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熊本市議会議員 たなか あつお

熊本市議会議員 たなか あつお

2022年12月16日 予算決算委員会

令和4年第4回予算決算委員会

               予算決算委員会会議録

開催年月日   令和4年12月16日(金)
開催場所    予算決算委員会室
出席委員    47名
        上 田 芳 裕 副委員長   原     亨 委員
        園 川 良 二 委員     山 本 浩 之 委員
        北 川   哉 委員     古 川 智 子 委員
        島 津 哲 也 委員     吉 田 健 一 委員
        伊 藤 和 仁 委員     平 江   透 委員
        荒 川 慎太郎 委員     齊 藤   博 委員
        田 島 幸 治 委員     日 隈   忍 委員
        吉 村 健 治 委員     山 内 勝 志 委員
        緒 方 夕 佳 委員     高 瀬 千鶴子 委員
        三 森 至 加 委員     大 嶌 澄 雄 委員
        光 永 邦 保 委員     高 本 一 臣 委員
        福 永 洋 一 委員     西 岡 誠 也 委員
        田 上 辰 也 委員     浜 田 大 介 委員
        井 本 正 広 委員     藤 永   弘 委員
        原 口 亮 志 委員     田 中 敦 朗 委員
        紫 垣 正 仁 委員     小佐井 賀瑞宜 委員
        寺 本 義 勝 委員     大 石 浩 文 委員
        村 上   博 委員     那 須   円 委員
        澤 田 昌 作 委員     田 尻 善 裕 委員
        満 永 寿 博 委員     田 中 誠 一 委員
        津 田 征士郎 委員     藤 山 英 美 委員
        落 水 清 弘 委員     三 島 良 之 委員
        坂 田 誠 二 委員     白河部 貞 志 委員
        上 野 美恵子 委員

欠席委員    1名
        倉 重   徹 委員長

議題・協議事項
  (1)議案の審査(17件)
     議第 208号「令和4年度熊本市一般会計補正予算」
     議第 209号「令和4年度熊本市国民健康保険会計補正予算」
     議第 210号「令和4年度熊本市介護保険会計補正予算」
     議第 211号「令和4年度熊本市後期高齢者医療会計補正予算」
     議第 212号「令和4年度熊本市農業集落排水事業会計補正予算」
     議第 213号「令和4年度熊本市競輪事業会計補正予算」
     議第 214号「令和4年度熊本市植木中央土地区画整理事業会計補正予算」
     議第 215号「令和4年度熊本市病院事業会計補正予算」
     議第 216号「令和4年度熊本市水道事業会計補正予算」
     議第 217号「令和4年度熊本市下水道事業会計補正予算」
     議第 218号「令和4年度熊本市交通事業会計補正予算」
     議第 219号「熊本市個人情報の保護に関する法律施行条例の制定について」
     議第 220号「熊本市情報公開・個人情報保護審議会条例の一部改正について」
     議第 221号「個人情報の保護に関する法律の一部改正に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について」
     議第 227号「熊本市消防事務に関する手数料条例の一部改正について」
     議第 228号「熊本市立高等学校条例の一部改正について」
     議第 234号「熊本市軌道条例の一部改正について」

                            午前10時00分 開会
○上田芳裕 副委員長  ただいまから予算決算委員会を開会いたします。
 なお、倉重委員長より欠席する旨の届けがあっておりますので、本職が委員長の職を代行いたします。
 これより本日の審査に入ります。
 順次、各分科会長の報告を求めます。
 総務分科会長の報告を求めます。
        〔総務分科会長 田尻善裕委員 登壇〕

◆田尻善裕 委員  総務分科会において分担いたしました各号議案の詳細審査における意見並びに要望について簡潔に御報告いたします。
 議第208号「令和4年度熊本市一般会計補正予算」中、当分科会関係分について、業務のシステム化や更新については、多額の費用を投じる必要があることから、市民の利便性向上や職員の働き方改革につながるよう取り組んでもらいたい。
 旨、意見要望が述べられました。
 これをもちまして、総務分科会長の報告を終わります。

○上田芳裕 副委員長  総務分科会長の報告は終わりました。
 次に、教育市民分科会長の報告を求めます。
        〔教育市民分科会長 田中敦朗委員 登壇〕

田中敦朗 委員  教育市民分科会において分担いたしました各号議案の詳細審査における意見並びに要望について、簡潔に御報告いたします。
 議第208号「令和4年度熊本市一般会計補正予算」中、当分科会関係分については、種々論議があり、
 一、幼稚園の通級指導教室の整備に当たっては、市内全域の保護者へニーズ調査を実施するなど、実情に即した拡充を行ってもらいたい。
 一、市立図書館等の図書購入経費について、紙書籍の購入費が以前より減少しているので、充実に向けた予算の拡充を求めたい。
 旨、意見要望が述べられました。
 これをもちまして、教育市民分科会長の報告を終わります。


○上田芳裕 副委員長  教育市民分科会長の報告は終わりました。
 次に、厚生分科会長の報告を求めます。
        〔厚生分科会長 浜田大介委員 登壇〕

◆浜田大介 委員  厚生分科会において分担いたしました各号議案の詳細審査における意見並びに要望について、簡潔に御報告いたします。
 議第208号「令和4年度熊本市一般会計補正予算」中、当分科会関係分については種々論議があり、まず、SNSを活用した各種相談業務委託について、
 一、子どもに係る相談窓口が複数設置されることに伴い、相談者にとって利用しやすく分かりやすい窓口となるよう、メディアや学校現場等を含め、十分な広報に努めてもらいたい。また、利用者の悩みに幅広く応じられるよう、窓口間の連携を図るなど、重層的な支援に鋭意取り組んでもらいたい。
 一、各種相談窓口については、寄せられた相談情報に対する対応など取組実績に関し、議会への報告を求めたい。
 旨、意見要望が述べられました。
 議第208号中、当分科会関係分については、このほか委員より、
 一、高齢者施設における介護サービス継続支援事業について、施設への支援職員の派遣に関しては、業務委託ではなく保健所職員で対応可能となるよう、日頃からの人材育成や体制の強化に努めてもらいたい。
 一、各種相談業務委託について、相談件数の増加等に伴う人員体制の見直しに当たっては、必要な予算を拡充するなど実態に即した対応を求めたい。
 一、里親養育包括支援事業に関し、現在、行っていない夜間相談対応等については、ニーズに応じた柔軟な体制整備を求めたい。
 一、生活困窮者自立支援業務委託のうち、子どもの学習支援事業においては、学習支援にとどまらず、子どもの日頃の悩みに関するサポートなど、包括的な支援を行ってもらいたい。
 一、社会福祉施設等物価高騰対策緊急支援事業について、物価高騰による負担が利用者に転嫁されていないかなど、事業者の経営実態をしっかり把握するとともに、施設に対し十分な支援を行ってもらいたい。
 旨、意見要望が述べられました。
 これをもちまして、厚生分科会長の報告を終わります。

○上田芳裕 副委員長  厚生分科会長の報告は終わりました。
 次に、環境水道分科会長の報告を求めます。
        〔環境水道分科会長 田上辰也委員 登壇〕

◆田上辰也 委員  環境水道分科会において分担いたしました各号議案の詳細審査における意見並びに要望について、簡潔に御報告いたします。
 議第208号「令和4年度熊本市一般会計補正予算」中、当分科会関係分について、種々論議があり、
 一、自然環境保全経費について、今般の環境保護地区における一般住宅を含めた指定や協力金等の在り方には、公平性の観点から違和感を覚えざるを得ない。今後、制度の見直しに向けて、環境審議会の意見を踏まえた十分な検討を求めたい。
 一、環境影響評価条例の制定に向けた有識者会議の委員については、条例の規定内容が画一的なものとならないよう、本市の環境の特性を熟知した人材の選定を求めたい。
 旨、意見要望が述べられました。
 これをもちまして、環境水道分科会長の報告を終わります。

○上田芳裕 副委員長  環境水道分科会長の報告は終わりました。
 次に、経済分科会長の報告を求めます。
        〔経済分科会長 光永邦保委員 登壇〕

◆光永邦保 委員  経済分科会において分担いたしました各号議案の詳細審査における意見並びに要望について、簡潔に御報告いたします。
 議第208号「令和4年度熊本市一般会計補正予算」中、当分科会関係分については種々論議があり、まず、地方創生移住支援事業について、
 一、移住者へのアンケート調査に当たっては、移住後の定住の把握やその理由等の分析を継続的に実施するなど、事業の効果の検証を行いながら、今後の施策に反映させてもらいたい。
 一、本事業は、東京圏への一極集中の是正や地方における優れた人材の確保の面から有意義な事業だと思うので、事業継続に向け、鋭意取り組んでもらいたい。
 一、本市への移住希望者に対し、インセンティブを与える情報が市のホームページにおいてワンストップで閲覧できるなど、関係部署と連携し、本市が選ばれるような取組を求めたい。
 旨、意見要望が述べられました。
 議第208号中、当分科会関係分については、このほか委員より、畜産経営継続緊急支援事業について、様々な物価高騰要因により、農家の経営は逼迫している状況にあることから、現場の切実な声を聞き取り、施策に反映されるよう求めたい。
 旨、意見要望が述べられました。
 これをもちまして、経済分科会長の報告を終わります。

○上田芳裕 副委員長  経済分科会長の報告は終わりました。
 次に、都市整備分科会長の報告を求めます。
        〔都市整備分科会長 寺本義勝委員 登壇〕

◆寺本義勝 委員  都市整備分科会において分担いたしました各号議案の詳細審査における意見並びに要望について、簡潔に御報告いたします。
 議第234号「熊本市軌道条例の一部改正について」、種々論議があり、
 一、今般の市電の運賃値上げについては、物価高騰下における市民生活への影響が懸念されることから、市民に対し、丁寧かつ十分な周知に努めてもらいたい。
 一、運賃のキャッシュレス決済は、円滑な乗降や定時運行など利用者の利便性向上に寄与すると思うので、インセンティブの付与を検討するなど、普及促進に努めてもらいたい。
 一、運賃の見直しを含め、将来の公共交通機関の在り方については、バスなどの他の公共交通機関とのバランスや本市の関与の在り方等、総合的な視点に立った議論が必要と考える。
 旨、意見要望が述べられました。
 これをもちまして、都市整備分科会長の報告を終わります。

○上田芳裕 副委員長  都市整備分科会長の報告は終わりました。
 以上で、各分科会長の報告は終わりました。
 これより締めくくり質疑を行います。
 通告状況につきましては、一覧表のとおりとなっております。
 なお、質疑に当たっては、項目ごとに答弁者を指名いただきますようお願い申し上げます。
 それでは、日本共産党熊本市議団、那須円委員の質疑を行います。
 持ち時間は10分となっております。
        〔那須円委員 登壇〕

◆那須円 委員  議第234号、熊本市軌道条例の一部改正について、その中で市電の料金の現行170円から180円への値上げについてお尋ねいたします。
 市電料金の値上げは、2016年の150円から170円の値上げに続き、7年ぶりの改定になるわけですが、順次お尋ねをしてまいります。
 まず、今回なぜ値上げをするに至ったのか、その経緯、また10円値上げの根拠をお示しください。
 交通事業管理者にお尋ねいたします。
        〔古庄修治交通事業管理者 登壇〕

◎古庄修治 交通事業管理者  御質問に順次お答え申し上げます。
 1点目の値上げに至った経緯についてでございますが、コロナウイルス感染症の影響に伴う近年の乗車人員の減少や、市電の動力である電気代の高騰等により、極めて厳しい経営環境にありますことから、今回、これまで運賃への転嫁を見送ってきた令和元年度の消費税率引上げに伴う運賃の改定をお願いするものでございます。
 10円値上げの根拠についてでございますが、現行の市電運賃は177円の上限運賃で国の認可を受け、平成28年2月に150円から170円への運賃改定を実施したところでございまして、その後、令和元年10月の消費税率引上げに伴い、177円に増税分を転嫁した180円の上限運賃で国の認可を得ているところでございます。
 このようなことから、今回大人普通運賃について、170円から180円に改定するものでございます。
 以上でございます。
        〔那須円委員 登壇〕

◆那須円 委員  今の答弁についてちょっとお尋ねしたいんですが、令和元年の消費税増税が行われて、今、管理者の答弁の中では、これまで運賃への転嫁を見送ってきたというふうな答弁がありました。
 これまでなぜ見送ってきたのかをまた教えてください。
        〔古庄修治交通事業管理者 登壇〕

◎古庄修治 交通事業管理者  まず、第1点に177円から180円に上限運賃を認可をいただいた際には、その影響からまず1年間はそのままでというところでの国の指導がございました。その後、1年後にまたコロナの影響がございまして、利用者の減少、あるいは社会経済のいろいろな混乱というところがございましたので、一旦、この2%の消費税増税分については運賃への転嫁を見送ってきたところでございます。
 以上でございます。
        〔那須円委員 登壇〕

◆那須円 委員  コロナの状況などあって、経済状況などもあって見送ってこられたという答弁だったのですが、なぜ今、この物価高騰の中でこの値上げをしようとするのか大変疑問であります。
 引き続き、先ほどの答弁についてお尋ねしますけれども、消費税率の引上げに伴う運賃の改定をお願いすると答弁がありました。消費税増税による交通局として増えた負担額は幾らでしょうか。お尋ねいたします。
        〔古庄修治交通事業管理者 登壇〕

◎古庄修治 交通事業管理者  お答え申し上げます。
 消費税増税分を運賃に転嫁せず据置いていることにより、交通局が負担している消費税額は令和元年10月から令和4年10月までの合計で約7,000万円となっております。
        〔那須円委員 登壇〕

◆那須円 委員  令和元年10月から令和4年10月の3年間で合計7,000万円増ということですので、年間に換算すると2,300万円程度消費税増税分の負担が増えたということであります。
 今回、10円の料金改定において、交通局の増収、幾らになる見込みでしょうか。事業管理者にお尋ねいたします。
        〔古庄修治交通事業管理者 登壇〕

◎古庄修治 交通事業管理者  お答え申し上げます。
 令和4年度当初予算の数字をベースに試算しますと、今回の運賃改定による増収効果は年間で約6,500万円と見込んでおります。
        〔那須円委員 登壇〕

◆那須円 委員  年間6,500万円の増収ということでありました。言い換えれば、電車の利用者の負担が6,500万円増えるということになるわけであります。
 コロナ禍、さらには物価高騰によって、特に市電にとっては電気代の高騰というのは、経営にも大きな影響を与えていることは承知をしております。
 そこでお尋ねしますが、本年度、電気代高騰による影響額については、交通局に事前に聞いておりまして、年間4,500万円ということです。一方、こうしたコロナ禍物価高騰による交通局の負担軽減を図るために支援が行われております。当初予算において、交通局への物価高騰等への支援はどのようになっていますか。幾らの予算が組まれていますか。
 大西市長にお尋ねいたします。
        〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  交通局への支援状況についてお答えいたします。
 交通事業者は新型コロナウイルス感染症の影響による利用者減少や原油、物価高騰等の影響によりまして大変厳しい経営環境にある中、市民生活に欠かせない移動手段を確保するため、感染防止対策を徹底しながら運行を維持継続しているところです。
 このような状況を踏まえまして、通常の支援に加えまして、利用者減少や燃料費高騰による交通事業者の負担軽減を図るため、国の財源を活用しながら支援を拡充しているところです。
 交通局に対しましても、令和4年度は電気価格高騰分として約3,700万円の予算を計上させていただいております。
        〔那須円委員 登壇〕

◆那須円 委員  3,700万円の支援が交通局になされているということでありました。こうしたコロナや物価高騰分については、一般会計からの支援が行われているということであります。
 そこで議論を戻したいのですが、今回の料金値上げの理由は消費税の増税分に対応するためということでありました。交通局が負担する消費税は年間2,300万円程度、そして今回、料金改定で市電利用者が負担増となる金額は6,500万円、市民は増税分以上の負担をすることになります。
 大西市長にお尋ねいたしますけれども、コロナ禍と物価高騰が市民生活に深刻な影響を与える中、料金の値上げは見送るべきではないでしょうか。お尋ねいたします。
        〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  先ほど、交通事業管理者が答弁を申し上げましたとおり、交通局においても極めて厳しい経営環境にありますことから、今回、これまで見送ってきました令和元年度の消費税率引上げに伴う運賃の改定をお願いするものでございまして、物価高騰が続く中、利用者の皆様には大変御負担をかけることとなり、申し訳なく思いますが、御理解をいただきたいというふうに思います。
 今後、利用者や市民の皆様への丁寧な周知・広報を行うとともに、モバイル回数券や24時間乗車券等、新たなサービスを導入するなど、利便性向上策にも取り組んでまいりたいと考えております。
        〔那須円委員 登壇〕

◆那須円 委員  平成27年の第3回定例会の予算決算委員会において、150円から170円値上げのときに、私は乗客の減少につながる運賃値上げというような方針を撤回するべきではないかと問いました。大西市長は、利用者に過重な負担をかけない程度の運賃改定は避けられないと判断したというふうに答弁されました。20円の値上げ、それ以上になるということは、170円からのさらなる料金値上げは、利用者に過重な負担をかけることになります。
 市長、先ほど大変申し訳なく思うとおっしゃいましたので、やはり見送るべきだというふうに強く指摘したいと思います。
 市電の料金改定については、増税があったから引き上げる、交通局の経営が厳しいから値上げをするという市電の利用者を受益者とみなす受益者負担の考え方を私は改める必要があると思っております。そこで、この料金値上げがどのようなことに影響を与えていくのかお尋ねしていきたいと思います。
 まずは、逸走率の課題です。逸走率とは、値上げによる利用者離れがどれほどあるかという数値になるわけですけれども、7年前の20円の値上げの際には、率にして3.3%の減少、年間約36万人の利用者が減少するとの答弁がありました。今回、逸走率はどれほどになり、利用者はどれほど減少するのでしょうか。
 交通事業管理者にお尋ねいたします。
        〔古庄修治交通事業管理者 登壇〕

◎古庄修治 交通事業管理者  逸走率の見込みについてお答え申し上げます。
 委員御案内のとおり、前回の運賃改定では逸走率3.3%と想定しておりましたが、実際は熊本地震の影響を除くと0.66%にとどまったところでございまして、今回の運賃改定による逸走率については、このような過去の実績等から0.7%と見込んでおり、これを人数に直しますと令和4年度の乗車人員見込数を基に年間約6万人と試算しております。
        〔那須円委員 登壇〕

◆那須円 委員  逸走率については0.7%ということでありました。実績からというふうに答弁ありましたが、電停の改良なんかもありまして、それによる利用増もあったし、料金引上げによる利用減がどれほどあったのか、もう少し精査が必要だというふうに思います。少なくとも、市電の利用者が減少するということには間違いがないわけであります。
 そこで、大西市長にお尋ねいたします。市長はさきの市長選において、公約の62番目に「利便性の高い交通体系を構築し、自家用車から公共交通への転換等を進め、ピーク時の自動車交通を1割削減し、交通渋滞の半減を目指す」と掲げられました。市電の料金引上げにより、市電の利用者を減らすということは、この公約に反するのではないでしょうか。
 大西市長にお尋ねいたします。
        〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  市民の皆様の重要な移動手段であります市電を将来にわたり安定的で持続可能な形とするため、極めて厳しい経営環境にある中、消費税率引上げに伴う運賃改定は必要であると認識しております。
 一方で、多両編成車両の導入や電停のバリアフリー化、デジタルサイネージの設置など、市電の利便性を向上させる取組を進めていくとともに、バスの共同経営と連携をしながら公共交通全体の利便性を向上させていきたいと考えております。
 このような取組を通じて私がマニフェストで掲げた自家用車から公共交通への転換を進め、交通渋滞の半減を目指してまいりたい、このように考えております。
        〔那須円委員 登壇〕

◆那須円 委員  もう一点聞きます。
 「熊本連携中枢都市圏地球温暖化対策実行計画」においては、18市町村共同で2050年温室効果ガス排出実質ゼロを目指すと明記して、各分野各都市の取組が明記されております。
 そこで、環境局長にお尋ねいたします。
 同計画において、1人が1キロメートル移動するときのCO2の排出量は、マイカーで145グラム、バスでは66グラム、鉄道では20グラム、市電は鉄道に入るということです。自転車や徒歩はもちろんゼログラムというふうな記載があります。市電の利用が減少して車利用者が増えるということはCO2排出量を増やすということになるのではないでしょうか。
 御答弁お願いします。
        〔早野貴志環境局長 登壇〕

◎早野貴志 環境局長  市電の利用が減少し、車利用者が増えることはCO2排出量を増やすことになるのではないかとの御質問にお答えします。
 一般的に市電利用者がマイカーやバスへ転換される場合は増加し、自転車や徒歩の場合は減少すると考えられます。
        〔那須円委員 登壇〕

◆那須円 委員  その通りだというふうに思うんですけれども、公共交通の改善により車利用を減らそうと、だから公共交通改善していこうというふうにしているわけですから、市電の利用者が減れば、やはり車利用者も増えて、CO2排出量も増えるということは明らかではないかというふうに思っております。
 先ほどの計画において、私は熊本市が果たす責任は大きなものがあると思っております。都市部の熊本市に求められる対策として、自家用車から公共交通機関への利用転換を促しますと計画の中に明記されております。
 大西市長にお尋ねしますけれども、今回の料金値上げによる市電利用者が減るということは、この環境面においての方針にも反することになるのではないでしょうか。お尋ねいたします。
        〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  先ほど御答弁いたしましたけれども、市電は市民の皆様にとって大変重要な移動手段でございます。環境負荷の軽減にももちろんつながるものでありますことから、そのことから将来にわたって安定的で持続可能な形とするということで、消費税率引上げに伴う運賃改定は必要であるというふうに認識しております。
 加えて、公共交通の利便性を向上させる取組を進めることで、自家用車から公共交通への転換を図り、環境負荷の軽減につながるように利用者の皆さんが少しでも増えるような努力をしていきたいと、このように考えているところです。
        〔那須円委員 登壇〕

◆那須円 委員  将来にわたり、安定的で持続可能な形とするために、消費税引上げに伴う運賃改定は必要だという認識でありました。
 税が上がるたびに料金値上げはやむなしと引き上げていくことで、本当に公共交通の魅力が市民に浸透するのか、利用が増えるのか疑問に思います。市長の公約との関係で言えば、公共交通の利便性向上により、渋滞緩和などその益を受けるのは車利用者をはじめとする多くの市民です。
 また、温暖化対策との関係で言えば、公共交通の発展は持続可能な地球環境を守るという点で、この国や世界に住む多くの人の益につながるわけであります。だから、増税による交通局への負担は、利用料金を上げることで解決するのではなくて、行政や市民が力を合わせ、市電をより利用しやすいものにし、維持発展を図っていく、こうした観点が必要だというふうに思います。
 交通事業管理者にお尋ねします。
 交通局が負担する消費税増税分二千数百万円、どれほどの利用者を増やせばこの負担分を補うことができますでしょうか。お尋ねいたします。
        〔古庄修治交通事業管理者 登壇〕

◎古庄修治 交通事業管理者  お答え申し上げます。
 2%の消費税影響分を補うには、その分、2%の利用者増が必要となりますので、令和4年度の乗車人員見込数を基に試算した場合は、約17万3,000人となります。
        〔那須円委員 登壇〕

◆那須円 委員  年間17万3,000人の利用増が必要となるということでありました。1日換算すると500名弱の利用者を増やせば、消費税による交通局負担分は補えることになります。
 そこで最後に大西市長にお尋ねしますが、市長が公約で掲げた、例えば、都市交通を最適化する公共交通と自動車交通のベストミックスの構築、また利便性の高い交通体系を構築して、自家用車から公共交通への転換を進めていく、さらには熊本都市圏の交通結節点においてはJR、市電、電鉄、バス、シェアサイクル等の様々な交通モードの結節機能を強化して、利便性を向上させるという取組が本格的に進むのはこれからです。こうした取組を進める中で、今回の利用料金値上げの根拠となる消費税負担分を市電利用者増という形で解決していくことはできないのでしょうか。お尋ねいたします。
        〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  将来にわたって持続可能な公共交通の実現に向けて、基幹公共交通軸を担うこの市電の利用者の増加を図るためには、市電と鉄道、路線バス、シェアサイクル等の様々な交通モードとの結節機能の強化と利用者の利便性向上の取組が重要でございます。運賃改定後も引き続き、こうした様々な取組を通じまして、利用者数の増加を図り、市電をはじめ、地域公共交通を担う公共交通事業者の経営基盤の強化に取り組んでまいりたいと考えております。
 なお、利用者を少しでも増やしていくということも考えまして、バス電車無料の日というものも議会でも先日、予算を承認いただきまして、12月24日に実施することとなりましたので、ぜひ多くの皆さんに市電を御利用いただきたいというふうに考えております。
 どうぞよろしくお願いいたします。
        〔那須円委員 登壇〕

◆那須円 委員  市電料金の値上げについては、交通対策、環境対策、そして経済対策においても問題があると考えます。
 市電の利用者が増えることは、多くの市民の益に適うものです。一般会計からの支援を強化し、引上げはきっぱり中止するように求めて、質疑を終わります。

○上田芳裕 副委員長  日本共産党熊本市議団、那須円委員の質疑は終わりました。
 以上で締めくくり質疑は終わりました。
 これより採決を行います。
 まず、議第209号ないし議第221号、議第227号、議第228号、以上15件を一括して採決いたします。
 以上15件を可決することに御異議ありませんか。
        (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○上田芳裕 副委員長  御異議なしと認めます。
 よって、以上15件はいずれも可決すべきものと決定いたしました。
 次に、議第208号を採決いたします。
 本案を可決することに賛成の委員の挙手を求めます。
       (賛成) 原亨委員、園川良二委員
            山本浩之委員、北川哉委員
            古川智子委員、島津哲也委員
            吉田健一委員、伊藤和仁委員
            平江透委員、荒川慎太郎委員
            齊藤博委員、田島幸治委員
            日隈忍委員、吉村健治委員
            山内勝志委員、緒方夕佳委員
            高瀬千鶴子委員、三森至加委員
            大嶌澄雄委員、光永邦保委員
            高本一臣委員、福永洋一委員
            西岡誠也委員、田上辰也委員
            浜田大介委員、井本正広委員
            藤永弘委員、原口亮志委員
            田中敦朗委員、紫垣正仁委員
            小佐井賀瑞宜委員、寺本義勝委員
            大石浩文委員、村上博委員
            澤田昌作委員、田尻善裕委員
            満永寿博委員、田中誠一委員
            津田征士郎委員、藤山英美委員
            落水清弘委員、三島良之委員
            坂田誠二委員、白河部貞志委員
       (反対) 那須円委員、上野美恵子委員

○上田芳裕 副委員長  挙手多数。
 よって、本案は可決すべきものと決定いたしました。
 次に、議第234号を採決いたします。
 本案を可決することに賛成の委員の挙手を求めます。
       (賛成) 原亨委員、園川良二委員
            山本浩之委員、北川哉委員
            古川智子委員、島津哲也委員
            吉田健一委員、伊藤和仁委員
            平江透委員、荒川慎太郎委員
            齊藤博委員、田島幸治委員
            日隈忍委員、吉村健治委員
            山内勝志委員、高瀬千鶴子委員
            三森至加委員、大嶌澄雄委員
            光永邦保委員、高本一臣委員
            福永洋一委員、西岡誠也委員
            田上辰也委員、浜田大介委員
            井本正広委員、藤永弘委員
            原口亮志委員、田中敦朗委員
            紫垣正仁委員、小佐井賀瑞宜委員
            寺本義勝委員、大石浩文委員
            村上博委員、澤田昌作委員
            田尻善裕委員、満永寿博委員
            田中誠一委員、津田征士郎委員
            藤山英美委員、落水清弘委員
            三島良之委員、坂田誠二委員
            白河部貞志委員
       (反対) 緒方夕佳委員、那須円委員、
            上野美恵子委員

○上田芳裕 副委員長  挙手多数。
 よって、本案は可決すべきものと決定いたしました。
 以上で当委員会に付託を受けた議案の審査は全て終了いたしました。
 これをもちまして予算決算委員会を閉会いたします。
                            午前10時36分 閉会


出席説明員
   市長       大 西 一 史    副市長      深 水 政 彦
   副市長      中垣内 隆 久    政策局長     田 中 俊 実
   総務局長     宮 崎 裕 章    財政局長     三 島 健 一
   環境局長     早 野 貴 志    交通事業管理者  古 庄 修 治

議会局職員
   局長       富 永 健 之    次長       潮 永   誠
   議事課長     池 福 史 弘    政策調査課長   上 野 公 一


〔議案の審査結果〕
  議第 208号 「令和4年度熊本市一般会計補正予算」…………………(可  決)
  議第 209号 「令和4年度熊本市国民健康保険会計補正予算」………(可  決)
  議第 210号 「令和4年度熊本市介護保険会計補正予算」……………(可  決)
  議第 211号 「令和4年度熊本市後期高齢者医療会計補正予算」……(可  決)
  議第 212号 「令和4年度熊本市農業集落排水事業会計補正予算」…(可  決)
  議第 213号 「令和4年度熊本市競輪事業会計補正予算」……………(可  決)
  議第 214号 「令和4年度熊本市植木中央土地区画整理事業会計補正予算」
          ……………………………………………………………(可  決)
  議第 215号 「令和4年度熊本市病院事業会計補正予算」……………(可  決)
  議第 216号 「令和4年度熊本市水道事業会計補正予算」……………(可  決)
  議第 217号 「令和4年度熊本市下水道事業会計補正予算」…………(可  決)
  議第 218号 「令和4年度熊本市交通事業会計補正予算」……………(可  決)
  議第 219号 「熊本市個人情報の保護に関する法律施行条例の制定について」
          ……………………………………………………………(可  決)
  議第 220号 「熊本市情報公開・個人情報保護審議会条例の一部改正について」
          ……………………………………………………………(可  決)
  議第 221号 「個人情報の保護に関する法律の一部改正に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について」
          ……………………………………………………………(可  決)
  議第 227号 「熊本市消防事務に関する手数料条例の一部改正について」
          ……………………………………………………………(可  決)
  議第 228号 「熊本市立高等学校条例の一部改正について」…………(可  決)
  議第 234号 「熊本市軌道条例の一部改正について」…………………(可  決)
 
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