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熊本市議会議員 たなか あつお

熊本市議会議員 たなか あつお

2023年06月22日 定例会

令和 5年第 2回定例会

  令和5年6月22日(木曜)
┌─────────────────────────────────────┐
│ 議 事 日 程 第4号                         │
│ 令和5年6月22日(木曜)午前10時開議                │
│ 第  1 一般質問                           │
└─────────────────────────────────────┘
                            午前10時00分 開議
田中敦朗 議長  ただいまより本日の会議を開きます。
      ────────────────────────────

田中敦朗 議長  日程第1「一般質問」を行います。
 発言の通告があっておりますので、順次発言を許します。
 まず、井坂隆寛議員の発言を許します。井坂隆寛議員。

         〔7番 井坂隆寛議員 登壇 拍手〕

◆井坂隆寛 議員  皆様おはようございます。議席番号7番、井坂隆寛です。
 最初の登壇に当たり、一言御挨拶申し上げます。
 私は昨年3月末まで21年間、熊本県教職員として工業高校に勤務し、教育に携わってまいりました。教職の経験を重ねるにつれ、より多くの方々、これからの地域社会を担う次世代のため、そして持続可能な熊本市づくりのために働きたいと思うようになり、議員を志しました。この伝統ある熊本市議会の議場で登壇できますことは私の誉れであります。どうぞよろしくお願いいたします。
 では、本題に入らせていただきます。
 子供たちの安全・安心についてです。
 令和2年度実施の文部科学省の学校基本調査によりますと、熊本市の小中学校に通う児童・生徒のうち、不登校の生徒の割合は2.47%で、政令指定都市20市の中では、大阪市、札幌市に続き3番目に高い値となっています。
 本市では、その対応の手だてとして、ICTを活用し、生徒に貸与されている個人タブレットを用いたオンライン学習支援であるフレンドリーオンラインが昨年4月から活用されています。これは、新型コロナウイルス感染症対策に伴う学校一斉臨時休校の際に、不登校の生徒でもオンラインならば登校することが分かったことから、手だてとして活用が開始され、昨年9月1日時点の参加登録者数は209人でした。引き続き、活用を期待します。
 このように、子供への適切な支援や、やる気を引き出すために周辺環境を整えることは大切です。子供たちの安心・安全について、幾つか質問いたします。
 まず1点目として通学路の安全確保についてです。
 本議会でも、令和3年第1回定例会にて、通学路沿いにあり、地震などで倒壊の危険性があるブロック塀の撤去については、今後起こり得る災害リスクとして、対策に関する質問がありました。答弁者の都市建設局長からは、危険箇所へのカラーコーン設置などの安全対策や、職員による戸別訪問を行い、塀の所有者に対し、安全性の確保を呼びかけるとともに、維持管理責任の周知を行い、除去または改修を強く促していくとの御答弁がありました。
 市は、2018年度から危険なブロック塀の撤去に最大20万円の助成を行っています。令和4年度予算では、1,400万円、最大で70件分計上されていましたし、今年度予算にもブロック塀等安全対策緊急支援事業として1,300万円、最大で65件分が計上されています。
 そこで、都市建設局長にお尋ねします。
 危険なブロック塀の対応について、現在の進捗状況と今後の見通しについてお聞かせください。
 質問を続けます。
 市は、道路の状態や不具合等の確認のためパトロールを行っています。しかしながら、主な確認方法は、走行する車の車内からの目視であるとお聞きしました。この方法では、児童・生徒が通学に使用する歩道の状態までを確認することは難しいと感じます。
 また、通学路の安全確認は、市内の小学校を5つのグループに分け、5年に1度の合同点検を行っておられます。小学校ごとに学校、警察、道路管理者、地域関係団体等が合同で、一緒に歩いて通学路の状態の確認を行い、その場で対策の必要性の判断と内容の検討を行うとお聞きしました。
 まずもって、長大な通学を歩いて点検されることに感謝いたします。しかしながら、原則として、夏期休業中に行われるこの点検では、日々状態が変化する通学路の保全への対応の後れが懸念されます。
 以上のことから、歩道や通学路の安全の維持のために、その状態を細やかに把握する手だてとして、市民からの通報は有用であると感じます。
 ここで、都市建設局長にお尋ねします。
 市民から、道路に関する情報が寄せられる頻度と通報の形式、また、その対応内容並びに今後の情報収集の手法と対応の効率化、そして市民への通報手段の周知方法について、それぞれお聞かせください。
         〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕

◎井芹和哉 都市建設局長  ただいまの2点の御質問にお答えいたします。
 まず、1点目のブロック塀に対する取組の進捗状況と今後の見通しについてでございます。
 平成30年6月の大阪北部地震での事故を受け、翌7月に自治会の皆様の協力を得ながら、全庁体制で市全域の緊急点検を実施しております。その後、9月から実施した専門家による現地調査を経て、安全性が危惧される560件を特定し、令和2年度までに職員により直接、注意喚起を行っております。
 そのうち、高さ2.2メートルを超えるもの、または傾きが5度以上の特に危険性が高いと判断した267件につきまして、所有者等に対し解体などを促すため、令和3年度から文書による通知や戸別訪問を実施し、109件が対応済み、64件が今後対応予定であることを確認しておりますが、残りの94件は所有者等を訪問いたしましても、不在等でお会いできていない状況でございます。
 この未対応となっております158件につきまして、再訪問や通知文を送るなど、早急な改善を促していきますとともに、歩行者の生命を守るために、位置情報を活用した方策等について検討してまいりたいと考えております。
 また、安全性が危惧される残りの293件につきましても、引き続き安全性の確保を呼びかけてまいりますとともに、今後も危険性があるブロック塀の実態把握に努めるなど、積極的に安全確保を図ってまいります。
 次に、道路に関する市民の皆様からの通報の状況や内容、今後の情報収集の手法や効率化、さらには周知方法等についての御質問でございますが、本市には市民の皆様から道路に関する不具合等の情報が電話やファクス、メール、LINE、または窓口に直接お越しいただくなど、様々な方法により年間約5,000件ほど寄せられております。
 その内容は、舗装劣化や陥没、側溝や照明灯の異常、除草の要望等であり、随時対応しているところでございます。
 このうち、LINEによる通報は、令和2年度から試験運用を開始しておりまして、位置情報や添付画像により、場所や損傷程度が容易に把握できますので、通報内容の整理時間が大幅に削減され、迅速な現場対応につながっております。
 一方で、市民の皆様にとっても、24時間どこからでも通報できる手軽さから、通報が初年度に300件超となりますなど、双方にメリットが確認できましたことから、さらなる利用拡大を目指し、進捗状況の見える化等の改善を加えまして、令和3年度から本格運用しているところでございます。
 通報手段の周知につきましては、本市の公式ホームページへの掲載や、LINE公式アカウントに関するパンフレット配布などを実施しているほか、包括連携協定事業者等にLINEアカウント登録を含め通報の協力もお願いしているところでございまして、今後も市民の皆様や企業等に積極的に周知を行い、道路のさらなる安全確保に努めてまいりたいと考えております。
         〔7番 井坂隆寛議員 登壇〕

◆井坂隆寛 議員  御答弁ありがとうございました。
 まず、危険なブロック塀に関しては、近年空き家が増え、塀の所有者との連絡が取れないケースもあるとお聞きしました。しかしながら年数がたつと、倒壊のリスクが増えるばかりです。また、調査後に苦情やパトロールで新たに危険な状態であることを確認する例も出てきているようです。これまで以上に、積極的かつ速やかな御対応を要望します。
 あわせて、調査当時に児童・生徒が危険箇所に近寄らないよう設置されたパイロン等は、その後、風雨を受け状態がよくないものもあるかもしれません。継続して御対応をお願いします。
 次に、2つ目に御回答いただいた道路状態の情報収集についてですが、熊本市の第7次総合計画の中には、歩いて楽しめる都市空間の創出とあり、安全な歩道の整備は必須事項であると感じます。環境を整備し、通学する児童・生徒のみならず、高齢者やベビーカー、車椅子を利用される方、そして観光客にも親切な熊本市であることを要望します。
 また、市内の道路であれば、その異常については、市民は国道や県道、市道の区別なく市に通報してこられると思います。そしてその内容は、道路の割れ、穴、冠水、白線の薄れ、街灯、橋の手すりなど、多岐にわたることと思います。ぜひ、その通報手段についてはデジタル化のみに頼らず、どなたでも利用できるよう丁寧な広報や周知を要望します。
 引き続き、関係機関との情報のやり取り、対応の連携を密にし、児童・生徒のために、通学路の安全確保をお願いします。
 では、続けます。
 子供たちの安全・安心について、2点目の質問は、こども発達支援センターについてです。
 今年4月のこども局創設に伴い、こども局こども福祉部こども発達支援センターに改編されています。ここでは、熊本市にお住まいのゼロ~18歳までの子供の発達に関する様々な相談に応じ、個々の発達に応じた適切な支援や助言を行いながら、保護者の子育てに対する不安や悩みを一緒に考え、援助を行っています。
 昨年度の相談件数は9,153件で、過去4年間の推移を見ても、おおむね横ばいではありますが、子供の発達に困り感を抱いておられる保護者は多くいらっしゃいます。引き続き、子供、保護者に寄り添い、御支援をお願いします。
 さて、こども発達支援センターの相談支援フロー図によると、保護者からの電話相談があった際には、内容に応じ、専門相談や意見書面談、インテークと呼ばれる子供の詳しい発達検査と成育歴聴取が行われますが、子供と保護者が来所相談に至るまでには、長い待ち期間が生じているのが現状です。
 この点に関しては、以前から対策を求められており、令和元年第3回定例会でも関連した質問がありました。その結果、電話相談から初回来所相談まで2.18か月あった待ち期間については、専門相談や意見書面談を別に行うことで、おおむね1か月で対応できる体制があるなど、改善が進められています。しかしながら、依然としてインテークまでの待機期間は年々増加傾向にあり、昨年度は平均5.05か月です。子供の発達に応じ、適切な時期に適切な支援が受けられることを保護者は要望されています。
 ここで、こども局長にお尋ねします。
 こども発達支援センターで長い待機期間が生じている理由と、その改善策についてお聞かせください。
         〔木櫛謙治こども局長 登壇〕

◎木櫛謙治 こども局長  こども発達支援センターに関する御質問にお答えいたします。
 まず、電話での相談受付後、子供の詳しい発達検査と成育歴聴取を行う、いわゆるインテークまでの待機期間の長期化の理由でございますが、新規相談の増加が要因と考えております。
 具体的には、発達障害に対する認知が高まるとともに、相談機関が周知されたことにより、保護者からの相談や、保育所、幼稚園、学校からの紹介が増加し、加えて、新型コロナウイルス感染症の影響と思われる集団における不適応行動や不登校などの相談が増えております。
 一方、インテークにつきましては、子供の特性に合わせ、心理相談員等の専門職が丁寧に対応するため、一定の時間をかける必要がございます。また、落ち着いて検査を受けていただくため、適切な環境の検査室等の確保も必要なことから、やむを得ず待機期間が長期化しているものと考えております。
 そこで、その改善策についてでございますが、今後は、電話での相談受付後、速やかに来所面談を行いまして、主訴に応じて専門職がインテークの要否を判断する、いわゆるトリアージに新たに取り組む準備をしているところでございます。
 トリアージの導入によりまして、発達検査等を必要としないお子様は、検査をお待ちいただくことなく発達段階に応じた保育所、幼稚園、学校等での支援提供に移行するなど速やかな対応を行うことが可能となります。
 このことで、同時に検査が必要なお子様のための検査の日程を確保することができるようにもなります。
 さらに、事務作業の効率化を図ることによりまして、例えば、平日の午後、放課後の時間に1枠増やすなど、検査受入れの拡充に努め、インテークまでの待機期間を改善してまいりたいと考えております。
 また、子供の発達についての相談や検査は、区役所保健こども課や教育相談室等でも対応できますことから、これらの相談機関への案内も適切に行うことにより、待機期間の短縮に取り組んでまいります。
         〔7番 井坂隆寛議員 登壇〕

◆井坂隆寛 議員  御答弁ありがとうございました。
 待機期間が生じている理由に、新型コロナウイルス感染症の影響、これは臨時休校期間や社会不安も含まれると思いますが、集団における不適応行動や不登校などの相談が増えているとの御答弁がありました。
 冒頭述べましたように、本市は不登校生徒の割合が2.47%と政令指定都市の中で3番目に多い状況です。その対応の手だてとしても、こども発達支援センターが担われる役割は大きいと感じました。
 また、改善策、特にトリアージを行う職員体制の確保に関しましては、早速の御対応ありがとうございます。本市では、今年度、こども局を開設し、こどもホットラインの設置など、子供をめぐる課題への対応の強化がなされました。引き続き、こども発達支援センターには、子供、そして保護者の困り感をしっかりと受け止める体制づくりを要望いたします。
 具体的には相談の結果を受けて、子供と保護者が速やかに医療や教育とつながることができ、支援のタイミングを逃すことがないよう、各部門との連携を密になされることをお願いいたします。
 また、子供を取り巻く社会環境は日々変化します。こども局全体で、子供に寄り添った支援がなされることを要望します。
 では、次にまいります。
 学びの機会の確保についての質問です。
 熊本県は今後、工業の分野で発展することが期待されています。熊本市もその恩恵を最大限受けられるよう準備を進めなければなりません。
 まずは、若年層の雇用を確保し、人材の流出を抑制するために、様々な学びの機会が大事であると考えます。この学びの機会に関連して、2点お尋ねします。
 まず、県立夜間中学についてお聞きします。
 現在、来年4月の開校に向け、準備が進められています、熊本県立湧心館高校の敷地内に新設中の校舎は、1教室で同時に2つの授業を実施するための可動式の仕切りを設置したり、バリアフリーのトイレを設置したりするなど、少人数教育や様々な生徒の受入れに対応しています。
 その予想される生徒像ですが、熊本県が昨年11月下旬~今年1月末まで実施した夜間中学への入学希望事前調査アンケートによると、回答数43件のうち、ぜひ入学したい、どちらかといえば入学したいと答えた方は合わせて32人、これは全体の74%に当たります。また、そう答えた方の40%に当たる17人は熊本市在住でした。
 年代別では、全体の79%に当たる34人が10代~30代でしたが、60代や80代の方も調査では御回答いただいています。また、外国語を使用する方は12人、全体の28%でした。来月、入学希望者向けの説明会が実施され、8月には募集要項が配付される予定です。
 このように、様々な生徒が入学し、学び直しの場として期待が寄せられる夜間中学に関しては、本議会でも昨年の第1回定例会で設置の検討についての質問がありました。教育長からは、勉強を希望されている方をできるだけ多く受け入れられるよう、県と連携し進めていきたいとの御答弁がありました。
 そこで、教育長にお尋ねします。
 本市が今後、具体的にどういった役割を担うのか。例えば、教職員の配置は本市が行うのかなどについてお聞かせください。
 続けて2点目に、半導体産業の参入に備えた教育環境の充実についてお聞きします。
 熊本県では、近年、半導体という言葉を以前にも増して聞くようになりました。かつての半導体王国熊本の復活に向け、地域の機運の高まりを感じます。それと同時に、地域産業の担い手の育成も、大学などの各教育機関で進められています。
 では現在、本市における義務教育段階での半導体に関する学びの内容や頻度について、また、校外学習や工場見学などはあるのでしょうか。
 教育長にお尋ねします。
         〔遠藤洋路教育長 登壇〕

◎遠藤洋路 教育長  まず、県立夜間中学についての御質問にお答えいたします。
 令和6年4月に開校予定の県立夜間中学については、設置準備の段階から県と市で連携し、運営等に関して必要な協議を進めてまいりました。
 夜間中学については、全ての都道府県と指定都市に少なくとも1つ設置するという国の方針が示されている中、県立夜間中学が本市に設置されることや、入学する方の多くが本市在住者と想定されることなど、本市としても新たな教育の機会を県とともに積極的に提供していくとの観点から、運営に係る費用を分担することとしております。
 また、教職員の配置についても、県、市、双方の教職員で構成することとしており、現在、開校後の円滑な運営に向け、指導主事1名を県に派遣しております。今後、実際の入学予定者数の見込み等も踏まえ、具体的な配置数等の協議を行ってまいります。
 県立夜間中学の設置は、様々な事情により十分な義務教育を受けられなかった方や、外国籍の方に対する多様な学びの場となる大変意義深いものと認識しており、今後も、県と緊密な連携を図りながら、開校に向けた準備を進めてまいります。
 次に、半導体に関する御質問にお答えいたします。
 現在、中学校の技術家庭科の技術分野で、エネルギー変換という学習の中で、身の回りで半導体が使われている製品について学んでおります。半導体の工場見学などの校外学習については、カリキュラムとして位置づけているものではありませんが、今年度、半導体関連の工場での職場体験学習を予定している学校や、今後、子供たちが半導体について分かりやすく学べるよう、工場見学の受入れを企画検討している企業もあると伺っております。
 また、子供たちが半導体について学べる場として、雇用対策課と教育委員会が連携して実施するしごと学びWEBライブオンラインプログラムがあります。これはキャリア教育の一環として、小学校6年生と中学校1、2年生を対象に、令和3年度から実施しているものです。
 このプログラムの中の1つに半導体産業があり、子供たちは、半導体産業で働く人々の仕事内容や職業観などについて直接話を聞いたり、質問しながら学んでいるところです。さらに昨年度、熊本大学では、女子中高生を対象とした親子ガールズスクールで半導体工場見学が実施されております。本市としては熊本大学と連携して、このプログラムを中学校に紹介し生徒の参加を促しており、今後も連携していく予定です。
 地域産業の担い手育成という点を視野に入れ、今後も多くの子供たちが半導体について興味や関心を持てるよう、推進してまいります。
         〔7番 井坂隆寛議員 登壇〕

◆井坂隆寛 議員  御答弁ありがとうございました。
 夜間中学では、様々な生徒が学ぶため、先生方、特に担任の先生方は日々、多くの準備をされると思います。
 私は先月、東京都の夜間中学を視察しましたが、外国籍の生徒が多く在籍し、普通学級とは別に、日本語を学ぶための日本語学級が設置されていました。今後、本県を取り巻く情勢の変化により、日本語学習のニーズが増えることも考えられます。そうしますと、先生方には、日本語教育の指導法を学んでいただく必要が出てくるかもしれません。
 ぜひ、夜間中学の今後の教育方針や教育環境、生徒のニーズを先生方へ周知していただき、多くの先生方が十分な御理解の上、夜間中学で生徒に寄り添ってくださることを期待します。
 また、教育長には、今後も社会人、大人の学び直しのための予算や制度の拡充を要望します。特に、学校の先生方が学ばれることは、教育の質の向上や豊かな教育の実現につながります。教員免許更新制度は昨年7月に廃止され、学校の先生方には新たな学びの姿が求められています。ぜひ、先生方の学びを支えるための予算や制度の拡充についても、先生方の負担にならない御配慮の上、御検討くださいますようお願いします。
 2点目の半導体産業の参入に備えた教育環境の充実については、義務教育段階から職業についての基礎的な知識と技能、そして個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うことが、今後の地域産業の担い手育成のためにも、ますます求められます。引き続き、教育の充実を期待します。
 あわせまして、ぜひ高校生や既卒生、社会人に向けての産業教育の機会の確保についても、今後対策を講じてくださいますようお願いします。
 次にまいります。
 災害に備え、持続可能な熊本市づくりに向けてです。
 本市の令和5年度予算は、熊本の未来へつなぐをテーマに編成されており、コロナ・災害からの脱却はその柱の1つとして位置づけられています。
 平成24年の九州北部豪雨や平成28年の熊本地震を経験した熊本市にとって、安全・安心で災害に強いまちづくりを進めることは、上質な生活都市の実現につながると言えます。このことに関連し、質問します。
 まず、防災拠点を担う市庁舎の建て替えに関する市民との合意形成についてです。
 先月、熊本市本庁舎等整備の在り方に関する7回にわたる有識者会議を経て、市庁舎を建て替えるべきであるという結論に至った答申が市長に提出されました。
 その建て替えの根拠としては、市庁舎が現行の建築基準法が求める耐震性能を有していないこと、周辺への影響やアスベストの含有などの原因により、耐震改修の実現性が低いこと、機械設備が地下に配置されていて防災拠点としての機能を果たせないリスクがあることなどが挙げられています。
 また、答申の中では、市庁舎整備事業の推進に当たっては、市民との合意形成を図りながら、まち全体のグランドデザインを描くことも要望されています。
 これらを踏まえ、大西市長に2点お尋ねします。
 1点目は、今後事業を推進する前提となる、市民との合意形成の方法についてです。市議会の議決のみならず、合意形成には、情報発信やシンポジウムから住民投票の実施まで様々な手だてがあります。市長がどのような方法をお考えかお聞かせください。
 2点目は、防災拠点として備えるべき機能とふさわしい場所についてです。
 一時避難場所として広い空地があることは大切です。花畑広場には、災害の際に簡易トイレにもなる設備があります。熊本地震の際、白川公園では地下貯水タンクが活躍し、給水車の駐在場所としても活用され、住民の期待に応えました。引き続き、災害に備えた公園として大事にされることを期待します。
 これらのことも踏まえ、新しい市庁舎を防災拠点として最大限活用するための備えるべき機能とふさわしい場所について、市長の考えをお聞かせください。
         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  本庁舎等の建て替えについては、多くの市民の皆様から御意見をいただくことが重要であると認識しており、まずは、私自身が市民の皆様と直接対話をする場を設けたいと考えております。
 さらに、本庁舎等に求める機能や配置などについて、広く御意見を伺う機会として、様々な媒体を活用したアンケート調査の実施も予定しているところです。
 今後も、本庁舎等の建て替えに当たっては、適切に情報を提供しながら、分かりやすい説明を行いますとともに、様々な機会を捉え、広く御意見を伺いながら丁寧に合意形成を図ってまいります。
 次に、防災拠点施設であります本庁舎は、災害対応に係る指揮命令、総合調整を行う災害対策本部機能のみならず、物資の受入れや避難所環境整備、罹災証明書発行といった災害対応業務の中核機能も担っております。さらに、他都市や関係機関から多くの派遣職員を受け入れ、活動を行う十分なスペースを備えることも必要であります。
 加えて、発災直後から、即時的・継続的に業務を行えるよう、耐震性、耐火性を有することはもとより、いかなる災害時においても、電気、ガス、水道、通信等のインフラ設備の機能が確保されることも重要であります。
 また、議員御案内のとおり、周辺に立地する花畑広場や白川公園は、中心市街地における指定緊急避難場所として重要な拠点でありますことから、防災倉庫やマンホールトイレ、手押しポンプ等の機能を備えております。
 本庁舎等の建て替えに当たっては、これらの周辺施設の機能や配置も含め、防災面はもとより、平時における利便性、まちづくりへの影響など、多面的に検討を進める必要があると考えております。
 そのためにも、市民の皆様はもとより、経済団体、周辺商店街など、多様な御意見を伺いながら、議会での議論を踏まえ、ふさわしい場所について検討してまいりたいと考えております。
         〔7番 井坂隆寛議員 登壇〕

◆井坂隆寛 議員  御答弁ありがとうございました。
 寄せられる市民の声に耳を傾け、合意形成を行っていくことは、事業を推進する前提です。その方法について、適切な情報提供や直接対話、アンケートの実施が予定されているとの市長のお考えが分かりました。
 私が先月、視察しました東京都世田谷区、人口は約92万人ですが、ここでは築50年を超えた本庁舎の整備事業が現在、行われています。総事業費486億円で、工事期間は75か月、令和9年10月に完成予定です。
 そこでは、合意形成の手法の一つである情報提供を、第1期工事が始まった令和3年7月の4年前、平成29年6月から19回に分け、本庁舎整備ニュースとして発行されていました。御参考になればと思い、御紹介します。
 さて、今年度は第8次総合計画策定の年です。第7次総合計画は実施の僅か1か月後に熊本地震を経験し、計画の修正がなされ、防災に対する備えが盛り込まれました。第8次総合計画には、今後の熊本市の方向性を明確にし、新庁舎が担うことができる部分を市民に示すことが求められます。
 防災拠点としての役割、機能については、先月、中央区に完成した熊本県防災センター、こちらは九州を支える広域防災拠点としての位置づけですが、こことの連携についても、それぞれの役割を確認していただき、本当に必要なものを備えていただきたいと思います。
 次世代のために持続可能な熊本市をつくることは大切です。引き続き、市民への丁寧な情報発信を要望します。
 続きまして、坪井川への河川等監視カメラの増設についてです。
 熊本県では、海外からの半導体産業の参入により、水資源の涵養について意識の高まりが感じられます。菊陽町に建設中の半導体工場は、1日に1万2,000トンの地下水をくみ上げ使用します。また、今後、その工場には第2工場増設の計画もあるようで、もし同じ場所に建設されるならば、単純に2倍、1日に2万4,000トンもの地下水が使用されることも考えられます。
 ここで私が着目しましたのは、その使用済みの水が市中心部の坪井川を流れるという点です。市民に、そのような大量の水が流されると川が増水し、危険ではないかという不安を与えることが懸念されます。
 そこで、2点質問します。
 1点目は、坪井川の今後の流量の変化、特に大雨時の流量の変化への対応はできているのでしょうか。都市建設局長、お聞かせください。
 2点目は先月、河川に設置されたカメラで河川の状況を配信する仕組みが増強されましたが、市内中心部には設置がありません。市庁舎建て替えの根拠でもある市役所地下の電源設備の水没に対する懸念もあります。
 今後、坪井川への河川等監視カメラの増設はあるのでしょうか。政策局長、お聞かせください。
         〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕

◎井芹和哉 都市建設局長  1点目の坪井川への今後の流量の変化への対応等についてお答えいたします。
 現在、菊陽町に建設中の半導体工場からの排水につきましては、全て下水道に排出される計画であり、熊本北部浄化センターで処理された後、坪井川へ放流されます。
 坪井川及び熊本北部浄化センターを管理いたします熊本県によりますと、放流に伴う増加は0.1%未満であり、現河川計画の流量に影響を及ぼすものではないと判断されておられます。
 市街地の中心を流れる坪井川は、本市にとりましても重要な河川でございますので、引き続き、進出企業等の動向を注視しつつ、沿川住民の皆様が安心して暮らせますよう、今後とも熊本県に情報提供を働きかけてまいります。
         〔田中俊実政策局長 登壇〕

◎田中俊実 政策局長  河川等監視カメラについてお答えします。
 河川等監視カメラは、水害対策はもとより、早期避難を促すなどの防災上の観点から、河川の氾濫や高潮、アンダーパスの浸水等の状況を確認するため、坪井川をはじめ、市内の主要河川等29か所に設置しております。
 これらの監視カメラの画像につきましては、市民の皆様が自宅などで河川等の水位を確認することで、早期避難の判断が可能となるよう、6月1日から市のホームページで公開を行ったところでございます。
 先ほど都市建設局長が答弁しましたとおり、菊陽町に建設中の半導体工場からの排水に伴う坪井川への放流量については、現河川計画の流量に影響を及ぼすものではないとされておりますことから、現時点においては、現在坪井川に設置している監視カメラで対応が可能であると考えております。
 河川等監視カメラの設置につきましては、今後、災害発生のおそれが高まった場合などの状況変化に応じまして、河川管理者や関係部局等と協議の上、適切に対応してまいります。
         〔7番 井坂隆寛議員 登壇〕

◆井坂隆寛 議員  御答弁ありがとうございました。
 坪井川への流量の影響が少ないことを知り、安心しました。また、半導体工場からの下水道は密閉構造の管路でもあり、熊本北部浄化センターまでの間に下水が外部に漏れ出す構造ではないことも事前にお話を伺っております。
 熊本県は今後、工業分野で発展を遂げることが期待されます。それと同時に、市民の中には、環境の変化に対する不安を感じる方もいらっしゃると思います。できるだけ多くの情報や選択肢を市民に提供し、環境の変化への不安を今後も取り除いてくださることを期待します。
 また、河川等の監視カメラについては、近年頻発するようになった線状降水帯による急激な河川流量の増加への不安から、今後、設置を求める声が増えるかもしれません。御答弁のとおり、適切な御対応をお願いします。
 質問を続けます。
 熊本市は今年度、第8次総合計画の策定や、5年に1度の熊本市国際戦略の策定をします。その内容、いわゆるグランドデザインには、多くの市民の関心が寄せられると思います。外国人から選ばれる、多様性を尊重し、世界につながる魅力ある熊本市づくりに向けて、今後、取組が進められることを希望します。
 さて、前回の国際戦略は、国内外からの交流人口と定住人口の増加を今後の目標として挙げてありましたが、平成30年3月の策定後に、新型コロナウイルス感染症が蔓延した影響を受けたため、その評価は難しいと言えます。また、その中には、本市が目指す国際都市の姿を実現するための基本的取組として、戦略的な海外展開と地域の国際化が掲げられていました。
 この5年の間に新型コロナウイルスの蔓延やロシアのウクライナ侵攻など、世界の情勢に大きな変化がありました。そして、熊本にも台湾からの大手半導体産業の参入があるなど、加速度的な変化が見られます。
 令和4年12月末時点での熊本市の人口に対し、外国人数は7,272人で全体の約0.99%です。今年度は1%を超えることが予測されます。国籍別では、中国、ベトナム、フィリピン、ネパール、韓国・朝鮮、インドネシアの順に多く、また、在留資格別ですと永住者、技能実習、留学生、科学・人文知識・国際業務、特定技能1号の順に多い状況です。
 また、ベトナム国籍の方の増加が止まり、代わりにネパール国籍の方の増加が見られるようになりました。これまで国際化といえば日本人が海外に進出する印象がありましたが、現状は海外から外国人がやってくるようになりました。事実、人材流出が深刻な地域では、産業の担い手として、外国人労働者の力が必要です。その外国人労働者に対しては、日本語学習機会の不足や、企業内または地域住民との交流機会の不足への懸念があります。
 本市では、外国人と地域社会とをつなぐ窓口として、国際交流事業団が市内6か所で日本語教室を開催しています。在住外国人が日本の習慣や文化を学んだり、情報交換したりする場所になっていますが、この教室は市民ボランティアの協力により成立しており、全ての外国人住民の受皿となるだけの規模がないのが現状です。
 そこで、大西市長にお聞きします。
 今後の国際化のグランドデザインの見直し、外国人受入れ環境の整備や強化について、市長のお考えをお聞かせください。
         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  平成30年3月に策定いたしました熊本市国際戦略におきましては、技能実習をはじめとする在住外国人の方が増加傾向にあったことから、多文化共生社会の推進を基本施策の柱に位置づけ、外国人総合相談プラザの開設や地域日本語教室の拡充に取り組んでまいりました。
 この在住外国人と地域の日本人が、互いに文化的な違いを認め合い、ともに生きていく共生社会を実現していく方針は、今年度策定いたします次期国際戦略においても変わらないと考えております。
 議員御指摘の交流機会や受皿づくりは大変重要であると認識しておりまして、不足が予測されますエリアにおける地域日本語教室の拡充、また、日本人を対象とした易しい日本語研修の実施など、異文化理解の機会を創出し、多文化共生社会の実現に向け、これまで以上に取組を進めてまいります。
 今後も、在住外国人の方のニーズの把握はもとより、地域の声にも耳を傾けながら、外国人受入れ体制の強化を図り、世界に認められる上質な生活都市を目指してまいります。
         〔7番 井坂隆寛議員 登壇〕

◆井坂隆寛 議員  御答弁ありがとうございました。
 本市は、提携している姉妹都市との交流を行うなど、積極的に国際戦略を展開しています。同時に、市民が外国人と共生していくために必要な情報を得たり、文化交流をしたりする仕組みの充実についても、積極的な展開が必要であると感じます。
 観光客と定住者に対しては、求められる対応が異なります。共生のためには、外国人住民に対しては、地域への参画を促すこと、そして市民に対しては共生への理解を求めていくことが必要です。
 御答弁の中に、地域日本語教室のさらなる充実、そして在住外国人の方のニーズの把握というお言葉がありました。ぜひ、予算や専門性を持った人材の確保について御対応くださいますことを要望します。
 熊本地震の際、避難所では、情報の多言語化の必要性や異文化への配慮が課題となりました。このときの課題を忘れず、今後も外国人に対して、地域の防災訓練や行事への参加を促すなど、誰一人取り残さない社会づくりのため、外国人の社会参画支援が継続してなされることを期待します。
 以上で、私の質問を終わります。
 最後に、本日傍聴席にお越しくださった市民の皆様、インターネット配信を御覧くださった皆様、そして、今回、質問の機会を与えてくださいました先輩議員並びに同僚議員の皆様、真摯に御答弁くださいました市長、そして執行部の皆様に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
      ────────────────────────────

田中敦朗 議長  この際、議事の都合により休憩いたします。
 午前11時10分に再開いたします。

                            午前10時45分 休憩
                            ───────────
                            午前11時09分 再開

田中敦朗 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。
      ────────────────────────────

田中敦朗 議長  一般質問を続行いたします。
 島津哲也議員の発言を許します。島津哲也議員。

         〔17番 島津哲也議員 登壇 拍手〕

◆島津哲也 議員  皆さん、こんにちは。
 議席番号17番、市民連合の島津哲也でございます。
 今年4月の統一地方選挙では、たくさんの皆様の御支援のおかげで、2期目の当選をさせていただき、この議場に戻ってこられたことは大変うれしく思っています。誠にありがとうございます。今後も安心・安全のまちづくりの実現を目指し、皆さんのお役に立てるよう努めてまいりますのでよろしくお願い申し上げます。
 本日は、市議会議員となって通算7度目の一般質問の機会を与えていただきました。先輩議員並びに同僚議員の皆様に心から感謝申し上げます。
 本日も今まで同様、市政や地域の課題を中心に、御支援いただいている皆様の声を交えながら質問させていただきます。本日も予定どおり緊張しておりますが、精いっぱい頑張ってまいりますので、温かく見守っていただくことをお願い申し上げ、早速ではございますが、質問通告に沿って一般質問に入りたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず1問目でございます。選挙の投票率についてでございます。
 各種選挙への参加に対しましては、労働組合の役員時代から、政治活動の必要性、選挙活動及び投票行為の重要性などを、若年層の方を中心に強く取り組むよう伝えてまいりました。
 2019年4月の統一地方選挙から今回の2023年4月の統一地方選挙の間の選挙投票率を見ましても、過去最低の言葉が何度も聞かれるほど、投票率は低下しております。選挙に出馬する当事者として、当選するのはうれしいですが、たくさんの皆様に投票いただき、選んでほしいとの気持ちが強いので、今回の投票率は非常に残念でなりません。
 私自身、市議会議員になってからも選挙投票率については、過去6回の一般質問のうち、4回取り上げており、期日前投票所の拡大や投票率向上に向けた取組提案を行ってまいりました。
 その中でも、商業施設での期日前投票につきましては、友好団体であるUAゼンセン様と一緒に選挙管理委員会を訪問し、投票率向上に協力する旨の説明をさせていただいたこともあり、最近の選挙において引き続き導入いただいていることは非常にうれしく思っています。
 また、今回の統一地方選挙では、商業施設2か所で期日前投票所の設置をし、期間についても前回は休日2日間のみでしたが、平日を含む8日間へ延長しての取組となっています。以前と比べると様々な形態や運営変更を行いながら試行されているのは、とてもいいことだと感じております。
 そこで2点お尋ねいたします。
 選挙管理委員会として、今回の統一地方選挙の投票率をどのように評価されているのか教えてください。また、今回からの新たな取組として、商業施設2か所で期日前投票所を設置し、前回は休日2日間のみだったものを、平日を含む8日間に延長されましたが、日数増加の効果や平日と休日の対応件数の状況などは、どう変化したのか教えてください。
 選挙管理委員会事務局長、御答弁をお願いします。
         〔福島慎一選挙管理委員会事務局長 登壇〕

◎福島慎一 選挙管理委員会事務局長  市議会議員選挙の市全体の投票率は、40.09%で、前回平成31年の41.66%を下回り、過去最低となりました。
 投票結果を前回と比較しますと、期日前投票者数が1万1,279人増加したものの、当日投票者数が2万424人減少したことによりまして、全体の投票率が下がったと考えております。
 次に、大型商業施設の期日前投票所の期間延長の効果につきましては、市議会議員選挙におきまして、1万1,377人の利用があり、前回と比較しまして、期日前投票者の全体の数が1万1,279人増加していることから、一定の効果があったと考えております。
 最後に、大型商業施設の期日前投票者数は、4月1日、土曜日が961人、2日の日曜日が1,625人、3~7日までの平日が、834人、985人、1,159人、1,260人、1,474人と推移し、8日の土曜日が3,079人となっております。
         〔17番 島津哲也議員 登壇〕

◆島津哲也 議員  御答弁ありがとうございました。
 期日前投票所の拡大や投票期間の延長につきましては、前回よりも投票する方が倍近く増加しており、平日、休日ともに、ある程度の利用者が確認できたことは非常によかったと思います。
 過去の選挙投票率と比較しても、期日前投票率は増加しているものの、当日の選挙投票率は低下しているため、結果的に全体の投票率は低下しています。
 期日前投票所の設置は、今までも選挙に行っている方が投票場所の選択肢が増え、便利になっただけで、投票率向上につながるとは言い難いような気がします。
 そのような観点から見ると、選挙に行かれていない有権者へ、どのようにして選挙に行っていただき、投票してもらうかを考えるしかありません。
 そこで、選挙に行かなかった理由をいろいろな方に聞いてみました。
 理由の中にはまず、今年の4月に統一地方選挙があったことすら知らない、知っているけど面倒くさい、仕事だから行けない、行っても誰に投票すればいいかわからない、家族みんな行っていない、などの意見がありました。
 昔のことを思い出せば、私がまだ独身のときに、選挙に行くのを面倒くさいなと思うことは正直ありました。しかし、そのようなときに、選挙へ絶対行けよと声をかけてくれる人がいました。それは、父親などの家族や職場の先輩や同僚でした。
 以前は、期日前投票が認められる理由が厳しかったので、当日に行っていましたが、朝から誰かしら選挙に行けと言われました。しかし、最近は選挙の話を家族ですることもないでしょうし、職場の先輩や同僚とのコミュニケーションも薄れているので、そういった声かけは以前より弱くなっているようです。
 私が労働組合の役員の研修会でよく言っていたのは、政治に無関心でいても無関係ではいられないとの言葉です。この言葉の意味が分かれば、各種選挙に行かなければならないと感じると思うのですが、いかがでしょうか。
 選挙投票率がこのまま低下すればいいと思っている人は誰もいないと思います。どうにかして有権者に選挙へ行き、投票してもらうために取り組むべきだと考えます。
 例えば、若い方向けでは小中学校の授業、社会人向けでは各企業の研修会で主権者教育を導入するなどのお願いはできないでしょうか。少しでも教育や研修の一部に主権者教育を導入していただければ、意識改革になると思いますが、いかがでしょうか。
 今後の教育計画や取組なども含め、選挙管理委員会事務局長、御答弁をお願いします。
         〔福島慎一選挙管理委員会事務局長 登壇〕

◎福島慎一 選挙管理委員会事務局長  現在、出前授業として市内の高校や特別支援学校、専門学校におきまして、選挙の大切さや投票制度などを学ぶ授業に加え、模擬投票などを行っており、出前講座にも講師派遣をしているところでございます。
 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが五類になったことにより、出前授業や出前講座が行いやすい環境になったことから、今後、出前授業の小中学校への呼びかけや連携を強化しまして、主権者教育のさらなる充実を図ってまいりたいと考えております。
         〔17番 島津哲也議員 登壇〕

◆島津哲也 議員  高校や専門学校への出前授業は知っておりましたが、一般市民への出前講座があるとは知りませんでした。
 ここ最近は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、なかなか難しかったと思いますが、今後はいろいろな局面で積極的なPRなどに取り組んでいただきますようお願いいたします。
 もう1つ、選挙に行かなかった理由で、選挙があることすら知らなかったというものがあります。
 私たち、一生懸命やっている当事者としては、一番残念な理由でございます。選挙管理委員会でも、選挙公報やチラシ、SNSなどを活用した情報発信をされており、頑張っていただいているのはよく理解できます。
 選挙ビラやポスターはあるものの、有権者が立候補者を選ぶ材料が多いにこしたことはありませんので、情報取得の方法をさらに増やす必要があると考えます。
 今後、上記以外での取組などがありましたら教えてください。選挙管理委員会事務局長、御答弁をお願いします。
         〔福島慎一選挙管理委員会事務局長 登壇〕

◎福島慎一 選挙管理委員会事務局長  選挙に関する情報取得の方法についてお答えします。
 投票率向上のための取組としましては、これまで市政だよりやホームページの活用に加え、商業施設や商店街等でのビデオ放映や、看板の設置などの啓発を行ってきたところでございます。
 また、若者がよく利用するツイッターやLINEなどのSNSによる選挙情報の発信も展開しているところであり、今後も、これらの啓発活動を地道に継続するとともに、他都市の先進事例などを参考にしながら、新たな取組も検討してまいりたいと考えております。
         〔17番 島津哲也議員 登壇〕

◆島津哲也 議員  本市だけではなく、全国各地で選挙投票率の向上に向けた取組をいろいろと検討されているのは十分存じております。
 他都市の取組を見ても、なかなかこれといった好事例などはないように感じます。しかし、先日、若い人たちと選挙投票率の話をしている中で、選挙ポスターの掲示板の空白部分がもったいないという意見がありました。確かに、立候補者のポスターで全て埋まることはほとんどありません。例えば、空いたスペースに選挙投票を啓発するような内容や、期日前投票をお知らせするようなポスターの掲示をするなどの工夫があってもよさそうな気がします。
 いろいろと制約があるかと思いますが、今後の新たな取組をよろしくお願い申し上げます。
 ちなみに、世界の選挙投票率は御存じでしょうか。日本は世界ランキングで、昨年10月時点で139位でございます。世界ランキング1位はベトナムで、99.26%、学校や会社、マンションのロビーでも投票ができる、代理投票も可能、選挙に行かないと選挙委員が自宅まで来るらしい、世界ランキング18位はスウェーデン、87.18%、若者の選挙投票率が85%、ふだんから政治の話を家族でしている、政治家と高校生が議論する場があるなど、生活の環境が変われば、意識も変わるのではないでしょうか。
 少しでも政治に関心を持っていただけるように、一人の政治家としてしっかり活動していきたいと思います。
 次の質問に入ります。
 2問目につきましては、市営団地入居者からの申出対応についてでございます。
 私の活動拠点である池上校区は8つの町内から成り立っています。どの町内の自治会長様も責任ある対応に取り組んでいただいており、自治協議会の事務局としては大変助かっています。
 2か月に1度の自治協議会にも必ず出席され、町内の課題についても情報共有した上で、皆様で相談、検討をしております。
 そのような中、7町内の池上団地の自治会長様から、入居者で共用している階段の滑り止めがすり減っているとの報告があり、入居者の方が階段の昇降中に転倒され、頭部を十数針縫う大けがをされたそうです。手すりの設置はあるものの、後づけであまり機能していない状況ということでした。
 自治会長様と入居者から市営住宅管理センターへ改修の申出を行ったそうですが、なかなかよい返事がもらえなかったと言われました。
 そのような報告を受けて、会議の次の週に現地を確認に行きました。特に、下の階の階段は利用頻度が高いことから相当老朽化が進んでいることを確認いたしました。手すりも後づけのようで、手すりが2つに分かれており、昇降する方には厳しいと感じました。
 池上団地はやがて築30年以上となることから、いろいろなところで老朽化が進んでいることは事実ですが、本市の市営団地は相当数あり、一度に改修するというのは財政面を見ても厳しいのは理解できます。
 しかし、入居者の方が安心・安全で暮らせることが第一だと思いますので、けがをされたケースなどには柔軟に対応いただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
 他の市営団地でも同じ事象が発生していないのか、施設共用部分に対する改修対応はどのようにされているのか、教えてください。
 都市建設局長、御答弁をお願いします。
         〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕

◎井芹和哉 都市建設局長  ただいまの市営住宅の施設共用部分の改修に関する御質問にお答えいたします。
 市営住宅におきましては、指定管理者による定期点検や入居者からの相談・要望等により、不具合が分かった場合は、速やかに対応を行っております。
 池上団地につきましては、自治会長から階段の滑り止めがすり減っているところがあるので、団地全体の滑り止めを交換できないか相談があり、現地を点検し、不具合のあった箇所を全て交換することで御了承いただきまして、既に改修も完了しております。
 改めて今後の定期点検では、団地自治会等からの意見聴取をより充実させ、不具合箇所を早期に発見し、速やかに対応していくことで、安全・安心な生活環境を持続的に提供できるよう取り組んでまいります。
         〔17番 島津哲也議員 登壇〕

◆島津哲也 議員  御答弁ありがとうございました。
 池上団地の階段の滑り止めの不具合は、今回の申出を含め8か所あり、既に交換済みということで、今後の事故再発防止の観点からとても助かります。
 入居者の方や自治会長様も、初期対応はちょっと不満げでしたが、その後は丁寧かつ迅速な対応をいただいたということで、非常に喜んでおられました。誠にありがとうございました。
 また、自治会長様から階段の滑り止めや手すりの話をいただいた後、高齢者支援センターささえりあの担当者から浴槽改修の相談もいただきました。以前から設置されている浴槽は、縦長で深さもあるため、年配の方などが1人で入浴するのが非常に困難ということでした。
 これも現地で確認しましたが、年配の方からすると、入浴は厳しい状況だと感じました。以前から要望はされているようですが、なかなか対応が難しい状況だと聞いています。しかし、ここ最近、要介護の入居者も増えてきていることから、条件つきでの対応が始まるといううわさを聞きました。
 以前からの要望であることから、よい方向に進んでいることがあれば教えてください。都市建設局長、御答弁をお願いします。
         〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕

◎井芹和哉 都市建設局長  ただいまの市営住宅の浴槽の改修に関する御質問にお答えいたします。
 深型浴槽から浅型浴槽への改修は、計画的に実施しておりますが、加えて今年度から、身体的理由等で深型浴槽での入浴が困難な方へ個別に対応することといたしまして、本年6月1日から募集を開始しております。
 条件としては、視覚や肢体の機能を理由とした障害の程度が1級~4級の方、あるいは、医師の診断書により、入浴に対し身体的配慮が必要と判断できる方がいる世帯という条件を設定しておりまして、既に多くの申込や問合せがあっているところでございます。
 今年度の応募状況を基に必要数を把握し、来年度以降も優先して対応していきたいと考えております。
         〔17番 島津哲也議員 登壇〕

◆島津哲也 議員  御答弁ありがとうございました。
 以前から、入居者の皆様から要望が出されており、今回、条件も明確であるため、非常にいい対応だと感じております。
 今月から募集を開始されたということで、どれくらいニーズがあるのか把握していただき、来年度以降の予算準備にも努めていただければ幸いです。今後も、年数が長くなるにつれて、市営団地へのいろいろな要望が出てくるかと思いますが、引き続き、真摯な対応をよろしくお願い申し上げます。
 次の質問に入りたいと思います。
 3点目は、本市のホームページ及びSNS、アプリの活用についてでございます。
 2019年5月から熊本市議会議員となり、いろいろな方からの各種要望にお応えする上で、各部署の担当者からの御支援によりスムーズに対応することができております。
 そのような対応を行う中で、本市のホームページやSNS、アプリなどを教えていただきました。どの資料や動画を見ても、詳しい説明が記載されており、分かりやすいものばかりでした。
 1つ例を挙げますと、市議会議員1期目は、環境水道委員を務めていたこともあり、ごみ出しや分別についての相談を多く受けました。ごみカレンダーをなくしたので再配布してほしいとの御要望に対して、行政へお尋ねしたところ、環境局からごみ分別アプリを紹介してもらいました。
 私も知らなかったので、アプリをダウンロードしてみると、自分の住んでいる地域を入力することで、ごみ出しをする日や分類の内容も簡単に確認できました。ごみ出しする日をお知らせするアラート機能や外国人のための多言語も対応できるのには驚きでした。
 早速、相談者にごみカレンダーを渡すとともに、ごみ分別アプリを紹介しました。アプリの内容は理解いただけたのですが、スマートフォンに苦手意識があると言われました。ところが、1週間ぐらいたったある日、相談者の方が実際にアプリを活用したところ便利であったため、もうごみカレンダーは要らんと言われ、返しに来られました。
 それからというもの、いろいろな会合にチラシを持っていき、いろいろな方にアプリを紹介し、登録してもらいました。特に、ごみ出し担当と思われる男性の方に。なかには、市政だよりで見たよと言われる方もいましたが、ほとんどの方が初耳のようでした。
 そうなんです。本市のホームページやアプリなど、全く知らないという方が数多くいるんです。ホームページを閲覧するのは何かを調べるときぐらいで、定期的に見に行くことはあまりないと考えます。市政だよりなど、本市からの広報紙でお知らせはしていますが、見ている方は少ないようです。
 でも、どうにかして本市のホームページやアプリなど、すばらしい資料や動画を見ていただきたい。そのようなことを考えていたときに教えてもらったのが、熊本市公式LINEです。この登録も至って簡単、QRコードをスマートフォンのカメラで読み込み、世代、性別、お住まいの校区、欲しい情報を設定するだけで、いろいろな情報発信を受けることができます。
 以前からメール配信されていた熊本県警のゆっぴー安心メールもこの公式LINEに導入されています。また、情報受信だけではなく、道路や河川などの損傷情報や資源物の持ち去り情報をLINEで通報できる機能もあります。写真の添付などができれば、簡単に使いこなすことができるのです。
 私もこの公式LINEから得る情報はたくさんあり、すぐに活用、周知させてもらっています。
 しかし、この熊本市公式LINEについても知らない方が多く、公式LINEの登録数は約17万5,000人です。この数字が多いか少ないかというところですが、熊本市の人口は約74万人、2020年時点の全国のスマートフォン保有率の69.3%で算定すると、約51万3,000人です。LINEアプリを使っている人を半分と想定しても、25万6,000人となることから、単純計算ではございますが、私は少ないと感じました。
 この公式LINEを普及させることで、本市の取組などの理解向上や、職員の業務効率化にもつながると思いますが、いかがでしょうか。公式LINEの市民の皆様への登録促進に向けた取組があれば教えてください。
 政策局長、御答弁をお願いします。
         〔田中俊実政策局長 登壇〕

◎田中俊実 政策局長  熊本市公式LINEは、平成30年3月に開設し、令和5年5月末時点で17万5,694人の方が登録しております。
         〔議長退席、副議長着席〕
 スマートフォンが広く普及した現在において、迅速に情報発信ができるSNSは、広報媒体として欠かせないものとなってきており、本市でも公式LINE等を活用して、様々な情報発信を行っております。
 議員お尋ねの公式LINEの登録促進に向けた取組につきましては、市のホームページや市政だよりにおける案内バナーやQRコードの掲載、また、区役所等におけるパンフレットの配布などにより、その周知・拡大に努めてきたところでございます。
 今後も、公式LINEによる迅速な情報発信を継続的に行いますとともに、公式LINEの高い利便性を市民の皆様に御理解いただけるよう、地域の回覧板を活用したパンフレットによる周知を図るなど、さらなる登録促進に向けて取り組んでまいります。
         〔17番 島津哲也議員 登壇〕

◆島津哲也 議員  今まで様々な取組を行ってこられた中で、現在の公式LINEはすばらしい情報発信源となっているものと感じております。先ほど御紹介したごみ分別アプリも当初は単独のアプリでしたが、公式LINEに追加導入されております。
 公式LINEがさらに充実していく反面、今まで単独であったアプリやSNSの利用者が少なくなってくるのではないかと思います。
 例えば、熊本市役所や熊本市議会のフェイスブックがありますが、情報発信はされており、フォロワーはいらっしゃいますけれども、いつも同じ方数名が見ているという状況です。
 この情報発信する業務も定期的な作業で大変ではないかと考えますし、せっかく情報を発信するのであれば、もっとフォロワーを増やすなどの取組があってもいいのではと考えますが、いかがでしょうか。今後の取組検討などがあれば教えてください。
 政策局長、御答弁をお願いします。
         〔田中俊実政策局長 登壇〕

◎田中俊実 政策局長  本市においては、市民の皆様のニーズに応じて、公式LINE以外にフェイスブック、ツイッター、ユーチューブといったSNSを活用し、幅広く市政情報の発信を行っております。
 今後も、それぞれのSNSを通じて、より多くの市民の皆様に必要な情報をお届けできるよう、公式LINE同様、様々な方法により利用者の掘り起こしに努め、より効果的・効率的な市政広報に取り組んでまいります。
         〔17番 島津哲也議員 登壇〕

◆島津哲也 議員  今回、2点の質問を行いましたが、公式LINEやその他SNSの活用は、答弁をお聞きする限り、私の質問に共感いただいたと思っております。ここ最近の一般質問でも各種の情報発信は、SNSを活用していくとの答弁が多いように感じます。
 しかしながら、情報発信を行う上で、フォロワーが増えていかなければ、活用拡大にはつながらないと思います。せっかくよい情報発信を行うのであれば、フォロワーをどうやって増やしていくのかが重要だと考えます。
 例えば、本庁へ転入届提出のため来庁されたときに、公式LINEの紹介を行い、空いた時間に新規登録を進める、地域自治会の会合で紹介するなど、ちょっとした声かけで登録拡大につながっていくと考えます。
 また、私もこのたび、議会広報委員会の委員長を拝命することになりました。市議会議員1期目も議会広報委員として市議会だよりを1人でも多くの方に読んでいただきたい、市議会の活動を知っていただきたいという強い思いを持って取り組んでまいりました。
 今後も議会活動をより多くの方に知っていただけるよう広報紙やSNSなどを活用した情報発信、SNSフォロワーの拡大についても積極的に努めてまいります。
 続きまして、4点目の質問に入ります。
 4点目の質問は、道路や公園の除草作業についてでございます。
 池上校区で活動している中でいつも感心させられるのが、地域の清掃活動です。定期的な町内清掃や小中学校の除草作業など、たくさんの皆様が参加され、最後まで活動に取り組んでおられます。ここ最近は、新型コロナウイルス感染症の影響によりなかなか厳しい時期ではありましたが、各町内やPTAの活動には非常に頭が下がります。
 特に、農家の方は自前の軽トラと草刈り機を持ってきて、学校内の除草作業を一緒に、学校周辺の歩道までも作業することがあります。土木センターへ依頼しましょうかと言ったところ、子供たちの通学路なので、少しでも安全に通れるようにという親心から、快く取り組んでいらっしゃいます。
 ちょうど6月中~下旬にかけて、地域を歩いていると、いろいろな箇所で雑草が伸びているのを目にします。道路や歩道、公園など。そのようなときに、必ず同じ場所で同じ時期に同じ方から除草作業の依頼をお受けします。
 そのときは、まず現場の状況を確認し写真を撮ります。そして、事務所へ帰り、地図をつけて土木センターへ依頼します。
 連絡をすると1~2週間のうちに除草作業が完了しています。いつも速やかな対応をいただくので非常に助かっております。私も数年前から、同じ場所で同じ時期にある除草作業の依頼は、ある程度メモに残すようにしていますので、通りがかりの際には確認するようにしています。
 このような対応を行っていると、以前、電力会社で勤務しているときに、春先になるとカラスの営巣連絡をお受けすることを思い出しました。お客様から、毎年同じような場所にカラスの巣ができるから、いつも連絡しているよ、停電がないように気をつけてねとの電話をいただいておりました。
 カラスの営巣は、毎年同じ電柱ではありませんが、周辺の電柱にかけることが多く、お客様からの連絡や当社の巡視作業で確認したものを、過去実績としてデータ化し、毎年確認しています。
 除草作業の申出も広範囲で大変だとは思いますが、ある程度の実績把握を行うだけで、作業の手配や予算管理などにもつながると思います。
 除草作業における実績把握や取組などがありましたら、教えてください。
 都市建設局長、御答弁をお願いします。
         〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕

◎井芹和哉 都市建設局長  道路や公園等の除草は、これまでに周辺住民の皆様からいただきました要望箇所や対応時期などの実績を基に作業計画を作成し、パトロールによる現地確認を踏まえ、適宜、除草箇所や優先順位を修正しながら実施しております。
 しかしながら、雑草繁茂が著しく、議員御指摘のように対応が追いついていない状況もありますことから、本年度より、植樹帯の土壌入替えや除草回数の増加、業者に創意工夫を促せる複数年契約の試行、自動草刈り機の導入検証などを実施することとしておりまして、今後も新たな手法等によるコスト削減や効率化を図りながら、計画的な除草に努めてまいりたいと考えております。
         〔17番 島津哲也議員 登壇〕

◆島津哲也 議員  西区だけ見ても、毎年かなりの箇所に対応されていることと思いますし、全区だと相当数だと思います。私が見ている感覚では、なかなか追いついていないような気がしますが、今回、除草作業の回数を増やすなど、対策を強化いただくという答弁でございましたので、今後、期待したいと思います。
 以前、公園愛護会や街路樹愛護会などの団体で対応している地域があるとお聞きしましたが、現在も継続して対応されているのでしょうか。いろいろなところを見ていますが、定期的に作業されている公園もあれば、なかなか手入れがなされていない公園もあります。
 雑草が伸び切っている公園では、なかなか子供たちも遊びづらく、お年寄りの方の憩いの場にはなっていないような気がします。
 そこで3点お尋ねいたします。
 公園愛護会や街路樹愛護会のようなボランティア団体は、本市にどれくらい存在するのか教えてください。また、年間何回の作業を行うようになっているのか、要件などがあれば教えてください。
 また、今後のボランティア団体への参加促進について、どのようなお考えがあるのか教えてください。
 以上、都市建設局長、御答弁をお願いします。
         〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕

◎井芹和哉 都市建設局長  ただいまの公園や道路の除草作業のボランティア団体等に関します3点の御質問に順次お答えいたします。
 公園や道路の清掃、除草等を担っていただいておりますボランティア団体につきましては、令和4年度末時点で公園愛護会が529団体、街路樹愛護会が12団体でございます。また、企業や地域団体が中心となったふれあい美化ボランティアは164団体でございます。
 活動頻度につきましては、公園愛護会、街路樹愛護会の場合、助成の要件といたしまして月1回以上の活動をお願いしておりまして、ふれあい美化ボランティアは、2年以上の活動継続を要件としております。しかし、どの団体も地域の実状に応じて頻度は異なりますが、積極的に活動いただいている状況でございます。
 愛護会活動等への参加募集につきましては、募集案内や受付など、これまで所管課が分かれて様々でありましたものを、今後は森の都推進部で一元的に管理いたしまして、担い手を増やすための方策や市民の皆様に生きがいを持って継続的に関わってもらうために、行政として何をサポートすべきか等につきまして、関係部局とも連携して検討してまいりたいと考えております。
         〔17番 島津哲也議員 登壇〕

◆島津哲也 議員  御答弁ありがとうございました。
 公園愛護会は皆さんも聞いたことがあると思いますけれども、街路樹愛護会というのは、あまり聞き慣れない団体ですよね。私も市議会議員になってから、街路樹愛護会の存在を知りました。各種ボランティアの団体数や活動要件など、よく理解できましたし、地域の美化活動に御協力いただいているということです。
 今後も引き続き、積極的な活動を行っていただくようお願い申し上げます。
 次に、最後の質問に入ります。
 5点目は、千原台高校の千原桜についてでございます。
 千原台高校の千原桜が伐採されるらしい。突然、千原台高校同窓会である熊城会の会長から電話連絡がありました。私も状況が分かりませんでしたので、教育委員会の学校施設課へ連絡し、事情を説明していただきました。
 説明では、以前から特別校舎を移設するために新校舎を建設することになっており、現在の校舎の隣に建設するには、敷地ぎりぎりまで校舎がくるため、千原桜が支障となることから、伐採することになったそうです。
 私も校舎の移転は以前から計画を知っておりました。本来の予定では、鉄筋コンクリートで計画されていたのですが、軽量鉄骨でも対応できるとのことから計画を変更して準備が進んでおりました。そのときには、千原桜が支障を来すなどの話は全く出ておりませんでしたので、突然のことでびっくりいたしました。
 皆様は御存じないかもしれませんが、私が在学していた平成初期頃は熊本市立商業高等学校という学校名でした。所在地の旧地名であった飽田群島崎村千原にちなみ、千原台原産の桜である千原桜の保存普及のため、校内植樹を行っていくことから、平成12年4月より熊本市立千原台高等学校へ学校名が変更となり、千原台高校の校章にも千原桜がデザインされております。
 そのような中、学校のシンボル的な存在の千原桜をなぜ伐採する話になったのか、大変疑問でなりません。最終的には千原桜は伐採しないとの結論に至ったと聞いておりますが、私ども同窓会にも保存会があるほど大切にしているものを簡単に伐採するとはあり得ないと考えます。
 もう一つ疑問に感じたのが、今回の千原桜を伐採するに当たり、地元の城西校区自治協議会への事前の相談がなかったことです。
 城西校区自治協議会にもまちづくり委員会があり、千原桜の保存会があると聞いています。確かに、千原桜は学校内の管理物であると思いますが、いろいろな学校運営においても、地域の協力があってこそだと考えます。なぜ地元の城西校区自治協議会への事前相談がなかったのでしょうか。
 学校名変更の由来にもなっている千原桜を伐採するとなった経緯と併せて御説明ください。
 教育長、御答弁をお願いします。
         〔遠藤洋路教育長 登壇〕

◎遠藤洋路 教育長  学校施設の建設等に当たっては、配置計画上、樹木等が支障となる場合は、事前に学校を通じて地域や同窓会等へ相談を行っております。
 今回、千原台高校の校舎増築設計に伴い、設計案について工事担当課と学校の間で協議を行っていたところ、千原桜の伐採が決定したような内容で同窓会に伝わってしまったことについて、大変御心配をおかけいたしました。
 千原桜を伐採するというのは、教育委員会として正式に決定した案ではなく、私も今回の御質問をいただいて、初めてそのような話が地域の方々に伝わっていることを知ったところです。現在検討中の配置計画案では、千原桜に影響を及ぼす計画とはなっておりません。
 学校運営には地域の皆様の御協力が重要だと認識しており、学校の樹木については、記念樹や千原桜のように地域の方々も大切にされていると承知しております。千原桜を地域の方々に無断で伐採することはありませんので、御安心いただきたいと思います。
         〔17番 島津哲也議員 登壇〕

◆島津哲也 議員  ただいまの答弁では、教育委員会で正式決定していない内容が情報発信されたとのことでしたが、結果的に円満解決になっただけのような気がします。
 校舎の建て替え計画は以前からありましたので、少なくとも軽量鉄骨で計画が進んでいた昨年秋頃には、千原桜が支障を来す状況は分かっていたと考えます。
 最終的に学校内の地盤が弱いため、軽量鉄骨では対応できず、鉄筋コンクリートで建築するようになったことから、千原桜を伐採することはなくなり、誤った情報発信でしたとの説明になっただけです。
 今回の事情を見ていると、ほかの業務についても同じようなことをされているのではないかと、とても心配になってきます。今後、このような誤解を招くようなことがないように、組織としてしっかりとした情報発信に努めていただくようお願いいたします。
 本市には、今年度からくまもと花博を契機に、緑あふれるまちづくりを展開するため、森の都推進部が設置されました。
 環境局、経済観光局、農水局、教育委員会事務局の4局を都市建設局の1つの部署として全庁複数にまたがる緑業務を統合集約し、くまもとの総合的かつ戦略的な取組を推進し、統一感ある魅力的な街並みの形成を図りますと記載がされています。
 しかしながら、この教育委員会のような対応を見ていると、今後いい方向に取組が行えるのか、かなり不安が大きくなります。
 各部署間のつながりが重要になってくると思いますが、今後の取組や進め方について、市長のお考えを教えてください。
 大西市長、御答弁お願いします。
         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  議員御紹介のとおり、森の都推進部は、5局8課にまたがる緑業務を集約し、本年4月に都市建設局内に新設いたしました。
 統合集約のメリットを生かし、緑の一体的な維持管理や整備を通じ、量だけでなく、統一感のある景観形成、自然生態系への配慮など、緑の質の確保を意識した取組を進めることで、市民の皆様の日々の生活に季節感や潤いをもたらし、地域全体の風格、魅力を高めていくこととしております。
 緑が地域において果たしている重要な役割に鑑み、今回の千原台高校の件を踏まえ、森の都推進部において、より一層、関係部局や地域の皆様と連携を深め、十分な調整をしながら各事業を推進してまいります。
 また、職員の緑に対する意識の醸成と知識の向上を図るため、今年5月には造園業界と連携いたしました、職員向けの樹木に関する講習会を開催したほか、市民の皆様との協働による地域花壇づくりや、小学校児童を対象とした学校樹木に関する授業など、職員による実践の機会も積極的に企画し実施しているところでございます。
 さらに、現在策定中の市有施設の樹木の維持管理のガイドラインでは、森の都推進部への事前相談を位置づけ、技術的指導も行ってまいります。
 今後も森の都熊本の復活・定着に向け、本市の緑の総合的・戦略的な取組を推進し、上質で緑豊かなまちを目指してまいります。
         〔17番 島津哲也議員 登壇〕

◆島津哲也 議員  大西市長、御答弁ありがとうございました。
 私が熊本市西区に住み始めて、20年以上たちます。5区の中でも人口が少なく、ローカルな感じはしますが、山や海など、自然に満ちあふれたとても住みやすいまちだと自信を持って言えますし、よい環境の中で生活や子育てができたと感じております。
 今後も、森の都推進部ができてよかったねと市民の皆様から言っていただけるように、本市がすばらしい自然環境を保ちながら、上質で緑豊かなまちづくりに取り組んでいただくように切にお願い申し上げます。
 これで私が準備した質問は全て終わりました。丁寧な御対応をいただきました大西市長をはじめ、執行部の皆様、質問準備に当たり御協力いただきました議会局の皆様、誠にありがとうございました。
 また、平日の午前にもかかわらず、傍聴に来ていただいた皆様、インターネット中継で御覧いただいた皆様、長時間お付き合いいただきましてありがとうございます。
 今後も地域の皆様との会話を大切に、皆様からいただいた小さな声を市政に届けてまいります。引き続きの御支援をよろしくお願い申し上げます。
 本日は誠にありがとうございました。(拍手)
      ────────────────────────────

○大嶌澄雄 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。
 午後2時に再開いたします。
                            午後 0時05分 休憩
                            ───────────
                            午後 2時00分 再開

田中敦朗 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。
      ────────────────────────────

田中敦朗 議長  一般質問を続行いたします。
 木庭功二議員の発言を許します。木庭功二議員。

         〔8番 木庭功二議員 登壇 拍手〕

◆木庭功二 議員  皆様、こんにちは。公明党熊本市議団の木庭功二です。
 4月の市議会議員選挙にて初当選させていただきました。御支援いただきました皆様には心より感謝申し上げます。今回の6月議会で早速初質問の機会を与えてくださいました、先輩、同僚議員の皆様に心より感謝申し上げます。
 さて、私は昨年12月までの約20年間、医療機器を扱う会社で営業の仕事をしてまいりました。医療機器といいましても、様々なものがあります。なかなかイメージがつきにくいかもしれませんが、私は手術の現場で使われる医療機器を扱い、毎日のように病院の手術室に出入りさせていただいておりました。
 もちろん、実際にメスを握ることはありませんが、医師と手術の内容の打合せをし、個々の患者さんに合わせた機材の準備を行い、実際に手術の現場に立ち会うこともありました。
 医療の進歩は、日進月歩であることは言うまでもありませんが、医療の進歩だけでは救えない命があることも現実です。特に、コロナ禍においては、医療機関と行政がより連携を密にしていくことの重要さも目の当たりにしました。
 医療従事者ではありませんが、毎日、手術室の中で仕事をさせていただく中で、命の貴さ、かけがえのなさを学び、今この瞬間を全力で生き抜いていくことの大切さを肌身で感じてきたからこそ、その経験を生かし、これから市議会議員として市民の皆様の命を守るために、全力で頑張ってまいりたいと決意しております。
 それでは、通告に従い質問してまいります。初めての質問で不慣れな点もあるかと思いますが、市長並びに執行部の皆様、明快な答弁をよろしくお願いいたします。
 まず初めに、命を守るとりでとも言うべきAEDについてです。
 今回、この質問をするに当たって調べていく中で、平成16年7月1日に医療機器であるAEDの使用が市民にも認められ、一般市民への普及の第一歩となったことを記念して、7月1日はAEDの日、そして7月はAEDの月に制定されております。
 近年、公共施設はもちろん、企業、商業施設などにもAEDの設置は広がり、SDGs、CSRの関心も高まっていると感じます。誰でも、不測の事態はいつ発生するか分かりません。発生したときに、救急車を呼んで病院へ搬送することが命を救う第一歩となりますが、救急車が到着するまでの数分間の処置は、生死を分けるものと言われております。
 本市における市有施設のAEDの適正配置に関する質問は、これまで我が会派でも取り上げてまいりました。この適正配置に関しましては、本市の設置状況について、今年度改めて全数調査が行われるとのことで、その調査結果を注視したいと思います。
 私から本日質問したいのは、AEDの適正使用に関してです。
 緊急の人命救助に大きな役割を果たすことが期待されるAEDにつきまして、国内ではこれまで各地で導入が進み、日本のAED設置数は現在、世界でもトップクラスだと言われております。
 AEDによる蘇生で救命率が2倍以上になり、社会復帰する人も増えるという実証研究もある一方で、病院以外の場所でAEDが使用される事例は4%台にとどまっているという報告もされております。もちろん、AEDを使うような急病人が出ないにこしたことはありませんが、実際にそのような場面に遭遇した際にAEDの使用をためらってしまう人が多くおり、設置場所が増えたとはいえ、そのAEDの使用に関してはまだまだ課題が多いのが現状です。
 宮崎市立江南小学校で、給食の時間に倒れ、心肺停止に陥った児童の命を、教員6人の連係プレーが救ったドキュメントの映像として、「15分の奇跡 先生たちの救命リレー」と題する動画がユーチューブでも視聴することができます。
 命を救う瞬間に居合わせた児童の声を受け、同校は児童らにAEDを活用した心肺蘇生法を学ばせる授業を行っています。
 もし、自分の目の前で人が倒れたとしたら、AEDを適切に使うことができるでしょうか。AEDの迅速かつ適正な使用のためには、日頃の訓練が大切なのは言うまでもありません。
 ここで質問します。
 1点目、本市においても普通救命講習という形で心肺蘇生法やAEDの使い方について学ぶ消防の講習会があります。また、AEDの適切な使用方法についての出前講座もあると伺いましたが、これまで一度もその出前講座の申込みがなく、行われた実績がないとのことでした。
 そこで、今後、市民の皆様にAEDの啓発と救急救命へのさらなる意識づけのため、AEDの啓発活動にもっと具体的に力を入れていくべきなのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 2点目、教育現場におけるAEDの啓発活動に関してです。本市では、中学2年生の保健体育の授業でのみ、AEDの操作を含めた心肺蘇生法の授業が行われているとのことですが、小学校においてもまずは、AEDの存在、認知度向上の観点からも、講習、啓発活動を取り入れるべきではないでしょうか。学校での危機管理体制を拡充し、児童・生徒の命を守るための安全な学校環境を構築するために必要なことと考えますが、いかがでしょうか。
 AEDに関連しまして、続けて質問します。
 深夜の時間帯にAEDの使用が可能な施設やお店などが少ないことも、これまでAEDの使用事例が少ない一因とされております。
 過去には、AEDがあると知って、夜間、学校に駆けつけたものの、施錠された玄関と防犯ガラスに阻まれて使えなかったというケースも起きています。
 AEDは専門医らが作成したガイドラインで、設置されている施設の利用者だけでなく、24時間誰もが使えることが望ましいとされています。
 そこで3点目のお尋ねです。
 近年、小中学校の施設の中にあったAEDを校舎の外に移したり、自治体の予算で24時間営業のコンビニエンスストアに設置するなど、24時間いつでも使えるAEDを増やす取組も各地で進められています。
 本市の小中学校においては、AEDの設置は全校なされているとお聞きしましたが、その設置場所について各校の状況を確認しましたところ、屋外への設置がされている学校は1校のみという状況でした。
 本市の公共施設、まずは小中学校において、今後AEDの屋外設置も検討するべきではないかと考えますが、それについての見解をお聞かせください。
 1点目を健康福祉局長、2、3点目を教育長にお尋ねします。
         〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕

◎津田善幸 健康福祉局長  AEDの普及啓発についてお答えいたします。
 AEDの重要性や一般的な使用方法等につきましては、市ホームページで周知を行っており、また、昨年度からは出前講座のメニューに啓発講座、AEDのことをもっと知ろう!を追加しましたほか、消防局におきましても、実践的な普通救命講習等を昨年実績で約2万2,000人の市民に実施するなど、コロナ禍にありましても、その取組を進めてまいりました。
 担当部局といたしましては、AEDが必要な場面において、市民の皆様が迅速かつ適切に、そしてちゅうちょなく使用できることが重要であると考えておりますことから、今後は、出前講座の周知を兼ねた市政だよりの特集記事やホームページリニューアル等により、内容の充実の検討を行うなど、関係部局との適切な役割分担と連携の下、AEDのさらなる普及啓発に努めてまいります。
         〔遠藤洋路教育長 登壇〕

◎遠藤洋路 教育長  2点お答えいたします。
 まず、教育現場における啓発活動についてです。
 現在、本市では小中学校の教職員に対して、AEDを使用した心肺蘇生法実技講習会を毎年開催し、緊急時に備えてAEDを使用できる人材育成に努めております。
 このほか、学習指導要領にのっとり、中学2年生の保健体育の時間に、心肺蘇生法などの応急処置について、AEDを実際に使用した授業を行っております。
 小学校においては校内のAED設置場所の周知を図っておりますが、今後はそれと併せて、AEDの役割や大切さを指導するなど、AEDの認知度向上に向けて啓発活動に取り組んでまいります。
 次に、小中学校におけるAEDの屋外設置についてです。
 学校施設に設置しているAEDは、児童・生徒等への緊急対応のために設置しており、すべての市立学校及び園に設置しております。また、夜間開放時には、体育館等の利用者の心肺蘇生に使用された実績があるなど、地域住民にも活用されているところです。
 AEDの設置場所や設置方法については、AEDの適正配置に関するガイドラインに示されているとおり、可能な限り、24時間誰もが使用できることが望ましいと考えております。
 屋外等におけるAEDの適正な管理や移設に伴う経費、各学校の危機管理マニュアルの見直しなどの課題もあるため、他都市の取組や各学校の意見も踏まえ、設置場所や設置方法について研究してまいります。
         〔8番 木庭功二議員 登壇〕

◆木庭功二 議員  御答弁ありがとうございました。
 私は、以前の仕事のときに、ある病院の医師からこのような話を伺ったことがあります。その医師が医学部の実習生だった頃、救命処置に関して、人形を使って学び、BLSという一次救命処置の専門資格を取られたそうです。しかし、大学を卒業して病院の勤務を始め、いざ救急室に救命が必要な患者さんが運ばれてきたときには、体が固まってしまい、全く体が動かなかったそうであります。
 頭では分かっていても実習をしていても、実際に現場に遭遇したときには、医師でさえ体が動かないそうであります。これは極端な話なのかもしれませんが、目の前で人が倒れたときに、行動を起こすことができるのか。行動を起こすためには、勇気に加えて、事前の準備が重要です。
 御答弁にもありましたとおり、これまで取り組まれてきた消防局による普通救命講習に加え、今後は出前講座の普及啓発活動にもさらに力を入れていただき、AEDがちゅうちょなく使用される社会の実現を目指していかれますようお願いいたします。
 また、屋外設置に関しましては、実現すれば、休日の部活動中などの緊急事態時にいつでも使用できるようになる反面、設置に併せて温度調節機能がついた専用の収納ケースが必要であったり、盗難などに遭うかもしれないというリスクも発生します。
 しかし、何よりもこれらのコストやリスクを超えて、命には代えられないものがあると強く思います。答弁の中でも、これまで夜間時に実際に使用された実績があるとの報告もありましたので、今後、必要なときに24時間、AEDを持ち出せる環境整備の実現に向けて、前向きに検討していただきますよう重ねてお願いしたいと思います。
 それでは、次の質問に移らせていただきます。
 次は、防災・減災に関する項目として、まず個別避難計画策定の取組について伺います。
 大雨による災害時に高齢者や障害のある人などが避難できず、犠牲となる事態が毎年のように各地で起きています。一昨年の5月に災害対策基本法が改正、施行されました。この中で、要配慮者の中でも、特に避難行動要支援者の避難を迅速にするために要支援者ごとの個別の避難計画の作成を市町村の努力義務とすることが定められました。
 現在、避難行動要支援者名簿の作成については、全国各自治体で普及が進んでおりますが、大雨による災害時には、自力での避難が難しい高齢者や障がい者などが死亡するなど、いまだ多くの高齢者や障がい者が被害を受けており、避難支援の実効性について課題が指摘されているところであります。
 本市においても、既に要支援者に対する個別避難計画の作成を進めておられるかと思いますが、策定に要するマンパワーと時間の確保、そして御本人や御家族の状態変化に対応するための定期的な修正作業が必要だということで、なかなか進んでいないのが現状であると伺っております。
 これは、令和3年第3回定例会の予算決算委員会総括質疑において、我が会派の吉田議員が質問をしておりますが、自治会をはじめ地域団体等ともよく協議しながら、災害時における迅速かつ円滑な避難ができるような計画の作成をお願いいたします。
 そこで質問です。
 1点目、個別避難計画の完成時期についてお伺いいたします。
 この個別避難計画作成に当たっては、平時から様々な情報を収集し、地域で支援をする方のリスト化が必要となります。自助、共助、公助、そして支援する側とされる側の人間関係、信頼関係が大切とも思われます。
 個人情報等もあり難しい問題もありますが、個別避難計画の作成に当たって、自治体の努力義務としまして、本市としては、いつ頃までに個別避難計画を作成する予定なのか、完成時期と課題などがあればお聞かせください。
 2点目、福祉避難所対象者の方々が、災害時に福祉避難所に直接避難ができないかという問題です。
 本市の福祉避難所等の設置運営マニュアルには、災害弱者に対するきめ細かいサポート体制が明記されています。
 しかしながら、要配慮者の中でも、例えば、重度の障がい者や要介護度の高い方、またオストメイトといわれる人工肛門や人工膀胱を造設されている方、多動症、自閉症などの発達障がいの方にとっては、たとえ一時的であっても一般の避難所での対応が著しく困難であります。また、そのような対象者を最適な福祉避難所へトリアージできる市職員が、災害によってその避難所に来ることができないことも十分に想定できます。
 当然、職員の方の命も守らなくてはいけません。さらには、二次避難所への移送体制も災害時には混乱を来すのではないかと思います。
 そこで、本市における福祉避難所の運用につきましては、新潟県の上越市でも導入されております、ハイブリット方式で運用する仕組みにしてはどうかと提案いたします。
 この方式は、今後、個別の避難計画や市の調査などに基づき、一定の基準を満たした要支援者を直接、避難対象者として市が認定し、指定された福祉避難所に直接避難していただく。そして、直接避難の認定を受けておられない要支援者は、指定避難所に設けられた福祉避難スペースに一旦避難していただき、二次的避難所として福祉避難所を使用していただくというものです。
 この仕組みであれば、受け入れる側としても避難者に応じた受入れ態勢を事前に整えることができますので、要支援者にとっても受け入れる側にとっても有益だと考えますが、御見解をお伺いします。
 以上2点を、政策局長に答弁をお願いします。
         〔田中俊実政策局長 登壇〕

◎田中俊実 政策局長  個別避難計画、福祉避難所に関するお尋ねについて、順次お答えします。
 1点目の避難行動要支援者の個別避難計画は、令和3年5月の災害対策基本法の改正により、その作成が市町村の努力義務とされるとともに、国の指針において、優先度が高いと市町村が判断した要支援者については、法改正後おおむね5年程度で作成に取り組むこととされております。
 個別避難計画の作成に当たりましては、約3万9,000人に上る多くの対象者の計画作成を担う人材や、実際に避難する際に支援を行っていただく方の確保が課題となっております。
 そこで、本年度は、大学と連携し、対象者の状況を把握しているケアマネジャー等の福祉専門職を活用したモデル事業に取り組んでおりまして、個別避難計画における実効性の確保などの課題の検証を行うこととしております。
 今後は、このモデル事業により把握した課題等を踏まえ、他の避難支援制度との関係を整理するとともに、関係機関とも連携を図りながら制度設計を進め、国の指針に基づき、まずは避難行動要支援者のうち、優先度が高いと判断される方の個別避難計画の作成に取り組んでまいりたいと考えております。
 2点目の要支援者の福祉避難所への直接避難につきましては、現在、指定避難所に設置する福祉避難室で一旦、受入れをしまして、保健師等の判断により福祉避難所での受入れが可能かどうかのマッチングを行い、確実に受入れができる場合は移送するといったスキームで対応しております。
 議員お尋ねの要支援者の福祉避難所への直接避難を可能とするためには、受入れ側となります施設等の選定、移送や介護にかかるマンパワーの確保をはじめ、様々な課題もございます。
 今後は、個別避難計画作成の検討とともに、福祉施設の管理者等と意見交換を行いながら、議員御提案のハイブリット方式も含め、よりよい避難につながるような仕組みづくりについて研究してまいります。
         〔8番 木庭功二議員 登壇〕

◆木庭功二 議員  御答弁ありがとうございました。
 個別避難計画の策定に当たっての課題として、策定に要する人材と時間の確保、そして支援者側の人材の確保が課題だということが挙げられました。
 具体的な完成時期については触れていただけませんでしたが、災害時に一人でも多くの方の大切な命を救えるよう、引き続き、要支援者御本人と御家族、地域の支援関係者や福祉専門職など、多くの方々の御理解と御協力をいただくために、さらなる啓発と作成支援に取り組んでいただきますようお願いいたします。
 また、この取組は、要支援者とそれを支える関係者だけではなく、高齢化がますます加速していく現状を鑑みれば、全ての市民の方々が人ごととしてではなく、自分自身や御家族の問題として捉えていく必要があると思います。
 避難指示が出たときに、具体的に自分や家族はどう行動するべきかといったことを想定しておられる市民の方もいらっしゃるかと思います。これを、我が家の避難計画として整理し、家族や知人でしっかりと共有していくことが大切であり、それが市民の防災力の源となるのではないかと考えます。
 このような全ての市民が取り組める個別避難計画を市としてさらに推進、啓発してはどうかと思います。地道な取組ではありますが、市民の意識の底上げが、ひいては今回の要支援者のための個別避難計画の策定の啓発につながっていくものと考えますので、御検討いただきたいと思います。
 個別避難計画が整うことで、福祉避難所の円滑な運営が可能となります。要支援者の方の命を守る取組を引き続き、推進していただきますよう、よろしくお願いいたします。
 それでは、次の質問に移ります。
 近年、気候変動による災害の激甚化や頻発化に対して、人の命を守るための対策強化が急務となっています。
 政府においても、災害に対する事前の備えとして、人命を最大限に守り、強さとしなやかさを備えた安全・安心な国土、地域、経済社会を目指し、国土強靱化のための5か年計画の取組を進めています。
 これまで、私たち公明党は、気候変動などの影響により、台風や豪雨災害などの自然災害が激甚化、頻発化し、各地で深刻な被害をもたらしており、風水害から国民を守る取組や巨大地震などに備え、ハード・ソフト両面から防災・減災対策の強化を進めると訴えてきました。
 そして、万が一、災害が発生したときに、自治体の庁舎などは災害対策本部を設置し、住民避難に係るサポート、被害状況の的確な掌握などの要となり、業務継続性の確保は極めて重要となります。
 これらの対応は、パソコンや通信機器を駆使して関係各所と連携を取りながら、迅速に情報収集を行うこととなりますが、地方行政のDX、デジタルトランスフォーメーションを推進する中で、多くの機器が電力で稼働しており、庁舎が停電してしまうと大きな支障を来してしまいます。電源喪失はイコール機能停止を意味し、絶対に回避しなければならないことで、災害対策本部における電源供給は必須条件と考えられます。
 ここでお尋ねします。
 1点目、本市も含め、現状、多くの自治体がディーゼル燃料による非常用自家発電機を設置していますが、昨今、燃料の経年劣化が少ないLPガス駆動の非常用発電機を導入している自治体もあります。
 京都府舞鶴市においては、同市の消防署と防災センターにLPガス駆動の非常用発電機を設置し、運用が開始されております。軽油は半年で劣化が始まるため、長期保存には向きません。この点、LPガスには、品質劣化や機材を腐食させてしまうなどのリスクもなく、長期保存が可能です。
 非常用発電機の耐用年数は15~20年と言われており、本市においても今後の更新時には、メンテナンスにかかる費用や災害時の燃料供給の安定性などを含めて、十分な検討をしていくべきだと考えます。本市の災害対策本部を含め、災害対応の拠点となる市施設において、LPガス駆動の非常用発電機の導入についてお考えをお聞かせください。
 2点目、これまで小中学校における体育館でのエアコンの整備につきましては、我々公明党でも幾度となく訴え続けてまいりました。昨年、第4回定例会では、我が会派の浜田議員からの質問に対し大西市長は、本市が目指す脱炭素社会への課題等を踏まえ、総合的に研究してまいるとの御答弁をなされています。
 災害時には避難所としても機能する小中学校の体育館ですが、平時の利用も含めて、快適で安全に過ごすためにはエアコンを整備していくことが大変重要だと考えます。
 今月13日にも、西区の古町小学校において、体育館での体育の授業後に児童8名が熱中症の疑いで緊急搬送されるという事例が起きました。
 政府が5月30日に閣議決定した熱中症対策実行計画では、災害時の避難所に指定されている体育館等への公共施設におけるエアコンや非常用電源の整備、エアコン未設置の避難所への災害時における迅速なエアコンの供給について支援を行うと国も支援をする姿勢を示しております。
 この政府の発表を受けて、小中学校の体育館におけるエアコン整備に本市としてどう取り組んでいくのか、見解をお聞かせください。
 1点目を政策局長、2点目を大西市長にお尋ねいたします。
         〔田中俊実政策局長 登壇〕

◎田中俊実 政策局長  LPガス駆動の非常用自家発電の設置についてお答えします。
 災害対応業務を担う本庁舎や区役所等の防災拠点施設は、災害時においても機能し続けなければならない重要な施設であることから、非常用発電設備を設置しております。
 議員御提案のLPガス駆動の非常用発電機につきましては、今後、その優位性を検証し、それぞれの防災拠点施設の設備更新の際に、施設の形状や発電容量等を考慮しながら、導入について検討を行ってまいります。
         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  小中学校体育館へのエアコン設置につきましては、子供たちの熱中症対策や、防災面も含めた体育館の機能強化の観点からも重要だと認識しておりますものの、多額の費用を要しますことから、国に対して全国市長会等を通じて財政支援を要望しているところです。
 議員御案内の令和5年5月30日に閣議決定されました熱中症対策実行計画では、教室や体育館等へのエアコン設置を支援するとされておりますが、現時点で具体的な支援策等が示されていないことから、国の支援の動向を注視いたしますとともに、引き続き、国に対し強く要望してまいります。
         〔8番 木庭功二議員 登壇〕

◆木庭功二 議員  ありがとうございました。
 体育館へのエアコン設置に関して、市長からは今後の国の支援の動向を注視して、引き続き国に要望していくとの御答弁でありました。
 本年4月の参議院の決算委員会で、公明党の安江伸夫参議院議員が小中学校のエアコン設置に関して、岸田総理に質問を行いました。岸田総理の答弁でも、学校施設は児童・生徒の学習生活の場であるとともに、災害時には地域の避難所としての役割も果たすことから、体育館等における空調設備の設置、これは重要な課題だと認識している、引き続き、政府としては災害時に避難所にもなる学校の体育館等について、自治体による空調設備の設置、これを支援してまいりたいと考えているとありました。
 今後、学校施設は教育の場としての機能はもちろんのこと、避難所としてもこれまで以上の整備が求められてきます。どうか本市としましても、引き続き積極的に御協議いただきますよう切に願い、次の質問に移らせていただきます。
 気候変動の影響により、国内の熱中症死亡者数は増加傾向が続いており、近年では、年間1,000人を超える方が熱中症で亡くなられ、自然災害による死亡者数をはるかに上回っています。
 また、今後さらに地球温暖化が進行すれば、極端な高温の発生リスクも増加すると見込まれ、我が国において熱中症による被害がさらに拡大するおそれがあります。
 こうした状況を踏まえ、熱中症発生の予防を強化するための取組を、地方自治体においても一層強化することが必要だと考えます。
 4月に改正された気候変動適応法では、気温や湿度などから算定したWBGT、暑さ指数を基に発出される現行の熱中症警戒アラートを熱中症警戒情報として法に位置づけ、その上位に、さらに深刻な健康被害が出ることが予想される場合に発表される熱中症特別警戒情報が新設されました。
 これを踏まえ、質問させていただきます。
 熱中症から地方住民の命を守るための本市の取組の推進についてです。
 熱中症は、適切な予防や対処が実施されれば、死亡や重症化を防ぐことができます。ここで、熱中症は人の命に関わることであることから、熱中症対応マニュアル等の作成や熱中症警戒情報の認知度向上や行動変容につながる情報発信が必要かと考えます。
 1点目に、今後本市でも、気象状況に応じたタイムリーかつプッシュ型の注意喚起を強化し、市民の熱中症予防行動を促すことが求められます。その1つの方法として、熱中症警戒情報が発表された際に、本市が運用する公式LINEを活用し、登録者に向けて注意喚起のメッセージを発信することは可能でしょうか。
 2点目に、今後、デジタルサイネージ、デジタル広告を利用して、熱中症警戒情報発表の発信をはじめ、暑さ指数の表示や暑さ予防・対策の案内などを行うことで、熱中症リスク情報の見える化をさらに進めていくことはできないでしょうか。
 続けて、熱中症に関する質問をさせていただきます。
 次は、高齢者の熱中症に対する予防への意識を醸成するための取組についてです。
 熱中症を予防するためには、脱水と体温の上昇を抑えることが基本であると言われています。高齢者の皆様は、暑さや喉の渇きに対して敏感ではなくなっているケースもあります。
 消防庁の調査によると、熱中症による救急搬送者の約5割が高齢者となっています。熱中症で亡くなる方の多くを占めている、いわゆる熱中症弱者と呼ばれる高齢者の皆様に、熱中症予防のための行動を意識していただくことが重要です。
 そこで3点目の質問です。
 今後、高齢者の熱中症を予防していくためには、介護や地域保健部門の関係者が一体となって対策を的確に進める必要があります。高齢者の皆様への効果的な熱中症予防を進めるために、本市としてどのような取組を進めているのか。
 以上3点について、健康福祉局長の答弁をお願いします。
         〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕

◎津田善幸 健康福祉局長  熱中症対策の推進につきまして、順次お答えいたします。
 熱中症による健康被害の防止に対しましては、予防に関する知識の啓発に加え、命を守る行動につながるタイムリーな情報発信が重要であると考えております。
 そこで、本市では、熱中症警戒アラートが発表された際に注意喚起のメールが自動で配信されるサービスなど、環境省が提供する情報を市政だよりやSNSで周知してまいりました。
 市の公式LINEにつきましては、登録者も多く、幅広い周知が期待できますことから、積極的に活用し、市民の皆様が健康を害することがないよう、引き続き熱中症の予防につながる情報発信を行ってまいります。
 次に、熱中症リスク情報の見える化についてでございますが、御提案のデジタルサイネージも含め、他都市の事例などの情報収集に努め、今後研究してまいりたいと考えております。
 最後に、高齢者の熱中症予防の取組に関するお尋ねですが、現在、校区担当保健師による地域での保健活動や、高齢者支援センターささえりあの職員による見守り活動等の際、分かりやすいチラシを用いて、エアコンの積極的な使用やこまめな水分補給の重要性について注意喚起を行っております。
 高齢者の方々は、身体的機能の面からも特に配慮が必要であることから、引き続き関係機関と連携しながら、きめ細かに周知啓発を行ってまいります。
         〔8番 木庭功二議員 登壇〕

◆木庭功二 議員  御答弁ありがとうございました。
 現在の熱中症警戒アラートでも使用されている暑さ指数は環境省のホームページ等で公表されているものの、意識的にアクセスしなければ目にできません。そのため、市民の皆様に十分に認識されているとは言い難い状況にあり、より一層の周知、活用を図ることが重要だと思います。
 どうか市民の皆様が熱中症のリスクに関する情報を自分ごととして捉えることができるよう、情報発信の方法も工夫も含めてお願いいたします。
 また、先ほども少し触れましたが、政府は5月30日、過去5年間の平均の年間死者数1,295人を基準に2030年までにこれを半減させるとの目標を掲げた、熱中症対策実行計画を閣議決定しました。
 改正された気候変動適応法では、各市町村において、指定暑熱避難施設、いわゆるクーリングシェルターとして、あらかじめ公共施設や商業施設などを指定することができるようになり、熱中症特別警戒情報が発表されたときは、指定されている施設を開放することが義務づけられました。
 熱中症による救急搬送者における発生場所の7割が屋内であるとするデータがあります。高齢者の方は暑くてももったいないからとエアコンの使用を控えることも考えられます。
 こうしたことも踏まえ、今後、暑さをしのぐ一時避難場所として、公民館や地域のコミュニティセンターなどの冷房設備を有する公共施設を開放するクーリングシェルターの導入を本市でも進めていくことが必要なことではないかと思います。
 これは、要望として申し上げておきます。
 それでは最後に、私の地元である西区に関することを質問させていただきます。
 今回、私が初めて市議会議員選挙に立候補する際に、応援していただいた同世代の青年世代、子育て世代の皆様から、率直なお声をいただきました。
 西区は、市内の他の区に比べて企業が少なく、子育てする上でも何かと不便で生活しづらい。子供を連れて家族連れでお出かけして、1日過ごせるような商業施設がない。県としては、TSMCの進出で盛り上がっているかもしれないが、西区はその恩恵をあまり感じられず、市内の中でも取り残されているように感じてならない。このような西区に対するネガティブな御意見が多くあることに、私自身、正直大変ショックな気持ちでいっぱいでした。
 西区に住んでいて本当によかった。大切な子供をこの大好きな西区で育てたい。皆様がそう心から思ってもらえる西区に何としてもしていきたい。私自身、これからも住みたいまち西区にしていくために、この問題は様々な角度から訴え続けていきたいと決意をしています。
 さて、高齢化率が31%と、本市5区の中で最も高齢化が進む西区ですが、JR熊本駅周辺は駅ビルやマンション建設など開発が進む一方で、金峰山や有明海沿岸の地域では、過疎化による人口減少が深刻化しています。今後、さらに西区内での地域間格差の拡大が懸念されますし、特に河内、芳野地域での高齢化、人口減少の問題は早急に何とかしなければならないと痛感しています。
 このような状況から、西区では昨年初めて、インターンによる地域おこし協力隊員を募集し、関東在住の3名の方が2か月間にわたって、河内、芳野校区の空き家の実態調査や地域課題について積極的に住民にヒアリングを行うなどの活動をされました。この活動により、地域の空き家状況のデータ作成などがなされ、調査に協力した住民の方が地元のまちづくりに関心を持つなどの一定の効果があったことなどから、今年度は3年間にわたって移住を行う、本格的な地域おこし協力隊の受入れを実施されているそうです。
 河本区長は、昨年の地域おこし協力隊の活動を通して、今後は空き家を活用して住民を受け入れたい、そして、このような協力隊員の力も借りながら、人を呼び込むだけではなく、豊かな自然を生かしたまちづくりに取り組みたいと決意を述べられています。総務省が発表している地域おこし協力隊の定住状況等に係る調査結果によると、任期を満了した地域おこし協力隊の約6割が実際にその地域に定住したというデータがあります。
 そこで質問いたします。
 1点目、今年度このような協力隊員を受け入れるに当たって、将来、区内への定住をしてもらうために、地域住民とのマッチングを含めた協力隊員へのサポート体制についてはどうお考えでしょうか。
 2点目、この河内、芳野地域にある豊かな地域資源をさらに磨いていくということに関しては、具体的に何をどのように進めていくものとお考えでしょうか。
 3点目、将来的には、熊本市の人口は60万人台までに下がるとする推計が出されている中で、冒頭にも述べました区内での地域間格差が広がる西区の現状をどう捉え、今後、地域活力の維持と地域の労働力の担い手を確保していくために、どのようなビジョンでどう対策を講じていかれるお考えでしょうか。
 1点目、2点目を河本区長に、3点目は大西市長に御答弁をお願いします。
         〔河本英典西区長 登壇〕

◎河本英典 西区長  2点の御質問にお答えいたします。
 まず、地域おこし協力隊へのサポート体制でございますが、河内、芳野校区は、人口減少、少子高齢化の進行が著しく、空き家増加や地域の担い手不足等の様々な地域課題に対する解決や活性化を目的といたしまして、昨年度に地域おこし協力隊インターンを迎え、今年度の協力隊員を受け入れる機運を醸成したところでございます。
 現在全国では、協力隊員、地域、行政での認識の相違などにより、任期途中で隊員を辞する事例も発生していることから、本市におきましては、インターンの経験を生かして、準備段階から地域と行政が密に連携し、協力隊の受入れ体制を整えてまいりました。
 また専門的知見から、地域おこし協力隊の経験者で組織する、くまもと地域おこし協力隊ネットワークに業務委託し、自らの経験を基に助言をしていただくなど、地域住民、行政、協力隊ネットワークの3者からの重層的な支援体制を構築しているところでございます。
 現在、8月からの活動開始に向けて、協力隊員を募集しているところでありまして、熱意のある方にお越しいただき、任期満了後もそのまま定住していただけるよう、引き続き取組を進めてまいります。
 次に、地域資源の活用についてでございますが、河内、芳野校区は、金峰山や有明海などの豊かな自然に囲まれ、その地形を生かしたミカン、梨の栽培や、ノリの養殖などが盛んであり、またブランド化にも成功するなど、多くの地域資源を有するポテンシャルが高い地域でございます。
 西区ではこれまで、手ぶらdeキャンプや、きんぽうマルシェ等を行い、河内、芳野校区の自然を体感していただくことや、地域の特産物の販売等を通して、地域資源による活性化に取り組んでまいりました。
 また、今年度は10月下旬から開催されるくまもと花博2023のまち山エリアが、金峰山エリアで開催されることから、地域の豊かな自然や特産物などを地域外の方々に知っていただく絶好の機会と捉え、地域住民と実施に向けた意見交換を行っているところでございます。
 今後は、関係団体やこれから活動を開始する地域おこし協力隊とも連携し、地域資源を活用した地域活性化の取組につきまして、さらなる検討を進めてまいります。
         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  西区は、熊本駅周辺や有明海沿岸、金峰山系エリア等、それぞれの特徴や抱えている課題が異なっておりまして、熊本駅周辺におきましては再開発等によりにぎわいの創出が見られる一方、山間部や沿岸部においては人口減少や少子高齢化が進展し、様々な分野での担い手不足が大きな課題となっていると認識しております。
 地域活力を維持していくためには、地域の特色ある文化や伝統、農水産業、景観などの地域資源を生かした地域住民との協働によるまちづくりが重要であります。また、担い手の確保には、地域産業の強化によります雇用拡大や、移住定住促進策等が必要であると考えておりまして、その一環として、今年度に地域おこし協力隊制度を活用するものでございます。
 これまで西区においては、駅前子育てひろばを開所するなど子育てしやすいまちづくりや、西区フェスタ等によります地域のにぎわい創出など、誰もが住みやすく活気あるまちづくりに取り組んでまいりました。
 今後も、西区をはじめ、各区の特性を生かしたまちづくりを積極的に支援してまいりますとともに、地域活力を維持しながら、誰もが安心して心豊かにいつまでも住み続けられる地域社会の実現に向けて取り組んでまいります。
         〔8番 木庭功二議員 登壇〕

◆木庭功二 議員  御答弁ありがとうございました。
 大西市長と河本区長から、地域おこし協力隊の方とともに西区の地域の特性と魅力を生かした地域活性化の取組を行っていくとの御答弁がありました。
 今回の質問では触れませんでしたが、TSMCの進出に伴って、今後利用増が見込まれる熊本港と熊本港周辺のこれからの開発のこと、そして有明海に面しているというほかの区にはない最高の魅力を生かしたまちづくりの計画も、西区の未来にとって大変重要なことではないかと思います。
 このような地域の定住促進の問題は、1つこれをやったから劇的に改善されるというような簡単なことではないかと思います。まずはしっかりとしたビジョンと熱意を持ち、地域の皆様と一体となって、共に地域の未来をつくっていこうとの思いが大事かと思いますので、どうかこれからも継続して活発な議論と取組をお願いいたします。
 以上をもちまして、私が準備しました初めての質問は全て終わりました。不慣れな中、真摯に御答弁いただいた大西市長をはじめ、執行部の皆様に感謝いたします。
 また、真摯にお聞きいただいた先輩、同僚議員の皆様、さらには本日の一般質問の準備のためにサポートしていただいた議会局の皆様、そして平日のお昼という大変にお忙しい中、傍聴にお出でいただいた皆様、インターネット中継により御覧いただいた皆様に心より感謝を申し上げます。
 これからも公明党の大衆とともにの立党精神を胸に、市民の皆様からのお声の一つ一つを必ず市政に届けていくことをお誓いし、私の質問を終わらせていただきます。
 本日は本当にありがとうございました。(拍手)
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田中敦朗 議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。
 次会は、明23日(金曜日)定刻に開きます。

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田中敦朗 議長  では、本日はこれをもって散会いたします。
                            午後 2時54分 散会

〇本日の会議に付した事件
一、議事日程のとおり





令和5年6月22日
出席議員 47名
      1番   田 中 敦 朗        2番   大 嶌 澄 雄
      3番   村 上   麿        4番   瀬 尾 誠 一
      5番   菊 地 渚 沙        6番   山 中 惣一郎
      7番   井 坂 隆 寛        8番   木 庭 功 二
      9番   村 上 誠 也       10番   古 川 智 子
     11番   荒 川 慎太郎       12番   松 本 幸 隆
     13番   中 川 栄一郎       15番   筑 紫 るみ子
     16番   井 芹 栄 次       17番   島 津 哲 也
     18番   吉 田 健 一       19番   齊 藤   博
     20番   田 島 幸 治       21番   日 隈   忍
     22番   山 本 浩 之       23番   北 川   哉
     24番   平 江   透       25番   吉 村 健 治
     26番   山 内 勝 志       27番   伊 藤 和 仁
     28番   高 瀬 千鶴子       29番   小佐井 賀瑞宜
     30番   寺 本 義 勝       31番   高 本 一 臣
     32番   西 岡 誠 也       33番   田 上 辰 也
     34番   三 森 至 加       35番   浜 田 大 介
     36番   井 本 正 広       37番   大 石 浩 文
     38番   田 中 誠 一       39番   坂 田 誠 二
     40番   落 水 清 弘       41番   紫 垣 正 仁
     43番   澤 田 昌 作       44番   田 尻 善 裕
     45番   満 永 寿 博       46番   藤 山 英 美
     47番   上 野 美恵子       48番   上 田 芳 裕
     49番   村 上   博

欠席議員  1名
     14番   松 川 善 範



説明のため出席した者
  市長       大 西 一 史    副市長      深 水 政 彦
  副市長      中垣内 隆 久    政策局長     田 中 俊 実
  総務局長     宮 崎 裕 章    財政局長     三 島 健 一
  文化市民局長   金 山 武 史    健康福祉局長   津 田 善 幸
  こども局長    木 櫛 謙 治    環境局長     早 野 貴 志
  経済観光局長   村 上 和 美    農水局長     大 塚 裕 一
  都市建設局長   井 芹 和 哉    消防局長     福 田 和 幸
  交通事業管理者  古 庄 修 治    上下水道事業管理者田 中 陽 礼
  教育長      遠 藤 洋 路    中央区長     岡 村 公 輝
  東区長      本 田 昌 浩    西区長      河 本 英 典
  南区長      本 田 正 文    北区長      中 川 和 徳
  選挙管理委員会事務局長
           福 島 慎 一

職務のため出席した議会局職員
  局長       江   幸 博    次長       中 村 清 香
  議事課長     池 福 史 弘    政策調査課長   上 野 公 一
 
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