと思われるかもしれませんが、1人当たりに引き直すと年間750円です。全ての中学校区に1人配置という文科省の方向性からすると、4分の1以下の9人の配置でした。今後の熊本市を支える熊本市民として、また次代を担う子供たちへの人づくりの投資としては余りにも少な過ぎると思います。
 先ほど申し上げたとおり、文科省は中学校区に1人の配置という方向性を打ち出しております。何度も言いますが、6万人の児童・生徒を対象とした教育の相談体制であり、安心して教育を受けられる熊本市のセーフティネットとして、新たな相談体制づくりとして大変重要な教育政策課題です。
 改めて、抜本的な見直し、改革への方向性とともに、教育長の決意をお聞かせください。
        〔遠藤洋路教育長 登壇〕

◎遠藤洋路 教育長  スクールソーシャルワーカーの相談体制ですが、これまでの派遣型の課題を踏まえまして、先ほども申し上げましたが、今年度から2つの中学校区においてモデル的に配置型の取り組みを始めたところです。
 このモデル校区での成果や課題を検証するとともに、人材確保が最大の課題ですから、雇用に当たっての資格要件を緩和したり、関係大学へ有資格者の育成枠の拡大を要請したりするなどを通じて人材確保に努めて、相談体制のさらなる充実に向けて取り組んでまいります。
        〔村上博委員 登壇〕

◆村上博 委員  スクールソーシャルワーカー配置事業が抱えている教育相談体制の課題は、きょうは申しませんでしたが、実は多岐にわたっていることは教育長も御承知だと思います。もちろん人材確保ということ、あるいはその身分保障ということだけではなくて、これは先ほど申しましたように、全市的に行政がそれぞれかかわり続けるということ、そのことにあると思います。子供、個人に問題があるというよりは、家族全体の問題であるかもしれません。そういう意味で言うと、これは教育委員会だけの問題ではなくて、全市的な問題としての相談体制というものを改めてつくり直すというような、そういう覚悟が行政に必要ではないか。
 そういう意味では、きょうは教育長にお尋ねしましたけれども、市長にとってもその正念場ではないかなというふうに思っておりますので、来年度の予算編成に向けてそのことを頭に入れて、どうぞ全力を挙げて取り組んでいただきますよう、行政全体としての取り組みを強く要望いたしまして、福永委員と交代をいたします。ありがとうございました。

○藤岡照代 副委員長  村上博委員の質疑は終わりました。
 次に、福永洋一委員の質疑を行います。
        〔福永洋一委員 登壇 拍手〕

◆福永洋一 委員  市民連合、2番手の福永洋一です。12月議会で質問しましたけれども、相当時間を余らせましたので、44分みりみり質問していきたいと思っています。
 今回の質問は、子供や高齢者が殺される事件が全国、そして熊本市でもあっています。ということで、子供と高齢者にかかわる質問が2点、そして学童保育としての児童育成クラブについてということで3点質問をしていきたいと思っています。
 資料は、平成29年の決算状況報告書と教育委員会の昨年度の事業報告に沿って質問をしていきたいと思っています。
 1点目、子供たちを犯罪から守るためにということで、2つ質問をします。1点目は市民局長に、2点目は教育長にお尋ねしたいと思っています。
 皆さんも御存じのとおり、昨年3月、千葉県松戸市でベトナム国籍の小学校3年生の女子が登校時に当時保護者会長だった男性に連れ去られ殺害される事件があっています。また、ことし5月に新潟市では小学校2年生の女子が下校途中に近所に住む青年に連れ去られ、殺害後に線路に遺棄される事件があっています。いずれも背中が凍るような痛ましい事件であり、他人ごとでは済まされない事件だと思っています。
 殺人にまで至らなくても、子供が連れ去られて被害に遭うケースは全国で1,000件以上だそうです。子供たちの安全・安心のために学校とも連携し、防犯協会や交通安全協会や保護者による見守り活動を行うなど、地域でも頑張っているんですけれども、変質者の出没等もあとを絶たず、とても心配しているところです。
 最近あった事例ということで、5月ですけれども、武蔵校区の大通りなんですけれども、小学校の高学年の女子が放課後、友達のところを訪ねて帰るときに、大通りですよ、男性ということですけれども、近くにトイレはないかと、できれば公園にということで、その子が小学校の高学年でありながらも、奥に入ったところの公園のトイレまで案内しちゃっているんです。公園に引きずり込まれて痴漢行為を受けています。中身は言いません。犯人はつかまっていないということです。
 それと、昨年度の県内の声かけやわいせつ事案、連れ去りまでいっていませんけれども、県内だけでも1,228件あっているんです。被害者の65%が小中高生、特に日没が早まる10月が年間を通して一番多くなるそうです。今年度も1月から8月までの比較では、昨年度に比べると7.4%、こういった声かけ、わいせつ事案がふえているそうです。
 そこで、平成29年の決算状況報告書の77ページですけれども、安全で心豊かに暮らせる地域づくりの推進ということで、実績として、防犯団体、防犯協会等への助成、安全・安心なまちづくり推進経費等を活用しての具体的な取り組み等の記載があっています。子供たちを犯罪から守るためには、これまでの取り組みに加えてさらに具体的な取り組みを強化しなければならないと思っていますが、子供たちを犯罪から守るために市として今後どのように取り組んでいかれるのか、市民局長にお尋ねをいたします。
        〔萱野晃市民局長 登壇〕

◎萱野晃 市民局長  子供たちを犯罪から守るための防犯活動につきましては、各地域の校区防犯協会等が中心となり、夜間パトロールや危険箇所の点検など、地域に応じた活動を実施されておりまして、その活動支援といたしまして、市から各校区防犯協会に対し年間10万円の活動費補助を行っております。
 また、市防犯協会では毎年研修会を開催し、取り組み事例の発表や県警からの情報提供を行いますほか、市内全世帯に防犯だよりを回覧し、子供を事件事故から守るための啓発等に取り組んでおります。
 今後とも、全国で多発しております子供たちが被害者となる痛ましい事件が熊本市で起きることがないよう、本市といたしましても、防犯協会を初め、県警や学校等関係機関と連携し、地域の防犯力向上に努めてまいります。
        〔福永洋一委員 登壇〕

◆福永洋一 委員  子供たちを犯罪から守るために、答弁にあったように、地域の防犯協会を初め、県警、学校等関係機関との連携が必要ということで、特に学校との連携がとても大事かなと私は思っています。さらには、地域の自治会、保護者、そして地域住民が一体となって子供たちをきちんと見守る取り組みもしていかなければ、熊本市でもああいった事件が起きやしないかということで非常に心配しているところです。
 そこで、2点目ですけれども、子供たちの教育と地域との連携の視点で教育長にお尋ねします。
 これは、教育委員会の事務事業点検評価報告書の平成29年分事業、28ページに書いてあるんですけれども、安全で良好な教育環境の整備ということであります。
 2点質問させてください。
 1点目が、現在取り組まれている子供たちに対して犯罪から身を守る教育の内容と今後の教育のあり方についてが一つです。
 2点目が、子供たちを犯罪から守るためには、警察や地域団体、家庭等々の連携、協働が必要と考えていますが、今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか。
 以上、よろしくお願いします。
        〔遠藤洋路教育長 登壇〕

◎遠藤洋路 教育長  2点お尋ねをいただきました。
 まず、犯罪から身を守る教育の内容と今後の教育のあり方についてですが、学校においては警察や防犯協会等と連携して防犯教室を開催したり、学級活動の時間等を活用して各学校で作成している安全マップをもとに、多くの危険箇所を知らせたり、知らない人に声をかけられてもついていかないなど、不審者に遭遇した場合の対処の仕方を指導したりするなど児童・生徒の安全教育に取り組んでおります。
 今後も引き続き、学校全体で子供の発達段階に応じた安全教育に取り組み、自分自身で身を守ることができる子供の育成に努めてまいりたいと考えております。
 次に、警察や地域団体、家庭等との連携、協働についてですが、教育委員会では、こどもひなんの家のプレートを作成して、現在1万軒以上の個人宅や商店、病院等に掲示の御協力をいただいております。また、熊本県PTA教育振興財団と連携した通学路の見守り活動等の支援にも取り組んでいます。
 学校においては、PTAや地域団体と連携して登下校の見守り活動に取り組むとともに、必要に応じ集団での登下校を実施して児童・生徒の安全確保に努めております。
 そのような中ですが、委員御紹介のとおり、昨年3月と本年5月に登下校中の児童が殺害されるという痛ましい事件が発生をしました。これを受けまして、国が策定した登下校防犯プラン等をもとに、本市においても警察や地域団体等の協力を得ながら、現在防犯の視点での通学路の点検を実施しているところです。
 今後、この点検結果を踏まえて、関係機関や団体と連携を密にしながら、子供たちを犯罪から守るためのさらなる取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えます。
        〔福永洋一委員 登壇〕

◆福永洋一 委員  答弁では、自分自身で身の安全を守ることができる子供の育成に努める、子供ひなんのいえ、見守り活動の取り組み、新たに国策定の登下校防犯プランによる通学路点検結果を踏まえて今後の取り組みを行う等の答弁があったところです。一定評価しますけれども、要望を5点お伝えしたいと思っています。
 1点目が、今後、登下校防犯プランに沿って通学路点検をもう行われているかもしれませんが、警察や防犯協会等とも連携して、変質者等の出没の場所等も含めて情報を把握して共有して対応していただきたいというのが1点目です。
 2点目、犯罪を犯す人は、時間や場所等、僕らのすきを狙っていろいろなところに出没します。僕らの地域の見守りには相当限界があると思っています。学校での「いかのおすし」という言葉がありますね。皆さんも御存じですので中身言いませんが、言葉は知っていても、先ほど言った武蔵校区の高学年の子がついていったように、行動にきちんと移せるようにしてもらいたいなと思っています。家庭も含めて、子供たちにきちんと教えていかなければいけないと思っています。
 余談になりますが、夕べこの返しの答弁つくっているときに、小学校4年生の孫と話をしていたんですけれども、「いかのおすし」中身言ってごらんと言ったら、途中でわからなくなったんです。じいちゃんが変質者で腕つかんだらどうするねと言ったら、蹴飛ばすと。蹴飛ばしたってだめだよと言ったんですけれども、やはりそういった、誰かが変質者になって、こういうときはこう逃げるんだよ、こう言うんだよ、こうするんだという訓練を家庭でも学校でもしてもらいたいなと思っています。
 3点目ですが、校長会等が開催されていますので、各地域で起こった事件についてやはり情報を共有化して、ある子供がこういう被害を受けたから、ここの地域でも注意しましょうねというところで情報を共有して対策を練っていただきたいというのが3点目です。
 それと、4点目、教育委員会としては、国の指針に沿って登下校のところのチェックをするということですけれども、放課後の事件もあっていますので、これは防犯ブザー、ランドセルにぶら下げて、放課後自分で子供さんが行くときには家庭からきちんと持たせて、本人もいつも持っておくようにというお知らせを各学校から保護者に対してお知らせしていただきたいし、子供たちにも伝えていただきたいと思っています。
 それと、最後になりますが、報告書のこの中に、防犯という文字がどこにも見当たらないんです。そして、みずからの命を守るという言葉もどこにも載っていないんですよ。ここの中には「防災等」ということで、「等」のところに防犯が含まれているのかなというふうに理解していますが、防災も大事ですので、これは12月にまた質問しますけれども、防犯なり、みずからの命を守るという項目を起こしていかないと大変なことになるのかなと思っています。
 これは情報として、私が言っているんではなくて、いろいろな情報でお聞きした中身ですけれども、千葉県松戸市の保護者会長は、自分から手を挙げて会長になったそうです。いろいろな情報を聞くと、子供たちに近づくために会長になったんではないか、見守り活動時にはほとんど女の子だけにしか声かけをしていなかったそうです。自宅には東南アジア系の少女のいやらしい映像のDVDをいっぱい持っていたそうです。それと、新潟市の青年は以前にも子供に対する犯行を行っています。
 これは余り言いたくないんですけれども、2人とも子供が大好きで、小児性愛者という言葉がありますが、ではないかという情報もあっています。
 これも恐ろしい話ですけれども、全国成人男性の、女性も含まれているかもしれませんが、全国で5%はいるだろうという情報があっています。学校の先生は10%という数字をどこかで見たことあるんですけれども、先生による生徒に対するいろいろな事件もありますので、それに対してやはり子供が自分でみずからを守る力を持たないといけないということを言っておきたいと思っています。
 私たちも頑張りますけれども、市としても一緒になって頑張っていかなければ命は守れないと思っていますので、よろしくお願いしたいと思っています。
 2点目の質問に入ります。
 決算状況報告書の100ページです。
 生涯を通していきいきと暮らせる保健福祉の充実ということで、健康福祉局長にお聞きしますが、これもいろいろな事件があっていたたまれなくなるんですけれども、2016年9月に発覚した事件です。
 横浜市の病院で看護師が点滴の袋に消毒薬を投入して高齢の患者が多数死亡した事件です。少なくとも4人以上が被害に遭っているというところですけれども、事件発覚までのおよそ3カ月間で48人の患者さんが亡くなっているんです。彼女がつかまった後のその月はゼロだったそうで、容疑者の女性は、犯行の動機として、自分の勤務時間中に患者さんが死んでしまうと家族への説明等含めて面倒でストレスがたまるからと言って殺しましたと。多分20人ぐらいの患者に消毒薬を投与したと思っていますということで、もう人数もわからないぐらいのところで人を殺しちゃっているんです。
 他県の話かなと思っていたら、ことし8月に熊本市西区の介護施設の職員、1年ほど前から勤務されている40代の男性が入所者の80代の女性の腹を殴って死亡させた事件があっています。
 そして、8月末ですけれども、岐阜市の病院で、病室のクーラーが壊れているのに適切な処置をしなかったために入院していた80代の患者さん男女5人が熱中症で死亡した事件というのがあっています。
 私も含めて、ここにいらっしゃる方々はほとんど自宅ではなくて、亡くなるときは病院や施設です。これからお世話になる身ですけれども、熊本市の病院や施設は大丈夫かなと心配しているところです。
 この100ページの中の成果と課題の中に、医療・介護・福祉関係者が患者等に寄り添い支援する体制づくりという言葉が書いてあります。課題への対応として、医療・介護・福祉施設関係者向けの説明会の開催、在宅医療・介護の提供体制のさらなる充実のために各種検討及び取り組みを進めるということが書いてありますが、これらの事件を踏まえて、市としての今後の調査や分析、今後の具体的な対応策が必要と思っていますが、どのように考えて対応されるのでしょうか。局長、答弁をよろしくお願いします。
        〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕

◎池田泰紀 健康福祉局長  事件を踏まえた調査分析や今後の対応についてでございますけれども、本市西区の介護施設における事件につきましては、事件に至った背景及び事業所の体制等について現在調査を行っているところでございまして、引き続き調査を進めますとともに、原因の分析を行ってまいりたいと考えております。
 あわせまして、県と共同で県内全ての介護事業所等に対しまして高齢者虐待防止の徹底に関する通知を行ったところでございまして、9月19日には県内全ての介護事業所の管理者等に対し、高齢者の権利擁護、認知症ケア、職場環境とストレスマネジメントに関する高齢者権利擁護特別研修を臨時に開催することといたしております。
 本市といたしましては、介護事業所等に対しまして、これまでも高齢者の虐待と権利擁護について指導や各種研修等を行ってきたところでございますが、今回の事例を踏まえまして、高齢者の尊厳の保持を念頭に置いたケアにつきまして、実地指導や集団指導を通じましてさらなる周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
 また、医療機関に対しましては、毎年実施をしております説明会、立ち入り検査、医療安全対策研修会などを通しまして医療安全対策を推進してまいりたいと、このように考えております。
        〔福永洋一委員 登壇〕

◆福永洋一 委員  答弁に対して反論はありません。個々の取り組みをよろしくお願いしたいと思っています。
 今回の事件はあってはならないことですけれども、私は今後至るところでありはしないかと心配しています。なぜかというと、今回の事件は単なる個人や一病院のことではなくて、社会全体の問題として捉えるべき問題だと思っています。私も児童福祉、知的障がい児の施設の指導員でしたけれども、やはり命を預かるということで、泊まりのときとか相当ストレスをためていました。医療や福祉に携わる人間が、夢を持って働いていたかもしれませんが、どこかで間違って、命を守る職場で情熱をなくして、理想をなくして、モラルをなくして利用者を殺してしまうということはとても大きな問題だと思っています。これは人が壊れるのか、社会が壊れつつあるのかわかりませんけれども、課題としてはやはり雇用のあり方や、働き方や働かせ方、働く環境等含めて大きな課題があるんではないかと思っています。きちんと分析は僕もできませんけれども、今回の事件を対岸の火事とせず、熊本市の施設や病院で悲惨な事故や事件が起きないように取り組んでいくべきだということを言って、最後の質問に入りたいと思います。
 これは、平成30年度、先ほど言いました教育委員会の事業点検評価報告からということで、昨年度の取り組みの31ページになります。
 公立の児童育成クラブについて質問をしようと思っています。
 御存じかもしれませんが、私も2年近くあるまちの児童育成クラブに行ったことがありますけれども、児童育成クラブは、昨年度4月実績で91校区、うち公立が80、児童が1年生から3年生、障がい児は6年生まで受け入れています。全部で6,565名という数字が挙がっています。1年生から3年生まで、障がい児が入っているところもありますけれども、1年生から3年生までの対象の30%、10人中3人が児童育成クラブを利用していることになります。全小学生の16%以上が昔でいう鍵っ子ということで、家に帰れずに児童育成クラブで生活をしています。
 子供たちは平日の放課後から夕方18時まで、土曜日、春とか夏とか冬休みは朝の8時から6時まで生活しています。実態として、子供たちの中の多くは学校よりも長く育成クラブで過ごす子供が多いというのが実態です。ほとんどが学校内に施設がありますけれども、学校内に施設がつくれないところは空き教室やコミセン等を利用しているところもあります。
 児童育成クラブの役割は、学童保育として遊びと生活を保障する場というふうになっています。私も含めて、教育委員会もそうでしょうが、課題としては、指導員の数の確保と専門性の確保、そして狭い施設を改善していかなければいけないという課題があります。そして、国は今後、6年生まで受け入れようというところでの方針を今検討をしているところです。熊本市、今後6年生まで受け入れることができるんでしょうか。
 実態報告ですから、僕が働いていたときの現場の話と今聞いている現場の話をまぜてお話ししますが、狭い、暑い。暑いというのは体育館の2階を利用している施設もあるみたいですが、クーラーを入れてもらったんですが、今回の酷暑で毎日30度だったそうです。それと、外が暑くて外遊びもできない、指導員が足りなくてもう部屋の中で50人、60人がひしめき合っているという現場もあります。うるさい、落ちつかない、ストレスがたまるというのが現場です。
 子供の発言ですが、これは僕が50代のころ働いていた、小学校3年生に宿題を教えているときにその子が言った言葉です。俺はクラブに火をつけてやると。何でと言ったら、俺は家がいいんだ、クラブは大嫌いだと。火をつけずに頑張って4年生になって出ていきましたけれども、やはり子供にとっては家が一番なんですよね。
 これはある障がい児童ですけれども、もう部屋の中がうるさくてしょうがないから、先生、耳栓を貸してくださいという現場もあったそうです。
 あと、僕も見たことありますが、土曜とかは8時、長期のときも8時にしかあかないんですけれども、やはり親御さんの都合で勤務時間に間に合わないから、7時半ぐらいからもう子供を児童育成クラブの前に待たせるという光景も見たことがありますし、あるクラブでは、クラブ内の使用が6時までしかできないからということで、指導員と2人でその施設の軒下で親御さんが迎えにくるのを待っているという現状もあるということです。
 もっと実態はいろいろあるんですけれども、これぐらいにして質問に入りたいと思っています。
 報告の中の31ページに書いてあるんですが、安全で良好な教育環境の整備ということで、公設の児童育成クラブに特化して質問を教育長にしたいと思っています。
 1点目、夏休みの指導員の確保について記載がありますけれども、昨年度、ことしもそうでしょうけれども、雇用確保の状況は問題はなかったのでしょうか。
 2点目、指導員の処遇改善について。
 指導員不足が総体的な労働力不足に加えて低い賃金にあるのではないかと私は思っているんですけれども、政令市での熊本市の水準はいかほどでしょうか。
 3点目、良好な教育環境の整備についてということですが、狭くてしょうがない施設の実態が多くあるということで、取り組みとしては学校施設の利活用やプレハブ建設等を行ったという記載はあるんですけれども、いまだ良好な教育環境が提供できていない現場があるということで私は認識しています。子供や職員がさっき言いましたように相当のストレスをため込んでいるところもありますので、引き続き環境整備に向けて予算化等具体的に取り組むべきと考えていますが、その具体化の方策はありやなしかということでお尋ねをしようと思っています。
 4点目、開所時間の延長、一定延長にもなったんですけれども、さらに共働きの家庭がふえている中にあって、開所時間の延長の要望が高まっているというふうに聞いています。現状の要望の把握とその対策について、現状での見解と今後の対策をお聞きしたいと思っています。
 以上、よろしくお願いします。
        〔遠藤洋路教育長 登壇〕

◎遠藤洋路 教育長  児童育成クラブについての4点のお尋ねにお答えいたします。
 まず、指導員の夏休みの雇用確保の状況についてということですが、今年度から児童育成クラブの指導員の呼び方を児童育成クラブ支援員というふうに変更していますので、以下支援員というふうに答弁させていただきます。
 この支援員ですが、例年本市のホームページへの掲載、大学等への周知等を行ってきましたが、今年度は本市のツイッターやフェイスブックへの投稿のほか、学級支援員など学校における臨時職員への呼びかけを実施しました。その結果、各児童育成クラブからの要求人数を満たす124名の確保ができたところです。
 次に、支援員の処遇改善ですが、支援員の人材確保とともに雇用条件を改善するために、今年度から雇用保険に加入をし、勤務時間の増加を可能とすることで人員不足の解消を図っております。また、クラブで中心的な役割を担う月給制の主任支援員や、働きやすさを推進するため見守り業務に特化した補助支援員も設け、勤務の選択肢をふやすことで人材の確保につなげております。賃金水準を勘案すれば、今年度は他の政令指定都市と比較しても同等の給与水準なったと考えております。
 3点目に、良好な教育環境の整備についてです。
 児童育成クラブが教育委員会の所管となった平成28年度以降、18校で学校施設を利活用するとともに6棟のプレハブを建設したことで、公設公営のクラブにおいては国の基準を満たしていない施設は27クラブに、そして市の基準を満たしていない施設は2クラブにまで減少しております。ただし、まだ基準を満たしていないクラブもありますので、今後も国の基準の充足に向けて学校施設の活用を含め整備を進めてまいります。
 4点目に、開設時間の延長についてですが、18時以降の開設時間の延長については、児童の帰宅時間が遅くなることによる睡眠時間への影響が懸念されるほか、施設の多くが学校敷地内にあり、校舎内や地域コミュニティセンターでも開設をしていることから管理上の問題があること、また支援員の確保が難しいことなど課題も多いことから、今後も慎重に検討する必要があると考えております。
        〔福永洋一委員 登壇〕

◆福永洋一 委員  みりみり時間を使うと言いましたが、相当余りそうですので、もうちょっと返しのところで、感想と意見ですけれども、夏休みの支援員の確保についてですけれども、学校の学級支援員などへ呼びかけて124名確保ということで、ことしの夏もきちんと確保できたというふうに聞いています。夏の期間、働く場所がなかった学校の臨時職員の方への雇用の保障もできたということで、一定評価をしたいというところです。
 指導員の処遇改善ですけれども、他都市と比較しても同等という答弁でしたけれども、他都市と比べるにしても雇用形態等の違いもあって一律に比較できないというところだと思っていますが、給与実態、配置人数等、他都市と比べて遜色がないようにしていただきたいというのが一つです。
 自分としても、今回時間がなくて、他都市との比較検討ができなかったので、きちんと検証して今後議論していきたいと思っています。
 3点目ですが、環境整備について、18校の学校施設の利活用や6棟のプレハブ建設を行ったということで、一定取り組みを評価したいと思っていますが、児童1人当たりの面積については、市の基準は、児童育成クラブ利用のニーズに応えるために国基準よりも緩和した基準であること、そのことにより待機児童はゼロになっていますけれども、それを評価しつつも、本来は国基準は私は最低基準であるというふうに思っています。その国基準を満たしていない施設が80カ所中27クラブあるということは問題だと思っています。
 事業の基本方針としての安全で良好な教育環境を子供たちに提供できていると言えるのでしょうか。狭い施設内で多くの児童が学校よりも長い時間を過ごすことにより、何回も言いますが、児童も職員も相当ストレスを抱えているのが実態です。早期に改善し、よりよい環境づくりに努めるべきだと思っています。
 それと、開設時間の延長、答弁は慎重に検討ということですね。働く保護者に対してのニーズもありますが、それが子供たちにとって、また家庭にとってよいことなのか、また開設時間を延長するならば支援員の確保がさらに困難になるという問題がありまして、私自身も悩ましい課題だと思っています。
 最後になりますが、要望2点です。
 児童育成クラブに対する予算措置についてです。
 児童育成クラブは学童保育ということで、ただ預かるだけという印象が強いですけれども、家庭にかわって子供たちを支えることに加えて、さらに教育としての役割もあると思っています。私も2年近く働いたところで、夏休みの宿題等も含めて一緒に子供たちと勉強もしてきたところです。
 欧米では、この学童保育の位置づけについては、遊びと生活保障に加えて、犯罪から子供を守るシェルターの役割を担っています。そして、幾つかの国ですけれども、教育の現場という位置づけをしている国もあるそうです。
 そういうことで、予算ですけれども、学校教育全体としてのICT化の推進として備品の小中学校iPad導入、これは債務負担行為で5カ年で2万4,000台、30億円、実物投影機が6,300万円、大型提示装置賃貸の6年間10億円、児童育成クラブにもう少し目を向けて、環境整備等に向けて予算を投じていただきたいというのがあります。
 ちなみに、平成29年度の既存の児童育成クラブの管理運営経費の決算額は幾らだと思いますか。1,500万円ですよ。そのうち備品費、幾らだと思いますか。354万円ですよ。これが80の施設に分けられているから、1施設に対して幾らかわかりますよね。子供たちの多くが学校よりも長い時間クラブで過ごしています。子供たちが手狭なところで、音楽聞きたい、映画見たい、ゲームしたい、いろいろな要望を持っていますが、この予算ではそういう要望にも応えることができないのではないでしょうか。ということで、よろしくお願いします。
 要望の2点目ですが、子供たちへのアンケート実施をお願いしたいと思っています。児童育成クラブの実態は、現場の指導員からは聞こえてきます。ところが、そこで生活する子供たちの声が聞こえてこないんです。保護者の方たちも働いていらっしゃるから、この部屋いっぱいに子供がおってわあわあ言っている姿は見ていません。
 ということで、子供たちは学校の授業後は、火をつけると言った子供の話ですけれども、ほとんどの子が家に帰りたがっているんです。その子供たちに、児童育成クラブ、今あなたがいるところに満足していますかとかいうアンケートをしたら、多分数字は低いんではないかなと思っていますが、子供たちの要望や意見をきちんと把握して、クラブに火をつけられないように課題の改善に向けて取り組んでいただきたいということを申し添えて、私の質問を終わりたいと思っています。
 最後になりましたが、市長に答弁を求めたかったんですが、時間がなくてできませんでした。12月に質問しますので、再会できますように頑張ってください。

○藤岡照代 副委員長  福永洋一委員の質疑は終わりました。
 以上で、市民連合の質疑は終わりました。
 次に、公明党熊本市議団、浜田大介委員の質疑を行います。持ち時間は45分となっております。
        〔浜田大介委員 登壇 拍手〕

◆浜田大介 委員  公明党熊本市議団、浜田大介でございます。
 早速ですが、通告に沿って質疑に入らせていただきます。
 初めに、平成29年度決算附属書の317ページ熊本市財産に関する調書に関してお尋ねをいたします。
 本市の財産については、地方自治法237条の規定に基づいて、1、公有財産、土地、建物財産など、2、物品、車や家具、備品など、3、債権、貸付金や敷金など、4、基金、財政調整基金などの4つの区分で管理されています。
 この中で、1番目の公有財産については、さらに同法の237条の規定に基づいて不動産や特許権、株式、出資など8つの区分に分けられております。
 このうち7番目に書かれている出資による権利に基づく財産については同決算附属書の323ページに記載されておりまして、出資金として19団体、5億7,637万円、出捐金として29団体、35億7,367万円、合計48団体、41億5,004万円が出資されていることがわかります。
 そこで、これらの出資先の団体の決算状況について確認をしましたところ、地方自治法第221条の対象となる団体につきましては、別の決算書に決算報告が記載をされており、48団体中12団体は決算報告の確認ができました。
 一方で、221条の対象とならない残り36団体の決算状況については決算資料に見当たりませんでした。
 そこで、この決算報告がない36団体の中から、任意ですが2つの団体を抽出してお尋ねいたします。
 具体的には、くまもとファズ株式会社で200万円の出資金、それから公益財団法人リバーフロント研究所で500万円の出捐金についてです。
 これら2つの団体の設立趣旨と出資金、出捐金の本市の割合及び現状を都市建設局長、また経済観光局長にお尋ねいたします。
        〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕

◎田中隆臣 都市建設局長  私からは、公益財団法人リバーフロント研究所についてお答えします。
 まず設立の趣旨でございますが、河川における水辺空間の保全と利用、整備に関する技術開発や調査研究を実施し、その成果を幅広く社会に活用して安全で豊かな潤いのある国土の建設に資することを目的に、昭和62年に設立されたものでございます。
 次に、出捐金の本市の割合についてでございますが、出捐金については、当時の都道府県、政令指定都市、市区町村の256の地方公共団体及び111の民間団体により構成されており、本市においては0.9%、500万円を出捐しております。
 最後に、現状についてでございますが、リバーフロント研究所においては、多自然川づくりやかわまちづくりの取り組みについて調査研究、技術開発等が行われており、その成果をもとに本市におきましても鶯川や健軍川などの河川改修におきまして多自然川づくり等の取り組みを行っているところでございます。
        〔平井英虎経済観光局長 登壇〕

◎平井英虎 経済観光局長  私からは、くまもとファズ株式会社についてお答えをいたします。
 当社は、平成4年に施行されました輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法、通称FAZ法に基づく熊本県地域輸入促進計画の実施機関としまして、平成7年8月に国、県、市及び熊本港にかかわりのある団体や企業が出資して設立をされました。
 現在の資本金は3,000万円でありまして、本市はそのうち約6.7%に当たる200万円を出資しております。また、設立当初は輸入品の展示販売に係る催事の開催や貿易に関する情報収集等も行っておりましたが、平成18年5月のFAZ法の廃止とあわせ事業を縮小しまして、現在は熊本港のコンテナヤード管理運営及びそれに付随します業務を行っております。
 本市としましては、取締役会、株主総会への出席などを通して経営状況を把握いたしております。
        〔浜田大介委員 登壇〕

◆浜田大介 委員  今、2つの団体について設立趣旨、出資金や出捐金の割合、現状について局長に御答弁をいただきました。どちらの団体につきましても担当部局で掌握されていることが確認できました。
 このほかにも、221条の対象とならない団体への出資金や出捐金が34団体、21億1,330万円あります。これら34団体についても、先ほど2団体同様、担当部局では掌握されているものと思われます。
 そこで、これら221条の対象とならない団体につきまして、個別に担当部局に目的や事業の内容は確認できるものの、出資金や出捐金として本市財産として管理する以上、本来ならば、財政部門としても出資が妥当であるか否かなど、いつでも確認できるように資料を準備しておく必要があると思いますが、この点について財政局長の見解をお聞かせください。
 また、くまもとファズ株式会社につきましては、答弁では平成18年にFAZ法が廃止されているとのことですが、今後はどうされるのかお示しください。経済観光局長にお尋ねいたします。
        〔田中陽礼財政局長 登壇〕

◎田中陽礼 財政局長  私の方からは、財政部門において出資に関する資料の準備をしておくべきではないかとのお尋ねについてお答えをいたします。
 出資金、出捐金等本市の公有財産の管理に当たりましては、熊本市財産規則に基づき、それぞれの財産所管課で管理を行いますとともに、決算報告時期に毎年度の増減高及び現在高の報告を行うなど、その適正な管理運営に努めているところでございます。
 出資金、出捐金を適正に管理する上で、財政局としても団体の経営状況等について把握しておくことは重要であり、地方自治法第221条の対象にならない団体について、当初の設置目的の趣旨に沿った活動が行われているかなどを確認できるよう、財産所管課と連携しながら経営状況等を把握してまいりたいと考えております。
        〔平井英虎経済観光局長 登壇〕

◎平井英虎 経済観光局長  くまもとファズ株式会社の今後についてお答えをいたします。
 同社は、現在もポートセールス活動に努力をされており、その結果、熊本港の国際コンテナ取扱量は着実に増加を続け、平成29年には初めて取扱量が1万個を超えたところでございます。
 今後とも、熊本港の管理運営及びポートセールス推進のための重要な役割を担う同社を初め、熊本県や熊本港ポートセールス協議会等と連携しながら、熊本港のさらなる利活用の促進に努めてまいりたいと考えております。
        〔浜田大介委員 登壇〕

◆浜田大介 委員  ありがとうございました。財政局としても、団体の経営状況等について把握していくことは重要との認識を示していただきました。
 議会における決算審査では、目的の趣旨に沿った実施がなされているかをチェックすることが重要となります。その意味で、議会にも把握状況等の報告をしっかりとしていただくよう求めておきます。
 また、くまもとファズ株式会社については、FAZ法は廃止されましたが、熊本港の管理運営やポートセールス推進に重要な役割を担っているとのことですので、本市としても引き続き経営状況を把握していただくようお願いいたします。
 それでは、次の質問に移ります。
 次に、平成29年度、熊本市公営企業会計決算審査意見書における熊本市交通事業会計についてお尋ねいたします。
 本市交通局におきましては、平成28年度から31年度までの4年間を計画期間として、健全な企業経営を進めるために、熊本市交通事業中期経営プランを策定し、経営改善に取り組まれています。
 これまで、全国共通ICカードや積み残し解消のための連結車両の導入、計画的な電停改良等に取り組まれ、本年度予算でも市電へのWiFi機器導入を計上されるなど、利用者サービスの向上が進んでいます。
 このような取り組みもあり、昨年平成29年度決算では、市電の乗客数は1,109万4,000人と、前年度に比べ38万5,000人、3.6%増加しており、純利益も約2億5,775万円と前年度に比べ4,652万円、22%増加しており、順調に改善が進んでいることを評価いたします。
 このような中、決算審査意見書の57ページ、結びの最後に記載されておりますが、本市の交通事業会計においては、昨日、代表監査委員からも指摘がありましたが、平成29年度の包括外部監査において交通事業における会計処理に対して幾つかの指摘がなされており、指摘された事項について改善に取り組まれているようです。
 そこでお尋ねいたします。
 1点目、包括外部監査により指摘された内容及び改善状況について。
 2点目、いまだ改善に至っていない点についての今後の取り組みについて。
 以上、交通事業管理者にお尋ねいたします。
        〔肝付幸治交通事業管理者 登壇〕

◎肝付幸治 交通事業管理者  包括外部監査に関する2点の御質問にお答えいたします。
 今回の包括外部監査は、平成26年度に行われた地方公営企業会計基準の見直しに対応した適切な事務処理が行われているかなどを柱として実施されたものでございます。
 まず御指摘を受けた内容につきましては、企業債の償還に関する取り扱いなど新会計基準に準拠できていないものが6件、ICカードの取り扱いなど交通局の規定等を改正する必要があるものが3件、両替金の取り扱いなど運用を改める必要があるものが3件の計12件でございます。
 このうち10件につきましては、速やかに規定の改正や事務処理の改善等を図ったところでございます。
 次に、未改善事項に対する今後の取り組みについてでございますが、現時点で固定資産台帳と保有する固定資産との整合が図られていないことと、退職給付引当金が計上されていないことの2項目が未改善事項となっております。
 固定資産台帳との不整合につきましてはバス事業の廃止等に伴い発生したものでございますが、現在実査による確認作業を行っているところでございまして、年度内には台帳との整合を図ることとしております。
 また、退職給付引当金につきましては、平成21年度から取り組んだ経営健全化計画の推進等により経営状況も改善してきましたことから、関係部局とも協議を行いながら、できるだけ早期に計上できるよう準備を進めてまいります。
        〔浜田大介委員 登壇〕

◆浜田大介 委員  指摘があった12件のうち、10件については改善が図られているとのことでした。
 残り2件については、1件目が、バス事業の廃止等により固定資産台帳と現物との整合が図られていないことで、これについては年度内に整合を図るということですので、よろしくお願いいたします。
 2件目は、退職給付引当金が計上されていなかったとのことで、これについてはできるだけ早期に計上できるよう準備を進めているとのことです。退職給付引当金の計上は、平成26年度の会計制度の見直しで義務化されたもので、本来必要なものと考えております。早期に計上していただくようお願いいたします。
 また、退職給付引当金を計上することで資金不足には影響しないものの、その年度の決算の収支が悪化することとなりますので、交通局におかれましては、なお一層経営健全化に取り組んでいただくことを求めておきます。
 それでは、次の質問に移ります。
 次に、決算状況報告書の編集についてお尋ねいたします。
 本市の決算審査における個別事業の審査については、決算状況報告書で各部門別の主要施策の概要や成果を報告していただいています。報告書の分け方としては、政策名、施策名、基本方針、主な取り組みの4段階に属性ごとに1ページにまとめられており、これは第7次総合計画の属性に沿ってつくられています。
 この決算状況報告書の編集については本委員会で幾度となく取り上げられ、指摘があり、これまでも見やすい工夫に取り組まれていることについては一定の評価をいたします。
 そこで本日は、この決算状況報告書の編集の仕方について課題と感じた点がありましたので、例を挙げて指摘をさせていただきます。
 平成29年度の当初予算では、熊本地震からの復興元年として位置づけられ、地震からの復旧・復興に多くの予算が充てられていました。一方で、熊本地震に関連しない事業につきましても幾つかの新規事業が予算化されていました。
 私は、地震からの復旧・復興に多くの予算が充てられる中、これら熊本地震に関連しない新規事業が予算化されている理由として、本市としても重要で優先度が高い事業であるからだろうと推測し、数多い事業の中で、当初予算での熊本地震関連以外の新規事業について、1年間の取り組み結果を決算状況報告書で確認することとしました。
 ところが、これら当初予算での新規事業が決算状況報告書のどこに書かれているのかひもづけができない事業が幾つかありました。
 例えば、当初予算の新規事業にペアレントトレーニング事業がありますが、この事業結果は決算状況報告書には記載されていませんでした。
 そこでまずお尋ねいたします。
 このペアレントトレーニング事業は、当初予算に計上したものの、熊本地震などの影響により執行を見送ったため報告書に載らなかったのでしょうか。
 なお、報告書に載らなかったものの執行したということであれば、以下の3点についてお答えください。
 1点目、ペアレントトレーニング事業の事業結果について。
 2点目、本事業が決算状況報告書に記載されていない理由について。
 3点目、記載するとしたら何ページになりますでしょうか。
 以上3点について、健康福祉局長にお尋ねいたします。
        〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕

◎池田泰紀 健康福祉局長  ペアレントトレーニング事業についてお答え申し上げます。
 まず、ペアレントトレーニング事業の結果についてでございますが、ペアレントトレーニング事業は、子育てや子供の発達障がいの特性の理解に悩む保護者が適切に対応するための知識や方法を身につけることを支援する事業でございます。
 この事業は、就学前の子育ての難しさに悩まれる保護者を対象といたしましたペアレントプログラムと、発達障がいまたはその疑いと診断を受けた年長児から小学生までの子供を育てる保護者を対象としたペアレントトレーニングの2種類で構成されております。
 平成29年度の実績は、ペアレントプログラムにつきましては全6回の講座を定員8人の2つのグループで実施をいたしまして、延べ80人の参加がございました。ペアレントトレーニングにつきましては、全10回の講座を定員8人の1つのグループで実施をいたしまして、延べ64人の参加がございました。
 平成29年度は試行で実施をいたしましたが、今年度は本格実施をいたしておりまして、昨年度実績を踏まえ、実施回数等を見直して実施しているところでございます。
 本市における社会的な支援の必要性が高い子供や家庭への支援といたしまして、本事業は今後も継続していきたいと考えているところでございます。
 本事業が決算状況報告書に記載をされていない理由につきましては、前年度の報告書と同様に、子ども発達支援センターの事業として基幹的なものを記載いたしましたことから、結果としてペアレントトレーニング事業につきましては記載をしていないところでございます。
 なお、記載するといたしますならば、118ページに記載することとなります。
        〔浜田大介委員 登壇〕

◆浜田大介 委員  ありがとうございました。ペアレントトレーニング事業については、昨年度は試行として実施し、本年度から本格実施となるとのことで、子育てに悩む家族への支援策として有効な事業であることがわかりました。また、記載するとしたら118ページになるとの御答弁でした。
 そこで、決算状況報告書の118ページをごらんいただきたいと思います。
 このページでは、主な取り組みが社会的な支援の必要性が高い子どもや家庭への支援と書かれており、この取り組みの事業実施所管課は子ども政策課、子ども支援課、児童相談所、各区保健子ども課、子ども・若者総合センター、保育幼稚園課、子ども発達支援センターと7つの課が事業実施所管課となっています。
 したがって、118ページを見てみるとわかりますように、びっしりと記載があり、先ほどの局長の御答弁でも基幹的なものを記載したためとおっしゃられたように、このページにペアレントトレーニング事業の事業結果を入れ込むことが困難であったのだろうと考えます。
 しかし、このペアレントトレーニング事業は、先ほどの答弁にもありましたように、大変重要で、効果も大きく、今後も継続していくべき事業であり、決算状況報告書に記載すべき事業であると思います。
 そこで、提案ですが、決算状況報告書の策定に当たっては、事業として新たにスタートさせたもの、継続、拡充または縮小されたものなど、毎年変化するわけですので、先ほど午前中の質疑においても光永委員の方から類似の指摘がありましたが、年度内の実施状況がわかるように、例えば1ページにおさまり切らない場合は2ページに分けるなど細分化することで、本来報告すべき内容が記載できるように見直すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。財政局長にお尋ねいたします。
        〔田中陽礼財政局長 登壇〕

◎田中陽礼 財政局長  決算状況報告書の記載内容に関するお尋ねについてお答えいたします。
 決算状況報告書では、第7次総合計画の実施計画に掲げられました各取り組みの目的、個別事業の実績、成果指標及び達成状況などについて記載をしておりまして、どの個別事業を取り上げて報告するかは担当部局が主体的に選定をしているところでございます。
 今後、御指摘も踏まえまして、市民からの関心が高い事業や新規事業等につきまして積極的に記載するよう、各局に対する助言や財政局でのチェック等を行うことによって決算状況報告書がより効果的な決算の説明資料となりますよう努めてまいりたいと考えております。
        〔浜田大介委員 登壇〕

◆浜田大介 委員  ありがとうございました。
 地方自治法の第233条には、決算を議会の認定に付するに当たっては、当該決算に係る会計年度における主要な施策の成果を説明する書類、その他政令で定める書類をあわせて提出しなければならないと書かれていますが、この主要な施策の成果を説明する書類の提出義務を課したことについて、逐条解説によりますと、議会における決算審査が単なる数字の審査にとどまらず、事業の成果についても積極的に検討が加えられることを期待したものであるとなっております。
 こういったことからも、決算状況報告書の作成に当たっては、事業の成果について議会審査及び検討が行われるよう、1ページにおさめることにこだわらず、本来の審査目的が達成されるよう創意工夫されることを指摘しまして、次の質問に移ります。
 次に、路線バスの利用向上策についてお尋ねいたします。
 決算状況報告書の184ページ及び186ページでは、検証指標として、ともに路線バス及び市電の年間利用者数が掲げられています。この2つの事業の主な取り組みを見ると、公共交通ネットワークの維持・再構築と公共交通機関の利用促進となっており、関連する事業でありますことから、同じ検証指標を掲げたものと推察いたします。
 その上で、まずは年間利用者数についてお伺いいたします。
 平成29年度の市電の利用者数は、先ほども申しましたが、1,109万4,000人で、前年度よりも38万5,000人増加し、検証値、目標値ともとれますが、を既に超えているのに対して、路線バスは2,481万8,000人と、平成28年度より313万7,000人、率にして11.2%も減少しており、31年度の検証値からすると505万7,000人、16.9%もの減少となっています。
 この年間313万7,000人の減少は、1日平均で引き直すと8,594人、これ片道を1人とカウントし、往復では2人とカウントしますので、半分にすると4,297人となり、毎日4,000人以上の人が乗らなくなっている計算になります。
 これまでも路線バスの利用車の減少は指摘されてきました。43年前の昭和50年、1975年の路線バスの利用者は1億137万人、これが平成26年、2014年には約3割の2,994万7,000人まで減少、44年間で7,145万3,000人が減少しており、危機的な状況と指摘されてきましたが、これを1日当たりの利用者の減少数に引き直すと2,225人の計算となります。
 平成29年度の1日当たりの利用者の減少は4,297人、これはこれまでの傾向をはるかに上回る危機的な状況と言わざるを得ません。ただ、特殊要因があったとも考えられます。
 そこでお伺いいたします。
 ここまで路線バスの利用者が減少した要因をどのように考えているのでしょうか。また、特殊要因があったとすれば何なのでしょうか。その場合、特殊要因でどこまで減少し、その特殊要因は単発なのか、今後も続くことなのか、今後の影響もお示しください。その上で、対策をどのように考えているのかお聞かせください。
 以上、都市建設局長にお尋ねいたします。
        〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕

◎田中隆臣 都市建設局長  路線バスの利用者が減少した要因と今後の対策等について順次お答えいたします。
 委員御案内のように、熊本都市圏の路線バスの利用者数はピーク時の3割程度まで減少しており、近年も減少傾向にございます。
 この要因は、長期的にはモータリゼーションの進展により買い物、通勤などさまざまな場面において自動車への依存が高まったことが要因と捉えております。また、そのことは、平成24年度に実施しました熊本都市圏パーソントリップ調査からもうかがえ、平成9年調査時と比較しまして自動車の分担率が5%増加し全体の64.3%まで増加するなど、自動車への依存度が増しバス利用者が減る傾向は依然として続いている状況となっております。
 次に、特殊要因についてでございますが、平成29年度の決算状況報告書にお示ししております路線バスの年間利用者数につきましては、統計処理の関係上、平成28年度の実績値となっており、大幅に減少した要因は熊本地震の影響によるものでございます。
 具体的には、バス営業所の損壊や乗務員の被災による大幅な減便等により、震災後の4月は前年比82万人、67%の減、同じく5月も51万人、23%の減となり、半年後の10月までの累計で256万人、17%の減、以降も影響は継続し、委員御紹介のとおり、年間で314万人、11.2%の減と大幅な減少となっております。
 現在も震災の影響等により乗務員不足が続いていることから、震災前と比べ運行便数が減少しており、最新の平成29年度の速報値では前年比80万人の増加となっておりますものの、震災前の平成27年度と比較しますと200万人以上減少している状況にあり、今後も一定の影響は継続するものと考えております。
 最後に、今後の対策でございますが、本市では、平成27年度に公共交通網形成計画を策定しており、この計画に掲げますバス路線網の再編やバスロケーションシステムの導入などバス事業者と連携を図り取り組むことで、誰もが安心して移動できる利便性の高いバス交通の確立を目指してまいります。
        〔浜田大介委員 登壇〕

◆浜田大介 委員  ありがとうございました。
 路線バス利用者の減少については、長期的な要因としてモータリゼーションの進展を挙げており、現在も利用者が減る傾向は依然として続いているとされた上で、特殊要因として熊本地震の影響を示されました。4月の熊本地震発災から半年間で累計256万人と大幅な減少になったとの御答弁でした。
 なお、決算状況報告書の路線バスの年間利用者数の平成29年度の値は平成28年度の実績ということで、よく見ると確かに物すごく小さな字で書かれておりました。
 この傾向は、震災の影響による乗務員不足が依然として続いており、平成29年度の速報値等で見ても、震災前と比べ200万人以上が減少しているということであります。
 その上で、今後の対策としては、バス路線網の再編やバスロケーションシステムの導入等に取り組むとの御答弁でした。
 そこで、次に、主な取り組み、公共交通ネットワークの維持・再構築と公共交通機関の利用促進の2つの検証を踏まえた課題への対応の書き込みに共通するワードがあります。それは、先ほど御答弁で示されましたバス路線網の再編であります。
 このバス路線網の再編は決算状況報告書の課題で毎回書かれているのですが、実績欄には残念ながらバス路線網の再編についての記入がありません。少しきつい言葉になりますが、記入がないということは、バス路線網の再編の実績がなく、遅々として進んでいないということなのでしょうか。
 そこでお伺いいたします。
 バス路線網の再編とはどのようなイメージなのでしょうか。主な取り組みである公共交通ネットワークの維持・再構築と公共交通機関の利用促進にとってのバス路線網の再編の位置づけとその重要性をお示しください。また、バス路線網の再編を掲げてからのこれまでの経緯と進捗状況をお示しください。
 以上、都市建設局長にお尋ねいたします。
        〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕

◎田中隆臣 都市建設局長  バス路線網の再編についてのお尋ねに順次お答えいたします。
 まず、バス路線網再編のイメージと位置づけでございますが、公共交通網形成計画の中で、バス路線網再編については中心市街地と地域拠点を結ぶ8方面の基幹公共交通軸において、バスの幹線・支線化による機能強化や競合路線の改善に取り組むこととしております。
 この取り組みを進めることで、利用者の利便性向上やバス事業者の運行効率化など、将来にわたっても誰もが安心して移動できる持続可能なバス路線網の構築につながることから、バス路線網の再編は重要な取り組みと考えております。
 次に、これまでの経緯と進捗状況でございますが、この取り組みについては、計画策定と並行し、バス事業者などの関係機関と協議、検討を進めてまいりましたものの、熊本地震の発生により、先ほど申しましたような乗務員不足といった新たな課題が生じたため、バス事業者におかれましては、この課題に対応しながら路線を維持することが最優先事項となり、バス路線網再編の検討に取り組む状況にはなかったものでございます。
 しかし、昨年度から乗務員不足への対応も含めまして検討を再開しており、基幹公共交通軸の再編につきましては、まずは植木と小島の2方面を先行して取り組み、また競合路線につきましては、各社が個別に設定しております運行ダイヤを平準化するよう改善したいと考えており、今後、公共交通協議会におきまして関係者と協議をしながら次年度の再編につなげてまいります。
        〔浜田大介委員 登壇〕

◆浜田大介 委員  ありがとうございました。
 バス路線網の再編については、中心市街地と地域拠点を結ぶ8方面の基幹公共交通軸において、バスの幹線・支線化による機能強化や競合路線の改善に取り組むことで持続可能なバス路線網の構築につながることから、バス路線網の再編は重要な取り組みであることが示されました。また、熊本地震が発生し、新たな乗務員不足の課題も生じたことなどの理由により、バス路線網の再編に取り組むことができなかったとの御答弁でした。もともと乗務員不足と叫ばれていたのですが、さらなる乗務員不足は運行数の削減という深刻な事態にまで至っているようです。
 そうした中、昨年度から深刻な課題となった乗務員不足への対応も含め、バス路線網の再編等の検討を始められたようです。
 答弁を伺ってみまして、路線バスは公共交通機関としてその使命を果たし続けられるのか岐路に立っていて、大変重要な時期を迎えていると感じています。
 そこで、路線バスの利用策向上について、これまでの質疑を踏まえ、バス路線網の再編をどのように捉えているのか、大西市長にお尋ねいたします。
        〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  バス路線網の再編をどう捉えているのかについてお答えをいたします。
 担当局長もこれまでお答えをしましたとおり、公共交通を取り巻く現状は大変厳しく、特にバスにおきましては利用者がピーク時の3割以下、また運行路線の8割が赤字となっておりまして、加えて、震災以降、深刻な乗務員不足となるなど危機的な状況にあると認識をしております。
 この危機的状況を乗り切るためには、過度な自家用車への依存から、バスを含めた公共交通への転換を強力に推し進めていく必要がございます。それを実現する上で、お尋ねのバス路線網の再編は極めて重要と考えておりまして、あわせてバス事業者の経営基盤の強化による安定的な運行が持続可能な市民の移動手段の確保につながると考えております。
 このため、基幹公共交通軸の機能強化や競合路線の改善、さらには経営基盤の強化につながる取り組み等、本市といたしましてもこれまで以上に積極的にバス事業者等関係機関と連携をいたしまして、市民にとってわかりやすく利便性の高いバス交通となるよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。
        〔浜田大介委員 登壇〕

◆浜田大介 委員  ありがとうございました。
 市長から、利用者減少や乗務員不足の課題について危機的な状況であり、この危機的な状況を乗り切るにはバス路線網の再編は極めて重要であり、あわせて、バス事業者の経営基盤の強化による安定的な運行が持続可能な市民の移動手段の確保につながるとの考えが示され、その上で、これまで以上に積極的にバス事業者等関係機関と連携してまいるとの言葉があり、頼もしく思ったところでございます。
 さて、高度経済成長とともに路線バス利用者は爆発的にふえてきました。このため、バス路線網は地域間輸送と通勤・通学輸送を中心に編成されてきましたが、モータリゼーションの進展に伴い減少傾向に転じ、この減少傾向は現在も続いています。
 このような中、本市にはさくらカードという他都市に誇るべき制度がありますが、高齢化による交付対象者がふえる中、利用者数が伸びないとの報告もある一方で、高齢者の運転による自動車事故もふえる中、高齢者の免許返納も推進しようという動きもあります。
 また、社会は大きく変わろうとしており、急激な少子高齢化・人口減少社会が進む現在にあって、バス路線の維持と社会ニーズに対応した運行確保は喫緊の課題だと考えます。
 こうしたことから、これまでの地域間輸送と通勤・通学輸送を中心としたバス路線網のあり方から、社会ニーズの変化に対応した大胆なバス路線網の再編が求められていると考えます。
 このため、利用者と社会ニーズを的確に把握した上で、これまでの考えを抜本的に変えるなど、バス路線網の大胆な見直しもあっていいのではないかと思います。
 大西市長が目指されている誰もが安心して移動できる持続可能な公共交通を構築するためにも、バス利用者のニーズを的確に把握し、ニーズによっては大胆なバス路線網の見直しも視野に入れて取り組んでいただくよう求めておきます。
 それでは、次の質問に移ります。
 次に、平成29年度決算状況報告書の中の158ページ、文化活動の支援の中で、市民会館の管理運営についてお尋ねいたします。
 市民会館の管理運営につきましては、昨年度の公募により、本年度より指定管理として管理運営が行われています。
 このような中、今月2日の地元紙の「県劇管理者、非公募も」との見出しに目がとまりました。内容としては、県が県立劇場を運営する指定管理者について、2019年度から非公募で選べるようにする条例改正案を本年9月の定例会に提出するというものです。
 県では、これまで指定管理の選定は競争性を確保するため全て公募としていましたが、県立劇場については、あり方検討会で長期的な事業や人材育成の観点、音響や照明などの専門技術の特殊性、事業継続性などの観点から非公募制が望ましいとの提言があり、これにより今回の条例改正案が出されたとのことです。
 振り返って、本市の指定管理制度においては、高い管理運営の専門性が求められていることから、国際交流会館及び現代美術館においては、来年度から非公募での指定管理としています。
 そこでお尋ねいたします。
 現在公募となっている市民会館の管理運営については、県立劇場と同様の特殊性があることから、指定管理先の運営状況を見た上で非公募も検討すべきであると思いますが、市民会館の今後の指定管理のあり方についてどのように考えておられるのか、経済観光局長にお尋ねいたします。
        〔平井英虎経済観光局長 登壇〕

◎平井英虎 経済観光局長  市民会館の今後の指定管理のあり方についてお答えをいたします。
 今年度、公の施設の指定管理者制度に関する指針が改正され、非公募により選定することができる施設の類型といたしまして、事業運営の特殊性が重視される施設が追加されましたことから、国際交流会館及び現代美術館につきましては選定方法を非公募制に変更する条例改正案を今議会に提案しているところでございます。
 一方、市民会館は、昨年度、改正前の同指針の規程の原則に従いまして公募により選定したところでございますが、今後のあり方につきましては、非公募の場合、企画運営等における高度な専門性や長期的な視野に立った人材の育成、確保、さらには事業の継続性などの要件を満たすことが必要とされるため、これらの事業運営の特殊性につきまして、効果的かつ効率的な運営という観点から十分な検証、検討を行ってまいりたいと考えております。
        〔浜田大介委員 登壇〕

◆浜田大介 委員  市民会館の管理運営については、改正前の公の施設の指定管理制度に関する指針に従って選定したということで、それまでは直営だったわけですから、初めて指定管理としての選定であり、公募となったことは理解いたします。
 その上で、市民会館の指定管理につきましては5年間の指定と伺っておりますので、この間答弁にもありましたように、市民会館の特殊性が十分に担保される業務内容になったのか検証を行っていただき、よりよい運営がなされるよう、非公募も視野に入れ検討を行っていただくよう求めておきます。
 それでは、次に、決算状況報告書222ページの図書館・博物館の機能充実の取り組みの中で、図書館の機能充実についてお尋ねをいたします。
 本市図書館につきましては、図書館法上に基づく市立図書館、森都心プラザ、植木、城南、富合の5カ所に加え、社会教育法に基づく15カ所の公民館図書室の計20カ所の図書館、図書室があります。
 図書館、図書室における本市の蔵書数につきましては過去に議会でも取り上げられ、他都市と比べて市民1人当たりの冊数がかなり少ないなどの指摘もあったことから、本市としてこれまで年々蔵書数をふやす取り組みが行われたものと認識しております。
 そこで、本市の図書館の取り組みについてお聞きしたところ、蔵書数は平成29年度時点で155万2,957冊、1人当たりの蔵書数は2.12冊で、20政令市中8番目であり、政令指定都市平均1.95冊であることから、本市は平均以上のレベルに達したことが確認できました。
 また10年前、平成19年度時点では蔵書数は90万936冊、1人当たりの蔵書数は1.35冊であったことから、この10年間で蔵書数は65万1,895冊、約72%ふえ、1人当たりの蔵書数も約57%ふえていることも確認できました。
 これらの要因として、本市の蔵書数増加の取り組みの努力に加え、植木、城南、富合の3町合併や森都心プラザ、城南図書館の新設などが大きく寄与しているものと考えます。
 また、図書貸し出しサービスにつきましても、平成15年より実施されているインターネット予約による貸し出しを初め、昨年より実施されている電話予約サービスや連携中枢都市圏の図書館の相互利用など貸し出しサービスも向上しています。特にインターネット予約サービスにつきましては、家にいながら本を予約することができ、希望する図書館まで本を届けてくれるという大変便利なサービスとなっております。
 このような蔵書数やサービスの向上につきましては一定の評価をいたします。
 その上で、1点お尋ねさせていただきます。
 これは、インターネット予約で本の貸し出しサービスを利用された方から伺ったお話ですが、インターネット予約で本市の図書館から本を借りた。希望した本が近くの図書館まで届けられ大変便利だと感じた。しかし、受け取った本が昭和62年発刊でもあり相当古く、汚れやしみがあり、読めることは読めたが、余り気持ちのいいものではなく、かなりショックを受けた。貸し出しをしてくれた職員さんもどうしましょうかと聞いてきたと。本にもよりますが、増刷されているのであれば買いかえなどができないものでしょうかと、そういった相談でした。
 そこで、ある程度古くなった本の買いかえについて教育長の見解をお尋ねいたします。
        〔遠藤洋路教育長 登壇〕

◎遠藤洋路 教育長  古くなった図書の買いかえについてお答えいたします。
 図書資料に汚れや破損が見られた場合は修理をして貸し出すことを基本としておりまして、修理できない場合には図書館の蔵書からは除籍をしております。
 一方で、新たに購入する図書資料は新刊本を中心としており、過去に発刊されたものについては既に販売が終了して入手が困難である場合が多いのが現状ですが、利用者からの購入希望があれば可能な限り対応する方針であります。
 このように、貸し出しの需要に応じて買いかえを行っているところであり、図書館としては、利用者の方々に図書資料を大切に扱っていただくというのが基本ですけれども、引き続き汚れや破損の発見、修理に努めてまいりたいと考えます。
        〔浜田大介委員 登壇〕

◆浜田大介 委員  ありがとうございます。
 古くなった本については、利用者からの購入希望があれば可能な限り対応していただけるというふうに理解をいたしました。買いかえに相当する本を全て買いかえることは困難だと思いますが、利用者にできるだけ状態のよい本を貸し出すための努力は必要ではないかと考えます。
 そこで提案なんですが、222ページの下段の対応のところに、平成31年度に予定している図書管理システムの更新においては、より利用しやすいシステムを構築することで、児童・生徒を含め図書館等の来館者数の増加を図るとあります。
 せっかくより利用しやすいシステムを構築するのであれば、例えばインターネット貸し出しの画面に本の損傷状態、これを5段階の星印で表示するなどすれば、利用者はそれを見て、例えば星印が1つの本であれば、それはかなり古く、汚れやしみもひどい本であることが確認できますので、その上で本を借りるかどうかの判断をすることができ、先ほど紹介しましたような手元に届いたときのショックも軽減されると思いますが、いかがでしょうか。
 当然、最初に155万冊以上のデータ入力をすることは困難と考えておりますので、例えば本が返却されるたびに小まめに本の損傷状態を入力すれば、一度貸し出された本につきましては次回の検索から損傷状態がわかるようになりますし、年間300万冊の貸出量を考えれば、1年でかなりのデータ量になると思います。また、管理する側から見ても、買いかえに相当する本を簡単に抽出することができ、その中から、現在も販売されている本であれば買いかえることもできるようになります。管理面、サービス面、ともに向上すると思いますが、いかがでしょうか。教育長にお尋ねいたします。
        〔遠藤洋路教育長 登壇〕

◎遠藤洋路 教育長  図書資料の状態をインターネットの画面に表示するという御提案ですが、これについては3点課題が考えられます。
 まず、御紹介のとおり、本市には20カ所の図書館、公民館図書室があることから、購入する図書資料は1冊ではなく、多くの場合、同じ本を複数冊購入しております。一方で、予約については先着順としております。同じ本が返却され次第、次の予約者にお届けをしております。したがって、図書資料の状態を表示しても希望するものが届くとは限らない仕組みになっているということです。
 2点目は、状態を入力する作業量ですが、年間300万冊の利用があることから、返却時に状態を入力した場合の作業量は職員12人分に相当するという試算になっております。また、貸出頻度の少ない書庫にある資料について入力する場合には、さらに大きな作業量が必要となります。
 3点目は、返却時に状態を入力した場合に、利用者の返却手続の待ち時間が長くなるということがあります。現在、返却される図書資料にしおりなどの忘れ物がないかを確認する間、利用者に待っていただいておりますが、この時間が長くなってしまうということもございます。
 こうしたことから、図書資料の状態を表示するというのは困難と考えておりますけれども、今回利用者の視点に立った御提案、アイデアをいただいたということは大変ありがたいと思っておりますので、今後とも利用者の意見をよく聞きながら快適に図書館を利用していただけるようにサービス向上に努めてまいります。
        〔浜田大介委員 登壇〕

◆浜田大介 委員  ありがとうございました。
 私が提案したインターネットの画面に損傷状態を例えば星印方式で載せてはといった提案につきましては、今、教育長の方から3点にわたって現状では難しいという答弁でございました。
 ただ、今、一般でも現在アマゾンなどのネット上の通販サイトでは中古の本を販売しております。そこにはコンディションという項目があり、本の状態が端的にわかりやすく、購入時の参考となっております。利用者の意見をよく聞きながらサービス向上に努めていくとの御答弁でしたので、私としまして、この提案したようなシステムの見直し、こういったことも要望とさせていただきます。
 また、先ほど述べましたように、これまで市民1人当たりの蔵書数をふやすべく取り組んできたわけですが、市民の声で、先ほど実例を紹介しましたように、買いかえるべき古い蔵書もあるのは確実でございます。今後は、新刊本に限らず、絶版の場合は文庫本による買いかえも視野に入れて古い蔵書の積極的な整理に取り組んでいただくよう求めておきます。
 また、そのための必要な予算につきましても確保していただくよう、これにつきましては財政局長に求めておきます。
 以上で私の用意した質疑は終わりました。これで私の質疑を終わります。(拍手)

○藤岡照代 副委員長  公明党熊本市議団、浜田大介委員の質疑は終わりました。
 次に、日本共産党熊本市議団の質疑を行います。持ち時間は25分となっております。
 まず、山部洋史委員の質疑を行います。
        〔山部洋史委員 登壇〕

◆山部洋史 委員  日本共産党熊本市議団の山部洋史です。
 私からは、昨年度決算におけるブラッシュアップイングリッシュ事業及び外国語教育推進経費に関連してお尋ねします。
 まず、このブラッシュアップイングリッシュ事業の概要及びその成果について、また外国語推進経費の概要について御説明ください。教育長にお尋ねします。
        〔遠藤洋路教育長 登壇〕

◎遠藤洋路 教育長  ブラッシュアップイングリッシュ事業の概要と成果についてです。
 ブラッシュアップイングリッシュ事業では、国の指定による外国語教育強化地域拠点事業として、尾ノ上小学校、月出小学校、山ノ内小学校、錦ヶ丘中学校、必由館高校で英語によるコミュニケーション能力の育成を目指し、小中高の接続を重視した英語教育の研究開発に取り組みました。また、外部専門機関と連携した英語指導力向上事業では、楠中学校、楠小学校、楡木小学校において、大学と連携し英語指導力の向上を図る取り組みを行いました。
 いずれの事業においても、英語学習を肯定的に捉える児童・生徒の増加、英語検定の一定の級に到達する生徒の増加等の成果が見られております。
 次に、外国語教育推進経費は、外国語指導助手、ALTを配置する経費や中学生を対象とするイングリッシュキャンプの経費となっております。
        〔山部洋史委員 登壇〕

◆山部洋史 委員  市の報告書によれば、本事業の成果として英語学習を肯定的に捉える児童・生徒の増加の項目では、小学5年生で約95%もの児童が英語学習を肯定的に捉えているとの調査結果が出ています。また、英語力の向上の点では、英語検定の一定の級に到達する児童・生徒の割合が全国平均に比べ30ポイント以上高いという結果でした。特に小学校においてはALT、外国語指導助手を適切に配置することで、英語授業の経験が少ない先生方にとってスムーズな授業が行われるよう配慮され、そのことが児童にとっても英語学習を肯定的に捉える、英語学習を好きになる要因になっていると思われます。
 これらの事業のもと、本年度は小学校の英語教科化が全市的に実施されています。2020年度の本格導入を前に2年間の移行措置期間が設けられています。本市では、この移行措置期間に段階的に導入するのではなく、3・4年生に35時限の外国語活動を導入し、5・6年生では35時限であった外国語活動を70時限に倍増するなど、いずれも2020年度の本格導入と同様の時間数で実施されています。
 しかし、現場では英語の教員免状を持たない小学校教員が大多数であり、先生方からは、ほぼ初めての英語授業の取り組みの中、本来であれば授業時間と同等の準備時間が必要ではあるがほとんどその時間が確保できていないとか、初めてのことなので新たに覚えることも多く大変負担だ、英語の専科教員が全く足りていないのではないかなどの声が上がっています。何よりも、ただでさえ超多忙な中、結果として一番大事である子供たちと直接向き合う時間が減ってくるのではという心配があります。
 そこでお尋ねします。
 まず第一、現在の外国語活動の取り組みの中、学校現場でのさまざまな懸念及び現場の先生方の要望に対して、ブラッシュアップイングリッシュ授業での成果を踏まえてどのように支援をしていかれますでしょうか。
 2点目、各学年でふえる英語の授業時間の増加分はどう補われますか。教育長にお尋ねいたします。
        〔遠藤洋路教育長 登壇〕

◎遠藤洋路 教育長  まず、ブラッシュアップイングリッシュ事業の成果を踏まえた支援についてです。
 初めて授業をする教員でも授業のイメージを持てるように、研究指定校での授業の動画や使用した教材等を教育センターのホームページに掲載をしております。また、研究成果をもとに平成30年度から31年度の移行期における熊本市版年間指導計画例を作成し、小学3年生からどのように移行期の授業を行えばよいかを全ての教員に示しているところです。さらに、授業時数の増加に伴い、外国語指導助手、ALTの配置拡大を進めるとともに、小学校では英語免許を有する専科教員10人と巡回指導教員2人を配置して授業をサポートするなど、担当教員の負担感、不安感の軽減に努めております。
 次に、英語の授業時数の増加分への対応についてです。
 小学校の外国語活動は年間35時間の増加となりますが、これまで各学校が確保してきた予備時数を外国語活動の授業時数として置きかえることで総授業時数を変えずに実施が可能であり、実際にそのような工夫をしている学校もあります。
 現在、教育委員会では教育課程の検討会議を立ち上げ、総合的な視点から授業時数の基準の検討を行っており、今後、必要以上の予備時数を削減するなど、学校がゆとりを持った取り組みができるようサポートしてまいります。
        〔山部洋史委員 登壇〕

◆山部洋史 委員  英語専科教員の配置については、先日、いのちネットの皆さんとともに市へ申し入れをいたしました。そこで示された現在の専科教員の配置状況では、全市92小学校のうち専科教員が回っているのは半分の46校であり、その頻度は授業2時間のうち1回の割合で専科教員が入っているとのこと、また残り半分の46校は巡回指導教員によりサポートを行っているとのことでした。しかし、先生方がまだ手探りで授業を行っている移行措置期間の間ぐらいはやはり毎時間のサポートが必要ではないでしょうか。さらなる人的支援の拡充が求められます。
 また、授業時間の確保については、各学校が確保している予備時間を置きかえることで授業時間数を変えずに実施可能であり、そのように取り組んでいる学校もあるとのお話でした。
 言うまでもなく、英語導入以前から先生方は超多忙を極めておられ、本市でも2割もの先生が過労死ラインでの職務を強いられている現状です。本来であれば、そうした予備時間は先生方の働き方軽減に向けられるべきではないでしょうか。
 本市がこの3月に策定した教員の時間創造プログラムとの整合性も問われます。時間創造プログラムでは、2020年度までに先生方の過労死ラインをゼロにするとしています。まさに英語教科が本格導入される年度です。本格導入により過労死ラインが増加するような結果にならないよう、時間確保の配慮を求めます。
 次に、英語教科化での子供たちへの影響についてお尋ねします。
 小学校段階での英語の導入についてはさまざまな心配の声も上がっています。そうした心配のもと、学校の授業とは別に英語塾などに通う子供も出てくるでしょう。その一方で、塾へ通えない子供も当然出てくると思います。中学英語の前段階で学ぶ環境に差が出てきかねません。
 そこでお尋ねします。
 まず第一に、そうならないためにも、全ての子供たちが等しく学べる環境整備に力を尽くすべきと考えますが、具体的な施策など講じておられますでしょうか。
 2点目、今後、英語専科の新任教諭の拡充の予定はありますか。
 3つ目、中学校に在籍する英語免許取得の教員の皆さんを小学校に定数を確保して配置するなどの手配も必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 最後に、加えてALT、外国語指導助手、専科教諭の抜本的加配を国にしっかりと要望すべきと思いますが、具体的な要望はされていますでしょうか。
 以上、教育長にお尋ねいたします。
        〔遠藤洋路教育長 登壇〕

◎遠藤洋路 教育長  4点お尋ねをいただきました。
 まず、子供たちが等しく学べる環境整備についてです。
 新学習指導要領では、これまでの暗記中心の授業ではなく、子供たちが積極的に英語を使おうとする態度を育成すること、英語を用いてコミュニケーションを図る体験を積むことが重要としております。
 現在、授業では、ALTによる生きた英語を通して実践的コミュニケーション能力の基礎力育成に努めており、本年度はALTを33名から54名に増員をいたします。指定校でのアンケート調査では、外国語の授業が好きと答える児童の割合が9割というふうに高くなっております。
 2点目に、英語専科の新任教諭の拡充予定ですが、教員採用選考試験において、小学校の教諭に外国語教育推進区分を設けまして、英語に関する専門性の高い教員の新規採用を行ってまいりました。これまで20人を採用しており、来年度も採用予定者数を5人程度としており、今後も継続的に一定数の採用をしてまいりたいと考えております。
 3点目の中学校在籍の英語免許取得教員を小学校に配置することについてですが、小学校の英語専科教諭について、本年度は、先ほども申し上げましたが、10人を加配しております。小学校教諭の中にも中学校英語の免許を有する者がおり、本年度以上に加配が確保できた場合も配置することが可能です。また、中学校の英語教諭を小学校に配置することも小中連携の観点から一つの手法だと考えております。
 4点目、ALT、英語専科教員の加配に関する国への要望についてですが、指定都市教育委員会協議会で要望していることに加えて、本市独自の要望活動においても小学校専科指導の充実やALT配置に対する財政支援について要望を行っており、今後も機会を捉えて訴えてまいりたいと考えております。
        〔山部洋史委員 登壇〕

◆山部洋史 委員  いろいろと御答弁をいただきましたが、要は人員の配置の拡充を初めしっかりと学ぶ環境を整え、丁寧な授業を行えば、英語嫌いを防ぐことができ、小学校から中学校への学びの連携がスムーズにできるということだと思います。
 今回、英語だけではなく、道徳も新たに教科化されるとあって、やはり先生方の多忙化がさらに強められ、教育現場での新たな困難や矛盾が生まれるのではないかという不安も強まっています。小学校の段階では、特に一人の落ちこぼれもなく基礎学力を身につけられるようにすることが基本ですし、全ての子供の人格形成に力を尽くすということが大事です。
 そういう点では、新しい英語教育においては、先生方はもとより、子供たちを追い詰めるような教育にならないよう人的な支援のさらなる拡充をしていただき、ゆとりのある、楽しく学べる授業が展開できるよう特に留意していただきますよう要望いたしまして、次の質問に移ります。
 続きまして、震災以降の住まいの確保の問題、中でも市営住宅について、環境の整備も含めた質問をいたします。
 震災からの復興においては、何よりも住まいの再建が大前提です。本市では、新規に建設する災害公営住宅建設が圧倒的に少ないため、それを補うものとして、市営住宅の空き室ストックが被災者向けに提供されています。しかし、市営住宅もそもそもそれまで暮らしていた地域に必ずしも住宅があるわけではなく、通院、通学、通勤などの面でその選択肢が大きく制限される場合があります。中でも、病気や疾患などでバリアフリーや低層階しか住めないとなるとさらに困難です。
 そこでお尋ねいたします。
 まず第一、仮設住宅入居者で市営住宅への転居希望者のうち、バリアフリーが必要な世帯、または足腰の疾患、病気のため低層階への入居を希望している世帯はどれだけあるでしょうか。また、現在の対応と今後の取り組みについてどのように考えておられますか。都市建設局長にお尋ねいたします。
 2点目、入居期限を迎える仮設入居者のうち、低層階など希望する市営住宅が提供できないとの理由で転居ができない世帯への手当てはどうされますか。引き続きの入居延長は認められますでしょうか。大西市長にお尋ねいたします。
        〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕

◎田中隆臣 都市建設局長  私からは、仮設住宅入居者の市営住宅への転居希望者に関するお尋ねにお答えいたします。
 まず、低層階への入居希望の世帯数についてでございますが、被災者のうち、8月末現在で公営住宅への入居を希望されております1,694世帯のうち、低層階を希望されている障がい者や要介護認定を受けられている231世帯の方々につきましては、現在の福祉部署と連携し、優先的提供基準に基づき順次案内を行ってきたところでございます。
 案内の状況につきましては、8月末現在におきまして低層階を希望されております231世帯のうち178世帯の方々の入居が内定し、30世帯の方については現在もマッチングを行っているところでございます。また、案内する中で23世帯の方々が自宅再建や民間賃貸住宅への転居などで辞退をされているところでございます。
 内定されていないマッチング中の被災者の方々につきましては、今後も引き続きニーズを聞きながら、退去空室も含めた住宅の案内を行うなど、丁寧に対応してまいりたいと考えております。
        〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  仮設入居者の入居期間の延長に関してのお尋ねにお答えをいたします。
 これまでも、被災者の恒久的な住まいの確保は最優先で取り組む復興重点プロジェクトの一つでございまして、各世帯の実情に寄り添った支援を行ってまいりました。
 その中で、住宅の提供に当たっては、希望する地域や低層階等、さまざまなニーズがございますため、今後の延長の要件について状況に応じた柔軟な対応をいただくよう、県を通じ国へ要請をしてきたところでございます。
 今後も引き続き本市の実情を国・県へ働きかけるとともに、被災者の個々の状況に応じたきめ細かな対応を行い、一日も早い住まいの確保に努めてまいりたいと考えております。
        〔山部洋史委員 登壇〕

◆山部洋史 委員  8月末現在でまだ30世帯がマッチング中とのことでした。マッチング解消のめどについては言及がありませんでしたが、この後の質問でも紹介いたしますが、市営住宅の高層階に入居中であるが病気のため低層階へ転居申請をされていた方が、最終的に転居が認められるに当たり1年かかった事例があります。このように、マッチング解消が次の入居期限を迎える前にできる保証はどこにもありません。
 大西市長からは、入居延長するかしないかについては何らお答えがありませんでした。障がいや介護または疾患により低層階にしか住めない方たちです。一日も早い住まいの確保に努めるのは当然ではありますが、住宅の提供ができない場合には、市長の責任で国・県への再度の入居延長を認めさせるとしっかり明言をするべきではないでしょうか。そのことを強く求めまして、次の質問に移ります。
 続いて、高齢化や病気による住みかえの問題です。
 まず、病気のために低層階への転居を申請していた一般入居者の方の事例です。申請が認められるまで、また転居のめどが立つまでに1年を要しました。しかし、その間に病気が悪化、転居を待たず施設へ入居せざるを得なくなってしまいました。空室状況の関係もあるとは思いますが、障がいや疾患を勘案して優先順位をつけるなど、もっと短期間で手配はできないものでしょうか。
 続いて、もう一方、循環器系の疾患があり、医師の勧めもあり低層階への転居を希望をしている入居者、現在は5階に入居中の方です。転居に当たって、原状復帰、部屋のリフォームの費用が捻出できず転居ができないでおられます。何らかの支援ができないでしょうか。
 以上、都市建設局長にお尋ねいたします。
        〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕

◎田中隆臣 都市建設局長  まず市営住宅の住みかえや転居に関するお尋ねについてお答えいたします。
 まず、住みかえに伴います低層階への転居の手配についてでございますが、市営住宅に入居中の方で、身体的な理由等により低層階への住みかえを希望されている方につきましては、平成25年4月1日に定めました住替え承認申請事務取扱内規により申請の受付順に対応しているところでございます。
 したがいまして、住宅の提供につきましては、申請された団地によっては順番待ちとなる場合もあり、また低層階の住宅の退去の状況に応じ提供の時期が違ってくることとなります。
 次に、転居等に伴います原状回復についてでございますが、入居者が退去される場合は、原則として畳、ふすまの原状回復が必要であり、加えて、故意に破損、汚損した場合につきましても原状回復をお願いしているところでございます。
        〔山部洋史委員 登壇〕

◆山部洋史 委員  住みかえができずに困っていらっしゃる方の困難について全く認識されていないような答弁だったかと思います。
 住みかえの原状復帰について、実際に転居された方のお話です。
 原則として、畳とふすまは入居者で取りかえをとのことですが、この方の場合、部屋の清掃についても業者によるクリーニングを市から求められたそうです。故意に汚損したものではなく、通常使用での経年による汚れです。風呂釜の撤去も必要であり、総額15万円ほどかかったとのことです。当然、加えて引っ越しの費用をさらに捻出しなければなりません。原状復帰、費用の捻出が困難な方については分割などの支援が求められます。
 最後に、団地敷地内の雑草の件でお尋ねいたします。
 新地団地E棟の事例ですが、雑草が子供の背丈以上に伸びており、あらゆるところが死角になっています。防犯上大変問題です。また、秋、冬になればそのまま立ち枯れ状態になり、たばこのポイ捨てなどで火災の原因にもなりかねません。住民からは刈り取りの要望が何度となく出されていますが、刈り取りに予算が600万円かかるからできないといまだに放置された状態です。
 市全体のこうした樹木や雑草の刈り取りの予算、整備の予算が2,000万円しかなく、一つの団地に予算の大半を使えないとの理由ですが、そもそも全体の予算が少な過ぎます。抜本的に拡充すべきではないでしょうか。都市建設局長にお尋ねいたします。
        〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕

◎田中隆臣 都市建設局長  市営住宅の環境整備に関する新地団地の例でのお尋ねでございます。
 新地団地の草刈りについてでございますが、全ての市営団地では、草刈りや高さ2メートル以下の樹木の剪定につきまして、原則として入居者の管理となっております。
 しかしながら、新地団地におきましては約1万2,000平方メートルののり面がありますことから、地元自治会と相談し、一部の草刈りについては住宅課において対応しているところでございます。
 今年度も地元自治会と協議の上、遊歩道周辺の草刈りを8月に実施し、再度11月にも実施する予定としております。
 今後も、引き続き地元自治会と協議しながら、できる限り御要望に添えるよう対応したいと考えております。
        〔山部洋史委員 登壇〕

◆山部洋史 委員  団地の雑草については入居者による管理が原則とのことですが、高齢化が進む中、団地敷地全体の草刈りはとても困難です。そもそも全体の予算が少な過ぎます。抜本的に拡充すべきです。
 特に新地団地の事案については、まず1万2,000平米という面積、これを高齢の住民で負担することは不可能ですし、このまま放置しておけば、防犯・防災上においても大変危険です。来年度とは言わず、年度内での速やかな対処を求めます。
 以上、おのおの要望をいたしまして、私の質疑を終わります。

○藤岡照代 副委員長  山部洋史委員の質疑は終わりました。
 次に、上野美恵子委員の質疑を行います。
        〔上野美恵子委員 登壇 拍手〕

◆上野美恵子 委員  日本共産党熊本市議団の上野美恵子でございます。通告いたしております上下水道事業会計の決算の状況と利用者負担に関してお尋ねをしてまいります。
 第一に、水道水の大もとの価格となる給水原価は、地下水を水源としている人口30万人以上の都市の給水原価が1立方メートル当たり119円、熊本市は134円です。一方で、一般的な自治体の場合、給水原価は政令市の平均で158円、全国平均が163円となっています。いわば地下水を水源とする自治体は給水原価が低く、安価に市民へ水道水を供給できる条件があると言えるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 第二に、給水原価の低い熊本市ですが、実際に市民へ供給する場合の供給単価は1立方メートル当たり164円です。政令市の平均が169円、全国平均が172円、地下水を水源とする人口30万人以上の都市の平均供給単価が142円なので、熊本市の供給単価はかなり割高です。給水原価と供給単価の差が大きいほど収益率は高くなりますが、この差額は政令市の平均、全国平均、そして地下水を水源とする人口30万人以上の自治体の平均と比べても一番大きく29円となっています。
 昨年2017年度決算では、水道事業会計の当期純利益は前年2016年度の当期純利益14億6,300万円の1.78倍となる26億円にふえています。
 2016年度は地震の影響もあったと思いますが、熊本市の水道事業は、収益率のよさを反映して例年10億円から30億円程度の当期純利益を生んでいます。健全な事業運営という点ではよしとしても、給水原価を反映しない高い供給単価のために、熊本市の水道料金は決して安くはありません。昨年4月時点の10立方メートル当たりの料金比較で、政令市の中で高い方から5番目、20立方メートル当たりの比較でも政令市の中で高い方から8番目です。
 本市の水道水は給水原価が低く、また経営上も毎年大幅な純利益を生んでおり、料金を引き下げる条件は十分にあります。給水原価の高い自治体よりも供給単価が高いというのは市民に理解されがたいと思います。原価に見合った料金の引き下げを検討すべきではないでしょうか。
 特に、従量料金の部分で、使用量を10立方メートルごとに第1段から第5段に区分してありますが、使用量に沿った負担となるよう、この段階を細分するなどできないのでしょうか。
 また、下水道料金についても、使用水量20立方メートル当たりの金額で比較した場合、本市は政令市の中で高い方から8番目です。一方、下水道事業会計の決算でも、昨年度の当期純利益は前年比117%増の20億1,600万円となっています。
 下水道使用料の料金設定は基本額に超過額等を加える方式が多いのですが、政令市でも使用料の低い大阪市や札幌市では、基準額も加える超過額も低い設定となっています。
 毎年の黒字額を使用料金に反映して料金負担を軽減すべきではないでしょうか。
 以上、上下水道事業管理者に伺います。
        〔白石三千治上下水道事業管理者 登壇〕

◎白石三千治 上下水道事業管理者  4点の御質問に順次お答えをいたします。
 まず、地下水を水源とする自治体の給水原価についての御質問についてお答えをいたします。
        〔副委員長退席、委員長委員長席着席〕

◎白石三千治 上下水道事業管理者  河川水を水源とする都市では、浄水場の維持管理費が必要であるのに対し、本市のように地下水を水源とする都市では、地下水を汲み上げるための動力費がかかるなど、都市によって給水原価を構成するコストはさまざまでございます。
 本市の給水原価につきましては、政令指定都市の平均や全国平均よりも低くなっておりますが、給水原価の低さだけをもって料金水準を判断できるものではないと考えております。
 2点目の給水原価に見合う水道料金の引き下げについての御質問でございますけれども、給水原価と供給単価の差額によって生じます利益につきましては、今後、少子高齢化に伴って進展する人口減少などにより収入の減少が見込まれる中、企業債の返済や老朽化が進行する管路や施設を適切に更新していくための原資となるものでございます。
 水道は、市民生活に欠くことのできないライフラインであり、将来にわたって安全・安心な水道水を安定的に供給していくためには、適正な料金水準を維持していく必要があると考えております。
 次に、水道料金の従量料金の段階を細分化すべきとの御質問でございます。
 本市では、水道料金につきましては、平成21年9月に料金算定の公平性や節水意識醸成の観点から基本水量制を廃止し、所要の料金体系の見直しを実施しております。
 他の指定都市との比較におきましても、用途区分、口径区分、基本料金及び基本水量についておおむね同様の設定を行っており、本市料金体系は妥当と考えております。
 最後に、下水道使用料の負担軽減についてのお尋ねでございますが、下水道事業の利益につきましても、水道事業と同様に、今後、少子高齢化に伴って進展する人口減少などにより収入の減少が見込まれる中、企業債の返済や未普及解消、さらには老朽化が進行する管路や施設を適切に更新していくための原資となるものでございます。
 将来にわたりまして下水道事業を安定的に運営していくためには、適正な使用料水準を維持していく必要があると考えております。
        〔上野美恵子委員 登壇〕

◆上野美恵子 委員  ただいま、水道事業の部分で、給水原価の低さだけで料金水準を判断できないと答弁されましたけれども、それならば、原価の低い水の供給になぜ高い料金が必要となるのか、その要因について御説明を加えてください。
        〔白石三千治上下水道事業管理者 登壇〕

◎白石三千治 上下水道事業管理者  ただいまお答え申し上げました給水原価だけの低さをもってその料金水準を判断できるものではないということへの再度のお尋ねでございますけれども、繰り返しになりますけれども、水道料金と申しますのは、将来にわたりまして安定的に供給していくという義務がございまして、そのためには設備投資ですとかいろいろなものを行っていく必要がございます。
 そういう意味におきましても、将来の投資経費でありますとか収入の見通し、その他もろもろのことを検討して考える必要がございますので、先ほど申しましたように、その給水原価の低さだけをもって判断できるものではないというふうに考えているところでございます。
        〔上野美恵子委員 登壇〕

◆上野美恵子 委員  水道料金の設定に当たりまして、水の原価とともに事業の運営、継続に必要なさまざまな要因があることは確かです。しかし、給水原価が安いにもかかわらず高い料金になるのは、他の自治体に比べてかける費用が多い、水以外の投資が大き過ぎるということではないでしょうか。
 私どもは、過去にも水道事業の問題点を3つの無駄、計画の無駄、財政運用の無駄、漏水の無駄と、4つの安易さ、簡単にできる政府資金からの借金、掘れば出てくる水源、値上げは議会の多数がやってくれる、競争の相手のない独占企業という点で指摘をし、住民福祉の視点での水道事業の改善と実施を求めてきました。
 水循環基本法では、水は国民共有の貴重な財産であり、公共性の高いものであると規定しています。このような理念は、憲法25条が保障する生存権にもかかわるもので、水道が福祉と言われるゆえんでもあります。
 福祉である水道事業の継続に必要な再投資資金はもちろん必要ですが、過剰な利益を上げること、過大な事業への投資は、福祉としての水道事業にはなじみません。原価が安ければ、当然供給単価にそれが反映されて、安価での水の供給が可能となるはずです。人口減少を見据えるというのであれば、これまでの過大な投資こそ見直して、計画の無駄、財政運用の無駄をただして、安価な水の安定した供給にこそ努めるべきです。他都市と比べても割高な水道料金を、利益を住民に還元して給水単価に見合った安価な料金で提供していただくよう、料金引き下げを強くお願いをしておきます。
 下水道料金使用料につきましても、熊本市は紹介した安い使用料の政令市、大阪市や札幌市などの2倍近い料金となっています。下水道事業の計画、投資を人口減少時代にふさわしいものとし、利用者負担の軽減に努めていただきたいと思います。
 続きまして、使用料の減免についてお尋ねをしてまいります。
 第一に、水道料金減免については、政令市20市のうち14市が福祉減免を行っています。本市でも他都市で行われているような生活保護世帯や住民税非課税、児童扶養手当受給世帯ほか、さまざまな福祉的支援を必要としている世帯への上水道下水道料金の減免を実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 第二に、全国の政令市では、上下水道事業における福祉的減免実施のために、水道事業で7市、下水道事業で11市が一般会計からの繰り入れを行い、福祉的な上下水道事業推進の支援を行っています。
 市長には、上下水道事業における福祉減免についての考え方をお聞かせください。
 また、福祉減免に対して一般会計繰り入れを実施していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。市長並びに上下水道事業管理者にお尋ねいたします。
        〔白石三千治上下水道事業管理者 登壇〕

◎白石三千治 上下水道事業管理者  福祉的支援を必要としている世帯の減免についてお答えを申し上げます。
 福祉的減免につきましては、公営企業である上下水道事業は、使用者が使用量に応じて適正料金を負担することにより運営されていることから、一律的な減免はいたしておりませんけれども、福祉的配慮が必要な方への料金の減免や支払いが困難な方に対する納付期限の延長、分割納付の相談など、個別的な対応を行っているところでございます。
 今後も引き続き、お客様に応じたきめ細やかな取り組みを進めてまいります。
        〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  上下水道局の福祉的減免についてのお尋ねでございますが、他都市におけるこの減免制度の導入状況、また上下水道局における取り扱いにつきましては、他都市の状況も承知をしているところでございます。
 生活困窮者の皆様に対する福祉的配慮というものにつきましては、ただいま上下水道事業管理者の方から答弁をさせていただきましたけれども、現在上下水道局が行っております取り組みを今後も適切に進めていくことが重要であるというふうに考えております。
        〔上野美恵子委員 登壇〕

◆上野美恵子 委員  福祉的減免については全くする思いがないという答弁でありましたが、大変生活の厳しい昨今の社会情勢というのをどのように認識をされているのか大変疑問であります。
 昨年度1年間で延べ2,891世帯が給水停止となっています。年間3,000世帯近くの給水停止世帯が発生していることについてどのように認識をされているのでしょうか。またその要因はどのようになっているのか、事業管理者にお尋ねいたします。
        〔白石三千治上下水道事業管理者 登壇〕

◎白石三千治 上下水道事業管理者  水道の給水停止の件数でございますけれども、委員御紹介のとおり、昨年度におきましては2,891件となっておるところでございます。
 それ以前の状況で申しますと、私が料金課長をやっておりました10年前ぐらいになりますけれども、1万件ぐらいの給水停止を行っていたような状況もございます。
 近年少なくなっておりますのは、日曜日ですとか夜間での催告等を実施し、より細やかなお客様への対応を行ってきた、支払いが困難な方への対応を適切に行ってきた結果、こういう件数が少なくなってきたものと考えておりまして、今後も引き続きまして、福祉的配慮を要する方、支払いが困難な方、そういった方に対しましては適切に対応を行っていきたいと考えているところでございます。
        〔上野美恵子委員 登壇〕

◆上野美恵子 委員  今、細やかに対応してきたという答弁がありましたけれども、一番大切なのは、やはり払えないという方々の置かれていらっしゃる状況に思いをいたすことではないかなと私は思います。
 本来、命の水、水道水がとめられるような事態はあってはならないはずです。だからこそ、少なくない自治体で福祉減免を実施しているのではないでしょうか。
 上水道で政令市で8市、4割の政令市となります。特に下水道事業におきましては、政令市20市のうち圧倒的な多数である7割の自治体が福祉減免を実施しているということをどのように受けとめられているのでしょうか。この点につきましては市長と事業管理者、それぞれに御見解を伺います。
        〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  他都市での状況については私もいろいろと見ているところでございますけれども、本市におきましては、今、繰り返し答弁をさせていただいておりますとおり、この福祉的配慮ということで、この支払いの部分についての細やかな対応、こうしたものをしているということで答弁をさせていただいているところでございますが、今後もこうした取り組みをしていくということが非常に重要であるというふうに考えておりますし、またこの減免制度ということにつきましては、さまざまな本市の、これは当然水道料金というのは受益者負担ということが原則でございますので、そうした観点からも慎重にすべきであるというふうに私は考えております。
        〔白石三千治上下水道事業管理者 登壇〕

◎白石三千治 上下水道事業管理者  福祉的減免について再度のお尋ねにお答えを申し上げます。
 他都市の状況につきましては、委員からも御紹介がありましたように、水道料金におきましては8市が導入をされている、下水道料金につきましては14市が実施をされているというような状況は承知しているところでございますけれども、本市といたしましては、基本的には、先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、使用者が使用量に応じて適正料金を負担するという原則に従いまして、一律的な減免は行わないというふうにしているところでございます。
 しかしながら、そういった福祉的配慮が必要な方への対応、そういったことにつきましては、納付期限の延長ですとか分割納付の相談など、そういった個別的な対応を今後も適切に行っていきたいというふうに考えておるところでございます。
        〔上野美恵子委員 登壇〕

◆上野美恵子 委員  市長におかれましても、事業管理者におかれましても、福祉の減免についてはする御意向ではないというのはわかりました。
 ですけれども、その前段として、何か福祉的な点については配慮をしているというふうなお答えにも聞こえたんですけれども、一番最初の答弁のときに事業管理者から、福祉的な配慮が必要な方への料金減免を行っているという答弁がありましたけれども、それは何件あるのかは掌握をされているんですか。
        〔白石三千治上下水道事業管理者 登壇〕

◎白石三千治 上下水道事業管理者  減免に関するお尋ねでございますけれども、熊本市の上下水道局におきましては、熊本市上下水道局水道料金及び下水道使用料の減免に関する要綱を規定しておりまして、その中の第3条第3号におきまして、福祉的配慮を必要とすると認められる使用者に対して請求する水道料金等が通常の数倍であり、延納または分納しても支払いが困難であると認められる場合、このような場合につきまして減免措置を行っているところでございますけれども、減免の件数につきましてはただいまの手持ちの資料を持ちませんので、お答えができません。
        〔上野美恵子委員 登壇〕

◆上野美恵子 委員  今、把握していないと言われましたけれども、前聞いたとき、たしか十数件あるというふうに、たしか17件だったかと思いますけれども、それについては、その17件できちんとできているというふうにお考えなのか、御意見をお願いします。
        〔白石三千治上下水道事業管理者 登壇〕

◎白石三千治 上下水道事業管理者  福祉的減免の件数、17件の数が多いのか少ないのかというお尋ねかと思いますけれども、その号に当てはめた場合の件数が17件ということであれば確かに少ないのかもしれませんけれども、実際問題としてそういった水道料金や下水道使用料を納付される方が非常にお困りの場合は、先ほどの繰り返しになりますけれども、分納のお話ですとか、延納のお話とか、そういったものに細かく対応しているというような状況でございます。
 先ほど停水の件数もお話しになりましたけれども、3カ月の滞納で4カ月目に停水するというようなこともございますけれども、そういった相談にも十分乗りながら対応させていただいているということで、そこに規定する以外の部分でも非常に対応している件数は多いのかなと思います。減免はそこの17件かもしれませんけれども、そのほかの部分でもかなりの部分は対処しているというふうに思っているところでございます。
        〔上野美恵子委員 登壇〕

◆上野美恵子 委員  水というのは一日もなしには生きていくことはできません。だから、3カ月でとめてしまえば、それはみんな走って料金の相談に乗ったり、払いにきたりされていることだと思います。ですけれども、その裏にどういう実態があるのか、やはりきちんとつかむ必要がある、これこそ大事ではないでしょうか。
 上水道の分野においては、さいたま市は給水条例第40条の第2項で、管理者が必要があると認めたときは、母子家庭、老人家庭、身体障がい者の家庭等に対し、料金のうち基本料金の全額に相当する額以内の額を減額することができると明確に規定をして、企業会計が負担をして減免を行っています。福祉としての水道事業の姿ではないかと思います。他の7市は、名古屋市が一部企業会計で負担し、一般会計繰り入れが行われ、残り6市は一般会計の負担で行われています。
 下水道事業では、7割の政令市が福祉減免を行っているということを本市としてもしっかりと受けとめ、真剣に検討すべきだと思います。
 上水道事業が市として基本料金相当額を減免しているのに対し、下水道事業では、仙台、さいたま、千葉、相模原、福岡の5市が生活保護世帯等に使用料の全額を免除しています。他の9市は基本料相当分の免除ですが、各自治体が福祉減免の必要性を認識しているからこその取り組みではないかと思います。
 貧困が今や社会の大きな問題となり、生活の苦しい世帯への福祉的配慮がますます必要となっています。こういうときに、いつまでも福祉減免に背を向けているような姿勢ではいけないと思います。
 熊本市の水道料金は、給水原価に対して高い料金です。他都市にならって速やかに福祉減免を実施していただきますことを強く、強く要望いたしまして、質疑を終わらせていただきます。

○満永寿博 委員長  上野美恵子委員の質疑は終わりました。
 以上で、日本共産党熊本市議団の質疑は終わりました。
 次に、市政クラブ、落水清弘委員の質疑を行います。持ち時間は15分となっております。
        〔落水清弘委員 登壇 拍手〕

◆落水清弘 委員  落水清弘でございます。さわやかに質疑をいたしますので、よろしくお願いいたします。
 平成29年度決算から、震災関連で2点お伺いいたします。
 1、公共施設の効率的な災害復旧について。
 熊本地震から2年と5カ月ほどたとうとしていますが、公共施設の復旧も随分進んでまいりました。営繕課発注分で29年度末49%、本年度末で100%となる見込みです。
 そのような中、復旧工事の内装工事に関して非効率的な点や、工事後、美観を損なう工事があるようなことに気がつきましたので、お伺いをいたします。
 建築物の内装は、毎日の職務中、また市民の利用中、施設内で最もこの目にするものです。できるだけ心地よく、美しくあった方がよいものです。
 しかし、災害復旧工事では、原型復旧の名のもと、被災した部分のみの復旧が原則となっております。例えばボード壁にクラックが入った場合、ひびの入ったボードを交換し、壁紙を新しいものにかえる、もしくは塗装するという手法です。たとえその壁紙が30年以上たっていても、被災部分のみの張りかえです。事例を挙げますと、私たちの本会議場がそのようにされておりますので、わかりやすいかと思います。
 また、天井のボードが一部破損していても、被災部分のみの修理となります。そして、そこについている照明器具がどんなに古くとも、破損していなければ、天井工事のため一度取り外した照明器具を、それが20年以上使用され、耐用年数を超え、あしたにも壊れそうな白熱電球であっても、新しいものにはかえず、そのまま古いものをもとに戻すのです。
 あえて申し上げますが、照明器具は、その器具単体の代金より、取り外し、取りつけの工事費の方が高額になるのは誰もが知っております。
 大西市長、きょう現在も大江の福祉施設希望荘で地震災害天井工事で白熱電球を使用したダウンライト5個が、25年使用しているにもかかわらず、そのままもとの天井に取りつけられようとしております。少し考え、国と丁寧に交渉すれば、もっと効率的な税金の使い方があるように思われます。また、たとえ国が復旧工事として認めない部分が一部できたとしても、考えるべきものではないでしょうか。
 本会議場のクロス張りかえは、足場代だけでも幾らかかっているのでしょうか。もっと効率的な方法が幾らでもあるように思いますが、さらには、このことは予算を持つ所管課と工事をされる営繕課、設備課の関係性の改善も必要かと考えますが、都市建設局長、総務局長、御答弁を願います。
        〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕

◎田中隆臣 都市建設局長  私からは、震災に伴う公共施設復旧の工事範囲の決定等についてお答えいたします。
 まず、本会議場の復旧工事において使用した足場につきましては、地震により損傷した天井部分の全面復旧を行うためのものでございます。その足場費用を含む仮設費用は約5,000万円となっております。
 内壁につきましては、早期に本会議場を再開すること、またクラック等の被害が4平米と極めて限られた箇所であったことから、対象部分のみを復旧したところでございます。
 次に、希望荘を例に御指摘があったLED化についてでございますが、復旧工事における補助を受けるものにつきましては対象となる費用が原形復旧に要するものに限られているため、結果としてLED化は復旧工事の対象となっておりません。
 しかし、LED化は職場環境の改善や利用される方にも快適であることから、今後は可能な限りLED化を図ること、また内装につきましても建築物全体の劣化状況を把握した上で、施設の長寿命化等も考慮しながらより効率的な工事の実施に努めてまいります。
        〔中村英文総務局長 登壇〕

◎中村英文 総務局長  私からは、公共施設の工事における予算所管課と営繕課、設備課との関係性の改善につきましてお答えをいたします。
 公共施設の整備につきましては、まず予算所管課と営繕課などとで協議し、その概算額により予算要求を行い、予算査定に際しては営繕課などからも工事の必要性や費用の算出根拠を提示し、予算措置がなされております。
 このように、これまでも関係課が連携しながら取り組んできたところでございますけれども、委員御指摘のとおり、効率的・効果的な観点から公共施設の整備を行うことは重要でありますことから、今後さらに連携を強化しながら取り組んでいけるような体制づくりに努めてまいります。
        〔落水清弘委員 登壇〕

◆落水清弘 委員  議場の復旧工事の足場費用を含む仮設費用が約5,000万円、5,000万円全額が足場費用とは思いませんが、一番高額なのは足場費用に間違いないかと思います。
 希望荘の白熱灯のダウンライトの件、わかりやすいようにここにLED電球を持ってまいりました。このLED電球、私、ホームセンターで1,180円で購入してまいりました。これに変えることによって電気代は、市長、5分の1になりますし、寿命は40倍ということになりますので、やはりもうこれは変えた方が効率的にいいと思いますので、早速希望荘に関しましては原課に御指示いただければ幸いでございます。
 それと、各課の連携につきましても、今のやり方は、効率的にするための知恵を絞り出す課がどこなのかということが明確になっておりません。皆さん一生懸命しているのかもしれませんけれども、何か言うと越権になるのではないかと誤解をしていらっしゃる職員の方も多数おられるようですので、やはり責任の所在を明確にすると同時に、改善策はどの課から出てもみんなが取り組むという気持ちを持つような職員体制にしていただければ幸いでございます。ぜひ知恵を絞って、我が家を災害復旧するような気持ちで効率的な改善をお願いする次第でございます。
 通告2番、災害時の避難勧告・指示等の発令決定の仕組みと市民への伝達方法について。
 本市においては、平成24年7月の九州北部豪雨災害を受け、避難指示等のあり方に関する検証部会が設けられ、熊本市としてとるべき対策についての勧告を取りまとめられました。
 国においては、平成27年9月の関東・東北豪雨災害や平成28年8月の台風第10号災害における検証を踏まえ、避難勧告等に関するガイドラインが平成29年1月に改訂されました。本市の地域防災計画にもそれらの内容が反映されています。
 しかしながら、先般の岡山での大水害においても、自治体の避難指示が適切に行われていたかどうかと、また報道での話題になっておりました。幾ら検証、改善しても、この避難勧告・指示等がうまくいかない現実にいら立ちを覚えるのは私だけではないかと思います。それは、勧告や指示を出す公務員側の気持ちと、被災経験のある、ない市民の気持ちの違いかなとも思われます。しかし、これはどちらがよい悪いではなく、あくまでも感覚に大きな違いがある、それだけの意味で話をさせていただいております。
 さて、私の住む花園三丁目、島崎二丁目付近は、水害の常習地域です。道路の冠水、浸水、新しく引っ越してきた方がよく車を水没させられます。何とか助けてやりたいと思い、町内放送で車の避難を呼びかけますが、それは当たったり外れたりで、苦情を言われたりもしてへこむこともあります。市職員の気持ちもよくわかります。
 そこで提案ですが、29年度決算記載の花園・島崎地区浸水対策施設技術検証委員会にヒントを得て、地域を限定してのピンポイントの避難勧告・指示は考えられないかと思ったのです。
 今現在は、河川の水位等のデータ中心で、広域に勧告・指示が出されているようですが、それを花園三丁目、島崎二丁目付近のように内水水害が出る地域をピンポイントで、先ほどの予算の根本である小山田排水機場の水位計のデータを活用しての避難勧告・指示が出せないものかと提案するものです。このことで100%うまくいくわけではありませんが、水害常習地帯に住む市民は、過去の被災経験から自分なりの判断基準を持っております。ピンポイントで発令できれば、必要な情報を必要とする市民に伝えることができると思われます。御検討いただけませんでしょうか。政策局長、答弁をお願いします。
        〔古庄修治政策局長 登壇〕

◎古庄修治 政策局長  災害時の避難勧告・指示等の発令の仕組みと市民への伝達方法についてのお尋ねにお答え申し上げます。
 本市では、河川ごとの基準観測所の設定水位情報や気象庁等の各種データを水防本部で収集、解析しまして、河川流域ごとに避難勧告や避難指示等を発令し、流域住民に対して早目の避難を促しているところでございます。
 1点目のお尋ねの町内や地区等へのピンポイントでの避難指示等の発令につきましては、地域防災計画において、緊急性が高い場合、現場にいる消防職員や市の職員などが市長が行う権限を代行して避難勧告や避難指示を行うことができると定めておりまして、日ごろからそのような浸水被害に備えて各区の職員、消防団、また地域との連携、協力を密にしまして防災訓練等を行っているところでございます。
 また、内水氾濫について等のお尋ねでございますが、内閣府が定める避難勧告等に関するガイドラインにおきましては、避難指示等の発令について、家屋の流失や自宅最上階まで浸水する場合等、自宅にとどまることで生命に危険が及ぶおそれのある場合に避難指示等を発令して避難を促すこととされておりまして、河川の氾濫を伴わない内水氾濫のみによる家屋への浸水被害があった場合については、避難所へ移動する、いわゆる水平避難より、自宅の2階等へ避難するなどの垂直避難の方が最も有効であることから、避難指示等は行わず、垂直避難を呼びかけているところでございます。
        〔落水清弘委員 登壇〕

◆落水清弘 委員  政策局長、詳しく説明、答弁ありがとうございます。
 私の方で少し整理をさせていただきますと、今の行政の現状では、ピンポイントの避難勧告指示を発令することは難しいと、しかし、29年度に策定した熊本市地域防災計画、ちょうどここに持ってきております、この分厚い本が地域防災計画です。この資料41ページに記載の、読み上げさせていただきます。
 災害現場において、現場付近にいる市職員、消防職員及び消防団員は、市長が行う避難勧告及び避難指示(緊急)の権限を代行することができる。
 政策局長、これを活用しての避難勧告・指示を行うことにより、緊急時の市民への伝達方法としたいという御答弁でよろしかったわけですよね。本当にすばらしい内容だと私は思いました。地域防災計画にこれが載っていたのを私は実は見過ごしておったんです。災害現場においての緊急時に消防団の分団長や市職員の管理職等が市長が行う避難勧告・指示の発令ができるという内容です。本当にこれはもう大いに市民の方々に読んでいただきたい、そして知っていただきたい内容です。
 ちょうど昨年、これができたばかりですので、まだこのことは市職員、消防団、市民への周知または研修がなされていないかと思いますので、ぜひ今後どのように周知、研修をされていくのか、政策局長、御答弁を願います。
        〔古庄修治政策局長 登壇〕

◎古庄修治 政策局長  緊急時に現場が混乱することなく迅速に行動するためには、そういった関係者への事前周知徹底が不可欠であると考えております。
 ただいまの委員御指摘を踏まえまして、今後災害あるいは緊急時の現場での対応方針に関しまして、市職員はもとより、消防団などの関係者に対しまして、先ほど委員より御提案ありました研修等や訓練等を通じて周知徹底を図ります。
 また、実際に避難されることになります地域住民の皆様に対しても、さまざまな機会を通じて広報、周知を図ってまいります。
        〔落水清弘委員 登壇〕

◆落水清弘 委員  ありがとうございます。
 ぜひ消防団の分団長を初め市職員への早急の周知研修をお願いいたしまして、私の質疑を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

○満永寿博 委員長  市政クラブ、落水清弘委員の質疑は終わりました。
 次に、明政会、田中敦朗委員の質疑を行います。持ち時間は15分となっております。
        〔田中敦朗委員 登壇〕

◆田中敦朗 委員  明政会の田中敦朗でございます。間もなくもう午後も3時間になろうとしておりますので、手早く質疑をさせていただきたいと思っております。
 まず、債権管理についてお伺いいたします。
 こちら、決算状況報告書の64ページになりますけれども、市役所が有する多数の債権を適正に管理、処理していくため債権管理課が創設され、熊本市債権管理計画のもと、債権の回収と未収金の整理が進んでいることは、債権管理の必要性を訴えてきた者の一人として大変うれしいことであります。
 状況報告書にも書いてありますとおり、各債権保有課においても、債権に対する知識と意識の向上が図られ、余力がなくなかなか手がつけられなかった債権に対して、債権管理課とともに法的措置まで考えられるようになっているということで、隔世の感を抱いているところです。
 言うまでもなく、未収金や債権の管理整理は、自治体にとって必ずやらなければならないものであり、また複雑多様で、中には取り扱いが大変困難なものも存在し、自治体が続く限りずっとつきまとうものでもあります。
 そこで、平成29年度決算に当たり、現状の確認と計画達成の見込み、いまだ残る諸課題についてお伺いいたします。
 まず第一に、債権管理課創設以降、未収金の整理について一定の成果を出してこられましたが、29年の成果額と決算における未収金の金額をお答えください。
 次に、過年の成果と未収金残額を受けて、この計画が目指す平成30年の目標達成の見込みはあるかお伺いいたします。
 最後になりますが、債権管理、この体制について、この決算を受けて今後どのようにしていくべきか、どうお考えなのか、財政局長にお伺いいたします。

        〔田中陽礼財政局長 登壇〕

◎田中陽礼 財政局長  債権管理に関する3点のお尋ねに順次お答えいたします。
 1点目の成果額と決算における未収金の金額についてでございますが、債権管理計画は平成28年度から平成30年度までの3カ年を計画実施期間といたしまして、平成27年度決算において収入未収額が10万円以上であった76債権について縮減目標を定めたものでございます。
 全体では、収入未済額約147億6,000万円について、平成30年度決算までに約26億9,000万円縮減し、約120億7,000万円とすることとしております。
 これまでの成果といたしましては、平成28年度決算では約8億8,000万円の縮減、平成29年度決算ではさらに約12億円縮減し、収入未済額は約126億8,000万円となっております。
 2点目の債権管理計画が目指す平成30年度の目標達成の見込みについてでございます。
 本計画では年度ごとの目標値は設定しておりませんが、平成30年度の最終縮減目標額である約26億9,000万円に対し、平成29年度までの合計額約20億8,000万円の縮減で約77%の進捗率となっており、平成30年度の目標はおおむね達成できるのではないかと見込んでいるところでございます。
 ただし、個別の債権では達成困難なものも見受けられるところがございますので、計画実施期間の最終年度となる今年度においてはさらなる取り組みが必要であると考えているところでございます。
 3点目の今後の管理体制についてでございますが、債権の管理体制の強化を図るためには、全庁的な未収額の縮減に向けた進捗管理の徹底と人材育成が重要であると考えております。
 まず、全庁的な未収額の縮減に向けた進捗管理につきましては、両副市長が議長、副議長を努め、全局長等が委員となる債権管理推進会議等におきまして取り組みの検証及び評価を行いながら、次期計画の策定についても検討していくこととしているところでございます。
 次に、人材育成につきましては、意識の向上とスキルアップを図るため、研修の充実や債権管理課と債権保有課との回収業務等の連携強化を図ってまいります。
 今後は、他都市の事例等も参考にしながら、さらなる債権管理体制の強化に努めてまいりたいと考えております。
        〔田中敦朗委員 登壇〕

◆田中敦朗 委員  御答弁ありがとうございました。現在のところでは目標達成ができるのではないかということで、ぜひ努力をしていただきたいと思っております。
 今後の管理体制につきましても、他都市の事例を参考にしながらということでありますけれども、債権管理課、この課が必要かどうか、こちらも考えていく必要があるというふうに思っております。債権保有課が全て対応した方が効率がいいのか、債権管理課が存在をして、債権保有課とともにやった方が効率がいいのか、熊本市の債権管理の理想の姿というのをしっかりと見据えていただきまして、議会の決算のときにも全ての債権に関して適正に対処をしていると胸を張って言えるような理想の体制をとっていただきたいというふうに思っております。
 それでは、続きまして、鳥獣被害対策についてお伺いいたします。
 こちらは決算状況報告書の140ページになります。
 有害鳥獣による農作物被害ですが、私はこの質問を初めてしたのが平成24年のことです。毎年さまざまな対策を拡充していただきまして、農家の方々と協力し、組織的に動いてくれている熊本市には本当に感謝をしております。
 平成29年度も決算状況報告書を拝見する限り、大きな成果を上げておられるようで、豊かな恵みを収穫直前に台なしにされてしまう農家の方々が年々減っていっているということは誇るべき成果だと考えております。
 ただ、懸念が1つあります。それは、被害地域が変わっていっているということです。
 先日、西里校区の農家の方々からお伺いしたところ、河内の方で鳥獣被害の対策が進んだことで有害鳥獣が移動し、西里に被害が拡大している、どうにかならないかというふうなお話を実際にお伺いいたしました。
 決算状況報告書にも、特定の地域名は書かれておりませんが、そのことが記載されています。鳥獣も生きておりますから、当然移動します。このままでは、対策して移動し、対策して移動してのイタチごっこが繰り返されるのではないでしょうか。
 そこでお伺いいたしますが、第一に、平成23年に9,265万円あった有害鳥獣の農作物被害額は平成29年においては幾らまで減りましたでしょうか。
 次に、鳥獣対策未整備地域の被害の把握と、今後の整備の計画や対策について今現在どのようにお考えになられているでしょうか。
 最後に、イタチごっこを防ぐためには広域的な連携が効果的です。平成27年の質疑の際に御答弁いただいていた熊本市を初め国や県、周辺の自治体による金峰山地域の鳥獣被害防止に向けた連絡会議の現状をお伺いしたいと思います。農水局長に御答弁をよろしくお願いします。

        〔西嶋英樹農水局長 登壇〕

◎西嶋英樹 農水局長  鳥獣被害対策に関する3点の御質問に順次お答え申し上げます。
 1点目の有害鳥獣による農作物被害でございますけれども、平成23年度、9,265万円が被害のピークとなっておりまして、平成29年度は7,246万円まで減少いたしております。
 一方、委員御指摘のとおり、対策を講じた地域から周辺地域へ被害が広がるほか、アナグマなどの新たな鳥獣による被害も発生いたしております。
 2点目の鳥獣対策の未整備地域の被害でございますけれども、本年4月に農水局内に鳥獣対策室を設置いたしまして、市民の方から多くの相談をいただいておりまして、個別の相談や情報提供を受け、現場に出向きまして状況把握や対策の検討を行っております。
 鳥獣被害を軽減するための最も取り組むべき対策としては、農地や集落が鳥獣の餌場やすみかにならないための取り組みを農業者以外の住民の方も含め、地域が一体となって実践することでございます。
 そのため、職員が積極的に現場に出向きまして、集落内の点検でございますとか勉強会、座談会等を地域の方々と協働で開催いたしまして、鳥獣を誘発する要因を集落内からなくす取り組みを進めてまいります。
 また、農業者による侵入防止柵の適切な維持管理の徹底や、隣接する集落が同時に侵入防止柵を整備するなどの取り組みを進めてまいりまして、それとあわせて効果的な駆除活動に取り組み、被害を低減させてまいります。
 3点目の関係機関による金峰山地域の鳥獣被害防止に向けた連絡会議につきましては、平成27年3月、県が中心となりまして、九州農政局などの国の関係機関、県、熊本市、玉名市、玉東町から成る金峰山地域鳥獣被害対策連絡会議が設置されました。現在、会議の設置を契機に、玉名市や玉東町と個別に情報共有いたしまして、連携して対策に取り組んでおります。
 引き続き、国や県、周辺自治体と連携いたしまして、地域住民と行政が一丸となって鳥獣被害に強いまちづくりに取り組んでまいります。
        〔田中敦朗委員 登壇〕

◆田中敦朗 委員  御答弁ありがとうございました。
 先ほどは西里のお話をさせていただきましたけれども、例えば西里の対策が進めば、また北上して、今度は植木にまで被害が波及するという可能性すらあるわけでありまして、実際生活にダメージが直撃するわけです。その生活、それはひいては熊本市の発展にもつながっていくということで、ぜひともこれまで以上に対策には力を入れていただきたいですし、そういった誘因する原因を取り除くというようなことで、幅広い視点に立った対策をしていただいているということは大変すばらしいことだなというふうに思っておりますし、ある意味すみ分け、金峰山地域で鳥獣と人間が共生をしていくという考えにも立った取り組みだというふうに思っております。
 熊本市の対策が進んで、今度は玉名と玉東に大きな被害が出たということにもならないように、連絡会議の方もしっかりと続けていっていただきたいというふうに思っております。
 それでは、続きまして、大規模イベントについてお伺いいたします。
 こちら、172ページの火の国まつり、花火大会、マラソンについてお伺いしたいと思います。
 それぞれが震災復興計画に位置づけられ、それぞれにいろいろありつつも、昨年も大過なく終わったことはとてもよかったというふうに思っております。この3つにお城まつりもあわせて、決算状況報告書によると2億4,941万8,000円がかかっております。
 早速お伺いしますけれども、それぞれの事業の目的及び対象者、事業にかかった金額、事業によって生じた経済効果をお答えください。経済観光局長に御答弁をよろしくお願いします。

        〔平井英虎経済観光局長 登壇〕

◎平井英虎 経済観光局長  火の国まつり、江津湖花火大会、熊本城マラソンの3つのイベントに関する質問にお答えをいたします。
 まず、これらの大規模イベントの目的でございますが、いずれもにぎわいの創出による経済の活性化に寄与することに加えまして、熊本地震後は、復興祈念事業としまして、これまでの支援への感謝と熊本が復興していく姿を県内外に広く発信することを目的として実施をしております。また、対象者につきましては、火の国まつりと江津湖花火大会は主に市民を対象としておりますが、熊本城マラソンは全国の方々を対象としまして、県外から4割近くのランナーに参加をいただいているところでございます。
 次に、平成29年度におけるそれぞれの事業費及び経済波及効果についてでございますが、事業費は本市の負担金に加えまして、企業等からの協賛金を財源とし事業の拡大を図っているところでございます。また、経済波及効果は、本市の産業連関表をもとに算出いたしました結果、火の国まつりは事業費7,800万円、経済波及効果約15億円、江津湖花火大会は事業費1億7,100万円、経済波及効果約6億6,000万円、熊本城マラソンは事業費3億4,600万円、経済波及効果16億7,000万円となっているところでございます。
        〔田中敦朗委員 登壇〕

◆田中敦朗 委員  御答弁ありがとうございます。
 それぞれ事業費と経済効果、お答えいただきました。火の国まつりは熊本市からは3,500万円、花火大会に関しては6,000万円、熊本城マラソンに関しては1億円の支出がされているわけでありますが、この差額がランナーであったり協賛の企業の民間の方から出ているということであります。出している金額以上に、民間投資、民間からの協力を誘発しているということは大変評価をしているところでありますが、私はやはりこの3つ、共通して思うことは、やはり進化をしていく、いつまで今の形にとどまっているのかなということです。
 というのは、具体的に言いますと、あくまでも今は熊本市が主催としてやっていますが、将来的にはこのイベントの一翼を担うほかの団体がやるのを協力して一緒にやっていくという形が必要なのではないかというふうに思います。外需を呼び込む効果があることから、市内の交通を大きく制限するマラソンに関してはまだ理解できますけれども、目的と対象者が市民である火の国まつりと花火大会については、今投入している人材とお金をどうやって縮減していくかを今後真剣に考えていくべきなのではないかと思っています。
 以前の質問や質疑でお話をさせていただいたとおり、役所が全くお金を出していない花火大会は存在しておりますし、伝統に基づいた地域に根差した祭りは役所の協力は不可欠ですが、主催者や参加者が成り立たせています。
 マラソンについても、価値が高まり、参加者がふえていけば、何らかの形で行政の負担は減らせるはずです。いきなりは無理でも、本当に熊本市に必要とされるのであれば、役所がその気になれば担う団体は必ず形成され、成長されていくと考えます。
 そこでお伺いいたします。
 今回取り上げた3つの事業に関して、今後市の人的・金銭的な負担を減らしていくために積極的に行動を起こすべきだと考えますが、今現在の担当局の考えを局長、お答えください。

        〔平井英虎経済観光局長 登壇〕

◎平井英虎 経済観光局長  イベントに対します本市負担の縮減に関してお答えをいたします。
 まず、財政負担の縮減に関しましては、来場者の安全確保を最優先としつつ、警備等の運営経費の縮減を図るとともに、財源確保策といたしまして、さらに積極的な協賛金確保や市民の皆様からの寄附などの拡充に努めてまいります。
 次に、市の人的負担の軽減につきましては、市職員は一定の権限と責任のもと、警備等の業務に従事しており、今後もある程度の人員は必要と考えますが、民間団体や地域等への運営協力につきまして、関係団体と協議を進めてまいります。
 また、将来的な事務局の運営体制のあり方につきましても、今後できるだけ民間団体等が中心となった運営ができるよう、行政と民間の役割分担を踏まえ、さらに検討を進めてまいりたいと考えております。
        〔田中敦朗委員 登壇〕

◆田中敦朗 委員  御答弁ありがとうございました。
 この大規模イベントに関しましては、費用対効果、これが常につきまとってくると思っておりますし、実際職員の方、仕事として出ておられます。振替の処理をされていると思いますけれども、実際この2億4,941万8,000円の中には時間外の手当の分は入っていないわけでありまして、それが職員の負担となってはいけないというふうに思っております。
 私自身は、やはりこういったイベント、今後できる限り市の負担を減らしていって、外需を呼び込む、人口減少社会で30年後には10万人人口が減ってしまうというこの熊本市においては、外需を呼び込み、市民の力で市民が求めるイベントを行っていくというふうなスタンスが必要だと今回の決算を見て考えた次第であります。
 今回、3つの取り上げた事業ですけれども、お金は余り使いませんが、自治体運営とは切っても切れない、ずっと取り組まなければいけない事業、産業保全のため国と県と連携しつつ、状況を見ながら適切な予算づけと執行していく事業、市民からの要望は厚く、当時の市長判断により始まり、単費で行い人材を投入し民間とともにやっている事業、性格はそれぞれ違いますが、やはり決算のたびにしっかりと立ちどまり分析をして、今後どうしていくのか行政が判断をしていく、我々も意見をしていく大切な事業であるというふうに思っております。
 今回の総括質疑に当たって、改めてやはり議会と行政がしっかりと話し合うことの大切さを考えた次第であります。
 ちょっと早口になりましてお聞き苦しいかと考えましたが、今後もしっかりと決算の総括質疑に取り組んでいくことをお誓いいたしまして、御答弁いただきました皆さんに感謝を申し上げまして、私からの質疑とさせていただきます。ありがとうございました。
(拍手)

○満永寿博 委員長  明政会、田中敦朗委員の質疑は終わりました。
 以上で総括質疑は終わりました。
 次に、付託議案の取り扱いについてお諮りいたします。
 付託議案の詳細審査につきましては、お手元に配付しております一覧表のとおり、各分科会が分担することで御異議ありませんか。
        (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○満永寿博 委員長  御異議なしと認め、そのように決定いたします。
 次回、当委員会は9月25日(火曜)午前10時に開きます。
 なお、次回の委員会における締めくくり質疑の通告期限は、9月21日(金曜)午前10時となっておりますので、委員各位、御承知おき願います。
 これをもちまして、本日の委員会を閉会いたします。
                             午後 4時16分 閉会



出席説明員
   市長       大 西 一 史    副市長      多 野 春 光
   副市長      植 松 浩 二    政策局長     古 庄 修 治
   総務局長     中 村 英 文    財政局長     田 中 陽 礼
   市民局長     萱 野   晃    健康福祉局長   池 田 泰 紀
   経済観光局長   平 井 英 虎    農水局長     西 嶋 英 樹
   都市建設局長   田 中 隆 臣    消防局長     西 岡 哲 弘
   教育長      遠 藤 洋 路    交通事業管理者  肝 付 幸 治
   上下水道事業管理者白 石 三千治

議会事務局職員
   事務局長     田 上 美智子    事務局次長    大 島 直 也
   議事課長     本 田 正 文    調査課長     中 川 和 徳
 
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