2024年09月25日 予算決算委員会
令和 6年第 3回予算決算委員会
予算決算委員会会議録
開催年月日 令和6年9月25日(水)
開催場所 予算決算委員会室
出席委員 46名
紫 垣 正 仁 委員長 村 上 博 副委員長
寺 本 義 勝 委員 大 嶌 澄 雄 委員
村 上 麿 委員 瀬 尾 誠 一 委員
菊 地 渚 沙 委員 山 中 惣一郎 委員
井 坂 隆 寛 委員 木 庭 功 二 委員
村 上 誠 也 委員 古 川 智 子 委員
荒 川 慎太郎 委員 松 本 幸 隆 委員
中 川 栄一郎 委員 松 川 善 範 委員
筑 紫 るみ子 委員 井 芹 栄 次 委員
島 津 哲 也 委員 吉 田 健 一 委員
齊 藤 博 委員 田 島 幸 治 委員
日 隈 忍 委員 山 本 浩 之 委員
北 川 哉 委員 平 江 透 委員
吉 村 健 治 委員 山 内 勝 志 委員
伊 藤 和 仁 委員 高 瀬 千鶴子 委員
小佐井 賀瑞宜 委員 田 中 敦 朗 委員
高 本 一 臣 委員 西 岡 誠 也 委員
田 上 辰 也 委員 三 森 至 加 委員
浜 田 大 介 委員 井 本 正 広 委員
大 石 浩 文 委員 田 中 誠 一 委員
坂 田 誠 二 委員 落 水 清 弘 委員
澤 田 昌 作 委員 藤 山 英 美 委員
上 野 美恵子 委員 上 田 芳 裕 委員
欠席委員 1名
満 永 寿 博 委員
議題・協議事項
(1)議案の審査(9件)
議第 190号「令和6年度熊本市一般会計補正予算」
議第 191号「同 病院事業会計補正予算」
議第 192号「同 交通事業会計補正予算」
議第 230号「令和5年度熊本市各会計(公営企業会計を除く。)決算について」
議第 231号「同 病院事業会計決算の認定について」
議第 232号「同 水道事業会計利益の処分及び決算の認定について
議第 233号「同 下水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
議第 234号「同 工業用水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
議第 235号「同 交通事業会計利益の処分及び決算の認定について」
午前10時00分 開会
○紫垣正仁 委員長 ただいまから予算決算委員会を開会いたします。
議事に入ります前に、教育長より発言の申出があっておりますので、これを許可します。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 議会の議決を経るべき財産の取得に関する不適切な事務処理について御説明とおわびを申し上げます。
熊本市議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第3条の規定により、予定価格4,000万円以上の動産の買入れについては議会の議決を経て取得すべきものとされておりますが、このたび令和6年度に購入した小学校教師用指導書等を議会の議決を経ずに購入していたことが判明いたしました。
このことを受け、過去に購入した分についても調査を行いました結果、現時点で判明しておりますのが平成27年度購入の小学校教師用指導書等、平成28年度購入の中学校教師用指導書等、令和2年度購入の小学校教師用指導書等、令和3年度購入の中学校教師用指導書等4件につきましても議会の議決を経ずに購入していたことが判明いたしました。
法令等に基づいた適正な事務の執行を行わず、不適切な支出を繰り返していたことは、あってはならない重大な事態であると認識しております。市民の皆様の教育行政に対する信用を失墜させることになり、議員各位はじめ市民の皆様に対しまして深くおわびを申し上げます。大変申し訳ございませんでした。
他に同様の事案がないか教育委員会各課の契約状況について改めて調査を行うとともに、議会の議決に付すべき財産の取得基準について周知を徹底し、チェック体制の強化及び再発防止に努めてまいります。今後市民の皆様の信頼回復に向け、全力で取り組んでまいります。よろしくお願いいたします。
○紫垣正仁 委員長 教育長の発言は終わりました。
これより本日の審査に入ります。
順次、各分科会長の報告を求めます。
総務分科会長の報告を求めます。
〔総務分科会長 小佐井賀瑞宜委員 登壇〕
◆小佐井賀瑞宜 委員 総務分科会において分担いたしました各号議案の詳細審査における意見並びに要望について、簡潔に御報告いたします。
議第190号「令和6年度熊本市一般会計補正予算」中、当分科会関係分については、新庁舎整備事業について論議があり、
一、本件の事業費は今後変動することも想定されるが、先般有志で行ったアンケート調査結果からも市民の理解を得るための市からの説明が必要と思うので、事業を進めるにあたっては、積極的な情報提供とともに、市民との合意形成に向け最大限努めてもらいたい。
一、庁舎建て替えに関する市民への情報提供は、現庁舎の耐震性や浸水への脆弱性等の課題がある中で、大規模改修との比較による財政面の有利性などの情報が市民に行き届いていないと痛感しているため、建て替えの根拠と妥当性について分かりやすく、かつ適切なタイミングで行うよう心がけてもらいたい。
一、今回の庁舎建て替えにおいては、合併推進債が活用可能であることを好機と捉え、長期的な視点での維持補修計画に加え、定員管理計画との連動やIT関連技術の進展など、情勢の変化に対応可能な執務環境を整備してもらいたい。
一、今後市民に対し新庁舎の規模や総工費について説明を行う際は、他都市との比較に加え、将来的な人口減などの社会動向から生じやすい余剰スペースの活用方法など、重要な検討要素を分かりやすく明示するよう求めたい。
旨、意見要望が述べられました。
次に、議第230号「令和5年度熊本市各会計(公営企業会計を除く。)決算について」中、当分科会関係分については、種々論議があり、
一、熊本市のコールセンターである「ひごまるコール」は非常によい取組と高く評価しているが、市民の満足度調査結果からは頻繁に利用している市民がいる一方、いまだに認知度が低いと見受けられるため、新規転入者や外国人に対して、窓口での説明や広報を強化するなど、認知度向上に取り組んでもらいたい。
一、外国人受入環境整備事業について、今後も各言語対応へのニーズの拡大が予想されるため、各区役所において現行の通訳ツールの利便性を含めたニーズ調査を実施し、外国人の困りごとを解消するための環境整備に取り組んでもらいたい。
一、消防団への入団促進について、防災サポーターとして活動する大学生や専門学生が卒業後に地域の消防団と連携できるようアンケートや意向調査の実施等、防災サポーターと地域を結びつける仕組みづくりを求めたい。
旨、意見要望が述べられました。
これをもちまして、総務分科会長の報告を終わります。
○紫垣正仁 委員長 総務分科会長の報告は終わりました。
次に、教育市民分科会長の報告を求めます。
〔教育市民分科会長 田島幸治委員 登壇〕
◆田島幸治 委員 教育市民分科会において分担いたしました各号議案の詳細審査における意見並びに要望について、簡潔に御報告いたします。
議第190号「令和6年度熊本市一般会計補正予算」中、当分科会関係分については、義務教育施設整備事業について論議があり、仮設教室の整備に当たっては、少子化の影響を考慮の上、対象校を見極めながら適切に実施してもらいたい。また、詳細が決まり次第、議会への報告を求めたい。
旨、意見要望が述べられました。
次に、議第230号「令和5年度熊本市各会計(公営企業会計を除く。)決算について」中、当分科会関係分については、種々論議があり、まず町内自治振興補助金について、
一、交付規制の見直しにあたっては、自治会の担い手不足や高齢化も進んでいることから、申請手続が煩雑にならないよう慎重に取り組んでもらいたい。
一、補助金の使途を明確にすることにより、今後町内自治振興補助金の目的に沿った運用がなされるよう期待する。
一、担当職員は各自治会とのコミュニケーションを取りながら活動を支援してもらいたい。また、役員報酬に関し、税務署申告が必要となるケース等について的確に情報提供を行ってもらいたい。
旨、意見要望が述べられました。
次に、子どもの健康づくり・体力向上推進経費について、
一、肥満傾向の児童に対し、肥満解消に向けた目標を設定し、その成果の検証に取り組んでもらいたい。
一、コロナ禍の影響による生活様式や価値観の変容が、児童の運動量低下の要因とも考えられるため、肥満度による健診の対象児童だけでなく、児童全体を対象とした幅広い取組を推進してもらいたい。
旨、意見要望が述べられました。
次に、学校事務DX推進経費について、
一、学校徴収金の口座振替に伴う申請書の処理が職員の大きな負担となっていることから、ウェブでの口座登録への移行を早期に実施してもらいたい。
一、新しく導入されたアプリ「すぐーる」は利便性が高いため、学校からの連絡だけでなくPTAや地域の方からのお知らせにも活用を広げるなど、その活用法についての周知を求めたい。
旨、意見要望が述べられました。
議第230号中、当分科会関係分については、このほか委員より、
一、女性の活躍推進事業について、今後もさらなる女性活躍の推進に向けて効果的な事業の実施に努めてもらいたい。
一、DV被害者への支援について、昨年度の相談実績が1,000件を超える深刻な状況であることから、被害者に寄り添った支援が十分に行えるよう体制整備を求めたい。
一、東区まちづくり推進経費に関して、持続可能な地域活動となるよう若い世代への地域活動への参加を促すとともに、補助金制度の導入等を検討してもらいたい。
一、ジェンダー平等啓発経費に関して、性的マイノリティの啓発にあたっては、こどもへの影響も考慮し、慎重に取り組んでもらいたい。
一、くまもと市文化協会経費に関して、区文化協会が未設置の中央区、東区、西区においても早急に設立できるよう各団体へ働きかけるとともに、5区の連携が図られるよう努力してもらいたい。
一、熊本城公開関連経費について、熊本城に県民、市民をはじめより多くの観光客が訪れたくなるよう、SNS等を使ったさらなる情報発信や観光動向の分析に努めてもらいたい。
一、公民館活動推進経費に関して、公民館予約システムを利用したインターネット予約については、その普及が進むよう高齢者に対し分かりやすい説明に努める等、周知広報を工夫してもらいたい。
一、中学生地域交流推進事業経費に関して、ボッチャを活用したスポーツ交流のような地域の中学生や高齢者・障がい者等が一緒に参加して直接交流を持てる事業は、お互いを知り合い、地域への親しみを育む観点から評価でき、今後も様々な活動の活性化に向けて取り組んでもらいたい。
一、青少年活動支援経費について、地域への指導者派遣が昨年度2件と少な過ぎるため、派遣制度のさらなる周知を図りながら、子ども会の活性化に向けて取り組んでもらいたい。
一、教育の情報化推進経費について、1人1台のタブレット端末の活用にあたっては、具体的な成果を示すための検証指標を設定し、より効果的な活用方法を検討してもらいたい。
一、スクールソーシャルワーカー配置事業について、今年度から増員されているが、いまだ配置基準に達していないことから、引き続き増員へ向けて取り組んでもらいたい。
一、部活動指導員配置事業について、先般の部活動改革検討委員会の答申を踏まえ、できるだけ早期に市の方針を決定し、よりよい持続可能な部活動の実現に向け、取り組んでもらいたい。
一、図書館管理運営経費について、図書の管理や購入には応分の費用がかかることから、熊本連携中枢都市圏における電子図書の相互利用について検討してもらいたい。
一、学校プール再編検討経費について、民間スイミングクラブの活用にあたっては、事業実施に係る具体的な基準を示すとともに、教職員や保護者と協働で改善策を検討し、議会へ報告してもらいたい。
一、学校施設整備経費について、小学校のトイレの洋式化にあたっては、現行の10か年での整備計画を待たず、早急に完成するよう取り組んでもらいたい。
一、特別支援教育関係経費に関し、教育委員会におけるインクルーシブ教育の取組について、障がいのあるこどもとないこどもが共に学び合う教育を目指すとの共通認識のもと、今後の重点的な取組として組織改編等も検討しながら鋭意取り組んでもらいたい。
一、小中学校図書館充実経費について、国の蔵書の基準を達成するようさらなる予算の拡充を求めたい。
旨、意見要望が述べられました。
これをもちまして、教育市民文分科会長の報告を終わります。
○紫垣正仁 委員長 教育市民分科会長の報告は終わりました。
次に、厚生分科会長の報告を求めます。
〔厚生分科会長 吉村健治委員 登壇〕
◆吉村健治 委員 厚生分科会において分担いたしました各号議案の詳細審査における意見並びに要望について、簡潔に御報告いたします。
議第190号「令和6年度熊本市一般会計補正予算」中、当分科会関係分については、種々論議があり、
一、生活保護受給世帯に対する大学受験料等の支援について、経済格差によって進学を諦めることがないよう生活保護受給者の自立に向けた支援について、鋭意取り組んでもらいたい。
一、障がい者福祉タクシー利用券については、他都市の状況も踏まえ、利便性の向上を図るとともに障がい者にやさしいまちづくりの観点から予算増額を伴った制度の拡充を求めたい。
旨、意見要望が述べられました。
次に、議第191号「令和6年度熊本市病院事業会計補正予算」については、救急時医療情報閲覧機能導入事業について論議があり、
一、医療情報の閲覧に際し、情報漏えいがないよう管理の徹底を求めるとともに、マイナンバーカードを利用した医療情報の活用について、引き続き市民への丁寧な説明を求めたい。
一、本事業の実施により、救急時の生存率向上と医療従事者の負担軽減につながることを期待する。
旨、意見要望が述べられました。
次に、議第230号「令和5年度熊本市各会計(公営企業会計を除く。)決算について」中、当分科会関係分については、種々論議があり、まず、フッ化物洗口事業等について、
一、他の政令市と比較し、本市のこどもの虫歯の有病率が高いという状況を踏まえ、対象学年を拡大するよう早急に取り組んでもらいたい。
一、小学校でのフッ化物洗口業務を8020推進委員へ委託するにあたっては、8020運動の本来の目的である活動とのバランスを考慮し、推進員の過大な負担とならないよう心がけてもらいたい。
旨、意見要望が述べられました。
議第230号中、当分科会関係分については、このほか委員より、
一、国民健康保険会計を健全に保つため、さらなる保険料の収納率向上を目指し、エキスパート職員の配置をはじめ、必要な職員数の確保に努めてもらいたい。
旨、意見要望が述べられました。
これをもちまして、厚生分科会長の報告を終わります。
○紫垣正仁 委員長 厚生分科会長の報告は終わりました。
次に、環境水道分科会長の報告を求めます。
〔環境水道分科会長 三森至加委員 登壇〕
◆三森至加 委員 環境水道分科会において分担いたしました各号議案の詳細審査における意見並びに要望について、簡潔に御報告いたします。
議第230号「令和5年度熊本市各会計(公営企業会計を除く。)決算について」中、当分科会関係分については、種々論議があり、まず、ごみ減量に向けた3Rの推進に関して、
一、市民が食品ロスを身近な問題として捉えられるよう情報提供の手法に工夫を凝らすとともに、ごみ減量に向けた重点的な取組として応分の予算を確保の上、推進してもらいたい。
一、今後増加が見込まれる在留外国人へのごみ出しルールの周知啓発にあたっては、アプリやSNS等を活用した既存の取組に加え、地域での外国人との交流の場へ、職員が直接出向き説明するなど、さらなる取組の推進を求めたい。
旨、意見要望が述べられました。
議第230号中、当分科会関係分については、このほか委員より、
一、節水対策経費については、目標達成に向け予算の拡充を財政当局に求めるとともに、様々な視点から事業手法の検討を行うなど対応策を根本的に見直しながら新たな施策を講じてもらいたい。
一、私有施設のLED化整備については、引き続き長期的な視点に立ち、今後の維持管理を含め、計画的に事業を進めてもらいたい。
一、江津湖における指定外来魚駆除は生態系維持のために重要な取組であり、市民の参加によりさらに効果を得られると思うので、指定外来魚の取扱い方法や活動内容のさらなる周知啓発に努めてもらいたい。
旨、意見要望が述べられました。
これをもちまして、環境水道分科会長の報告を終わります。
○紫垣正仁 委員長 環境水道分科会長の報告は終わりました。
次に、経済分科会長の報告を求めます。
〔経済分科会長 日隈忍委員 登壇〕
◆日隈忍 委員 経済分科会において分担いたしました各号議案の詳細審査における意見並びに要望について、簡潔に御報告いたします。
議第230号「令和5年度熊本市各会計(公営企業会計を除く。)決算について」中、当分科会関係分については、種々論議があり、
一、成長産業創出支援事業について、介護現場での活用に資するべく介護ロボットの開発支援に鋭意取り組んでもらいたい。
一、公設運動施設整備経費について、市総合体育館の中体育室利用者から暑さ対策としてクーラー設置の要望があっており、また当該施設は一時避難場所にも指定されていることから、クーラーの設置について検討を求めたい。
一、夢と活力ある農業推進事業について、スマート農業の技術が進歩する一方、農業従事者の高齢化も進んでいくことから、高齢者への技術面でのサポート強化に努めてもらいたい。
一、宿泊税の導入後、その使途については観光振興に係る事業への財源として充当してもらいたい。
旨、意見要望が述べられました。
これをもちまして、経済分化会長の報告を終わります。
○紫垣正仁 委員長 経済分化会長の報告は終わりました。
次に、都市整備分科会長の報告を求めます。
〔都市整備分科会長 平江透委員 登壇〕
◆平江透 委員 都市整備分科会において分担いたしました各号議案の詳細審査における意見並びに要望について、簡潔に御報告いたします。
議第190号「令和6年度熊本市一般会計補正予算」中、当分科会関係分については、種々論議があり、まず、自動運転社会実装推進経費について、
一、自動運転バスの実証実験にあたっては、安全運行のための取組に加え、自動運転への機運醸成を図るため、市民や観光客に向けた積極的な周知広報に努めてもらいたい。
一、自動運転の事故原因の多くは人為的ミスによるものであることから、実証実験には可能な限り多くの運転士を参加させてもらいたい。
一、実証実験の実施にあたっては、委託業者任せにすることなく市が積極的に関わってもらいたい。
一、実証実験については、運転士不足の解消に向け、将来を見据えた取組として評価したい。
旨、意見要望が述べられました。
次に、市電延伸経費について、
一、事前に地元商店街をはじめとする関係者に対して説明を行い、十分な議論を尽くした後に議案を提出すべきであったと指摘したい。
一、TSMCの熊本進出や豊肥本線の一部複線化等の新たな動向も鑑み、南熊本駅方面への市電延伸について改めて精査してもらいたい。
一、国から確実に補助金が得られるよう積極的な要望活動を行ってもらいたい。
一、市電延伸により自衛隊中通りに植栽されているクスノキが処分されるのではないかと危惧する声を聞くので、移植等の方針が決まり次第、議会への報告と市民への丁寧な説明を求めたい。
旨、意見要望が述べられました。
議第190号中、当分科会関係分については、このほか委員より、
一、バス事業の現状等に関する調査分析について、今後の議会での議論に資するよう速やかに調査結果を報告してもらいたい。
一、くまもと花博について、今後さらに市民に定着したイベントとするために、地域のフラワーアーティストの公募を行うなど、地域人材が広く参加できる取組を検討してもらいたい。
旨、意見要望が述べられました。
次に、議第192号「令和6年度熊本市交通事業会計補正予算」については、種々論議があり、熊本市電安全対策経費について、
一、市電運行の安心安全の確保は喫緊の課題であることから、車両の更新や運転士不足の解消に向け、鋭意取り組んでもらいたい。
一、安全対策については、事後対応ではなく予防保全の観点で予算措置等を講じてもらいたい。
一、運転士一人ひとりが安全運行が最重要課題であるとの認識を徹底し、業務を遂行してもらいたい。
一、市民からの信頼が損なわれている状況であり、抜本的な対策を検討してもらいたい。
一、乗務員に対し、先進地視察を奨励するなどプロ意識の向上につなげてもらいたい。
旨、意見要望が述べられました。
次に、議第230号「令和5年度熊本市各会計(公営企業会計を除く。)決算について」中、当分科会関係分については、種々論議があり、まず、市営住宅修繕経費等について、
一、老朽化が進む市営住宅においては、入居者が快適に生活できるよう畳や風呂釜の取替え等について、計画に沿って実施できるよう努めてもらいたい。
一、市営住宅の空室率低減に向け、民間のノウハウのさらなる導入など新たな方策を検討してもらいたい。
一、市営住宅の修繕費用や入居者募集に係る財源として、公共施設長寿命化等基金が活用できるよう財政当局への積極的な働きかけを求めたい。
旨、意見要望が述べられました。
次に、交通安全施設整備経費について、
一、カーブミラーについては、市民からの設置要望に対し、できる限り対応できるよう努めてもらいたい。
一、道路照明灯については、コスト縮減と対応の迅速化を図るため、器具の一括調達と土木センターでの常備・保管など合理的手法を検討してもらいたい。
旨、意見要望が述べられました。
議第230号中、当分科会関係分については、このほか委員より、
一、中古住宅流通促進事業については、空き家を減らすための大変強化できる取組だと思うので、他都市の補助制度等を参考にさらなる取組強化を求めたい。
一、街路整備経費について、本年4月に開通した花園上熊本線及び池田町花園線において交通事故が多発していることから、道路形態について検証してもらいたい。
一、地方バス路線維持費助成事業について、公共交通の維持にあたっては、行政による支援が極めて重要であることから、本市における公共交通の位置づけや役割を明確化し、利用促進に向け積極的な取組を求めたい。
旨、意見要望が述べられました。
これをもちまして、都市整備分科会長の報告を終わります。
○紫垣正仁 委員長 都市整備分科会長の報告は終わりました。
以上で各分科会長の報告は終わりました。
これより、締めくくり質疑を行います。
通告状況につきましては、一覧表のとおりとなっております。
なお、質疑に当たっては、項目ごとに答弁者を指名いただきますようお願い申し上げます。
それでは、予算決算委員会運営細目の発言順に従い、順次質疑を行います。
まず、自由民主党熊本市議団、田中敦朗委員の質疑を行います。
持ち時間は70分となっております。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 それでは、私の方から(仮称)東町線の延伸についてお伺いいたします。
こちらは、私が委員長を務めさせていただいております地域公共交通に関する特別委員会において様々な議論がなされており、その議論の中で委員さん方、すばらしい意見のやり取りをされております。その中から、特にこの予算決算委員会でもぜひ市長の方に御理解しておいていただきたい、執行部の皆さんにお伝えしておくことがある、そういった気持ちの中から今回の質疑をさせていただく次第であります。
本議会の中で、市電延伸の実施設計費用4億2,000万円の補正予算が計上されまして、これが今議会議決されましたら事業が本格していく次第であります。振り返りますと、市電延伸の検討が本格化したのが約9年前の平成27年度、そこから様々な議論が行われてきましたが、熊本地震や新型コロナウイルス感染拡大などの中断を経て、ようやくここまでたどり着いてまいりました。今後は、立ち止まることなく事業を着実に進めていただきたいと切に願う次第であります。
市電を含む本誌の公共交通機関は、利用者の減少に伴う収益の悪化、サービス水準の低下など危機的状況にあると考えております。特に市電は、今年に入ってから多発するインシデント、ICリプレイスの問題など、厳しい風当たりの中にあります。当然ながら公共交通は安全・安心であるべきであり、その安全を適切に管理運営していくのが行政の当然の役割であります。その安全を確保しながらも、市民の利便性向上のため、そして来る超高齢社会に多用するためにも公共交通は適正に維持、拡充していく必要があると私は考える次第であります。
そこで、お尋ねしたい。
今後、公共交通への転換を進めていくためにも、公共交通の機能充実や利便性の向上は不可欠であり、今回の(仮称)東町線の延伸事業は、その大きな一歩となり、重要な取組であります。この事業を着実に進めていくためには、またさらなる延伸も含めた公共交通インフラの建設推進のためにも担当部署の体制づくりが必要不可欠だと考えますが、いかがでしょうか。本市の公共交通に対する市長の思い、決意とともに答弁お願いいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 誰もが安心して移動できる持続可能な公共交通の実現に向けては、基幹公共交通の一翼を担う市電において安全運行はもとより、運行体制の強化や利便性の向上が不可欠であると認識しております。
その中で、(仮称)東町線の整備は市電の利便性が向上し、利用者数が増加することによるサービス水準の向上や経営基盤の改善など、好循環につながるものでありまして、また、自動車交通から公共交通への転換による交通渋滞の改善に向けた大きな一歩となる取組であると考えております。
この事業を着実に進めていくためには、議員御指摘のとおり、十分な執行体制の確保が極めて重要であると考えておりまして、速やかに体制強化を図りたいと考えております。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 まずは、(仮称)東町線の着実な整備に向けて、体制を強化するという答弁をいただいたところでありますが、これについてはぜひ今後有言実行していっていただきたいと思います。
また、先ほども申し上げましたが、私が委員長を務めさせていただいております地域公共交通に関する特別委員会においては、持続可能な公共交通の再構築に向け、目指すべき公共交通の将来像や行政の担うべき役割などについて検討を進めているところであります。
今回、この議論の中で市電の延伸は必要という結論に至ったところではありますが、市電延伸のみならず各区が抱える様々な交通課題やニーズなど地域特性を踏まえた施策を全市的、総合的に展開していくことが必要であるという意見が多数委員から出されている状況です。
将来にわたり、誰もが安心して移動できる社会、交通渋滞の解消の実現に特効薬は存在しません。これの実現に向けて各種交通施策を一体的に、そして着実に進めていただきますようによろしくお願いいたします。
中でも公共交通の根幹となる基幹公共交通の機能強化は不可欠です。一方で、今回の市電延伸においては、検討開始からここまで約9年が経過しているなど、長期スパンでの検討となっています。
このようなことから、令和13年度に予定されている延伸事業の完了後、速やかに次の延伸が建設に着手できるような、そういった早急な取組ができるように、スピード感を持って今後の検討を着手されることを心からお願い申し上げまして、私の質疑とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○紫垣正仁 委員長 自由民主党熊本市議団、田中敦朗委員の質疑は終わりました。
次に、熊本自由民主党市議団、高本一臣委員の質疑を行います。
持ち時間は60分となっております。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 熊本自民、高本一臣です。
今定例会において提案されました新庁舎整備に関する基本計画策定、基本設計・実施設計業務の一括発注についてお尋ねいたします。
これまで我が会派は、熊本市政の歴史上でも最重要案件であり、多額な事業費は市民の税金を伴うだけに何度も何度も議論を交わしてきました。独自に行った市民の皆さんへのアンケート調査でも分かるように、執行部の市民への慎重かつ丁寧な説明は不足しているとの指摘もあっており、残念ながら合意形成が図られているとはとてもいい難い状況であります。
総務分科会で我が会派、澤田団長の質疑に対する答弁を拝聴しましたが、再度問題認識の再確認をさせていただきます。
改めて申し上げるわけでもありませんが、施策や事業が実施されるまでのプロセスは、まずはプランが練られ、そのプランに基づいてその施策や事業の内容や効果などを分析し、事業化の是非を判断します。その結果、事業すべきとの判断に至れば予算が認められ、建築工事なら設計、施工へと進むのが本来の流れであります。
このような中、計画段階においても基本構想・基本計画・実施計画、事業段階でも建設事業では基本設計・実施設計・工事施工・管理等、様々なプロセスがあり、委託する場合にはこれらの工程を一括で発注することはよくあることであります。例えば、建築工事においては設計施工一括発注方式やデザインビルド方式などがあり、工期の短縮や民間ノウハウの活用、受注者へのリスク分担等の観点からメリットもあると考えられます。
しかしながら、本市の今回の提案は基本計画から実施設計までを一括発注する業務委託であり、つまり先ほど述べました計画段階と事業段階という異なるフェーズのものを一括で行おうとするものであります。したがって、この補正予算を審議するに当たっては、今回の熊本市が予定している方式は、きわめて異例であることを執行部はもとより私たち議会も再認識しなければならないと思います。
本庁舎の建て替えについては、最優先課題である市民の生命財産を守るために必要な事業であること、熊本市の中心市街地活性化の起爆剤とすることなど、その方向性について市民の皆さんから一定の理解や賛同を得ているものもあります。しかしながら、耐震性の問題についてもいまだに異論も多い上に人件費や原材料費が急騰する中、概算事業費も算出されておらず、市電延伸をはじめ膨大な費用がかかる他の事業を抱えながら果たして健全な財政運営を維持できるのか。その懸念も払拭されていません。
また、移転候補地は決められたものの民間の所有地であり、取得交渉はこれからであることや移転候補地が熊本城の景観保全の観点から重要な場所であり、建物の概要さえ分からない段階では、景観保全に支障がないと判断もできないこと。さらには、まちづくりの観点からも跡地利用についてはこれから本格的なサウンディング調査が行われる段階であり、全くといっていいほど未定であることから、解体したまま更地が残るおそれも十分あり得ます。
通常であれば、これらの課題解決のための対策までを盛り込んで計画が策定され、その対策の妥当性などを議論した上で事業化の是非を判断すべきところでありますが、合併推進債を活用できる期限が迫っているとの理由から、今回の補正予算が提案されています。
そこで、私としては今回現実的な提案をさせていただきますが、執行部の皆様にはこれまで述べたことを十分に踏まえながら前向きな答弁をお願いいたします。
その前に、幾つか確認したい事項があるので、政策局長にお尋ねいたします。
まず1つ目、合併推進債の活用要件としては、期限までに実施設計費を上げることとなっていますが、この意図とするところは既に事業に着手しているものを対象としていると考えます。
本市のように基本計画もまだ策定前であっても、形式上実施設計までを予算化することでこの合併推進債の活用要件を満たすのか。総務省へ確認し、確約は取れているのかお尋ねいたします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 合併推進債につきましては、所要額を一括で予算措置し、今年度中に実施設計を含む一括契約を締結することで実施設計の着手とみなされ、活用要件を満たすことを総務省に確認しております。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 続いて2点目です。
移転候補地であるNTT桜町の敷地について、先方の売却の意思決定がなされ、建物補償費等を含めた購入費用が確定するのはいつ頃を予定されているのか、政策局長にお尋ねします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 購入費用の確定時期についてのお尋ねでございますが、NTT桜町の敷地の地権者でありますNTT西日本さんとは、これまでの協議において本庁舎等の建設地として売却の意向があることを確認しております。
さらに、現在本市とNTT西日本さんとの間で、将来的な土地の売買契約の締結にあたっての基本的事項を定める覚書の取り交わしについて準備を進めているところでございます。
また、土地取得費や建物補償費等を含む取得価格につきましては、相手方の同意の下、令和7年度から土地の不動産鑑定や建物調査等を約1年かけて実施し、その後、熊本市公共用地等評価委員会などの所定の手続を経ますことから、おおむね令和8年度頃に確定するものと考えております。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 続きまして、3点目です。
熊本城を含む景観保全について、建物の外観や高さが決定するのはいつ頃でしょうか。また、その際には景観審議会にかけるべきだと考えますが、いかがでしょうか。政策局長にお尋ねいたします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 新庁舎のおおよその高さと外観につきましては、基本設計時に整備ができるものと見込んでおります。
なお、新庁舎の建設地は熊本市景観計画に基づく重点地域に当たりますことから、建物の高さが海抜55メートルを超える場合に景観審議会に諮ることとなりますが、新庁舎の整備に当たっては、まずは高さ基準内に収めることを目指して検討を進めてまいりたいと考えております。
また、新庁舎の外観につきましては、熊本市景観計画に基づき、景観審議会専門部会である景観調整会議に諮るなどデザインの調整を図ってまいります。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 4点目です。
跡地利用について、年内にでもサウンディング調査から利用手法の提案を受け、売却あるいは定期借地等の市の歳入予測等も含めて、より具体的な跡地利用計画が示せるのはいつ頃でしょうか。政策局長にお尋ねいたします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 より具体的な跡地利用計画がお示しできる時期についてのお尋ねでございますが、売却または定期借地などそれぞれの場合の歳入予測等は、利用用途や評価時点の経済状況によって変動することが想定されますことから、現時点でお示しすることは困難ではございます。
今後、年内のサウンディング調査の結果はもとより、本格的に行う様々な調査の結果や有識者の皆様の御意見などを踏まえ、また市民の皆様との合意形成を図りながら段階的にお示ししてまいりたいと考えております。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 最後のお尋ねです。
解体設計費の計上は合併推進債の対象とするために上げられているものと思慮されますが、実際解体するのは新庁舎建設後、全ての機能を移した後であることから、早くとも10年程度かかると思われます。その間に、工事費等の変化や工事手法等の進展なども予想され、設計したものが役に立たなくなるのではないかというリスクが高いと思いますが、どう考えていらっしゃるのか政策局長にお尋ねいたします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 解体設計から工事までの期間が開くことによるリスクについてでございますが、計画や設計段階において工事範囲や工法の検討を重ね、工事発注時には労務費の見直し程度の補正で対応できるよう努めてまいります。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 5つのお尋ねでしたが、まず1点目の合併推進債の活用要件については、総務省に確認が取れているとのことでした。しかしながら、合併推進債は本来合併をした富合、植木、城南町のために優先的に使うのが筋であります。我が会派の平江委員から頂いた資料によりますと、これまで合併3町に活用した合併推進費は243億円で、今回の庁舎建て替えに使用する合併推進債の費用は471億円であります。合併3町は、下水道の未整備や渋滞対策、過疎対策などまだまだ多くの課題を抱えています。執行部におかれましては、そのような現実をしっかりと認識していただき、課題解決をしていただきますようお願いしておきます。
そして、移転候補地の購入費用の確定時期については、総事業費616億円プラスアルファのうちNTT桜町の土地取得費については、相続税路線価から算出して約70億円となっております。NTT桜町の土地は、地権者であるNTT西日本の持つ資産としては商業ビルをこれまで計画したような熊本城を目の前にした一等地であるため、実際の売買価格が70億円以上になることは誰もが分かることであり、ひいては総事業のプラスアルファになり、当然総事業費が膨らんできます。土地の取得費が判明するのは順調に進んでおおむね令和8年度に確定するとの答弁でしたので、基本計画は当然それ以降になるはずであります。したがって、少なくとも基本計画は1年という執行部のスケジュールイメージとは異なる最低でも2年程度が必要と理解いたしました。
また、当然のことながら土地の取得につきましては、熊本市議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例に基づく議決事項であり、かつ大変重要な案件であることから、相手方との折衝の状況については適宜議会へ報告を求めることはもちろん、覚書については締結前の段階でその内容等を示し、議会で了承を得ることを願っております。
また、景観保全については、熊本城の景観保全の観点から本庁舎についてはたとえ高さ制限を超えなくても外観を含めて景観審議会等で御議論いただくことは必要であると考えますので、検討していただくようお願いいたします。
跡地利用の計画については、執行部が耐震対応と並んで本庁舎建て替えの大きな目的の一つとして挙げられている中で、具体的な利用案を示せる時期が現時点でも未定では話にならないと考えております。民間の動向など不透明な要素があるのは理解できますが、熊本市として明確な目標を持ってから事に当たるべきであります。
また、建築専門家の話によりますと、現庁舎の地盤は豊富な地下水の影響により決して強いものではなく、そのために地下連続壁が水圧負担耐力壁としての役割を果たしており、仮に地下連続壁を撤去したらとんでもないことになると指摘を受けました。
一方、その地下連続壁を残したままの利活用計画となれば、建物に対しての何かしらの制限がかかってしまいます。現庁舎の位置は私たちから見えている地上は確かに一等地でありますが、そのような見えない地下部分のウイークポイントを抱えた土地が本市が想定している収入を果たして確保できるのか、確かな検証が必要であります。
最後に、解体設計のリスクについては、私としては技術革新等が進んで、10年前の設計が使いものにならなくなるリスクへの対応をお尋ねしたものでありますが、先ほどの答弁では残念ながら答えになっていませんでした。そのようなリスクもあることを踏まえて、鋭意検討していただきたいと思います。
さて、全体を通して明らかになったことは景観保全について正しく評価し、議論ができるために必要な建物の高さや外観が判明するのは基本設計終了後、全体事業費に大きく関わる移転先の土地取得費等が明らかになるのは令和8年度、将来のまちづくりや財政負担の軽減を確認し、議論する上で必要不可欠な跡地利用の計画に至っては、いまだ全く見通せていません。
このような中で、令和6年度~令和9年度まで債務負担行為で基本計画から実施設計までの一括発注の補正予算が計上されました。これまでのことを踏まえて、改めてこの補正予算案に関連して提案させていただきます。これまで申し述べましたように、計画立案から事業化に移る段階で、その意思決定のプロセスが絶対必要であります。しかし、今回は一括発注という名の下で、そのプロセスが担保されておりません。
ここで改めて思い起こしていただきたいのですが、なぜこのような事態になったのかを。それは議会側の問題や、ましてや市民の皆さんの責任ではありません。もともと合併推進債の活用期限は決まっていた中、大西市長自らがコロナ対策に集中するために建て替え議論を一旦白紙に戻すとし、2年間の議論の空白期間をつくったことは重要な手順を端折ってまでも急がなければならなくなった最大の要因であります。
そこで事業化に至る意思決定プロセスを確保するため、基本計画においては市民に幅広く周知し、意見を拝聴することはもとより議会の承認を得ることを求めますが、いかがでしょうか。また、契約においても基本設計業務については基本計画の正式決定後において実施する旨を契約の仕様書等に明記していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
以上、大西市長に答弁を求めます。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 今回、本市では可能な限り市の財政負担を軽減するため、合併推進債の活用を目指しておりまして、その活用要件を満たすため基本計画・基本設計・実施設計を一括して発注する契約手法を選択しております。
基本計画策定に当たりましては、ワークショップ等を開催し、市民の皆様の意見を取り入れることはもとより、素案がまとまった段階の市民説明会やパブリックコメントを実施するなど、広く市民の皆様に対して周知と意見聴取を行ってまいります。
また、基本計画は地方自治法に規定されております議決事項ではございませんが、新庁舎整備を進めるに当たり、大変重要なものでありますため、その内容について適宜特別委員会等で御審議いただくものと承知しておりまして、市議会における御審議が十分になされた上で策定させていただくことで議会の承認を得ることができると考えております。
このように一括発注の場合でありましても、基本設計を行うためには、まず基本計画を策定する必要がございまして、それぞれの検討状況については随時市議会へ御報告申し上げるため、御懸念の基本計画の検討と基本設計の検討が前後するようなことはなく、契約の仕様書等に明記する必要はないと考えておりますが、仕様書の内容につきましては、議員からの御要望を踏まえまして検討してまいりたいと考えております。
冒頭に申し上げましたとおり、合併推進債を活用するため、一括発注を選択はしておりますが、今後の検討においては基本計画、基本設計、実施設計、それぞれの検討に必要な期間を十分に確保し、しかるべき手順を踏み、市議会はもとより市民の皆様に対し丁寧な説明と意見聴取を行いながら事業を進めてまいりたいと考えております。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 今の市長の答弁では、私が質問した内容と多少擦れ違っておりますので、市長に再度質問申し上げます。
市長は、議会の十分な議論を踏まえて策定することで議会の承認を得ることができると考えていらっしゃるとのことですが、私は議会の承認を得られるかどうかではなく、基本計画から基本設計、基本設計から実施設計、それぞれの段階で議会の承認を得た上で次の段階に進むように求めたものであります。
つまりスケジュールありきで来年度に基本計画を策定し、再来年度に基本設計の業務にフェーズを進めるのではなく、基本計画がまとまった段階において議会で議論、確認し、合意がなされ基本計画が決定し、次の基本設計業務へ移る。その手順を踏んでいくことを市長に求めたものであります。
これまで申し上げてきたように、本来ならば都市景観の保全、健全な財政運営の維持、将来の熊本市のまちづくりなど様々な観点から議論が重ねられ完全とはいかないまでも様々な重要課題に対し、ある程度の見通しが立ち、また市民の理解や合意が得られた段階で進めるべき熊本市政歴史上でも最重要案件が課題やリスクを置き去りにされたまま基本計画から実施設計までを一括発注するという異例の手法とスピードで進められようとしています。
そのことが合併推進債を活用したいという理由であれば、先ほど御回答いただいたように年度内の実施設計の契約締結により条件を満たすと国との確約もできていることから、あとは通常のように基本計画、基本設計、実施設計とそれぞれの策定段階でその都度十分な議論を行い、承認を得た上で段階を踏んで進めていくことをこの場で市長にお約束いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。大西市長に答弁を求めます。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 繰り返しになりますけれども、今後の検討においては基本計画、それから基本設計、そして実施設計、それぞれの検討に必要な期間を十分に確保して、そしてぞれぞれの段階において市議会はもとより市民の皆様に対して丁寧な説明と御意見、意見聴取を行いながら事業を進めてまいります。
また、各検討段階においても特別委員会等で十分に御審議をいただいた上で策定させていただきますので、そうした中で議会でも十分御審議、御議論いただいて御承認を得ることができると。そういうプロセスであるというふうに考えております。
なお、今回基本計画からこの実施設計までの予算をまとめて債務負担行為の設定させていただいておりますけれども、各年度の所要額につきましては、当初予算の計上時に御審議いただいた上で議決していただくということでございますので、そういうふうに考えているところでございます。よろしくお願いいたします。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 市長は常に重要な意思決定は市民の代表である議会との議論が原則とおっしゃっていました。私は非常に重たい責任を感じながら、市民の皆さんにも正しい判断をしてもらうため、説明したくても建て替えを急ぐあまり不確定な要素が多く、十分な説明ができないままこうやって一つの節目を迎えてしまいました。
我が会派は今回の質疑で判断させていただきますが、この事業がこれから生まれ育つ人材に大きな負担とならないことを切に願って、熊本自民、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○紫垣正仁 委員長 熊本自由民主党市議団、高本一臣委員の質疑は終わりました。
次に、日本共産党熊本市議団、上野美恵子委員の質疑を行います。
持ち時間は10分となっております。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 日本共産党熊本市議団の上野美恵子でございます。
まず、決算状況報告書の本庁舎等整備の在り方に関する有識者会議関連経費についてです。
税金を扱う市の第三者機関には、公平性・公正性が求められます。
1、本庁舎整備の在り方に関する有識者会議が公平・公正な第三者機関としての役割を果たすために、運営上どのような点に留意されましたか。
2、予断を持たずに審議をするため、どのような点に配慮がされたのでしょうか。
3、民意は別として、市は本庁舎を建て替えるという方針を示していますが、その方針は何を基にしていつ決められたのでしょうか。
以上、市長に伺います。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 熊本市本庁舎等整備の在り方に関する有識者会議は、本庁舎等の整備の在り方という本市の政策課題について耐震性能を含め、多角的な視点でさらに慎重に検討を重ねるため、附属機関設置条例に基づき市が設置した諮問機関でございます。
有識者会議の委員には、国の審議会等の委員を歴任されるなど、重責を担う立場にある専門家に御就任いただき、第1回有識者会議において、私から委員の皆様へ直接予断を持たず建て替えの是非を含め、客観的かつ専門的な立場から御審議いただくことをお願いしておりまして、耐震性能調査結果に疑問を呈した専門家からの御意見も踏まえ、公平・公正な視点で議論が行われたものと考えております。
なお、有識者会議につきましては、全て公開により行われ、耐震性能分科会の審議につきましては、全ての会議資料、議事要旨を含む報告書を適切に公開しておりまして、予断を持たず公平・公正な視点で御審議いただいたことをどなたでも御確認いただけるものでございます。
最後に、建て替えの方針についてでございますが、有識者会議から本庁舎等は建て替えるべきとの答申が示されたことを重く受け止め、あらゆる災害から市民の皆様の生命、財産を守ることとともに、さらなる市民サービスの向上を図るため、総合的に勘案した結果、本庁舎等は建て替えの方針で進めてまいりたい旨を令和5年第2回定例会において私が表明させていただいたものでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 答弁を受けまして、ちょっとお尋ねしたいと思います。
ただいま建て替え方針で進めることは、2023年5月の本庁舎整備の在り方に関する有識者会議答申を受け、その後の議会で市長は表明されたと答えられました。しかし、有識者会議答申に先立つ2022年12月の第3回有識者会議では、耐震部会の取りまとめを受けて、耐震性能が不足しているということを前提として今後の有識者会議の審議を進めていきたいと決定されました。
これは、その後の審議を耐震性能が不足するから建て替えの方向で検討されたということではないでしょうか。伺います。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 先ほど申し上げましたけれども、この有識者会議から本庁舎等は建て替えるべきとの最終的な答申を示されたということを私どもは重く受け止めまして、それで令和5年の第2回定例会において私が表明させていただいたということでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 ところが、有識者会議はそうではなかったということを申し上げておきます。
もう1点お尋ねいたします。
答弁では、「耐震性能分科会の審議についても全ての会議資料、議事要旨を含む報告書を適切に公開しており、予断を持たず公平・公正に審議したことを誰でも確認できる」と答弁されました。ならば、なぜ詳細な会議録の公開を求めて裁判までが行われたのでしょうか。誰でもが確認できていなかったからではないでしょうか。市長にお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 耐震性能分科会の審議については、検討過程を含め、その内容が分かるものとして全ての会議資料、それから議事要旨を含む報告書を適切に公開しておりまして、予断を持たずにこの公平・公正な視点で御審議いただいたことなども確認できるところでございます。
なお、会議のこの非公開資料等の取扱いについても条例に基づき、適切に行い、その上でこの耐震性能分科会審議の内容についても有識者会議のいろいろな議論の中でしっかり分かるように情報は公開されております。
裁判をどういう形で行われたかどうかということも御質問の中にございましたけれども、それについては、どういう形でこの訴えを提起した方が御判断なさっているのかということについては、現在訴訟等でも今係争中でございますが、私がそれに対してコメントすることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 誰でもが納得しなかった、確認できなかったからの裁判であったということをきちんと御認識いただきたいと思います。
市長の意向を受けて、予断を持たずと繰り返し述べられてきた有識者会議の平田会長は、有識者会議の中で「本庁舎の整備をするということは、どのような庁舎が望ましいかということ。長い間市民に使っていただく本庁舎を造るということで、景観についての配慮が必要」などと建て替える方向での意見を述べられておりまして、有識者会議が建て替えありきで進められてきたことを私は示していると思います。
第6回の有識者会議、この最後に平田会長は、「事務局と私で答申案の原案をつくります」と述べておられましたが、これもまた市の意向を反映した答申がつくられたことを表明されたものであり、第三者機関である有識者会議の公平さ、公正さが問われるゆゆしき発言であったことを指摘しておきます。
続いて、市庁舎整備の基本計画・基本設計・実施設計の一括発注について伺います。
1、国土交通省のマニュアルでは、「設計者選定手続の前に行うこと。設計者選定手続に入る前に発注者はどのような施設を建設するのかを企画し、設計業務委託する際に、設計に必要となる条件を取りまとめておくことが必要」だとしています。基本計画がないままに基本・実施設計の業者選定を行うことは、国のマニュアルの趣旨に沿わないのではないでしょうか。
2、国の手引きでは公共建築事業の一般的な業務の在り方として、企画段階での基本計画策定は発注者の仕事、設計段階の基本・実施設計は設計事務所の仕事であるとしています。そういう意味で基本計画と基本・実施設計を一括で発注することは、それぞれの事業の性格からしてふさわしくないのではないでしょうか。
3、今回の予算の積算に当たって、何社から見積りを取られましたか。市長並びに関係局長にお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 議員御指摘のマニュアルにつきましては、適切な設計者選定に資することを目的に全国営繕主管課長会議において策定されました「建築設計業務委託の進め方、適切に設計者選定を行うためのマニュアル」のことと理解いたします。
本市の場合、これから基本計画を策定いたしますため、現時点において当該マニュアルに記載の設計与条件、全てを整理しているものではございませんが、先般策定いたしました基本構想の中で、建物の用途や規模、目指すべき姿など施設の骨格となる主要な項目についてお示ししておりまして、発注に必要な情報は整理ができておりますことから、当該マニュアルの趣旨に反するものではないと考えております。
次に、議員御指摘の手引きについてですが、発注者の役割を適切に果たすために国土交通省が作成した「地方公共団体における建築事業の円滑な実施に向けた手引き」のことと理解いたします。
当該手引きには、企画段階は主に建築物を所管する事業部局において実施されますが、一部で設計事務所などの建築関係建設コンサルタントへ外注される場合もあると記載されておりまして、本事業についても基本計画段階で機能的な配置計画や災害に対して備えるべき機能など専門性の高い事項について検討が必要になりますことから、受託者となる設計事務所の支援を受けつつ発注者である本市が方針を決定するものでございます。
また、設計段階におきましても、設計図等の作成は設計事務所が行うものの基本計画に基づきます設計方針や仕様などについては、市が決定するものでございます。
このように、基本計画段階と基本・実施設計段階では発注者としての関与の度合いが異なりますものの、いずれも市主体で進めるものでございまして、一括して発注することに支障はないと考えております。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 私からは、予算算定に当たりまして見積りを徴収した事業者の数についてお答えいたします。
今回の予算の積算に当たりましては、その参考といたしますため、設計事務所6社から見積りを徴取しております。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 答弁を踏まえて、市長に何点か確認させていただきます。
「設計者選定手続に入る前に、取りまとめておくべき設計与条件の全てを整理しているわけではないが、発注に必要な情報は整理している」と答弁されました。国が示しているマニュアルでは、設計与条件は事業目標、重点整理項目、建築物の性能、施設概要、コスト配分、敷地や工期など多岐にわたっています。これらをどこまで具体的に取りまとめておられるのでしょうか。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 今答弁申し上げましたとおり、これから基本計画を策定するために、現時点で当該マニュアルに記載の設計与条件を全て整理しているものではないんですけれども、先般策定しましたこの基本構想の中で、建物の用途、規模、目指すべき姿、施設の骨格となる主要な項目についてお示ししておりまして、そこでこの当該マニュアルの趣旨に反するようなものではなく、発注に必要な情報というのは、この基本構想のレベルでは情報は整理はできているというふうに考えているところでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 今の点でお尋ねいたします。
では設計概要における階数や改装計画、部屋ごとの面積、動線、配置計画などは、決まっているのでしょうか。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 この国のマニュアルでは、設計者選定手続の前の段階で建物の性能の詳細など設定していない場合の対応についても記載がございます。詳細な設計条件を定めないとこの設計者選定手続ができないとはされておりません。ですので、先ほど申し上げたような状況の中でしっかりと、こうした手続は問題なく進めることができると、このように我々は考えているところでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 設計与条件の中の一つに総工事費というのがありますが、616億円プラスアルファという曖昧な事業費額ではなく、総工費としての額を示すべきではないでしょうか。お尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 この設計者選定手続の前の段階で、先ほど申し上げましたように建物の性能の詳細など設定しない場合の対応についての記載を見ますと、詳細な設計条件というものについても今分かっている範囲の中で、我々がお示ししております基本構想段階の条件で十分に進めることができる。手続的に問題はないというふうに考えているところでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 もう一つお尋ねします。
設計者選定手続の前に行うことの一つに、事前調査というのがあります。既存建物を解体して新築する場合は敷地測量、地盤調査、日照、電波障害に係る調査、敷地内の建築物、工作物、立木並びに敷地内及び敷地周辺の排水設備、電気設備、機械等設備の調査があります。事前調査は済んでいるのでしょうか。もしくは見通しをお答えください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 業者選定に当たりましては、設計条件の詳細を定め、そして庁舎の具体的なデザイン等の提案を受けて業者を選定するコンペ方式ではなく、提案者のノウハウ、あるいは実績、実施体制などの提案内容を基に最も適したものを選定するプロポーザル方式というものを予定しているところでございます。
先般、策定いたしました基本構想の中で、建物の用途、規模、目指すべき姿、施設の骨格となる主要な項目について整理がされておりますことから、このプロポーザル方式による業者提案が可能ということでありまして、それに基づいた選定が可能であると、このように考えているところでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 答えが違っていました。事前調査をしたのかしないのか。その見通しを答えてください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 現在いろいろと申し上げましたとおり、我々基本構想という形の中でいろいろな状況を確認して、そして建物の用途規模について設定しておりますので、その条件の中でこれから進めていくということでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 政策局長にお尋ねします。
事前調査は済んでいますか。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 今回の予算の積算に当たりましては、現在お示ししております基本構想を与条件として見積りについて徴取をしたという状況でございますので、私の認識といたしましては、事前調査は今後の必要な調査ということでございますので、現時点で調査をやっているという状況ではないというふうに認識しております。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 用地取得がまだなので、やはり事前調査というのは、私は聞きはしましたけれども難しい段階だと思います。今は用地が取得できていない。位置決定も行われていない他人の土地に計画をつくって設計しているから矛盾があるのではないでしょうか。るるお尋ねしましたが、設計者の選定以前にやっておくべきことがなされていないことがよく分かりました。
国土交通省の設計者選定マニュアルの定めている設計者選定手続の前に行うことの中身は、まさに基本計画に定めるべき事項です。建設費にしても、用地買収ができていないから事前調査ができない。基本計画をつくらずして実施設計まで一括して予算を提案しているために出ている矛盾です。国のマニュアルは、建物の性能の詳細とコスト配分については事前にできない場合に対応していますが、ほかの全ての私が指摘した事項は基本的には設計者選定の前に行うこととしています。熊本市役所建て替えのような大規模な事業で基本計画・基本設計・実施設計を一括発注している他都市の事例がないと聞いていますが、それは踏むべき手順を踏まない事業の実施となるからではないでしょうか。
事業費の616億円プラスアルファは、設計発注の手続にもそぐわないものです。交付税措置で事業費が減るかのような誤った説明で、合併推進債活用で事業を急ぐことが事業そのものとその進め方を大きくゆがめていることを指摘しておきます。
最後に、公共施設等総合管理計画について伺います。
1、公共施設等総合管理計画における2023年度事業費の決算額並びに計画期間における事業費の年平均額をお示しください。
2、今年3月に改定された公共施設等総合管理計画・実施計画から類推される今後10年間の事業費の総見込額をお示しください。
3、公共施設等総合管理計画・実施計画における現庁舎の維持管理コストの計画上の事業費は幾らでしょうか。
4、公共施設長寿命化等基金積立金の2023年度末現在高並びに今後の積立て見通しをお示しください。
5、市長には今議会の予算決算委員会総括質疑で、本庁舎等の整備についても公共施設長寿命化等基金を活用することが可能だと考えると答弁されました。しかし、そのような活用をすれば現行の公共施設等総合管理計画・実施計画に大きな影響が出るのではないでしょうか。
以上につきまして、市長並びに関係局長にお尋ねいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 公共施設等総合管理計画に関する4点のお尋ねについて順次お答えいたします。
2023年度、令和5年度の公共施設等総合管理計画・実施計画で予定した事業につきましては、当初予算で約196億円と見込んでおりまして、これに対する決算額は翌年度、令和6年度に繰り越しました事業費約62億円を除きますと、約112億円でございます。また、2024年度の実施計画における今後5年間の平均額は約160億円でございます。
2点目でございます。
実施計画では、今後10年間にわたって適切な事業費等を見通すことは難しいなどの課題があることから、一定の仮定の下、試算いたしました今後5年間の事業費をお示ししております。
なお、2024年度~2028年度までの5年間の事業費として約800億円を見込んでおります。
3点目の2024年度の実施計画につきましては、本庁舎の使用を継続する上で最低限必要な改修等の経費を計上しておりまして、5年間で約13億円を見込んでおります。
最後に、公共施設長寿命化等基金の2023年度末の残高は約120億円でございます。今後の見通しにつきましては、具体的な金額は定めておりませんが、毎年度の収支を見極めながら適切に積立てを行ってまいります。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 総括質疑で齊藤委員にもお答えいたしましたとおり、本庁舎の整備においても公共施設長寿命化等基金を活用することは可能であるというふうに考えておりますが、熊本市新庁舎整備に関する基本構想でもお示ししておりますとおり、本庁舎等整備の財源につきましては、国の補助金や合併推進債などの有利な財源を活用することを想定しておりまして、現時点では公共施設長寿命化等基金の活用は想定しておりません。このため、公共施設等総合管理計画等への影響はないものと考えております。
なお、本庁舎等整備におきましては、長寿命化等の事業に支障が生じないよう毎年の財政運営の中で工夫してまいりたいと考えております。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 いろいろ答弁いただきましたが、局長答弁にありました昨年度決算で翌年度への繰越しが約62億円との答弁でした。
その点について局長にお尋ねします。
事業費の約3分の1が積み残しとなっていることになります。その理由は何でしょうか。長寿命化に効果的な予防保全としていくためにも、予定した事業を確実に実施していくべきではないでしょうか。お尋ねいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 お尋ねの令和6年度に繰り越しました約62億円でございますが、道路施設等それぞれの分野において繰越しが発生していること事実でございます。これは議員御指摘のとおり、繰越しをなるべく残さず予算措置した当該年度にやるべきものと考えておりますが、それぞれの事業におきましては、現場の状況でありますとか、資材の調達とかおのおのの事情により繰り越したものでございます。繰り越した事業につきましても、それぞれ議会の委員会の中で御説明し、御了解いただいて繰り越された事業であると考えております。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 老朽化が進んでいけば長寿命化の費用が増えます。莫大な費用が継続的に必要となる長寿命化においては、予定した事業を確実に実施することがとても大切です。市民サービスを低下させないためにも公共施設の維持管理は極めて重要と考えます。また、庁舎整備や長寿命化に支障が生じないように工夫するということですので、市長の方にはどうぞよろしくお願いいたします。
市民生活に直結した予算を削るような庁舎整備、これは市民の負担とならないよう、私どもはこれについて財政負担を心配する点から庁舎整備については認めない立場でおります。
以上で質疑を終わります。
○紫垣正仁 委員長 日本共産党熊本市議団、上野美恵子委員の質疑は終わりました。
次に、井坂隆寛委員の質疑を行います。
持ち時間は5分となっております。
〔井坂隆寛委員 登壇〕
◆井坂隆寛 委員 井坂隆寛です。予算決算委員会の締めくくり質疑に当たり、熊本市電延伸経費、(仮称)東町線の市電延伸に係る実施計画等に要する経費について質疑させていただきます。
健軍町電停から熊本市民病院までの約1.5キロメートルの市電延伸に向けた実施設計経費等の補正額4億2,000万円が計上されています。積算内訳は実施設計3億6,800万円、用地測量5,200万円です。今年100周年の節目を迎えた熊本市電が今後も持続可能な公共交通機関として熊本市にお越しの観光客、通勤通学、市民の足として地域に親しまれることを切に願っています。
私は、今年3月の第1回定例会一般質問では、公共交通は福祉の一環であるとの認識の下、適切な運賃の設定、運転士たちのウェルビーイング、それらを踏まえたダイヤ編成に努めてくださいますよう要望いたしました。具体的には、運転士が利用できるトイレが少ない現状について例を挙げ、今後の検討をお願いしました。内容を再度御紹介します。
運転士は健軍町電停留所では民間の店舗で、田崎橋の終点では国の合同庁舎でトイレを使用していますが、これらは夜間や早朝は利用できません。それを踏まえ、延伸後、市民病院の終点や熊本駅に車両2編成程度を留め置くことができる運転車庫兼運転士待機場があるならば、始発・終電の時間の改善と併せて運転士の処遇改善につながるのではないかというものでした。
さて、今回の質疑に当たり、私は市民病院の東側に終点の停留所ができるのであれば、現在健軍町の終点でお借りしている民間の店舗トイレではなく、田崎橋の終点同様に近隣の公的機関、要するに市民病院内のトイレをお借りすることになるかもしれないと思い、時間外入り口やトイレの位置、そして市民病院前の終点の場所として予測される場所からの距離を調べました。結果、市民病院1階フロアにあるトイレまでの距離は約230メートルで、また間には信号機が1つあるため、容易には利用できないことが分かりました。
したがって、延伸により運行距離が伸び、休憩の間隔が空くことは運転士の負担増加につながります。やはり運転士の待機場の設置、特にトイレの設置は必要であると考えます。
ここで、都市建設局長にお尋ねします。
今回の(仮称)東町線の実施設計の中に、運転士用のトイレの設置は含まれているのでしょうか。
〔秋山義典都市建設局長 登壇〕
◎秋山義典 都市建設局長 現状、周辺につきましては、運転士不足により減便など運行サービスの低下を余儀なくされておりますことから、市電が安全・安心な乗り物として市民の皆様に御利用いただくためには運転士を含めた人材の確保は必須でございます。
今回の実施設計の予算には含まれておりませんが、確実に人材を確保してまいりますためには、議員御指摘の視点も非常に重要でございますことから、今後交通局と連携いたしまして、運転士用のトイレ設置等も含め、職員が働きやすい環境整備について検討してまいります。
〔井坂隆寛委員 登壇〕
◆井坂隆寛 委員 ありがとうございました。
今回の実施設計の予算には含まれていないものの今後交通局と連携し、運転士用トイレも含め、職員が働きやすい環境整備について御検討くださるとの御答弁をいただきました。
可能であれば待機場の設置、さらには車両2編成程度留め置くことができる車庫兼運転士待機場までも視野に入れての御検討を要望します。もし運転士の待機場所の設置が難しいのであれば、終点付近に小さな公園や緑地を設置整備することも視野に入れ別途検討していただければと思います。
宇都宮ライトレールの路面電車ライトラインでは、乗客が利用できるトイレの場所についての案内もあり、とても親切だと思いました。これは終点の1つ手前にある停留所に隣接した公園内のトイレや利用者の多い2か所の停留所内に2基ずつ設置した多目的トイレのことだそうです。
昨年、交通局では運転士の離職者が採用者数を上回る現状がありました。しかしながら、これに対しては早急な対応が行われ、今後は運転士が増えていくことが見込まれます。しかしながら、延伸が運転士の負担の増加を招き、それが離職の要因となり、持続可能な公共交通ではなくなってしまうことを懸念します。
電車の運転が好きで、また乗客、市民の皆さんと接することが好きで、運行の安全に日々努力している運転士や車掌、そしてそれを支える職員がいます。引き続き公共交通は福祉の一環であるとの認識の下、運転士たちのウェルビーイング、それらを踏まえたダイヤ編成に今後も努めてくださいますよう、再度御関係の全ての皆様にお願いいたしまして、私の質疑を終わります。ありがとうございました。
○紫垣正仁 委員長 井坂隆寛委員の質疑は終わりました。
次に、菊地渚沙委員の質疑を行います。
持ち時間は5分となっております。
〔菊地渚沙委員 登壇〕
◆菊地渚沙 委員 菊地渚沙です。
新庁舎設計関係業務委託の経費について、2点まとめて質問いたします。
1点目、市議会への説明責任について。
今議会の一般質問で上野美恵子議員より市民への説明責任についての質問がありました。政策局の答弁では、「説明責任を果たすべき相手は市民の皆様であり、市民の代表である市議会である」とありましたが、執行部は市議会に対して説明責任を十分に果たしていないと私は感じております。
その理由は、概算事業費600億円を超える事業にもかかわらず、少なくとも今議会で補正予算が上程されてから一度も執行部側からこちらに出向いて説明がなされなかったためです。今回の議案は、総務委員会への付託議案であることは重々承知しておりますが、会派に属していない無所属議員であっても詳細な説明を執行部側からするのが説明責任を果たすということではないでしょうか。市議会への説明は十分に果たされたとお考えなのか、御見解をお示しください。政策局長にお尋ねします。
続けて2点目、NTT桜町の解体費用等の経費が増える可能性について。
概算事業費プラスアルファの表現について、資材や労務単価の変動性や用地取得費及び建物補償費が未確定であることから、より実情に即した表現となるようプラスアルファの表現がされております。移転先のNTT桜町及び本庁舎解体費用はプラスアルファに含まれているのでしょうか。また、仮にNTTの旧社屋は補償の対象外であったとしても、ほかの補償の対象となる駐車場の売上補償やその他の項目等で事業費が増える可能性が全くないと言い切れるでしょうか。また、価格のつり上げの可能性についての御見解もお示しください。
以上2点、政策局長にお尋ねします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 私から2点の質問に順次お答えいたします。
1点目の市議会への説明責任についてでございますが、新庁舎整備につきましては、議会において本庁舎整備等の問題は極めて重要な案件であることから、改選後に庁舎整備に特化した特別委員会を設置し、さらに議論を深めていくこととして、令和元年5月に庁舎整備に関する特別委員会を設置され、これまで本庁舎に求められる機能と在り方及びこれに係る諸問題に関する調査について御審議いただいてまいりました。
本市といたしましては、当該特別委員会において各委員からの御質問、御意見に対して真摯にお答えしてきたところでございまして、また市議会定例会の一般質問等でもお答えしてまいりました。加えて、庁舎整備に関する予算につきましては、その審議が分担されております総務分科会において御審議いただいてまいりました。
このようなことから、市といたしましては市議会からの御意見、御質問に対して情報提供を含め適切に対応させていただいていると考えておりますが、御指摘も踏まえまして、今後はより丁寧な対応を取らせていただきたいと考えております。
また、2点目の解体費についてのお尋ねでございますが、まず現庁舎の解体費は基本構想でお示ししております概算事業費約616億円の内数として、約90億円を見込んでおります。
なお、現庁舎の解体費につきましては、労務単価の高騰等による変動が想定される一方で、地下の解体範囲の減少など削減要因も考えられますことから、今後事業の進捗に応じた精査に努めてまいります。
次に、NTT西日本さんへの補償費でございますが、旧社屋に隣接する立体駐車場など現在利用されている建物につきましては、補償の対象となりますが、旧社屋についてはNTT西日本側の負担で解体を行いますことから、市に費用負担が生じるものではございません。
また、建物調査等を実施していない基本構想の段階では、建物補償費として駐車場などの再築に係る概算額をお示ししておりますが、このほか追加の補償項目として営業補償等が想定されます。今後、相手方の同意の下、不動産鑑定や建物調査等を行い、項目や額の精査に努めてまいります。
最後に、補償費の増額の可能性についてでございますが、土地及び建物に関する補償については熊本市の公共事業の施工に伴う損失補償基準に基づき算定し、熊本市公共用地等評価委員会などの所定の手続を経て確定いたしますことから、基本構想でお示しした額よりも増減することは想定されますが、相手方との価格交渉によって金額が変わることはございません。
〔菊地渚沙委員 登壇〕
◆菊地渚沙 委員 ありがとうございます。
旧社屋の解体費用を市が負担するのではないか、解体費を上乗せして請求されるのではないのかと心配しておりましたが、NTT西日本側の負担で解体を行うことから市に費用負担が生じるものではないとの御答弁でしたので、この点については安心いたしました。
時間がないので次の質問に移ります。
議論が長引いた原因と反対派の市民の理解が得られなかった理由について、市長にお尋ねします。
私たちがいるこの現庁舎は、建て替え位置の検討に約4年、構想に係る調査測量に約3年、構想3か月、設計1年、そして2年8か月の工事期間を経て昭和56年10月31日に竣工しました。当時も時間をかけて議論されたことがうかがえますが、今回は合併推進債のタイムリミットがあったのにもかかわらず議論が長引き、600億円規模の巨額事業を最終的に業者に一括発注する選択になったことは非常に残念でなりません。私はここまで議論が長引いてしまった要因は、耐震性をめぐる問題と市民の理解が得られなかったことだと考えます。建て替えの是非の議論がされた庁舎耐震性能分科会の議事録が公開されなかったことは、一部市民の執行部に対する不信感を生みました。加えて、井坂議員も一般質問でおっしゃっていましたが、熊本市をどんなまちにしたいのか明確なビジョンを市民と共有できなかったことが理解が得られなかった要因と考えます。両者にとって不幸でもったいない時間だったと思います。
ここで市長にお尋ねします。
ここまで議論が長引いた原因と反対派の市民の理解が得られなかった理由について市長のお考えをお聞かせください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 新庁舎整備につきましては、これまで平成29年度の耐震性能調査以降、平成30年6月の公共施設マネジメント調査特別委員会における審議に始まりまして、その後も庁舎整備に関する特別委員会において継続して熱心に御審議いただいてまいりました。
この間、新庁舎整備の理由の一つである現庁舎の耐震性能不足につきましては、平成29年度の耐震性能調査の結果に対して一部の専門家の方から疑問が呈されるとともに、市議会からも様々な御意見をいただきましたことから令和2年度にさらなる調査を実施いたしましたが、その結果に対しましても市議会等から審議を継続し、さらなる検証を行うべきとの御意見が示されたところでございます。
このことから、改めて現庁舎の耐震性能の有無を含め、多角的な視点で本庁舎の在り方について審議を行いますため、令和3年に本庁舎等整備の在り方に関する有識者会議を設置いたしまして、本庁舎等の整備の在り方について諮問を行ったところでございます。
その結果、昨年5月に有識者会議から本庁舎等は現行の建築基準法等が求める耐震性能を有していないとする耐震性能調査の結果は妥当であり、本庁舎等は建て替えるべきであるとの答申が示されたところです。この答申を重く受け止め、昨年6月コロナ禍の収束に伴う議会での議論の再開とともに、市としては本庁舎を建て替える方針で検討を進めてまいりたい旨を表明いたしまして、その後本定例会まで新庁舎整備に向けた議論を熱心に深めていただいたところでございます。
委員御指摘のとおり、耐震性能調査の内容及び結果の検証に多くの時間がかかり、全体として6年余の検討期間を要しましたが、十分な審議を行うためにはこれは必要な時間であったというふうに考えております。
なお、庁舎建て替えに御納得いただけていない方の多くは耐震性能調査結果を含めまして庁舎建て替えの必要性に疑問をお持ちであると認識しておりまして、今後も多くの市民の皆様に御理解いただけるように引き続き丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。
〔菊地渚沙委員 登壇〕
◆菊地渚沙 委員 ありがとうございます。
これまで多くの市民の方が陳情に来られました。耐震性をめぐっては裁判もありました。最近では市民団体が住民投票を求める署名運動も始まりました。実質賃金は26か月マイナス、物価高でどの世代も生活が苦しい中、市役所を建て替えるなら福祉の充実や教育、こどもたちにお金を使ってほしいというお声も私も聞きました。それでも建て替えが必要であれば、耐震性については議事録を公開し、情報の透明化をするべきだったと思います。
そして、初めから熊本市の未来予想図を市長が市民と共有し、「それなら仕方ないね」と市民の理解を得る必要があったのではないでしょうか。非常に重い決断だと思っておりますが、最後に質疑の機会をいただきましたことを感謝申し上げます。ありがとうございました。
○紫垣正仁 委員長 菊地渚沙委員の質疑は終わりました。
以上で、締めくくり質疑は終わりました。
これより採決を行います。
まず、議第191号、議第192号、以上2件を一括して採決いたします。
以上2件を可決することに御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○紫垣正仁 委員長 御異議なしと認めます。
よって、以上2件はいずれも可決すべきものと決定いたしました。
次に、議第234号を採決いたします。
本件を可決及び認定することに御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○紫垣正仁 委員長 御異議なしと認めます。
よって、本件は可決及び認定すべきものと決定いたしました。
次に、議第232号、議第233号、議第235号、以上3件を一括して採決いたします。
以上3件を可決及び認定することに賛成の委員の挙手を求めます。
(賛成) 村上博副委員長、寺本義勝委員
大嶌澄雄委員、村上麿委員
瀬尾誠一委員、菊地渚沙委員
山中惣一郎委員、井坂隆寛委員
木庭功二委員、村上誠也委員
古川智子委員、荒川慎太郎委員
松本幸隆委員、中川栄一郎委員
松川善範委員、筑紫るみ子委員
島津哲也委員、吉田健一委員
齊藤博委員、田島幸治委員
日隈忍委員、山本浩之委員
北川哉委員、平江透委員
吉村健治委員、山内勝志委員
伊藤和仁委員、高瀬千鶴子委員
小佐井賀瑞宜委員、田中敦朗委員
高本一臣委員、西岡誠也委員
田上辰也委員、三森至加委員
浜田大介委員、井本正広委員
大石浩文委員、田中誠一委員
坂田誠二委員、落水清弘委員
澤田昌作委員、藤山英美委員
上田芳裕委員
(反対) 井芹栄次委員、上野美恵子委員
○紫垣正仁 委員長 挙手多数。
よって、以上3件はいずれも可決及び認定すべきものと決定いたしました。
次に、議第230号、議第231号、以上2件を一括して採決いたします。
以上2件を認定することに賛成の委員の挙手を求めます。
(賛成) 村上博副委員長、寺本義勝委員
大嶌澄雄委員、村上麿委員
瀬尾誠一委員、菊地渚沙委員
山中惣一郎委員、井坂隆寛委員
木庭功二委員、村上誠也委員
古川智子委員、荒川慎太郎委員
松本幸隆委員、中川栄一郎委員
松川善範委員、筑紫るみ子委員
島津哲也委員、吉田健一委員
齊藤博委員、田島幸治委員
日隈忍委員、山本浩之委員
北川哉委員、平江透委員
吉村健治委員、山内勝志委員
伊藤和仁委員、高瀬千鶴子委員
小佐井賀瑞宜委員、田中敦朗委員
高本一臣委員、西岡誠也委員
田上辰也委員、三森至加委員
浜田大介委員、井本正広委員
大石浩文委員、田中誠一委員
坂田誠二委員、落水清弘委員
澤田昌作委員、藤山英美委員
上田芳裕委員
(反対) 井芹栄次委員、上野美恵子委員
○紫垣正仁 委員長 挙手多数。
よって、以上2件はいずれも認定すべきものと決定いたしました。
次に、議第190号を採決いたします。
本案を可決することに賛成の委員の挙手を求めます。
(賛成) 村上博副委員長、寺本義勝委員
大嶌澄雄委員、村上麿委員
瀬尾誠一委員、菊地渚沙委員
井坂隆寛委員、木庭功二委員
村上誠也委員、古川智子委員
荒川慎太郎委員、松本幸隆委員
中川栄一郎委員、筑紫るみ子委員
島津哲也委員、吉田健一委員
齊藤博委員、田島幸治委員
日隈忍委員、山本浩之委員
北川哉委員、平江透委員
吉村健治委員、山内勝志委員
伊藤和仁委員、高瀬千鶴子委員
小佐井賀瑞宜委員、田中敦朗委員
西岡誠也委員、田上辰也委員
三森至加委員、浜田大介委員
井本正広委員、大石浩文委員
田中誠一委員、坂田誠二委員
落水清弘委員、澤田昌作委員
上田芳裕委員
(反対) 山中惣一郎委員、松川善範委員
井芹栄次委員、高本一臣委員
藤山英美委員、上野美恵子委員
○紫垣正仁 委員長 挙手多数。
よって、本案は可決すべきものと決定いたしました。
以上で当委員会に付託を受けた議案の審査は全て終了いたしました。
これをもちまして、予算決算委員会を閉会いたします。
午前11時54分 閉会
出席説明員
市長 大 西 一 史 副市長 深 水 政 彦
副市長 中垣内 隆 久 政策局長 三 島 健 一
総務局長 津 田 善 幸 財政局長 原 口 誠 二
都市建設局長 秋 山 義 典 代表監査委員 横 田 健 一
教育長 遠 藤 洋 路
議会局職員
局長 江 幸 博 次長 中 村 清 香
議事課長 池 福 史 弘 政策調査課長 岡 島 和 彦
〔議案の審査結果〕
議第 190号 「令和6年度熊本市一般会計補正予算」…………………(可 決)
議第 191号 「同 病院事業会計補正予算」……………(可 決)
議第 192号 「同 交通事業会計補正予算」……………(可 決)
議第 230号 「令和5年度熊本市各会計(公営企業会計を除く。)決算について」
……………………………………………………………(認 定)
議第 231号 「同 病院事業会計決算の認定について」
……………………………………………………………(認 定)
議第 232号 「同 水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
………………………………………………………(可決及び認定)
議第 233号 「同 下水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
………………………………………………………(可決及び認定)
議第 234号 「同 工業用水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
………………………………………………………(可決及び認定)
議第 235号 「同 交通事業会計利益の処分及び決算の認定について」
………………………………………………………(可決及び認定)
予算決算委員会会議録
開催年月日 令和6年9月25日(水)
開催場所 予算決算委員会室
出席委員 46名
紫 垣 正 仁 委員長 村 上 博 副委員長
寺 本 義 勝 委員 大 嶌 澄 雄 委員
村 上 麿 委員 瀬 尾 誠 一 委員
菊 地 渚 沙 委員 山 中 惣一郎 委員
井 坂 隆 寛 委員 木 庭 功 二 委員
村 上 誠 也 委員 古 川 智 子 委員
荒 川 慎太郎 委員 松 本 幸 隆 委員
中 川 栄一郎 委員 松 川 善 範 委員
筑 紫 るみ子 委員 井 芹 栄 次 委員
島 津 哲 也 委員 吉 田 健 一 委員
齊 藤 博 委員 田 島 幸 治 委員
日 隈 忍 委員 山 本 浩 之 委員
北 川 哉 委員 平 江 透 委員
吉 村 健 治 委員 山 内 勝 志 委員
伊 藤 和 仁 委員 高 瀬 千鶴子 委員
小佐井 賀瑞宜 委員 田 中 敦 朗 委員
高 本 一 臣 委員 西 岡 誠 也 委員
田 上 辰 也 委員 三 森 至 加 委員
浜 田 大 介 委員 井 本 正 広 委員
大 石 浩 文 委員 田 中 誠 一 委員
坂 田 誠 二 委員 落 水 清 弘 委員
澤 田 昌 作 委員 藤 山 英 美 委員
上 野 美恵子 委員 上 田 芳 裕 委員
欠席委員 1名
満 永 寿 博 委員
議題・協議事項
(1)議案の審査(9件)
議第 190号「令和6年度熊本市一般会計補正予算」
議第 191号「同 病院事業会計補正予算」
議第 192号「同 交通事業会計補正予算」
議第 230号「令和5年度熊本市各会計(公営企業会計を除く。)決算について」
議第 231号「同 病院事業会計決算の認定について」
議第 232号「同 水道事業会計利益の処分及び決算の認定について
議第 233号「同 下水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
議第 234号「同 工業用水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
議第 235号「同 交通事業会計利益の処分及び決算の認定について」
午前10時00分 開会
○紫垣正仁 委員長 ただいまから予算決算委員会を開会いたします。
議事に入ります前に、教育長より発言の申出があっておりますので、これを許可します。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 議会の議決を経るべき財産の取得に関する不適切な事務処理について御説明とおわびを申し上げます。
熊本市議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第3条の規定により、予定価格4,000万円以上の動産の買入れについては議会の議決を経て取得すべきものとされておりますが、このたび令和6年度に購入した小学校教師用指導書等を議会の議決を経ずに購入していたことが判明いたしました。
このことを受け、過去に購入した分についても調査を行いました結果、現時点で判明しておりますのが平成27年度購入の小学校教師用指導書等、平成28年度購入の中学校教師用指導書等、令和2年度購入の小学校教師用指導書等、令和3年度購入の中学校教師用指導書等4件につきましても議会の議決を経ずに購入していたことが判明いたしました。
法令等に基づいた適正な事務の執行を行わず、不適切な支出を繰り返していたことは、あってはならない重大な事態であると認識しております。市民の皆様の教育行政に対する信用を失墜させることになり、議員各位はじめ市民の皆様に対しまして深くおわびを申し上げます。大変申し訳ございませんでした。
他に同様の事案がないか教育委員会各課の契約状況について改めて調査を行うとともに、議会の議決に付すべき財産の取得基準について周知を徹底し、チェック体制の強化及び再発防止に努めてまいります。今後市民の皆様の信頼回復に向け、全力で取り組んでまいります。よろしくお願いいたします。
○紫垣正仁 委員長 教育長の発言は終わりました。
これより本日の審査に入ります。
順次、各分科会長の報告を求めます。
総務分科会長の報告を求めます。
〔総務分科会長 小佐井賀瑞宜委員 登壇〕
◆小佐井賀瑞宜 委員 総務分科会において分担いたしました各号議案の詳細審査における意見並びに要望について、簡潔に御報告いたします。
議第190号「令和6年度熊本市一般会計補正予算」中、当分科会関係分については、新庁舎整備事業について論議があり、
一、本件の事業費は今後変動することも想定されるが、先般有志で行ったアンケート調査結果からも市民の理解を得るための市からの説明が必要と思うので、事業を進めるにあたっては、積極的な情報提供とともに、市民との合意形成に向け最大限努めてもらいたい。
一、庁舎建て替えに関する市民への情報提供は、現庁舎の耐震性や浸水への脆弱性等の課題がある中で、大規模改修との比較による財政面の有利性などの情報が市民に行き届いていないと痛感しているため、建て替えの根拠と妥当性について分かりやすく、かつ適切なタイミングで行うよう心がけてもらいたい。
一、今回の庁舎建て替えにおいては、合併推進債が活用可能であることを好機と捉え、長期的な視点での維持補修計画に加え、定員管理計画との連動やIT関連技術の進展など、情勢の変化に対応可能な執務環境を整備してもらいたい。
一、今後市民に対し新庁舎の規模や総工費について説明を行う際は、他都市との比較に加え、将来的な人口減などの社会動向から生じやすい余剰スペースの活用方法など、重要な検討要素を分かりやすく明示するよう求めたい。
旨、意見要望が述べられました。
次に、議第230号「令和5年度熊本市各会計(公営企業会計を除く。)決算について」中、当分科会関係分については、種々論議があり、
一、熊本市のコールセンターである「ひごまるコール」は非常によい取組と高く評価しているが、市民の満足度調査結果からは頻繁に利用している市民がいる一方、いまだに認知度が低いと見受けられるため、新規転入者や外国人に対して、窓口での説明や広報を強化するなど、認知度向上に取り組んでもらいたい。
一、外国人受入環境整備事業について、今後も各言語対応へのニーズの拡大が予想されるため、各区役所において現行の通訳ツールの利便性を含めたニーズ調査を実施し、外国人の困りごとを解消するための環境整備に取り組んでもらいたい。
一、消防団への入団促進について、防災サポーターとして活動する大学生や専門学生が卒業後に地域の消防団と連携できるようアンケートや意向調査の実施等、防災サポーターと地域を結びつける仕組みづくりを求めたい。
旨、意見要望が述べられました。
これをもちまして、総務分科会長の報告を終わります。
○紫垣正仁 委員長 総務分科会長の報告は終わりました。
次に、教育市民分科会長の報告を求めます。
〔教育市民分科会長 田島幸治委員 登壇〕
◆田島幸治 委員 教育市民分科会において分担いたしました各号議案の詳細審査における意見並びに要望について、簡潔に御報告いたします。
議第190号「令和6年度熊本市一般会計補正予算」中、当分科会関係分については、義務教育施設整備事業について論議があり、仮設教室の整備に当たっては、少子化の影響を考慮の上、対象校を見極めながら適切に実施してもらいたい。また、詳細が決まり次第、議会への報告を求めたい。
旨、意見要望が述べられました。
次に、議第230号「令和5年度熊本市各会計(公営企業会計を除く。)決算について」中、当分科会関係分については、種々論議があり、まず町内自治振興補助金について、
一、交付規制の見直しにあたっては、自治会の担い手不足や高齢化も進んでいることから、申請手続が煩雑にならないよう慎重に取り組んでもらいたい。
一、補助金の使途を明確にすることにより、今後町内自治振興補助金の目的に沿った運用がなされるよう期待する。
一、担当職員は各自治会とのコミュニケーションを取りながら活動を支援してもらいたい。また、役員報酬に関し、税務署申告が必要となるケース等について的確に情報提供を行ってもらいたい。
旨、意見要望が述べられました。
次に、子どもの健康づくり・体力向上推進経費について、
一、肥満傾向の児童に対し、肥満解消に向けた目標を設定し、その成果の検証に取り組んでもらいたい。
一、コロナ禍の影響による生活様式や価値観の変容が、児童の運動量低下の要因とも考えられるため、肥満度による健診の対象児童だけでなく、児童全体を対象とした幅広い取組を推進してもらいたい。
旨、意見要望が述べられました。
次に、学校事務DX推進経費について、
一、学校徴収金の口座振替に伴う申請書の処理が職員の大きな負担となっていることから、ウェブでの口座登録への移行を早期に実施してもらいたい。
一、新しく導入されたアプリ「すぐーる」は利便性が高いため、学校からの連絡だけでなくPTAや地域の方からのお知らせにも活用を広げるなど、その活用法についての周知を求めたい。
旨、意見要望が述べられました。
議第230号中、当分科会関係分については、このほか委員より、
一、女性の活躍推進事業について、今後もさらなる女性活躍の推進に向けて効果的な事業の実施に努めてもらいたい。
一、DV被害者への支援について、昨年度の相談実績が1,000件を超える深刻な状況であることから、被害者に寄り添った支援が十分に行えるよう体制整備を求めたい。
一、東区まちづくり推進経費に関して、持続可能な地域活動となるよう若い世代への地域活動への参加を促すとともに、補助金制度の導入等を検討してもらいたい。
一、ジェンダー平等啓発経費に関して、性的マイノリティの啓発にあたっては、こどもへの影響も考慮し、慎重に取り組んでもらいたい。
一、くまもと市文化協会経費に関して、区文化協会が未設置の中央区、東区、西区においても早急に設立できるよう各団体へ働きかけるとともに、5区の連携が図られるよう努力してもらいたい。
一、熊本城公開関連経費について、熊本城に県民、市民をはじめより多くの観光客が訪れたくなるよう、SNS等を使ったさらなる情報発信や観光動向の分析に努めてもらいたい。
一、公民館活動推進経費に関して、公民館予約システムを利用したインターネット予約については、その普及が進むよう高齢者に対し分かりやすい説明に努める等、周知広報を工夫してもらいたい。
一、中学生地域交流推進事業経費に関して、ボッチャを活用したスポーツ交流のような地域の中学生や高齢者・障がい者等が一緒に参加して直接交流を持てる事業は、お互いを知り合い、地域への親しみを育む観点から評価でき、今後も様々な活動の活性化に向けて取り組んでもらいたい。
一、青少年活動支援経費について、地域への指導者派遣が昨年度2件と少な過ぎるため、派遣制度のさらなる周知を図りながら、子ども会の活性化に向けて取り組んでもらいたい。
一、教育の情報化推進経費について、1人1台のタブレット端末の活用にあたっては、具体的な成果を示すための検証指標を設定し、より効果的な活用方法を検討してもらいたい。
一、スクールソーシャルワーカー配置事業について、今年度から増員されているが、いまだ配置基準に達していないことから、引き続き増員へ向けて取り組んでもらいたい。
一、部活動指導員配置事業について、先般の部活動改革検討委員会の答申を踏まえ、できるだけ早期に市の方針を決定し、よりよい持続可能な部活動の実現に向け、取り組んでもらいたい。
一、図書館管理運営経費について、図書の管理や購入には応分の費用がかかることから、熊本連携中枢都市圏における電子図書の相互利用について検討してもらいたい。
一、学校プール再編検討経費について、民間スイミングクラブの活用にあたっては、事業実施に係る具体的な基準を示すとともに、教職員や保護者と協働で改善策を検討し、議会へ報告してもらいたい。
一、学校施設整備経費について、小学校のトイレの洋式化にあたっては、現行の10か年での整備計画を待たず、早急に完成するよう取り組んでもらいたい。
一、特別支援教育関係経費に関し、教育委員会におけるインクルーシブ教育の取組について、障がいのあるこどもとないこどもが共に学び合う教育を目指すとの共通認識のもと、今後の重点的な取組として組織改編等も検討しながら鋭意取り組んでもらいたい。
一、小中学校図書館充実経費について、国の蔵書の基準を達成するようさらなる予算の拡充を求めたい。
旨、意見要望が述べられました。
これをもちまして、教育市民文分科会長の報告を終わります。
○紫垣正仁 委員長 教育市民分科会長の報告は終わりました。
次に、厚生分科会長の報告を求めます。
〔厚生分科会長 吉村健治委員 登壇〕
◆吉村健治 委員 厚生分科会において分担いたしました各号議案の詳細審査における意見並びに要望について、簡潔に御報告いたします。
議第190号「令和6年度熊本市一般会計補正予算」中、当分科会関係分については、種々論議があり、
一、生活保護受給世帯に対する大学受験料等の支援について、経済格差によって進学を諦めることがないよう生活保護受給者の自立に向けた支援について、鋭意取り組んでもらいたい。
一、障がい者福祉タクシー利用券については、他都市の状況も踏まえ、利便性の向上を図るとともに障がい者にやさしいまちづくりの観点から予算増額を伴った制度の拡充を求めたい。
旨、意見要望が述べられました。
次に、議第191号「令和6年度熊本市病院事業会計補正予算」については、救急時医療情報閲覧機能導入事業について論議があり、
一、医療情報の閲覧に際し、情報漏えいがないよう管理の徹底を求めるとともに、マイナンバーカードを利用した医療情報の活用について、引き続き市民への丁寧な説明を求めたい。
一、本事業の実施により、救急時の生存率向上と医療従事者の負担軽減につながることを期待する。
旨、意見要望が述べられました。
次に、議第230号「令和5年度熊本市各会計(公営企業会計を除く。)決算について」中、当分科会関係分については、種々論議があり、まず、フッ化物洗口事業等について、
一、他の政令市と比較し、本市のこどもの虫歯の有病率が高いという状況を踏まえ、対象学年を拡大するよう早急に取り組んでもらいたい。
一、小学校でのフッ化物洗口業務を8020推進委員へ委託するにあたっては、8020運動の本来の目的である活動とのバランスを考慮し、推進員の過大な負担とならないよう心がけてもらいたい。
旨、意見要望が述べられました。
議第230号中、当分科会関係分については、このほか委員より、
一、国民健康保険会計を健全に保つため、さらなる保険料の収納率向上を目指し、エキスパート職員の配置をはじめ、必要な職員数の確保に努めてもらいたい。
旨、意見要望が述べられました。
これをもちまして、厚生分科会長の報告を終わります。
○紫垣正仁 委員長 厚生分科会長の報告は終わりました。
次に、環境水道分科会長の報告を求めます。
〔環境水道分科会長 三森至加委員 登壇〕
◆三森至加 委員 環境水道分科会において分担いたしました各号議案の詳細審査における意見並びに要望について、簡潔に御報告いたします。
議第230号「令和5年度熊本市各会計(公営企業会計を除く。)決算について」中、当分科会関係分については、種々論議があり、まず、ごみ減量に向けた3Rの推進に関して、
一、市民が食品ロスを身近な問題として捉えられるよう情報提供の手法に工夫を凝らすとともに、ごみ減量に向けた重点的な取組として応分の予算を確保の上、推進してもらいたい。
一、今後増加が見込まれる在留外国人へのごみ出しルールの周知啓発にあたっては、アプリやSNS等を活用した既存の取組に加え、地域での外国人との交流の場へ、職員が直接出向き説明するなど、さらなる取組の推進を求めたい。
旨、意見要望が述べられました。
議第230号中、当分科会関係分については、このほか委員より、
一、節水対策経費については、目標達成に向け予算の拡充を財政当局に求めるとともに、様々な視点から事業手法の検討を行うなど対応策を根本的に見直しながら新たな施策を講じてもらいたい。
一、私有施設のLED化整備については、引き続き長期的な視点に立ち、今後の維持管理を含め、計画的に事業を進めてもらいたい。
一、江津湖における指定外来魚駆除は生態系維持のために重要な取組であり、市民の参加によりさらに効果を得られると思うので、指定外来魚の取扱い方法や活動内容のさらなる周知啓発に努めてもらいたい。
旨、意見要望が述べられました。
これをもちまして、環境水道分科会長の報告を終わります。
○紫垣正仁 委員長 環境水道分科会長の報告は終わりました。
次に、経済分科会長の報告を求めます。
〔経済分科会長 日隈忍委員 登壇〕
◆日隈忍 委員 経済分科会において分担いたしました各号議案の詳細審査における意見並びに要望について、簡潔に御報告いたします。
議第230号「令和5年度熊本市各会計(公営企業会計を除く。)決算について」中、当分科会関係分については、種々論議があり、
一、成長産業創出支援事業について、介護現場での活用に資するべく介護ロボットの開発支援に鋭意取り組んでもらいたい。
一、公設運動施設整備経費について、市総合体育館の中体育室利用者から暑さ対策としてクーラー設置の要望があっており、また当該施設は一時避難場所にも指定されていることから、クーラーの設置について検討を求めたい。
一、夢と活力ある農業推進事業について、スマート農業の技術が進歩する一方、農業従事者の高齢化も進んでいくことから、高齢者への技術面でのサポート強化に努めてもらいたい。
一、宿泊税の導入後、その使途については観光振興に係る事業への財源として充当してもらいたい。
旨、意見要望が述べられました。
これをもちまして、経済分化会長の報告を終わります。
○紫垣正仁 委員長 経済分化会長の報告は終わりました。
次に、都市整備分科会長の報告を求めます。
〔都市整備分科会長 平江透委員 登壇〕
◆平江透 委員 都市整備分科会において分担いたしました各号議案の詳細審査における意見並びに要望について、簡潔に御報告いたします。
議第190号「令和6年度熊本市一般会計補正予算」中、当分科会関係分については、種々論議があり、まず、自動運転社会実装推進経費について、
一、自動運転バスの実証実験にあたっては、安全運行のための取組に加え、自動運転への機運醸成を図るため、市民や観光客に向けた積極的な周知広報に努めてもらいたい。
一、自動運転の事故原因の多くは人為的ミスによるものであることから、実証実験には可能な限り多くの運転士を参加させてもらいたい。
一、実証実験の実施にあたっては、委託業者任せにすることなく市が積極的に関わってもらいたい。
一、実証実験については、運転士不足の解消に向け、将来を見据えた取組として評価したい。
旨、意見要望が述べられました。
次に、市電延伸経費について、
一、事前に地元商店街をはじめとする関係者に対して説明を行い、十分な議論を尽くした後に議案を提出すべきであったと指摘したい。
一、TSMCの熊本進出や豊肥本線の一部複線化等の新たな動向も鑑み、南熊本駅方面への市電延伸について改めて精査してもらいたい。
一、国から確実に補助金が得られるよう積極的な要望活動を行ってもらいたい。
一、市電延伸により自衛隊中通りに植栽されているクスノキが処分されるのではないかと危惧する声を聞くので、移植等の方針が決まり次第、議会への報告と市民への丁寧な説明を求めたい。
旨、意見要望が述べられました。
議第190号中、当分科会関係分については、このほか委員より、
一、バス事業の現状等に関する調査分析について、今後の議会での議論に資するよう速やかに調査結果を報告してもらいたい。
一、くまもと花博について、今後さらに市民に定着したイベントとするために、地域のフラワーアーティストの公募を行うなど、地域人材が広く参加できる取組を検討してもらいたい。
旨、意見要望が述べられました。
次に、議第192号「令和6年度熊本市交通事業会計補正予算」については、種々論議があり、熊本市電安全対策経費について、
一、市電運行の安心安全の確保は喫緊の課題であることから、車両の更新や運転士不足の解消に向け、鋭意取り組んでもらいたい。
一、安全対策については、事後対応ではなく予防保全の観点で予算措置等を講じてもらいたい。
一、運転士一人ひとりが安全運行が最重要課題であるとの認識を徹底し、業務を遂行してもらいたい。
一、市民からの信頼が損なわれている状況であり、抜本的な対策を検討してもらいたい。
一、乗務員に対し、先進地視察を奨励するなどプロ意識の向上につなげてもらいたい。
旨、意見要望が述べられました。
次に、議第230号「令和5年度熊本市各会計(公営企業会計を除く。)決算について」中、当分科会関係分については、種々論議があり、まず、市営住宅修繕経費等について、
一、老朽化が進む市営住宅においては、入居者が快適に生活できるよう畳や風呂釜の取替え等について、計画に沿って実施できるよう努めてもらいたい。
一、市営住宅の空室率低減に向け、民間のノウハウのさらなる導入など新たな方策を検討してもらいたい。
一、市営住宅の修繕費用や入居者募集に係る財源として、公共施設長寿命化等基金が活用できるよう財政当局への積極的な働きかけを求めたい。
旨、意見要望が述べられました。
次に、交通安全施設整備経費について、
一、カーブミラーについては、市民からの設置要望に対し、できる限り対応できるよう努めてもらいたい。
一、道路照明灯については、コスト縮減と対応の迅速化を図るため、器具の一括調達と土木センターでの常備・保管など合理的手法を検討してもらいたい。
旨、意見要望が述べられました。
議第230号中、当分科会関係分については、このほか委員より、
一、中古住宅流通促進事業については、空き家を減らすための大変強化できる取組だと思うので、他都市の補助制度等を参考にさらなる取組強化を求めたい。
一、街路整備経費について、本年4月に開通した花園上熊本線及び池田町花園線において交通事故が多発していることから、道路形態について検証してもらいたい。
一、地方バス路線維持費助成事業について、公共交通の維持にあたっては、行政による支援が極めて重要であることから、本市における公共交通の位置づけや役割を明確化し、利用促進に向け積極的な取組を求めたい。
旨、意見要望が述べられました。
これをもちまして、都市整備分科会長の報告を終わります。
○紫垣正仁 委員長 都市整備分科会長の報告は終わりました。
以上で各分科会長の報告は終わりました。
これより、締めくくり質疑を行います。
通告状況につきましては、一覧表のとおりとなっております。
なお、質疑に当たっては、項目ごとに答弁者を指名いただきますようお願い申し上げます。
それでは、予算決算委員会運営細目の発言順に従い、順次質疑を行います。
まず、自由民主党熊本市議団、田中敦朗委員の質疑を行います。
持ち時間は70分となっております。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 それでは、私の方から(仮称)東町線の延伸についてお伺いいたします。
こちらは、私が委員長を務めさせていただいております地域公共交通に関する特別委員会において様々な議論がなされており、その議論の中で委員さん方、すばらしい意見のやり取りをされております。その中から、特にこの予算決算委員会でもぜひ市長の方に御理解しておいていただきたい、執行部の皆さんにお伝えしておくことがある、そういった気持ちの中から今回の質疑をさせていただく次第であります。
本議会の中で、市電延伸の実施設計費用4億2,000万円の補正予算が計上されまして、これが今議会議決されましたら事業が本格していく次第であります。振り返りますと、市電延伸の検討が本格化したのが約9年前の平成27年度、そこから様々な議論が行われてきましたが、熊本地震や新型コロナウイルス感染拡大などの中断を経て、ようやくここまでたどり着いてまいりました。今後は、立ち止まることなく事業を着実に進めていただきたいと切に願う次第であります。
市電を含む本誌の公共交通機関は、利用者の減少に伴う収益の悪化、サービス水準の低下など危機的状況にあると考えております。特に市電は、今年に入ってから多発するインシデント、ICリプレイスの問題など、厳しい風当たりの中にあります。当然ながら公共交通は安全・安心であるべきであり、その安全を適切に管理運営していくのが行政の当然の役割であります。その安全を確保しながらも、市民の利便性向上のため、そして来る超高齢社会に多用するためにも公共交通は適正に維持、拡充していく必要があると私は考える次第であります。
そこで、お尋ねしたい。
今後、公共交通への転換を進めていくためにも、公共交通の機能充実や利便性の向上は不可欠であり、今回の(仮称)東町線の延伸事業は、その大きな一歩となり、重要な取組であります。この事業を着実に進めていくためには、またさらなる延伸も含めた公共交通インフラの建設推進のためにも担当部署の体制づくりが必要不可欠だと考えますが、いかがでしょうか。本市の公共交通に対する市長の思い、決意とともに答弁お願いいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 誰もが安心して移動できる持続可能な公共交通の実現に向けては、基幹公共交通の一翼を担う市電において安全運行はもとより、運行体制の強化や利便性の向上が不可欠であると認識しております。
その中で、(仮称)東町線の整備は市電の利便性が向上し、利用者数が増加することによるサービス水準の向上や経営基盤の改善など、好循環につながるものでありまして、また、自動車交通から公共交通への転換による交通渋滞の改善に向けた大きな一歩となる取組であると考えております。
この事業を着実に進めていくためには、議員御指摘のとおり、十分な執行体制の確保が極めて重要であると考えておりまして、速やかに体制強化を図りたいと考えております。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 まずは、(仮称)東町線の着実な整備に向けて、体制を強化するという答弁をいただいたところでありますが、これについてはぜひ今後有言実行していっていただきたいと思います。
また、先ほども申し上げましたが、私が委員長を務めさせていただいております地域公共交通に関する特別委員会においては、持続可能な公共交通の再構築に向け、目指すべき公共交通の将来像や行政の担うべき役割などについて検討を進めているところであります。
今回、この議論の中で市電の延伸は必要という結論に至ったところではありますが、市電延伸のみならず各区が抱える様々な交通課題やニーズなど地域特性を踏まえた施策を全市的、総合的に展開していくことが必要であるという意見が多数委員から出されている状況です。
将来にわたり、誰もが安心して移動できる社会、交通渋滞の解消の実現に特効薬は存在しません。これの実現に向けて各種交通施策を一体的に、そして着実に進めていただきますようによろしくお願いいたします。
中でも公共交通の根幹となる基幹公共交通の機能強化は不可欠です。一方で、今回の市電延伸においては、検討開始からここまで約9年が経過しているなど、長期スパンでの検討となっています。
このようなことから、令和13年度に予定されている延伸事業の完了後、速やかに次の延伸が建設に着手できるような、そういった早急な取組ができるように、スピード感を持って今後の検討を着手されることを心からお願い申し上げまして、私の質疑とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○紫垣正仁 委員長 自由民主党熊本市議団、田中敦朗委員の質疑は終わりました。
次に、熊本自由民主党市議団、高本一臣委員の質疑を行います。
持ち時間は60分となっております。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 熊本自民、高本一臣です。
今定例会において提案されました新庁舎整備に関する基本計画策定、基本設計・実施設計業務の一括発注についてお尋ねいたします。
これまで我が会派は、熊本市政の歴史上でも最重要案件であり、多額な事業費は市民の税金を伴うだけに何度も何度も議論を交わしてきました。独自に行った市民の皆さんへのアンケート調査でも分かるように、執行部の市民への慎重かつ丁寧な説明は不足しているとの指摘もあっており、残念ながら合意形成が図られているとはとてもいい難い状況であります。
総務分科会で我が会派、澤田団長の質疑に対する答弁を拝聴しましたが、再度問題認識の再確認をさせていただきます。
改めて申し上げるわけでもありませんが、施策や事業が実施されるまでのプロセスは、まずはプランが練られ、そのプランに基づいてその施策や事業の内容や効果などを分析し、事業化の是非を判断します。その結果、事業すべきとの判断に至れば予算が認められ、建築工事なら設計、施工へと進むのが本来の流れであります。
このような中、計画段階においても基本構想・基本計画・実施計画、事業段階でも建設事業では基本設計・実施設計・工事施工・管理等、様々なプロセスがあり、委託する場合にはこれらの工程を一括で発注することはよくあることであります。例えば、建築工事においては設計施工一括発注方式やデザインビルド方式などがあり、工期の短縮や民間ノウハウの活用、受注者へのリスク分担等の観点からメリットもあると考えられます。
しかしながら、本市の今回の提案は基本計画から実施設計までを一括発注する業務委託であり、つまり先ほど述べました計画段階と事業段階という異なるフェーズのものを一括で行おうとするものであります。したがって、この補正予算を審議するに当たっては、今回の熊本市が予定している方式は、きわめて異例であることを執行部はもとより私たち議会も再認識しなければならないと思います。
本庁舎の建て替えについては、最優先課題である市民の生命財産を守るために必要な事業であること、熊本市の中心市街地活性化の起爆剤とすることなど、その方向性について市民の皆さんから一定の理解や賛同を得ているものもあります。しかしながら、耐震性の問題についてもいまだに異論も多い上に人件費や原材料費が急騰する中、概算事業費も算出されておらず、市電延伸をはじめ膨大な費用がかかる他の事業を抱えながら果たして健全な財政運営を維持できるのか。その懸念も払拭されていません。
また、移転候補地は決められたものの民間の所有地であり、取得交渉はこれからであることや移転候補地が熊本城の景観保全の観点から重要な場所であり、建物の概要さえ分からない段階では、景観保全に支障がないと判断もできないこと。さらには、まちづくりの観点からも跡地利用についてはこれから本格的なサウンディング調査が行われる段階であり、全くといっていいほど未定であることから、解体したまま更地が残るおそれも十分あり得ます。
通常であれば、これらの課題解決のための対策までを盛り込んで計画が策定され、その対策の妥当性などを議論した上で事業化の是非を判断すべきところでありますが、合併推進債を活用できる期限が迫っているとの理由から、今回の補正予算が提案されています。
そこで、私としては今回現実的な提案をさせていただきますが、執行部の皆様にはこれまで述べたことを十分に踏まえながら前向きな答弁をお願いいたします。
その前に、幾つか確認したい事項があるので、政策局長にお尋ねいたします。
まず1つ目、合併推進債の活用要件としては、期限までに実施設計費を上げることとなっていますが、この意図とするところは既に事業に着手しているものを対象としていると考えます。
本市のように基本計画もまだ策定前であっても、形式上実施設計までを予算化することでこの合併推進債の活用要件を満たすのか。総務省へ確認し、確約は取れているのかお尋ねいたします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 合併推進債につきましては、所要額を一括で予算措置し、今年度中に実施設計を含む一括契約を締結することで実施設計の着手とみなされ、活用要件を満たすことを総務省に確認しております。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 続いて2点目です。
移転候補地であるNTT桜町の敷地について、先方の売却の意思決定がなされ、建物補償費等を含めた購入費用が確定するのはいつ頃を予定されているのか、政策局長にお尋ねします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 購入費用の確定時期についてのお尋ねでございますが、NTT桜町の敷地の地権者でありますNTT西日本さんとは、これまでの協議において本庁舎等の建設地として売却の意向があることを確認しております。
さらに、現在本市とNTT西日本さんとの間で、将来的な土地の売買契約の締結にあたっての基本的事項を定める覚書の取り交わしについて準備を進めているところでございます。
また、土地取得費や建物補償費等を含む取得価格につきましては、相手方の同意の下、令和7年度から土地の不動産鑑定や建物調査等を約1年かけて実施し、その後、熊本市公共用地等評価委員会などの所定の手続を経ますことから、おおむね令和8年度頃に確定するものと考えております。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 続きまして、3点目です。
熊本城を含む景観保全について、建物の外観や高さが決定するのはいつ頃でしょうか。また、その際には景観審議会にかけるべきだと考えますが、いかがでしょうか。政策局長にお尋ねいたします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 新庁舎のおおよその高さと外観につきましては、基本設計時に整備ができるものと見込んでおります。
なお、新庁舎の建設地は熊本市景観計画に基づく重点地域に当たりますことから、建物の高さが海抜55メートルを超える場合に景観審議会に諮ることとなりますが、新庁舎の整備に当たっては、まずは高さ基準内に収めることを目指して検討を進めてまいりたいと考えております。
また、新庁舎の外観につきましては、熊本市景観計画に基づき、景観審議会専門部会である景観調整会議に諮るなどデザインの調整を図ってまいります。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 4点目です。
跡地利用について、年内にでもサウンディング調査から利用手法の提案を受け、売却あるいは定期借地等の市の歳入予測等も含めて、より具体的な跡地利用計画が示せるのはいつ頃でしょうか。政策局長にお尋ねいたします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 より具体的な跡地利用計画がお示しできる時期についてのお尋ねでございますが、売却または定期借地などそれぞれの場合の歳入予測等は、利用用途や評価時点の経済状況によって変動することが想定されますことから、現時点でお示しすることは困難ではございます。
今後、年内のサウンディング調査の結果はもとより、本格的に行う様々な調査の結果や有識者の皆様の御意見などを踏まえ、また市民の皆様との合意形成を図りながら段階的にお示ししてまいりたいと考えております。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 最後のお尋ねです。
解体設計費の計上は合併推進債の対象とするために上げられているものと思慮されますが、実際解体するのは新庁舎建設後、全ての機能を移した後であることから、早くとも10年程度かかると思われます。その間に、工事費等の変化や工事手法等の進展なども予想され、設計したものが役に立たなくなるのではないかというリスクが高いと思いますが、どう考えていらっしゃるのか政策局長にお尋ねいたします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 解体設計から工事までの期間が開くことによるリスクについてでございますが、計画や設計段階において工事範囲や工法の検討を重ね、工事発注時には労務費の見直し程度の補正で対応できるよう努めてまいります。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 5つのお尋ねでしたが、まず1点目の合併推進債の活用要件については、総務省に確認が取れているとのことでした。しかしながら、合併推進債は本来合併をした富合、植木、城南町のために優先的に使うのが筋であります。我が会派の平江委員から頂いた資料によりますと、これまで合併3町に活用した合併推進費は243億円で、今回の庁舎建て替えに使用する合併推進債の費用は471億円であります。合併3町は、下水道の未整備や渋滞対策、過疎対策などまだまだ多くの課題を抱えています。執行部におかれましては、そのような現実をしっかりと認識していただき、課題解決をしていただきますようお願いしておきます。
そして、移転候補地の購入費用の確定時期については、総事業費616億円プラスアルファのうちNTT桜町の土地取得費については、相続税路線価から算出して約70億円となっております。NTT桜町の土地は、地権者であるNTT西日本の持つ資産としては商業ビルをこれまで計画したような熊本城を目の前にした一等地であるため、実際の売買価格が70億円以上になることは誰もが分かることであり、ひいては総事業のプラスアルファになり、当然総事業費が膨らんできます。土地の取得費が判明するのは順調に進んでおおむね令和8年度に確定するとの答弁でしたので、基本計画は当然それ以降になるはずであります。したがって、少なくとも基本計画は1年という執行部のスケジュールイメージとは異なる最低でも2年程度が必要と理解いたしました。
また、当然のことながら土地の取得につきましては、熊本市議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例に基づく議決事項であり、かつ大変重要な案件であることから、相手方との折衝の状況については適宜議会へ報告を求めることはもちろん、覚書については締結前の段階でその内容等を示し、議会で了承を得ることを願っております。
また、景観保全については、熊本城の景観保全の観点から本庁舎についてはたとえ高さ制限を超えなくても外観を含めて景観審議会等で御議論いただくことは必要であると考えますので、検討していただくようお願いいたします。
跡地利用の計画については、執行部が耐震対応と並んで本庁舎建て替えの大きな目的の一つとして挙げられている中で、具体的な利用案を示せる時期が現時点でも未定では話にならないと考えております。民間の動向など不透明な要素があるのは理解できますが、熊本市として明確な目標を持ってから事に当たるべきであります。
また、建築専門家の話によりますと、現庁舎の地盤は豊富な地下水の影響により決して強いものではなく、そのために地下連続壁が水圧負担耐力壁としての役割を果たしており、仮に地下連続壁を撤去したらとんでもないことになると指摘を受けました。
一方、その地下連続壁を残したままの利活用計画となれば、建物に対しての何かしらの制限がかかってしまいます。現庁舎の位置は私たちから見えている地上は確かに一等地でありますが、そのような見えない地下部分のウイークポイントを抱えた土地が本市が想定している収入を果たして確保できるのか、確かな検証が必要であります。
最後に、解体設計のリスクについては、私としては技術革新等が進んで、10年前の設計が使いものにならなくなるリスクへの対応をお尋ねしたものでありますが、先ほどの答弁では残念ながら答えになっていませんでした。そのようなリスクもあることを踏まえて、鋭意検討していただきたいと思います。
さて、全体を通して明らかになったことは景観保全について正しく評価し、議論ができるために必要な建物の高さや外観が判明するのは基本設計終了後、全体事業費に大きく関わる移転先の土地取得費等が明らかになるのは令和8年度、将来のまちづくりや財政負担の軽減を確認し、議論する上で必要不可欠な跡地利用の計画に至っては、いまだ全く見通せていません。
このような中で、令和6年度~令和9年度まで債務負担行為で基本計画から実施設計までの一括発注の補正予算が計上されました。これまでのことを踏まえて、改めてこの補正予算案に関連して提案させていただきます。これまで申し述べましたように、計画立案から事業化に移る段階で、その意思決定のプロセスが絶対必要であります。しかし、今回は一括発注という名の下で、そのプロセスが担保されておりません。
ここで改めて思い起こしていただきたいのですが、なぜこのような事態になったのかを。それは議会側の問題や、ましてや市民の皆さんの責任ではありません。もともと合併推進債の活用期限は決まっていた中、大西市長自らがコロナ対策に集中するために建て替え議論を一旦白紙に戻すとし、2年間の議論の空白期間をつくったことは重要な手順を端折ってまでも急がなければならなくなった最大の要因であります。
そこで事業化に至る意思決定プロセスを確保するため、基本計画においては市民に幅広く周知し、意見を拝聴することはもとより議会の承認を得ることを求めますが、いかがでしょうか。また、契約においても基本設計業務については基本計画の正式決定後において実施する旨を契約の仕様書等に明記していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
以上、大西市長に答弁を求めます。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 今回、本市では可能な限り市の財政負担を軽減するため、合併推進債の活用を目指しておりまして、その活用要件を満たすため基本計画・基本設計・実施設計を一括して発注する契約手法を選択しております。
基本計画策定に当たりましては、ワークショップ等を開催し、市民の皆様の意見を取り入れることはもとより、素案がまとまった段階の市民説明会やパブリックコメントを実施するなど、広く市民の皆様に対して周知と意見聴取を行ってまいります。
また、基本計画は地方自治法に規定されております議決事項ではございませんが、新庁舎整備を進めるに当たり、大変重要なものでありますため、その内容について適宜特別委員会等で御審議いただくものと承知しておりまして、市議会における御審議が十分になされた上で策定させていただくことで議会の承認を得ることができると考えております。
このように一括発注の場合でありましても、基本設計を行うためには、まず基本計画を策定する必要がございまして、それぞれの検討状況については随時市議会へ御報告申し上げるため、御懸念の基本計画の検討と基本設計の検討が前後するようなことはなく、契約の仕様書等に明記する必要はないと考えておりますが、仕様書の内容につきましては、議員からの御要望を踏まえまして検討してまいりたいと考えております。
冒頭に申し上げましたとおり、合併推進債を活用するため、一括発注を選択はしておりますが、今後の検討においては基本計画、基本設計、実施設計、それぞれの検討に必要な期間を十分に確保し、しかるべき手順を踏み、市議会はもとより市民の皆様に対し丁寧な説明と意見聴取を行いながら事業を進めてまいりたいと考えております。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 今の市長の答弁では、私が質問した内容と多少擦れ違っておりますので、市長に再度質問申し上げます。
市長は、議会の十分な議論を踏まえて策定することで議会の承認を得ることができると考えていらっしゃるとのことですが、私は議会の承認を得られるかどうかではなく、基本計画から基本設計、基本設計から実施設計、それぞれの段階で議会の承認を得た上で次の段階に進むように求めたものであります。
つまりスケジュールありきで来年度に基本計画を策定し、再来年度に基本設計の業務にフェーズを進めるのではなく、基本計画がまとまった段階において議会で議論、確認し、合意がなされ基本計画が決定し、次の基本設計業務へ移る。その手順を踏んでいくことを市長に求めたものであります。
これまで申し上げてきたように、本来ならば都市景観の保全、健全な財政運営の維持、将来の熊本市のまちづくりなど様々な観点から議論が重ねられ完全とはいかないまでも様々な重要課題に対し、ある程度の見通しが立ち、また市民の理解や合意が得られた段階で進めるべき熊本市政歴史上でも最重要案件が課題やリスクを置き去りにされたまま基本計画から実施設計までを一括発注するという異例の手法とスピードで進められようとしています。
そのことが合併推進債を活用したいという理由であれば、先ほど御回答いただいたように年度内の実施設計の契約締結により条件を満たすと国との確約もできていることから、あとは通常のように基本計画、基本設計、実施設計とそれぞれの策定段階でその都度十分な議論を行い、承認を得た上で段階を踏んで進めていくことをこの場で市長にお約束いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。大西市長に答弁を求めます。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 繰り返しになりますけれども、今後の検討においては基本計画、それから基本設計、そして実施設計、それぞれの検討に必要な期間を十分に確保して、そしてぞれぞれの段階において市議会はもとより市民の皆様に対して丁寧な説明と御意見、意見聴取を行いながら事業を進めてまいります。
また、各検討段階においても特別委員会等で十分に御審議をいただいた上で策定させていただきますので、そうした中で議会でも十分御審議、御議論いただいて御承認を得ることができると。そういうプロセスであるというふうに考えております。
なお、今回基本計画からこの実施設計までの予算をまとめて債務負担行為の設定させていただいておりますけれども、各年度の所要額につきましては、当初予算の計上時に御審議いただいた上で議決していただくということでございますので、そういうふうに考えているところでございます。よろしくお願いいたします。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 市長は常に重要な意思決定は市民の代表である議会との議論が原則とおっしゃっていました。私は非常に重たい責任を感じながら、市民の皆さんにも正しい判断をしてもらうため、説明したくても建て替えを急ぐあまり不確定な要素が多く、十分な説明ができないままこうやって一つの節目を迎えてしまいました。
我が会派は今回の質疑で判断させていただきますが、この事業がこれから生まれ育つ人材に大きな負担とならないことを切に願って、熊本自民、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○紫垣正仁 委員長 熊本自由民主党市議団、高本一臣委員の質疑は終わりました。
次に、日本共産党熊本市議団、上野美恵子委員の質疑を行います。
持ち時間は10分となっております。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 日本共産党熊本市議団の上野美恵子でございます。
まず、決算状況報告書の本庁舎等整備の在り方に関する有識者会議関連経費についてです。
税金を扱う市の第三者機関には、公平性・公正性が求められます。
1、本庁舎整備の在り方に関する有識者会議が公平・公正な第三者機関としての役割を果たすために、運営上どのような点に留意されましたか。
2、予断を持たずに審議をするため、どのような点に配慮がされたのでしょうか。
3、民意は別として、市は本庁舎を建て替えるという方針を示していますが、その方針は何を基にしていつ決められたのでしょうか。
以上、市長に伺います。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 熊本市本庁舎等整備の在り方に関する有識者会議は、本庁舎等の整備の在り方という本市の政策課題について耐震性能を含め、多角的な視点でさらに慎重に検討を重ねるため、附属機関設置条例に基づき市が設置した諮問機関でございます。
有識者会議の委員には、国の審議会等の委員を歴任されるなど、重責を担う立場にある専門家に御就任いただき、第1回有識者会議において、私から委員の皆様へ直接予断を持たず建て替えの是非を含め、客観的かつ専門的な立場から御審議いただくことをお願いしておりまして、耐震性能調査結果に疑問を呈した専門家からの御意見も踏まえ、公平・公正な視点で議論が行われたものと考えております。
なお、有識者会議につきましては、全て公開により行われ、耐震性能分科会の審議につきましては、全ての会議資料、議事要旨を含む報告書を適切に公開しておりまして、予断を持たず公平・公正な視点で御審議いただいたことをどなたでも御確認いただけるものでございます。
最後に、建て替えの方針についてでございますが、有識者会議から本庁舎等は建て替えるべきとの答申が示されたことを重く受け止め、あらゆる災害から市民の皆様の生命、財産を守ることとともに、さらなる市民サービスの向上を図るため、総合的に勘案した結果、本庁舎等は建て替えの方針で進めてまいりたい旨を令和5年第2回定例会において私が表明させていただいたものでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 答弁を受けまして、ちょっとお尋ねしたいと思います。
ただいま建て替え方針で進めることは、2023年5月の本庁舎整備の在り方に関する有識者会議答申を受け、その後の議会で市長は表明されたと答えられました。しかし、有識者会議答申に先立つ2022年12月の第3回有識者会議では、耐震部会の取りまとめを受けて、耐震性能が不足しているということを前提として今後の有識者会議の審議を進めていきたいと決定されました。
これは、その後の審議を耐震性能が不足するから建て替えの方向で検討されたということではないでしょうか。伺います。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 先ほど申し上げましたけれども、この有識者会議から本庁舎等は建て替えるべきとの最終的な答申を示されたということを私どもは重く受け止めまして、それで令和5年の第2回定例会において私が表明させていただいたということでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 ところが、有識者会議はそうではなかったということを申し上げておきます。
もう1点お尋ねいたします。
答弁では、「耐震性能分科会の審議についても全ての会議資料、議事要旨を含む報告書を適切に公開しており、予断を持たず公平・公正に審議したことを誰でも確認できる」と答弁されました。ならば、なぜ詳細な会議録の公開を求めて裁判までが行われたのでしょうか。誰でもが確認できていなかったからではないでしょうか。市長にお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 耐震性能分科会の審議については、検討過程を含め、その内容が分かるものとして全ての会議資料、それから議事要旨を含む報告書を適切に公開しておりまして、予断を持たずにこの公平・公正な視点で御審議いただいたことなども確認できるところでございます。
なお、会議のこの非公開資料等の取扱いについても条例に基づき、適切に行い、その上でこの耐震性能分科会審議の内容についても有識者会議のいろいろな議論の中でしっかり分かるように情報は公開されております。
裁判をどういう形で行われたかどうかということも御質問の中にございましたけれども、それについては、どういう形でこの訴えを提起した方が御判断なさっているのかということについては、現在訴訟等でも今係争中でございますが、私がそれに対してコメントすることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 誰でもが納得しなかった、確認できなかったからの裁判であったということをきちんと御認識いただきたいと思います。
市長の意向を受けて、予断を持たずと繰り返し述べられてきた有識者会議の平田会長は、有識者会議の中で「本庁舎の整備をするということは、どのような庁舎が望ましいかということ。長い間市民に使っていただく本庁舎を造るということで、景観についての配慮が必要」などと建て替える方向での意見を述べられておりまして、有識者会議が建て替えありきで進められてきたことを私は示していると思います。
第6回の有識者会議、この最後に平田会長は、「事務局と私で答申案の原案をつくります」と述べておられましたが、これもまた市の意向を反映した答申がつくられたことを表明されたものであり、第三者機関である有識者会議の公平さ、公正さが問われるゆゆしき発言であったことを指摘しておきます。
続いて、市庁舎整備の基本計画・基本設計・実施設計の一括発注について伺います。
1、国土交通省のマニュアルでは、「設計者選定手続の前に行うこと。設計者選定手続に入る前に発注者はどのような施設を建設するのかを企画し、設計業務委託する際に、設計に必要となる条件を取りまとめておくことが必要」だとしています。基本計画がないままに基本・実施設計の業者選定を行うことは、国のマニュアルの趣旨に沿わないのではないでしょうか。
2、国の手引きでは公共建築事業の一般的な業務の在り方として、企画段階での基本計画策定は発注者の仕事、設計段階の基本・実施設計は設計事務所の仕事であるとしています。そういう意味で基本計画と基本・実施設計を一括で発注することは、それぞれの事業の性格からしてふさわしくないのではないでしょうか。
3、今回の予算の積算に当たって、何社から見積りを取られましたか。市長並びに関係局長にお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 議員御指摘のマニュアルにつきましては、適切な設計者選定に資することを目的に全国営繕主管課長会議において策定されました「建築設計業務委託の進め方、適切に設計者選定を行うためのマニュアル」のことと理解いたします。
本市の場合、これから基本計画を策定いたしますため、現時点において当該マニュアルに記載の設計与条件、全てを整理しているものではございませんが、先般策定いたしました基本構想の中で、建物の用途や規模、目指すべき姿など施設の骨格となる主要な項目についてお示ししておりまして、発注に必要な情報は整理ができておりますことから、当該マニュアルの趣旨に反するものではないと考えております。
次に、議員御指摘の手引きについてですが、発注者の役割を適切に果たすために国土交通省が作成した「地方公共団体における建築事業の円滑な実施に向けた手引き」のことと理解いたします。
当該手引きには、企画段階は主に建築物を所管する事業部局において実施されますが、一部で設計事務所などの建築関係建設コンサルタントへ外注される場合もあると記載されておりまして、本事業についても基本計画段階で機能的な配置計画や災害に対して備えるべき機能など専門性の高い事項について検討が必要になりますことから、受託者となる設計事務所の支援を受けつつ発注者である本市が方針を決定するものでございます。
また、設計段階におきましても、設計図等の作成は設計事務所が行うものの基本計画に基づきます設計方針や仕様などについては、市が決定するものでございます。
このように、基本計画段階と基本・実施設計段階では発注者としての関与の度合いが異なりますものの、いずれも市主体で進めるものでございまして、一括して発注することに支障はないと考えております。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 私からは、予算算定に当たりまして見積りを徴収した事業者の数についてお答えいたします。
今回の予算の積算に当たりましては、その参考といたしますため、設計事務所6社から見積りを徴取しております。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 答弁を踏まえて、市長に何点か確認させていただきます。
「設計者選定手続に入る前に、取りまとめておくべき設計与条件の全てを整理しているわけではないが、発注に必要な情報は整理している」と答弁されました。国が示しているマニュアルでは、設計与条件は事業目標、重点整理項目、建築物の性能、施設概要、コスト配分、敷地や工期など多岐にわたっています。これらをどこまで具体的に取りまとめておられるのでしょうか。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 今答弁申し上げましたとおり、これから基本計画を策定するために、現時点で当該マニュアルに記載の設計与条件を全て整理しているものではないんですけれども、先般策定しましたこの基本構想の中で、建物の用途、規模、目指すべき姿、施設の骨格となる主要な項目についてお示ししておりまして、そこでこの当該マニュアルの趣旨に反するようなものではなく、発注に必要な情報というのは、この基本構想のレベルでは情報は整理はできているというふうに考えているところでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 今の点でお尋ねいたします。
では設計概要における階数や改装計画、部屋ごとの面積、動線、配置計画などは、決まっているのでしょうか。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 この国のマニュアルでは、設計者選定手続の前の段階で建物の性能の詳細など設定していない場合の対応についても記載がございます。詳細な設計条件を定めないとこの設計者選定手続ができないとはされておりません。ですので、先ほど申し上げたような状況の中でしっかりと、こうした手続は問題なく進めることができると、このように我々は考えているところでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 設計与条件の中の一つに総工事費というのがありますが、616億円プラスアルファという曖昧な事業費額ではなく、総工費としての額を示すべきではないでしょうか。お尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 この設計者選定手続の前の段階で、先ほど申し上げましたように建物の性能の詳細など設定しない場合の対応についての記載を見ますと、詳細な設計条件というものについても今分かっている範囲の中で、我々がお示ししております基本構想段階の条件で十分に進めることができる。手続的に問題はないというふうに考えているところでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 もう一つお尋ねします。
設計者選定手続の前に行うことの一つに、事前調査というのがあります。既存建物を解体して新築する場合は敷地測量、地盤調査、日照、電波障害に係る調査、敷地内の建築物、工作物、立木並びに敷地内及び敷地周辺の排水設備、電気設備、機械等設備の調査があります。事前調査は済んでいるのでしょうか。もしくは見通しをお答えください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 業者選定に当たりましては、設計条件の詳細を定め、そして庁舎の具体的なデザイン等の提案を受けて業者を選定するコンペ方式ではなく、提案者のノウハウ、あるいは実績、実施体制などの提案内容を基に最も適したものを選定するプロポーザル方式というものを予定しているところでございます。
先般、策定いたしました基本構想の中で、建物の用途、規模、目指すべき姿、施設の骨格となる主要な項目について整理がされておりますことから、このプロポーザル方式による業者提案が可能ということでありまして、それに基づいた選定が可能であると、このように考えているところでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 答えが違っていました。事前調査をしたのかしないのか。その見通しを答えてください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 現在いろいろと申し上げましたとおり、我々基本構想という形の中でいろいろな状況を確認して、そして建物の用途規模について設定しておりますので、その条件の中でこれから進めていくということでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 政策局長にお尋ねします。
事前調査は済んでいますか。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 今回の予算の積算に当たりましては、現在お示ししております基本構想を与条件として見積りについて徴取をしたという状況でございますので、私の認識といたしましては、事前調査は今後の必要な調査ということでございますので、現時点で調査をやっているという状況ではないというふうに認識しております。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 用地取得がまだなので、やはり事前調査というのは、私は聞きはしましたけれども難しい段階だと思います。今は用地が取得できていない。位置決定も行われていない他人の土地に計画をつくって設計しているから矛盾があるのではないでしょうか。るるお尋ねしましたが、設計者の選定以前にやっておくべきことがなされていないことがよく分かりました。
国土交通省の設計者選定マニュアルの定めている設計者選定手続の前に行うことの中身は、まさに基本計画に定めるべき事項です。建設費にしても、用地買収ができていないから事前調査ができない。基本計画をつくらずして実施設計まで一括して予算を提案しているために出ている矛盾です。国のマニュアルは、建物の性能の詳細とコスト配分については事前にできない場合に対応していますが、ほかの全ての私が指摘した事項は基本的には設計者選定の前に行うこととしています。熊本市役所建て替えのような大規模な事業で基本計画・基本設計・実施設計を一括発注している他都市の事例がないと聞いていますが、それは踏むべき手順を踏まない事業の実施となるからではないでしょうか。
事業費の616億円プラスアルファは、設計発注の手続にもそぐわないものです。交付税措置で事業費が減るかのような誤った説明で、合併推進債活用で事業を急ぐことが事業そのものとその進め方を大きくゆがめていることを指摘しておきます。
最後に、公共施設等総合管理計画について伺います。
1、公共施設等総合管理計画における2023年度事業費の決算額並びに計画期間における事業費の年平均額をお示しください。
2、今年3月に改定された公共施設等総合管理計画・実施計画から類推される今後10年間の事業費の総見込額をお示しください。
3、公共施設等総合管理計画・実施計画における現庁舎の維持管理コストの計画上の事業費は幾らでしょうか。
4、公共施設長寿命化等基金積立金の2023年度末現在高並びに今後の積立て見通しをお示しください。
5、市長には今議会の予算決算委員会総括質疑で、本庁舎等の整備についても公共施設長寿命化等基金を活用することが可能だと考えると答弁されました。しかし、そのような活用をすれば現行の公共施設等総合管理計画・実施計画に大きな影響が出るのではないでしょうか。
以上につきまして、市長並びに関係局長にお尋ねいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 公共施設等総合管理計画に関する4点のお尋ねについて順次お答えいたします。
2023年度、令和5年度の公共施設等総合管理計画・実施計画で予定した事業につきましては、当初予算で約196億円と見込んでおりまして、これに対する決算額は翌年度、令和6年度に繰り越しました事業費約62億円を除きますと、約112億円でございます。また、2024年度の実施計画における今後5年間の平均額は約160億円でございます。
2点目でございます。
実施計画では、今後10年間にわたって適切な事業費等を見通すことは難しいなどの課題があることから、一定の仮定の下、試算いたしました今後5年間の事業費をお示ししております。
なお、2024年度~2028年度までの5年間の事業費として約800億円を見込んでおります。
3点目の2024年度の実施計画につきましては、本庁舎の使用を継続する上で最低限必要な改修等の経費を計上しておりまして、5年間で約13億円を見込んでおります。
最後に、公共施設長寿命化等基金の2023年度末の残高は約120億円でございます。今後の見通しにつきましては、具体的な金額は定めておりませんが、毎年度の収支を見極めながら適切に積立てを行ってまいります。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 総括質疑で齊藤委員にもお答えいたしましたとおり、本庁舎の整備においても公共施設長寿命化等基金を活用することは可能であるというふうに考えておりますが、熊本市新庁舎整備に関する基本構想でもお示ししておりますとおり、本庁舎等整備の財源につきましては、国の補助金や合併推進債などの有利な財源を活用することを想定しておりまして、現時点では公共施設長寿命化等基金の活用は想定しておりません。このため、公共施設等総合管理計画等への影響はないものと考えております。
なお、本庁舎等整備におきましては、長寿命化等の事業に支障が生じないよう毎年の財政運営の中で工夫してまいりたいと考えております。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 いろいろ答弁いただきましたが、局長答弁にありました昨年度決算で翌年度への繰越しが約62億円との答弁でした。
その点について局長にお尋ねします。
事業費の約3分の1が積み残しとなっていることになります。その理由は何でしょうか。長寿命化に効果的な予防保全としていくためにも、予定した事業を確実に実施していくべきではないでしょうか。お尋ねいたします。
〔原口誠二財政局長 登壇〕
◎原口誠二 財政局長 お尋ねの令和6年度に繰り越しました約62億円でございますが、道路施設等それぞれの分野において繰越しが発生していること事実でございます。これは議員御指摘のとおり、繰越しをなるべく残さず予算措置した当該年度にやるべきものと考えておりますが、それぞれの事業におきましては、現場の状況でありますとか、資材の調達とかおのおのの事情により繰り越したものでございます。繰り越した事業につきましても、それぞれ議会の委員会の中で御説明し、御了解いただいて繰り越された事業であると考えております。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 老朽化が進んでいけば長寿命化の費用が増えます。莫大な費用が継続的に必要となる長寿命化においては、予定した事業を確実に実施することがとても大切です。市民サービスを低下させないためにも公共施設の維持管理は極めて重要と考えます。また、庁舎整備や長寿命化に支障が生じないように工夫するということですので、市長の方にはどうぞよろしくお願いいたします。
市民生活に直結した予算を削るような庁舎整備、これは市民の負担とならないよう、私どもはこれについて財政負担を心配する点から庁舎整備については認めない立場でおります。
以上で質疑を終わります。
○紫垣正仁 委員長 日本共産党熊本市議団、上野美恵子委員の質疑は終わりました。
次に、井坂隆寛委員の質疑を行います。
持ち時間は5分となっております。
〔井坂隆寛委員 登壇〕
◆井坂隆寛 委員 井坂隆寛です。予算決算委員会の締めくくり質疑に当たり、熊本市電延伸経費、(仮称)東町線の市電延伸に係る実施計画等に要する経費について質疑させていただきます。
健軍町電停から熊本市民病院までの約1.5キロメートルの市電延伸に向けた実施設計経費等の補正額4億2,000万円が計上されています。積算内訳は実施設計3億6,800万円、用地測量5,200万円です。今年100周年の節目を迎えた熊本市電が今後も持続可能な公共交通機関として熊本市にお越しの観光客、通勤通学、市民の足として地域に親しまれることを切に願っています。
私は、今年3月の第1回定例会一般質問では、公共交通は福祉の一環であるとの認識の下、適切な運賃の設定、運転士たちのウェルビーイング、それらを踏まえたダイヤ編成に努めてくださいますよう要望いたしました。具体的には、運転士が利用できるトイレが少ない現状について例を挙げ、今後の検討をお願いしました。内容を再度御紹介します。
運転士は健軍町電停留所では民間の店舗で、田崎橋の終点では国の合同庁舎でトイレを使用していますが、これらは夜間や早朝は利用できません。それを踏まえ、延伸後、市民病院の終点や熊本駅に車両2編成程度を留め置くことができる運転車庫兼運転士待機場があるならば、始発・終電の時間の改善と併せて運転士の処遇改善につながるのではないかというものでした。
さて、今回の質疑に当たり、私は市民病院の東側に終点の停留所ができるのであれば、現在健軍町の終点でお借りしている民間の店舗トイレではなく、田崎橋の終点同様に近隣の公的機関、要するに市民病院内のトイレをお借りすることになるかもしれないと思い、時間外入り口やトイレの位置、そして市民病院前の終点の場所として予測される場所からの距離を調べました。結果、市民病院1階フロアにあるトイレまでの距離は約230メートルで、また間には信号機が1つあるため、容易には利用できないことが分かりました。
したがって、延伸により運行距離が伸び、休憩の間隔が空くことは運転士の負担増加につながります。やはり運転士の待機場の設置、特にトイレの設置は必要であると考えます。
ここで、都市建設局長にお尋ねします。
今回の(仮称)東町線の実施設計の中に、運転士用のトイレの設置は含まれているのでしょうか。
〔秋山義典都市建設局長 登壇〕
◎秋山義典 都市建設局長 現状、周辺につきましては、運転士不足により減便など運行サービスの低下を余儀なくされておりますことから、市電が安全・安心な乗り物として市民の皆様に御利用いただくためには運転士を含めた人材の確保は必須でございます。
今回の実施設計の予算には含まれておりませんが、確実に人材を確保してまいりますためには、議員御指摘の視点も非常に重要でございますことから、今後交通局と連携いたしまして、運転士用のトイレ設置等も含め、職員が働きやすい環境整備について検討してまいります。
〔井坂隆寛委員 登壇〕
◆井坂隆寛 委員 ありがとうございました。
今回の実施設計の予算には含まれていないものの今後交通局と連携し、運転士用トイレも含め、職員が働きやすい環境整備について御検討くださるとの御答弁をいただきました。
可能であれば待機場の設置、さらには車両2編成程度留め置くことができる車庫兼運転士待機場までも視野に入れての御検討を要望します。もし運転士の待機場所の設置が難しいのであれば、終点付近に小さな公園や緑地を設置整備することも視野に入れ別途検討していただければと思います。
宇都宮ライトレールの路面電車ライトラインでは、乗客が利用できるトイレの場所についての案内もあり、とても親切だと思いました。これは終点の1つ手前にある停留所に隣接した公園内のトイレや利用者の多い2か所の停留所内に2基ずつ設置した多目的トイレのことだそうです。
昨年、交通局では運転士の離職者が採用者数を上回る現状がありました。しかしながら、これに対しては早急な対応が行われ、今後は運転士が増えていくことが見込まれます。しかしながら、延伸が運転士の負担の増加を招き、それが離職の要因となり、持続可能な公共交通ではなくなってしまうことを懸念します。
電車の運転が好きで、また乗客、市民の皆さんと接することが好きで、運行の安全に日々努力している運転士や車掌、そしてそれを支える職員がいます。引き続き公共交通は福祉の一環であるとの認識の下、運転士たちのウェルビーイング、それらを踏まえたダイヤ編成に今後も努めてくださいますよう、再度御関係の全ての皆様にお願いいたしまして、私の質疑を終わります。ありがとうございました。
○紫垣正仁 委員長 井坂隆寛委員の質疑は終わりました。
次に、菊地渚沙委員の質疑を行います。
持ち時間は5分となっております。
〔菊地渚沙委員 登壇〕
◆菊地渚沙 委員 菊地渚沙です。
新庁舎設計関係業務委託の経費について、2点まとめて質問いたします。
1点目、市議会への説明責任について。
今議会の一般質問で上野美恵子議員より市民への説明責任についての質問がありました。政策局の答弁では、「説明責任を果たすべき相手は市民の皆様であり、市民の代表である市議会である」とありましたが、執行部は市議会に対して説明責任を十分に果たしていないと私は感じております。
その理由は、概算事業費600億円を超える事業にもかかわらず、少なくとも今議会で補正予算が上程されてから一度も執行部側からこちらに出向いて説明がなされなかったためです。今回の議案は、総務委員会への付託議案であることは重々承知しておりますが、会派に属していない無所属議員であっても詳細な説明を執行部側からするのが説明責任を果たすということではないでしょうか。市議会への説明は十分に果たされたとお考えなのか、御見解をお示しください。政策局長にお尋ねします。
続けて2点目、NTT桜町の解体費用等の経費が増える可能性について。
概算事業費プラスアルファの表現について、資材や労務単価の変動性や用地取得費及び建物補償費が未確定であることから、より実情に即した表現となるようプラスアルファの表現がされております。移転先のNTT桜町及び本庁舎解体費用はプラスアルファに含まれているのでしょうか。また、仮にNTTの旧社屋は補償の対象外であったとしても、ほかの補償の対象となる駐車場の売上補償やその他の項目等で事業費が増える可能性が全くないと言い切れるでしょうか。また、価格のつり上げの可能性についての御見解もお示しください。
以上2点、政策局長にお尋ねします。
〔三島健一政策局長 登壇〕
◎三島健一 政策局長 私から2点の質問に順次お答えいたします。
1点目の市議会への説明責任についてでございますが、新庁舎整備につきましては、議会において本庁舎整備等の問題は極めて重要な案件であることから、改選後に庁舎整備に特化した特別委員会を設置し、さらに議論を深めていくこととして、令和元年5月に庁舎整備に関する特別委員会を設置され、これまで本庁舎に求められる機能と在り方及びこれに係る諸問題に関する調査について御審議いただいてまいりました。
本市といたしましては、当該特別委員会において各委員からの御質問、御意見に対して真摯にお答えしてきたところでございまして、また市議会定例会の一般質問等でもお答えしてまいりました。加えて、庁舎整備に関する予算につきましては、その審議が分担されております総務分科会において御審議いただいてまいりました。
このようなことから、市といたしましては市議会からの御意見、御質問に対して情報提供を含め適切に対応させていただいていると考えておりますが、御指摘も踏まえまして、今後はより丁寧な対応を取らせていただきたいと考えております。
また、2点目の解体費についてのお尋ねでございますが、まず現庁舎の解体費は基本構想でお示ししております概算事業費約616億円の内数として、約90億円を見込んでおります。
なお、現庁舎の解体費につきましては、労務単価の高騰等による変動が想定される一方で、地下の解体範囲の減少など削減要因も考えられますことから、今後事業の進捗に応じた精査に努めてまいります。
次に、NTT西日本さんへの補償費でございますが、旧社屋に隣接する立体駐車場など現在利用されている建物につきましては、補償の対象となりますが、旧社屋についてはNTT西日本側の負担で解体を行いますことから、市に費用負担が生じるものではございません。
また、建物調査等を実施していない基本構想の段階では、建物補償費として駐車場などの再築に係る概算額をお示ししておりますが、このほか追加の補償項目として営業補償等が想定されます。今後、相手方の同意の下、不動産鑑定や建物調査等を行い、項目や額の精査に努めてまいります。
最後に、補償費の増額の可能性についてでございますが、土地及び建物に関する補償については熊本市の公共事業の施工に伴う損失補償基準に基づき算定し、熊本市公共用地等評価委員会などの所定の手続を経て確定いたしますことから、基本構想でお示しした額よりも増減することは想定されますが、相手方との価格交渉によって金額が変わることはございません。
〔菊地渚沙委員 登壇〕
◆菊地渚沙 委員 ありがとうございます。
旧社屋の解体費用を市が負担するのではないか、解体費を上乗せして請求されるのではないのかと心配しておりましたが、NTT西日本側の負担で解体を行うことから市に費用負担が生じるものではないとの御答弁でしたので、この点については安心いたしました。
時間がないので次の質問に移ります。
議論が長引いた原因と反対派の市民の理解が得られなかった理由について、市長にお尋ねします。
私たちがいるこの現庁舎は、建て替え位置の検討に約4年、構想に係る調査測量に約3年、構想3か月、設計1年、そして2年8か月の工事期間を経て昭和56年10月31日に竣工しました。当時も時間をかけて議論されたことがうかがえますが、今回は合併推進債のタイムリミットがあったのにもかかわらず議論が長引き、600億円規模の巨額事業を最終的に業者に一括発注する選択になったことは非常に残念でなりません。私はここまで議論が長引いてしまった要因は、耐震性をめぐる問題と市民の理解が得られなかったことだと考えます。建て替えの是非の議論がされた庁舎耐震性能分科会の議事録が公開されなかったことは、一部市民の執行部に対する不信感を生みました。加えて、井坂議員も一般質問でおっしゃっていましたが、熊本市をどんなまちにしたいのか明確なビジョンを市民と共有できなかったことが理解が得られなかった要因と考えます。両者にとって不幸でもったいない時間だったと思います。
ここで市長にお尋ねします。
ここまで議論が長引いた原因と反対派の市民の理解が得られなかった理由について市長のお考えをお聞かせください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 新庁舎整備につきましては、これまで平成29年度の耐震性能調査以降、平成30年6月の公共施設マネジメント調査特別委員会における審議に始まりまして、その後も庁舎整備に関する特別委員会において継続して熱心に御審議いただいてまいりました。
この間、新庁舎整備の理由の一つである現庁舎の耐震性能不足につきましては、平成29年度の耐震性能調査の結果に対して一部の専門家の方から疑問が呈されるとともに、市議会からも様々な御意見をいただきましたことから令和2年度にさらなる調査を実施いたしましたが、その結果に対しましても市議会等から審議を継続し、さらなる検証を行うべきとの御意見が示されたところでございます。
このことから、改めて現庁舎の耐震性能の有無を含め、多角的な視点で本庁舎の在り方について審議を行いますため、令和3年に本庁舎等整備の在り方に関する有識者会議を設置いたしまして、本庁舎等の整備の在り方について諮問を行ったところでございます。
その結果、昨年5月に有識者会議から本庁舎等は現行の建築基準法等が求める耐震性能を有していないとする耐震性能調査の結果は妥当であり、本庁舎等は建て替えるべきであるとの答申が示されたところです。この答申を重く受け止め、昨年6月コロナ禍の収束に伴う議会での議論の再開とともに、市としては本庁舎を建て替える方針で検討を進めてまいりたい旨を表明いたしまして、その後本定例会まで新庁舎整備に向けた議論を熱心に深めていただいたところでございます。
委員御指摘のとおり、耐震性能調査の内容及び結果の検証に多くの時間がかかり、全体として6年余の検討期間を要しましたが、十分な審議を行うためにはこれは必要な時間であったというふうに考えております。
なお、庁舎建て替えに御納得いただけていない方の多くは耐震性能調査結果を含めまして庁舎建て替えの必要性に疑問をお持ちであると認識しておりまして、今後も多くの市民の皆様に御理解いただけるように引き続き丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。
〔菊地渚沙委員 登壇〕
◆菊地渚沙 委員 ありがとうございます。
これまで多くの市民の方が陳情に来られました。耐震性をめぐっては裁判もありました。最近では市民団体が住民投票を求める署名運動も始まりました。実質賃金は26か月マイナス、物価高でどの世代も生活が苦しい中、市役所を建て替えるなら福祉の充実や教育、こどもたちにお金を使ってほしいというお声も私も聞きました。それでも建て替えが必要であれば、耐震性については議事録を公開し、情報の透明化をするべきだったと思います。
そして、初めから熊本市の未来予想図を市長が市民と共有し、「それなら仕方ないね」と市民の理解を得る必要があったのではないでしょうか。非常に重い決断だと思っておりますが、最後に質疑の機会をいただきましたことを感謝申し上げます。ありがとうございました。
○紫垣正仁 委員長 菊地渚沙委員の質疑は終わりました。
以上で、締めくくり質疑は終わりました。
これより採決を行います。
まず、議第191号、議第192号、以上2件を一括して採決いたします。
以上2件を可決することに御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○紫垣正仁 委員長 御異議なしと認めます。
よって、以上2件はいずれも可決すべきものと決定いたしました。
次に、議第234号を採決いたします。
本件を可決及び認定することに御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○紫垣正仁 委員長 御異議なしと認めます。
よって、本件は可決及び認定すべきものと決定いたしました。
次に、議第232号、議第233号、議第235号、以上3件を一括して採決いたします。
以上3件を可決及び認定することに賛成の委員の挙手を求めます。
(賛成) 村上博副委員長、寺本義勝委員
大嶌澄雄委員、村上麿委員
瀬尾誠一委員、菊地渚沙委員
山中惣一郎委員、井坂隆寛委員
木庭功二委員、村上誠也委員
古川智子委員、荒川慎太郎委員
松本幸隆委員、中川栄一郎委員
松川善範委員、筑紫るみ子委員
島津哲也委員、吉田健一委員
齊藤博委員、田島幸治委員
日隈忍委員、山本浩之委員
北川哉委員、平江透委員
吉村健治委員、山内勝志委員
伊藤和仁委員、高瀬千鶴子委員
小佐井賀瑞宜委員、田中敦朗委員
高本一臣委員、西岡誠也委員
田上辰也委員、三森至加委員
浜田大介委員、井本正広委員
大石浩文委員、田中誠一委員
坂田誠二委員、落水清弘委員
澤田昌作委員、藤山英美委員
上田芳裕委員
(反対) 井芹栄次委員、上野美恵子委員
○紫垣正仁 委員長 挙手多数。
よって、以上3件はいずれも可決及び認定すべきものと決定いたしました。
次に、議第230号、議第231号、以上2件を一括して採決いたします。
以上2件を認定することに賛成の委員の挙手を求めます。
(賛成) 村上博副委員長、寺本義勝委員
大嶌澄雄委員、村上麿委員
瀬尾誠一委員、菊地渚沙委員
山中惣一郎委員、井坂隆寛委員
木庭功二委員、村上誠也委員
古川智子委員、荒川慎太郎委員
松本幸隆委員、中川栄一郎委員
松川善範委員、筑紫るみ子委員
島津哲也委員、吉田健一委員
齊藤博委員、田島幸治委員
日隈忍委員、山本浩之委員
北川哉委員、平江透委員
吉村健治委員、山内勝志委員
伊藤和仁委員、高瀬千鶴子委員
小佐井賀瑞宜委員、田中敦朗委員
高本一臣委員、西岡誠也委員
田上辰也委員、三森至加委員
浜田大介委員、井本正広委員
大石浩文委員、田中誠一委員
坂田誠二委員、落水清弘委員
澤田昌作委員、藤山英美委員
上田芳裕委員
(反対) 井芹栄次委員、上野美恵子委員
○紫垣正仁 委員長 挙手多数。
よって、以上2件はいずれも認定すべきものと決定いたしました。
次に、議第190号を採決いたします。
本案を可決することに賛成の委員の挙手を求めます。
(賛成) 村上博副委員長、寺本義勝委員
大嶌澄雄委員、村上麿委員
瀬尾誠一委員、菊地渚沙委員
井坂隆寛委員、木庭功二委員
村上誠也委員、古川智子委員
荒川慎太郎委員、松本幸隆委員
中川栄一郎委員、筑紫るみ子委員
島津哲也委員、吉田健一委員
齊藤博委員、田島幸治委員
日隈忍委員、山本浩之委員
北川哉委員、平江透委員
吉村健治委員、山内勝志委員
伊藤和仁委員、高瀬千鶴子委員
小佐井賀瑞宜委員、田中敦朗委員
西岡誠也委員、田上辰也委員
三森至加委員、浜田大介委員
井本正広委員、大石浩文委員
田中誠一委員、坂田誠二委員
落水清弘委員、澤田昌作委員
上田芳裕委員
(反対) 山中惣一郎委員、松川善範委員
井芹栄次委員、高本一臣委員
藤山英美委員、上野美恵子委員
○紫垣正仁 委員長 挙手多数。
よって、本案は可決すべきものと決定いたしました。
以上で当委員会に付託を受けた議案の審査は全て終了いたしました。
これをもちまして、予算決算委員会を閉会いたします。
午前11時54分 閉会
出席説明員
市長 大 西 一 史 副市長 深 水 政 彦
副市長 中垣内 隆 久 政策局長 三 島 健 一
総務局長 津 田 善 幸 財政局長 原 口 誠 二
都市建設局長 秋 山 義 典 代表監査委員 横 田 健 一
教育長 遠 藤 洋 路
議会局職員
局長 江 幸 博 次長 中 村 清 香
議事課長 池 福 史 弘 政策調査課長 岡 島 和 彦
〔議案の審査結果〕
議第 190号 「令和6年度熊本市一般会計補正予算」…………………(可 決)
議第 191号 「同 病院事業会計補正予算」……………(可 決)
議第 192号 「同 交通事業会計補正予算」……………(可 決)
議第 230号 「令和5年度熊本市各会計(公営企業会計を除く。)決算について」
……………………………………………………………(認 定)
議第 231号 「同 病院事業会計決算の認定について」
……………………………………………………………(認 定)
議第 232号 「同 水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
………………………………………………………(可決及び認定)
議第 233号 「同 下水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
………………………………………………………(可決及び認定)
議第 234号 「同 工業用水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
………………………………………………………(可決及び認定)
議第 235号 「同 交通事業会計利益の処分及び決算の認定について」
………………………………………………………(可決及び認定)