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熊本市議会議員 たなか あつお

熊本市議会議員 たなか あつお

2024年02月28日 定例会

令和 6年第 1回定例会

令和6年2月28日(水曜)
┌─────────────────────────────────────┐
│ 議 事 日 程 第3号                         │
│ 令和6年2月28日(水曜)午前10時開議                │
│ 第  1 代表質問                           │
└─────────────────────────────────────┘
午前10時00分 開議
田中敦朗 議長  ただいまより本日の会議を開きます。
────────────────────────────

田中敦朗 議長  日程第1「代表質問」を行います。
発言の通告があっておりますので、順次発言を許します。
まず、坂田誠二議員の発言を許します。坂田誠二議員。

〔39番 坂田誠二議員 登壇 拍手〕

◆坂田誠二 議員  おはようございます。自由民主党熊本市議団の坂田誠二でございます。
第1回定例会の先陣を切って、代表質問をさせていただきます。
まずもって、元旦の夕刻に北陸地方を襲った令和6年能登半島地震でお亡くなりになられた皆様に哀悼の意を表しますとともに、被災されました全ての皆さんに謹んでお見舞いを申し上げます。
この地震によって、2月26日時点で240名以上の方がお亡くなりになり、家屋やインフラにも甚大な被害が生じております。半島という地形から、交通アクセスが限られる中、道路の寸断等の影響で被害の全体像が把握できず、なかなか支援が行き渡らない状況にも私も大変心を痛めたところでございます。
本市では、発災直後から災害マネジメント支援のため、職員を現地に派遣され、応急給水活動や避難所運営及び健康支援などに取り組まれたほか、現地からの要請に基づく物資の発送など、熊本地震の経験を踏まえた迅速かつ多様な支援を実施してこられました。これまでで派遣された職員は、延べ290名以上と伺っております。全庁挙げて被災支援に取り組まれる姿勢に頭の下がる思いでございます。
熊本地震同様、今回の地震災害からの復旧には長い年月を要すると思いますが、本市も他都市から支援を受けながら、力強く復興してきたことを踏まえ、引き続き被災地支援に積極的に取り組んでいただきますようよろしくお願いしたいと思います。
さて、市長が提案理由で述べられましたとおり、令和6年度は本定例会に議案として提案されております第8次総合計画がスタートする重要な年であります。1年をかけ検討してこられたこの新総合計画は、市長の3期目のマニフェストを反映するとともに、多くの市民との対話や意見聴取を踏まえて提案されているものと承知しております。
これまで定例会ごとに計画策定の進捗状況について報告を受けてまいりましたが、これまでの分野別施策を取りまとめる総合計画と異なり、分野横断的な構成となっており、大変斬新な取組であると評価するものであります。私は、この総合計画を多くの市民に御理解いただき、行政と市民が同じビジョンを共有した上で、将来を見据えたまちづくりを進めていくことが重要であると思っております。
そこで、大西市長にお尋ねします。
本市の未来に向けた市政運営の指針となる第8次総合計画の策定過程で意を用いられた点及び本計画における重点的な取組について、お答えをよろしくお願いしたいと思います。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  総合計画は市政運営の基本方針であり、今後の長期的なまちづくりの方針を示す本市の全ての計画の最上位に位置づけられる重要な計画でありまして、第8次総合計画の基本構想では、めざすまちの姿を上質な生活都市とし、これを実現するために必要な取組を分野横断的な8つのビジョンとして掲げました。
本計画の策定におきましては、本市が最重要課題として捉えております人口減少への対応に当たり、子供・子育て施策の積極的な推進はもとより、経済、観光、交通などの様々な分野からの多面的なアプローチを行うことに特に意を用いました。
とりわけ、ビジョンの一つでありますこどもが輝き、若者が希望を抱くまちにおいては、子供の笑顔があふれ、若者をはじめとした多様な人々が希望を抱いて暮らすことができるまちの実現を目指し、子供・子育て施策の充実や人材の定着と移住促進などに取り組むこととしております。
また、市民に愛され、世界に選ばれる、持続的な発展を実現するまちにおいては、半導体関連企業等の進出を背景とした地域経済の活性化に向け、戦略的な企業誘致を推進するほか、魅力と活力のある中心市街地の形成、戦略的な観光施策の展開等による交流人口の拡大に取り組み、にぎわいの創出を図ってまいりたいと考えております。
さらに、これらの都市の活発な経済活動を支え、持続的な発展へとつなげるため、本市の慢性的な交通渋滞を緩和し、広域的なヒトとモノの流れを円滑化する広域交通ネットワークの形成に取り組むこととしております。
今後、この総合計画を着実に推進していくに当たり、毎年度重点化すべき取組をアクションプランとして取りまとめ、時代の潮流や本市を取り巻く環境の変化に柔軟に対応しながら、戦略的かつスピーディーに取り組んでまいります。
〔39番 坂田誠二議員 登壇〕

◆坂田誠二 議員  ありがとうございました。
上質な生活都市の実現に向け、子供・子育て施策の充実や戦略的な企業誘致、さらには慢性的な交通渋滞の緩和に力を入れて取り組んでいかれるとの答弁でございました。
また、毎年重点化すべき取組もアクションプランとして取りまとめ、時代の潮流や本市を取り巻く環境の変化に対応し、戦略的に取り組んでいかれるということですので、市民の理解を深めていただき、実効性のある計画となるようお願いしたいと思います。
次の質問に移ります。
続いて、新年度の当初予算についてお尋ねします。
まず、国の令和6年の当初予算編成の基本方針において、デフレからの完全脱却や持続的で構造的な賃上げの実現を目指すとともに、具体的な事業としては、少子化対策、子供対策の抜本的な強化、デジタル技術の社会実装や規制改革の推進、防災・減災、国土強靭化の取組の着実な推進、質の高い教育の再生、カーボンニュートラルを目指したグリーン社会の実現、交通、物流、インフラの整備などが掲げられています。
このような国の方針を踏まえながら、本市の予算編成においても事業の見直しや状況に応じて新規事業の予算要求を認めるなど、めり張りをつけた予算編成作業に取り組まれたと伺っております。また、子供関係の事業については、所要額での予算要求を認めるなど、財源の重点配分にも意を用いられたとお見受けしたところでございます。
そのような編成過程を経て示した新年度の一般会計予算の規模は、約4,014億円となり、これまで最大であった平成29年の3,948億円を超え、過去最大の予算規模となっております。昨年度まで、かなりの金額を計上していた新型コロナ感染症対策の予算が大きく減少する中においても、様々な課題に対応するため、事業を積み上げられた結果であると理解しております。
そこで、まず新たな総合計画がスタートする重要な年の当初予算に込められた市長の思いをお聞かせいただきたいと思います。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  令和6年度当初予算は、子供・子育て政策を積極的に推進するため、ビルド・アンド・スクラップと連動した予算要求の新たなルールを導入した上で、子供・子育て政策の大幅な拡充のための重点課題対応経費として、こども枠を設定したほか、経済や道路・交通問題などの取組に対しても予算を重点的に配分いたしました。
具体的には、子供・子育て政策の充実として、結婚支援センターの開設による結婚を希望する方への支援や産後ケアの拡充をはじめとした子供や家庭へのきめ細かな支援の強化、国のこども未来戦略で示された児童手当の拡充などに取り組むこととしております。
また、経済や道路・交通問題等については、スタートアップにおけるミドルステージからさらなる成長を促がす伴走型支援やTSMCのサプライヤー企業をはじめとする半導体関連企業への誘致活動の強化、公共交通の利用促進や熊本西環状道路などの都市基盤の整備に取り組んでまいりたいと考えております。
令和6年度は、第8次総合計画が始動する重要な年であり、今後とも新総合計画に掲げた8つのビジョンに沿って、上質な生活都市の実現に向け、全力で取り組んでまいります。
〔39番 坂田誠二議員 登壇〕

◆坂田誠二 議員  新年度に対する市長のお考えについて、よく理解いたしました。市長の思いがしっかり込められた当初予算については、それぞれの事業の効果が最大限発揮されるよう予算の執行段階においても工夫をしていただきたいと思います。
続いて、新年度の分野別の主な取組についてお尋ねします。
令和6年度予算編成に先駆け、昨年10月に我が会派から熊本市政策及び予算に関する要望大綱を提出し、今後の政策をより予算に反映させるよう要望させていただいたところです。
その中で、本庁舎並びにTSMCに関する課題については、この後、個別に質問いたしますので、それ以外の取組についてお尋ねいたします。
まず、国の予算編成においても最重点施策とされております少子化対策及び子供施策について、昨年公表されました国立社会保障・人口問題研究所による我が国の総人口の中位推計においては、2020年度に約1億2,615万人であったものが、2070年には8,700万人まで減少するという衝撃的な内容となっております。また、年末に示されました本市の人口の将来推計において、2020年に約73万9,000人であった人口が、2050年には約64万8,000人まで減少する見通しとなっております。
この少子化及び人口減少に歯止めをかけるためには、子育てしやすい環境を備え、出生率を上げていく取組が不可欠であります。また、昨年策定されましたこども基本法は、全ての子供や若者が将来にわたって幸せな生活ができる社会を実現することを目的としており、国が策定するこども大綱を踏まえ、市町村がこども計画を定めるよう努めることを求めています。
このように、子供に関する施策は、国、本市とも最重点で取り組むべき事業であり、本市の予算においても重点的な事業と位置づけられているものと考えます。新年度の当初予算における子供関連の予算について、どのような点に予算を重配分されたのか御説明ください。
続けてお尋ねします。
我が会派の要望において、経済産業支援についても重点的に取り組むよう要望いたしました。
コロナ禍の影響で、かなり痛んだ地域経済ですが、感染症の分類が5類へ移行したことにより交流人口が増加し、インバウンドも相当に上がっているものと察します。TSMC進出も追い風とし、回復しつつある地域経済をさらに活性化させることも本市に課せられた使命ではないでしょうか。
そこでお尋ねします。
新年度予算において、地域経済の活性化に向けた新たな取組、強化した取組についてお答えください。
さらに続けます。
我が会派の要望において、強靭で利便性の高い都市基盤の整備について触れております。災害に強く、誰もが快適に生活できるインフラ整備となるよう各種道路網の整備や都市圏内外の循環型公共ネットワークにより、利便性の高い交通形態の実現について求めたところであります。深刻な交通渋滞の解消に向けた取組、公共交通の利用促進や利便性向上に向けた取組は、急務であります。
そこで、新年度予算において道路部門及び公共交通の部門で重点的に取り組まれる事項についてお示しください。
以上、3点について、1点目はこども局長、2点目は経済観光局長、3点目は都市建設局長に御答弁よろしくお願いします。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕

◎木櫛謙治 こども局長  令和6年度当初予算における子供関連の重点的取組についてお答えいたします。
少子化への対応や子供の健やかな成長と、安心して子供を産み育てることができる環境の整備はもとより、困難な状況にある子供や家庭への支援、さらには結婚の希望をかなえるための支援や若者への支援の充実も図らなければならないと考えております。
そこで、令和6年度は子育て世代の皆様の満足度や安心感の向上につながる身近な対人・対面でのサービスの充実と、それぞれの困り事に丁寧に寄り添う相談支援体制の整備に重点的に取り組むことといたしました。
個別の事業といたしましては、結婚支援センターの開設や、こども誰でも通園制度の試行的実施、こども医療費の手続の簡素化に取り組むほか、区役所へのこども家庭センターの設置や、(仮称)若者・ヤングケアラー支援センターの開設など、きめ細かで切れ目のない相談支援の強化を図ってまいります。
さらに、第8次総合計画に基づくこども政策を具体化・体系化してお示しする(仮称)熊本市こども計画の策定に取り組むこととしており、こどもが輝き、若者が希望を抱くまちの実現を目指し、着実に取り組んでまいります。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕

◎村上和美 経済観光局長  私からは、地域経済の活性化に向けた取組についてお答えいたします。
地域経済の活性化に向けまして、新年度は半導体関連企業の集積やインバウンド回復等の好機を生かし、地域経済の持続的な発展やさらなるにぎわいの創出に向けた取組を推進してまいります。
具体的には、半導体関連産業の集積を見据え、民間事業者と連携し、産業用地の整備を進めますとともに、国内外の展示会への出展などにより、半導体関連企業の誘致に取り組んでまいります。
また、スタートアップ等への支援といたしまして、立ち上げ期やミドルステージなどの成長段階に応じ、先輩起業家によるビジネスプランのブラッシュアップなどの伴走支援のほか、資金調達や事業マッチングの支援を行っていくこととしております。
さらに、現在策定中の熊本市観光マーケティング戦略に基づきまして、夜の魅力を創出するナイトタイムエコノミーの推進や、商店街団体等が実施するイベントの支援などによりまして、昼夜を問わずにぎわいを創出いたしますとともに、熊本城マラソンなど国内外に広く熊本をアピールできる様々なイベントの開催や、学会、国際会議等のMICE誘致にも取り組んでまいります。
これらの事業を中心といたしまして、経済情勢の変化を的確に捉えながら、事業者の皆様の御意見やニーズ等を踏まえ、地域経済のさらなる発展に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。
〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕

◎井芹和哉 都市建設局長  私からは、道路部門及び公共交通部門における重点的に取り組む事項につきましてお答えいたします。
まず、道路事業につきましては、10分・20分構想の市民参画による概略ルート帯や主な道路構造などの検討、令和7年度供用予定の熊本西環状道路池上工区や坪井龍田陳内線をはじめとする2環状11放射の骨格幹線道路網の整備、道路施設の計画的なメンテナンスなど、良好な道路環境の実現に向けて重点的に取り組むことといたしております。
公共交通につきましては、180円均一エリアにおいて、土日祝日に路線バスが300円で乗り放題となりますまちなかフリーパスの実証実験、AIデマンドタクシーやシェアサイクルの本格導入、バス・電車無料の日の実施など、公共交通の利便性向上や利用促進に取り組むこととしております。
さらには、路線バスの廃止や減便、運転手不足、定時性・利便性の確保等の課題解決に向け、公共交通の再構築や市電延伸、新水前寺駅の結節機能強化、バスレーン導入等の検討に引き続き取り組んでまいります。
これら道路や公共交通の取組を一体として着実に進め、第8次総合計画のビジョン2及びビジョン7に掲げた市民に愛され、世界に選ばれる、持続的な発展を実現するまち、安全で良好な都市基盤が整備されたまちの実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
〔39番 坂田誠二議員 登壇〕

◆坂田誠二 議員  子供関連の予算については、多くの新たな取組が盛り込まれております。答弁にありましたように、子育て世代の皆様の満足度や安心感を向上させ、子育てが楽しいと実感できる社会と、若者が希望を抱くまちの実現を目指して事業展開を求めたいと思います。
また、地域経済の活性化に向けては、半導体関連産業の誘致やスタートアップの支援、さらには観光マーケティング戦略に基づく施設の推進など、最近の経済情勢の変化を的確に捉えた事業が盛り込まれております。
引き続き本市を取り巻く経済情勢の変化を注視し、柔軟に対応していただくことが重要です。経済観光局におかれては、さらなる地域経済の活性化に向け、効果的な事業展開を期待しております。
最後に、道路整備や公共交通の分野においては、様々な取組を御答弁いただきましたが、これらの取組については、市長の関心も非常に高いと思いますので、今後の進め方についてさらにお尋ねいたします。
本定例会に議案が提出されております軌道運送高度化実施計画を含む市全体の交通体系の見直し方針についてです。
本定例会には市電の路線延伸に関する予算は計上されておりませんけれども、私は本庁舎整備と同様、多額の財源を要する市電の路線延伸の事業着手については、まだ十分な議論が尽くされていないと感じております。
特別委員会を設置し、十分議論を行いつつ、市長とドンドン語ろう!などの機会を通じて、市民へ直接、事業の必要性を訴えてこられた本庁舎整備と異なり、市電の路線延伸については、まだ市民の理解が進んでいるとは考えられず、事業の必要性や効果について十分説明を行い、事業着手について市民の理解を得ながら進めていく必要があると考えます。
特に市電の路線延伸につきましては、事業効果が東区の一部のエリアに限定されることから、北区や南区といった市電の延伸による効果が見込まれないエリアの住民は、どう思われているでしょうか。もっと公共交通全体像のビジョンを示し、全市的な公共交通の在り方を市民と共有し、理解を得てから事業に着手すべきであろうと考えます。
さきの令和5年第4回定例会では、両者の理解が得られないまま提案されました老人福祉センターの廃止条例について、引き続き地域住民や利用者の理解が得られるよう、丁寧に説明を行うことといった附帯決議を付して議決した経緯があります。その際、市の対応に唐突感が否めず、説明期間があまりにも短く、拙速に進められたと指摘もあります。特に公共交通といった多くの市民に影響がある施策の実現について、意思決定については十分議論を尽くし、将来に禍根を残さないよう取り組んでいただくことが重要だと思います。
したがって、交通政策、特に市電の路線延伸といった大規模な事業については、軌道運送高度化実施計画や10分・20分構想なども踏まえ、市内の交通政策全体のビジョンを示し、多くの市民の理解を得てから事業に着手すべきと考えますが、今後の進め方について、大西市長の御見解をお示しください。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  本定例会では、市電延伸事業に関連して、市電延伸の影響を含めた軌道運送高度化実施計画関連議案を上程しておりまして、議会の議決を経て、国に計画認定の申請を行う予定でございます。
市電延伸事業の着手に向けては、事業実施に必要な都市計画決定等の所要の手続を進めつつ、今後策定を予定しております熊本都市圏都市交通マスタープランの策定の過程において、道路も含めた本市の交通政策全体のビジョンをお示しすることとしております。
市議会での議論はもとより市民の皆様に対し、丁寧な説明を行い、御理解いただきながら次年度の適切な時期に実施設計予算を計上したいと考えております。
〔39番 坂田誠二議員 登壇〕

◆坂田誠二 議員  市電の延伸事業着手については、軌道運送高度化実施計画を踏まえつつ、熊本都市圏都市交通マスタープランの策定過程において、道路を含めた本市の交通政策全体のビジョンをお示しするとの答弁でありました。
答弁にもありましたように、単にビジョンを示すだけでなく、市民の皆さんの理解を得ることが重要でありますので、拙速な進め方という指摘を受けないよう丁寧に進めていただくことをお願いしたいと思っております。
続いて、本庁舎の整備についてお尋ねします。
昨年5月に本市が本庁舎の在り方について質問していた有識者会議からの答申を踏まえ、大西市長は令和5年第2回定例会において、本庁舎を建て替える方向で議論を再開したい旨、表明されました。その後、経済団体からの要望書が提出されるなど、本庁舎建て替えに向けた機運が高まり、住民の理解も進んできたことは皆様御承知のとおりであります。
また、大西市長は、市長とドンドン語ろう!を各区で開催され、本庁舎整備に関する市民の様々な意見を聴取されてきました。昨年後半からは、本庁舎整備に向けて、民間事業者を対象としたサウンディング型市場調査に取り組みつつ、市民アンケートや職員アンケートにも取り組んでこられました。
そのような中、今月開催された庁舎整備に関する特別委員会では、サウンディング型市場調査の最終結果が公表され、複数の候補地が示されたところです。財源的に有利な合併推進債の活用期限を考えれば、早期に候補地を絞り込み、実施設計に着手できるようにすることが求められます。本庁舎の整備は、かなり大きい事業となりますことから、いかに市の持ち出しを少なくできるかという視点での検討が、重要な要素となると考えます。示された複数の案の中には、現地建て替えについても複数のパターンが示され、今後それぞれの案のメリット・デメリット等が整理されるものと思います。
しかしながら、市の持ち出しをできるだけ抑制するという視点でいけば、2度の移転と大規模な仮庁舎が必要となる現地建て替え案については、事業費や市の負担の面から割高になるだけでなく、最も事業期間が長くなり、昨今の物価や人件費の上昇を考慮すれば、移転建て替えよりも相当多額の財政負担が見込まれるのではないでしょうか。
そこでお尋ねします。
本庁舎の建て替えについては、市の財政負担の抑制及びできる限り工事期間を短縮する観点からしましても、一部民有地が含まれますものの、いつでも市の所有である市役所裏の駐車場の敷地と花畑別館に分棟して整備する案が最も有力ではないかと考えますが、この場合に何が課題でありますでしょうか。大西市長の見解を求めます。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  議員お尋ねの市役所駐車場敷地及び花畑町別館跡地については、そのほとんどが市有地でありまして、利活用しやすいことに加え、中心商店街やオフィス街に近接しており、非常にポテンシャルが高い場所であると認識しております。
しかしながら、新庁舎に必要な延床面積は、現時点において約6万平方メートル程度と試算しておりまして、市役所駐車場敷地と花畑町別館敷地を合わせた敷地では、十分な延床面積が確保できないものと考えております。
今後は、各建設候補地の課題の整理や分析を深めるとともに、事業手法や概算事業費等の検討を行い、建設地の選定に向けた整理を行ってまいります。
〔39番 坂田誠二議員 登壇〕

◆坂田誠二 議員  市役所駐車場敷地と花畑町別館跡地について、ポテンシャルが高い場所であるものの面積が不足するため、建て替え候補とすることは困難であるとの答弁でした。また、今後各候補地の課題の整理や分析を深め、事業手法や概算事業費等を検討した上で、候補地の選定を行っていくという方針が示されました。
先ほど申し上げましたとおり、市の財政負担をいかに抑制するかという視点は、重要な要素でありますが、移転建て替えであれば、移転先の地権者の意向等も重要な要素であります。また、有識者からの答申においても、様々な観点から検討を求められているところです。
そこで、改めて市長に伺います。
今後、早急に候補地の絞り込みを行っていく必要があると考えますが、どのような点を重視し、候補地の選定を行うおつもりかお示しください。また、先日の特別委員会において令和6年度中に合併推進債を活用するために、実施設計の着手に向けたスケジュールを示されました。特別委員会の委員からも市の負担を抑制するため、合併推進債の活用に向け、精いっぱい努力すべきといった意見も多く出たと伺っております。
そこで、先般の特別委員会での議論を踏まえ、今後の庁舎整備の進め方について、具体的な工程も併せてお示しいただきたいと思います。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  新庁舎の在り方については、市民の皆様の利便性はもとより、防災、まちづくり、財政、資産マネジメントなど、多角的な視点での検討が必要と考えておりまして、建設地の選定に当たっては、これらに加え、にぎわい創出などの観点も併せて検討を行ってまいりたいと考えております。
とりわけ、これまでの庁舎整備に関する特別委員会等でも多くの御意見をいただきました合併推進債の活用については、財政負担の軽減に大きくつながることから、その活用の条件を満たすことができる建設地の検討を行うよう担当部局には指示をしているところです。
今後の進め方につきましては、合併推進債の活用を前提とした場合、来年度中に実施設計の契約を行う必要があるため、市民の皆様の代表であります議会での御議論を中心に、丁寧かつスピーディーに検討を進めてまいりたいと考えております。
具体的な工程といたしましては、今後策定いたします基本構想に基づき、まずは建設候補地の比較検討に必要なデータの収集、分析等を進め、その評価を行いながら、新庁舎の機能や規模について精査することとしております。その上で、来年度の秋頃を目途に建設地を決定し、基本計画から実施設計までを一括で契約し、その後複数年をかけて具体的な新庁舎の姿について、市民の皆様の御意見をいただきながら丁寧に検討を進めてまいりたいと考えております。
〔39番 坂田誠二議員 登壇〕

◆坂田誠二 議員  合併推進債の活用によって、市の財政負担の軽減に取り組むため、本年秋頃までに建設地を決定し、その後基本設計から実施設計までを一括して契約することを目指されるとのことです。
我が会派として、合併推進債を活用するため、スピード感を持った対応を求めてまいりました。合併推進債の活用によって、市の財政負担が大きく軽減されることについても、改めて市民の皆様に分かりやすく説明し、理解を得ながら進めていただきたいと考えております。
有識者会議の答申には、本庁舎の整備について市民との合意形成を図りながら、まち全体のグランドデザインを描き、その要素の一つとして熊本市のシンボルとなる庁舎を位置づけ、その上で本庁舎の整備を起爆剤としながら熊本市全体の活性化につながるよう戦略的に取り組んでいただきたいと記載されております。
先日、肥後銀行さんが発表されました試算によりますと、熊本市役所の建て替えを契機に、まちなか再生プロジェクトの高さ基準、容積率の緩和を活用して、老朽化したビル等の建て替えが進んだ場合、建築費による経済波及効果が約4,000億円、売り場面積等の増加に伴う売上げ増加による経済波及効果が5,000億円に上るとのことであります。まさに、庁舎建て替えを起爆剤としたまちの再生と言えるでしょう。先ほど申し上げましたとおり、市役所の現地建て替えや既存の市有地だけを活用した建て替えには、財政面、面積の確保の観点から課題があることからすれば、今後、移転建て替えを中心に検討していくことになるのではないかと感じたところであります。
ただし、本庁舎の移転に際しては、中心商店街等の期待と懸念が入り交じり、まちのにぎわいが失われることに対して反発が生じかねません。したがって、仮に本庁舎を別の場所に移転建て替えるとしても、併せて検討しなければならないことは、現在の庁舎の敷地をどのように活用することで、いかに中心市街地のにぎわいや活性・維持に貢献できるかという点ではないでしょうか。
仮に本庁舎が別の場所に移転するとしても、今より人が集い、中心商店街への誘客が見込まれるような市役所跡地の活用が図られれば、中心商店街等の理解も得やすくなるのではないでしょうか。
少々気が早い質問かもしれませんが、今後の本庁舎に向けた議論において、重要な視点でありますことから、あえてお尋ねいたします。仮に本庁舎が別の場所に移転となった場合、中心市街地のにぎわいを維持していくために、本庁舎跡地についてはどのように活用すべきであるとお考えか、大西市長の答弁を求めます。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  現庁舎が建つ敷地は、熊本城への眺望や交通の利便性も含め、非常にポテンシャルの高い場所であると認識しております。先月まで実施いたしましたサウンディング型市場調査においても、ハイクラスホテル誘致の可能性、住宅、商業施設やオフィス需要などについて、民間事業者から様々な御意見、御提案をいただいたところです。
仮に本庁舎が別地に移転するとした場合、現庁舎敷地の利活用については、本市の将来のまちづくりを考える上で非常に重要なものでありまして、民間活力の活用による財政負担の軽減やにぎわい創出など、その波及効果を十分に考慮しながら、本市全体の発展に寄与するような活用方法を検討してまいりたいと考えております。
〔39番 坂田誠二議員 登壇〕

◆坂田誠二 議員  本庁舎整備については、多くの市民の関心があり、中心市街地への影響が大きい事業であります。TSMCの第2工場の立地決定による経済波及効果も相まり、中心市街地のにぎわい創出に寄与する一大プロジェクトとして、早急に本庁舎の建設着工へこぎ着けられるよう、市長のリーダーシップの下、執行部の奮起を大いに期待するところであります。
最後の質問です。
菊陽町に建設が進められておりますTSMCの工場につきまして、来る24日に開所式が執り行われ、いよいよ年内に本格的な生産を開始することとされております。私ども市議会においても、半導体産業の進出に伴う影響を把握するため、先日、市長、議長を含めた訪問団を結成し、現地の視察へ行ってまいりました。私も訪問の一員として台湾を訪れたところでありますが、現地の広大な工場群を拝見し、その規模の大きさ、先進性に大いに感銘を受けたところであります。
また、2月6日にはTSMCの第2工場を県内に整備することが決定したとの報道もありました。第2工場は、2027年までに稼働開始を目指すとされます。第1工場を含めた設備投資額は、200億ドルを超える見込みとのことであります。
また、2つの工場での雇用創出は3,400名以上とされており、第1工場の建設決定後がそうであったように、さらに多くのサプライチェーンの進出が見込まれ、現在民間主導で開発されている本市の工業用地の整備や熊本県をはじめとした各自治体が整備する工業団地が完成したとしても、立地する企業のニーズに見合う工業用地が確保できない懸念があります。
また、多くの企業が立地するということは、そこに働く人材も必要になります。さらに、第1工場では1日当たり8,500立方メートルの水を使用するとされておりますが、第2工場の建設決定により、さらに水の需要は大幅に増加することになります。
TSMCは、工場で使用する量を上回る地下水の涵養に取り組むと表明されましたが、地下水の減少を懸念する声が多く聞かれるところです。また、工場で使用される水の排水についても、その水質について心配される市民の皆さんも多くおられることを感じます。
これらの課題について、多くの議員が関心をお持ちでありますことから、今回の一般質問等で触れられると思いますので、議論はそちらに委ねたいと思いますが、本市の将来を見据えた場合に、解決しなければならない最大の課題は交通渋滞の解消です。第2工場の建設決定により、これまで以上の車の往来が確実に見込まれる中、本市北部、東部地域の道路需要はますます増加してまいります。空港やインターチェンジまでの移動時間を大幅に短縮する10分・20分構想の実現にはかなりの時間を要します。
このような状況において、第2工場の稼働を見据えた超短期的な道路の整備の在り方について、早急に検討する必要があると考えます。
そこで、第2工場の稼働を見据え、本市の最重要課題ともいえる渋滞解消に向けた具体策について、どのようにお考えか大西市長の見解を求めます。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  TSMCの第2工場建設が決定されたことにより、セミコンテクノパーク周辺自治体と本市の交通流動が今後一段と増加することが想定される中、広域での人流や物流を支え、都市圏が一体的に発展するためには、自動車交通と公共交通のベストミックスによる交通ネットワークの構築が不可欠であります。
まず、都市圏の骨格を担う高規格道路については、国において中九州横断道路が事業化され、本市においても熊本西環状道路池上工区の令和7年度供用を目指し、整備を進めるとともに、熊本環状連絡道路や熊本西環状道路砂原工区の事業化に向けた都市計画の変更を行ってまいりました。さらに中長期的には、10分・20分構想の実現に向けた取組も進めております。
都市圏内幹線道路については、交通課題対策プロジェクトチームにおいて、第2工場や関連産業用地等の整備も見込んだ将来交通量を推計し、対策候補路線の調査を進めております。
その中で、民間事業者の開発ニーズが高い本市北東部地域では、セミコンテクノパークや空港、九州縦貫自動車道とのアクセス機能強化が必要と考えておりまして、県道辛川鹿本線バイパスや広住第19号線、鶴羽田町改寄町第1号線など、当該エリア周辺で事業中の道路整備を着実に進めるほか、さらなる南北の縦軸強化について県と協議中でございます。
また、公共交通についても、都市圏の基幹公共交通である鉄道の輸送力強化に向けて、鉄道事業者や県、沿線自治体と今後の方向性に関する協議を進めております。
これらの検討に当たっては、産業用地から直接生じる交通需要への対応だけでなく、御家族も含め、働く方の通勤、住居、教育等の環境、さらには今後の都市圏全体の土地利用方針等、様々な観点から関係機関と連携しながら検討を深め、スマート交差点、時差出勤などの短期的な対策も含め、早急に対策方針として取りまとめた上でお示ししてまいりたいと考えております。
〔39番 坂田誠二議員 登壇〕

◆坂田誠二 議員  TSMCの進出に伴う渋滞問題の早期解消は、本市として最重要課題と言っても過言ではありません。早急に実効性のある解決策を練り上げ、市民の皆さんが渋滞解消を実感できる対策を講じていただくよう強く要望いたします。
今回の私の質問は以上であります。第8次総合計画や新年度の当初予算、本庁舎の整備やTSMC進出に伴う課題の対応など、いずれも本市の市政運営における重要な取組について基本的な考え方を伺いました。
新年度の予算案のテーマは、よりよい未来への着実な一歩ということであります。大西市長が目指される上質な生活都市の実現に向け、よりよい未来を見据え、市民のための市政運営に御尽力いただくことをお願い申し上げ、質問を終わらせていただきます。
傍聴席の皆さん方には、最後まで御清聴いただきましてありがとうございました。また、インターネットで御覧いただいた皆さん方にも御礼を申し上げます。また、議員の皆さん方にも最後まで御清聴いただきまして、大変ありがとうございました。どうもありがとうございました。(拍手)
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田中敦朗 議長  この際、議事の都合により休憩いたします。
午前11時10分に再開いたします。

午前10時58分 休憩
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午前11時10分 再開

田中敦朗 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。
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田中敦朗 議長  代表質問を続行いたします。
満永寿博議員の発言を許します。満永寿博議員。

〔44番 満永寿博議員 登壇 拍手〕

◆満永寿博 議員  皆さん、おはようございます。熊本自由民主党市議団の満永でございます。
質問に先立ちまして、元旦に発生しました能登半島地震について一言申し上げます。能登半島で発生した地震とその後の余震により、犠牲となられました方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
また、被災現地において復興支援などに当たっておられる市職員をはじめ、関係者の皆様には安全に気を配りながら、熊本地震の経験を生かし、被災された皆様のお力になっていただきますようによろしくお願いします。
それでは、熊本自由民主党市議団を代表いたしまして質問を行います。
まず、財政運営についてお尋ねします。
市長は、令和6年度は第8次総合計画がスタートする大変重要な1年であり、上質な生活都市の実現に向け、子供・子育て政策を積極的に推進し、本市の当初予算編成に当たっては、スクラップ・アンド・ビルドと連動した予算要求の新たなルールを導入した上で、事務事業の徹底した見直しを行ったと説明しておられます。私もこうした取組については、一定の評価をしているところであります。
しかしながら、当初予算案を見ますと、新規・拡充事業は廃止・見直し事業よりも大きい予算額となっており、またその結果として、来年度の一般会計の予算案は、本市において過去最大となる4,014億円を計上されております。
このようなことを考えると、予算編成におけるスクラップ・アンド・ビルドが見合ったものになっているのか含め、さらなる取組が必要ではないかと感じたところです。また、歳出予算の内訳を見ても、人件費、扶助費、公債費といった事務的経費が6割を占め、前年度から165億円増となるなど、財政の硬直化が進んでおります。加えて、今後新庁舎建て替えや市電の路線延伸、さらには10分・20分構想などの大型事業が想定されていることを考えると、毎年、財政の中期見通しとして5年間の見通しが示されてはいるものの、私は今後の財政運営について心配する次第であります。
新たな事業を立ち上げることは比較的容易ではありますが、今までやってきた事業を廃止・縮小することについては、市民の生活への影響等も勘案すると、大変難しい判断が必要になります。それゆえに事業を廃止・縮小するに当たっては、事業の効果検証を踏まえることはもちろんですが、市長や局長のより踏み込んだ決断が重要であると考えます。
また、歳出予算の抑制のみならず、昨年12月に私どもの会派から市長に提出した要望書にもありますとおり、新たな財源確保策など財源を増やす取組についても積極的に進めていただきたいと思います。
そこで、今後市庁舎建設や今後の政策のさらなる拡充、道路事業の進展など、本市の財政運営は厳しさを増していくものと考えますが、今後の本市の財政運営について市長の決意をお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  令和6年度当初予算は、新総合計画の策定元年の予算として、よりよい未来への着実な一歩をテーマに、一般会計で4,014億円と過去最大規模の予算を計上いたしました。
予算が過去最大規模となった主な要因は、児童手当の支給対象年齢の拡大や定額減税に伴う調整給付など、国の制度改正によるものが多く、これらは財源についても国の支援を伴うため、市財政の運営上懸念を及ぼすものではございません。
〔議長退席、副議長着席〕
この予算編成に当たっては、編成方針でシーリング等での見直し額の3倍まで重点課題対応経費として要求できるルールを導入しておりまして、その結果、一般財源では当初の想定3億円を超える約5億円の削減を実現しているところです。
また、一般財源で当初10億円程度と想定しておりました重点課題対応経費については、子供やTSMCに関連する施策などについて、おおむね想定どおりの約11億円を計上しており、ビルド・アンド・スクラップを徹底しながら、質の高い計画的な予算編成ができたものと考えております。一方で、議員御指摘のとおり、今後の大型の投資事業も控えているところであり、歳出面では事業の優先度を踏まえた予算の重点化や効果検証を踏まえた事業の見直しなどをさらに徹底していく必要があると考えております。
歳入面では、これまでの企業誘致の推進等による税源涵養の取組などの結果、市税収入は年々増加しているところでありますが、例えば、昨年10月に検討委員会を設置いたしました宿泊税のような新税創設の検討や不要となった市有財産の売却など、さらなる歳入確保の取組も必要と考えております。
このように、歳出・歳入両面における不断の取組を通じて、上質な生活都市の実現に向けた将来への投資を行いつつも、将来にわたって健全な財政運営も実現できるよう、その両立を目指して全力で取り組んでまいりたいと考えております。
〔44番 満永寿博議員 登壇〕

◆満永寿博 議員  御答弁ありがとうございました。
中期財政の見通しの起債残高の推移などを見ると、少し楽観的な見通しではないかと心配します。庁舎建て替え事業が始まれば、現在把握できていない多額の支出も発生していきます。人口減少が現実問題となりつつある中で、現在の市民生活の水準を維持向上できるよう計画的な財政運営をお願いしておきます。
次の質問に移ります。
次に、市庁舎建て替えについてお尋ねします。
先日、特別委員会でも議論されたところでありますが、改めてお尋ねしたいと思います。
市の諮問機関である有識者会議のメンバーには、本件の状況をよく理解されているはずの有識者は入っておりませんでした。また、耐震性能分科会の会議は非公開で行われ、決議に至るまで誰がどのような発言をされたのかも現在になっても公開されておりません。私は、このことが今回の庁舎建設の議論を複雑にし、市民の理解が深まらず、余計な時間を使わざるを得なくなった最たる要因であったと強く思っております。なぜ地元の有識者を1人も選定されなかったのか、残念でなりません。同様に、会議内容を非公開とすることも、到底市民の理解は得られないものと考えます。また、合併推進債の活用期限が迫っているからと、これを人質にとって強引に事を進めることもマイナスだと思います。
合併推進債は、あくまでも市の借金であります。補助金ではありません。これにおいて毎年返済される元金とその利息分の4割は交付税として本市に返ってきますが、残りの6割の返済は本市の負担になります。そのことは、かなりの年数、市の財政を圧迫することになるのではないかと心配します。
以上、これまでの審議の進め方についての私の考えを総括的に申し上げましたが、先日示された庁舎に関する市民のアンケートでは、建て替えに肯定的な意見が504件、一方で、不要とする意見と丁重な説明を求める意見が合わせて465件と拮抗しております。また、必要最低限の希望、実用的な庁舎整備を求める意見も112件となっております。
これらの御意見を踏まえた上で、建て替えを推進しようとするのであれば、先ほども申しましたように、不安や不満に思っておられる市民に丁寧な説明をして、理解に導いていかなければなりません。よし、建て替えようという御意見の市民が増えていくような努力をすべきであると思います。先ほども財政運営の中で申しましたとおり、今後本市においては、議論すべき大きな事業が控えております。このまま事業を進めていく際には、説明を尽くし、オープンな場で議論を行っていくことが肝要であると考えております。
そこで、今後本市の施策を進めるに当たっての議会に対する必要な情報の開示や丁寧な説明など、市政運営に対する考え方と市庁舎建て替え事業推進のための具体的な方策について市長にお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  議員御指摘のとおり、本市の事業を進めるに当たっては、市議会はもとより市民の皆様に十分に御理解いただくことができるよう、積極的な情報提供と分かりやすく丁寧な説明に努め、広く御意見を伺いながら進めていくことが大変重要であると考えております。
そこで、本庁舎等の建て替えに当たっても、市議会における説明や議論をはじめ、市長とドンドン語ろう!において、私自ら直接市民の皆様との対話を重ねますとともに、市民アンケート等を実施するなど、様々な機会を捉え、広く御意見を伺いながら検討を行ってまいりました。
議員御指摘の市民アンケートについてでございますが、建て替えについて肯定的、または建て替えを前提とした御意見は857件、建て替えは不要、または慎重に検討すべきとする御意見が465件と、建て替えについての御理解は確実に広がっているものと考えております。
今後、さらに市民の皆様に本庁舎についての御理解を深めていただくため、検討段階に応じて、市長とドンドン語ろう!をはじめ、シンポジウムやワークショップ、市民説明会の開催など様々な手法により、市民の皆様への情報提供、合意形成に積極的に取り組んでまいります。
〔44番 満永寿博議員 登壇〕

◆満永寿博 議員  御答弁ありがとうございました。
市民のアンケートについては、市長と私とでは少し受け止め方が違っているようです。市民の皆様の受け止め方にもいろいろあるかもしれません。この庁舎建設についての私の質問の前半は、これまでの議論の進め方に対して私が感じてきた問題点を厳しく指摘しましたが、後半は違います。これから建て替えに賛成との御意見の市民が増えるようにするために、具体的にどのように進めていかれるのかと前向きにお尋ねしたつもりであります。もう少し熱の籠もった答弁を期待しましたが、残念ながらこれまでのフレーズと変わらない抽象的なお答えでありました。
次の質問に移ります。
次に、人口減少を直視した本市の将来像についてお尋ねします。
厚生労働省が2050年、令和32年の人口推計を発表しましたが、それによりますと、本市の人口は約65万人に減るとの驚きの数字であります。私の地元では、新しい宅地開発が目につくため、人口が減少しているとは思えないところでありますが、現実を認めて、現実を直視したまちづくりに努めなければならないと改めて思ったところでございます。
本市の人口が減少することは、これまでも本市の総合計画やその各計画に盛り込まれておりましたものの、これから見直し時期を迎える各分野の計画策定において、さらに重要になってまいります。本市には、全体的な都市づくりの方向性を示す都市マスタープランがあり、令和7年を目標に年次として多核連携都市を将来像として掲げております。簡単に言いますと、人口減少しても活力ある都市機能の維持ができるまちづくりであると理解しております。多核連携都市の考え方については、総論では理解できるものの中心部と過疎化が進む周辺部との格差など、各論では様々な御意見があるのではないでしょうか。
都市マスタープランを現実にするための具体的な計画として、平成28年に立地適性化計画が策定され、中心市街地と15の地域拠点をはじめ、都市機能誘導地域や居住誘導地域等が位置づけられました。しかしながら、これらの区域の具体的な誘導施策が効果的に機能しているのかどうか、現状では見えてこないなと思っております。Uターン、Iターン、Jターンによる移住者向けのインセンティブな用途区分の要件緩和などの施策が行われていますが、どの程度効果が上がっているのかよく分かりません。このため、令和8年度以降の次期計画の策定に当たっては、これまでの課題や施策の効果についての検証をする必要があると考えます。
現行のマスタープランを策定した当時と比べて、都市圏の情勢も変わってきております。さらにはTSMCの進出に伴い、必要な都市機能も変わってくるのではないかと考えられますので、現在設定されている15の地域拠点の見直しも必要なのではないでしょうか。
そこで、現行の第2次熊本市マスタープランや立地適性化計画を振り返っての成果や課題、また、それらを踏まえた次期計画策定の方向性について、市長にお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  本市では、人口減少・超高齢社会においても、市民の暮らしやすさを維持するため、中心市街地や地域の核である15の地域拠点の都市機能を維持・確保し、これらを結ぶ利便性の高い公共交通沿線の人口密度が維持された多核連携都市を都市構造の将来像として掲げております。
その実現のため、これまで立地適性化計画に基づき、中心市街地や地域拠点に都市機能や居住を誘導する各種施策を実施いたしますとともに、郊外部も含めた公共交通ネットワークの充実などを進めてきた結果、居住誘導区域の人口密度は目標値以上を維持するなど、一定の効果を上げてきております。
一方で、空き家や低未利用地の発生、地域コミュニティーの衰退などの地域の課題が顕在化するとともに、半導体関連企業の進出に伴う渋滞の悪化や住宅需要の増加など、新たな課題も生じてきております。
これらを踏まえ、現在、都市マスタープランの改定に向けた検討を始めているところでございまして、用途地域や地区計画制度等の見直しによる拠点性向上や地域コミュニティーの維持、空き家等の既存ストックの活用、産業系土地利用の適切な誘導など、地域の課題や社会情勢の変化に柔軟に対応し、実効性のある計画となるよう見直しを進め、多核連携都市の実現につなげてまいりたいと考えております。
〔44番 満永寿博議員 登壇〕

◆満永寿博 議員  御答弁ありがとうございました。
人口が減少すれば、周辺部が最も大きな影響を受けることになります。バランスの取れたまちづくりになりますよう柔軟な対応をお願いしておきます。
次の質問に移ります。
次に、TSMC進出に伴う課題についてお尋ねします。
御承知のとおり、TSMCの第2工場も菊陽町での建設が公表されて、本市としましても経済発展の期待がますます膨らんだところでありまして、心から歓迎を申し上げたいと思います。しかしながら、喜んでばかりではいられない様々な課題もございますので、将来に禍根を残さないよう新たな課題の理解に、解決に全力で取り組む必要があると改めて肝に銘じているところでございます。その中でも、渋滞緩和のための道路網の整備と市民の命の綱である地下水の保全が最重要であると考えております。
そこで、まず産業用地整備予定地周辺の道路整備についてお尋ねします。
これまで、TSMC進出に関連する産業用地整備事業が3か所で進められておりますが、その一つである国道443号線沿いには、整備されないままの農地が広がっております。そのようなことから、その周辺は産業用地に向いていると考えておられた地元有志から、国道443号線から南北に流れている妙見川沿いに本格的な道路を整備してほしいとの陳情も令和4年度に市長へ出されたところであります。この妙見川沿いの道路が整備されれば、酪農経営、空港へのアクセスとともに何よりもさらなる産業用地の整備に役立つものと考えます。
そこで、民間による周辺の用地買収が進展する中にあって、道路整備を急ぐ必要があると考えますが、どのように整備していかれるのか都市建設局長にお尋ねします。
もう1点、一般県道辛川鹿本線中原工区の整備についてお尋ねします。
国道443号線など、産業用地周辺の道路は、朝夕渋滞していることから、進出企業等の活動が活発化する前に、関連する道路の早急な整備が必要であると思っております。この県道は国道443号線が下の方向に、いわゆる第一空港線、そして国体道路にタッチして菊陽町から山鹿市へ至る路線であります。
この路線が整備されれば、交通が分散することで渋滞の解消はもちろんのこと、物流が促進され、関連企業の本市への進出意欲がさらに増すものと考えております。この中原工区は、菊陽町との境界付近にありますため、半分は県が担当し、半分は本市が担当します。本路線整備については関係の県議会議員とも連携を図っており、既に昨年6月の県議会でも一般質問で議論されたところであります。
県の利用分は、今年度中に測量を完了し、令和6年度に用地買収にかかる予定であることを確認しております。県とよく協議して、早急に整備すべきであると思いますが、整備方針について都市建設局長にお尋ねします。
次に、TSMC進出に伴う課題として、最も大事と思われる地下水の保全についてお尋ねします。
市民の皆様に、もろ手を挙げてTSMC歓迎と言ってもらえるように、環境保全と経済発展が両立できるような施策を展開することが私ども行政の責務であると思っております。熊本市など11市町村、いわゆる熊本地域は一つの地下水盆を共有しており、100万人の住民が飲料水の100%を地下水に頼っていることは御承知のとおりであります。したがいまして、多量の水を必要とする企業の進出により、地下水量が不足しがちな事態になれば何のための経済発展かとなります。我々には、豊かな地下水を子々孫々まで引き継ぐ責任があります。涵養域の大部分を白川中流や上流域に頼らなければならないというじれったさがありますが、県や熊本地域の自治体と力を合わせて、思い切った効果的な事業を推進していく必要があります。
市長は、昨年の第3回定例会において、齊藤博議員に地下水保全プランと地下水保全対策支援の見直しを進めると答弁しておられます。目標年次を令和6年度とする現行の第3次地下水保全プランでの地下水の年間自己涵養量は、3,000万立方メートルでありますが、見直し後の涵養量はどれくらい必要となるのか。また、その目標達成に向けてどのように担保していこうとしているのか。市民の皆様も大きな関心をお持ちであろうと思います。
そこでまず、これから地下水保全対策として、本市がどのような対策を展開するお考えなのか、市長の決意をお尋ねします。
次に、地下水の淡水域、つまり飲み水として大丈夫な水と塩水域、つまり塩分を含んでいて飲み水や農作物栽培には向いていない水についての認識についてお尋ねします。
私は50年ぐらい前、県の天草事務所に勤務し、牛深市に3年間住んでおりました。その集落は海岸に近く、井戸水を飲み水としていましたが、その井戸水は少し塩辛く、石けんの泡も立たないくらいの水でありました。なぜこの話をするかといえば、これも20年か30年以上も前になりますので、記憶がはっきりしませんが、テレビで本市の地下水についての特集番組がありました。それによりますと、塩水地と淡水地域の境界が上流に移動しつつある、つまり塩水域が市の中心部に向かっているとのことでありました。その説が正しいのかどうか私は根拠を持ちませんが、地下水保全の必要性が以前に増して声高に叫ばれる中で、もしそうなれば大変なことだと改めて考えた次第でございます。
県の地下水保全条例には、地下水の採取に伴う障害、つまり地下水をくみ上げることにより発生するかもしれない問題点として、地下水の異常な低下や地盤低下とともに地下水の塩水化を挙げております。県は、塩水化する場合もあるという可能性を想定しているということであると理解しております。
そこで、熊本地域の地下水の淡水域と塩水域との状況について、どのような認識をお持ちなのか市長にお尋ねします。
〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕

◎井芹和哉 都市建設局長  私からは、道路整備に関する2点の質問にお答えいたします。
議員御質問の国道443号と県道熊本空港線(通称第一空港線)を含むエリアは、昨年9月に本市と協定を締結した産業用地整備等により、さらに半導体関連の交通増加が見込まれることから、特にセミコンテクノパークや空港、九州縦貫自動車道等とのアクセス機能強化が重要と認識しております。
このアクセス機能強化につきましては、これまでTSMCの進出に伴う渋滞対策として実施しました将来交通量推計の調査等から、第一空港線の負荷軽減としての代替路線の確保とセミコンテクノパークと空港等を南北に結ぶ縦軸の強化が必要と考えております。
代替路線につきましては、民間開発の動向等も踏まえ、対策候補路線の調査を進めているところであり、議員御提案の妙見川沿いの道路についても有効な候補路線の一つと認識しておりますことから、さらに検討を深めてまいりたいと考えております。
また、県道辛川鹿本線につきましては、この縦軸の強化の一つとして、国道443号と第一空港線の交差部である熊本市小山町の道明交差点を十字交差点に改良し、通称国体道路東西線まで約1.4キロメートルの区間を一部バイパスとして整備する計画で、熊本県と菊陽町で実施する都市計画道路菊陽空港線等と併せて複数の道路ネットワークを構築したいと考えております。
事業区間が菊陽町に及びますことから、県と連携し、早期整備に向け道路構造や交差点の設計に取り組んでいるところであり、今後は地域の皆様の協力を得た上で、事業用地の取得を進め、速やかな工事着手につなげてまいりたいと考えております。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  本市の新たな目標値を含む次期熊本市地下水保全プランについては、熊本県や熊本地域11市町村で定める熊本地域地下水総合保全管理計画と整合を図る必要がありますことから、採取量と涵養量の収支バランスを考慮しながら、県や関係市町村と協議を進めてまいります。
地下水涵養対策は喫緊の課題でありますことから、涵養量の増加に向け、令和6年度は白川中流域水田湛水事業の協力農家の皆様への本市助成金の単価見直しや湛水期間と面積の拡大を図るとともに、水源涵養林整備事業の面積拡大に取り組むこととしております。
さらに、涵養に寄与する優良な農地を保全するため、くまもと地下水財団と連携し、地下水を育む水田等で栽培された農産物等を購入、消費するウォーターオフセット事業への企業や市民の皆様の参加を強力に推進してまいります。清冽で豊富な本市の地下水を次の世代に確実に伝えることは、今を生きる我々の責務でありまして、引き続き地下水保全対策に全力で取り組んでまいります。
次に、地下水の塩水化につきましては、現在企業による水の循環率の向上等により、地下水採取量が減少したことから、平成元年度からの定点観測井戸の調査結果では塩水化を示す塩化物イオン濃度の上昇は認められておりません。
今後も塩水化が発生しないよう地下水の水質に注視するとともに、大規模採取者に対しましては、採取量の削減、水の循環率の向上及び節水などを強力に働きかけ、清冽な地下水を守ってまいりたいと考えております。
〔44番 満永寿博議員 登壇〕

◆満永寿博 議員  御答弁ありがとうございました。
まず、妙見川沿いの道路については、ただいまの答弁で整備する可能性があるのかどうかはっきりしません。この周辺は、ジョイントを代表とする企業団が産業用地として買収中ですが、その建設も別の企業が買収を行っているとの情報があったため、昨年9月議会の総括質疑でも尋ねたところであります。早急に整備されるようお願いいたします。県道辛川鹿本線も早急に整備をお願いしておきます。
地下水保全対策についての力強い認識に安心しました。塩水化についても全く変化はないとの答弁を聞き、安心しました。昔、私が見たテレビ放送は根拠が薄いものだったのかもしれません。そうあってほしいと願うものです。タイムリーで正確な情報公開はもちろんのこと、基準値以内の僅かな変化であっても前兆と捉えて保全事業に積極的に取り組んでいただきますようお願いいたします。
次に、生涯スポーツマスタープランについてお尋ねします。
私は、中学校時代に陸上や柔道、高校、大学時代から相撲など様々なスポーツに様々な形で関わってまいりましたが、スポーツを楽しむとともに、励まされ、助けられてきた人生であったとスポーツに感謝しております。スポーツは年齢や障がいの有無、さらにはスポーツが得手不得手な人の別なく、誰もが楽しむことができるものであり、人生100年時代の健康寿命の延伸に大変重要なものであると考えます。
私は、これまで武道や相撲場などの整備について、議会質問や陳情書を行ってまいりましたので、本日はまずもってそのことをお願いしたいところでございますが、この場は代表質問でありますので、今回策定されている熊本市生涯スポーツマスタープランの概要と計画の目指す姿など、スポーツによるまちづくりに対する思いをお尋ねしたいと思います。
まず、計画策定に当たっては、市民や競技団体の御意見等を伺うことが重要でありますので、これからスポーツに関わる多くの市民の声をどのようにして拾い上げ、反映されていかれるのかお尋ねします。
また、日本一のスポーツによるまちづくりの気概を持ってスポーツ施設の整備を進めてはどうかと考えておりますが、周辺自治体との競争やただ注視するだけでなく、連携して県も含めて計画的、効率的な整備につなげてもらいたいと思っています。
今後、県や周辺自治体と連携していかれる考えはないか経済観光局長にお尋ねします。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕

◎村上和美 経済観光局長  熊本市生涯スポーツマスタープランは、市民の皆様が生涯にわたって活発にスポーツ活動を行うための指針でございまして、本市ではこのスポーツマスタープランを基に地域スポーツの支援など、スポーツ機会の充実をはじめ、各競技種目の競技力の向上やスポーツコンベンションの推進、スポーツ施設の機能充実など、生涯スポーツの推進に取り組んでまいりました。
スポーツは、性別や年齢、障がいの有無、さらには、する、みる、ささえるといったスポーツをする・しないにかかわらず多様な関わり方でできるものでございまして、スポーツに親しむことで生涯にわたって活力に満ち、健康的に暮らすことができるものと考えております。
次期マスタープランにおきましても、市民の皆様がスポーツを通じて健康で生きがいを持ちながら豊かな人生を送ることができる計画となりますよう、有識者や競技団体、校区スポーツ協会など関係団体からの御意見はもとより、アンケート調査等によりまして市民の皆様から幅広く御意見を伺いながら策定に取り組んでまいりたいと考えております。
また、スポーツ施設につきましては、今年度策定予定の熊本市スポーツ施設ストック適正化計画に基づき、既存施設の適切な維持管理や資産総量の適正化に取り組みますとともに、県や民間が本市に新たな施設を計画される際には、連携し、可能な限り支援、協力を行ってまいりたいと考えております。
〔44番 満永寿博議員 登壇〕

◆満永寿博 議員  御答弁ありがとうございました。
本市議会においては、これまでも様々な整備に関する質問や要望が出されてきましたが、残念ながら前向きな答弁はなされておりません。先ほども申し上げましたが、健康増進はもとより経済的な波及効果も大変期待できるものであります。本市においても積極的に検討されますよう、いま一度強く要望しておきます。
次の質問に移ります。
次に、指定難病についてお尋ねします。
難病とは、患者数は少ないものの治りにくい病気であると理解しております。難病のうち、診断基準がはっきりしているものを指定難病として医療費の助成等が行われており、338の疾患が指定されております。本市の指定難病患者は、昨年の3月現在で6,837名おられると聞いております。本市人口を74万人として、人口1,000人に対して約9人の方が闘病生活を送っておられることになります。
指定難病患者さんとその御家族や医療関係者に、直面している課題などについてお尋ねしましたところ、1、一日も早い治療方法の確立、2、患者団体の充実等への行政のサポート、3、継続して就業できるようハローワークのサポートシステムの強化、4、発症したと推測される時期からの医療費補助の支給の大きな4点について御要望がありました。治療方法の研究などは、市の能力や権限等が及ぶところではありませんが、一番身近な存在である熊本市が関係者と一緒になって制度改革等の旗振り役をしてもらえたらとの切実な願いであったと感じました。私もそのようなことを全国市長会議の要望事項等に書き加えてもらえたらと思った次第でございます。
そこで、難病対策についての市長の認識をお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  指定難病対策については、平成27年1月に施行された難病法に基づき、指定難病の患者に対する良質かつ適切な医療の確保及び患者の療養生活の支援等はもとより、疾病の原因究明や治療方法の確立に向けた研究など、幅広い難病対策の推進が図られているところです。
平成30年4月以降は、大都市特例に基づく県から指定都市への権限移譲により、本市において患者に対する医療費助成をはじめ、各種相談や在宅支援等の療養生活支援、ガイドブックの作成や災害時の避難訓練のほか、国の制度改正等に即応した医療費助成開始日の診断日への遡及や診断書のオンライン化等にも取り組んでおります。
今後も患者団体や医療関係者、ハローワーク等の関係機関から構成されます地域協議会等において、患者等が抱える様々な課題の把握に努めるとともに、全国市長会等を通じた国への要望も積極的に行いながら、本市の難病患者やその御家族の皆様が安心して生活できるよう支援してまいります。
〔44番 満永寿博議員 登壇〕

◆満永寿博 議員  御答弁ありがとうございました。
県内には地域別の難病団体として9つの友の会があるそうですが、本市にはありません。また、疾患別の患者会は、これも本市には9つしかないということであります。患者会などの組織が充実されれば、情報を共有し、患者同士の連携が図られ、悩みの不安解消に貢献し、心のよりどころとなるのではないかと思っております。
ただいま市長から全国市長会等との連携や本市における支援についてのお答えをもらいました。どうか行政が率先して難病治療の研究推進の旗を振っていただきますようにお願いいたします。
これをもちまして、今回予定しました私の質問は終わらせていただきます。市長をはじめ執行部の皆様には真摯に御答弁いただき、ありがとうございました。また、お忙しい中、傍聴においでいただいた皆様、インターネット中継を御覧いただいた皆様、そして議員の皆様方には最後まで御清聴いただきまして誠にありがとうございました。心からお礼を申し上げます。(拍手)
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○大嶌澄雄 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。
午後2時に再開いたします。
午後 0時02分 休憩
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午後 2時00分 再開

田中敦朗 議長  休憩前に引き続き、会議を開きます。
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田中敦朗 議長  代表質問を続行いたします。
村上博議員の発言を許します。村上博議員。

〔49番 村上博議員 登壇 拍手〕

◆村上博 議員  皆さん、こんにちは。市民連合の村上です。
質問に入る前に、1月1日に発災しました能登半島地震で犠牲になられた方々の御冥福を心からお祈りいたします。厳しい環境の中で避難を続けておられる全ての被災者の方々に心からお見舞い申し上げます。
犠牲者の中に、私の勉強会仲間のスエフジショウタさんの名前を見つけたのは発災翌日でした。スエフジさんの人柄をよく知る者の一人として大変な衝撃を受け、現地からの報道を見るにつけ、胸が絞めつけられるような気持ちがずっと続いております。
また、障がいを持つ竹田良平県議も発災直後から連絡を取り合っておりますが、まさに能登半島地震、他人ごとではない地震であります。避難されている全ての皆さんが希望を失われないことを強く願うばかりです。
本日は、昨年11月に市長に提出いたしました市民連合政策予算要望を軸に質問を用意いたしました。早速質問に入りたいと思いますが、今回の質問の中に私が所属する委員会の所管に関するものがありますが、会派を代表する質問ということで御了承ください。
まず、今後10年間の政令指定都市としてのビジョンについてお尋ねいたします。
本市は、平成24年に全国で20番目の政令指定都市へ移行いたしました。全国には1,800近い自治体がありますが、政令指定都市は20都市だけですから、全国からの注目度も高いものがあります。本市は政令指定都市として歩み出した平成28年には、熊本地震を経験しました。冒頭でも触れましたが、今年の元旦に大きな衝撃で飛び込んできました能登半島地震でした。今後も大規模な自然災害は、いつどこで発災するか分かりませんので、平時からの備えが必要となります。
また、経済分野ではTSMCが稼働を始め、第二工場も菊陽に決まったとのこともあり、大変大きな変化への対応も求められます。
さらに、市民が安心して暮らせるプランや交通渋滞対策など、これまでの10年間を総括し、今後の10年間を見通したビジョンを市民に示した上で、そのビジョンをどのように実現されていかれるのか、大西市長にお尋ねしたいと思います。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  この10年間を振り返りますと、本市は熊本地震をはじめとする度重なる大規模自然災害、さらにはコロナ禍など、立て続けに様々な困難に直面してまいりました。
そのような厳しい状況が続く中、私自ら先頭に立ち、74万市民の皆様の生命と財産を守り、暮らしを支えるという強い決意の下、熊本地震からの復旧復興、地域活動の再開へ向けた支援、にぎわいの創出や消費喚起など、疲弊した市民生活の回復、地域経済の再生に全力で取り組んでまいりました。
加えて、将来にわたって快適で暮らしやすい生活環境の確保と地域活力の向上に向け、子供医療費の拡充をはじめとする子供・子育て支援、まちづくりセンターを中心としたきめ細かな地域課題の解決を進めるとともに、熊本城ホールや花畑広場、熊本駅前広場など、大都市にふさわしい都市機能の整備にも積極的に取り組んでまいりました。
一方で、近年激甚化、頻発化する自然災害、加速化の一途をたどる少子高齢化、長引く物価高騰、慢性的な交通渋滞など、スピード感を持って対応していかなければならない課題が山積をしております。
加えて、10分・20分構想の推進や公共交通と自動車交通のベストミックスの構築のほか、半導体関連産業の熊本進出を好機とした戦略的な企業誘致など、未来への礎づくりとなる取組も進めていかなければなりません。
そこで、来年度からスタートいたします第8次総合計画において、今後8年間で本市が取り組むべき施策を分野横断的な8つのビジョンとして体系化し、戦略的に取り組むとともに、時代の変化を捉えたアクションプランを毎年度策定し、適時的確に取組を進めていくこととしております。
今後の10年、さらにその先を見据えながら、よりよい未来への大きな飛躍・発展に向け、市民の皆様との直接対話を第一に、この総合計画を着実に推進していくことで、誰もがあこがれる上質な生活都市熊本を実現してまいりたいと考えております。
〔49番 村上博議員 登壇〕

◆村上博 議員  市長には、今後10年間の政令指定都市熊本のビジョンをお話しいただきましたが、そのビジョンを実現するためには市長自身の強い覚悟と指導力が必要になってくると思います。ぜひ政令指定都市として市民が誇れる、誰もがあこがれる上質な生活都市熊本の実現をお願いしたいと思います。
続きまして、災害時の避難所整備についてお尋ねいたします。
まず最初に、災害弱者である高齢者や障がい者の避難所についてお尋ねいたします。
本市の地域防災計画によると、自然災害の発生、またはおそれがある場合に、危険を回避するため住民が最初に避難する場所は小中学校の体育館や公民館などの公共施設であり、一時的に避難する避難場所と定義されています。私も8年前の熊本地震の本震直後、近くの一時避難所に避難しましたが、既に避難所は人であふれており、車椅子の私を見かけた親切な方の案内で、福祉避難所である老健施設に移ることができました。重度障がい者の皆さんは、一時避難所ではほとんど生活ができません。それでは最初から福祉避難所に避難できるかというと、そうではありません。避難するには、まず一時避難所で保健師さんたちからスクリーニング・トリアージを受ける必要があります。スクリーニングとは、災害時に多数の被災者の仕分けることを意味します。また、トリアージとは、同時発生した大量の負傷者を治療する際、負傷者に治療の優先順位を設定する作業を意味します。被災した重度障がい者はこのスクリーニング・トリアージを受け、適した施設とのマッチングを行い、福祉避難所へ案内されます。最初から福祉避難所に避難できない仕組みになっております。
そのため、近所の親切な方が福祉避難所へ案内誘導するということはできないのです。本市には、協定を結んだ福祉避難所が市内に174か所、市外に18か所あります。しかし、福祉避難所として協定を結んでいるそのほとんどが特別養護老人ホームです。しかし、その老健施設には既に入所の人たちが生活をされております。そのような施設に、福祉避難所として要配慮者を的確に案内し、その後の避難生活につなげられるのか、大変心配です。
そこで、お尋ねいたします。
発災時に大混乱の一時避難所で、適切にスクリーニング・トリアージを行う体制や事前準備はできているのでしょうか。またさらに、介助者も一緒に避難できるのでしょうか。
続けて、医療的ケア児の避難対策についてもお尋ねいたします。
自然災害が発災した際、医療的ケアの提供を受け、地域で暮らしている人やその家族に対し、避難所への誘導やその後の避難生活に必要な条件を整えた避難所の整備はどのように検討されているのでしょうか。
また、昨年の第2回定例会で、同僚の山内議員が台風による停電時の避難について質問されました。そのときの健康福祉局長の答弁では、あらかじめ避難を受け入れる体制については、平常時からの医療機関との連携や指定避難場所での対応など、現時点では様々な問題があり、今後関係部署等とともに整理・検討していく旨、答弁されております。
そこで、様々な課題についての関係部署等での整理・検討が、その後どうなったのかについてお尋ねいたします。
さらに3つ目として、ニーズの高いペット同伴の避難所についてもお尋ねします。
今やペットは家族の一員としてかわいがられ、SNS上でもかわいい仕草が動画でも話題になります。災害時には当然ペットを連れての避難を考えられます。しかし、ペットの鳴き声や臭いが苦手な方やアレルギーなど、ペット同伴の避難には、必ずしも市民全体の合意が形成されているわけではありません。熊本市地域防災計画には、ペット同行・同伴避難者に対する防災知識の普及を行うと明記されていますが、発災時に十分効果を発揮できるような普及ができているのでしょうか。また、令和4年第3回定例会で、公明党の藤永議員のペット同伴避難所の設置についての御質問に対し、民間企業とも一緒に避難できる施設拡充の取組を進めるとの答弁でしたが、その後の拡充はできているのでしょうか。担当局長にお尋ねいたします。
〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕

◎津田善幸 健康福祉局長  お尋ねの災害時の避難所整備について、私からは高齢者や障がい者、医療的ケア児等の避難についてお答えします。
まず、高齢者や障がい者の避難についてですが、一時避難所におけるスクリーニングやトリアージにつきましては福祉避難所等運営マニュアル等を整備しており、マニュアルでは保健師等で編成される健康支援チームが発災初日から指定避難所等を巡回し、福祉避難所等での受入れが必要な要配慮者の把握を行い、スクリーニング・トリアージをすることとしております。この巡回により収集した要配慮者の情報を基に、受入れ施設と要配慮者のマッチングを行います。また、介助者の同伴についてですが、施設の状況や御本人の状況等を勘案しながら、個々の状況や事情に応じて福祉避難所のマッチングを行う必要があると考えております。
次に、医療的ケア児等の避難対策の検討状況についてでございますが、現在、医師や支援機関等で構成している熊本市重度心身障がい児等ネットワーク会議において、地域課題に関するアンケートを実施し、避難対策の検討に必要な医療的ケアに携わる専門家等の意見を整理し、分析を行っているところでございます。
御意見の中には、医療的ケア児へのサポート体制が不十分であることや医療的ケアへの理解不足などの課題も含まれており、解決に向けては、庁内の関係部署をはじめ、医療、保健、福祉、教育、労働等の複数の機関にまたがる支援の調整や情報共有が必要であると考えております。
医療的ケア児が災害時に避難する場合、避難所に医療装置への電力供給量の確保等が必要であるなど、具体的な課題も多いことから、医療的ケア児御本人とその御家族が安心して避難できるよう、あらかじめ避難を受け入れる体制や避難所の整備についても今後庁内で検討を進めてまいります。
〔田中俊実政策局長 登壇〕

◎田中俊実 政策局長  私からはペット同伴避難についてお答えします。
ペットの飼い主の皆様に対する防災知識の普及につきましては、災害時にペットと避難する際の心構えや、ペットを入れるケージの準備など、日頃からの備えについてパンフレットを作成し、市のホームページや市政だよりに掲載するなど、啓発に取り組んでいるところでございます。
しかしながら、議員御指摘のとおり、さらなる啓発が必要であると考えておりまして、今後も様々な機会を捉え、より積極的な普及啓発に努めてまいります。
次に、ペット同伴避難場所につきましては、令和2年の台風10号や昨年8月の台風6号の際にも開設したところでございまして、今後も引き続き、市有施設はもとより、民間企業とも連携し、ペット同伴避難場所の拡充に取り組んでまいります。
〔49番 村上博議員 登壇〕

◆村上博 議員  災害時はいろいろな問題が起こり、混乱することもありますので、冷静に的確にできるということはないのかもしれませんが、いろいろな人に聞いてみますと、ペットの避難所への同行については比較的好意的だったという声が大変多くございました。
ただ、やはり私がお話をしたとおり、ペットに対してアレルギーを持っているような人たちは、なかなか声に出しにくい人たちが多いかと思いますので、やはりそういった点においては、最初からそういった部分についての決まりというものも作っておいた方がいいのかなと思いますし、シミュレートしておくべきだと思います。網の目は小さければ小さいほどよいとも言われておりますので、担当部署の皆さんの真剣な取組をお願いしておきます。
続きまして、児童・生徒の就学環境の向上について幾つか質問いたします。
まず、35人学級の実現です。
報道によると、昨年の新生児の出生総数は80万人を切ったそうです。少子化社会が叫ばれて久しく、日本全体の人口減は止まりません。子供人口の大幅な減少状況にもかかわらず、小中学校全体の35人学級がなかなか実現しません。ヨーロッパなど、欧米諸国では1クラス30人を切っており、北欧では1クラス20人を切らないと、国民の中から憲法違反との声が出るほど、少人数学級の教育効果を実感している国民が多いと聞いております。
こうした先進諸国からは、35人学級を実現できない日本の現状をどう思われるでしょうか。先生たちの仕事の簡素化の具体策として、教員支援員、SSSを全ての学校に採用し、先生でなくてもできる仕事はSSSに全て任せ、先生が子供たちにしっかり向き合える環境をつくることが必要ではないでしょうか。35人以下学級の実現達成のタイムスケジュールを策定し、実現への早急な取組を始める時期に来ているのではないかと思います。実現には予算とリーダーの強い決意が必要です。ここはあえて教育長ではなく、市長に見解と決意をお尋ねしたいと思います。
よろしくお願いいたします。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  35人学級については、令和3年の法改正によりまして、小学校における学級編制の標準を令和7年度までに段階的に35人に引き下げることが決定しており、中学校への拡充についても国において様々な検討がなされていると承知しております。
このような中、本市においては国に先駆け、令和5年度までに小学校1年生~中学1年生における35人学級を実現しているところです。
対象学年のさらなる拡充には、新たに必要となる教員及び教室整備のための財源確保などが課題となります。これまでも必要な措置を国に求めてきたところでございますが、引き続き指定都市市長会とも連携をしながら要望してまいりたいと考えおります。
現在、策定を進めております次期熊本市教育大綱においても、将来を担う子供たちが健やかに成長できるよう、子供一人一人を尊重した教育の推進を掲げており、少人数学級など、子供たちの実態や個に応じたきめ細かな指導の実施に向けた教育環境の充実に取り組んでまいります。
また、教員の複数担任制、グループ担任制につきましては、現在、各学校の実情に応じて取り組んでおります。児童・生徒が相談できる教員が増えるなどの成果もある半面、児童・生徒が誰に相談すればよいか悩むなどの課題もあると聞いております。また、ワンチームに教員をもう1人加えることについては、これまでも教員定数の改善を国に対して要望しているところでありまして、引き続き要望してまいります。
児童・生徒を複数の目で見ていくということは、大変重要なことであると考えておりまして、今定例会においては、不登校対策サポーターや学級支援員、大学生学校教育活動アシスタントを拡充するための予算を計上しております。このように多様なスタッフを学校に配置することによって、より多くの目で児童・生徒を見守ってまいりたいと考えております。
〔村上博議員 登壇〕

◆村上博 議員  教員の複数担任制、グループ担任制の実現についてでありますが、教育現場が抱える問題に対し、これまでの教育制度を根本から見直す必要を感じます。特に1人の教師が1つのクラスを担当する現行制度は、既に限界に達しており、この問題は私以外にも多くの人々が認識されていると思います。
市民連合では、現在の状況を考慮に入れて、教育制度の議論を続けてきた結果、1人の教師が1つのクラスを担当する現行制度から、複数の教師によるチームの担任制度への移行が、教育現場の様々な問題解決には必要ではないかとの考え方に落ち着きました。学校規模にもよりますが、具体的には1学年を全部のクラスの先生がワンチームとして担任する複数担任制の取り入れです。さらに、もう1人の先生を加えれば、長時間勤務や病休、出産など働き方の改革にもつながります。複数の目で子供たち一人一人をじっくり観察し、情報をチームで共有すれば、子供たちの変化に気づくのも早く、迅速に問題解決に対応できます。兵庫県明石市の前市長、泉房穂氏は、国がやらないから自分たちがやるんだとの気概で市政運営に取り組んだと発言されています。教員の複数担任制、グループ担任制の実現は、政令市熊本の今後の大きなビジョンの一つにもなります。
それから、インクルーシブ教育の取組についてお尋ねします。
障がい者には、できないことが多々ありますが、それらを補う介助者がいれば、地域社会での自立生活が可能です。この際重要になるのは、義務教育時代の健常児との共同生活の体験です。子供たちは9年間の義務教育期間中、学校生活の子供たちとの交流で様々な学びを得ます。これは、障がいを持つ子供たちも同様です。クラスを分けずに学ぶ生活体験は、その後の社会生活に大いに生かされます。一緒に学ぶ生活体験、それがインクルーシブ教育の本質であり、分ける必要性を私は感じません。健常児たちと別々の場所での経験は、その後の社会生活の準備にはならないと思います。障がい児は施設での生活が最終目標ではなく、社会での自立生活を目指すからこそ、インクルーシブ教育の重要性とその過ごし方が意味を持ちます。
これは、障がい者が社会の一員として自立し、共に生きる多様な社会を実現するための重要なステップです。改めて本来のインクルーシブ教育を行うべきだと思いますが、教育長の強い決意を期待しつつお尋ねいたします。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕

◎遠藤洋路 教育長  インクルーシブ教育についてお答えいたします。
障がいがある子供とない子供が共に学ぶインクルーシブ教育は、共生社会を目指す上で大きな役割を果たすものであり、障がいのある児童・生徒の自立や将来の社会生活を支えることにつながるものと考えております。
現在、学校では子供同士が違いを認め、相手を思いやる豊かな心の育成を意図しながら授業に取り組んでおり、障がいの有無はもちろん、年齢や性別、国籍の違い等がある多様な環境の中、切磋琢磨しながら学び合うことを目指しております。このような状況を踏まえ、策定を進めている次期熊本市教育振興基本計画では、インクルーシブ教育の推進を特別支援教育の充実から独立させて施策の方向性の中に明示したところです。この次期計画策定の過程でも、インクルーシブ教育については教育委員からも様々な意見をいただいておるところであり、今後さらに議論を深めてまいりたいと考えております。
〔村上博議員 登壇〕

◆村上博 議員  インクルーシブ教育への取組についてお尋ねしましたけれども、インクルーシブ教育の推進を特別支援教育の充実から独立させ、施策の方向性の中に明示したとの答弁でした。今の社会では、一定の割合で様々な障がいを持つ子供が生まれます。出生数が80万人を切ってもその確率は変わりません。私は小児麻痺で1歳半のときから歩けませんが、地域で生きたいという気持ちを持つように育ててくれた私の両親に大変感謝しております。本市で障がいを持った子供が地域社会で当たり前に自立して生活していける社会には、まだ少し時間がかかりそうな気がします。本市は多様性のまちづくりを目指しております。そのためにはインクルーシブ教育は絶対必要ですが、分けて育てる教育は障がいがない子供たち、いわゆる健常児と言われる子供たちにも経験をさせないという意味で不利益を与えます。本市の教育が本来の意味の多様性社会を目指すインクルーシブ教育になることを願い、次の質問に移ります。
続きまして、ヤングケアラーについてお尋ねいたします。
さて、厚労省が令和3年3月に公表しましたヤングケアラーの実態に関する調査結果では、約17人に1人がヤングケアラーとのことです。自身がヤングケアラーだと自覚している子供は2%、また12.5%の子供は自身がヤングケアラーかどうか分からない状況でケアを行っているそうです。つまり一握りの子供や家族の問題ではないことを、私たち大人や社会は強く認識する必要があります。
2月初め、ヤングケアラーだった50代の人の体験をお聞きしました。小学校時代から病気のお母さんに代わり、家事全般を担っていたそうです。長期間にわたりケアを行っていたので、公園で友達と遊んだり、テレビを見たりなど、子供としての普通の体験ができずに、御本人は当時を振り返り、相談できる人が欲しかった。居場所が欲しかったと言われました。この方の対応方法を本市の状況を踏まえて考えると、毎日顔を合わせる担任の先生にヤングケアラーの知識、認識が少しでもあれば、異変に気づくのも早く、SSWを通して関係機関に迅速につなげたと思います。
そこで、お尋ねいたします。全ての小中学校の先生を対象にしたヤングケアラーの研修は行われているのでしょうか。また福祉の目を持つ専門家のSSWは十分確保されているのでしょうか。ひょっとしてヤングケアラーではと思われる子供たちの環境を改善できる状況、また即座に動ける状態、体制があるのでしょうか。また、本市では、熊本市生活援助型訪問サービス従事者養成講座を開講しております。この講座の修了者は、ヘルパーの資格がなくても掃除、洗濯、料理等の生活支援サービスが提供できます。例えば、この養成講座の修了者をヤングケアラーの家庭に派遣し、解決する仕組みの一つにすれば劇的な結果になると思いますがいかがでしょうか。
以上、3点を関係局長にお尋ねします。
また、こうした安心して健やかに成長できない状況の子供たちが本市にもいるという事実、ヤングケアラーの解消には市長の強いリーダーシップが頼りです。市政運営の優先順位から考え、どのような見解をお持ちか、お尋ねいたします。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕

◎木櫛謙治 こども局長  ヤングケアラーに関し、2点お答えいたします。
まず、全ての小中学校の先生を対象にした研修についてでございますが、子供が家庭で担っているケア負担に教職員が気づくことで、早期発見と支援につなげることができると考えております。そこで、ヤングケアラーに関するリーフレットを全ての教職員と児童・生徒が使っているタブレットに掲載し、認知度の向上を図っております。
また、支援等に関する理解を深めるため、SSW、スクールソーシャルワーカー等の支援者を対象とした研修会の動画を教職員向けに配信し、早期発見につながるよう周知啓発を行っております。今後も動画等を活用した研修など、ヤングケアラーに対する教職員の理解促進に取り組んでまいります。
次に、議員御提案の養成講座を受講された方はヤングケアラーが日常的にお世話をしている高齢者の支援者として活躍いただけるものと考えております。
一方、家事や育児等に対する不安や負担を抱える御家庭をホームヘルパーが訪問し、悩みを傾聴するとともに、家事等を支援する子育て世帯訪問支援事業について、昨年4月からヤングケアラーがいる御家庭も利用できるよう拡充いたしました。引き続き関係機関等と連携を図り、様々な社会資源を活用してヤングケアラーの負担軽減につながるよう必要な支援を行ってまいります。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕

◎遠藤洋路 教育長  スクールソーシャルワーカー、いわゆるSSWについてお答えいたします。
現在、本市では16人のSSWがヤングケアラーを含め、様々な課題を抱える児童・生徒の支援を行っております。SSWが支援した児童・生徒数は年々増加しており、令和6年度はSSWを21人に拡充できるよう本定例会へ予算案を上程させていただいております。今後も配置による効果検証を行いながら、支援の充実に努めてまいります。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  未来を担う子供を社会全体で育んでいくことは極めて重要であると認識をしておりまして、本市の最上位の計画であります熊本市第8次総合計画において「こどもが輝き、若者が希望を抱くまち」をビジョン1に掲げているところです。
この計画が始動いたします令和6年度当初予算において、重点課題対応経費としてこども枠を設定し、子供政策の大幅な拡充を図りました。具体的には、若者やヤングケアラーに寄り添いながら支援を行います(仮称)若者・ヤングケアラー支援センターや身近な区役所で切れ目のない相談支援を行うこども家庭センターを新設いたしますほか、子供たちが安心して過ごすことができる居場所の確保など、困難な状況にある子供や若者、御家庭へのきめ細かな支援体制の強化に取り組んでまいります。今後も全ての子供が健やかに育まれ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指すという決意の下、誰もが明るい未来を展望し、希望を抱くことができるまちづくりに全庁一丸となって取り組んでまいります。
〔村上博議員 登壇〕

◆村上博 議員  ヤングケアラーの最大の問題点は、行政が果たすべき役割を見逃してきた点です。その結果、健やかな成長や将来の可能性を奪ってしまったかもしれません。
答弁では、本市の第8次総合計画で、令和6年度予算で重点課題対応経費としてこども枠が設定され、大幅な拡充を図ったとのことです。また、若者・ヤングケアラー支援センターやこども家庭センターを新設するなど、多くの部署がヤングケアラーの子供たちのために支援する意気込みを示されています。部署同士の連携も大変重要ですが、行政自らが困っている子供たちを必死に探し出してほしいと思います。このヤングケアラーという子供たちは、本当にけなげな、家庭の手伝いをするけなげな子供たちということで、自らSOSを出す子供たちではないんです。ですから必死になって探し出さないとそのヤングケアラーということが分からないという状況もあります。
支援体制の強化を通じて、1人も網目から抜け落ちない支援になるのかどうか、今後注視しながら強く期待したいと思います。
続きまして、里親の問題について4つお尋ねいたします。
まず、里親の研修です。
1年間の研修を受け、子供たちに何ができるのかとの熱い思いで里親登録をされた方々は子供たちの委託を待っておられます。しかし、里親委託はすぐにはできず、待機を余儀なくされます。その期間がどのくらいになるのかは分かりません。待機中の登録里親さんたちは、委託が決まるまでに研修を受けたいと強く希望されております。その要望は委託をされた際に少しでも子供たちの役に立つ里親でいたいという気持ちの表れです。心に傷を受けた子供たちのためにも、こうした里親の皆さんの希望をかなえる研修の機会を増やすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
2番目、里親の活用・本市の昨年度の里親委託率は20%でした。平成30年度、熊本市は全国最下位になりました。そのときが10.8%でしたので倍ですが、それでも委託を待つ登録里親の皆さんは大勢おられます。まだ委託を受けていない未委託の里親さんたちは研修に加え、里親としての活用策を望んでおられます。例えば、委託を受けた里親さんが冠婚葬祭への参加や御自身の病気での入院など、里親委託を受けても社会的な活動に不便を来す状況がどうしても出てきてしまうからです。そこで、未委託の登録里親さんたちが、短期間だけ代わりに里子を受け入れるなど、何らかの活用をできないかと望まれております。本市が未委託の里親活用を展開すれば、里親に関心を持つ普及啓発にもつながりますが、いかがでしょうか。
3番目、未委託里親さんのモチベーションの維持について。
先ほども申し上げましたが、本市の昨年度の里親委託率は20%です。つまり委託をされない里親さんたちの未委託の期間が長くなればなるほど、役に立ちたいとの思いが強い里親さんたちのモチベーションの維持が大変難しくなります。子供たちのためにという純粋な思いで里親登録をされている方々がほとんどですから、研修の実施とも関連しますが、子供たちのためにという強い思いを、委託を受けるまで持続してもらうための対策についてお尋ねいたします。
4番目、里親登録者数の確保、里親数の推移についてお尋ねいたします。
現在、本市の里親登録数は100組を超えていますが、待っている子供たちはその倍はおります。子供と里親さんの相性の問題もあり、子供たちに最もふさわしい里親さんをマッチングするために、登録里親さんの確保数が大変重要になってきます。これまでの登録里親さんたちの推移はどうなっているのでしょうか。また登録数を確保、増やすための対策について担当局長にお尋ねいたします。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕

◎木櫛謙治 こども局長  里親関連の御質問に順次お答えいたします。
未委託里親の研修につきましては、登録更新に必要な法定研修のほか、本市独自のスキルアップ研修を年4回開催しております。毎回テーマを変えながら、子供の養育に役立つ内容を企画して実施しておりまして、引き続き、里親の御意向を踏まえながら研修内容の充実を図ってまいりたいと考えております。
次に、未委託里親による短期間の子供の受入れとして、児童相談所からの一時保護委託や里親のレスパイト事業を行っておりますほか、今年度からはショートステイ事業の試行を開始いたしました。このような事業等を通じまして、未委託里親による子供の受入れを積極的に進めることにより、里親の役割に関する社会的な理解の浸透を図り、里親制度の普及啓発にもつなげてまいりたいと考えております。
次に、未委託里親のモチベーションの維持につきましては、研修会や里親サロンの開催など、里親同士の交流におきまして互いに学び合い、悩みを共有できる仲間ができることが対応策の一つと考えております。
また、先ほど答弁いたしましたとおり、短期間の子供の預かり事業の積極的な活用がモチベーション維持にもつながるもの捉えております。
最後に、登録里親数でございますが、平成30年度は85世帯でございましたが、その後年々増加し、令和4年度末は139世帯となっております。今後は登録数が少ない地域や児童福祉に関連する職種や団体などターゲットを絞ったリクルート活動を展開するほか、短期間の子供の受入れを前提とした募集により登録への敷居を低くするなど、里親の確保に向けた取組を強化してまいりたいと考えております。
〔村上博議員 登壇〕

◆村上博 議員  2016年の国会で児童福祉法が全会一致で改正され、政府は里親制度に大きくかじを切りました。しかし本市の里親制度推進の施策は、児童福祉の現場からはまだまだ本気度を感じてもらえていないという気がしてなりません。本市に限らず全国の自治体も同様です。1990年から33年間にわたり児童虐待対応数が毎年過去最多を更新しながら、ついに20万件を突破したことにも表れております。
私は昨年、里親制度に取り組んでいる3つの自治体を個人視察しましたが、例えば新潟市や福岡市は、大変に高い里親委託率を維持しております。しかし、60%近い里親委託率ですが、まだ100%ではないわけです。たくさんの自治体が努力しておりますが、なかなか100%に届かないというような大変難しい問題も控えておりますが、私たちは、やはり家庭的な環境で育つべき子供たちのことを必死に考えなければいけないだろうと思います。熊本市にもまだ200名の子供たちが里親を待っております。ぜひ精いっぱい努力をしていただきたいと思います。
続きまして、性虐待問題についてお尋ねいたします。
芸能界で60年以上にわたり、ジャニー喜多川氏によるアイドルへの性虐待が大きく報道され、社会問題化しました。外部専門家の再発防止特別チームは、調査後の記者会見で、この問題で被害者が膨大な人数に及んだのは、60年以上芸能界では触れてはならない問題として放置されたことにあると指摘、さらに訴えがあったにもかかわらず放置した同族経営の隠蔽体質についても厳しく指摘しました。
私は、子供支援として、児童虐待問題や里親問題に取り組んでいますが、一部報道で、私にとって看過できない出来事が本市でも発生していた事実を知りました。それは、児童養護施設で同族経営の運営側職員が子供たちへの性加害を長期間にわたり続けていたということです。同族経営によるガバナンスが働かなかったことが最大の原因とはいえ、在園中の子供たちや卒園した子供たち、退職した職員たちから何度となくSOSが出ていたにもかかわらず、長年にわたり放置され続けたことについて、児童福祉の観点から、権利の主体である子供たちの尊厳、人権を守る側の行政は、この性虐待を止められませんでした。この取組が不十分だったからと思われても仕方がありません。所管部局が子供たちのSOSの声や退職にまで追い込まれた職員の行動になぜ十分に応えられなかったのか、こども局長にお尋ねします。
さらに、本市の子供たちが実親と施設からの2度にわたり、心に傷を負わされる事態を招き、子供たちの人権と尊厳を守れなかったと指摘され、市長としてどのようなお気持ちなのか、今後、どんな仕組みを構築されるおつもりか、見解をぜひお聞かせください。
〔木櫛謙治こども局長 登壇〕

◎木櫛謙治 こども局長  子供たちのSOSや職員の行動への対応についてお答えいたします。
一般的に施設内における虐待等の相談があった場合、全ての事案におきまして、相談者である子供に対する面談や施設の監視カメラの確認、職員への聞き取り等を行い、事実確認の上、法令に基づく行政処分等を行っております。また入所している子供がSOSを出しやすいよう、通常の支援に加えて年2回個別面接を実施し、困り事や被害の有無などを確認するほか、日頃から子供の養育に関する施設職員からの相談にも応じております。
子供や職員からの相談に誠実に対応し、また法令等に基づく厳格な指導監督を行う必要があると認識しております。引き続き子供の声を丁寧に聞き取り、子供の人権を守ってまいりたいと考えております。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  子供たちの人権を守ることは我々大人の責任であり、これまでもこどもホットラインの開設やこどもの権利サポートセンターを設置し、全ての子供の最善の利益が図られるよう取り組んでまいりました。社会的養護を受けている子供から、施設内虐待の訴えや相談があった場合は、速やかに相談者に寄り添った対応をしております。
令和6年度からは、施設に入所している子供の意見を聞き取り、その思いを酌み取って代弁するため、市内の全23施設に意見表明支援員、いわゆるアドボケイトを派遣いたします。また施設職員の負担軽減と資質向上の観点から、人的配置の助成や研修等も開始をする予定です。
虐待などの被害を受け、社会的養護下にある子供の権利と尊厳が侵害されることは絶対にあってはならないことであり、強い憤りを感じますとともに毅然とした対応が必要と考えております。
子供たちの思いを真摯に受け止め、施設に対しては今後も厳しく指導、監督を行いますとともに、適正な養育が行われ、子供の人権が守られる社会的養護を推進してまいります。
〔村上博議員 登壇〕

◆村上博 議員  この児童養護施設の事件について、熊本県ファミリーホーム協議会から本市に意見書が出されました。内容を拝見しますと、これは意見書ではなく、まさに抗議文そのものでした。私たち夫婦も登録里親ですが、仮にファミリーホームと登録里親さんがこんなことをすれば、資格は即座に取り消されます。ファミリーホームの皆さんも里親も、子供たちに私たちが何ができるのかという強い思いで委託を受け、子供たちを受け入れております。心に傷を受けた子供たちのことが一番ですが、その次に子供福祉の現場で働いている皆さんたちの胸の内を考えると、本市は長期間にわたり、なぜ性虐待を止められなかったのかと、心をかきむしられる思いでおられると思います。
市長は強い憤りを感じるとともに、毅然とした対応が必要と述べられました。子供たちと施設を退職された職員たちは精いっぱいの行動を取られました。なのに、取組のなさから、長期間にわたり性虐待を止められなかったというこの事実、今後のことも、もちろんそうですが、1回、こういうことがあったということを、やはり私たちは真摯に受け止めるべきではないかと強く思います。子供たち、職員、関係者の胸のうちを真剣に受け止めていただき、強い危機感で今後の施策に取り組んでいただくことを心から願う次第です。
実はあと1問、犯罪被害者等支援条例の運用についてということで質問を用意しておりましたが、宿題にさせてください。
私の質問はこれをもって終わりとさせていただきたいと思います。
今日は傍聴に来ていただきました皆さん、それからインターネットで御静聴の皆さん、そしてまた議場で拝聴していただきました同僚議員の皆様、本当にありがとうございました。(拍手)
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田中敦朗 議長  この際、議事の都合により休憩いたします。
午後3時10分に再開いたします。

午後 2時56分 休憩
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午後 3時10分 再開

田中敦朗 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。
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田中敦朗 議長  代表質問を続行いたします。
浜田大介議員の発言を許します。浜田大介議員。

〔35番 浜田大介議員 登壇 拍手〕

◆浜田大介 議員  皆様こんにちは。公明党熊本市議団、浜田大介でございます。
今日は会派を代表してということで質問させていただきます。市長並びに執行部の皆様には明快な御答弁をよろしくお願いいたします。
それでは、早速質問に入ります。
初めに、能登半島地震の支援についてお尋ねいたします。
改めまして、このたびの地震でお亡くなりになられた方々に対しまして哀悼の意を表しますとともに、被災に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
震災からやがて2か月が経過しようとしておりますが、依然として被災地は過酷な状況が続いています。
本市も、1月3日より石川県に多くの職員が派遣されており、給水支援や避難所運営、住宅被害認定調査など、頑張っていただいていることに感謝を申し上げます。
熊本地震からの復旧・復興に取り組んでこられた職員の方々の経験が生かされ、早期復旧・復興に役立つことを切に望むものであります。
また、今回は熊本地震のときにつくられた応急対策職員派遣制度に基づいて、全国の自治体の職員が割り当てて派遣され、被災地の職員とチームを組むなどして、しっかり連携した復旧に当たっていただいていると伺っております。そのような中、今後の大きな課題の一つに液状化被害があります。報道等によりますと、能登半島地震による液状化被害は広範囲にわたり、震源から160キロ離れた新潟市でも2,000か所以上に確認されているなど、その被害は深刻であります。これについては、本市でも液状化による宅地被害の復旧で工法や住民説明など、いろいろ苦労した経験が生かされることを期待するものであります。
そこで、熊本地震での液状化対策のノウハウを生かすべく、積極的な支援をお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
大西市長にお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  初めに、このたびの能登半島地震によりお亡くなりになられた方々に対しまして深く哀悼の意を表しますとともに、被災された全ての皆様に心よりお見舞い申し上げます。
私も熊本地震を経験した市長として、また防災対策担当の全国市長会副会長として、地震発生直後より被災地の市長と直接連絡を取りますとともに、松原祥史内閣府防災担当大臣や馳浩石川県知事とも連携をしながら、迅速な被災地支援に努め、本市からも災害マネジメント総括支援員をはじめ、これまでに337名の職員を率先して派遣をしているところです。
また、能登半島のみならず、広範囲で発生をしております液状化被害に関しましては、熊本地震から本市が得た経験や技術を生かせるよう、発災直後から都市建設局に必要な対応を指示いたしますとともに、私からも先月松村大臣や国土交通省に対しまして、熊本市における液状化被害の状況や工事の課題などについて説明を行ったところです。そのような中、都市建設局においては、去る2月4日に国土交通省主催によります石川県、富山県、新潟県及び各市町村参加のオンライン会議に出席いたしまして、熊本地震での対応や取組について説明いたしますとともに、2月21日には富山県へ職員3名を派遣するなど、これまでの教訓や知見を伝え、意見交換を行ったところです。今後も国や被災自治体の要請に応じながら復旧への道筋が描けるよう必要な支援を積極的に行ってまいります。
〔35番 浜田大介議員 登壇〕

◆浜田大介 議員  ありがとうございました。
市長より、防災対策担当の全国市長会副会長として本市から災害マネジメント総括支援員をはじめ、これまで337名の職員を派遣されているとのこと、また、液状化被害に関しては発災直後から都市建設局に必要な対応を指示し、自らも率先して大臣や国土交通省、石川、富山、新潟の3県各町村に説明していただいていることに感謝いたします。
先日の報道では、能登半島地震による液状化被害は石川、富山、新潟の3県で1万件を超えると見られることが明らかになったとありました。熊本地震から今年4月で8年目となりますが、本市の宅地液状化防止事業では実証実験や住民意向調査など、事業着手までにかなりの期間を要したこともあり、現在も地下水低下実施中の地区が残っているなど、いまだ完了には至っておりません。
能登半島地震の液状化対策では、本市の経験を生かし、例えば、事業着手までの期間の短縮などが可能ではないかと思います。今後長期にわたる支援が必要となると思いますので、改めて積極的な支援をお願いいたします。
次に、若者が熊本で活躍できる環境整備についてお尋ねします。
2022年度の県内大学等における卒業後の県内への就職割合は、県内主要大学への市の独自調査によると平均49.6%となっており、約半分は県外に出ていっております。市内には魅力ある企業がたくさんありますが、学生さんにその情報がなかなか伝わりにくい現状もあるかと思います。
また、若者の創業支援や創業後の伴走型支援による起業家の育成も大変重要だと思っております。私ども公明党熊本市議団は昨年12月に令和6年度の予算編成に関し、174項目の政策要望書を市長に提出しました。そこでその中から若者が熊本で活躍できる環境整備に関する取組について、これまでどのように取り組んでこられたのか、また今後どう取り組んでいかれるのか、お尋ねしていきたいと思います。
まず、熊本に住む学生が地元に就職できるような支援策や地元中小企業とのマッチング支援の強化について。以前は、地元企業と学生が出会う機会がなかなかない状況がありましたが、2022年6月にインターンシップの推進に当たっての基本的な考え方の改正により、インターンシップを実施する企業が増えています。本市としてもできるだけ幅広い多くの企業と多くの学生とのマッチング支援をお願いしたいと思っております。
次に、時代に応じた創業、起業支援のさらなる拡充と、持続可能となる専門的な経営指導の強化について、また、起業後の事業者に対し、経営基盤強化のための伴走型支援事業等の段階的、継続的なさらなる支援について。これらについては、今年2年目を迎えるスタートアップ支援拠点であるクロスポイントでの取組を期待しています。このクロスポイントができたことで、様々な業種の交流の拠点として新しいビジネスがどんどん生まれ、その中から全国、全世界に熊本発のビジネスとして大きくなっていくことを期待しています。
そこでお尋ねいたします。1点目、大学生と地元企業とのマッチングの取組について、これまでの取組及び今後の取組をお尋ねします。2点目、本年度から有償インターンシップの取組をされていますが、その結果についてお尋ねします。3点目、スタートアップ支援拠点であるクロスポイントを中心とした創業・起業支援、伴走型支援について、これまでの実績及び今後の取組についてお尋ねします。4点目、全国、全世界に広がるような、熊本発のビジネスの育成を期待しておりますが、現在、また今後の取組をお尋ねします。
以上4点は、経済観光局長にお尋ねします。
続けてお尋ねします。
大西市長は、先日東京で開催されたスタートアップのイベント、KUMAMOTO STARTUP NIGHTに登壇され、たくさんの方が熊本に関心を持っており、大いに刺激を受けられたとSNSのXに投稿されていました。そこで改めて大西市長に若者が熊本で活躍できる環境整備に関する取組についてお尋ねいたします。
〔村上和美経済観光局長 登壇〕

◎村上和美 経済観光局長  4点のお尋ねに順次お答えいたします。
初めに、大学生と地元企業とのマッチングと有償インターンの取組についてお答えいたします。
本市では、若者の地元企業への就職を促すため、令和4年度から県外大学生を対象としたインターンシップを実施しており、令和5年度には県内大学生も対象に加え、2年間で延べ202社の企業と346名の学生の参加がございました。
また、地元企業に対する理解促進のため、大学生と地元企業との意見交換会を開催しており、今年度は県内の大学で、令和6年度には県内大学に加え、県外大学でも開催することといたしております。さらに、今年度から新規事業といたしまして起業やスタートアップに関心のある学生がスタートアップ等での実践的な就業体験を通して自身の適性や企業への理解等を深める有償インターンの取組を支援しており、10社の企業に対しまして16名のマッチングを行い、最終的に7社で7名が有償インターンに参加されたところでございます。
次に、クロスポイントを中心とした創業・起業支援と世界に広がるような熊本発のビジネス育成についてお答えいたします。
令和4年4月にスタートアップ支援施設クロスポイントをオープンし、これからの地域経済を担うスタートアップの支援に取り組んでいるところでございまして、令和4年度にクロスポイントを契機とした創業者数は28件となり、過去最高の件数となったところでございます。
これらのスタートアップの成長を支援するため、ビジネスプランのブラッシュアップや資金調達計画策定などの実践的な伴走型支援を行いますとともに、スタートアップのビジネスプランを発表するピッチイベントを首都圏などで開催し、投資家や事業会社とのマッチング支援にも取り組んでおります。
また、独立行政法人日本貿易振興機構JETRO本部では、海外展開が期待できるスタートアップを選定し、世界的に著名な起業家や投資家などのメンターが伴走支援するという事業を実施されておりまして、本市ではこの事業への採択を目指し、今年度からJETRO熊本と連携した育成支援に取り組み、熊本から初めて3社が採択されたところでございます。今後もインターンシップ等を通じ、より多くの学生に地元企業の魅力を知っていただくことで、県内学生の地元定着やUIJターンを促進いたしますとともに、クロスポイントを中心に起業・創業支援をさらに充実し、国内外を問わず若者が活躍できる環境整備に取り組んでまいりたいと考えております。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  若者が熊本で活躍できる環境整備に関する取組についてお答えいたします。
先日、東京で開催いたしましたKUMAMOTO STARTUP NIGHTに私自身も登壇いたしまして、首都圏の起業家やベンチャーキャピタル等の支援関係者に向けて、本市の魅力や起業環境、さらには熊本のスタートアップの事業発展の可能性等についてプロモーションを行いました。当日は若者を中心に現地、オンライン合わせて約300名の参加がありまして、たくさんの方と意見交換を行い、熊本のスタートアップとの連携や熊本への企業進出、移住などに大変関心を持っていただいていることを実感したところです。熊本のポテンシャルをさらに高めるため、来年度は50以上の国と地域が参画いたしますスタートアップワールドカップ予選大会を熊本で開催いたしますほか、引き続きJETROの海外派遣プログラムへの挑戦を後押しするなど、熊本から国内外に向けてチャレンジする場を提供し、若者がさらに飛躍できる環境整備に取り組んでまいります。
〔35番 浜田大介議員 登壇〕

◆浜田大介 議員  ありがとうございました。
インターンシップでは、2年間で延べ202社の企業と346名の学生の参加で、大学生と地元企業との意見交換会も開催しているとのこと、また今年度から新規事業でやる有償インターンは最終的に7社で7名が参加されたとのことです。着実な成果が出ているようです。今後はさらなるマッチング支援の強化をお願いしたいと思います。
クロスポイントについては、令和4年度の創業者数は28件と過去最高の件数となり、これらスタートアップ企業の伴走型支援や投資家や事業会社とのマッチング支援もされているとのことです。クロスポイントができた効果は大きいと思います。スタートアップ企業が中長期的に着実に成長できるような支援をお願いしたいと思います。
また、今年度からJETRO熊本と連携した育成支援に取り組み、熊本から初めて3社が採択されたとのこと、世界的に著名な起業家や投資家などのメンター、いわゆる指導者、助言者が伴走支援をするということで、支援を受ける側にとっては大変心強いと思います。今後は海外へ羽ばたく企業が熊本から陸続と浸出することを期待しております。
また、市長からはKUMAMOTO STARTUP NIGHTでたくさんの方と意見交換を行い、熊本への企業進出、移住などに大変関心を持っていただいていると実感したということでございました。来年度は50以上の国と地域が参加するスタートアップワールドカップ予選大会を熊本で開催するとのことです。市長自らのトップセールスの効果は大きいと思います。今後ともぜひよろしくお願いいたします。
次の質問に移ります。
公共交通政策について、数点お尋ねしてまいります。
初めに、バスの運転手不足についてお尋ねします。
今、全国的に公共交通については、今後、現在の機能を維持することが困難になると言われています。本市も同様であると思います。新型コロナ感染拡大による外出自粛が長く続いたことから、ここ数年、公共交通の利用者は大きく減少しました。現在は、コロナ禍前の状態に戻りつつあるものの、リモートワークの定着、またはバス、電車から自家用車に戻るケースもあるなど、コロナによる行動変容が生まれ、今後の公共交通の利用者は以前の90%にとどまるのでないかという見方もあるようです。
また、運転手不足が大きな課題です。このことは物流、運送業界を取り巻く2024年問題でさらに深刻になると予想されています。例えば、バスの運転手のローテーションが現在の人員では回らなくなる可能性や、平均賃金がバスより高いトラックに運転手が流れることなども懸念されています。
このような中、市電については上下分離方式の導入や3両編成の導入などが計画されています。また、バスについては共同経営による路線の見直しや、先日発表があった大型2種保有職員のバス事業者への転籍などの新しい取組もあるようです。これらの取組で一定の運転手確保は期待できるものの、まだ十分とは言えず、今後もさらなる運転手確保が必要となると思います。
そこで、運転手不足の解消につながる一案として、バスや電車の利用者が混雑する朝夕のピーク時の需要を分散させることで平準化する施策も有効ではないかと考えます。バスや電車は朝夕のピーク時の需要に合わせて運転手を確保することが求められるため、需要を平準化することで確保する運転手を減らすことができます。例として、JR東日本のオフピーク定期券というものがあります。このオフピーク定期券は昨年の2023年3月から始まっており、平日朝のピーク時間帯以外に利用できる定期券のことであります。平日朝のピーク時間帯が利用できない分、通常よりも安い定期券となっております。これは企業にとって社員の通勤費の経費削減のメリットがあるとともに、導入が進むことで朝夕のピーク時の需要の分散の効果が期待されます。
そこで、お尋ねいたします。1点目、来年度バス路線の廃止、減便の計画はあるのでしょうか。2点目、運転手不足解消につながる新しい取組を何か予定されていますでしょうか。3点目、バスや電車の需要の平準化を今後検討する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
都市建設局長にお尋ねします。
〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕

◎井芹和哉 都市建設局長  ただいまの3点の質問にお答えいたします。
まず、バス路線の廃止、減便につきましては現在バス事業者で検討中でございますが、路線廃止は利用者の影響が最小限となるよう、利用者が比較的少ない2路線にとどめ、減便についても主に早朝や夜間を中心に市内を通るバス路線全体の3%程度の減便になるだろうと伺っております。
〔議長退席、副議長着席〕
次に、運転手不足の対応につきましては、共同経営による路線の見直しやタクシーを活用したダウンサイジング化、AIデマンドタクシーの導入に併せた路線バスの再編、1月から開始した本市の大型2種免許を保有する再任用職員の転籍等を行っておりますが、抜本的な解決にはつながっておらず、引き続き共同経営推進室と協議してまいりたいと考えております。
最後に、需要の平準化につきましては運転手の長時間労働の解消や少ない運転手でのダイヤ編成につながるものと考えております。
今月5日から1週間実施いたしましたバス・電車100円ウィークは、料金を割り引くことでどういった利用者層に行動変容が起きるのかを把握することも目的としており、今回の実証実験から得られたデータを分析し、効果的な施策を検討してまいりたいと考えております。
〔35番 浜田大介議員 登壇〕

◆浜田大介 議員  ありがとうございました。
バスについては、路線廃止は利用者が比較的少ない2路線、減便については早朝や夜間を中心に市内を通るバス路線全体の3%程度を見込まれているようです。廃止、減便については地域や利用者の理解を得られるよう丁寧な説明をお願いいたします。
運転手不足解消につながる取組については、いろいろ取り組まれ、知恵を出し合い、苦労されていることがうかがえます。
また、需要の平準化についてはバス・電車100円ウィークの実証実験から得られたデータを分析し、効果的な施策を検討するとの御答弁でした。失敗を恐れず、共同経営推進室としっかり連携して、いろいろできることはやってみることも大事だと思っております。私も今後、運転手不足解消に向け、他都市の好事例などあれば、よいアイデアをお伝えできればと思っております。
そこで次に、料金を割り引くことで、どういった利用者層に行動変容が起きるのかを把握するバス・電車100円ウィークの実証実験及びバス・電車無料の日の効果についてお尋ねいたします。
本市地域公共交通計画の統計資料によりますと、公共交通利用者数は年々減少傾向にあり、特にバス交通の利用者数はピーク時の約4分の1まで減少しています。これに加え、先ほど述べましたように、新型コロナウイルス感染症の影響により、利用者はさらに減少しています。コロナ前の2018年に実施した本市市民アンケートによりますと、公共交通機関を利用する市民の割合は週に1回以上が14%、月に1回以上が26.1%、年に1回以上が29.4%、全く利用しないが28.4%との結果が出ています。つまり、月に1回以上公共交通機関を利用する市民は約4割となります。したがって、残り6割の市民は、ふだんほとんど利用していないと言っていいと思います。
そこで、本市は公共交通を利用するきっかけをつくるため、バス・電車無料の日をこれまで4回実施してきました。その結果、その日は公共交通の利用者が劇的に増加し、日頃の交通渋滞の緩和や経済波及にも一定の効果があったようです。無料ですから、利用が増えるのは当たり前です。大事な点は、この取組でふだん公共交通を利用しない市民が利用するきっかけとなったことであり、実際その後の分析レポートでは、当日の利用者のうち、ふだん利用しない人が約4割いたとの結果が出ています。
そこで、この取組により、どれぐらいの市民がその後の行動変容につながったのか。例えば先ほどの年に数回だった市民が月に数回利用するようになったとか、全く利用しなかったが年に数回利用するになったとか、そういった行動変容につながったのであれば、大変すばらしいことだと思います。
そこで、お尋ねいたします。1点目、バス・電車無料の日の取組により、どれぐらいの市民のその後の行動変容につながったのか。追跡調査などされないのでしょうか。2点目、2月5日にバス・電車100円ウィークを実施されましたが、この取組の結果、また分析ができていれば教えてください。
都市建設局長にお尋ねいたします。
〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕

◎井芹和哉 都市建設局長  ただいまの御質問にお答えいたします。
まず、バス・電車無料の日は公共交通を利用するきっかけをつくるとともに、自動車から公共交通への転換による交通渋滞緩和効果を検証することを目的に、これまで計4回実施しております。
無料の日に合わせて実施しておりますアンケート調査結果からは、約10%超の方が以前より公共交通を利用するようになったとお答えになるなど、行動変容にも一定の効果があることを確認しており、今後も引き続き追跡調査を実施してまいります。
無料の日の取組を通じて、公共交通の利用促進には料金施策が有効と確認できたことを踏まえ、今後継続的な施策に展開していくため、今回、公共交通の利用促進に加え、一定期間料金を低減することによる通勤通学、買物など、日常利用者の行動変容に関するデータを収集、分析することを目的に100円ウィークを実施いたしました。現在、利用データ等の集計作業を行っているところでございますが、交通事業者からは日を重ねるごとに利用者数が増え、特に土日の利用は多かったと伺っております。今後、早急に集計作業を進め、分析結果がまとまり次第、市議会をはじめ、市民の皆様にお示しするとともに、今後の施策展開につなげてまいりたいと考えております。
〔35番 浜田大介議員 登壇〕

◆浜田大介 議員  ありがとうございました。
無料の日に合わせて実施しているアンケートの調査結果からは、約10%超の方が以前よりも公共交通を利用するようになったと答えられたということでございます。この方々が平時でも利用するようになっていただくことが大変重要であると思っております。
先ほどの本市地域公共交通計画の数値目標を見ると、月に1回以上利用すると回答した人の割合の来年度の目標が50%となっていました。これを達成するには、私の試算では、ふだんほとんど利用していない約6割の市民の約17%の方が、月に1回以上利用するようになっていただく必要があり、ハードルはかなり高いと思います。今後も引き続き追跡調査を実施するということですので、目標達成へどの程度効果があったのか、そのような数値が見えてくるような調査をしていただきたいと思っております。
また、100円ウィークも同様で、分析等を通して、そのような行動変容につながる方策をしっかり試行錯誤しながらでも、つくっていただきたいということをお願いしたいと思います。
次に、公共交通政策の3点目として、AIデマンドタクシーについてお尋ねします。
本年2月1日に公共交通協議会の交通結節点機能強化部会、コミュニティ交通部会が開催され、私もオブザーバーとして参加いたしました。その中でAIデマンドタクシーについて報告がありました。その内容を紹介しますと、まず実証実験中の西区、南区のチョイソコくまもとについては1日平均16件の利用で、本年1月に停留所を大幅に追加したことなどで、さらなる利用者増が期待できるとのことでした。
また、東区、中央区のチョイソコくまもとキッズについては、1日平均21件の利用で、ニーズは高いとのことでした。今後は西南、植木の本格導入を本年7月に目指すということで、導入に当たっては路線バスの再編とセットとすることで財政負担低減を図るということでした。
財源の内訳は、AIデマンドタクシーの運行経費のうち、運賃収入を引いた残りの53%を特別交付税として活用、また路線バスの再編による減便によって不要となる本市赤字補填分及びスポンサー収入を充てることで実質負担を低減し、持続可能にするとしております。
また、より利便性を向上させる検討もされています。
チョイソコくまもとについてはおでかけICカードの対象となる高齢者等の運賃割引を検討されており、これは利用者増にもつながると思います。また、現在8時~16時までとしている運行時間を通勤、通学需要に対応できるよう時間帯を拡大することなどが検討されているようです。この場合、朝夕の需要増に合わせた2台体制等も必要になるかと思っております。また、チョイソコくまもとキッズについては児童育成クラブからの送迎も検討されているようです。大変ありがたいことで、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
協議会では、他の公共交通不便地域からも導入の声があるなど、多くの地域から導入の要望が上がっており、さらには公共交通不便地域ではない都市部でも公共交通の利用が困難な方が多くいらっしゃり、導入の要望が上がっています。
本市としても、そのような地域へも含め、バス路線の再編など調整を進めながら今後導入するお考えを示されています。このような現状の中、私は、本市の多くの交通弱者の方々が早期の導入を切望しているこのAIデマンドタクシーをニーズがある全ての地域に導入するには、今のペースではかなりの時間を要するのではないかと懸念しております。
そこで、現在これを担っている移動円滑推進課にヒアリングをしましたところ、大変重要な業務を幾つも所管していることが分かりました。移動円滑推進課の人員体制は現在13名、所管している事務は今述べました西南部や植木地域、東区、中央区のAIデマンドタクシー関連事務、これに加え、市電関係では市電延伸関連事務や電停改良関係事務、バス関係では水前寺バス停新設や市内600か所のバス停へのベンチ設置関連事務、このほか九州MaaSやグリーンスローモビリティ、バリアフリー関連事務、熊本港関連事務など、業務は多岐にわたっております。現在担っている業務だけ見ても、今の人員体制で大丈夫なのかと心配になっております。現体制では、今後のAIデマンドタクシーのエリア拡大はなかなか進まないのではないでしょうか。
例えば、本年7月に植木地区への導入を目指すということですが、導入に向けては導入エリアの各自治体への説明会の開催や利用者ニーズの調査、バス路線再編の調整、また数百か所に及ぶ停留所の現地調査、運行を担っていただく地元タクシー業者との調整、スポンサーとなっていただく企業、団体等の確保などなど、1か所導入するのに大変な労力が必要です。一方でAIデマンドタクシーを必要とする交通弱者の方々は一日でも早くとの声があり、私は来年の西南部や植木地域への導入後は、速やかに必要な全ての地域へ早急な導入をしていただきたいと思っております。
そこでお尋ねします。1点目、現在、AIデマンドタクシーの要望が上がっている地域を教えてください。2点、それらの地域へいつ頃までに導入を終えるお考えでしょうか。3点目、今後一時的にでも人員を倍増し、早急に全地域への導入に向けて進めていただけませんでしょうか。4点目、チョイソコくまもとキッズにつきましては、解決すべき課題もあるようですが、本格導入の時期と他地域への拡大について、現在の検討状況をお聞かせください。
以上、大西市長にお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  AIデマンドタクシーにつきましては、路線バスの減便や路線廃止等により公共交通利用者の利便性の低下が懸念されている現況におきまして、次年度に本格導入を目指しております植木地域のほか、北部地域、城南地域や健軍町電停周辺地域等多くの地域から要望が上がっているところです。
要望地域への導入検討に当たり、担当課の人員体制強化につきましては兼務も含めますが、1月に3名増員を図ったほか、停留所設置に向けた現地調査等、一時的にマンパワーを必要とする業務への対応も、局内応援体制により必要な人員を確保しているところでありまして、各地域での路線バス再編と併せて導入地域の拡大にスピード感を持って取り組んでまいります。
最後に、チョイソコくまもとキッズは子育て世代の子供の送迎の負担軽減に資する取組でありますことから、多くの導入要望をいただいておりますが、他の公共交通機関との調整や学校との連絡等の課題がありまして、現在の実証実験において対応策を検討し、早期の本格導入を目指してまいります。
〔35番 浜田大介議員 登壇〕

◆浜田大介 議員  ありがとうございました。
AIデマンドタクシーについては、北部地域、城南地域、健軍町電停周辺地域など、多くの地域から要望が上がっているとのことです。
また、人員体制強化については1月に3名増員されたほか、一時的にマンパワーを必要とする業務について局内応援体制により必要な人員を確保しているとのことです。
できれば、今、要望が上がっている地域につきましては令和6年度中に調査を開始していただきたいと、そして令和7年度中の導入を目指していただくよう要望とさせていただきたいと思います。
また、チョイソコくまもとキッズにつきましては、現在実証実験中の地域への早期の本格導入とともに、他の地域への拡大についても進めていただきたいと思っております。改めてそのために必要な人員体制の強化を求めておきます。
公共交通政策に対しまして最後の質問になります。
本市の公共交通政策は、8年前の2016年3月に策定された地域公共交通網形成計画に基づいてこれまで進められてきました。この計画は2021年に時代の変化や国の法律改正などに応じ、新たに地域公共交通計画として改定され、現在に至ります。上位計画には熊本都市圏都市交通マスタープラン、熊本市公共交通グランドデザイン、熊本市公共交通基本条例、第7次総合計画などがあり、立地適正化計画等と連携、整合を取っています。これら上位計画のうち、熊本都市圏都市交通マスタープランは2009年に策定されています。このマスタープランでは公共交通網の整備と幹線道路網の整備を進めるとしています。このうち公共交通網の整備につきましては、中心市街地から延びる8方面を基幹公共交通軸と位置づけ、輸送力、速達性、定時性の強化及びそれらの基幹公共交通軸と地域の実情に合ったコミュニティ交通との連結を目指すとしています。
この基幹公共交通軸の強化につながるものとして、先日、熊本電鉄と市電の乗換機能の強化に向けて、対面乗換えも視野に具体策を検討する協議会が設立されるといううれしいニュースがありました。このことは以前より会派としても上熊本駅での鉄道と軌道の相互乗入れの検討を要望していました。以前の市の回答では中期的な事業化は困難と判断されておりましたが、TSMC進出という大きな環境の変化が今回の協議会設立の決め手となったようです。何とか課題を乗り越えて、対面乗換えなど、乗換機能の強化が実現できることを強く願っています。
そこで、改めて上熊本駅の乗換機能強化についての考えを大西市長にお尋ねします。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  上熊本駅につきましては、TSMCの進出や合志市御代志地区の土地区画整理事業等の熊本都市圏北部エリアでの環境の変化を踏まえ、重要交通拠点としてさらに結節機能強化を図る必要がありますことから、私の3期目のマニフェストに市電と電鉄、JRの接続環境の改善を掲げ、検討を進めているところでございます。鉄軌道のアクセス性の改善により、公共交通の利用促進はもとより、上熊本駅周辺地域のまちづくりにも大きく寄与するものであり、今回、荒木合志市長及び熊本電気鉄道株式会社の中島代表取締役社長から御要望いただいた協議会を早期に設立させ、上熊本駅における様々な結節機能強化に向けた検討を加速化させてまいります。
〔35番 浜田大介議員 登壇〕

◆浜田大介 議員  ありがとうございました。
上熊本駅の乗換えについては、現在の電鉄と市電の乗り場が80メートル以上離れており、過去に相互乗入れを検討されましたが、レールや車両の幅が違うなど、技術面や採算性から困難であったようです。しかし、対面での乗換えならば相互乗入れの課題に比べれば実現性は高いと思います。昨年10月より、改正地域交通法が施行されたことで、社会資本整備総合交付金がそれまで使えなかった民間の鉄道の駅や線路、バスの停留所や車庫の整備に使えるようになったと聞いております。国の補助率は2分の1ということでございます。
こういった制度をしっかり活用して公共交通のインフラ整備を加速していただきたいと思っております。
よろしくお願いいたします。
次に、利用者目線でのDX推進についてお尋ねします。
現在、デジタル化が進み、本市でもたくさんのスマホ用アプリやホームページがつくられています。作成に当たってはできるだけ分かりやすく、使いやすいよう工夫して設計されているとは思います。私は2021年の第2回定例会で富山県での事例を紹介するなど、高齢者などに配慮したユーザーインターフェースについて質問をしました。
大西市長からは、市政に関する様々な情報を発信する上で、ホームページやアプリは大変有効なツールであり、高齢者や障がい者の方を含め、全ての市民が使いやすいウェブサイトやアプリにすることは大変重要であるとの認識と、そのために今後研究を行っていく旨の御答弁がありました。
そこで、今回は福岡市の事例を紹介したいと思います。福岡市では2021年より、民間より専門人材としてDXデザイナーを公募により選定し、市のDXプロジェクトへの参画や専門的技術的見地からの助言、支援等を委嘱しております。現在4名のDXデザイナーが市のスタッフとともにユーザーインターフェースの改善などに取り組んでおり、2チャンネル開設者のひろゆきさんもメンバーであります。DXデザイナーからの助言やアイデアを得ながら、誰もが使いやすく、分かりやすいアプリの導入ができており、例えば、スマホで申請する高齢者乗車券の申請や引っ越しオンライン予約の申請がそれぞれ2.2倍、2.5倍になったとのことで、利用者満足度も高いとのことです。また、このほか福岡市ではデジタル改善目安箱を開設し、市民、事業者の皆様が不便に感じているアナログ的な手続等について情報を受け付けているなど、徹底した利用者目線でのDX化に取り組まれている印象です。
そこで改めてお尋ねいたします。
本市としてDXを進めるに当たり、高齢者や障がい者を含め、市民が使いやすいユーザーインターフェースにするため、どのような取組をされているのか、大西市長にお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  デジタルトランスフォーメーションの推進に当たっては、本市のウェブサイトやスマートフォン用アプリを誰もが見やすく使いやすい操作性にすること、いわゆるユーザーインターフェースを高めていくことが大変重要であると認識をしております。このような観点から行政手続のオンライン化やホームページの見直しを行っておりまして、例えば令和6年3月末に運用開始いたしますくまもとアプリにおいてもシンプルで分かりやすい画面構成や操作性に配慮した設計とするなど、先般実施いたしました実証実験においても避難所受付をスムーズに行うことができ、良好な結果が得られました。今後とも市民サービスや満足度のさらなる向上を図るため、職員研修の実施や外部人材の活用など、様々な方策の検討を進めていくことで誰もが使いやすいユーザーインターフェースを構築してまいりたいと考えております。
〔35番 浜田大介議員 登壇〕

◆浜田大介 議員  ありがとうございました。
市長より、改めてユーザーインターフェースを高めていく重要性の認識を御答弁いただきました。また、今後職員研修の実施や外部人材の活用など、様々な方策の検討を進めるという御答弁でございました。今後の取組をしっかり注視していきたいと思っております。
次が最後の質問になります。
県知事選に向けた取組についてお尋ねします。
熊本県知事選挙は、告示日が来月3月7日、投票日が24日であります。県知事選と言えば、4年前の109票の行方不明の不祥事を思い出します。この件については本議会でも我が会派を含め、多くの議員より厳しい指摘がありました。会派としても当時の選挙管理委員会事務局長に職員の意識改革、原因究明、再発防止の徹底等の申入れを行いました。あれから4年、この間に再発防止、選挙事務の改善に努められてきたことで、その後の衆議院選、参議員選、市長選、統一地方選では大きな不祥事もなかったようです。
また、投票環境の改善につきましては、令和4年9月の第3回定例会の一般質問で我が会派の藤永議員が大型商業施設ゆめタウンはませんに加え、各区へのさらなる拡大、また投票に困難を抱える人のための投票支援カードの導入を求めました。その後、ゆめタウンサンピアンでの期日前投票所の追加があり、投票に困難を抱える人のためコミュニケーション支援ボードの導入も行っていただきました。投票環境改善の努力を評価しております。
そこでお尋ねいたします。1点目、この4年間再発防止に努められた結果の評価、また県知事選に向けての決意をお聞かせください。2点目、現在投票に困難を抱えている人のための対応としては、コミュニケーション支援ボードからさらに進んだ投票支援カードの導入を会派として要望しておりますが、どうなりましたでしょうか。
以上2点を、選挙管理委員会事務局長にお尋ねします。
〔福島慎一選挙管理委員会事務局長 登壇〕

◎福島慎一 選挙管理委員会事務局長  これまでの再発防止の取組としまして、まず各選挙時に選挙事務を担う全ての職員に意識向上の研修を実施してまいりました。また、投票所におきまして、投票管理者や投票立会人が投票所全体を見渡せるよう投票所内のレイアウトの見直しを行い、投票箱への投函が確実に確認できるよう改善いたしました。
さらに、開票所では出入口に警備員を配置しまして、入退室者の管理の徹底と手荷物の検査を行うとともに、開票状況などが確認できるようビデオカメラの設置も行いました。これらの取組で、職員が緊張感と責任感を持ち選挙事務を行ったことにより、この間は正確で公正な選挙執行ができたものと考えております。
来る3月24日投開票の県知事選に向けましても、万全の体制で準備を進めております。
次に、病気やけがなど1人で投票することが困難な選挙人が投票所の係員に代理投票や候補者名の読み上げなどの支援を依頼する投票支援カードにつきましては、誰もが気軽に投票できる環境の向上に資すると考え、今回の県知事選からの導入に向け、鋭意準備を行っております。
〔35番 浜田大介議員 登壇〕

◆浜田大介 議員  ありがとうございました。
投票支援カードについて、今回の県知事選から導入に向け準備を進められているということで、ありがとうございます。
今回の県知事選を含め、今後の選挙事務に対しまして万全の体制で挑み、引き続き投票しやすい環境づくりに努めていただくようお願いいたします。
本日用意いたしました質問は以上であります。
御答弁いただいた市長並びに執行部の皆様、またお付き合いいただいた議員各位の皆様に感謝申し上げます。
また、お忙しい中、傍聴のため議場に足を運んでいただいた皆様、インターネットで傍聴いただいた皆様に心より感謝を申し上げます。
以上で、公明党熊本市議団の代表質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
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○大嶌澄雄 副議長  本日の日程はこれをもって終了いたしました。
次会は、明29日定刻に開きます。
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○大嶌澄雄 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。
午後 4時06分 散会

〇本日の会議に付した事件
一、議事日程のとおり





令和6年2月28日
出席議員 47名
1番   田 中 敦 朗        2番   大 嶌 澄 雄
3番   村 上   麿        4番   瀬 尾 誠 一
5番   菊 地 渚 沙        6番   山 中 惣一郎
7番   井 坂 隆 寛        8番   木 庭 功 二
9番   村 上 誠 也       10番   古 川 智 子
11番   荒 川 慎太郎       12番   松 本 幸 隆
13番   中 川 栄一郎       14番   松 川 善 範
15番   筑 紫 るみ子       17番   島 津 哲 也
18番   吉 田 健 一       19番   齊 藤   博
20番   田 島 幸 治       21番   日 隈   忍
22番   山 本 浩 之       23番   北 川   哉
24番   平 江   透       25番   吉 村 健 治
26番   山 内 勝 志       27番   伊 藤 和 仁
28番   高 瀬 千鶴子       29番   小佐井 賀瑞宜
30番   寺 本 義 勝       31番   高 本 一 臣
32番   西 岡 誠 也       33番   田 上 辰 也
34番   三 森 至 加       35番   浜 田 大 介
36番   井 本 正 広       37番   大 石 浩 文
38番   田 中 誠 一       39番   坂 田 誠 二
40番   落 水 清 弘       41番   紫 垣 正 仁
43番   澤 田 昌 作       44番   満 永 寿 博
45番   藤 山 英 美       46番   田 尻 善 裕
47番   上 野 美恵子       48番   上 田 芳 裕
49番   村 上   博

欠席議員  1名
16番   井 芹 栄 次

説明のため出席した者
市長       大 西 一 史    副市長      深 水 政 彦
副市長      中垣内 隆 久    政策局長     田 中 俊 実
総務局長     宮 崎 裕 章    財政局長     三 島 健 一
文化市民局長   金 山 武 史    健康福祉局長   津 田 善 幸
こども局長    木 櫛 謙 治    環境局長     早 野 貴 志
経済観光局長   村 上 和 美    農水局長     大 塚 裕 一
都市建設局長   井 芹 和 哉    消防局長     福 田 和 幸
交通事業管理者職務代理者        上下水道事業管理者田 中 陽 礼
伊 藤 幸 喜
教育長      遠 藤 洋 路    中央区長     岡 村 公 輝
東区長      本 田 昌 浩    西区長      河 本 英 典
南区長      本 田 正 文    北区長      中 川 和 徳
選挙管理委員会事務局長
福 島 慎 一

職務のため出席した議会局職員
局長       江   幸 博    次長       中 村 清 香
議事課長     池 福 史 弘    政策調査課長   上 野 公 一
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