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熊本市議会議員 たなか あつお

熊本市議会議員 たなか あつお

2023年06月23日 定例会

令和 5年第 2回定例会

  令和5年6月23日(金曜)
┌─────────────────────────────────────┐
│ 議 事 日 程 第5号                         │
│ 令和5年6月23日(金曜)午前10時開議                │
│ 第  1 一般質問                           │
└─────────────────────────────────────┘
                            午前10時00分 開議
田中敦朗 議長  ただいまより本日の会議を開きます。
      ────────────────────────────

田中敦朗 議長  日程第1「一般質問」を行います。
 発言の通告があっておりますので、順次発言を許します。
 まず、齊藤博議員の発言を許します。齊藤博議員。

         〔19番 齊藤博議員 登壇 拍手〕

◆齊藤博 議員  おはようございます。自民党の齊藤博でございます。
 令和5年第2回定例会において、一般質問の機会をいただきましたことに感謝申し上げます。
 早速ではございますが、通告に従いまして質問させていただきます。
 まず、地下水保全事業についてお尋ねいたします。
 熊本市は生活用水のほぼ100%を地下水で賄っている、全国でも類のない地下水都市であります。現在74万人都市となった熊本市は、水道水として99本の井戸から1日平均約21万立米を市内一円に配水しております。昭和52年には熊本市地下水保全条例が制定され、湛水による涵養事業や水源涵養林整備事業など、熊本市は独自の政策を進めてまいりました。昨年4月にはアジア・太平洋水サミットが熊本市で開催され、また、今年3月には大西市長自らが国連水会議2023において、水サミットの成果とともに本市の地下水保全の取組を世界に向けて発信されました。熊本市民の皆さんが地下水保全に対し、改めて理解を深めるきっかけとなりました。
 さて、熊本県内には菊陽町にTSMCの工場建設が進んでおります。また、TSMCの第2工場の県内進出の可能性もございます。そのほかにも半導体関連企業の設備投資が県内で続いていくことが予想されます。その経済波及効果は大きく、経済浮揚のきっかけとなることは間違いございません。
 一方で、TSMCの新工場が必要とする水の量は1日当たり1万2,000立米、TSMC1社で取水する量は熊本市民74万人が必要とする水道水取水量の5.7%に相当し、その量を限られた地域から取水することになります。もちろんTSMCや熊本県、関係自治体において、新たな地下水涵養に向けた取組やダムから工業用水を引き込む、地下水に頼らない、新たな取組が行われていることを私たちは知っております。しかし、それでもなお地下水は足りるのかという、漠然とした将来への不安に駆られるのも事実であります。
 現在熊本県においては、経済発展と地下水保全の両立を目指した地下水涵養指針の見直しが進められております。熊本県の指針では、地下水を取水する許可採取者は採取量の1割を目標として、地下水涵養に取り組むといたしておりますが、今般これを見直し、新規の許可採取者に対して、採取に見合う量を目標として、地下水涵養に取り組むとする方針のようであります。簡単に言うと、今までは使った地下水の1割を涵養するとしていましたが、新規に限り、今後は使った地下水の10割を涵養するとなるわけであります。
 そこで、環境局長にお尋ねいたします。
 令和3年度の地下水涵養に向けた取組を予算の実績とともにお示しください。
 また、大西市長にお尋ねいたします。
 熊本県が地下水涵養指針を見直してまで、新たな取組を始めようとしたきっかけは、今後の経済発展とともに地下水採取量が増大した場合、現状の地下水の収支バランスが確保できない可能性があると見込んだからであります。地下水が枯渇することなく未来永劫、熊本地域に受け継がれていくためにも、同じような考え方に基づき新たな行動を起こさなければならないと考えますが、いかがでしょうか。地下水涵養に対するお考えをお聞かせください。
         〔早野貴志環境局長 登壇〕

◎早野貴志 環境局長  私からは、地下水涵養に向けた取組と実績についてお答えします。
 これまでの地下水涵養に向けた主な取組といたしまして、平成元年度から白川上流の高森町や南阿蘇村等の5町2村における水源涵養林整備事業、平成16年度から熊本地域の重要な地下水涵養域である大津町、菊陽町の白川中流域において、転作田を活用した水田湛水事業などを行っております。
 令和3年度は水源涵養林につきましては、西原村に新たに3.3ヘクタールの造林、作業道の開設及び既存涵養林の除伐、補植などを行い、要した費用は約4,400万円でございました。また、白川中流域の水田湛水につきましては472ヘクタールで実施し、協力農家への助成など要した費用は約4,600万円でございました。
 その他の事業も含めまして、令和3年度の地下水涵養の実績は、第3次熊本市地下水保全プランに定める令和6年度までの目標値、3,000万立方米に対し87%の約2,600万立方米であり、74万人市民の皆様の約155日分の生活用水使用量に相当する地下水を涵養しております。なお、地下水採取量につきましては、目標値1億600万立方米に対し1億270万立方米に減少し、目標を達成しているところでございます。
         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  本市の地下水涵養の状況等につきましては、ただいま担当局長が御答弁いたしましたとおり、半導体関連企業等の進出も踏まえ、地下水の採取量と涵養量のバランスをさらに図る必要があり、市民や事業者の皆様と課題の共通認識を持ち、地下水の涵養対策に加えまして、水質保全や節水対策に連携して取り組むことが重要であると考えております。
 今後、熊本県の地下水の涵養の促進に関する指針の見直しに併せまして、第3次熊本市地下水保全プラン及び涵養、水質保全及び節水対策について具体的取組等を定めました、熊本市地下水保全対策指針の見直しを行ってまいります。
 また、涵養量のさらなる増加に向けまして、今年度から熊本県やくまもと地下水財団等と連携いたしまして、白川中流域等における水田湛水期間や面積を拡大いたしますとともに、雨水浸透施設の設置促進を強化しております。今後も、熊本市民にとってかけがえのない地下水を、将来にわたりその恩恵が享受できるよう、地下水の保全に全力で取り組んでまいります。
         〔19番 齊藤博議員 登壇〕

◆齊藤博 議員  市長は熊本市地下水保全対策指針を見直し、積極的な地下水保全に努めるとの御見解を明確にされました。将来にわたり水資源の確保を図ることができるよう具体的な数値目標を掲げ、最善を尽くしていただきたいと存じます。
 一方、環境局長の答弁にありましたように、令和3年度の事業概算で熊本市は地下水量保全対策として9,000万円の予算を割いております。そのうち水道事業者は3,100万円を一般会計に繰り出し、熊本市はそれを一部財源といたしております。また、水道事業者は別途2,400万円をくまもと地下水財団に負担金として拠出するなど、地下水量保全対策のため水道事業者は合計で5,500万円を支出しております。
 熊本市の水道事業者は、熊本県内最大の地下水取水事業者であります。熊本県は今後新規で地下水を取水する許可採取者に対して、採取に見合う量を地下水涵養に取り組むこととする意向でありますが、既存の許可採取者である熊本市の水道事業者には、新たな義務が課せられることはありません。しかし、そこは県内最大の取水事業者である熊本市水道事業者。地下水採取に見合う量とはいかないまでも、取水した分の3割~4割程度の涵養目標を掲げるべきと考えます。
 幸い熊本市水道事業の決算状況は総収入120億円、純利益28億円、利益率は23%を超えます。また、自己資本は779億円に上り、自己資本比率は57.8%。さらに単年度のキャッシュフローは年間76億円を確保するなど、極めて高い収益構造と強靭な企業体質を維持しております。今後の新たな設備投資やメンテナンスに備え、自己資本を厚く、内部留保に努めることは当然のことと考えます。
 しかし一方で、熊本市74万人の水道水を所管する水道事業者は、収益の源となる地下水の保全にもっと積極的に取り組むべきと考えます。水源涵養林整備事業や水田涵養事業、浸透ますの助成事業等へ資金の拠出を含め、積極的に取り組んでいただく姿勢に期待いたしますが、いかがでしょうか。水道事業管理者にお尋ねいたします。
         〔田中陽礼上下水道事業管理者 登壇〕

◎田中陽礼 上下水道事業管理者  本市の水道事業は取水量の全てを地下水に依存しており、熊本市上下水道事業経営戦略の前期実施計画におきまして、取水量に対する地下水涵養量の割合を20%として指標に掲げ、地下水の保全に取り組んでおります。具体的には白川中流域の水田湛水事業や水源涵養林整備事業などであり、令和3年度決算では19%の地下水涵養を行ったところであります。
 水道事業におきましては、十分な地下水量と安定した地下水位の維持が必要であり、今後、見込まれる白川中流域における新たな地下水の採取に対しましては、採取量に見合った地下水の涵養がなされることが必要と考えております。
 そのようなことから今後、熊本市地下水保全対策指針の見直しや熊本県の指針の動向を踏まえ、熊本県や周辺市町村、関係部局などとも連携しながら、令和7年度から実施いたします経営戦略の後期実施計画におきまして、地下水涵養の新たな指針を設定してまいります。
         〔19番 齊藤博議員 登壇〕

◆齊藤博 議員  熊本市の水道事業者は県内最大の取水事業者であります。ぜひ地下水保全事業の中心的役割を担いつつ、未来の世代が地下水不足を憂うことがないよう、今できることを確実に実践いただくよう強くお願い申し上げておきます。
 続いて、東部環境工場の施設整備についてお尋ねいたします。
 東部環境工場は、現在、熊本市東部環境工場長寿命化総合計画に基づいて、工事実施時期を昨年度~令和8年度までの5か年計画とし、工事概算額93億円で長寿命化に向けた改修工事を進めようといたしております。特に今年度以降、本格的な改修工事が進められると聞いております。
 しかしながら大規模な改修工事を進めようかという矢先、令和5年1月に東部環境工場において大きな火災が発生いたしました。令和5年1月28日午前零時4分、火災発生の119番通報がなされ、鎮火が確認されたのは同日の18時1分。実に18時間にも及び、火を消し止めることができませんでした。出火の原因は、ごみに混入した乾電池やモバイルバッテリーなどが発火した可能性が指摘されております。幸い4日間の工場停止期間中、西部環境工場でごみの全量を受け入れることができたことで、市民の生活には影響がなかったとも聞いております。
 一方、今般の火災を踏まえ、市は3つのことを実践するといたしております。
 1つ、火災発生から鎮火までの検証を十分に行い、施設の消防計画などへ反映すること。
 2つ、市民に乾電池などの発火性を認識いただき、家庭ごみの分別徹底を図ること。
 3つ、損傷箇所の復旧については、ごみの搬入計画や整備時期などを踏まえて検討するとしております。
 ごみピットの中で18時間にわたり火災が続いたこと、また、結果として工場内の一部機能をコントロールすることができない状態となってしまったことが今回の火災の大きな問題だと感じています。普通に考えて、ごみピットの中のごみは火元となり得る、すなわち火災は発生するものという前提で、工場の運営が行われるべきと考えます。
 私どもの身近にあるモバイルバッテリーとして使われるリチウムイオン電池は、発火しやすいと言われておりますし、その他の電池や可燃性ガスが入ったスプレー缶がごみに混入するのは当然のリスクと考えます。もちろんごみピット内に防火対策として、目視による放水銃等を備えていることは承知しております。しかし、その対策だけでは今回の火災をコントロールすることができなかったという事実を踏まえ、改めて環境局長に5項目お尋ねいたします。
 1つ、今般の火災について鎮火に18時間を要した理由、そして、出火の原因を改めてお示しください。
 2つ、今般の火災の検証は十分に行われているのでしょうか。そして、その検証結果は施設の消防計画に反映されているのでしょうか。
 3つ、市民に電池等の発火性を認識いただき、家庭ごみの分別徹底を図るとのことですが、その周知方法をお示しください。
 4つ、損傷箇所の整備時期を踏まえ、復旧計画をお示しください。また、現在進められている延命化整備事業計画に影響があるのでしょうか。
 5つ、今般の火災による損失額を売電ができなくなった損失分も含め、お示しいただきたいと存じます。
 それぞれ環境局長にお尋ねいたします。
         〔早野貴志環境局長 登壇〕

◎早野貴志 環境局長  東部環境工場に関する5点の御質問について順次お答えいたします。
 1点目の、鎮火に時間を要した理由及び出火の要因につきましては、消防署の見解では、まず出火原因については特定できないが、燃やすごみの中に混入していたリチウム電池などの電池類が原因と考えられるとのことでございました。
 次に、鎮火に時間を要したことについては、ごみピット内に煙が充満し火元の確認ができなかったこと、また、ごみピットは深さがあり、表面は鎮火しても下層部分で火種がくすぶっており、ごみを掘り返し確認しながら放水しなければならなかったことが要因と伺っております。
 2点目の、検証の実施及び結果の消防計画への反映につきましては、出火原因や延焼の要因の検証を行い、さらに迅速な初動対応ができるよう火災対応マニュアルを見直すとともに、消防署の協力の下、本年3月に合同訓練を実施したところでございます。また、消防計画については現在検証結果を踏まえ、消防署からの助言、指導を受けながら見直しを行っているところでございます。
 3点目の、電池等の発火性の認識と分別徹底の周知方法につきましては、バッテリーやスプレー缶など火災の原因となるごみ分別の徹底に向け、火災発生直後から市のホームページ、LINEやごみカレンダーアプリなどを通じて、バッテリーなどが原因で発火する映像を活用し、分かりやすい周知に努めております。
 4点目の、損傷箇所の整備時期を踏まえた復旧計画、また、延命化整備事業計画への影響についてでございますが、工場については、停止による市民生活への影響が生じないよう最低限の修理を行い、早期の再稼働を行ったところであり、現在、必要な修復内容の検討を行っております。また、延命化計画の改修箇所が今回の損傷エリアと重なる部分もあることから、延命化計画に影響がないよう調整を図ってまいりたいと考えております。
 5点目の、売電ができなかった損失分を含めた火災の損失額についてでございますが、現在、工場の復旧費用については精査を行っているところでございます。また、工場停止に伴う影響額については、売電や受電の費用とごみを受け入れた西部環境工場の委託料など、概算で約400万円程度と見込んでおります。
         〔19番 齊藤博議員 登壇〕

◆齊藤博 議員  鎮火に時間を要した理由の中で、当初ごみピット内に煙が充満し火元の確認ができず、結果、目視に頼る放水銃が機能せず、初期消火ができなかったとの理由が明らかとなりました。先ほども申し上げたとおり、ごみピット内はいつ発火しても不思議ではない状態と考えるべきであります。発火してもよい、延焼を未然に防止する対策を随時取っていく必要があると考えます。
 ここで、最新のごみピット内延焼防止対策を2つ御紹介いたします。
 1つ目は、AIを利用した煙を監視する方法であります。これはピット内を常に画像処理し、火災の兆候がある煙をAIが判断。火災と判断された煙のもとに対し、ピットに備付けの放水銃で消火を行うというものだそうです。
 2つ目は、赤外線カメラを利用した、ごみの表面温度測定による監視方法であります。赤外線カメラでごみピットを監視し、ごみの表面温度データを読み解き、3次元解析し火災発生位置を特定するものです。そして、発火位置やその周辺に自動制御可能な放水銃で、消火活用を行うというものだそうです。
 西部環境工場では、既に赤外線カメラによる監視システム及び目視に頼らない自動制御の放水銃が整備されております。ひょっとしたら、今回の延焼は、西部環境工場では起こらなかったかもしれません。現在、東部環境工場は延命化整備事業を進めております。5年をかけて改修し、令和21年度まで工場を維持していく計画であります。今般の火災を教訓とし、新たな安全対策や設備投資を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。環境局長にお尋ねいたします。
         〔早野貴志環境局長 登壇〕

◎早野貴志 環境局長  環境工場を適正に稼働していくためには、まずは火災の原因となる電池類やスプレー缶などの混入を未然に防止するとともに、発火した場合は早期に消火できるよう対策を講じることが重要と考えております。
 今回の火災を受け、先ほどの消防計画や各種マニュアルの見直しなど、効果的な安全対策を実施するとともに、延焼を未然に防止できるよう、議員御提案の西部環境工場などの自動消火設備や新たな技術の導入費用についても、検証してまいりたいと考えております。
         〔19番 齊藤博議員 登壇〕

◆齊藤博 議員  延焼を未然に防止する自動消火設備や新たな技術導入について、前向きな御答弁をいただきました。東部環境工場は、熊本市民にはなくてはならない重要なごみ処理施設であります。少なくとも西部環境工場には整っている、目視に頼らない自動制御機能を有する放水銃の設置など、火災を教訓とし一層の安全対策に努め、万全を期していただきたいと存じます。
 次に、結婚を希望する方への支援制度についてお尋ねいたします。
 今月2日、厚生労働省は2022年の人口動態統計を発表いたしました。合計特殊出生率は全国で1.26となり過去最低。また、熊本県においてもここ近年の減少傾向に歯止めがかからず、前年比マイナス0.07ポイントとなる1.52でありました。少子化に歯止めがかからない現状が改めて明らかとなりました。未婚、晩婚が少子化の主な原因とされますが、まさに国と地方自治体一体となって、少子化傾向を反転させるラストチャンスという認識の下、課題解決に向けた取組に注力しなければなりません。
 熊本市においても、今年4月からこども局を新設し、少子化対策を喫緊の課題と捉え、妊娠や出産、子育て支援について様々な施策を展開しております。しかしながら、熊本市においては少子化対策に向けた取組の中で、まるで抜け落ちているかのような分野がございます。それが結婚を希望される方への支援策であります。少子化対策に向けた取組は、あくまでも結婚、妊娠、出産、子育てに関わる支援であるべきであります。
 内閣府が公表いたしております、令和4年版少子化社会対策白書においても、結婚、妊娠、出産、子育ての目線で国としての支援策を明らかにしております。特に結婚分野については、地方公共団体による総合的な結婚支援の取組に対する支援策がうたわれており、交付金まで明示されております。具体的な対象事業として、自治体間連携を伴う広域的な結婚支援やAIを活用したマッチングシステムの高度化、結婚支援センターの設置及び運営、結婚支援ボランティアの育成やネットワーク化などが挙げられております。
 令和4年第3回定例会一般質問において、結婚支援事業に関する推進体制構築についてお尋ねいたしました。大西市長の答弁は、結婚支援事業へのニーズを把握し、相談支援体制の構築に向け検討するとのことでありました。そして、昨年10月には早速結婚支援に関するアンケートを実施していただきました。結果として独身者の6割を超える方々が結婚の意向があること、また、一方で独身者の7割を超える方々は交際相手がいないとの結果が明らかとなっています。独身の理由について回答が一番多かったのは、相手に巡り合えないからというものでした。行政サービスの一環として結婚支援事業を実施することは、意義のあることと読み取れる結果となりました。
 その後、昨年11月に自民党にお示しいただいた令和5年度の重点事業の中に、初めて、結婚を希望する人への支援が盛り込まれておりましたので、今年度の施策に大いに期待いたしておりました。しかし、令和5年度結婚支援事業に関する予算は僅か318万1,000円、令和4年度決算見込額とほぼ同等となっています。結婚世話人事業に至っては予算がついておりません。熊本市がお願いし、ボランティア登録いただいている結婚世話人の皆さん方の事業について、どこまで御理解いただいているのでしょうか。結婚世話人の皆さん方は今月も4つの会場で登録者の皆さん方のお引き合わせを実施したり、プロフィールカードを新たに作成したりするなど、熊本市の依頼に対して積極的にボランティアで動いていただいております。
 そのような現状を踏まえ、端的にお尋ねいたします。
 結婚支援事業を総合的に進めていくために、企業や団体に協力を仰ぎながら自治体間の連携も図ることができる、結婚支援センターの創設を強く求めますが、いかがでしょうか。大西市長にお尋ねいたします。
         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  出生数の急激な減少には強い危機感を持っており、少子化への対応は喫緊かつ最優先の課題と位置づけ、少子化の流れを変えるため結婚、妊娠、出産、子育ての切れ目のない支援に取り組んでおります。こうした中、国においては先般、いわゆる骨太の方針2023が閣議決定されまして、希望する人の結婚支援をはじめ、地方自治体が行う取組を強力に推進するため、交付金による取組を拡充するとされたところです。
 本市といたしましても、特に未婚化が進む現状において、結婚を希望する方への支援の重要性は十分に認識しておりまして、さらなる支援のためには近隣自治体や企業、団体等との幅広い連携協力が必要であると考えております。このような課題の整理を進め、国の動向を注視しつつ優先順位をつけながら、議員お尋ねの結婚支援センターの設置も含め、結婚を希望する方への支援について効果的な方法を早急に検討してまいります。
         〔19番 齊藤博議員 登壇〕

◆齊藤博 議員  国は補助金制度を創設してまで、地方自治体が行う結婚支援事業を前向きに捉えております。少子化が喫緊の課題である中、結婚、妊娠、出産、子育てへのシームレスなサポートが可能となるよう、まずは結婚支援事業を総合的に進めていくため、結婚支援センターの早期実現を強く要望していきます。
 次に、保育所等の環境改善に向けた取組についてお尋ねいたします。
 令和5年1月に厚生労働省は、保育所等における使用済みおむつの処分についてを、事務連絡として発しております。そもそも使用済みおむつについては、処分方法が保育所等で対応が分かれております。使用済みおむつを保護者に持ち帰ってもらう施設がある一方、施設で処分をしているところもございます。
 このような現状を踏まえ、使用済みおむつの持ち帰りがなくなることは、保護者にとっても保育士にとっても負担軽減につながることから、保育所等において使用済みおむつの処分を行うことを厚生労働省として初めて推奨することとなりました。そして、国は使用済みおむつの保育所での処分を推奨するに当たり、保管スペースの確保や衛生面の管理が課題と捉え、保育環境改善等事業により使用済みおむつの保管用ごみ箱の購入費用を補助するといたしております。
 今年3月に行われた熊本市の保育園を対象としたアンケートによりますと、使用済み紙おむつを保護者に持ち帰ってもらうとした保育所はおおよそ28%、保育所で処分しているとした施設はおよそ72%となっております。特に保護者に持ち帰りをお願いしている保育所に理由を尋ねたところ、保管場所に課題があること、臭いや衛生状況を考慮したこと、処分費用負担への課題があること、また、子供の健康状態を把握してもらうためといった理由が挙げられております。
 国は、使用済みおむつの保育所等での処分を推奨いたしました。使用済みおむつの処分について、熊本市の見解を改めてお示しください。また、保育所等で処分する施設については、少なくとも臭いや衛生状況改善につながる保管庫の設置助成について、本市として前向きに検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。こども局長にお尋ねいたします。
         〔木櫛謙治こども局長 登壇〕

◎木櫛謙治 こども局長  保育所等の環境改善に関する御質問にお答えいたします。
 まず、使用済みおむつの処分についてでございますが、本市におきましては、現在公立保育園を含む約7割の保育所等におきまして、施設での処分が行われております。国からの通知を踏まえまして、今後は保護者に持ち帰りをお願いしている保育所等に対し、自園での処分を推奨してまいります。
 次に、保管庫の設置など環境改善につきましては、国からも補助金の積極的な活用が示されておりますことから、本市におきましても、活用を踏まえた取組を検討してまいります。
         〔19番 齊藤博議員 登壇〕

◆齊藤博 議員  国の方針に準じ、熊本市においても保育所等で使用済みおむつの処分を行うことを推奨するという答弁でありました。さらに保管庫の設置など、国の補助金を利用しつつ積極的に検討したいとのこと。ぜひ保育所等の環境改善に向けた取組の一つと考えますので、早期の実現に期待いたします。
 次に、保育所等における食物アレルギーへの対応についてお尋ねいたします。
 一口に食物アレルギーといっても、原因物質であるアレルゲンや症状は様々であります。中にはアナフィラキシーなど重篤な症状となるおそれもあることから、一人一人に応じた丁寧な対応が必要となります。ゆえに保育所等の現場には、職員の正しい知識の習得や職員間や医療機関、行政機関との連携が求められております。
 まず、お尋ねいたします。
 本市の保育所等において、食物アレルギーを有する乳幼児はどれくらいおられるのでしょうか。また、本市として保育所等に対しどのような支援を行っているのか。こども局長にお尋ねいたします。
         〔木櫛謙治こども局長 登壇〕

◎木櫛謙治 こども局長  保育所等における食物アレルギー対応に関する御質問にお答えいたします。
 本市の保育所等におきまして、食物アレルギー対応を行っている乳幼児数は、昨年11月時点で認可施設275施設中267施設、847名でございました。在園児全体の約3.3%でございます。
 食物アレルギーへの対応は、子供の命に関わるものでございますことから、国が定めた保育所におけるアレルギー対応ガイドラインに沿った対応の遵守について、監査等において指導しております。
 また、市内の保育所などの全施設を対象とした食物アレルギー研修を毎年度実施しておりまして、食物アレルギー対応の正しい知識や危機管理、最新の知見について情報提供を行っております。
         〔19番 齊藤博議員 登壇〕

◆齊藤博 議員  食物アレルギーへの対応は子供の命に関わるものであることから、保育所等に対しガイドラインに沿った指導や、適切な情報提供を行っているとの答弁でございました。
 保育所等の現場においては、食物アレルギー対策としてアレルゲン別に調理工程を分かる必要があり、調理室の設備や人的環境など、安全に提供できる環境や体制整備が必要となります。また、調理を行う職員のみならず、配膳や食事の見守り等を行う保育士も連携し、誤食の防止など細心の注意を払いながら対応することが不可欠であります。
 このようなことから、各保育所においては、管理栄養士や調理者の確保などの人的課題をはじめ、調理スペースや調理器具、さらには代替食の確保など様々な課題がございます。その現場の課題解決に向けた取組として、多くの政令指定都市で保育所等に対する助成が行われております。例えば大阪市では、アレルギー対応等栄養士配置事業として補助金を用意しております。そのほか岡山市や浜松市、札幌市などにおいても補助金制度が用意されております。
 食物アレルギーを有する子供さん方は、一歩間違うとアナフィラキシーショックによる重篤な症状となる場合もあり、大切な子供さん方をお預かりしている保育所等の職員の方々は、日々細心の注意を払いながら緊張感を持って対応されておられます。こうした現状や実態を踏まえ、熊本市としても食物アレルギーを有する子供さん方への安全対策支援のため、保育所等における環境改善に向けた取組に対し、新たな助成事業を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。こども局長にお尋ねいたします。
         〔木櫛謙治こども局長 登壇〕

◎木櫛謙治 こども局長  食物アレルギー対応への支援についてでございますが、食物アレルギーなど特別な配慮が必要な園児への対応につきましては、代替食や除去食など安全に配慮した給食の提供を行うなど、栄養士、調理員、保育士等への負担が大きく、対策の必要性を認識しているところでございます。
 今後、国に対しまして、食物アレルギー対応に係る新たな給付費加算の追加などを要望いたしますとともに、支援策について他の指定都市等の取組を参考に研究してまいります。
         〔19番 齊藤博議員 登壇〕

◆齊藤博 議員  食物アレルギーへのさらなる対策の必要性については、認識しているとの御答弁でございました。保育所等の現場の皆さん方は御負担を抱えながらも、子供たちのために頑張っておられます。環境改善に向けた取組の一つと考えますので、早期の助成事業実現に期待を申し上げます。
 最後の質問です。
 熊本市国民保護計画についてお尋ねいたします。
 まず、この計画について簡単に御紹介いたします。平成16年9月に国民保護法が施行されました。これは武力攻撃や大規模テロなどから国民の生命、身体、財産を守り、国民生活や国民経済に与える影響が最小となるよう、国、県、市町村などの役割を定めた法律でございます。この法律を踏まえ、熊本市国民保護計画は、武力攻撃やテロなどの兆候に関する情報が提供され、あるいは発生した場合において、警報の伝達、避難住民の誘導、救援等の国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施するためのものです。
 さて、昨今の世界情勢を鑑みますと、各国の思惑をはらんだ混沌とした事案が散見されます。2022年2月にはロシア連邦がウクライナへの軍事侵攻を開始し、現在でもその侵攻は続いております。また、北朝鮮による核やミサイルの開発も世界の脅威となっています。北朝鮮による弾道ミサイルの発射回数は、昨年の2022年には31回、59発、今年は9回、12発となっております。まさに脅威としか言いようがございません。
 また、中国は尖閣諸島周辺における領海侵入や領空侵犯を含め、東シナ海、南シナ海などの海空域において、力による一方的な現状変更の試みを強化し、日本海、太平洋などでも軍事活動を拡大・活発化させております。
 台湾をめぐっては、昨年10月に開催された共産党大会において、習近平国家主席が一国二制度による台湾統一の方針を改めて示しつつ、統一のためには武力行使を辞さずとの姿勢を明らかといたしました。習近平国家主席の任期は2022年から5年間、2027年までに台湾をめぐる危機が顕在化するのでしょうか。いずれにしても日本の隣国であるロシアや北朝鮮、中国の脅威は年を追って増すかのごとくであります。
 一方で、昨年末、陸上自衛隊が西部方面隊司令部と那覇駐屯地の司令部の地下化に着手するということが明らかとなりました。地元紙の記事を引用させていただきますと、その狙いは、北朝鮮や中国の軍事動向を念頭に、南西地域で自衛隊の指揮命令系統を狙った攻撃から指令部を守るとのことであります。熊本市には九州・沖縄を所管する西部方面隊の総監部が健軍駐屯地に配置され、また、北熊本駐屯地には第8師団司令部も置かれております。国防上極めて大切な拠点を熊本市は2か所、抱えております。
 そこでお尋ねいたします。
 熊本市民の生命、身体、財産を守るため、熊本市国民保護計画においては、平素からの備えや予防、武力攻撃事態への対処等が細やかに記されております。過去、熊本市において、熊本市国民保護計画に基づく運用をどのように図ってこられたのか。その実績を明らかにしていただきたいと存じます。そして、今後の運用方針を明確にお示しください。
         〔田中俊実政策局長 登壇〕

◎田中俊実 政策局長  熊本市国民保護計画に基づく訓練や研修については、平成19年度から県、自衛隊、県警等と連携し定期的に実施してまいりましたが、熊本地震や新型コロナウイルス感染症の影響により平成28年度以降、実動訓練の実施が困難な状況となっておりました。
 このような中、日本近海への弾道ミサイルの飛来が頻発化していることや、新型コロナウイルス感染症が5類へ移行したことを踏まえまして、本年度は有事に備え、市民の皆様に近くの建物や地下へ避難していただくなどの実動訓練を国、県、市共同で実施することとしております。
 今後も市民の皆様の安全・安心を第一に、関係機関と緊密な連携を図りながら、国民保護措置を迅速かつ的確に運用できますよう取り組んでまいります。
         〔19番 齊藤博議員 登壇〕

◆齊藤博 議員  平成28年度以降実動訓練の実績はないとのことですが、一方で今年度に市民参画型の実動訓練が予定されているとのこと。有事に備えるための大切な訓練となります。国や県、関係機関との連携を図りながら、遺漏のないよう準備していただきたいと存じます。
 熊本県においては、国民保護法で規定された避難施設を指定しております。熊本市では避難施設は全部で250施設。しかし、その内訳を見てみますと爆風等からの直接の被害を軽減するため、一時的な避難のみ可能な鉄筋コンクリート造り等の施設は193施設、そのうち弾道ミサイル飛来時に24時間避難可能な施設は僅か2施設。また、地下を有する指定施設も僅か4施設となっています。熊本市民が有事に避難する施設です。とても十分とは言えない指定の数であります。熊本市の避難施設の指定については、今後、早急な改善が求められる状況であると考えます。
 また、地下の避難施設にも課題があります。市民をはじめ、多くの人でにぎわう中心市街地における地下の避難施設は大変重要であります。辛島公園地下駐車場やサクラマチ、あるいは熊本市役所の地下が指定されていないのは疑問です。市有施設の活用や、あるいは民間事業者に御協力いただきながら、市民の避難行動に支障がないよう努めるべきと考えます。
 以上のことを踏まえ、熊本市国民保護計画に基づく避難訓練の在り方や避難施設の充実を図る取組、そして計画の運用について、その方針を市長にお尋ねいたします。また、有事の際、市民の生命、身体、財産を守るため熊本市としての責任を明らかにしつつ、熊本市長として決意を表明いただきたいと存じます。
         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  熊本市国民保護計画についてお答えいたします。
 議員御指摘の弾道ミサイルは、極めて短時間で着弾することが予想されますことから、飛来時に市民の皆様に求める行動は、避難施設の指定の有無にかかわらず、直ちに近くの建物の中または地下に避難していただくこととしております。
 その上で本市における避難施設については、これまで自然災害時の指定緊急避難場所等を基本にして行ってきたところです。しかしながら、弾道ミサイル等が着弾した際の爆風等による市民の皆様への被害を軽減するためには、避難施設のさらなる確保が必要であると認識しております。
 そこで、辛島公園地下駐車場など3施設を新たに指定し、避難施設の拡充を図ってきたところでございますが、引き続き民間事業者や県等と連携しながら、避難施設のさらなる確保に取り組んでまいります。
 このような取組を進める中で、社会情勢の変化に応じて国民保護計画の見直しを適時的確に行いますとともに、市民の皆様への周知を図ってまいります。今後も常に緊張感を持って有事に備え、国、県、関係機関等との連携を図り、74万人市民の安全・安心の確保を最優先に全力で取り組んでまいります。
         〔19番 齊藤博議員 登壇〕

◆齊藤博 議員  避難施設は、緊急事態における市民がよりどころとする場所であります。その重要性を鑑み、県や民間事業者と連携し、速やかに指定施設の充足を図っていただくよう要望しておきます。
 また、市長からは有事の際に国、県、関係機関と連携しながら、市民の安心・安全の確保を最優先に考えるとの御答弁をいただきました。当然のこととはいえ熊本市民の生命、身体、財産をお守りするためにも、有事への備えに万全を期していただきたいと存じます。
 最後に、一言申し上げます。
 今日は6月23日、沖縄戦の犠牲者を追悼する慰霊の日であります。沖縄戦で亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、世界の恒久平和を祈願する日でもございます。私ども一人一人が先人への御霊に哀悼の誠をささげるとともに、未来に向けた平和という価値に思いを寄せる大切な日であります。世界で起こる戦争や紛争、ミサイルへの脅威や一方的な現状変更の試み等に対し、武力行使ではなく平和に話合いで解決することが可能となるよう力を尽くすことこそ、今を生きる我々の責任と考えます。世界の恒久平和を心から切望いたします。
 私からの質問は以上でございます。真摯に御答弁いただきました大西市長をはじめ執行部の皆さん方に感謝申し上げます。
 また、御清聴いただきました全ての皆様にも感謝を申し上げ、私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
      ────────────────────────────

田中敦朗 議長  この際、議事の都合により休憩いたします。
 午前11時10分に再開いたします。

                            午前10時53分 休憩
                            ───────────
                            午前11時10分 再開

田中敦朗 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。
      ────────────────────────────

田中敦朗 議長  一般質問を続行いたします。
 村上博議員の発言を許します。村上博議員。

         〔49番 村上博議員 登壇 拍手〕

◆村上博 議員  皆さんこんにちは。市民連合の村上博です。
 先ほどの質問、齊藤議員の恒久平和、大変感動いたしました。私たちも平和憲法の下で戦争のない世の中でないと生きていけないという立場ですので、本当に感動いたしました。これからもそういう平和な世の中を一緒につくっていければと思います。
 それでは、早速質問に入ります。
 これまで何度か取り上げました、長溝団地の浸水対策についてお尋ねいたします。
 一昨年の令和3年8月7日の大雨で、浜線バイパス沿いの長溝団地が道路面で50センチメートルほど浸水しました。避難場所の出水南中学校までの道路も冠水。住民は建物の2階への避難で精いっぱいで恐怖の一夜を過ごされました。その後、排水路のアシや泥を取り除くなど、中央区土木センターの動きは迅速で、住民からの質問にも職員が丁寧に答えるなど、浸水対策をきっかけに水災害の防災に関して、住民と土木センターとの信頼関係が一気に増したようです。
 先日も、台風2号や前線の影響で記録的な大雨のため、全国各地に被害が出ました。本市もこれから本格的な大雨や台風シーズンを迎えます。長溝団地では行政と住民との信頼関係は構築できましたが、降雨量次第では一昨年よりもさらに大きな水災害も予想されます。長溝団地住民の今後の不安解消に、どんな対策を進めるのかを関係局長にお尋ねいたします。
         〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕

◎井芹和哉 都市建設局長  当該地区の浸水状況につきましては、令和4年第1回定例会でもお答えしましたとおり、水路からの溢水箇所や浸水範囲などの状況について、地元からの聞き取りや状況確認を行い、浸水軽減に向けた対策を実施しているところでございます。
 令和4年度は、周辺水路の流末である旧天明新川の堆積土砂の撤去や、長溝団地内を通る水路のコンクリート張りを実施しており、本年度も、引き続き団地内の残りの水路のコンクリート張りやしゅんせつを実施してまいります。
 今後とも周辺水路を含めこのような対策を進めていきますとともに、大雨時における用水堰や排水機場の操作などを関係部局や地元と連携いたしまして、適切に実施していくことで浸水被害の防止・軽減に努めてまいります。
         〔49番 村上博議員 登壇〕

◆村上博 議員  6月に発生した大型の台風2号の影響で梅雨前線が刺激され、広い範囲で線状降水帯が発生し、24時間の雨量が6月として最も多くなったのは、全国で150地点を超えたそうです。長溝団地での浸水被害のような事態は、本市でも今後どこでもあり得ると思います。長溝団地の皆さんは一度恐怖を経験されただけに、今後の大雨が大変心配されるだろうと思いますが、あらゆる災害に備えて被害が出ないように、先取的に常日頃の点検等をお願いいたします。
 それでは、教育問題について3つお尋ねします。
 まず、学校施設のバリアフリーの進展についてお尋ねします。
 昨年、春日小学校に2人の障がい児を通わせる保護者から、新年度から教室が2階になるため、エレベーター設置の相談を受けました。級友との関係づくりやトイレ介助など、担任の先生の日常的な対応を感謝され、新たに2階への階段の昇降介助で先生の負担が増えることを気にされておりました。学校施設のバリアフリー化は文部科学省からも通達が出されており、また、昨年3月、私の一般質問での答弁で、教育長は全ての小中学校へのエレベーターの設置を約束されております。これは障がい者の地域での自立生活につながる第一歩として、障がい者団体からも高く評価されています。
 しかし、前回の答弁内容のエレベーター設置数は、年間4~5校程度とのことです。市内全ての小中学校の設置には25年以上の歳月を要します。教育委員会に春日小学校へのエレベーター設置の時期を尋ねたところ、春日小学校は老朽化による建て替え計画があり、建て替え時には設置されるとの回答でした。しかし、建て替え対象校は複数あり、現状、春日小学校の順番も工事計画も未定です。築60年以上の校舎と障がい児が2人在籍という事情から、工事の前倒しを検討できないものでしょうか。
 新校舎で2人の障がい児がエレベーターのボタンを押せたら、級友たちも目の前でバリアフリーに触れることになり、喜びを共有する機会にもなります。教育的効果は絶大です。また、卒業に間に合わずとも、校舎の建て替え工事に取りかかった様子を見れば、本市は障がい児に寄り添った支援を行う自治体との印象につながります。
 ハード面で対応できない場合、ソフト面、すなわち人の面で対応するという強い決意と実践があれば、今後、地域の学校への就学を相談される親子の学校や市教委への信頼感は増します。春日小学校への人員配置は、果たして十分だったのでしょうか。バリアフリー化には、何のためかというはっきりとした目的と、揺るぎない認識が必要です。本市の学校施設のバリアフリーの整備状況を教育長にお尋ねいたします。
 続いて、教育問題の2つ目、インクルーシブ教育推進への国連勧告についてもお尋ねいたします。
 障がい者の人権や自由を守ることを定めた障害者権利条約は、2006年に国連で採択され、日本は2014年に批准、条約に基づき、日本政府の取組を昨年9月、国連の権利委員会による初めての審査が行われ、総括所見・改善勧告が公表されました。勧告に法的拘束力は伴いませんが、政府は極めて重く対応を求められます。勧告では国の教育政策、法律及び行政上の取決めで、障がいのある児童・生徒は障がいを包容するインクルーシブ教育を受ける権利があることを認識すること、また、全ての障がいがある児童・生徒に対し、一人一人の教育要件を満たし、インクルーシブ教育を確保するために合理的配慮を保障するように要請が出されております。
 日本ではこれまで、障がい児教育の根底には分けるという、思想とも言える考え方が厳然とありました。私は、介助員の配置や障がい児童・生徒が在籍するクラスをサポートする十分な人員配置があれば、特別支援教育で分ける教育をしなくても済むと考えます。合理的配慮を基本とする考え方さえしっかり認識すれば、障がい児と障がいがない児童・生徒がインクルーシブな環境で学び、共に生活することができます。国連の勧告内容は、まさに分ける教育からの転換を求めています。
 そこでお尋ねいたします。今回、国連から示された総括所見をどう受け止めるのか。国連の勧告を受け、インクルーシブ教育の捉え方、考え方が変わるのか。
 また、分ける教育からの脱却を目指すのか。以上3点について教育長にお尋ねいたします。
 さらに、続けて教職員不足についてお尋ねいたします。
 全国的に、学校現場の業務の多さや残業時間数の多さが過労死を超えるケースもあり、問題となっています。本市でも教職員の働き方改革が進められているものの、それ以上に過酷な現場、ブラックな現場というイメージが長年改善されていないような印象を受けます。教員志望の学生は教育実習が必須ですが、教育実習の体験をした後、志望変更が増えるという話も聞きます。
 そこで、まず、本市の教員不足の実態とその原因をどう考えているのか。さらに教育実習後、志望者が減る理由をどう認識しているのか。
 次に、本市の学校現場の多忙さの実態と改善状況はどうか。また、学校現場の長時間労働解消には何が必要と考えるか。
 社会を支える人材を育てるのが教育ですが、本市の採用募集でも今年2倍を切ったと報じられました。教員志望の有能な学生が応募しなくなれば、様々な分野に影響を与えます。中でも一番影響を被るのは子供たちですから、本市の実情、実態を正しく教えてください。教育長にお尋ねいたします。
         〔遠藤洋路教育長 登壇〕

◎遠藤洋路 教育長  教育に関する御質問について3点お答えいたします。
 まず、学校施設のバリアフリーの状況です。
 小中学校のバリアフリーの整備状況はスロープ等が97校、バリアフリートイレが101校で整備が終わっており、令和7年度末までに全校の整備完了を目指しております。エレベーターについては25校の整備が終わっており、今年度は6校の整備を予定しております。
         〔議長退席、副議長着席〕
 議員御案内のとおり、春日小学校については熊本市学校施設長寿命化計画において、校舎の建て替え時にエレベーターを整備することとしております。そのため現在在籍中の児童への対応として、今年度は学級支援員を増員しております。今後も学校施設のバリアフリー化を計画的に進めてまいります。
 次に、インクルーシブ教育についてです。
 障害者の権利に関する委員会の総括所見について、教育に関する内容についてお答えいたします。
 本市では、子供たちが地域の学校で学ぶことを基本とし、就学に当たっては本人、保護者の気持ちに寄り添った就学相談や、合理的配慮に基づく環境整備に努めてまいりました。このことはインクルーシブの考え方に沿ったものであると捉えております。同時に、学校や教育委員会に寄せられる意見として、特別支援学級等で専門的な指導を受けたいという声もあるため、教育的ニーズに応じて学びの場を選べるような整備も必要であると考えております。
 障がいのあるなしにかかわらず、共に学び育つことにより、子供たちの中に思いやりの心が芽生え、心豊かな社会の形成につながると考えます。共生社会の実現に向けて、引き続き学校のバリアフリー化や学級支援員の拡充等、必要な整備を行うとともに、交流及び共同学習の充実を図りながら、子供同士の相互理解につながる取組を推進してまいります。
 次に、教員不足問題に関してです。
 本年6月1日現在で小学校19人、中学校2人、高校3人、特別支援学校1人の計25人分の教員未配置が生じております。昨年同時期の32人と比べると改善しているものの、依然として厳しい状況が続いております。
 教員未配置の発生は、これまで正規教育の欠員を補ってきた臨時的任用教員の登録者が減少していることが原因であると認識しております。近年35人学級の導入で毎年25人程度、特別支援学級の増加で毎年30人程度必要な教員数が増えている上、定年退職者数が毎年180人程度いることに伴い、正規教員を大量に採用してまいりました。多くの臨時的任用教員が正規教員になっていることが、臨時的任用教員の不足につながっているものと考えます。
 各大学で教育実習後に教員志望者が減少しているという実態があるのか本市では把握しておりませんが、本市の教員採用試験における現役学生の志願者数は5年前の1.7倍となっており、現役学生の志願者は増加傾向にあるところです。
 次に、学校現場の多忙さの実態と改善状況についてですが、教職員の働き方改革については、学校改革!教職員の時間創造プログラムを策定し、時間外の在校等時間の削減や年休の取得促進等に取り組んでおります。その結果、本市の教職員の時間外の在校等時間は、全国平均と比較すると1日当たり1時間以上短くなっております。また、時間外の在校等時間が月80時間を超過する教職員は、計画策定前の平成29年度から7割以上減少しております。年休の取得日数についても増加しており、全体として教職員の多忙さは改善してきていると考えます。
 しかしながら、教職員の勤務環境はまだまだ厳しいことは事実であり、今後も改善の余地がございます、今年度は部活動改革や学校へ出す文書の整理削減、教育DXの推進等に取り組んでいるほか、長期休業中に年休を取得しやすくするための条例改正案を本議会に上程させていただいております。このように多角的に教職員の働き方改革に取り組み、教職員の長時間労働の解消を図ってまいります。
         〔49番 村上博議員 登壇〕

◆村上博 議員  今回、学校設備のバリアフリーの件では春日小学校を例に出しましたけれども、私は、本市がバリアフリーシティーと呼ばれる政令市になることを願っております。それは、やはり私の15の春のことが一番根底にあるからであります。
 今回の改選で新しく議員になられた新人の皆さんは、御存じないだろうと思いますので御紹介いたしますが、私が高校入学のときに高校の校長から校長室に事前に呼ばれ、あなたがここに来ることは迷惑だ、もし、ほかの生徒が故意に階段から突き落としても責任を求めないならば、入学を認めるということを言われ、私はそれでもいいですから入学させてくださいと言った、15の春の経験があります。
 障がいを持っていることで普通に、当たり前に高校に行くことができない。迷惑がられている。そういう経験をした私にとっては、その当時はあり得ない話ですけれども、もし、その高校にエレベーターがあったなら、絶対あのときの校長はそんな発言をしなかったのではないかと思っております。
 熊本市内全ての小中学校、135校あります。エレベーターを必要とする全ての子供たちのために、エレベーターが全部の学校に設置されていれば、大変安心して地域の学校へ行けるだろうと思います。そして全ての市民が、熊本市には全部の学校にエレベーターが設置されているんだということを、誇りを持って周りの人たちに伝えることができるのではないかと思っております。障がいを持った子供たちがほかの子供たちと同じように大事にされること、それは教育を受ける権利が当たり前に保障されるような学校の環境、設備を整えることにもつながるだろうと思っております。
 それから、インクルーシブ教育の国連の勧告についてですが、私は、障がい児は障がいを持っていない子供たちと、一日も早く出会うことが大事だと思っております。出会って関わりを持つことで、相互の理解が生まれます。障がいを持っていない子供たちも手助けを自然と身につけます。就学前の早い段階から出会うこと、その大事さを私は体験から感じています。インクルーシブな環境で共に暮らせば、お互いを分かり合えます。インクルーシブ教育は、障がいを持っていない子供たちにも絶対に必要なことだと思います。
 教員不足の件については、6月1日現在で25人の未配置が生じているとのことです。また、地元紙では教員の志願倍率が2倍を切るなど、明らかに教員不足が進行しているのが本市の実態だろうと思います。学校の多忙さなどでブラックな現場という印象がついてしまいました。いろいろな努力をされておりますけれども、一旦ついてしまった印象を拭い去ることはとても難儀なことです。劇的には変わらないと思いますが、払拭するために、今後、具体的な対策を根気強く進めていただくことを強く要望いたします。
 福祉問題について3つのお尋ねをいたします。
 まず、最初に重度障がい者の入院時のヘルパー利用についてお尋ねいたします。
 重度障がい者が入院するとき、本市では8つの総合病院で重度訪問介護事業を利用し、ヘルパーの付添いができます。しかし、近隣の、ある総合病院では付添いを認めておりません。たんの吸引など1分1秒の急を要する事態のときなど、まさに命に関わる問題です。本市では、重度訪問介護事業による入院時のヘルパーの付添いを、新型コロナウイルス感染拡大前のように利用できるのかどうかを、健康福祉局長にお尋ねします。
 それから、障がい者の問題について、65歳問題についてお尋ねいたします。
 障がい者が65歳になり、障害福祉サービスから介護保険に移行する際には、1割負担が伴います。負担分は2年後に返金されるそうですが、介護保険へ移行直後の2年間がとても大変だ、という切実な声があります。本市での立替えはできないのでしょうか。介護保険への移行のタイミング次第では、福祉サービスの総量が減らされる問題が既に起きております。障がい者にとって福祉サービスは、地域での社会参加を持続する上での最大のよりどころです。この事態に本市はどう対応されるのか。障がい者は65歳問題にとても強い危機感を感じています。何らかの改善策を示してください。健康福祉局長にお尋ねします。
 福祉問題の3つ目、障がい者の地域移行についてお尋ねいたします。
 1970年代、施設を出て街で暮らそうをスローガンに、障がい者の地域自立生活運動が関西を中心に盛り上がりを見せ、その高まりは野火のように地方へも広がり、熊本でも自立生活運動が広がりました。しかし、そうした動きに対し、家族も強く否定し、社会全体も、重度の障がい者が1人で暮らせるわけがないと見ていました。
 そうした時代から半世紀以上が経過し、生まれて死ぬまで施設暮らしは嫌だという障がい者の強い思いは社会を動かしました。国連では障害者権利条約が採択され、日本も批准しました。それからバリアフリー法が制定され、障害者差別禁止法には合理的配慮規定が盛り込まれ、合理的配慮を行わないことは差別とも規定されました。
 象徴的なことは、重度障がい者の入浴回数です。週に二、三回だったものが現在では毎日の入浴でもよいと変わってきました。先ほどの教育問題でも触れましたが、2022年の国連勧告の中で、障がい者の地域移行についても強く改善を求められております。国連の勧告は障がい者の社会参加を今後進めていく上で、大変重要な意味を持ってきました。
 そこでお尋ねいたします。
 今後の社会参加の施策を推進する上で、これまでも障がい者市民からの意見を聞かれてきたと思いますが、勧告では、地域移行と障がい者の意見を聞くことが改めて指摘されました。勧告の内容をどう受け止め、また、今後の施策にどう反映させるのかが問われることになりました。また、地域移行も今後どのように変わっていくのか、総括的に市長にお尋ねいたします。
         〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕

◎津田善幸 健康福祉局長  私からは福祉問題に関する2点の御質問にお答えいたします。
 まず、1点目、重度障がい者の入院時のヘルパー利用についてです。
 本市におきましては、重度訪問介護を利用されている方が入院中の医療機関において、ニーズを的確に医療従事者へ伝達できるよう、新型コロナウイルス感染症の拡大前と同様、利用者の状態等を熟知しているヘルパーを御利用いただくことができます。
 次に、2点目、障がい者の65歳問題についてです。
 障害福祉サービス受給者の方が65歳に到達し、介護保険に移行した後に御利用された障害福祉サービスに相当する介護保険サービスの利用者負担分につきましては、一定の要件を満たす場合に償還できることとなっております。なお、この制度には初めから利用者の方が負担金を支払う必要のない、立替え払いの仕組みはございませんが、償還までに2年程度の期間を要する点につきましては、国保連合会等他の関係機関等との連携を強化し、可能な限り速やかに償還金の受け取りができますよう検討してまいります。
 また、65歳を迎えた障がいのある方が円滑に各種福祉サービスへの切替えができるように、関係機関同士の連携を強化し支援の質を向上させることで、安心してこれまで同様の生活を継続していただけるよう努めてまいります。
         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  昨年9月に出された障害者権利条約に基づく国連の勧告について、政府は、障がい者の希望に応じた地域生活の実現や一層の権利擁護の確保に向け、引き続き取り組んでいきたいと述べております。
 本市はこれまで、障がい者の権利を守り、地域社会における障がい者の自立支援や社会参加に取り組んでまいりましたが、国連の勧告を踏まえ、障がいの有無にかかわらず誰もが地域の構成員として安心して暮らし、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会こそが目指すべき姿であると、改めて意を強くしたところでございます。
 障がい者の社会参加の施策を進めるに当たっては、これまで以上に当事者お一人お一人の御意見を傾聴し、本人や御家族が望まれる支援等の充実を図りながら、地域住民の皆様に対し、障がいへの理解を促進していくことが必要であると考えております。
 今後も障がいのある方たちが生き生きと地域で生活できる社会の実現に向け、障がいのある方の生活の視点に立った新たな施策の検討や、地域移行の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
         〔49番 村上博議員 登壇〕

◆村上博 議員  重度障がい者の入院時のヘルパー付添いについては、新型コロナウイルス拡大前同様に利用できるとのこと。本当に安心しました。それから、65歳問題も償還金の受け取りや各種の福祉サービスへの切替えは、当事者が安心して暮らせるようにしっかり取り組んでいかれるということです。ぜひお願いいたします。
 また、障がい者の社会参加の地域移行に関しては、国連から政府に出された総括所見の指摘は厳しいものでした。地域移行に取り組んでいるつもりでは、世界に認められないということです。本市での地域移行においても何かバリアになっていることはないのかなど、障がい当事者団体からしっかり意見を聞き、常に見直しをしてほしいと思います。当事者に徹底して聞き意見交換するという、本市のこれまでの取組が全国に誇れるように強く要望いたします。
 里親問題の現状と課題についてお尋ねいたします。
 質問に入る前に、ちょっと皆さんにお伝えしたいことがあります。先日、フォスタリング機関が開催しました里親問題の講演会の内容が地元紙に掲載されました。すると読者から自分も手伝いたいとの電話が事務局に何本もあったそうです。里親制度は、いい流れで関心度が上がっていますと、事務局の人はうれしそうでした。読者の反応は私もうれしく思いました。
 それでは、質問に入ります。
 まず、1番目、ショートステイ事業の推進についてです。
 昨今、本来子供たちを守るべき施設で様々な問題が全国で起こっており、残念ながら熊本市でも虐待が疑われる事案が発生しました。これまで子供支援問題に取り組んできた私にとっては、とてもつらい話です。このような事案が起きないように、本市も今後しっかり対応されることを、心からお願いいたします。
 さて、熊本市は令和3年度より、包括的な里親支援センターである、フォスタリング機関と児童家庭支援センターの民間委託を行い、一定の成果を上げてきました。フォスタリング機関は、里親への委託を推進するため、里親のリクルートから研修、マッチング、委託後の支援に至るまで一貫した里親支援を行う機関であり、本市児童相談所と連携し、設置から2年間で里親登録数を100世帯から120世帯に増やし、里親委託率も20.85%に向上、子供たちにとって安心・安全な家庭養育の場を増やすことにつながっております。
 令和4年6月議会の古川議員のフォスタリング機関に関する質問への答弁の中で、里親委託推進の課題として、さらなる里親の登録数増加と養育スキル向上が答弁されました。私はその対策の一つとして、国が推奨するショートステイ事業の受皿として、里親の活用が効果的であり、重要ではないかと考えます。里親に登録してすぐに長期間子供を預かることは、里親には大変大きな負担です。そこで、短期間であれば負担も軽いため、ショートステイを推進することで、委託を経験していない里親のスキル向上や人材発掘、制度の啓発につながるのではないかと思います。
 そこで、こども局長にお尋ねいたします。
 短期間の預かりを積極的にPRし、里親登録を増やしている兵庫県明石市のような先進的な取組を参考に、里親のショートステイ事業を積極的に推進すればと考えますが、いかがでしょうか。
 それから、続けて2・2・2体制への市長の見解をお尋ねいたします。
 さらに、もう一つの民間委託である児童家庭支援センターは、区役所の保健こども課や児童相談所と連携し、虐待を含む不適切な養育を受ける子供たちや、支援を必要とする親、家庭のサポートを行い、子供の福祉向上に貢献しています。
 しかしながら、これも昨年6月、古川議員からの児童家庭支援センターに関する質問への答弁で、相談実績件数は契約時の見込みを上回っているが、児童家庭支援センターの工夫や尽力で相談に対し十分な対応をいただいているとの答弁でした。この答弁に私は非常に懐疑的であります。1つの機関だけでは今後も増え続ける相談件数に対して、もはや工夫や尽力だけでは、丁寧な対応は困難になることが十分に予想されます。それは児童相談所の対応も全く同様です。
 そこで私は、2・2・2体制を提案いたします。2・2・2体制とは、熊本市に児童相談所、フォスタリング機関、児童家庭支援センターをそれぞれ2つずつ設置することを意味します。国の設置基準では、人口20万人から100万人に1つの児童相談所となっております。熊本市は人口で100万人には届いていませんが、本市の子供たちが置かれている厳しい現状を考えると、2つ目の児童相談所が必要な状況だと考えます。その下にそれぞれフォスタリング機関と児童家庭支援センターを設置する2・2・2体制を実現させれば、将来の貴重な人材である子供たちを守り、育てることにつながります。
 今、相談・支援体制の充実、強化を図らないと社会的養護の必要な子供だけではなく、本市に暮らす全ての子供たちを守れなくなると思います。子供たちは今後の熊本市を担う大事な人材です。熊本市の将来を考える重要な話です。市長の見解と併せて、ぜひ私の提案に対しての御答弁をお願いいたします。
         〔木櫛謙治こども局長 登壇〕

◎木櫛謙治 こども局長  里親によるショートステイ事業についてお答えいたします。
 ショートステイ事業は子育て世帯の負担軽減を図るものでございますが、里親へのショートステイは短期間ではありますものの、子供が安心して家庭環境の中で過ごすことができますことから、子供の成長によい影響を与えるものと考えております。
 また、議員御案内のとおり里親の養育の質の向上にも有効であり、里親制度の推進にも寄与するものと考えておりますことから、事業実施に向けて課題整理を行い、里親によるショートステイ事業に取り組んでまいります。
         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  児童虐待への対応や里親委託などの社会的養育は、子供たちを社会全体で育てる、子供を核としたまちづくりにおいて重要であると考えておりまして、相談・支援機関の体制強化に取り組んでまいりました。
 まず、児童相談所につきましては、虐待対応件数の増加等に伴いましてケースワーカーを増員し、弁護士や医師などの専門職を配置してまいりました。また、本年4月、こども局を創設するに当たり、部相当の組織とし、マネジメント機能を強化いたしました。
 児童相談所における業務は、高度かつ複雑な対応が求められるものであり、また、本市においては市域がコンパクトであり、地理的要因等の課題が少ないことから、現組織において専門職を集中的に配置し、より重層的な組織体制の強化に注力してまいりたいと考えております。
 次に、児童家庭支援センターやフォスタリング機関につきましては、困難な状況にある子供や家庭への対応件数の増加に伴い、その充実が課題であります。このため児童家庭支援センターに加えまして、子供自身が足を運びやすい場所で信頼できる大人に相談できるよう、子供の居場所を整備することとしたところでありまして、8月の開設に向け準備を進めております。
 また、フォスタリング機関につきましては、里親支援の実施状況や国における制度改正が予定されておりますことから、その動向などを踏まえ今後の展開について検討を進めてまいります。
 未来をつくる子供は本市の宝であり、その健やかな成長を支えることは非常に重要であります。児童相談所をはじめとする関係機関が緊密に連携しながら、それぞれの専門性を生かすことができるよう、さらなる相談支援体制の充実を図り、子供の最善の利益実現に向け、全力で取り組んでまいります。
         〔49番 村上博議員 登壇〕

◆村上博 議員  心に傷を負った子供たちに、大人である私たちは何ができるのか。私も大人の一人として何ができるのかを日々自問しております。私たち夫婦も里親に認定されましたが、里親の先輩方にはすばらしい人たちがおられます。そんな方々に早く追いつけるようにこれからもしっかり研修を積んで、子供たちの役に立ちたいと思っております。
 市長との子供に対する認識というのは一緒だろうと思いますが、子供が置かれている危機的な状況については若干違いを感じました。本当に危機的な状況に置かれています。そんな、心に傷を負った子供たちも熊本市の市民であり、本市の大事な人材であります。この熊本市でも平成30年から虐待件数が三桁の900件台から、翌年、令和元年には1,000件を突破して、令和4年には1,425件まで増えております。
 このように心を傷つけられた子供たちに対して、国は家庭的養育にかじを大きく切りました。つまり、里親制度の下で子供たちに愛情をかけて育てよう、社会で育てようということです。実の親と暮らせなくなった子供たちには、これから先も数え切れない試練が待ち受けています。そんなとき、子供たちには試練を乗り越えるだけの力を備えていてほしいと思います。その力を身につけるには、子供たちが安心して育つことができる養育環境を用意することが必要です。里親が必要です。里親制度の充実が必要です。市長を先頭に、本市の行政が里親制度推進のために必死の取組をしてほしいのです。ぜひよろしくお願い申し上げます。
 公共交通問題についてお尋ねいたします。
 まず、路面電車3連接ノンステップ電車についてお尋ねです。2024年、来年には3連接のノンステップ電車が導入されますが、私は少し年月を要し過ぎたという気はしますが、導入には大賛成です。私が初めてヨーロッパを訪れた1994年当時、各国の都市では1両の動力車両が5連接、7連接の長い車両を力強く引っ張っていました。ヨーロッパ各都市では、車の排気ガスを減らす環境的側面と路面電車を重要なツールとするまちづくりの側面がありました。結果、きれいな空気を取り戻し、古い町並みを生かしたまちづくりが実現しておりました。
 本市に導入される3連接の路面電車の導入目的など、その概要を御紹介ください。
 続いて、狭小電停解消工事の進捗具合についてお尋ねします。
 交通局が最近狭小電停の解消に取り組まれたのは、商業高校前電停と動植物園入口電停です。この2つの狭小電停は解消されたのでしょうか。また、残り14か所の狭小電停はいつまでに解消されるのでしょうか。都市建設局長にお尋ねします。
 それから、市民病院までの市電の延伸問題についてお尋ねいたします。
 神水に市民病院があった頃、電動車椅子の障がい者は大江や九品寺など市役所の近くに住んでいました。それは市電を利用することで、市役所への用事や総合病院である市民病院に通院しやすかったからです。近くの医療機関は必ずしもバリアフリーではなく、診療科ごとに何か所も回ることは大変です。熊本地震の発生で、市民病院は東町に移転し、現在は市民病院まで市電で通院することはできませんが、障がい者の医療機関への日常的な受診は続いています。
 障がい者には非常に利用しやすい市民病院までの市電延伸がいつ完成するのか。現状と今後のタイムスケジュールについて、市長の思いとともにお尋ねいたします。
         〔古庄修治交通事業管理者 登壇〕

◎古庄修治 交通事業管理者  私からは新型車両導入に関しお答え申し上げます。
 交通局では車両の老朽化が進んでおりまして、ラッシュ時の混雑率も高いことから、新型車両導入に向けて昨年度、車両の設計を実施したところでございます。新しい車両はバリアフリーに対応した低床電車であるとともに、輸送力を強化するため定員を現行車両の1.5倍程度の112人にするなど、様々な方々にこれまで以上に快適に御乗車いただけることを目指しており、本年度から製造を開始し、来年度2編成を導入する予定でございます。
 来年、熊本市では開業100周年を迎えるため、この新型車両導入についても関連イベントとして広く周知を行うとともに、多くの人に親しんでいただくため、試乗会等についても検討してまいります。今後とも新型車両導入が熊本市電の新しい顔として認知していただけるよう、今後も導入の各段階において積極的に情報を発信してまいります。
         〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕

◎井芹和哉 都市建設局長  私からは狭小電停に関する御質問にお答えいたします。
 市電の電停バリアフリー化の進捗につきましては、動植物園入口電停が令和3年度に完了し、商業高校前電停は令和5年9月末に完成予定でございます。車椅子での利用が困難な幅員1メートル未満の電停は全35か所のうち14か所ございまして、今後の整備の優先順位につきましては、高齢者、障がい者等の皆様に参画いただきながら、バリアフリーマスタープラン策定に併せて見直しを行ったところでございます。
 今後、整備を予定しております電停の多くは道路幅員に十分な余裕がなく、地下埋設物がふくそうする場所に位置するなどの課題がありますが、利用者の安全性の観点からも電停バリアフリー化は喫緊の課題と認識しておりまして、関係者との綿密な調整や電停配置の工夫等を行いながら、着実にバリアフリー化を進めてまいります。
         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  市電延伸につきましては、本定例会において今後の事業の進め方の議論再開と併せて、令和2年度に実施いたしました基本設計後の新型コロナウイルス感染症の影響等を反映する基本設計修正の予算を計上しております。
 議会での議論再開に向け、複線での整備と比較して早期に事業効果を発現させるため、軌道の一部を単線とする整備案について内部検討を行ってきたところです。
 公共交通を取り巻く交通渋滞等の喫緊の課題解消に向け、一部単線案を含む基本設計修正に取り組み、事業費、事業効果やスケジュール等を改めてお示しし、議会での御議論を踏まえ、市電延伸の早期実現に向けて取り組んでまいります。
         〔49番 村上博議員 登壇〕

◆村上博 議員  導入されるノンステップ電車は、これからもぜひ多くの市民に親しんでもらえるように様々な場面で活用してください。
 それから、狭小電停の解消についてですけれども、いろいろ道路埋設物など周辺の条件の問題もあるそうですが、答弁にもあったように1つずつでも着実に解消してほしいと思います。
 また、市電の延伸についても、早期実現に向けて取り組んでいくとのこと。期待しております。
 それから、本庁舎整備についてお尋ねいたします。
 去る5月30日、熊本市役所本庁舎等整備の在り方に関する有識者会議より答申がなされました。いわゆる建て替えの是非については、有識者会議として客観的かつ専門的に審議がなされた結果、建て替えるべきとの見解が示され、市長もそれを受け、速やかに市の考え方を示し、議会での議論の再開に言及されました。
 さきの熊本地震並びにこれまで度々本市を襲ってきた大規模な風水害を鑑みると、何よりも重要なことは、来庁される1日平均1,200人の市民の皆さんの生命です。もちろん、本庁舎で働く約2,500人の職員も同様です。私は、来庁者や働いている職員たちの全ての生命を一番に考えます。しかし、今後、建て直すにしても課題は山積しています。
 そこでお尋ねいたします。
 山積した課題を解決するには担当部署の体制強化が必要だと思いますが、いかがでしょうか。また、本庁舎には守るべき多くの生命があることに主眼を置き、建て替えに対する市長の思いと決意をお尋ねいたします。
         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  熊本市本庁舎等整備の在り方に関する有識者会議の答申において、本庁舎等は、防災拠点として機能を確保し続けること、市民サービスの向上及び職員の生産性の向上を図ることが重要であるとした上で、建て替えるべきであるとの見解が示されたところです。
 私は、熊本地震を経験した自治体の首長として、今回のこの有識者会議の答申を重く受け止め、あらゆる災害から来庁される市民の皆様、庁内で働く職員、ひいては74万人市民の生命、財産を守るため、重要な防災拠点である本庁舎等について、建て替えの方針で進めることを決意したものでございます。
 建て替えに当たりましては、市民の皆様はもとより、経済団体、周辺商店街等に対し丁寧な説明を行い、本庁舎等に求める機能、ふさわしい立地等について、広く御意見をいただきながら進めてまいりたいと考えております。そのためにも執行体制につきましては、速やかに強化してまいりたいと考えております。
         〔49番 村上博議員 登壇〕

◆村上博 議員  質問でも申し上げましたが、3,000人以上が犠牲になる可能性があります。私は、市長には市民や議会への説明を丁寧に行いつつも、今後速やかに確実に段取りを進めてほしいと思います。
 続いて、バリアフリーマスタープランについてお尋ねいたします。
 今年6月、本市はバリアフリーマスタープランを制定されるとのことです。私は障がいという条件を持っていますが、一熊本市民として地域で心配なく自由に社会参加したいと常々思ってきました。しかし、日常の様々な面でストレスを感じてきました。そのような中、今回バリアフリーマスタープランが制定され、大変うれしく思っています。さらにプラン制定に当たっては、障がい当事者の皆さんが全面的に関わられたことは特筆すべきことだと思います。
 本市がバリアフリーマスタープランを制定した理由、また、熊本市が目指す将来の姿は何でしょうか。バリアフリーという単語自体は多くの市民が聞き慣れた言葉ですが、バリアフリーマスタープランが目指すこれからの社会の姿を、市民全体が理解し、共有してもらう必要があります。今後の周知とバリアフリーマスタープランを熊本市政にどう位置づけ、どう施策に反映されていかれるのか市長にお尋ねいたします。
         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  バリアフリーマスタープランについて一括してお答えいたします。
 令和2年の高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆるバリアフリー法の改正等を踏まえ、面的、一体的なバリアフリー化を一層進めるとともに、心のバリアフリーの重要性を広げるため、本市のバリアフリーマスタープランを制定いたしました。本マスタープランの特徴として、市民参加のまちあるき点検を重視しておりまして、点検で抽出された課題、その解消状況を随時プランに反映させる、成長する計画として策定しているところです。
 今年3月に行われたまちあるき点検には、私も車椅子に乗って参加させていただきましたが、実際体験してみることで改めて町なかの段差、勾配等の課題を実感したところであり、一人でも多くの市民の皆様に参加していただき、そこでの気づきを酌み取ることが必要だと考えております。
 今後、まちあるき点検等で抽出された課題への対応状況も積極的に発信することで、まちあるき点検への参加者の裾野を広げてまいりたいと考えております。また、バリアフリーまちづくりの基本理念が本市の施策全般に反映されるよう、今後も取り組んでまいります。

○大嶌澄雄 副議長  発言の途中でございますが、この際、申し上げます。
 残り時間が少なくなりましたので、発言を簡潔にお願いいたします。
         〔49番 村上博議員 登壇〕

◆村上博 議員  バリアフリーマスタープランを作成するに当たって、市長が車椅子に乗ってまちあるき点検に参加されたということをお聞きしました。ぜひこれから先、バリアフリーマスタープランが市政の全ての施策に反映されますように心からお願い申し上げまして、今日の私の一般質問を終わらせていただきます。
 今日傍聴いただきました全ての皆さん、また、同僚議員の皆さんに心から御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
      ────────────────────────────

○大嶌澄雄 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。
 午後2時に再開いたします。
                            午後 0時10分 休憩
                            ───────────
                            午後 2時00分 再開

田中敦朗 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。
      ────────────────────────────

田中敦朗 議長  一般質問を続行いたします。
 古川智子議員の発言を許します。古川智子議員。

         〔10番 古川智子議員 登壇 拍手〕

◆古川智子 議員  皆様こんにちは。自由民主党熊本市議団の古川智子です。
 2期目初の登壇の機会に心からの感謝を申し上げます。市長をはじめ執行部の皆様には時間の都合上、スムーズな御答弁の御協力をお願いいたします。
 本日は通告の一部に変更がありますが、6つの項目について質問させていただきます。
 まず、上質な生活に向けた持続可能な地域公共交通に関してです。多核連携型の都市構造へ誘導する中で、中心市街地と市内15の地域拠点の間を、利便性の高いバスや電車などで結ぶことを一つの公共交通の目指す姿としています。一方で人口減少、少子高齢、過疎が進んだ郊外においては、今後どのように公共交通を網羅させ、利便性を担保していくのかも重要なテーマです。利便性と財政のバランス、民業とのバランス、費用対効果、持続可能性の可否などを多角的に分析し、公共交通施策の最適解を貪欲に追求していかなければなりません。
 さて、市内の民間バス5社に対して、運行赤字補填額と70歳以上のさくらカード利用に対する市の負担額、この2つを合わせた市の補填額は、コロナ禍以前の平成27年~令和元年度までは年額9億円台を推移していました。コロナ禍の令和2年~令和4年まではコロナ交付金を活用した上で、約11億7,000万円から13億6,000万円の幅で推移しました。
 一方、公共交通空白・不便地域で運行されている予約制乗り合いタクシーは、現在市内で21路線です。各路線1日に4往復程度、1回200円程度の利用料です。当該事業に対する市の補填額は、直近の8年間を見ると年額700万円~950万円で推移、事業費の9割は市の補助で運営されています。
 また、昨年、天明地域と東区で開始したAIデマンドタクシーの事業委託費は、2か所で合わせて約3,000万円。今後は人流が回復し、バス事業者の共同経営という新しいチャレンジを鑑みると、バス事業者の収益も回復し安定することによって、市の補填額は縮小するのではと明るく見通したいところです。さらに削減できたコストなどを活用し、公共交通空白・不便地域への交通網を担保していくことも一つの手段であると考えます。
 そこで、今後のバス事業者への負担額の増減の見通しについて教えてください。
 また、市長のマニフェストに公共交通体系全体の最適化と長期安定的な交通サービス展開のため、地域交通デザインや資産管理などを行う新たなマネジメント会社設立を目指すとありますが、それは市電、バス、地域コミュニティ交通全てを含めた交通マネジメント会社であるのか。具体的な構想や計画があれば教えてください。市長、お願いいたします。
         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  熊本市域を運行する路線バスにつきましては、市民の生活に必要な移動手段を確保するため、系統ごとに欠損額の一部を補助しております。バス事業者への運行支援に係る補助金額の見通しについては、利用者数や物価変動などのバス事業者を取り巻く環境、それを受けた運賃、さらにはダイヤ見直し等に影響されますため、今後の増減を一概にお示しすることは難しいですが、現状のままでは路線バス事業の収支が大きく好転することは見通せません。
 根本的な問題として、現行の補助制度ではバス事業者の慢性的な赤字体質を改善できず、積極的に人や設備に投資することが難しいところにあります。仮に利用者の増加により補助金額が減少したとしても、運転士不足等が解消されない限り、現在の路線を維持することすら厳しい状況にあると承知しておりまして、まさに今が正念場であると認識しております。
 そこで、持続可能で利便性の高い公共交通体系を実現していくために、私の3期目のマニフェストに新たなマネジメント会社の設立を掲げ、早速本年4月4日に熊本の状況に合った新しい公共交通の在り方を検討するため、バス、鉄軌道、タクシー事業者、国、県と本市で構成いたします熊本地域公共交通の再構築検討会を設置いたしました。
 議員お尋ねの交通マネジメント会社に関する具体的な構想や計画については、この会議体において検討を重ね、随時検討の方向性をお示しし、議会での御議論を踏まえながら、本年度内に検討成果として取りまとめたいと考えておりまして、官民が連携して熊本の公共交通を維持拡充する取組を積極的に進めたいと考えております。
         〔10番 古川智子議員 登壇〕

◆古川智子 議員  ありがとうございました。
 燃料の物価高騰、運転士不足、それから人的投資の必要性などを考えると、市の補填額の見通しは難しいとはいえ、官民連携し市民の移動手段の維持確保に、積極的に努める意思は強くあるということでした。既に4月にバス、鉄軌道、タクシー事業者、国、県、本市で構成される熊本地域公共交通再構築検討会が設置され、年度内に交通マネジメント会社に関しての構想と計画を取りまとめるということでした。先日のG7交通相会合でも、人口減少地域含め誰もが利用できる移動手段の提供が重要とする閣僚宣言が採択されています。国家の重要課題として官民が連携して乗り越えなければなりません。
 そこで、官民連携型の公共交通について3点お尋ねしてまいります。
 1点目、AIデマンドタクシーの実証実験、これは現在2地域で行われています。天明地域では公共交通空白・不便地域住民への移動手段の目的とし、東区では子育て支援を目的としている印象を受けます。
 そこで確認です。
 公共空白・不便地域の交通対策としてAIデマンドタクシーと既存の予約型乗り合いタクシーとの、2つの手段によって移動手段を担保していくのでしょうか。
 それから、東区の実証実験は子育て支援策の一環であるならば、今後は地域間の子育て支援の公平性を求められると思います。それぞれ天明と東区での実証実験の目的、効果と今後の対象地域の拡大計画を教えてください。これは後ほど都市建設局長お願いいたします。
 2点目に、AIデマンドタクシーによる民業圧迫の懸念や課題に対する考え、取組があれば教えてください。また、収益をいかに増やしていくかも重要です。他都市では広告収入で収益を得る仕組みもありますが、本市で取組の予定があれば教えてください。
 3点目、予約型乗り合いタクシーは乗降場所を地域の方と相談し、地域公共交通会議に諮り、国に届出し運行が開始となります。初期に運行が決定した地域では、経由地と終着地に関してルールに厳格に設計しており、一方で後に運行が決定した地域では、徐々に柔軟な対応が図られており、結果、初期と後期の利便性に差が出ている現状があります。既存の予約型乗り合いタクシーの利便性の差を埋め、公共交通利用の促進の利用を図る必要があると考えますが、今後の対策はありますでしょうか。
 3点、都市建設局長お願いいたします。
         〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕

◎井芹和哉 都市建設局長  ただいまの3点の御質問にまとめてお答えいたします。
 AIデマンドタクシー実証実験につきましては、天明地区では公共交通空白・不便地域における既存のコミュニティ交通の見直しを目的として実施しているところでございます。現在、これまでのコミュニティ交通を大幅に上回る利用状況でございまして、今後の展開といたしまして、8月から周辺地域への対象拡大を予定しております。
 また、東区では子育て世代の支援を図るため、児童育成クラブや習い事等の送迎の負担感軽減を目的として実施しているところでございます。3月に周辺地域へエリアを拡大するなど利用は増加し続けておりますが、子供の安全な受渡し方法についてさらに検討が必要と考えております。
 今回の実証実験を踏まえ、まずは他の公共交通空白地域への導入に向け課題整理をしていくとともに、子育て支援も含め引き続き地域の特性や移動ニーズに沿った、持続可能な移動手段となるよう検討してまいります。なお、それまでの間、既存のコミュニティ交通の運用見直しについても柔軟に対応してまいります。
 また、御指摘のタクシー業界への影響や財源確保につきましても、本格導入に向けて整理すべき課題と認識しておりまして、近くタクシー業界と協力体制について協議を開始することとしております。また、スポンサー収入等の公費以外の財源確保にも取り組んでまいります。
         〔10番 古川智子議員 登壇〕

◆古川智子 議員  ありがとうございました。
 まずはAIデマンドタクシーの利用者の顕著な増加が見られ、8月からは天明の周辺地域へも拡大し、今後はほかの地域への導入、拡大に向け課題整理も進めるということでした。費用面を度外視して利便性の点のみから言うならば、利便性の高いAIデマンドタクシーが可能な限り早期に空白・不便地域に網羅されていくことを期待しています。また、その間、既存のコミュニティ交通の利便性の差を埋めることにも、柔軟に対応していくということで安心いたしました。ありがとうございます。
 また、懸念される民業圧迫について、その可能性は否定できないものの、一方でタクシー事業者にとっても安定収入となり得る見方もできます。提携・協力体制を最適な形で結び、かつ広告収入やスポンサー収入など、効果のある収益確保に取り組んでいただきますようお願いいたします。
 それから、東区でのAIデマンドタクシーについて効果は評価するものの、一方で子育て支援としての公平性が大変気になるところであります。制度設計には工夫が必要ですが、市内一円子育て世帯はおりますので、公平性の観点も大事に進めていただきますようお願いいたします。
 続いての質問です。
 閉校施設の利活用と学校施設の防災機能の必要性に関してです。
 全国で2002年~2020年まで廃校数は延べ8,580施設あり、廃校施設活用率は75%、25%は未活用で中には用途が決まらず放置され、維持管理費が自治体の負担となっている施設もあるようです。
 さて、本市では2017年3月に西区松尾北・東・西の小学校3校が閉校し、小島小学校へと統合されました。その後、利活用に向け地元自治会や住民へのアンケート、また、西区役所との意見交換がなされ、2019年に利活用事業者の公募に至りました。現在、松尾東、松尾西で事業者が決定し、全ての教室ではありませんが、施設活用がなされています。松尾北では事業者決定に至っていません。
 高齢化率49%の松尾西地域含め、地元に住む方々からは閉校になって6年、子供の数が見る見る減り、高齢化が急速に進んでいっている。学校を活用して活気が戻ればいいと声が寄せられます。改めて現状の活用に対して地域住民の考えを把握し、施設の活用方法、公募方法などを再検討し、地域活性化を促す活用に向けて取り組むべきではないかと考えています。
 まずは3点、西区長にお尋ねいたします。
 1点目、松尾北・東・西の3校の施設活用の方向性とその方向性の理由や根拠を教えてください。
 2点目、各施設の耐用年数の残年数と体育館、校舎含め各施設の年間維持管理費は幾らでしょうか。
 3点目、松尾地域は市街化調整区域内であり、都市計画法の立地基準内での利活用に限られます。その条件を見ると集客性の高い施設ではないこと、周辺の公共施設へ著しい負荷が生じないことを前提に、観光振興のための宿泊施設や飲食店、移住・定住促進のための賃貸住宅、グループホームなどが可とされ、飲食店、宿泊施設でも可能であるとしています。
 ここで3点目のお尋ねです。
 地域の避難所スペース、交流スペースを確保した上で例えば宿泊施設を可能にしようとする場合、何が課題となりますでしょうか。
 3点について西区長、お願いいたします。
         〔河本英典西区長 登壇〕

◎河本英典 西区長  旧松尾3校の利活用等につきまして、3点の質問にお答えいたします。
 まず、旧松尾3校の利活用に当たりましては、1、地域住民の意見を尊重する。2、民間活力の導入を検討する。3、有償貸付けを基本とするという3つの方針を活用の方向性としております。これは小島小学校への統合過程で、地元から地域コミュニティーの活動停滞等が懸念されましたことから、校舎等を利活用することで地域の活性化を目指したものでありまして、この方針に沿って平成31年2月に民間事業者の公募を行ったところでございます。
 現在、借受人が決定していない旧松尾北小学校の利活用につきましては、引き続き地元の意向を確認しつつ、関係部署と連携の上、地域活性化につながるよう積極的に協議してまいります。また、旧松尾東、旧松尾西小学校につきましても、令和6年度末に貸出し期間が満了となりますことから、その後の利活用につきましては同様に地域等と協議してまいります。
 次に、各施設の耐用年数及び維持管理費についてでございますが、建築物の耐用年数は一般的にはおおむね60年程度と言われていますことから、各施設の耐用残年数は旧松尾東小学校の校舎と体育館がともに16年、旧松尾西小学校は校舎が18年、体育館が10年、旧松尾北小学校は3棟の校舎がそれぞれ8年、14年、23年、体育館が19年となっております。
 また、光熱水費、施設修理費などの維持管理費用は、体育館と校舎を合わせました費用全体で申し上げますと、令和3年度で旧松尾東小学校が約400万円、旧松尾西小学校が約420万円、旧松尾北小学校が約200万円となっております。
 最後に、宿泊施設として利用する場合の課題でございますが、旧松尾東、旧松尾西小学校は、校舎の一部を避難場所や交流スペースとして確保した上で公募を実施しており、民間事業者が都市計画法の基準や立地、事業期間等の諸条件の下で採算性を考慮して応募されたものと認識しております。
 宿泊施設等として利用する場合、民間事業者に用途に応じた大規模な施設改修等の設備投資が求められることなどが課題として想定されます。今後も民間事業者に利活用の提案を求める際には、地域や公民連携プラットフォームにおいて民間事業者の意見を幅広く伺いながら、よりよい利活用ができるよう検討してまいります。
         〔10番 古川智子議員 登壇〕

◆古川智子 議員  ありがとうございました。
 維持管理費は3校合わせて年約1,000万円かかる現状を見ると、さらに効果的な施設活用を推進すべきだと改めて感じます。また、耐用残年数は最短で8年、最長で23年ということでした。貸出し公募の条件には、5年後の契約満了時には施設の原状回復が必要とされているようです。これは施設の耐用残年数によっては、この条件が妥当かどうか考えるべき項目だとも思います。今後、令和6年度の新たな公募開始に向け、これから準備を進めていかれると思います。さらに地域と連携しながら飲食店、宿泊施設なども可能なことや活用の注意点など含めて活用の可能性を明示し、そして、公募の際には幅広く呼びかけをし、地域の活性化につながる最大限の努力をお願いいたします。
 次にいきます。
 さて、熊本市の学校施設では体育館や校舎が災害時避難所となるため、計画的に1年に2校を目安にバリアフリートイレを新設しています。松尾の3地域では主に水害時以外は避難所となりますが、今後のトイレバリアフリー化計画はありません。
 ここで閉校した後の施設管理について確認いたします。
 閉校後の学校施設の危機管理を含めた管理計画は、どの部署が行いますでしょうか。避難所となる施設のバリアフリー計画を立てるべきだと思いますが、その必要性と今後の具体的な取組があれば教えてください。後ほど担当局長お願いいたします。
 次に、天明の義務教育学校施設では、浸水対策として4階建ての校舎や2階以上に体育館を設置するなどの構想が見えてきました。地域住民の避難所として防災機能を高めた建築構想となるようです。今後、市内の沿岸地域における高潮、津波のハザードマップ内に立地する学校施設にも地域実情を踏まえ、例えば校舎や体育館を建て替える際には垂直避難のできる場所や、避難所としての構造や機能を加えた施設にすべきだと考えます。
 この点は教育委員会と政策局、区役所と横断的に考えていかなければならない課題だと感じています。今後水害リスクの高い、かつ垂直避難が可能となる建築物が少ない地域における学校施設を防災施設として活用する必要性、方向性をお示しください。この件は市長にお願いいたします。
         〔田中俊実政策局長 登壇〕

◎田中俊実 政策局長  閉校となりました旧松尾東、松尾西、松尾北小学校の3校の施設は教育委員会が所管しており、現在も災害種別に応じ指定緊急避難場所として活用しております。議員御提案のトイレのバリアフリー化の施設整備につきましては、避難場所の良好な環境を確保する上で必要でありますことから、校区防災連絡会等の御意見を伺いながら関係部局と連携し、検討してまいります。
         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  本市沿岸地域においては、津波や高潮の際に垂直避難ができる施設が限られていることから、これまで学校の校舎や体育館等を活用した避難所の確保に取り組んできたところです。
 議員御案内の天明校区の義務教育学校につきましても、防災機能を備えた施設整備の検討を行っているところでありまして、地域住民の皆様の生命と身体を守る拠点として今後、重要な役割を担っていくものと考えております。
 今後、学校の校舎や体育館を建て替える際には地域の災害リスクを踏まえ、児童・生徒等の安全確保はもとより、学校教育の早期再開や避難所としての機能を考慮した計画となるよう、検討してまいりたいと考えております。
         〔10番 古川智子議員 登壇〕

◆古川智子 議員  ありがとうございました。
 3校の施設については教育委員会が所管しているということでしたが、この答弁には政策局長が御答弁に立ってくださいました。閉校施設とはいえ、避難所としてバリアフリートイレなどの施設整理の必要性をおっしゃっていただいたことは、大きな一歩であると感じています。ありがとうございます。政策局はじめ区役所、教育委員会が関係部局となりますが、縦割りでなく横の連携を大事にし、地域からの声を吸い上げ、実現へと努力していただきますようお願いいたします。
 また、沿岸地域の校舎や体育館の建て替え時に、避難所機能を考慮した計画になるよう検討するとも、市長におっしゃっていただきました。実際に高潮リスクを踏まえると、垂直避難が可能な場所は学校施設しかないという地域もあります。この点に関しても財政上の課題だけでなく、縦割り行政の課題だとも感じているところですが、バリアフリートイレ化の案件同様まずは政策局が主導権を発揮され、各部署との連携されることをお願いいたします。
 私自身の過去の一般質問でも同じことを申し上げましたが、沿岸地域の防災・減災に寄与できるハード面の資源が不足している実情を分析すべきだと考えています。今後の沿岸地域の学校施設の建て替え時には、随時地域実情に合った避難施設として機能を備えていただきますことを強く要望いたします。
 次の質問です。
 市民の自治とまちづくりに対する意識の醸成についてです。昨今は自治会の成り手不足が重要課題の一つに挙げられています。住民自治力の低下が、ひいては熊本市の自治体の持続可能の可否に関わる問題だと危惧しています。
 そこで、市長のマニフェストにある自治会に関する取組についてお尋ねしてまいります。
 自治会組織運営のガイドラインとはどのようなものでしょうか。自治会活動の範囲を見直すことについて、何か具体的な方針が決まっていれば教えてください。デジタルトランスフォーメーション、DXを推進する取組についても、今後の計画を教えてください。
 以上、市長お願いいたします。
         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  地域において、日頃からまちづくり活動や様々な課題解決等に取り組んでおられる町内自治会の役割は、地域社会を形成する上で大変重要であります。一方で少子高齢化が進む社会において、町内自治会の担い手不足によります活動の停滞によって、地域コミュニティー機能の維持が難しくなることを危惧しております。
 そのため、多くの市民の方々に自治会活動に参加していただき、また、持続可能で透明性のある自治会運営を推進する観点から、規約等の標準的な在り方を示すガイドラインの策定に取り組むこととしております。
 次に、自治会活動の範囲の見直しやデジタルトランスフォーメーションの推進につきましては、自治会が多岐にわたり担っている活動範囲の詳細を把握した上で、電子回覧板の活用等デジタルトランスフォーメーションの推進よる効率化も含め、自治会の運営がより円滑となるよう提案を行いますとともに、自治会が担うべき役割の範囲の見直しや負担軽減策を講じながら、引き続き自治会活動を支援してまいりたいと考えております。
         〔10番 古川智子議員 登壇〕

◆古川智子 議員  ありがとうございました。
 自治会運営の必要性と、それから懸念事項は市長がおっしゃったことに、本当に私も同感です。ガイドラインや自治会の活動範囲を見直すことの必要性も、私自身も常々感じているところです。
 加えて私自身が感じている大きな問題だと思っていることは、自治会の役員になって初めて自治協議会、街の自治の全体像や役割、存在意義が分かったという現状です。分からないからこそ自治会やまちづくりに対する理解、関心が低いのだと、日頃本当に地元で活動していても多々思うところであります。
 まずは市民一人一人が街の自治がどのように運営、機能しているかを知って、理解してもらう取組を丁寧に推進する必要性を感じます。自治会、民生委員、老人会、体育協会、交通安全、社会福祉協議会など、自治協議会の全体像と役割などについて説明した冊子、またはユーチューブなどのデジタルツールの活用もいいと思います。小学生の子供から全ての市民に理解促進を求めたいと思います。まずは知る、参加する、理解する。その先に自治を担う一員であるという意識が高まり、主体的な担い手が育成される。このような理想的な展開が実現することを期待しています。
 次に、新しい取組、熊本ポイント事業についてですが、まずは事業概要と時期的計画など詳細を教えてください。文化市民局長お願いいたします。
         〔金山武史文化市民局長 登壇〕

◎金山武史 文化市民局長  くまもとポイント事業は地域活動を価値に転換し、それがインセンティブとなる市民ポイント制度を導入するものです。具体的にはマイナンバーカードとひもづけたスマートフォンアプリを開発し、ボランティア活動や地域活動への参加の際にポイントを付与いたします。また、このアプリに搭載する災害関連の機能を利用することで、避難所での受付や必要物資等の把握、災害ボランティアの受付等の円滑化が図られます。
 スケジュールにつきましては今年度にアプリを開発し、令和6年度はポイントを付与する対象事業及びポイントの使途について検討を行い、令和7年度以降に本格的な運用を開始する予定としております。
 本市としても初めての取組でありますので、課題は山積みでございますけれども、とりわけポイント付与の対象となる活動の選定や、多くの方に楽しみながら御利用いただける仕掛けづくりなどの課題があると認識しております。
         〔10番 古川智子議員 登壇〕

◆古川智子 議員  ありがとうございました。
 活動に対してポイントが付与され、金銭的な価値に交換が可能となる。また、学生に対しては活動の証明ともなる。有事の際はボランティアの支援要請を迅速に行えるようになる。そして、避難所への物資供給や被災者支援が迅速に、確実に実施されるなど、平時、有事ともに大変有益なツールになると私は考えております。
 ポイント付与制度が自治会やまちづくりに関心を高め、参画を促すきっかけとなり、また、活動により住民や地域のために役に立ったという成功体験は、主権者教育としても有用です。自分たちの街を自分たちで守り、次世代に残していくという意識を育むことにつながることを期待しております。
 しかしながら、今後の課題として見えている点について2点お尋ねいたします。
 マイナンバーカードとひもづけるということですが、カードを取得しなければポイント付与と利用ができないのでしょうか。また、個人情報保護の観点から登録したくない市民への配慮は求められると思います。同時にスマホやタブレットを持たない方へのアプリの登録はどのようになりますでしょうか。
 次に、ポイントの商業的利用は令和7年以降から開始を検討するということですが、電子クーポンや電子通貨などに換金される場合、対象となるのは熊本市内の店舗を考えていらっしゃいますでしょうか。文化市民局長、お願いいたします。
         〔金山武史文化市民局長 登壇〕

◎金山武史 文化市民局長  初めの、マイナンバーカードがないと利用できないかとのお尋ねでありますが、マイナンバーカードをアプリに登録しなくても御利用いただける機能と、登録することで御利用いただける機能の両方を準備する予定です。
 また、スマートフォンをお持ちでない方については、今年度開発するアプリの利用は難しいものの、今後このポイント事業を広く普及させていく観点からは、十分な検討が必要であると認識しております。
 最後に、商業的利用も含めたポイントの使途に関しては、今後、庁内外を含め幅広く意見を聴取し、検討してまいります。
         〔10番 古川智子議員 登壇〕

◆古川智子 議員  ありがとうございました。
 昨今マイナンバーの不備や誤登録など問題になっていますが、カードを取得したくない方の意思を尊重し、取得の有無で差別が生じない取組となるようで安心いたしました。
 この事業に係る今年度の1億7,200万円の全額は、国のデジタル田園都市国家構想交付金です。しかしながら、次年度からは活動に対して付与されるポイントの財源は市の財源となるようです。となるとポイント付与の対象とすべき活動の選定、商業的な利用が可能となる対象店舗の選定にも大変工夫が要ると思います。さらに事業開始時には地域自治会への丁寧な説明なども課題となりますが、しかしながら、地域自治の担い手を増やし、地域コミュニティ維持のためという目的意識を強く持ち、取り組んでいただきたいと期待を込めてお願いいたします。
 さて、次の質問です。
 今後の道路と港整備の変化に対応した企業誘致に関してです。
 熊本市都市マスタープランというものがありますが、都市計画に関する基本的な方針を示すもので、土地利用や都市整備の今後の方向性を示すものです。令和8年度から次期プランが始動しますが、それに向けて今年度は土地利用の在り方を見直す検討会が開催されるようです。この先の変化を見据え、本市の計画に落とし込んでいくという大変重要な時期に入っています。
 さて、現在TSMCの進出に伴った半導体関連産業の集積のため、植木、北熊本、城南と空港線沿線エリアの4か所で、土地利用の緩和支援などの取組が始まっています。置いてきぼり感のある西区ですが、秘めている可能性を確認したく、本市西側に整備される道路と港の今後の整備についてお尋ねいたします。
 まず、市長にお尋ねいたします。
 有明海沿岸道路、天草幹線道路、西環状道路、そして、熊本港の耐震強化岸壁整備の現状と今後の見通しについて教えてください。
         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  有明海沿岸道路については、国により三池港インターチェンジ連絡路の整備が進められ、今年度から南に延びる荒尾道路が新規に事業化、さらに長洲町から玉名市区間の概略ルート等の検討に着手しております。
 次に、熊本天草幹線道路については、令和5年2月、天草市の本渡道路が供用され、今年度より県により本渡道路Ⅱが新規事業化、また、国において熊本宇土道路等の整備が鋭意進められております。
 本市事業であります熊本西環状道路については、平成29年3月、花園工区を暫定2車線で供用開始し、池上工区及び砂原工区の整備を鋭意進めております。熊本港については長年、国に対して要望してまいりました耐震強化岸壁が新規事業化され、今年度より事業着手、令和13年度の完成が予定されております。
 現在、県内においてはTSMCをはじめ関連企業の進出が相次いでおりまして、熊本都市圏の均衡ある発展のためには、高規格道路及び熊本港の整備による物流ネットワークの早期構築が重要であると考えております。
 今後も引き続き有明海沿岸道路及び熊本天草幹線道路、熊本港の整備促進を国等に要望してまいります。なお、熊本西環状線道路、池上工区につきましては令和7年度供用、砂原工区についても早期完成を目指し、迅速かつ着実に事業を進めてまいります。
         〔10番 古川智子議員 登壇〕

◆古川智子 議員  ありがとうございました。
 まずは港と道路の整備による物流ネットワークの早期構築の必要性に言及され、それらの整備実現のため市がやれるべきことは着実に進めるとのことで、大変うれしく思います。
 国が事業主体である有明海沿岸道路と天草幹線道路も、熊本市内に向かっての事業化が着実に進み出しています。西環状道路については、池上から砂原工区も昨年度から事業化されており、地方紙によると令和13年の供用開始を目指しているともあります。港の耐震強化岸壁の整備も令和13年度予定です。現在の水深では浅いために入港できない大型貨物船が乗り入れ可能となれば貨物取扱量も格段に増え、港の機能を必要とする企業が増えます。
 そして、企業が産業用地に求める条件である高速インターチェンジの近隣という状況も西側には整います。ここ10年で本市西側の道路と港のインフラが大きく変化する未来を見据え、地域活性化、経済発展を享受できる受皿を整えることができるか重要な時期だと思います。
 そこで、熊本港に関してお尋ねいたします。
 熊本港の利活用に関して企業へのヒアリングが実施されていますが、どのような潜在的ニーズを確認できたのか教えてください。また、今後の主要道路と熊本港の整備計画を踏まえ、周辺地域への企業の立地、誘致、土地利用は効果的かつ合理的であると感じます。市としての考え、方針を教えてください。都市建設局長お願いいたします。
         〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕

◎井芹和哉 都市建設局長  ただいまの2点の御質問にお答えいたします。
 まず、熊本港利活用に関する潜在ニーズについてでございますけれども、熊本港の将来の利用ニーズにつきまして、令和3年度~令和4年度にかけて73社に対して実施いたしました企業ヒアリングでは、国内貨物のほか国際コンテナ貨物でTSMC関連貨物や木材関連貨物等の利用ニーズが多数確認できたところであり、神戸港を経由する国際フィーダー航路が新たに就航し、熊本港への立地を検討する複数の企業から問合せがあるなど、熊本港の利活用への関心が高まっているところでございます。
 次に、周辺地域への企業立地、誘致、土地利用等についてでございますけれども、県内では半導体受託生産最大手となりますTSMCの進出を受けまして、半導体関連産業の県内への投資意欲が高まりを見せる中、本市といたしましても、企業誘致活動の強化に取り組んでいるところでございます。
 本市の産業機能の土地利用方針につきましては、都市マスタープランで高速道路のインターチェンジ周辺や幹線道路沿線において、計画的な誘導を図ることを位置づけております。
 また、本市が行いました企業立地に関するニーズ調査においても、企業が新たな拠点を立地するに当たり、重要度が高い項目として交通インフラの利便性が挙げられており、今後の熊本西環状道路等をはじめとする幹線道路整備や、港機能の強化が西区地域における企業立地の促進につながるものと考えております。
 令和7年度には次期都市マスタープランの策定を控えておりまして、今年度から土地利用方針についての検討を進める中で、新たな道路網等を考慮した具体的な産業ゾーンの位置づけについて考えてまいりたいと考えております。
         〔10番 古川智子議員 登壇〕

◆古川智子 議員  ありがとうございました。
 熊本港へのニーズ、関心ともに高まっていること、かつ道路整備と港機能の強化は西区地域の企業立地の促進につながることに触れていただきました。ありがとうございます。港のニーズ調査を私自身も確認いたしましたが、耐震強化岸壁が整備されれば、国際コンテナ貨物のフィーダー航路は令和2年、令和3年のデータと比較し2.6倍、国内道路航路は35倍の利用意向が確認されています。
 また、先週は港の対岸でもある島原市でも半導体関連産業の誘致を目指し、2025年度にも工業用地を整備すると発表されています。本市西区の今後10年を見据え、本市にとって総合的に有益な企業の進出ニーズに対し確実に受皿となれるよう、第8次総合計画や第3次都市マスタープランの計画にも明確に位置づけを行うなどして、戦略的な誘致体制、土地利用の取組を図っていただきますようお願いいたします。
 さて、産業用地もしかりですが、スポーツ施設にも目を向けたいと思います。
 令和2年度の予算決算委員会の質疑で私自身、スポーツ施設の誘致に向け経済効果や土地活用などを含め、分析、検討を行っていくべきではないかとお尋ねいたしました。今回改めてお尋ねいたします。例えば熊本ヴォルターズのアリーナやまたはサッカー場、野球場など経済効果を伴う大型のスポーツ施設建築、誘致に関して、半導体関連産業集積と同様に土地利用の緩和対策とする必要性についての見解と、具体的な方向性についてお伺いいたします。市長お願いいたします。
         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  スタジアムやアリーナなど大型のスポーツ施設につきましては、国においてもスポーツの成長産業化の大きな柱とされておりまして、コンサートや各種イベントの開催などスポーツ、文化の振興はもとより地域のにぎわいや雇用の創出など、大きな経済効果が期待されているところです。このようなことから、民間主導等により本市に大型スポーツ施設が計画される際には、県と連携しながら可能な限りの支援、協力を行ってまいります。
         〔10番 古川智子議員 登壇〕

◆古川智子 議員  ありがとうございます。
 民間主導により本市に建設される際には、県と連携しながら可能な限りの支援、協力を行っていくということでした。現段階で支援の具体策の明示はないものの、支援努力の意向を示されたことは大変ありがたいことです。大型スポーツ施設はおっしゃるように、にぎわい、雇用創出、経済効果が大きく期待できます。
 しかしながら、本市は増幅する施設改修や維持管理費が問題となり、公共施設などの総延べ床数を20%削減している最中です。今後スポーツ施設の新設は民営主導で進めるしかないことは明白です。スポーツ施設誘致に可能な範囲の支援策を提示し、痛恨の機会損失とならないよう努力していただきますようお願いいたします。
 さて、次の項目ですが、みどりの食料システム戦略について、有機栽培米の学校給食への導入について質問する予定でしたが、昨今の給食費原材料の高騰に伴い、3億円近い補正予算が組まれていることもあり、この時期にはそぐわないと判断し、次回の質問とさせていただきます。
 次の質問です。
 子供の命と権利を守り大切にする取組についてです。
 子供に関する施策を総合的かつ強力に推進していくために、国ではこども家庭庁、本市でもこども局が創設されました。本市の子供の権利を擁護するための新たな取組である、こどもの権利サポートセンターの開設、今年度中のセンター開設へ向け4月から準備室が立ち上がり、同時に子供の人権や権利を侵害する事案についての相談窓口、ホットラインも開設され現在実働中です。
 こどもの権利サポートセンターは中立性を保つ独立した機関で、かつ専門性と迅速性を備えることとしています。養護すべき子供の権利、事案は実に様々で、相談の量も予想が難しいのですが、センターが担う役割と機能は大きく2つであろうと考えられます。
 1つ目の機能は迅速な調査、関連部署との連携、専門的支援、場合によっては権利を侵害する相手に勧告するなど、法的なことを含んだ救済をする役割。2つ目の機能が、課題や悩みを寄り添いながら改善へと導く、カウンセリングとアドボケイトという役割と大きく2つの役割を持ち、そこには専門的な知識、知見を持つ方の確保と、そして、相談に対応できるだけの人員の数、質と量、両方の確保が必要であろうと察しています。
 ここで2点、こども局長へお尋ねいたします。
 1点目、サポート体制の人員体制、専門性の担保はどのように図られますでしょうか。
 2点目、人権を侵害する相手に対して、場合によっては指導、指示、要請、勧告が必要となる可能性がありますが、その権限をサポートセンターが持つのか教えてください。
         〔木櫛謙治こども局長 登壇〕

◎木櫛謙治 こども局長  こどもの権利サポートセンターに関する御質問にお答えいたします。
 まず人員体制、専門性の担保についてでございますが、こどもの権利サポートセンターは子供の命を守り、また、子供の権利を守ることを目的として、子供の権利に係るあらゆる相談を受け、事案の早期解決を図る組織として開設準備を進めているところでございます。
 センターの役割としては、相談を受けるだけではなく課題解決につなげるため、相談者に寄り添い、共に解決策を考え、対応に取り組むことが重要と考えております。このようなことから、子供の権利に関する知識や福祉、教育の経験、スキルを有する人材のほか、法的な支援や関係機関とのコーディネートを円滑に行うことができる人材等の確保を検討しているところでございます。
 次に、権利侵害等に対する権限についてでございますが、地方公共団体にはこども基本法の基本理念にのっとり、こども施策を実施する責務がございます。このため、子供の権利を侵害するような事案に対しましては、関係機関と連携して解決に必要な指導や要請等を行うことを検討しているところでございます。
         〔10番 古川智子議員 登壇〕

◆古川智子 議員  ありがとうございました。
 人員については子供の権利に関する知識、福祉や教育の経験のある方、そして、法的な支援や関係機関との連携にたけた人材確保を検討していると、さらに解決に向け、必要な指導や要請を行うことを検討するとおっしゃいました。権利侵害の事案の対象によっては指導、要請、そして勧告が必要なこともあると思います。それらの権限を明確にしておかれますようお願いいたします。
 そして、こども基本法に基づいた権利を擁護するためには弁護士が欠かせません。センター常駐となると財政的負担が懸念されるかもしれませんが、手段を工夫し、法的知識をいつでも相談できる体制、また、相談員としては専門知識や経験を備えた人材を適切に確保し、盤石な体制でこどもの権利サポートセンターが実働いたしますようお願いいたします。
 さて、同じく今年度の新事業、児童養護施設や児童相談所、里親家庭など社会的養護を受けている子供たちが自分の意思や考えを表明できるお手伝いをする、つまり代弁者となる、子供の権利を擁護する意見表明支援員(アドボケイト)を配置することとしています。
 既に意見表明支援員の確保、育成の委託先が決定し、7月に研修が開始し、実働されます。子供たちの最善の利益を考え、権利を擁護する本市初の重要な任務を担う支援員と行政との強い連携、かつ活動しやすい風土づくりが必須であると感じています。
 そこで2点お尋ねいたします。
 1点目、支援員との連携方法、バックアップ体制をどのように整えるかを教えてください。
 2点目、例えば社会的養護を受ける児童がその措置に対して何らかの申立てを行う場合、それらの調査、調整、意見の具申は熊本市社会福祉審議会児童福祉専門分科会審査部会で行われます。昨年の議事録を見ると、1年間に4回の開催となっていました。子供の権利擁護のためには、審議の迅速性を担保する必要性があると思います。この点について何か対策はありますでしょうか。
         〔木櫛謙治こども局長 登壇〕

◎木櫛謙治 こども局長  子供の権利擁護推進に関する御質問にお答えいたします。
 まず、権利表明支援員との連携方法、バックアップ体制についてでございますが、社会的養護を受けている子供は、自分の意見を表明することが難しい場合が多いことから、専門性のある民間団体に委託し、児童養護施設等に入所している子供の意見表明の支援に取り組むこととしております。
 本年度は国の実証モデル事業を活用するものでございまして、子供たちの声、意見を適切に聞くことができるよう受託者との定期的なミーティングを実施し、事業の課題を整理するなど情報共有してまいります。
 また、意見表明支援員の活動について、対象施設や子供に対し意義を周知するとともに、日程の確保や面談場所の配慮など、施設に対して協力を呼びかけバックアップしてまいります。
 次に、子供の権利保護のための審議についてでございますが、本市では先行して取り組む自治体の運用を参考に、子供が意見表明した場合で協議が調わなかったときは、本市の社会福祉審議会児童福祉専門分科会審査部会で調査等を行うよう、調整しているところでございます。
 審査部会の調査等につきましては、子供の権利、利益の観点から速やかに取り組む必要がございますことから、部会の開催につきましては回数や方法を柔軟に対応してまいります。
         〔10番 古川智子議員 登壇〕

◆古川智子 議員  ありがとうございました。
 子供の権利擁護については新しい取組でもあり、混乱や判断に迷うことも多くあるかと思います。また、市の外部委託事業の中には担当部局の管轄意識が薄れ、情報共有や連携体制が弱まっている状況が浮き彫りになることもあります。そこを心配しておりました。しかしながら、アドボケイト、支援員との連携に関しては、市の担当部局との定期的なミーティングを開催、加えて各施設に市から協力依頼を行い、バックアップしていくとのことで安心いたしました。ありがとうございます。
 また、子供の権利擁護のための審議の迅速性については、審査部会での調査を速やかに取り組む必要性に触れ、回数や方法を柔軟に対応するとおっしゃっていただきました。よろしくお願いいたします。
 最後の質問ですが、時間の関係上、すみません、質問から要望に変えさせていただきます。
 子供の医療費拡充に伴う適正受診、適正服薬の推進についてです。
 12月に開始予定のこども医療費助成制度の拡充に向けて準備が進められています。子育て世帯の家計負担を軽減し、安心して子供を生み育てられる社会に近づいていることは、非常にありがたいと感じています。現行の中学校3年生まで~高校3年生までに助成対象が拡充いたします。この拡充により市の負担額は年間3億円増えて約22億円になる見込みです。全て市の一般財源です。
 しかしながら、うれしい支援策ではあるものの、一方で少子高齢化、経済の低成長の中で本市の財政の安定はもとより国民皆保険を堅持し続けていくためには、医療費適正の観点を大事に行政と市民と両者が理解し、協力し合う必要性を強く感じています。熊本市でも医療適正化に向けて、適正服薬推進事業を行ってくださっています。10歳以上を対象とした方です。重複調剤、多剤併用、併用禁忌などを解消し、医療費の適正を図るという事業ですが、対象は国民健康保険被保険者です。昨年度は服薬に課題があると思われる方に通知を出して、医療機関や調剤薬局へ相談を促すという流れで、約3,000人のうち7割の服薬状況が改善されたということです。
 こういった助成の子ども医療費が、助成が拡充するタイミングで全ての市民に改めて健康推進と医療費の適正化を目的として、適正受診、適正服薬の推進を周知すべきだと考えておりました。もちろん命や健康を守るためには、誰もが適切なタイミングで医療を受けることが重要ですが、市民の皆さんに国民皆保険の持続可能性、そして、税金が使われているということを広く周知して、理解を求めていくことも自治体の重要な役割だと思っています。そういった点で周知啓発をよろしくお願いいたします。
 時間が限られておりましたので、最終的には質問ではなく要望という形にはなりましたが、以上で私が準備しました質問を終結させていただきます。真摯に御答弁くださいました市長並びに関係局の局長に感謝を申し上げます。それから、サポートしてくださった議会局の皆様にも感謝を申し上げます。
 そして、御多忙の中に傍聴席にもおいでてくださった皆様、そして関心を持ってオンラインで視聴してくださいました皆様、心から感謝を申し上げます。引き続き自分の持てる全ての力を地域、熊本市、そして、日本のために注いでまいります。本日はありがとうございました。(拍手)
      ────────────────────────────

田中敦朗 議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。
 この際、お諮りいたします。
 6月24日、25日の両日は、休日のため休会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

         (「異議なし」と呼ぶ者あり)

田中敦朗 議長  御異議なしと認めます。
 よって、6月24日、25日の両日は、休会することに決定いたしました。
 次会は、6月26日(月曜日)定刻に開きます。

      ────────────────────────────

田中敦朗 議長  では、本日はこれをもって散会いたします。
                            午後 3時01分 散会


〇本日の会議に付した事件
一、議事日程のとおり





令和5年6月23日
出席議員 47名
      1番   田 中 敦 朗        2番   大 嶌 澄 雄
      3番   村 上   麿        4番   瀬 尾 誠 一
      5番   菊 地 渚 沙        6番   山 中 惣一郎
      7番   井 坂 隆 寛        8番   木 庭 功 二
      9番   村 上 誠 也       10番   古 川 智 子
     11番   荒 川 慎太郎       12番   松 本 幸 隆
     13番   中 川 栄一郎       15番   筑 紫 るみ子
     16番   井 芹 栄 次       17番   島 津 哲 也
     18番   吉 田 健 一       19番   齊 藤   博
     20番   田 島 幸 治       21番   日 隈   忍
     22番   山 本 浩 之       23番   北 川   哉
     24番   平 江   透       25番   吉 村 健 治
     26番   山 内 勝 志       27番   伊 藤 和 仁
     28番   高 瀬 千鶴子       29番   小佐井 賀瑞宜
     30番   寺 本 義 勝       31番   高 本 一 臣
     32番   西 岡 誠 也       33番   田 上 辰 也
     34番   三 森 至 加       35番   浜 田 大 介
     36番   井 本 正 広       37番   大 石 浩 文
     38番   田 中 誠 一       39番   坂 田 誠 二
     40番   落 水 清 弘       41番   紫 垣 正 仁
     43番   澤 田 昌 作       44番   田 尻 善 裕
     45番   満 永 寿 博       46番   藤 山 英 美
     47番   上 野 美恵子       48番   上 田 芳 裕
     49番   村 上   博

欠席議員  1名
     14番   松 川 善 範


説明のため出席した者
  市長       大 西 一 史    副市長      深 水 政 彦
  副市長      中垣内 隆 久    政策局長     田 中 俊 実
  総務局長     宮 崎 裕 章    財政局長     三 島 健 一
  文化市民局長   金 山 武 史    健康福祉局長   津 田 善 幸
  こども局長    木 櫛 謙 治    環境局長     早 野 貴 志
  経済観光局長   村 上 和 美    農水局長     大 塚 裕 一
  都市建設局長   井 芹 和 哉    消防局長     福 田 和 幸
  交通事業管理者  古 庄 修 治    上下水道事業管理者田 中 陽 礼
  教育長      遠 藤 洋 路    中央区長     岡 村 公 輝
  東区長      本 田 昌 浩    西区長      河 本 英 典
  西区長職務代行者 廣 岡 泰 章    南区長      本 田 正 文
  北区長      中 川 和 徳

職務のため出席した議会局職員
  局長       江   幸 博    次長       中 村 清 香
  議事課長     池 福 史 弘    政策調査課長   上 野 公 一
 
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