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熊本市議会議員 たなか あつお

熊本市議会議員 たなか あつお

2022年09月15日 予算決算委員会

令和4年第3回予算決算委員会

               予算決算委員会会議録

開催年月日   令和4年9月15日(木)
開催場所    予算決算委員会室
出席委員    48名
        倉 重   徹 委員長    上 田 芳 裕 副委員長
        原     亨 委員     園 川 良 二 委員
        山 本 浩 之 委員     北 川   哉 委員
        古 川 智 子 委員     島 津 哲 也 委員
        吉 田 健 一 委員     伊 藤 和 仁 委員
        平 江   透 委員     荒 川 慎太郎 委員
        齊 藤   博 委員     田 島 幸 治 委員
        日 隈   忍 委員     吉 村 健 治 委員
        山 内 勝 志 委員     緒 方 夕 佳 委員
        高 瀬 千鶴子 委員     三 森 至 加 委員
        大 嶌 澄 雄 委員     光 永 邦 保 委員
        高 本 一 臣 委員     福 永 洋 一 委員
        西 岡 誠 也 委員     田 上 辰 也 委員
        浜 田 大 介 委員     井 本 正 広 委員
        藤 永   弘 委員     原 口 亮 志 委員
        田 中 敦 朗 委員     紫 垣 正 仁 委員
        小佐井 賀瑞宜 委員     寺 本 義 勝 委員
        大 石 浩 文 委員     村 上   博 委員
        那 須   円 委員     澤 田 昌 作 委員
        田 尻 善 裕 委員     満 永 寿 博 委員
        田 中 誠 一 委員     津 田 征士郎 委員
        藤 山 英 美 委員     落 水 清 弘 委員
        三 島 良 之 委員     坂 田 誠 二 委員
        白河部 貞 志 委員     上 野 美恵子 委員

議題・協議事項
  (1)議案の審査(25件)
     議第 146号「令和4年度熊本市一般会計補正予算」
     議第 147号「令和4年度熊本市介護保険会計補正予算」
     議第 148号「令和4年度熊本市病院事業会計補正予算」
     議第 150号「熊本市附属機関設置条例の一部改正について」
     議第 151号「熊本市職員の定年等に関する条例の一部を改正する等の条例の制定について」
     議第 152号「熊本市職員の分限及び懲戒等に関する条例の一部改正について」
     議第 153号「熊本市職員の退職手当に関する条例の一部改正について」
     議第 154号「外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例の一部改正について」
     議第 156号「熊本市職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部改正について」
     議第 157号「公益的法人等への熊本市職員の派遣等に関する条例の一部改正について」
     議第 158号「熊本市一般職の職員の給与に関する条例の一部改正について」
     議第 159号「熊本市議会議員及び熊本市長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部改正について」
     議第 160号「熊本市立学校の教育職員の給与に関する条例の一部改正について」
     議第 161号「熊本市立学校の教育職員の給与等に関する特別措置条例の一部改正について」
     議第 162号「熊本市病院事業企業職員の給与の種類及び基準を定める条例の一部改正について」
     議第 164号「熊本市上下水道事業企業職員の給与の種類及び基準を定める条例の一部改正について」
     議第 165号「熊本市体育施設条例の一部改正について」
     議第 168号「熊本市交通事業企業職員の給与の種類及び基準を定める条例の一部改正について」
     議第 197号「令和3年度熊本市各会計(公営企業会計を除く。)決算について」
     議第 198号「令和3年度熊本市病院事業会計決算の認定について」
     議第 199号「令和3年度熊本市水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
     議第 200号「令和3年度熊本市下水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
     議第 201号「令和3年度熊本市工業用水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
     議第 202号「令和3年度熊本市交通事業会計決算の認定について」
     議第 203号「熊本市手数料条例の一部改正について」

                            午前10時00分 開会
○倉重徹 委員長  ただいまから予算決算委員会を開会いたします。
 今回、当委員会に付託を受け審査いたします議案は、補正予算3件、決算6件、条例16件の計25件であります。
 また、審査日程につきましては、日程表のとおりとなっておりますので、御承知おき願います。
 これより総括質疑を行います。
 通告状況につきましては、一覧表のとおりとなっております。
 また、委員より申出のありました資料につきましては、タブレットに掲載しておきました。
 なお、質疑に当たっては、項目ごとに答弁者を指名いただきますようお願い申し上げます。
 それでは、予算決算委員会運営細目の発言順に従い、順次質疑を行います。
 これより、熊本自由民主党市議団の質疑を行います。持ち時間は80分となっております。
 まず、田中敦朗委員の質疑を行います。
        〔田中敦朗委員 登壇 拍手〕

田中敦朗 委員  熊本自由民主党市議団の田中敦朗です。会派のトップバッターとして決算の質疑に立たせていただきます。
 決算質疑は、一つの年度を締めくくる我々市民の代表である議員にとって大切な機会であります。厳しくとも言うべきことは言い、執行部には、さらなる市政の発展と改善のために気を引き締めていただきたいと思います。
 それでは、早速質疑に移ります。
 令和3年度は令和2年度に引き続き、感染症への対応として、市民の生命・財産を守るため、緊急対策や予定していた事業の見直しが行われました。また、感染症拡大によるまん延防止等重点措置、県独自の緊急事態宣言、本市独自の医療非常事態宣言など、人流の抑制や自粛の要請により各分野に多大な影響が出たことによる税収減や、施設使用を休止したことによる収入減なども引き続き生じています。自治体にとって非常に重要な歳入と歳出に、令和3年度も新型コロナウイルス感染症が影を落としていることが容易に想像できる状況です。
 そこでお伺いします。当初予定していた歳入歳出に対して今決算、新型コロナウイルス感染症によってどのような影響があったか、財政局長に答弁を求めます。
 あわせて、市税収入のみに限った場合、令和元年以降の3年間の市税収入の金額の推移をお答えください。

        〔三島健一財政局長 登壇〕

◎三島健一 財政局長  令和3年度決算において、新型コロナウイルス感染症の影響額を歳入歳出それぞれにお答えいたします。
 まず、歳入については、固定資産税等における土地に係る課税標準額の据え置き措置による減収があったものの、子育て世帯や住民税非課税世帯等に対する特別支援事業や感染症対策等の財源となる国庫支出金が交付されたことなどにより、影響額は約374億円となりました。一方、歳出につきましては、子育て世帯等臨時特別支援事業など、総額約438億円の関連対策を実施しており、歳入影響額を約64億円上回る結果となりました。
 次に、市税決算額についてでございますが、市税決算額を令和元年度から順に申し上げますと、1,178億円、1,169億円、1,207億円となっております。
        〔田中敦朗委員 登壇〕

田中敦朗 委員  減収の影響はあるものの、歳入においては国庫支出金により約374億円の影響があり、特別支援事業などによりそれを約64億円上回る影響が歳出にあったと御答弁いただきました。また、市税単体を見ると、令和元年~令和2年度には税収減が見られるものの、令和3年度にはコロナ禍にあっても増収しているとこが答弁から分かりました。災害や新型の感染症などの異常事態には、やはりどうしても国に頼らねばならないということと、令和3年度も大いに新型感染症に悩まされたことが数字から実感できます。
 また、引き続き感染症の影響下にありながら、令和3年度は税収が増加しているということは、本市が景況に左右されにくい産業構造を有していることを表すとともに、各法人が使わなかった接待交際費により、一次産業と飲食店などの三次産業に大きなダメージがあったであろうことが推測されます。令和5年に向けて経済活性化の事業に力を入れていただくことをお願いして、次に移ります。
 今現在、先ほど数字の部分についてお伺いいたしましたが、決算に当たって、数字の部分以外でお伺いいたします。
 端的にお伺いいたしますが、令和3年度の熊本市の運営は、全体を通して適正に行われたと考えておられますでしょうか、令和3年度決算や年間の運営から見えてくる本市の課題は何だと考えておられますでしょうか、市長にお伺いいたします。

        〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  令和3年度は、引き続き新型コロナウイルス感染症対策を最優先の課題と位置づけ、15回にわたる緊急対策を実施するなど、感染拡大防止と地域経済・市民生活の回復の両立に向け、市役所一丸となって全力で取り組んでまいりました。
 市政運営は全体として適正に行われたと考えておりますが、一方で、決算状況報告書の検証指標において、例えば「業務上のミス等の公表件数」が増加していることも事実でありまして、職員の一層の資質向上やデジタル技術等も活用したさらなる事務の効率化・適正化に取り組む必要があると認識しております。
 感染が収まる気配を見せない中、引き続き保健所や療養者への支援体制のさらなる強化等に取り組む必要がありますほか、物価高騰等にも対応した生活者・事業者への支援、熊本地震からの復旧・復興、本格的な少子高齢化、人口減少社会に備えたまちづくりや子育て支援の充実など、様々な課題に取り組む必要があると考えております。今後とも「上質な生活都市」の実現に向け、限られた人的、財政的資源を最大限有効に活用し、適正な市政運営に緊張感を持って取り組んでまいりたいと考えております。
        〔田中敦朗委員 登壇〕

田中敦朗 委員  令和3年度においては、提案理由説明での不祥事によるおわびが2回、また、人員不足によって生じる業務過多による事業の遅延など、市民や法人にとっては不振と不満が募る出来事があったのは大変残念なことでした。9割9分9厘の職員がまじめに働かれ、9割9分9厘の事業が円滑に運営できていたとしても、1人の職員に不祥事が存在し、幾つかの事業に遅延が生じれば、市役所全体が批判を受けてしまうというのは、自治体運営の厳しさ、過酷さだと理解はしています。一生懸命働いていただいた職員の皆さんには、質疑の途中ではありますけれども、令和3年度お疲れさまでした、ありがとうございましたとこの場で申し上げます。
 今後熊本市がより信頼され、信用される組織となるためにも、令和3年度の課題を改善するためにも、市長以下課長以上の管理職の皆さんは、職員の皆さんの自己肯定感を高めるために積極的に褒めていただきたいと思います。
 また、熊本市役所は熊本市のために必要不可欠な組織です。我が会派の北川議員が一般質問でお願いされたように、その組織に属していることを職員一人一人が誇りを持てるようにしていただきたいと思います。そして、その大切な組織に属している自分がコンプライアンス違反をすれば、自らの人生が困難に陥るだけでなく、同僚1万人の誇りに傷をつけ、迷惑をかけてしまうということを認識できるようにしていっていただきたいと思います。
 業務上のミスの根絶に向けて、これはぜひ総務局が先頭に立って、新たな仕組みを取り入れていただくことを期待して、次に移ります。
 ふるさと応援寄附金についてお伺いたします。
 昨年、田島委員が質疑されましたが、正式に特産品を活用したふるさと応援寄附金の制度が実施されて丸1年度が経過したということで、平成30年度からこれに取り組んでいただきたいということでお願いをしていた身として、改めて質疑をさせていただきます。
 特産品を活用したふるさと納税については、これまで何度も申し上げてきましたので、詳しくは申し上げませんが、自治体の取組次第では税収増、地域経済の活性化が図られるというメリット、大都市ほど住民の税額控除により大きな減収となってしまうというデメリットがあります。政令指定都市である本市においては、手をこまねいていては税収減が加速するという思いで、平成30年に質問しましたが、年度内に取り組みたいという答弁をいただいたのは令和元年、コロナの影響で遅延し、正式に始まったのは令和2年度に入ってからという状況でした。
 ここでお伺いします。ふるさと応援寄附金の総額、そのうち紆余曲折の中でやっと丸1年実施された令和3年度の特産品を活用したふるさと応援寄附金の額、返礼品に使用した金額とそれによる経済効果、委託している運営事業者ヘの支払いが幾らだったか、政策局長に答弁をお願いします。
 また、他自治体へのふるさと納税による令和3年度の減収額、こちらは財政局長に答弁をお願いします。

        〔田中俊実政策局長 登壇〕

◎田中俊実 政策局長  令和3年度のふるさと応援寄附金の総額は、個人・団体からの寄附を含め約6億4,000万円となっており、返礼品代や送料、決済手数料など、事業者にお支払いした業務委託料は約1億3,000万円となっております。そのうち返礼品の合計額は約6,800万円となっており、そのほとんどが農産物や加工食品など、本市の特産品でございます。
        〔三島健一財政局長 登壇〕

◎三島健一 財政局長  本市における令和3年度の「ふるさと納税」による個人住民税寄附金税額控除に伴う減収額は、14億205万3,000円でございます。
        〔田中敦朗委員 登壇〕

田中敦朗 委員  昨年の田島委員の質疑の答弁によれば、ふるさと納税の平成28年度~令和2年度までの年額は、平成28年度は36億8,669万円、平成29年度は12億156万円、平成30年度は6億7,616万円、令和元年度は3億8,912万円、令和2年度は6億1,477万円となっております。寄附金税額控除額の推移については、平成28年度は3億2,354万円、平成29年度は6億3,888万円、平成30年度は9億1,467万円、令和元年度は9億5,212万円、令和2年度は14億205万円となっています。
 平成28年度の熊本地震発生時の全国からの心温まる支援が多額であるため、令和3年まで加算したふるさと応援寄附金の額は約71億円、ふるさと納税による控除での減収が約46億円になります。現在トータルで見ればプラスでありますが、本年度単体で見れば大きくマイナスであり、令和4年度の減収額は、単年度で18億円になると聞いております。
 ふるさと納税の額は、制度を始めてすぐに金額が増えるわけではありません。ふるさと納税で有名な都城市も、何年もかけて40億円を超える金額をたたき出しています。市長の決断と執行部の判断が私が最初に質問した平成30年に行われて、令和元年から特産品を生かしたふるさと応援寄附金が導入されていれば、状況はコロナ禍での飲食店支援も相まって、熊本経済と税収にそれなりのプラスになったであろうに、残念でなりません。結果、導入していただいているので、あとは改善に改善を重ねて常に減収額に伍する金額となるように、この制度について今後の尽力をお願いしたいと思っております。
 減収額18億円に伍するためには、この倍ぐらいのふるさと納税を行うというような結果を導かなくてはなりません。それにはかなり過酷ではあると思いますけれども、様々な工夫をよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、不用額から見えてくる課題についてお伺いいたします。
 不用額調書を散見してみますと、各所に人員確保がかなわなかったことによる不用額が見てとれます。以前から何度か指摘していますが、予定している雇用が実現しなければ、現場の他の職員の皆さんに負担がいくことになります。予定している雇用の確保だけは、適正な市政の運営のためにも必ず実現してほしいと常に思っているところです。
 そこでお伺いしますが、令和3年度において人員確保がかなわなかった原因をどのように分析しておられますでしょうか、現在会計年度任用職員の仕事と報酬につり合いがとれていると考えておられますでしょうか、これまで会計年度任用職員への就労環境、報酬についてのアンケートを取られましたでしょうか、総務局長に答弁を求めます。

        〔宮崎裕章総務局長 登壇〕

◎宮崎裕章 総務局長  会計年度任用職員の報酬の不用額につきましては、1人当たりの報酬単価が予算計上時よりも下回ったことや急な退職等に伴い、任用に空白期間が生じたことなどが主な要因でございます。また、雇用につきましては、おおむね充足していましたものの、特定の専門職、例えば保育士については、民間も含めた人員不足の状況でありましたため、今後も募集方法等の取組を工夫しながら、人員確保に努めてまいります。
 次に、会計年度任用職員の報酬につきましては、同種業務の常勤職員の給料を基に算出しており、均衡は図られているものと考えております。
 最後に、就労環境や報酬等に関するアンケート調査は行っておりませんが、意見や要望等について直接相談を受けているほか、意見交換会も開催しており、今後も会計年度任用職員の声を丁寧に聞いてまいります。
        〔田中敦朗委員 登壇〕

田中敦朗 委員  総務局長の答弁によれば、要因がはっきりしており、おおむね充足しているということで、一安心をしておりますが、一部の職については人員不足が見られるということですので、充足するために解決に向けての検討をお願いいたします。
 また、常勤職員の給料を基に算出と答弁をされていますが、会計年度任用職員は常勤と比べて不安定な雇用となっているのは言わずもがなでありますので、充足していない分野においては、給料の増額を検討すべきではないでしょうか。
 また、アンケート調査は行っていないとのことです。日本人はなかなか直接相談したり、意見交換会で本音で意見を言える人はそうそういませんので、全部の会計年度任用職員にアンケートを取ってくれとは言いませんので、充足していない業務や今後人員不足が見込まれる職種においては、現状把握のために就労環境や報酬等に関するアンケート調査を行っていただくことを強く要望して、次に移ります。
 新型コロナウイルス感染症関連予算について、戦略的モニタリング検査業務委託についてお伺いいたします。
 昨年6月議会において、戦略的モニタリング検査業務委託について、これまでの傾向と調査及び各種データから、越県移動が増加すれば感染拡大は起こるのは確実であり、モニタリングをしなくとも、東京が増え福岡が増えれば当然熊本が増えていくことは、疫学上も行動学上も判明している事実であると指摘いたしました。賛成をして可決いたしましたが、その後、事業はどのように遂行されましたでしょうか。また、令和3年4月専決4,800万円、令和3年6月に通した一般財源1億3,500万円の合計執行額は、最終的に幾らになりましたでしょうか、健康福祉局長に答弁を求めます。

        〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕

◎津田善幸 健康福祉局長  モニタリング検査といたしまして、令和3年4月~6月に熊本駅とサクラマチクマモトにおいて実施しましたPCR検査の結果、確認された無症状の陽性者の方の多くが福岡との往来があったことや、令和3年第2回定例会でいただいた御意見等を踏まえ、7月からは感染拡大の兆候をより正確に把握し、市民の皆様に早期に注意喚起を行うことを目的としまして、本市での感染の波及が懸念される福岡への往来があった方を対象に、PCR検査を実施いたしました。
 事業期間を令和3年9月末までとし、7月16日から検査キットの配布を再開いたしましたが、直後に福岡においてデルタ株による感染拡大の兆候が確認されましたことから、7月末には事業を停止することとなりましたが、4月からの事業実施に伴い、9名の無症状の陽性者の方を確認できたことは、その周囲の方々への感染拡大防止につながったものと考えております。
 本事業に係る決算額は7,860万円余でございますが、財源につきましては、全額国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用したところでございます。
        〔田中敦朗委員 登壇〕

田中敦朗 委員  1億8,300万円が7,860万円余で終わったということ、また、一般財源は1円も使わなくて済んだということで、昨年質疑をして本当によかったと思っておりますし、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が使えて本当によかったと思います。
 そもそも4月専決の際は、誰にでも配り、6月補正も条件付で通したとはいえ、県との連携や、先ほど言ったとおり背景や目的を勘案すると、本当に必要なのか疑問を感じる事業でありました。6月補正の議案が上程されるまでには、職員の多大な労力と事業者の協力があったことと思います。しかも、それを一般財源で組んで上程をしてくるわけですから、この重さは計り知れません。検討や熟度が足りないために、労力と協力が結果として無駄になってしまったことを市長以下、この議案に関わった管理職は猛省をしていただきまして、今後検討や熟度の足りない事業を上程しないように心からお願いをして、次に移ります。
 コロナ禍における経済対策の成果についてお伺いいたします。
 商店街等プレミアム付商品券発行支援事業について、令和2年度に引き続き冷え込む中心市街地や商店街、各業種を活性化させるために、本年度もプレミアム付商品券の事業が実施されました。申請の手続が煩雑であるとか、使用期限やプレミアム率など、様々な要望、指摘がありましたが、市民からも各種団体からも好評であった本事業について、事業の成果はどうだったのか、令和3年度の経済効果をどのように見積もっているか、経済観光局長に答弁を求めます。

        〔田上聖子経済観光局長 登壇〕

◎田上聖子 経済観光局長  当該事業は商店街、商工会のみならず、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた様々な業界団体を対象に、74団体から43件の申請があり、多くの市民の皆様に御購入いただいたことにより、決算額約2億7,000万円に対し約9億7,000万円の商品券が利用され、消費行動につながりました。
 また、利用者アンケートでは、買いたかったものを思い切って買うことができた、苦しんでいる店舗への応援で購入した、ネットショッピング利用者からは、商店街での買い物の機会となったなど、多くの御意見をいただいたところでございまして、コロナ禍における生活者支援や事業者支援につながったものと考えております。
        〔田中敦朗委員 登壇〕

田中敦朗 委員  本事業により7億円の消費が喚起されたということは、市民のお金がその有効性をはっきりと表しており、様々な事業を断腸の思いで中止された経済観光局が、局としての使命を全うしたすばらしい事業だったと私も考えております。
 7億円の消費により、何倍もの経済効果が生じていると考えておりますし、この事業に関しては、地域経済の復興に資すると考えていますので、今後国庫支出金が活用できなくなったとしても、一般財源でも毎年度取り組んでいかれたらよいのではと考えます。ぜひ庁内で検討をお願いして、次に移ります。
 企業立地促進事業についてお伺いいたします。
 コロナ禍の中で、新しい働き方が模索され、ワーケーションなど各地で取り組まれており、さらに、東京一極集中の是正や首都直下地震の可能性が毎年高まる中で、人員確保や経費節減などの狙いも相まって、地方都市の企業誘致策もあり、拠点の分散化、リスクマネジメントも含めて新たな拠点を探している企業が増えています。
 その流れに乗って、本市でも令和2年度は過去最高の18件の企業誘致を実現しており、昨年の質疑において賞賛をさせていただいたところです。ピンチはチャンスということで、予算と人員を強化してほしいと昨年お願いいたしましたが、令和3年度はどうなりましたでしょうかというところでお伺いいたします。
 令和3年度の企業立地件数とそれによって実現した雇用数をお伺いいたします。また、ここ数年すばらしい成果を上げてい
ますが、新たに拠点を構えた企業の皆さんの熊本市への評価と過去3年間で誘致した企業による経済効果をお伺いいたします。
        〔田上聖子経済観光局長 登壇〕

◎田上聖子 経済観光局長  令和3年度の企業立地促進条例に基づく企業の立地件数は、過去最多の20件で、立地による新たな雇用は345人が見込まれております。新たに本市に拠点を構えた企業からは、県内の企業や教育機関等との連携など、本市で事業を展開される際の環境のよさや熊本の暮らしやすさに評価をいただいているところでございます。
 また、過去3年間における立地件数50件の経済効果といたしましては、新たな設備投資約120億円と新規雇用867人が計画されており、加えて地元企業との協業による新たな事業の創出なども期待されます。
        〔田中敦朗委員 登壇〕

田中敦朗 委員  令和3年度も過去最高を更新ということで、その尽力と成果に敬意と賞賛を送りたいと思います。そう簡単には増えない雇用を年間で345人見込めるということは、大きな成果ですばらしいことだと考えます。また、誘致企業の皆さんの熊本に対する評価も総じてよく、改めて本市が訪れて生活すれば多くの方にすばらしい都市であると実感してもらえると意を強くしたところです。
 過去3年で120億円の設備投資と867人の雇用、さらには地元企業との新たなコラボレーションと、地域に新たな可能性を生み出してくれています。今後とも誘致に一層力を入れてください。
 そのために大切なのが誘致企業との関係性です。熊本の支店や営業所だけではなく、本社、本店との関係を強固にするとともに、新たな誘致企業を紹介していただくということも必要になっています。誘致企業との関係強化のための人員増を庁内でしっかり検討し、果たしていただくことを要望しておきます。
 決算質疑については、既に終わった事業を精査し指摘しますので、後出しじゃんけんになり、どうしても厳しめになってしまいます。決算状況報告書や決算書を精査して、そして、細かに見れば、幾らでも指摘をすることはありますが、そういった細かいところは今回は取り上げませんでした。といいますのも、この大変な中で職員の皆さんが市長以下一生懸命仕事をされている、一人一人の方が真摯に仕事をされているということを信頼しているからであります。ぜひ今後も令和4年、コロナ禍が続いておりますけれども、市民の信頼を裏切ることなく、一つ一つの仕事を丁寧にやっていただくことを心からお願いいたしまして、私の決算質疑を終わりまして、我が党の藤山幹事長にバトンを移したいと思います。ありがとうございました。(拍手)


○倉重徹 委員長  田中敦朗委員の質疑は終わりました。
 次に、藤山英美委員の質疑を行います。
        〔藤山英美委員 登壇 拍手〕

◆藤山英美 委員  熊本自由民主党市議団、藤山英美でございます。
 まず、委託状況調書から質問させていただきますが、この令和3年度委託状況調書、その冒頭に、はじめにということで抜粋の文言がありますけれども、初めのほうは分かるんですが、後のほうになるとなかなか理解しにくいような内容ではないかなと思います。もう少し何か工夫が要るのかなという思いがしております。
 それでは、まず初めに、令和3年度委託状況調書から、随意契約に着目して数点確認させていただきます。
 まず、委託状況調書の157ページ~166ページに記載されております小中学校の樹木剪定業務についてお尋ねいたします。
 調書によると、小中学校の樹木剪定業務については、随意契約1号での契約となっており、全139契約のうち、実にその82%に当たる114契約が一律8万円となっております。その理由と見積り徴取業者の選定について教育長にお尋ねいたします。
        〔遠藤洋路教育長 登壇〕

◎遠藤洋路 教育長  小中学校へは予算の範囲内で委託料として一律8万円ずつを配当しております。その委託料は、樹木剪定業務のほか、といの清掃業務やトイレの消毒業務等にも執行することができ、学校にとって優先順位の高い業務を学校長の決裁により実施しているところです。
 見積徴取業者の選定ですが、業務委託登録名簿からこれまでの実績等に基づく履行の確実性などにより、見積りを徴取する業者を各学校が選定しているところです。
        〔藤山英美委員 登壇〕

◆藤山英美 委員  ありがとうございました。
 話題の中からこの問題が出たものですから、質疑をさせていただきました。調書を見たときには少々違和感を覚え、確認させていただきましたが、樹木剪定をはじめ、といの清掃やトイレの消毒等も含めて各学校に一律8万円の予算を配当し、それぞれの学校の優先順位に応じて学校長の裁量で発注しているとの答弁でございました。現場の御苦労が目に浮かびます。
 また、業者の選定に当たっても、これまでの実績を踏まえて各学校が選定して発注しているとのことで、調書を見ますと、実に多くの造園業者が実施されていることが分かります。故意に契約を細分化するような方法は許されませんが、きちんとした手続の下で、学校現場の実情や優先順位に応じた方法で発注を行うことについては、私もよいことだと思っております。
 しかしながら、広大な学校の敷地において、年間8万円というのはいささか少ないようにも思いますので、発注の方法や予算を含めて、引き続き現場の皆さんの意見を聞きながら見直すべきところは見直して、効率的な適正な事務執行に努めていただきたいと思います。
 分かりやすい説明を記載していただければ、こんな質問はなかったのではないかと思っております。
 引き続き、委託状況調書からお尋ねいたします。
 地方自治法施行令によると、随意契約6号は競争入札にすることが不利と認められたときに行うことができる随意契約と規定されております。委託状況調書の280ページ及び289ページに、随意契約6号による契約が掲載されておりますが、280ページの中小企業者等新型コロナウイルスに関する総合相談窓口業務委託については、約2,000万円の契約額となっております。この業務委託の内容と競争入札に付さずに随意契約した理由、また、見積りを徴取した業者の数とその選定理由についてお尋ねいたします。
 同じく委託状況調書の289ページのテレワーク利用促進事業推進業務については、随意契約6号での契約で、合計しますと6,000万円余りの契約となっております。この業務委託の内容と契約が3本に分かれている理由、また、競争入札に付さずに随意契約した理由や、見積りを徴取した業者の数及び選定理由についてお尋ねいたします。
 以上、経済観光局長にお尋ねいたします。
        〔田上聖子経済観光局長 登壇〕

◎田上聖子 経済観光局長  まず、中小企業者等新型コロナウイルスに関する総合相談窓口業務についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の影響で経営や資金繰りに支障を来している中小企業等を支援するための総合相談事業であり、切れ目のない相談業務を実施することが必要であったことから、令和3年度においても、前年度に引き続き受託実績のある事業者と随意契約を行ったものでございます。
 次に、テレワーク利用促進業務についてでございますが、新型コロナウイルス感染拡大期において、市民の皆様に不要不急の移動・外出の自粛等を求める緊急対策の一環として実施したものであり、令和3年1月、4月及び8月の3度にわたり予算を計上し、その都度に契約を行ったものでございます。契約の相手方につきましては、感染拡大期に緊急的な対応を行う必要があり、当該業務を行うに当たっては、宿泊施設に対する巡回指導や専門知識を有することが必須であったため、本市から受託した実績がある事業者と随意契約を行ったものでございます。
 なお、いずれの契約につきましても、契約の相手方が特定されるため、1社からの見積徴取としております。
        〔藤山英美委員 登壇〕

◆藤山英美 委員  いずれの事業も、新型コロナウイルス感染症の影響によって緊急的に実施すべき事業であり、切れ目のない相談の実施や巡回指導や専門知識が必要であることなどから、前年度からの受託実績のある事業者との契約を行ったという答弁でございました。
 昨年度の新型コロナウイルス感染症の感染拡大下においての事業ということで、緊急性については私も理解いたします。また、そのような中で、既に前年度から受託実績や知識などを有する業者との契約は、業務の品質や期間等も踏まえて適当であったのだろうと思っております。
 しかしながら、今回お尋ねした事例は一例でありますが、コロナ禍においては2号や5号での随意契約など、多くの随意契約が行われております。契約を行う際には、契約方法は適切か、本当にそのほかに対応可能な業者がいなかったかなど、契約の根拠や透明性の確保が不可欠でございます。契約を行う際は一般競争入札によることが原則でありますが、随意契約はあくまで特例的な取扱いであるということを改めて認識していただき、適正な事務執行に努めていただきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 本市の900余りの町内自治会に対する本市行政の在り方について数点のお尋ねをいたします。
 この件につきましては、昭和42年4月に町内嘱託員制度が廃止され、新たに自主組織による町内自治会が発足したと同時に「自治会交付金制度」が新設され、その中で1号交付金として「文書配布委託料」、2号交付金として「自治会運営費補助」が制度化されました。その後、この制度は昭和47年3月に廃止され、翌月には新たに「町内自治振興補助金交付規則」として生まれ変わり、その中で自治会への補助金として、200未満の世帯が属する町内自治会等に年額2万円が交付されることになり、その後、町内自治体に属する世帯数に応じて、年額2万5,000円~3万円が交付されるとともに、これとは別に文書配布委託料として1世帯当たりの年額120円が支給されることとなりました。
 その後も幾度となく単価改正による増額が重ねられ、平成9年、5万5,000円から7万5,000円、平成5年4月1日から文書配布委託料が60円に、平成20年には市政だよりが全戸に配布されることになり、それまでの町内自治会に加入している世帯を対象とした文書配布委託が廃止され、町内自治振興補助金に新たに世帯割額補助として、1世帯当たり年額600円に改定され、現在に至っておりますが、この増額分の補助金の取扱いについて、各自治会によって様々に異なっているように感じております。その原因として、一部の自治会では、文書配布委託料が廃止された分が名目を変えて補助金として上乗せされたと捉えられ、その増加分を自治会長の役員手当の増額に充てたのではないかと考えられます。
 このような背景には、過去には文書配布業務を町内自治会長自身が一人で担い、その委託料の全部、または一部を自治会長手当として多額の収入としていたこともあったようでございます。しかしながら、昭和58年頃に税務署から多額の受領者は確定申告をするようにとの指導で、解消されたと聞き及んでおりましたが、その後もそのような自治会が続いているとも聞いております。そうだとすれば、実に40年以上にわたって継続されていることになります。
 このような背景には、文書配布業務を廃止し、町内自治振興補助金を増額した意味を町内自治会が十分に理解していないこともあると考えられますが、その一因として、行政側からの制度改定の内容についての十分な説明がなされなかったのではないかと思います。そのため、「町内自治振興補助金交付規則」が公布されたものの、十分な認識が得られず、町内自治会が実際の運用に当たって混乱したのではないかと思われます。
 そもそもこのような市民に大きな影響がある規則の改正を行う場合は、本市では、「熊本市公告式条例」で、市長が定める条例の公布に準じて市役所や区役所の掲示場に掲示し、広く市民に周知することとされていますが、それさえも行われていなかったのではないかと危惧しております。
 そこでお尋ねします。まず、平成20年4月に文書配布委託を廃止し、同時に町内自治振興補助金に世帯割額補助として、1人当たり600円を増額した理由についてどのように捉えておるのか、文化市民局長にお願いいたします。
        〔横田健一文化市民局長 登壇〕

◎横田健一 文化市民局長  平成20年度からの市政だよりの宅配化により、それまでの自治会への文書配布委託料を廃止したところでございます。この文書配布委託料は、町内自治会運営の経費として充てられていた側面もございます。それに代わる町内自治会への財政支援として、町内自治振興補助金に世帯割を加算し交付する改正を行ったものです。
 この改正は、町内自治会による主体的なまちづくり活動のさらなる推進を支援することを目的としたものでございます。
        〔藤山英美委員 登壇〕

◆藤山英美 委員  文書配布委託料は、町内自治会運営の経費として充てられていた側面もあるとのことですが、さきに述べたように、一部の自治会では委託料の全部、または一部を会長の手当としていたところもあったのは事実でございます。文書配布委託の大部分は市政だよりであり、市の回覧文書は激減したと思われております。
 次に、各町内自治会における補助金の執行状況については、活動終了後に各自治会から提出される事業実施報告書や収支報告書等を精査することによって問題点が把握でき、その後に必要な指導や是正の勧告ができるはずですが、さきに問題提起した町内自治振興補助金の世帯割の使途については、どのように捉え、対応されているのか、文化市民局長にお尋ねいたします。
        〔横田健一文化市民局長 登壇〕

◎横田健一 文化市民局長  町内自治振興補助金につきましては、広く町内自治会活動として支出する経費全般を補助対象としておりまして、補助金の使途について限定しているものではございません。補助金の使途につきましては、町内自治会から提出される事業実施報告書や収支報告書等にて不適切な会計処理がないか、審査を行っているところでございます。
        〔藤山英美委員 登壇〕

◆藤山英美 委員  補助金の使途について限定しているものではないとの答弁でございますが、全自治会が適切に支出していれば問題はないと思っております。事業実施報告書や収支報告書等で不適切な会計処理がないか、審査を行っているとのことですが、いろいろ話を聞いていると、疑問でございます。この問題については、後で質問をいたしたいと思っております。
 次に、申請された世帯数についてですが、一部の自治会では、水増し請求しているところもあると聞くところもありますが、実際にはどのようにして認定されておられるのかお聞かせください。文化市民局長にお願います。
        〔横田健一文化市民局長 登壇〕

◎横田健一 文化市民局長  各自治会の世帯数につきましては、町内自治会により加入の定めなどが様々でございますため、町内自治会からの申請世帯数を正当な町内自治会加入世帯数として取り扱っているところでございます。その上で、前年度などの申請世帯数と大きな差異がある場合には、町内自治会長等へ増減理由の聞き取り等により確認を行っているところでございます。
        〔藤山英美委員 登壇〕

◆藤山英美 委員  全面的に自治会の申請を真に受けて執行されておるということでございます。私も経験がありますけれども、以前文書配布委託料ということで、同じような契約をしておりましたが、文書委託契約ですので、本来は1件1件契約しなければならないんですが、私の記憶では、委託料のつづりはなかったと思っておりますので、前例踏襲でそのような形がいいと受け継がれてきているのではないかと思いますので、もし誤りがあれば、直す必要があるのではないかと思っております。
 そのほかに様々に取り沙汰されていることがありますが、その背景には、本市行政と町内自治会との間の意思疎通がうまくいっているのかと感じる場面があります。このことについてどう感じておられるのか、また、どのように解決していかれるのか、文化市民局長にお願いします。
        〔横田健一文化市民局長 登壇〕

◎横田健一 文化市民局長  本市におきましては、平成29年度から地域担当職員を配置し、地域とのコミュニケーションを図り、密接な関係を築いているところでございます。今後も各町内自治会などの地域団体に対しまして、積極的に支援を行ってまいります。
        〔藤山英美委員 登壇〕

◆藤山英美 委員  今後の積極的な支援に期待しておきます。
 負担金及び補助金調書の中に一括して記載してある項目があります。決算審査に支障がなければ、改善していただきたいと思っております。次に、役員報酬の件でございますが、担当課に問い合わせたところ、自治会長の報酬について、半分ほどしか把握していないという答えでありました。そのようなことではなかなか検証というのは難しいのではないかと思っております。その中で、自治会長報酬が2万円~最高120万円までの差がありました。そのようなことはできるのかなと。町内のことですからという返事でございますが、そのとおりだと思います。町内の理由があるのは承知しておりますが、余りにも差が大きいということでございますので、ちゃんとそういうところも指導の中に入ってくるのではないかと思っておりますが、どう考えておられますか、文化市民局長にお尋ねいたします。
        〔横田健一文化市民局長 登壇〕

◎横田健一 文化市民局長  町内自治会長の役員報酬につきましては、各町内の実情等を踏まえて、それぞれの町内自治会で定められるものであると考えております。本市としましては、各町内自治会の総会等意思決定の場において、役員報酬等の情報が提供できるよう、決算書の記載例でその内訳についても記載を例示しているところであります。また、本市に提出いただく決算書類においても、役員報酬として支出した総額について報告を求めているところでございます。
 役員報酬につきましては、町内自治会により大きな差異があることは承知をしております。自治会それぞれに事情はあるものと思いますが、高額の報酬になれば、給与として課税対象になることも考えられますことから、各区を通じて注意を促すとともに、定期的に報酬額の現状調査を行い、各町内自治会と情報を共有してまいります。
        〔藤山英美委員 登壇〕

◆藤山英美 委員  ありがとうございました。
 ある地域の方から、自治会長市補助金というのはありますかと聞かれました。私の記憶ではそういう補助金はないので、ないと思いますと言ったら、いや、ちゃんと総会資料に書いてありますよということで、私も調査をしました。そうしたら、やはり自治会長幾ら、そして、自治会長市補助金幾らということで記載されておりました。どういう性格のものかなということで分析しますと、世帯割と均等割の額を合算した額がその自治会長市補助金でありました。そして、その均等割の額全てが市補助金になっておりますので、自治会長の金額というのは大きくなっているわけでございます。
 そういうのは収支報告書で一見して分かると思っておりますが、そういうのも10年近くにわたって指摘があっていなかったということでございます。そうならば、今まで担当課がチェックしていたということが証明できないわけでございますので、そういうところはどうなっているのか、また、市の町内自治振興補助金を全額自治会長が受給していたというところは、法的には問題ないのか、問題があるならば、どう対応されるのか、文化市民局長にお尋ねします。
        〔横田健一文化市民局長 登壇〕

◎横田健一 文化市民局長  各町内自治会に対しましては、自治会会計事務に関する手引を配布いたしましたり、各区で開催する自治会長研修会等において補助金制度を説明するなど、適正な補助金執行について周知を行っておりまして、今後も適正な会計処理が行われるよう周知を図ってまいります。
 また、補助金に関する審査につきましては、区政施行に伴い、各区役所にて実績報告に基づき実施をしているところでございまして、今後も町内自治会に対し、適正な会計処理を働きかけてまいります。
        〔藤山英美委員 登壇〕

◆藤山英美 委員  ほとんどの自治会は適正に執行されていると思っております。ただ、一部の自治会においては不適切なものがあるのではないかと。基本を忠実にやってほしいと思いますし、10年近くにわたって自治振興補助金の均等割、世帯割の全額をありもしない自治会長市補助金として受給していたのはどう思っておられるのか、今答弁の中にはなかったと思いますけれども、法的には問題はないのか、また、どう対応されるのか、再度文化市民局長にお尋ねいたします。
        〔横田健一文化市民局長 登壇〕

◎横田健一 文化市民局長  先ほども述べましたように、現在町内自治振興補助金に関しましては、各区役所で実績報告について審査をしているところでございます。今後各区と協議をさせていただきまして、実績報告等の厳密な審査等について、問題がありましたら、各自治会に直接御指摘、それから修正等をいただくように働きかけてまいりたいと思っております。
        〔藤山英美委員 登壇〕

◆藤山英美 委員  法的な問題は明確に答弁はできなかったと思っておりますけれども、何らかの問題はあると思っておりますので、この件につきましても検証していただきたいと思いますし、また、資料要求した自治会長の手当等については、加入世帯数と自治会長の報酬の中に、世帯割の中に1件の食い違いがありました。これは600円でございます。そういうところも見逃しているのか、記載ミスなのか、ちょっと分かりませんけれども、そういうこともありますので、これは我々が政務活動費の問題と補助金の問題は公費でございますので、我々も問題があれば議会局と丁寧に話し合っておりますし、最後には公認会計士がチェックするというような厳しいチェックが入っておりますけれども、この自治振興補助金については、精算報告、収支報告を徴取はしているが、なかなかチェックが働いていないというのが私の実感でございます。多くの自治会はまともな運営をされておりますが、一部についてそういうところがありますので、今後は、そこは厳格に対応していただきたいと思います。
 この問題については、公金の問題です。市民の税金を有効に使うためには、そういうチェックが必要だと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 これで私の質疑は終わらせていただきます。(拍手)

○倉重徹 委員長  藤山英美委員の質疑は終わりました。
 次に、田尻善裕委員の質疑を行います。
        〔田尻善裕委員 登壇〕

◆田尻善裕 委員  熊本自民の田尻善裕です。どうぞよろしくお願いします。
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 ───────────────────────────────────────────────────────(352字取消し)
 それでは、質問に移ります。
 決算状況報告書41ページの本庁舎整備等の在り方に関する有識者会議関連経費について質問いたします。
 先日、第2回目の有識者会議が開催されたようですが、そもそもこの建て替え問題の原点となったのが耐震性であります。私も特別委員会の委員として議論に参加させていただきましたが、大事な議論のさなか、市長はコロナを理由に特別委員会を中断し、ゼロベースでもう一回考える、客観的に専門家に聞くということで、有識者会議の立ち上げを表明され、急遽予算に上程されました。そのときに、私たちへの執行部からの予算説明は、議事録を出しますので予算を認めてくれというものでした。果たして約束は守られたでしょうか。
 そこで市長にお尋ねしますが、市長は令和3年3月の特別委員会で、「有識者会議も当然のことながら、これは公表されるべきだと思います」と言っておられます。また、さらに、「これは公開されるべきものであって」と答弁を続けていらっしゃいます。それを受けて、特別委員会の高本委員長も、「認識は共通だと思います」と返されています。そこまでの議会との質疑がありながら、なぜ耐震性能分科会が会議を非公開にするといってきたときに、議会との約束があるから公開してくれと言わなかったのでしょうか。市長が公開してくれと言ったら、全て公開の下、会議が行われたのではないでしょうか、市長にお答えいただきます。
        〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  庁舎整備という大事業の検討は、議会や市民の皆様の御理解をいただきながら、慎重かつ丁寧に進めていかなければならないとの考えから、これまでも可能な限り情報の公開に努めてきたところです。しかしながら、耐震性能分科会については、審議途上の段階においてその内容を公開することで、率直な意見の交換や意思決定の中立性が確保されないとの分科会の御判断により、熊本市情報公開条例の規定に基づき非公開とされているものと承知しており、その判断を尊重したいと考えております。
 なお、分科会の会議資料や議事要旨を含め、審議結果については公表されると伺っておりまして、その際には丁寧に御説明をいただきたいと考えております。
        〔田尻善裕委員 登壇〕

◆田尻善裕 委員  市長、私の質問は、市長が公開してくれと言わなかったのかです。つまり会議をしてくれと頼む発注者が、会議の公開が前提と言えばいいだけではないでしょうか。質問にお答えいただきますようよろしくお願いします。
        〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  先ほども答弁申し上げましたとおり、耐震性能分科会については、この審議途上の段階において、その内容を公開することで、率直な意見の交換や意思決定の中立性が確保されないとの分科会の御判断によりまして、これは熊本市の情報公開条例の規定に基づいて非公開とされているものと承知しております。分科会の会議資料、それから、議事要旨を含め、その内容、審議結果については公表されると伺っておりますので、その点で十分に御説明をいただけるものと私は確信しているところでございます。
        〔田尻善裕委員 登壇〕

◆田尻善裕 委員  今市長が答弁の中で言われた熊本市情報公開条例、これはもともと存在していたものです。その上で会議の公開、議事録を出すと言っていたのですから、後で条例を盾に非公開とするのは確信犯ではないかと感じます。それでは、今後執行部の説明は信用できないというふうに思ってしまいます。議会、つまり市民との約束があるので、例えば、公開しないならば会議はできないと言ったような強い意思を市長は有していなかったのかとさえ思ってしまいます。
 また、本当の専門家、プロであるなら、自分の考えを公開することにちゅうちょはないと思います。世間では公開が常識となっております。そこを専門家の方たちに市民の一人として言っておきます。また、市長も税金の使い道を決める予算における議会、つまり市民への説明の責任を強く認識していただきたいと思います。
 次に移ります。
 先日、第2回有識者会議が開かれ、YouTube公開されましたので、拝見いたしました。現在の市役所本庁舎が耐震性能があるかどうかを審議する耐震性能分科会は、先ほど取り上げましたように、非公開なので、私たち議会、つまり市民には何が話されているか分かりませんが、有識者会議は本庁舎の耐震安全性について建築基準法の水準にとどまらずといったことを話しているようですし、どう聞いても建て替えありきで話されているように聞こえます。
 そこで確認ですが、市長は、現在審議中の専門分科会がもし現行本庁舎が耐震性能を有していると結論を出したとしても、ほかの理由があれば、建て替えの判断をする可能性があるのか、市長にお尋ねいたします。
        〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  庁舎整備については、耐震性能をはじめ、防災、財政、資産マネジメント、まちづくり等、多角的な視点で慎重な検討を重ねる必要があると考えております。そこで、「熊本市本庁舎等整備の在り方に関する有識者会議」を設置し、予断を持たず建て替えの是非を含め、客観的かつ専門的な立場から御審議をいただいているところでありまして、今後有識者会議での審議結果等を踏まえ、適切な時期に本市としての考え方を示したいと考えております。
        〔田尻善裕委員 登壇〕

◆田尻善裕 委員  今の市長の答弁で、建て替えの是非を含め審議をいただいているというふうに言われるところで、私が思いますのは、なぜ第三者にそんな権限があるのかと思います。提案権は市長にありますけれども、是非を判断するのは議会です。これを勘違いしないでいただきたいと思います。
 それに、私の質問は、耐震性能を有していると報告があっても、そのほかの理由で建て替えと判断する可能性があるのかという質問ですので、これは会議の結果が待たずとも、今の時点でも言えることだと思います。さらに質問いたします。お答えください。
        〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  今有識者会議のほうで御審議いただいておりまして、こうした判断、様々な論点がございます。この庁舎の今までのいろいろな議論の中で、当然耐震性能、老朽化、様々なことがございますので、そうしたことが有識者会議の中で客観的に審議されて、そして示されると思いますので、そうした結果を踏まえて判断をし、そしてまた、議会のほうにお示しするということで議会で決定いただくということになろうかと思っております。
        〔田尻善裕委員 登壇〕

◆田尻善裕 委員  私の質問は、可能性があるのかという質問でありましたが、同じ答弁で、何とも言えないような答弁であったと思います。
 ではさらに質問を続けます。
 会議を見ておりましたら、座長の平田氏より、YouTubeの44分55秒の部分で、「私としては、一刻も早く耐震性能をちゃんと満たしたような防災拠点ができるということが非常に重要だと思います」との発言がありました。この「一刻も早く」とか、「ちゃんと満たしたような」とか、「できるということが」という発言は、聞いている委員に、今はそうではない、つまり現状の庁舎は耐震性能を満たしていないと座長は考えているのだなと思わせ、それは判断結果の誘導につながると指摘させていただきます。
 まして、専門分科会の会長は、座長の平田直東京大学名誉教授が指名した同じ東京大学大学院の山田哲教授であります。まだ専門分科会による耐震に対する審議がなされている最中に、座長という会議全体に大きな影響を与える立場での一線を越えた偏った発言は、会議自体の公平性への大きな信頼性を揺るがせました。これは極めて重大なことであり、平田座長の下では公平な審議がなされるとは思えません。
 執行部は会議をそろって聞いておりましたので、お尋ねしますが、公平性を心がけて、その発言に対し注意をしなかったのでしょうか、また、客観的にと発言してきた市長も聞いたと思いますので、疑問を感じなかったのか、市として何か対応したのか、市長へお尋ねいたします。
        〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  重要な防災拠点である本庁舎については、2度の耐震性能調査において、現行の建築基準法等が求める耐震性能を有していないという結果となったものの、専門家から疑問が呈されたことから、現在、その耐震性能について、耐震性能分科会において客観的かつ専門的な立場から検証いただいているところです。
 委員御指摘の耐震性能に関する有識者会議会長の御発言については、現庁舎が耐震性能を満たしていないという前提ではなく、地震の可能性に触れられた上で、耐震性能を満たす防災拠点が必要という趣旨の御発言であると認識しております。
 なお、第2回有識者会議において、会長から、「当有識者会議は本庁舎等の整備の在り方について予断を持たず、建て替えの是非を含めて諮問を受けているので、それを踏まえた上で御意見をいただきたい」旨の御発言をされていることからも、「誘導」との御指摘は当たらないものと考えております。
 いずれにいたしましても、有識者会議では、予断を持たず建て替えの是非を含め、公平な視点で審議をいただいているものと考えております。
        〔田尻善裕委員 登壇〕

◆田尻善裕 委員  3度目の質問です。質問にお答えください。
 私の質問は、座長の発言に疑問を持たなかったのかというものです。持たなかったでよろしいですか、お答えください。
        〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  先ほどから申し上げておりますけれども、あくまでもこの会長の御発言については、現庁舎の耐震性能を満たしていないという前提ではなく、地震の可能性に触れられた上で耐震性を充たす防災拠点が必要という御趣旨の御発言であるというふうに私自身も認識しており、特に問題があるというふうには思っておりません。
        〔田尻善裕委員 登壇〕

◆田尻善裕 委員  一定の考えの方向性を持って聞いてみると、疑問も分かないのかなというふうに感じます。街角で市民に聞いてみたらいかがでしょうか、私の意見に同調していただける方が多いのではなかろうかと思います。議員として、特別委員会の委員としても、平田座長の下では公平な議論はできないと厳しく指摘します。そして、平田座長は、罷免に値するのではないかと思いますし、そう思うのは私だけではないと思います。
 また、庁舎問題は、地震が発起点になります関連施策として水前寺・立田山断層を独自で調査している案件についても、調査をするだけで後のことは何も考えていなかった。私から地域の防災計画に反映させるべきではないかと言われて、初めて気づくような、とてもこれまでの市の仕事とは思えない思いつきのような施策も見受けられます。
 昨今、職員の仕事の質の低下が著しくひどくなっているように感じますので、そこを指摘して、私の質疑を終わります。今後ともちゃんと市民の信頼を受けるような政治をやっていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)

○倉重徹 委員長  田尻善裕委員の質疑は終わりました。
 以上で熊本自由民主党市議団の質疑は終わりました。
 次に、自由民主党熊本市議団の質疑を行います。持ち時間は60分となっております。
 まず、古川智子委員の質疑を行います。
        〔古川智子委員 登壇 拍手〕

◆古川智子 委員  自由民主党熊本市議団の古川でございます。今回、令和3年度決算審議に当たっての総括質疑を会派のトップバッターとして務めさせていただきます。
 熊本地震の発生から5年目という節目の年であった令和3年度、被災者の生活再建をはじめ、熊本城天守閣の完全復旧、熊本駅周辺整備など、復興への取組に尽力されるとともに、一方、新型コロナウイルス感染症拡大に対しては、希望する方へのワクチン接種体制の整備、生活支援、中小企業等支援の実施と尽力し、取り組んでこられました。未曽有の災害が続く中、第一に市民の命と暮らしを守るための対策、そして、永続的に熊本市が一自治体として存続し、機能し続けていくための財政調和と、突きつけられる難題は多くあります。それらの中でも、私の今回の質疑では、命を守るための地震や津波に対しての防災減災に関すること、日本の国内食料生産体制の強靭化にもつながる農水事業の2点について質疑をさせていただきます。
 まず、政策局についてです。
 先ほど田尻委員からもありました決算状況報告書32ページ、水前寺・立田山断層調査経費、決算額約2,930万円です。これについては、復興基金を活用して熊本市独自で調査をされています。この調査の結果、そして、成果をお示しください。
 また、令和4年度予算には引き続きの調査費用が計上されていません。昨年の調査から得た分析や情報が今後どのように防災減災対策に生かされようとしているのかを教えてください。政策局長、お願いいたします。
        〔田中俊実政策局長 登壇〕

◎田中俊実 政策局長  熊本地震後、国の活断層調査により、新たに立田山断層の一部と水前寺断層が活断層として確認されました。その後、国に対し、未調査部分について調査要望を行いましたが、対象外となりましたことから、市独自で調査を実施したところでございます。調査の結果、水前寺断層においては正断層が初めて目視で確認され、熊本地震以前にも活動があったことが判明したところでございます。また、立田山断層につきましては、さらに断層が連続していることが確認されました。
 この水前寺・立田山断層については、今後も引き続き調査・研究が必要でありますことから、今年度、本市の断層調査検討委員会の助言を受けながら、国が行う調査に協力をしていくこととしておりまして、それらの結果について、地域防災計画等に適宜反映してまいりたいと考えております。
        〔古川智子委員 登壇〕

◆古川智子 委員  ありがとうございました。
 今の段階で調査結果は断層が存在することが判明したということのようです。約3,000万円をかけた調査結果としては、いささか物足りない印象を受けましたが、両断層が実際にどれほど危険なのか、具体的にどれほどの影響を生み出すのかについては、今年度は、国の研究機関と協力をして引き続き調査を実施するということでした。
 こちらの調査は、もとをお伝えすると、調査要望を国にしていたが、受理するまで待ち続けるというよりも、市としては緊急度と優先度を重視して、市独自で復興基金を活用したと伺っています。本市に大きく影響を及ぼす可能性があることを考えると、的確な判断だったと思いますが、せっかくこの調査をして、3,000万円をかけて断層が判明したということはまだ途中経過ではありますけれども、この情報の活用の点で、さらに質疑を進めていきたいと思います。
 地域への周知についてです。熊本地震を含め、これまで起こった地震でも断層が存在する地域は発災時に揺れが大きくなり、被害が出やすい傾向があったことを考えると、断層の存在自体が危機意識を高める重要な情報になります。そこで、断層が存在している地域、また、周辺地域の校区防災連絡会、自主防災クラブへの周知として、昨年の調査で新しい断層が改めて確認されましたよというふうに、明確に提供してもいいのではないでしょうか。
 ふだんの生活においても、災害時のシミュレーションをしたり、家庭では、例えば家具の転倒防止対策を強化するなど、1つの情報を基に意識と行動が変わります。改めて断層の存在を対象となる地域の校区防災連絡会、自主防災クラブへの周知、この必要性を感じますが、いかがでしょうか。政策局長、お願いいたします。
        〔田中俊実政策局長 登壇〕

◎田中俊実 政策局長  委員御指摘のとおり、水前寺・立田山断層調査の結果については、市民の皆様への情報提供が大変重要であると考えております。そこで、市のホームページに調査結果や地震への備えについて掲載するとともに、今年5月に開催しました「市長とドンドン語ろう(防災版)」や防災会議等において、新たな断層の存在について報告をしまして、地域防災計画にも明記したところでございます。
 今後も関係機関等と連携を図りながら、市民の皆様に対し、戸建木造住宅や緊急輸送道路沿道建築物等の耐震化助成制度、あるいは、家具転倒防止対策等の備えについて、さらなる周知に取り組んでまいります。
        〔古川智子委員 登壇〕

◆古川智子 委員  ありがとうございました。
 市のホームページ、それから「市長とドンドン語ろう(防災版)」、そして、5月に行われた防災会議で断層の存在を報告したということでした。広く周知したことは分かりましたが、それを実際に地域に落とし込むべきだと思います。校区防災連絡会、自主防災クラブ、改めて情報を提供することによって、結果的にその地域の方が自主的に、「あっ、ここはちょっと危険な可能性が高い」といったことを認識すると、自主的に防災への意識が高まって、避難行動に結びつくと思います。そういったふうに今ある情報の活用といった点で、ぜひ取組をよろしくお願いいたします。
 続いて、決算状況報告書32ページ、熊本市ハザードマップ維持管理経費約890万円、また、34ページの防災情報伝達機能強化経費約7,100万円の決算額に関連してお尋ねします。
 近年、統合型のハザードマップが一新されたことや、防災ポータルサイトでは最寄りの避難所の場所や混雑状況を即座に確認できるようになったことから、防災情報伝達の機能が強化されていることに対しては、大変評価させていただいております。しかしながら、こちらでも提供すべき情報として、非常に重要なものが不足しているのではないかという点を指摘して、お尋ねさせていただきます。
 本市のハザードマップ上には、津波発生時、沿岸地域の浸水の深さは3メートル~5メートルと示されています。この根拠となるのは、平成26年に開催された国交省社会資本整備審議会河川分科会で示された熊本県沿岸における津波の浸水想定の調査結果を基にしています。その調査では、3つの地震のケース、雲仙断層群、布田川・日奈久断層帯、そして、南海トラフの巨大地震を検証しており、いずれも発生する津波の最大値が3.4メートルと想定されています。しかし、いずれも津波到達時間に関しては情報がありません。とはいえ、雲仙断層群、布田川・日奈久断層帯では、地理的に考えてみても、津波が短時間で沿岸地域に到達する可能性は十分にあり得ると思います。沿岸地域の住民にとっては、津波予想の根拠となっている情報は大変重要で重大な情報です。
 そこで、津波の高さの想定には3つのケースがあること、津波発生場所によっては短時間での到達になること、この2点を提供すべき情報と考えますが、いかがでしょうか。政策局長、お願いいたします。
        〔田中俊実政策局長 登壇〕

◎田中俊実 政策局長  本市ハザードマップの津波の浸水想定は、先ほど委員お述べのように、熊本県が作成しました雲仙断層群、布田川・日奈久断層帯、南海トラフ巨大地震の際の浸水域と浸水深の最大値を掲載しております。津波の到達時間につきましては、地震の規模や震源の深さ、発生場所によって異なり、想定が容易ではありませんけれども、市民の皆様にとって適切な避難行動につながる重要な情報でございますので、今後県と協議をしてまいります。
        〔古川智子委員 登壇〕

◆古川智子 委員  ありがとうございました。
 津波の到達時間に関しては、県と協議をしていくということでした。近年は特に南海トラフ、日本海溝、千島海溝沿いの巨大地震による津波を危険視しているため、海に面する多くの自治体では、津波の高さ、到達時間を想定し発表している状況です。熊本県の所管ではありますが、県全体の津波到達時間が想定されていないことについては、津波に対して対策が甘いのではと危機感を感じています。早急に津波の想定を更新し、公表してもらうように県に投げかけをし、沿岸地域の防災減災対策への取組の強化をお願いいたします。
 実は私自身、先月東日本大震災で津波によって多くの人命が失われた現場を視察してまいりました。痛感したことは、情報の重要性でした。防災に関する情報を持つか持たないか、そして、情報を持っていても自分の意識に影響を与えていなかったら無意味です。情報を与え、その先でいかに自分とそして地域の行動と結びつけるか、ここが本当に重要だと思います。行政は情報を広く出すことで、責任が果たされたという感覚がどこかにあるかもしれませんが、さきに述べましたように、情報伝達機能は確かに強化していますが、その一つ一つの重要性をもう一度吟味して、そして地域目線で考えて情報を発信していただきますようにお願いいたします。
 続きまして、農水局関連です。
 令和2年の熊本市の農業産出額は全国市町村で9位、政令指定都市では3位、500億円規模の農業産出額を維持しています。今後も引き続き「農業環境整備」と「テクノロジーの導入」、この両軸で持続可能な農業を振興していくことが求められています。
 さて、決算状況報告書155ページ、農業基盤整備事業の項目、決算額約4億2,800万円となっています。過去4年間の農業基盤整備事業に係る費用を確認させていただきましたところ、平成30年には当初予算で約5億9,900万円、約6億円あった予算が年々減少されている傾向があります。水路や農道の整備、改良など、地域にはニーズが絶えませんが、本来充足しているとは思えない予算が縮小傾向にあることに懸念を感じています。ただ、基盤整備に関わる事業費用の全体像が見えませんので、耕地に関わる費用がどの程度推移しているのか確認したいと思います。
 平成30年以降で基盤整備を含めた耕地費の決算額の推移を教えてください。また、安定的な収量、収益を確保することも目的の一つとして推進してきた整備事業ですが、成果、また持続可能な農業環境を整備する上で課題と感じることを教えてください。課題改善に向けての今後の取組も、あれば教えてください。農水局長、お願いいたします。
        〔大塚裕一農水局長 登壇〕

◎大塚裕一 農水局長  御質問の2点に順次お答えいたします。
 まず、平成30年以降の基盤整備費を含めた耕地費決算についてです。平成30年度は22億7,500万円、令和元年度は26億7,200万円、令和2年度は26億7,200万円、令和3年度は25億7,800万円となっています。これには事業に当たる職員の人件費なども含みます。
 次に、これまでの基盤整備事業の成果、課題と今後の取組についてです。国や県の補助事業制度を活用して、効率的・効果的な基盤整備を計画的に実施し、圃場区画の大規模化や用排水路の改善、農業用排水機場の改築更新等を進めることで、農業の生産性向上や地域の防災減災に寄与するとともに、基盤整備事業を契機とした担い手への農地の集積を進められたと考えております。
 他方で、県営事業等の大規模事業には、相応の市の負担を複数年にわたり支出するため、耕地費全体の中で調整が必要となります。近年では、県営事業が増加傾向にあるため、小規模水路の改良工事等を行う農業基盤整備事業の予算比率が減少することとなっています。地域からの御要望に対しましては、耕地費全体の予算の中で効果を最大限発揮させるため、積極的に国や県の補助事業制度を活用し、対応してまいります。
 また、補助事業制度が活用できない地域の細やかなニーズに対しましては、緊急度や優先順位を考慮し、地域の方々と緊密に協議を行いながら農業基盤整備事業等で対応してまいりたいと考えております。
        〔古川智子委員 登壇〕

◆古川智子 委員  ありがとうございました。
 農業基盤整備事業だけで見ると、金額は減少していますが、全体的な耕地費としては、4年前に比べると3億円増額でした。特に昨今は県営事業が増加しているため、市単独事業の予算比率が減少しているということでした。耕地費全体の減額でないことに関しては、確認ができて安心しました。しかしながら、年々減少傾向にある農業基盤整備事業は、国や県の事業が活用できない比較的小規模な整備が主です。答弁では、緊急度や優先順位を考慮し、地元と緊密に協議を行いながら対応するということでした。そして、成果でもおっしゃっていただきましたが、圃場整備、農地の集約が行われて生産性が向上していますともありました。
 確かにそうだと思います。1つの経営体当たりの耕地面積はこの17年で約4割増加しているようです。しかし、それとは反比例し、市全体の経営耕地面積は減少しています。販売農家数もここ10年で33%減少しています。離農される理由は様々ですが、農地の大規模化の推進と同じく、小規模形態の農家の持続も支援していく必要があります。細やかな要望やニーズが全て小規模農家からということではありませんが、更新や修理、新設が必要な整備の要望は多くあります。
 国・県の事業費を活用することは財政上非常に重要ですが、農家からのニーズに対し、迅速かつ細やかな対応が可能になる基盤整備費の財源を縮小することは、農業都市の支援体制として逆行しているのではないでしょうか。基盤整備費に関しては、生産体制を増強させる意味では、むしろ拡大すべきだと考えています。次年度へ向けて、整備費が拡大されることを期待し、要望して、次にまいります。
 次に、148ページ、熊本市独自メニューの2つの事業についてです。
 農業の低コスト化、省力化、鳥獣害対策など、多種多様な取組に対しての費用助成メニュー、夢と活力ある農業推進事業、決算額が約2,995万円。また、スマート農業機械などの導入に対して助成するスマート農業加速化事業、決算額が約998万円です。2つの事業の成果と課題を教えてください。また、それら今後の課題に対する取組があれば、教えてください。農水局長、お願いいたします。
        〔大塚裕一農水局長 登壇〕

◎大塚裕一 農水局長  熊本市夢と活力ある農業推進事業は、本市農業政策の中核を担う施策として、平成28年度から実施しており、農業者などから例年100件を超える応募をいただいております。令和3年度の成果は122件の応募のうち91件が採択となり、ビニールハウスに附帯する新たな設備や自然災害の影響を軽減する設備の導入など、農業経営の高度化につながる様々な取組が実施されております。
 また、熊本市スマート農業加速化事業は、熊本市夢と活力ある農業推進事業と同様、本市農業政策の主要な施策として令和2年度から実施しており、農業者などから例年15件程度の応募をいただいております。令和3年度の成果は、17件の応募のうち10件が採択となり、ICTを活用したビニールハウスの環境測定や環境制御を行う設備導入など、スマート農業技術の現場実装が実践されています。
 これらの事業は、農業者や農業関係団体との意見交換会や事業説明会等での意見や要望等を踏まえ、政策的に必要性が高いと判断されるものについては随時見直しを図るなど、単独事業ならではの強みを生かした創意工夫を行ってきており、農業者からは一定の評価をいただいております。今後とも利用する農業者にとって親しみやすくかつ局面に応じ効果的な補助事業とするため、検証を重ねてまいります。
        〔古川智子委員 登壇〕

◆古川智子 委員  ありがとうございました。
 夢と活力ある農業推進事業については、例年100件以上の応募があるということ、そして、スマート農業加速化事業もとても人気の高い事業のようです。確かになかなか私の周りでも農家さん、応募していらっしゃいますが、毎年採択されず、ちょっと悔しい思いをしていらっしゃる声を聞いております。しかし、限られた予算をいかに効率的効果的に活用するかという点では、毎年要望を踏まえて年度ごとに助成メニューの内容を精査し、創意工夫を行っているという点は大変評価をさせていただいております。
 事実、コストの高いスマート農業導入に関しては、農家さんにとっては市や国の助成金を活用しないと手が出しにくい状況です。今後は、スマート農業に関する勉強会や研修会の実施、そして、これまでスマート機器の導入をされた農家さんに対して、生産性や効率化、導入の効果の検証をすること、これらを実施しながら、今後さらに農業者のスマート化の支援、促進、事業規模の拡大をお願いしたいと思います。
 最後の質問です。
 今年7月に全国に施行されたみどりの食料システム法、国の農業政策としても、以下の目標値が設定されました。2050年までにスマート農業などによるCO2ゼロミッション化、ネオニコチノイド系農薬を含む化学農薬の使用量50%低減、化学肥料の使用量を30%低減、それからオーガニック市場の拡大、耕地面積に占める有機栽培の割合を25%へ拡大するなどが目標値の一例となっています。昨年度本市でも化学肥料、化学合成農薬を低減する取組への推進として、環境保全型農業総合支援対策経費、決算額約641万円の取組をしています。
 また、有機栽培への転換には土づくりも重要になってきますが、土壌分析推進経費、決算額約469万円と規模は小さいものの、土づくりや適正な施肥などの情報を提供する支援を行っています。それらは、みどりの食料システム戦略にもつながる取組ですが、今後市として具体的な取組があれば教えてください。農水局長、お願いいたします。
        〔大塚裕一農水局長 登壇〕

◎大塚裕一 農水局長  みどりの食料システム戦略に関する動向につきましては、現在、国において、通称ですけれども、みどりの食料システム法に基づく基本方針を9月中に策定・公表する予定となっています。この国の基本方針を受けて、熊本県では、全ての市町村と連名での基本計画を策定するための新たな協議会を設立する予定と伺っており、本市も参画を予定しております。
 また、委員御発言のとおり、環境保全型農業総合支援対策経費及び土壌分析推進経費の取組は、みどりの食料システム戦略に沿う取組と認識しております。また、さきの一般質問においてお答えいたしました総合的病害虫・雑草管理、いわゆるIPM等の取組につきましても、同戦略につながるものであることから、推進してまいりたいと考えております。
 さらに、今後策定される基本方針や基本計画、国や県の動向を踏まえ、本市として必要な対応を検討してまいります。
        〔古川智子委員 登壇〕

◆古川智子 委員  ありがとうございました。
 みどりの食料システム戦略に関わる動向については、これから県が主導して県内の市町村連名で基本計画を策定し、新たな協議会設立を予定しているとのことです。既にアメリカ、EUの諸外国では生産量の大幅増加、化学農薬リスクの低減、有機農業の拡大など、農業政策、食料戦略を開始しており、日本も持続可能な食料システムの構築が急務であるとの判断から策定をされています。
 しかし、私たち消費者にとっては、有機農法、減農薬の取組は、安全面や健康面から考えると大変うれしいことではありますが、当の農家さんにとっては、意識の改革だったり、生産方法の改革、本当にこれから大変で、課題も多く出てくることと思います。事業は県と市町村と連携にはなりますが、食料に関わることは国民や市民の命を守る国防の政策であるという意識を持って、積極的な推進に取り組んでいただきますよう要望を添えてお願いいたします。
 私からの質疑は以上2点です。防災減災、農業者支援の2点についてお尋ねいたしました。今後も不測の事態に耐え得る熊本、日本の再構築に立ち向かっていかなければならないと、改めてこの質疑準備の過程に思いを強くしたところです。
 真摯に御答弁いただきまして、ありがとうございました。この後は、午後、荒川委員にバトンを引き継ぎます。ありがとうございました。(拍手)

○倉重徹 委員長  古川智子委員の質疑は終わりました。
 質疑の途中ではありますが、この際、議事の都合により休憩いたします。
 午後1時に再開します。
                            午前11時51分 休憩
                            ───────────
                            午後 1時00分 再開

○倉重徹 委員長  休憩前に引き続き会議を開きます。
 総括質疑を続行いたします。
 自由民主党熊本市議団、荒川慎太郎委員の質疑を行います。
        〔荒川慎太郎委員 登壇 拍手〕

◆荒川慎太郎 委員  自由民主党熊本市議団、荒川慎太郎でございます。午前中の古川委員の質問の後、昼食を挟みましたので、間が空きましたけれども、会派2番手の中堅として質疑を行わせていただきます。
 まずは、決算状況報告書37ページ、主な取組として効果的な広報による情報提供、目的欄では、あらゆる広報媒体を活用し、市の施策や取組など様々な情報を積極的に発信する、施策やターゲットごとにツールを使い分けるなど、効果的な広報を推進するとございます。こちらの点に関して、決算状況報告書に記されております関連項目を横断的にピックアップしながら、本市の効果的な広報による情報提供が果たされているか、確認をしてまいります。
 現在の広報ツールとしましては、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、いわゆるマスコミ4媒体に加え、各種SNSのほか、Webサイト、YouTubeなど、多種多様なものが存在します。その中で、決算状況報告書35ページと176ページには、効果的なプロモーション活動の展開という取組があり、その検証指標の項目において、熊本市観光Webサイトの特集記事数が設定されております。また同じく決算状況報告書の29ページ、「はじめに」として記された中の中段には、行政運営では「何を行ったか」ではなく、「どのような成果がもたらされたのか」が重要であると記載されております。
 以上のことを鑑みますと、手段ではなく成果を検証指標とするのであれば、Webサイトの記事数ではなく、そのサイトへのアクセス数を指標とするべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。担当局長の答弁をお願いいたします。
        〔田上聖子経済観光局長 登壇〕

◎田上聖子 経済観光局長  効果的なプロモーション活動を展開するに当たって、観光Webサイトの特集記事の掲載は、多様化・個別化する観光客のニーズに対応する効果的な手段であることから、誘客促進に向けた取組の実施状況を把握するため、掲載する特集記事の数を検証指標として設定したところでございます。
 検証指標につきましては、委員御指摘のように、より市民に分かりやすい指標の設定が重要であると考えており、次期総合計画の策定に合わせて検証指標の見直しを検討してまいりたいと考えております。
        〔荒川慎太郎委員 登壇〕

◆荒川慎太郎 委員  本市のWebサイトの特集記事というものは、市が主体的に作成するものであり、まさに何を行ったかに該当するものであります。本来最初に検証事業を設定する段階において精査されるべきものであると考えますが、御答弁にありましたように、次期総合計画の策定時には御検討いただきたいと思います。加えて、よりよい行政運営を行うための報告書を作成するのであれば、より有効な検証指標なり、表記内容なりが発生した際には、総合計画の中途年度であっても、改定や追加を行うといった柔軟な対応姿勢も必要ではないでしょうか。この点も含めて御検討を重ねていただきますようお願いいたします。
 続きまして、もう一つの広報ツールでありますYouTubeに関してお尋ねいたします。
 決算状況報告書70ページ、71ページ、74ページに、男女共同参画に関してとまちづくりに関する項目がございます。いずれも、事業内容、成果の欄に、YouTubeを利用した記載があり、一部視聴回数についても触れられております。この視聴回数ですが、動画によっては多くても3,000回、ほとんどが3桁の視聴回数となっております。この再生回数を踏まえて、動画配信によるPRについての考え方をお聞かせください。担当局長、各区長にお願いいたします。
        〔横田健一文化市民局長 登壇〕

◎横田健一 文化市民局長  私からは、男女共同参画啓発経費及びLGBT等啓発経費についてお答えいたします。
 令和2年11月のDV防止セミナーが新型コロナウイルス感染症の影響で延期になったことをきっかけとして、各種集合セミナーをYouTube配信へと変更したところでございます。令和3年度は3講座について配信をしたところでございますが、申込者限定の配信や配信期間の短いセミナーもあり、視聴回数はいずれも3桁となっているところでございます。
 YouTube配信は、集合セミナー参加者よりも視聴回数が多いなど、一定の効果があると認識しておりますが、YouTubeを見ない世代に対しても啓発は必要でありますことから、新型コロナウイルス感染症の状況を鑑みながら集合セミナーを復活させるとともに、併せてYouTube配信も検討してまいりたいと考えております。
        〔河本英典西区長 登壇〕

◎河本英典 西区長  西区では、区の魅力発信を目的に、令和3年度から「西区チャンネル」としてYouTubeの活用を始めており、配信する際には市のSNSや市政だより、まちセンだよりでの広報を行っております。制作に当たりましては、職員による撮影や編集を基本としながら、映像の専門業者への委託による最終的な編集を行い、より質の高い動画作成を心がけております。
 動画配信は、映像や音声によってより多くの情報が提供できる広報手段であることから、今後も多くの方々に御覧いただけるよう、内容の充実に努めますとともに、より効果的なPRを行ってまいります。
        〔小崎昭也北区長 登壇〕

◎小崎昭也 北区長  北区公式YouTubeチャンネルは、市役所改革の一環として令和2年度に立ち上げました北区改革プロジェクトの部会の取組の一つであり、北区にお住いの方々に役立つ情報や北区の魅力などを発信するため開設しており、これまで38本の動画を配信し、視聴回数は2万1,500回を超えております。
 動画配信は、世代・性別を超えて普及しており、情報発信を行う上で映像と音声による多くの情報を提供できる点で優れていることから、効果的な広報手段であると認識しております。
 これまでもより多くの方々に視聴していただくため、市政だよりやSNSを活用した広報を行っており、今後もYouTubeなど様々な広報媒体を組み合わせた情報発信に努めてまいります。
        〔荒川慎太郎委員 登壇〕

◆荒川慎太郎 委員  男女共同参画に関する動画については、コロナ禍の影響によるリアルな集合セミナーからの変更であり、配信期間や対象限定などの理由がある点、承知いたしました。今後は、リアルなセミナーの開催とオンライン配信とを組み合わせて検討されるとのことでしたので、より効果的な取組に期待いたします。
 まちづくりの推進については、動画配信による情報発信の効果や重要性は認識されているとのことでした。しかしながら、せっかく職員の方々が制作をされ、また、一部は外部委託なども行いながら、動画をアップされているにもかかわらず、現状の視聴回数では非常にもったいないと感じます。動画をアップすることだけが目的ではなく、いかに多くの市民の皆様に視聴していただくか、そこが目指すポイントだと思いますので、さらに効果的なPRを御検討いただきたいと思います。
 続いても、同じくYouTubeの熊本市公式チャンネルについてお尋ねいたします。
 先週9日時点での公式チャンネルにアップされている動画数は1,443本でした。そのうち、再生回数1万回以上は19本、少しハードルを下げて、再生回数が1,000回以上のものでも166本、そして、誠に寂しい数字ですが、再生回数100回未満のものは半分以上を占めます808本でした。この再生回数を踏まえた上で、アップされている動画に対してどう考え、どう評価するのでしょうか。政策局長にお尋ねいたします。
        〔田中俊実政策局長 登壇〕

◎田中俊実 政策局長  YouTubeは若年層をはじめ、幅広い世代に利用されているツールでありまして、市政情報の発信に大変有効であると認識しております。YouTubeの公式チャンネルに掲載しております動画は、本市の魅力を国内外へ広くアピールすることを目的とするものや、地域に密着した情報の発信など、目的や性質は様々でございまして、その違いが視聴回数にも表れているものと考えております。
 そこで、視聴回数が低い情報につきましては、ホームページをはじめ各種広報媒体と連携を図るなど、より多くの皆様に御視聴いただけるように工夫してまいります。
        〔荒川慎太郎委員 登壇〕

◆荒川慎太郎 委員  公式ページにアップされている動画によって目的や性質が違うために、視聴回数にも違いが出るとの御答弁でした。確かにターゲットが限定的であったり、特定のジャンルに特化していたりと、様々なタイプの動画がそれぞれの目的で制作されているのは事実です。しかしながら、せっかくアップされたにもかかわらず、再生回数が30回に満たない動画が30本近くあります。動画を制作して、ウェブ上にアップした場合、その完了確認のために関係者が数回、もしくは十数回再生確認をするものです。その回数も含まれるということは、30回の再生回数のうち一般の方が視聴した数というのはごくごく僅かなものとなってしまいます。これではどれだけ目的や性質が違うと言われましても、余りにも悲しい数字であると言わざるを得ません。
 さて、視聴回数の少ない動画の話ばかりでは悲しくなりますので、逆に人気のある動画についてお尋ねいたします。
 公式チャンネルの中で、人気動画のツートップは、「LOOK UP Kumamoto」と「おじ旅in熊本」という動画です。いずれも400万回近い再生回数となっております。その後に続きまして、9位には、2万回再生されている消防局制作の動画がございます。参考までにそれぞれの動画の制作費を教えてください。政策局長、よろしくお願いいたします。
        〔田中俊実政策局長 登壇〕

◎田中俊実 政策局長  委員お尋ねの動画制作費につきましては、まず、「LOOK UP Kumamoto」が1,199万円、「おじ旅in熊本」が1,000万円、「消防局制作動画」につきましては、自主制作のため経費はかかっておりません。
        〔荒川慎太郎委員 登壇〕

◆荒川慎太郎 委員  お尋ねしましたツートップの動画は、いずれも1,000万円以上の制作費とのことでした。非常によく出来た動画だけあって、さすがに制作費もなかなかのものです。これだけ多くの予算をかけているということであれば、もっとたくさんの人に視聴してもらうため、効果的な広報費の執行については、さらに調査研究、検討が重要かと思われますが、今後どのような対策が考えられますでしょうか。
 もう1点、消防局制作の動画は視聴回数も多く、人気のあるものが多く見受けられます。しかしながら、自主制作で経費がかかっていないため、無料の編集ソフトを使用することによるロゴが入った動画がアップされております。これは公式チャンネルに上がる動画としては、ふさわしくないのではないでしょうか。多少なりとも制作の予算を確保する必要があるのではないでしょうか。
 1点目は政策局長に、2点目は消防局長に御答弁をお願いいたします。
        〔田中俊実政策局長 登壇〕

◎田中俊実 政策局長  本市におきましては、市民アンケートのほか、ホームページの閲覧状況やYouTubeの視聴回数などのデータを収集しまして、広報効果の把握に努めているところでありますが、さらに効果的な予算執行となりますよう、今後他都市の状況を踏まえ、研究してまいります。
        〔福田和幸消防局長 登壇〕

◎福田和幸 消防局長  消防局では、ホームページや市政だよりのほか、SNSも広報ツールとして積極的に活用し、広報啓発活動を推進しております。現在、YouTubeの公式チャンネルには、応急手当や119番通報の実施方法をはじめ、おもてなし武将隊とのコラボ、女性消防士への密着など、多岐にわたる動画を掲載しており、高い評価をいただいているところでございます。
 動画編集には無料編集ソフトを使用することもあり、当該ソフトのロゴが入った動画が1件掲載されておりましたが、委員御指摘のとおり、公式チャンネルの動画としてふさわしくないことから、既に対応をさせていただいたところでございます。
 今後もよりよい広報啓発動画を積極的に発信していくとともに、動画編集ソフトの導入促進を図るなど、予算の確保にも努めてまいりたいと考えております。
        〔荒川慎太郎委員 登壇〕

◆荒川慎太郎 委員  順番が前後しますが、まず、消防局制作の動画について、ロゴの入った動画に関しては対応済みということで、既にチャンネルから削除されているようでございます。しかしながら、内容的にはとても面白い構成になっておりましたので、ぜひ再編集してアップをしていただければと思います。
 また、あれだけの動画を制作することができる技術と、それに取り組む意欲を持った職員の方がいらっしゃるというのは、とても貴重な巡り合わせであり、幸運なことだと思います。撮影するカメラや編集するパソコン、また、編集ソフトなどの環境を整えていただき、これからも消防局のPRに生かしていただくようお願いいたします。
 次に、広報費の執行に関してですが、広報効果の把握に努め、他都市も踏まえて研究されるとのことでした。今後何らかの対応を考えていくということだと思いますが、これはいささか対応が遅いのではないでしょうか。
 令和4年度版の情報通信白書に、NHKの受信契約者数に関する記述がありました。令和2年4月の契約件数であります4,522万件まで、ほぼ過去順調に伸びてきておりましたが、この月をピークに契約者数は減少に転じまして、今年7月の段階では4,452万件と約70万件落ち込んでおります。また、広告費に関しても、昨年初めてインターネット広告がマスコミ4媒体の総額を上回り、2,500億円ほど逆転いたしました。これはいずれも明らかに情報収集手段が電波や紙媒体からネットへと変化、移行していることを表しております。
 現在本市の広告費執行額は、電波や紙媒体のほうにウエートが置かれているものと思います。もちろん世代や環境によってはネットでの情報収集より電波や紙媒体のほうを便利に使われる方はいらっしゃいますので、いきなり広告費をシフトするわけにはいきません。とはいえ、次々と新しい媒体やツールが生まれていく中で、効果的な広報による情報発信を行うためには、発信側である本市としても、的確な情報収集と迅速な対応が求められるのではないでしょうか。本市行政運営の取組を市民の皆様に広く知っていただき、さらに関心を持っていだたけるよう、今後の効果的な情報発信に期待いたします。
 さて、効果的な広報による情報提供に関して、数点お尋ねしてまいりましたが、この広報活動が必要とされる理由の一つとして、本市の魅力を国内外に広くアピールするという点がございます。そして、この先にある目標は、観光客の増加による経済効果の波及拡大でございます。長きにわたって、コロナ禍の影響を受け、疲弊した経済状況を再び活性化していくためにも、観光客の誘致というのは非常に重要な課題であります。その観光客誘致のために、必要不可欠となるのが熊本に行ってみたいと思わせる本市の魅力であり、そこで重要な役割の一旦を担うのが熊本城をはじめとする様々な文化財だといえるでしょう。
 そこでお尋ねいたします。決算状況報告書84ページにあります史跡保存活用経費について、事前に内訳をお尋ねしたところ、仰松軒に関する経費が8,851万円との回答をいただきました。熊本地震の影響も大きかったと思われますので、地震以降に仰松軒の保存、修復に費やした費用の金額、あわせて、その後の利用者数の数をお示しください。
 また、参考までに熊本城についても、これまでの修復費用と特別公開以降の入場者数をお示しください。文化市民局長にお願いいたします。
        〔横田健一文化市民局長 登壇〕

◎横田健一 文化市民局長  まず、細川家第二代である三斎好みの茶室を復元しました立田自然公園内にある仰松軒の修復保存に費やした経費は、令和2年度~令和3年度にかけて、約9,210万円となっております。また、令和4年4月の供用開始~8月にかけまして、主に華道教室等として5件の利用があっているところでございます。
 次に、熊本城の復旧に費やした経費は、平成28年の熊本地震後~令和3年度にかけまして約178億5,365万円となっております。この間有料エリアへの入園者につきましては、約94万人となっているところでございます。
        〔荒川慎太郎委員 登壇〕

◆荒川慎太郎 委員  熊本地震からの復興のシンボルとして最優先で復旧工事が進められた熊本城ですから、既に多くの費用が投じられております。当然ながら仰松軒とは規模感が違いますので、若干乱暴な計算ですが、比較のためにこれまでかかった費用を利用者数で割ってみました。熊本城の178億円余りを入場者数の94万人で割ると、1人当たり1万8,404円、仰松軒につきましては、華道教室の参加者数が明確ではないため、1回当たり20名が参加したと仮定しまして、5回掛ける20名の利用者数100人に設定しますと、1人当たり92万1,010円、すごい金額になりました。もちろん先ほど申し上げたような乱暴な計算であり、根拠に乏しい数字ではあります。とはいえ、1人当たり92万円です。逆に言えば、1人の利用者に対して92万円もの費用を必要とする文化財の保存修復工事が行われているということであります。
 さて、ちょうど1年前の定例会一般質問におきまして、私から熊本城の保存と活用についてお尋ねいたしました。その際の答弁では、「今後ともバランスのよい保存と活用に取り組んでまいります」との回答をいただきました。
 そこでお尋ねいたします。仰松軒と熊本城という異なる施設ではありますが、先ほどの1人当たり92万円という費用が文化財の保存修復費用に充てられているという状況をもってして、バランスのとれた保存と活用が行われていると言えるのでしょうか、この多大な費用に対して、多くの人に訪れていただくための十分な活用施策が行われていると言えるのでしょうか、大西市長の御見解をお尋ねいたします。
        〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  文化財の保存修復には、多大な時間と費用を要しておりますが、これは文化財の本質的な価値を保存し、歴史性や様々な価値を将来にわたり残していくためのものであり、そのためにも文化財の価値をより多くの方々に知っていただくことが重要です。
 このようなことから、今後文化財の活用をさらに進めていく必要があると考えておりまして、例えば熊本城における宇土櫓の解体・再建過程の公開といった、多くの方々に興味を持っていただけるような工夫が必要と考えております。今後その他の様々な文化財においても、こういった工夫を重ねながら、より多くの方々に訪れていただき、その価値や魅力を体感してもらえるよう、様々な工夫を行って取り組んでまいりたいと考えております。
        〔荒川慎太郎委員 登壇〕

◆荒川慎太郎 委員  市長、御答弁ありがとうございました。
 大西市長も文化財活用の必要性には御理解と認識を持たれており、多くの方々に訪れていただくための取組を進められるということで、私と同様の考えをお持ちであると感じました。
 例として挙げられました宇土櫓の解体・再建過程の公開など、とても意義深いものだと考えます。さらに一歩踏み込みますと、このような取組に興味を持っていただける方々以外にも、より多くの方に施設を訪れていただき、見て、触れて、体感する機会を増やしていくことも重要であります。3年ぶりに開催予定の熊本城マラソン、例年行われておりました春秋のお城まつり、季節に合わせての花見や観月会、そして、過去行われておりましたカウントダウンなど、様々なイベントを開催することにより、文化財に強い興味を持たない方にも足を運んでいただくきっかけとなります。
 さらに、市内の様々な文化財を巡るツアーや、広く一般向けの茶会の開催、施設や敷地を利用した音楽祭の開催など、挙げれば切りがないほどの事業が考えられます。これからの本市経済活性化のためにも、ぜひ本当の意味でバランスのとれた文化財の保存と活用を推進していただけるであろうことに期待を込めまして、私の質疑を終わらせていただきます。
 続きましては、我が会派のトリを飾ります小佐井委員にバトンを渡したいと思います。御答弁いただきました市長はじめ執行部の皆様、ありがとうございました。(拍手)

○倉重徹 委員長  荒川慎太郎委員の質疑は終わりました。
 次に、小佐井賀瑞宜委員の質疑を行います。
        〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕

◆小佐井賀瑞宜 委員  自由民主党熊本市議団の小佐井賀瑞宜でございます。しばらくお付き合いいただきたいと存じます。
 私のほうからは、今回、決算状況報告書を基に大きく2項目を掲げさせていただいております。ただし、コロナ禍で生じた課題についての各質疑につきましては、いずれも関連づいておりますので、仕切ることなくお尋ねしてまいりたいと思っております。
 まず、職員の健康管理、メンタルヘルスケア対策でございます。
 この件は議会でもたびたび論じられてきた注目度の高い案件であります。本事業については、健康チェックから状況把握に至るまで、きめ細かな予防対策が講じられ、例年ストレスチェックの受検率も常に高い指数を保っております。また、問題視される案件が発生した場合には、産業医のアドバイス、衛生管理室におけるカウンセリングをはじめ、職場の環境改善など、幾重にも対策を重ねていらっしゃいますので、事業としての必要性やその効果も高いと推察しているところです。ただし、ストレスチェックの実施後、問題視される案件の実態像が気がかりであります。
 そこで、フォローアップの必要と認定された方々のこれまでの状況について、以下の4点を総務局長に伺いたいと思います。
 1点目に、受検後にフォローアップの必要性があると判断された方の対象者の割合はどの程度でしょうか。世代年齢別や性別に区分して御提示いただきたいと存じます。
 2点目に、フォローアップを講じた後、短期、およそ1年以内で改善、または改善傾向にあるというふうに判定される案件の割合はどの程度でありましょうか。
 3点目に、ストレスチェックの受検率を拝見すると、例年5ないし7%ほどの方々は受検されていないようでございますが、この点については、状況把握を含め、課題視される点はないのでしょうか。
 4点目に、ただいまお尋ねしたことを含め、担当課が認識している本事業の効果と課題について、総務局長に見解をいただきたいと存じます。
 なお、本件は個人情報並びに記録の残存等の関係上、可能な限り御提示いただければ結構でございます。
        〔宮崎裕章総務局長 登壇〕

◎宮崎裕章 総務局長  ストレスチェックは、平成28年度から毎年実施しており、個人のストレス状況について検査し、自身の状況について気づきを促し、医師の面接を受けるなどの早期対応により、不調のリスクを低減させること等を目的といたしております。受検者のうち、高ストレス者と判断された職員の割合は、令和3年度は8.3%、令和2年度は7.6%であり、年代別で見ますと、30歳代と40歳代の割合が高く、性別ではおおむね男女の差は見られませんでした。
 このような高ストレス者である職員には、様々なストレスの要因がありまして、改善傾向にある職員の割合を示すことはできませんが、医師の面接や随時の健康相談等により、心身の状態の把握に努めており、今後も継続して適切な支援を行ってまいります。また、ストレスチェックの未受検者に対しましては、今後も所属長を通じた受検勧奨等を行い、多くの職員に受検してもらうよう取り組んでまいります。
 ストレスチェックは、職員自らが不調のリスクを低減させるきっかけになることや、職場の状況を分析することにより、例えば、業務分担の見直しや職員への積極的な声かけなどを行うことで、職場環境の改善につなげる効果があると考えております。
 今後も、職員に対しストレスチェックの趣旨と重要性の理解促進のための研修等を実施し、受検率の向上を図ることで職場の状況を適切に把握し、職場環境の改善につなげながら、職員が健康で生き生きと働き続けることができる環境づくりに取り組んでまいります。
        〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕

◆小佐井賀瑞宜 委員  高い受検率を誇る中で、高ストレス者の症状の幅は広いと推察いたしますけれども、8.3%というのはかなり大きい数字といえますね。大まかな概算でございますけれども、人口規模の5万人ないし7万人程度の自治体の全職員数に匹敵する数ではないのかなというふうに感じたところでございます。そのような意味で、やはり深刻さを感じたところでございます。
 この事業は、平成28年に始まったとの説明でございますけれども、本来ならば、15年ほど遡り、市町村合併以前、合併後、指定都市移行後、熊本地震発生時、そして、コロナ問題発生後で比較対照すれば、幾分か問題の背景も見えるのではとも私なりに感じたところでございました。しかし、聞くところによると、分析も容易ではないような感じがいたします。改めて難しさを感じたところでございます。
 ただ、これまで市役所の中の環境変化は、常時繰り返される中で、特にこの7年間は明らかに職場環境が激変していたというふうに感じているのは私一人ではないはずでございます。また、昨今は年を追うごとに、特に公務員倫理の強化にさらされる中で、役職の変化をはじめ急激な人員構成や配置換えなど、職場環境と事業の変化など、様々な要素が絡んでいたと思っております。その上で、人事院の指針に翻弄され、給与水準も停滞したままでございますので、精神作用に至らないほうが不思議なくらいです。疲労こんぱいの傾向は増加しても当然といえるのではないでしょうか。
 そのような状況を鑑みますと、事業の現状としては有効的とは思いますけれども、対処療法的な形は否めず、やはり本事業が主体となって人員管理を促しても健康被害防止効果に限界があるのではなかろうかというふうにも危惧いたしております。その意味では、職員のための福利厚生の分野から財源を拡充されてはいかがでしょうか。市役所職場全体の活気を促すためにも、部局内だけではなく、横断的に職場内のコミュニティーの機運を高めるためのレクリエーション事業など、バラエティーに富んだ企画を行い、これを公費をもって実施されても差し支えないというふうに私は判断いたしております。
 まちづくりも地域経済の出発点は公的機関であるという事実を鑑みれば、健全な職員の成長を促すことは健全なまちをつくるための最初の一歩です。そして、元気にまちづくりにいそしむ風土を醸成させ、職員が市民のために奉職することは市全体、市民全体に資することで、何ら批判の対象になることではないと思います。
 幸いなことに、先般私が本会議質問でも掲げましたコロナ関連の交付金の使途は、幅広く柔軟に対応できるはずです。現況としてはこの交付金の活用も一案でございますが、福利厚生の事業の拡充について、市長にお尋ねしたいと思います。
        〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  職員の福利厚生については、「熊本市職員厚生会」を設置し、職員の健康維持や心身のリフレッシュを図る取組を行っておりまして、これまで職場対抗のスポーツ大会やウオーキングキャンペーンなどを開催してまいりました。このような取組によって、健康の維持や職場内、あるいは職場間のコミュニケーションの向上はもとより、職員間の相互理解と良好な人間関係の構築を図ることで、全ての職員が生き生きと仕事ができる職場環境づくりにつながるものと考えております。現在はコロナ禍において、様々な制約はございますが、その時々の状況に応じた取組を実施し、職員の活力の増進につなげてまいりたいと考えております。
        〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕

◆小佐井賀瑞宜 委員  ぜひお願いいたしたいと思います。
 なお、担当課の御努力はよく分かりましたので、私も静かに見守ってまいりたいというふうに感じております。
 加えて申し上げますが、このような提言を3月の予算審議に入って行いましても、議論に時間を要しますので、あえて今回の決算審議に乗じて御提言させていただきましたので、その点は皆様方にも何卒御理解をいただきたいというふうに存じます。
 それでは、次に移ります。
 資料はP37、そして、P60ないし69、P100です。それぞれ御参照いただきながらお付き合いいただきたいと存じます。
 まずは人権啓発並びに人権擁護の件から提起させていただきます。
 この件で特に注目すべきは、新型コロナウイルス感染症に関する人権啓発として、大きく以下の2点について、重点的に対応が図られてきたというふうに考えております。
 1点目は、感染症に罹患された皆様への差別発生防止、2点目が、新型コロナワクチン接種の有無による差別発生防止です。
 1点目の件は、2020年の新型コロナウイルス感染症が問題視され始めた当初、罹患された方々への周囲の視線は冷ややかであったというふうに感じておりますが、現在では、事業展開が進むにつれて、その効果がしっかりと発揮されたと感じています。この点は引き続き御尽力をいただきたいと存じます。
 さて、問題視されますのが、2点目のワクチン接種の有無による差別発生です。そして、この件に付随した同調圧力の件であります。この件は、本会議質問や議会コロナ対策会議で課題提起させていただきました。しかし、現在に至るまで鎮静化することなく、私の下にも幾度も相談が寄せられておりますので、大変危惧いたしております。
 これまで個別案件を持って担当課とも幾度か協議したことがございますけれども、課題発生の一番の要因は、被害をもたらす方の認識不足のこの一言につきます。市としては問題の要因が判明している中で、同調圧力防止に対してどのような対応を講じられてきたのか、御提示いただきたいと思います。あわせて、同調圧力等の事案について、人権擁護委員と相談窓口に寄せられた相談件数とその内容について御提示ください。文化市民局長に見解を求めます。
        〔横田健一文化市民局長 登壇〕

◎横田健一 文化市民局長  ワクチン接種の有無による差別や偏見が原因となり、職場や地域などで不当な扱いを受けることは決して許されるものではございません。このことから、令和3年度におきましては、市政だよりや市ホームページ等による情報提供や啓発を行うとともに、12月の人権週間に合わせて、テレビCM放映、SNSによる情報配信、さらにポスターの配布やウエットティッシュなどの啓発グッズを製作・配布を行い、コロナ差別に対する啓発に努めてきたところでございます。
 また、令和3年度に熊本地方法務局の人権相談窓口に寄せられました新型コロナウイルス感染症関連の相談件数は、約70件でございました。全国で寄せられた相談の中には、ワクチンを接種しないことを理由に、病院長による患者に対する差別的な取扱いなどがあったと聞いております。また、市の窓口に寄せられた相談には、職場・町内会などからワクチン接種を強く求められたとの相談もあったところでございます。
 このようなことから、今後も正確な情報を市民の皆様に発信し、差別は許さないというメッセージを強く発信していくことが重要であると考えております。
        〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕

◆小佐井賀瑞宜 委員  市の担当課の努力は認めます。しかしながら、行政が熱意を持って取り組む中で、何ゆえ今もなおワクチンの接種の有無による差別同調圧力が後を絶たないのでしょうか。答弁によると、医療関係者や職場の管理者、そして、地域の自治会に至るまで、関与された現実例がございます。
 それでは、ここで冷静に振り返ってみたいと思います。同調圧力を行っている当事者は、新型コロナウイルス感染症やコロナワクチンに関する正しくてタイムリーな高レベルな情報が明らかに定着しておりません。だからこそ、当然のごとく言動には罪の意識はありません。言わば加害者であり、この方々も被害者であります。だからこそ行政は正しい道へといざなってあげることが必要です。そのための人権啓発です。しかしながら、私の知る限り、県と市の行政の相談窓口に寄せられた件数は40件程度と聞き及ぶ中で、熊本地方法務局へ寄せられたコロナ関係の相談件数は70件です。公的窓口は機能しているものの、世情にタイムリーに反応できているのでしょうか。
 難しい分析のようでございますけれども、同調圧力に関し、この1年間で私だけが見聞きした案件、不安視するケースや相談が寄せられたものはざっと50件は超えております。これは何を意味するのかお分かりでしょうか。近くに頼れるシステムは存在しても、利活用に至らないケースがあるのではないかと推察いたしております。これは市民救済の仕組みそのものが市民からは遠いところにあるということではないでしょうか。
 市民にとっては、まずは人権擁護委員さんや身近な相談窓口の活用が必須です。そのためにも自治会をはじめ団体の会合等を通じ、じかに個人情報に配慮した具体例でも挙げながら、市民により近いところから地道に啓発を繰り返すことが必要だと思っております。それだけでも同調圧力もおのずと沈静化に向かうはずです。同調圧力防止の啓発を強化して人権擁護のシステム機能を有益なものにしていただけませんでしょうか。文化市民局長に答弁を求めます。
        〔横田健一文化市民局長 登壇〕

◎横田健一 文化市民局長  さきに述べましたように、新型コロナウイルスワクチンに関する差別や偏見が職場や自治会などの身近なところでも起こっていることから、自治会等へのコロナ差別防止の啓発だけでなく、市民に身近な区役所等においても、人権擁護委員による人権相談が行われていることを周知するなど、熊本人権擁護委員協議会等と連携した活動に取り組んでまいります。
        〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕

◆小佐井賀瑞宜 委員  よろしくお願いいたします。
 同調圧力を生じさせる方々は、社会のために、みんなのためにとの思いが募っての言動であることは間違いありません。純粋な思いから、正義感からそれぞれが自発的に注意喚起を促すわけです。ただ、ワクチンを接種すれば感染しない、あるいは感染の可能性が低い、ワクチンを接種すれば他人に感染させない、ワクチンを接種しないと他人に感染させるおそれがある、このような医科学的知見の正確さを欠いた判断の定着がこの問題の根源にあります。そして、以前は接種を拒む方々に対しては、社会の正常化を妨げる存在であり、公益性を重んじない自己中心的のような機運が漂っておりました。
 しかし、政府見解が今では、ワクチンはデータに基づく正規の審議を経て、各個人の発症防止や重症化防止と定義づけられております。だからこそ、現段階では接種を強要する方々は人権侵害や刑法に抵触するおそれさえございますので、医科学的な知見や正式な客観的データに基づく正しい啓発が重要であります。それでも社会では今なお、なぜか同調圧力という問題の発生を耳にするのは不可解としか言いようがございません。
 そこで、その解消策に奔走していたところ、その問題の根源につながるような資料を発見しましたので、皆様方のお手元にその資料を御用意させていただきました。どうぞ御覧いただきたいと思います。
 これは、九州圏域内のある県庁のホームページに掲載されていたチラシポスターでございます。情報を得て、私も自ら確認をさせていただきました。チラシポスターは当然啓発を行うための大切なツールであります。では、行政が発信したこのポスターから受ける印象、またはキャッチフレーズで何を語ろうとしているのかは、皆様方にも理解が進むと思います。特に赤い文字を用いて強調されています。
 そこで、政策局長にお尋ねいたしますが、熊本市では、このようなポスターなどを利活用し、広報した事実がありませんでしょうか、また、このような類似した事案はありますでしょうか。
 そして、健康福祉局長にお尋ねいたしますが、公式の医科学的知見を踏まえた場合、熊本市がこのような人のためにとの表現を用いて、ワクチン接種事業の推進を図ることは適切であるとのように判断されますでしょうか。それぞれに答弁をお願いいたします。
        〔田中俊実政策局長 登壇〕

◎田中俊実 政策局長  本市においては、ワクチン接種に関して、接種は強制ではない旨を記載した上で、新聞広告等で広報しておりますが、お尋ねのようなポスター・チラシ等を活用した広報は実施しておりません。
        〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕

◎津田善幸 健康福祉局長  新型コロナワクチン接種はあくまで任意であり、一人一人自ら判断すべきものでございます。そのため、接種を強制したり、接種をしない方に対する不当な差別や偏見、また、不当な取扱いが生じるような誤解を招く広報は適切ではないと考えております。
        〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕

◆小佐井賀瑞宜 委員  熊本市としては、両局ともに賢明な御判断でいらっしゃると感じました。そして、このポスターに関しては、これは明らかに他の人を守るために接種を促すポスターであります。医科学的知見から申し上げれば、個々の発症防止、重症化防止であれば、あなた自身を守るためにでこれは十分であるはずです。政府の公式見解とはずれが生じております。全くもってこれは適切な情報とは言い難い。今や接種は強要していけませんと言いながら、一方では、人のためにと訴えかける。これは完全な行政側のダブルスタンダードであります。はっきり申し上げますが、市民の判断を惑わす元凶であります。他の自治体で実施されていることとはいえ、ワクチン接種は全国的な事業です。このような事例を社会が容認することで、周辺域や他の自治体の考え方にまで悪しき影響を及ぼします。
 現にこのチラシ・ポスターの広がっている地域にお住いのワクチン後遺症で悩んでいらっしゃる方がいらっしゃいます。私はじかに2回お会いいたしました。その方は若い看護師さんで、職場の同調圧力によって接種を行い、現在つえをついて大変御不自由な生活を強いられていらっしゃいます。本人だけでなく、家族皆さんの御心痛を思えば、胸が痛みます。ワクチン接種の後遺症に苦しむ方からすれば、本日ここに提示したポスターには、どこにも思いやりの心は見当たりません。このような現実に目を向けながら、確定的な論拠を持った公平公正な情報の流布、そして、啓発活動に励んでいただきたいとすごく願っております。
 さて、本日はコロナ禍で生じた課題という点で、情報の怖さやその取扱いについて論じさせていただきました。いまだ収束の見えないコロナ禍においては、人の流動性が損なわれ、コミュニティーが衰退する中で、情報だけが頼りになる社会になりつつあるようでございます。それゆえ、情報災害が発生しないよう、正しい情報の見極め方や発信力が求められます。これこそが情報リテラシーであります。しかし、社会は混迷期です。先般から事の真実とは食い違ったような情報が社会全体に蔓延しようといたしております。政治に関わる者として、非常に危険視いたしています。
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 このように今社会に渦巻く空気の存在は、先行き不透明なコロナ禍によって醸成されつつあると不安は募りますが、もともとの要因たるは、情報リテラシーの衰退そのものでしかございません。────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────(83字取消し)
 降壇に際し、今回の質疑を通して、情報というキーワードを今後市政運営において留意すべきということを申し述べて、これにて私の質疑を終結させていただきたいと存じます。お付き合いをいただき、ありがとうございました。(拍手)

○倉重徹 委員長  小佐井賀瑞宜委員の質疑は終わりました。
 以上で、自由民主党熊本市議団の質疑は終わりました。
 総括質疑の途中ではありますが、本日の審査はこの程度にとどめ、残余につきましては、明16日金曜、午前10時から再開したいと存じます。
 これをもちまして、本日の委員会を閉会いたします。
                            午後 1時56分 閉会


出席説明員
   市長       大 西 一 史    副市長      深 水 政 彦
   副市長      中垣内 隆 久    政策局長     田 中 俊 実
   総務局長     宮 崎 裕 章    財政局長     三 島 健 一
   文化市民局長   横 田 健 一    健康福祉局長   津 田 善 幸
   経済観光局長   田 上 聖 子    農水局長     大 塚 裕 一
   西区長      河 本 英 典    北区長      小 崎 昭 也
   代表監査委員   井 上   学    消防局長     福 田 和 幸
   教育長      遠 藤 洋 路

議会局職員
   局長       富 永 健 之    次長       潮 永   誠
   議事課長     池 福 史 弘    政策調査課長   上 野 公 一
 
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