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熊本市議会議員 たなか あつお

熊本市議会議員 たなか あつお

2021年12月06日 定例会

令和3年第4回定例会

  令和3年12月6日(月曜)
┌─────────────────────────────────────┐
│ 議 事 日 程 第5号                         │
│ 令和3年12月6日(月曜)午前10時開議                │
│ 第  1 一般質問                           │
└─────────────────────────────────────┘
                            午前10時00分 開議
○原口亮志 議長  ただいまより本日の会議を開きます。
      ────────────────────────────

○原口亮志 議長  日程第1「一般質問」を行います。
 発言の通告があっておりますので、順次発言を許します。
 まず、三森至加議員の発言を許します。三森至加議員。
         〔18番 三森至加議員 登壇 拍手〕

◆三森至加 議員  皆さん、おはようございます。公明党熊本市議団の三森至加です。
 今回、6回目の質問の機会をいただき、先輩、同僚議員の皆様に心より感謝申し上げます。朝早くから傍聴にお越しいただいた皆様、また、インターネット中継で御覧いただいている皆様にも、心から御礼申し上げます。
 それでは、早速質問に入らせていただきます。
 糖原病の子供さんへの支援についてお尋ねします。
 私の下へ、糖原病という病気の子供さんを持つ親御さんから相談がありました。そのお子さんは、現在小学2年生で、就学前にお父さんの転勤で熊本市に転入されました。4歳のときにこの病気を発症し、現在に至ります。
 糖原病とは、肝臓や筋肉に多く含まれる物質であるグリコーゲンが合成、分解される経路が先天性に障害される病気です。肝臓が腫れたり、低血糖を起こしたり、成人期には肝硬変や肝腫瘍を発症することもあります。
 糖原病の患者さんは日本では約1,200人しかいらっしゃらなく、この子にとってどのような対応をしていくことが大事なのか、一緒に考えてほしいとの相談でした。熊本市でどのくらいいらっしゃるか調べてみると、3人でした。主治医の先生からは、10歳を過ぎると体に障害が出てくるので、きちんと管理していかないと死につながることもあると言われたそうです。
 治療方法としては、根本的治療法はなく、食事療法が主に行われています。基本的には血糖値の維持が目標となっています。低血糖になった場合、血糖値が上がるよう補食を1日に何度もしなければなりません。一定時間ごとにコーンスターチを摂取することで低血糖を予防できますが、味もおいしくなく、すぐに片栗粉のように固まりやすいので、しょっちゅう混ぜながら飲まなければなりません。しかも、血糖値を維持するために、寝ていても起こして補食やコーンスターチを摂取しなければならないので、特にお母さんは寝ることができません。また、血糖値が下がり過ぎてしまうと、補食をしたことで血糖値が急激に上がり過ぎてしまうこともあり、常日頃から、血糖値があまり下がり過ぎないように、何度も血糖値を測りながら対処されています。そして、コントロールが悪いと鼻血が出て、30分くらい止まらないようです。乳酸値や尿酸値が高くなりやすいので疲れがたまりやすくなり、歩けなくなることもあるそうです。
 そこで役に立つのが、毎回血を摂取して調べるのではなく、持続的に血糖値を測ることができる測定器をお腹につけることです。以前いた病院で、臨床実験でつけていただいたそうです。24時間装着して、血糖データを測ることで1日のうちのどの時間帯に低血糖が起きているのか、あるいはどのような食事をどのようなタイミングで取れば低血糖が予防できるかなどが分かります。今行っている食事療法で血糖のコントロールができているのかを確認することができ、今後の適切な食事療法の見直しができるようになります。実際に測定したことで、寝ているときはエネルギーを使わないため、起きているときよりも血糖値が下がりにくいということが分かったそうです。このことが分かっただけでも、お母さんにとっては大変な進歩だったと言われていました。
 このように、24時間お子さんのサポートに回られている、このお母さんへの支援が必要になってくると思われますが、切れ目のない支援としてどのような支援がありますでしょうか。
 健康福祉局長にお尋ねします。
         〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕

◎石櫃仁美 健康福祉局長  糖原病は、国が定める小児慢性特定疾病のうち、先天性代謝異常疾病の一つでございます。
 本市では、小児慢性特定疾病につきましては、国の基準に基づき、所得に応じて医療費を助成するとともに、小児慢性特定疾病児童等自立支援員を配置しまして、個別支援を行っているところでございます。
 御家族への支援につきましては、自立支援員や各区保健師等が医療機関と連携し、家庭看護等に関する助言、日常生活に関する相談や学校等との連絡調整を行うとともに、児童の病状や障がいの程度に応じ、訪問看護、放課後等デイサービス及び短期入所等の制度につなぐことで負担軽減を図っているところでございます。
 今後も、慢性的な疾患を抱える児童や御家族が安心して暮らせるよう、支援に努めてまいります。
         〔18番 三森至加議員 登壇〕

◆三森至加 議員  健康福祉局長、御答弁ありがとうございました。
 本市では、このようにいろいろな支援がありますが、私一人ではどのような支援ができるのかが分からなかったので、熊本大学病院小児在宅医療支援センターの小篠先生に相談させていただきました。現在、お母さんは小篠先生から支援先を見つけていただき、受給者証の申請をされています。受給者証ができると、保育所等訪問支援を使って学校に行くお手伝いができるようになるようです。また、これから検査も兼ねて入院され、コーンスターチ摂取のため鼻からチューブを入れる練習をされたり、あとは家以外での環境に慣れることで、少しでもこの親子の負担を取り除けるように取り組まれています。やはり横の連携がうまくいくことによって進む支援です。本当にありがとうございます。
 次に、教育長にお尋ねします。
 県外から転出するとき、医師より、病弱児童としての指導が適切との診断書を書いていただいていました。それはなぜかというと、その市では、学級が知的学級しかなかったため、熊本市に移るとき、熊本市は病弱学級もあるので、病弱学級に入れるよう診断書を書いておいた方がいいだろうとの医師からの配慮でした。しかし、このお子さんは知的障害もあるとのことで、現在、本市では知的学級に入られています。
 お母さんとしては、病弱学級を希望されておりますが、病弱学級となると転校の可能性もあり、せっかく慣れた学校なのでと悩まれています。コロナ禍であったということもありますが、子供さんは現在小学校に通えていません。やはり糖原病という聞き慣れない病気に対して、お母さんとしては、命に関わる病気なのに軽く見られているのではないかと心配されています。そのような気持ちを酌み取っていただきたいと思います。
 このようなお子さんへ、教育委員会や学校としてはどのような支援をされていかれるのでしょうか。
 教育長にお尋ねします。
         〔遠藤洋路教育長 登壇〕

◎遠藤洋路 教育長  教育委員会や学校が、糖原病などの病気を抱える子供に対して状況を適切に把握し、保護者の理解と協力の下で支援を行うことは、子供一人一人の成長にとって大切であると考えております。
         〔議長退席、副議長着席〕
 学校においては、指定難病の糖原病について共通理解し、看護師資格を有する学級支援員による血糖値測定を行うなど、校内での支援体制を構築してまいりました。今後は医療や福祉等の関係機関と連携し、さらに安心して学べるための支援を行ってまいります。
 教育委員会としては、在籍する学校や隣接する学校の病弱学級への就学など、本人にとって最適な学びの場について、保護者の意向等を丁寧に確認しながら対応するとともに、学校に通えていない状況については、ICTを活用した教育を提供するなど、学校と共に支援体制を充実させてまいります。
         〔18番 三森至加議員 登壇〕

◆三森至加 議員  教育長、御答弁ありがとうございました。
 糖原病は、漢字で書くと糖尿病と間違われ、口頭で伝えると膠原病と間違われやすいです。専門医師以外のお医者さんにさえ、なかなか知られていないのが糖原病です。教育委員会や学校においても、この病気のことを知っていただきありがとうございます。現在、学校には行けていませんが、これから本人にとって最適な学びの場となるよう、しっかりと主治医の先生や保健師さん、教育委員会や学校などが、お母さんとこのお子さんの状況を共有しながら、寄り添った支援を行っていただけるようお願いいたします。
 次に、熊本市でのデジタル人材育成についてお尋ねします。
 多核連携型の国づくりに向けた産業・都市政策に関して、指定都市市長会では次のように提言されています。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、テレワークの普及や自宅周辺での活動時間の増加、ワークライフバランスの重視など、人々の価値観や行動様式が変化しており、それに伴い業種等によって経済回復が二極化する傾向も見られつつあります。このような中、感染拡大を抑えつつ雇用や事業を支えることに加え、デジタル改革やグリーン社会の実現など、ポストコロナに向けた経済構造の転換が重要となってきます。そのような中、デジタル人材の全国的な不足などが我が国全体の成長にとって大きな制約要因となっており、労働移動やリカレント教育によって必要な人材の不足を解消し、さらには新卒一括採用等の日本的雇用慣行を一部見直していくことも求められていると言われています。
 このような中、本市での取組として、デジタル人材育成は大変重要となってくると思われます。令和2年第4回定例会にて、我が会派の浜田議員が地域雇用活性化推進事業の内容を質問しています。この事業では、本市と熊本県情報サービス産業協会さんと熊本商工会議所さんが連携し、熊本市地域雇用創造協議会を設立し、事業を実施されています。
 取組内容としては、企業向けにICTを活用した業務効率化や生産性向上のテーマでセミナーを開催したり、ICTの資格を取れるよう受講料を免除され、人材育成を行われています。また、その人材をマッチングさせ、雇用創出に取り組んでおられます。
 そこで、お尋ねします。
 この地域雇用活性化推進事業の取組でどのような効果があったのか、経済観光局長にお尋ねします。
         〔田上聖子経済観光局長 登壇〕

◎田上聖子 経済観光局長  地域雇用活性化推進事業の効果についてお答えいたします。
 昨年度は、企業向けにインターネットによる販路開拓セミナーや、テレワーク導入セミナーを開催いたしますとともに、受講企業へITコーディネーターなどの専門家を派遣する伴走型支援を行いました。一方、求職者に対しましては、ICT分野の知識や技術の習得を目的とした集合研修を行いますとともに、就労促進の取組といたしまして、企業向けセミナーを受講した企業等とのマッチングを行いましたところ、31名の就労につながったものでございます。
 今年度は、企業向け伴走型支援の対象社数の拡充に加えまして、雇用定着の促進を図るため、デジタル人材を募集する求人企業でのインターンシップなどを行っているところでございます。
 今後も当該事業の効果が最大となる取組を進めますことで、地場企業の活性化と雇用の創出を目指してまいります。
         〔18番 三森至加議員 登壇〕

◆三森至加 議員  経済観光局長、御答弁ありがとうございました。
 この計画は3か年計画で行われており、1年目の事業成果としても31名の就労につながっています。単純に計算すると3年で100名弱になるのではと想像できます。このようなデジタル人材を多く輩出し、地場産業の活性化に取り組んでいらっしゃることが分かりました。
 このように、企業や自治体のデジタル化が進んでいくことで、いろいろな働き方もできるのではないでしょうか。女性向けラーニングを起点に、女性を企業や自治体につなげているMAIAという会社があります。この会社は完全オンラインで、女性にRPA開発スキルとして、AI、ウェブマーケティング、CAD等の幅広いITスキルを身につけるよう教育し、企業で働くことのできるレベルまで到達した女性をマッチングしていく会社です。
 このRPA女子は全国に在住しており、熊本県でも6名いらっしゃるとのことです。コロナ禍でIT業界のワークスタイルが変化し、従来、ITの仕事は現場に常駐し、1人がフルタイムで働くことが当たり前でありましたが、テレワーク普及により、リモート環境から複数人体制で働くことが可能となってきました。
 先日の高本議員の民間のデジタル化推進の質問に対し、これから取り組んでいくと局長は答弁されています。時流を踏まえたデジタル人材育成と、新たな形での就労機会の創出ができるよう、本市でもRPA女子に注目していただきたいと思います。
 次に、多様な働き方をされる方への支援についてお尋ねします。
 全国でも珍しい時短就労者を対象とした自営型テレワーク推進事業をされている塩尻市にある、KADOを高瀬議員と一緒に視察に行ってきました。KADOは一般財団法人塩尻市振興公社の事業の一つで、子育てや介護、自身の障がいなどを理由に、就労に時間的な制約のある人が、好きな時間に好きなだけ安心して働ける場を提供しています。
 KADOは、平成22年に厚生労働省の、ひとり親家庭等の在宅就業支援事業の一環でスタートしました。約150人が参加し、1年半にわたりITスキルの習得や資格の取得に向けた講座などを受講し、結果として多くの参加者のスキル習得につながりました。しかし、業務受注が難航し、平成27年頃には存続の危機に立たされました。平成28年、復活のきっかけとなるデータアノテーション業務といって、AIや機械学習モデルの基となるデータを作成する業務を受注することができました。KADOはこの頃から、受注した業務に合わせてテレワーカーにスキルを習得してもらう方式に変更し、事業を好転することができたのです。令和2年度末時点でテレワーカーは523人に上り、規模の拡大が続いているそうです。一つの例を挙げますと、KADOは自動車運転車両の制御に使用する高精度3次元地図を作成する最先端の技術を提供し、自動車運転業界で活躍され、安定かつ高品質の業務実績をつくられています。
 このように、様々な事情で、働きたいけれども働く場所がない人への受皿として、KADOは重要な存在となっています。今後、塩尻市役所では、市民の皆さんの多様化するニーズに応えるべく、専門的な業務に注力できる体制を整えていくときに、KADOへバックオフィス業務の委託ができるのは大きな強みとなっています。単なる業務発注にとどまらず、DX推進のパートナーとして先進的な事業を展開できるという波及効果が生まれています。
 ここまで行くには大変な御苦労があられたと思います。これを、そのまま本市でも取り入れていただくのは、かなりハードルが高いと思いますが、国の支援でコロナ対策の中心に女性をと、デジタル人材、ひとり親の職業支援があります。このような多様な働き方をされる方への支援も必要となってくると思いますので、国の支援を活用して取り組んでいらっしゃる事業がありましたらお示しください。
 文化市民局長へお尋ねします。
         〔横田健一文化市民局長 登壇〕

◎横田健一 文化市民局長  本市では、内閣府の地域女性活躍推進交付金を活用し、新型コロナウイルス感染症の拡大に起因して苦境に陥った子育て中の女性に対して、子育て中であってもコロナ禍を乗り越え、正規雇用に向けた多様な支援をするための男女共同参画型再就職支援事業に取り組んでいるところでございます。
 この事業では、パソコン操作のスキルアップやキャリアコンサルティング、企業面談会を実施し、現時点で3名の就職が決定しております。引き続きこの事業により女性の再就職を支援してまいります。
         〔18番 三森至加議員 登壇〕

◆三森至加 議員  文化市民局長、御答弁ありがとうございました。
 本市では、地域女性活躍推進交付金を活用し、新型コロナウイルス感染症の拡大に起因して苦境に陥った子育て中の女性を支援されており、正規雇用で活躍する女性を創出することを目的に、男女共同参画型再就職支援事業として取り組んでいらっしゃるとのこと。正規雇用ということで、3名の就労につながっているようです。
 フルタイム正規雇用促進だけでは、シングルマザーや生活困窮女性の生活を変えることはできず、悪循環に陥ってしまいます。今後はフルタイム正規雇用だけではなく、女性の教育から自立までの一貫した支援を実施することで、女性の真の自立を促す仕組みが必要です。先ほどもMAIAを紹介しましたが、RPA女子を活用して、長崎県や福井県、沖縄市などの幾つかの自治体もデジタル人材を育成されています。KADOもその中の一つとして取り組んでおられます。結果、女性の自立が、日本の経済の生産性の向上を担い、日本を活性化させることを目指して、本市でも先ほどの事例などを参考に研究し、取り組んでいってほしいと思います。指定管理である、はあもにいなどと連携して行われてみてはどうでしょうか。要望とさせていただきます。
 次に、私立保育所等における支援の充実についてお尋ねします。
 ある私立保育園の園長先生から御相談を受けました。私たちは障がいのあるお子さんを受け入れることで、お母さんの困り感にもお応えできるし、障がいのお子さんにとっても、お友達との触れ合いで元気になられたり、よい影響が期待されます。また、周りの子どもたちにとっても、その子を支えることで思いやりのある子供に育ってくれるので、ぜひ受け入れていきたいと思っています。
 しかし、その保育園では、看護師を2人雇えるようになっていますが、看護師1人は保育士としてカウントできますが、もう一人の看護師は支援が必要な子供の補助対象としてしかカウントされません。保育士とカウントできれば、保育士1人に対して子供3人を見れるようになるので、あと2人、子供を見れるようになります。そこで、看護師を保育士としてカウントしていただきたいと本市に確認してみると、制度上できないとのことでした。ほかの政令市ではいろいろな支援が行われているのに、熊本市は政令市なのに何もしてくれないのだろうか、何か対応をしてほしいとの御相談でした。
 そこで、私も、ほかの政令市が私立保育所等に対してどんな支援をされておられるのか調べてみました。岡山市では、月額約9,000円の賃金上乗せや奨学金返済の月額最大1万円補助、家賃支援は6万円まで3年間出るそうです。京都市は、全国平均の1.34倍の給与となっており、独自の配置基準があるため、ゆとりを持って業務に携われているし、家賃支援も6万5,000円あります。東京都は、おかえり保育士として再就職への相談やサポートをされているようです。また、福岡市では、加配保育として軽度には6万5,000円、中度には9万7,000円、中度より重いには13万円、集団保育困難にも13万円ついているようです。本市としては、障害児受入補助として、軽度の場合、4万100円、中度には7万600円、中度より重いには9万600円です。1日平均11時間子供さんを見ているので、お給料を出すには全然足りなくて、保育園が手出ししている状況です。
 今年6月に、医療的ケア児支援法が成立しました。これまで、医療的ケア児及びその家族に対する支援を、国や地方自治体の努力義務から責務としています。また、法律の施行に伴い、各自治体に地方交付税として医療的ケア児支援のための予算も配分される予定ですので、保育所等への柔軟な支援をお願いしたいものです。
 次に、保育士の給料を調べてみました。厚生労働省の令和元年賃金構造基本統計調査によると、令和元年の保育士の平均給与額は、全国平均で月24万4,500円、平均年収は363万4,600円となっています。しかし、他業種と比べるとまだまだ低いのが現状です。また、都道府県ごとにも年収が違います。年収が一番高いのが滋賀県の410万9,900円、年収が一番低いのが岐阜県の285万1,300円と、125万8,600円もの差が生まれています。
 厚生労働省のデータによると、2018年度において保育士登録を行っている方は、全国で約154万人いらっしゃいます。しかし、保育士登録をしている方のうち、保育施設などで働いていない潜在保育士は約95万人となっており、保育現場で従事している保育士の約59万人を大きく上回っています。このような方々が安心して仕事に復帰できるよう賃金のアップや働き方の工夫など、処遇改善が必要ではないでしょうか。
 そこで、3点お尋ねします。
 1点目、医療的ケア児支援法が成立したことにより、本市でも、保育所等での看護師の配置や環境の整備などはどのようになっていくのでしょうか。
 2点目、さきに述べた他都市での支援を本市では行われていますか。
 3点目、私立保育所等の保育士の処遇改善にどのように取り組んでおられますか。
 健康福祉局長にお尋ねします。
         〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕

◎石櫃仁美 健康福祉局長  看護師の配置や環境整備につきましては、医療的ケア児支援法の施行を受け、国において、医療的ケア児をはじめとした保育ニーズに対応するため、受入れを行う各施設へ看護師配置に対する補助などを検討されており、その動向を注視してまいります。
 次に、保育士への支援につきましては、本市では新規資格取得、ICT化による働き方改革、離職者の再就職などの事業や、質の向上と人材確保のためのキャリアアップ研修、子育て支援員研修等を行っております。
 なお、保育士修学資金貸付けにつきましては、県内の保育士を目指す方を対象に県が実施しているところでございます。
 最後に、保育士の処遇改善につきましては、これまでも国の見直しに基づき加算や技能、経験による改善を実施してきたところでございます。また、本年7月に指定都市市長会より処遇改善加算等の拡充を図るよう要望を行ったところでございます。
 現在、国におきまして見直しが行われておりますことから、その動向を注視し、国が実施する処遇改善策を着実に実施してまいります。
         〔18番 三森至加議員 登壇〕

◆三森至加 議員  健康福祉局長、御答弁ありがとうございました。
 医療的ケアが必要なお子さんが入ってくることによって、レベルの高い、手厚い支援を提供していかなければならないので、保育所にとって看護師2名程度の配置は必要になってくると思います。本市では、医療的ケア児支援法の施行を受け、国において医療的ケア児をはじめとした保育ニーズに対応するため、各施設へ看護師配置に対する補助などを検討されているとのこと。保育所等での看護師配置の補助をしっかりとつけていただき、保育所でも安心してケア児さんを見ていけるような環境を整備していってほしいと思います。
 また、保育士への支援としては、本市では新規資格取得、ICTによる働き方改革、離職者の再就職などの事業や、質の向上と人材確保のためのキャリアアップ研修、子育て支援員研修等を行っていて、保育士修学資金貸付け等については県が実施しているとのこと、本市にもつけていただきたいくらいです。現場である私立保育所では、政令市である本市での支援を一日千秋の思いで待っておられます。
 処遇改善につきましては、国の2021年度補正予算では、介護士や保育士、幼稚園教諭に、来年2月に3%程度、月額9,000円の賃上げを行う予定です。いち早く情報をキャッチしていただき、すぐに対応ができるようにし、引き続き要望を行ってほしいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、衆議院選挙についてお尋ねします。
 10月31日に行われた衆議院選挙に関して、開票作業の遅れや幾つかのトラブルについて島津議員が質問されていますので、違う角度で質問させていただきます。
 初めに、投票所でのトラブルについて。
 東区で起きた事例を紹介します。
 期日前投票を行うために、東部まちづくりセンターへ投票はがきを持たずに向かわれました。市職員により宣誓書を基に住所確認をすると、住所がありませんと、驚きの回答でした。結局投票ができないため、その日は帰宅しましたが、不思議に思い、東区役所へ連絡し区民課へ確認したところ、実際のお住まいの住所と住民票の住所が相違していることが分かりました。詳細を確認すると、8月23日に北区龍田総合出張所にて住所変更を行いましたが、正しくは熊本市東区江津ですが、誤って熊本市東区秋津と、1文字漢字違いで入力ミスして登録されていました。担当室長へ経緯を確認すると、住所変更を行う際、ダブルチェック(2人で確認、二重チェック)をしていたにもかかわらず、入力、登録ミスをしていたとのことでした。後日、本人確認ができ、住所変更ができたため、無事投票を済ませることができました。
 今回は投票日の3日前の出来事で判明したからよかったのですが、投票日に判明していたら、区民課も開いておらず、住所変更できずに投票できなかった可能性がありました。これは本件だけではなく、同様のミスが既に起きているのではと疑念を持ってしまいます。今回の投票に関連する弊害だけでなく、本来届くべき郵送物、資料、情報を得られていないなど、影響は多方面にあると思われます。
 次に、泉ヶ丘小学校の事例です。
 体育館玄関から室内に入ってくるまでに段差があり、マットを敷いてありましたが、浮いてしまっている状況でした。そこで、杖を使われる方や歩行が困難な高齢者が何度もつまずき、危険な場面が多くあったそうです。養生テープ等で貼り付けた方がいいのではと、立会人の方は市職員へ提案したものの、体育館床に粘着剤がついたり、床が傷むことを理由に、最後まで対応していただけなかったとのことでした。投票行為を安全に確保することで、改善が必要ではないかと思います。
 以上、2点のトラブルについて、どのように対応し、改善策を考えられるのか、1点目を北区長に、2点目を選挙管理委員会事務局長にお尋ねします。
         〔小崎昭也北区長 登壇〕

◎小崎昭也 北区長  初めに、このたびの北区における住民異動の事務処理ミスにより、市民の方に御迷惑をおかけしましたことを深くおわび申し上げます。大変申し訳ございませんでした。
 住所の誤入力は、選挙の入場整理券を含め、市から発送される様々な通知等に影響を及ぼす極めて重大な問題であると重く受け止めております。今回の対応としましては、証明書発行履歴、個人番号カード及び保険、年金に関する資格の有無について影響がないことを確認した上で修正を行ったところでございます。
 改善策としましては、ICT技術の活用も視野に入れつつ、まずは現状の事務処理フローにおいても改善できる余地があることから、関係局区とも連携しながら、全区統一の当該事務処理フローを見直してまいります。
 また、ダブルチェックに対する意識の甘さも露呈したことから、今回の事例等を基に、その事務処理の意義や重要性を再認識させる職場研修を全区役所で徹底して行うとともに、機会あるごとに個人情報を預かる全体の奉仕者としての強い自覚と緊張感を持って職務に従事するよう指導していくことで、再発防止と市政への信頼回復を図ってまいります。
         〔岡村公輝選挙管理委員会事務局長 登壇〕

◎岡村公輝 選挙管理委員会事務局長  私からは、2点目の投票所の土足マットのお尋ねにお答えいたします。
 小中学校の体育館を投票所として使用する際は、土足で投票できるようマットを敷き、これまではマットと床を養生テープなどで留め、固定してきましたが、教育委員会から、テープを剥がす際に床材も一緒に剥がれ、後日、ささくれで利用者の方が負傷するといった事例報告がございましたので、投票管理者・職務代理者会議におきまして、床を傷めないように配慮するよう説明を行いました。
 議員御指摘の件につきまして事実確認を行ったところ、確かに立会人の方から養生テープで貼り付けた方がよいとのアドバイスがありましたが、マットが浮いたところは、投票の合間に人手で引き伸ばすことで対応を行ったことで、大きな問題には至らなかったと確認をしたところでございます。
 今後は、養生テープの選定や使用方法など、教育委員会とも十分に調整を行うなどの対策を講じることで、投票所の安全対策に努めてまいります。
         〔18番 三森至加議員 登壇〕

◆三森至加 議員  北区長、御答弁ありがとうございました。
 一つミスしたことで、ほかの影響があるかもしれないということを常に考え、対応していただき、再発防止に努めていってほしいと思います。
 選挙管理委員会事務局長、御答弁ありがとうございました。
 小中学校の体育館での投票所では、皆さんが土足で投票できるよう配慮されていることが分かりました。いろいろな事例があって対応は大変だと思いますが、今後も安全対策を取りながら、取り組んでいってほしいと思います。
 次に、投票所での車椅子等の障がい者や高齢者への配慮についてお尋ねします。
 北区有権者からの相談で、車椅子が全投票所にあるのかとのお問い合わせがありました。北区役所で確認すると、全投票所には配備されていないとのことでした。超高齢社会に伴い、車椅子の必要性はあり、また投票を阻害するリスクを削減するのは行政として当たり前のことではないでしょうか。市所有の車椅子を把握し、全所に配備を目指すべきだと思いますが、現状と改善策をどのように取られているのでしょうか。また、期日前投票所によっては、車椅子が通るにはとても狭い投票所もありました。このような方への配慮はどのように対応されていますか。
 選挙管理委員会事務局長にお尋ねします。
         〔岡村公輝選挙管理委員会事務局長 登壇〕

◎岡村公輝 選挙管理委員会事務局長  今回の選挙における車椅子の配備状況につきましては、期日前投票所では24か所全てに配備いたしたものの、当日投票所では150か所中13か所が未配備でございました。議員御指摘のとおり、次回の選挙から区選挙管理委員会とも協議の上、全投票所に配備いたします。
 また、まちづくりセンターの期日前投票所など、スペースが十分に確保できない投票所におきましては、区選挙管理委員会と協議を行いながら、車椅子が通りやすいレイアウトへ見直すことや、人的介助のさらなる徹底を図るなど、適切な措置を講じてまいります。
         〔18番 三森至加議員 登壇〕

◆三森至加 議員  選挙管理委員会事務局長、御答弁ありがとうございました。
 次回の選挙から、全投票所に車椅子を配置していただくとのこと、ありがとうございます。また、スペースが十分に確保できない投票所においては、人的介助のさらなる徹底をしてくださること。やはり積極的に歩み寄って、どのようにお手伝いしましょうかなど、声かけをお願いします。声かけしていただくことにより安心して投票ができると思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、今回の選挙についての市長の思いについてお尋ねします。
 一つの事例を紹介します。
 投票日に運動会が開催された学校が1校だけありました。その学校は投票所となっておりましたが、隣の中学校を借用されました。選挙管理委員会では、投票所が変わったことで全世帯に案内状を配布し、小学校には投票所が変わりましたという看板を3枚置き、中学校へ案内するためにシルバー人材を2人配置されたとのこと。これだけ別にお金がかかっています。
 教育委員会からも、文部科学省からも、学校長には体育館等学校施設の借用依頼があった際には御配慮いただきますようお願いいたしますとの依頼の通知が出ています。なぜ、ほかの小学校は日にちを変更されるなどの配慮をされているのに、この小学校だけは変更されなかったのでしょうか。選挙とは国民の権利です。運動会で疲れて選挙を棄権したという方も出たかもしれません。今回のミスやトラブルにより、有権者の貴重な1票に込められた民意を正しく反映できていないことは、市職員の意識の欠落にあり、何度も間違いを繰り返し、謝れば済む、その場しのぎの対応が根本にあるからではないでしょうか。根本的に改善できる手だてを考えるべきと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
 大西市長にお尋ねします。
         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  今回の住民異動の事務処理ミスは、選挙により発覚したものでございますが、多方面の皆様に影響し、大変御迷惑をおかけすることになりました。大変申し訳ございませんでした。
 これまでもミスが発生した際には、その原因究明と再発防止策を策定するとともに、職員に対して緊張感を持って業務に当たるよう指示しておりましたが、依然として事務処理ミスは減少していない状況にございます。職員の意識向上と意識改革を図り、危機意識を持って業務に取り組むよう、徹底した指導をこれからも行ってまいります。
 また、選挙事務につきましても、今回、選挙直前の庁議におきまして、私からも選挙事務に従事する職員は、自分の本来業務として公正な選挙事務を行うという意識を持って携わるよう指示していただけに、投票事務において3人の方に投票用紙を誤って交付するミスの事案が発生したということは、大変遺憾に思っております。
 今後とも、引き続き選挙事務は自らに課された任務であり、有権者の権利である1票を大切に扱うということを自覚するよう、市長としても徹底して指導してまいりますとともに、選挙管理委員会に対しても再発防止に取り組むよう強く要請したところでございます。
         〔18番 三森至加議員 登壇〕

◆三森至加 議員  大西市長、御答弁ありがとうございました。
 今回の衆議院選挙であった出来事を振り返ってみますと、選挙管理委員会事務局ではミスがないよう、トラブルがないよう、スムーズに選挙が行えるように一生懸命努力されています。しかし、行政の選挙事務に携わる方々はあまりにも協力的でないように思いました。やはりどこか他人事のように捉えているのではないでしょうか。皆さんの意識が変わらなければ、いつまでたってもこの問題の解決には至りません。選挙事務は自らに課せられた任務であり、有権者の権利である1票を大切に扱っていくことを強く自覚していただきたいと思います。
 次に、子宮頸がんワクチンについてお尋ねします。
 子宮頸がんワクチンは、2013年4月に定期接種に追加されましたが、体の痛みなどを訴える女性が相次ぎ、厚生労働省は2か月後に積極的な接種の呼びかけを中止しました。積極的勧奨は差し控えることとなり、70%あった接種率は1%未満の接種率に落ち込んでしまいました。
 厚生労働省の予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会は、先月、呼びかけを再開するかどうかの議論を始め、11月12日の会議では、ワクチンの有効性と安全性について最新のデータが紹介されました。紹介しますと、イギリスで行われた研究で、12歳~13歳で接種した女性では、後に子宮頸がんになるリスクが87%減ったとするデータや、日本での副反応の発生率は、過去二、三年間、0.5%未満であると説明されました。また、ワクチン接種後に症状が出た人への支援について、医療機関へのアンケート調査の結果が示され、必要な診療を提供する体制が一定程度整えられているとされました。
 厚生労働省によりますと、接種歴がない人にも同様の症状が一定数あることが明らかになっていて、これまでに接種後に出た様々な症状について、複数の調査研究が行われているものの、ワクチン接種との因果関係があるという証明はされていないとしています。
 専門家による検討部会は、安全性や有効性を示すデータが国内や海外で集まっているなどとして、積極的な接種の呼びかけを再開することを全会一致で決めました。これを受けて厚生労働省は11月26日、来年の令和4年4月から、接種実施医療機関における接種体制の整備等を進め順次実施すること。また、準備が整った市町村にあっては、令和4年4月より前に実施することも可能であると打ち出しました。
 ワクチンの最大効果を考える場合、HPVに感染する前の接種が理想的であり、早い接種開始を促すため、特にHPVワクチンの標準的な接種期間である中学1年及び中学1年を過ぎた場合は早い接種が望ましいと思われます。
 大阪大学の研究グループは、無料で接種できる年代を過ぎた2000年度~2004年度に生まれた、現在16歳~21歳までの女性のうち、およそ260万人が無料接種の機会を逃したと分析しています。また、この世代の女性のおよそ7割がワクチンを接種していたら、子宮頸がんになる人をどれだけ減らせたか試算したところ、ワクチンで子宮頸がんの発症を60%防ぐとした場合、将来、子宮頸がんになる人を2万2,000人減らすことができ、5,500人が子宮頸がんで亡くなるのを避けられたとしています。
 これから厚生労働省は、接種後の症状を見る協力医療機関の診療実態を継続的に調査し、体制も強化すること、都道府県や学校、地域の医療機関が連携して相談支援体制をつくること、リーフレットを改定することなどを確認していくようです。
 接種勧奨差し控えという認識を払拭するためには、小学6年生~高校1年生相当の全ての対象者及び保護者への、接種勧奨の再開の周知徹底と接種勧奨が重要となります。本市では、令和2年度は令和3年1月に接種の機会をなくしかねない高校1年生相当へ個別通知をされています。また、令和3年5月には、中学1年生と高校1年生相当に個別通知をされています。
 そこでお尋ねします。
 1点目、子宮頸がんワクチン接種件数の推移をお示しください。個別通知された効果はありますか。
 2点目、無料接種の機会を逃された方への救済接種について、周知はどのようにお考えでしょうか。
 以上2点、健康福祉局長にお尋ねします。
         〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕

◎石櫃仁美 健康福祉局長  予防接種法に基づく子宮頸がんワクチンの接種は、小学6年生~高校1年生相当の対象年齢におきまして、標準的な接種間隔6か月の間に3回の接種が必要でございます。年度ごとの接種件数につきましては、平成29年度は109件、平成30年度は267件、令和元年度は492件、令和2年度は1,640件、令和3年度は9月現在で1,687件でございます。
 本市では、令和3年1月に高校1年生相当、5月には中学1年生と高校1年生相当に、ワクチンを知っていただき、接種を希望される方が滞りなく受けられるように、個別送付による情報提供を実施しており、接種件数の増加はその効果と考えております。
 次に、無料接種の機会を逃された方への周知につきましては、先ほど議員からも御紹介がありましたとおり、11月26日に厚生労働省より各自治体に向けて、令和4年4月より積極的勧奨を再開する旨の通知がなされたところでございます。また、勧奨が控えられた時期に公費による接種機会を逃した方につきましても、公費での接種機会を確保する方向で専門家による会議で議論されており、今後、国の方針が決定次第、速やかに周知してまいります。
         〔18番 三森至加議員 登壇〕

◆三森至加 議員  健康福祉局長、御答弁ありがとうございました。
 接種件数は、平成29年の109件から、今年度は1,687件とかなり増えています。これは個別送付による効果であると本市でも認識されていますので、やはり小学6年生~高校1年生相当の全ての対象者へ個別送付が重要ではないでしょうか。自治体の事務手続や予算の都合で周知対象を絞ったことによる周知の遅れによって、接種開始がさらに遅れることがないよう、しっかり迅速な対応をお願いしたいと思います。
 さいたま市では、12月1日にホームページにて、現在高校1年生相当の女子を対象に、御案内と予診票の送付の準備を進めておりますので、到着までしばらくお待ちください。また、小学6年生~中学3年生の女子にも、今後予診票を送付する予定ですと、素早い対応をされています。接種希望者が増えることが想像されますので、ワクチン確保への医師会との契約や医療機関への周知もお願いします。また、無料接種の機会を逃された方への救済接種については、国の方針が決定次第、いかにスピード感を持って行うかが重要となってきますので、よろしくお願いいたします。
 以上で、私が用意した質問は終わりました。今回の質問を通して感じたことは、連携の必要性です。1つの課ではできないことでも、みんなが市民の皆さんのためにと思いやりの心で連携していくことによって、よりよい支援ができていくのではないでしょうか。私ももちろん市民の皆さんの力となれるよう取り組んでまいりますので、ぜひ一緒にやっていきたいと思います。
 本日はお忙しい中、お付き合いいただいた先輩、同僚の議員の皆様、傍聴に来ていただいた皆様、また、インターネットで拝聴いただいた皆様、また、明快な答弁をいただいた大西市長をはじめ執行部の皆様には深く感謝申し上げます。これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
      ────────────────────────────

○園川良二 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。
 午前11時10分に再開いたします。
                            午前10時59分 休憩
                            ───────────
                            午前11時10分 再開

○原口亮志 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。
      ────────────────────────────

○原口亮志 議長  一般質問を続行いたします。
 山内勝志議員の発言を許します。山内勝志議員。
         〔15番 山内勝志議員 登壇 拍手〕

◆山内勝志 議員  皆様、おはようございます。市民連合の山内勝志でございます。
 本年6月議会での質問に引き続きまして、新型コロナウイルス感染症への対応のうち、特に医療面の対応を中心にお聞きしたいと思います。
 それでは、通告に従って質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
 災害レベルの猛威を振るいましたデルタ株による第5波も、急速に縮小しております。しかし、これまでコロナウイルスが変異を繰り返してきたことや、一旦減少していた海外での感染状況が再び爆発的に拡大していることを考えれば、現在の落ち着いた状況が恒久的に続くことは考えられません。特にオミクロン株が世界的に拡大し始めたことも大きな懸念材料です。当面の間の外国人の入国禁止が決定されましたが、新興感染症に対する水際対策は大変難しいものがあります。日本への流入も既に確認されてしまいました。いずれにしても、今後デルタ株、あるいはオミクロン株による第6波が来るという想定を頭に置き、物事を進めていく必要があります。感染者が減少して医療体制が落ち着いている今こそ、第5波での反省や課題を踏まえて、第6波への備えを行う必要があります。
 11月に、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は、新型コロナウイルスの感染状況を評価するための新しい指標を発表いたしました。ワクチンの2回接種率が7割を超えたことで重症化する患者が減ることや、軽傷者や無症状者向けの治療薬の開発が進んだことが、指標を新しくした背景にあるようです。
 ところで、今回の新指標について特に気になるのは、客観的な数値基準がなくなり、都道府県が自らの医療提供体制に応じて主体的に判断することとなっていることです。少し責任を地方に転嫁するような表現に変わったなと感じております。しかし、見方を変えれば、地方の自治体はこれまで以上にしっかりとした医療体制を整備しないといけないのだと宣言されたようなものだと思っております。
 第6波では、ワクチン接種の進展で重症化が抑制され、今後、軽症者や無症状者が増えてくると思います。軽症者の療養先の選定や軽症者に投与できる抗体カクテルの使用ルール、さらには初めての経口薬が承認された場合の投与ルールなど、地方自治体があらかじめ必要な事柄を想定して準備することが、第6波を迎え撃つ際に必要だと思います。
 そこで、数点お尋ねいたします。
 第1に、第6波に備えて、入院、施設療養、自宅療養の適用基準について変更はあるのでしょうか。再度、各療養先別の基準について教えてください。
 第2に、抗体カクテル療法の実施体制と予防的投与に当たっての基準はどのようになりますか。また、経口薬が国内承認された場合の使用方針等があればお聞かせください。
 第3に、困難事例として想定される在宅療養の重度の障がい者の方や、常時介護が必要な高齢者の方が罹患した場合の対応基準について、事例を交えてお聞かせください。
 第4に、家庭内感染を防ぐための方策として、親の監護が必要な子供が入院となったときの対応や、逆に親の入院で子供だけが家庭に残り、ほかの養育者がいない場合の対応について、対応方針をお聞かせください。
 第5に、第5波で大きな問題となった自宅療養者の急変に対する対策として訪問診療の実施が望まれますが、私の6月議会での一般質問で、委託契約に基づく訪問診療を検討するとの御答弁について、その後、検討の進捗があればお聞かせください。
 以上5点、健康福祉局長にお尋ねいたします。
         〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕

◎石櫃仁美 健康福祉局長  入院等の基準につきましては、県から統一的に示されており、入院の基準は、重症または中等症である方、軽症または無症状で、おおむね70歳以上の方、重篤な呼吸器疾患を有する方、腎臓疾患、糖尿病等により臓器等の機能が低下しているおそれがある方、臓器移植等により免疫機能が低下しているおそれがある方、妊婦のいずれかに該当する方となっております。
 宿泊療養の基準は、軽症または無症状で、先ほどの入院対象以外の方となっており、宿泊療養の対象となる患者のうち、医師が可能と判断した方は自宅療養ができることになっております。
 議員お尋ねの第6波に向けた対応につきましては、県が示す療養先決定の基準の変更は行われていないところでございます。
 次に、中和抗体薬の投与につきましては、国が示す基準等に基づき、患者のうち基礎疾患をお持ちの方など、重症化リスクのある方に対して投与が行われているところでございまして、無症状者等への予防的投与につきましては、今後、国から具体的なスキーム等が示され次第、適切に対応してまいります。
 なお、投与体制につきましては、入院患者の方に加え、自宅療養や宿泊療養の方に対しても、現在、入院受入れを行う13医療機関におきまして、1日最大36人に対し、投与可能な体制を確保しているところでございます。
 新型コロナウイルス感染症の経口治療薬につきましては、薬事承認等、国の動きを注視しつつ、医師会や薬剤師会と連携し、適切に対応してまいります。
 次に、重度障がい者等の方の療養先の決定につきましては、先ほどの県が示す基準に基づき行っており、入院調整においては、基礎疾患の状況や必要に応じて、かかりつけ医等の助言を基に、県内での広域調整も含めて、適切な入院先となるよう配慮しております。
 また、自宅療養が可能な場合におきましては、感染対策を徹底した上で、サービス提供事業所や同居家族の方などからの支援を受けながら、可能な限り、住み慣れた自宅で療養いただけるよう、個別の対応を行っているところでございます。
 次に、家庭内感染を防ぐための方策につきまして、まず、子供が入院となった際には、子供の年齢や症状、御家族の感染状況等を踏まえ、保護者の方と同じ医療機関に入院いただくなど、個々の状況に応じた対応を行っております。また、保護者の方が入院となった際には、御親族等による支援が可能か確認し、困難な場合は保健所と児童相談所で調整の上、児童福祉施設等で一時的にお預かりすることになります。
 最後に、第6波に向けて医師会等の御協力の下、かかりつけ医等の診断で陽性となった方は、その医療機関におきまして診療や薬の処方を受けていただき、保健所での検査において陽性となった方は保健所が受診先をマッチングするなど、陽性となった全ての方に適切な医療が提供できる体制の構築に取り組んでおります。
 また、健康観察業務の一部を熊本県訪問看護ステーション連絡協議会に委託し、健康観察により状態変化が懸念される方に対して、看護師が直接自宅を訪問し、必要に応じて外来診療や往診、オンライン診療等、適切な医療につなげる体制を新たに構築したところでございます。
 今後とも第6波に備え、医療機関等と連携し、自宅療養者等へのフォローアップ体制の強化を着実に進めてまいります。
         〔15番 山内勝志議員 登壇〕

◆山内勝志 議員  第6波を想定しての入院基準や治療方針等についてお聞きしました。
 現在、感染者が落ち着いている状況ですが、気を緩めることなく第6波への準備をする必要があることから、改めてお聞きいたしました。
 抗体カクテル療法の実施については、現在13の医療機関での投与体制を確保したとのことです。また、重度障がい者等の入院受入れについても、症状だけでなく生活環境も踏まえて入院調整されるとのことです。専門的な入院看護体制が取れる医療機関に、必要に応じ、市域を超えて広域的に決定される方針にも安心いたしました。
 家庭内感染は、第5波において感染者を大きく拡大した要因と言われています。特に子供の感染については、重症化リスクが低かったことや養育上の理由から、家庭内療養となることが多くなりました。
 家庭内感染を防止する観点としては、なるべく分かれて療養する方が好ましいのは間違いありません。そのためにも、乳児や幼児、これらの子供さんを受け入れられる小児科病棟を持つ病院の確保や、家で1人きりになる子供のための一時預かり施設は大変必要となります。今後も個々の状況に寄り添った対応をお願いいたします。
 自宅療養者へ適切な医療を提供するための新しい取組もお聞きすることができました。診断を行ったかかりつけ医が直接治療を受け持つことや、保健所が受診先のマッチングを行う仕組みには大変安心感があります。また、訪問看護の看護師が自宅を訪問して様子を確認する仕組みも、急変を未然に防ぐための大変よい取組だと感じております。医師会をはじめ、関係機関の御協力にも感謝したいと思います。
 第6波への準備を怠りなく進めておられる様子が分かりました。引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、新型コロナウイルス感染症対策と公立病院再編についてお聞きします。
 2019年9月に厚生労働省は、公立病院と日本赤十字社などが運営する公的病院424病院に対して、再編または統合について特に議論が必要として、病院名の入ったリストを突然公表いたしました。がん治療や救急医療など、高度な医療の診療実績が少ないこと、また、近隣に代わりとなる民間病院があることなどを選定の基準にしたとのことでした。厚労省は、リストに挙がった病院に対して、ほかの病院との統合や病床数の削減、診療機能の縮小を2025年までに終えるようにと要請してきました。その背景には、団塊の世代が後期高齢者となるまでに最も医療費のかかる高度な医療を行う急性期の入院ベッドを少しでも減らしたいとの思惑があったのだと思います。
 熊本県でも6病院が公表され、その中には、本市が開設する植木病院も含まれておりました。突然の公表に、名指しされた病院はもちろん地域の市民にも驚きが広がりました。元来、急性期医療などの高度な医療を行うことだけが公立、公的病院の役割ではないはずです。それなのに、今回の厚労省の取組と一方的な再編リストの公表は、医療費削減の目的だけが先行された結果のいささか強引な手法だと感じております。
 その後、御承知のとおり今回の新型コロナウイルス感染症の爆発的蔓延が起きたわけですが、当初からほとんどの医療機関で感染防止措置が取れないことや、経営に大きなダメージを受けるといった不安感から、なかなか患者の受入れが進まない状況にありました。日本には約120万床の一般病床があり、その数は世界でもトップクラスです。豊富な医療設備資源があったにもかかわらず、全体の2割程度しかない公立、公的病院等がコロナ患者の受入れの中核を担いました。今年1月の時点で、公立、公的病院の8割がコロナ病床を準備し、受入れを行ったとの報告もあります。自治体との連携や財政支援を受けやすかったという点も後押しになったとは思いますが、結果として、厚労省の再編リストに挙がった公立病院の多くが、新興感染症の治療の最前線で奮闘したことになります。
 熊本市民病院がコロナ治療の重点医療機関として大きな役割を担っていたのは周知のところですが、同じ病院局の植木病院も20床のコロナ即応病床を設け、多くの陽性患者を受け入れてきました。
 現在、国が進める公立病院の統廃合作業は一時中断しているようですが、コロナ禍が収束すれば、再び強引な統廃合要請が起きかねません。地域医療の現状を踏まえ、改善すべき点については病院側もしっかり考えていかなければなりませんが、少なくともコロナ病床を確保することが重要施策となっているこの状況で、植木病院が再編リストに置かれていることに大変不安を感じております。
 現状のコロナ対策の医療体制と将来懸念される新興感染症への対策を念頭に置いた場合に、植木病院が現状再編リストに挙げられていることについて、健康福祉局長のお考えをお聞きしたいと思います。
         〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕

◎石櫃仁美 健康福祉局長  地域医療構想の実現に向けて、特に公立、公的病院等においては、国の方針に沿って平成30年度に具体的対応方針が作成されましたが、さらに次年度において診療実績データ等の分析を行い、民間医療機関では担えない機能等に重点化され、病床数の適正化等に沿ったものとなるよう見直しを求める方針が示されたところです。
 この方針を踏まえ、国による公立、公的病院等の診療実績データ等の分析が行われ、がん、心疾患等の政策医療の9領域における診療実績が特に少ないかなどの検証がなされ、植木病院につきましては、全ての項目について該当となったことから、国の再検証の対象医療機関となっているものでございます。
 しかしながら、他方で、植木病院等と同様、全国の公立、公的病院等が、新型コロナウイルス感染症患者の入院受入れの中核を担っていることも事実であり、国においても、次期医療計画においては、主要事業として新興感染症等の感染拡大時における医療を新たに追加する方針も示されているところでございます。
 このような状況を総合的に勘案しながら、今後、植木病院が将来の当該地域に果たす適切な医療機能並びに病床機能等について、医療政策を所管する担当部局として、病院局と緊密な連携を図りながら、熊本県並びに地域関係者と協議を行ってまいりたいと考えております。
         〔15番 山内勝志議員 登壇〕

◆山内勝志 議員  熊本市の医療政策としては、地域内のあるべき医療体制を最善とするために、地域医療構想を推進する目的と、新型コロナウイルス感染症を受け持つ病床をしっかり確保する目的のそれぞれを持っています。今回、植木病院が再編リストに挙がったことで、この2つの目的が相入れにくい状況となってしまいました。しかし、御答弁にありましたように、植木病院が感染症対策の重要な役割を担ったことも事実です。そのことも十分に配慮しながら、病院局との連携、また熊本県等との協議に当たっていただきたいと思います。
 次に、コロナ後遺症相談窓口の設置についてお尋ねいたします。
 コロナ後遺症と呼ばれます、新型コロナウイルス感染後に起こる長引く体調の悪化に多くの方が苦しんでおられます。
 国立国際医療研究センターが行った調査では、新型コロナウイルス感染者の約1割以上で後遺症の症状が出て、4人に1人が発症後半年間、10人に1人が1年後も症状が残ったそうです。激しい倦怠感や息苦しさが最も多く、味覚、嗅覚障害や集中力の低下も目立ったそうです。そのほかにも、関節痛、脱毛、睡眠障害、発熱、めまいを訴える方もいらっしゃいました。いずれの症状も、発生のメカニズムも含めてはっきりとした原因が分からず、治療方法も確立しておりません。早期の実態解明が待たれるところです。
 そこで、まず今回のコロナ禍で、発生当初から患者の受入れを行い、治療の中核を担ってきた市民病院の事例についてお聞きしたいと思います。
 多くのコロナ患者さんが市民病院から退院されましたが、その後、コロナ後遺症が推測されるような体調の不良で外来受診されるような事例はありますか。コロナ治療に専念されている中で、なかなかアフターフォローまでは手が回らないような状況かとは思いますが、重点医療機関の一つの事例として、病院事業管理者に状況をお聞きしたいと思います。
         〔水田博志病院事業管理者 登壇〕

◎水田博志 病院事業管理者  熊本市民病院では、現在まで1,000名を超える新型コロナウイルス感染症患者の入院診療に当たってまいりましたが、退院時に何らかの症状がある方、また退院後に症状が現れた方については外来で診療を行っております。
 これまでに、20名程度の方から倦怠感、息切れ、気持ちの沈みなどが続くとの訴えがございましたが、幸いに症状は比較的短期間で消失し、長期に継続している方はほとんどおられません。
 今後も可能な範囲で対応してまいりたいと考えております。
         〔15番 山内勝志議員 登壇〕

◆山内勝志 議員  病院事業管理者、御答弁ありがとうございました。
 今後もまずはコロナ治療が優先されると思いますが、コロナ後遺症と見られる患者さんの外来対応についても引き続き御対応をよろしくお願いいたします。
 それでは、コロナ後遺症相談窓口の設置についてお聞きします。
 新型コロナウイルス感染症がほかの病気と違うことの一つは、患者さんが自分の主治医をはっきり認識できないことだと思います。新型コロナ患者の治療の流れを見ると、発熱や体調不良を感じ、クリニックや発熱外来で検査を受けた結果、新型コロナウイルスに感染していて、その後直ちに療養や入院となり、症状が治まれば療養が解除されるというものです。ほかの病気のように、患者さんと主治医が一緒に経過観察したり、その後のアフターフォローを検討する時間的余裕があまりありません。ましてや施設療養や自宅療養であれば、そもそも主治医がいないということもあります。そのため、治ったなと思っていても、ひどく疲れる、なんだか息苦しい、味覚がずっと戻らないなどと症状を自覚したときに、どこの病院のどの先生に診てもらうといいのか分からないと思っている人は結構多いと思います。
 東京都では、比較的早い段階からコロナ後遺症相談窓口を設置しています。都立病院や公社病院に相談窓口を開き、症状に応じて医療機関への受診に導いています。もちろん明確な治療方法が確立しているわけではありませんので、症状に応じた対症療法となると思います。後遺症に苦しむ方からすれば、大きな安心と支えになるはずです。熊本市としても、コロナ後遺症の相談窓口と交渉治療に取り組んでおられる医療機関とのネットワークづくりを進めていただきたいと思います。
 健康福祉局長にお尋ねいたします。
         〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕

◎石櫃仁美 健康福祉局長  療養解除後の体調不良に関する御相談につきましては保健所でお受けしており、必要に応じて入院受入れを行った医療機関での外来診療や、かかりつけ医への御相談を御案内し、かかりつけ医等がない場合は症状に応じた診療科の御案内を行っているところでございます。
 新型コロナウイルス感染症の後遺症につきましては、原因が明らかとなっておりませんが、呼吸器をはじめ、全身症状や精神、神経症状も見られており、医療的ケアに対する支援体制や、家族や周囲の理解に向けた啓発など、他都市の取組も参考に医療機関等と連携し、必要な支援について検討を行ってまいります。
         〔15番 山内勝志議員 登壇〕

◆山内勝志 議員  このまま感染が収束していけば、コロナ後遺症についても自然に癒えると思いますが、感染者が引き続いて出ている状況では一定数のコロナ後遺症に悩む人もいることになります。治療方法の確立も待たれますが、まずはコロナ後遺症の症状や医療機関への受診方法など、必要な情報を発信していただきたいと思います。症状を自覚した人が1人で思い悩むことがないように、また、少しでも早く症状が緩和されるように、具体的な対策に取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、次に、総合ビジネス専門学校改革と起業家支援についてお尋ねいたします。
 ウィズコロナ、アフターコロナと呼ばれる社会では、東京を中心とした一極集中型の社会経済から、オンラインを活用した分散型の社会経済へ徐々に変化していくように思います。つまり、分散型の社会では、日本中のどこでも新しい社会経済の出発点になり得るのではないかと思います。このような時代の変化によって、地方発信のイノベーション創出や、地方発掘の卓越した人材の活躍こそが、日本の未来を担うのであろうと思います。
 本市では、今年の6月、市立高等学校・専門学校改革基本計画が策定されました。特に千原台高校に情報ビジネス探究科を、総合ビジネス専門学校にキャリア創造学科を設け、将来のビジネスリーダーを育てるとの目標には大いに期待するものです。
 基本計画を見ると、ビジネス専門学校は市が開設し安価な授業料であるにもかかわらず、近年は出願者も低下傾向にあり、コースによっては定員割れも生じている危機的な状況です。基本計画には、特にしっかりとした運営方針の策定と実践が望まれます。少子化で、ほかの学校との競争にさらされる中では、学校に特徴がなければ学生からは選ばれません。しかし、私は今回の基本計画は、単なる学生争奪戦に勝ち残ることを目的にすべきではないと思います。市が直接運営することで最大の効果が発揮され、その結果、ビジネスリーダーとなり得る優秀な人材を持続的に輩出できる教育システムをつくり上げることが目的であろうと思います。そのためにも、この基本計画が実のあるものとならなければなりません。
 そこで、数点お尋ねいたします。
 第1に、総合ビジネス専門学校の近年の出願倍率の現状と、直近年で見えた改善傾向に至った取組について教えてください。
 第2に、市立高校と専門学校の連携を挙げておられますが、ビジネスをテーマにした連動性のあるカリキュラムをつくれば、5年間にわたって、例えばAIやビッグデータ処理技術など、時代が求める知識の吸収も可能となるのではないでしょうか。また、専門学校から大学への編入ができれば、高校3年、専門学校2年、大学2年の合計7年間にわたって専門的テーマの教育を受けることも可能となります。
 そこで、選抜方法についてお尋ねいたします。
 市立高校で特定のカリキュラムを履修した生徒を、ビジネス専門学校に優先枠として入学させることは可能でしょうか。本来なら市立高校入学時にビジネス専門学校への進学を前提にした選抜枠を設けてほしいところですが、まずは高校受験時に、高校のビジネスコースが専門学校の専門課程につながることを十分周知してほしいと思います。
 第3に、学生が有意義な学校生活を送るには、修学環境も重要なポイントになります。総合ビジネス専門学校は、町なかから少し離れています。この際、熊本駅前のくまもと森都心プラザのスモールオフィスの一画にサテライト教室を置いてはどうでしょうか。アミュプラザの開業で駅前のにぎわいが高まり、若者の姿も大変多く見かけます。何より森都心プラザは、リニューアルによってビジネス支援施設として機能をより強化しようとしています。新たな支援人材として先輩起業家などのメンターも配置され、スモールオフィスの入居者も増えそうです。経済観光局との協議の上で、メンターの講義やオフィス入居者への学生のインターンなど、学生の実地修練の場としても活用してはどうでしょうか。研究室やゼミのような座学だけでは経験できない学びの場となるはずです。
 第4に、経済観光局では起業家支援としてスタートアップ企業への伴走支援事業等を展開しています。ビジネス専門学校の卒業生に、この支援の枠組みを優先的に配慮する仕組みがあれば、ビジネスの最初の入口から実際の起業家としてのスタートの地点まで、一貫したビジネスリーダー育成体制ができ上がります。経済観光局と教育委員会との緊密な連携で、地元優先の人材発掘、育成を行っていただきたいと思いますが、いかがでしようか。
 以上、1点目から3点目について教育長に、4点目については経済観光局長にお尋ねいたします。
         〔遠藤洋路教育長 登壇〕

◎遠藤洋路 教育長  総合ビジネス専門学校について、3点お答えいたします。
 まず、総合ビジネス専門学校の出願倍率については、近年低下傾向にあり、令和2年度には定員割れの0.90倍となるなど、厳しい状況にありました。
 そこで、高校・専門学校改革の理念を先取りする形で教育課程を見直し、面接や志望理由書で評価する目的意識や意欲を重視した入試制度に改める等の取組を行った結果、令和3年度の出願倍率は1.24倍と上昇し、入学後の生徒の学ぶ意欲や学力が向上するといった成果が出ております。加えて、本年度から社会人入試や市立高校をはじめとした指定校推薦枠、学校長、在学生からの推薦枠を設け、多様な生徒を積極的に受け入れられるよう一層の魅力化を図っております。
 市立高校との連携については、さきに述べた推薦枠設置や千原台高校のビジネス系科目等との教育内容の接続、探究的な学びの共同実施等により学校間連携を強化することで、高校と専門学校での連続した学びの実現を図りたいと考えております。さらに、総合ビジネス専門学校から大学へ編入を希望する生徒への支援体制も構築し、このような取組を中高生や保護者、各学校に広報していく予定としております。
 くまもと森都心プラザについては、起業家同士の交流機能や相談機能等を有しており、その利活用は生徒の育成のみならず教員の指導力向上にもつながると考えられることから、現在、経済観光局と連携の在り方について協議を行っております。その中で、実践的なビジネス教育のさらなる充実を図るため、サテライト教室の設置についても検討してまいります。
         〔田上聖子経済観光局長 登壇〕

◎田上聖子 経済観光局長  私からは、地元優先の人材発掘、育成についてお答えいたします。
 本市では、地域経済の次代の牽引役を育成するため、起業家等の発掘や伴走型支援に加え、市域内外の起業家コミュニティの形成に取り組んでおり、この取組の加速化に向け、現在、くまもと森都心プラザのビジネス支援施設のリニューアルを進め、令和4年4月のオープンに向け準備を行っているところでございます。
 新たなビジネス支援施設におきましては、総合ビジネス専門学校や県内大学の学生、卒業生などを対象にした起業家育成プログラムやメンターとの交流会なども計画しております。
 今後も様々な起業家支援メニューに取り組みますとともに、教育委員会とも連携し、将来のリーダーとなり得る地元の若者の人材育成、発掘に努めてまいります。
         〔15番 山内勝志議員 登壇〕

◆山内勝志 議員  総合ビジネス専門学校でも、既に改善に向け多くの取組を行っておられるようです。その結果、学ぶ意欲や学力の向上という効果が生まれたとのことでした。教育の現場で実際に生徒の変化が感じられたことは、今後進められる計画においても期待が持てます。また、森都心プラザへのサテライト教室の設置も検討されているとのことです。ぜひ経済観光局と前向きに協議を進めて、若者の心に刺さる学校にしてほしいと思います。
 また、経済観光局でも、くまもと森都心プラザのリニューアルを契機に、地元若者のビジネスリーダーとしての人材発掘、育成について、いろいろなプランを練っておられるようです。サテライト教室の開設も含め、教育と経済との連携で一貫した熊本ビジネスリーダー育成体制をつくっていただきたいと思います。
 それでは、最後の質問に移りたいと思います。
 最後に、市役所の組織再編と職員の人員体制についてお尋ねいたします。
 行政の大きな役割の一つに公衆衛生の維持があります。新型コロナウイルス感染症が国内に流入する前にも、ある程度の備えはあったと思いますが、実際に起きたパンデミックに対峙するには、公衆衛生体制があまりにも弱体化していたように思います。新型コロナウイルス感染症対応部署の緊急的な立ち上げや臨時的な人事異動、大量の併任辞令の発令など、これらの取組は対症療法的ではありますが、災害対応としては必要だったと思います。何より個々の職員の頑張りで何とか踏みこたえることができましたが、絶対的な業務量の増加に人が足りないと感じるのは、実際に現場で働く職員だけでなく、多くの市民の方々も感じているところではないでしょうか。
 そこで、まず、組織再編についてお尋ねいたします。
 今回のコロナ禍で特に業務が集中したのが、初動から感染対策に奔走された健康福祉局と、経済対策を受け持った経済観光局であったように思います。特に健康福祉局は、以前から組織と業務量の肥大化が指摘され、過去に子供に関わる組織を分割したこともあります。今回は、国においても同様な議論が交わされています。所管省庁が変わる可能性もあり、いま一度、健康福祉局の組織再編を考える時期が来ていると思います。
 子供行政に関わる組織の在り方とともに、公衆衛生行政の強化についても検討の必要があります。保健所の機能強化は、国の重要施策にも示されています。熊本市は過去に2つの保健所、3つの健康福祉センター体制を持っておりました。本市の過去の組織体制に倣って、再度検討してはいかがでしょうか。
 また、高齢者の課題は多岐にわたりますが、特に介護に関する問題は、今後の地域社会の在り方に大きな影響を与えます。現在は、介護に関わる課題の解決と介護保険制度の安定的な維持が同じ組織で所管されています。問題の大きさから考えても、課単位の規模で対応するには、業務量と職員数のバランスが取れていないように思います。介護の政策部門と保険制度の部門を分けて受け持つことで、今以上に市民に寄り添ったサービスが展開できると考えますがいかがでしょうか。
 職員の人員体制についてお尋ねいたします。
 我が国は、人口減少局面に入り、将来の労働人口不足は深刻です。当然公務員も例外ではありませんし、無計画に人を増やすことはできません。しかし、公務の概念をも変えるようなデジタルトランスフォーメーションが近い将来に想定できたとしても、今の時点では目の前の増え続ける業務量をさばいていくのに、現在の人員体制は十分ではありません。まずは市民サービスの質を担保することが第一優先であることは変わることはありません。そのために、足りないところには充足させるという普通の考え方によって、必要な体制を維持すべきです。
 そこでお尋ねします。
 第1に、職員数を増減する定員管理計画の物差しとなるような基準はあるのでしょうか。また、2年も続き、この先も続くであろうコロナ禍を経験して、今後の人員配置の方針について変更があるのかお聞かせください。
 第2に、感染症対策が主要なミッションとなった保健師、医療逼迫を経験して人員不足が再認識された看護師、また医療的ケア児支援法の施行によって必要となる学校看護師については採用計画の見直しが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
 第3に、専門分野の職員数が先細りしているように感じます。例えば、動物園や動物愛護センターで働く獣医師、今後需要が増える高齢者の口腔ケアなどを行う歯科衛生士、児童相談所の社会福祉士などの資格免許職のほか、例えば環境工場の機器操作や動物園の飼育業務など、特殊な知見や技術が必要な専門職には、持続的に業務をつなげられる人員体制が必要だと思います。
 第4に、持続可能で良質な市民サービスを提供するためには、市民目線から見た人員の配置が必要だと思います。例えば、高齢者世帯等のふれあい収集や区役所の環境衛生部門、学校や保育園の給食栄養士など、市民サービスの質を低下させないためには人件費抑制だけにとらわれない人員計画が必要です。
 第5に、多くの自治体で業務の民間委託化を進めてきた結果、自然災害や感染症蔓延等の有事の際に職員不足が露呈する状況があります。さらに、業務が繁忙になればなるほど人が足りない悪循環となり、また委託が増える。結果として、不必要な委託化が進むことも懸念されます。委託化を進めるに当たっての一定の線引きなどはあるのでしょうか。特に、基本計画や重要施策等の企画立案の場面においては、委託に頼ることなく職員の力が十分発揮できなければいけません。政策の企画立案を行う職員のスキル維持について、どのような育成方針を持っているのかお聞きします。
 以上、組織再編については健康福祉局長に、職員の人員体制については総務局長にお聞きします。
         〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕

◎石櫃仁美 健康福祉局長  健康福祉局の組織に関する御質問にお答えいたします。
 健康福祉局は、誰もが生涯を通じて健やかに生きがいを持って暮らせるよう、保健、医療、福祉、子育て等の施策に取り組んでおりまして、幅広く市民生活に密着した業務を所管しているところでございます。組織体制の在り方につきましては、子ども庁の創設を検討している国の動向も踏まえ、必要に応じて関係局と協議してまいります。
 次に、保健所の機能強化につきましては、現行の各区役所との連携、協力体制を基本としつつ、専門職の育成や適正な配置等をはじめ、感染症拡大時の人員体制の強化や緊急時等の柔軟な組織体制の運用など公衆衛生行政全般の機能強化に向けて、今後、新型コロナウイルス感染症対策の検証を行っていく中で研究してまいります。
 最後に、高齢者の福祉に係る組織につきましては、令和元年度に高齢介護福祉課を、事業の着実な推進を図るため、高齢者に係る総合的企画及び調整を行う高齢福祉課と、介護保険制度の円滑な運営を推進する介護保険課へ再編したところでございます。高齢化の進展に伴い、複雑化、多様化する高齢者に関する課題につきまして、今後より一層の取組を進める必要性がありますことから、介護保険課の再編につきまして、高齢者分野の組織体制の在り方も含め、総合的に検討してまいります。
         〔宮崎裕章総務局長 登壇〕

◎宮崎裕章 総務局長  職員の人員体制に関する質問に、順次お答え申し上げます。
 まず、定員管理計画につきましては、総務省が示す定員モデルを参考にしながら、既存の職員数をベースとして、新たな行政課題への対応に伴う人員を増員する一方で、民間活力の活用により人員の削減を図るなど、計画期間における人員の増減を見込みながら策定しております。
 人員管理に当たりましては、社会情勢の変化や新たな重要課題等に、迅速かつ柔軟に対応することが肝要でありますことから、定員管理計画は、行政運営に必要な人員の確保に十分に意を用いながら、適時適切に見直しを行うこととしております。
 次に、免許資格職等に関する質問についてお答えします。
 保健師や看護師、社会福祉士等については、現場の実情に応じた計画的な採用を行いますため、引き続き関係局の意見を聴きながら、必要な人員確保に努めてまいります。また、清掃関連業務や給食調理、動物の飼育業務など、技能労務職員が従事する業務については、民間活力の活用等を図りながら、必要な体制確保に向け、引き続き検討を行ってまいります。
 最後に、職員のスキルに関する質問についてお答えします。
 各種基本計画や重要施策の策定においては、基礎調査や分析を外部委託することはありますものの、企画立案や政策形成等については、職員自ら行っております。このようなことから、職員の政策形成能力等の向上のため、外部講師の招聘や中央省庁、自治大学校等への職員の派遣を通じて、必要な能力や技術の習得のための研修に取り組んでおります。加えまして、OJTを通じて、ベテラン職員からの知識やノウハウ等の継承を行いますとともに、人事異動スパンを長めに取ることなどにより、経験の蓄積を図っているところでございます。
 引き続き、このようなことを着実に行いながら、職員の育成に取り組んでまいります。
         〔15番 山内勝志議員 登壇〕

◆山内勝志 議員  健康福祉局の再編について、3つの観点からお答えいただきました。
 子ども政策部門については、国の動向に十分注視する必要もありますが、先んじて本市独自でも十分な御検討をお願いいたします。
 保健所の機能強化についてですが、まずは専門職をはじめとした人員体制の充足に尽きると思います。その上で、平常時と緊急時に柔軟に対応できる体制については、今回のコロナ禍を教訓に実現可能な体制を築いていただきたいと思います。
 また、行政が取り組む介護関連の仕事は、高齢化の進展で大変広い範囲に及んでおります。当然、介護保険制度の円滑な運営は最重要項目ですが、より広い視点で介護政策を展開できるような組織の在り方について御検討をお願いいたします。
 職員の人員体制についてですが、定員管理の基本スタンスを簡単に言うと、行政需要が高くなれば増員するが、その代わりに別の職場を民間委託して人員削減をするというようなふうに感じます。人数は増やさずに全体的な行政サービスは一定を保つので、一見合理的なように見えますが、結果として職員を先細りさせてしまう計画になるように感じます。どこまで細くしていくのでしょうか。このような方針で、本当に住民サービスは満たされるのでしょうか。随時、見直しを行っていくとのことですが、現状はまさに見直すときではないでしょうか。
 保健師、看護師は、現場の実情に応じた計画的な採用を行うとのことです。ぜひとも保健所や病院での実情を踏まえた採用増員を行っていただくことを期待します。
 また、学校等への看護師配置については、医療的ケア児支援法の趣旨にのっとって、適切な採用配置をお願いいたします。
 専門的分野の資格免許職や特殊な技能が必要な専門職については、今後、市の業務方針をしっかり立てて、技術伝承の必要性や職員の高齢化を念頭に採用計画を立てていただきたいと思います。
 市民サービスの低下が生活の質に直結するような業務では、特に良質なサービスを持続的に提供することが優先されます。技能労務職員の数を削減させること自体を目的にするような民間委託の推進であるならば、サービスの質は担保できないように思います。政策等の企画立案における職員のスキル維持は大変重要な課題だと思います。内部研修などの体制を充実させる必要もありますが、採用に当たっても、民間大手や国家公務員、ほかの自治体に先んじて優秀な人材を採用できるように、採用の在り方も御検討いただきたいと思います。
 これで、私が準備した質問は終わりました。真摯に御答弁いただきました執行部の皆様にお礼申し上げます。また、傍聴においでいただいた皆様、インターネット中継を御覧になっていただきました皆様に感謝いたしまして、私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。(拍手)
      ────────────────────────────

○原口亮志 議長  この際、議事の都合により休憩いたします。
 午後2時に再開いたします。
                            午後 0時04分 休憩
                            ───────────
                            午後 2時00分 再開

○原口亮志 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。
      ────────────────────────────

○原口亮志 議長  一般質問を続行いたします。
 田中敦朗議員の発言を許します。田中敦朗議員。
         〔28番 田中敦朗議員 登壇 拍手〕

田中敦朗 議員  皆さん、こんにちは。熊本自由民主党市議団の田中敦朗です。
 本日は、私、ちょっとテンションが上がっておりまして、その理由は、皆さん御存じのとおり、昨日、ロアッソ熊本がJ3優勝とJ2昇格を果たしたからです。昨日は予定がありスタジアムで歓喜を共にはできませんでしたが、J2の復帰をかみしめながら、本日の質問を行っていきたいと思います。
 最初に、予算改革について、市政のさらなる見える化についてお伺いいたします。
 今現在、熊本市においては、次年度予算の提示とともに、各局からの概算要求と、それに対する財政局の査定が配布され、各局各課が次年度予算において何を考え、何をなそうとしているか、取り組みたいけれども、現状では厳しいと判断されて実現できなかったものなどが、ある程度見えるようになっています。
 我々議員としては、それを確認し、質問や質疑を行い、チェックや提案をしていますが、各局各課とのヒアリングなどの際に、編成にのせられない意向や考えをお伺いすることがあります。私としては、人、物、金、熟度が足りないため編成にはのせられないけれども、各課が課題として考え、取り組むための準備をしているという部分も見えるようにしていくべきだと考えます。それが市役所と議会の課題の共有や連携を深めることにつながると考えるからです。
 財政課に確認したところ、予算の編成前段階でブラッシュアップミーティングを各課と行っているとのこと。熊本市各局各課の方向性をさらに明らかにしていくために、その部分も公開すべきと考えますが、大西市長のお考えをお伺いします。
         〔大西一史市長 登壇〕


◎大西一史 市長  市税等の大幅な増額が見込み難い中で、上質な生活都市の実現に向けた取組や、新型コロナウイルス感染症対策など様々な行政課題に対応していくため、予算の質の向上を図り、より一層事業効果を高めていく必要があると考えております。そのためには、日頃から市民の皆様や事業者の御意見、さらには国の施策の動向など幅広く情報を収集し、早い段階から様々な視点で検討を加えるとともに、エビデンスに基づき事業を構築、実施することが重要と認識しております。
 議員お尋ねのブラッシュアップミーティングは、予算の質の向上に向けた取組の一つとして、平成30年度から実施しており、具体的には10月中旬の予算要求に向け、7月~9月までの期間、各事業が抱える懸案事項について、財政課を含む関係課の実務担当者が共に考える場として開催しているものでございます。制度開始からこれまで、年平均で35件程度開催しておりまして、具体的な事例としては、それまで一律となっていた地域コミュニティセンターの指定管理料について、施設の利用状況等に応じて8つに類型化するなどの見直しにつなげた実績がございます。
 議員御提案のブラッシュアップミーティングの結果の公開については、正式な予算要求前でありますため、利害関係者との調整が完了していないものや、検討段階の組織改編などアイデアレベルの案件が含まれる等の課題もありますことから、これらを踏まえまして検討してまいりたいと考えております。
         〔28番 田中敦朗議員 登壇〕

田中敦朗 議員  ブラッシュアップミーティングは、市役所や各局各課の課題意識や、やる気の表れだと思っています。それを我々議員や市民が知ることで後押ししたり、もっとよい方法を提示したりすることができるようになるのではと考えています。おっしゃるとおり軽々に表に出せない案件もあると理解しておりますが、ぜひ検討を重ねて、やる気まで見える市役所の実現をお願いしたいと思います。
 続きまして、和光市の公会計制度、予算仕訳についてお伺いいたします。
 和光市においては、複式簿記と官庁会計との連携を図った公会計対応の予算仕訳を行っています。通常、決算時に仕訳変換を行い、歳出と資産に分けます。本市もこの対応をしております。この仕訳変換について細説を見直し、予算科目と仕訳科目を一致させ、途中で仕訳変換をしなくてもよいようにするという仕組みです。
 これを行うことで何がよくなるかといいますと、最初から仕訳を行っているので決算時の予算仕訳が必要なくなるということ、財務データに基づき資産管理を行うので、漏れなく適時に資産を把握できるようになること、職員に複式簿記の基礎知識や、ある程度の会計常識がないと、この制度の運用ができませんので、導入すれば結果として市役所全体の会計的なレベルが上がることが挙げられます。また、この制度を実施し、常に新しく正しい固定資産台帳を公開することで、予算査定の質向上、国などからの問合せに対する事務の効率化、指定管理者が変更になった場合のスムーズな引き継ぎ、財政の概況の把握の容易化、民間からの市の実態に即した提案営業の的確化、固定資産を通じての市政の課題の洗い出しができるなどの効果も見込めます。
 和光市の人口は8万人、令和3年度当初予算282億円と、規模が熊本市の約10分の1と言うことで、熊本市が実現するまでの手間は10倍以上かかると想定されますが、十分取り組む価値があると考えます。
 財政局長のお考えをお聞かせください。
         〔田中陽礼財政局長 登壇〕


◎田中陽礼 財政局長  地方公会計制度への対応等につきましては、本市では単式簿記・現金主義会計を補完するものといたしまして、平成28年度決算分から複式簿記・発生主義に基づく財務書類を整備いたしました。また、事業担当課や財政課等におきましては、整備した固定資産台帳を活用いたしまして、減価償却費を加えた施設別の行政コストや運営状況等の把握のほか、施設使用料の見直しや公共施設マネジメント等に取り組んでいるところでございます。
 システムにより仕訳を行う和光市の仕組みの導入につきましては、実施した場合の膨大な移行作業の影響や、財務会計システムの改修にコストを要すること等が想定されるものの、一方で、議員御提案の職員の会計知識の向上という視点は大事な視点であると認識しておりまして、その手法等について検討を行ってまいります。
         〔28番 田中敦朗議員 登壇〕

田中敦朗 議員  御答弁ありがとうございました。
 財務局長の答弁には、膨大な移行作業の影響とありますが、和光市さんに確認してみますと、導入時にはそれなりの手間はかかったようでありますが、それぞれの課で取り組んでいくので、そこまでの大きな手間はなかったといったような話でございました。システム改修には、熊本市の場合、多額のお金がかかりますので、その点はよく分かります。次の改修までの間、じっくり研究をお願いしたいと思います。
 質問でも申し上げましたが、これを導入すると、否が応でも職員の皆さんは会計常識と複式簿記の基礎知識が必須になって、結果的に市役所全体のレベルが上がりますので、私はぜひ前向きに検討してほしいなと思っております。そうせざるを得ない状況にならないと行政はなかなか変われませんので、ぜひお勧めしておきます。局長の答弁から、会計知識の向上は大事であると思ってくれたようですので、そういった取組にも今後期待しておきます。
 続きまして、成果連動型民間委託契約の活用についてお伺いいたします。
 その中でも今回は、屋外広告物のチェックと登録について御提案させていただきます。
 熊本市では、都市景観、自然景観などの地域の環境と調和し、安全な屋外広告物の提出のため、熊本市屋外広告物条例を制定し、平成8年4月1日から実施しています。今現在、熊本市内の広告物は、この条例に基づいて設置されています。つまりルールや手続がちゃんと存在しているのです。しかし、それが守られておらず、未登録の屋外広告物が存在することがあります。条例を制定している以上、行政としてはそれに基づいて業務を執行し、ルールを守ってもらわなければなりませんが、はっきり言って、今の体制では、この広い熊本市の各地の広告物をチェックできないのが実情です。また、市役所の職員の皆さんに看板のチェックをしてもらうというのは、費用対効果を考えればもったいないのであり得ません。
 そこで、この成果連動型民間委託契約を導入してはいかがでしょうか。屋外広告の専門家である屋外広告業の方に、違反屋外広告物のチェックと未登録看板のチェックと報告をしてもらい、その報告数に応じて報酬をお支払いするというものです。この制度の導入に当たって、報酬の設定や悪質な未登録看板に関しては過料を科すことによって、これまで条例がありながら、一部適正な執行ができていなかった屋外広告の状態を正常なものにすることができると考えます。
 そこでお伺いします。
 屋外広告物に対する熊本市の認識と今後に向けての現在の取組、成果連動型民間委託契約の導入について、都市建設局長の答弁を求めます。
         〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕


◎井芹和哉 都市建設局長  本市で許可申請により設置されます屋外広告物は、毎年約1万個あり、全体では約3万個程度存在しております。これらの許可期限であります3年が近づきました際には、不許可物件とならないよう事前に文書で更新手続を促しているところでございます。また、日頃から職員による違反広告物の除却に取り組みますとともに、国や県と連携した一斉指導等を行っておりますが、違反広告物は後を絶たず、その対応策が課題となっております。
 そこで、現在、民間の屋外広告物の大きさや色彩等に対する市の誘導方針や、無許可の設置を防止する方策等を示すガイドラインについて、広告業団体等と協議し、景観審議会に諮りながら策定を進めているところであり、その中で、議員御提案の成果連動型民間委託契約等につきましても検討してまいりたいと考えております。
         〔28番 田中敦朗議員 登壇〕

田中敦朗 議員  都市建設局におかれましては、ぜひ適正な屋外広告物行政が実現することを期待しております。こういった委託契約を行わなくとも、登録看板のネットでの公開や看板設置者と事業者に対して意図的な未登録に対する大きめの過料を科せば、なくなる可能性は高いかなと思いますので、様々な手法をじっくり御検討していただきたいと思います。
 今回、成果連動型民間委託契約の質問をしたのは、ソーシャルインパクトボンドの紹介をしたかったということもあります。ソーシャルインパクトボンドとは、成果連動型支払契約と民間資金の活用を組み合わせた官民連携手法の一つであります。2010年にイギリスで始まりました。サービス提供者のサービス提供費用について、民間資金提供者から資金調達を行い、行政と事前に合意した成果目標を達成できれば、後から成果に応じて報酬を支払うという仕組みです。導入にはいろいろなハードルがありますが、今般の社会課題が山積している中で、課題解決に向けて様々なエビデンスを積み上げるには有効な手法であり、民間が資金を調達するということで、行政の当初の資金の準備が要らないというようなメリットも考えられます。国内でも、予防医療や認知症対策で導入事例がありますので、ソーシャルインパクトボンドについてもぜひ行政の方で調査検討の上、御活用いただければと思います。
 続きまして、令和時代の市庁舎の考え方についてお伺いいたします。
 今現在、市庁舎の在り方については、有識者会議の中で議論が行われており、その行く末を見守っている状況ではありますが、私は以前、市の担当の方に、あらゆる手法を検討して、予算的にも、機能的にも、施設マネジメント的にも最も市民のためになるものを提示し、どのような検討をしたか教えてくださいとお伝えしました。まだ何の結論も出ていない状況なので、いかんともし難い状況ではありますが、固まっていない今だからこそ、私なりの私案をもって提案したいと思います。あくまでも一議員としての御提案ですので御理解ください。
 市長がゼロベースで見直すと言われるまでの市の検討では、改修でイニシャルコスト222億円、建て替えで約400億円かかると説明されていました。そもそも、私はこの建て替えが、これまでどおり全ての局課をできる限り集中させようとする既存の教えにとらわれていたものだったと考えています。新型コロナウイルス感染症で、様々な変容が起こっている中で、令和という新時代の新たな考え方に、行政も変えていかなければならないと思います。
 それがICT、民間テナント、市有資産、PFIの有効活用です。顔を合わせることは大切、大事でありますが、感染症の影響で、ICT技術を活用すれば集まらなくても庁議や会議ができることが証明されました。また、市長や議員の皆さんはよく御存じでしょうが、国の役所は省庁ごとに別々の建物に入っています。つまり、別に一緒の大きな建物の中にいなくてもよいということです。実際、熊本市においても、健康福祉局の一部、交通局や上下水道局、消防局、病院局は別途ですが、特段の支障は感じません。
 また、これも感染症の影響ですが、中心市街地に現在、多数の空きテナントがあります。長期で借りれば安く借りられるのではないでしょうか。テナントを借りると割高に感じるかもしれませんが、施設の維持、管理、補修の手間が省けます。維持、管理、補修は貸主さんに要求をすればよいので安心です。貸主さんも、行政に貸すのであれば、支払いの不履行の心配がないので安心です。市街地に各局が入れば空洞化も防げます。
 また今現在、南区の小中一貫校の計画が進んでいます。その学校が完成すれば空き校舎が3つできる。文部科学省や地域住民の皆さんの御理解を得てからの話ですが、来客の少ない局はそこに入ってもらえば、校舎は耐震改修も済んでおりエアコンもついていて、部屋も分かれているので感染症についても安心です。また、市庁舎建て替えであろうが改修であろうが、その間はその3つの校舎をオフィス仕様に改修し市庁舎として一時的に活用すれば、リースやテナント入居などの費用は抑えることができます。市庁舎建設、もしくは改修が終わった後は、校舎はオフィス仕様に改修していますので、企業誘致にも、民間活用することもできるので一石二鳥です。それ以外にも、探せば利活用できる市有スペースはあるのではないでしょうか。
 最後になりますが、PFIの活用です。現在の熊本市役所手取本町1-1に建物を建てるとするならば、1階の一部を区役所、地下1階と3階まで商業施設、耐震を考慮しつつ水害の影響を考え機械室などを配置し、5、6、7階に議会と市長室、政策局、総務局、財政局、8階より上は、5つ星ホテルやテナントを入れるようにしてはいかがでしょうか。県外や海外からのお客様をお迎えするのに、やはりこのお城の前の手取本町1-1は最大のおもてなしになるのではないかなと思いますし、これまで述べたとおり、ほかの局が一緒にいる必然性はないと考えます。また、PFIのうちBTO方式を導入すれば、資金調達から維持管理も民間にお任せできるのでよいと思います。行政が建てない場合にも、1階の一部と5、6、7階に市役所が入るという条件つきで土地を貸して、民間にビルを建ててもらうという手法も考えられます。賃貸料を払うことにはなりますが、民間にとってはそれがリスクヘッジになります。
 これまで申し上げたようなありとあらゆる手を使えば、400億円はかからずに、新たな災害に強い熊本市の体制は築くことができるのではないでしょうか。発災時に必要になってくるスペースがあるという主張についても、大災害発生時には、議会の委員会室を中央省庁、自衛隊、警察、他自治体の方々に活用してもらうことで、その確保が図れるのではないでしょうか。
 あくまでも私の勝手な考えで、実行するのは市長以下、市役所の皆さんになります。執行部の皆さんの心情を慮りますと、簡単に言ってくれるな、そんな単純ではないんだよといったところでしょうか。
 それを理解した上で、あえてお伺いいたします。
 ICT、民間テナント、市有資産、PFIの有効活用をして、これまでの一極集中から脱却を図り、ありとあらゆる手段を講じて新たな市役所像を描くことについて、市長のお考えをお伺いいたします。
         〔大西一史市長 登壇〕


◎大西一史 市長  本庁舎等の整備につきましては、多角的な視点で、慎重に検討を重ねるべき事業であると考えております。
 そこで、本年、熊本市本庁舎等整備の在り方に関する有識者会議を設置し、本庁舎等の整備の在り方について諮問したところでございます。この中では、議員御指摘の資産マネジメントの観点からも御審議をお願いしており、新たな手法、発想も含め様々な観点から御審議いただきたいと考えております。
 いずれにいたしましても、まずは有識者会議において予断を持たず、建て替えの是非を含め、客観的かつ専門的な立場から御審議いただきたいと考えております。
         〔28番 田中敦朗議員 登壇〕

田中敦朗 議員  文献によれば、IQ的な賢さと合理的判断を下す能力はほとんど相関せず、むしろ賢い人ほど自身を正当化する証拠を上手に集めるために、悲惨な非合理性、インテリジェンス・トラップに陥るそうです。賢さと正しい判断を下す能力は別と言われれば、人類の歴史を顧みれば、確かにそうだなというふうに思う次第です。このことを知った後に考えたことですが、組織のトップの決断を、それに課題があろうともトップの決断だからと盲信し、または反論できない空気が存在し、それが粛々と進み、結果として無駄や負の遺産が残ってしまう、行政のガバメント・トラップが存在してしまうのではないかと思います。市庁舎に関しては、答弁していただいたとおり有識者会議において建て替えの是非を含めて検討されるとのことですので、これには当たらないとは思います。
 大西市長におかれましては、熊本地震や新型コロナウイルス感染症対策で、自らが思い描く市の姿を実現するための政策実行が思うように進まず、73万市民に対する責任や市長という職責の重さから、心身ともに大変なストレスにさらされているとは十分お察しいたしますが、御自身の県議時代や秘書時代、サラリーマン時代を思い出しながら、御自身がガバメント・トラップに陥ることのない市政運営を続けられますことを切に願っております。
 有識者会議についてですが、委員に就任いただいている先生方はすばらしい方ばかりです。また、熊本市の職員の皆さんも、これまでの14年間で、優秀で能力の高い方々だと思っております。建て替えにせよ、改修にせよ、議会も市民も納得のできる結論や、今回提案した私の考えを上回るようなすばらしい計画が出てくることを期待して次に移ります。
 プロジェクトマネジメントオフィスの活用についてお伺いいたします。
 プロジェクトマネジメントオフィスとは、一般的に業務、システムの最適化を推進する全体管理組織、組織内における個々の事業の支援を横断的に行う部門や構造システムを言います。
 各課の事業において、当事者になってしまうと前例や慣例によって事業の改善や推進がうまくいかないことや、適正な人事配置がなされないことによって業務の滞りが起こってしまうことがあります。また、やらなくてはならないと理解はしているものの、大きな問題となっていないために後回しになってしまう案件もあります。そういった変えなくてはならないけれども、手をつけられていないものに対して手をつけ効率化していくのもプロジェクトマネジメントオフィスです。
 熊本市において、例を挙げるとするならば債権管理課でしょうか。各課の債権の現状や債権回収を適正にできているかを把握し、できていない場合は代わりに行い、各課ができるように支援するというところはプロジェクトマネジメントオフィスを理解する上では分かりやすい事例だと考えます。
 熊本市においては、情報分野でプロジェクトマネジメントオフィスを活用されていると聞いています。多岐にわたる事業を抱える熊本市において、令和時代の行政組織として、よりよい組織の在り方や事業の高度化を図るために、情報分野以外においても、プロジェクトマネジメントオフィスを導入してはどうでしょうか。
 総務部長のお考えをお伺いいたします。
         〔宮崎裕章総務局長 登壇〕


◎宮崎裕章 総務局長  本市では、以前、情報分野においてプロジェクトマネジメントオフィスを活用したところでございます。具体的には、複数の事業者や分野にまたがるシステムの再構築に当たり、企画や設計、運営の各工程における全体調整や管理などを行ったものであります。
 プロジェクトマネジメントオフィスの活用は、複数にまたがるプロジェクトの横断的な管理などにおいて効果的でありますことから、今後、情報分野以外での活用についても検討してまいります。
         〔28番 田中敦朗議員 登壇〕

田中敦朗 議員  総務局長の答弁にもありました、プロジェクトマネジメントオフィス設置の効果を詳細に分かりやすく申し上げますと、事業の状況の可視化、コミュニケーションの促進、コスト削減、意思決定支援と言えます。組織の潤滑油、全ての人が動きやすく、プロジェクトを成功に導く基盤を構築する役割を担います。分かりやすく申し上げますと、学校の文化祭の実行委員みたいなものと思っていただくとイメージがしやすいのかなというふうに思います。
 熊本市は、何十もの計画を抱えています。そういった計画を抱え、縦割りの弊害からお互いの抱える計画にそぐわない、整合性の欠けた取組を行ってしまうことがある行政には必要不可欠なものだと考えますので、存分に研究されて、ぜひ取り入れていただければと思います。導入が難しいと判断した際にも、プロジェクトマネジメント標準の導入とプロジェクトマネジメント人材育成を行うと、組織の活性化が図られますので、こちらもぜひ研究していただくようにお願いして次に移ります。
 労務監査の導入についてお伺いいたします。
 労務監査とは、労働関係法を中心とする法令が、組織内で守られているか調査を行うことです。法定ではなく任意ですので、定期的に行っている会社はそんなに多くはありません。
 なぜ、私が労務監査の導入を聞くかといいますと、1つには、熊本市がブラック企業になっていないか客観的に監査し、正当性を担保すべきではないというのが1点、もう一つは、現在多くの施設を指定管理者に委託していますが、そういった施設の労働環境が適正かどうか、熊本市は発注者として確認しておくべきであると思うからです。同時に出資している団体についても、労務監査をしてもらった方がよいのではと思っています。
 地方自治体という法を守らなくてはならない行政機関として、自らを律することは当たり前のことではありますが、それが容易ではないということは、これまで起こった様々な事象が証明しています。
 実際に先行事例として、東京都港区においては、指定管理者制度導入施設に社会保険労務士が労働環境モニタリングを行っていますし、広島県においては指定管理者選定委員会に社会保険労務士が入っています。また広島県では、建設工事や測量、建設コンサルタント等業務に係る低入札価格調査制度を平成28年度から導入し、工事完成後調査として、社会保険労務士による労務監査が導入されています。
 そこでお伺いします。
 一定の予算はかかってしまいますが、社会保険労務士の協会などに委託を行い、熊本市本体や出資団体、指定管理者制度導入施設に、定期的に労務監査を行ってはいかがでしょうか。また、広島県のように指定管理者選定委員会へ社会保険労務士の参加を進めたり、熊本市の独自政策として指定管理者への入札資格の中に労務監査を受けているかを入れてもよいと思いますが、現在の熊本市の考えを総務局長にお伺いいたします。
         〔宮崎裕章総務局長 登壇〕


◎宮崎裕章 総務局長  本市職員の給与や勤務時間、休暇などの勤務条件につきましては、条例や人事委員会規則等の関係規定に基づき、労務管理を行っているところでございます。例えば、時間外勤務の事前命令や、土日祝日の勤務を原則禁止するなど、勤務時間管理の徹底のための対策を講じているところでございます。さらには、労使で構成する安全衛生委員会による職場点検や、関係機関等からの助言を基に、職場環境の維持改善にも取り組んでいるところでございます。
 また、指定管理者については、選定時における評価項目や、毎年度実施するモニタリング時のチェック項目に、労働福祉の状況を設定し、労働保険の加入の有無など、労働関係法令の遵守について確認しているところでございます。
 今後、指定管理者や出資団体も含めたさらなる適正な労務管理に向けまして、外部の視点による検証を加える効果や必要性などについて研究してまいります。
         〔28番 田中敦朗議員 登壇〕

田中敦朗 議員  総務局長から御答弁いただきました。
 総務局長は、労務管理をしっかり行っているとおっしゃっておりますので、つまり第三者にチェックされても大丈夫であるということだと私は思っていますので、ぜひ今現在の労務管理体制について、専門家の目から見てどうなのか、ぜひ確認をしてさらなる改善ができないかどうかアドバイスしてもらうことをお勧めいたします。
 また、指定管理者への労務監査については、モニタリングである程度の適正な労務管理の担保ができるかもしれませんが、やはり熊本市の発注者責任を全うするためにも、専門的知識を有した方にしっかり監査をしてもらうべきであると、強く申し上げたいと思います。実際、東京都港区においては、5年の指定管理者の期間があるところでは2年目に、10年の場合は2年目と7年目に労務監査に入っています。そういった定期的に労務監査に入ることによって、指定管理を受けた事業者は、労務監査が入るという意識の中で、働いている方々に対してしっかりとした環境を提示し、提供していくということにもつながります。働いている方々の幸せと、発注者としての責任を十二分に果たしていくためにも、ぜひ労務監査の導入に関しては御検討を重ねてお願いしておきます。
 続きまして、家庭ごみ収集の在り方についてお伺いいたします。
 現在の収集体制につきまして、熊本市の月の収集回数は、燃えるごみが週2回、プラスチックごみが週1回、紙ごみが週1回、資源物が月2回、ペットボトル月2回、埋立てごみ月2回、特定品目月2回となっており、全部で月に約24回、市内各地を収集業者の方が回っています。新型コロナウイルス感染症で外出できない中で、家庭内で最近、ごみ出し係として、定着してきました私は、うちでは紙ごみは毎週出すであろうか、資源物や埋立てごみや特定品目は2週間に1回出すであろうかとふと思いました。
 そこで、一番近くの政令指定都市である福岡市のホームページを確認してみたら、驚きました。福岡市は、燃えるごみ週2回、燃えないごみ月1回、空き瓶、ペットボトル月1回の収集体制だったのです。全部で月10回、熊本市の半分以下です。分別も半分以下で行っています。少なければいい多ければいいという問題ではなく、環境に配慮するとか、CO2削減であるとか、持続可能な社会を実現するなどの意義は大きいにしても、大都市福岡がこの体制でできるのであれば、熊本も工夫次第で回数が減らせるのではないかと思うのは私だけではないはずです。
 担当課から聞いた話では、最近では、市民の方からペットボトルの収集回数を増やしてほしいという要望が来ているそうですが、私はむしろ、ペットボトルなどは回収回数を減らして、ペットボトルの消費を抑える方向に動いた方がよいのではないかとも思います。収集体制の見直しは、市民の生活に直結していますので、軽々には変えられないと理解していますが、今の体制が本当に熊本市の未来のためになっているかを検証、検討し、必要な回数を導き出しスリム化を行い、見直して予算が浮いた分をごみ減量の取組や、ふれあい収集の拡大に回した方が持続可能な社会に近づきますし、市民サービスの向上につながると考えます。
 そこでお伺いいたします。
 現在の熊本市のごみ収集体制が適正だと考えるか、今後見直してさらなる市民サービスの向上や、持続可能な社会に近づくような政策を手厚くしていくべきだと考えますが、環境局長のお考えをお伺いいたします。
         〔三島健一環境局長 登壇〕


◎三島健一 環境局長  本市における家庭ごみの収集回数は、1998年から開始した、燃やすごみ週2回、紙週1回、資源物と埋立てごみ月2回がベースとなっております。その後、ペットボトルやプラスチック製容器包装の分別収集の開始に伴い、新たに収集日を設け、さらには蛍光管やガス缶、スプレー缶などを分別収集する特定品目の日を設定いたしました。このように、リサイクルの推進とともに、市民の皆様の安全性や利便性向上の観点から随時見直しを行い、現在の分別区分と収集回数となっております。
 議員御指摘のとおり、持続可能な社会の構築を目指す中で、ごみ収集体制の在り方につきましては、ごみ減量の取組や高齢化社会における排出困難者への対応など、様々な観点から常に検証を行うことが必要と考えます。
 このことから、現在のごみの収集回数や品目については、ごみステーションの管理に多大な御尽力をいただいている自治会をはじめとする市民の皆様の御意見を丁寧に拝聴し、ごみ出しに伴う利便性の向上と効率的なごみ収集体制確立の両立に向けて、課題を整理しながら、あるべき姿を模索してまいりたいと考えております。
         〔28番 田中敦朗議員 登壇〕

田中敦朗 議員  御答弁ありがとうございました。
 今後、検討していただくということで、ぜひ市民の皆さんの御理解をいただきながらやっていっていただきたいと思いますけれども、交通政策になりますが、例えば外国においては、3車線あるうちの1車線をバス専用のレーンにすることで、一般の乗用車が不便になるという形をもって、公共交通の方に移動させるというような政策もありますし、イギリスにおいては、自動車のナンバーによって市街地に入れる日にちを変えるといった政策を行っています。
 このごみの問題に関しても、そういった不便を通じて市民に啓発するといったような手法も、ある意味考えていくような時代になってきているのではないでしょうか。これまでのような右肩上がりの経済から、人口減少、高齢化の時代になっていく中で、政策の取捨選択をしていかなくてはなりませんし、戸別収集をしてほしいとずっと申し上げましても、やはり財政的な面からなかなかできない。であればこそ、市民が今求めているごみ収集の体制を、環境局として本当に必要な回数、本当に必要なものをつくり上げていくということが、熊本市の行うべきことであるというふうに思っております。今後の環境局の動きに期待しています。
 さて、本日準備してきた質問は全て終わってしまいました。序盤、早口になってしまいまして、お聞き苦しかったのではないかなと思います。初めての1時間の質問でしたので文字数等も考えながらやったんですけれども、次からは、あと1項目か2項目増やしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 今回の質問のテーマは、新たな仕組みややり方を導入して効率化、課題解決、組織の進化を図るというものでした。社会の変化のスピードが加速する中で、地方自治体も変化していかなくてはなりません。しかし、そのための予算も人員も十分ではないと感じています。本日の質問を参考にされて、ぜひ市役所のレベルアップを図っていただきたいと思います。
 結びに、傍聴に足を運んでいただいた皆様、そしてネットでの視聴をしていただいた皆様、御対応いただいた執行部の皆さん、そしてこの機会をいただきました先輩、同僚の議員の皆さんに感謝申し上げ、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

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○原口亮志 議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。
 次会は、明7日(火曜日)定刻に開きます。
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○原口亮志 議長  では、本日はこれをもって散会いたします。
                            午後 2時44分 散会


〇本日の会議に付した事件
一、議事日程のとおり





令和3年12月6日
出席議員 48名
      1番   原 口 亮 志        2番   園 川 良 二
      3番   山 本 浩 之        4番   北 川   哉
      5番   古 川 智 子        6番   島 津 哲 也
      7番   吉 田 健 一        8番   伊 藤 和 仁
      9番   平 江   透       10番   荒 川 慎太郎
     11番   齊 藤   博       12番   田 島 幸 治
     13番   日 隈   忍       14番   吉 村 健 治
     15番   山 内 勝 志       16番   緒 方 夕 佳
     17番   高 瀬 千鶴子       18番   三 森 至 加
     19番   大 嶌 澄 雄       20番   光 永 邦 保
     21番   高 本 一 臣       22番   福 永 洋 一
     23番   西 岡 誠 也       24番   田 上 辰 也
     25番   浜 田 大 介       26番   井 本 正 広
     27番   藤 永   弘       28番   田 中 敦 朗
     29番   紫 垣 正 仁       30番   小佐井 賀瑞宜
     31番   寺 本 義 勝       32番   原     亨
     33番   大 石 浩 文       34番   村 上   博
     35番   上 田 芳 裕       36番   那 須   円
     37番   澤 田 昌 作       38番   田 尻 善 裕
     39番   満 永 寿 博       40番   田 中 誠 一
     41番   津 田 征士郎       43番   藤 山 英 美
     44番   落 水 清 弘       45番   倉 重   徹
     46番   三 島 良 之       47番   坂 田 誠 二
     48番   白河部 貞 志       49番   上 野 美恵子

説明のため出席した者
  市長       大 西 一 史    副市長      深 水 政 彦
  副市長      中垣内 隆 久    政策局長     田 中 俊 実
  総務局長     宮 崎 裕 章    財政局長     田 中 陽 礼
  文化市民局長   横 田 健 一    健康福祉局長   石 櫃 仁 美
  環境局長     三 島 健 一    経済観光局長   田 上 聖 子
  農水局長     岩 瀬 勝 二    都市建設局長   井 芹 和 哉
  消防局長     西 岡 哲 弘    交通事業管理者  古 庄 修 治
  上下水道事業管理者萱 野   晃    教育長      遠 藤 洋 路
  中央区長     星 子 和 徳    東区長      津 田 善 幸
  西区長      甲 斐 嗣 敏    南区長      江   幸 博
  北区長      小 崎 昭 也    病院事業管理者  水 田 博 志
  選挙管理委員会事務局長
           岡 村 公 輝

職務のため出席した議会局職員
  局長       富 永 健 之    次長       和 田   仁
  議事課長     池 福 史 弘    政策調査課長   上 野 公 一
 
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