2024年03月04日 定例会
令和 6年第 1回定例会
令和6年3月4日(月曜)
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│ 議 事 日 程 第5号 │
│ 令和6年3月4日(月曜)午前10時開議 │
│ 第 1 一般質問 │
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午前10時00分 開議
○田中敦朗 議長 ただいまより本日の会議を開きます。
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○田中敦朗 議長 日程第1「一般質問」を行います。
発言の通告があっておりますので、順次発言を許します。
まず、三森至加議員の発言を許します。三森至加議員。
〔34番 三森至加議員 登壇 拍手〕
◆三森至加 議員 公明党の三森至加です。
まず初めに、能登半島地震でお亡くなりになられた方々へ心よりおくやみを申し上げますとともに、まだ避難を余儀なくされている方々へお見舞いを申し上げます。
地震発生から約2か月がたちました。ボランティア不足が深刻な課題となっているようです。大西市長には発災直後から職員を派遣し、災害マネジメントの支援や給水車の派遣など延べ300名以上の職員を派遣していただき、感謝の思いでいっぱいです。被災地の復興に向けて引き続き支援をお願いいたします。
今回、9回目の質問の機会をいただき、先輩、同僚議員の皆様に心より感謝申し上げます。
また、朝早くから会場に駆けつけてくださった皆様、インターネットでご視聴いただいている皆様にも心より感謝申し上げます。
それでは、通告に従って質問を行ってまいります。
今回も、皆様からいただいた相談を中心に質問させていただきますので、大西市長をはじめ、執行部の皆様には明快な答弁をお願いして質問を始めさせていただきます。
まず初めに、コミュニティセンターの厳しい運営についてお尋ねします。
前回の第4回定例会でも、松本議員がコミュニティセンターの運営について質問されましたが、いまだに運営委員会会長会議が令和2年から開催されておらず、意見要望の場が取られていないという状況についての答弁には、研究していくという歯切れの悪い答弁でした。
そのような中、地域の方からコミュニティセンター運営について相談を受けました。帯山西校区では、コミュニティセンターの経営が大変になっていて、運営費を上げられないものか、夜に来てくれる人がいないのでシルバー人材に来ていただいているが、このまま現状の指定管理料だと給料が払えなくなるので、もう夜間開けるのはやめようかと思っているとのことでした。
また、帯山校区では、会議室の貸出しは自治会が優先となっているので、外部に1年を通して貸せない、物価高騰の影響からか、今まで借りていた方も安い部屋に変更されたり、時間を短縮されるなどでコミュニティセンターの収入が減り、どうにか対応できないかとのことでした。
帯山西校区や帯山校区は、比較的コミュニティセンター利用も多い方なのに、このように運営が厳しくなっています。全体的に経営が厳しくなっているコミュニティセンターは、多くなっているのではないでしょうか。
そこで、お尋ねします。
1、平成30年に実態調査をされていますが、その後の状況はどうなっていますでしょうか。
2、一律240万円の指定管理料について、利用状況に応じて差を設けるなどの見直しの検討状況をお示しください。
3、条例により昼休みを開けるようになっていますが、人件費の削減をするため、利用がないときなど状況に応じて閉鎖できないでしょうか。
4、コミュニティセンターの予約システムの実証実験を中央区の方で行われていますが、途中経過が分かれば教えてください。
以上、4点、文化市民局長にお尋ねします。
〔金山武史文化市民局長 登壇〕
◎金山武史 文化市民局長 コミュニティセンターの運営に関する4点の御質問に続けてお答えいたします。
地域コミュニティセンターの運営状況について、平成30年度~令和元年度にかけて実態調査を行い、利用状況や決算収支が施設ごとに大きく異なる状況を把握いたしました。
このため、従来一律240万円であった指定管理料を各施設の実情に応じた積算とするよう令和2年度に改定を行い、さらに令和5年度の更新の際には当時最新の単価へ見直したところでございます。
このように指定管理料については、3年ごとの更新に合わせて見直しを行ってきたところでありますが、昨今の急激な物価上昇等により厳しい状況となっている中で、議員御提案のような昼休みの利用状況に応じた事務員の配置を運営や利用者に支障のない範囲で実施することは、一つの手法と考えております。
最後に、予約システムの実証実験についてでございますが、中央区管内の施設を対象として令和3年度に3施設で開始し、現在も13施設を対象として継続しております。引き続き実証実験を継続し、デジタル化による利用者の利便性や事務負担の軽減、費用対効果などを総合的に勘案しながら今後の対応について検討してまいります。
〔34番 三森至加議員 登壇〕
◆三森至加 議員 御答弁ありがとうございました。
昼休みの利用状況に応じた閉鎖については、前向きに答弁いただきありがとうございます。
予約システムの実証実験では、デジタル化により事務負担の軽減等につながっているようです。しかし、指定管理料の増額はもともと利用の少ないコミュニティセンターに充ててあるようで、ほとんどのコミュニティセンターは240万円と10万円の修理費で250万円のところばかりです。
行政へ相談しても、助成金を増やすことはできないので受益者負担でお願いすると言われ、ある自治会では来年度から今まで半額で借りていた分を7割負担にしたり、自治協議会からの助成金を増やすなどの対策を取ることを考えられています。また、ほかに便座のヒーターが故障しているが、修理費を我慢して百均で買ってきたシートを敷いて寒さ対策を取られているコミュニティセンターもあります。
コミュニティセンターの部屋の使用料も一律上限が決まっているそうで、この物価高騰に合わせて使用料の見直しの検討も行うなどこのような状況を踏まえ、地域だけに負担を強いるのではなく、市民サービスの低下にならないように考えるべきではないでしょうか。
南区の方では、令和5年度以降の施設運営について物価高騰、最低賃金改正等により管理運営費が上昇していくため、今後赤字決算が見込まれることから、対応策が必要であると考えられています。
この問題については、各地域のコミュニティセンターだけの問題ではなく、熊本市全域のコミュニティセンターの問題となることから、早急に地域活動推進課主催の会長会議を開催し、意見交換などの協議が必要ではないかと南区長に申立てを行われています。東区でも同様の申立てを行われています。
この現状を踏まえ、市全体として問題を抱える各校区の状況を調査するための意見交換などを行う必要があると思いますがいかがでしょうか。文化市民局長にお尋ねします。
〔金山武史文化市民局長 登壇〕
◎金山武史 文化市民局長 コミュニティセンターの厳しい運営状況や意見交換会の開催を求める要望が南区及び東区に提出されている件は承知しているところでございまして、今後課題の解決に向けて意見交換や情報共有の場を設定してまいりたいと考えております。
〔34番 三森至加議員 登壇〕
◆三森至加 議員 御答弁ありがとうございました。
指定管理で任されていると言っても、相手は自治会になります。自治会の皆さんは、コミュニティセンターが安心・安全なまちづくりの拠点として運営できるよう日々頑張っておられます。自治会からもう運営できないと言われたらどうされますか。共に助け合っていかなければ、信頼関係は崩れていってしまいます。やはり意見交換を行い、皆さんの思いを丁寧に吸い上げ、どのように進んでいくか、一緒に協議していくべきではないでしょうか。一日も早く意見交換会を開催し、必要な財政措置は財政局長に要望させていただきます。
次に、2番目、防災士の活躍の場の創出についてお尋ねします。
先日、地元校区でソナエトコ代表の水野さんに来ていただいて、防災士の集いを行いました。
特定非営利法人ソナエトコの紹介をさせていただきます。
ソナエトコは、防災・防犯・教育の分野において、人々の安全意識の向上と実践力の向上を図る活動を行われています。地域や社会全体の安全・安心を確保するために、知識と実践を結びつけた取組を積極的に展開されています。
私は、校区の友人と一緒に防災士の資格は取得したものの、町内会で防災会は発足しましたが、なかなか活動ができていない状況でした。
そこで、自治協議会の会長さん方の協力の下、水野さんに来ていただいて、校区の防災士さんたちとの顔合わせをし、それをどう校区で生かすかを学びました。水野さんは、県が作成した地域防災活動支援プログラムを活用して研修を行われています。水野さんいわく、この支援プログラムは防災活動の初心者の方から上級者の方までそれぞれに応じたプログラムがつくられていて分かりやすく取り組みやすいので、皆さんもぜひこれを活用して役立ててくださいと大絶賛でした。
研修では、避難所運営ゲーム(HUG)を行いながら、避難所初動運営を復習し、災害発生時の混乱や被害を最小限に抑え、地域で協働して防災活動が行えるよう確認し合うことができました。
本市でも、昨年フォローアップ研修が開かれましたが、私自身仕事の都合で参加できませんでした。防災士の資格取得時の研修以来、久しぶりに学んだことで一歩前進することができ、これから校区で役立てていこうと皆で確認し合いました。
水野さんは、せっかく防災士の資格を取ってもなかなか活躍する場所がなくてもったいないと言われていました。今回の集いには、各町内1名以上の参加がされていたので、校区で立ち上げられそうです。
そこで、しっかり校区で立ち上げていくためお尋ねいたします。
1、校区ごとの防災士の名簿はできていますでしょうか。
2、活躍の場をどのように提供していらっしゃいますか。
3、防災士の資格取得後の研修としてフォローアップ研修が行われていますが、その内容を教えてください。
4、県が作成している地域防災の活動支援プログラムは、先ほども述べましたとおり、初心者から上級者に応じて支援プログラムが設定されており、とても詳しく分かりやすく掲載されています。どのように活用されていますか。
5、大分県中津市では、防災に関する知識と意識を育み、将来市の安心と安全に役立つ人材を育成するため、小学4年生~6年生を対象にジュニア防災リーダーの研修が行われ、33人のリーダーが誕生されています。本市でも行われてみてはどうでしょうか。
以上5点、政策局長に、また、防災士に対する思いや期待を大西市長にお伺いします。
〔田中俊実政策局長 登壇〕
◎田中俊実 政策局長 防災士に関するお尋ねについて順次お答えします。
まず1点目の防災士の名簿については、本市には約1,700名の防災士の方がおられ、区ごとに防災士名簿を作成し、各区と共有しております。
2点目の防災士の活躍の場の提供については、これまで震災対処訓練などを通じて地域防災活動への参加をお願いしております。
さらに、令和5年1月から、熊本市地域防災リーダー登録制度の運用を開始するなど、防災士と地域のマッチングを図り、各校区における地域防災活動の支援に取り組んでおります。
〔議長退席、副議長着席〕
3点目のフォローアップ研修については、令和4年度から開催しており、今年度は昨年10月に156名の参加の下、外部講師を招き過去の災害事例の共有やマイタイムラインの作成研修などを行いました。
4点目の熊本県の地域防災活動支援プログラムについては、マイタイムラインを活用した避難訓練の実施方法などが分かりやすく掲載されていることから、各自主防災クラブへ配布・周知するとともに、出前講座や防災研修の際の教材として活用しております。
最後に、5点目の議員御案内のジュニア防災リーダー制度については、小中学生など若い世代に防災に対する関心を持ってもらうことは、大変重要であると考えていることから、今後、教育委員会や関係部局と連携した防災教育の推進に努めてまいります。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 まずは、防災士の皆様には、日頃から校区防災連絡会をはじめとする地域防災活動に御協力いただいておりますことに対しまして、感謝申し上げます。
本年1月に発生いたしました能登半島地震では、家屋の倒壊や道路、上下水道などのライフラインの寸断など甚大な被害によりまして、今なお多くの方々が避難生活を余儀なくされております。
私も、防災担当の全国市長会副会長として、発災後直ちに被災地の首長と連絡を取り合い、速やかに職員を派遣するなど、被災地支援に取り組んできたところでありますが、その中で、改めて自助・共助によります地域防災力の重要性を認識いたしました。
そのようなことから、防災士の皆様には災害時の実働はもとより、日頃からの地域における人材の育成や各種災害対処訓練での支援など、地域防災力向上のためのさらなる活躍を期待しているところです。
今後も引き続き防災士の皆さんの活躍の場の提供や支援を図りまして、誰もが安心して暮らすことができる、真に災害に強いまちの実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
〔34番 三森至加議員 登壇〕
◆三森至加 議員 御答弁ありがとうございました。
既に名簿は作成され、活躍の場としては、昨年1月から熊本市地域防災リーダー登録制度の運用を開始され、マッチングを行っているとのこと。この運用のおかげで地域にも名簿が下ろされ、連絡が取れるようになったようです。
しかし、地域防災リーダーの登録をしていなければ、連絡は取れません。私も知らなくて、教えていただいて登録しました。一人でも多くの防災士の方に登録をお願いしたいので周知をお願いします。
研修会では、156名の方が参加されたとのこと、研修会は防災士さんの活躍の場の一つにもなりますし、地域防災リーダーの登録の推進にもつながりますので、定期的に行ってほしいと思います。
県の地域防災活動プログラムも、積極的に活用されていて安心しました。ジュニア防災リーダーについては、ゆくゆくは親子で防災リーダーとして地域で活躍できることを期待していますので、ぜひ関係部局との連携について防災教育を推進していってほしいと思います。
市長答弁では、能登半島地震へ迅速な災害支援に努められており、改めて自助・共助による地域防災力が極めて重要であると認識されたとのこと。また、防災士に対しては、地域防災力の向上のための活躍を期待していると力強い答弁をいただきました。防災士が活躍できるよう私自身も防災士として校区から取り組んでまいります。
では、次の質問に移ってまいります。
3番目、本市の人事についてお伺いいたします。
本市では、より質の高い行政サービスの提供を可能にし、上質な生活都市を目指すため、職員一人一人が仕事へやりがいを感じながら業務を遂行できるエンゲージメント、職員と組織が一体となり、双方の成長に貢献し合う関係の高い組織体制を整備することにより、それぞれの職員が持てる力を最大限発揮することに取り組まれています。
しかし、昨今、若手職員の離職、休職の増加や新規採用のエントリー数の減少を背景に、昨年7月、職員のエンゲージメント調査が行われました。その調査の結果は、全体としてエンゲージメントは良好な状況であるといえるが、「生活のため」が高い傾向である点は留意が必要である。「上司」「同僚」が強みであり、「人事制度」「キャリア・職務」「福利厚生」「職場環境」に改善の余地があるとありました。
詳しくお伝えすると、昇任意欲は25歳未満は35%が持っているが、その後は20~25%程度と低下する。また、特に男女差が大きく、目指す職位は「課長以上」で回答した若手から中堅層は、男性で40%~45%に対し、女性では10%前後と少なく、特に25歳~29歳が低くなっている状況です。
総合満足度を年代別で見ると、25歳未満が最も高く、そこから低下し、35~40歳の年代が最も低くなっており、各年代で満足度に影響を与える要素には違いがあるため、年代に応じた対応が求められるとありました。
このような結果から、施策の方向性、特に推奨するべき具体案として、年代別キャリア研修、キャリア相談、キャリア志向の定期的な把握、適性検査の配置・育成への利用、人材カルテの作成と共有などが特に推奨するべき点で、あとは外部への研修出向、管理職の役割定義及び登用基準の見直し、人事制度の抜本的見直し、業務改善の推進を推奨すべきという指摘が出ていました。とても本市の特徴をつかみ、具体的な指摘ではないでしょうか。
平成30年第3回定例会にて、女性管理職登用数を聞いてみると、平成29年度は全管理職492名中42名、9.79%で、令和5年度では479名中62名、13.1%と伸びていますが、政令市では20位中18位です。熊本市の女性職員の割合は30、40代で4割、50代で3割を占める一方、管理職になると40代が2割、50代が1割と、年代が高くなるにつれ減少しているのが現状です。
一般的に女性のキャリア形成における課題としては、女性の家事・育児の負担割合が大きいことやマミートラックがあることが上げられています。マミートラックとは、出産した女性が職場復帰した際、自分の意思とは関係なく出世コースから外れてしまう指す言葉です。女性がキャリアアップしたいと思えるように、職場の意識改革や働きやすい環境を整えることが必要だと考えます。
そこで、お尋ねします。
1点目、このようなことから、女性のキャリア形成に対してどのようにお考えでしょうか。
2点目、若い年代の職員ほど昇任意欲がある中で、民間企業と比べると役職につくのが遅いと思います。今の若者は、終身雇用は考えていません。やりたいことが実現できる職場であれば、ちゅうちょなく転職します。30歳前後でも優秀な方はいるので、主査級昇任試験の受験年齢を引き下げてもよいのではと考えます。この点について見解をお尋ねします。
3点目、これまで行われてきた本市の主査級昇任試験は、様々な部署を経験した上で、相当時間の勉強が必要な筆記試験を行っています。これからは、職員ごとの様々なライフステージに対応した昇任試験が求められると考えます。他都市では昇任試験における筆記考査を廃止し、人事評価結果の活用など、日頃の勤務成績がダイレクトに反映される実力本位、実物本位の昇任試験を導入されています。このような制度も導入されてみてはどうでしょうか。
以上、3点、大西市長にお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 女性職員が管理職になることをちゅうちょする理由としては、昨年度実施したアンケートによりますと、昇任による職務上の不安や負担感に関する意見が大変多く見られたところです。
このようなことから、来年度より1つの班に複数の主査を配置するなど、昇任による職務上の不安や負担感を軽減するとともに、女性職員を事業立案部署へ配置するなど、キャリアアップを積極的に支援することにより、一層活躍できる環境を整備してまいります。
次に、若手職員の登用につきましては、主査級昇任試験の受験年齢を引き下げますとともに、職員の希望する将来のキャリア形成を尊重した人事配置を行ってまいりたいと考えております。
また、主査級の昇任試験につきましては、自ら試験に挑戦することで職員の自己啓発やモチベーションの向上にもつながるものと考えておりまして、人事評価や口述試験に加え、職責に必要な知識を実証するための筆記試験も行うことで、総合的な能力を評価しているところです。
引き続き、職員一人一人がやりがいを持って業務に取り組むことができる環境を整備し、自らの成長を実感できる満足度の高い職場づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
〔34番 三森至加議員 登壇〕
◆三森至加 議員 大西市長、御答弁ありがとうございました。
女性職員のキャリアアップのために、1つの班に複数の主査を配置することや事業立案部署へ積極的に配置するなど環境を整備していただくとのこと。
先月、私は大西市長と共に、台湾を視察させていただきました。台湾では女性の市長や議長がいらっしゃる都市もあり、議員もクオーター制で4人に1人は女性議員でした。華やかさとともに、とても活気がある印象を受けました。視察で説明を受けるときも、男女の差はなく優秀な方々が活躍されていました。私は、この議会にも女性の局長が多く誕生されることを切に願っています。大西市長、積極的な登用をお願いいたします。
若手職員の登用については、キャリア希望を的確に把握し、志向に沿った人事配置を考えてくださるとのこと、また、さらに主査級昇任試験の受験年齢を引き下げることも検討してくださることが決まり、ありがとうございます。
先日、落水議員も課長級試験の廃止を訴えておられましたが、これからは職員ごとの様々なライフステージに対応した昇任試験が求められると考えますので、職員一人一人がやりがいを持って業務に取り組める環境を整備するためにも、昇任試験の在り方を考えてほしいと思います。
では、次の質問に入ってまいります。
献血の推進についてお尋ねします。
皆さんも御存じのとおり、献血でいただいた血液はがんや白血病などの治療に使われ、各種の手術や出産のときの輸血用としても欠かせません。病気やけがで血液を必要としている患者さんが大勢いらっしゃいます。血液は人の血液からしか作れず、人工的には作れません。
過去に国内献血で賄い切れなくなり、血液製剤が薬害を起こしてきたことから、血液製剤の適正使用と国内自給が重要であるといわれています。特に若い世代の献血が減少し、このままでは国内献血で賄い切れなくなる懸念があります。1日に約1万4,000人の協力が必要であり、1年間で約504万人の献血が必要となってきます。
このようなことから、昨年6月、公明党は献血についてもっと詳しく骨太方針の項目に、小中学校現場での献血推進活動を含む献血への理解を深め、血液製剤の国内自給、安定的な確保及び適正な使用の推進を図ると明記しました。
NPO法人さい帯血国際患者支援の会の理事長である有田美智世代表は、昨年京都府で中学生への献血教育を実施されており、「命を救う第一歩は献血から始まる。若いときに献血の大切さを教えることが将来的な献血推進につながる」と言われています。
日本赤十字社では、小中学生向けに愛のかたち献血ブックを配布し、献血についての基本的な知識や愛の妖精けんけつちゃんが活躍する物語が紹介され、啓発活動を行われています。
昨年11月に行われた熊本市献血推進協議会の議事録を見てみると、熊本県献血状況について次のように報告されています。400ミリリットル献血から製造される赤血球製剤において、令和5年1月~10月までの累計では、熊本県民に必要な輸血量を熊本県民の献血で賄えないのが実態。供給に足りない分は、九州内をはじめとする他県からの融通でしのいでおり、県民の需要に県民の献血で賄える体制をすぐにでも構築していかなければ、最悪の場合、必要なときに必要な血液製剤が届けられないといった事態も想定される。持続可能な血液事業を構築していくためには、若年層対策、複数回献血者の確保、予約献血の推進が早急に対処すべき課題となると報告されていました。
このような現状を踏まえ、お尋ねします。
1点目、本市での献血実績状況を御教示ください。
2点目、若者への対策が重要となってきますが、若年層に向けての啓発はどのように行われていますか。
3点目、献血の理解は小中学校にも広めるべきだと考えますが、どのようにお考えでしょうか。
以上3点、健康福祉局長にお尋ねします。
〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕
◎津田善幸 健康福祉局長 献血の推進について3点のお尋ねに順次お答えいたします。
まず1点目、本市の献血実施状況についてでございます。
令和4年度の献血者数は4万9,625人で、令和2年度以降、コロナ禍の影響により減少傾向にはあるものの、例年並みの約5万人の献血実績は維持できております。
次に、2点目、若年層に向けた啓発についてでございます。
献血実績に占める30代以下の割合が約3割まで減少していることから、SNSによる献血情報の発信等をはじめ、校区献血における若者向けのオリジナルグッズの配布や市内高校での献血セミナーなどに取り組んでおります。
最後に、3点目、小中学校への啓発についてでございます。
議員御指摘のとおり、10代からの早期啓発は献血推進に向けた重要な取組の一つであると考えております。そのため、今後、熊本県赤十字血液センター等の関係機関や教育委員会と連携しながら、特に献血可能な年齢が近づく中学校等を対象とした新たな啓発の取組について検討してまいります。
〔34番 三森至加議員 登壇〕
◆三森至加 議員 御答弁ありがとうございました。
本市の献血実績状況は、例年並みの約5万人の献血実績は維持できているが、献血実績に占める30代以下の割合は3割まで減少している。小中学校への啓発については、特に献血可能な年齢が近づく中学校等を対象として啓発の取組を検討していくとのことでした。
先日、私たち公明党県下の全議員で能登半島地震への募金活動を行い、集まった皆様からの真心の募金を日赤へ届けてまいりました。そこで能登半島地震が発災してからの救援活動の話や、献血についてお聞きすることができました。日赤の皆さんは発災直後から救護班の派遣や救援物資の配布など、医師や看護師、ボランティア等を延べ1,300人以上派遣され、被災地へ希望を届けて来られた活動をお聞きし、頭の下がる思いでいっぱいになりました。
日赤では、血液が足りなくなりそうになったときは、ウェブ会員さんに呼びかけたり、お隣の県立大の学生さんに直接献血に来ていただいたりしているそうです。せっかくいただいた献血も、赤血球は採血後21日間、血小板は採血後4日間しかもたず、量の管理がとても難しいと言われていました。だからこそ多くの方に献血に来ていただきたい、特に若い方々に。そのためには、より多くの方に知っていただくことを、積極的な広報が必要だとおっしゃっていました。若年層に向けた啓発をよろしくお願いいたします。
では、次の質問へ入ってまいります。
5、読み書き障がいの生徒への支援についてお尋ねします。
前回、初めて読み書き障がいの児童・生徒への支援について質問させていただきましたが、次に、伊藤議員にも質問していただき、今回が3回目の質問となります。
今回は、中学校へ上がった生徒への支援について質問させていただきます。
昨年12月、日本学校心理士会が主催される研修会に、伊藤議員とともに参加してきました。「読み書きに苦手さのある子の支援」と題して、一般社団法人読み書き配慮の代表理事である菊田史子さんを講師に迎え、講演をお聞きしました。菊田さんは元新宿区教育委員をされており、学習障がいの長男を育てる保護者でもありました。読み書きへの合理的配慮を得て学ぶ長男は、慶應義塾大学へ進学されました。
2018年に一般社団法人読み書き配慮を立ち上げられ、学習障がいの子供への合理的配慮のデータベースを軸に、学習障がいの理解、検査、支援に関わる事業を展開されています。この研修会には、読み書き障がいの子供を持つ保護者の方々も参加されており、いろいろな困りごとをお聞きしました。菊田さんから学んだことも含めて質問していきますのでよろしくお願いいたします。
まず1点目、高校入試を目指したスケジュールとして、令和5年熊本県立高等学校入学者選抜要項では、障がいがある受験者への配慮事項に、具体的な配慮として必要に応じて個別に対応するとあります。中学校では高校受験に向けたスケジュールを決めて練習し、準備をしていくことが重要となるので、その対応をお願いしていくべきと菊田さんは言われていました。その対応について、現在、中学校では具体的な対応をどのように取られていますか。
また、受験体制についてマークシート方式も導入されるとのこと、資格試験や国家試験などはCBT方式が導入されていますが、特性に合わせた受験体制の整備を行ってくれないかとの保護者の意見もありました。CBT方式とは、コンピュータ上で実施される試験のことです。従来のように問題用紙が配付されて解答用紙に鉛筆などで記入する方式とは異なり、問題提示も回答入力も、あるいは採点作業も全てコンピュータ上で実施しています。これからだと思いますが、お考えをお示しください。
2点目、現在、発達検査には資格や専門性が必要で、教育相談室や医療機関等で行うWISK等の検査を行われています。検査するまでにとても時間がかかるようです。学校にスクールカウンセラーがいるように、読み書きの検査ができる体制を整えれば、早期に学習の苦手さの対応ができるようになるのではないでしょうか。読み書き検査を学ぶことで、学習障害を可視化することができるそうです。先生方にも参加していただき、その講習に係る費用の補助ができないでしょうか。
3点目、小学校のときは専門の先生がいらっしゃったので相談しやすかったのですが、中学校になって専門の先生がいらっしゃらないので、なかなか相談するにも理解していただきにくくて、どこに相談していいか分からないという意見も聞きました。子供や保護者の負担を減らすサポート体制についてどのように行われていますか。
以上3点、教育長にお尋ねします。
〔田口清行教育長職務代行者 登壇〕
◎田口清行 教育長職務代行者 議員お尋ねの3点につきまして順次お答えいたします。
まず1点目について、中学校では校内で実施される定期テストにおいて、問題用紙の拡大や試験時間の延長等の配慮を行っております。
また、早い時期からどのような配慮が必要か、生徒や保護者と話し合い、その内容を個別の教育支援計画等に明記し、継続的に支援することにしております。
加えて、入試の出願時には、学校がこれまで行ってきた配慮の内容を受験する高校に申し出るという流れで進めております。
市立高校の入試においては、障がい等により通常の方法での受験が困難と認められる場合に、検査方法や検査場等について適切な措置を講じることを市立高校入学者選抜要項に定めております。
読み書き障がいの生徒が受験する場合については、ICT機器を活用した検査方法を含め、先進事例の情報収集を行い、将来的に提供し得る配慮について研究してまいります。
次に、2点目についてお答えいたします。
議員御案内のとおり、読み書き検査ができる体制を整えることにより、検査に至るまでの待機期間の短縮や児童・生徒の困難さへの早期対応につながると考えます。検査ができる専門性のある教員の育成に向け、研修の充実を図るとともに、講習会にかかる費用の補助については、今後検討してまいります。
最後に、3点目についてお答えいたします。
学校では特別支援教育担当者を窓口として、生徒や保護者が安心して相談できる体制づくりを行っております。しかし、担当者によっては経験や知識に差があることから、生徒や保護者の期待に十分応えられていない場合もあります。引き続き、担当者のスキルアップを図るとともに、指導主事や巡回相談員等の派遣を通して、生徒や保護者の相談に対し適切に答えられるよう努めてまいります。
〔34番 三森至加議員 登壇〕
◆三森至加 議員 御答弁ありがとうございました。
現在、中学校では問題用紙の拡大や試験時間の延長を行ってくださっているとのこと、また、入試の出願時には、学校がこれまで行ってきた配慮の内容を受験する高校に申し出るようにし、適切な措置を講じることを要項に定めており、ICT機器の持込みに関しては、研究してまいるとの御答弁をいただき、ありがとうございます。
時間があるようですが、受験はすぐにやってきます。そのときに慌てないよう入念に準備することが大事だと思いますので、前向きに検討をお願いいたします。
講習にかかる費用の補助については、専門性のある教員の育成が重要となってきます。研修の充実をお願いいたします。
サポート体制については、まだまだ十分に応えられていない場合もあり、巡回相談員等を派遣してくださるとのこと、しかし、巡回相談員さんに頼ってばかりではいられないと思うので、担任の先生や支援学級の先生なども交えながら、話し合う機会を設けて、生徒や保護者が安心して受験に向けて取り組めるようなサポートをお願いいたします。
では、次に質問に入ってまいります。
医療的ケア児・者の支援についてお尋ねします。
脳形成不全水頭症のお子さんを持つお母さんから相談を受けました。そのお子さんは現在21歳、2歳のときに水頭症を手術したとき、血管が破れて脳死となって目も見えなくなりました。気管切開をされており、口から持続の吸引が必要で、経管栄養ボトルを使用して注射することで栄養を取られています。酸素ボンベも必要で、車椅子の下に入れていつも持ち歩いていらっしゃいます。
熊本地震が起きたとき、自宅は半壊になったので、当時は福祉避難所がなく通っていた支援学校に受け入れてもらい2週間避難した後、やっとかかりつけの病院に避難入院できたそうです。現在21歳、もしまた災害が起きたときに福祉子ども避難所は該当しないので入れない、かかりつけの病院も患者さんが多いと受け入れてもらえないので、物資や水、電気が整っている福祉避難所の受入体制を整えてほしいとの御相談でした。
熊本市避難所開設運営マニュアルを見てみると、福祉子ども避難所は対象者のうち、特別支援学校の在校生と未就学の障がい児は福祉子ども避難所へ直接避難できますが、それ以外の方の避難については市が判断、決定しますと書いてありました。
そこで、お尋ねします。
そこの支援学校の卒業生であれば、顔も知っているし、通い慣れた学校なので安心だと思いますが、受け入れてはいただけないでしょうか。
また、医療的ケア児のための支援ガイドブックが昨年作成されたので、災害時の支援が載っていないか調べてみました。私は令和3年第1回定例会にて、医療的ケア児の支援としてガイドブックを作成してほしいと訴えていました。中身を見てみると、「医療的ケアとは」から始まって、支援者との役割やライフステージごとの各種制度と相談窓口、保育所や小中学校への入園・入学などについて詳しく説明されていて、よく読み込んでいくととても参考になると感じました。医療的ケアに関係する方々にもお聞きしたら、ガイドブックができたことにとても感謝していると言われていました。
しかし、災害関連に関しては、何も書いてありませんでした。そこで、先進市がないか調べてみると、江東区の支援ガイドブックがとてもよくできていました。もちろん災害対策も載せてありました。本市と同じような目次になっていますが、イラストや写真を使って一目見るだけで分かりやすくなっています。
ガイドブックには2名のお子さんの事例紹介がされており、1日の流れや1週間の流れがイラストとともに説明されています。私が一番目を引いたのは、医療機器と医療材料を写真付きで詳しく紹介されているところです。紹介されている器具はレンタル、自費購入、支給と表示されているので、どの分野で取り扱えるかが一目瞭然です。
いろいろな医療材料、衛生材料も、写真があることでどのように使用するかも分かりやすいです。災害対策では、在宅で人工呼吸器を使用している方の災害個別支援計画が明記されていました。本市でもつくっていただいたばかりで恐縮ですが、江東区のようなイラストや写真を使って分かりやすく改定していただけないでしょうか。
以上2点、健康福祉局長にお尋ねします。
〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕
◎津田善幸 健康福祉局長 医療的ケアの必要な方への支援について2点のお尋ねにお答えいたします。
まず、福祉子ども避難所の対応についてでございます。
障がいのある方の災害時の避難においては、様々な配慮が必要であることから、指定避難所では要配慮者に対するスペースを確保することとしております。
また、発災直後から保健師を中心として速やかに全ての指定避難所を巡回し、障がいのある方の健康状態を把握した上で、指定避難所での生活が困難と判断される場合には、福祉避難所や福祉子ども避難所で受け入れることとしております。
その際、福祉子ども避難所においては、受入先である施設の収容人数や支援体制等を考慮し、障がいのある子供とその御家族の避難生活に確実に対応できるよう、避難対象者を特別支援学校の在校生や未就学の障がい児御本人とその御家族に限定しているところです。
今後も校区防災連絡会等あらゆる機会を活用し、障がいの特性に対する理解を促進するとともに、福祉子ども避難所の利用の仕方についてもさらなる周知に努めてまいります。
次に、支援ガイドブックに関するお尋ねについてお答えいたします。
本市が令和5年3月に発行した「医療的ケアが必要なお子さんと家族のための支援ガイドブック」につきましては、関係者の意見を取り入れながら作成いたしました。活用されている関係機関や関係団体、熊本市立の小中学校等からは、簡潔に整理されていて分かりやすいといった評価をいただいているところです。
議員から東京都江東区の支援ガイドブックの事例を御紹介いただきましたが、次回改定の際には他都市の例や関係者の御意見もさらに取り入れ、災害関連の内容を盛り込むなど現行内容を精査した上で、医療的ケアが必要なお子さんと御家族、そして支援する方々にとってより分かりやすく、より活用しやすいガイドブックになるよう検討してまいります。
〔34番 三森至加議員 登壇〕
◆三森至加 議員 御答弁ありがとうございました。
支援学校での避難は、在校生や未就学の障がい児に限定されており、難しいようです。校区防災連絡会等とあらゆる機会を活用し、障がいの特性への理解を促進すると言われています。
具体的に地域の自治会長さんや児童・民生委員さん、保健師さんなどと本人さんと御家族が顔を合わせて話し合う場をつくっていただき、こういう方がいらっしゃると地域でも確認し、日頃からコミュニケーションをとることで理解促進につながると思います。安心して避難できるよう配慮をお願いいたします。
支援ガイドブックに関しましては、活用している関係機関や関係団体、熊本市立の小中学校等からは、分かりやすいと評価をいただいているとのこと、次回改定するときは災害関連の内容を盛り込み、より活用しやすいガイドブックとなるよう検討してまいるとのことでした。ぜひよろしくお願いいたします。
これで、私が用意した質問は終わりました。
本日は、朝早くからお忙しい中に傍聴にお越しいただいた皆様、また、インターネットでご視聴いただいた皆様、お付き合いいただいた先輩、同僚議員の皆様、真摯な答弁をいただいた大西市長をはじめ、執行部の皆様に深く感謝申し上げます。
これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
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○大嶌澄雄 副議長 この際、議事の都合により休憩いたします。
午前11時10分に再開いたします。
午前10時54分 休憩
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午前11時10分 再開
○大嶌澄雄 副議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
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○田中敦朗 議長 一般質問を続行いたします。
上野美恵子議員の発言を許します。上野美恵子議員。
〔47番 上野美恵子議員 登壇 拍手〕
◆上野美恵子 議員 日本共産党熊本市議団の上野美恵子でございます。
まず、能登半島地震に被災された皆様には、心よりお見舞いを申し上げます。被災地の一刻も早い復旧・復興を願いつつお尋ねをしてまいります。
初めに、命の水、地下水です。
TSMC第1工場が開所し、第2工場の隣接地への進出も決まり、第1、第2工場を合わせて政府が1兆2,000億円を支援する国家的プロジェクトが始動しようとしています。第1工場だけで白川中流域が25ヘクタールも開発をされ、毎日8,000トンの水がくみ上げられる上に、それ以上の規模と思われる第2工場の進出で、地下水への不安が増大しています。
昨年5月、TSMCの日本企業JASMと熊本県、菊陽町、水循環型営農推進協議会、そして市長が代表の熊本地下水財団とで結んだ熊本地域における地下水涵養推進に関する協定書が締結されました。
その具体化として、昨年9月にJASMと熊本地下水財団とで熊本地域における冬期湛水事業推進に関する協定書を締結し、JASMの地下水採取量に相応する地下水涵養量の一部に相当する使用を支援すると定めています。
そこで、伺います。
1、JASMがくみ上げる地下水の総量、費用支援の対象となる採取量をお示しください。
2、JASMのくみ上げ量に相当する涵養はできますか、今後拡大すべき水田の湛水面積と確保の見通しをお示しください。
3、TSMC第1工場、第2工場並びに他の半導体関連企業等の集中による開発面積はどれくらいでしょうか。企業進出に伴う涵養域の減少による地下水への影響はどのように試算されていますでしょうか。それに見合う地下水涵養の取組はどうされますか。
4、県と熊本市、周辺の3市・6町・1村で、2008年に策定された熊本地域地下水総合保全管理計画の目標年次が2024年度です。現在計画見直し時期を迎えており、TSMC第1工場、第2工場をはじめ、関連企業が白川中流域の重要な地下水涵養域へと進出してくる状況を踏まえた計画へと見直しをすべきではないでしょうか。
5、工場の排水は、北部浄化センター並びに第2工場進出に伴う新規建設の下水処理場で処理される予定です。下水道法・下水道法施行令に定められた放流水の基準で、有機フッ素化合物は検査できるのでしょうか、できない場合の対応はどうなりますか、企業としての責任ある対応を求めるべきではないでしょうか。TSMCの産業廃棄物の内容と1年間の量、さらに搬出先も明らかにすべきです。どうなっていますか。
6、地下水涵養でも、汚染対策でも、現状は十分とは言えません。以前から指摘をしていた地下水対策が、具体的かつ確実に進める自治体としての熊本市とJASMとの直接の協定が必要ではないでしょうか。
以上、市長にお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 地下水保全に関する6点の質問に順次お答えいたします。
まず、JASMがくみ上げます地下水の総量、費用支援対象の採取量についてでございますが、JASM第1工場の地下水採取量は年間約310万立方メートルとなる見込みでございます。
次に、JASMと熊本地下水財団が締結いたしました熊本地域における冬期湛水事業推進に関する協定に基づき、JASMが地下水財団へ支援する費用の対象となる今年度の採取量は、年度末に確定すると伺っております。
2点目についてですが、JASMの涵養に必要な水田湛水の面積については、農地により浸透能力や湛水期間が異なりますため一律にお示しすることはできませんが、その涵養については、JASMと県や菊陽町等で締結いたしました「熊本地域における地下水涵養推進に関する協定」に基づき、着実に行われるものと考えております。
3点目の開発面積につきましては、JASMの第1工場が約21ヘクタールと公表をされておりまして、第2工場やその他の半導体関連企業等の情報については、県や近隣自治体と連携し、収集に努めているところです。
本市の取組につきましては、涵養に寄与する優良な農地を保全するため、白川中流域水田湛水事業の協力農家の皆様への助成金の単価を見直しますほか、地下水財団と連携いたしまして、地下水を育む水田等で栽培されました農産物等を購入・消費するウオーターオフセット事業への企業や市民の皆様の参加を強力に推進してまいりたいと考えております。
次に、熊本地域地下水総合保全管理計画につきましては、県や熊本地域の関係市町村とともに採取量と涵養量の収支バランス等を考慮し、見直してまいります。
次に、有機フッ素化合物の排水基準ですが、下水道法や同施行令に規定はないものの、現在北部浄化センターからの排水については、所管する県と連携いたしまして、有機フッ素化合物等の検査を実施しております。
また、JASMからの産業廃棄物については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき、その量や排出先等を県へ報告されることとなっております。
最後に、地下水の涵養については、既に締結しております協定に基づきまして、熊本地域の関係自治体や団体などと協力し推進しております。
また、排水につきましては、法律や条例に厳格に規定されておりますことから、協定によらず適切に実施されるものと考えております。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 TSMCが企業としての社会的責任を果たすためにも、責任ある説明、情報開示、具体策実施へ熊本市とJASMの直接の協定が必要と考えます。市長の責任ある対応をお願いいたします。
次に、国民健康保険です。
新年度予算では、国民健康保険料の引上げ、7億円の負担増が提案されています。今回の値上げ提案は、県単位の運営による保険料平準化がその根底にあります。物価高の中、所得200万円以下の人が8割を占める国保料の値上げは、命に関わる問題として到底容認できません。
前市長のときに、最高で28億円だった赤字補填分の一般会計繰入れは、国の方針どおりに減額し続け、次年度は2億1,000万円です。国の言いなりでなく自治体裁量で必要な繰入れを行い、高過ぎる国民健康保険料の値上げはやめて、引下げを実施すべきではないでしょうか。
あわせて、介護保険について伺います。
第1に、介護保険の負担軽減には切実な声が多数寄せられています。保険制度開始から今年で24年、開始時に基準月額3,250円だった保険料は現在6,400円へ、約2倍となりました。五万数千円の年金をパートの給料で補ってきた70代の方は、保険料は年金天引きだけれども、体が悪くなっても介護が利用できないと不安を語られていました。
2024年度保険料は、所得段階の低い人は減額ですが、一番下がる人で月640円、到底物価高に追いつきません。しかも、所得段階の高い人は値上げです。もともと上がり続けてきた介護保険料、昨今の物価高を考慮するなら、86億円の基金を活用し、全ての被保険者の保険料を抜本的に引き下げるべきではないでしょうか。
第2に、2024年度からの訪問介護等の報酬引下げ公表に、介護に関わる市民団体をはじめ、全国社会福祉協議会、全国ホームヘルパー協会、日本ホームヘルパー協会など、現場から怒りと抗議の声が一斉に上がっています。
ホームヘルパーの有効求人倍率が15倍を超える異常な人手不足の中、2023年の介護事業所倒産は67件と、過去最多を更新する異常なまでの深刻な介護分野の人材不足に拍車をかけるものです。報酬引下げは、介護の根幹である在宅介護が崩壊へ向かうとの指摘もあります。そうならないよう、市長には訪問介護等の報酬費引下げ撤回を国に求めていただけませんか。
以上、国保と介護で市長にお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 本市では、法定外一般会計繰入れによります保険料の負担緩和策を実施しておりますが、国民健康保険の保険給付費が増えたことによりまして、法定外一般会計繰入れを増やすことは、市民の理解を得られないものと考えております。
このため、本市では今後も医療費の適正化とともに、さらなる収納率の向上を図り、保険料の抑制に努めてまいります。
令和6年度の介護保険料の設定につきましては、介護保険制度の持続可能性を確保する必要がございますため、所得段階が低い方の引下げに応じまして、所得段階が高い方の保険料乗率を引き上げたものでございます。
なお、介護保険準備基金の一部を繰入れ、第1号被保険者全体の保険料の上昇抑制を図っております。
また、適切な介護報酬の設定につきましては、これまでも全国市長会や九州市長会など様々な機会を通して国へ要望を行っており、引き続き対応を検討してまいります。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 市民の暮らしの実態がお分かりいただいていないと思います。
続いて、学校給食について伺います。
急速に広がってきた学校給食無償化は、今や全自治体の3分の1に迫る勢いです。
そのような中、東京23区では、2024年度から人口約92万人の世田谷区、70万人以上の大田区、練馬区をはじめ、全ての区が無償化を実施します。その背景には、東京都が、市町村の実施する給食費の保護者負担軽減へ、費用の2分の1を補助することもあります。
都は、給食は本来国の責任と財源で無償とすべきものとしつつ、国が対策を取るまでは自治体として支援するという、学校給食は原則無償の基本的考えに立っている点が重要です。
熊本県下でも半数以上の24自治体が何らかの助成を行い、全自治体の4分の1、11自治体が完全無償です。給食無償化は全国の流れです。熊本市でも速やかに実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
また、有機食材の推進では、千葉県いすみ市長が代表理事を務める全国オーガニック給食協議会には36自治体が参加し、有機食材による理想の給食を目指す取組が行われています。本市もぜひこの取組に参加し、有機食材によるオーガニック給食を積極的に推進していただきたいと考えますがいかがでしょうか。
あわせて、こども医療費助成制度について伺います。
熊本県下では、熊本市が対象年齢を昨年12月から高校3年生まで引き上げたことで、全ての市町村が18歳までの助成となりました。現在、自己負担は宇城市と熊本市と2市のみです。子育て支援策も各種ありますが、何と言っても直接負担が軽減される制度ほどうれしいものはありません。早急に完全無償化を実施していただきたいと思いますがいかがでしょうか。また、そのために必要な事業費もお示しください。
以上、市長にお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 学校給食費の無償化につきましては、自治体の規模や財政力による地域間の格差がなく、子育て世帯への支援が行われるよう本市からも国に対し、恒久的な財政支援について早期実現の要望を引き続き行ってまいります。
また、学校給食の負担軽減は、子育て世帯への支援策として非常に重要であると考えておりまして、現在具体的に検討しているところでございます。
次に、有機食材によるオーガニック給食の推進についてのお尋ねでございますが、学校給食への有機農産物の導入につきましては、環境負荷の低減や持続可能な農業への理解の醸成、有機農業の推進という観点において有効な取組と考えており、効果的な導入方法について、議員御案内のような先行自治体の取組等を参考にしながら研究してまいりたいと考えております。
次に、こども医療費についてのお尋ねにお答えいたします。
こども・子育て支援施策につきましては、経済的な負担軽減策も含め、総合的に充実させていく必要がありまして、財政的なバランスと制度の安定性を考慮いたしますと、完全無料化は現時点では困難であるということを御理解いただきたいと考えております。
また、お尋ねの完全無料化した場合の事業費は、今回の制度拡充前の試算では、令和6年度当初予算額からさらに6億円から7億円程度増額になる見込みでございます。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 給食については、僅かに前向きの答弁ありがとうございます。
次に、ほぼ毎議会、陳情書が出されております高齢者等の補聴器助成制度についてお尋ねします。
厚生労働省が2021年に公表しました難聴高齢者の社会参加に向けた適切な補聴器利用とその効果に関する研究では、補聴器購入助成の取組強化の検討が求められると提言し、必要にもかかわらず、購入者が少ない現状に価格の問題が指摘されました。実施自治体はこの1年で2倍近くに増え、今年1月で239自治体です。
政令市で先進的モデル事業だった相模原市、新潟市は、いずれも2024年度から本格実施です。相模原市は上限2万円、在宅で住民税非課税を対象に200人分、670万円を予算化、前倒しで本格実施を決めた新潟市は、50~74歳までの中高年者を対象に、上限を2万5,000円、所得制限なしで710万円が予算化されています。
先進市の本格実施は、効果が検証されたからです。限度額13万7,000円の港区とまではいかないまでも、新潟市、相模原市にならい早急に実現していただきたいと思いますがいかがでしょうか。市長に伺います。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 加齢性難聴で悩んでおられる方への支援につきましては、令和5年度の国の事業であります「難聴高齢者の早期発見・早期介入等に向けた関係者の連携に関する調査研究事業」にモデル自治体として参画いたしまして、難聴の高齢者への啓発・助言・受診勧奨の実施及びその効果・測定を行っているところです。
今年度末にはその報告書がまとまる予定でございまして、早期受診につなげるための啓発など、その結果を踏まえた総合的・効果的な支援策について検討いたしますとともに、補聴器購入助成につきましては、補聴器に対する医学的エビデンスに基づく全国一律の公的助成制度等の創設について、引き続き国に対して働きかけをしてまいります。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 次に、市長の基本姿勢で2点お尋ねいたします。
第1に、市長のビジネスクラスによる海外出張について、就任から次年度までの渡航回数と費用の総額をお示しください。
また、以前、県知事はビジネスクラス利用の規定があっても、基本的にはエコノミークラスでの海外出張でした。市長も、節約のためビジネスクラスをやめてはいかがでしょうか。市長のビジネスクラスをエコノミーにすればどの程度の節約ができるのでしょうか。
第2に、市長就任以来支給されてきた退職金を年次別・合計額でお示しください。
前市長は、相次ぐ不祥事の中で、自らの退職金、給与を減額されたことがありました。大西市長は、自身の退職金・給与を減額するつもりはありませんか。
以上、お尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 私の海外出張につきましては、就任から令和6年度の新年度の予定までを含めますと22回ということになります。文書保存年限の関係で確認可能な平成28年度以降の費用の総額は、約1,053万円でございます。
なお、この回数及び金額は、エコノミークラスでの渡航分も含めた金額でございます。
次に、お尋ねのビジネスクラスとエコノミークラスとの旅費の差額の合計は約472万円となっておりまして、今後も行程を通じて自らの職責が果たせるよう、本市の旅費に関する条例等の規定を踏まえ、適切に判断してまいりたいと考えております。
次に、退職手当につきましては、条例に基づき第1期及び第2期の任期満了時にそれぞれ約2,900万円が支給されております。
今回、給与の減額は考えておりませんが、職員の不祥事については、その根絶に向け全庁を挙げて取り組んでまいります。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 職員不祥事につきましては、懲戒処分の件数が市長の1期目と比べて2期目は2倍近くに激増していることを認識されていますでしょうか。給与、退職金の減額で自らの責任を形にして示すことが、職員の綱紀粛正につながるのではないでしょうか。
ビジネスクラスの海外出張は、これまで年3回程度が新年度さらに4回へ増え、市長の費用だけでも325万円、延べ30日間もお留守にされます。過去の費用や日程が分かる範囲で、これだけの海外出張はありませんでした。これが市民に理解されるとお考えでしょうか。お尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 今お尋ねがございました海外の出張に関しましては、様々な国際会議において、本市のこれまでの水の取組、地下水の取組等が評価され、一昨年、「アジア・太平洋水サミット」を開催いたしまして、また、国連水会議にも全国の自治体の代表としてこの問題で招聘されることは、本当に極めて名誉なことであり、本市のブランド力の発信ということでも必要なものであると考えておりますので、海外出張が殊さら何か悪いことではないと思います。その目的をきちっと議会にも御報告させていただいて、訪問させていただいております。これは議員の皆さんの出張も同じだろうと思います。
やはり、国際的ないろいろな交流が増えてくる中、また、台湾からの半導体関連企業の進出等によりまして、海外との連携やいろいろな情報交換、あるいは調査していくということは、極めて重要になってくると思いますので、回数が以前の市長の時代と比べて多いから、少ないからということではなく、国際情勢、それからいろいろな熊本市としての発信、こういったものを総合的に勘案して、執行部としてもできるだけ節約して、一つのミッションに対して何か所も合わせて行くこともして、回数を減らす等々の努力もさせていただいているところでございます。
できるだけ少ない経費で本当に大きな効果を生むように、私も努力していきたいと思いますし、市民生活をお預かりしている中で、熊本市も世界に認められる地域となるように引き続き全力で頑張ってまいりたいと考えております。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 いろいろ言われましたが、帝国データバンクが2月末に公表した調査では、3月以降も食料品等の値上げが続いて、材料価格の高止まりや物流の2024年問題、円安傾向などで、今後も月平均で1,000~2,000品目程度の値上げが続くということです。
そういう中で、国保料、介護保険料のダブル値上げを押しつけて、こども医療費、給食、補聴器助成などの願いには背を向けて、一方で、多発する不祥事には身を切る責任は取らずに、ビジネスクラスでの海外出張、これを何回も行くような、こんなことが市民に理解が得られるでしょうか。疑問を持つ人はいても、うなずく人はいないと思います。市長の姿勢が問われていると思います。
次は、市庁舎整備についてお尋ねします。
まず、市庁舎建て替えの根拠となってきた耐震性能の問題です。
1、熊本市は、総務省へ現行の建築基準法で耐震基準を満たしていると報告していることが昨年分かりました。あれほど耐震性能が足りないから建て替えると説明していたのに、なぜと市民が疑問に思うのも当然です。総務省への耐震基準を満たしているという回答は訂正をされましたか。
2、本市の市制100周年記念誌では、「現庁舎がマグニチュード7.9の関東大震災の2倍クラスの大地震にも持ちこたえる耐震構造」と記述しています。マグニチュード7.9の関東大震災の2倍といえば、マグニチュード8の巨大地震に限りなく近い地震であり、100周年記念誌は本庁舎が耐震性があると述べているわけです。
2021年9月の予算決算委員会総括質疑で、市長は「市制100周年記念誌記述の根拠も、有識者会議の耐震性の分科会で検証される」と答弁されました。どのように検証されたのでしょうか。市長にお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 総務省消防庁の「防災拠点となる公共施設等の耐震化推進状況調査」は、昭和56年に改正されました建築基準法の耐震基準、いわゆる新耐震基準を基に、それ以前に建築確認を得て建築された建物の耐震化の状況を調査するものでございます。
したがって、昭和56年6月1日以降に建築確認を得て建築された建物は、全て耐震化済みと整理されておりまして、その結果、本庁舎はこの調査でいう耐震化済みに該当するものでございます。
一方で、本市がこれまで実施してきました耐震性能調査は、本庁舎の防災拠点施設としての耐震性能を確認するために実施したものでございまして、その結果は、本庁舎が現行の建築基準法等が求める耐震性能を有していないというものでございました。
以上のように、この2つの調査は前提となる耐震基準に対する考え方が異なりますため、調査結果に相違があるものでございまして、消防庁調査の回答については訂正は行っておりません。
なお、次回以降の調査につきましては、有識者会議の答申を踏まえ、調査要領を確認の上、適切に回答してまいりたいと考えております。
次に、議員御案内の「市制100周年記念 熊本・歴史と魅力」の記述につきましては、その根拠等は確認できておりません。
一方で、平成29年度及び令和2年度に実施いたしました耐震性能調査による現行の建築基準法等が求める耐震性能を有していないという結果は、様々な震災を踏まえ、改定されてきた現在の耐震性能の評価技術によって導き出された結果でございます。
また、耐震性能分科会においては、委員から求められた全ての資料をお示しした上で検証していただき、その調査結果は妥当であるという見解を示されました。
なお、耐震性能分科会報告書では、現在の本庁舎は建設当時の技術を駆使し、丁寧に設計・施工しているが、その後の構造及び地震に関する技術の進歩や最新の知識を反映させると、耐震性能が不足しているという結果が得られたとの見解が示されております。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 言い訳のような答弁だったと思いましたが、総務省調査は前の建築基準法か現行基準法かではなく、防災拠点となる公共施設等の耐震化推進状況調査であり、耐震性能を有しているかという調査です。よって、耐震性能があることは明白です。耐震性能についてきちんと説明できないこと自体、耐震性能不足という建て替え根拠は破綻しています。そのことを認めるべきではありませんか。認めるか、認めないか、簡潔な答弁をお願いいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 先ほども御答弁申し上げましたとおり、耐震性能分科会において、委員から求められた全ての資料をお示しした上で、この報告書の中にもありますとおり、「現在の本庁舎は建設当時の技術を駆使し、丁寧に設計・施工しているが、その後の構造及び地震に関する技術の進歩や最新の知識を反映させると、耐震性能が不足しているという結果が得られた」との見解が示されているところです。
我々としては判断する中で、こうした詳細な分析調査を基に、これから庁舎の建設が必要であり、そして防災、あらゆる災害に耐えられる最新の技術による庁舎、そして非常に強靭な庁舎を造っていくことがやはり必要だということで判断した、このように我々は考えているところでございます。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 納得できませんので、続けて突っ込んでお尋ねいたしたいと思います。
市長は先ほどの答弁で、総務省への回答、100周年の記述という公文書の内容を否定されました。その上で、耐震性能分科会の委員から求められた全ての資料を示し、調査結果は妥当との見解を示されたと答弁されました。
耐震性能分科会には、地下連続壁が耐震壁として利用できると明記された現庁舎竣工図や、議会参考人の齋藤幸雄氏や市が意見聴取を行った三井宜之氏の意見書も提出されています。
建築構造では地元の第一人者である、熊本建築構造評価センター理事長である三井宜之氏は、耐震部会に出された意見書の中で、具体的な工法にも触れながら、繰り返し地中連続壁の効果の検証を指摘され、熊本地震で本庁舎が無傷だったのは、その結果であると指摘されています。
そもそも安井設計が市に提出した本庁舎整備計画作成業務委託の報告書の中には、地中連続壁工法が明記され、添付された設計図書にも地下連続壁が記載されており、安井設計クラスの設計事務所が見逃すことはないと、考えられないと疑問を呈されていました。
庁舎問題の裁判では、様々な事実関係が明らかになり、三井宜之氏も指摘されていた、より安全性を高めるため、大林組が本庁舎に採用したオウス・ソレタンシュ工法、アースアンカー使用などによる地中連続壁は、基礎評定委員会による第三者評価も行われて、本体使用の強度のある基礎耐震壁であったことも証拠を持って判明しています。
設計図や竣工図、施工記録、それに関する第三者評価も含め、厳然と存在する幾つもの事実を、現在の技術は地中連続壁などの効果を評価できるレベルにないと無責任に否定したのが、耐震性能分科会の結論です。なぜそんなことができるのか、それは会議の詳細が非公開だからです。
先日の代表質問では、なぜ耐震性能分科会に地元の学識者が入っていないのかという意見もありましたが、地元の学識者といえば、第一人者の三井宜之氏になります。そうなれば、耐震性能分科会は、いやがおうでも意見書で三井氏が指摘されている地中連続壁の効果をつまびらかに検証しなければなりません。地下連続壁の効果は検証できないなどと言えなくなるから、地元学識者は入れられなかったのです。
しかも意見書で、三井宜之氏は、地下連続壁の存在という前提条件を伏せて意見聴取をされたことは、熊本市側に何らかの意図を感じざるを得ないと市への疑問の目を向けられています。
ここまでして、地下連続壁の効果をないものにし、耐震性能が不足すると無理やり理由づけてきた市のやり方、これが市民に理解をされると市長は思っておられますか。お尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 今、議員の方から御質問がございましたけれども、これまでも先ほどから繰り返し申し上げておりますとおり、耐震性能分科会では様々なデータに基づき、そして最新の状態の中で今の建築基準法の様々な取組、やはりこの庁舎が建った時点と現在では建築の技術も大きく変わっているものでございます。
先日の能登半島地震におきましても、最新の技術で建てられた建物というのは、被災を免れていることも伺っております。
一方で、従前の基準によって建てられたものに関しては、やはり大きな被害があって、そしてあれだけの大きなビルが横倒しになることも、普通に考えたらなかなか起こらないだろうと皆さんが思われたのではないかと思います。
我々はできるだけ最新の技術で、一番新しい基準に合わせて、そしてこの特に民間の施設ではなく、防災のときの拠点施設となる市民生活を守る大変重要な施設であるということでありますから、私たちもこれまで何度も地下の調査をし、そしてまた複数のいろいろな専門家の皆さんから、特にこれは地震の専門家、建築の専門家、本当に日本で国の審議会の委員をなさるようなトップの見識をお持ちの方から、客観的・総合的に判断していただいて得られた結果だと思っておりますので、これを尊重し、これからもこの庁舎の建設に当たっては、しっかり市民の皆さんに安心していただいて、そして再建後、憂いがない状態をつくっていき、市民の皆さんにいざ何かあったときも、しっかり市民生活が守れるように全力で取り組んでまいりたい、このように考えております。
ですので、こうした状況をつまびらかに、今までもホームページで公開しておりますし、特別委員会等でも議論させていただいているところでございますので、今後も進め方に応じてしっかり市民の皆様に状況を説明させていただきたい、このように考えているところでございます。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 何と言われても、耐震性能分科会の会議録非公開では市民は確認もできないし、市長の答弁をそのまま理解するわけにはいきません。議事録の公表をかたくなに拒まれるのは、公表すれば耐震性能不足という建て替えの根拠が揺らいでしまうからではありませんか。耐震性能が不足するという建て替え根拠は、もはや破綻していることを率直に指摘いたします。
次に、民間参入のまちづくりで1点お尋ねいたします。
特別委員会で、民間開発のホテル・マンションは、容積率を最高で800%まで緩和できると答弁されました。採算等を考慮すれば、高さはどの程度が見込まれますか、熊本城の眺望を確保する高さ、制限は守られますか。市長にお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 熊本城の眺望を確保する高さ基準につきましては、今後の建設地を選定する過程において検討を行ってまいります。
なお、その際は本市の魅力を向上させ、地域活動や経済活動の活性化を導く地域固有の特性を生かした景観となるよう、熊本市景観計画に沿って進めてまいります。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 あいまいな答弁ですが、高さ制限の規制を緩和するのは、判断は市長です。自ら決めた熊本城の景観、眺望の基準を守る責任をきっぱりと果たしていただきたいと思います。
また、現庁舎敷地にホテルやマンションを建てる民間開発がどういうものか考えなければなりません。
先日、視察した渋谷区役所は、公共用地を70年間無償で不動産業者に貸し付け、区役所隣にタワーマンションを建設、対価として地上15階、地下2階、延べ床面積3万2,000平方メートルの区庁舎並びに2,000席の公会堂をマンション業者が211億円で建設しました。
一方、民間のタワーマンションは505戸で2億円、3億円の物件が多かったとのこと、平均価格2億円を想定しても、販売収入は1,000億円、区役所とマンション建設費を引いても、民間業者は多額の利益を得たのではないかと思われます。しかも、採算を理由に、37階の予定が39階建てへと企業の都合で変更されています。
今、全国の都市開発は、事業費の大部分を補助金と自治体の保留床買取りで賄う自治体頼みで、自治体が公の財産を民間に差し出し、民間デベロッパーが大儲けをしています。こうした住民福祉の向上と相入れない自治体の開発会社化への方向へは、進むべきではないということを今、指摘しておきます。
続けて、財政面で伺います。
1、特別委員会では、市庁舎の面積を基本構想から約8,000平方メートル増やし6万平方メートルに、整備費のイニシャルコストは115億円増えて約470億円と説明されました。
昨年の市民アンケートでは、建て替え賛成の人でもコンパクトにして費用は抑えてほしいとの意見があり、少なくない人が財政負担を心配しています。費用負担の軽減は検討されましたか。
2、1月1日に発生した能登半島地震は未曽有の被害となり、一刻も早い復旧・復興が望まれます。困難極める被災者のために仮設や災害公営住宅の建設、自宅の再建や公共施設、道路、インフラの復旧などへ、土木建設とその関連分野の尽力、資材・機材は最優先で集中すべきです。
そんなときに、熊本地震を立派に耐え抜いた頑丈な庁舎をわざわざ壊し建て替えることは、被災地能登の復旧・復興に逆行しませんか。能登地震の復旧・復興を最優先の立場で、庁舎建て替えはストップすべきではないでしょうか。
3、総事業費が500億円を超えると思われる庁舎建て替えの基本計画、基本設計、実施設計が一括の補正予算対応の見通しです。これだけの大事業の予算は、当初予算に計上すべきではないでしょうか。また、契約手法は一般競争入札になるのでしょか。
以上、市長にお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 財政面についてのお尋ねに順次お答えいたします。
庁舎の概算事業費につきましては、防災拠点としての機能強化や市民交流・情報発信スペースの拡充、職員数増加への対応など、市民はもとより、職員においても効率的で働きやすい環境を整え、求められる機能や期待される役割を十分に果たすために必要な規模を確保し、物価高騰等を勘案した上でイニシャルコストとして算出したものでございます。
今後も、建設地の形態や周辺環境など本庁舎等の要件の確定状況に応じて見直しを行いますほか、市民の皆様の御意見を伺いながら、議会での御議論を踏まえ、よりよい本庁舎の在り方についてさらに検討を深めていくとともに、合併推進債をはじめとした有利な財源の活用を図り、費用負担の軽減に努めてまいります。
次に、能登半島地震の被災地支援につきましては、地震発生直後から関係機関と連携しまして、復旧・復興の段階に応じた支援を継続しておりますが、被災地の災害対応の司令塔たる本庁舎が十分な機能を有し、決してその機能を失わないことの重要性を再認識いたしました。
今後も被災地支援に全庁一丸となって取り組みながらも、いつ、どこで起こるか分からないあらゆる災害に備え、市民の皆様の生命・財産を守るため、スピード感を持って本庁舎の建て替えに取り組んでまいります。
最後に、本庁舎の建て替えは、本市の防災拠点の中枢を担う施設としての重要性や緊急性、また合併推進債の活用による財政負担の軽減等を踏まえますと、スピード感を持って取り組むべきでございまして、その関係予算につきましては、準備が整った段階で速やかに計上させていただきたいと考えております。
なお、議員お尋ねの基本計画、基本設計、実施設計の一括発注に関する事業者選定手法については、今後詳細な検討を進めてまいります。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 国土交通省が全国の自治体に、工事の一時中止も含めて能登半島地震の復旧優先を求める通知を出しています。国の通知は、この熊本市役所でも関係各課へ回されています。こうした通知を知っているとは思えない市長の答弁でした。全国で能登半島地震の復旧・復興を最優先に国を挙げて取り組んでいるとき、それに逆行する庁舎建て替えを急ぐのは、心ない愚かな判断だと思います。
また、本来は限られた場合に、必要最小限で行う補正予算も急ぐあまりの乱用です。市長の尋常でない拙速な進め方は、原資が税金であることを忘れていませんか。500億円もの税金投入は必ずや本市財政に大きく影響し、市民サービスが犠牲になります。市民生活犠牲の大型箱物はやめてください。
市民合意で、1点伺います。
庁舎建て替えの決定的な問題点は、一番大切な市民の意向が聞かれていないことです。市政の主人公は市民です。市政の大事業である庁舎建て替えは、今の時点で市民に賛否を問うべきではないでしょうか。市長にお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 本庁舎等は、あらゆる災害から市民の皆様の生命・財産を守る重要な防災拠点施設であり、発災時においても機能を維持し続ける必要がありますことから、建て替えの方針で進めることとしております。
今後、議会での御議論はもとより、さらに市民の皆様に本庁舎等の建て替えの意義について御理解を深めていただけるよう丁寧な説明を行い、広く御意見をいただきながら合意形成に取り組んでまいります。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 なぜ聞けないのか、意思を確認すれば建て替えができなくなるからではありませんか。市民合意でも庁舎建て替えは破綻していることを指摘します。
耐震性能の不足という建て替え根拠が破綻し、建て替えの是非を市民に問うこともできず、建て替えありきで一足飛びに合併推進債活用期限の2024年末までに、実施設計にこぎ着けようという主権者である市民そっちのけの拙速な進め方は異常です。市民は納得できません。市民の意向を無視した庁舎建て替えはやめるべきです。
最後に、市長の政治資金についてお尋ねいたします。
開催中の国会は裏金国会と言われ、今や政治と金が国政を揺るがす大問題になっています。
市長は市民の代表であり、市の公共事業の発注者です。市民から見て一切の疑念が持たれない存在であるべきです。市長の政治資金管理団体「新世代政経懇話会」の公表されている直近2022年分収支報告書では、収入総額約2,898万円のうち、寄附とパーティー券収入が97%を占めています。寄附に関し、その内訳は個人が約1,414万円、政治団体が240万円です。個人寄附は105人から寄せられ、うち91人、約9割が会社役員で、それぞれの会社は私が確認しただけでも約6割が熊本市の発注実績がありました。
熊本市政治倫理条例第3条、政治倫理規準2項には「政治活動に関し、企業、団体等から、政治的又は道義的批判を受けるおそれのある寄附等を受けないものとし、その後援団体についても同様」と定められています。発注先である会社役員からの政治献金は、事実上受注関係にある企業団体からの献金であり、政治倫理条例に照らし批判を受けると思われませんか。答弁をお願いします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 政治資金規正法は、政治団体を除く会社、労働組合等の団体が政党の支部、または政治資金団体以外の者の政治活動に対して行う寄附を制限しておりまして、個人からの寄附までは制限しているものではございません。
資金管理団体であり、私が代表を務めます新世代政経懇話会への寄附につきましては、全て個人及び政治団体からのものであり、政治資金規正法やその他関係法令にのっとって適正に処理を行っているものと考えております。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 収支報告には、熊本市の受注業者、役員の名前がずらっと並んでいますが、その受注業者役員からの政治献金を受けているということは認識されていますか。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 先ほども申し上げましたとおり、これは全て個人及び政治団体からのものでありまして、政治資金規正法やその他関係法令にのっとって適正に処理されていると考えております。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 個人寄附ということで、受注業者の経営者、役員の名前があることは知っていますか。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 私を応援してくださる個人の皆様方は、様々な職業についておられますので、当然そういった市の関係のある方もいらっしゃるかもしれませんけれども、一つ一つを私が認識しているわけではなく、個人としてそれぞれお付き合いさせていただいている中で、私の政治活動に共感し、そしてまた頑張れということで、応援の気持ちでこうした活動に協力していただいているものと認識しております。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 かもではなくて、分かっているんですよね。きちんと言ってください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 あくまでも私の資金管理団体にいただいている寄附については、個人からのものでございますので、その受注がどうこうということに関して、私は特段の感覚は持っておりません。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 何か国会と同じみたいなんですけれども、それは政治資金収支報告書、もうまさに個人の寄附の欄の個人のお名前、そこに書かれてある御住所というのは、その方の経営しておられる会社の住所が書いてあります。当然市長は知っているはずです。答えられないのかもしれませんが、確認をしてください。それぐらいは私でもできたことなので、できると思います。
予算を議決する議員と違って、直接公共事業の発注権限を持つ市長は、企業等からの政治献金については一層厳しい政治倫理観が必要とされます。だから、私は政治倫理条例を言ったんです。政治資金規正法のことは言っておりません。
市長は、よって立つべき政治倫理基準を決めた本市の条例、これに市長が何と言われようとこの政治倫理条例に抵触するのか、そのことが問われていると私は考えておりますので、確認のほどよろしくお願いいたします。
それから、次に、政治資金パーティーについて伺います。
団体献金の抜け道といわれる政治資金パーティー、これにつきましては、市長はまず政治倫理条例でも「その地位を利用して金品を授受しないこと」と定められておりますので、この受注業者も参加をされていると思われるパーティー券収入で政治資金調達が行われていること、これは個人寄附と全く同じような状態で行われていることを確認しております。これについてどう思われるのか。
そして2つ目には、政治資金パーティーが企業・団体との癒着にとどまらずに、裏金づくりの温床となり得る面がある。この点では、国会でも大問題の政治資金パーティーをおやめになる考えはないか。2点お尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 新世代政経懇話会が開催いたします春の集いと大西一史政経フォーラムにつきましては、いずれも政治資金規正法の規定に基づく政治資金パーティーでありまして、適法なものであると承知しております。
これらの政治資金パーティーの収入は、その対価にかかる収入でございまして、寄附等ではないことから、熊本市政治倫理条例に規定します政治倫理基準には反しないものと考えております。
また、先ほど述べましたとおり、政治団体によります政治資金パーティーの開催は、政治資金規正法に規定されております。この規定に基づき開催しております新世代政経懇話会の政治資金パーティーは、適法なものと認識しておりまして、今後も交流する等の中で中止することは考えておりません。
○田中敦朗 議長 質問時間を超えましたので、これをもちまして質問を終了したいと思います。
────────────────────────────
○田中敦朗 議長 この際、議事の都合により休憩いたします。
午後2時に再開いたします。
午後 0時10分 休憩
───────────
午後 1時59分 再開
○田中敦朗 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
────────────────────────────
○田中敦朗 議長 一般質問を続行いたします。
菊地渚沙議員の発言を許します。菊地渚沙議員。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇 拍手〕
◆菊地渚沙 議員 参政党の菊地渚沙です。
昨年9月の質問から半年明け、2回目の一般質問になります。前回は子供の教育やオーガニック給食について取り上げさせていただきましたが、今回も引き続き子供に関する質問のほか、新型コロナウイルス感染症対策の検証、まちづくりについて質問させていただきます。一般質問の機会をいただきましたことを、議員の皆様に心から感謝申し上げます。ありがとうございます。
それでは、早速通告に従って質問に移ります。
1、新型コロナウイルス感染症対策の検証について。
(1)急激な人口減少の要因と分析、(2)救急搬送件数増加の要因と傾向、2点まとめて質問させていただきます。
現在、全国的に死亡者が急増しており、2023年の国内の死亡者は約159万人、出生数を引いた自然減は約83万人と、たった1年で熊本市が消滅する勢いで人が亡くなっております。
本市においても、その傾向が見られるか調べましたところ、2018年は6,924人、2019年7,297人、2020年7,090人、2021年7,406人、2022年8,238人でした。2022年は前年比111%、832人増えており、本市の死亡者も急増していることが分かりました。さらに、昨年、2023年は2022年を上回るペースで亡くなる方が増え、昨年1月は946人死亡しており、前年同月比で124%となっております。
死因を調べて見ますと、2022年はコロナ感染症による死亡が前年比467%、231人増、神経系疾患の死亡者は前年比約116%、54人増えております。循環器系疾患の死亡者は前年比110%、167人増です。市民の代表として急激な死亡者の増加は見過ごすことができません。
ここで、質問です。
本市の死亡者が急激に増えている原因について、今後さらに詳細な分析を進める必要があると考えますが、健康福祉局長のお考えをお聞かせください。
もう一点、救急出場件数についても調べましたところ、2023年の速報値で4万5,926件となっており、これは過去最大の数字です。内訳を見ますと、一般負傷の数が急増しております。一般負傷の数が増えている要因と傾向について、消防局長にお尋ねします。
〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕
◎津田善幸 健康福祉局長 私からは、死亡者数の急激な増加の要因とその分析についてのお尋ねにお答えいたします。
議員御指摘のとおり、本市の死亡者は人口動態統計において、直近の令和4年は前年比832人増と顕著な死亡者数の増加となっております。死因別では新型コロナウイルス感染症が顕著であり、また、循環器系疾患や老衰など、いずれの疾患にも分類されないものも増加しております。
全国的に見ましても、死亡者数の増加は同様の傾向でありますが、国においてもその要因分析は明らかにされておりません。本市におきましても、現状ではこれ以上の要因分析は困難と考えておりますが、顕著な死亡者数の増加は深刻な問題であるため、今後の国や関係機関等による要因分析等の動向や経年的な推移を注視してまいります。
〔福田和幸消防局長 登壇〕
◎福田和幸 消防局長 私からは、救急搬送件数増加の要因と傾向に関する御質問にお答えいたします。
議員御指摘のとおり、一般負傷による救急搬送人員につきましては、令和5年の速報値で6,878人と対前年比で約12%の増加となっております。
増加の要因といたしましては、道路や多数の人が集まる場所での転倒、転落などが増加しており、新型コロナウイルス感染症対策での行動制限が緩和され、外出する機会が多くなったことが影響していると考えられるところでございます。
また、65歳以上の方の搬送割合が年々増加している傾向でありますことから、高齢者に対する転倒・転落防止対策及び救急車の適正利用につきまして広報を推進してまいります。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇〕
◆菊地渚沙 議員 死亡者の増加について深刻な問題であると認識しておられるとのことでしたが、今後も注視していただきますようお願い申し上げます。
ウイルスというものは、宿主に寄生することでしか増殖できない特性を持っており、変異を繰り返すたび感染力は強くなる一方で、基本的には弱毒化していく性質を持っています。ウイルスが弱毒化しているにもかかわらず、新型コロナウイルス感染によって死亡者が急増している要因の一つとして、ワクチンの頻回接種によって、私たちの体にもともと備わっている免疫機能に何らかの異常を来している可能性があるということを指摘しておきます。
どういうことかと申しますと、私たちの体には病原菌などに反応する抗体があり、血液中に最も多く含まれるのがIgG抗体というものです。IgG1からIgG4までそのタイプは4種類あります。血液中に存在する量は番号順にIgG1が最も多く、IgG4は一番数が少ないはずなのですが、mRNAワクチンを打ちますと、抗体の種類がIgG4に変わること、特に2回目の接種以降、IgG4抗体の数値が上がることが分かっています。
通常ウイルスを攻撃するIgG1やIgG3などの抗体がつけば熱や炎症が起きますが、mRNAワクチンによってウイルスの抗原を寛容するIgG4抗体が増えますと、1回目や2回目のワクチン接種後に起きていた炎症が起きづらくなることが分かっております。IgG4が増えている状態では、免疫系の機能が不全となっている状態と等しく、自己免疫疾患を誘発し、炎症や皮膚炎にかかりやすくなります。4回目の接種以降では、発熱などの副反応の発生が少なくなることも、帯状疱疹やがんになることもIgG4抗体の数値が上がることが深く関係しております。
これらの結果は、アメリカのクリーブランドクリニックで行われた研究で示されており、mRNAワクチンは免疫抑制することが分かっており、免疫を抑えていたことによってこれから先多くのがん患者が増える可能性があります。
クリーブランドクリニックとは、アメリカで最も大規模で敬意を持たれている医療機関の一つとされており、心臓科が全米病院ランキング10年連続で第1位にも輝いている、従業員の数も2万7,000人に上る、世界90か国から患者の訪問がある非営利医療機関です。ワクチンを接種しても自分は何ともなかったとおっしゃる方もいると思いますが、ロットによって死亡者が多いロットがあることも分かってきており、何も起きないロットもあるようです。まるでロシアンルーレットのようです。
また、がんウイルスで非常に重要な働きをしているSV40プロモーターというがんウイルス遺伝子の一部が、ワクチンの中に組み込まれているという衝撃的な論文も出てきております。私は全てのワクチンを否定するつもりはございませんが、今回のmRNAワクチンに関しては、デメリットがメリットを大きく上回っているのではないかと思っています。
また、65歳以上の方の搬送割合が年々増加している傾向につきましても、長引く自粛生活によって筋力が低下し、転倒や骨折する人が増えている可能性が考えられます。コロナ禍では感染防止のため病院や介護施設で面会制限がありましたが、家族とも会えず、今までできていた野外レクリエーションもできず、行動が制限され心身共に受けた影響は計り知れません。
高齢者が1日室内にいては、足腰が弱るのは当然のことです。このように過度な感染対策から引き起こされる事象について、今後公衆衛生の在り方を議論される際は、十分に考慮していただきますようよろしくお願いいたします。
長くなりましたが、次の質問に移ります。
(3)mRNAワクチンの中長期的な影響について質問いたします。
昨年5月から、新型コロナウイルス感染症の分類が2類相当から5類に移行し、収束の兆しが見えているところではございますが、国民の血税100兆円を投じて行われてきた感染対策の結果と検証について、国はまだ総括できていない状況です。もし次のパンデミックが起きたときこれまでと同じ対策でいいのか、政令市としても検証し、国に対して報告する必要があると考えます。
ワクチンの安全性について疑問を持つ医師や研究者が設立した一般社団法人ワクチン問題研究会が、今年1月に厚生労働省で開いた記者会見で、接種後の健康被害に関する報告論文が世界中で3,000本以上発表されており、mRNAワクチン接種後に免疫、血液、神経など全身に症状が現れていることを指摘しています。
また、2023年9月の武見厚生労働大臣の会見では、新型コロナウイルスや高齢化では説明できない死亡数の大幅な増加が起きている件についてどのように考えているかという記者からの質問に対し、国民の死亡数増加の実態把握をするために、地方自治体とも連携しながら実態把握を行い、それによる今後の対応策をしっかり固めていきたいと発言しております。
ここで、市長にお尋ねします。
人の命に関わる重要な問題です。熊本市としましても、ワクチンの中長期的な影響について死者数、死因、急激に増えた症例など積極的に調査し、今後のよりよい感染対策のためにも国へ報告していただきたいと考えますが、市長のお考えを聞かせください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 新型コロナワクチンの成分でありますメッセンジャーRNAは、接種後数日以内に分解され、接種後につくられるスパイクたんぱくも接種後2週間でなくなると言われており、ワクチンの性質上、接種後1年間以上たってからの副反応は想定されておりません。
しかしながら、新しいタイプのワクチンでありますため、国が実施いたします中長期の副反応に関する実態調査が行われる際には、本市としても積極的に協力してまいりたいと考えております。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇〕
◆菊地渚沙 議員 今後、実態調査が行われる際は、積極的に協力していただくとの心強い御答弁をありがとうございました。
国からの要請を待っている間に、犠牲者はしかしながら増え続けるばかりです。全国市長会や九州市長会で政令市のファーストペンギンになっていただき、問題提起してくださいますようお願い申し上げます。
一般社団法人ワクチン問題研究会は、ワクチンが体内でつくり出すスパイクたんぱくそのものが人体に有害であることを疑っており、それを証明するため病原部位のスパイクたんぱくがワクチン由来なのか、ウイルス由来なのか、検査法の確立の研究を進めております。今後も国内外の動向についても注視していただければと思います。
続いての質問です。
(4)今後の感染症対策と市民への影響にについて。
自己増殖型レプリコンワクチンの特徴とリスク、パンデミック条約の締結と国際保健規則の改正に伴う市民への影響、地方自治法改正に伴う市民への影響、まとめて質問いたします。
昨年11月、政府は、mRNAワクチンに改良を加えたレプリコンワクチンを薬事承認しました。このワクチンは国産ですが、アメリカのバイオ企業が開発した技術が使用されています。レプリコンとは自己増殖という意味で、投与後に体内で成分が増えることから、少ない摂取量でワクチンの効果が持続することが期待される一方で、いつまで増殖し続けるのか、体内で合成された物質が拡散し、周囲に影響しないのかなど市民からは不安の声が上がっています。
政府は、今年5月に行われるWHO総会に向けて、パンデミック条約の締結と国際保健規則の改定の交渉中ですが、保健衛生施策が一国連機関に委ねられることでロックダウンやワクチンが強制されるのではないか、また、地方自治法改正に伴い、次に新たなパンデミックが宣言されたときに、ワクチンが強制されるのではないかと市民の間で不安が広がっています。
ここで、市長にお尋ねします。
国と地方は対等の関係です。政府がコロナ対策の総括ができていない中、人の体に直接投与するワクチンの強制は避けなければいけないと考えます。市民の選択の自由をどう守っていくのでしょうか。レプリコンワクチンの特徴とリスク、地方自治法改正について市が把握している情報と併せてお答えください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 レプリコンワクチンは、接種後にメッセンジャーRNAが細胞内で複製され、持続的に抗原たんぱくがつくられるワクチンで、少ない摂取量で効果が長く持続すると言われております。
国内外の臨床試験において、一定の発症予防効果や中和抗体価の上昇が確認されたこと、また、有害事象の種類や発現割合等に現在使用しております他社ワクチンと比べて明確な差は認められず、安全性は許容可能と判断できたことから、令和5年11月に薬事承認されたものと伺っております。
地方自治法の改正案では、大規模な災害、感染症の蔓延等の事態における特例として、他法令の規定により指示ができる場合を除き、国は地方公共団体に対し必要な指示ができることとされており、予防接種については、令和4年に改正されました予防接種法第6条第3項に基づき、厚生労働大臣の指示により市町村長が実施することとなります。
あくまでも接種が強制されるものではなく、本市としては今後とも正確な情報提供に努めてまいります。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇〕
◆菊地渚沙 議員 御答弁ありがとうございます。
今回の新しいワクチンに関して、開発元のアメリカではなく日本人に投与されるということが、私はまるで日本人が人体実験されているように感じざるを得ません。市長の御答弁では、あくまでも接種は強制されるものではないという認識を確認できて安心いたしましたが、自己増殖型という新しいタイプの遺伝子ワクチンですので、今後も政府の動向に注視していただくと同時に、市民に正確な情報が伝わるように周知の方法にも今よりさらに工夫していただきたいと思います。
(5)新型コロナワクチンの後遺症の支援について質問に移ります。
思いやりワクチンと言われ、国民の8割以上が接種したmRNAワクチンですが、残念なことに追加接種した人の割合が先進国で最も高い我が国が、コロナ感染率、コロナ死亡率が最も高いという結果が出ています。さらに、新型コロナワクチン接種後に体調不良が続き、後遺症で苦しまれる方、お亡くなりになる方、家族をなくされる方が現在増えています。
厚生労働省の発表によりますと、今年2月19日時点の新型コロナワクチン接種による予防接種健康被害救済制度の受理数は、全国の累計1万273件、認定は6,276件、未審査は2,801件となっております。うち死亡一時金または葬祭料に係る認定件数は463件です。
熊本市のデータを見ますと、2月18日時点の予防接種健康被害救済制度の申請件数は55件、認定は29件、うち死亡認定は2件となっております。救済制度の申請には費用と労力がかかりますので、これらは氷山の一角に過ぎないのではと私は考えます。
昨年、市内で開催された新型コロナワクチンのシンポジウムに行った際に、ワクチン接種後に体調不良が続いたが、治療にたどりつけず苦しんでこられた方のお話を聞きました。その方は、治療を受けられる病院を見つけるまで何件も病院を回られたそうです。打つ前までは健康体だったのに、日常生活や仕事に支障が出た方も会場にいらっしゃいました。
ここで、健康福祉局長にお尋ねします。
新型コロナワクチン接種後の長引く体調不良で、つらい思いをされている方への寄り添った支援が必要と考えます。後遺症に悩む患者に対して治療を行っている医療機関の情報提供は行っているのでしょうか。また、どのような方法で情報提供しているのでしょうか。
〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕
◎津田善幸 健康福祉局長 新型コロナウイルス感染症の罹患後症状につきましては、新型コロナウイルス感染症の健康相談専用ダイヤルや保健所において相談を受け付け、状況を聞き取りながら丁寧な対応に努めております。診療可能な医療機関につきましても、昨年、県と合同で医師会を通じ各医療機関へ調査を行った上で、県のホームページにおいてその一覧を掲載しております。
また、新型コロナワクチン接種後に生じる副反応に関する相談につきましては、かかりつけ医のほか、県の専門的相談窓口、本市コールセンターで受け付けております。かかりつけ医がない場合などは、当該コールセンターで医療機関を御案内しております。このことにつきましては、各種広報媒体を活用し、周知しているところです。
今後も、体調不良でつらい思いをされている方が安心して医療を受けることができるよう、県や医師会と連携し、対応可能な医療機関の情報提供を行うとともに、相談窓口での丁寧な対応を続けてまいります。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇〕
◆菊地渚沙 議員 救済制度では、亡くなられた方には死亡一時金や埋葬料、障がいが認められた場合に障害年金などが給付されますが、多くの方は医療費のみの給付となります。法定受託事務とはいえ、実際に接種の窓口となったのは地方自治体です。一部の自治体では、救済制度を申請した際に数万円程度見舞金を給付しているところもあるようです。体調不良の中、申請に必要な書類を集めるのにも大きな負担がかかりますので、少しでも負担を軽減できるような支援の御検討もお願いいたします。
続いて、少子化対策について質問に移ります。
(1)少子化がもたらす影響と出生率向上の取組について質問させていただきます。
本市の最新の統計によりますと、2022年の合計特殊出生率は1.43、出生数は5,792人、人口1,000人当たりの出生率は7.8%、死亡率11.2%、自然増加率はマイナス3.3%と過去最低の数字となっています。一刻も早い少子化対策が必要であることが分かります。
政府は、現在人口減少を補うために海外からの移民受入れに力を入れておりますが、厚生労働省発表の外国人雇用状況によりますと、2023年10月時点の外国人労働者数は前年比12.4%増の204万8,675人となっており、在留外国人の数は322万人を超えています。
移民を受け入れることで人手不足の解消、海外進出の足がかりとなる利点がある一方で、外国人労働者は安価な労働力の対象とされやすいこと、文化や生活習慣の違いからコミュニケーションが取りづらいといった課題もございます。
また、アメリカや欧州各国では、大量の移民の影響で民族構成が大きく変わり、スウェーデンでは今後30年以内にスウェーデン民族が少数派になるという予測が出ております。
我が国も、先人たちがこれまで培ってきた日本人の精神性や伝統文化を守っていけるのか、私は心配しています。国や自治体は移民に頼る前に、国内の出生率を上げていく努力をしなければいけないと思います。
ここで、質問です。
1点目、今後ますます少子化が進むとどういった影響が出るのか、本市の人口の未来予測と少子化が進むことで市民生活にどのような影響が出てくるのか、政策局長にお尋ねいたします。
2点目、一刻も早い少子化対策が急がれますが、本市の出生率を上げるための取組と目標値についてこども局長にお尋ねいたします。
〔田中俊実政策局長 登壇〕
◎田中俊実 政策局長 私からは、少子化がもたらす影響についてお答えします。
本市では、現在改定を行っている人口ビジョンにおいて、合計特殊出生率が2022年実績の1.43のまま推移した場合や、市民希望出生率が1.9まで改善するとした場合など、4つのパターンで人口の将来推計を行っております。
将来推計では、いずれのパターンにおいても今後人口減少が続く見通しであり、また、人口構成の面においても、65歳未満の年少人口・生産年齢人口は共に減少を続ける一方で、65歳以上の老年人口は増加を続ける見通しであります。
〔議長退席、副議長着席〕
また、少子化が進むことによる人口減少や人口構成の変化により、労働力不足や経済活動の停滞、社会保障費の増大、さらには世帯形態や教育環境の変化、地域コミュニティの活動の衰退等の影響が懸念されます。
本市としましては、人口減少の抑制に加え、女性や高齢者など多様な主体の社会参画やデジタルトランスフォーメーションの推進など、人口減少への適応という2つの視点で次期総合計画の策定を進めており、今後もこの総合計画に掲げる目指すまちの姿の実現に向けて着実に取り組んでまいります。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕
◎木櫛謙治 こども局長 出生率向上の取組と目標値についてお答えいたします。
結婚、出産に対する価値観の変化、経済的負担、子育て環境、雇用への不安などを背景として、未婚化、晩婚化など複雑な要因により少子化が進行しております。
このため、結婚・妊娠・出産などの希望をかなえ、子供の健やかな成長と安心して子供を産み育てることができる環境整備をさらに進めることが必要でございまして、このことが出生率の改善にもつながるものと考えております。
そこで、結婚支援センターの開設や産後ケアの拡充など、結婚・妊娠・出産から子育てまでの切れ目のない支援や民生委員・児童委員との連携強化など、地域における子育て支援の充実に取り組むこととしております。
目標値につきましては、第8次総合計画では、人口減少の抑制の視点から出生数の維持を目指し、最終年度となる令和13年度の合計特殊出生率を1.55としております。
今後も市民の皆様の御意見を伺いながらニーズを的確に把握し、こども・子育て施策をより一層充実させてまいります。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇〕
◆菊地渚沙 議員 子供を産み育てやすい切れ目ない支援と同時に、所得を上げるための経済活性化が急がれます。しかし、経済の回復を待っていては、遅過ぎるということを指摘させていただきます。
民族を絶やさないという視点からも、本市としても、こども・子育て施策の拡充と併せて、子供を持ちたいと思っている世代の経済的支援もぜひお願いいたします。
続いての質問です。
0、1、2歳の保育料無償化について質問させていただきます。
妊娠、出産の適齢期は25~35歳頃までと言われており、本市の25~35歳の女性は人口の約5%、4万1,881人です。この時期の女性に出産していただかないと、少子化は止まりません。私も適齢期を過ぎておりますが、適齢期を過ぎた妊娠、出産には母子共に様々なリスクがあるため、若い世代にアプローチできる経済対策が急がれます。
現役世代は給料が上がらず、物価高騰や税の負担が家庭に大きくのしかかり、手元に残る可処分所得が減少しています。経済的な理由からなかなか結婚に踏み切れない若い世代や、2人目、3人目を考えている家庭への後押しとなる経済的な支援が必要だと考えます。
核家族、共働きが増えたことによって子供を預けて働く家庭が増えておりますが、本市では、2019年10月に国策の幼児教育・保育の無償化に伴いまして、幼稚園、保育所、認定こども園など利用する3歳以上の子供が保育料無償となりました。0、1、2歳児の保育料につきましては、住民税非課税世帯の子供を対象に無償化されています。0、1、2歳の保育料の無償化対象外の世帯では、収入にもよりますが、毎月の負担は3万5,000円~5万5,000円ほどになります。
そこで、こども局長にお尋ねします。
0、1、2歳の保育料無償化は、経済的負担を減らし、結婚、出産の後押しになると考えますが、今後取り組む予定はあるのでしょうか。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕
◎木櫛謙治 こども局長 保育料に関する質問にお答えいたします。
無償化の対象外である0~2歳までの保育料につきましては、国の基準では、兄弟のうち就学前の範囲内に2人以上いる場合に、2人目は半額、3人目以降は無料となります。
これに加え、本市は独自の上乗せ基準を設けておりまして、現在、同一世帯の第1子が18歳に達するまで第3子以降を無料にするなど、子育て世帯の経済的負担の軽減に取り組んでおります。
0歳~2歳までの保育料の無償化につきましては、財源の確保が重要な課題であり、また、各自治体がそれぞれ制度設計をすることは、助成内容に差異が生じることになります。
このため、保育料の負担軽減等につきましては、国による財政措置と統一的な拡充について指定都市市長会から要請をしておりまして、今後も引き続き国に働きかけてまいります。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇〕
◆菊地渚沙 議員 0~2歳までの保育料完全無償化を実現するためには、国の財政措置が必要であることがよく分かりました。今後とも政令指定都市市長会への働きかけの継続をお願いいたします。
少子化対策で成功している兵庫県明石市では、国がやらないから世界のスタンダードを明石市からやると前市長が声を上げ、市の事業を徹底的に見直して財源をつくり、第2子以降の保育料の完全無償化、中学校の給食の無償化など、様々な子育て支援施策を投じて成功しております。
子供に本気でお金をかけると出生率が上がり、ファミリー層が増え、新たな消費行動につながり、まちににぎわいが生まれ、結果、明石市では税収が上がっているとのことです。
子供にお金をかけることで、巡り巡ってまちの発展に寄与することが実証されています。本市は独自の上乗せ基準を設けているとのことですので、ぜひ今後PRの強化をお願いいたします。
3番、子育て支援について質問いたします。
(1)こども計画策定に向けた意見聴取の方法について。
昨年4月、こども施策を社会全体で総合的かつ強力に推進していくための包括的な基本法としてこども基本法が施行され、本市でもこども計画が策定される予定です。
こども計画とは、こども政策の総合的な推進と市民にとっての分かりやすさの向上、計画策定の事務効率化のため、子供に関する各法律に位置づけられている4つの個別計画を一体化した計画のことです。策定に当たりまして、子供や若者、子育て当事者の意見を十分に反映させた計画となるよう定めています。
そこで、こども局長にお尋ねします。
本市では、こども計画策定に当たり、子供たちへアンケート調査を行うと聞いておりますが、記述式のアンケート以外にも、グループワークやワークショップといった対話形式で子供たちから意見聴取をする機会をつくる予定はあるのか教えてください。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕
◎木櫛謙治 こども局長 こども計画策定に向けた意見聴取の方法についてお答えいたします。
子供や若者、子育て当事者の御意見を伺い、施策に反映させていくことは大変重要でございまして、本市のこども計画の策定に当たりましては、アンケート調査等に加え、当事者の皆様から直接ご意見を聴取してまいりたいと考えております。
具体的には、市長とドンドン語ろう!~こども・子育て版~の開催をはじめ、イベント等での出張ヒアリングやワークショップの開催などを予定しておりまして、国において策定中のガイドラインを参考にしながら、多様な意見聴取の機会を設けてまいりたいと考えております。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇〕
◆菊地渚沙 議員 多様な意見を聴取し、当事者の声を反映していただきますようお願い申し上げます。
本計画の主役である子供たちが主体的に関わることで、自分たちが住むまちのルールづくりに関わっている実感を持つことができ、自分たちの住むまちに対する愛着形成や主権者教育にもつながることと思います。地域の特性ごとに子供たちの学びや遊ぶ環境が異なりますので、できるだけ多くの学校を回っていただき、多様な意見の反映をお願いいたします。
続きまして、川崎市子ども夢パークの取組について質問いたします。
子供にとっての遊びとは、その先の人生で重要となる自発性や表現力、コミュニケーション能力を身につけられる貴重な学びの機会です。
熊本市にある子供の遊び場には、動植物園、江津湖の水遊び場、立田山のアスレチック、運動公園、こども文化公園、子育て総合支援センター、そのほかにも地域の公園、学校の校庭などがあります。
先日、神奈川県川崎市まで子供の遊び場、川崎市子ども夢パークを視察してまいりました。夢パークは川崎市子どもの権利に関する条例の理念を基に、子供が自分の責任で自由に遊び、学び、つくり続けていく子供の居場所、活動拠点となる施設で、2003年7月に建てられました。
自分の責任で自由に遊び、土や水、火や木材などの自然素材や工具を使い、子供たちの遊び心によって自由に作り変えられるプレイパークやサイクリングロード、全天候型スポーツ広場、音楽スタジオ、ログハウスのほか、室内にはただごろごろとできる「ごろり」と名づけられた図書室を兼ねた部屋もあります。家でごろごろとしていると怒られるから、子供たちの希望で実現されたそうです。危ないから駄目ではなく、大人は見守りに徹し、子供たちのやりたいを尊重した夢のような施設が川崎市子ども夢パークです。
思えば、私が小さい頃は子供だけで自由に遊べるような場所がたくさんありましたし、ここにいらっしゃる議員の皆様が子供の頃はそういった場所ももっとあったのではないでしょうか。
しかしながら、現代の子供たちは親と一緒ではないと行けないところや、ボール遊びをしていても気を遣ったり、一昔前より目に見えない制限が多くなりました。私は子供たちの心の成長のため、夢パークのような創造性や知的好奇心を満たすような居場所が必要と考えています。
ここで、こども局長にお尋ねいたします。
本市のこども計画の中に、川崎市子ども夢パークのような子供たちの居場所づくりについて検討される予定はあるのでしょうか。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕
◎木櫛謙治 こども局長 子供の居場所づくりについてお答えいたします。
まず、こども計画は、こども施策を総合的に推進するための基本的な方針、重要事項等を定め、こども施策の方向性を具体化、体系化し、整理していく予定でございまして、子供の健やかな成長の原点である遊びの重要性も踏まえる必要があると考えております。
そこで、子供の遊び場も含め、子供の居場所につきましては、来年度地方自治研究機構と共同研究に取り組む予定でございます。
また、こども計画を策定していく中で、子供、若者、子育て当事者の御意見も踏まえながら、子供たちが自由に伸び伸びと遊べる環境づくりのための効果的な手段について研究してまいります。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇〕
◆菊地渚沙 議員 御答弁ありがとうございます。
不登校の子供は全国で約30万人、若者の死因で一番多いのが自死です。ストレスの多い社会の中で、ありのままの自分に帰れる居場所が今の子供たちには必要です。子供の健やかな成長の原点である遊びの重要性を踏まえまして、子供たちが本来持っている創造力や知的好奇心を満たす居場所について、こども計画の策定に合わせて本市でも取り組んでいただきたいと思います。
続いて、まちづくりについて。
午前中の質問と一部重複するところがございますが、少し切り口を変えた質問になっておりますので、御容赦ください。
本市の一大事業であります本庁舎建て替えですが、新庁舎の設計や建設費、現庁舎の解体に係る概算の事業費は、2019年の段階では355億円の想定でしたが、物価高騰の影響などで115億円増額の470億円の想定となっております。
昨年、取られた熊本市庁舎等に関する市民アンケートの結果では、自由記述欄1,702件のうち、建て替えに肯定的な意見が504件、建て替えは不要とする意見が384件でした。現庁舎が耐震基準に満たないという理由から、建て替え前提でアンケート調査されたかと思いますが、自由記述で賛否が分かれた意見を多くいただいていることから、初めからストレートに賛否が回答できるようにしておけばよかったのではないでしょうか。全員は納得することはできなくても、市民に愛される施設となるように、市民の不安や心配の声にも耳を傾け、今後は市民の合意形成と丁寧な説明、そして市民の意見の反映が必要だと考えます。
特別委員会で議論が重ねられている最中ではございますが、合併推進債の期限も迫っていることから急ぐが、あまり市民を置き去りになっていないか、市民のための施設であるという最も大切なことが抜け落ちていないか心配になったので、ここで質問します。
政策局長にお尋ねします。
市民アンケート自由記述欄の不要、慎重派の市民の声をどう受け止めているでしょうか。市民の不安をどのように解消し、どのように民意を反映していくのでしょうか。
〔田中俊実政策局長 登壇〕
◎田中俊実 政策局長 あらゆる災害から市民の生命、財産を守る重要な防災拠点である本庁舎等については、本庁舎等整備の在り方に関する有識者会議からの建て替えるべきとの答申を重く受け止め、建て替えの方針で検討を進めております。
議員御指摘の市民アンケートは、その方針を前提に市民の皆様から本庁舎等に求める機能等をお尋ねする目的で実施したものであります。
その中で、建て替えは不要、または慎重に検討すべきとされた要因については、本庁舎の耐震性能調査の結果に対する疑問や建て替えによる財政への影響についての御不安をお持ちであることなどが考えられます。
このようなことから、建て替えに当たっては、スピード感を意識しながらも、市議会はもとより、市民の皆様に十分御理解をいただくことができますよう積極的な情報提供と分かりやすく丁寧な説明に努めるとともに、広く御意見を伺いながら進めていくことが大変重要であると考えております。
今後、策定する基本構想はもとより、令和7年度以降の複数年に及ぶ基本計画、基本設計、実施設計のそれぞれの段階において、市民の皆様からいただいた御意見を踏まえ、合意形成を図りながらよりよい庁舎の建設に向けて取り組んでまいります。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇〕
◆菊地渚沙 議員 御答弁ありがとうございます。
市民の意見の反映という言葉は聞けず、非常に残念な気持ちでいっぱいになりました。
続いての質問に移ります。
熊本市公式LINEの情報整理についてお伺いいたします。
皆さん御存じのとおり、熊本市にはイベント、子育て、健康、仕事などの生活に密着した情報の中から、必要な情報をタイムリーに届ける公式LINEアカウントがございます。登録者は18万5,000人を超え、様々な機能がございますが、昨年9月より新機能として災害情報も受信できるようになりました。
しかし、情報量が多くなるとともに、知りたい情報にたどり着きづらくなっているのが現状です。登録した項目の数にもよりますが、複数登録した場合、1日に数十件配信がある日もございます。
そこで、政策局長にお尋ねします。
公式LINEの登録項目を増やすと、情報が煩雑になり結局全部読めないといった状況が起こり得ます。たどり着きたい情報にたどり着けなくなっている現状を改善するため、目的別の整理、イベント情報については、カレンダー機能を設けるなど利便性を高める改善をする予定はございますでしょうか。また、公式ホームページのイベントと連動する予定はありますでしょうか。
〔田中俊実政策局長 登壇〕
◎田中俊実 政策局長 熊本市公式LINEの利用に当たっては、イベント、子育て、健康、仕事、スポーツなどの11項目から配信希望の項目を登録していただき、御希望の情報を発信しているところですが、複数の項目を登録されますと、受信件数が増えることから多くの文字情報を御確認いただくことになります。
そのため、文字によるメッセージをできる限りコンパクトにまとめ、詳しい情報は市の公式ホームページ等のリンク先へ画像で導くなど、分かりやすい情報発信に取り組んでいるところでございます。
議員御提案の目的別の分類等につきましては、LINEアプリ自体に機能がないため設定はできませんが、市のホームページとの連動によるイベントスケジュールの配信など、利用される皆様が分かりやすく、利用しやすい情報発信に取り組んでまいります。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇〕
◆菊地渚沙 議員 前向きな御答弁ありがとうございます。
民間団体のお力添えもあり、本市では日々様々なイベントが開催されております。イベント開催に当たり、主催者側には人手や予算など多くの労力がかかっております。できるだけ多くの市民の方に参加していただくためにも、たどり着きたい情報が見つけやすくなるように改善をお願いいたします。
最後の質問です。
市民アンケートの質問項目についての質問です。
市民アンケートは、本市が掲げる計画に沿って検証指標の実績値を把握するため、毎年実施しているものです。アンケートは、サービスを受ける市民の満足度や市民が考える課題の明確化において有効な手段ではございますが、改めて市民アンケートの質問項目を見てみますと、計画に掲げる検証指標の実績値の把握を目的とするがあまり、市民が行政サービスの評価として回答しづらい設問が多いと感じます。
具体的には、第7次総合計画の市民アンケート、問13では、「あなたは、熊本市が安全で安心して暮らせるまちだと感じますか」との問いに対し、5段階で評価します。何に対し安心・安全なのか、目的語がないため、人によっては防犯面なのか、交通面なのか、まちのイメージなのかそれぞれ異なり、アンケート本来の目的が果たしにくくなっているのではないでしょうか。
同じような質問で、他都市の例を挙げますと、兵庫県明石市では「お住まいの地域の生活環境について、どう感じていますか」との問いに対し、9個の小項目が設けられ、「日常の買い物が便利である」「電車やバス、道路など交通の利便性が高い」「病院など医療施設が充実している」「学校の教育環境が良い」「子育て環境が良い」「緑や海、公園など自然が豊かである」「まちのイメージが良い」「会社や工場など働く場所が多い」「治安が良い」の項目に対し、5段階で評価します。
子育てに関しましても、明石市では「理想の子どもの数は何人ですか」「理想の子どもの数が、結果的に持てないことがあるとしたら、その原因は何である可能性が高いですか」「明石市で子育てをして、良かったと思いますか」「市立学校における学習指導に対して満足していますか」といった少子化対策に直結するような具体的な質問があるのに対し、熊本市のアンケートでは「あなたは、熊本市に住む子どもたちが健やかに成長していると感じますか」「あなたは、熊本市に住む子どもの権利が守られていると感じますか」「子育てが楽しいと感じるか」といった子育てのしやすさ、公立学校の学習指導に対する満足度などの質問はなく、少子化対策の具体的な指標になるものも見当たりません。
住みたいまち、ずっと住み続けたいと思えるまちに近づくためには、市民の満足度を上げることが重要です。そのためには、まちの通信簿といえる市民アンケートは重要な評価軸となります。
そこで、政策局長にお尋ねします。
市民アンケートの質問内容に関して、計画に掲げる検査指標の実績値の把握を目的とするがあまり、市民が行政サービスの評価として回答しづらいものが多いと感じます。市民が行政サービスの取組に対し、評価しやすくするために質問項目の改善が必要と感じますが、市民アンケートの見直しの計画などされる予定はありますか。
〔田中俊実政策局長 登壇〕
◎田中俊実 政策局長 市民アンケート調査は、市民の皆様の行政に対する御意見や様々な課題を把握し、施策に反映していく上で有効な手段であると認識しております。
熊本市第7次総合計画の市民アンケートにおいては、市政運営における各分野の政策や施策の進捗把握、総括的な意識調査を目的に項目等を設定しております。
一方で、議員御案内の市民の御意見や課題等を丁寧に把握し、具体的な事業へと反映する目的で実施するアンケートにつきましては、各事業担当部局が主体となって実施しているところであります。
このように、それぞれの目的や性質に応じて設問や選択肢などを設定しているところでありまして、議員御紹介の事例等も参考にしながら、より市民の皆様の御意見を把握できるようなアンケートの実施に努めてまいります。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇〕
◆菊地渚沙 議員 御答弁ありがとうございます。
具体的な事業へと反映する目的で実施するアンケートにつきましては、各事業担当部局が主体となって実施しているとの御答弁でしたが、市民が暮らしの中で何に問題意識を思っているのか、どんなところがまちの魅力だと思っているのかなど、昨年4月に政策局に新設されたデータ戦略課と連携も視野に入れて、今後は集約した情報の見える化をしていただきたいと思います。
なぜこういったものが必要かと申しますと、結婚、子育て、介護などライフステージに合わせて移住を考えている方に向けて、熊本市は子育てしやすいまちなのか、高齢者が暮らすのに便利なまちなのか、分かりやすく伝える必要があるからです。
私の出身地であります東京では、新型コロナウイルスの流行以降、転出人口が転入人口を大きく上回っている状態が続いています。
本市は、自然と都会が融合した魅力的なまちですので、今後も移住するなら熊本市と選んでいただけるように、本市の生活環境の情報の伝え方にさらに磨きをかけていただきたいと願います。
準備した質問は以上となります。真摯に御答弁してくださいました市長並びに関係局長に心から感謝申し上げます。ありがとうございます。
傍聴席の皆様、インターネット御視聴の皆様、関心を持っていただきまして、誠にありがとうございます。
これからも熊本市のため、日本の伝統や文化を守っていくため、少しでもお役に立てるような質問を考えてまいりますので、皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
────────────────────────────
○大嶌澄雄 副議長 本日の日程は、これをもって終了いたしました。
次会は、明5日(火曜日)定刻に開きます。
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○大嶌澄雄 副議長 では、本日はこれをもって散会いたします。
午後 2時58分 散会
〇本日の会議に付した事件
一、議事日程のとおり
令和6年3月4日
出席議員 46名
1番 田 中 敦 朗 2番 大 嶌 澄 雄
3番 村 上 麿 4番 瀬 尾 誠 一
5番 菊 地 渚 沙 6番 山 中 惣一郎
7番 井 坂 隆 寛 8番 木 庭 功 二
9番 村 上 誠 也 10番 古 川 智 子
11番 荒 川 慎太郎 12番 松 本 幸 隆
13番 中 川 栄一郎 14番 松 川 善 範
15番 筑 紫 るみ子 17番 島 津 哲 也
18番 吉 田 健 一 19番 齊 藤 博
20番 田 島 幸 治 22番 山 本 浩 之
23番 北 川 哉 24番 平 江 透
25番 吉 村 健 治 26番 山 内 勝 志
27番 伊 藤 和 仁 28番 高 瀬 千鶴子
29番 小佐井 賀瑞宜 30番 寺 本 義 勝
31番 高 本 一 臣 32番 西 岡 誠 也
33番 田 上 辰 也 34番 三 森 至 加
35番 浜 田 大 介 36番 井 本 正 広
37番 大 石 浩 文 38番 田 中 誠 一
39番 坂 田 誠 二 40番 落 水 清 弘
41番 紫 垣 正 仁 43番 澤 田 昌 作
44番 満 永 寿 博 45番 藤 山 英 美
46番 田 尻 善 裕 47番 上 野 美恵子
48番 上 田 芳 裕 49番 村 上 博
欠席議員 2名
16番 井 芹 栄 次 21番 日 隈 忍
説明のため出席した者
市長 大 西 一 史 副市長 深 水 政 彦
副市長 中垣内 隆 久 政策局長 田 中 俊 実
総務局長 宮 崎 裕 章 財政局長 三 島 健 一
文化市民局長 金 山 武 史 健康福祉局長 津 田 善 幸
こども局長 木 櫛 謙 治 環境局長 早 野 貴 志
経済観光局長 村 上 和 美 農水局長 大 塚 裕 一
都市建設局長 井 芹 和 哉 消防局長 福 田 和 幸
交通事業管理者職務代理者
伊 藤 幸 喜 上下水道事業管理者田 中 陽 礼
教育長職務代行者 田 口 清 行 中央区長 岡 村 公 輝
東区長 本 田 昌 浩 西区長 河 本 英 典
南区長 本 田 正 文 北区長 中 川 和 徳
選挙管理委員会事務局長
福 島 慎 一
職務のため出席した議会局職員
局長 江 幸 博 次長 中 村 清 香
議事課長 池 福 史 弘 政策調査課長 上 野 公 一
令和6年3月4日(月曜)
┌─────────────────────────────────────┐
│ 議 事 日 程 第5号 │
│ 令和6年3月4日(月曜)午前10時開議 │
│ 第 1 一般質問 │
└─────────────────────────────────────┘
午前10時00分 開議
○田中敦朗 議長 ただいまより本日の会議を開きます。
────────────────────────────
○田中敦朗 議長 日程第1「一般質問」を行います。
発言の通告があっておりますので、順次発言を許します。
まず、三森至加議員の発言を許します。三森至加議員。
〔34番 三森至加議員 登壇 拍手〕
◆三森至加 議員 公明党の三森至加です。
まず初めに、能登半島地震でお亡くなりになられた方々へ心よりおくやみを申し上げますとともに、まだ避難を余儀なくされている方々へお見舞いを申し上げます。
地震発生から約2か月がたちました。ボランティア不足が深刻な課題となっているようです。大西市長には発災直後から職員を派遣し、災害マネジメントの支援や給水車の派遣など延べ300名以上の職員を派遣していただき、感謝の思いでいっぱいです。被災地の復興に向けて引き続き支援をお願いいたします。
今回、9回目の質問の機会をいただき、先輩、同僚議員の皆様に心より感謝申し上げます。
また、朝早くから会場に駆けつけてくださった皆様、インターネットでご視聴いただいている皆様にも心より感謝申し上げます。
それでは、通告に従って質問を行ってまいります。
今回も、皆様からいただいた相談を中心に質問させていただきますので、大西市長をはじめ、執行部の皆様には明快な答弁をお願いして質問を始めさせていただきます。
まず初めに、コミュニティセンターの厳しい運営についてお尋ねします。
前回の第4回定例会でも、松本議員がコミュニティセンターの運営について質問されましたが、いまだに運営委員会会長会議が令和2年から開催されておらず、意見要望の場が取られていないという状況についての答弁には、研究していくという歯切れの悪い答弁でした。
そのような中、地域の方からコミュニティセンター運営について相談を受けました。帯山西校区では、コミュニティセンターの経営が大変になっていて、運営費を上げられないものか、夜に来てくれる人がいないのでシルバー人材に来ていただいているが、このまま現状の指定管理料だと給料が払えなくなるので、もう夜間開けるのはやめようかと思っているとのことでした。
また、帯山校区では、会議室の貸出しは自治会が優先となっているので、外部に1年を通して貸せない、物価高騰の影響からか、今まで借りていた方も安い部屋に変更されたり、時間を短縮されるなどでコミュニティセンターの収入が減り、どうにか対応できないかとのことでした。
帯山西校区や帯山校区は、比較的コミュニティセンター利用も多い方なのに、このように運営が厳しくなっています。全体的に経営が厳しくなっているコミュニティセンターは、多くなっているのではないでしょうか。
そこで、お尋ねします。
1、平成30年に実態調査をされていますが、その後の状況はどうなっていますでしょうか。
2、一律240万円の指定管理料について、利用状況に応じて差を設けるなどの見直しの検討状況をお示しください。
3、条例により昼休みを開けるようになっていますが、人件費の削減をするため、利用がないときなど状況に応じて閉鎖できないでしょうか。
4、コミュニティセンターの予約システムの実証実験を中央区の方で行われていますが、途中経過が分かれば教えてください。
以上、4点、文化市民局長にお尋ねします。
〔金山武史文化市民局長 登壇〕
◎金山武史 文化市民局長 コミュニティセンターの運営に関する4点の御質問に続けてお答えいたします。
地域コミュニティセンターの運営状況について、平成30年度~令和元年度にかけて実態調査を行い、利用状況や決算収支が施設ごとに大きく異なる状況を把握いたしました。
このため、従来一律240万円であった指定管理料を各施設の実情に応じた積算とするよう令和2年度に改定を行い、さらに令和5年度の更新の際には当時最新の単価へ見直したところでございます。
このように指定管理料については、3年ごとの更新に合わせて見直しを行ってきたところでありますが、昨今の急激な物価上昇等により厳しい状況となっている中で、議員御提案のような昼休みの利用状況に応じた事務員の配置を運営や利用者に支障のない範囲で実施することは、一つの手法と考えております。
最後に、予約システムの実証実験についてでございますが、中央区管内の施設を対象として令和3年度に3施設で開始し、現在も13施設を対象として継続しております。引き続き実証実験を継続し、デジタル化による利用者の利便性や事務負担の軽減、費用対効果などを総合的に勘案しながら今後の対応について検討してまいります。
〔34番 三森至加議員 登壇〕
◆三森至加 議員 御答弁ありがとうございました。
昼休みの利用状況に応じた閉鎖については、前向きに答弁いただきありがとうございます。
予約システムの実証実験では、デジタル化により事務負担の軽減等につながっているようです。しかし、指定管理料の増額はもともと利用の少ないコミュニティセンターに充ててあるようで、ほとんどのコミュニティセンターは240万円と10万円の修理費で250万円のところばかりです。
行政へ相談しても、助成金を増やすことはできないので受益者負担でお願いすると言われ、ある自治会では来年度から今まで半額で借りていた分を7割負担にしたり、自治協議会からの助成金を増やすなどの対策を取ることを考えられています。また、ほかに便座のヒーターが故障しているが、修理費を我慢して百均で買ってきたシートを敷いて寒さ対策を取られているコミュニティセンターもあります。
コミュニティセンターの部屋の使用料も一律上限が決まっているそうで、この物価高騰に合わせて使用料の見直しの検討も行うなどこのような状況を踏まえ、地域だけに負担を強いるのではなく、市民サービスの低下にならないように考えるべきではないでしょうか。
南区の方では、令和5年度以降の施設運営について物価高騰、最低賃金改正等により管理運営費が上昇していくため、今後赤字決算が見込まれることから、対応策が必要であると考えられています。
この問題については、各地域のコミュニティセンターだけの問題ではなく、熊本市全域のコミュニティセンターの問題となることから、早急に地域活動推進課主催の会長会議を開催し、意見交換などの協議が必要ではないかと南区長に申立てを行われています。東区でも同様の申立てを行われています。
この現状を踏まえ、市全体として問題を抱える各校区の状況を調査するための意見交換などを行う必要があると思いますがいかがでしょうか。文化市民局長にお尋ねします。
〔金山武史文化市民局長 登壇〕
◎金山武史 文化市民局長 コミュニティセンターの厳しい運営状況や意見交換会の開催を求める要望が南区及び東区に提出されている件は承知しているところでございまして、今後課題の解決に向けて意見交換や情報共有の場を設定してまいりたいと考えております。
〔34番 三森至加議員 登壇〕
◆三森至加 議員 御答弁ありがとうございました。
指定管理で任されていると言っても、相手は自治会になります。自治会の皆さんは、コミュニティセンターが安心・安全なまちづくりの拠点として運営できるよう日々頑張っておられます。自治会からもう運営できないと言われたらどうされますか。共に助け合っていかなければ、信頼関係は崩れていってしまいます。やはり意見交換を行い、皆さんの思いを丁寧に吸い上げ、どのように進んでいくか、一緒に協議していくべきではないでしょうか。一日も早く意見交換会を開催し、必要な財政措置は財政局長に要望させていただきます。
次に、2番目、防災士の活躍の場の創出についてお尋ねします。
先日、地元校区でソナエトコ代表の水野さんに来ていただいて、防災士の集いを行いました。
特定非営利法人ソナエトコの紹介をさせていただきます。
ソナエトコは、防災・防犯・教育の分野において、人々の安全意識の向上と実践力の向上を図る活動を行われています。地域や社会全体の安全・安心を確保するために、知識と実践を結びつけた取組を積極的に展開されています。
私は、校区の友人と一緒に防災士の資格は取得したものの、町内会で防災会は発足しましたが、なかなか活動ができていない状況でした。
そこで、自治協議会の会長さん方の協力の下、水野さんに来ていただいて、校区の防災士さんたちとの顔合わせをし、それをどう校区で生かすかを学びました。水野さんは、県が作成した地域防災活動支援プログラムを活用して研修を行われています。水野さんいわく、この支援プログラムは防災活動の初心者の方から上級者の方までそれぞれに応じたプログラムがつくられていて分かりやすく取り組みやすいので、皆さんもぜひこれを活用して役立ててくださいと大絶賛でした。
研修では、避難所運営ゲーム(HUG)を行いながら、避難所初動運営を復習し、災害発生時の混乱や被害を最小限に抑え、地域で協働して防災活動が行えるよう確認し合うことができました。
本市でも、昨年フォローアップ研修が開かれましたが、私自身仕事の都合で参加できませんでした。防災士の資格取得時の研修以来、久しぶりに学んだことで一歩前進することができ、これから校区で役立てていこうと皆で確認し合いました。
水野さんは、せっかく防災士の資格を取ってもなかなか活躍する場所がなくてもったいないと言われていました。今回の集いには、各町内1名以上の参加がされていたので、校区で立ち上げられそうです。
そこで、しっかり校区で立ち上げていくためお尋ねいたします。
1、校区ごとの防災士の名簿はできていますでしょうか。
2、活躍の場をどのように提供していらっしゃいますか。
3、防災士の資格取得後の研修としてフォローアップ研修が行われていますが、その内容を教えてください。
4、県が作成している地域防災の活動支援プログラムは、先ほども述べましたとおり、初心者から上級者に応じて支援プログラムが設定されており、とても詳しく分かりやすく掲載されています。どのように活用されていますか。
5、大分県中津市では、防災に関する知識と意識を育み、将来市の安心と安全に役立つ人材を育成するため、小学4年生~6年生を対象にジュニア防災リーダーの研修が行われ、33人のリーダーが誕生されています。本市でも行われてみてはどうでしょうか。
以上5点、政策局長に、また、防災士に対する思いや期待を大西市長にお伺いします。
〔田中俊実政策局長 登壇〕
◎田中俊実 政策局長 防災士に関するお尋ねについて順次お答えします。
まず1点目の防災士の名簿については、本市には約1,700名の防災士の方がおられ、区ごとに防災士名簿を作成し、各区と共有しております。
2点目の防災士の活躍の場の提供については、これまで震災対処訓練などを通じて地域防災活動への参加をお願いしております。
さらに、令和5年1月から、熊本市地域防災リーダー登録制度の運用を開始するなど、防災士と地域のマッチングを図り、各校区における地域防災活動の支援に取り組んでおります。
〔議長退席、副議長着席〕
3点目のフォローアップ研修については、令和4年度から開催しており、今年度は昨年10月に156名の参加の下、外部講師を招き過去の災害事例の共有やマイタイムラインの作成研修などを行いました。
4点目の熊本県の地域防災活動支援プログラムについては、マイタイムラインを活用した避難訓練の実施方法などが分かりやすく掲載されていることから、各自主防災クラブへ配布・周知するとともに、出前講座や防災研修の際の教材として活用しております。
最後に、5点目の議員御案内のジュニア防災リーダー制度については、小中学生など若い世代に防災に対する関心を持ってもらうことは、大変重要であると考えていることから、今後、教育委員会や関係部局と連携した防災教育の推進に努めてまいります。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 まずは、防災士の皆様には、日頃から校区防災連絡会をはじめとする地域防災活動に御協力いただいておりますことに対しまして、感謝申し上げます。
本年1月に発生いたしました能登半島地震では、家屋の倒壊や道路、上下水道などのライフラインの寸断など甚大な被害によりまして、今なお多くの方々が避難生活を余儀なくされております。
私も、防災担当の全国市長会副会長として、発災後直ちに被災地の首長と連絡を取り合い、速やかに職員を派遣するなど、被災地支援に取り組んできたところでありますが、その中で、改めて自助・共助によります地域防災力の重要性を認識いたしました。
そのようなことから、防災士の皆様には災害時の実働はもとより、日頃からの地域における人材の育成や各種災害対処訓練での支援など、地域防災力向上のためのさらなる活躍を期待しているところです。
今後も引き続き防災士の皆さんの活躍の場の提供や支援を図りまして、誰もが安心して暮らすことができる、真に災害に強いまちの実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
〔34番 三森至加議員 登壇〕
◆三森至加 議員 御答弁ありがとうございました。
既に名簿は作成され、活躍の場としては、昨年1月から熊本市地域防災リーダー登録制度の運用を開始され、マッチングを行っているとのこと。この運用のおかげで地域にも名簿が下ろされ、連絡が取れるようになったようです。
しかし、地域防災リーダーの登録をしていなければ、連絡は取れません。私も知らなくて、教えていただいて登録しました。一人でも多くの防災士の方に登録をお願いしたいので周知をお願いします。
研修会では、156名の方が参加されたとのこと、研修会は防災士さんの活躍の場の一つにもなりますし、地域防災リーダーの登録の推進にもつながりますので、定期的に行ってほしいと思います。
県の地域防災活動プログラムも、積極的に活用されていて安心しました。ジュニア防災リーダーについては、ゆくゆくは親子で防災リーダーとして地域で活躍できることを期待していますので、ぜひ関係部局との連携について防災教育を推進していってほしいと思います。
市長答弁では、能登半島地震へ迅速な災害支援に努められており、改めて自助・共助による地域防災力が極めて重要であると認識されたとのこと。また、防災士に対しては、地域防災力の向上のための活躍を期待していると力強い答弁をいただきました。防災士が活躍できるよう私自身も防災士として校区から取り組んでまいります。
では、次の質問に移ってまいります。
3番目、本市の人事についてお伺いいたします。
本市では、より質の高い行政サービスの提供を可能にし、上質な生活都市を目指すため、職員一人一人が仕事へやりがいを感じながら業務を遂行できるエンゲージメント、職員と組織が一体となり、双方の成長に貢献し合う関係の高い組織体制を整備することにより、それぞれの職員が持てる力を最大限発揮することに取り組まれています。
しかし、昨今、若手職員の離職、休職の増加や新規採用のエントリー数の減少を背景に、昨年7月、職員のエンゲージメント調査が行われました。その調査の結果は、全体としてエンゲージメントは良好な状況であるといえるが、「生活のため」が高い傾向である点は留意が必要である。「上司」「同僚」が強みであり、「人事制度」「キャリア・職務」「福利厚生」「職場環境」に改善の余地があるとありました。
詳しくお伝えすると、昇任意欲は25歳未満は35%が持っているが、その後は20~25%程度と低下する。また、特に男女差が大きく、目指す職位は「課長以上」で回答した若手から中堅層は、男性で40%~45%に対し、女性では10%前後と少なく、特に25歳~29歳が低くなっている状況です。
総合満足度を年代別で見ると、25歳未満が最も高く、そこから低下し、35~40歳の年代が最も低くなっており、各年代で満足度に影響を与える要素には違いがあるため、年代に応じた対応が求められるとありました。
このような結果から、施策の方向性、特に推奨するべき具体案として、年代別キャリア研修、キャリア相談、キャリア志向の定期的な把握、適性検査の配置・育成への利用、人材カルテの作成と共有などが特に推奨するべき点で、あとは外部への研修出向、管理職の役割定義及び登用基準の見直し、人事制度の抜本的見直し、業務改善の推進を推奨すべきという指摘が出ていました。とても本市の特徴をつかみ、具体的な指摘ではないでしょうか。
平成30年第3回定例会にて、女性管理職登用数を聞いてみると、平成29年度は全管理職492名中42名、9.79%で、令和5年度では479名中62名、13.1%と伸びていますが、政令市では20位中18位です。熊本市の女性職員の割合は30、40代で4割、50代で3割を占める一方、管理職になると40代が2割、50代が1割と、年代が高くなるにつれ減少しているのが現状です。
一般的に女性のキャリア形成における課題としては、女性の家事・育児の負担割合が大きいことやマミートラックがあることが上げられています。マミートラックとは、出産した女性が職場復帰した際、自分の意思とは関係なく出世コースから外れてしまう指す言葉です。女性がキャリアアップしたいと思えるように、職場の意識改革や働きやすい環境を整えることが必要だと考えます。
そこで、お尋ねします。
1点目、このようなことから、女性のキャリア形成に対してどのようにお考えでしょうか。
2点目、若い年代の職員ほど昇任意欲がある中で、民間企業と比べると役職につくのが遅いと思います。今の若者は、終身雇用は考えていません。やりたいことが実現できる職場であれば、ちゅうちょなく転職します。30歳前後でも優秀な方はいるので、主査級昇任試験の受験年齢を引き下げてもよいのではと考えます。この点について見解をお尋ねします。
3点目、これまで行われてきた本市の主査級昇任試験は、様々な部署を経験した上で、相当時間の勉強が必要な筆記試験を行っています。これからは、職員ごとの様々なライフステージに対応した昇任試験が求められると考えます。他都市では昇任試験における筆記考査を廃止し、人事評価結果の活用など、日頃の勤務成績がダイレクトに反映される実力本位、実物本位の昇任試験を導入されています。このような制度も導入されてみてはどうでしょうか。
以上、3点、大西市長にお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 女性職員が管理職になることをちゅうちょする理由としては、昨年度実施したアンケートによりますと、昇任による職務上の不安や負担感に関する意見が大変多く見られたところです。
このようなことから、来年度より1つの班に複数の主査を配置するなど、昇任による職務上の不安や負担感を軽減するとともに、女性職員を事業立案部署へ配置するなど、キャリアアップを積極的に支援することにより、一層活躍できる環境を整備してまいります。
次に、若手職員の登用につきましては、主査級昇任試験の受験年齢を引き下げますとともに、職員の希望する将来のキャリア形成を尊重した人事配置を行ってまいりたいと考えております。
また、主査級の昇任試験につきましては、自ら試験に挑戦することで職員の自己啓発やモチベーションの向上にもつながるものと考えておりまして、人事評価や口述試験に加え、職責に必要な知識を実証するための筆記試験も行うことで、総合的な能力を評価しているところです。
引き続き、職員一人一人がやりがいを持って業務に取り組むことができる環境を整備し、自らの成長を実感できる満足度の高い職場づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
〔34番 三森至加議員 登壇〕
◆三森至加 議員 大西市長、御答弁ありがとうございました。
女性職員のキャリアアップのために、1つの班に複数の主査を配置することや事業立案部署へ積極的に配置するなど環境を整備していただくとのこと。
先月、私は大西市長と共に、台湾を視察させていただきました。台湾では女性の市長や議長がいらっしゃる都市もあり、議員もクオーター制で4人に1人は女性議員でした。華やかさとともに、とても活気がある印象を受けました。視察で説明を受けるときも、男女の差はなく優秀な方々が活躍されていました。私は、この議会にも女性の局長が多く誕生されることを切に願っています。大西市長、積極的な登用をお願いいたします。
若手職員の登用については、キャリア希望を的確に把握し、志向に沿った人事配置を考えてくださるとのこと、また、さらに主査級昇任試験の受験年齢を引き下げることも検討してくださることが決まり、ありがとうございます。
先日、落水議員も課長級試験の廃止を訴えておられましたが、これからは職員ごとの様々なライフステージに対応した昇任試験が求められると考えますので、職員一人一人がやりがいを持って業務に取り組める環境を整備するためにも、昇任試験の在り方を考えてほしいと思います。
では、次の質問に入ってまいります。
献血の推進についてお尋ねします。
皆さんも御存じのとおり、献血でいただいた血液はがんや白血病などの治療に使われ、各種の手術や出産のときの輸血用としても欠かせません。病気やけがで血液を必要としている患者さんが大勢いらっしゃいます。血液は人の血液からしか作れず、人工的には作れません。
過去に国内献血で賄い切れなくなり、血液製剤が薬害を起こしてきたことから、血液製剤の適正使用と国内自給が重要であるといわれています。特に若い世代の献血が減少し、このままでは国内献血で賄い切れなくなる懸念があります。1日に約1万4,000人の協力が必要であり、1年間で約504万人の献血が必要となってきます。
このようなことから、昨年6月、公明党は献血についてもっと詳しく骨太方針の項目に、小中学校現場での献血推進活動を含む献血への理解を深め、血液製剤の国内自給、安定的な確保及び適正な使用の推進を図ると明記しました。
NPO法人さい帯血国際患者支援の会の理事長である有田美智世代表は、昨年京都府で中学生への献血教育を実施されており、「命を救う第一歩は献血から始まる。若いときに献血の大切さを教えることが将来的な献血推進につながる」と言われています。
日本赤十字社では、小中学生向けに愛のかたち献血ブックを配布し、献血についての基本的な知識や愛の妖精けんけつちゃんが活躍する物語が紹介され、啓発活動を行われています。
昨年11月に行われた熊本市献血推進協議会の議事録を見てみると、熊本県献血状況について次のように報告されています。400ミリリットル献血から製造される赤血球製剤において、令和5年1月~10月までの累計では、熊本県民に必要な輸血量を熊本県民の献血で賄えないのが実態。供給に足りない分は、九州内をはじめとする他県からの融通でしのいでおり、県民の需要に県民の献血で賄える体制をすぐにでも構築していかなければ、最悪の場合、必要なときに必要な血液製剤が届けられないといった事態も想定される。持続可能な血液事業を構築していくためには、若年層対策、複数回献血者の確保、予約献血の推進が早急に対処すべき課題となると報告されていました。
このような現状を踏まえ、お尋ねします。
1点目、本市での献血実績状況を御教示ください。
2点目、若者への対策が重要となってきますが、若年層に向けての啓発はどのように行われていますか。
3点目、献血の理解は小中学校にも広めるべきだと考えますが、どのようにお考えでしょうか。
以上3点、健康福祉局長にお尋ねします。
〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕
◎津田善幸 健康福祉局長 献血の推進について3点のお尋ねに順次お答えいたします。
まず1点目、本市の献血実施状況についてでございます。
令和4年度の献血者数は4万9,625人で、令和2年度以降、コロナ禍の影響により減少傾向にはあるものの、例年並みの約5万人の献血実績は維持できております。
次に、2点目、若年層に向けた啓発についてでございます。
献血実績に占める30代以下の割合が約3割まで減少していることから、SNSによる献血情報の発信等をはじめ、校区献血における若者向けのオリジナルグッズの配布や市内高校での献血セミナーなどに取り組んでおります。
最後に、3点目、小中学校への啓発についてでございます。
議員御指摘のとおり、10代からの早期啓発は献血推進に向けた重要な取組の一つであると考えております。そのため、今後、熊本県赤十字血液センター等の関係機関や教育委員会と連携しながら、特に献血可能な年齢が近づく中学校等を対象とした新たな啓発の取組について検討してまいります。
〔34番 三森至加議員 登壇〕
◆三森至加 議員 御答弁ありがとうございました。
本市の献血実績状況は、例年並みの約5万人の献血実績は維持できているが、献血実績に占める30代以下の割合は3割まで減少している。小中学校への啓発については、特に献血可能な年齢が近づく中学校等を対象として啓発の取組を検討していくとのことでした。
先日、私たち公明党県下の全議員で能登半島地震への募金活動を行い、集まった皆様からの真心の募金を日赤へ届けてまいりました。そこで能登半島地震が発災してからの救援活動の話や、献血についてお聞きすることができました。日赤の皆さんは発災直後から救護班の派遣や救援物資の配布など、医師や看護師、ボランティア等を延べ1,300人以上派遣され、被災地へ希望を届けて来られた活動をお聞きし、頭の下がる思いでいっぱいになりました。
日赤では、血液が足りなくなりそうになったときは、ウェブ会員さんに呼びかけたり、お隣の県立大の学生さんに直接献血に来ていただいたりしているそうです。せっかくいただいた献血も、赤血球は採血後21日間、血小板は採血後4日間しかもたず、量の管理がとても難しいと言われていました。だからこそ多くの方に献血に来ていただきたい、特に若い方々に。そのためには、より多くの方に知っていただくことを、積極的な広報が必要だとおっしゃっていました。若年層に向けた啓発をよろしくお願いいたします。
では、次の質問へ入ってまいります。
5、読み書き障がいの生徒への支援についてお尋ねします。
前回、初めて読み書き障がいの児童・生徒への支援について質問させていただきましたが、次に、伊藤議員にも質問していただき、今回が3回目の質問となります。
今回は、中学校へ上がった生徒への支援について質問させていただきます。
昨年12月、日本学校心理士会が主催される研修会に、伊藤議員とともに参加してきました。「読み書きに苦手さのある子の支援」と題して、一般社団法人読み書き配慮の代表理事である菊田史子さんを講師に迎え、講演をお聞きしました。菊田さんは元新宿区教育委員をされており、学習障がいの長男を育てる保護者でもありました。読み書きへの合理的配慮を得て学ぶ長男は、慶應義塾大学へ進学されました。
2018年に一般社団法人読み書き配慮を立ち上げられ、学習障がいの子供への合理的配慮のデータベースを軸に、学習障がいの理解、検査、支援に関わる事業を展開されています。この研修会には、読み書き障がいの子供を持つ保護者の方々も参加されており、いろいろな困りごとをお聞きしました。菊田さんから学んだことも含めて質問していきますのでよろしくお願いいたします。
まず1点目、高校入試を目指したスケジュールとして、令和5年熊本県立高等学校入学者選抜要項では、障がいがある受験者への配慮事項に、具体的な配慮として必要に応じて個別に対応するとあります。中学校では高校受験に向けたスケジュールを決めて練習し、準備をしていくことが重要となるので、その対応をお願いしていくべきと菊田さんは言われていました。その対応について、現在、中学校では具体的な対応をどのように取られていますか。
また、受験体制についてマークシート方式も導入されるとのこと、資格試験や国家試験などはCBT方式が導入されていますが、特性に合わせた受験体制の整備を行ってくれないかとの保護者の意見もありました。CBT方式とは、コンピュータ上で実施される試験のことです。従来のように問題用紙が配付されて解答用紙に鉛筆などで記入する方式とは異なり、問題提示も回答入力も、あるいは採点作業も全てコンピュータ上で実施しています。これからだと思いますが、お考えをお示しください。
2点目、現在、発達検査には資格や専門性が必要で、教育相談室や医療機関等で行うWISK等の検査を行われています。検査するまでにとても時間がかかるようです。学校にスクールカウンセラーがいるように、読み書きの検査ができる体制を整えれば、早期に学習の苦手さの対応ができるようになるのではないでしょうか。読み書き検査を学ぶことで、学習障害を可視化することができるそうです。先生方にも参加していただき、その講習に係る費用の補助ができないでしょうか。
3点目、小学校のときは専門の先生がいらっしゃったので相談しやすかったのですが、中学校になって専門の先生がいらっしゃらないので、なかなか相談するにも理解していただきにくくて、どこに相談していいか分からないという意見も聞きました。子供や保護者の負担を減らすサポート体制についてどのように行われていますか。
以上3点、教育長にお尋ねします。
〔田口清行教育長職務代行者 登壇〕
◎田口清行 教育長職務代行者 議員お尋ねの3点につきまして順次お答えいたします。
まず1点目について、中学校では校内で実施される定期テストにおいて、問題用紙の拡大や試験時間の延長等の配慮を行っております。
また、早い時期からどのような配慮が必要か、生徒や保護者と話し合い、その内容を個別の教育支援計画等に明記し、継続的に支援することにしております。
加えて、入試の出願時には、学校がこれまで行ってきた配慮の内容を受験する高校に申し出るという流れで進めております。
市立高校の入試においては、障がい等により通常の方法での受験が困難と認められる場合に、検査方法や検査場等について適切な措置を講じることを市立高校入学者選抜要項に定めております。
読み書き障がいの生徒が受験する場合については、ICT機器を活用した検査方法を含め、先進事例の情報収集を行い、将来的に提供し得る配慮について研究してまいります。
次に、2点目についてお答えいたします。
議員御案内のとおり、読み書き検査ができる体制を整えることにより、検査に至るまでの待機期間の短縮や児童・生徒の困難さへの早期対応につながると考えます。検査ができる専門性のある教員の育成に向け、研修の充実を図るとともに、講習会にかかる費用の補助については、今後検討してまいります。
最後に、3点目についてお答えいたします。
学校では特別支援教育担当者を窓口として、生徒や保護者が安心して相談できる体制づくりを行っております。しかし、担当者によっては経験や知識に差があることから、生徒や保護者の期待に十分応えられていない場合もあります。引き続き、担当者のスキルアップを図るとともに、指導主事や巡回相談員等の派遣を通して、生徒や保護者の相談に対し適切に答えられるよう努めてまいります。
〔34番 三森至加議員 登壇〕
◆三森至加 議員 御答弁ありがとうございました。
現在、中学校では問題用紙の拡大や試験時間の延長を行ってくださっているとのこと、また、入試の出願時には、学校がこれまで行ってきた配慮の内容を受験する高校に申し出るようにし、適切な措置を講じることを要項に定めており、ICT機器の持込みに関しては、研究してまいるとの御答弁をいただき、ありがとうございます。
時間があるようですが、受験はすぐにやってきます。そのときに慌てないよう入念に準備することが大事だと思いますので、前向きに検討をお願いいたします。
講習にかかる費用の補助については、専門性のある教員の育成が重要となってきます。研修の充実をお願いいたします。
サポート体制については、まだまだ十分に応えられていない場合もあり、巡回相談員等を派遣してくださるとのこと、しかし、巡回相談員さんに頼ってばかりではいられないと思うので、担任の先生や支援学級の先生なども交えながら、話し合う機会を設けて、生徒や保護者が安心して受験に向けて取り組めるようなサポートをお願いいたします。
では、次に質問に入ってまいります。
医療的ケア児・者の支援についてお尋ねします。
脳形成不全水頭症のお子さんを持つお母さんから相談を受けました。そのお子さんは現在21歳、2歳のときに水頭症を手術したとき、血管が破れて脳死となって目も見えなくなりました。気管切開をされており、口から持続の吸引が必要で、経管栄養ボトルを使用して注射することで栄養を取られています。酸素ボンベも必要で、車椅子の下に入れていつも持ち歩いていらっしゃいます。
熊本地震が起きたとき、自宅は半壊になったので、当時は福祉避難所がなく通っていた支援学校に受け入れてもらい2週間避難した後、やっとかかりつけの病院に避難入院できたそうです。現在21歳、もしまた災害が起きたときに福祉子ども避難所は該当しないので入れない、かかりつけの病院も患者さんが多いと受け入れてもらえないので、物資や水、電気が整っている福祉避難所の受入体制を整えてほしいとの御相談でした。
熊本市避難所開設運営マニュアルを見てみると、福祉子ども避難所は対象者のうち、特別支援学校の在校生と未就学の障がい児は福祉子ども避難所へ直接避難できますが、それ以外の方の避難については市が判断、決定しますと書いてありました。
そこで、お尋ねします。
そこの支援学校の卒業生であれば、顔も知っているし、通い慣れた学校なので安心だと思いますが、受け入れてはいただけないでしょうか。
また、医療的ケア児のための支援ガイドブックが昨年作成されたので、災害時の支援が載っていないか調べてみました。私は令和3年第1回定例会にて、医療的ケア児の支援としてガイドブックを作成してほしいと訴えていました。中身を見てみると、「医療的ケアとは」から始まって、支援者との役割やライフステージごとの各種制度と相談窓口、保育所や小中学校への入園・入学などについて詳しく説明されていて、よく読み込んでいくととても参考になると感じました。医療的ケアに関係する方々にもお聞きしたら、ガイドブックができたことにとても感謝していると言われていました。
しかし、災害関連に関しては、何も書いてありませんでした。そこで、先進市がないか調べてみると、江東区の支援ガイドブックがとてもよくできていました。もちろん災害対策も載せてありました。本市と同じような目次になっていますが、イラストや写真を使って一目見るだけで分かりやすくなっています。
ガイドブックには2名のお子さんの事例紹介がされており、1日の流れや1週間の流れがイラストとともに説明されています。私が一番目を引いたのは、医療機器と医療材料を写真付きで詳しく紹介されているところです。紹介されている器具はレンタル、自費購入、支給と表示されているので、どの分野で取り扱えるかが一目瞭然です。
いろいろな医療材料、衛生材料も、写真があることでどのように使用するかも分かりやすいです。災害対策では、在宅で人工呼吸器を使用している方の災害個別支援計画が明記されていました。本市でもつくっていただいたばかりで恐縮ですが、江東区のようなイラストや写真を使って分かりやすく改定していただけないでしょうか。
以上2点、健康福祉局長にお尋ねします。
〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕
◎津田善幸 健康福祉局長 医療的ケアの必要な方への支援について2点のお尋ねにお答えいたします。
まず、福祉子ども避難所の対応についてでございます。
障がいのある方の災害時の避難においては、様々な配慮が必要であることから、指定避難所では要配慮者に対するスペースを確保することとしております。
また、発災直後から保健師を中心として速やかに全ての指定避難所を巡回し、障がいのある方の健康状態を把握した上で、指定避難所での生活が困難と判断される場合には、福祉避難所や福祉子ども避難所で受け入れることとしております。
その際、福祉子ども避難所においては、受入先である施設の収容人数や支援体制等を考慮し、障がいのある子供とその御家族の避難生活に確実に対応できるよう、避難対象者を特別支援学校の在校生や未就学の障がい児御本人とその御家族に限定しているところです。
今後も校区防災連絡会等あらゆる機会を活用し、障がいの特性に対する理解を促進するとともに、福祉子ども避難所の利用の仕方についてもさらなる周知に努めてまいります。
次に、支援ガイドブックに関するお尋ねについてお答えいたします。
本市が令和5年3月に発行した「医療的ケアが必要なお子さんと家族のための支援ガイドブック」につきましては、関係者の意見を取り入れながら作成いたしました。活用されている関係機関や関係団体、熊本市立の小中学校等からは、簡潔に整理されていて分かりやすいといった評価をいただいているところです。
議員から東京都江東区の支援ガイドブックの事例を御紹介いただきましたが、次回改定の際には他都市の例や関係者の御意見もさらに取り入れ、災害関連の内容を盛り込むなど現行内容を精査した上で、医療的ケアが必要なお子さんと御家族、そして支援する方々にとってより分かりやすく、より活用しやすいガイドブックになるよう検討してまいります。
〔34番 三森至加議員 登壇〕
◆三森至加 議員 御答弁ありがとうございました。
支援学校での避難は、在校生や未就学の障がい児に限定されており、難しいようです。校区防災連絡会等とあらゆる機会を活用し、障がいの特性への理解を促進すると言われています。
具体的に地域の自治会長さんや児童・民生委員さん、保健師さんなどと本人さんと御家族が顔を合わせて話し合う場をつくっていただき、こういう方がいらっしゃると地域でも確認し、日頃からコミュニケーションをとることで理解促進につながると思います。安心して避難できるよう配慮をお願いいたします。
支援ガイドブックに関しましては、活用している関係機関や関係団体、熊本市立の小中学校等からは、分かりやすいと評価をいただいているとのこと、次回改定するときは災害関連の内容を盛り込み、より活用しやすいガイドブックとなるよう検討してまいるとのことでした。ぜひよろしくお願いいたします。
これで、私が用意した質問は終わりました。
本日は、朝早くからお忙しい中に傍聴にお越しいただいた皆様、また、インターネットでご視聴いただいた皆様、お付き合いいただいた先輩、同僚議員の皆様、真摯な答弁をいただいた大西市長をはじめ、執行部の皆様に深く感謝申し上げます。
これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
────────────────────────────
○大嶌澄雄 副議長 この際、議事の都合により休憩いたします。
午前11時10分に再開いたします。
午前10時54分 休憩
───────────
午前11時10分 再開
○大嶌澄雄 副議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
────────────────────────────
○田中敦朗 議長 一般質問を続行いたします。
上野美恵子議員の発言を許します。上野美恵子議員。
〔47番 上野美恵子議員 登壇 拍手〕
◆上野美恵子 議員 日本共産党熊本市議団の上野美恵子でございます。
まず、能登半島地震に被災された皆様には、心よりお見舞いを申し上げます。被災地の一刻も早い復旧・復興を願いつつお尋ねをしてまいります。
初めに、命の水、地下水です。
TSMC第1工場が開所し、第2工場の隣接地への進出も決まり、第1、第2工場を合わせて政府が1兆2,000億円を支援する国家的プロジェクトが始動しようとしています。第1工場だけで白川中流域が25ヘクタールも開発をされ、毎日8,000トンの水がくみ上げられる上に、それ以上の規模と思われる第2工場の進出で、地下水への不安が増大しています。
昨年5月、TSMCの日本企業JASMと熊本県、菊陽町、水循環型営農推進協議会、そして市長が代表の熊本地下水財団とで結んだ熊本地域における地下水涵養推進に関する協定書が締結されました。
その具体化として、昨年9月にJASMと熊本地下水財団とで熊本地域における冬期湛水事業推進に関する協定書を締結し、JASMの地下水採取量に相応する地下水涵養量の一部に相当する使用を支援すると定めています。
そこで、伺います。
1、JASMがくみ上げる地下水の総量、費用支援の対象となる採取量をお示しください。
2、JASMのくみ上げ量に相当する涵養はできますか、今後拡大すべき水田の湛水面積と確保の見通しをお示しください。
3、TSMC第1工場、第2工場並びに他の半導体関連企業等の集中による開発面積はどれくらいでしょうか。企業進出に伴う涵養域の減少による地下水への影響はどのように試算されていますでしょうか。それに見合う地下水涵養の取組はどうされますか。
4、県と熊本市、周辺の3市・6町・1村で、2008年に策定された熊本地域地下水総合保全管理計画の目標年次が2024年度です。現在計画見直し時期を迎えており、TSMC第1工場、第2工場をはじめ、関連企業が白川中流域の重要な地下水涵養域へと進出してくる状況を踏まえた計画へと見直しをすべきではないでしょうか。
5、工場の排水は、北部浄化センター並びに第2工場進出に伴う新規建設の下水処理場で処理される予定です。下水道法・下水道法施行令に定められた放流水の基準で、有機フッ素化合物は検査できるのでしょうか、できない場合の対応はどうなりますか、企業としての責任ある対応を求めるべきではないでしょうか。TSMCの産業廃棄物の内容と1年間の量、さらに搬出先も明らかにすべきです。どうなっていますか。
6、地下水涵養でも、汚染対策でも、現状は十分とは言えません。以前から指摘をしていた地下水対策が、具体的かつ確実に進める自治体としての熊本市とJASMとの直接の協定が必要ではないでしょうか。
以上、市長にお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 地下水保全に関する6点の質問に順次お答えいたします。
まず、JASMがくみ上げます地下水の総量、費用支援対象の採取量についてでございますが、JASM第1工場の地下水採取量は年間約310万立方メートルとなる見込みでございます。
次に、JASMと熊本地下水財団が締結いたしました熊本地域における冬期湛水事業推進に関する協定に基づき、JASMが地下水財団へ支援する費用の対象となる今年度の採取量は、年度末に確定すると伺っております。
2点目についてですが、JASMの涵養に必要な水田湛水の面積については、農地により浸透能力や湛水期間が異なりますため一律にお示しすることはできませんが、その涵養については、JASMと県や菊陽町等で締結いたしました「熊本地域における地下水涵養推進に関する協定」に基づき、着実に行われるものと考えております。
3点目の開発面積につきましては、JASMの第1工場が約21ヘクタールと公表をされておりまして、第2工場やその他の半導体関連企業等の情報については、県や近隣自治体と連携し、収集に努めているところです。
本市の取組につきましては、涵養に寄与する優良な農地を保全するため、白川中流域水田湛水事業の協力農家の皆様への助成金の単価を見直しますほか、地下水財団と連携いたしまして、地下水を育む水田等で栽培されました農産物等を購入・消費するウオーターオフセット事業への企業や市民の皆様の参加を強力に推進してまいりたいと考えております。
次に、熊本地域地下水総合保全管理計画につきましては、県や熊本地域の関係市町村とともに採取量と涵養量の収支バランス等を考慮し、見直してまいります。
次に、有機フッ素化合物の排水基準ですが、下水道法や同施行令に規定はないものの、現在北部浄化センターからの排水については、所管する県と連携いたしまして、有機フッ素化合物等の検査を実施しております。
また、JASMからの産業廃棄物については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき、その量や排出先等を県へ報告されることとなっております。
最後に、地下水の涵養については、既に締結しております協定に基づきまして、熊本地域の関係自治体や団体などと協力し推進しております。
また、排水につきましては、法律や条例に厳格に規定されておりますことから、協定によらず適切に実施されるものと考えております。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 TSMCが企業としての社会的責任を果たすためにも、責任ある説明、情報開示、具体策実施へ熊本市とJASMの直接の協定が必要と考えます。市長の責任ある対応をお願いいたします。
次に、国民健康保険です。
新年度予算では、国民健康保険料の引上げ、7億円の負担増が提案されています。今回の値上げ提案は、県単位の運営による保険料平準化がその根底にあります。物価高の中、所得200万円以下の人が8割を占める国保料の値上げは、命に関わる問題として到底容認できません。
前市長のときに、最高で28億円だった赤字補填分の一般会計繰入れは、国の方針どおりに減額し続け、次年度は2億1,000万円です。国の言いなりでなく自治体裁量で必要な繰入れを行い、高過ぎる国民健康保険料の値上げはやめて、引下げを実施すべきではないでしょうか。
あわせて、介護保険について伺います。
第1に、介護保険の負担軽減には切実な声が多数寄せられています。保険制度開始から今年で24年、開始時に基準月額3,250円だった保険料は現在6,400円へ、約2倍となりました。五万数千円の年金をパートの給料で補ってきた70代の方は、保険料は年金天引きだけれども、体が悪くなっても介護が利用できないと不安を語られていました。
2024年度保険料は、所得段階の低い人は減額ですが、一番下がる人で月640円、到底物価高に追いつきません。しかも、所得段階の高い人は値上げです。もともと上がり続けてきた介護保険料、昨今の物価高を考慮するなら、86億円の基金を活用し、全ての被保険者の保険料を抜本的に引き下げるべきではないでしょうか。
第2に、2024年度からの訪問介護等の報酬引下げ公表に、介護に関わる市民団体をはじめ、全国社会福祉協議会、全国ホームヘルパー協会、日本ホームヘルパー協会など、現場から怒りと抗議の声が一斉に上がっています。
ホームヘルパーの有効求人倍率が15倍を超える異常な人手不足の中、2023年の介護事業所倒産は67件と、過去最多を更新する異常なまでの深刻な介護分野の人材不足に拍車をかけるものです。報酬引下げは、介護の根幹である在宅介護が崩壊へ向かうとの指摘もあります。そうならないよう、市長には訪問介護等の報酬費引下げ撤回を国に求めていただけませんか。
以上、国保と介護で市長にお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 本市では、法定外一般会計繰入れによります保険料の負担緩和策を実施しておりますが、国民健康保険の保険給付費が増えたことによりまして、法定外一般会計繰入れを増やすことは、市民の理解を得られないものと考えております。
このため、本市では今後も医療費の適正化とともに、さらなる収納率の向上を図り、保険料の抑制に努めてまいります。
令和6年度の介護保険料の設定につきましては、介護保険制度の持続可能性を確保する必要がございますため、所得段階が低い方の引下げに応じまして、所得段階が高い方の保険料乗率を引き上げたものでございます。
なお、介護保険準備基金の一部を繰入れ、第1号被保険者全体の保険料の上昇抑制を図っております。
また、適切な介護報酬の設定につきましては、これまでも全国市長会や九州市長会など様々な機会を通して国へ要望を行っており、引き続き対応を検討してまいります。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 市民の暮らしの実態がお分かりいただいていないと思います。
続いて、学校給食について伺います。
急速に広がってきた学校給食無償化は、今や全自治体の3分の1に迫る勢いです。
そのような中、東京23区では、2024年度から人口約92万人の世田谷区、70万人以上の大田区、練馬区をはじめ、全ての区が無償化を実施します。その背景には、東京都が、市町村の実施する給食費の保護者負担軽減へ、費用の2分の1を補助することもあります。
都は、給食は本来国の責任と財源で無償とすべきものとしつつ、国が対策を取るまでは自治体として支援するという、学校給食は原則無償の基本的考えに立っている点が重要です。
熊本県下でも半数以上の24自治体が何らかの助成を行い、全自治体の4分の1、11自治体が完全無償です。給食無償化は全国の流れです。熊本市でも速やかに実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
また、有機食材の推進では、千葉県いすみ市長が代表理事を務める全国オーガニック給食協議会には36自治体が参加し、有機食材による理想の給食を目指す取組が行われています。本市もぜひこの取組に参加し、有機食材によるオーガニック給食を積極的に推進していただきたいと考えますがいかがでしょうか。
あわせて、こども医療費助成制度について伺います。
熊本県下では、熊本市が対象年齢を昨年12月から高校3年生まで引き上げたことで、全ての市町村が18歳までの助成となりました。現在、自己負担は宇城市と熊本市と2市のみです。子育て支援策も各種ありますが、何と言っても直接負担が軽減される制度ほどうれしいものはありません。早急に完全無償化を実施していただきたいと思いますがいかがでしょうか。また、そのために必要な事業費もお示しください。
以上、市長にお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 学校給食費の無償化につきましては、自治体の規模や財政力による地域間の格差がなく、子育て世帯への支援が行われるよう本市からも国に対し、恒久的な財政支援について早期実現の要望を引き続き行ってまいります。
また、学校給食の負担軽減は、子育て世帯への支援策として非常に重要であると考えておりまして、現在具体的に検討しているところでございます。
次に、有機食材によるオーガニック給食の推進についてのお尋ねでございますが、学校給食への有機農産物の導入につきましては、環境負荷の低減や持続可能な農業への理解の醸成、有機農業の推進という観点において有効な取組と考えており、効果的な導入方法について、議員御案内のような先行自治体の取組等を参考にしながら研究してまいりたいと考えております。
次に、こども医療費についてのお尋ねにお答えいたします。
こども・子育て支援施策につきましては、経済的な負担軽減策も含め、総合的に充実させていく必要がありまして、財政的なバランスと制度の安定性を考慮いたしますと、完全無料化は現時点では困難であるということを御理解いただきたいと考えております。
また、お尋ねの完全無料化した場合の事業費は、今回の制度拡充前の試算では、令和6年度当初予算額からさらに6億円から7億円程度増額になる見込みでございます。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 給食については、僅かに前向きの答弁ありがとうございます。
次に、ほぼ毎議会、陳情書が出されております高齢者等の補聴器助成制度についてお尋ねします。
厚生労働省が2021年に公表しました難聴高齢者の社会参加に向けた適切な補聴器利用とその効果に関する研究では、補聴器購入助成の取組強化の検討が求められると提言し、必要にもかかわらず、購入者が少ない現状に価格の問題が指摘されました。実施自治体はこの1年で2倍近くに増え、今年1月で239自治体です。
政令市で先進的モデル事業だった相模原市、新潟市は、いずれも2024年度から本格実施です。相模原市は上限2万円、在宅で住民税非課税を対象に200人分、670万円を予算化、前倒しで本格実施を決めた新潟市は、50~74歳までの中高年者を対象に、上限を2万5,000円、所得制限なしで710万円が予算化されています。
先進市の本格実施は、効果が検証されたからです。限度額13万7,000円の港区とまではいかないまでも、新潟市、相模原市にならい早急に実現していただきたいと思いますがいかがでしょうか。市長に伺います。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 加齢性難聴で悩んでおられる方への支援につきましては、令和5年度の国の事業であります「難聴高齢者の早期発見・早期介入等に向けた関係者の連携に関する調査研究事業」にモデル自治体として参画いたしまして、難聴の高齢者への啓発・助言・受診勧奨の実施及びその効果・測定を行っているところです。
今年度末にはその報告書がまとまる予定でございまして、早期受診につなげるための啓発など、その結果を踏まえた総合的・効果的な支援策について検討いたしますとともに、補聴器購入助成につきましては、補聴器に対する医学的エビデンスに基づく全国一律の公的助成制度等の創設について、引き続き国に対して働きかけをしてまいります。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 次に、市長の基本姿勢で2点お尋ねいたします。
第1に、市長のビジネスクラスによる海外出張について、就任から次年度までの渡航回数と費用の総額をお示しください。
また、以前、県知事はビジネスクラス利用の規定があっても、基本的にはエコノミークラスでの海外出張でした。市長も、節約のためビジネスクラスをやめてはいかがでしょうか。市長のビジネスクラスをエコノミーにすればどの程度の節約ができるのでしょうか。
第2に、市長就任以来支給されてきた退職金を年次別・合計額でお示しください。
前市長は、相次ぐ不祥事の中で、自らの退職金、給与を減額されたことがありました。大西市長は、自身の退職金・給与を減額するつもりはありませんか。
以上、お尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 私の海外出張につきましては、就任から令和6年度の新年度の予定までを含めますと22回ということになります。文書保存年限の関係で確認可能な平成28年度以降の費用の総額は、約1,053万円でございます。
なお、この回数及び金額は、エコノミークラスでの渡航分も含めた金額でございます。
次に、お尋ねのビジネスクラスとエコノミークラスとの旅費の差額の合計は約472万円となっておりまして、今後も行程を通じて自らの職責が果たせるよう、本市の旅費に関する条例等の規定を踏まえ、適切に判断してまいりたいと考えております。
次に、退職手当につきましては、条例に基づき第1期及び第2期の任期満了時にそれぞれ約2,900万円が支給されております。
今回、給与の減額は考えておりませんが、職員の不祥事については、その根絶に向け全庁を挙げて取り組んでまいります。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 職員不祥事につきましては、懲戒処分の件数が市長の1期目と比べて2期目は2倍近くに激増していることを認識されていますでしょうか。給与、退職金の減額で自らの責任を形にして示すことが、職員の綱紀粛正につながるのではないでしょうか。
ビジネスクラスの海外出張は、これまで年3回程度が新年度さらに4回へ増え、市長の費用だけでも325万円、延べ30日間もお留守にされます。過去の費用や日程が分かる範囲で、これだけの海外出張はありませんでした。これが市民に理解されるとお考えでしょうか。お尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 今お尋ねがございました海外の出張に関しましては、様々な国際会議において、本市のこれまでの水の取組、地下水の取組等が評価され、一昨年、「アジア・太平洋水サミット」を開催いたしまして、また、国連水会議にも全国の自治体の代表としてこの問題で招聘されることは、本当に極めて名誉なことであり、本市のブランド力の発信ということでも必要なものであると考えておりますので、海外出張が殊さら何か悪いことではないと思います。その目的をきちっと議会にも御報告させていただいて、訪問させていただいております。これは議員の皆さんの出張も同じだろうと思います。
やはり、国際的ないろいろな交流が増えてくる中、また、台湾からの半導体関連企業の進出等によりまして、海外との連携やいろいろな情報交換、あるいは調査していくということは、極めて重要になってくると思いますので、回数が以前の市長の時代と比べて多いから、少ないからということではなく、国際情勢、それからいろいろな熊本市としての発信、こういったものを総合的に勘案して、執行部としてもできるだけ節約して、一つのミッションに対して何か所も合わせて行くこともして、回数を減らす等々の努力もさせていただいているところでございます。
できるだけ少ない経費で本当に大きな効果を生むように、私も努力していきたいと思いますし、市民生活をお預かりしている中で、熊本市も世界に認められる地域となるように引き続き全力で頑張ってまいりたいと考えております。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 いろいろ言われましたが、帝国データバンクが2月末に公表した調査では、3月以降も食料品等の値上げが続いて、材料価格の高止まりや物流の2024年問題、円安傾向などで、今後も月平均で1,000~2,000品目程度の値上げが続くということです。
そういう中で、国保料、介護保険料のダブル値上げを押しつけて、こども医療費、給食、補聴器助成などの願いには背を向けて、一方で、多発する不祥事には身を切る責任は取らずに、ビジネスクラスでの海外出張、これを何回も行くような、こんなことが市民に理解が得られるでしょうか。疑問を持つ人はいても、うなずく人はいないと思います。市長の姿勢が問われていると思います。
次は、市庁舎整備についてお尋ねします。
まず、市庁舎建て替えの根拠となってきた耐震性能の問題です。
1、熊本市は、総務省へ現行の建築基準法で耐震基準を満たしていると報告していることが昨年分かりました。あれほど耐震性能が足りないから建て替えると説明していたのに、なぜと市民が疑問に思うのも当然です。総務省への耐震基準を満たしているという回答は訂正をされましたか。
2、本市の市制100周年記念誌では、「現庁舎がマグニチュード7.9の関東大震災の2倍クラスの大地震にも持ちこたえる耐震構造」と記述しています。マグニチュード7.9の関東大震災の2倍といえば、マグニチュード8の巨大地震に限りなく近い地震であり、100周年記念誌は本庁舎が耐震性があると述べているわけです。
2021年9月の予算決算委員会総括質疑で、市長は「市制100周年記念誌記述の根拠も、有識者会議の耐震性の分科会で検証される」と答弁されました。どのように検証されたのでしょうか。市長にお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 総務省消防庁の「防災拠点となる公共施設等の耐震化推進状況調査」は、昭和56年に改正されました建築基準法の耐震基準、いわゆる新耐震基準を基に、それ以前に建築確認を得て建築された建物の耐震化の状況を調査するものでございます。
したがって、昭和56年6月1日以降に建築確認を得て建築された建物は、全て耐震化済みと整理されておりまして、その結果、本庁舎はこの調査でいう耐震化済みに該当するものでございます。
一方で、本市がこれまで実施してきました耐震性能調査は、本庁舎の防災拠点施設としての耐震性能を確認するために実施したものでございまして、その結果は、本庁舎が現行の建築基準法等が求める耐震性能を有していないというものでございました。
以上のように、この2つの調査は前提となる耐震基準に対する考え方が異なりますため、調査結果に相違があるものでございまして、消防庁調査の回答については訂正は行っておりません。
なお、次回以降の調査につきましては、有識者会議の答申を踏まえ、調査要領を確認の上、適切に回答してまいりたいと考えております。
次に、議員御案内の「市制100周年記念 熊本・歴史と魅力」の記述につきましては、その根拠等は確認できておりません。
一方で、平成29年度及び令和2年度に実施いたしました耐震性能調査による現行の建築基準法等が求める耐震性能を有していないという結果は、様々な震災を踏まえ、改定されてきた現在の耐震性能の評価技術によって導き出された結果でございます。
また、耐震性能分科会においては、委員から求められた全ての資料をお示しした上で検証していただき、その調査結果は妥当であるという見解を示されました。
なお、耐震性能分科会報告書では、現在の本庁舎は建設当時の技術を駆使し、丁寧に設計・施工しているが、その後の構造及び地震に関する技術の進歩や最新の知識を反映させると、耐震性能が不足しているという結果が得られたとの見解が示されております。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 言い訳のような答弁だったと思いましたが、総務省調査は前の建築基準法か現行基準法かではなく、防災拠点となる公共施設等の耐震化推進状況調査であり、耐震性能を有しているかという調査です。よって、耐震性能があることは明白です。耐震性能についてきちんと説明できないこと自体、耐震性能不足という建て替え根拠は破綻しています。そのことを認めるべきではありませんか。認めるか、認めないか、簡潔な答弁をお願いいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 先ほども御答弁申し上げましたとおり、耐震性能分科会において、委員から求められた全ての資料をお示しした上で、この報告書の中にもありますとおり、「現在の本庁舎は建設当時の技術を駆使し、丁寧に設計・施工しているが、その後の構造及び地震に関する技術の進歩や最新の知識を反映させると、耐震性能が不足しているという結果が得られた」との見解が示されているところです。
我々としては判断する中で、こうした詳細な分析調査を基に、これから庁舎の建設が必要であり、そして防災、あらゆる災害に耐えられる最新の技術による庁舎、そして非常に強靭な庁舎を造っていくことがやはり必要だということで判断した、このように我々は考えているところでございます。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 納得できませんので、続けて突っ込んでお尋ねいたしたいと思います。
市長は先ほどの答弁で、総務省への回答、100周年の記述という公文書の内容を否定されました。その上で、耐震性能分科会の委員から求められた全ての資料を示し、調査結果は妥当との見解を示されたと答弁されました。
耐震性能分科会には、地下連続壁が耐震壁として利用できると明記された現庁舎竣工図や、議会参考人の齋藤幸雄氏や市が意見聴取を行った三井宜之氏の意見書も提出されています。
建築構造では地元の第一人者である、熊本建築構造評価センター理事長である三井宜之氏は、耐震部会に出された意見書の中で、具体的な工法にも触れながら、繰り返し地中連続壁の効果の検証を指摘され、熊本地震で本庁舎が無傷だったのは、その結果であると指摘されています。
そもそも安井設計が市に提出した本庁舎整備計画作成業務委託の報告書の中には、地中連続壁工法が明記され、添付された設計図書にも地下連続壁が記載されており、安井設計クラスの設計事務所が見逃すことはないと、考えられないと疑問を呈されていました。
庁舎問題の裁判では、様々な事実関係が明らかになり、三井宜之氏も指摘されていた、より安全性を高めるため、大林組が本庁舎に採用したオウス・ソレタンシュ工法、アースアンカー使用などによる地中連続壁は、基礎評定委員会による第三者評価も行われて、本体使用の強度のある基礎耐震壁であったことも証拠を持って判明しています。
設計図や竣工図、施工記録、それに関する第三者評価も含め、厳然と存在する幾つもの事実を、現在の技術は地中連続壁などの効果を評価できるレベルにないと無責任に否定したのが、耐震性能分科会の結論です。なぜそんなことができるのか、それは会議の詳細が非公開だからです。
先日の代表質問では、なぜ耐震性能分科会に地元の学識者が入っていないのかという意見もありましたが、地元の学識者といえば、第一人者の三井宜之氏になります。そうなれば、耐震性能分科会は、いやがおうでも意見書で三井氏が指摘されている地中連続壁の効果をつまびらかに検証しなければなりません。地下連続壁の効果は検証できないなどと言えなくなるから、地元学識者は入れられなかったのです。
しかも意見書で、三井宜之氏は、地下連続壁の存在という前提条件を伏せて意見聴取をされたことは、熊本市側に何らかの意図を感じざるを得ないと市への疑問の目を向けられています。
ここまでして、地下連続壁の効果をないものにし、耐震性能が不足すると無理やり理由づけてきた市のやり方、これが市民に理解をされると市長は思っておられますか。お尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 今、議員の方から御質問がございましたけれども、これまでも先ほどから繰り返し申し上げておりますとおり、耐震性能分科会では様々なデータに基づき、そして最新の状態の中で今の建築基準法の様々な取組、やはりこの庁舎が建った時点と現在では建築の技術も大きく変わっているものでございます。
先日の能登半島地震におきましても、最新の技術で建てられた建物というのは、被災を免れていることも伺っております。
一方で、従前の基準によって建てられたものに関しては、やはり大きな被害があって、そしてあれだけの大きなビルが横倒しになることも、普通に考えたらなかなか起こらないだろうと皆さんが思われたのではないかと思います。
我々はできるだけ最新の技術で、一番新しい基準に合わせて、そしてこの特に民間の施設ではなく、防災のときの拠点施設となる市民生活を守る大変重要な施設であるということでありますから、私たちもこれまで何度も地下の調査をし、そしてまた複数のいろいろな専門家の皆さんから、特にこれは地震の専門家、建築の専門家、本当に日本で国の審議会の委員をなさるようなトップの見識をお持ちの方から、客観的・総合的に判断していただいて得られた結果だと思っておりますので、これを尊重し、これからもこの庁舎の建設に当たっては、しっかり市民の皆さんに安心していただいて、そして再建後、憂いがない状態をつくっていき、市民の皆さんにいざ何かあったときも、しっかり市民生活が守れるように全力で取り組んでまいりたい、このように考えております。
ですので、こうした状況をつまびらかに、今までもホームページで公開しておりますし、特別委員会等でも議論させていただいているところでございますので、今後も進め方に応じてしっかり市民の皆様に状況を説明させていただきたい、このように考えているところでございます。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 何と言われても、耐震性能分科会の会議録非公開では市民は確認もできないし、市長の答弁をそのまま理解するわけにはいきません。議事録の公表をかたくなに拒まれるのは、公表すれば耐震性能不足という建て替えの根拠が揺らいでしまうからではありませんか。耐震性能が不足するという建て替え根拠は、もはや破綻していることを率直に指摘いたします。
次に、民間参入のまちづくりで1点お尋ねいたします。
特別委員会で、民間開発のホテル・マンションは、容積率を最高で800%まで緩和できると答弁されました。採算等を考慮すれば、高さはどの程度が見込まれますか、熊本城の眺望を確保する高さ、制限は守られますか。市長にお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 熊本城の眺望を確保する高さ基準につきましては、今後の建設地を選定する過程において検討を行ってまいります。
なお、その際は本市の魅力を向上させ、地域活動や経済活動の活性化を導く地域固有の特性を生かした景観となるよう、熊本市景観計画に沿って進めてまいります。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 あいまいな答弁ですが、高さ制限の規制を緩和するのは、判断は市長です。自ら決めた熊本城の景観、眺望の基準を守る責任をきっぱりと果たしていただきたいと思います。
また、現庁舎敷地にホテルやマンションを建てる民間開発がどういうものか考えなければなりません。
先日、視察した渋谷区役所は、公共用地を70年間無償で不動産業者に貸し付け、区役所隣にタワーマンションを建設、対価として地上15階、地下2階、延べ床面積3万2,000平方メートルの区庁舎並びに2,000席の公会堂をマンション業者が211億円で建設しました。
一方、民間のタワーマンションは505戸で2億円、3億円の物件が多かったとのこと、平均価格2億円を想定しても、販売収入は1,000億円、区役所とマンション建設費を引いても、民間業者は多額の利益を得たのではないかと思われます。しかも、採算を理由に、37階の予定が39階建てへと企業の都合で変更されています。
今、全国の都市開発は、事業費の大部分を補助金と自治体の保留床買取りで賄う自治体頼みで、自治体が公の財産を民間に差し出し、民間デベロッパーが大儲けをしています。こうした住民福祉の向上と相入れない自治体の開発会社化への方向へは、進むべきではないということを今、指摘しておきます。
続けて、財政面で伺います。
1、特別委員会では、市庁舎の面積を基本構想から約8,000平方メートル増やし6万平方メートルに、整備費のイニシャルコストは115億円増えて約470億円と説明されました。
昨年の市民アンケートでは、建て替え賛成の人でもコンパクトにして費用は抑えてほしいとの意見があり、少なくない人が財政負担を心配しています。費用負担の軽減は検討されましたか。
2、1月1日に発生した能登半島地震は未曽有の被害となり、一刻も早い復旧・復興が望まれます。困難極める被災者のために仮設や災害公営住宅の建設、自宅の再建や公共施設、道路、インフラの復旧などへ、土木建設とその関連分野の尽力、資材・機材は最優先で集中すべきです。
そんなときに、熊本地震を立派に耐え抜いた頑丈な庁舎をわざわざ壊し建て替えることは、被災地能登の復旧・復興に逆行しませんか。能登地震の復旧・復興を最優先の立場で、庁舎建て替えはストップすべきではないでしょうか。
3、総事業費が500億円を超えると思われる庁舎建て替えの基本計画、基本設計、実施設計が一括の補正予算対応の見通しです。これだけの大事業の予算は、当初予算に計上すべきではないでしょうか。また、契約手法は一般競争入札になるのでしょか。
以上、市長にお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 財政面についてのお尋ねに順次お答えいたします。
庁舎の概算事業費につきましては、防災拠点としての機能強化や市民交流・情報発信スペースの拡充、職員数増加への対応など、市民はもとより、職員においても効率的で働きやすい環境を整え、求められる機能や期待される役割を十分に果たすために必要な規模を確保し、物価高騰等を勘案した上でイニシャルコストとして算出したものでございます。
今後も、建設地の形態や周辺環境など本庁舎等の要件の確定状況に応じて見直しを行いますほか、市民の皆様の御意見を伺いながら、議会での御議論を踏まえ、よりよい本庁舎の在り方についてさらに検討を深めていくとともに、合併推進債をはじめとした有利な財源の活用を図り、費用負担の軽減に努めてまいります。
次に、能登半島地震の被災地支援につきましては、地震発生直後から関係機関と連携しまして、復旧・復興の段階に応じた支援を継続しておりますが、被災地の災害対応の司令塔たる本庁舎が十分な機能を有し、決してその機能を失わないことの重要性を再認識いたしました。
今後も被災地支援に全庁一丸となって取り組みながらも、いつ、どこで起こるか分からないあらゆる災害に備え、市民の皆様の生命・財産を守るため、スピード感を持って本庁舎の建て替えに取り組んでまいります。
最後に、本庁舎の建て替えは、本市の防災拠点の中枢を担う施設としての重要性や緊急性、また合併推進債の活用による財政負担の軽減等を踏まえますと、スピード感を持って取り組むべきでございまして、その関係予算につきましては、準備が整った段階で速やかに計上させていただきたいと考えております。
なお、議員お尋ねの基本計画、基本設計、実施設計の一括発注に関する事業者選定手法については、今後詳細な検討を進めてまいります。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 国土交通省が全国の自治体に、工事の一時中止も含めて能登半島地震の復旧優先を求める通知を出しています。国の通知は、この熊本市役所でも関係各課へ回されています。こうした通知を知っているとは思えない市長の答弁でした。全国で能登半島地震の復旧・復興を最優先に国を挙げて取り組んでいるとき、それに逆行する庁舎建て替えを急ぐのは、心ない愚かな判断だと思います。
また、本来は限られた場合に、必要最小限で行う補正予算も急ぐあまりの乱用です。市長の尋常でない拙速な進め方は、原資が税金であることを忘れていませんか。500億円もの税金投入は必ずや本市財政に大きく影響し、市民サービスが犠牲になります。市民生活犠牲の大型箱物はやめてください。
市民合意で、1点伺います。
庁舎建て替えの決定的な問題点は、一番大切な市民の意向が聞かれていないことです。市政の主人公は市民です。市政の大事業である庁舎建て替えは、今の時点で市民に賛否を問うべきではないでしょうか。市長にお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 本庁舎等は、あらゆる災害から市民の皆様の生命・財産を守る重要な防災拠点施設であり、発災時においても機能を維持し続ける必要がありますことから、建て替えの方針で進めることとしております。
今後、議会での御議論はもとより、さらに市民の皆様に本庁舎等の建て替えの意義について御理解を深めていただけるよう丁寧な説明を行い、広く御意見をいただきながら合意形成に取り組んでまいります。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 なぜ聞けないのか、意思を確認すれば建て替えができなくなるからではありませんか。市民合意でも庁舎建て替えは破綻していることを指摘します。
耐震性能の不足という建て替え根拠が破綻し、建て替えの是非を市民に問うこともできず、建て替えありきで一足飛びに合併推進債活用期限の2024年末までに、実施設計にこぎ着けようという主権者である市民そっちのけの拙速な進め方は異常です。市民は納得できません。市民の意向を無視した庁舎建て替えはやめるべきです。
最後に、市長の政治資金についてお尋ねいたします。
開催中の国会は裏金国会と言われ、今や政治と金が国政を揺るがす大問題になっています。
市長は市民の代表であり、市の公共事業の発注者です。市民から見て一切の疑念が持たれない存在であるべきです。市長の政治資金管理団体「新世代政経懇話会」の公表されている直近2022年分収支報告書では、収入総額約2,898万円のうち、寄附とパーティー券収入が97%を占めています。寄附に関し、その内訳は個人が約1,414万円、政治団体が240万円です。個人寄附は105人から寄せられ、うち91人、約9割が会社役員で、それぞれの会社は私が確認しただけでも約6割が熊本市の発注実績がありました。
熊本市政治倫理条例第3条、政治倫理規準2項には「政治活動に関し、企業、団体等から、政治的又は道義的批判を受けるおそれのある寄附等を受けないものとし、その後援団体についても同様」と定められています。発注先である会社役員からの政治献金は、事実上受注関係にある企業団体からの献金であり、政治倫理条例に照らし批判を受けると思われませんか。答弁をお願いします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 政治資金規正法は、政治団体を除く会社、労働組合等の団体が政党の支部、または政治資金団体以外の者の政治活動に対して行う寄附を制限しておりまして、個人からの寄附までは制限しているものではございません。
資金管理団体であり、私が代表を務めます新世代政経懇話会への寄附につきましては、全て個人及び政治団体からのものであり、政治資金規正法やその他関係法令にのっとって適正に処理を行っているものと考えております。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 収支報告には、熊本市の受注業者、役員の名前がずらっと並んでいますが、その受注業者役員からの政治献金を受けているということは認識されていますか。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 先ほども申し上げましたとおり、これは全て個人及び政治団体からのものでありまして、政治資金規正法やその他関係法令にのっとって適正に処理されていると考えております。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 個人寄附ということで、受注業者の経営者、役員の名前があることは知っていますか。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 私を応援してくださる個人の皆様方は、様々な職業についておられますので、当然そういった市の関係のある方もいらっしゃるかもしれませんけれども、一つ一つを私が認識しているわけではなく、個人としてそれぞれお付き合いさせていただいている中で、私の政治活動に共感し、そしてまた頑張れということで、応援の気持ちでこうした活動に協力していただいているものと認識しております。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 かもではなくて、分かっているんですよね。きちんと言ってください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 あくまでも私の資金管理団体にいただいている寄附については、個人からのものでございますので、その受注がどうこうということに関して、私は特段の感覚は持っておりません。
〔47番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 何か国会と同じみたいなんですけれども、それは政治資金収支報告書、もうまさに個人の寄附の欄の個人のお名前、そこに書かれてある御住所というのは、その方の経営しておられる会社の住所が書いてあります。当然市長は知っているはずです。答えられないのかもしれませんが、確認をしてください。それぐらいは私でもできたことなので、できると思います。
予算を議決する議員と違って、直接公共事業の発注権限を持つ市長は、企業等からの政治献金については一層厳しい政治倫理観が必要とされます。だから、私は政治倫理条例を言ったんです。政治資金規正法のことは言っておりません。
市長は、よって立つべき政治倫理基準を決めた本市の条例、これに市長が何と言われようとこの政治倫理条例に抵触するのか、そのことが問われていると私は考えておりますので、確認のほどよろしくお願いいたします。
それから、次に、政治資金パーティーについて伺います。
団体献金の抜け道といわれる政治資金パーティー、これにつきましては、市長はまず政治倫理条例でも「その地位を利用して金品を授受しないこと」と定められておりますので、この受注業者も参加をされていると思われるパーティー券収入で政治資金調達が行われていること、これは個人寄附と全く同じような状態で行われていることを確認しております。これについてどう思われるのか。
そして2つ目には、政治資金パーティーが企業・団体との癒着にとどまらずに、裏金づくりの温床となり得る面がある。この点では、国会でも大問題の政治資金パーティーをおやめになる考えはないか。2点お尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 新世代政経懇話会が開催いたします春の集いと大西一史政経フォーラムにつきましては、いずれも政治資金規正法の規定に基づく政治資金パーティーでありまして、適法なものであると承知しております。
これらの政治資金パーティーの収入は、その対価にかかる収入でございまして、寄附等ではないことから、熊本市政治倫理条例に規定します政治倫理基準には反しないものと考えております。
また、先ほど述べましたとおり、政治団体によります政治資金パーティーの開催は、政治資金規正法に規定されております。この規定に基づき開催しております新世代政経懇話会の政治資金パーティーは、適法なものと認識しておりまして、今後も交流する等の中で中止することは考えておりません。
○田中敦朗 議長 質問時間を超えましたので、これをもちまして質問を終了したいと思います。
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○田中敦朗 議長 この際、議事の都合により休憩いたします。
午後2時に再開いたします。
午後 0時10分 休憩
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午後 1時59分 再開
○田中敦朗 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
────────────────────────────
○田中敦朗 議長 一般質問を続行いたします。
菊地渚沙議員の発言を許します。菊地渚沙議員。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇 拍手〕
◆菊地渚沙 議員 参政党の菊地渚沙です。
昨年9月の質問から半年明け、2回目の一般質問になります。前回は子供の教育やオーガニック給食について取り上げさせていただきましたが、今回も引き続き子供に関する質問のほか、新型コロナウイルス感染症対策の検証、まちづくりについて質問させていただきます。一般質問の機会をいただきましたことを、議員の皆様に心から感謝申し上げます。ありがとうございます。
それでは、早速通告に従って質問に移ります。
1、新型コロナウイルス感染症対策の検証について。
(1)急激な人口減少の要因と分析、(2)救急搬送件数増加の要因と傾向、2点まとめて質問させていただきます。
現在、全国的に死亡者が急増しており、2023年の国内の死亡者は約159万人、出生数を引いた自然減は約83万人と、たった1年で熊本市が消滅する勢いで人が亡くなっております。
本市においても、その傾向が見られるか調べましたところ、2018年は6,924人、2019年7,297人、2020年7,090人、2021年7,406人、2022年8,238人でした。2022年は前年比111%、832人増えており、本市の死亡者も急増していることが分かりました。さらに、昨年、2023年は2022年を上回るペースで亡くなる方が増え、昨年1月は946人死亡しており、前年同月比で124%となっております。
死因を調べて見ますと、2022年はコロナ感染症による死亡が前年比467%、231人増、神経系疾患の死亡者は前年比約116%、54人増えております。循環器系疾患の死亡者は前年比110%、167人増です。市民の代表として急激な死亡者の増加は見過ごすことができません。
ここで、質問です。
本市の死亡者が急激に増えている原因について、今後さらに詳細な分析を進める必要があると考えますが、健康福祉局長のお考えをお聞かせください。
もう一点、救急出場件数についても調べましたところ、2023年の速報値で4万5,926件となっており、これは過去最大の数字です。内訳を見ますと、一般負傷の数が急増しております。一般負傷の数が増えている要因と傾向について、消防局長にお尋ねします。
〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕
◎津田善幸 健康福祉局長 私からは、死亡者数の急激な増加の要因とその分析についてのお尋ねにお答えいたします。
議員御指摘のとおり、本市の死亡者は人口動態統計において、直近の令和4年は前年比832人増と顕著な死亡者数の増加となっております。死因別では新型コロナウイルス感染症が顕著であり、また、循環器系疾患や老衰など、いずれの疾患にも分類されないものも増加しております。
全国的に見ましても、死亡者数の増加は同様の傾向でありますが、国においてもその要因分析は明らかにされておりません。本市におきましても、現状ではこれ以上の要因分析は困難と考えておりますが、顕著な死亡者数の増加は深刻な問題であるため、今後の国や関係機関等による要因分析等の動向や経年的な推移を注視してまいります。
〔福田和幸消防局長 登壇〕
◎福田和幸 消防局長 私からは、救急搬送件数増加の要因と傾向に関する御質問にお答えいたします。
議員御指摘のとおり、一般負傷による救急搬送人員につきましては、令和5年の速報値で6,878人と対前年比で約12%の増加となっております。
増加の要因といたしましては、道路や多数の人が集まる場所での転倒、転落などが増加しており、新型コロナウイルス感染症対策での行動制限が緩和され、外出する機会が多くなったことが影響していると考えられるところでございます。
また、65歳以上の方の搬送割合が年々増加している傾向でありますことから、高齢者に対する転倒・転落防止対策及び救急車の適正利用につきまして広報を推進してまいります。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇〕
◆菊地渚沙 議員 死亡者の増加について深刻な問題であると認識しておられるとのことでしたが、今後も注視していただきますようお願い申し上げます。
ウイルスというものは、宿主に寄生することでしか増殖できない特性を持っており、変異を繰り返すたび感染力は強くなる一方で、基本的には弱毒化していく性質を持っています。ウイルスが弱毒化しているにもかかわらず、新型コロナウイルス感染によって死亡者が急増している要因の一つとして、ワクチンの頻回接種によって、私たちの体にもともと備わっている免疫機能に何らかの異常を来している可能性があるということを指摘しておきます。
どういうことかと申しますと、私たちの体には病原菌などに反応する抗体があり、血液中に最も多く含まれるのがIgG抗体というものです。IgG1からIgG4までそのタイプは4種類あります。血液中に存在する量は番号順にIgG1が最も多く、IgG4は一番数が少ないはずなのですが、mRNAワクチンを打ちますと、抗体の種類がIgG4に変わること、特に2回目の接種以降、IgG4抗体の数値が上がることが分かっています。
通常ウイルスを攻撃するIgG1やIgG3などの抗体がつけば熱や炎症が起きますが、mRNAワクチンによってウイルスの抗原を寛容するIgG4抗体が増えますと、1回目や2回目のワクチン接種後に起きていた炎症が起きづらくなることが分かっております。IgG4が増えている状態では、免疫系の機能が不全となっている状態と等しく、自己免疫疾患を誘発し、炎症や皮膚炎にかかりやすくなります。4回目の接種以降では、発熱などの副反応の発生が少なくなることも、帯状疱疹やがんになることもIgG4抗体の数値が上がることが深く関係しております。
これらの結果は、アメリカのクリーブランドクリニックで行われた研究で示されており、mRNAワクチンは免疫抑制することが分かっており、免疫を抑えていたことによってこれから先多くのがん患者が増える可能性があります。
クリーブランドクリニックとは、アメリカで最も大規模で敬意を持たれている医療機関の一つとされており、心臓科が全米病院ランキング10年連続で第1位にも輝いている、従業員の数も2万7,000人に上る、世界90か国から患者の訪問がある非営利医療機関です。ワクチンを接種しても自分は何ともなかったとおっしゃる方もいると思いますが、ロットによって死亡者が多いロットがあることも分かってきており、何も起きないロットもあるようです。まるでロシアンルーレットのようです。
また、がんウイルスで非常に重要な働きをしているSV40プロモーターというがんウイルス遺伝子の一部が、ワクチンの中に組み込まれているという衝撃的な論文も出てきております。私は全てのワクチンを否定するつもりはございませんが、今回のmRNAワクチンに関しては、デメリットがメリットを大きく上回っているのではないかと思っています。
また、65歳以上の方の搬送割合が年々増加している傾向につきましても、長引く自粛生活によって筋力が低下し、転倒や骨折する人が増えている可能性が考えられます。コロナ禍では感染防止のため病院や介護施設で面会制限がありましたが、家族とも会えず、今までできていた野外レクリエーションもできず、行動が制限され心身共に受けた影響は計り知れません。
高齢者が1日室内にいては、足腰が弱るのは当然のことです。このように過度な感染対策から引き起こされる事象について、今後公衆衛生の在り方を議論される際は、十分に考慮していただきますようよろしくお願いいたします。
長くなりましたが、次の質問に移ります。
(3)mRNAワクチンの中長期的な影響について質問いたします。
昨年5月から、新型コロナウイルス感染症の分類が2類相当から5類に移行し、収束の兆しが見えているところではございますが、国民の血税100兆円を投じて行われてきた感染対策の結果と検証について、国はまだ総括できていない状況です。もし次のパンデミックが起きたときこれまでと同じ対策でいいのか、政令市としても検証し、国に対して報告する必要があると考えます。
ワクチンの安全性について疑問を持つ医師や研究者が設立した一般社団法人ワクチン問題研究会が、今年1月に厚生労働省で開いた記者会見で、接種後の健康被害に関する報告論文が世界中で3,000本以上発表されており、mRNAワクチン接種後に免疫、血液、神経など全身に症状が現れていることを指摘しています。
また、2023年9月の武見厚生労働大臣の会見では、新型コロナウイルスや高齢化では説明できない死亡数の大幅な増加が起きている件についてどのように考えているかという記者からの質問に対し、国民の死亡数増加の実態把握をするために、地方自治体とも連携しながら実態把握を行い、それによる今後の対応策をしっかり固めていきたいと発言しております。
ここで、市長にお尋ねします。
人の命に関わる重要な問題です。熊本市としましても、ワクチンの中長期的な影響について死者数、死因、急激に増えた症例など積極的に調査し、今後のよりよい感染対策のためにも国へ報告していただきたいと考えますが、市長のお考えを聞かせください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 新型コロナワクチンの成分でありますメッセンジャーRNAは、接種後数日以内に分解され、接種後につくられるスパイクたんぱくも接種後2週間でなくなると言われており、ワクチンの性質上、接種後1年間以上たってからの副反応は想定されておりません。
しかしながら、新しいタイプのワクチンでありますため、国が実施いたします中長期の副反応に関する実態調査が行われる際には、本市としても積極的に協力してまいりたいと考えております。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇〕
◆菊地渚沙 議員 今後、実態調査が行われる際は、積極的に協力していただくとの心強い御答弁をありがとうございました。
国からの要請を待っている間に、犠牲者はしかしながら増え続けるばかりです。全国市長会や九州市長会で政令市のファーストペンギンになっていただき、問題提起してくださいますようお願い申し上げます。
一般社団法人ワクチン問題研究会は、ワクチンが体内でつくり出すスパイクたんぱくそのものが人体に有害であることを疑っており、それを証明するため病原部位のスパイクたんぱくがワクチン由来なのか、ウイルス由来なのか、検査法の確立の研究を進めております。今後も国内外の動向についても注視していただければと思います。
続いての質問です。
(4)今後の感染症対策と市民への影響にについて。
自己増殖型レプリコンワクチンの特徴とリスク、パンデミック条約の締結と国際保健規則の改正に伴う市民への影響、地方自治法改正に伴う市民への影響、まとめて質問いたします。
昨年11月、政府は、mRNAワクチンに改良を加えたレプリコンワクチンを薬事承認しました。このワクチンは国産ですが、アメリカのバイオ企業が開発した技術が使用されています。レプリコンとは自己増殖という意味で、投与後に体内で成分が増えることから、少ない摂取量でワクチンの効果が持続することが期待される一方で、いつまで増殖し続けるのか、体内で合成された物質が拡散し、周囲に影響しないのかなど市民からは不安の声が上がっています。
政府は、今年5月に行われるWHO総会に向けて、パンデミック条約の締結と国際保健規則の改定の交渉中ですが、保健衛生施策が一国連機関に委ねられることでロックダウンやワクチンが強制されるのではないか、また、地方自治法改正に伴い、次に新たなパンデミックが宣言されたときに、ワクチンが強制されるのではないかと市民の間で不安が広がっています。
ここで、市長にお尋ねします。
国と地方は対等の関係です。政府がコロナ対策の総括ができていない中、人の体に直接投与するワクチンの強制は避けなければいけないと考えます。市民の選択の自由をどう守っていくのでしょうか。レプリコンワクチンの特徴とリスク、地方自治法改正について市が把握している情報と併せてお答えください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 レプリコンワクチンは、接種後にメッセンジャーRNAが細胞内で複製され、持続的に抗原たんぱくがつくられるワクチンで、少ない摂取量で効果が長く持続すると言われております。
国内外の臨床試験において、一定の発症予防効果や中和抗体価の上昇が確認されたこと、また、有害事象の種類や発現割合等に現在使用しております他社ワクチンと比べて明確な差は認められず、安全性は許容可能と判断できたことから、令和5年11月に薬事承認されたものと伺っております。
地方自治法の改正案では、大規模な災害、感染症の蔓延等の事態における特例として、他法令の規定により指示ができる場合を除き、国は地方公共団体に対し必要な指示ができることとされており、予防接種については、令和4年に改正されました予防接種法第6条第3項に基づき、厚生労働大臣の指示により市町村長が実施することとなります。
あくまでも接種が強制されるものではなく、本市としては今後とも正確な情報提供に努めてまいります。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇〕
◆菊地渚沙 議員 御答弁ありがとうございます。
今回の新しいワクチンに関して、開発元のアメリカではなく日本人に投与されるということが、私はまるで日本人が人体実験されているように感じざるを得ません。市長の御答弁では、あくまでも接種は強制されるものではないという認識を確認できて安心いたしましたが、自己増殖型という新しいタイプの遺伝子ワクチンですので、今後も政府の動向に注視していただくと同時に、市民に正確な情報が伝わるように周知の方法にも今よりさらに工夫していただきたいと思います。
(5)新型コロナワクチンの後遺症の支援について質問に移ります。
思いやりワクチンと言われ、国民の8割以上が接種したmRNAワクチンですが、残念なことに追加接種した人の割合が先進国で最も高い我が国が、コロナ感染率、コロナ死亡率が最も高いという結果が出ています。さらに、新型コロナワクチン接種後に体調不良が続き、後遺症で苦しまれる方、お亡くなりになる方、家族をなくされる方が現在増えています。
厚生労働省の発表によりますと、今年2月19日時点の新型コロナワクチン接種による予防接種健康被害救済制度の受理数は、全国の累計1万273件、認定は6,276件、未審査は2,801件となっております。うち死亡一時金または葬祭料に係る認定件数は463件です。
熊本市のデータを見ますと、2月18日時点の予防接種健康被害救済制度の申請件数は55件、認定は29件、うち死亡認定は2件となっております。救済制度の申請には費用と労力がかかりますので、これらは氷山の一角に過ぎないのではと私は考えます。
昨年、市内で開催された新型コロナワクチンのシンポジウムに行った際に、ワクチン接種後に体調不良が続いたが、治療にたどりつけず苦しんでこられた方のお話を聞きました。その方は、治療を受けられる病院を見つけるまで何件も病院を回られたそうです。打つ前までは健康体だったのに、日常生活や仕事に支障が出た方も会場にいらっしゃいました。
ここで、健康福祉局長にお尋ねします。
新型コロナワクチン接種後の長引く体調不良で、つらい思いをされている方への寄り添った支援が必要と考えます。後遺症に悩む患者に対して治療を行っている医療機関の情報提供は行っているのでしょうか。また、どのような方法で情報提供しているのでしょうか。
〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕
◎津田善幸 健康福祉局長 新型コロナウイルス感染症の罹患後症状につきましては、新型コロナウイルス感染症の健康相談専用ダイヤルや保健所において相談を受け付け、状況を聞き取りながら丁寧な対応に努めております。診療可能な医療機関につきましても、昨年、県と合同で医師会を通じ各医療機関へ調査を行った上で、県のホームページにおいてその一覧を掲載しております。
また、新型コロナワクチン接種後に生じる副反応に関する相談につきましては、かかりつけ医のほか、県の専門的相談窓口、本市コールセンターで受け付けております。かかりつけ医がない場合などは、当該コールセンターで医療機関を御案内しております。このことにつきましては、各種広報媒体を活用し、周知しているところです。
今後も、体調不良でつらい思いをされている方が安心して医療を受けることができるよう、県や医師会と連携し、対応可能な医療機関の情報提供を行うとともに、相談窓口での丁寧な対応を続けてまいります。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇〕
◆菊地渚沙 議員 救済制度では、亡くなられた方には死亡一時金や埋葬料、障がいが認められた場合に障害年金などが給付されますが、多くの方は医療費のみの給付となります。法定受託事務とはいえ、実際に接種の窓口となったのは地方自治体です。一部の自治体では、救済制度を申請した際に数万円程度見舞金を給付しているところもあるようです。体調不良の中、申請に必要な書類を集めるのにも大きな負担がかかりますので、少しでも負担を軽減できるような支援の御検討もお願いいたします。
続いて、少子化対策について質問に移ります。
(1)少子化がもたらす影響と出生率向上の取組について質問させていただきます。
本市の最新の統計によりますと、2022年の合計特殊出生率は1.43、出生数は5,792人、人口1,000人当たりの出生率は7.8%、死亡率11.2%、自然増加率はマイナス3.3%と過去最低の数字となっています。一刻も早い少子化対策が必要であることが分かります。
政府は、現在人口減少を補うために海外からの移民受入れに力を入れておりますが、厚生労働省発表の外国人雇用状況によりますと、2023年10月時点の外国人労働者数は前年比12.4%増の204万8,675人となっており、在留外国人の数は322万人を超えています。
移民を受け入れることで人手不足の解消、海外進出の足がかりとなる利点がある一方で、外国人労働者は安価な労働力の対象とされやすいこと、文化や生活習慣の違いからコミュニケーションが取りづらいといった課題もございます。
また、アメリカや欧州各国では、大量の移民の影響で民族構成が大きく変わり、スウェーデンでは今後30年以内にスウェーデン民族が少数派になるという予測が出ております。
我が国も、先人たちがこれまで培ってきた日本人の精神性や伝統文化を守っていけるのか、私は心配しています。国や自治体は移民に頼る前に、国内の出生率を上げていく努力をしなければいけないと思います。
ここで、質問です。
1点目、今後ますます少子化が進むとどういった影響が出るのか、本市の人口の未来予測と少子化が進むことで市民生活にどのような影響が出てくるのか、政策局長にお尋ねいたします。
2点目、一刻も早い少子化対策が急がれますが、本市の出生率を上げるための取組と目標値についてこども局長にお尋ねいたします。
〔田中俊実政策局長 登壇〕
◎田中俊実 政策局長 私からは、少子化がもたらす影響についてお答えします。
本市では、現在改定を行っている人口ビジョンにおいて、合計特殊出生率が2022年実績の1.43のまま推移した場合や、市民希望出生率が1.9まで改善するとした場合など、4つのパターンで人口の将来推計を行っております。
将来推計では、いずれのパターンにおいても今後人口減少が続く見通しであり、また、人口構成の面においても、65歳未満の年少人口・生産年齢人口は共に減少を続ける一方で、65歳以上の老年人口は増加を続ける見通しであります。
〔議長退席、副議長着席〕
また、少子化が進むことによる人口減少や人口構成の変化により、労働力不足や経済活動の停滞、社会保障費の増大、さらには世帯形態や教育環境の変化、地域コミュニティの活動の衰退等の影響が懸念されます。
本市としましては、人口減少の抑制に加え、女性や高齢者など多様な主体の社会参画やデジタルトランスフォーメーションの推進など、人口減少への適応という2つの視点で次期総合計画の策定を進めており、今後もこの総合計画に掲げる目指すまちの姿の実現に向けて着実に取り組んでまいります。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕
◎木櫛謙治 こども局長 出生率向上の取組と目標値についてお答えいたします。
結婚、出産に対する価値観の変化、経済的負担、子育て環境、雇用への不安などを背景として、未婚化、晩婚化など複雑な要因により少子化が進行しております。
このため、結婚・妊娠・出産などの希望をかなえ、子供の健やかな成長と安心して子供を産み育てることができる環境整備をさらに進めることが必要でございまして、このことが出生率の改善にもつながるものと考えております。
そこで、結婚支援センターの開設や産後ケアの拡充など、結婚・妊娠・出産から子育てまでの切れ目のない支援や民生委員・児童委員との連携強化など、地域における子育て支援の充実に取り組むこととしております。
目標値につきましては、第8次総合計画では、人口減少の抑制の視点から出生数の維持を目指し、最終年度となる令和13年度の合計特殊出生率を1.55としております。
今後も市民の皆様の御意見を伺いながらニーズを的確に把握し、こども・子育て施策をより一層充実させてまいります。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇〕
◆菊地渚沙 議員 子供を産み育てやすい切れ目ない支援と同時に、所得を上げるための経済活性化が急がれます。しかし、経済の回復を待っていては、遅過ぎるということを指摘させていただきます。
民族を絶やさないという視点からも、本市としても、こども・子育て施策の拡充と併せて、子供を持ちたいと思っている世代の経済的支援もぜひお願いいたします。
続いての質問です。
0、1、2歳の保育料無償化について質問させていただきます。
妊娠、出産の適齢期は25~35歳頃までと言われており、本市の25~35歳の女性は人口の約5%、4万1,881人です。この時期の女性に出産していただかないと、少子化は止まりません。私も適齢期を過ぎておりますが、適齢期を過ぎた妊娠、出産には母子共に様々なリスクがあるため、若い世代にアプローチできる経済対策が急がれます。
現役世代は給料が上がらず、物価高騰や税の負担が家庭に大きくのしかかり、手元に残る可処分所得が減少しています。経済的な理由からなかなか結婚に踏み切れない若い世代や、2人目、3人目を考えている家庭への後押しとなる経済的な支援が必要だと考えます。
核家族、共働きが増えたことによって子供を預けて働く家庭が増えておりますが、本市では、2019年10月に国策の幼児教育・保育の無償化に伴いまして、幼稚園、保育所、認定こども園など利用する3歳以上の子供が保育料無償となりました。0、1、2歳児の保育料につきましては、住民税非課税世帯の子供を対象に無償化されています。0、1、2歳の保育料の無償化対象外の世帯では、収入にもよりますが、毎月の負担は3万5,000円~5万5,000円ほどになります。
そこで、こども局長にお尋ねします。
0、1、2歳の保育料無償化は、経済的負担を減らし、結婚、出産の後押しになると考えますが、今後取り組む予定はあるのでしょうか。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕
◎木櫛謙治 こども局長 保育料に関する質問にお答えいたします。
無償化の対象外である0~2歳までの保育料につきましては、国の基準では、兄弟のうち就学前の範囲内に2人以上いる場合に、2人目は半額、3人目以降は無料となります。
これに加え、本市は独自の上乗せ基準を設けておりまして、現在、同一世帯の第1子が18歳に達するまで第3子以降を無料にするなど、子育て世帯の経済的負担の軽減に取り組んでおります。
0歳~2歳までの保育料の無償化につきましては、財源の確保が重要な課題であり、また、各自治体がそれぞれ制度設計をすることは、助成内容に差異が生じることになります。
このため、保育料の負担軽減等につきましては、国による財政措置と統一的な拡充について指定都市市長会から要請をしておりまして、今後も引き続き国に働きかけてまいります。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇〕
◆菊地渚沙 議員 0~2歳までの保育料完全無償化を実現するためには、国の財政措置が必要であることがよく分かりました。今後とも政令指定都市市長会への働きかけの継続をお願いいたします。
少子化対策で成功している兵庫県明石市では、国がやらないから世界のスタンダードを明石市からやると前市長が声を上げ、市の事業を徹底的に見直して財源をつくり、第2子以降の保育料の完全無償化、中学校の給食の無償化など、様々な子育て支援施策を投じて成功しております。
子供に本気でお金をかけると出生率が上がり、ファミリー層が増え、新たな消費行動につながり、まちににぎわいが生まれ、結果、明石市では税収が上がっているとのことです。
子供にお金をかけることで、巡り巡ってまちの発展に寄与することが実証されています。本市は独自の上乗せ基準を設けているとのことですので、ぜひ今後PRの強化をお願いいたします。
3番、子育て支援について質問いたします。
(1)こども計画策定に向けた意見聴取の方法について。
昨年4月、こども施策を社会全体で総合的かつ強力に推進していくための包括的な基本法としてこども基本法が施行され、本市でもこども計画が策定される予定です。
こども計画とは、こども政策の総合的な推進と市民にとっての分かりやすさの向上、計画策定の事務効率化のため、子供に関する各法律に位置づけられている4つの個別計画を一体化した計画のことです。策定に当たりまして、子供や若者、子育て当事者の意見を十分に反映させた計画となるよう定めています。
そこで、こども局長にお尋ねします。
本市では、こども計画策定に当たり、子供たちへアンケート調査を行うと聞いておりますが、記述式のアンケート以外にも、グループワークやワークショップといった対話形式で子供たちから意見聴取をする機会をつくる予定はあるのか教えてください。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕
◎木櫛謙治 こども局長 こども計画策定に向けた意見聴取の方法についてお答えいたします。
子供や若者、子育て当事者の御意見を伺い、施策に反映させていくことは大変重要でございまして、本市のこども計画の策定に当たりましては、アンケート調査等に加え、当事者の皆様から直接ご意見を聴取してまいりたいと考えております。
具体的には、市長とドンドン語ろう!~こども・子育て版~の開催をはじめ、イベント等での出張ヒアリングやワークショップの開催などを予定しておりまして、国において策定中のガイドラインを参考にしながら、多様な意見聴取の機会を設けてまいりたいと考えております。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇〕
◆菊地渚沙 議員 多様な意見を聴取し、当事者の声を反映していただきますようお願い申し上げます。
本計画の主役である子供たちが主体的に関わることで、自分たちが住むまちのルールづくりに関わっている実感を持つことができ、自分たちの住むまちに対する愛着形成や主権者教育にもつながることと思います。地域の特性ごとに子供たちの学びや遊ぶ環境が異なりますので、できるだけ多くの学校を回っていただき、多様な意見の反映をお願いいたします。
続きまして、川崎市子ども夢パークの取組について質問いたします。
子供にとっての遊びとは、その先の人生で重要となる自発性や表現力、コミュニケーション能力を身につけられる貴重な学びの機会です。
熊本市にある子供の遊び場には、動植物園、江津湖の水遊び場、立田山のアスレチック、運動公園、こども文化公園、子育て総合支援センター、そのほかにも地域の公園、学校の校庭などがあります。
先日、神奈川県川崎市まで子供の遊び場、川崎市子ども夢パークを視察してまいりました。夢パークは川崎市子どもの権利に関する条例の理念を基に、子供が自分の責任で自由に遊び、学び、つくり続けていく子供の居場所、活動拠点となる施設で、2003年7月に建てられました。
自分の責任で自由に遊び、土や水、火や木材などの自然素材や工具を使い、子供たちの遊び心によって自由に作り変えられるプレイパークやサイクリングロード、全天候型スポーツ広場、音楽スタジオ、ログハウスのほか、室内にはただごろごろとできる「ごろり」と名づけられた図書室を兼ねた部屋もあります。家でごろごろとしていると怒られるから、子供たちの希望で実現されたそうです。危ないから駄目ではなく、大人は見守りに徹し、子供たちのやりたいを尊重した夢のような施設が川崎市子ども夢パークです。
思えば、私が小さい頃は子供だけで自由に遊べるような場所がたくさんありましたし、ここにいらっしゃる議員の皆様が子供の頃はそういった場所ももっとあったのではないでしょうか。
しかしながら、現代の子供たちは親と一緒ではないと行けないところや、ボール遊びをしていても気を遣ったり、一昔前より目に見えない制限が多くなりました。私は子供たちの心の成長のため、夢パークのような創造性や知的好奇心を満たすような居場所が必要と考えています。
ここで、こども局長にお尋ねいたします。
本市のこども計画の中に、川崎市子ども夢パークのような子供たちの居場所づくりについて検討される予定はあるのでしょうか。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕
◎木櫛謙治 こども局長 子供の居場所づくりについてお答えいたします。
まず、こども計画は、こども施策を総合的に推進するための基本的な方針、重要事項等を定め、こども施策の方向性を具体化、体系化し、整理していく予定でございまして、子供の健やかな成長の原点である遊びの重要性も踏まえる必要があると考えております。
そこで、子供の遊び場も含め、子供の居場所につきましては、来年度地方自治研究機構と共同研究に取り組む予定でございます。
また、こども計画を策定していく中で、子供、若者、子育て当事者の御意見も踏まえながら、子供たちが自由に伸び伸びと遊べる環境づくりのための効果的な手段について研究してまいります。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇〕
◆菊地渚沙 議員 御答弁ありがとうございます。
不登校の子供は全国で約30万人、若者の死因で一番多いのが自死です。ストレスの多い社会の中で、ありのままの自分に帰れる居場所が今の子供たちには必要です。子供の健やかな成長の原点である遊びの重要性を踏まえまして、子供たちが本来持っている創造力や知的好奇心を満たす居場所について、こども計画の策定に合わせて本市でも取り組んでいただきたいと思います。
続いて、まちづくりについて。
午前中の質問と一部重複するところがございますが、少し切り口を変えた質問になっておりますので、御容赦ください。
本市の一大事業であります本庁舎建て替えですが、新庁舎の設計や建設費、現庁舎の解体に係る概算の事業費は、2019年の段階では355億円の想定でしたが、物価高騰の影響などで115億円増額の470億円の想定となっております。
昨年、取られた熊本市庁舎等に関する市民アンケートの結果では、自由記述欄1,702件のうち、建て替えに肯定的な意見が504件、建て替えは不要とする意見が384件でした。現庁舎が耐震基準に満たないという理由から、建て替え前提でアンケート調査されたかと思いますが、自由記述で賛否が分かれた意見を多くいただいていることから、初めからストレートに賛否が回答できるようにしておけばよかったのではないでしょうか。全員は納得することはできなくても、市民に愛される施設となるように、市民の不安や心配の声にも耳を傾け、今後は市民の合意形成と丁寧な説明、そして市民の意見の反映が必要だと考えます。
特別委員会で議論が重ねられている最中ではございますが、合併推進債の期限も迫っていることから急ぐが、あまり市民を置き去りになっていないか、市民のための施設であるという最も大切なことが抜け落ちていないか心配になったので、ここで質問します。
政策局長にお尋ねします。
市民アンケート自由記述欄の不要、慎重派の市民の声をどう受け止めているでしょうか。市民の不安をどのように解消し、どのように民意を反映していくのでしょうか。
〔田中俊実政策局長 登壇〕
◎田中俊実 政策局長 あらゆる災害から市民の生命、財産を守る重要な防災拠点である本庁舎等については、本庁舎等整備の在り方に関する有識者会議からの建て替えるべきとの答申を重く受け止め、建て替えの方針で検討を進めております。
議員御指摘の市民アンケートは、その方針を前提に市民の皆様から本庁舎等に求める機能等をお尋ねする目的で実施したものであります。
その中で、建て替えは不要、または慎重に検討すべきとされた要因については、本庁舎の耐震性能調査の結果に対する疑問や建て替えによる財政への影響についての御不安をお持ちであることなどが考えられます。
このようなことから、建て替えに当たっては、スピード感を意識しながらも、市議会はもとより、市民の皆様に十分御理解をいただくことができますよう積極的な情報提供と分かりやすく丁寧な説明に努めるとともに、広く御意見を伺いながら進めていくことが大変重要であると考えております。
今後、策定する基本構想はもとより、令和7年度以降の複数年に及ぶ基本計画、基本設計、実施設計のそれぞれの段階において、市民の皆様からいただいた御意見を踏まえ、合意形成を図りながらよりよい庁舎の建設に向けて取り組んでまいります。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇〕
◆菊地渚沙 議員 御答弁ありがとうございます。
市民の意見の反映という言葉は聞けず、非常に残念な気持ちでいっぱいになりました。
続いての質問に移ります。
熊本市公式LINEの情報整理についてお伺いいたします。
皆さん御存じのとおり、熊本市にはイベント、子育て、健康、仕事などの生活に密着した情報の中から、必要な情報をタイムリーに届ける公式LINEアカウントがございます。登録者は18万5,000人を超え、様々な機能がございますが、昨年9月より新機能として災害情報も受信できるようになりました。
しかし、情報量が多くなるとともに、知りたい情報にたどり着きづらくなっているのが現状です。登録した項目の数にもよりますが、複数登録した場合、1日に数十件配信がある日もございます。
そこで、政策局長にお尋ねします。
公式LINEの登録項目を増やすと、情報が煩雑になり結局全部読めないといった状況が起こり得ます。たどり着きたい情報にたどり着けなくなっている現状を改善するため、目的別の整理、イベント情報については、カレンダー機能を設けるなど利便性を高める改善をする予定はございますでしょうか。また、公式ホームページのイベントと連動する予定はありますでしょうか。
〔田中俊実政策局長 登壇〕
◎田中俊実 政策局長 熊本市公式LINEの利用に当たっては、イベント、子育て、健康、仕事、スポーツなどの11項目から配信希望の項目を登録していただき、御希望の情報を発信しているところですが、複数の項目を登録されますと、受信件数が増えることから多くの文字情報を御確認いただくことになります。
そのため、文字によるメッセージをできる限りコンパクトにまとめ、詳しい情報は市の公式ホームページ等のリンク先へ画像で導くなど、分かりやすい情報発信に取り組んでいるところでございます。
議員御提案の目的別の分類等につきましては、LINEアプリ自体に機能がないため設定はできませんが、市のホームページとの連動によるイベントスケジュールの配信など、利用される皆様が分かりやすく、利用しやすい情報発信に取り組んでまいります。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇〕
◆菊地渚沙 議員 前向きな御答弁ありがとうございます。
民間団体のお力添えもあり、本市では日々様々なイベントが開催されております。イベント開催に当たり、主催者側には人手や予算など多くの労力がかかっております。できるだけ多くの市民の方に参加していただくためにも、たどり着きたい情報が見つけやすくなるように改善をお願いいたします。
最後の質問です。
市民アンケートの質問項目についての質問です。
市民アンケートは、本市が掲げる計画に沿って検証指標の実績値を把握するため、毎年実施しているものです。アンケートは、サービスを受ける市民の満足度や市民が考える課題の明確化において有効な手段ではございますが、改めて市民アンケートの質問項目を見てみますと、計画に掲げる検証指標の実績値の把握を目的とするがあまり、市民が行政サービスの評価として回答しづらい設問が多いと感じます。
具体的には、第7次総合計画の市民アンケート、問13では、「あなたは、熊本市が安全で安心して暮らせるまちだと感じますか」との問いに対し、5段階で評価します。何に対し安心・安全なのか、目的語がないため、人によっては防犯面なのか、交通面なのか、まちのイメージなのかそれぞれ異なり、アンケート本来の目的が果たしにくくなっているのではないでしょうか。
同じような質問で、他都市の例を挙げますと、兵庫県明石市では「お住まいの地域の生活環境について、どう感じていますか」との問いに対し、9個の小項目が設けられ、「日常の買い物が便利である」「電車やバス、道路など交通の利便性が高い」「病院など医療施設が充実している」「学校の教育環境が良い」「子育て環境が良い」「緑や海、公園など自然が豊かである」「まちのイメージが良い」「会社や工場など働く場所が多い」「治安が良い」の項目に対し、5段階で評価します。
子育てに関しましても、明石市では「理想の子どもの数は何人ですか」「理想の子どもの数が、結果的に持てないことがあるとしたら、その原因は何である可能性が高いですか」「明石市で子育てをして、良かったと思いますか」「市立学校における学習指導に対して満足していますか」といった少子化対策に直結するような具体的な質問があるのに対し、熊本市のアンケートでは「あなたは、熊本市に住む子どもたちが健やかに成長していると感じますか」「あなたは、熊本市に住む子どもの権利が守られていると感じますか」「子育てが楽しいと感じるか」といった子育てのしやすさ、公立学校の学習指導に対する満足度などの質問はなく、少子化対策の具体的な指標になるものも見当たりません。
住みたいまち、ずっと住み続けたいと思えるまちに近づくためには、市民の満足度を上げることが重要です。そのためには、まちの通信簿といえる市民アンケートは重要な評価軸となります。
そこで、政策局長にお尋ねします。
市民アンケートの質問内容に関して、計画に掲げる検査指標の実績値の把握を目的とするがあまり、市民が行政サービスの評価として回答しづらいものが多いと感じます。市民が行政サービスの取組に対し、評価しやすくするために質問項目の改善が必要と感じますが、市民アンケートの見直しの計画などされる予定はありますか。
〔田中俊実政策局長 登壇〕
◎田中俊実 政策局長 市民アンケート調査は、市民の皆様の行政に対する御意見や様々な課題を把握し、施策に反映していく上で有効な手段であると認識しております。
熊本市第7次総合計画の市民アンケートにおいては、市政運営における各分野の政策や施策の進捗把握、総括的な意識調査を目的に項目等を設定しております。
一方で、議員御案内の市民の御意見や課題等を丁寧に把握し、具体的な事業へと反映する目的で実施するアンケートにつきましては、各事業担当部局が主体となって実施しているところであります。
このように、それぞれの目的や性質に応じて設問や選択肢などを設定しているところでありまして、議員御紹介の事例等も参考にしながら、より市民の皆様の御意見を把握できるようなアンケートの実施に努めてまいります。
〔5番 菊地渚沙議員 登壇〕
◆菊地渚沙 議員 御答弁ありがとうございます。
具体的な事業へと反映する目的で実施するアンケートにつきましては、各事業担当部局が主体となって実施しているとの御答弁でしたが、市民が暮らしの中で何に問題意識を思っているのか、どんなところがまちの魅力だと思っているのかなど、昨年4月に政策局に新設されたデータ戦略課と連携も視野に入れて、今後は集約した情報の見える化をしていただきたいと思います。
なぜこういったものが必要かと申しますと、結婚、子育て、介護などライフステージに合わせて移住を考えている方に向けて、熊本市は子育てしやすいまちなのか、高齢者が暮らすのに便利なまちなのか、分かりやすく伝える必要があるからです。
私の出身地であります東京では、新型コロナウイルスの流行以降、転出人口が転入人口を大きく上回っている状態が続いています。
本市は、自然と都会が融合した魅力的なまちですので、今後も移住するなら熊本市と選んでいただけるように、本市の生活環境の情報の伝え方にさらに磨きをかけていただきたいと願います。
準備した質問は以上となります。真摯に御答弁してくださいました市長並びに関係局長に心から感謝申し上げます。ありがとうございます。
傍聴席の皆様、インターネット御視聴の皆様、関心を持っていただきまして、誠にありがとうございます。
これからも熊本市のため、日本の伝統や文化を守っていくため、少しでもお役に立てるような質問を考えてまいりますので、皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
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○大嶌澄雄 副議長 本日の日程は、これをもって終了いたしました。
次会は、明5日(火曜日)定刻に開きます。
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○大嶌澄雄 副議長 では、本日はこれをもって散会いたします。
午後 2時58分 散会
〇本日の会議に付した事件
一、議事日程のとおり
令和6年3月4日
出席議員 46名
1番 田 中 敦 朗 2番 大 嶌 澄 雄
3番 村 上 麿 4番 瀬 尾 誠 一
5番 菊 地 渚 沙 6番 山 中 惣一郎
7番 井 坂 隆 寛 8番 木 庭 功 二
9番 村 上 誠 也 10番 古 川 智 子
11番 荒 川 慎太郎 12番 松 本 幸 隆
13番 中 川 栄一郎 14番 松 川 善 範
15番 筑 紫 るみ子 17番 島 津 哲 也
18番 吉 田 健 一 19番 齊 藤 博
20番 田 島 幸 治 22番 山 本 浩 之
23番 北 川 哉 24番 平 江 透
25番 吉 村 健 治 26番 山 内 勝 志
27番 伊 藤 和 仁 28番 高 瀬 千鶴子
29番 小佐井 賀瑞宜 30番 寺 本 義 勝
31番 高 本 一 臣 32番 西 岡 誠 也
33番 田 上 辰 也 34番 三 森 至 加
35番 浜 田 大 介 36番 井 本 正 広
37番 大 石 浩 文 38番 田 中 誠 一
39番 坂 田 誠 二 40番 落 水 清 弘
41番 紫 垣 正 仁 43番 澤 田 昌 作
44番 満 永 寿 博 45番 藤 山 英 美
46番 田 尻 善 裕 47番 上 野 美恵子
48番 上 田 芳 裕 49番 村 上 博
欠席議員 2名
16番 井 芹 栄 次 21番 日 隈 忍
説明のため出席した者
市長 大 西 一 史 副市長 深 水 政 彦
副市長 中垣内 隆 久 政策局長 田 中 俊 実
総務局長 宮 崎 裕 章 財政局長 三 島 健 一
文化市民局長 金 山 武 史 健康福祉局長 津 田 善 幸
こども局長 木 櫛 謙 治 環境局長 早 野 貴 志
経済観光局長 村 上 和 美 農水局長 大 塚 裕 一
都市建設局長 井 芹 和 哉 消防局長 福 田 和 幸
交通事業管理者職務代理者
伊 藤 幸 喜 上下水道事業管理者田 中 陽 礼
教育長職務代行者 田 口 清 行 中央区長 岡 村 公 輝
東区長 本 田 昌 浩 西区長 河 本 英 典
南区長 本 田 正 文 北区長 中 川 和 徳
選挙管理委員会事務局長
福 島 慎 一
職務のため出席した議会局職員
局長 江 幸 博 次長 中 村 清 香
議事課長 池 福 史 弘 政策調査課長 上 野 公 一