2024年09月13日 予算決算委員会
令和 6年第 3回予算決算委員会
予算決算委員会会議録
開催年月日 令和6年9月13日(金)
開催場所 予算決算委員会室
出席委員 45名
紫 垣 正 仁 委員長 村 上 博 副委員長
寺 本 義 勝 委員 大 嶌 澄 雄 委員
村 上 麿 委員 瀬 尾 誠 一 委員
山 中 惣一郎 委員 井 坂 隆 寛 委員
木 庭 功 二 委員 村 上 誠 也 委員
古 川 智 子 委員 荒 川 慎太郎 委員
松 本 幸 隆 委員 中 川 栄一郎 委員
松 川 善 範 委員 筑 紫 るみ子 委員
井 芹 栄 次 委員 島 津 哲 也 委員
吉 田 健 一 委員 齊 藤 博 委員
田 島 幸 治 委員 日 隈 忍 委員
山 本 浩 之 委員 北 川 哉 委員
平 江 透 委員 吉 村 健 治 委員
山 内 勝 志 委員 伊 藤 和 仁 委員
高 瀬 千鶴子 委員 小佐井 賀瑞宜 委員
田 中 敦 朗 委員 高 本 一 臣 委員
西 岡 誠 也 委員 田 上 辰 也 委員
三 森 至 加 委員 浜 田 大 介 委員
井 本 正 広 委員 大 石 浩 文 委員
田 中 誠 一 委員 坂 田 誠 二 委員
落 水 清 弘 委員 澤 田 昌 作 委員
藤 山 英 美 委員 上 野 美恵子 委員
上 田 芳 裕 委員
欠席委員 2名
菊 地 渚 沙 委員 満 永 寿 博 委員
議題・協議事項
(1)議案の審査(9件)
議第 190号「令和6年度熊本市一般会計補正予算」
議第 191号「同 病院事業会計補正予算」
議第 192号「同 交通事業会計補正予算」
議第 230号「令和5年度熊本市各会計(公営企業会計を除く。)決算について」
議第 231号「同 病院事業会計決算の認定について」
議第 232号「同 水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
議第 233号「同 下水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
議第 234号「同 工業用水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
議第 235号「同 交通事業会計利益の処分及び決算の認定について」
午前10時00分 開会
○紫垣正仁 委員長 ただいまから予算決算委員会を開会いたします。
今回、当委員会に付託を受け審査いたします議案は、補正予算3件、決算6件の計9件であります。
また、審査日程につきましては、日程表のとおりとなっておりますので、御承知おき願います。
これより総括質疑を行います。
通告状況につきましては、一覧表のとおりとなっております。
なお、質疑に当たっては、項目ごとに答弁者を指名いただきますようお願い申し上げます。
それでは、予算決算委員会運営細目の発言順に従い、順次質疑を行います。
これより自由民主党熊本市議団の質疑を行います。持ち時間は70分となっております。
まず、齊藤博委員の質疑を行います。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 自由民主党熊本市議団の齊藤博でございます。
今日は自民党からは、私を含め4名の質疑を予定いたしております。どうかよろしくお願いをいたします。
まず、令和5年度決算状況報告書より実質収支の考え方についてお尋ねをいたします。
令和5年度の実質収支の黒字額は64億円、令和4年度は70億円、令和3年度は61億円となっております。ここ数年来、60億円から70億円のレンジで計上されていることとなります。本来、実質収支の黒字額は翌年度の歳入として繰り越され、事業の実施や財政調整基金の積立て等に充てられるものであります。なぜ毎年のように60億円を超える実質収支が計上されることになるのでしょうか。この実質収支の持つ意味を執行部はどのように捉えておられるのでしょうか。また、実質収支黒字分は次年度にどうなるのか、財務上の位置づけを明確にし、お答えいただきたいと思います。
財政局長、お願いいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 実質収支の考え方についてお答えいたします。
実質収支は、歳入決算総額から歳出決算総額を差し引いた額から、翌年へ繰り越すべき財源を差し引いた額でありまして、近年、新型コロナ関連経費等において事業進捗等による不用額が発生しているほか、個人市民税などの市税収入をはじめとする歳入が増加していることなどから、60億円程度の実質収支を計上したところでございます。
実質収支が黒字であることは、健全化判断比率である実質赤字比率がないことを意味し、本市財政の状況は健全な水準にあることを示すものと考えております。
また、実質収支の黒字分につきましては、地方財政法の規定に基づき、剰余金の2分の1を下らない金額を剰余金の生じた翌々年度に積み立てているほか、補正予算の財源として活用しており、本市の安定した財政運営に寄与するものと考えております。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 実質収支の黒字分は、地方財政法の規定に基づき、その2分の1を下らない金額を財政調整基金に積み上げているということでありました。しかし、一方で、財政調整基金の積み増しを行いながらも、その同じ年度で財政調整基金の取崩しも行われております。積み増しをしながら取り崩す、素朴な疑問すら生まれる会計処理であり、課題もあるのではとあえて指摘申し上げておきます。
次に、その財政調整基金についてお尋ねをいたします。
財政調整基金は、主に実質収支からの積み上げとなります。令和4年度は43億円、令和5年度は50億円となり、熊本地震が発災した平成28年度以来、久しぶりに50億円を回復いたしております。令和5年度財政調整基金は、前年度と比べ7億円増加しました。その原資は、令和4年度と令和5年度の実質収支の差額分と考えられます。
改めて、お尋ねをいたします。
なぜ財政調整基金を前年比プラス7億円という規模で積み増しをしたのでしょうか、その根拠をお示しください。
財政局長、お願いいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 財政調整基金の積み増しにつきましては、熊本地震の災害復旧対応として取り崩した金額が約50億円であること等を考慮し、同規模の災害が発生した場合にも備えまして、対応できるように基金残高50億円を目途として、令和5年度は7億円の積立てを行ったところでございます。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 熊本地震の際、財政調整基金を取り崩した実績が50億円だったことから、当面の目途値として50億円へ積み増しを図ったとのこと。そこは理解をいたしました。
それでは、改めて質疑を変えます。
財政調整基金は、例えば経済事情の著しい変動等により財源が不足する場合や、災害により生じた経費の財源として期待されているものであります。大変重要な基金であり、実際に熊本地震においても、市の財政を支えました。今後、財政調整基金はどこまで積み増しすべきなのか、その規模の妥当性を図ることは重要と考えます。
例えば基準財政需要額の7%程度、あるいは標準財政規模の5%程度とするなど、一定の基金規模の根拠を明らかにすべき時期に来ていると考えます。財政調整基金を幾らまで積み増したいと考えておられるのか、その所見を大西市長にお尋ねをいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 財政調整基金の適正な規模について定められたものはございませんが、災害の発生や経済情勢の変動に対する備えとして、一定額を確保する必要があると考えております。
今後とも収支の状況を見極めながら、財政調整基金の積立てやその適正な規模について早い時期にお示しできるように引き続き検討してまいります。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 財政調整基金の規模については、過去にも同じような質問が行われております。が、明確な回答は今まで得られておりませんでした。今回はという思いであえてお尋ねをいたしましたが、今回も明確な回答がなかったことは極めて残念であります。
一方で、市財政の将来を見据え、財政調整基金の規模について言及することを早い時期に前向きに考えるとの答弁でありましたので、できるだけ速やかに明確にしていただきますように御期待を申し上げたいと思います。
次に、財政調整基金の処分、すなわち取崩しについてお尋ねをいたします。
熊本市財政調整基金条例によりますと、財政調整基金の処分は、経済事情の著しい変動や災害、急を要する大規模な建設事業、長期の財産の取得等で認められております。
端的にお尋ねをいたします。
例えば熊本市庁舎整備に関し、市庁舎の建て替えの財源として財政調整基金は対象となるのでしょうか。
財政局長、お願いいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 財政調整基金の処分についてお答えいたします。
議員御案内のとおり、財政調整基金は、地方財政法に規定された経済事情の著しい変動や災害により生じた経費の財源、緊急に必要となった建設事業の経費、その他やむを得ない理由により生じた経費の財源に充てる場合などに限り処分することができるとされております。
お尋ねの本庁舎等整備の財源につきましては、熊本市新庁舎整備に関する基本構想でもお示ししていますとおり、国の補助金や合併推進債などの有利な財源を活用することを想定しておりまして、財政調整基金の取崩しは想定しておりません。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 市庁舎の整備という特定目的のための財源として財政調整基金がその対象となるかどうか、明確な答弁は得られませんでした。
そもそも国の補助金や合併推進債などの有利な財源を活用することで、財政調整基金の取崩しは想定にないとのことであります。市庁舎の整備事業は、熊本市にとっていまだ経験したことのないような規模の一大事業であります。基金の必要性を大いに感じることから、次の質疑にまいります。
庁舎整備には、実施設計まで3年程度、竣工までさらに3年程度の時間を有するとされております。庁舎整備は6年にも及ぶ大きな設備投資であり、その計画に備えた基金の積み上げは必要と考えます。処分が可能であれば、財政調整基金への積み増しでもよいでしょうし、新たな基金の創設を検討するという選択肢もあります。
いずれにしても、庁舎整備に向け基金を活用した財源確保の観点は、極めて重要であります。その基金の財源として、令和5年度の実質収支黒字額64億円を考慮してもよいのではとも考えます。
大西市長、所見をお願いいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 先ほど財政局長が答弁を申し上げましたとおり、本庁舎整備の財源については、国の補助金や合併推進債などの有利な財源を活用することを想定しております。
本市においては、庁舎を含みます公共施設の計画的な長寿命化及び更新を推進するために、公共施設長寿命化等基金を設置しておりまして、本庁舎等の整備についても、公共施設長寿命化等基金を活用することが可能であると考えております。
各施設の個別長寿命化計画に基づきまして、施設の長寿命化を計画的に推進するため、収支状況を踏まえ、令和5年度において20億円の積立てを行ったところです。
議員御指摘のとおり、財源の確保は重要であると考えておりまして、引き続き基金への積立てを検討してまいります。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 市長の答弁からは、新たな基金の創設についての言及はありませんでした。
一方で、公共施設長寿命化等基金を市庁舎整備事業に充当することは、可能との見解でございました。しかし、この長寿命化等基金は、一般的な市営住宅や小中学校をはじめ、熊本市が所管する施設の修繕や建て替え等に充当されるべき基金であり、圧倒的な規模を誇る市庁舎の整備事業の財源として考えるには、私はやや無理があると考えます。
また、令和5年度は、公共施設長寿命化等基金に20億円の新たな積立てを行ったとのことでありますが、市庁舎整備の財源を含む前提で行われたわけではなく、特筆すべきものではないと考えます。
私は、事業規模や特異性を鑑み、市庁舎整備のための新たな基金を創設すべきと考えます。ぜひ御検討をお願いしたいと思います。
次にまいります。
決算の健全性を示す最重要指標である健全化判断比率についてお尋ねをいたします。
財務の健全性は、その資産や負債のボリュームで図られるものではありません。
例えば令和5年度市債残高2,912億円、臨時財政対策債は2,049億円、合計で4,961億円の地方債残高となっております。この数字そのものが直接財政の健全性を損なう根拠となるのかというと、もちろんそうではありません。財務の健全性を図るには、あくまでも事業規模や資産とのバランスを図る必要がございます。
地方債残高の4,961億円の規模を客観的に判断し、ほかの行政とも比較検討が可能で、統一した見解で財務の健全性を図ることができる指標、これが重要となるわけであります。それがいわゆる健全化判断比率ということになります。
例えば庁舎整備のような長期で大型の事業を財務の観点から検証するにも、市民の皆さん方に説明責任を果たすためにも、この健全化判断比率は極めて重要な指標であります。がゆえに、この数字がぶれてもらっては困ります。
今年3月、熊本市財政の中期見通しが発表されました。それによりますと、令和5年度決算見込みとして、すなわち今年3月の見込みとして、実質公債費比率は5.5%、将来負担比率は102.1%、経常収支比率は93.9%となっておりました。
一方で、今般の決算を確認いたしましたら、実に経常収支比率で0.9%の乖離、将来負担比率に至っては、9.2%もの乖離となっております。いずれも指標は改善しておりますが、この短期間でこんなに数値が大きく変動すると、財務の健全性そのものに対する信頼が揺らいでしまいます。健全化判断比率が、このような短期間で試算と決算が乖離してしまった理由を御説明いただきたいと思います。
財政局長、お願いいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 健全化判断比率の試算と決算が乖離した理由についてお答えいたします。
直近の中期見通しにおきます歳入・歳出の見込みにつきましては、当該年度の最終予算をベースとしておりまして、歳入につきましては、収入が確実に見込めるものを計上しておりますことから、決算で上振れすることが多く、歳出につきましては、事業の進捗による不用額の発生等により、決算で下振れすることが多いため、基本的には中期見通しより決算の方が収支全体として改善する傾向にございます。
特に将来負担比率につきましては、2月補正予算編成時点では見込むことが難しい事業繰越や、後年度に交付税措置のある地方債を優先的に借り入れたことなどにより、市債残高の減少等の影響が大きいため、例年中期見通しよりも決算で大きく改善しているところでございます。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 一般的な常識として財務を検討する場合のリスクとは、想定した数値から外れることをいいます。それは、今後の将来展望や計画そのものに大きく関わってくるからであります。要は、予想どおりが一番ということになります。
過去5年間の例年3月に発表される中期見通しと決算の将来負担比率を確認いたしましたら、毎年大きな乖離が出ております。令和3年度に至っては、21%もの乖離があった状況でありました。
答弁においては、3月の財政の中期見通しの公表時点では、指標を予想することが難しいとのことでありました。であるならば、その公表時期の見直しを求めたいと思います。今後指標が持つ重みを鑑み、計画や見通しを作成いただく際においては、直近の正確な数字を公表いただきたいと思います。ぜひ善処いただきますようにお願いをしておきます。
最後に、令和5年度決算関係資料より不用額について1点お尋ねをいたします。
LPガス価格高騰対策緊急支援事業について。
12億6,000万円の予算に対し、不用額を3億4,000万円といたしております。予算に対して27%程度が未消化となりました。これはLPガスを利用している契約者を対象に、1契約6,000円の支援金が給付された事業でありました。事業の趣旨を踏まえ、LPガス利用者の全ての皆さんに御利用いただきたかったのですが、結果としてかないませんでした。どのような方々が申請をされなかったのか、また、申請をしなかった理由などどこまで把握されていらっしゃるのでしょうか、その分析について経済観光局長、お願いいたします。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕
◎村上和美 経済観光局長 本事業につきましては、LPガス各契約世帯の皆様に申請書を直接配布いたしますとともに、新聞広告やSNS、市政だより、ラジオでの情報発信に加え、学生の方々などにも情報が行き届きますよう大学、専門学校や不動産管理会社を通じた広報を行うなど、可能な限りの周知に努めたところでございますが、申請率につきましては、約7割にとどまったものでございます。
申請に至らなった理由といたしましては、補助事業の実施者でございます一般社団法人熊本県LPガス協会によりますと、多くの高齢者の方々から手続に手間がかかるとの御意見が寄せられますとともに、締切り後に問合せや申請もいただいたとのことでございまして、手続の煩雑さや結果といたしまして、十分な制度周知につながらなかったことなどが要因であると認識しております。
今回の結果を踏まえまして、今後は手続の簡素化を図りますとともに、本事業と同様に多くの市民の皆様への周知が必要となります事業を実施いたします場合には、関係団体等と緊密に連携を図りながら広く情報が行き届きますよう努めてまいります。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 補助事業の実施者であります一般社団法人熊本県LPガス協会におかれましては、大変御苦労いただいたと認識いたしておりますし、敬意を表したいと存じます。
一方で、LPガス利用者の27%程度の方々に、支援金をお届けすることができませんでした。今後同じような事業実施の場合は、ぜひ対象者となる皆さん方に支援金を受け取っていただけるような体制の工夫や告知の在り方等、行政も当事者意識を持って御対応いただければと存じます。
私からの質疑は以上でございます。御清聴ありがとうございました。
それでは、自民党の荒川議員にお譲りいたします。(拍手)
○紫垣正仁 委員長 齊藤博委員の質疑は終わりました。
次に、荒川慎太郎委員の質疑を行います。
〔荒川慎太郎委員 登壇〕
◆荒川慎太郎 委員 自民党熊本市議団、総括質疑2番目を務めます荒川慎太郎でございます。よろしくお願いいたします。
まず、決算状況報告書の検証指標設定に関する問題点についてお尋ねいたします。
決算状況報告書34ページ及び175ページには、効果的なプロモーション活動の展開という取組があり、その検証指標の項目において、熊本市観光ウェブサイトの特集記事数が設定されております。
一昨年、第3回定例会の総括質疑において、私からは手段ではなく成果を検証指標とするのであれば、ウェブサイトの特集記事数ではなく、そのサイトへのアクセス数を指標とするべきではないかというお尋ねをいたしました。当時の経済観光局長からは、より市民に分かりやすい指標の設定が重要であり、次期総合計画の策定に合わせて検証指標の見直しを検討すると答弁をいただきました。
本年、第8次総合計画が策定されており、それに伴い決算状況報告書の検証指標も当然見直されていることとは思いますが、その点について現状の御説明をお聞かせください。
政策局長、お願いいたします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 検証指標設定の考え方についてお答えいたします。
検証指標は、施策や事業の各段階において、その目標や目的の達成度を測るためにふさわしく、かつ測定可能な指標を設定する必要があると考えております。
そこで、今年度よりスタートした第8次総合計画の策定に際しましては、このような考え方の下、全ての指標について精査・見直しを行い、基本計画やアクションプランにおいて設定をしたところでございまして、来年度作成をする令和6年度決算状況報告書にも反映させる予定でございます。
また、検証指標は社会経済情勢等の変化等に柔軟に対応するため、毎年度のアクションプラン策定の中で必要に応じて見直しを行っていることとしております。
〔荒川慎太郎委員 登壇〕
◆荒川慎太郎 委員 来年度の決算状況報告書にも、精査・見直しをした指標を反映させる。そしてさらには、毎年度のアクションプラン策定の中でも見直しを行うとの答弁でした。
一昨年の総括質疑の答弁では、次期総合計画に合わせて指標の見直しを検討するというところまでにとどまっており、それに対してよりよい行政運営を行うための報告書を作成するのであれば、総合計画の中途年度であっても、改定や追加を行うといった柔軟な対応姿勢も必要ではないかという点も合わせて検討いただくようにお願いをしたところでした。まさに、その点までも包括した非常に前向きな御回答をいただきましたこと、大変うれしく思います。
とはいえ、私が今回見た中で、約30項目ほど疑問が残るような検証指標がございました。ぜひそこが改善されていることに期待をしたいと思います。
続きまして、委託状況調書について全般的なお尋ねをいたします。
調書の中の随意契約1号で契約されている案件において、99万円、もしくは99万何千円という金額のものが散見されます。中には、99万9,999円という金額もありました。確かに、地方自治法第234条第2項の規定により定められた条文に合致はしていますし、正当に金額を積み上げた結果の数字であろうと思われます。
しかしながら、この上限ぎりぎりの金額というものは、二方向からの疑念を抱かれかねない点がございます。
1点は、受託業者が上限まで価格を吊り上げているのではないかというもの。そしてもう一点は、発注者側が随意契約にするために、値引きや価格調整といった不当廉売、いわゆるダンピングになりかねない圧力をかけているのではないかというものです。
この点について、本市としてはどのように捉えているのか、問題視しているのか、また、問題視しているのであれば、どのような対応を考えているのか、お聞かせください。
総務局長、お願いいたします。
〔津田善幸総務局長 登壇〕
◎津田善幸 総務局長 委託状況調書に記載の、いわゆる1号随意契約を行った案件のうち、契約金額が随意契約の限度額に極めて近接しているものにつきましては、いずれも業務内容に応じて予定価格を設定し、複数の事業者から見積書を徴取したことを確認しており、事務手続は適正なものであったと考えております。
今後も引き続き委員が懸念されている価格競争の阻害や不当廉売の強要が生じないよう、契約事務研修等を通じて適正な契約事務の執行を徹底してまいります。
〔荒川慎太郎委員 登壇〕
◆荒川慎太郎 委員 当然と言えば当然の御答弁でございます。事務手続が適正に行われていないはずがございません。
今回の委託状況調書で限度額に近い項目を拾い上げてみたところ、学校報や観光に関するプロモーション業務、動画や印刷物等の制作物、そして今回特に多かったのが県知事選及び統一地方選の開票所や期日前投票所の設置業務でした。これらの項目で共通するのは、比較的軽微な業務かつ準備期間の短いケースが多いものだと推察されます。
業務を期限までに遂行することは最低限の責務であり、必要条件ではありますが、質問の中でも申し上げたとおり、不必要な疑問や懸念を抱かれることのないよう、注意喚起の意味を込めて質問をさせていただきました。
続きまして、決算状況報告書に戻りますが、32ページの防災情報伝達体制整備事業について、事業の詳細と決算額の内訳をお示しください。
政策局長、お願いいたします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 委員お尋ねの防災情報伝達体制整備事業の詳細と決算額9,513万円の主な内訳でございますが、緊急告知ラジオの放送設備等の保守点検業務が約1,530万円、ラジオの難聴解消に向けた設計業務が約1,100万円、また、防災行政無線の保守点検業務が約2,570万円、無線拡充等に係る設計業務が約2,170万円でございます。
そのほかIP無線等の購入費として約1,060万円、電気料、回線使用料などで約760万円となっております。
〔荒川慎太郎委員 登壇〕
◆荒川慎太郎 委員 防災無線と緊急告知ラジオという災害情報を伝達する非常に大切なツールの整備に多くの費用がかかっているということでしたが、この緊急告知ラジオに関してもう一点お尋ねいたします。
市立幼稚園、小中学校に設置されている緊急告知ラジオの点検を、熊本シティエフエムが委託業務として請け負っているとのことで話を伺いました。月に2校点検に出向き、機器の点検及び電波受信状況の確認などを行っていますが、機器の劣化や電波受信状況などに問題があり、緊急告知ラジオ本体の更新が必要な施設が散見されるとのことでした。
本年度、電波不感地区解消のためのアンテナ調整作業を実施されておりますが、難聴地域が解消されたのかどうかについては検証中と伺っております。
昨今、Jアラートや緊急速報メールなどで災害の第一報はスマートフォンなどで受信されますが、継続的に情報を得ることができる緊急告知ラジオの役割は教育現場において大変重要であり、早急な点検と機器更新が必要不可欠であると言えます。
そこで、お尋ねいたします。
全市的に緊急告知ラジオの状況を確認し、必要とされる箇所については速やかに新型機種への更新が必要と考えますが、いかがでしょうか。
また、学校現場におきましても、緊急告知ラジオの重要性を再認識していただくとともに、設置環境の整備に配慮していただくことが重要となりますが、この点についての考えをお聞かせください。
1点目を政策局長に、2点目を教育長にお尋ねいたします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 市内小中学校等の緊急告知ラジオにつきましては、緊急地震速報や弾道ミサイル情報等の緊急情報をいち早く伝えることや避難所情報の入手手段の一つとして、平成24年に配備したものでございます。その点検につきましては、毎月1回定期的に実施をしております試験電波の発信に合わせ、設置場所の受信感度の測定、機器本体の目視点検や動作確認などを行い、必要な部品の交換や軽微な補修の実施をしております。
緊急告知ラジオは配備から10年以上が経過し、今後機器本体の故障や劣化に伴う電波受信の不具合も考えられますが、緊急情報の受信手段が多様化する中、委員お尋ねの新型機種への更新につきましては、学校現場をはじめ関係部局と連携し、現状を把握した上で適切に対応してまいります。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 私からは、教育委員会の認識と対応についてお答えいたします。
ただいま政策局長が答弁しましたとおり、緊急告知ラジオは大雨や地震などの非常時に緊急情報を迅速かつ確実に把握するための情報収集手段の一つであり、とりわけ児童生徒の学習・生活の場であるとともに、災害時には避難所としての機能も有する、学校においては重要であると認識をしております。
今後は防災部門とも連携し、良好に電波を受信できる環境への設置や、毎月1回行われる試験電波発信時における確認など、設置の際の注意事項を改めて学校に周知してまいります。
〔荒川慎太郎委員 登壇〕
◆荒川慎太郎 委員 御答弁いただきました政策局長、教育長、共に「互いの部局と連携し」という言葉を使われました。この「連携し」という点も非常に大切な点でありますし、いつ何が起こるか分からないということを考えますと、この防災に関する事業というものは、とても早急に進める必要がございます。
一昨日、本市と崇城大学、そしてBosai Tech株式会社における災害時の車中泊避難等の課題解決に向けた研究に関する連携協定の締結式が行われました。
このように、全国の先駆けとなるような取組が、熊本地震を経験した本市で速やかに進められることに誇らしい気持ちを抱くとともに、既存の防災関連事業の検証や補完についても確実に実施していただくことをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
続いては、日隈忍委員に引き継がせていただきます。
御答弁いただきました執行部の皆様ありがとうございました。(拍手)
○紫垣正仁 委員長 荒川慎太郎委員の質疑は終わりました。
次に、日隈忍委員の質疑を行います。
〔日隈忍委員 登壇〕
◆日隈忍 委員 自由民主党熊本市議団の日隈忍でございます。
3番手を務めます。よろしくどうぞお願いいたします。
今回は、医療、あるいは保健部門を中心に3点お尋ねをいたします。
まず、がん検診経費についてお尋ねいたします。
がん検診経費では、肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、子宮がんの5つのがん検診と胃がんリスク検査に関する経費が中心になっていると思います。
がんで亡くなる、あるいは苦しむ市民を一人でも減らすためには、がん検診の受診率を向上させ、早期発見、早期治療に結びつけることが重要となってまいります。
今年度からスタートした第3次健康くまもと21基本計画においても、受診率向上は重点取組として位置づけをされております。これまでの長きにわたる受診率向上の取組の成果も徐々に現われ、75歳未満のがん年齢調整死亡率は徐々に低下傾向を示しておりますが、まだまだ決して十分な成果ではありません。今後も継続的な受診率向上の対策は求められております。
そこで、3点お伺いいたします。
まず第1点は、検証指標についてのお尋ねです。
5つのがん検診の基準値、実績値、検証値が全て受診率、すなわちパーセントを表示しております。決算額と実績の費用対効果を分かりやすくするために、基準値、実績値、検証値を受診率のパーセント表示だけでなく、受診者数などを加えるべきと考えていますがいかがでしょうか、答弁をお願いいたします。
2点目、受診率を向上させる対策として、対象者に個別受診勧奨として合計7回、28万4,585通を発送しています。がん検診の個別受診勧奨が有効な手段であることは理解していますが、具体的な個別受診勧奨の内訳とその効果が分かればお示しください。
3点目、令和5年2月より肺がん検診の個別検診が通年実施され、受診率向上が期待されました。結果的には、残念ながら1.4ポイントの上昇にとどまったようです。肺がん検診の個別検診が大きな受診率向上につながらなかった原因と今後の対策を示してください。
以上、3点を健康福祉局長に答弁をお願いいたします。
〔林将孝健康福祉局長 登壇〕
◎林将孝 健康福祉局長 がん検診経費に関する3点のお尋ねに順次お答えいたします。
まず1点目の決算状況報告書の検証指標につきましては、対象者数の増減にかかわらず、適切に現状を測る指標として受診率を設定しておるところでございますが、委員御指摘のとおり、効果が見えにくいということから、受診者数など検証指標に追加することについて今後検討してまいります。
次に、2点目の受診率を向上させる対策でございますが、令和5年度に行った個別受診勧奨の内訳といたしましては、乳がん及び子宮頸がん検診のハイリスク層に対する勧奨、再勧奨として計18万9,581通、退職者世代の方に対し3万5,593通、胃がんリスク検査の対象者に対し2万9,724通、節目年齢の方に対し2万9,687通送付しております。
その効果といたしましては、例えば重点的に個別受診勧奨によって受診率向上に取り組んでいる乳がん検診では、前年度より約1,200人増加し、受診率が0.4ポイント上昇、子宮頸がん検診では約1,700人増加し、受診率が0.1ポイント上昇していることからも、一定の効果があるものと考えております。
最後に、3点目の肺がん検診の受診率に関するお尋ねにつきましては、肺がんの個別検診の受診者数は前年度より約1万1,000人増加し、また、その多くが新規の受診者でありますことから、受診環境の向上のために開始した肺がんの個別検診は効果があったものと考えております。
一方、従来から実施している集団検診は利便性に課題があるため、約5,000人の減少となったことで、全体では約6,000人増加し、受診率は1.4ポイントの上昇となっております。
そこで、集団検診につきましては、今年度新たに市民の皆様が多く集まる場所であるショッピングモールで実施するなど、より受診しやすい環境の整備に取り組んでいるところであり、個別検診を含め、市政だよりやホームページ、SNS等様々なメディアを活用した啓発に努め、さらなる受診率の向上を目指してまいります。
〔日隈忍委員 登壇〕
◆日隈忍 委員 答弁ありがとうございました。
1点目の決算状況報告書の検証指標については、予算が目的を達成するために効果的に使われたかを検証するために、分かりやすい指標が必要だと思いますので、よろしく御検討をお願いしたいと思います。
2点目の受診勧奨については、がんのハイリスク者を中心に戦略的に受診勧奨がされているということが分かりました。個別の勧奨方法として郵便が効果的であることは証明されているために厚労省も進めておりますが、令和5年度、約28万通を発送し、郵便料金が2,400万円の経費を要しております。
受診勧奨の効果として受診者数が増加したとの答弁でしたが、今後は費用対効果を明確にするために、郵便による受診勧奨ががんの早期発見につながるデータなどを示すことが必要ではないでしょうか。ぜひ検診機関、あるいは医療機関と連携した検討をお願いしたいと思います。
3点目の肺がん検診受診率向上については、昨年より個別健診が開始され、結果、個別健診は増加しましたが、集団健診が減少し、全体として6,000人増加したとの答弁でした。今後も受診方法としては、個別と集団との二本立てになると思いますが、それぞれ受診者の皆さんにとってはメリットとデメリットがありますので、地域あるいは市民の皆さんの要望に耳を傾けながら受診率向上に取り組んでいただきたいと思います。
次に、青少年教育費の不用額についてお尋ねいたします。
これまで児童育成クラブ支援員については、人員不足の声を度々耳にしておりました。支援員はこどもたちの共同性や主体性を育む支援を行いながら、学校、保護者、地域との連携を担う重要な業務であり、さらにフルタイムで働く共働き世帯が増加したことにより、児童育成クラブは保育園などと同様に、社会にとって欠かすことのできない重要なインフラとなっております。
子育て世帯にとって重要なインフラである児童育成クラブを担う支援員の報酬が不用額として5,600万円が計上されております。この不用額について2点お伺いしたいと思います。
1点目、不用額が発生した理由と人員不足による児童育成クラブ運営に支障がなかったかを教えてください。
2点目、今後は高学年の受入れなどにより児童育成クラブの利用者が一層増加することが予想されますが、安定したサービスを提供するための支援員確保に向けた対策を示してください。
以上2点、教育長に答弁をお願いいたします。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 児童育成クラブの支援員についてお答えします。
本市の公営児童育成クラブは、週当たり28時間45分、または25時間勤務する月給制の支援員と週当たり19時間以下で勤務する時給制の支援員を雇用し、運営しているところです。
昨年度は月給支援員の雇用者数が予定を下回ったため、不用額が発生いたしましたが、児童育成クラブの運営については、時給支援員を予定より多く配置することにより、支援員の配置基準を満たすことができ、運営に支障はなかったところです。
また、支援員確保に向けた対策についてですが、委員御指摘のとおり、利用児童数は近年急激な増加傾向にあり、高学年受入れなどサービスの拡充を目指す上で、人員確保について課題があるということは承知しております。
人員確保については、処遇改善に取り組むとともに、ウェブ広告の利用、各大学や校区自治協議会、退職した市職員などへ募集を行っております。
今年度は昨年度より80人以上多い支援員を雇用し、利用者の増加や高学年受入れ等に対応しております。今後も安定したクラブの運営を行うため、さらなる支援員の確保に努めてまいります。
〔日隈忍委員 登壇〕
◆日隈忍 委員 答弁ありがとうございました。
不用額は発生したが、時給支援員を多く配置することにより運営に必要な支援員を確保し、運営には支障はなかったとの答弁を聞き安心いたしました。
また、人員確保については、処遇改善に取り組むとの答弁がありました。支援員の皆さんが満足して安心して働ける環境になり、確実に人員確保ができる対応をお願いしたいと思います。
また、社会全体が人手不足であることから、月給支援員の雇用が難しいようであれば、当初から時給支援員を中心とした予算運営計画を検討するのも一つの方法ではないかと思っております。検討をよろしくどうぞお願いいたします。
最後に、熊本市病院事業決算についてお伺いいたします。
全国の公立病院は、地域住民の命と健康を守るためにこれまで大変重要な役割を果たしてきました。しかし、コロナ感染症の5類移行、医師・看護師不足、人口減少や少子高齢化の急速な進展に伴う医療需要の変化、高度化といった経営環境の変化を背景に厳しい運営が続いております。
そのため、総務省から持続可能な医療体制、地域医療体制を確保するために、経営強化に主眼を置いた公立病院経営強化プランの策定を求められ、令和5年に市民病院、植木病院の両病院は、令和5年~令和9年度までの5年間を対象期間とした経営強化プランを策定しております。現在はこの計画に基づき、経営強化に向けた様々な取組をされているところではないかと思います。
そこで、3点お伺いしたいと思います。
まず第1点、市民病院、芳野診療所、植木病院を合わせた収益的収支は、令和4年度約21億5,000万円の純利益から、令和5年度は約6,100万円の純損失となっております。その理由を示してください。
2点目、経営指標に関する事項の病床利用率について、令和5年度市民病院の一般病床利用率92.5%、植木病院の一般病床利用率61.2%、市民病院は令和4年度をやや上回っていますが、植木病院は20%以上低下をしております。植木病院の病床利用率低下の理由を示し、今後の病床利用率向上の対策を教えてください。
3点目、未収金について、昨年3月に2014年までの未収金約1億5,000万円の債権放棄をしています。令和5年度の病院事業貸借対照表にも未収金が掲載されていますが、2015年以降の未収金の額と未収金の対応を示してください。
以上3点、病院事業管理者に答弁をお願いいたします。
〔水田博志病院事業管理者 登壇〕
◎水田博志 病院事業管理者 熊本市病院事業決算についての3点の御質問に順次お答えいたします。
まず1点目の収益的収支が約21億6,000万円の純利益から約6,000万円の純損失になった理由につきましては、新型コロナウイルス感染症の5類移行により、関連補助金が市民病院で約12億4,000万円、植木病院で約6億6,000万円、合計で約19億円減少したこと及び旧市民病院の解体費用を約3億7,000万円計上したことによるものでございます。
2点目の植木病院の病床利用率の低下につきましては、一般病床の利用率は新型コロナウイルス感染症受入れ病床を除いて算出しており、令和4年度は52床、令和5年度は9月末までが62床、10月1日以降は102床として算出したことが大きく影響しております。
植木病院は慢性疾患の患者が主体であるため、病床を元に戻した後も入院患者数の回復は鈍く、現在、地域の医療機関や医師会を訪問して連携を強化し、紹介患者の増加に努めているところでございます。
3点目の令和6年8月末時点での市民病院の未収金につきましては、947万518円となっております。新病院開院後は、未収金の発生予防フローと回収フローに基づいて福祉制度の紹介、退院前の領収書確認、訪問徴収、系統的な文書による督促、弁護士事務所への回収委託、裁判所への法的措置などを行っており、直近4年間の医業収益に対する平均未収率は約0.01%と他院に比較しても低い値となっております。
〔日隈忍委員 登壇〕
◆日隈忍 委員 答弁ありがとうございました。
1点目の損失の理由として、新型コロナ感染症受入れ関連補助金約19億円の減少と旧病院の解体費用約3億7,000万円が計上されたというのが理由ということでした。コロナウイルス関連補助金は令和2年4月より交付されたと思いますが、病院事業決算では令和2年度約18億円、令和3年度約26億円、令和4年度約22億円の純利益を計上していますが、純利益の原資がコロナウイルス関連補助金であったということが分かりました。
2点目の病床利用率の大幅な低下の原因については、コロナウイルス感染症受入れの影響であることが分かりました。また、利用率向上の対策として医療機関との連携強化に取り組んでいるということでしたが、植木病院は医師をはじめ、限られた人数で慢性疾患の患者さんが中心のため、医療連携に目に見えた効果が出るまでには、相当苦労されるのではないかと少し心配をしております。病床利用率は、病院に対する地域住民の評価と考えております。しっかりと取り組んでいただければと思います。
3点目、8月末時点の未収金は、約940万円とのことでした。未収金の対応については、発生を防ぐための対策と発生した場合の対応と法的措置を含めて2段構えで、非常にこまやかに実施されていることが確認できました。今後も未収金の発生防止に努めていただきたいと思います。
先ほども述べましたが、市民病院、植木病院は令和5年度~令和9年度まで5年間の期間で経営強化プランを策定し、取り組んでおります。様々な取組が行われると同時に、令和9年度までの数値目標も多く設定されております。
その中で、収支改善に係る経常収支比率、収入確保に関わる病床利用率、経費削減に関わる職員給与対修正医業収益比率、経営の安定性に係る医師・看護師数などが上げられております。
目標達成には非常に厳しい面もあると思いますが、令和5年度一般会計が補助金として17億円を支出している公立病院の責任を果たすためにも、覚悟を持って経営強化プランの目標達成を確実なものにしていただきたいと思います。
以上で私の質疑は終わります。答弁ありがとうございました。
我が会派の最後の締めは、田中敦朗委員でございます。よろしくどうぞお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)
○紫垣正仁 委員長 日隈忍委員の質疑は終わりました。
次に、田中敦朗委員の質疑を行います。
〔田中敦朗委員 登壇 拍手〕
◆田中敦朗 委員 質疑に入ります前に、一般質問に引き続き、今日は何の日を御紹介したいと思います。
今日は、世界法の日ということです。
1965年、昭和40年9月13日~20日まで、アメリカ・ワシントンで開催された法による世界平和第2回世界会議で、9月13日を世界法の日とすることが宣言されたそうです。
国際間に「法の支配」を徹底させることで世界平和を確立しようというものだそうですが、来年で制定から60年になるというのに、世界は目も当てられないような状況になっております。残念です。日本と本市においては、法の支配が徹底されるように議員として頑張らなければと思う次第であります。
それでは、早速質疑に入らせていただきます。
経済の発展と熊本の魅力の創造・発信について。
決算状況報告書34ページ、政策名、経済の発展と熊本の魅力の創造・発信についてお伺いいたします。
ブランド総合研究所による毎年行われています「都道府県魅力度ランキング2023年」において、熊本県は何位であったでしょうか、皆さん御存じでしょうか。熊本県は2022年から1ランクダウンして18位となっております。17位から上を見て見ますと、そうそうたる顔ぶれがそろっておりまして、不動のトップ5、北海道、京都府、沖縄県、東京都、大阪府にはさすがにかなわないかなというふうに思いますが、6位から17位まで見て見ますと、もちろんすばらしい都市ばかりですが、十分伍していける魅力を熊本県は有していると思います。
そこで、お伺いいたしますが、魅力の発信のために行った各種プロモーションの成果とその波及効果を政策局長にお伺いいたします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 本市では、市民に愛され、世界に選ばれる持続的な発展を実現するまちをめざし、都市ブランド力の向上や交流人口拡大によるにぎわいの創出などに取り組む中で、様々なプロモーションを行っております。
これまでも熊本市親善大使の活用や航空会社とタイアップした広報、ふるさと納税に焦点を当てたプロモーションパンフレットの制作のほか、首都圏においては旬の農産物等の魅力を発信するポップアップショップの開催や熊本を応援する組織、TOKYO BASE 096のPR等に取り組んでまいりました。
その結果、令和5年度のふるさと納税受入れ額は約8億8,000万円となり、順調に伸びておりますほか、TOKYO BASE 096の会員数及びインスタグラムのフォロワー数も前年度より増加し、交流・関係人口の創出につながったと考えております。
今後も本市の様々な魅力を最大限に活用しながら、効果的なプロモーションを実施してまいります。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 冒頭申し上げましたとおり、2023年の都道府県魅力度ランキングで18位、県外で様々な方と交流する機会はありますが、「九州といえば」と問いかけて、最初に熊本が出てくることはそんなに多くはありません。これからも地道なプロモーションの実施をよろしくお願いしたいところですが、この決算額を見るに予算が全然足りていないのではないかなというふうに思っています。
ふるさと納税を除き倍くらいのプロモーションの予算を今後確保すべきですし、県や県内各市町村と連携して一大プロモーションを複数年かけて行うべきだと思っている次第です。
それぞれ行われました事業への所見でありますが、市民栄誉表彰、私も現場におりましたが、観戦者も多く、費用対効果が高かったと思います。熊本市出身の選手がいる球団の試合において、年に1回、日本全国のどこかで熊本市デーをやってもいいのではないかなというふうに思っております。
首都圏プロモーションについては、さらに活性化していくために、東京事務所の人員を増やすというふうな検討もしていければいいのかなというふうに思いました。
親善大使については、さらに増やしていってほしいなというふうに思っております。例えばSUPER GT、GT300で2023年に初のシリーズチャンピオンに輝いたレーシングドライバーの吉田広樹選手も熊本県熊本市出身でありますし、「四月は君の嘘」、「ミュージカルのだめカンタービレ」「この世界の片隅に」といった人気コミックのミュージカル化作品の演出を手がけた上田一豪氏も熊本県熊本市出身、こういったことを御存じでしょうか。
今大使を受けていただいている方々とは活躍している分野が異なりますので、親善大使就任についてぜひ検討され、どんどん大使を増やしていくといったことをしていただくことをお願いいたしまして、次の質疑に移ります。
防災意識の啓発についてお伺いいたします。
決算状況報告書30ページ、安全で心豊かに暮らせる地域づくりの推進に関してお伺いいたします。
熊本地震から8年がたち、記憶の風化を食い止めるために防災条例を制定され、様々な手法で防災意識の向上に努めてもらうことは、大変評価をしているところであります。しかし、その検証数値を見て見ると、検証値の達成ができていないのが残念な点です。
そこで、お伺いいたしますが、熊本市として検証値が達成できていない原因と今後の検証値の達成に向けての対応を政策局長にお伺いいたします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 防災意識の啓発につきまして、検証指標で用いております市民アンケートでは、学校や公園などを災害時の避難場所として指定していることや、最寄りの指定避難場所を知っている市民の割合は約8割から9割を推移しておりまして、20代から30代の世代や熊本地震以降に転入された方の認知度が低い傾向でございました。
また、地域版ハザードマップの作成率が未達成の原因については、令和2年度以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、マップ作成に必要なまち歩きやワークショップの開催などが制限されたことによるものと考えております。
今後、避難場所や最寄りの指定避難所については、市ホームページや市政だよりでの周知啓発に加え、SNSのさらなる活用など若い世代にも効果的な情報発信に努めてまいります。
また、地域版ハザードマップの作成におきましては、これまで以上に各区と緊密に連携し、計画的な作成促進に取り組んでまいります。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 アンケートを実施していただき、そこで判明したことは、若い世代と転入者の認知度に課題があるということでございました。効果的な情報発信とはいいますが、私はやはり若い世代には義務教育期間における記憶に根づく防災教育、これが大切だと思っておりますし、転入者におかれましては、お住いの住所の指定避難場所が一目で分かる資料を、転入をお届けされるときに必ずお渡しするといった取組をやっていかなくてはならないというふうに思っております。
となれば、当然政策局だけではなく、文化市民局や教育委員会との連携が必要になってくるわけでありまして、そこに政策局としてどのようなお願いをしていくのか、これがとてつもなく大事なことであるというふうに思っております。
特にやはり各局で何かをするときに、どうしても横断的にほかの局の協力が必要になってくることがありますが、そういった連携、うちではできないけれども、よそでこれをしてもらいたいといったようなことを積極的に取り組んでいくことが、市全体の活性化につながるというふうに思っておりますので、それに関しては、ぜひ取り組んでいただければなというふうに思っておりますし、今現在、くまもとアプリ活用いたしまして、今後本格的に運用していくと思いますけれども、こちらも住所を登録して、そしたらまず自分の避難所が分かるようなこと、そして地震の際に、災害の際にはそちらに「あなたの避難場所はどちらです」と、もしくは位置情報を公開されている方であれば、「今あなたがおられるところから一番近い避難所はどちらです」といったようなことが迅速に届くということができれば、こういった検証値は達成されていなくとも、100%の方が近くの避難所にすぐに避難できる、そういった安心・安全なまちづくりができるというふうに思っておりますので、そういったこともぜひやっていただければなというふうに思っております。
8年たてば、記憶は風化いたします。時が流れれば世代は変わってまいります。それによって当然50年、100年たっていけば、市民の間からは地震の認識が薄れていき、100年以上前にも地震があったにもかかわらず、8年前多くの熊本市民が、まさか熊本市で地震が起こるなんてというふうな驚きにつながっていったというふうに私は考えております。
「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」といいます。熊本市民が歴史をしっかりと受け継いで、常に備えて、災害の際に多くの命が失われることのない街であり続けることはできる。そんな取組を間断なく行っていただくことをお願いいたしまして、次に移りたいと思います。
小中学校のトイレの洋式化についてお伺いいたします。
教育委員会において、令和3年度~令和12年度までの10年間で、トイレの洋式化を進める整備計画を策定されました。計画から丸3年たちます令和5年度決算における整備計画の進捗状況を教育長にお伺いいたします。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 小中学校のトイレの洋式化については、計画策定時における令和5年度末の洋式化率の目標は45%でありましたが、実績としては約54%ということで、目標を9ポイント上回っております。今後も教育環境の改善や災害時の避難所機能の向上を図るために、速やかに整備を行ってまいります。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 目標を上回る実績を達成しているということ、大変安心をいたしました。
学校のトイレの洋式化は早急な整備を求める保護者も大変多く、こどもたちのためにもなりますので、10年間の計画だからと予算づけをしぶることなく、計画を前倒しして達成できるような予算づけを財政局にはお願いをしておきます。
はい、うなずいていただきましたので、安心をいたしました。
特に今、小学校を優先してトイレを整備していっているということで、例えばグラウンドでありますとか、そういったほかの優先度が低いところはまだ洋式化が進んでおりませんで、地域の方々が活動するときに学校の校舎はできたけれども、それ以外のところはできていないけれども、ここはちゃんと整備されるんだろうかというような不安の声をいただくこともあります。
そういったところも後日ちゃんと整備されるということで説明はしておりますけれども、そういったところも10年と言わず、令和12年の達成の前、令和10年、令和9年に達成できれば、市民としては本当に喜ばれる方が多うございますので、ぜひよろしくお願いいたします。
あわせて、ぜひトイレの改修後のトイレの清掃の予算、こちらを確保されていくことをお勧めしておきたいと思っております。やはりせっかくきれいになっても、こどもの掃除だけでは行き届かないところが出てまいりまして、汚れと臭いが蓄積をしていき、結果としてこどもの健康の滞りが生まれるような、トイレの使用を忌避するというようなことが起こりかねませんので、ぜひそういった予算の要望もしていっていただければなというふうに思います。
大切な学習環境の一部であります。維持していくことに対して、こちらも財政局の理解を求めておきます。
また、学校のトイレの洋式化の予算、決算には関係ありませんけれども、市内の様々な施設におけるトイレの洋式化への要望が私のところにも入ってきております。市民の利便性の向上、観光振興による国内外観光客の増加、MICE誘致による来熊者の増加を考えれば、私は熊本市の取組はちょっと遅いのではないかなというふうに感じておる次第でありますので、こちらは全庁で点検をしていただいて、着実な整備を求めておきます。どうかよろしくお願いいたします。
続きまして、文化財費の不用額についてお伺いいたします。
不用額調書の中に、発掘調査件数の実績が見込みを下回ったために不用額が出ているといったような記載がございますが、この原因は何だと考えるのか、文化市民局長にお伺いいたします。
〔早野貴志文化市民局長 登壇〕
◎早野貴志 文化市民局長 埋蔵文化財の発掘調査は、年間の調査スケジュールに沿って計画的に進めており、明らかに年度内に執行を要しない予算は、2月補正において減額したものの、調査範囲の急な変更や予定していた調査が早期に完了した場合等には、新たな調査にも着手できるよう必要な予算を一定額確保していたところでございます。
しかしながら、令和5年度は当初の予定どおりに調査が完了しましたことから、不測の事態に備え、確保していた予算が不用となったものでございます。
〔田中敦朗委員 登壇 拍手〕
◆田中敦朗 委員 御答弁をいただきまして、不測の事態に備えて確保していた予算が不用になったということで、この件に関しては致し方ないということが分かりました。
以前、議会で問題提起させていただいた文化財課の人手不足、現在も解消していないために不用額が出たのかと心配しましたが、そうではないということです。
しかし、よく考えてこの結果を分析するのであれば、今後も不用額については、こういった不用が出るということは解消しないものの、予算が確保できているというのであれば、人手が足りていればこの決算額はさらに増えて、熊本市の開発はより進んでいたということ、これが前回の指摘と今回のこの決算の分析で明らかになったわけであります。
法に基づく調査が終わらなければ、開発を進めることはできません。今のペースの人員増であれば、以前のように二、三か月で調査完了という状況まで持っていくのには、3年以上かかるのではないでしょうか。文化財課の人手不足が市の発展、事業者の開発の遅延につながっていることを意識して、文化市民局におきましては、総務局、財政局と話合っていただき、早急に自体の改善を図るように求めておきます。
これほど明らかになっており、議会で指摘された問題をどのように局間の連携を取って解決していくのか、いまだに調査完了まで1年近くかかる状況をどれくらいかけて改善されていくのか、解決の期間が短くなることを期待して今後も見守ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、道路交通予算についてお伺いいたします。
道路交通予算については、その総枠に上限があり、そのキャップが何年も開放されていないというふうに側聞をしております。物価上昇、資材高騰、人件費増が生じているにもかかわらず、令和5年もそのキャップは外されなかったのか、都市建設局長にお伺いいたします。
〔秋山義典都市建設局長 登壇〕
◎秋山義典 都市建設局長 道路事業に関する予算につきましては、本市の編成方針に従い、歳入予算を反映した一定の枠組みの中で、道路の新設及び維持に係る予算が編成されております。令和5年度当初予算に関しましては、令和4年度と同様の枠組みにおいて編成されているところでございます。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 局長は枠組みと表現されましたが、令和5年は令和4年と変わっておらず、聞くところによると、令和6年もほぼその枠組みは変わっていないというふうに聞いております。
結局、これが何を生じさせるかといいますと、道路交通事業の全体量の縮減につながっていくと私は考えます。枠組みが同じである程度予算が変わらないのであれば、物価上昇、資材高騰、人件費増が起こっている今、枠に合わせるために事業の調整を行わざるを得ません。
これだけ渋滞解消が叫ばれる中で、そして社会情勢が激変する中で、枠組みが維持され続けていることは、私としては不思議でなりません。なぜこれまで枠組みの見直しを行わなかったのか、今後財政局にお伺いしていきますので、ぜひ納得のいく答弁をお願いしたいなというふうに思っておりますし、枠組みが変更され、道路交通予算が今後どんどん前進していくということを期待している次第であります。
続きまして、熊本市医療費助成に係る医療機関からの請求事務についてお伺いいたします。
一昨年、ある医療機関の方から、熊本市の医療費助成の請求が紙で行われている旨をお伺いいたしました。本当かなと、このICT、DXの時代に我が耳を疑いましたが、実際に紙で請求されているというようなことが現状でありました。
それでは、この医療費助成について令和5年度においても変わらず紙で請求するようになっているのでしょうか。また、年間の請求件数は何件でしょうか、重度心身障がい者医療分も合わせまして、こども局長にお答えいただければと思います。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕
◎木櫛謙治 こども局長 医療費助成における医療機関からの請求は紙請求でございましたが、重度心身障がい者医療費助成につきましては、本年8月分の診療分から医療保険の電子レセプトを活用した請求に変更しておりまして、こども医療費及びひとり親家庭等医療費助成につきましても、12月診療分からの運用開始を目指して準備を進めております。
医療機関からの令和5年度の請求件数は、重度心身障がい者医療費分が1万4,889件、こども医療費分が1万6,842件、ひとり親家庭等医療費分が1万5,690件で合計4万7,421件でございます。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 答弁から、令和6年度から電子レセプトということで、令和5年度はやはり紙で請求ということでございます。4万7,421件、紙に打ち出して郵送すると。そしてそれを受け取った熊本市が、4万7,421件処理をすると。紙で処理をするというような状況が、令和5年度も行われていたということが分かりました。
しかし、御答弁いただきましたとおり、令和6年度になって電子レセプトに変更するということで、変わったことは本当によかったなというふうに思いますけれども、やはりこれをできるところからでも電子レセプトに迅速に変えていけなかったということは、私としましては残念でありますし、先日改善をしていただきましたけれども、金融機関へのデータの送付にまだフロッピーなどの媒体が活用されていたということと合わせまして、DXやICT、効率的な行政の実現、行政改革を推進すると熊本市は発信されておりますけれども、その本気度をいぶかしんでしまうというような状況であります。
議員や市民、事業者から言われる前に、有言実行で業務の点検と効率化をしていくために、一度全庁を挙げてDXやICT活用による行政改革についてのチェックをされた方がよいのではないかというふうに思っている次第であります。
それでは、続きまして、熊本市児童館管理運営経費についてお伺いをいたします。
ある市民の方からちょっとお伺いいたしましたが、選挙関係で児童館が閉鎖されているのではないかというふうなことをお伺いいたしまして、そのことについてぜひお伺いしたいと思っております。
選挙関係で児童館を閉鎖したり、投票所としたことがあるのか、そういった箇所と日数をぜひお伺いしたいと思っております。
そういったことがもし起こっているのであれば、児童館利用者の不利益につながり、子育て支援の観点からは、今後改善すべきなのではないかというふうな声が市民から上がると考えますが、そういったことが実際に起こっているのであれば改善の意思はあるのか、こども局長にお伺いいたします。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕
◎木櫛謙治 こども局長 本市が政令指定都市に移行した平成24年度以降、18回の選挙が執行されておりますが、児童館を投票所とした施設が1か所ございまして、平均約14日間児童館の一部のスペースが期日前投票所として使用されました。
期日前投票所として使用されたプレイルーム以外の図書室や図工集会室は御利用いただける状態としておりましたが、児童館はこどもの遊び場であると同時に、子育て家庭の支援施設として多くの方に御利用いただいておりますことから、選挙期間中の児童館機能の確保について所管の区選挙管理委員会事務局と協議をしてまいります。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 閉鎖はされていないということで、その点に関しては安心をいたしました。しかし、子育て支援施設が選挙によって制限されるということは、投票の機会の確保のためとは言っても、その是非が問われるところではないかなというふうに思う次第であります。
当然様々な検討をされ、施設の規模等の要因で致し方ない点があることは理解はいたしますが、投票のための代替施設はないのか、近隣施設の活用を検討したり、さらなる投票機会の増加のために、民間施設の空きスペースの活用はできないかなど、徹底的に検討した上での結果なのかどうか疑問が残ります。徹底的に検討した上で制限されたというふうな結果であることを祈りつつ、今後何らかの改善が行われることを期待している次第であります。
さて、2年ぶりの決算質疑でありましたが、改めて「ヒト・モノ・カネ」の余裕のなさから事業の遅滞や改善の遅滞が見受けられる次第であります。財政健全化のため、持続可能な市政を維持していくためとは理解をしておりますが、今後決断の先延ばしや工夫をする前に前例踏襲したり、諦めたりといったような理由で改革や改善が先延ばされることがなきように心からお願いを申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。
御答弁いただきました執行部の皆さん、本当にありがとうございました。(拍手)
○紫垣正仁 委員長 田中敦朗委員の質疑は終わりました。
ここで委員の方々に申し上げます。
午前11時28分になろうとしておりますが、引き続き質疑を続けます。
熊本自由民主党市議団の質疑を行います。持ち時間は60分となっております。
まず、北川哉委員の質疑を行います。
〔北川哉委員 登壇 拍手〕
◆北川哉 委員 皆様、こんにちは。
熊本自由民主党市議団の北川哉です。会派の先陣を切り、令和5年度の決算総括について質疑いたします。
決算の精査としましては、一般会計において総括や指標を基に、各種決算資料や監査委員意見書を拝見して単年度での実質収支や推移を基に、また財政指標に関してや部門別主要施策の概要や成果報告についても質疑をさせていただきます。
令和5年度も令和4年度に引き続き感染症への対応もまだ必要だった年度でもあり、その影響による物価高騰等で経済への影響も多大に出たことによる決算への影響も見られました。決算の概要、決算規模及び収支の状況では、決算規模は過去3番目となっており、歳入と歳出の差額、差引額から翌年度へ繰り越すべき財源を除いた実質収支も過去3番目と大きく、税収に関しては過去最高を更新したとのことでした。
令和4年度の実質収支が70億2,719万円、令和5年度の実質収支が64億4,455万円とのことで、単年度の収支を考えれば赤字となりますが、全体総評としては、安定的な運営がなされたのではないかと思っております。
安定的な運営がなされていると思っているのであれば、質疑をしないでもいいのではないかということにはなりますが、全体的な視点ではよいが、その詳細を知りたいとのことで質疑させてください。
そこで、まずは歳入の状況について質問いたします。
一般会計収支状況での翌年度に繰り越すべき財源の増加の詳細について。
令和5年度決算歳入と歳出の差引額は108億5,384万円、翌年度に繰り越すべき財源は44億930万円、令和4年度決算歳入と歳出の差引額は90億8,146万円、翌年度に繰り越すべき財源は20億5,427万円となっておりました。
令和5年度の翌年度に繰り越すべき財源が約24億円多くなっています。多くなった詳細を教えてください。
次に、市税歳入増加要因としての固定資産税及び都市計画税の増加となった家屋課税棟数増加等についてお聞きいたします。
熊本市の決算概要説明では、家屋課税棟数増加は大型マンションの新規課税を含むとあるが、新規課税の説明とそれ以外の課税棟数増加につながった要因はあるのか、教えてください。
次に、歳出の状況について質問いたします。
人口減少(少子化の状況)を鑑みた場合の義務的経費の今後の見込みと対策について。
歳出決算内訳での義務的経費は、令和4年度、2,366億円、歳出全体の59.2%を占めていたのに対し、令和5年度は2,418億円、全体の60%を占めるようになりました。
評価検証では、熊本市での出生数が令和5年度で概数ではあるが5,345人と、令和元年の6,293人、5年の間で約1,000人の熊本市での出生数が減っています。
第7次総合計画の評価・検証の総論では、問題として人口減少への対応は自然減、社会減対策だけでは不十分と述べられています。財政的観点からも、中期見通しと人口推移に関しても考え直さなければいけない状況に来ていると思いますが、お考えをお聞かせください。
以上、3点を財政局長にお尋ねいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 決算について3点のお尋ねについてお答えいたします。
まず、令和5年度決算におきます翌年度に繰り越すべき財源は、前年度決算と比較して約24億円の増となっております。
主な増加の理由は、令和5年度に予算化した電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援給付金事業などの物価高騰対策関連事業の令和6年度への繰越額が、対前年度で約21億円増加したことなどによるものと分析しております。
2点目の固定資産税及び都市計画税の増加につきましては、令和5年度の固定資産税及び都市計画税の増収の主な要因は、マンションや戸建て住宅などの建設が増え、課税対象家屋が増加したことや新型コロナウイルス感染症に伴う土地に係る特例措置が終了したことによるものでございます。
3点目の義務的経費のうち扶助費につきましては、少子化が進めばこども関連経費は減少傾向となり、高齢化が進めばその関係経費は増加傾向になるなど、世代別の人口増減が扶助費の増減の大きな要素になると見込んでおります。
熊本市財政の中期見通しでは、現時点における対象者数の推計等を基に将来の見込みを算出しておりますが、引き続き人口動態を注視しながら適切な試算を行ってまいりたいと考えております。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 翌年度に繰り越すべき財源についてお聞きしましたのは、歳入と歳出の差引額から翌年度に繰り越すべき財源を引いた実質収支という観点でのお話をする場合に、一概に歳入が増え、歳出が減り、しかしながら、不用額がないように予算組みをしてその中で翌年度に繰り越すべき財源を考えていくなど、財政局としては数多くのことを考慮しながら市の財政を担っている難しさを改めて実感したことで、物価高騰の影響もあり、その内訳はどういったものなのかを疑問があったため、質問いたしました。
自然歳入増加の要因の家屋課税棟数の増加については、新規課税と示してありましたので新たな税金ができたのかと思いましたが、新規に棟数が増えたため、課税額が増えたとの意味と分かりました。また、感染症での特例措置終了による増加も分かります。納得いたしました。
少子化人口減少による義務的経費に関しては、答弁のとおりに推移していきますが、将来的に税収減となることや財政規模的にも当然減っていく中で、市政運営に大きく変化を求める必要性が出てくることを危惧しての質問でした。より正確に人口動態を考察して熊本市の財政を見ていってほしいと思います。
続きまして、財政指標についてお尋ねいたします。
昨年度は公債費の質問をしまして、令和3年度以降の公債費増の要因としては、元金償還が増加、本格化してきたことによるもので、今後も増加するものと見込んでいる。しかし、その償還財源である臨時財政対策債は全額が交付税措置され、熊本地震復旧関連市債に関しても手厚い交付税措置があるから、実質公債費比率などの財政指標としての影響は限定的との答弁がありました。
そこで、今年度も公債費と関係のある財政指標として、その一つである財政力指数について質問をいたします。
令和4年度は0.70ポイント、指定都市の中では18番目の下位でした。令和5年度が0.69ポイントとさらに下がり、指定都市の中では19番目とさらに下位となってしまいました。昨年度の答弁では、「財政力指数を改善するためには、標準的に必要な経費として算定される基準財政需要額に対して、市税等を基礎に算出される基準財政収入額の割合を上げていく必要があり、例えば企業誘致の推進による固定資産税の増など、税源涵養の取組を進めていく必要があると考えている」との答弁がありました。
令和5年度は、市税等の基礎に算定される基準財政収入額の割合は上がっていると思いました。その中で、財政力指数が下がった要因について教えていただきたいと思います。
財政局長にお尋ねいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 個人及び法人市民税や固定資産税等の税収の増加により、基準財政収入額は増加しております。
一方、それを上回る形で障がい者支援や介護給付等の社会保障関係経費が増加により基準財政需要額も増加しているため、財力指数は昨年度より0.01ポイント低下しております。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 財源涵養の取組の成果が財政力指数の改善に進むものと思いましたが、これは当然分母、分子の関係がありますので、一概によくなるものではないとも思っておりましたが、昨年度の質問から考えた疑問でした。今後、社会保障関連経費等の需要額は増えていくものと思われますので、注視していきながら、今後も市税をはじめとする自主財源の確保や国の補助制度、また民間の活力等を生かし、事業の見直しや効率化を進めていただきたいとお願いして、次の質問に移ります。
次に、決算状況報告書、部門別主要施策の概要および成果報告について質問いたします。
まずは、文化市民局分に関して一括して4項目質問いたします。
決算状況報告書75ページ、主な取組としてまちづくり支援機能の強化についてをお尋ねいたします。
まちづくりセンター地域担当職員の地域での活動件数が実績値として提示してあります。
そこで、お尋ねとして地域担当職員制度ができて何年になるでしょうか。また、地域での活動が制度開始当初は手探りであったにもかかわらず、すばらしい活動により大変好評でありました。今も大切で大事な役目を担っていただいておりますが、活動内容が前例踏襲となり、新たな時代のニーズに合ったものになっていないようにも感じるときがあります。
以上、2点についてお尋ねいたします。
引き続き、決算状況報告書81ページ、主な取組として消費者被害救済体制の充実についてお尋ねいたします。
検証指標の消費生活地域見守りサポーター養成講座修了者数が、令和4年度の174人から令和5年度は621人と大幅に増加となっています。大変いいこととは思うのですが、どうして急増したのか、また、養成講座の内容を教えてください。
続きまして、決算状況報告書82ページ、主な取組として学びの機会の提供と創造についてお尋ねいたします。
検証指標の公民館利用者数が基準値の平成27年度の82万7,530人に比べても、令和5年度でも54万987人と、熊本地震やコロナ禍を経て期間がたっても利用者数の回復とは至っていない状況と思われます。その原因と考えられることをお聞かせください。
また、施設の不足や講座内容の不足、施設利用申請システムの不良などがあったら教えてください。
続きまして、決算状況報告書89ページ、主な取組として市民ニーズに的確に対応できる行政サービスの提供についてお尋ねいたします。
マイナンバー制度推進事業でのマイナンバーカード申請率が94.51%に対して、交付率が82.66%となっております。この差はどうしてなのか、教えてください。
また、コンビニ交付サービス手数料10円化の実施によるコンビニ活用率55%を得ての今後の方針についてお聞かせください。
以上、4項目について、文化市民局長にお尋ねいたします。
〔早野貴志文化市民局長 登壇〕
◎早野貴志 文化市民局長 お尋ねの4項目に順次お答えします。
まず、1項目めの地域担当職員でございますが、地域担当職員は熊本地震後の地域のつながりや地域力の向上を図るとともに、人口減少、少子高齢社会が進展する中、防犯・防災・福祉・環境美化など地域における様々な課題に対応するため、平成29年4月に配置し、本年度で8年目となります。
しかしながら、コロナ禍により停滞した地域活動の再開や地域コミュニティの希薄化に伴う地域活動の担い手不足など、地域の課題も複雑・多様化しており、現在、地域人材の発掘や企業との連携などの役割の拡充に向け検討を進めているところでございます。
次に、2項目めの消費生活地域見守りサポーター養成講座の修了者数が令和5年度に大きく増加した要因につきましては、同年9月に、本市と包括連携協定を締結いたしました第一生命保険株式会社の社員の皆様404名に受講していただいたことによるものでございます。
養成講座については、弁護士や熊本県警察等を講師といたしまして、最新の消費者詐欺の手口や消費者トラブルの相談実例などの講習を実施しているところでございます。
次に、3項目めの公民館利用者数が回復に至っていない要因についてでございますが、コロナ禍で利用できない期間が長かったことが影響し、特に同じ趣味を持った市民の皆様が自主的に運営する生涯学習自主講座において、講師の高齢化や講座生の減少により講座開設数が減少したことが大きな要因でございます。
そのため、令和6年度から自主講座の開設基準の緩和や新たな市主催講座を開設するなど、利用者増に取り組んでいるところでございます。
次に、4項目めの国が公表しているマイナンバーカードの申請率と交付率の差については、申請後の転出や死亡等により交付ができなかった場合や、個々の事情によりカードを受け取られていない場合などによるものと考えております。
最後に、コンビニ交付サービスの今後の方針については、コンビニ交付の手数料10円化により、令和5年度の活用率は55%まで上昇しており、窓口より安価で夜間や休日にも取得できるなど、コンビニ交付のメリットを多くの市民の皆様に実感いただけたものと考えております。
コンビニ交付の手数料は現在も窓口の半額に設定しており、引き続きコンビニ交付のメリットを窓口や市ホームページ等で積極的に広報し、コンビニ交付のさらなる推進を図ってまいります。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 地域担当職員さんが担う仕事は、その地域にとって頼りになり、その役割は大変大きなものです。市の事業では、前はよかったけれどもねといった評価をされてしまうこともあります。地域担当職員制度やまちづくりセンターが担うものに関しては、今後ともよりよい形で継続していっていただきたいとの思いを持っての質問でした。よろしくお願いいたします。
消費生活地域見守りサポーター養成については、18歳から成人となり、若い頃よりローンなどのいわゆる借金を重ねるおそれもあります。若年であれば相談もしにくい環境下におかれるおそれもあり、多重債務やともすれば犯罪に巻き込まれるおそれも出てきます。その点においても、養成講座修了者が多くいてくれる安心感はあります。今後とも継続的な取組をお願いいたします。
公民館の利用者減少については、公設公民館を私が訪れたときに感じたことがありました。その中では、答弁でもありました新たな市主催講座の開設や、自主講座開設に関する説明会の案内などを目にすることがありました。数々の努力の跡が見られたときでしたので、その努力が施設や講座内容の不足や利用申請の不備があってはいけないなと思い質問いたしました。今後ともよろしくお願いいたします。
マイナンバーカードの状況は把握できました。マイナ保険証などのマイナンバーに関する不安や懸念はありますが、よりよい制度となるような取組をお願いいたします。
次の質問に移ります。
引き続き、部門別主要施策の概要および成果報告について質問をいたします。
決算状況報告書178ページ、主な取組として熊本城の着実な復旧と公開についてお尋ねいたします。
検証指標の熊本城特別公開入園者数が、令和5年度で135万3,520人とのお示しがあっております。
そこで質問として、特別公開の入園者数とは熊本地震前の入園者数と何か違いはあるのでしょうか。また、過去の最大の年間入園者数とは、どのぐらいの差がありますか。
次に、シャトルバスの通常便利用者数が令和5年度で9万3,300人というお示しがあっておりますが、入園者数との差が大きくあり、シャトルバスの利用に対する周知不足や利用ルートや乗降場所が適切なのか、適正なのかと不安になります。その点についてお考えをお聞かせください。
担当である文化市民局長、経済観光局長にお尋ねいたします。
〔早野貴志文化市民局長 登壇〕
◎早野貴志 文化市民局長 私からは、熊本城の入場者数に関する2点のお尋ねにお答えします。
熊本城は熊本地震後の令和元年度から、今しか見ることができない復旧過程を御覧いただくため、特別公開と銘打って開園しており、地震前の平成27年度の入園者数は約177万人であり、令和5年度の135万人と比較すると約42万人の差がございます。
次に、過去の最大年間入場者数との差については、熊本城築城400年に合わせ本丸御殿の復元が完了した平成20年度の入場者数は過去最大の約220万人であり、令和5年度と比較すると約85万人の差がございます。
今年度の入場者数は昨年度を上回る見込みでありますが、引き続き熊本城の復旧過程の公開に力を入れ、国内外から多くの方にお越しいただけるよう努めてまいります。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕
◎村上和美 経済観光局長 熊本城無料シャトルバスは、桜の馬場城彩苑のオープン時に、高低差がございます城彩苑と熊本城を結ぶ移動手段といたしまして、高齢者やお子様連れなどの皆様の利便性向上のため運行を開始したところでございまして、その利用者数と熊本城入園者数との乖離はあるものと認識しております。
次に、運行ルートや乗降場所につきましては、熊本地震の復旧工事の状況等踏まえながら見直しを行っており、本年7月に運行ルートを行幸坂往復といたしますとともに、乗降場所を特別見学通路の料金所近くへと移動いたしましたところ、8月の利用者数につきましては、前年同月比で倍増となったところでございます。
今後も観光ガイドブックやウェブサイト等での紹介をはじめといたしまして、現地での案内を強化するなどシャトルバスの利用促進に努めてまいりたいと考えております。
〔北川哉委員 登壇 拍手〕
◆北川哉 委員 熊本城には、多くの方が徒歩にて上っていくのを目にします。より多くの方に、私たちの宝である熊本城を目にしていただきたいとの思いが強くあります。
私たち熊本市民の多くは、平山城である熊本城天守閣までの道のりを知っているので、それをきついと思うか、大したことはないと思うかは人それぞれと思います。難攻不落の名城ですので、城彩苑から二の丸までの南坂付近を歩いて上っていくのは、多くの方にとってはつらいものであると思います。
城彩苑を通っていただき、熊本の経済に貢献していただくことは大切ですが、より多くの方に熊本城に来たときにつらい思いをせずに、熊本はよかったと思っていただけるようにしたいとの思いです。
現在の入園者数でも訪れる方が多くいてくれるなと思っておりますが、熊本城のポテンシャルは過去の入園者数を聞いてまだまだあって、これからがさらに魅力を発信して多くの方に来ていただけるようにできると思っています。熊本はよかったと思っていただけるようにしていきましょう。
続きまして、決算状況報告書189ページ、主な取組として市民協働、民間活力の導入による公園の管理運営と魅力ある公園づくりについてお尋ねいたします。
検証指標としての公園長寿命化計画に基づき改修した公園数で、令和2年度~令和5年度まで毎年28か所、21か所、35か所と改修をされておりますが、今後の改修計画をお聞かせください。
都市建設局長にお尋ねいたします。
〔秋山義典都市建設局長 登壇〕
◎秋山義典 都市建設局長 公園施設長寿命化計画に関しましては、主に遊具を設置しております605公園を対象に、施設の計画的な更新及び延命化を図ることを目的に策定したものでございまして、本計画に基づきこれまでに246公園の改修を行っております。
遊具を中心に施設の設置年数や劣化の状況を踏まえまして、改修のスケジュールを決めているところでございますが、各区土木センターの点検におきまして、早期改修の必要性を確認した場合には、適宜スケジュールの見直しを行うなど柔軟な対応に努めております。
今後、毎年度15公園程度の改修を予定しておりまして、引き続き現場の状況を的確に把握した上で、優先順位を付けながら地域の皆様に安全で快適に御利用いただける公園整備を推進してまいります。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 公園の遊具や柵などの公園施設に関しては、老朽化によるものなど多くの市民の方から不具合のお問合せや要望を受けます。
先日の西岡議員や松本議員のゴムラバーもそうであると思います。私は熊本弁では言いませんが、改修の必要が分かっていて改修を後回しにしてしまい、不具合によりけがや不快な思いになることは本末転倒です。改修スケジュールの決定や早期の対応に当たるためには、予算が必要になります。改修が必要なところは計画を立ててやっていただいているのも分かりますので、そのスケジュールが市民の皆様が気になるようになる前に、早め早めの改修ができるような予算が今後ついていくことを望みます。
最後の質問になります。
決算状況報告書225ページ、主な取組として、自ら学び向かう力を育む教育の推進についてお尋ねいたします。
検証指標の授業支援アプリの使用率は、令和4年度に比べ令和5年度は増加している。しかし、学習ドリルアプリの使用率は、10%減少しております。コロナ禍から通常に戻ったこともあり減少しているとも考えられますが、自ら学び向かう力を育む教育を目指しているのであれば、厳しい数字かと思います。減少している原因と今後の取組についてお聞かせください。
教育長にお尋ねいたします。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 学習ドリルアプリについては、児童生徒1人1台端末の導入に合わせて活用の働きかけを行ったことに加え、コロナ禍の状況により令和3年度の使用率が大幅に増加したところです。
しかしながら、御指摘のように、令和4年度以降は対面による様々な活動ができるようになってきたことや、日課の工夫によって朝自習が削減されてきたことなどに伴い、活用の場面が徐々に少なくなったことが使用率減少の原因だと考えております。
学習ドリルアプリの活用は、児童生徒の学力向上に加え、教員の働き方改革の観点からも有用だと認識をしており、今後もAIドリル機能について活用事例の周知等を行い、使用率向上に取り組んでまいります。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 小学生と中学生の息子が、以前よりタブレットを使って自学などをしなくなったと感じます。うちの息子たちは進んで勉強するといったタイプではなく、野球ばかりしていて親としては心配になりますが、もしかしたらトンビが鷹を生むかなと思っておりましたが、トンビはトンビでしかないのかなと今思っております。
しかしながら、私であったりとか、息子たちのようにではなく、熊本市の児童生徒全体がそれではいけないと思っております。勉強したいと思ってより向上を目指すこどもたちには、よりよいツールを準備して学んでもらいたいとの思いがありますので、今後ともよろしくお願いいたします。
本日もですが、昨日より指定都市PTA情報交換会熊本市大会が、この本市で行われております。市長、教育長、議長、ありがとうございました。その中でも、ICTに関することなど保護者や教職員、教育関係者による学びがあっております。ICT教育の先進といわれる本市ですので、後退することなくこどもたちの学びを最大限引き出すことができるように、今後ともよろしくお願いいたします。
以上で、私の用意した質疑は終わりました。真摯にお答えいただいた執行部の皆様にお礼を申し上げます。ありがとうございました。
次は、松川善範委員に引き継ぎます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○紫垣正仁 委員長 北川哉委員の質疑は終わりました。
質疑の途中ではありますが、この際議事の都合により休憩いたします。
午後1時ちょうどに再開いたします。
午後 0時01分 休憩
───────────
午後 1時00分 再開
○紫垣正仁 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質疑を続行いたします。
熊本自由民主党市議団、松川善範委員の質疑を行います。
〔松川善範委員 登壇 拍手〕
◆松川善範 委員 皆さん、こんにちは。
熊本自由民主党市議団の松川善範でございます。
午前中の北川委員よりバトンをいただきましたが、何分初めての総括質疑となります。精一杯務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、早速質疑に入らせていただきます。
決算状況報告書46ページ、政策名、効率的で質の高い市政運営の実現、施策名、国際社会に対応した取組の推進についての質問です。
今月3日付の新聞紙上で、県内の2023年末の在留外国人数が2022年末より23.9%増の2万5,589人となり、過去最高を更新したとの記事が載りました。特に台湾からの在留者は1,549人と、6月末時点511人の3倍超を記録したそうであります。これは熊本県の外国人材との共生推進本部で明らかにされたものであります。
そして熊本市では、これも2023年末で9,061人、前年末比1,789人増で、熊本総人口に占める外国人住民の割合は約1.24%と過去5年間で最大とのことでした。さらに9月1日現在で調べましたところ、9,953人、前年比1,683人増で、割合も約1.36%に増えています。
このような状況を踏まえ、本年3月に第2期熊本市国際戦略が策定され、目指す姿、世界に認められる「上質な生活都市」実現のため、戦略的な施策を推進されていることと理解しております。そしてこの戦略の中には、基本施策の中で多文化共生社会の推進を掲げ、取組方針、熊本市国際交流会館を拠点とした多文化共生ネットワークの構築としてその取組が記載されております。
さらに、特に重点的に取り組むものとして、リーディングプロジェクトにも国際交流会館の更なる活用の検討が制定されています。
そこで、お尋ねいたします。
熊本市国際交流会館ですが、まさにこれから今まで以上に先ほどの基本施策、多文化共生の推進の実現のための拠点としての役割が大きくなると考えますが、市長はこれから国際交流会館の果たすべき役割をどのようにお考えかをお聞かせください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 本市では、熊本市国際戦略において国際交流会館を多文化共生の拠点と位置づけておりまして、これまで各種関係機関と連携をしながら異文化理解や地域国際化に資する事業を実施してまいりました。
今後、在住外国人が増加、多様化することが想定される中、国際交流会館の多文化共生の拠点としての重要性は高まると考えておりまして、例えば地域日本語教室での語学習得や異文化交流の場の拡充、地域やまちづくりセンターでの交流事業への在住外国人の参画など、さらに関係機関とのネットワークを広げながら、多文化共生の取組を推進してまいりたいと考えております。
〔松川善範委員 登壇〕
◆松川善範 委員 ありがとうございました。
今市長から、今後、国際交流会館は、多文化共生の拠点としての重要性が高まるとの御答弁でした。そして地域日本語教室での語学習得や異文化交流の場の拡充のほか、交流事業への在住外国人の参加、関係機関とのネットワークを広げながら、多文化共生の取組を推進していくとのことでした。今後の国際交流会館を拠点とした取組に注目し、また期待をしたいと思います。
つい先日、8月31日、9月1日の2日間、開館30周年の記念イベントが開催され、台風直後にもかかわらず、講演会もほぼ満席となるなどすばらしいイベントで、大変な盛り上がりだったと伺っております。大変うれしく思ったところです。
さて、その国際交流会館ですが、30周年を迎えた平成6年に建てられた建物です。建築されて30年が経過し、46ページにもあるとおり、改修工事も公共施設等総合管理計画、実施計画に基づいて実施されているわけですが、本市の公共施設等総合管理計画や公共建築物長寿命化指針では、公共建築物の耐用年数を70年にすることや、総延べ床面積を20%削減することを目標に定めています。先ほど市長が答弁された拠点としての重要性が高まる中、耐用年数の中間年である35年も迫ってきています。大変気になるところであります。
そこで、お尋ねします。
拠点として今以上にその役割が期待される中、今後大規模改修をどのように考えておられるのか、いつ計画されているのか、その検討状況を政策局長にお尋ねします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 国際交流会館は今年で築30年を迎えておりまして、これまで熊本市公共建築物長寿命化指針にのっとり、空調や外壁等必要な施設改修を進めてきております。また、目標耐用年数の中間年となる築35年を目途に、大規模改修工事も計画をしております。
今後とも国際交流の拠点として市民の皆様が安心して快適に活用できるよう施設の維持管理に努めてまいります。
〔松川善範委員 登壇〕
◆松川善範 委員 ありがとうございました。
目標耐用年数の中間年となる築35年を目途に、大規模改修工事を計画しているとの御答弁でした。そして市民の皆様が安心して快適に活用できるよう維持管理に努めていくとのことでした。
築35年を目途であれば、5年後に迫っています。会館の利用ですが、今でも結構先まで予約が入っている状況とお聞きします。仮に大規模改修が計画されるとなれば、利用者の皆さんへの周知はもちろんですが、その間、改修しながら利用が可能なのか、仮に休館が必要になった場合は、拠点としての機能をどこで代替するのかの検討も必要だと考えられますので、5年先ではありますが、早め早めの検討をお願いします。
最後に、これは要望ですが、これは来熊された他指定都市の議員さんからの指摘で気づかされたものですが、残念ながら現在の会館のトイレですが、地下2階から7階までのうち、洋式化の改修がなされているのが地下2階と4階と5階、多目的トイレは整備されており、約8割は洋式化が進んでいるとのことですが、特に3階には国際会議室、2階には交流ラウンジ、1階はエントランスホールとカフェなど外国人の利用が多いフロアです。
また、6階、7階はホールもあり、今申し上げた1階から4階と、6、7階の洋式化が不十分な状況です。多文化共生の拠点として備える設備として、またおもてなしの面からも早急な改善を要望しておきます。
次の質問に移ります。
決算状況報告書106ページ、政策名、生涯を通して健やかで、いきいきと暮らせる保健福祉の充実、施策名、高齢者、障がいのある人などが豊かに暮らせる環境づくりについての質問です。
主な事業の内容、成果、方針中の事業名、民間活力を活用した健康づくり事業についてお尋ねいたします。
この事業は、コロナ禍の影響により地域の通いの場の数が減少していること、また、通いの場に参加する高齢者、特に男性や前期高齢者の参加割合が低いために改善が必要であり、誰もが参加しやすい健康づくりの場を確保するための新規事業だったと理解しています。
そこで、3点お尋ねいたします。
1点目が、決算額3,700万円の内訳を教えてください。
なお、委託料の支払いは成果に応じた支払い、成果連動型民間委託契約方式とのことでしたが、その成果はどのように測られたのか、それは数値として出るものなのかも合わせてお尋ねします。
2点目が、通いの場に参加する高齢者、特に男性、前期高齢者を増やすための事業とのことでしたが、参加者493人の内訳として、男性、前期高齢者の割合はどうだったのか、それは想定目標人数に対して多かったのか少なかったのか教えてください。
3点目が、事業内容として事業終了後の活動継続の仕掛けがあったかと思いますが、具体的にどのように活動継続の働きかけがなされ、実際に多様な運動継続の場への移行は進んだのか、その把握方法も合わせてお尋ねします。
以上、3点について健康福祉局長にお尋ねします。
〔林将孝健康福祉局長 登壇〕
◎林将孝 健康福祉局長 民間活力を活用した健康づくり事業に関する3点のお尋ねに順次お答えいたします。
まず1点目の決算額の内訳及び成果の算出方法でございますが、民間活力を活用した健康づくり事業は成果連動型民間委託契約方式を採用しており、決算額3,700万円の内訳はプログラム開発等初期構築経費が800万円、運営経費が2,600万円、そして成果報酬額が300万円となっております。
また、成果指標は基本チェックリスト改善度、運動習慣の改善度、プログラム参加者の参加率の3項目であり、基本チェックリスト及び運動習慣の改善度につきましては、事業開始前と終了後に調査を行い数値を把握しております。
次に、2点目の男性及び前期高齢者の参加割合につきましては、令和5年度においては、参加者493人のうち男性は約29%、前期高齢者は約75%でした。これまでの通常の通いの場の割合である男性約20%、前期高齢者約29%を上回っており、地域の介護予防活動に参加の少なかった年齢層に対しての参加促進として十分な成果があったものと考えております。
最後に、3点目の事業終了後の活動継続の働きかけでございますが、本プログラムにつきましては、事業終了後も活用していきたいと考えており、現在、参加者が自ら体験したプログラムを身近な場所での健康づくりや介護予防に活用できるよう、通いの場の立ち上げ支援等に取り組んでいるところです。
既にプログラム参加者主体の通いの場が2か所、運動継続のための場が6か所立ち上がっており、引き続き高齢者支援センターささえりあ等から通いの場の活動状況等の把握に努めるとともに、本プログラムも活用しながら介護予防活動を推進してまいります。
〔松川善範委員 登壇〕
◆松川善範 委員 ありがとうございました。
3,700万円のうち、成果連動型民間委託契約方式での成果報酬が300万円で、その成果は成果指標が3項目設定されており、事業の開始前と終了後に数値を把握して評価せれているとのことでした。
また、参加者493人のうち男性は約29%、前期高齢者は約75%だったとのことで、特に前期高齢者の参加の割合が高かったようでありまして、十分な成果があったとの御答弁でした。
そして事業終了後の活動継続の働きかけですが、参加者が自ら体験したプログラムを身近な場所での健康づくりや介護予防に活用できるよう、通いの場の立ち上げ支援等に取り組んでおられ、その結果として、既にプログラム参加者主体の通いの場が2か所、運動継続のための場が6か所立ち上がっているそうであります。
今回、新規事業であるこの事業のヒアリングをさせていただきましたが、御答弁にあったように、大変大きな成果が上がっている事業であることを実感いたしました。誰もが参加しやすい健康づくりの場を確保することは、特に御高齢者にとって大変大事なことだと思います。対象とする年齢層の拡大も、9月5日から始まっている募集の中でなされているようです。
特にコロナ禍の影響が大きかった通いの場ですので、この事業の効果によって場の数が早くコロナ禍前以上に、参加者も国の目標値を超えるまでに増えることを期待しております。
以上で、私の質疑を終わらせていただきます。
次は、我が会派幹事長、高本一臣委員にバトンを渡したいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○紫垣正仁 委員長 松川善範委員の質疑は終わりました。
次に、高本一臣委員の質疑を行います。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 我が会派3番目の質疑になります。簡潔に質疑等させていただきたいと思います。
まず1つに、大学と連携した新たな教員人材確保策の強化670万円の予算に対し、598.6万円が執行された教職員人材確保推進経費、報告書には225ページとなっておりますが、これについてお尋ねいたします。
この事業は、教員志望者の減少や大量退職により教育不足の対策として中長的な人材確保策の一つとして大学と連携し、教員志望の学生が本市の教育とともに、働きながら、そして大学で学んだ理論と本市の教育現場での体験活動を往還しつつ、教員としての資質・能力や本市の教員となる志望動機を高めてもらうことを目的として行われ、初年度は経験していただく人数を1校で週当たり延べ3人を想定。受け入れる学校は、各区当たり小学校1校、中学校1校の合計10校を考えて、新たな事業として昨年度から始まりました。
事業1年目でありますが、実施状況と課題、その対策も含めて教育長にお尋ねいたします。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 教職員人材確保推進経費により、昨年度、大学生学校教育活動アシスタントとして41名の学生が17の小中学校で活動し、学校現場の活動を実体験しつつ、謝礼を得られる学生側、日頃からマンパワーの不足に悩む学校側の双方から歓迎されたところです。
また、アシスタントのうち6名の学生が本年度の本市の教員採用試験を受験いたしました。
課題としては、各区に均等にアシスタントを配置しようとしたところ、学生のニーズとのマッチングが難しかったことから、本年度は学生の希望の多い中央区に多くの学生を配置することとしております。
また、昨年度は1年を通じて同じ学生を配置しましたが、より多くの学生に活動していただくため、本年度は前期と後期に分けて配置することとしております。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 この事業は本市財政の硬直化が進む中、新しい数少ない新規事業として私は期待をして、昨年の第1回定例会ですね、新規事業として計上されたときに質疑をさせていただいております。初年度でありますが、予想以上の応募があり、学生側、受け入れる学校側の双方から好評だったということであります。まさしくウィン・ウィンの事業となったことが理解をできました。
課題も幾つかあったようですが、6人の方が、そこにアシスタントとして行かれた6人の方が受験されるということで、その6人の方がもともと受験をする予定だったのか、あるいはこのことをきっかけに受験につながったのか、その辺のところはさだかではありませんが、そういった課題も幾つかあったようです。
今年度はさらに予算も拡充されたようですし、事案を希望する全ての学生が経験でき、そしてひいては採用試験の受験につながるよう期待をいたします。
生徒や児童は、指導していただいた先生次第で将来の人生が大きく左右されるといっても過言ではありません。質の高い指導ができる教職員が多く輩出されることを願いまして、次の質疑に移らせていただきます。
職業訓練センター管理運営費等について、決算状況報告書173ページです。2点お尋ねいたします。
まず、目的に対する成果について。
検証指標の受講者数はここ数年横ばいで、実績は検証値に達しておりません。労働人口減少の中でも、特に様々な分野での技術者不足が問題になっている中、職業訓練センターでの技術の習得は、産業人材を育てる意味でも重要だと考えます。
しかし、なかなか実績が検証値に達していない、その現状をどう捉えているのか、人材育成に受けた対策を経済観光局長にお尋ねいたします。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕
◎村上和美 経済観光局長 職業訓練センターにおきましては、国や県などと連携し、認定職業訓練をはじめ、職業能力開発に資する講座等を実施しているところでございまして、検証指標であります受講者数につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大等の影響により減少し、その後回復傾向にはあるものの、コロナ禍前の水準には戻っていない状況にございます。
今後につきましても、関係機関と緊密な連携を図りながら、求職者の皆様や技能習得を目指す方々のニーズに沿った講座などの実施や利用促進に向けた周知に努めてまいることで受講者数の増加を図り、さらなる技能者の育成に取り組んでまいりたいと考えております。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 技能者の育成は、我が国にとっても喫緊の課題でもあります。AIの進歩により影響を受ける職種も増えておりますが、AIでは不可能なそういう技術を要する職種もまた多く存在します。
ここ地元熊本で技術を学び、そしてできれば熊本で働ける環境の一助となる施設になりますよう、鋭意取り組んでいただきますようお願いいたします。
続きまして、2点目、職業訓練センター指定管理者の適正な管理についてお尋ねいたします。
職業訓練センターは、職業訓練法人熊本市職業訓練センターと職業訓練法人熊本市職業訓練協会の2つの共同企業体が指定管理者として運営されております。この職業訓練センター施設の使用について、昨年8月に住民監査請求が提出されております。
請求の内容は、市長が指定管理の委託を受けている1つの職業訓練法人熊本市職業訓練協会に対し、熊本市職業訓練センターの建物の明渡しを請求せよとの勧告を求めるものです。
請求の理由については、詳細は避けますが、違法に財産の管理を怠っている事実、建物の不要な使用事案があるからとなっております。監査の結果、監査委員の判断は請求棄却となっておりますが、監査委員の所感によると、「施設内において何らかの事故が生じた場合に責任の所在が不明確とならないよう適正な管理に努めること」と意見されております。
この施設を所管する市として適正な管理に努めることは、当然のことであります。このような指摘を受けて、今後どのように取り組んでいかれるのか、経済観光局長にお尋ねいたします。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕
◎村上和美 経済観光局長 施設の管理運営に関しましては、指定管理者制度を導入し、年2回のモニタリングを実施いたしますとともに、適宜指定管理者と協議を行いながら取り組んでいるところでございまして、今後もさらなる連携を図りながら、監査委員の所感も含めまして適正な管理運営に努めてまいります。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 調べて見ますと、この施設の違法な使用があるのではないかと、平成31年にも実は住民監査請求が行われています。そのときも監査委員の判断は棄却でありますが、疑義の生じるような施設の使用は、やはり施設を所管する本市としても決してあってはならないことです。監査請求をされた方は、この判断に不服として現在熊本市に対して訴訟中と伺いました。
一方、その間、施設を利用していた一部の団体が本市に目的外使用許可を申請し、本年3月に本市は審議会にて許可をしております。本市はこれまでに団体の事務所ではないと主張していたのに、なぜ事務所として目的外使用を認めたのか、ぶれた本市の対応には理解にも苦しむところであります。
いずれにしましても、施設の管理や利用につきましては、今後このような指摘受けないよう適正な管理運営に努めていただきますようお願いします。
私の用意した質疑は以上です。
次は最後、藤山委員に引継ぎたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○紫垣正仁 委員長 高本一臣委員の質疑は終わりました。
次に、藤山英美委員の質疑を行います。
〔藤山英美委員 登壇〕
◆藤山英美 委員 熊本自由民主党市議団の藤山でございます。我が会派最後を飾って質疑をいたします。
令和5年度決算関係資料139ページの町内自治振興補助金についてお尋ねをいたします。
なお、通告の順番を変更し、初めに交付規則の見直し状況及び今後のスケジュールから伺いたいと思っております。
私は、さきの第2回定例会の一般質問において、町内自治振興補助金について質問をしましたが、その際、町内自治振興補助金は町内自治活動や地域住民への連絡調整に係るとても大切な財源であることを認識した上で、効果的な活用が図られているかチェックが必要であることを指摘しました。
文化市民局長からは、町内自治振興補助金は市からの運営費補助であり、補助と同額を会長の報酬に充てたとしても、町内会の総会、監査で承認され、補助金申請が正式な手順で手続がなされていれば、現在の交付規則では制限することはできないとの見解が示されましたが、私は公金から支出する補助金であるにもかかわらず、助成した行政の指導監督ができないような交付規則は本来の趣旨に沿うものではない、まるで治外法権ではないかと指摘したところでございます。
今後、規則の見直しを行うとのことでありました。交付規則見直しの状況はいかがでしょうか。町内自治振興補助金は公金です。速やかな見直しが急務であると思いますが、今後の見直し、スケジュールをお示しいただきたいと思います。
〔早野貴志文化市民局長 登壇〕
◎早野貴志 文化市民局長 町内自治振興補助金交付規則の見直しについては、これまでの議会からの御意見や包括外部監査からの御指摘を踏まえ、他都市調査や自治会の会計報告の分析などを行い、規則の改正に向け補助金の対象事業・対象経費の明確化の検討を行っているところでございます。
今後、12月議会で補助金規則の改正概要をお示しし、議会からの御意見も踏まえ、今年度中の規則改正に向け進めてまいります。
〔藤山英美委員 登壇〕
◆藤山英美 委員 次の定例会において交付規則の改正内容を示し、今年度中に改正を行うとの答弁でございました。ありがとうございました。
今回の改正については、その趣旨や目的について各自治会にしっかり理解していただくことが何よりも重要であると思います。来年度からの実施となるわけですから、各自治体に対する説明や周知についても丁寧に行っていただくようお願いをしておきます。
今回の改正が自治会の課題解決につながるよう、引き続き検討をお願いしたいと思います。
次に、決算関係資料の課題と自治振興補助金の今後の在り方についてお尋ねをいたします。
決算関係資料、負担金及び補助金調書の139ページに、町内自治振興補助金が記載されておりますが、各町内自治会等910団体に対する交付額は2億2,827万3,000円となっております。大変高額にもかかわらず、たった1行で記載されております。
私は、これまで議会のチェック機能は働かず、担当課のチェックのみに頼り、課題が見えづらいなどの問題点があるのではないかと思っております。私は記載方法の見直しが必要であると考えますが、いかがでございましょうか。
また、現在の補助金による自治会等への支援方法は、自治会側の事務的負担も大変であり、補助金をチェックする担当職員の事務負担も相当なものであると思います。そして特に積算基礎の世帯数の確認等難しい点もあります。現在の補助金での支給を見直し、交付金に変更することも検討すべきではないかと考えておりますが、それぞれの適正についての見解はいかがでございましょうか。
以上、財政局長に見解をお伺いいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 決算関係資料のうち、負担金及び補助金調書の記載方法につきましては、特段規定しているものではございません。現状では資料が膨大になることもございまして、個別団体ごとに記載はせず、一定のルールに基づいて補助額が決定されるものにつきましては、一括で記載をしているところでございます。
また、補助金は特定の事業等を行うものに対し、公益上の必要が認められる場合に交付するものである一方、交付金は法令等に基づき地方公共団体が負担金徴収等の事務を委託している団体等に対し、事務処理の報償として交付するものと整理しております。これらを踏まえ、補助金、交付金、いずれが適正であるかは、各事業の内容や性質等に応じて判断されるべきものと考えております。
〔藤山英美委員 登壇〕
◆藤山英美 委員 負担金及び補助金調書への記載方法については、資料が膨大になるという理由で一括記載しているとの答弁でございました。これでは議会において適切な審査はできません。資料が膨大になるのであれば、適切な審査ができるよう別紙にて提供を行うなど、必要な対応を取るべきではないかと思います。
以前、担当局の資料請求を行った際も、役員報酬の内訳等も全て把握できていない状況でありました。調書への記載ができないのであれば、少なくとも求めに応じ、審査に必要な資料を適切に提供するなどの対応が必要だと考えます。改善を強く要望しておきます。
また、補助金を交付金に変更することについての適正性については、交付金は行政が事務処理をお願いしたことに対する報償として支払うものであり、各事業の内容や性質等に応じて適切に判断されるべきものであるとの答弁でございました。
しかしながら、実際に自治会の事業実態を見ますと、そのかなりの部分は本来行政が担うべき事務であり、現に配布物の依頼など行政から自治会に対して多くのお願い事をされているのではないでしょうか。恐らく多くの自治会長さんもそう思われていると思います。
執行部におかれましては、そうした現実も踏まえ、ぜひ柔軟に今後の自治会への支援の在り方について検討を行っていただきたいと思います。
このことは、自治会事務の負担軽減並びに補助金審査業務という行政の負担軽減、働き方改革、自治会の負担軽減など事務改善につながることだと思われますので、他都市の状況において自治会等の活動に対し、交付金で支給している団体がないかどうかについて調査をお願いしておきます。
本日は、この程度に留め置きますが、この件につきましては、引き続き議論していきたいと思います。事務改善改革については、今までもこれからも市民のため、職員のため、事務改善に努力してまいりますので、よろしくお願いいたします。
以上を持ちまして、熊本自由民主党市議団の質疑を終わります。(拍手)
○紫垣正仁 委員長 藤山英美委員の質疑は終わりました。
以上で、熊本自由民主党市議団の質疑は終わりました。
総括質疑の途中ではありますが、本日の審査はこの程度にとどめ、残余につきましては、9月17日火曜、午前10時から再開したいと存じます。
これをもちまして、本日の委員会を散会いたします。
午後 1時37分 散会
出席説明員
市長 大 西 一 史 副市長 深 水 政 彦
副市長 中垣内 隆 久 政策局長 三 島 健 一
総務局長 津 田 善 幸 財政局長 原 口 誠 二
文化市民局長 早 野 貴 志 健康福祉局長 林 将 孝
こども局長 木 櫛 謙 治 経済観光局長 村 上 和 美
都市建設局長 秋 山 義 典 病院事業管理者 水 田 博 志
代表監査委員 横 田 健 一 教育長 遠 藤 洋 路
議会局職員
局長 江 幸 博 次長 中 村 清 香
議事課長 池 福 史 弘 政策調査課長 岡 島 和 彦
予算決算委員会会議録
開催年月日 令和6年9月13日(金)
開催場所 予算決算委員会室
出席委員 45名
紫 垣 正 仁 委員長 村 上 博 副委員長
寺 本 義 勝 委員 大 嶌 澄 雄 委員
村 上 麿 委員 瀬 尾 誠 一 委員
山 中 惣一郎 委員 井 坂 隆 寛 委員
木 庭 功 二 委員 村 上 誠 也 委員
古 川 智 子 委員 荒 川 慎太郎 委員
松 本 幸 隆 委員 中 川 栄一郎 委員
松 川 善 範 委員 筑 紫 るみ子 委員
井 芹 栄 次 委員 島 津 哲 也 委員
吉 田 健 一 委員 齊 藤 博 委員
田 島 幸 治 委員 日 隈 忍 委員
山 本 浩 之 委員 北 川 哉 委員
平 江 透 委員 吉 村 健 治 委員
山 内 勝 志 委員 伊 藤 和 仁 委員
高 瀬 千鶴子 委員 小佐井 賀瑞宜 委員
田 中 敦 朗 委員 高 本 一 臣 委員
西 岡 誠 也 委員 田 上 辰 也 委員
三 森 至 加 委員 浜 田 大 介 委員
井 本 正 広 委員 大 石 浩 文 委員
田 中 誠 一 委員 坂 田 誠 二 委員
落 水 清 弘 委員 澤 田 昌 作 委員
藤 山 英 美 委員 上 野 美恵子 委員
上 田 芳 裕 委員
欠席委員 2名
菊 地 渚 沙 委員 満 永 寿 博 委員
議題・協議事項
(1)議案の審査(9件)
議第 190号「令和6年度熊本市一般会計補正予算」
議第 191号「同 病院事業会計補正予算」
議第 192号「同 交通事業会計補正予算」
議第 230号「令和5年度熊本市各会計(公営企業会計を除く。)決算について」
議第 231号「同 病院事業会計決算の認定について」
議第 232号「同 水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
議第 233号「同 下水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
議第 234号「同 工業用水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
議第 235号「同 交通事業会計利益の処分及び決算の認定について」
午前10時00分 開会
○紫垣正仁 委員長 ただいまから予算決算委員会を開会いたします。
今回、当委員会に付託を受け審査いたします議案は、補正予算3件、決算6件の計9件であります。
また、審査日程につきましては、日程表のとおりとなっておりますので、御承知おき願います。
これより総括質疑を行います。
通告状況につきましては、一覧表のとおりとなっております。
なお、質疑に当たっては、項目ごとに答弁者を指名いただきますようお願い申し上げます。
それでは、予算決算委員会運営細目の発言順に従い、順次質疑を行います。
これより自由民主党熊本市議団の質疑を行います。持ち時間は70分となっております。
まず、齊藤博委員の質疑を行います。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 自由民主党熊本市議団の齊藤博でございます。
今日は自民党からは、私を含め4名の質疑を予定いたしております。どうかよろしくお願いをいたします。
まず、令和5年度決算状況報告書より実質収支の考え方についてお尋ねをいたします。
令和5年度の実質収支の黒字額は64億円、令和4年度は70億円、令和3年度は61億円となっております。ここ数年来、60億円から70億円のレンジで計上されていることとなります。本来、実質収支の黒字額は翌年度の歳入として繰り越され、事業の実施や財政調整基金の積立て等に充てられるものであります。なぜ毎年のように60億円を超える実質収支が計上されることになるのでしょうか。この実質収支の持つ意味を執行部はどのように捉えておられるのでしょうか。また、実質収支黒字分は次年度にどうなるのか、財務上の位置づけを明確にし、お答えいただきたいと思います。
財政局長、お願いいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 実質収支の考え方についてお答えいたします。
実質収支は、歳入決算総額から歳出決算総額を差し引いた額から、翌年へ繰り越すべき財源を差し引いた額でありまして、近年、新型コロナ関連経費等において事業進捗等による不用額が発生しているほか、個人市民税などの市税収入をはじめとする歳入が増加していることなどから、60億円程度の実質収支を計上したところでございます。
実質収支が黒字であることは、健全化判断比率である実質赤字比率がないことを意味し、本市財政の状況は健全な水準にあることを示すものと考えております。
また、実質収支の黒字分につきましては、地方財政法の規定に基づき、剰余金の2分の1を下らない金額を剰余金の生じた翌々年度に積み立てているほか、補正予算の財源として活用しており、本市の安定した財政運営に寄与するものと考えております。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 実質収支の黒字分は、地方財政法の規定に基づき、その2分の1を下らない金額を財政調整基金に積み上げているということでありました。しかし、一方で、財政調整基金の積み増しを行いながらも、その同じ年度で財政調整基金の取崩しも行われております。積み増しをしながら取り崩す、素朴な疑問すら生まれる会計処理であり、課題もあるのではとあえて指摘申し上げておきます。
次に、その財政調整基金についてお尋ねをいたします。
財政調整基金は、主に実質収支からの積み上げとなります。令和4年度は43億円、令和5年度は50億円となり、熊本地震が発災した平成28年度以来、久しぶりに50億円を回復いたしております。令和5年度財政調整基金は、前年度と比べ7億円増加しました。その原資は、令和4年度と令和5年度の実質収支の差額分と考えられます。
改めて、お尋ねをいたします。
なぜ財政調整基金を前年比プラス7億円という規模で積み増しをしたのでしょうか、その根拠をお示しください。
財政局長、お願いいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 財政調整基金の積み増しにつきましては、熊本地震の災害復旧対応として取り崩した金額が約50億円であること等を考慮し、同規模の災害が発生した場合にも備えまして、対応できるように基金残高50億円を目途として、令和5年度は7億円の積立てを行ったところでございます。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 熊本地震の際、財政調整基金を取り崩した実績が50億円だったことから、当面の目途値として50億円へ積み増しを図ったとのこと。そこは理解をいたしました。
それでは、改めて質疑を変えます。
財政調整基金は、例えば経済事情の著しい変動等により財源が不足する場合や、災害により生じた経費の財源として期待されているものであります。大変重要な基金であり、実際に熊本地震においても、市の財政を支えました。今後、財政調整基金はどこまで積み増しすべきなのか、その規模の妥当性を図ることは重要と考えます。
例えば基準財政需要額の7%程度、あるいは標準財政規模の5%程度とするなど、一定の基金規模の根拠を明らかにすべき時期に来ていると考えます。財政調整基金を幾らまで積み増したいと考えておられるのか、その所見を大西市長にお尋ねをいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 財政調整基金の適正な規模について定められたものはございませんが、災害の発生や経済情勢の変動に対する備えとして、一定額を確保する必要があると考えております。
今後とも収支の状況を見極めながら、財政調整基金の積立てやその適正な規模について早い時期にお示しできるように引き続き検討してまいります。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 財政調整基金の規模については、過去にも同じような質問が行われております。が、明確な回答は今まで得られておりませんでした。今回はという思いであえてお尋ねをいたしましたが、今回も明確な回答がなかったことは極めて残念であります。
一方で、市財政の将来を見据え、財政調整基金の規模について言及することを早い時期に前向きに考えるとの答弁でありましたので、できるだけ速やかに明確にしていただきますように御期待を申し上げたいと思います。
次に、財政調整基金の処分、すなわち取崩しについてお尋ねをいたします。
熊本市財政調整基金条例によりますと、財政調整基金の処分は、経済事情の著しい変動や災害、急を要する大規模な建設事業、長期の財産の取得等で認められております。
端的にお尋ねをいたします。
例えば熊本市庁舎整備に関し、市庁舎の建て替えの財源として財政調整基金は対象となるのでしょうか。
財政局長、お願いいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 財政調整基金の処分についてお答えいたします。
議員御案内のとおり、財政調整基金は、地方財政法に規定された経済事情の著しい変動や災害により生じた経費の財源、緊急に必要となった建設事業の経費、その他やむを得ない理由により生じた経費の財源に充てる場合などに限り処分することができるとされております。
お尋ねの本庁舎等整備の財源につきましては、熊本市新庁舎整備に関する基本構想でもお示ししていますとおり、国の補助金や合併推進債などの有利な財源を活用することを想定しておりまして、財政調整基金の取崩しは想定しておりません。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 市庁舎の整備という特定目的のための財源として財政調整基金がその対象となるかどうか、明確な答弁は得られませんでした。
そもそも国の補助金や合併推進債などの有利な財源を活用することで、財政調整基金の取崩しは想定にないとのことであります。市庁舎の整備事業は、熊本市にとっていまだ経験したことのないような規模の一大事業であります。基金の必要性を大いに感じることから、次の質疑にまいります。
庁舎整備には、実施設計まで3年程度、竣工までさらに3年程度の時間を有するとされております。庁舎整備は6年にも及ぶ大きな設備投資であり、その計画に備えた基金の積み上げは必要と考えます。処分が可能であれば、財政調整基金への積み増しでもよいでしょうし、新たな基金の創設を検討するという選択肢もあります。
いずれにしても、庁舎整備に向け基金を活用した財源確保の観点は、極めて重要であります。その基金の財源として、令和5年度の実質収支黒字額64億円を考慮してもよいのではとも考えます。
大西市長、所見をお願いいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 先ほど財政局長が答弁を申し上げましたとおり、本庁舎整備の財源については、国の補助金や合併推進債などの有利な財源を活用することを想定しております。
本市においては、庁舎を含みます公共施設の計画的な長寿命化及び更新を推進するために、公共施設長寿命化等基金を設置しておりまして、本庁舎等の整備についても、公共施設長寿命化等基金を活用することが可能であると考えております。
各施設の個別長寿命化計画に基づきまして、施設の長寿命化を計画的に推進するため、収支状況を踏まえ、令和5年度において20億円の積立てを行ったところです。
議員御指摘のとおり、財源の確保は重要であると考えておりまして、引き続き基金への積立てを検討してまいります。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 市長の答弁からは、新たな基金の創設についての言及はありませんでした。
一方で、公共施設長寿命化等基金を市庁舎整備事業に充当することは、可能との見解でございました。しかし、この長寿命化等基金は、一般的な市営住宅や小中学校をはじめ、熊本市が所管する施設の修繕や建て替え等に充当されるべき基金であり、圧倒的な規模を誇る市庁舎の整備事業の財源として考えるには、私はやや無理があると考えます。
また、令和5年度は、公共施設長寿命化等基金に20億円の新たな積立てを行ったとのことでありますが、市庁舎整備の財源を含む前提で行われたわけではなく、特筆すべきものではないと考えます。
私は、事業規模や特異性を鑑み、市庁舎整備のための新たな基金を創設すべきと考えます。ぜひ御検討をお願いしたいと思います。
次にまいります。
決算の健全性を示す最重要指標である健全化判断比率についてお尋ねをいたします。
財務の健全性は、その資産や負債のボリュームで図られるものではありません。
例えば令和5年度市債残高2,912億円、臨時財政対策債は2,049億円、合計で4,961億円の地方債残高となっております。この数字そのものが直接財政の健全性を損なう根拠となるのかというと、もちろんそうではありません。財務の健全性を図るには、あくまでも事業規模や資産とのバランスを図る必要がございます。
地方債残高の4,961億円の規模を客観的に判断し、ほかの行政とも比較検討が可能で、統一した見解で財務の健全性を図ることができる指標、これが重要となるわけであります。それがいわゆる健全化判断比率ということになります。
例えば庁舎整備のような長期で大型の事業を財務の観点から検証するにも、市民の皆さん方に説明責任を果たすためにも、この健全化判断比率は極めて重要な指標であります。がゆえに、この数字がぶれてもらっては困ります。
今年3月、熊本市財政の中期見通しが発表されました。それによりますと、令和5年度決算見込みとして、すなわち今年3月の見込みとして、実質公債費比率は5.5%、将来負担比率は102.1%、経常収支比率は93.9%となっておりました。
一方で、今般の決算を確認いたしましたら、実に経常収支比率で0.9%の乖離、将来負担比率に至っては、9.2%もの乖離となっております。いずれも指標は改善しておりますが、この短期間でこんなに数値が大きく変動すると、財務の健全性そのものに対する信頼が揺らいでしまいます。健全化判断比率が、このような短期間で試算と決算が乖離してしまった理由を御説明いただきたいと思います。
財政局長、お願いいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 健全化判断比率の試算と決算が乖離した理由についてお答えいたします。
直近の中期見通しにおきます歳入・歳出の見込みにつきましては、当該年度の最終予算をベースとしておりまして、歳入につきましては、収入が確実に見込めるものを計上しておりますことから、決算で上振れすることが多く、歳出につきましては、事業の進捗による不用額の発生等により、決算で下振れすることが多いため、基本的には中期見通しより決算の方が収支全体として改善する傾向にございます。
特に将来負担比率につきましては、2月補正予算編成時点では見込むことが難しい事業繰越や、後年度に交付税措置のある地方債を優先的に借り入れたことなどにより、市債残高の減少等の影響が大きいため、例年中期見通しよりも決算で大きく改善しているところでございます。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 一般的な常識として財務を検討する場合のリスクとは、想定した数値から外れることをいいます。それは、今後の将来展望や計画そのものに大きく関わってくるからであります。要は、予想どおりが一番ということになります。
過去5年間の例年3月に発表される中期見通しと決算の将来負担比率を確認いたしましたら、毎年大きな乖離が出ております。令和3年度に至っては、21%もの乖離があった状況でありました。
答弁においては、3月の財政の中期見通しの公表時点では、指標を予想することが難しいとのことでありました。であるならば、その公表時期の見直しを求めたいと思います。今後指標が持つ重みを鑑み、計画や見通しを作成いただく際においては、直近の正確な数字を公表いただきたいと思います。ぜひ善処いただきますようにお願いをしておきます。
最後に、令和5年度決算関係資料より不用額について1点お尋ねをいたします。
LPガス価格高騰対策緊急支援事業について。
12億6,000万円の予算に対し、不用額を3億4,000万円といたしております。予算に対して27%程度が未消化となりました。これはLPガスを利用している契約者を対象に、1契約6,000円の支援金が給付された事業でありました。事業の趣旨を踏まえ、LPガス利用者の全ての皆さんに御利用いただきたかったのですが、結果としてかないませんでした。どのような方々が申請をされなかったのか、また、申請をしなかった理由などどこまで把握されていらっしゃるのでしょうか、その分析について経済観光局長、お願いいたします。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕
◎村上和美 経済観光局長 本事業につきましては、LPガス各契約世帯の皆様に申請書を直接配布いたしますとともに、新聞広告やSNS、市政だより、ラジオでの情報発信に加え、学生の方々などにも情報が行き届きますよう大学、専門学校や不動産管理会社を通じた広報を行うなど、可能な限りの周知に努めたところでございますが、申請率につきましては、約7割にとどまったものでございます。
申請に至らなった理由といたしましては、補助事業の実施者でございます一般社団法人熊本県LPガス協会によりますと、多くの高齢者の方々から手続に手間がかかるとの御意見が寄せられますとともに、締切り後に問合せや申請もいただいたとのことでございまして、手続の煩雑さや結果といたしまして、十分な制度周知につながらなかったことなどが要因であると認識しております。
今回の結果を踏まえまして、今後は手続の簡素化を図りますとともに、本事業と同様に多くの市民の皆様への周知が必要となります事業を実施いたします場合には、関係団体等と緊密に連携を図りながら広く情報が行き届きますよう努めてまいります。
〔齊藤博委員 登壇〕
◆齊藤博 委員 補助事業の実施者であります一般社団法人熊本県LPガス協会におかれましては、大変御苦労いただいたと認識いたしておりますし、敬意を表したいと存じます。
一方で、LPガス利用者の27%程度の方々に、支援金をお届けすることができませんでした。今後同じような事業実施の場合は、ぜひ対象者となる皆さん方に支援金を受け取っていただけるような体制の工夫や告知の在り方等、行政も当事者意識を持って御対応いただければと存じます。
私からの質疑は以上でございます。御清聴ありがとうございました。
それでは、自民党の荒川議員にお譲りいたします。(拍手)
○紫垣正仁 委員長 齊藤博委員の質疑は終わりました。
次に、荒川慎太郎委員の質疑を行います。
〔荒川慎太郎委員 登壇〕
◆荒川慎太郎 委員 自民党熊本市議団、総括質疑2番目を務めます荒川慎太郎でございます。よろしくお願いいたします。
まず、決算状況報告書の検証指標設定に関する問題点についてお尋ねいたします。
決算状況報告書34ページ及び175ページには、効果的なプロモーション活動の展開という取組があり、その検証指標の項目において、熊本市観光ウェブサイトの特集記事数が設定されております。
一昨年、第3回定例会の総括質疑において、私からは手段ではなく成果を検証指標とするのであれば、ウェブサイトの特集記事数ではなく、そのサイトへのアクセス数を指標とするべきではないかというお尋ねをいたしました。当時の経済観光局長からは、より市民に分かりやすい指標の設定が重要であり、次期総合計画の策定に合わせて検証指標の見直しを検討すると答弁をいただきました。
本年、第8次総合計画が策定されており、それに伴い決算状況報告書の検証指標も当然見直されていることとは思いますが、その点について現状の御説明をお聞かせください。
政策局長、お願いいたします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 検証指標設定の考え方についてお答えいたします。
検証指標は、施策や事業の各段階において、その目標や目的の達成度を測るためにふさわしく、かつ測定可能な指標を設定する必要があると考えております。
そこで、今年度よりスタートした第8次総合計画の策定に際しましては、このような考え方の下、全ての指標について精査・見直しを行い、基本計画やアクションプランにおいて設定をしたところでございまして、来年度作成をする令和6年度決算状況報告書にも反映させる予定でございます。
また、検証指標は社会経済情勢等の変化等に柔軟に対応するため、毎年度のアクションプラン策定の中で必要に応じて見直しを行っていることとしております。
〔荒川慎太郎委員 登壇〕
◆荒川慎太郎 委員 来年度の決算状況報告書にも、精査・見直しをした指標を反映させる。そしてさらには、毎年度のアクションプラン策定の中でも見直しを行うとの答弁でした。
一昨年の総括質疑の答弁では、次期総合計画に合わせて指標の見直しを検討するというところまでにとどまっており、それに対してよりよい行政運営を行うための報告書を作成するのであれば、総合計画の中途年度であっても、改定や追加を行うといった柔軟な対応姿勢も必要ではないかという点も合わせて検討いただくようにお願いをしたところでした。まさに、その点までも包括した非常に前向きな御回答をいただきましたこと、大変うれしく思います。
とはいえ、私が今回見た中で、約30項目ほど疑問が残るような検証指標がございました。ぜひそこが改善されていることに期待をしたいと思います。
続きまして、委託状況調書について全般的なお尋ねをいたします。
調書の中の随意契約1号で契約されている案件において、99万円、もしくは99万何千円という金額のものが散見されます。中には、99万9,999円という金額もありました。確かに、地方自治法第234条第2項の規定により定められた条文に合致はしていますし、正当に金額を積み上げた結果の数字であろうと思われます。
しかしながら、この上限ぎりぎりの金額というものは、二方向からの疑念を抱かれかねない点がございます。
1点は、受託業者が上限まで価格を吊り上げているのではないかというもの。そしてもう一点は、発注者側が随意契約にするために、値引きや価格調整といった不当廉売、いわゆるダンピングになりかねない圧力をかけているのではないかというものです。
この点について、本市としてはどのように捉えているのか、問題視しているのか、また、問題視しているのであれば、どのような対応を考えているのか、お聞かせください。
総務局長、お願いいたします。
〔津田善幸総務局長 登壇〕
◎津田善幸 総務局長 委託状況調書に記載の、いわゆる1号随意契約を行った案件のうち、契約金額が随意契約の限度額に極めて近接しているものにつきましては、いずれも業務内容に応じて予定価格を設定し、複数の事業者から見積書を徴取したことを確認しており、事務手続は適正なものであったと考えております。
今後も引き続き委員が懸念されている価格競争の阻害や不当廉売の強要が生じないよう、契約事務研修等を通じて適正な契約事務の執行を徹底してまいります。
〔荒川慎太郎委員 登壇〕
◆荒川慎太郎 委員 当然と言えば当然の御答弁でございます。事務手続が適正に行われていないはずがございません。
今回の委託状況調書で限度額に近い項目を拾い上げてみたところ、学校報や観光に関するプロモーション業務、動画や印刷物等の制作物、そして今回特に多かったのが県知事選及び統一地方選の開票所や期日前投票所の設置業務でした。これらの項目で共通するのは、比較的軽微な業務かつ準備期間の短いケースが多いものだと推察されます。
業務を期限までに遂行することは最低限の責務であり、必要条件ではありますが、質問の中でも申し上げたとおり、不必要な疑問や懸念を抱かれることのないよう、注意喚起の意味を込めて質問をさせていただきました。
続きまして、決算状況報告書に戻りますが、32ページの防災情報伝達体制整備事業について、事業の詳細と決算額の内訳をお示しください。
政策局長、お願いいたします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 委員お尋ねの防災情報伝達体制整備事業の詳細と決算額9,513万円の主な内訳でございますが、緊急告知ラジオの放送設備等の保守点検業務が約1,530万円、ラジオの難聴解消に向けた設計業務が約1,100万円、また、防災行政無線の保守点検業務が約2,570万円、無線拡充等に係る設計業務が約2,170万円でございます。
そのほかIP無線等の購入費として約1,060万円、電気料、回線使用料などで約760万円となっております。
〔荒川慎太郎委員 登壇〕
◆荒川慎太郎 委員 防災無線と緊急告知ラジオという災害情報を伝達する非常に大切なツールの整備に多くの費用がかかっているということでしたが、この緊急告知ラジオに関してもう一点お尋ねいたします。
市立幼稚園、小中学校に設置されている緊急告知ラジオの点検を、熊本シティエフエムが委託業務として請け負っているとのことで話を伺いました。月に2校点検に出向き、機器の点検及び電波受信状況の確認などを行っていますが、機器の劣化や電波受信状況などに問題があり、緊急告知ラジオ本体の更新が必要な施設が散見されるとのことでした。
本年度、電波不感地区解消のためのアンテナ調整作業を実施されておりますが、難聴地域が解消されたのかどうかについては検証中と伺っております。
昨今、Jアラートや緊急速報メールなどで災害の第一報はスマートフォンなどで受信されますが、継続的に情報を得ることができる緊急告知ラジオの役割は教育現場において大変重要であり、早急な点検と機器更新が必要不可欠であると言えます。
そこで、お尋ねいたします。
全市的に緊急告知ラジオの状況を確認し、必要とされる箇所については速やかに新型機種への更新が必要と考えますが、いかがでしょうか。
また、学校現場におきましても、緊急告知ラジオの重要性を再認識していただくとともに、設置環境の整備に配慮していただくことが重要となりますが、この点についての考えをお聞かせください。
1点目を政策局長に、2点目を教育長にお尋ねいたします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 市内小中学校等の緊急告知ラジオにつきましては、緊急地震速報や弾道ミサイル情報等の緊急情報をいち早く伝えることや避難所情報の入手手段の一つとして、平成24年に配備したものでございます。その点検につきましては、毎月1回定期的に実施をしております試験電波の発信に合わせ、設置場所の受信感度の測定、機器本体の目視点検や動作確認などを行い、必要な部品の交換や軽微な補修の実施をしております。
緊急告知ラジオは配備から10年以上が経過し、今後機器本体の故障や劣化に伴う電波受信の不具合も考えられますが、緊急情報の受信手段が多様化する中、委員お尋ねの新型機種への更新につきましては、学校現場をはじめ関係部局と連携し、現状を把握した上で適切に対応してまいります。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 私からは、教育委員会の認識と対応についてお答えいたします。
ただいま政策局長が答弁しましたとおり、緊急告知ラジオは大雨や地震などの非常時に緊急情報を迅速かつ確実に把握するための情報収集手段の一つであり、とりわけ児童生徒の学習・生活の場であるとともに、災害時には避難所としての機能も有する、学校においては重要であると認識をしております。
今後は防災部門とも連携し、良好に電波を受信できる環境への設置や、毎月1回行われる試験電波発信時における確認など、設置の際の注意事項を改めて学校に周知してまいります。
〔荒川慎太郎委員 登壇〕
◆荒川慎太郎 委員 御答弁いただきました政策局長、教育長、共に「互いの部局と連携し」という言葉を使われました。この「連携し」という点も非常に大切な点でありますし、いつ何が起こるか分からないということを考えますと、この防災に関する事業というものは、とても早急に進める必要がございます。
一昨日、本市と崇城大学、そしてBosai Tech株式会社における災害時の車中泊避難等の課題解決に向けた研究に関する連携協定の締結式が行われました。
このように、全国の先駆けとなるような取組が、熊本地震を経験した本市で速やかに進められることに誇らしい気持ちを抱くとともに、既存の防災関連事業の検証や補完についても確実に実施していただくことをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
続いては、日隈忍委員に引き継がせていただきます。
御答弁いただきました執行部の皆様ありがとうございました。(拍手)
○紫垣正仁 委員長 荒川慎太郎委員の質疑は終わりました。
次に、日隈忍委員の質疑を行います。
〔日隈忍委員 登壇〕
◆日隈忍 委員 自由民主党熊本市議団の日隈忍でございます。
3番手を務めます。よろしくどうぞお願いいたします。
今回は、医療、あるいは保健部門を中心に3点お尋ねをいたします。
まず、がん検診経費についてお尋ねいたします。
がん検診経費では、肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、子宮がんの5つのがん検診と胃がんリスク検査に関する経費が中心になっていると思います。
がんで亡くなる、あるいは苦しむ市民を一人でも減らすためには、がん検診の受診率を向上させ、早期発見、早期治療に結びつけることが重要となってまいります。
今年度からスタートした第3次健康くまもと21基本計画においても、受診率向上は重点取組として位置づけをされております。これまでの長きにわたる受診率向上の取組の成果も徐々に現われ、75歳未満のがん年齢調整死亡率は徐々に低下傾向を示しておりますが、まだまだ決して十分な成果ではありません。今後も継続的な受診率向上の対策は求められております。
そこで、3点お伺いいたします。
まず第1点は、検証指標についてのお尋ねです。
5つのがん検診の基準値、実績値、検証値が全て受診率、すなわちパーセントを表示しております。決算額と実績の費用対効果を分かりやすくするために、基準値、実績値、検証値を受診率のパーセント表示だけでなく、受診者数などを加えるべきと考えていますがいかがでしょうか、答弁をお願いいたします。
2点目、受診率を向上させる対策として、対象者に個別受診勧奨として合計7回、28万4,585通を発送しています。がん検診の個別受診勧奨が有効な手段であることは理解していますが、具体的な個別受診勧奨の内訳とその効果が分かればお示しください。
3点目、令和5年2月より肺がん検診の個別検診が通年実施され、受診率向上が期待されました。結果的には、残念ながら1.4ポイントの上昇にとどまったようです。肺がん検診の個別検診が大きな受診率向上につながらなかった原因と今後の対策を示してください。
以上、3点を健康福祉局長に答弁をお願いいたします。
〔林将孝健康福祉局長 登壇〕
◎林将孝 健康福祉局長 がん検診経費に関する3点のお尋ねに順次お答えいたします。
まず1点目の決算状況報告書の検証指標につきましては、対象者数の増減にかかわらず、適切に現状を測る指標として受診率を設定しておるところでございますが、委員御指摘のとおり、効果が見えにくいということから、受診者数など検証指標に追加することについて今後検討してまいります。
次に、2点目の受診率を向上させる対策でございますが、令和5年度に行った個別受診勧奨の内訳といたしましては、乳がん及び子宮頸がん検診のハイリスク層に対する勧奨、再勧奨として計18万9,581通、退職者世代の方に対し3万5,593通、胃がんリスク検査の対象者に対し2万9,724通、節目年齢の方に対し2万9,687通送付しております。
その効果といたしましては、例えば重点的に個別受診勧奨によって受診率向上に取り組んでいる乳がん検診では、前年度より約1,200人増加し、受診率が0.4ポイント上昇、子宮頸がん検診では約1,700人増加し、受診率が0.1ポイント上昇していることからも、一定の効果があるものと考えております。
最後に、3点目の肺がん検診の受診率に関するお尋ねにつきましては、肺がんの個別検診の受診者数は前年度より約1万1,000人増加し、また、その多くが新規の受診者でありますことから、受診環境の向上のために開始した肺がんの個別検診は効果があったものと考えております。
一方、従来から実施している集団検診は利便性に課題があるため、約5,000人の減少となったことで、全体では約6,000人増加し、受診率は1.4ポイントの上昇となっております。
そこで、集団検診につきましては、今年度新たに市民の皆様が多く集まる場所であるショッピングモールで実施するなど、より受診しやすい環境の整備に取り組んでいるところであり、個別検診を含め、市政だよりやホームページ、SNS等様々なメディアを活用した啓発に努め、さらなる受診率の向上を目指してまいります。
〔日隈忍委員 登壇〕
◆日隈忍 委員 答弁ありがとうございました。
1点目の決算状況報告書の検証指標については、予算が目的を達成するために効果的に使われたかを検証するために、分かりやすい指標が必要だと思いますので、よろしく御検討をお願いしたいと思います。
2点目の受診勧奨については、がんのハイリスク者を中心に戦略的に受診勧奨がされているということが分かりました。個別の勧奨方法として郵便が効果的であることは証明されているために厚労省も進めておりますが、令和5年度、約28万通を発送し、郵便料金が2,400万円の経費を要しております。
受診勧奨の効果として受診者数が増加したとの答弁でしたが、今後は費用対効果を明確にするために、郵便による受診勧奨ががんの早期発見につながるデータなどを示すことが必要ではないでしょうか。ぜひ検診機関、あるいは医療機関と連携した検討をお願いしたいと思います。
3点目の肺がん検診受診率向上については、昨年より個別健診が開始され、結果、個別健診は増加しましたが、集団健診が減少し、全体として6,000人増加したとの答弁でした。今後も受診方法としては、個別と集団との二本立てになると思いますが、それぞれ受診者の皆さんにとってはメリットとデメリットがありますので、地域あるいは市民の皆さんの要望に耳を傾けながら受診率向上に取り組んでいただきたいと思います。
次に、青少年教育費の不用額についてお尋ねいたします。
これまで児童育成クラブ支援員については、人員不足の声を度々耳にしておりました。支援員はこどもたちの共同性や主体性を育む支援を行いながら、学校、保護者、地域との連携を担う重要な業務であり、さらにフルタイムで働く共働き世帯が増加したことにより、児童育成クラブは保育園などと同様に、社会にとって欠かすことのできない重要なインフラとなっております。
子育て世帯にとって重要なインフラである児童育成クラブを担う支援員の報酬が不用額として5,600万円が計上されております。この不用額について2点お伺いしたいと思います。
1点目、不用額が発生した理由と人員不足による児童育成クラブ運営に支障がなかったかを教えてください。
2点目、今後は高学年の受入れなどにより児童育成クラブの利用者が一層増加することが予想されますが、安定したサービスを提供するための支援員確保に向けた対策を示してください。
以上2点、教育長に答弁をお願いいたします。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 児童育成クラブの支援員についてお答えします。
本市の公営児童育成クラブは、週当たり28時間45分、または25時間勤務する月給制の支援員と週当たり19時間以下で勤務する時給制の支援員を雇用し、運営しているところです。
昨年度は月給支援員の雇用者数が予定を下回ったため、不用額が発生いたしましたが、児童育成クラブの運営については、時給支援員を予定より多く配置することにより、支援員の配置基準を満たすことができ、運営に支障はなかったところです。
また、支援員確保に向けた対策についてですが、委員御指摘のとおり、利用児童数は近年急激な増加傾向にあり、高学年受入れなどサービスの拡充を目指す上で、人員確保について課題があるということは承知しております。
人員確保については、処遇改善に取り組むとともに、ウェブ広告の利用、各大学や校区自治協議会、退職した市職員などへ募集を行っております。
今年度は昨年度より80人以上多い支援員を雇用し、利用者の増加や高学年受入れ等に対応しております。今後も安定したクラブの運営を行うため、さらなる支援員の確保に努めてまいります。
〔日隈忍委員 登壇〕
◆日隈忍 委員 答弁ありがとうございました。
不用額は発生したが、時給支援員を多く配置することにより運営に必要な支援員を確保し、運営には支障はなかったとの答弁を聞き安心いたしました。
また、人員確保については、処遇改善に取り組むとの答弁がありました。支援員の皆さんが満足して安心して働ける環境になり、確実に人員確保ができる対応をお願いしたいと思います。
また、社会全体が人手不足であることから、月給支援員の雇用が難しいようであれば、当初から時給支援員を中心とした予算運営計画を検討するのも一つの方法ではないかと思っております。検討をよろしくどうぞお願いいたします。
最後に、熊本市病院事業決算についてお伺いいたします。
全国の公立病院は、地域住民の命と健康を守るためにこれまで大変重要な役割を果たしてきました。しかし、コロナ感染症の5類移行、医師・看護師不足、人口減少や少子高齢化の急速な進展に伴う医療需要の変化、高度化といった経営環境の変化を背景に厳しい運営が続いております。
そのため、総務省から持続可能な医療体制、地域医療体制を確保するために、経営強化に主眼を置いた公立病院経営強化プランの策定を求められ、令和5年に市民病院、植木病院の両病院は、令和5年~令和9年度までの5年間を対象期間とした経営強化プランを策定しております。現在はこの計画に基づき、経営強化に向けた様々な取組をされているところではないかと思います。
そこで、3点お伺いしたいと思います。
まず第1点、市民病院、芳野診療所、植木病院を合わせた収益的収支は、令和4年度約21億5,000万円の純利益から、令和5年度は約6,100万円の純損失となっております。その理由を示してください。
2点目、経営指標に関する事項の病床利用率について、令和5年度市民病院の一般病床利用率92.5%、植木病院の一般病床利用率61.2%、市民病院は令和4年度をやや上回っていますが、植木病院は20%以上低下をしております。植木病院の病床利用率低下の理由を示し、今後の病床利用率向上の対策を教えてください。
3点目、未収金について、昨年3月に2014年までの未収金約1億5,000万円の債権放棄をしています。令和5年度の病院事業貸借対照表にも未収金が掲載されていますが、2015年以降の未収金の額と未収金の対応を示してください。
以上3点、病院事業管理者に答弁をお願いいたします。
〔水田博志病院事業管理者 登壇〕
◎水田博志 病院事業管理者 熊本市病院事業決算についての3点の御質問に順次お答えいたします。
まず1点目の収益的収支が約21億6,000万円の純利益から約6,000万円の純損失になった理由につきましては、新型コロナウイルス感染症の5類移行により、関連補助金が市民病院で約12億4,000万円、植木病院で約6億6,000万円、合計で約19億円減少したこと及び旧市民病院の解体費用を約3億7,000万円計上したことによるものでございます。
2点目の植木病院の病床利用率の低下につきましては、一般病床の利用率は新型コロナウイルス感染症受入れ病床を除いて算出しており、令和4年度は52床、令和5年度は9月末までが62床、10月1日以降は102床として算出したことが大きく影響しております。
植木病院は慢性疾患の患者が主体であるため、病床を元に戻した後も入院患者数の回復は鈍く、現在、地域の医療機関や医師会を訪問して連携を強化し、紹介患者の増加に努めているところでございます。
3点目の令和6年8月末時点での市民病院の未収金につきましては、947万518円となっております。新病院開院後は、未収金の発生予防フローと回収フローに基づいて福祉制度の紹介、退院前の領収書確認、訪問徴収、系統的な文書による督促、弁護士事務所への回収委託、裁判所への法的措置などを行っており、直近4年間の医業収益に対する平均未収率は約0.01%と他院に比較しても低い値となっております。
〔日隈忍委員 登壇〕
◆日隈忍 委員 答弁ありがとうございました。
1点目の損失の理由として、新型コロナ感染症受入れ関連補助金約19億円の減少と旧病院の解体費用約3億7,000万円が計上されたというのが理由ということでした。コロナウイルス関連補助金は令和2年4月より交付されたと思いますが、病院事業決算では令和2年度約18億円、令和3年度約26億円、令和4年度約22億円の純利益を計上していますが、純利益の原資がコロナウイルス関連補助金であったということが分かりました。
2点目の病床利用率の大幅な低下の原因については、コロナウイルス感染症受入れの影響であることが分かりました。また、利用率向上の対策として医療機関との連携強化に取り組んでいるということでしたが、植木病院は医師をはじめ、限られた人数で慢性疾患の患者さんが中心のため、医療連携に目に見えた効果が出るまでには、相当苦労されるのではないかと少し心配をしております。病床利用率は、病院に対する地域住民の評価と考えております。しっかりと取り組んでいただければと思います。
3点目、8月末時点の未収金は、約940万円とのことでした。未収金の対応については、発生を防ぐための対策と発生した場合の対応と法的措置を含めて2段構えで、非常にこまやかに実施されていることが確認できました。今後も未収金の発生防止に努めていただきたいと思います。
先ほども述べましたが、市民病院、植木病院は令和5年度~令和9年度まで5年間の期間で経営強化プランを策定し、取り組んでおります。様々な取組が行われると同時に、令和9年度までの数値目標も多く設定されております。
その中で、収支改善に係る経常収支比率、収入確保に関わる病床利用率、経費削減に関わる職員給与対修正医業収益比率、経営の安定性に係る医師・看護師数などが上げられております。
目標達成には非常に厳しい面もあると思いますが、令和5年度一般会計が補助金として17億円を支出している公立病院の責任を果たすためにも、覚悟を持って経営強化プランの目標達成を確実なものにしていただきたいと思います。
以上で私の質疑は終わります。答弁ありがとうございました。
我が会派の最後の締めは、田中敦朗委員でございます。よろしくどうぞお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)
○紫垣正仁 委員長 日隈忍委員の質疑は終わりました。
次に、田中敦朗委員の質疑を行います。
〔田中敦朗委員 登壇 拍手〕
◆田中敦朗 委員 質疑に入ります前に、一般質問に引き続き、今日は何の日を御紹介したいと思います。
今日は、世界法の日ということです。
1965年、昭和40年9月13日~20日まで、アメリカ・ワシントンで開催された法による世界平和第2回世界会議で、9月13日を世界法の日とすることが宣言されたそうです。
国際間に「法の支配」を徹底させることで世界平和を確立しようというものだそうですが、来年で制定から60年になるというのに、世界は目も当てられないような状況になっております。残念です。日本と本市においては、法の支配が徹底されるように議員として頑張らなければと思う次第であります。
それでは、早速質疑に入らせていただきます。
経済の発展と熊本の魅力の創造・発信について。
決算状況報告書34ページ、政策名、経済の発展と熊本の魅力の創造・発信についてお伺いいたします。
ブランド総合研究所による毎年行われています「都道府県魅力度ランキング2023年」において、熊本県は何位であったでしょうか、皆さん御存じでしょうか。熊本県は2022年から1ランクダウンして18位となっております。17位から上を見て見ますと、そうそうたる顔ぶれがそろっておりまして、不動のトップ5、北海道、京都府、沖縄県、東京都、大阪府にはさすがにかなわないかなというふうに思いますが、6位から17位まで見て見ますと、もちろんすばらしい都市ばかりですが、十分伍していける魅力を熊本県は有していると思います。
そこで、お伺いいたしますが、魅力の発信のために行った各種プロモーションの成果とその波及効果を政策局長にお伺いいたします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 本市では、市民に愛され、世界に選ばれる持続的な発展を実現するまちをめざし、都市ブランド力の向上や交流人口拡大によるにぎわいの創出などに取り組む中で、様々なプロモーションを行っております。
これまでも熊本市親善大使の活用や航空会社とタイアップした広報、ふるさと納税に焦点を当てたプロモーションパンフレットの制作のほか、首都圏においては旬の農産物等の魅力を発信するポップアップショップの開催や熊本を応援する組織、TOKYO BASE 096のPR等に取り組んでまいりました。
その結果、令和5年度のふるさと納税受入れ額は約8億8,000万円となり、順調に伸びておりますほか、TOKYO BASE 096の会員数及びインスタグラムのフォロワー数も前年度より増加し、交流・関係人口の創出につながったと考えております。
今後も本市の様々な魅力を最大限に活用しながら、効果的なプロモーションを実施してまいります。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 冒頭申し上げましたとおり、2023年の都道府県魅力度ランキングで18位、県外で様々な方と交流する機会はありますが、「九州といえば」と問いかけて、最初に熊本が出てくることはそんなに多くはありません。これからも地道なプロモーションの実施をよろしくお願いしたいところですが、この決算額を見るに予算が全然足りていないのではないかなというふうに思っています。
ふるさと納税を除き倍くらいのプロモーションの予算を今後確保すべきですし、県や県内各市町村と連携して一大プロモーションを複数年かけて行うべきだと思っている次第です。
それぞれ行われました事業への所見でありますが、市民栄誉表彰、私も現場におりましたが、観戦者も多く、費用対効果が高かったと思います。熊本市出身の選手がいる球団の試合において、年に1回、日本全国のどこかで熊本市デーをやってもいいのではないかなというふうに思っております。
首都圏プロモーションについては、さらに活性化していくために、東京事務所の人員を増やすというふうな検討もしていければいいのかなというふうに思いました。
親善大使については、さらに増やしていってほしいなというふうに思っております。例えばSUPER GT、GT300で2023年に初のシリーズチャンピオンに輝いたレーシングドライバーの吉田広樹選手も熊本県熊本市出身でありますし、「四月は君の嘘」、「ミュージカルのだめカンタービレ」「この世界の片隅に」といった人気コミックのミュージカル化作品の演出を手がけた上田一豪氏も熊本県熊本市出身、こういったことを御存じでしょうか。
今大使を受けていただいている方々とは活躍している分野が異なりますので、親善大使就任についてぜひ検討され、どんどん大使を増やしていくといったことをしていただくことをお願いいたしまして、次の質疑に移ります。
防災意識の啓発についてお伺いいたします。
決算状況報告書30ページ、安全で心豊かに暮らせる地域づくりの推進に関してお伺いいたします。
熊本地震から8年がたち、記憶の風化を食い止めるために防災条例を制定され、様々な手法で防災意識の向上に努めてもらうことは、大変評価をしているところであります。しかし、その検証数値を見て見ると、検証値の達成ができていないのが残念な点です。
そこで、お伺いいたしますが、熊本市として検証値が達成できていない原因と今後の検証値の達成に向けての対応を政策局長にお伺いいたします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 防災意識の啓発につきまして、検証指標で用いております市民アンケートでは、学校や公園などを災害時の避難場所として指定していることや、最寄りの指定避難場所を知っている市民の割合は約8割から9割を推移しておりまして、20代から30代の世代や熊本地震以降に転入された方の認知度が低い傾向でございました。
また、地域版ハザードマップの作成率が未達成の原因については、令和2年度以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、マップ作成に必要なまち歩きやワークショップの開催などが制限されたことによるものと考えております。
今後、避難場所や最寄りの指定避難所については、市ホームページや市政だよりでの周知啓発に加え、SNSのさらなる活用など若い世代にも効果的な情報発信に努めてまいります。
また、地域版ハザードマップの作成におきましては、これまで以上に各区と緊密に連携し、計画的な作成促進に取り組んでまいります。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 アンケートを実施していただき、そこで判明したことは、若い世代と転入者の認知度に課題があるということでございました。効果的な情報発信とはいいますが、私はやはり若い世代には義務教育期間における記憶に根づく防災教育、これが大切だと思っておりますし、転入者におかれましては、お住いの住所の指定避難場所が一目で分かる資料を、転入をお届けされるときに必ずお渡しするといった取組をやっていかなくてはならないというふうに思っております。
となれば、当然政策局だけではなく、文化市民局や教育委員会との連携が必要になってくるわけでありまして、そこに政策局としてどのようなお願いをしていくのか、これがとてつもなく大事なことであるというふうに思っております。
特にやはり各局で何かをするときに、どうしても横断的にほかの局の協力が必要になってくることがありますが、そういった連携、うちではできないけれども、よそでこれをしてもらいたいといったようなことを積極的に取り組んでいくことが、市全体の活性化につながるというふうに思っておりますので、それに関しては、ぜひ取り組んでいただければなというふうに思っておりますし、今現在、くまもとアプリ活用いたしまして、今後本格的に運用していくと思いますけれども、こちらも住所を登録して、そしたらまず自分の避難所が分かるようなこと、そして地震の際に、災害の際にはそちらに「あなたの避難場所はどちらです」と、もしくは位置情報を公開されている方であれば、「今あなたがおられるところから一番近い避難所はどちらです」といったようなことが迅速に届くということができれば、こういった検証値は達成されていなくとも、100%の方が近くの避難所にすぐに避難できる、そういった安心・安全なまちづくりができるというふうに思っておりますので、そういったこともぜひやっていただければなというふうに思っております。
8年たてば、記憶は風化いたします。時が流れれば世代は変わってまいります。それによって当然50年、100年たっていけば、市民の間からは地震の認識が薄れていき、100年以上前にも地震があったにもかかわらず、8年前多くの熊本市民が、まさか熊本市で地震が起こるなんてというふうな驚きにつながっていったというふうに私は考えております。
「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」といいます。熊本市民が歴史をしっかりと受け継いで、常に備えて、災害の際に多くの命が失われることのない街であり続けることはできる。そんな取組を間断なく行っていただくことをお願いいたしまして、次に移りたいと思います。
小中学校のトイレの洋式化についてお伺いいたします。
教育委員会において、令和3年度~令和12年度までの10年間で、トイレの洋式化を進める整備計画を策定されました。計画から丸3年たちます令和5年度決算における整備計画の進捗状況を教育長にお伺いいたします。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 小中学校のトイレの洋式化については、計画策定時における令和5年度末の洋式化率の目標は45%でありましたが、実績としては約54%ということで、目標を9ポイント上回っております。今後も教育環境の改善や災害時の避難所機能の向上を図るために、速やかに整備を行ってまいります。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 目標を上回る実績を達成しているということ、大変安心をいたしました。
学校のトイレの洋式化は早急な整備を求める保護者も大変多く、こどもたちのためにもなりますので、10年間の計画だからと予算づけをしぶることなく、計画を前倒しして達成できるような予算づけを財政局にはお願いをしておきます。
はい、うなずいていただきましたので、安心をいたしました。
特に今、小学校を優先してトイレを整備していっているということで、例えばグラウンドでありますとか、そういったほかの優先度が低いところはまだ洋式化が進んでおりませんで、地域の方々が活動するときに学校の校舎はできたけれども、それ以外のところはできていないけれども、ここはちゃんと整備されるんだろうかというような不安の声をいただくこともあります。
そういったところも後日ちゃんと整備されるということで説明はしておりますけれども、そういったところも10年と言わず、令和12年の達成の前、令和10年、令和9年に達成できれば、市民としては本当に喜ばれる方が多うございますので、ぜひよろしくお願いいたします。
あわせて、ぜひトイレの改修後のトイレの清掃の予算、こちらを確保されていくことをお勧めしておきたいと思っております。やはりせっかくきれいになっても、こどもの掃除だけでは行き届かないところが出てまいりまして、汚れと臭いが蓄積をしていき、結果としてこどもの健康の滞りが生まれるような、トイレの使用を忌避するというようなことが起こりかねませんので、ぜひそういった予算の要望もしていっていただければなというふうに思います。
大切な学習環境の一部であります。維持していくことに対して、こちらも財政局の理解を求めておきます。
また、学校のトイレの洋式化の予算、決算には関係ありませんけれども、市内の様々な施設におけるトイレの洋式化への要望が私のところにも入ってきております。市民の利便性の向上、観光振興による国内外観光客の増加、MICE誘致による来熊者の増加を考えれば、私は熊本市の取組はちょっと遅いのではないかなというふうに感じておる次第でありますので、こちらは全庁で点検をしていただいて、着実な整備を求めておきます。どうかよろしくお願いいたします。
続きまして、文化財費の不用額についてお伺いいたします。
不用額調書の中に、発掘調査件数の実績が見込みを下回ったために不用額が出ているといったような記載がございますが、この原因は何だと考えるのか、文化市民局長にお伺いいたします。
〔早野貴志文化市民局長 登壇〕
◎早野貴志 文化市民局長 埋蔵文化財の発掘調査は、年間の調査スケジュールに沿って計画的に進めており、明らかに年度内に執行を要しない予算は、2月補正において減額したものの、調査範囲の急な変更や予定していた調査が早期に完了した場合等には、新たな調査にも着手できるよう必要な予算を一定額確保していたところでございます。
しかしながら、令和5年度は当初の予定どおりに調査が完了しましたことから、不測の事態に備え、確保していた予算が不用となったものでございます。
〔田中敦朗委員 登壇 拍手〕
◆田中敦朗 委員 御答弁をいただきまして、不測の事態に備えて確保していた予算が不用になったということで、この件に関しては致し方ないということが分かりました。
以前、議会で問題提起させていただいた文化財課の人手不足、現在も解消していないために不用額が出たのかと心配しましたが、そうではないということです。
しかし、よく考えてこの結果を分析するのであれば、今後も不用額については、こういった不用が出るということは解消しないものの、予算が確保できているというのであれば、人手が足りていればこの決算額はさらに増えて、熊本市の開発はより進んでいたということ、これが前回の指摘と今回のこの決算の分析で明らかになったわけであります。
法に基づく調査が終わらなければ、開発を進めることはできません。今のペースの人員増であれば、以前のように二、三か月で調査完了という状況まで持っていくのには、3年以上かかるのではないでしょうか。文化財課の人手不足が市の発展、事業者の開発の遅延につながっていることを意識して、文化市民局におきましては、総務局、財政局と話合っていただき、早急に自体の改善を図るように求めておきます。
これほど明らかになっており、議会で指摘された問題をどのように局間の連携を取って解決していくのか、いまだに調査完了まで1年近くかかる状況をどれくらいかけて改善されていくのか、解決の期間が短くなることを期待して今後も見守ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、道路交通予算についてお伺いいたします。
道路交通予算については、その総枠に上限があり、そのキャップが何年も開放されていないというふうに側聞をしております。物価上昇、資材高騰、人件費増が生じているにもかかわらず、令和5年もそのキャップは外されなかったのか、都市建設局長にお伺いいたします。
〔秋山義典都市建設局長 登壇〕
◎秋山義典 都市建設局長 道路事業に関する予算につきましては、本市の編成方針に従い、歳入予算を反映した一定の枠組みの中で、道路の新設及び維持に係る予算が編成されております。令和5年度当初予算に関しましては、令和4年度と同様の枠組みにおいて編成されているところでございます。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 局長は枠組みと表現されましたが、令和5年は令和4年と変わっておらず、聞くところによると、令和6年もほぼその枠組みは変わっていないというふうに聞いております。
結局、これが何を生じさせるかといいますと、道路交通事業の全体量の縮減につながっていくと私は考えます。枠組みが同じである程度予算が変わらないのであれば、物価上昇、資材高騰、人件費増が起こっている今、枠に合わせるために事業の調整を行わざるを得ません。
これだけ渋滞解消が叫ばれる中で、そして社会情勢が激変する中で、枠組みが維持され続けていることは、私としては不思議でなりません。なぜこれまで枠組みの見直しを行わなかったのか、今後財政局にお伺いしていきますので、ぜひ納得のいく答弁をお願いしたいなというふうに思っておりますし、枠組みが変更され、道路交通予算が今後どんどん前進していくということを期待している次第であります。
続きまして、熊本市医療費助成に係る医療機関からの請求事務についてお伺いいたします。
一昨年、ある医療機関の方から、熊本市の医療費助成の請求が紙で行われている旨をお伺いいたしました。本当かなと、このICT、DXの時代に我が耳を疑いましたが、実際に紙で請求されているというようなことが現状でありました。
それでは、この医療費助成について令和5年度においても変わらず紙で請求するようになっているのでしょうか。また、年間の請求件数は何件でしょうか、重度心身障がい者医療分も合わせまして、こども局長にお答えいただければと思います。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕
◎木櫛謙治 こども局長 医療費助成における医療機関からの請求は紙請求でございましたが、重度心身障がい者医療費助成につきましては、本年8月分の診療分から医療保険の電子レセプトを活用した請求に変更しておりまして、こども医療費及びひとり親家庭等医療費助成につきましても、12月診療分からの運用開始を目指して準備を進めております。
医療機関からの令和5年度の請求件数は、重度心身障がい者医療費分が1万4,889件、こども医療費分が1万6,842件、ひとり親家庭等医療費分が1万5,690件で合計4万7,421件でございます。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 答弁から、令和6年度から電子レセプトということで、令和5年度はやはり紙で請求ということでございます。4万7,421件、紙に打ち出して郵送すると。そしてそれを受け取った熊本市が、4万7,421件処理をすると。紙で処理をするというような状況が、令和5年度も行われていたということが分かりました。
しかし、御答弁いただきましたとおり、令和6年度になって電子レセプトに変更するということで、変わったことは本当によかったなというふうに思いますけれども、やはりこれをできるところからでも電子レセプトに迅速に変えていけなかったということは、私としましては残念でありますし、先日改善をしていただきましたけれども、金融機関へのデータの送付にまだフロッピーなどの媒体が活用されていたということと合わせまして、DXやICT、効率的な行政の実現、行政改革を推進すると熊本市は発信されておりますけれども、その本気度をいぶかしんでしまうというような状況であります。
議員や市民、事業者から言われる前に、有言実行で業務の点検と効率化をしていくために、一度全庁を挙げてDXやICT活用による行政改革についてのチェックをされた方がよいのではないかというふうに思っている次第であります。
それでは、続きまして、熊本市児童館管理運営経費についてお伺いをいたします。
ある市民の方からちょっとお伺いいたしましたが、選挙関係で児童館が閉鎖されているのではないかというふうなことをお伺いいたしまして、そのことについてぜひお伺いしたいと思っております。
選挙関係で児童館を閉鎖したり、投票所としたことがあるのか、そういった箇所と日数をぜひお伺いしたいと思っております。
そういったことがもし起こっているのであれば、児童館利用者の不利益につながり、子育て支援の観点からは、今後改善すべきなのではないかというふうな声が市民から上がると考えますが、そういったことが実際に起こっているのであれば改善の意思はあるのか、こども局長にお伺いいたします。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕
◎木櫛謙治 こども局長 本市が政令指定都市に移行した平成24年度以降、18回の選挙が執行されておりますが、児童館を投票所とした施設が1か所ございまして、平均約14日間児童館の一部のスペースが期日前投票所として使用されました。
期日前投票所として使用されたプレイルーム以外の図書室や図工集会室は御利用いただける状態としておりましたが、児童館はこどもの遊び場であると同時に、子育て家庭の支援施設として多くの方に御利用いただいておりますことから、選挙期間中の児童館機能の確保について所管の区選挙管理委員会事務局と協議をしてまいります。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 閉鎖はされていないということで、その点に関しては安心をいたしました。しかし、子育て支援施設が選挙によって制限されるということは、投票の機会の確保のためとは言っても、その是非が問われるところではないかなというふうに思う次第であります。
当然様々な検討をされ、施設の規模等の要因で致し方ない点があることは理解はいたしますが、投票のための代替施設はないのか、近隣施設の活用を検討したり、さらなる投票機会の増加のために、民間施設の空きスペースの活用はできないかなど、徹底的に検討した上での結果なのかどうか疑問が残ります。徹底的に検討した上で制限されたというふうな結果であることを祈りつつ、今後何らかの改善が行われることを期待している次第であります。
さて、2年ぶりの決算質疑でありましたが、改めて「ヒト・モノ・カネ」の余裕のなさから事業の遅滞や改善の遅滞が見受けられる次第であります。財政健全化のため、持続可能な市政を維持していくためとは理解をしておりますが、今後決断の先延ばしや工夫をする前に前例踏襲したり、諦めたりといったような理由で改革や改善が先延ばされることがなきように心からお願いを申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。
御答弁いただきました執行部の皆さん、本当にありがとうございました。(拍手)
○紫垣正仁 委員長 田中敦朗委員の質疑は終わりました。
ここで委員の方々に申し上げます。
午前11時28分になろうとしておりますが、引き続き質疑を続けます。
熊本自由民主党市議団の質疑を行います。持ち時間は60分となっております。
まず、北川哉委員の質疑を行います。
〔北川哉委員 登壇 拍手〕
◆北川哉 委員 皆様、こんにちは。
熊本自由民主党市議団の北川哉です。会派の先陣を切り、令和5年度の決算総括について質疑いたします。
決算の精査としましては、一般会計において総括や指標を基に、各種決算資料や監査委員意見書を拝見して単年度での実質収支や推移を基に、また財政指標に関してや部門別主要施策の概要や成果報告についても質疑をさせていただきます。
令和5年度も令和4年度に引き続き感染症への対応もまだ必要だった年度でもあり、その影響による物価高騰等で経済への影響も多大に出たことによる決算への影響も見られました。決算の概要、決算規模及び収支の状況では、決算規模は過去3番目となっており、歳入と歳出の差額、差引額から翌年度へ繰り越すべき財源を除いた実質収支も過去3番目と大きく、税収に関しては過去最高を更新したとのことでした。
令和4年度の実質収支が70億2,719万円、令和5年度の実質収支が64億4,455万円とのことで、単年度の収支を考えれば赤字となりますが、全体総評としては、安定的な運営がなされたのではないかと思っております。
安定的な運営がなされていると思っているのであれば、質疑をしないでもいいのではないかということにはなりますが、全体的な視点ではよいが、その詳細を知りたいとのことで質疑させてください。
そこで、まずは歳入の状況について質問いたします。
一般会計収支状況での翌年度に繰り越すべき財源の増加の詳細について。
令和5年度決算歳入と歳出の差引額は108億5,384万円、翌年度に繰り越すべき財源は44億930万円、令和4年度決算歳入と歳出の差引額は90億8,146万円、翌年度に繰り越すべき財源は20億5,427万円となっておりました。
令和5年度の翌年度に繰り越すべき財源が約24億円多くなっています。多くなった詳細を教えてください。
次に、市税歳入増加要因としての固定資産税及び都市計画税の増加となった家屋課税棟数増加等についてお聞きいたします。
熊本市の決算概要説明では、家屋課税棟数増加は大型マンションの新規課税を含むとあるが、新規課税の説明とそれ以外の課税棟数増加につながった要因はあるのか、教えてください。
次に、歳出の状況について質問いたします。
人口減少(少子化の状況)を鑑みた場合の義務的経費の今後の見込みと対策について。
歳出決算内訳での義務的経費は、令和4年度、2,366億円、歳出全体の59.2%を占めていたのに対し、令和5年度は2,418億円、全体の60%を占めるようになりました。
評価検証では、熊本市での出生数が令和5年度で概数ではあるが5,345人と、令和元年の6,293人、5年の間で約1,000人の熊本市での出生数が減っています。
第7次総合計画の評価・検証の総論では、問題として人口減少への対応は自然減、社会減対策だけでは不十分と述べられています。財政的観点からも、中期見通しと人口推移に関しても考え直さなければいけない状況に来ていると思いますが、お考えをお聞かせください。
以上、3点を財政局長にお尋ねいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 決算について3点のお尋ねについてお答えいたします。
まず、令和5年度決算におきます翌年度に繰り越すべき財源は、前年度決算と比較して約24億円の増となっております。
主な増加の理由は、令和5年度に予算化した電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援給付金事業などの物価高騰対策関連事業の令和6年度への繰越額が、対前年度で約21億円増加したことなどによるものと分析しております。
2点目の固定資産税及び都市計画税の増加につきましては、令和5年度の固定資産税及び都市計画税の増収の主な要因は、マンションや戸建て住宅などの建設が増え、課税対象家屋が増加したことや新型コロナウイルス感染症に伴う土地に係る特例措置が終了したことによるものでございます。
3点目の義務的経費のうち扶助費につきましては、少子化が進めばこども関連経費は減少傾向となり、高齢化が進めばその関係経費は増加傾向になるなど、世代別の人口増減が扶助費の増減の大きな要素になると見込んでおります。
熊本市財政の中期見通しでは、現時点における対象者数の推計等を基に将来の見込みを算出しておりますが、引き続き人口動態を注視しながら適切な試算を行ってまいりたいと考えております。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 翌年度に繰り越すべき財源についてお聞きしましたのは、歳入と歳出の差引額から翌年度に繰り越すべき財源を引いた実質収支という観点でのお話をする場合に、一概に歳入が増え、歳出が減り、しかしながら、不用額がないように予算組みをしてその中で翌年度に繰り越すべき財源を考えていくなど、財政局としては数多くのことを考慮しながら市の財政を担っている難しさを改めて実感したことで、物価高騰の影響もあり、その内訳はどういったものなのかを疑問があったため、質問いたしました。
自然歳入増加の要因の家屋課税棟数の増加については、新規課税と示してありましたので新たな税金ができたのかと思いましたが、新規に棟数が増えたため、課税額が増えたとの意味と分かりました。また、感染症での特例措置終了による増加も分かります。納得いたしました。
少子化人口減少による義務的経費に関しては、答弁のとおりに推移していきますが、将来的に税収減となることや財政規模的にも当然減っていく中で、市政運営に大きく変化を求める必要性が出てくることを危惧しての質問でした。より正確に人口動態を考察して熊本市の財政を見ていってほしいと思います。
続きまして、財政指標についてお尋ねいたします。
昨年度は公債費の質問をしまして、令和3年度以降の公債費増の要因としては、元金償還が増加、本格化してきたことによるもので、今後も増加するものと見込んでいる。しかし、その償還財源である臨時財政対策債は全額が交付税措置され、熊本地震復旧関連市債に関しても手厚い交付税措置があるから、実質公債費比率などの財政指標としての影響は限定的との答弁がありました。
そこで、今年度も公債費と関係のある財政指標として、その一つである財政力指数について質問をいたします。
令和4年度は0.70ポイント、指定都市の中では18番目の下位でした。令和5年度が0.69ポイントとさらに下がり、指定都市の中では19番目とさらに下位となってしまいました。昨年度の答弁では、「財政力指数を改善するためには、標準的に必要な経費として算定される基準財政需要額に対して、市税等を基礎に算出される基準財政収入額の割合を上げていく必要があり、例えば企業誘致の推進による固定資産税の増など、税源涵養の取組を進めていく必要があると考えている」との答弁がありました。
令和5年度は、市税等の基礎に算定される基準財政収入額の割合は上がっていると思いました。その中で、財政力指数が下がった要因について教えていただきたいと思います。
財政局長にお尋ねいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 個人及び法人市民税や固定資産税等の税収の増加により、基準財政収入額は増加しております。
一方、それを上回る形で障がい者支援や介護給付等の社会保障関係経費が増加により基準財政需要額も増加しているため、財力指数は昨年度より0.01ポイント低下しております。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 財源涵養の取組の成果が財政力指数の改善に進むものと思いましたが、これは当然分母、分子の関係がありますので、一概によくなるものではないとも思っておりましたが、昨年度の質問から考えた疑問でした。今後、社会保障関連経費等の需要額は増えていくものと思われますので、注視していきながら、今後も市税をはじめとする自主財源の確保や国の補助制度、また民間の活力等を生かし、事業の見直しや効率化を進めていただきたいとお願いして、次の質問に移ります。
次に、決算状況報告書、部門別主要施策の概要および成果報告について質問いたします。
まずは、文化市民局分に関して一括して4項目質問いたします。
決算状況報告書75ページ、主な取組としてまちづくり支援機能の強化についてをお尋ねいたします。
まちづくりセンター地域担当職員の地域での活動件数が実績値として提示してあります。
そこで、お尋ねとして地域担当職員制度ができて何年になるでしょうか。また、地域での活動が制度開始当初は手探りであったにもかかわらず、すばらしい活動により大変好評でありました。今も大切で大事な役目を担っていただいておりますが、活動内容が前例踏襲となり、新たな時代のニーズに合ったものになっていないようにも感じるときがあります。
以上、2点についてお尋ねいたします。
引き続き、決算状況報告書81ページ、主な取組として消費者被害救済体制の充実についてお尋ねいたします。
検証指標の消費生活地域見守りサポーター養成講座修了者数が、令和4年度の174人から令和5年度は621人と大幅に増加となっています。大変いいこととは思うのですが、どうして急増したのか、また、養成講座の内容を教えてください。
続きまして、決算状況報告書82ページ、主な取組として学びの機会の提供と創造についてお尋ねいたします。
検証指標の公民館利用者数が基準値の平成27年度の82万7,530人に比べても、令和5年度でも54万987人と、熊本地震やコロナ禍を経て期間がたっても利用者数の回復とは至っていない状況と思われます。その原因と考えられることをお聞かせください。
また、施設の不足や講座内容の不足、施設利用申請システムの不良などがあったら教えてください。
続きまして、決算状況報告書89ページ、主な取組として市民ニーズに的確に対応できる行政サービスの提供についてお尋ねいたします。
マイナンバー制度推進事業でのマイナンバーカード申請率が94.51%に対して、交付率が82.66%となっております。この差はどうしてなのか、教えてください。
また、コンビニ交付サービス手数料10円化の実施によるコンビニ活用率55%を得ての今後の方針についてお聞かせください。
以上、4項目について、文化市民局長にお尋ねいたします。
〔早野貴志文化市民局長 登壇〕
◎早野貴志 文化市民局長 お尋ねの4項目に順次お答えします。
まず、1項目めの地域担当職員でございますが、地域担当職員は熊本地震後の地域のつながりや地域力の向上を図るとともに、人口減少、少子高齢社会が進展する中、防犯・防災・福祉・環境美化など地域における様々な課題に対応するため、平成29年4月に配置し、本年度で8年目となります。
しかしながら、コロナ禍により停滞した地域活動の再開や地域コミュニティの希薄化に伴う地域活動の担い手不足など、地域の課題も複雑・多様化しており、現在、地域人材の発掘や企業との連携などの役割の拡充に向け検討を進めているところでございます。
次に、2項目めの消費生活地域見守りサポーター養成講座の修了者数が令和5年度に大きく増加した要因につきましては、同年9月に、本市と包括連携協定を締結いたしました第一生命保険株式会社の社員の皆様404名に受講していただいたことによるものでございます。
養成講座については、弁護士や熊本県警察等を講師といたしまして、最新の消費者詐欺の手口や消費者トラブルの相談実例などの講習を実施しているところでございます。
次に、3項目めの公民館利用者数が回復に至っていない要因についてでございますが、コロナ禍で利用できない期間が長かったことが影響し、特に同じ趣味を持った市民の皆様が自主的に運営する生涯学習自主講座において、講師の高齢化や講座生の減少により講座開設数が減少したことが大きな要因でございます。
そのため、令和6年度から自主講座の開設基準の緩和や新たな市主催講座を開設するなど、利用者増に取り組んでいるところでございます。
次に、4項目めの国が公表しているマイナンバーカードの申請率と交付率の差については、申請後の転出や死亡等により交付ができなかった場合や、個々の事情によりカードを受け取られていない場合などによるものと考えております。
最後に、コンビニ交付サービスの今後の方針については、コンビニ交付の手数料10円化により、令和5年度の活用率は55%まで上昇しており、窓口より安価で夜間や休日にも取得できるなど、コンビニ交付のメリットを多くの市民の皆様に実感いただけたものと考えております。
コンビニ交付の手数料は現在も窓口の半額に設定しており、引き続きコンビニ交付のメリットを窓口や市ホームページ等で積極的に広報し、コンビニ交付のさらなる推進を図ってまいります。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 地域担当職員さんが担う仕事は、その地域にとって頼りになり、その役割は大変大きなものです。市の事業では、前はよかったけれどもねといった評価をされてしまうこともあります。地域担当職員制度やまちづくりセンターが担うものに関しては、今後ともよりよい形で継続していっていただきたいとの思いを持っての質問でした。よろしくお願いいたします。
消費生活地域見守りサポーター養成については、18歳から成人となり、若い頃よりローンなどのいわゆる借金を重ねるおそれもあります。若年であれば相談もしにくい環境下におかれるおそれもあり、多重債務やともすれば犯罪に巻き込まれるおそれも出てきます。その点においても、養成講座修了者が多くいてくれる安心感はあります。今後とも継続的な取組をお願いいたします。
公民館の利用者減少については、公設公民館を私が訪れたときに感じたことがありました。その中では、答弁でもありました新たな市主催講座の開設や、自主講座開設に関する説明会の案内などを目にすることがありました。数々の努力の跡が見られたときでしたので、その努力が施設や講座内容の不足や利用申請の不備があってはいけないなと思い質問いたしました。今後ともよろしくお願いいたします。
マイナンバーカードの状況は把握できました。マイナ保険証などのマイナンバーに関する不安や懸念はありますが、よりよい制度となるような取組をお願いいたします。
次の質問に移ります。
引き続き、部門別主要施策の概要および成果報告について質問をいたします。
決算状況報告書178ページ、主な取組として熊本城の着実な復旧と公開についてお尋ねいたします。
検証指標の熊本城特別公開入園者数が、令和5年度で135万3,520人とのお示しがあっております。
そこで質問として、特別公開の入園者数とは熊本地震前の入園者数と何か違いはあるのでしょうか。また、過去の最大の年間入園者数とは、どのぐらいの差がありますか。
次に、シャトルバスの通常便利用者数が令和5年度で9万3,300人というお示しがあっておりますが、入園者数との差が大きくあり、シャトルバスの利用に対する周知不足や利用ルートや乗降場所が適切なのか、適正なのかと不安になります。その点についてお考えをお聞かせください。
担当である文化市民局長、経済観光局長にお尋ねいたします。
〔早野貴志文化市民局長 登壇〕
◎早野貴志 文化市民局長 私からは、熊本城の入場者数に関する2点のお尋ねにお答えします。
熊本城は熊本地震後の令和元年度から、今しか見ることができない復旧過程を御覧いただくため、特別公開と銘打って開園しており、地震前の平成27年度の入園者数は約177万人であり、令和5年度の135万人と比較すると約42万人の差がございます。
次に、過去の最大年間入場者数との差については、熊本城築城400年に合わせ本丸御殿の復元が完了した平成20年度の入場者数は過去最大の約220万人であり、令和5年度と比較すると約85万人の差がございます。
今年度の入場者数は昨年度を上回る見込みでありますが、引き続き熊本城の復旧過程の公開に力を入れ、国内外から多くの方にお越しいただけるよう努めてまいります。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕
◎村上和美 経済観光局長 熊本城無料シャトルバスは、桜の馬場城彩苑のオープン時に、高低差がございます城彩苑と熊本城を結ぶ移動手段といたしまして、高齢者やお子様連れなどの皆様の利便性向上のため運行を開始したところでございまして、その利用者数と熊本城入園者数との乖離はあるものと認識しております。
次に、運行ルートや乗降場所につきましては、熊本地震の復旧工事の状況等踏まえながら見直しを行っており、本年7月に運行ルートを行幸坂往復といたしますとともに、乗降場所を特別見学通路の料金所近くへと移動いたしましたところ、8月の利用者数につきましては、前年同月比で倍増となったところでございます。
今後も観光ガイドブックやウェブサイト等での紹介をはじめといたしまして、現地での案内を強化するなどシャトルバスの利用促進に努めてまいりたいと考えております。
〔北川哉委員 登壇 拍手〕
◆北川哉 委員 熊本城には、多くの方が徒歩にて上っていくのを目にします。より多くの方に、私たちの宝である熊本城を目にしていただきたいとの思いが強くあります。
私たち熊本市民の多くは、平山城である熊本城天守閣までの道のりを知っているので、それをきついと思うか、大したことはないと思うかは人それぞれと思います。難攻不落の名城ですので、城彩苑から二の丸までの南坂付近を歩いて上っていくのは、多くの方にとってはつらいものであると思います。
城彩苑を通っていただき、熊本の経済に貢献していただくことは大切ですが、より多くの方に熊本城に来たときにつらい思いをせずに、熊本はよかったと思っていただけるようにしたいとの思いです。
現在の入園者数でも訪れる方が多くいてくれるなと思っておりますが、熊本城のポテンシャルは過去の入園者数を聞いてまだまだあって、これからがさらに魅力を発信して多くの方に来ていただけるようにできると思っています。熊本はよかったと思っていただけるようにしていきましょう。
続きまして、決算状況報告書189ページ、主な取組として市民協働、民間活力の導入による公園の管理運営と魅力ある公園づくりについてお尋ねいたします。
検証指標としての公園長寿命化計画に基づき改修した公園数で、令和2年度~令和5年度まで毎年28か所、21か所、35か所と改修をされておりますが、今後の改修計画をお聞かせください。
都市建設局長にお尋ねいたします。
〔秋山義典都市建設局長 登壇〕
◎秋山義典 都市建設局長 公園施設長寿命化計画に関しましては、主に遊具を設置しております605公園を対象に、施設の計画的な更新及び延命化を図ることを目的に策定したものでございまして、本計画に基づきこれまでに246公園の改修を行っております。
遊具を中心に施設の設置年数や劣化の状況を踏まえまして、改修のスケジュールを決めているところでございますが、各区土木センターの点検におきまして、早期改修の必要性を確認した場合には、適宜スケジュールの見直しを行うなど柔軟な対応に努めております。
今後、毎年度15公園程度の改修を予定しておりまして、引き続き現場の状況を的確に把握した上で、優先順位を付けながら地域の皆様に安全で快適に御利用いただける公園整備を推進してまいります。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 公園の遊具や柵などの公園施設に関しては、老朽化によるものなど多くの市民の方から不具合のお問合せや要望を受けます。
先日の西岡議員や松本議員のゴムラバーもそうであると思います。私は熊本弁では言いませんが、改修の必要が分かっていて改修を後回しにしてしまい、不具合によりけがや不快な思いになることは本末転倒です。改修スケジュールの決定や早期の対応に当たるためには、予算が必要になります。改修が必要なところは計画を立ててやっていただいているのも分かりますので、そのスケジュールが市民の皆様が気になるようになる前に、早め早めの改修ができるような予算が今後ついていくことを望みます。
最後の質問になります。
決算状況報告書225ページ、主な取組として、自ら学び向かう力を育む教育の推進についてお尋ねいたします。
検証指標の授業支援アプリの使用率は、令和4年度に比べ令和5年度は増加している。しかし、学習ドリルアプリの使用率は、10%減少しております。コロナ禍から通常に戻ったこともあり減少しているとも考えられますが、自ら学び向かう力を育む教育を目指しているのであれば、厳しい数字かと思います。減少している原因と今後の取組についてお聞かせください。
教育長にお尋ねいたします。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 学習ドリルアプリについては、児童生徒1人1台端末の導入に合わせて活用の働きかけを行ったことに加え、コロナ禍の状況により令和3年度の使用率が大幅に増加したところです。
しかしながら、御指摘のように、令和4年度以降は対面による様々な活動ができるようになってきたことや、日課の工夫によって朝自習が削減されてきたことなどに伴い、活用の場面が徐々に少なくなったことが使用率減少の原因だと考えております。
学習ドリルアプリの活用は、児童生徒の学力向上に加え、教員の働き方改革の観点からも有用だと認識をしており、今後もAIドリル機能について活用事例の周知等を行い、使用率向上に取り組んでまいります。
〔北川哉委員 登壇〕
◆北川哉 委員 小学生と中学生の息子が、以前よりタブレットを使って自学などをしなくなったと感じます。うちの息子たちは進んで勉強するといったタイプではなく、野球ばかりしていて親としては心配になりますが、もしかしたらトンビが鷹を生むかなと思っておりましたが、トンビはトンビでしかないのかなと今思っております。
しかしながら、私であったりとか、息子たちのようにではなく、熊本市の児童生徒全体がそれではいけないと思っております。勉強したいと思ってより向上を目指すこどもたちには、よりよいツールを準備して学んでもらいたいとの思いがありますので、今後ともよろしくお願いいたします。
本日もですが、昨日より指定都市PTA情報交換会熊本市大会が、この本市で行われております。市長、教育長、議長、ありがとうございました。その中でも、ICTに関することなど保護者や教職員、教育関係者による学びがあっております。ICT教育の先進といわれる本市ですので、後退することなくこどもたちの学びを最大限引き出すことができるように、今後ともよろしくお願いいたします。
以上で、私の用意した質疑は終わりました。真摯にお答えいただいた執行部の皆様にお礼を申し上げます。ありがとうございました。
次は、松川善範委員に引き継ぎます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○紫垣正仁 委員長 北川哉委員の質疑は終わりました。
質疑の途中ではありますが、この際議事の都合により休憩いたします。
午後1時ちょうどに再開いたします。
午後 0時01分 休憩
───────────
午後 1時00分 再開
○紫垣正仁 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質疑を続行いたします。
熊本自由民主党市議団、松川善範委員の質疑を行います。
〔松川善範委員 登壇 拍手〕
◆松川善範 委員 皆さん、こんにちは。
熊本自由民主党市議団の松川善範でございます。
午前中の北川委員よりバトンをいただきましたが、何分初めての総括質疑となります。精一杯務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、早速質疑に入らせていただきます。
決算状況報告書46ページ、政策名、効率的で質の高い市政運営の実現、施策名、国際社会に対応した取組の推進についての質問です。
今月3日付の新聞紙上で、県内の2023年末の在留外国人数が2022年末より23.9%増の2万5,589人となり、過去最高を更新したとの記事が載りました。特に台湾からの在留者は1,549人と、6月末時点511人の3倍超を記録したそうであります。これは熊本県の外国人材との共生推進本部で明らかにされたものであります。
そして熊本市では、これも2023年末で9,061人、前年末比1,789人増で、熊本総人口に占める外国人住民の割合は約1.24%と過去5年間で最大とのことでした。さらに9月1日現在で調べましたところ、9,953人、前年比1,683人増で、割合も約1.36%に増えています。
このような状況を踏まえ、本年3月に第2期熊本市国際戦略が策定され、目指す姿、世界に認められる「上質な生活都市」実現のため、戦略的な施策を推進されていることと理解しております。そしてこの戦略の中には、基本施策の中で多文化共生社会の推進を掲げ、取組方針、熊本市国際交流会館を拠点とした多文化共生ネットワークの構築としてその取組が記載されております。
さらに、特に重点的に取り組むものとして、リーディングプロジェクトにも国際交流会館の更なる活用の検討が制定されています。
そこで、お尋ねいたします。
熊本市国際交流会館ですが、まさにこれから今まで以上に先ほどの基本施策、多文化共生の推進の実現のための拠点としての役割が大きくなると考えますが、市長はこれから国際交流会館の果たすべき役割をどのようにお考えかをお聞かせください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 本市では、熊本市国際戦略において国際交流会館を多文化共生の拠点と位置づけておりまして、これまで各種関係機関と連携をしながら異文化理解や地域国際化に資する事業を実施してまいりました。
今後、在住外国人が増加、多様化することが想定される中、国際交流会館の多文化共生の拠点としての重要性は高まると考えておりまして、例えば地域日本語教室での語学習得や異文化交流の場の拡充、地域やまちづくりセンターでの交流事業への在住外国人の参画など、さらに関係機関とのネットワークを広げながら、多文化共生の取組を推進してまいりたいと考えております。
〔松川善範委員 登壇〕
◆松川善範 委員 ありがとうございました。
今市長から、今後、国際交流会館は、多文化共生の拠点としての重要性が高まるとの御答弁でした。そして地域日本語教室での語学習得や異文化交流の場の拡充のほか、交流事業への在住外国人の参加、関係機関とのネットワークを広げながら、多文化共生の取組を推進していくとのことでした。今後の国際交流会館を拠点とした取組に注目し、また期待をしたいと思います。
つい先日、8月31日、9月1日の2日間、開館30周年の記念イベントが開催され、台風直後にもかかわらず、講演会もほぼ満席となるなどすばらしいイベントで、大変な盛り上がりだったと伺っております。大変うれしく思ったところです。
さて、その国際交流会館ですが、30周年を迎えた平成6年に建てられた建物です。建築されて30年が経過し、46ページにもあるとおり、改修工事も公共施設等総合管理計画、実施計画に基づいて実施されているわけですが、本市の公共施設等総合管理計画や公共建築物長寿命化指針では、公共建築物の耐用年数を70年にすることや、総延べ床面積を20%削減することを目標に定めています。先ほど市長が答弁された拠点としての重要性が高まる中、耐用年数の中間年である35年も迫ってきています。大変気になるところであります。
そこで、お尋ねします。
拠点として今以上にその役割が期待される中、今後大規模改修をどのように考えておられるのか、いつ計画されているのか、その検討状況を政策局長にお尋ねします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 国際交流会館は今年で築30年を迎えておりまして、これまで熊本市公共建築物長寿命化指針にのっとり、空調や外壁等必要な施設改修を進めてきております。また、目標耐用年数の中間年となる築35年を目途に、大規模改修工事も計画をしております。
今後とも国際交流の拠点として市民の皆様が安心して快適に活用できるよう施設の維持管理に努めてまいります。
〔松川善範委員 登壇〕
◆松川善範 委員 ありがとうございました。
目標耐用年数の中間年となる築35年を目途に、大規模改修工事を計画しているとの御答弁でした。そして市民の皆様が安心して快適に活用できるよう維持管理に努めていくとのことでした。
築35年を目途であれば、5年後に迫っています。会館の利用ですが、今でも結構先まで予約が入っている状況とお聞きします。仮に大規模改修が計画されるとなれば、利用者の皆さんへの周知はもちろんですが、その間、改修しながら利用が可能なのか、仮に休館が必要になった場合は、拠点としての機能をどこで代替するのかの検討も必要だと考えられますので、5年先ではありますが、早め早めの検討をお願いします。
最後に、これは要望ですが、これは来熊された他指定都市の議員さんからの指摘で気づかされたものですが、残念ながら現在の会館のトイレですが、地下2階から7階までのうち、洋式化の改修がなされているのが地下2階と4階と5階、多目的トイレは整備されており、約8割は洋式化が進んでいるとのことですが、特に3階には国際会議室、2階には交流ラウンジ、1階はエントランスホールとカフェなど外国人の利用が多いフロアです。
また、6階、7階はホールもあり、今申し上げた1階から4階と、6、7階の洋式化が不十分な状況です。多文化共生の拠点として備える設備として、またおもてなしの面からも早急な改善を要望しておきます。
次の質問に移ります。
決算状況報告書106ページ、政策名、生涯を通して健やかで、いきいきと暮らせる保健福祉の充実、施策名、高齢者、障がいのある人などが豊かに暮らせる環境づくりについての質問です。
主な事業の内容、成果、方針中の事業名、民間活力を活用した健康づくり事業についてお尋ねいたします。
この事業は、コロナ禍の影響により地域の通いの場の数が減少していること、また、通いの場に参加する高齢者、特に男性や前期高齢者の参加割合が低いために改善が必要であり、誰もが参加しやすい健康づくりの場を確保するための新規事業だったと理解しています。
そこで、3点お尋ねいたします。
1点目が、決算額3,700万円の内訳を教えてください。
なお、委託料の支払いは成果に応じた支払い、成果連動型民間委託契約方式とのことでしたが、その成果はどのように測られたのか、それは数値として出るものなのかも合わせてお尋ねします。
2点目が、通いの場に参加する高齢者、特に男性、前期高齢者を増やすための事業とのことでしたが、参加者493人の内訳として、男性、前期高齢者の割合はどうだったのか、それは想定目標人数に対して多かったのか少なかったのか教えてください。
3点目が、事業内容として事業終了後の活動継続の仕掛けがあったかと思いますが、具体的にどのように活動継続の働きかけがなされ、実際に多様な運動継続の場への移行は進んだのか、その把握方法も合わせてお尋ねします。
以上、3点について健康福祉局長にお尋ねします。
〔林将孝健康福祉局長 登壇〕
◎林将孝 健康福祉局長 民間活力を活用した健康づくり事業に関する3点のお尋ねに順次お答えいたします。
まず1点目の決算額の内訳及び成果の算出方法でございますが、民間活力を活用した健康づくり事業は成果連動型民間委託契約方式を採用しており、決算額3,700万円の内訳はプログラム開発等初期構築経費が800万円、運営経費が2,600万円、そして成果報酬額が300万円となっております。
また、成果指標は基本チェックリスト改善度、運動習慣の改善度、プログラム参加者の参加率の3項目であり、基本チェックリスト及び運動習慣の改善度につきましては、事業開始前と終了後に調査を行い数値を把握しております。
次に、2点目の男性及び前期高齢者の参加割合につきましては、令和5年度においては、参加者493人のうち男性は約29%、前期高齢者は約75%でした。これまでの通常の通いの場の割合である男性約20%、前期高齢者約29%を上回っており、地域の介護予防活動に参加の少なかった年齢層に対しての参加促進として十分な成果があったものと考えております。
最後に、3点目の事業終了後の活動継続の働きかけでございますが、本プログラムにつきましては、事業終了後も活用していきたいと考えており、現在、参加者が自ら体験したプログラムを身近な場所での健康づくりや介護予防に活用できるよう、通いの場の立ち上げ支援等に取り組んでいるところです。
既にプログラム参加者主体の通いの場が2か所、運動継続のための場が6か所立ち上がっており、引き続き高齢者支援センターささえりあ等から通いの場の活動状況等の把握に努めるとともに、本プログラムも活用しながら介護予防活動を推進してまいります。
〔松川善範委員 登壇〕
◆松川善範 委員 ありがとうございました。
3,700万円のうち、成果連動型民間委託契約方式での成果報酬が300万円で、その成果は成果指標が3項目設定されており、事業の開始前と終了後に数値を把握して評価せれているとのことでした。
また、参加者493人のうち男性は約29%、前期高齢者は約75%だったとのことで、特に前期高齢者の参加の割合が高かったようでありまして、十分な成果があったとの御答弁でした。
そして事業終了後の活動継続の働きかけですが、参加者が自ら体験したプログラムを身近な場所での健康づくりや介護予防に活用できるよう、通いの場の立ち上げ支援等に取り組んでおられ、その結果として、既にプログラム参加者主体の通いの場が2か所、運動継続のための場が6か所立ち上がっているそうであります。
今回、新規事業であるこの事業のヒアリングをさせていただきましたが、御答弁にあったように、大変大きな成果が上がっている事業であることを実感いたしました。誰もが参加しやすい健康づくりの場を確保することは、特に御高齢者にとって大変大事なことだと思います。対象とする年齢層の拡大も、9月5日から始まっている募集の中でなされているようです。
特にコロナ禍の影響が大きかった通いの場ですので、この事業の効果によって場の数が早くコロナ禍前以上に、参加者も国の目標値を超えるまでに増えることを期待しております。
以上で、私の質疑を終わらせていただきます。
次は、我が会派幹事長、高本一臣委員にバトンを渡したいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○紫垣正仁 委員長 松川善範委員の質疑は終わりました。
次に、高本一臣委員の質疑を行います。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 我が会派3番目の質疑になります。簡潔に質疑等させていただきたいと思います。
まず1つに、大学と連携した新たな教員人材確保策の強化670万円の予算に対し、598.6万円が執行された教職員人材確保推進経費、報告書には225ページとなっておりますが、これについてお尋ねいたします。
この事業は、教員志望者の減少や大量退職により教育不足の対策として中長的な人材確保策の一つとして大学と連携し、教員志望の学生が本市の教育とともに、働きながら、そして大学で学んだ理論と本市の教育現場での体験活動を往還しつつ、教員としての資質・能力や本市の教員となる志望動機を高めてもらうことを目的として行われ、初年度は経験していただく人数を1校で週当たり延べ3人を想定。受け入れる学校は、各区当たり小学校1校、中学校1校の合計10校を考えて、新たな事業として昨年度から始まりました。
事業1年目でありますが、実施状況と課題、その対策も含めて教育長にお尋ねいたします。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 教職員人材確保推進経費により、昨年度、大学生学校教育活動アシスタントとして41名の学生が17の小中学校で活動し、学校現場の活動を実体験しつつ、謝礼を得られる学生側、日頃からマンパワーの不足に悩む学校側の双方から歓迎されたところです。
また、アシスタントのうち6名の学生が本年度の本市の教員採用試験を受験いたしました。
課題としては、各区に均等にアシスタントを配置しようとしたところ、学生のニーズとのマッチングが難しかったことから、本年度は学生の希望の多い中央区に多くの学生を配置することとしております。
また、昨年度は1年を通じて同じ学生を配置しましたが、より多くの学生に活動していただくため、本年度は前期と後期に分けて配置することとしております。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 この事業は本市財政の硬直化が進む中、新しい数少ない新規事業として私は期待をして、昨年の第1回定例会ですね、新規事業として計上されたときに質疑をさせていただいております。初年度でありますが、予想以上の応募があり、学生側、受け入れる学校側の双方から好評だったということであります。まさしくウィン・ウィンの事業となったことが理解をできました。
課題も幾つかあったようですが、6人の方が、そこにアシスタントとして行かれた6人の方が受験されるということで、その6人の方がもともと受験をする予定だったのか、あるいはこのことをきっかけに受験につながったのか、その辺のところはさだかではありませんが、そういった課題も幾つかあったようです。
今年度はさらに予算も拡充されたようですし、事案を希望する全ての学生が経験でき、そしてひいては採用試験の受験につながるよう期待をいたします。
生徒や児童は、指導していただいた先生次第で将来の人生が大きく左右されるといっても過言ではありません。質の高い指導ができる教職員が多く輩出されることを願いまして、次の質疑に移らせていただきます。
職業訓練センター管理運営費等について、決算状況報告書173ページです。2点お尋ねいたします。
まず、目的に対する成果について。
検証指標の受講者数はここ数年横ばいで、実績は検証値に達しておりません。労働人口減少の中でも、特に様々な分野での技術者不足が問題になっている中、職業訓練センターでの技術の習得は、産業人材を育てる意味でも重要だと考えます。
しかし、なかなか実績が検証値に達していない、その現状をどう捉えているのか、人材育成に受けた対策を経済観光局長にお尋ねいたします。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕
◎村上和美 経済観光局長 職業訓練センターにおきましては、国や県などと連携し、認定職業訓練をはじめ、職業能力開発に資する講座等を実施しているところでございまして、検証指標であります受講者数につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大等の影響により減少し、その後回復傾向にはあるものの、コロナ禍前の水準には戻っていない状況にございます。
今後につきましても、関係機関と緊密な連携を図りながら、求職者の皆様や技能習得を目指す方々のニーズに沿った講座などの実施や利用促進に向けた周知に努めてまいることで受講者数の増加を図り、さらなる技能者の育成に取り組んでまいりたいと考えております。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 技能者の育成は、我が国にとっても喫緊の課題でもあります。AIの進歩により影響を受ける職種も増えておりますが、AIでは不可能なそういう技術を要する職種もまた多く存在します。
ここ地元熊本で技術を学び、そしてできれば熊本で働ける環境の一助となる施設になりますよう、鋭意取り組んでいただきますようお願いいたします。
続きまして、2点目、職業訓練センター指定管理者の適正な管理についてお尋ねいたします。
職業訓練センターは、職業訓練法人熊本市職業訓練センターと職業訓練法人熊本市職業訓練協会の2つの共同企業体が指定管理者として運営されております。この職業訓練センター施設の使用について、昨年8月に住民監査請求が提出されております。
請求の内容は、市長が指定管理の委託を受けている1つの職業訓練法人熊本市職業訓練協会に対し、熊本市職業訓練センターの建物の明渡しを請求せよとの勧告を求めるものです。
請求の理由については、詳細は避けますが、違法に財産の管理を怠っている事実、建物の不要な使用事案があるからとなっております。監査の結果、監査委員の判断は請求棄却となっておりますが、監査委員の所感によると、「施設内において何らかの事故が生じた場合に責任の所在が不明確とならないよう適正な管理に努めること」と意見されております。
この施設を所管する市として適正な管理に努めることは、当然のことであります。このような指摘を受けて、今後どのように取り組んでいかれるのか、経済観光局長にお尋ねいたします。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕
◎村上和美 経済観光局長 施設の管理運営に関しましては、指定管理者制度を導入し、年2回のモニタリングを実施いたしますとともに、適宜指定管理者と協議を行いながら取り組んでいるところでございまして、今後もさらなる連携を図りながら、監査委員の所感も含めまして適正な管理運営に努めてまいります。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 調べて見ますと、この施設の違法な使用があるのではないかと、平成31年にも実は住民監査請求が行われています。そのときも監査委員の判断は棄却でありますが、疑義の生じるような施設の使用は、やはり施設を所管する本市としても決してあってはならないことです。監査請求をされた方は、この判断に不服として現在熊本市に対して訴訟中と伺いました。
一方、その間、施設を利用していた一部の団体が本市に目的外使用許可を申請し、本年3月に本市は審議会にて許可をしております。本市はこれまでに団体の事務所ではないと主張していたのに、なぜ事務所として目的外使用を認めたのか、ぶれた本市の対応には理解にも苦しむところであります。
いずれにしましても、施設の管理や利用につきましては、今後このような指摘受けないよう適正な管理運営に努めていただきますようお願いします。
私の用意した質疑は以上です。
次は最後、藤山委員に引継ぎたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○紫垣正仁 委員長 高本一臣委員の質疑は終わりました。
次に、藤山英美委員の質疑を行います。
〔藤山英美委員 登壇〕
◆藤山英美 委員 熊本自由民主党市議団の藤山でございます。我が会派最後を飾って質疑をいたします。
令和5年度決算関係資料139ページの町内自治振興補助金についてお尋ねをいたします。
なお、通告の順番を変更し、初めに交付規則の見直し状況及び今後のスケジュールから伺いたいと思っております。
私は、さきの第2回定例会の一般質問において、町内自治振興補助金について質問をしましたが、その際、町内自治振興補助金は町内自治活動や地域住民への連絡調整に係るとても大切な財源であることを認識した上で、効果的な活用が図られているかチェックが必要であることを指摘しました。
文化市民局長からは、町内自治振興補助金は市からの運営費補助であり、補助と同額を会長の報酬に充てたとしても、町内会の総会、監査で承認され、補助金申請が正式な手順で手続がなされていれば、現在の交付規則では制限することはできないとの見解が示されましたが、私は公金から支出する補助金であるにもかかわらず、助成した行政の指導監督ができないような交付規則は本来の趣旨に沿うものではない、まるで治外法権ではないかと指摘したところでございます。
今後、規則の見直しを行うとのことでありました。交付規則見直しの状況はいかがでしょうか。町内自治振興補助金は公金です。速やかな見直しが急務であると思いますが、今後の見直し、スケジュールをお示しいただきたいと思います。
〔早野貴志文化市民局長 登壇〕
◎早野貴志 文化市民局長 町内自治振興補助金交付規則の見直しについては、これまでの議会からの御意見や包括外部監査からの御指摘を踏まえ、他都市調査や自治会の会計報告の分析などを行い、規則の改正に向け補助金の対象事業・対象経費の明確化の検討を行っているところでございます。
今後、12月議会で補助金規則の改正概要をお示しし、議会からの御意見も踏まえ、今年度中の規則改正に向け進めてまいります。
〔藤山英美委員 登壇〕
◆藤山英美 委員 次の定例会において交付規則の改正内容を示し、今年度中に改正を行うとの答弁でございました。ありがとうございました。
今回の改正については、その趣旨や目的について各自治会にしっかり理解していただくことが何よりも重要であると思います。来年度からの実施となるわけですから、各自治体に対する説明や周知についても丁寧に行っていただくようお願いをしておきます。
今回の改正が自治会の課題解決につながるよう、引き続き検討をお願いしたいと思います。
次に、決算関係資料の課題と自治振興補助金の今後の在り方についてお尋ねをいたします。
決算関係資料、負担金及び補助金調書の139ページに、町内自治振興補助金が記載されておりますが、各町内自治会等910団体に対する交付額は2億2,827万3,000円となっております。大変高額にもかかわらず、たった1行で記載されております。
私は、これまで議会のチェック機能は働かず、担当課のチェックのみに頼り、課題が見えづらいなどの問題点があるのではないかと思っております。私は記載方法の見直しが必要であると考えますが、いかがでございましょうか。
また、現在の補助金による自治会等への支援方法は、自治会側の事務的負担も大変であり、補助金をチェックする担当職員の事務負担も相当なものであると思います。そして特に積算基礎の世帯数の確認等難しい点もあります。現在の補助金での支給を見直し、交付金に変更することも検討すべきではないかと考えておりますが、それぞれの適正についての見解はいかがでございましょうか。
以上、財政局長に見解をお伺いいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 決算関係資料のうち、負担金及び補助金調書の記載方法につきましては、特段規定しているものではございません。現状では資料が膨大になることもございまして、個別団体ごとに記載はせず、一定のルールに基づいて補助額が決定されるものにつきましては、一括で記載をしているところでございます。
また、補助金は特定の事業等を行うものに対し、公益上の必要が認められる場合に交付するものである一方、交付金は法令等に基づき地方公共団体が負担金徴収等の事務を委託している団体等に対し、事務処理の報償として交付するものと整理しております。これらを踏まえ、補助金、交付金、いずれが適正であるかは、各事業の内容や性質等に応じて判断されるべきものと考えております。
〔藤山英美委員 登壇〕
◆藤山英美 委員 負担金及び補助金調書への記載方法については、資料が膨大になるという理由で一括記載しているとの答弁でございました。これでは議会において適切な審査はできません。資料が膨大になるのであれば、適切な審査ができるよう別紙にて提供を行うなど、必要な対応を取るべきではないかと思います。
以前、担当局の資料請求を行った際も、役員報酬の内訳等も全て把握できていない状況でありました。調書への記載ができないのであれば、少なくとも求めに応じ、審査に必要な資料を適切に提供するなどの対応が必要だと考えます。改善を強く要望しておきます。
また、補助金を交付金に変更することについての適正性については、交付金は行政が事務処理をお願いしたことに対する報償として支払うものであり、各事業の内容や性質等に応じて適切に判断されるべきものであるとの答弁でございました。
しかしながら、実際に自治会の事業実態を見ますと、そのかなりの部分は本来行政が担うべき事務であり、現に配布物の依頼など行政から自治会に対して多くのお願い事をされているのではないでしょうか。恐らく多くの自治会長さんもそう思われていると思います。
執行部におかれましては、そうした現実も踏まえ、ぜひ柔軟に今後の自治会への支援の在り方について検討を行っていただきたいと思います。
このことは、自治会事務の負担軽減並びに補助金審査業務という行政の負担軽減、働き方改革、自治会の負担軽減など事務改善につながることだと思われますので、他都市の状況において自治会等の活動に対し、交付金で支給している団体がないかどうかについて調査をお願いしておきます。
本日は、この程度に留め置きますが、この件につきましては、引き続き議論していきたいと思います。事務改善改革については、今までもこれからも市民のため、職員のため、事務改善に努力してまいりますので、よろしくお願いいたします。
以上を持ちまして、熊本自由民主党市議団の質疑を終わります。(拍手)
○紫垣正仁 委員長 藤山英美委員の質疑は終わりました。
以上で、熊本自由民主党市議団の質疑は終わりました。
総括質疑の途中ではありますが、本日の審査はこの程度にとどめ、残余につきましては、9月17日火曜、午前10時から再開したいと存じます。
これをもちまして、本日の委員会を散会いたします。
午後 1時37分 散会
出席説明員
市長 大 西 一 史 副市長 深 水 政 彦
副市長 中垣内 隆 久 政策局長 三 島 健 一
総務局長 津 田 善 幸 財政局長 原 口 誠 二
文化市民局長 早 野 貴 志 健康福祉局長 林 将 孝
こども局長 木 櫛 謙 治 経済観光局長 村 上 和 美
都市建設局長 秋 山 義 典 病院事業管理者 水 田 博 志
代表監査委員 横 田 健 一 教育長 遠 藤 洋 路
議会局職員
局長 江 幸 博 次長 中 村 清 香
議事課長 池 福 史 弘 政策調査課長 岡 島 和 彦