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熊本市議会議員 たなか あつお

熊本市議会議員 たなか あつお

2024年03月06日 定例会

令和 6年第 1回定例会

令和6年3月6日(水曜)
┌─────────────────────────────────────┐
│ 議 事 日 程 第7号                         │
│ 令和6年3月6日(水曜)午前10時開議                 │
│ 第  1 一般質問                           │
│ 第  2 議第102号 熊本市・富合町新市基本計画(富合地域)の一部変更│
│             について                    │
│ 第  3 発議第 1号 ガザ地区における即時停戦を求める決議について  │
└─────────────────────────────────────┘
午前10時00分 開議
田中敦朗 議長  ただいまより本日の会議を開きます。
────────────────────────────

田中敦朗 議長  日程第1「一般質問」を行います。
発言の通告があっておりますので、順次発言を許します。
まず、山内勝志議員の発言を許します。山内勝志議員。

〔26番 山内勝志議員 登壇 拍手〕

◆山内勝志 議員  皆様、おはようございます。市民連合の山内勝志でございます。よろしくお願いいたします。
まず、能登半島地震、2か月がたちました。ニュースで流れてくる能登の映像からは、半島の先端にある地理的要因や寒冷地の気象条件が重なり、なかなか復旧が進まない厳しい現状が見てとれます。多くの死傷者を出した発災直後から一定期間がたち、これからは長い期間にわたる被災者の方々への健康被害が心配されます。しかし、人々の健康を守る多くの医療機関も大変なダメージを受けています。
熊本地震でも、地域医療がほぼ崩壊し、私自身も、地域の拠点病院であった旧市民病院が診療停止になる瞬間を身をもって体験いたしました。被災者の方々の1日も早い生活の安定と、能登の地域医療の復旧復活を祈るとともに、現地に派遣され、奮闘されている熊本市職員の方々に感謝を申し上げます。
それでは、通告に沿って質問に入らせていただきます。
まず、半導体関連企業の進出に伴う人手不足対策についてお聞きいたします。
世界的半導体製造企業でありますTSMCが菊陽町に進出し、いよいよ工場の稼働が始まります。また先日、隣接地に第2工場が建設されることも決まりました。熊本県の経済波及効果も、第2工場まで含めれば約10.5兆円と見込まれる、そういった報道もあります。まさに地域経済の大きな起爆剤、ビッグバンとなるものです。
一方で、多くの課題もあります。地下水枯渇の不安、工場排水の安全性、交通渋滞の悪化、住環境の変化等々、本議会においても多くの議論が重ねられてきました。その課題の一つには、人手不足の問題も大きなものです。これは進出する半導体産業の技術者不足だけではなく、半導体以外の産業についても、その影響を大きく受けるものです。そもそも少子高齢化に伴う人口減少時代にあって、医療、介護、建設、運輸等の分野の人材不足は危機的な状況です。そのほかの分野でも、事業者の多くが人手不足を深刻な課題と捉えています。
先日発表された九州経済白書では、2030年には九州地域での人手不足数が50万人、熊本県でも約6.5万人が不足すると推計されています。2020年の調査で16.6万人だったものが、約3倍に拡大するというものです。特にこの数字で注目すべきことは、これらの数値には、TSMC進出の影響は織り込まれていないということです。半導体産業が集まり、周辺のサービス産業などを含め、労働需要が大きく増加した場合、人手不足の状態はさらに進む可能性があります。
地元市などが行った経営者への意識調査では、半導体関連企業の進出によってプラスの影響があるという回答が46%を占めた一方で、マイナスの影響があるとの回答も28%を超えたということです。マイナスの影響と答えた経営者の7割以上が、その原因を人材不足と答えています。
熊本市においては、庁内に半導体関連産業集積推進本部を設置し、6つのプロジェクトチームで、各課題について施策の展開を進めておられます。その中の人材確保・育成PTが地場企業や半導体関連企業の人手不足への対応を受け持っておられます。
TSMC等の半導体産業の熊本への進出は、まさに千載一遇のチャンスであることは間違いありません。経済界からも、行政側に対して、補助制度や税制面での優遇措置、あるいは人材確保支援を重視してもらいたいとの要望も多く出されているようです。雇用対策についても、半導体産業への優先順位を高くしてほしいという声が強まるのも理解はできます。
しかし、根底にある人口減少による労働人口不足の対策については、経済行政が担う基本的なミッションとして、決しておろそかになってはいけません。今後、熊本市民の働き先が、またこれから働こうとする本市の若者が、周辺自治体の企業に流出する可能性は避けられません。特に熊本市内の半導体産業以外の産業を営む事業者にとっては、これ以上の人材流出は死活問題となりかねません。労働人口の流出に伴うドーナツ化現象が起きないように、バランスの取れた雇用施策をとっていただきたいと思います。
そのためには、熊本市内の各産業の雇用の現状をしっかり把握することが出発点になると思います。市内事業者の人手不足に対する意向調査をした上で、各産業分野に特化した雇用対策を改めて検討していただきたいと思います。また、短期的な施策だけでなく、これからの熊本市の経済を支える若い人々への意識改革も必要であると思います。雇用のドーナツ化現象が生じないような、TSMC進出対策だけでない雇用施策の優先度やバランスのとれた施策について、大西市長の方針をお尋ねしたいと思います。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  TSMCをはじめとした半導体関連産業の進出は、地域経済のさらなる発展に向けた千載一遇のチャンスであり、これを契機として、市内の様々な産業の発展にもつなげることが重要です。
そのためには、各産業を支える優秀な人材の確保が喫緊の課題であることから、熊本市中小企業活性化会議をはじめ、事業者や経済団体へのヒアリング、民間団体や本市が独自で実施する調査等により、地場企業の雇用状況の把握に努めております。
これらの御意見も踏まえ、人材確保の取組として求職者が様々な産業分野の地場企業とつながる機会の創出を図るため、合同就職説明会の開催やインターンシップ等を実施するとともに、小・中学生が地場企業の魅力を知ることで、将来的な地元への定着につなげるキャリア教育を行っております。
加えて次年度は、産業団体等が行っております合同就職説明会と本市が行います合同就職説明会を連携して開催し、求職者に各産業の魅力を深く知っていただく機会を増やすことによって、就労につなげる取組を実施する予定でございます。
今後も国・県、関係団体等との連携を密にし、地場企業のニーズを把握しながら人材確保支援に全力で取り組むことで、地域経済の持続的な発展につなげてまいります。
〔26番 山内勝志議員 登壇〕

◆山内勝志 議員  今回はTSMC進出が大きくクローズアップされ、その経済効果を考えれば優先度が高くなるのは当然ではありますが、基礎自治体が担う基本的な雇用施策について停滞することがないよう、十分にバランスの取れた施策の展開をよろしくお願いいたします。
それでは、次の質問に移ります。
熊本市立地適正化計画についてお尋ねいたします。すみません、少々長くなると思います。
少子高齢化が進み、人口の減少が顕著になっております。これまで人口の増加や市街地の広がりに合わせて、商業施設をはじめ公共施設やインフラ等が整備されてきました。しかし、今後高齢化が進み、さらに人口が減り続けていけば、これまでのように、全ての地域に満遍なく生活サービスを供給することは難しくなっていきます。
そのような中、2014年に都市再生特別措置法が改正され、市町村は住宅や都市機能を増進させる施設を適正に立地するために、立地適正化計画を作成するということができるようになりました。
熊本市では、中心市街地のほか、生活サービス機能が充実した15か所を地域拠点とし、これらを公共交通で結ぶことで、持続的で暮らしやすい多核連携都市づくりを目指す熊本市立地適正化計画を2016年4月に策定しました。
この計画は、2025年を最終年としております。現在8年目を迎えようとしておりますが、計画の基となった様々なデータや市民のアンケートの結果も、約10年がたとうとすれば環境や背景が変わります。また、その間生じた熊本地震と復興の経緯を踏まえた防災の考え方は計画の重要な要素になります。さらに、将来に向かっては、半導体進出に伴う社会経済環境の変化等も反映する必要もあります。
今回の質問に当たっては、次の計画に向けての方針等についてお聞きしたいと思います。
立地適正化計画には、大きく分けて都市機能誘導区域と居住誘導区域が設定されています。都市機能誘導区域は、中心市街地のほか、主要な駅バス停からおおむね800メーター圏域で商業や行政サービス、医療・福祉・教育など、暮らしに必要な機能を持つ地域を地域拠点としております。この区域内に、まずは商業機能として、生鮮食料品を扱う1,000平米以上の商業施設、それから医療機能として、内科、外科、整形外科、小児科、歯科、これらの病院や診療所、それから金融機能として、入出金可能な銀行や郵便局などの金融機関を誘導施設として位置づけしております。
これらの誘導施設は、計画を策定する前の市民の方々の市政アンケートの上位の項目から決められたわけなんですが、当時、これらに続いてデイサービスなどの高齢者福祉施設や保育所などの児童福祉施設が上位に挙がっておりました。
この誘導施設については、基本的には市民の要望に大きな変化はないかもしれませんが、10年が経過した今、商業施設と利便性の高いコンビニエンスストアの利用度の変化、それから近年の金融機関の店舗縮小傾向と将来のネット決済の普及、あるいは高齢者福祉施設への需要の高まり、そして子育て世帯に対する支援策としての児童福祉施設の利便性を上げてほしいなど、需要の変化が生じているのではないでしょうか。
特に子育て支援については、子供の送迎の利便性を考えて、児童福祉施設の優先度をもっと上げていいように思います。誘導施設の考え方を、次期計画では再検証すべきだとも思います。
また、誘導施設のほとんどは、立地に当たって民間事業者の決断に委ねられています。施設を誘導する際のインセンティブの付与が必要ではないかと感じます。現状では、どちらかというとインセンティブの逆の面として、誘導区域外に立地しようとした場合に届出を必要とするよというような緩やかな制限が先行しているようです。支援策の検討も必要だと感じます。
次に、もう一つの居住誘導区域についてですが、この区域は前に述べた都市機能誘導を区域に加えて、JRや市電等の鉄軌道沿線と、一定以上の運行本数があるバスの沿線で、工業地域や災害リスクのあるところ除いた地域です。こちらも市政アンケートの意向を基に距離圏が設定されております。
やはり居住する場所については、移動手段や移動時間が大きな要素であると思います。今後、地域の特性に合わせたコミュニティバスやデマンドタクシー等の利便性をさらに向上させることが重要であり、次の計画にはさらに踏み込んだ目標の設定が必要となります。
また、居住誘導というからには、区域外に住む市民に転居してもらうこととなります。特に高齢者世代の転居はハードルが高いと感じます。転居先が自分が思い描く、これからの環境があるのか、また、転居にかかる費用や手続など、住み替えてもいいなと思える環境が必要になります。例えば、既存の市営住宅に高齢者サービス機能を付加するなどの施策が必要だと思います。
それから、2021年の一部改定においては、防災指針が追加されました。改定後の計画では、地域拠点ごとの震度予想や水害の浸水予測など、詳細にデータ化されています。その分析の中で判明した問題点や課題については、今後着実に改善できるように、次期計画でも具体的な目標として継続していただきたいと思います。特に、1月の能登半島地震を目の当たりにして、改めて熊本地震の経験を、次の立地適正化計画に正確に反映すべきだと思います。
さらに、次の計画に盛り込むべき重要な課題としては、半導体関連産業の進出に伴う計画への影響です。熊本市域をまたぐ形で就労人口が流動化することが予想されます。そうすると、半導体産業集積地周辺などに、熊本市が計画の中で想定するような都市機能や居住機能を持った地域が新たに発生することが予想されます。それらの地域を結ぶ交通の在り方も、踏み込んで検証する必要があります。当然、熊本市地域をまたぐことになりますので、熊本市の定める立地適正化計画の中で、どのように示すかの判断が難しくなりそうです。連携中枢都市圏として考える課題になるのではないでしょうか。
以上、少々長くなりましたが、都市機能誘導区域における誘導施設と事業者への支援、居住誘導区域における移動手段と住み替えの支援、防災指針の確実な実行、半導体産業進出に伴う影響など、るるお聞きいたしましたが、次期立地適正化計画についての見直し方針等があればお示ししてください。都市建設局長にお尋ねいたします。
〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕

◎井芹和哉 都市建設局長  立地適正化計画の見直しについてお答えいたします。
本市では、今後の人口減少、超高齢社会を見据えた多核連携都市の実現に向け、平成28年に策定いたしました立地適正化計画に基づき、地域拠点など、公共交通の利便性が高いエリアへの居住や都市機能の誘導並びに防災機能の強化のための各種施策を実施してきたところでございます。
現在、居住誘導区域の人口密度は、人口減少等の影響があるものの目標値以上を維持しており、市民生活を支える商業や医療の都市機能も増加傾向にあるなど、一定の効果を上げております。また、老朽建築物の建て替えや校区防災連絡会等の設立促進などにより、防災機能の強化も着実に進んでおります。
一方で、空き家や低未利用地の発生、公共交通サービスの縮小、地域コミュニティーの衰退などの地域の課題が見られますとともに、半導体関連企業の進出に伴う渋滞の悪化や住宅需要の増加など、新たな課題も生じてきております。
そこで、令和7年度に予定しております次期計画の策定に当たっては、改めて地域の皆様の意向や施設等の利用実態を把握した上で、地域特性に応じた誘導施設の設定のほか、地域拠点の土地利用規制の見直しや、空き家等の既存ストックの活用、移動支援サービスの充実など、住宅や交通分野等との連携による取組について検討していくこととしております。
多核連携都市の実現に向け、居住や都市機能の誘導並びに防災機能の強化はもとより、地域の課題や今後の社会情勢の変化に的確に対応し、実効性のある計画となるよう引き続き検討を進めてまいります。
〔26番 山内勝志議員 登壇〕

◆山内勝志 議員  現計画の最終年が2025年なので、新たな計画策定に向けて約2年間はありますが、社会環境はここ10年で大きく変わっております。新計画は、人口減少予測とAIをはじめとする新技術の進歩など、創造力をフル回転でつくっていく必要があります。十分時間をかけて、広い視野で策定作業を進めていただきたいと思います。
それでは、次の質問に移ります。
救急搬送の現状と救急搬送情報システムの導入についてお尋ねいたします。
消防庁は、2022年の救急車到着時間の調査で、救急車が119番通報を受けてから現場に到着するまでの時間が全国平均で10.3分だったと発表しました。10分を超えるのは初めてで、新型コロナウイルス感染症の拡大等の影響が大きいようです。出動件数についても、前年比で16.7%増加し、過去最高を更新したとのことです。また、医療機関に引き継ぐまでの平均時間も約47.2分で、こちらも最長となりました。
救急車の要請については、適正利用も含め、多くの課題があります。現場の救急隊にとっては、1秒でも早く医療機関に引き継ぐことをミッションとして日々奮闘されておりますが、限られた人材と資源を考えれば、今後、救急搬送の困難さも徐々に増えていくように感じます。
熊本市消防局では、昨年からライブ119という通報システムを運用されておられます。当会派の上田議員も前回の議会で質問しておりますが、通報者の携帯動画を指令室と救急隊員が共有し、いち早く患者の容体を事前に知ることができるシステムであり、より的確な救急搬送を目指して導入されたものです。今後、より多くの市民がライブ119の効果や通報のやり方を知ることで、救急搬送現場の質が高まるものと思います。救急隊や指令室の消防職員の運用スキルの向上も含めて、これから様々なデータを可能な限り収集して、ライブ119の活用拡大に努めていただきたいと思います。
救急搬送の大きなポイントは、いち早く現場に到着することとともに、医療機関の受入れ体制の情報を的確に把握することだと思います。患者さんの症状、容体に合った治療が行える病院を選択すること、またその病院に受入れの余地があるか、空きベッドがあるか、診察する医師の専門性が適合するかなど、搬送先の病院の検索が重要なポイントとなります。
そこで、まず、現在の救急搬送時の受入れ医療機関の検索方法、決定方法について消防局長にお聞きします。
〔福田和幸消防局長 登壇〕

◎福田和幸 消防局長  搬送先医療機関の検索方法等に関する御質問にお答えいたします。
医療機関の検索方法につきましては、傷病者の観察結果を基に、対応可能な医療機関を選定しております。また、脳疾患など専門的な治療が必要な病態につきましては、熊本県で作成されている傷病者の搬送及び受入れの実施に関する基準に従いまして、医療機関を選定しております。
医療機関の決定方法につきましては、選定した医療機関に救急隊が直接電話し、受入れの依頼を行い、決定しているところでございます。
〔26番 山内勝志議員 登壇〕

◆山内勝志 議員  搬送先病院の検索及び決定については、救急隊の方が直接病院に電話連絡をして受入れの状況を確認した上で、可否を確認するとのことです。もちろん病状によって、心臓疾患の場合はどの病院、脳疾患の場合はどの病院と、あらかじめ専門分野ごとの情報は隊員の経験則として了解されているとは思いますが、受入れ可否を一件一件電話で確認するのは、あまり合理的でないと感じます。また、一刻も早く搬送してもらいたい本人や家族の前で病院検索の電話を行う隊員にとっても、心理的負担になるというのも推察されます。
インターネット環境が整い、ありとあらゆる情報がオンラインで共有されている今の世の中で、救急搬送のための情報のやり取りの手法については、早急に改善が必要だと感じます。現場に到着し、病状や容体に適した治療が行える病院の空き状況やベッド数、専門医の待機状況、CT撮影や内視鏡の実施が可能かどうか、リアルタイムで受入れの状態が分かった上で搬送が可能となれば、より多くの命を救うことができ、救急隊の負荷も軽減できるのではないでしょうか。ぜひ救急搬送情報システムの導入を検討していただきたいと思います。
システム導入に係る費用や病院側の情報入力の負担等の課題もあるとは思いますが、上質な生活都市を目指す熊本市は、医療資源の豊富な都市でもあります。ぜひ先進事例となるべく、ライブ119の拡大とともに救急搬送情報システムの導入を積極的に進めていただきたいと思います。
それから、あわせて、急激な高齢化に伴って予想される救急搬送の困難事例について、2点お聞きします。
高齢者福祉の観点から、エンディングノートやメッセージノートの普及で、人生の最終段階に受けたい医療を事前に意思表示することが推奨されています。心肺停止になったときに、蘇生措置を受けるのか受けないのか、この意思を本人が決めておくということです。
救急隊は、要請があれば現場に駆けつけ、蘇生処置が必要な患者さんには迷わず実施し、命をつなげることが使命であろうと思います。しかし、一方では、患者の意向を尊重するための手続も社会が求めてもいます。この相入れない状況が起きているとき、救急隊の方々はどのような判断が迫られているのでしょうか。現状での救急搬送時の蘇生処置の実施ルール等があれば教えてください。
次に、今後導入が予定されているマイナ保険証導入時の問題点です。
救急搬送といえども、医療機関に運ばれるという点では、保険証の所持がどうしても必要になります。今般、消防庁では、救急搬送時にマイナ保険証を使って、専用のカードリーダーにより、救急隊員がマイナ保険証を読み取り、かかりつけ医や服薬履歴などの基礎情報を収集するという運用を進めるようです。
しかし、現実的には、高齢者のマイナ保険証への切替えが進まないことと、誰がパスワードを解除するのか、また、一刻を争う救急現場での作業の煩雑化など多くの課題が想定されます。消防庁が予定するマイナ保険証の救急搬送現場での取扱いについて、熊本市消防局としての対応の考え方について教えてください。
救急搬送情報システムの導入、それから高齢化に伴う困難事例の2点、合わせて3点について消防局長にお尋ねします。
〔福田和幸消防局長 登壇〕

◎福田和幸 消防局長  救急搬送情報システムの導入等に関する3点の御質問にお答えいたします。
議員御指摘のとおり、リアルタイムに受入れ医療機関の状況が分かるシステムがあれば、医療機関選定の時間短縮が図られ、早期の医療介入につながることから、傷病者にとって有益であると考えております。
〔議長退席、副議長着席〕
現在、システム導入に向け先進都市を視察するなど、調査研究を行っているところであり、今後、主要な医療機関から意見を聞きながら、ライブ119と同様、市民の皆様にとって効果的なシステムとなるよう検討してまいりたいと考えております。
次に、救急搬送時の蘇生処置の実施ルール等でございますが、蘇生を望まない傷病者の対応につきましては、熊本県メディカルコントロール協議会において、救命を目的とする救急隊は、要請があれば処置をして搬送するとされておりますことから、原則、医療機関に搬送することとしております。
また、蘇生を望まない傷病者への対応方針につきましては、当協議会においてワーキンググループを立ち上げ、弁護士等を交えながら検討を重ねているところであり、令和7年度からの運用開始を目指しているところでございます。
最後に、マイナ保険証の救急現場での取扱いについてでございますが、昨年度、総務省消防庁が、本市も含む全国の6都市を対象に、マイナンバーカードを活用した救急業務の実証実験を行ったところでございますが、正確な情報の収集など有効であった一方、閲覧するまでに時間を要するなど課題もあったと認識しております。
総務省消防庁は、来年度にかけて、システム構築に向けた全国的な実証実験を予定しておりまして、本市としても積極的に参加するとともに、今後、国の動向を注視しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
〔26番 山内勝志議員 登壇〕

◆山内勝志 議員  救急搬送情報システムの導入について、前向きに検討をしていただけるようで大変安心いたしました。
当然、受入れ医療機関の協力がなければシステム化はできません。今後さらに関係機関との協議等を進めていただき、市民の皆さんが安心して生活できる救急医療体制をつくり上げていただきますよう、よろしくお願いいたします。
それでは、次の質問に移ります。
熊本市では、市立高等学校・専門学校改革基本計画に基づき、新しい時代に沿った学校改革に取り組んでおられます。今回、その中で熊本市市立ビジネス専門学校の改革についてお尋ねいたします。
2021年の第4回定例会においても、市立高校と市立専門学校の連携を前提にした選抜方法、熊本森都心プラザへのサテライト教室の設置、一貫したビジネスリーダー育成体制についてお聞きいたしました。
今年度、改革基本計画に基づき、起業家育成を柱に新たな時代に対応したビジネス教育を行う学校を目指し、これまでの総合ビジネス科とOA系経理科の2つの学科をキャリア創造学科に改編されました。多くのカリキュラムの中から、自分が学びたいこと、将来就きたい職業、取得したい資格などによって、自分で科目を選択し、2年間の自分だけのコースをつくられるようになりました。パソコン等のOA機器を中心に施設整備も充実し、大学や企業との連携、起業家教育の拡充など、取組も進んでいるようです。
しかし、初年度となる令和5年度の入試の状況を見ると、出願者が定員に達していない状況のようです。まだまだ取組が浸透していないということもあるとは思いますが、さらなる周知と工夫は工夫が必要のようです。
まずは、新しい総合ビジネス専門学校の厳しいスタートになった状況について、分析と課題認識を教育長にお尋ねいたします。
〔田口清行教育長職務代行者 登壇〕

◎田口清行 教育長職務代行者  総合ビジネス専門学校におきましては、起業家育成を柱に、新たな時代に対応したビジネス教育を行う学校と位置づけ、これまで行ってきた資格取得に加え、アントレプレナーシップやマーケティングに関する学習、起業家や地元企業、大学と連携した探求的演習等を行っております。また、夜間コースにおきましても科目等履修生や聴講生制度を新設し、社会人や高校生等も受講しやすくしたことに加え、本科生も受講可能といたしました。来年度には、日商簿記1級など生徒のニーズが高い講座も開講いたします。
なお、本年度の入試の状況につきましては、定員70名に対し64名が合格しており、現在最終の申込み期間中でありますが、定員充足まであと一歩といった状況でございます。
起業家マインドは、グローバル化や情報化の進展等、著しく変化していく社会を主体的、創造的、協働的に生きていくために、起業家や経営者に限らず必要な素養であります。起業家教育を通じて、学び直しを含めた社会のニーズに応え、地域を支える人材の育成に取り組んでまいりたいと考えております。
〔26番 山内勝志議員 登壇〕

◆山内勝志 議員  変革のために、多くのことに取り組んでおられることは分かりました。
総合ビジネス専門学校は、これからの熊本のビジネスを担う若者たちを輩出する学校として、より発展的に変わっていく必要があります。
そこで、今回の質問に当たり、改めて専門学校の定義や設置基準を調べてみました。専修学校という学校制度のうち、専門課程を設置する学校として、高校卒業者を入学資格とし、短大、大学と同じように高等教育機関として分類されます。仕事に必要な知識、技術、資格の習得を目指す職業教育機関であり、全国に約2,800校、約60万人の学生がいます。修業年限は1~4年間の設定が可能で、卒業後には、2年制学校以上で専門士、4年制学校で高度専門士の称号が与えられます。社会のニーズに適応できるように、柔軟で実用的なカリキュラム設定が特徴で、大学への編入や大学院への進学も可能です。
専門学校の設置については、学校教育法に基づく専修学校設置基準が基になっており、その中には、これからの変革に向けた可能性が幾つか示されているように思います。
まず、設置基準の第10条には、他の専修学校の専門課程授業を自身の学校の授業とみなして履修することができるとされています。また第11条では、他の大学での学習を自身の学校の授業の履修とみなすことができるとも定めてあります。この2つの条項が示すことは、自分の学校だけでなく、他の専門学校や大学での授業を受けることが可能であるということを指しております。
学校間の連携によって、さらに広いカリキュラムや視野が広がり、多くの学習の機会を得られるということです。
また、第13条には、授業を多様なメディアを高度に利用して、教室以外の場所で履修させることができるとされており、1つの学校、1つの教室に縛られずに、他の専門学校や大学、あるいはサテライト教室等で学ぶこともできます。うまく運用すれば、学校施設のキャパシティーと学生数を一定程度調整することもできます。
熊本には、専門課程を持つ公立の専修学校として、県立農業大学校があります。例えば農業とビジネス、農業に関連する幅広い経済活動を指すアグリビジネスを学ぶ学校として、ビジネス専門学校と農業大学校の学生がお互い学び合うことも可能だと言えます。また、熊本市には多くの大学もあります。専修学校からの年次編入だけでなく、ビジネス専門学校にいながら大学で学ぶことも、制度上は可能なわけです。
少子化の進展は少なくなる学生を高等教育機関が競い合って取り合うようなイメージがありますが、見る方向を変えれば、少ない学生に、多くの教育の機会を与えるチャンスでもあると思います。
また、学生の思いとしては、2年間の学校生活はとても短く感じていると思います。多くのカリキュラムをつくればつくるほど、受講のためにタイトな時間を過ごすことになります。後半の1年間は就職活動も始まるので、実質しっかりと学ぶ期間は1年ちょっとではないでしょうか。ぜひ修業年限を3年間に延ばし、豊富なカリキュラムを提供し、じっくりと専門的な知識・技術を学ばせてあげてはいかがでしょうか。
加えて文部科学省においては、専門職大学、専門職短期大学という新たな大学制度も進めています。総合ビジネス専門学校も、将来的には専門学校から次のステップとして、専門職大学、専門嘱託短期大学を目標にしてもよいのではないかと思います。
以上述べましたこれらの可能性を検討していただき、自治体が運営する専門学校として、地元経済の担い手育成の核となるよう発展させていただきたいと思います。教育長のお考えをお聞かせください。
〔田口清行教育長職務代行者 登壇〕

◎田口清行 教育長職務代行者  総合ビジネス専門学校におきましては、千原台高校をはじめとする高校の商業系科目との接続等、高校と専門学校での連続した学びの実現を図っているほか、大学3年次編入希望者を対象としたカリキュラムの編成により、大学へ進学する生徒も毎年出ている状況であります。
議員御提案の就学年数の見直しにつきましては、国が検討を行っております専門学校教育の高度化についての方向性も踏まえつつ、改革の検証を今後行っていく中で検討してまいりたいと考えております。
〔26番 山内勝志議員 登壇〕

◆山内勝志 議員  熊本の未来を支える経済人を輩出するために、若者の心に刺さる学校づくりを進めていただきたいと思います。今のICT技術を使えば、1つのキャンパスだけに限らず、学生の限られた時間を最大限に広げるチャンスを提供することもできると思います。御検討のほどよろしくお願いいたします。
それでは、最後の質問となります。
職員の人材確保についてお尋ねいたします。
公務員の成り手不足が全国的な問題になっています。少子化による新卒者の減少に加えて、民間企業の積極採用による影響が大きいようです。熊本市でも、技術職を中心に受験者の減少傾向が見られるのではないでしょうか。また、試験に合格しても、採用前に辞退する、採用されても数年間で退職し、ほかの自治体や民間企業に転職するなど課題を指摘する声も聞こえています。
近年、若い世代の仕事に対する考え方も変化し、仕事へのモチベーションだけでなく、働きやすさ、自分や家族との時間の共有など、自分の考え方をより強く持った上で就職や転職を決めているように感じます。これからの雇用者は、優秀な人材を確保するためにはこれまでの決まり事や慣例を打ち破ってでも、選ばれる対象になっていかなければなりません。
そこで、まず、現在の状況をお聞きします。
近年の受験者数の状況、採用辞退者の状況、若年層の退職状況、それらの原因等対策方針について、総務局長にお尋ねいたします。
〔宮崎裕章総務局長 登壇〕

◎宮崎裕章 総務局長  本市の近年の採用試験におきまして、受験者数は全体で2,000人前後で推移しており、競争率は5~10倍程度となっております。また、採用辞退者につきましては、例年合格者の約1割、30人程度となっております。採用後10年以内の市長事務部局における退職者は20人程度となっており、その主な理由は、民間企業や他の行政機関への転職、病気療養などとなっております。
次に、受験者増に向けた対策としては、今年度は、定員に満たなかった職種について追加募集を行いますとともに、来年度から民間企業への就職を考えている学生なども受験しやすくなるよう、事務職や土木職などの採用数の一部について採用試験の時期を早めることとしておりまして、本年3月1日に募集を開始したところでございます。
さらに、採用広報活動の強化策として、今年度から全庁的に職員が市役所の魅力発信を行うリクルーター制度を設け、高校、大学などの訪問や、やりがいや魅力を伝えるための仕事説明会の開催など積極的に活動しています。
また、採用辞退や若年層の退職への対策としては、今年度から採用予定者との交流会を始めたほか、来年度には新規採用職員への研修を拡充するなど、交流や成長の機会を多く提供することで働く意欲やモチベーションの向上を図るなど、人材の確保とともに人材育成にも取り組んでまいります。
〔26番 山内勝志議員 登壇〕

◆山内勝志 議員  本市におかれましても、いろいろな対策が取られているということが分かりました。
総務省でも、公務員制度のあり方に関する有識者検討会を設置し、働き方改革や給与制度のほか、人材確保策についても議論を進めていくようです。今後も採用試験制度の見直しやモチベーション向上のための処遇改善、職場の環境改善などに、これまで以上に踏み込んで対策を実施していただきたいと思います。
そこで、数点お聞きいたします。
近年、民間等での就労経験を持つ方が、転職先として熊本市を受験することも多くなっているように思います。新規採用者のうち、就労経験のある方、いわゆる転職者の採用割合はどのくらいでしょうか。
仕事をしていれば、試験勉強のための時間が十分取れなかったり、受験のために度々仕事を休んだりするのがハードルとなります。多くの転職者がひっそりと活動しているのを考えれば、受験地までの移動と、筆記試験中心の試験方法を改めていく必要があります。社会人枠の採用では、試験方法をいろいろと工夫されているようですが、今後さらに改良する、または一般試験への拡大導入等を検討する方針はございませんでしょうか。
次に、早期離職者の中で、特に問題となっているのは専門職種の離職です。国家資格が採用条件になっている医療職や福祉職でも同様ですが、それ以外の建築・土木・電気等の職種でも、新たな技術への対応や業務自体が多様化・高度化する中で、積み上げてきた専門知識が大変貴重になっています。特に行政運営の基礎となる総合計画や都市マスタープランなどの膨大なプランニングにおいては、計画等を受託する大手企業の技術者と肩を並べて議論ができるような、そんな人材を増やしていかなければなりません。また、公務上必要な国家資格者は常に確保していく必要があります。
このような職員を育成し、モチベーションを保持するためには、資格取得のための支援策の拡大や、手当を含めた給与上のインセンティブの導入を今以上踏み込んで行わなければなりません。財政的に大きな影響を与えるような膨大な額にはならないと思います。規定の範囲内で、納得性のある手法が十分に考えられると思いますが、いかがでしょうか。
さらには、職場環境の改善も必須事項です。
まず、執務室の狭隘な状況です。隣の職員と腕や肩が触れ合うような狭さです。ロッカーもないため、コートや上着、バックや弁当を置くスペースもありません。食後の歯磨きも、廊下で立ったまま順番待ちをしている風景をよく見かけます。感染衛生上も、決してよいものではありません。トイレは依然として和式トイレが半数以上です。職員だけでなく来庁者にも使い勝手が悪い、前時代的なオフィスです。市庁舎建て替えの議論がある中、個別の対応が難しいのも理解しますが、労働環境の悪化を放置してよいわけではありません。
また、業務で使用する情報システムのコンピューター端末も、文書管理システムや財務システムなどの内部事務に使用する端末は、リモート勤務にも活用できるように小型のノートパソコンに変わりましたが、Aネットと呼ばれる総合行政情報ネットワークの専用端末は、机の上に置く大きなデスクトップ型が配備されています。机にデスクトップ型パソコンとノート型パソコンが2台置かれている机もあり、ただでさえ狭い執務環境をさらに小さくしています。
コンピューターの性能も向上し、ネットワークセキュリティーも格段に堅牢になっているこの時代に、2種類の端末を配備する必要があるのでしょうか。その席の職員が外勤すれば、稼働していない端末が机に放置状態の時間もあり、合理的な使い方とは言えないと思います。1台の端末で複数の情報システムにアクセスすることができるようにすれば、オフィスの有効利用になるのではないでしょうか。
以上、職員の人材確保に関するいろいろな課題について、総務局長にお尋ねいたします。
〔宮崎裕章総務局長 登壇〕

◎宮崎裕章 総務局長  新規採用者のうち、民間企業等での就労経験を持つ職員は、直近の5年間では4~5割程度で推移をしております。
また、社会人経験者対象枠につきましては、来年度から就労経験を持つ人がより多く受験できる試験となるよう受験要件の緩和を検討しており、また、その他の試験についても、内容などの見直しを進めているところでございます。
次に、資格取得のための支援策の拡大につきましては、業務上必要とされる資格を取得した際に、来年度から導入予定の職員ポイントにより評価をしていくなど、取得促進に取り組んでまいります。
また、有資格者の処遇につきましては、他都市の状況等も参考にしながら検討してまいります。
次に、職場環境についてですが、本庁舎は一部の職場が狭隘な状態にあるなど、改善する必要があると考えております。
このようなことから、執務室のフリーアドレス化やトイレの洋式化などを進めているところであり、より快適に職員や市民の皆様が庁舎を利用できるよう、引き続き環境整備に取り組んでまいります。
次に、端末の統合化につきましては、マイナンバーなどの個人情報を取り扱う端末、いわゆるAネット端末とそれ以外の端末は、国のセキュリティーガイドラインや本市の情報セキュリティ基本方針に基づき、物理的に分離をしております。現時点では、セキュリティー上、この方法が適切であると考えておりますが、今後の情報通信技術の進展や国の動向を注視しながら、システム利用環境の改善に努めてまいります。
〔26番 山内勝志議員 登壇〕

◆山内勝志 議員  就労経験のある、いわゆる転職者が採用者の半分程度とのことです。学生受験者中心の時代から変わってきていることがよく分かりました。実情に沿った試験制度となるよう見直しが進められているとのことで、期待をしたいと思います。
離職者防止についても、人事給与制度で思い切った策を検討していただきたいと思います。
総務局長には、定員管理計画の改善見直しなど、前向きな対策を取っていただきました。現場の実情に沿ったこの流れが続くよう、最後までの御配慮をよろしくお願いいたします。
これで私の質問は終わりました。
真摯に御答弁をいただきました市長をはじめ執行部の皆様、ありがとうございました。
最後に、本日の質問をお聞きいただいた全ての方々に感謝を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
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○大嶌澄雄 副議長  この際、議事の都合により休憩します。
午前11時10分に再開いたします。
午前10時53分 休憩
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午前11時10分 再開

田中敦朗 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。
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田中敦朗 議長  一般質問を続行いたします。
木庭功二議員の発言を許します。木庭功二議員。

〔8番 木庭功二議員 登壇 拍手〕

◆木庭功二 議員  皆様、こんにちは。公明党熊本市議団の木庭功二でございます。
今回、議員となって2度目の一般質問に立たせていただきます。
まずもって、質問の機会をいただきました議員各位の皆様に心より感謝を申し上げます。そして、年度末の平日の午前中、お忙しい中に傍聴席にお越しいただきました皆様、インターネット中継を御視聴の皆様にも厚く御礼を申し上げます。
来年度から新たにスタートする本市の最上位計画である熊本市第8次総合計画では、人口減少への対応が最重要課題と位置づけられました。そして、よりよい未来への着実な一歩をテーマに設定し、令和6年度の当初予算が編成されております。
人口減少時代における少子高齢化の進展、生産年齢人口の減少による社会的、経済的な課題を乗り越え、未来のための着実な一歩となるように、本日は精いっぱい質問を行ってまいります。市長並びに執行部の皆様、よろしくお願いいたします。
初めに、本市のコミュニティ・スクールに対する取組についてお聞きしたいと思います。
皆様は、コミュニティ・スクールという言葉を聞かれたことはありますでしょうか。学校、地域住民、保護者などが力を合わせて学校運営に取り組む組織、学校運営協議会を設置している学校のことを言います。
文部科学省では、地域と一体になって子供たちを育む、地域とともにある学校への転換を目指しています。そのために有効だと考えられているのが学校運営協議会制度、コミュニティ・スクールです。地方教育行政の組織及び運営に関する法律が平成29年3月に法改正され、教育委員会がこのコミュニティ・スクールを各学校に設置するよう努めるという設置努力義務が示されました。これにより、今日まで全国で設置が進み、令和5年5月1日現在で、全国の公立小・中学校、高校の52.3%が導入をしております。
これまでも、地域と学校とをつなげる仕組み、取組は、PTAや保護者、地域の各種団体、学校評議員など様々なものが存在しました。この学校運営協議会がこれまでの地域の関わりと大きく違う点は、教育委員会が法に基づいて学校に設置するものであること。そして、学校に対して協力をするだけではなく、校長が作成した学校運営に関する基本方針の承認や学校の課題や悩み事の解決に向けた検討など、一定の権限と責任を持って学校運営に参画をすることです。
学校運営協議会のメンバーには、地域住民はもちろん、PTAの代表や学識経験者、地域の企業関係者などから構成され、地域と学校が目指していくテーマや課題などを共有し、そのための具体的な活動を決めます。そして、保護者やPTA、地域ボランティアなどからなる地域学校協働本部と連携、協力をして活動を進めるという一連の仕組みです。
先日、鳥取県で行われました全国コミュニティ・スクール研究大会に、私もリモートではありますが参加させていただきました。事例発表で取り上げられていた大阪府の富田林中学校では、地域のことを知り、地域の課題について考え、地域に解決策を提案することを目的として、コミュニティ・スクールを核とした地域協働による探究学習が行われております。その取組は、生徒が自ら地域の課題に関するテーマを見つけ、それを解決するために、連携企業や地元の各種団体と協力して協議を重ね、解決策を考えて、その成果を地域の交流イベントの場で発表するというもので、この一連の取組が中学校の3年間をかけて行われているそうです。
私は、このコミュニティ・スクールは、子供の教育という観点だけではなく、地方創生の観点から考えても、学校という場を核に子供と大人、そして地域とをつなげていくすばらしい取組だと考えます。希薄化していく社会の中で、地域への愛着、誇りを育みながら、地域の中で世代を超えた交流をすることにより、今以上につながりも深められます。地域の特色を日常の中で継承することで、持続化するコミュニティーをつくるとともに、地域のつながりを深めることにより、ひいては防災・減災にもつながることと期待します。
そこで、教育長にお尋ねします。
1点目、教育長は、まず、コミュニティ・スクールの意義をどう捉えられておられますでしょうか。見解をお聞かせください。
2点目、本市においては、今後、コミュニティ・スクールの本格導入に向けたモデル事業を令和6年度より開始されると伺っておりますが、改めてその取組状況を教えてください。また、今後の展望及び課題などがあれば、併せてお示しください。
3点目、今後、コミュニティ・スクールの設置を進めていくに当たりまして、地域の方々からは、今までも地域がやってきたことだ、これまでと何が変わるのかといった声が出てくることも想定されるのではないかと考えます。これまでの学校と地域住民等が力を合わせてきた様々な学校運営の取組に配慮しつつも、新たな取組としていくことが重要であると考えますが、コミュニティ・スクールを導入することにより、学校と地域にはどのような効果があると考えられますでしょうか。
4点目、この取組をよりよいものにしていくために、教育委員会としてどのような支援体制を構築することを考えておられますでしょうか。
〔田口清行教育長職務代行者 登壇〕

◎田口清行 教育長職務代行者  議員お尋ねの4点について、順次お答えいたします。
コミュニティ・スクールは、保護者や地域住民等が一定の権限を持って学校運営に参画することで、地域と一体となった特色ある学校づくりにつながるものと考えます。
2点目のモデル事業の取組に当たりましては、学校と地域の連携事例や他都市の取組状況に関する調査研究を踏まえ、希望した学校からモデル校を選定し、児童・生徒が積極的に関わる学校運営協議会の導入を検討しております。
また、学校と地域が相互にパートナーとして連携・協働し、地域全体で児童・生徒の学びや成長を支え、学校を核とした地域づくりを目指す、地域学校協働活動との一体的な取組を考えております。
3点目、今後の学校と地域の関係性についてお答えいたします。学校運営協議会において、学校が地域住民等と目標やビジョンを共有し、地域と一体となって学校づくりを進めることで、学校運営の改善や地域の活性化につながるものと考えております。
4点目、教育委員会の支援体制についてお答えいたします。教育委員会では、モデル校ごとの相談・助言体制や教職員及び地域人材などに対する研修の充実を図ることに加え、まちづくりセンターなどの関係部署と連携しながら、継続的な伴走支援を実施してまいります。
〔8番 木庭功二議員 登壇〕

◆木庭功二 議員  ありがとうございました。
本市が目指すコミュニティ・スクールの形として、児童・生徒が積極的に関わる学校運営協議会とし、地域学校協働活動との一体的な取組としていくことを考えているとの御答弁でありました。
そのためには、学校運営協議会で話し合ったことを踏まえ、学校と地域がパートナーとして連携・協働して地域学校協働活動を推進できるよう両者の橋渡し役を担うコーディネーター、いわゆる地域学校協働活動推進員の役割が大変重要になってくるのではないかと思います。
コミュニティ・スクールが効果的に機能している他都市の事例を見ますと、やはり、この活動推進員が学校と地域双方のニーズや思いを把握し、ニーズの調整及びマッチングを行い、情報共有を円滑に行うことで、地域学校協働活動の持続的な実施ができているようです。この活動推進員は教育委員会が委嘱することができるとされていますので、まずはモデル事業において地域と学校の声を丁寧に聞いていただきまして、適切な配置がなされるよう、お願いいたします。
また、今後モデル校を選定し、モデル事業を進めていく上で、この地域学校協働活動推進員を配置していくためには、一定の予算が必要になるかと思います。教育委員会としまして、また財政局におかれましても、効果的な予算の確保をお願いしたいと思います。
それでは、次の質問に移ります。
若者の地元定着へ向けてというテーマで、奨学金の返還支援制度について質問させていただきます。
公明党はこれまでも、学びたい人が経済的な理由などにより進学を諦めることのない社会を目指して、奨学金制度の対象者の拡大や返済不要の給付型奨学金の実現に取り組んできました。
日本学生支援機構によりますと、現在、大学生の2人に1人、年間128万人の学生が奨学金を利用するまでになるなど、制度拡充が着実に図られてきたところであります。しかし、そんな中、卒業後の若者の皆さんからよく聞くのが奨学金の返済が苦しい、負担が重いという声です。
私自身も大学4年間で奨学金を利用し、つい先日まで返済を行ってきた身であり、奨学金のありがたさとともに、返済の大変さを身をもって知る一人でありますので、今回改めまして、このテーマを取り上げさせていただきました。
奨学金の返還延滞者数は、2019年度末で32万7,000人、延滞債権は約5,400億円に上ると聞きます。延滞の主な理由は家計の収入減や支出増で、所得が上がらないことにより、さらなる延滞額の増加へとつながっていくことが指摘されています。
このような中、自治体による奨学金返還支援制度につきましては、2015年から国による財政支援がスタートいたしました。内閣府によりますと、実施自治体への調査の中で、この返還支援制度がUIJターンの決め手となったとか、自治体内の企業の採用活動を有利に進めることができたとか、制度を歓迎する声が寄せられているということです。
一方、企業による返還支援は、社員に代わって企業が、奨学金を貸与する日本学生支援機構に直接返還できる代理返還制度が始まったことで導入企業が拡大されており、昨年10月末時点では、全国で約500社がこの制度を設けていると聞きます。
このように、奨学金の返還支援制度につきましては、自治体と地元企業などが基金をつくることを条件に、国が自治体の負担額の2分の1を特別交付税で支援する枠組みで制度をスタートさせましたが、現在ではこの制度が拡充され、市町村については基金の設置が不要となり、特別交付税対象経費の範囲を全負担額の10分の5から、市町村負担額の10分の10に拡充されています。
本県では、くまもと創造人材奨学金返還等サポート事業、通称くま活サポートとして、県による奨学金返還支援制度が実施されております。
そのような中、これまでも我が会派の方で、本市独自の奨学金返還支援制度の導入を一般質問でも強く訴えてきたところではありますが、大西市長からは、本事業への参加企業は約7割が本市の企業であることから、県・市連携の下、この事業に参加する企業を増やしていくこと、周知広報に取り組んでいくとの答弁がなされております。
そこで、まず、経済観光局長に3点お尋ねいたします。
1点目、くま活サポートに関しまして、本市として周知・広報をこれまでどのように取り組んでこられましたでしょうか。
2点目、本事業における本市の参加企業の推移をお示しください。また、参加企業を増やすための本市の取組についても併せてお願いいたします。
3点目、本事業への連携により、本市企業への就職などで地元定着がどの程度図られてきていますでしょうか。その効果についてお示しください。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕

◎村上和美 経済観光局長  くまもと創造人材奨学金返還等サポート事業につきまして、順次お答えをいたします。
熊本県が平成30年度に創設した本制度につきまして、本市では、ホームページ等への掲載をはじめ、市が実施いたしておりますインターンシップや合同就職説明会、移住イベントなどの機会を捉え、参加企業並びに学生に対し、周知を行っているところでございまして、県と連携して参加、登録数の増加に取り組んでおります。
〔議長退席、副議長着席〕
参加企業数につきましては、県全体で年間100件程度で推移しており、そのうち本市に事業所を有する企業の割合は7割程度で、徐々に増加していると伺っております。
また、返還支援の対象者は、県全体で、令和3年度が34人、令和4年度が71人、令和5年度が114人と年々増加してきており、企業への就職翌年度から10年間の長期にわたり支援する制度でございますことから、若者の熊本への就職並びに定着において効果があると考えているところでございます。
〔8番 木庭功二議員 登壇〕

◆木庭功二 議員  福岡県の北九州市では、市内企業で中長期的に活躍し、産業を担う人材を確保、育成することを目的に、市内企業への就職と定住を条件に、国の特別交付税措置と企業版ふるさと納税を利用し、新卒者への奨学金返還を支援しています。その特徴としては、市内に主要事業所を置く企業や新卒者の採用予定数を確保できていない企業を市が認定をすることで、若者の市内定住の促進にもつながり、ひいては学生と企業のミスマッチの解消も期待できるというものです。
この事業を実際に利用した学生からは、貸与型奨学金の返還に苦労する人が少なくない中、市が主体となって返還を支援する事業は、定住促進という面から考えても、双方にメリットがあると考えられますという声が報告されており、企業側からも、採用活動のツールとしても活用でき、内定後に選択してもらうメリットになっているとの声があります。
少子化が加速度を増して進んでいる今こそ、人口減少と地域産業の継続、維持に、他都市もあらゆる知恵を結集し挑戦しており、本市も熊本県と連携しつつ、独自の取組をしていくべきだと考えます。
そこで、お尋ねいたします。
本市独自の奨学金返還支援制度の導入を改めて検討することはできないでしょうか。奨学金返還に苦労している若者の負担を軽減するとともに、地方創生の観点から、若者の本市定着を促すために有効なものだと考えますが、いかがでしょうか。大西市長にお伺いいたします。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  本市独自の奨学金支援制度の導入についてお答えをいたします。
本市が持続的に発展をしていくためには、次世代を担う若者が本市で働きたいと思える環境づくりが必要でありまして、奨学金返還支援制度はそのための有効な手段の一つと考えております。
そこで、平成30年度よりスタートいたしました熊本県の奨学金返還支援制度であります、ふるさとくまもと創造人材奨学金返還等サポート制度について、様々な機会を捉えて制度の周知広報に取り組んでいるところでございまして、制度を利用する若者も年々増加しております。
引き続き県と連携しながら、さらなる参加企業の増加と学生の利用促進に取り組み、事業効果を高めることで熊本で働きたい若者を後押しし、地元企業への就職、そして定住へとつなげてまいりたいと考えております。
〔8番 木庭功二議員 登壇〕

◆木庭功二 議員  ありがとうございました。
大西市長からは、本市独自の取組をするのではなく、引き続き県と連携をして、くま活サポートの事業効果を高めることに力を注いでいきたいとの御答弁でありました。
この奨学金返還支援制度のくま活サポートは、奨学金の返済が苦しい、不安だという声にしっかりと応えるものと実感をしております。この制度では、大学院修了者で約450万円、4年制大卒で約244万円を10年間に分けて、企業と県が折半して支援するものであります。その収入は一時所得扱いで、所得税はかからないとのこと。若者が熊本に定着してもらうための大事な取組であると思います。
本市の登録企業の割合は、徐々に増加しているという答弁でありましたが、周知・広報の方法をはじめ、参加企業を増やすためのさらなる工夫が必要ではないでしょうか。若い世代のふるさと回帰や地元定着へ向け、本市としても明確な目標を定め、主体性を持って取り組んでいただきますよう要望させていただきます。
それでは、次の質問に移ります。
本年1月1日、石川県能登地方を震源とする能登半島地震が発生いたしました。最大震度7を観測した地震は、元日の晴れやかなひとときを一変させ、まさに自然災害は待ったなしであることを改めて思い知らされました。
改めまして、このたびの地震によりお亡くなりになられた方の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた全ての方に謹んでお見舞いを申し上げます。
本市におきましても、1月3日に危機管理防災部の職員の方が被災地支援として石川県に派遣されたのをはじめ、今日まで熊本地震の経験を生かした被災地支援に職員の方が奔走されており、心から感謝を申し上げます。これから一つ一つ着実に、復旧・復興のための生活再建、なりわい再建に力が注がれていくものと思います。
さて、地震後の復旧・復興を迅速に行っていくためには、罹災証明書の速やかな発行が必要となってまいります。罹災証明書は、災害対策基本法に基づいて発行されるものですが、被災者の公的支援の判断材料となることから、早期の発行が重要であり、その前提となる被害認定調査についても迅速に行う必要があります。罹災証明書交付の手続として、被害認定調査が行われるわけですが、災害の規模が大きくなればなるほど、自治体としては、この調査に時間と労力を要することとなります。
この災害対策基本法ですが、昨年6月の法改正により一部が改正され、罹災証明書の交付につきまして、地方自治体が固定資産税課税台帳等の内部利用することを可能とすることとなりました。
そこで、まず、財政局長にお尋ねします。
今般の法改正により、地方自治体が固定資産課税台帳等の情報を内部利用することが可能となったわけですが、この点につきましては、個人情報を取扱いますので慎重な対応も求められるかと思います。
本市として、どのセクションやレベルの担当が、どの情報を共有すると想定しているのか。また、今回の法改正により、罹災証明書の交付において、どのような効果が期待できるのか、見解をお聞かせください。
〔三島健一財政局長 登壇〕

◎三島健一 財政局長  固定資産課税台帳等の内部利用につきましては、被害認定調査の第2次調査において、固定資産税の課税資料として保管されている家屋図面の利用を想定しております。
内部利用につきましては、被害認定調査に必要な限度で利用可能とされておりますことから、セクションや担当レベルにかかわらず、当該調査に従事する職員のみが利用できるものと考えております。
また、今回の法改正による罹災証明書交付への効果につきましては、被害認定調査の第2次調査は内観調査が原則となりますため、家屋図面を利用することで現地での間取り図の作成を省略でき、調査時間の短縮が見込まれますことから、罹災証明書の迅速な交付につながるものと考えております。
〔8番 木庭功二議員 登壇〕

◆木庭功二 議員  この罹災証明書の交付をより早くする手段の一つといたしまして、民間との連携が注目されております。
三井住友海上火災保険では、2021年から自治体向けサービスとして、水害時の保険金支払いのために調査した被災家屋の写真や被害状況を契約者の同意の上、罹災証明書発行の資料として、自治体に無償提供する協定を結んでおります。同社によりますと、損害保険は、調査から支払いまで最短3日程度で完了するとしています。また、自治体によっては、罹災証明書の発行申請も同社経由で可能としており、被災者による自治体への手続は不要となるケースもあるとのことです。
熊本県におきましては、昨年6月に県が三井住友海上火災保険とこの協定を結んだことにより、県下の市町村については、同意書を提出することで、このサービスが受けられることとなりました。本市も同意書を提出され、仮に今後水害被害が起こった際には、三井住友海上火災保険が家屋調査されたデータを本市が共有して、罹災証明書の発行の手続に活用することが可能となりました。
そこで、財政局長にお尋ねします。
1点目に、官民連携のこのような取組は、罹災証明書の交付を早くする一つの手段といたしまして非常に有効なものであると思います。今後、本市が損害保険会社による調査との連携をさらに推し進めていくために、このほかの損害保険会社との協定を検討していただくことはできないでしょうか。
2点目に、この取組は水害だけのケースでありまして、地震や暴風などによる家屋被害の場合、自治体と損害保険会社の被害認定方法が違うため適用されないこととなります。民間の地震保険の損害認定基準は、迅速な保険金支払いを実現するため、公的支援の要件となる罹災証明書の認定基準と比べると簡素化されています。公平性を保つということは当然のことではありますが、今後、地震や暴風被害でも民間の協力を得るために、被害認定調査の認定方法について見直しをしていくことができないでしょうか。
〔三島健一財政局長 登壇〕

◎三島健一 財政局長  議員御紹介の三井住友海上火災保険株式会社が調査した被害認定調査結果の自治体への無償提供サービスにつきましては、水害時における被害認定調査業務を効率化し、罹災証明書の迅速な交付につながるものと考えております。
当該サービスは、同社が独自に導入されているものでございますが、仮に、その他の損害保険会社が同様のサービスを提供された場合、さらに罹災証明書の迅速な交付が可能となりますことから、その他の保険会社との連携について検討してまいりたいと考えております。
また、調査の簡素化についてのお尋ねでございますが、被害認定調査は、内閣府の災害に係る住家の被害認定基準運用指針に詳細に定められておりますが、現在も指針を逸脱しない範囲での調査の簡素化は可能でありまして、今回の令和6年能登半島地震におきましても、国との協議の上、全国初となる立入り困難な地域でのドローン撮影による遠隔判定に、本市も参画いたしました。
しかしながら、議員御提案の損害保険会社との連携など、罹災証明書の迅速な交付に向けては、指針の見直しなど、さらなる調査方法の簡素化が必要でございますことから、熊本地震の経験を踏まえ、本市から全国市長会を通じて国に対して要望を行っているところでございます。
〔8番 木庭功二議員 登壇〕

◆木庭功二 議員  ありがとうございました。
地震における被害認定調査につきましては課題がありますが、水害については有効であるとの認識で、その他の保険会社との連携も検討していただくとの前向きな御答弁でしたので、ぜひお願いをしたいと思います。
今回の質問では触れませんでしたが、今回の災害対策基本法の改正では、地震や台風で被災した住宅の緊急的な修理として、ブルーシートを張るための資材費や建設業者による施工経費を対象に、国が1世帯当たり、最大で5万円を支援することも決定をしております。
石川県をはじめとする被災地では、ブルーシートを張るといって訪問し、後から高額な請求をするという悪徳業者が横行したとの報道もなされておりました。被害認定調査における官民連携の取組とあわせまして、この支援制度のことも周知をしていただきまして、災害が起きた際の心の準備として、市民の皆様により安心感を持っていただきたいと思いますので、併せてお願いを申し上げます。
次に、水害に関連しまして、道路の冠水対策について質問をします。
梅雨末期に差しかかろうとしていた昨年の7月3日、未明から発生した線状降水帯による大雨により、熊本県内、特に益城町では、町内を流れる木山川と岩戸川が氾濫し、道路や多くの住宅街が冠水しました。熊本市内の至る場所でも道路の冠水が発生しましたが、中でも、この益城町に隣接する東区の秋津・沼山津地域では、隣接する県道、市道が冠水し、そこを車両が通行することで発生する振動波により水位がさらに上がり、被害が拡大する事態にもなりました。冠水した道路に入り込んで、身動きが取れなくなった車両も何台かあったとお聞きしました。そして、この大雨が月曜日の朝の通勤・通学時間と重なったこともあり、これら道路の冠水に伴う大渋滞も市内全土で発生しました。会派きっての体育会系であり、体力のあるあの吉田議員が、膝上まで水につかりながら、汗だくになって該当地域の被害状況の把握と救援に奔走されたともお聞きしました。
近年では、毎年のように記録的な大雨が頻発しており、今後は地球温暖化などの気候変動の影響を受け、さらに今までの経験を超える自然災害が起こり得ることが予想されます。
本市にも、アンダーパスや短時間での集中豪雨で冠水状態となる道路が幾つか点在することから、今後、道路の冠水状況をいち早く把握し、通行止めの措置を県警等とも協議し、早期に実行できるような体制を構築することは重要であると考えます。
そこで、まず、都市建設局長にお尋ねします。
本市での集中豪雨時に道路の冠水状況を把握する方法、また、冠水を把握した場合の通行止めなどの初動対応のプロセスはどのようになされていますでしょうか。
〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕

◎井芹和哉 都市建設局長  冠水状況の把握方法や初動対応のプロセスについてお答えいたします。
本市管理道路における冠水状況は、水防本部に入る情報はもとより、警察や消防、市民の皆様からの連絡や、冠水常襲箇所に設置しております監視カメラや冠水センサー、さらには職員によるパトロール等により把握に努めております。
降雨量等の情報も踏まえ、冠水が懸念される場合には、各区土木センターまたは委託業者により適宜現地通行止めの措置を実施し、その情報は、警察や公益財団法人日本道路交通情報センター、国・県と随時共有しております。
〔8番 木庭功二議員 登壇〕

◆木庭功二 議員  集中豪雨時に、市街地の道路の冠水状況をいち早く把握し、迅速な車の通行止めなどの対応に当たるためのツールの一つとして、現在、国土交通省が実証実験を行っているワンコイン浸水センサーがあります。
このワンコイン浸水センサーは、名前のとおりワンコインサイズの大きさで、道路の縁石や道路標識の支柱の根元などに取り付けられ、センサーの高さに水位が達するとセンサーが感知し、周辺の電柱などに取り付けられた受信機に情報が送信されます。情報は自動的にクラウドシステムを介して管轄の自治体に通知され、自治体は水位の高さをリアルタイムで把握して、警戒体制を組み、現場で速やかな交通規制の手配に取りかかれるものです。
従来の冠水センサーと比べて小型で低コストかつ長寿命であるため、多数の設置が可能で、各センサーの情報を一元的に集約することで、避難情報発令や通行規制の判断などの面的な状況の把握にも有用であると考えられます。
また、このワンコイン浸水センサーは多数の設置が可能であることから、1つの箇所の異なる高さにセンサーを設置すれば、どれだけ浸水したのかという浸水深も把握して記録に残すことが可能となります。
豪雨時に、道路冠水が市内で多数に及ぶ状況では、職員の手が足りなくなることも想定されます。人手をかけなくても冠水状況を自動的に検知し、通行止め作業の迅速化につながり、通行車両の被害の抑制が期待できると考えますが、本市でも、このような浸水センサーの導入を検討することはできないでしょうか。都市建設局長に御答弁を求めます。
〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕

◎井芹和哉 都市建設局長  ただいまの御質問にお答えいたします。
特に冠水頻度が高い箇所には、道路を自動的に通行止めにするセンサーと注意喚起のための赤色灯を設置しているところであり、来年度も1か所設置を予定しております。
なお、ただいま議員御案内の国土交通省が実証実験を実施しているワンコイン浸水センサーは、浸水状況を面的かつ速やかに把握する手段として有用と考えておりますことから、本市といたしましても、国の実証実験に参加し、効果を確認してまいりたいと考えております。
〔8番 木庭功二議員 登壇〕

◆木庭功二 議員  ありがとうございました。
都市建設局長の方から、面的に浸水の状況をいち早く把握する手段として有用であり、本市としても、国土交通省の実証実験に参加をしていくという前向きな御答弁をいただきました。まずは実証実験により、その有用性、効果等を慎重に検証していただきたいと思います。
このワンコイン浸水センサーは、道路の冠水状況の把握はもちろんのこと、例えば民間の警備会社等と連携をし、警備対象施設や各種インフラ施設の浸水状況を把握したり、あるいは店舗施設における浸水被害の早期検知へとつなげるなど、官民連携による幅広い活用が期待できるものではないかと思います。
また、今後実証実験を進めていくに当たっては、部局がまたがる危機管理防災部との連携、情報共有も非常に重要になってくるかと思います。主体性を持ちつつ、より一層、関係部局と連携を深め、進めていただきますようお願いいたします。
それでは、最後の質問に移ります。
認知症の人が安心して暮らせるための国や自治体の取組を定めた認知症基本法が本年1月1日に施行されました。認知症をめぐっては、原因の1つであるアルツハイマー病の新しい治療薬も今年から本格的に投与が始まる予定で、今後、医療と社会の両面で取組を進めることができるかが注目されます。
基本法の目的は、認知症の人が尊厳を保持しつつ、希望を持って暮らすことができる社会の構築です。この目的に向かって、まず大切なことは、認知症に対する正しい理解を深めることであると思います。
東京都の八王子市で行われている、小学生の認知症の方への手助けを学ぶ授業が注目されており、全国保険医新聞の中で、その取組が掲載されていましたので、ここで御紹介します。
八王子市では、認知症サポーター養成講座が展開され、認知症サポーターの育成が図られてきましたが、座学を中心とした講義では、どうしても受動的になってしまう傾向がありました。そこで、この講義形式での講習を駄菓子屋での応対という体験型の学習として、認知症の人と子供たちが売手や買手となって交流を図るという体験学習を講座に組み込みました。
この体験学習は、認知症の当事者と直接交流することにより、子供たちが当事者と同じ目線に立って、当事者の気持ちや考えに触れることで、知識としてだけではなく体感として、認知症への理解を深めることを狙いとしています。
体験学習を終えた子供からは、認知症の人は何もできない、何でも忘れてしまうのかと思っていたけれども、実際は違った。話せば普通だし、一緒に交流ができて楽しかった。少し手伝えば、みんなと同じように生活ができるんだと分かったとの感想があり、認知症への偏見は全く見られなかったとのことです。
認知症は誰もがなり得る、私は一足先になっただけ。だから、これから認知症になるかもしれない皆さんには、先に私たちの気持ちや悩みを知ってほしい。認知症当事者の方が授業の中で語ったこの言葉から、認知症と共生していく社会を目指していくための一つのヒントが見えたように感じました。
そこで、まず、健康福祉局長に2点お尋ねします。
1点目、小・中学校の教育の場における認知症への理解を深めるための取組は行われていますでしょうか。行われていましたら、実施状況や内容についても教えてください。
2点目、小・中学校におきまして、御紹介をしました八王子市のような認知症への体験型学習を取り入れ、知識としてだけでなく体感として、認知症への理解を深めていくための教育環境を整えていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。認知症が特別なものではなく、できることを一緒にして、できないことを手助けするという、人と人との関係の在り方を学ぶという意味でも大事なことではないかと思いますが、見解をお聞かせください。
続けて質問をします。
本市は、認知症サポーターの養成率が政令市の中でもトップであり、サポーター数に関しまして、これまで順調に伸ばしてこられました。今後は認知症サポーターを養成することはもちろんですが、養成した認知症サポーターが、地域の中で認知症の人を支えるための活躍の場をつくっていくことが重要であると考えます。
そこで、県が認定を行っている認知症サポーターアクティブチーム認定事業をはじめ、本市でも認知症サポーターがこれまで自主的に行ってきた活動をさらに一歩前進させ、地域で暮らす認知症の人や家族とサポーターとをつなぎ、認知症になっても安心して暮らし続けられる地域づくりのための活動をチームオレンジという名称で開始されました。
今回この質問をするに当たり、担当部署に様々なお話を伺いましたところ、地元自治会や校区社協が中心となって行われる徘徊者捜索模擬訓練、声かけ訓練が実施されている校区は、今年度はこれまで8校区という状況でありました。
声かけ訓練一つの例となりますが、地域活動の一環として、熱心に取り組まれている校区もある中、なかなか取組ができていない校区もあり、地域によって温度差があるように感じております。新型コロナウイルスの流行により、地域活動が自粛されてきた影響があるのかと思いましたが、コロナ禍になる以前の平成30年度が13校区とのことでしたので、それが直接的に影響しているのではないようにも思います。
そこで、大西市長にお伺いします。
今後、地域の自主性や主体性を尊重しながらも、認知症サポーターが地域とつながっていくために、これまで以上に市がリーダーシップを取り、積極的なコーディネートをしていくことが必要だと考えますが、市長の見解をお聞かせください。
〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕

◎津田善幸 健康福祉局長  まず、私からは、小・中学校における取組についてお答えいたします。
本市では、小・中学生の認知症に関する理解促進を図ることを目的として、小・中学生向けの認知症サポーター養成講座を開催しており、令和4年度には小学生が2,051人、中学生が205人参加しています。
講座の具体的な内容ですが、総合的な学習の時間に講師を派遣し、認知症の病状や高齢者の心身の状況、認知症の方との接し方等について、事例を通じて学ぶことにより、子供たちが認知症を正しく理解し、適切な対応ができるような指導を行っています。
また、体験学習についてですが、認知症の方とともに行動することで、児童・生徒が認知症を深く理解できる有意義な取組であると考えており、認知症サポーター養成講座のカリキュラムの中で、認知症の方との交流の機会を設けるよう実施してまいりたいと考えています。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  本市では、これまで約10万7,000人の認知症サポーターを養成しておりまして、人口当たりの数としては、議員御紹介のとおり政令指定都市の20市の中で最も多く、養成率はトップでありまして、市民の認知症に対する関心の高さの表れであると感じております。
今後、超高齢社会の進展に伴いまして、認知症の方が増加することが見込まれておりまして、認知症の方ができる限り住み慣れた地域で、自分らしく暮らし続けることができるよう、地域の中で支え合える体制を整備することがますます重要になってまいります。
そのようなことから、本市では、認知症サポーターを中心とした地域支援活動でありますチームオレンジの活動を推進しておりまして、各区にコーディネーターとなる認知症地域支援推進員を配置し、地域におけるチームオレンジの立ち上げに力を入れております。
今後も市内全域でチームオレンジの活動の活性化を図り、認知症の方が地域で安心して暮らすことのできる共生社会の実現に向け取り組んでまいります。
〔8番 木庭功二議員 登壇〕

◆木庭功二 議員  ありがとうございました。
教育の現場における体験型学習に関しましては実施していきたいという前向きな御答弁、ありがとうございました。
大西市長からは、今後チームオレンジの立ち上げに力を入れていくことで、地域の中で支え合う体制を整備していきたいとの決意でありました。
このチームオレンジの構築については、認知症の方を地域で支えていくための重要な取組であると認識しております。認知症サポーターが新たに活躍をする場所でもありますし、もはやこの問題は待ったなしの状況でもあるかとも思いますので、早期の構築を目指して取り組んでいただきたいと思います。
また、コーディネーターとなる認知症地域支援推進員も、今後さらに各種相談業務などが増加していくことが考えられますので、配置体制が適正かどうかも検証していっていただきますよう併せてお願いいたします。
以上をもちまして、本日準備をしました質問は全て終わりました。
真摯に御答弁いただきました大西市長をはじめ執行部の皆様、お付き合いいただきました議員の皆様に感謝を申し上げます。
また、傍聴にお越しいただきました皆様、インターネット中継にて御視聴いただいた皆様にも心より感謝を申し上げます。
これからも市民の皆様お一人お一人の声を誠実に受け止め、市政に届けていくことをお誓いし、私の本日の質問を終わらせていただきます。本日は大変にありがとうございました。(拍手)
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○大嶌澄雄 副議長  この際、議事の都合により休憩します。
午後2時に再開いたします。
午後 0時06分 休憩
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午後 2時00分 再開

田中敦朗 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。
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田中敦朗 議長  一般質問を続行いたします。
古川智子議員の発言を許します。古川智子議員。

〔10番 古川智子議員 登壇 拍手〕

◆古川智子 議員  自民党熊本市議団の古川智子です。
質問の機会をいただきましたことに感謝を申し上げます。ありがとうございます。
元旦に発災しました能登半島地震によりお亡くなりになられた方々へ哀悼の意を表しますとともに、被害を受けられた全ての皆様にお悔やみを申し上げ、一日も早く平穏な日常を取り戻されますことをお祈り申し上げます。
そして、発災直後から被災地へ入り、支援・復旧活動に尽力していただいております本市職員の全ての皆様へも心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。そして引き続き頑張っていただきますようお願いいたします。
今回の質問では、まずは防災に関して、そして教育や子供関連に重きを置きました。今回も大変ボリュームが多いため、スピード感を持って進めてまいります。執行部の皆様も御協力をお願いいたします。
最初の質問です。
津波に関する危機管理についてです。
これまで何度も本市の津波に対する備えの不十分さに警鐘を鳴らしてまいりました。
今回の能登半島地震では、震源地を中心に日本列島の広範囲にわたる沿岸地域で大小の津波が観測されました。今回は特に津波の到達時間が短く、石川県珠洲市では、3メートル以上の津波が地震後推定約1分で到達をしています。今回の地震で改めて津波避難の難しさと避難方法の再検討の必要を強く感じました。
さて、本市沿岸部では、農村地帯であり、垂直避難が可能となる施設の少なさ、河川や道路など地理的形状に起因する避難の困難さへの課題が手つかずの状態で、改善されておりません。津波への備えは、到達時間の情報も必要だということを過去の予算決算委員会において質疑させていただきました。
その点を補足すると、津波防災地域づくりに関する法律に基づき各都道府県が津波に関して調査をすることになっており、各自治体では浸水の深さ、区域を調査し、ハザードマップに反映がされています。本市を含む熊本県でも、南海トラフの巨大地震を含む3つのパターンを検証し、浸水域、深さに関して発表がされています。しかしながら、到達時間に関しては調査がなされていないため、その必要性を質疑したのでした。答弁としては、今後、県と協議するということにとどまっております。
海に面する多くの自治体では、南海トラフなどの巨大地震に備えるため、沿岸地域での津波到達時間を調査し、公表しています。到達時間、浸水域、深さの予測を基に、地域の地形や垂直避難可能な建築物の有無、人間の歩行速度などを総合的に照らし合わせ、避難が困難である地域を津波避難困難地域と設定しています。
それら困難地域には、避難ビルや避難丘の垂直避難が可能となる施設の整備、また民間ビルには、避難施設として連携協定を結ぶなど対策を講じています。同時に地域の防災クラブにおいても、地震後、この地域は何分で津波が到達する、という予測を基に綿密な避難行動計画が練られており、ハード・ソフト両面から津波への対策を強化しています。
そこで質問です。
本市も津波避難困難地域の調査をし、その結果に基づいた避難対策が必要であると考えます。今後の対策について、ハード面の整備の必要性を含め、具体的な取組、またその取組の時間軸も分かればお示しください。政策局長、お願いいたします。
〔田中俊実政策局長 登壇〕

◎田中俊実 政策局長  津波に対する危機管理、避難計画についてお答えします。
議員御案内のとおり、今般の令和6年能登半島地震においては、強い揺れの直後に津波が押し寄せたことにより、逃げることができず、犠牲になられた方がいらっしゃるなど甚大な被害をもたらしました。
一方、本市の西南部の沿岸地域においては、高い建物が少なく、津波や高潮の際に垂直避難ができる施設が限られておりますことから、これまで毎年度実施している震災対処訓練等において、地域の皆様とともに避難施設までのルートや危険箇所の確認などを行っております。
また、本年10月には、本市において、世界津波の日2024高校生サミットを開催するなど、あらゆる機会を通じて市民の皆様に津波の脅威や避難行動について、理解と関心を深めていただくこととしております。
議員御指摘の津波避難困難地域の設定につきましては、熊本県が示す津波到達予測時間が前提となりますことから、熊本県に対し、引き続き調査の実施と情報の提供について要望を行ってまいります。
〔10番 古川智子議員 登壇〕

◆古川智子 議員  ありがとうございました。
津波避難困難地域の設定について、引き続き県に津波の到達時間の調査実施と情報共有を要望していくということでした。
実は、九州では熊本県だけが到達時間を調査していない状況です。私自身も県議、それから県選出の代議士にもそれらの必要性を訴えておりますし、能登半島の災害を踏まえ、県民の命と安全を守るためには調査をしないわけにはいかない状況であると考えています。
ただ、津波避難困難地域を指定することがゴールではなく、まずは避難が不可能となる地域住民がどれだけいるかを把握すること、そしてその先に、それら住民を守る体制を物理的に、かつ合理的に整備・構築することを望むわけですが、この点について、市長に、必要性を含め今後の津波避難対策の方針をお示しください。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  今般の令和6年能登半島地震では、珠洲市をはじめ能登地方のみならず、新潟県や富山県、福井県など、広範囲にわたり津波の到達が観測されましたことから、改めて津波に対する対策の重要性を強く認識したところです。
先ほど政策局長が御答弁申し上げましたとおり、本市におきましては沿岸地域の皆様に対し、震災対処訓練などを通じて、的確な避難行動につながるよう日頃からの備えと周知に取り組んでいるところです。
今後は、議員お尋ねの津波避難困難地域の設定や、さらなる避難対策が必要であると考えておりまして、国・県や関係機関と連携を図りながら、対策方針等について研究をしてまいります。
〔10番 古川智子議員 登壇〕

◆古川智子 議員  ありがとうございました。
津波避難困難地域の設定と、そして、さらなる津波避難対策が必要であるとおっしゃっていただき安心しました。ありがとうございます。
市は公共施設適正化計画の下、市が管理すべき施設を増やすことには抵抗があるとお察しをしていますが、住民の命を守るための整備は必要不可欠なものであろうと認識しています。県の調査の着手を待つ間、本市では避難施設の整備の在り方を他都市の事例などを参考にするなど、準備を進めていただきますようお願いいたします。
続いての質問です。
教職員の働きやすい環境づくりについてです。
学校での問題や家庭、そのほかの課題から、子供を守るための相談窓口、機関は確実に増えてきました。熊本市でも、こどもホットライン、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、ユア・フレンド、学校コンシェルジュ、こども・若者相談センター、そして今年本格始動したこどもの権利サポートセンターと、その相談窓口の拡充と周知方法も強化がされています。
学校でのいじめ、体罰、暴言、不適切な指導、または家庭などでも同様に問題や困り事などを抱える子供は、その不合理な状況から救われ、守られるべきです。そして、同じように教職員も、保護者などからの不当な要求や人格を否定される言動に対しては毅然と対応し、一人の人間として守られるべきです。双方がフェアに尊重され、人権を侵害されない環境を目指すべきですが、教職員を守るための体制や仕組みが脆弱である感じが否めません。
学校現場では、保護者が学校へ求めることの多様化とともに、それらへの対応が、学校自体が非常に難しくなってきています。教職員が自信や意欲を喪失し、心身不調引き起こすことにもつながっているようです。教職員自身もいつでも相談ができる窓口、また、保護者等からの不当要求から守られる体制の整備、さらに学校内で問題行動が起こりそうな場合や、起こった場合の初動対応マニュアルなどを整備することが急務であると考えています。
本市では、学校弁護士、いわゆるスクールロイヤーを令和2年と令和3年に募集したものの志願する人がいなかったため、昨年の6月から弁護士資格を持った職員1人を教育委員会に配置し、学校から寄せられる相談に法的助言をする、学校法務支援相談の取組が開始されています。
ちなみに、開設7か月で11件の相談が寄せられているようです。
そして、もう一つ、学校問題対応相談というものがあり、月に四、五回、教育センターに設置される相談窓口です。精神科医、臨床心理士を配置し、希望する教職員が予約を取り、相談を受けます。それらの窓口があることについて、全教職員が知っているのかということや、増加する多様な問題に対応するには十分であるのか、また職員と学校、そして学校と教育委員会の間の体制や連携は機能しているかと、大変危惧し、疑問に思うところです。加えて先生の中には、本当は相談や支援を必要としているけれども、一人で問題を抱えている方もいらっしゃるのではと懸念しています。
さて、昨年5月に設置された熊本市教育行政審議会では、教育現場に山積する課題への対応と、子供の最善の利益を考慮する上で求められる地方教育行政の改革、そして今後の在り方について検討がされています。高い専門性、知見、経験を兼ね備えた有識者による審議会ですが、その中でも教職員の相談窓口、不当要求に対して教職員を守る体制整備、問題行動の初動対応マニュアルなどの整備への言及があったと聞き及んでおります。
そこで質問です。
1つ、教職員個人でも相談が可能な窓口の拡充。2つ、学校単位での校内相談体制の構築と問題発生時の初動対応のマニュアルの構築。3つ、教育委員会においては、弁護士や教育の専門性を持った第三者を交えた学校問題に対応できる組織と仕組みの構築。この3点について、今後教育委員会が必要だと考える体制や仕組み、またそれらを実行する上での課題をお示しください。教育長、お願いいたします。
〔田口清行教育長職務代行者 登壇〕

◎田口清行 教育長職務代行者  議員お尋ねの3点についてお答えいたします。
今年度、熊本市教育行政審議会を設置し、子供をめぐる複雑かつ多岐にわたる課題に迅速・的確かつ丁寧な対応を行うための教育行政の在り方について議論を行っていただいております。
子供や保護者とともに、教職員も安心して相談できる体制の構築やスクールロイヤーなど専門家の配置のほか、迅速な初期対応のため危機管理マニュアルを適宜見直し、全教職員に周知徹底することなど様々な課題について議論いただき、3月中に中間答申をいただくこととしております。
また、中間答申に先駆け、本年2月からは中学校等の電話機に録音と事前アナウンスを行う機能を導入し、学校への過度な要求等を抑制するとともに、学校の対応力向上を図るなど教職員を守る体制の充実を図っており、今後も働きやすい環境づくりに一層注力してまいります。
〔10番 古川智子議員 登壇〕

◆古川智子 議員  ありがとうございました。
まずは今月中に出される熊本市教育行政審議会の中間答申を受けて、その後に具体的な取組を検討していくということで理解いたしました。
先行して中学校の電話機に録音機能を導入されたことは、不当な要求を抑止する上でも必要であり、取組としては的確だと私は評価しております。
ただ、問題行動への初期対応においては、教職員一人一人が手段や知識を備え、対応の流れを頭に入れておく必要があります。各学校には危機管理マニュアルがあるということではありますが、それぞれの学校で違い、かつ実際は一部の教職員のみが把握しているということがほとんどのようです。対応マニュアルの統一化を図り、例えば、問題行動とは何か、そのレベルを整理し、対応の手順をフローチャート形式にするなど、より分かりやすく体系化した方がよいのではと感じています。それらの備えは先生方自身の安心感にも必ずつながります。
そこで、さらに質問です。
教職員にアンケートを取り、抱える困り事や対応の難しさについて、どのような体制や窓口が欲しいか、またどのように解決していくことが望ましいかについても早急に聞き取ってはいかがでしょうか。
また設問の中に、現在設置している相談窓口を具体的に知っているかということを聞くことで、窓口の周知にもつながります。そして寄せられた回答は、今後の先生を守る体制づくりや取組の重要な基礎データにもなると考えます。アンケートの実施について考えを聞かせてください。教育長お願いいたします。
〔田口清行教育長職務代行者 登壇〕

◎田口清行 教育長職務代行者  教職員へのアンケートにつきましては、これまでも教育委員会の施策等に反映するため、適宜実施しているところです。例えば働き方改革においては、取組の効果や業務の負担等を把握するため、年に一度実施をしております。
中間答申を踏まえた取組に関するアンケートの実施に当たっても、学校現場のニーズの把握や既存の相談窓口の周知を図る機会として有効であると考えており、教職員にとって実効性のあるものとなるよう、時宜を捉えて実施してまいります。
〔10番 古川智子議員 登壇〕

◆古川智子 議員  ありがとうございました。
アンケートを実施するという答弁で安心しました。相談窓口の拡充も求めますが、今ある相談窓口を確実に周知することも、よろしくお願いいたします。
令和5年度の本市の学校教員採用試験の実質倍率は、小学校で1.2倍、中学校で2.1倍、深刻な成り手不足。また、全国の公立学校の教職員の精神疾患による病気休職者は6,500人を超えて過去最多でした。
ちなみに、熊本市の小・中学校合わせた教職員数は約4,000名なので、1年間で本市全教職員の総数を超える先生が、全国で精神疾患により休職をしているという実態です。
教職員を守る制度、環境整備は急務です。教職員、生徒、保護者、立場は違えど、一人の人間として誰もが人権を尊重され、守られることに関しては絶対的に平等であるべきです。まずは教職員が能力を存分に発揮でき、教育者として業務を遂行できる環境を早期に整えていただきますよう、よろしくお願いいたします。
続いての質問です。
虐待対応における携帯可能なタブレット端末の活用と新たなAIシステムの導入についてです。
児童相談所は、児童の命に直結する緊急度の高いケースを取り扱うため、職員増員はもとより、一人一人が各案件に対して適正に、かつ効率的、効果的に対応できる体制や環境を整えることが喫緊の課題です。
現在、本市の児相では、通告や相談案件の増加に伴い、人員の計画的増員を行っています。あわせて、執務環境の手狭さの課題を解決するためにも、職員が自発的に改善チームを立ち上げ、事務デスクの共有化、デスクトップ型のパソコン、いわゆるAネット端末の共有化、また書類の保管ルールなどの見直しなどによって、作業空間の創出に努められています。
職員の自発的な努力はとてもすばらしいと感じています。しかしながら、作業空間の創出を妨げているのがAネット端末のパソコンではないかと考えています。デスクトップであるゆえにスペースを圧迫し、そもそもが持ち出しか不可能という状況は、職員の業務の非効率さの回避や執務室の環境改善を阻むものであろうと考えています。
午前中の山内議員の質問に対する答弁にもありましたが、Aネットとは、主に戸籍や税、住民記録、社会保障など個人情報が含まれる領域であるために、国からの通達により、強靱なセキュリティーの下に、ほかのネットワークから完全に分離され、データが持ち出し不可能となっているようです。とはいえ、実際にセキュリティー対策、そして持ち出し可能な情報の領域を切り分けるなど、設計を工夫する自治体も出てきています。
例を挙げると、児童虐待対応システムに全国で初めて人工知能を活用した三重県では、その機能を持ち出し可能なタブレットに搭載をしています。このシステムは、三重県で独自に蓄積した虐待事例のデータを基に、目の前の子供の虐待リスクをAIが評価し、保護の必要性を判断する機能を持っています。
これにより、虐待対応の質が向上しただけではなく、意思決定が迅速にできるようになったことで、通告受理から初期対応完了までの時間が短縮したほか、出先や待機時間中に、どこでもタブレットに経過記録を入力できることから、業務効率化が図られたということで、導入の利点は大きいようです。
本市でも、業務効率化、執務室環境の改善に向け、持ち出しが可能となるタブレットかつ三重県のようにAIを活用できるシステムを導入すべきだと考えますが、市として必要性と今後の取組をお示しください。こども局長、お願いいたします。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕

◎木櫛謙治 こども局長  タブレット端末の活用とAIシステムの導入についてお答えいたします。
児童相談所の業務が年々増大する中、児童虐待等の事案への対応力を強化し、より充実した支援を行うため、ケース記録の保管ルールの見直しやフリーアドレスの導入など、執務環境の改善に取り組んでいるところでございます。
また、新たなデジタル技術の活用にも取り組む必要があると考え、所内に業務改善委員会を立ち上げ、課題整理を行っておりまして、タブレット端末やAIシステムの活用は児童相談所の対応力の強化につながることが期待されますことから、今後検討してまいりたいと考えております。
〔10番 古川智子議員 登壇〕

◆古川智子 議員  ありがとうございました。
新たなデジタル技術の活用の必要性を感じているということで理解しました。検討してくださるということです。
平成30年に約900件であった本市の年間虐待対応件数は、令和4年には5割増え約1,400件でした。子供の人口は減少しているのに、虐待対応件数は増加をしています。職員の人員の増加、環境改善をしたとしても、業務負担は逼迫した状況であろうと容易に想像がつきます。技術とツールを活用し、虐待対応の質向上はもとより効率化、職員の負担軽減が早く実現しますことを期待しています。
また、既に導入している自治体を研究し、本市導入時には、セキュリティー強化を含め業務改善につながる効果的なツールになるように、研究を進めていただきますようお願いをいたします。
続いての質問です。
社会福祉施設において、子供たちを性被害から守るための対策についてです。
現在、日本版DBSについて、政府で議論がなされています。日本版DBSとは、子供に関わる仕事をする人を対象にした、過去の子供へのわいせつ行為、性犯罪歴の証明を求める制度のことであり、その目的は子供を性被害から守るためにあります。
おとといの4日、その制度の方針に大きな動きがあり、性犯罪歴がなくても、子供からの訴えなどで性加害の恐れがあると判断された人について、配置転換や、子供と2人きりにさせない体制づくりなど、雇用主に対して安全措置を義務づける方針であるということが分かりました。今国会での関連法案に盛り込むということで、今後は具体的にどのケースが性加害のおそれに該当するのか判断基準を検討し、ガイドラインで示されるということです。
しかしながら、今現在で、例えば児童養護施設で性的虐待が疑われるものの事実の認定ができない局面においては、当該施設に対する行政の権限は行政指導です。言わば助言程度にとどまり、強い強制力を持ち得ません。もちろん加害者、被害者と断定するに当たっては、犯罪の証拠が必要となります。
しかし、一般的に性犯罪というものは密室で起きやすく、証拠となり得るものを提示することが難しい傾向にあります。加えて、子供は大人と違い、客観性を持った判断力、また訴える力にも乏しく、重大な性被害に巻き込まれるリスクもあります。
児童養護施設や里親家庭では、親と離れて暮らす子供たちの生活を委ねる対象が施設職員、そして里親であるという環境は、ともすれば、それらの空間は子供のSOSが外部へ発信されにくい、閉鎖された空間ともなり得ます。
被害の訴えがあった場合には、児相や警察が動き、捜査が入ります。その捜査の期間中、確たる証拠がなく事実認定ができない場合においても、子供の人権と安全を守る何らかの迅速な対策が必要であると考えます。
今年本格始動したこどもの権利サポートセンター、子供の命と子供の権利を守ることを目的として、相談を受け、事案の早期解決を図る組織です。また、アドボケイト支援員による子供の気持ちや意見に寄り添い、代弁できる体制も構築されています。加えて、子供の権利保護のための審議については、社会福祉審議会児童福祉専門分科会審査部会でも調査等をすることができます。
それらがある中で、性被害の疑いが生じた場合、本市の取るべき対策について質問いたします。
児童養護施設などの社会的養護を必要とする子供たちから、性被害の訴えがあるが事実認定に至らない場合、子供の安全確保のため、当該の子供を別の場所に移すか、加害の疑いがある人物の配置を変えるなど、緊急的に距離を離す措置を取るべきだと考えます。同時に子供の心理支援、代弁支援などが必要だと考えますが、市の考えと今後の対応策についてお示しください。こども局長、お願いいたします。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕

◎木櫛謙治 こども局長  施設等において、性被害の疑いが生じた場合の対応についてお答えをいたします。
児童養護施設等に入所する子供が性的な被害を訴える場合は、児童相談所が緊急性を考慮した上で一時保護し、安全で安心して生活できる環境を確保しております。
また、被害を訴える子供には、児童心理司による心理ケアや医療機関への受診への付添いなど、心を癒やすための支援を行っております。
代弁支援につきましては、今年度から、専門機関による意見表明支援等に取り組んでおります。
令和6年度は、全ての児童養護施設等を支援員、いわゆるアドボケイトが訪問いたしまして、子供の声を丁寧に聞き、信頼関係を構築しながら、これまで以上に子供からの発信を逃すことがないよう、支援に取り組んでまいります。
さらに、被害を訴える子供が入所している施設の管理者に対しては、加害が疑われる職員の配置替えなど、速やかに対応するよう指導しております。その指導に当たりましては、医師、弁護士、心理士等で構成する熊本市社会福祉審議会児童福祉専門分科会審査部会から客観性、専門性のある御助言をいただきながら、指導の効果を高めるよう努めております。
現在、国において日本版DBS制度の導入が検討されておりますので、その動向を注視いたしますとともに、今後も引き続き経営幹部も含め、施設職員に対し、子供の人権を守るという意識とともに、子供の意見の尊重と最善の利益の確保を徹底するよう厳しく指導監督してまいります。
〔10番 古川智子議員 登壇〕

◆古川智子 議員  ありがとうございました。
雇用主の安全措置義務となる日本版DBSの動向に注視しながらも、現段階では性の被害を訴える子供の一時保護、心理支援のほか、来年度から拡充するアドボケイトの訪問により、子供たちのSOSの発信を逃さない体制を整えていく。そして施設には、職員の配置転換の指導はもとより、子供の意見の尊重と最善の利益の確保の徹底を指導・監督していくとのことでした。
答弁の中にもありましたように、全ての施設の職員への研修や啓発は非常に重要です。そして、子供たちへの教育や相談の方法を伝えることも行政の役割であろうと思います。
職員は、生活支援をする中で身体的な距離感や言葉の表現に気をつけなければなりません。場合によってはそれが犯罪の域になり得ることなど、職員自身が日頃から研修を受け、啓発意識を持ち続けておくことが必要です。
一方で、社会的養護を受ける子供たちの中には、家庭環境の中で愛着形成が不全であったことなどから、他人との距離感がつかめない子供もいます。どこまでが適切なコミュニケーションなのか、いや、被害に遭っているのかさえ分別がつかない子もいます。だからこそ、特に社会的養護を受ける子供たちへは性犯罪へ巻き込まれないための命の大事さを含めた教育、そしてアドボケイトや、そのほかの相談窓口があることを一人一人に徹底周知をすることが必要です。
それらについて、施設職員への研修、そして子供たちへの教育・周知について、現状と今後の取組を教えてください。こども局長、お願いいたします。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕

◎木櫛謙治 こども局長  施設職員の研修や、子供たちへの教育、相談支援体制の周知についてお答えをいたします。
まず、施設職員への研修につきましては、これまでの施設内研修に加えて、令和6年度からは、管理職や中堅職員、若手職員といった各階層別に、性的虐待を含む児童虐待の未然防止などに関する研修を県と共同で開催をいたします。
また、妊娠内密相談センターが行う性に関する研修会等につきましても、児童養護施設等の職員に受講を促し、養育能力の向上に取り組む予定でございます。
次に、子供たちに対しましては、児童相談所が性の暴力とはどのようなものか、また困ったときに相談できる場所や人について、イラスト等を用いて分かりやすく入所前に伝えております。
最後に、相談支援体制の周知につきましては、全施設を対象にアドボカシーに関する研修を開催いたしますとともに、意見表明支援に関するポスターを施設に掲示するほか、啓発カードを全ての子供に配布する予定としております。
今後も様々な手段を用いて、子供の訴えを逃さないようにいたしまして、子供の人権を守ってまいります。
〔10番 古川智子議員 登壇〕

◆古川智子 議員  ありがとうございました。
来年度から、管理職、中堅職員、そして若手職員と分けて、それぞれに合った、性的虐待を含む虐待未然防止の研修を熊本県と市と共同で開催するほか、養育能力を高めるための研修の機会を増やすということでした。そして子供たちへは、性犯罪に巻き込まれないための教育や相談方法を様々な手段で、一人一人に確実に伝わるようにするとのことでした。
日本版DBSの導入に当たっては、時に罪のない人を排除してしまう可能性が否めないため、ガイドラインの策定が困難であると予想しています。子供と大人、どちらの人権もひとしく大切です。
しかし、西欧諸国と比べ、子供の権利擁護の意識が遅れていた日本は、ここで弱い立場である子供が安全に生き、育つ権利、そして守られる権利、それらの権利を守っていく意思を強く表明したと感じています。第一義的に、とにかく子供の性被害を出さない、そんな狙いであろうと思います。
行政においては、今後さらに社会において子供の権利や安全を守る、その礎を築く役割を強く求められると思います。子供たちを性被害から守っていく体制強化を今後とも引き続きよろしくお願いいたします。
続いての質問です。
保育園入園基準の制度についてです。
令和4年第4回定例会にて田中議長も質問しておられますが、保育園の入園基準についてお伺いいたします。
保育園入園に関しては、各世帯の就労や家族形態などを考慮し、公平性の担保に努めた点数制により入園児を決定しています。自治体によって、加点方法は、何を優先とするかによって異なります。独り親世帯であることや、きょうだいを同じ園に入園させたい世帯、保護者の病気や介護の状態など、子供が保育を必要とする理由は様々で、そのどれもが甲乙をつけ難いほどです。ただ、その中でも、多子世帯の負担軽減という点で改善を図るべきという趣旨で質問をいたします。
実際にきょうだいが同じ園に入園できず、保護者が2つの園に送り、2つの園に迎えに行くという状況の世帯が一定数います。きょうだいが別々の保育園に通うことは、夫婦にとっても時間的負担、労力負担が増え、仕事と家庭を両立することを阻害することにもつながっています。保留児童をなくしていく取組は引き続き尽力しながらも、きょうだいが別々の園に登園している現状の早期改善、そして多子世帯の負担軽減制度を整えるべきです。
以前の田中議員の質問に対する答弁では、他都市における具体的な取扱いを調査するなど、多子世帯の保護者の入所に対する不安や負担の軽減につながるような効果的な取組を研究していくとのことでした。それらの研究を踏まえ、今後の方向性をお示しください。後ほどお願いいたします。
続けて質問いたします。
地域型保育事業の接続連携園制度についてです。
地域型保育事業という施策の中では、子供の保育の継続を目的としたものがあります。
本市でも、ゼロ~2歳を受け入れる小規模な地域型保育施設が多くありますが、それらの施設の子供たちが3歳になり卒園しても保育が継続されるように、例えば認定こども園、保育所、幼稚園などの連携園にて受け皿を確保し、優先的に入所が可能となる仕組みがあります。
その接続連携園の仕組みの規定には、卒園後の受け皿の確保のほかにも、普段から子供たちに集団保育を体験してもらったり、職員が病気などの場合には、保育支援が提供されております。そして小規模園から連携園に対しては、協力金が支払われています。
しかしながら、現実は、連携している園だけでの受け皿確保が難しく、優先入園制度の限界が見受けられます。この点については、そもそも論として、こども園が小規模園と連携をする際には、小規模園の園児が3歳になった際に受け入れなければならない園児数を見越して設定する必要があると思います。
現実は、連携可能な園の数に上限を設けていない制度ですが、1つの園が小規模と連携するに当たり、適正な数、そして接続連携園であっても保育の継続が不可となる場合のリスクなど、どの程度保護者に伝えられているのか、その点において、接続連携園の仕組みに矛盾が生じているのではと感じているところです。
そこで、お尋ねします。
1、現在の連携接続園の仕組みのメリット、そして抱えている課題を教えてください。
2、接続連携園の適正な数の在り方、保護者への理解についても教えてください。
3、現状の連携接続園制度が持つ課題の改善へ向けて、具体的な取組があれば教えてください。こども局長、お願いいたします。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕

◎木櫛謙治 こども局長  保育園の入園に関する2点の御質問にお答えいたします。
まず、きょうだい児に関する入所選考基準についてでございますが、多子世帯への負担軽減策を検討する中で、保育所等の入所選考について他の指定都市を調査いたしましたところ、20市中、本市を含む17市において、国の基本方針である独り親世帯の児童を優先しておりました。
一方、多子世帯の保護者にとりまして、きょうだいが別々の園になりますことは、園の送迎や園ごとの準備、行事が重なったときの対応など、大きな御負担となっていることは承知をしております。
このような課題に対応するため、入所選考の基本的枠組みは維持しつつ、点数が同点となった場合にきょうだい児の方が入所しやすくなる方向で、同点選考優先基準の見直しを検討してまいります。
次に、地域型保育事業に関するお尋ねに順次お答えいたします。
ゼロ~2歳児が利用できる地域型施設は、待機児童解消に大きく寄与しております。卒園児が3歳以降も連携施設を継続利用できるメリットがございます。このメリットを損なうことがないよう、地域型保育事業に関する国の基準では、地域型施設は、卒園児の継続利用のために連携施設を適切に確保するように定められております。
一方で、連携施設の受入れ人数は年度によって変動いたしますことから、地域型施設の卒園児数が多い場合は連携施設に入所できないという課題がございます。連携施設に入所できない場合がありますことは、地域型施設におきまして、重要事項説明書に記載をいたしまして、保護者に直接説明されているものと承知しております。
また、連携施設に入所できない場合につきましては、国の基準におきまして、行政は継続保育のために必要な措置を講じるものとされておりますことから、本市におきましても、地域型施設の卒園児が連携施設以外でも継続保育ができるよう調整を行っております。
このため、地域型施設の卒園児が継続保育できないという状況は生じませんが、今後、連携施設での継続保育を確実なものとするため、連携施設に対しましては、あらかじめ地域型施設からの受入れ人数を適切に設定し、覚書に明記するよう促してまいります。
また、地域型施設に対しましては、卒園児数に見合う複数の連携施設の確保に努めていただくよう、さらに連携施設になっていない保育所等に対しましては、地域型施設と連携を持っていただくよう、それぞれ周知してまいります。
〔10番 古川智子議員 登壇〕

◆古川智子 議員  ありがとうございました。
今回、担当課と何度もヒアリングさせていただきましたが、独り親も多子世帯も、どの世帯状態でも保育の必要性があるだけに、入園基準の制度設計は本当にとても難しいと痛感しました。
ただ今回は、基準点で同点になった場合において、きょうだい児の方が入所しやすくなるよう検討するということで、前回の答弁よりも前進した、具体的な答弁が返ってきたと理解します。ありがとうございました。
川崎市や京都市では、今年4月からの入所基準で、少子化対策の一環として、既にきょうだいが在園している場合やきょうだい同時申請の加点方法を大幅に変更し、優先的に入所できるようにしました。
日本の今年の出生数は、85万人を割り込む見通しとなっています。夫婦の理想とする子供の数は2.25人だそうです。それに対して、合計特殊出生率は約1.20人です。そのような背景の下に、きょうだいが同一保育所へ入園できない現状は第2子以降の出生を阻む要因にもなり得るため、多子世帯への負担軽減措置の必要性は高まってきていることは確かであろうと思います。
先ほど2点目、答弁していただきました接続連携園制度に関してですが、今後は小規模施設と連携園の両者において、卒園児の受入れ数を適切に設定する覚書を明記するよう促すということでした。両施設にとっても保護者にとっても、卒園児の数、そして受入れ可能数を事前に把握することで、子供の保育の継続への対策を講じやすくなると考えています。
根本的に保留児童をなくすことの一つの方法として、事前に園ごとの入園需要数、入園を希望される方、それから供給数、入れる数を見える化して、それらをマッチングしていくことも、保留児童をなくすことの一つの方法ではないかとも考えています。
ただ、この接続連携園制度に関しては、現在、全体の3割しか小規模園と連携をしていないという実態があるようなので、まずは各園に積極的に連携していただくように周知協力をするということで、よろしくお願いいたします。
最後の質問です。
標準制服の導入についてです。
本市では、令和7年度4月から熊本市内の中学校で統一した新しい制服が導入されます。
過去の一般質問でも、義務教育公立中学校への入学に際して、家庭の負担軽減の必要性を訴えてまいりましたので、今回の新制服の導入は、それらに寄与できるだろうと考えております。ただ、今回は導入までのスピードがとても速いため、製造企業や販売店、学校や保護者、そして子供たちが対応できるのか大変気にかかっていました。
担当課に経緯を確認したところ、令和4年2月に熊本市の中学校長会から提案を受けたことで検討が開始され、昨年4月と10月に2回のアンケートが実施されていました。対象は小学校4~6年生と中学生、その保護者及び中学校の教職員。
1回目のアンケートでは、共通の制服を選択できる方がいいかについて意向調査を実施、その結果、選択できた方がよいと回答されたのは7割とのことでした。ちなみに、アンケートの回答者数は、両方のアンケートともに1万7,000~1万8,000人でした。
2回目には、新制服の導入時期を知らせた上で、デザインの希望調査がされていました。現在は、回答結果を基にデザインのコンペが行われています。
ただ、既存の制服を廃止するものではないとして、新制服導入により、機能性、多様性、経済性などの観点から、生徒に新たな選択の幅を広げることを目的とされています。最近は女子生徒のスラックス姿も多く見かけるようになりました。多様性や機能性を含め自己決定が可能となること、そして費用負担軽減を考えると、制服の改革は、遅かれ早かれ行うべきものであったことを感じています。
ここで、お尋ねいたします。
1点目、新制服導入による効果と課題を教えてください。効果については、現在の平均的な制服にかかるコストより、どの程度の削減ができるかを含めて教えてください。教育長、お願いいたします。
〔田口清行教育長職務代行者 登壇〕

◎田口清行 教育長職務代行者  新制服の導入につきましては、制服に求められる機能性や性の多様性などの観点から、生徒や保護者のニーズに応える新たな選択肢となる効果を期待しているほか、市内の他校に転校が必要な場合でも買い換えの必要がないことや、リユースの促進にも資すると考えております。
新制服のデザイン案は、児童・生徒、保護者及び教職員による投票で決定する予定であります。
一方で、議員御案内のアンケートにおいて、新制服を導入する際には、経済性が大事だと回答された保護者が一定数おられることからも、経済的負担の軽減を図ることが課題であります。
新制服は、各校の既存制服よりも需要のスケールが大きくなることに加え、仕様を公開し、受注機会の公平性の確保と、多くの業者が参入する環境を整えることで競争を促し、様々な価格帯での販売ができないかを検討しております。
議員お尋ねの平均的な価格からどの程度の削減が見込めるかにつきましては、現在、デザインコンペ中であることからお示しすることは困難でありますが、今後、経済的負担の軽減に向けた具体的な検討を行ってまいります。
〔10番 古川智子議員 登壇〕

◆古川智子 議員  ありがとうございました。
現段階でどの程度のコスト削減が可能となるかは示せないということでしたが、スケールメリットの観点で考えても費用の削減は見込めると考えます。
また事前に、業者参入の公平性についても、担当課にいろいろ細かく確認させていただきましたが、デザインの仕様書を公開し、企業の独占販売にならないよう、地場産業や小規模の事業者でも受注機会の確保ができるようにと考えておられました。
また、デザインの決定の過程においての透明性も懸念をしていましたが、答弁にもありましたように、児童・生徒、保護者や教職員による投票の機会を設けておられます。
そして、保護者によっては安価な制服を希望する方、逆に質にこだわる方もいるため、多様なニーズに応じられるように、生地の質や縫製などの違いにより、様々な価格帯での販売も検討しているということも聞いております。
透明性、公平性を担保しながら、保護者の幅広いニーズに対応できるような仕組みを大変評価しています。
2点目に、防寒着についてお尋ねいたします。
現在、冬の防寒着として、女子生徒だけにボックスコートというものが販売されています。価格は2万円台の後半です。費用負担が大きいのに、毎年着用する期間は3か月ほどしかありません。しかも、女子生徒のみにある選択肢ということで、今のジェンダーの観点からも整合性がない状況になっています。
新制服導入に伴い、防寒着に関して具体的な方針はありますでしょうか。教育長、お願いいたします。
〔田口清行教育長職務代行者 登壇〕

◎田口清行 教育長職務代行者  防寒着に関しましてお答えいたします。
今回の新制服の導入に当たり、防寒着は含まれておりませんが、学校が指定する物品の取扱いにつきましては、教育委員会が定める指針に沿って行うよう指導しております。
学校において指定物品を定める場合は、指針に基づき、生徒、保護者及び地域関係者等からなる検討委員会での議論を踏まえ、指定の必要性や効果、保護者の経済的負担の軽減などの観点から、総合的に判断して指定内容を決定しております。指定内容に合理性のない性差を設けることは指針に合致しないものであり、今後見直しを指導してまいります。
〔10番 古川智子議員 登壇〕

◆古川智子 議員  ありがとうございました。
新制服導入の具体案は進んでいくものの、現状で性差が生じている女子生徒のみの防寒着規定、この件を整理したくてあえて質問しましたが、答弁でおっしゃったように、既に合理性に欠けています。今後見直しを指導していくということで、納得いたしました。ありがとうございました。
また、新制服導入の少し先に、環境を守る意味でも、社会全体で制服のリユースが進んでいくことへも期待をしております。
今回の質問は以上となりますが、市長はじめ関係局の皆様には、質問に対して真摯に向き合い御答弁いただきまして、ありがとうございました。
関係局と調整してくださった議会局へも感謝を申し上げます。
今後も現場の声を聞き、そして学びを深め、子供、そして大人も幸せに生きられる社会づくりのために頑張ってまいります。私の持てる力を注いでまいります。
傍聴席に駆けつけてくださいました皆様、そしてオンラインで視聴してくださっている皆様、ありがとうございました。また頑張っていきます。よろしくお願いいたします。(拍手)
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田中敦朗 議長  次に、日程第2 議第102号「熊本市・富合町新市基本計画(富合地域)の一部変更について」を議題といたします。
市長の提案理由の説明を求めます。

〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  ただいま上程されました議第102号「熊本市・富合町新市基本計画(富合地域)の一部変更について」につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
これは富合地域の新市基本計画に掲げる事業のうち、実施設計に着手しているものの計画期間中に完了しない事業について、その名称及び完了予定時期を明記するとともに、当該事業の継続に伴う財政計画の見直しを行うため、市町村の合併の特例に関する法律第6条第6項の規定に基づき、市議会の議決を求めるものであります。
何とぞ慎重に御審議の上、御賛同いただきますようお願い申し上げます。

田中敦朗 議長  市長の提案理由の説明は終わりました。
それでは議案を付託いたします。
議第102号は、これを予算決算委員会に付託いたします。

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田中敦朗 議長  次に、日程第3 発議第1号「ガザ地区における即時停戦を求める決議について」を議題といたします。
〔議題となった案件〕
┌─────────────────────────────────────┐
│ 発議第1号                               │
│    ガザ地区における即時停戦を求める決議について           │
│  本議会は、次のとおり決議するものとする。               │
│   令和6年3月6日提出                        │
│            熊本市議会議員 寺 本 義 勝          │
│            同       山 本 浩 之          │
│            同       坂 田 誠 二          │
│            同       大 石 浩 文          │
│            同       齊 藤   博          │
│            同       古 川 智 子          │
│            同       満 永 寿 博          │
│            同       澤 田 昌 作          │
│            同       平 江   透          │
│            同       西 岡 誠 也          │
│            同       上 田 芳 裕          │
│            同       井 本 正 広          │
│            同       浜 田 大 介          │
│  熊本市議会議長 田 中 敦 朗 様                  │
│              決  議 (案)               │
│  昨年10月7日から始まったイスラエルとパレスチナ武装勢力ハマスとの武力 │
│ 衝突により、パレスチナ自治区ガザ地区において、罪のない一般市民に多大な │
│ 犠牲が生じている。                           │
│  こうした事態を受け、昨年12月、国連総会は緊急特別会合を開き、即時の人 │
│ 道的停戦と国際法に基づく民間人の保護などを求める決議を、我が国を含む  │
│ 153カ国の賛成により採択した。一般市民の危機的状況を改善しなければなら  │
│ ないとの国際社会の意思が示されたところである。             │
│  しかしながら、現在も危険にさらされ続けている人々の状況は極めて深刻で │
│ あり、国際人道法のいかなる場合においても生命と尊厳を守るべきという理念 │
│ を尊重し、一般市民が直面している危機的な人道的状況を改善し、事態の早期 │
│ 鎮静化を図ることが求められている。                   │
│  本市は、平成7年に平和都市を宣言しており、世界の恒久平和は、熊本市民 │
│ の共通の願いである。                          │
│  よって、本市議会は、ガザ地区における一刻も早い事態の鎮静化と人道的状 │
│ 況の回復、恒久平和に向けた即時停戦が実現することを切望する。      │
│                                     │
│  以上、決議する。                           │
│   令和  年  月  日                       │
│                          熊 本 市 議 会  │
└─────────────────────────────────────┘

田中敦朗 議長  提案者の説明を求めます。
〔37番 大石浩文議員 登壇〕

◎大石浩文 議員  自由民主党熊本市議団の大石浩文でございます。
ただいま上程されました発議第1号「ガザ地区における即時停戦を求める決議について」提案者を代表いたしまして、提案理由を申し上げます。
昨年10月から始まったイスラエルとパレスチナ武装勢力ハマスとの激しい武力衝突により、ガザ地区においては、罪のない一般市民に多大な犠牲が生じております。
国連も、昨年12月に決議を採択するなど停戦を呼びかけていますが、今なお多くの市民の生命と尊厳が危険にさらされ続けており、現在も続く危機的な人道的状況を改善するためには、即時停戦が不可欠であります。
本市は、1995年、平成7年に、再び戦争の惨禍を繰り返さないことを誓うとともに、人類共通の願いである世界の恒久平和の達成を希求し、平和都市を宣言しております。熊本市民の世界平和を願う深い思いは今も変わらず、現地の極めて悲惨な状況を憂慮し、一日でも早い平和の実現を望む声が、我々議員の下へも数多く届いております。
よって、本市議会としても、ガザ地区における一刻も早い事態の鎮静化と人道的状況の回復、恒久平和に向けた即時停戦が実現することを切望し、決議するものであります。
議員各位におかれましては、提案の趣旨を御理解の上、何とぞ御賛同賜りますようお願い申し上げまして、提案理由の説明とさせていただきます。

田中敦朗 議長  提案者の説明は終わりました。
別に発言の通告がありませんので、これより採決いたします。
本案に対し、御異議ありませんか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

田中敦朗 議長  御異議なしと認めます。
よって、本案は「可決」されました。

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田中敦朗 議長  本日の日程はこれをもって終了いたしました。
この際、お諮りいたします。
明7日から3月21日まで15日間は、議案調査、委員会開催並びに休日のため休会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

田中敦朗 議長  御異議なしと認めます。
よって、明7日から3月21日まで15日間は、休会することに決定いたしました。
次回は3月22日(金曜日)定刻に開きます。

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田中敦朗 議長  では、本日はこれをもって散会いたします。
午後 3時00分 散会



〇本日の会議に付した事件
一、議事日程のとおり





令和6年3月6日
出席議員 47名
1番   田 中 敦 朗        2番   大 嶌 澄 雄
3番   村 上   麿        4番   瀬 尾 誠 一
5番   菊 地 渚 沙        6番   山 中 惣一郎
7番   井 坂 隆 寛        8番   木 庭 功 二
9番   村 上 誠 也       10番   古 川 智 子
11番   荒 川 慎太郎       12番   松 本 幸 隆
13番   中 川 栄一郎       14番   松 川 善 範
15番   筑 紫 るみ子       17番   島 津 哲 也
18番   吉 田 健 一       19番   齊 藤   博
20番   田 島 幸 治       21番   日 隈   忍
22番   山 本 浩 之       23番   北 川   哉
24番   平 江   透       25番   吉 村 健 治
26番   山 内 勝 志       27番   伊 藤 和 仁
28番   高 瀬 千鶴子       29番   小佐井 賀瑞宜
30番   寺 本 義 勝       31番   高 本 一 臣
32番   西 岡 誠 也       33番   田 上 辰 也
34番   三 森 至 加       35番   浜 田 大 介
36番   井 本 正 広       37番   大 石 浩 文
38番   田 中 誠 一       39番   坂 田 誠 二
40番   落 水 清 弘       41番   紫 垣 正 仁
43番   澤 田 昌 作       44番   満 永 寿 博
45番   藤 山 英 美       46番   田 尻 善 裕
47番   上 野 美恵子       48番   上 田 芳 裕
49番   村 上   博

欠席議員  1名
16番   井 芹 栄 次


説明のため出席した者
市長       大 西 一 史    副市長      深 水 政 彦
副市長      中垣内 隆 久    政策局長     田 中 俊 実
総務局長     宮 崎 裕 章    財政局長     三 島 健 一
文化市民局長   金 山 武 史    健康福祉局長   津 田 善 幸
こども局長    木 櫛 謙 治    環境局長     早 野 貴 志
経済観光局長   村 上 和 美    農水局長     大 塚 裕 一
都市建設局長   井 芹 和 哉    消防局長     福 田 和 幸
交通事業管理者職務代理者
伊 藤 幸 喜    上下水道事業管理者田 中 陽 礼
教育長職務代行者 田 口 清 行    中央区長     岡 村 公 輝
東区長      本 田 昌 浩    西区長      河 本 英 典
南区長      本 田 正 文    北区長      中 川 和 徳

職務のため出席した議会局職員
局長       江   幸 博    次長       中 村 清 香
議事課長     池 福 史 弘    政策調査課長   上 野 公 一
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